JP3193865B2 - 光学的記録媒体のフォーカス制御装置 - Google Patents

光学的記録媒体のフォーカス制御装置

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JP3193865B2
JP3193865B2 JP05646396A JP5646396A JP3193865B2 JP 3193865 B2 JP3193865 B2 JP 3193865B2 JP 05646396 A JP05646396 A JP 05646396A JP 5646396 A JP5646396 A JP 5646396A JP 3193865 B2 JP3193865 B2 JP 3193865B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、コンパクトディス
クおよびミニディスクなどの光学的記録媒体に記録され
た情報を読出すコンパクトディスク再生装置およびミニ
ディスク再生装置に好適に用いられるフォーカス制御装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】コンパクトディスクおよびミニディスク
などの記録媒体は、光をディスク表面に照射して、ディ
スクに記録された情報を読出すことができる光学的記録
媒体である。この光学的記録媒体から情報を読出す再生
装置では、ピックアップの光源から出力させた光を集光
レンズで集光して、記録媒体の記録層表面に向かって照
射する。このとき照射される光の焦点は、記録媒体の記
録層表面に一致している必要がある。このため再生装置
にはフォーカス制御装置が備えられる。照射される光の
焦点は、フォーカス制御装置によって記録媒体の記録層
表面に常に一致するように調整される。
【0003】フォーカス制御装置は、たとえば記録媒体
に対する集光レンズの位置を変位させ、照射される光の
焦点の位置を調整する。実開昭63−99317号公開
公報には、第1の従来技術であるフォーカス制御装置が
開示される。本公報のフォーカス制御装置は、対物レン
ズ(集光レンズ)を変位移動させるフォーカスモータを
駆動するフォーカスモータ駆動回路から出力される電圧
信号のレベルを、対物レンズの設置状態に応じて変更す
る。フォーカス制御装置は、フォーカスモータ駆動回路
から与えられる電圧のレベルに対応した変位量だけ対物
レンズを変位させるフォーカスモータを有する。
【0004】対物レンズが重力が作用する方向と平行な
方向に変位するように設置されるとき、駆動回路はフォ
ーカスモータに最小レベルが0レベルであり、最大レベ
ルが0レベルより大きいE2レベルである三角波または
鋸波状の電圧信号を与える。また対物レンズが重力の作
用する方向とは直交する方向に変位駆動されるように設
置されるとき、駆動回路は最小レベルが0レベルよりも
小さい−E3レベルであり、最大レベルが0レベルより
も大きい+E4レベルである三角波または鋸波状の電圧
信号を与える。
【0005】これによって、たとえばレンズが重力が作
用する方向と平行な方向に変位駆動するように設置され
ているとき、フォーカスモータは対物レンズの自重によ
って下降している分も合わせてレンズを前記平行な方向
に変位させる。また対物レンズが重力が作用する方向に
直交する方向に変位駆動するように設置されているとき
は重力に関係なく前記直交する方向に同一変位量だけ変
位させる。ゆえに、対物レンズは設置方向に拘わらず所
望の位置まで変位駆動される。
【0006】記録媒体と集光レンズとの相対位置を計測
するための信号が正常に得られる範囲は、装置に加わる
外乱などによって生じる集光レンズの変位量よりも狭い
ことがある。ゆえにフォーカスサーボ装置は、たとえば
再生装置への電源投入直後など集光レンズの位置が定ま
らないときに、集光レンズの位置を前記範囲内の位置に
合わせるフォーカスサーチ動作を行う。前記範囲には、
合焦点位置が含まれる。合焦点位置とは、ピックアップ
から照射される光の焦点が記録媒体の記録層表面に一致
するときの集光レンズと記録媒体との相対位置である。
【0007】フォーカス制御装置では、フォーカスサー
チ動作を行うとき、いわゆるフォーカスエラー信号が0
レベルであるか否かに基づいて合焦点位置を判別する。
フォーカスエラー信号は、集光レンズが合焦点位置にあ
るとき0レベルを示し、その前後でレベルが増減するS
字特性を示す。またフォーカスエラー信号は、集光レン
ズが記録媒体の記録層表面にきわめて近くに近接したと
き、およびきわめて遠くに離反したときには0レベルに
漸近する。ゆえに、比較器においてフォーカスエラー信
号と0レベルとを比較すると、比較結果が不定となるこ
とがある。また信号にノイズが重畳しているとき、実際
のフォーカスエラー信号は0レベルであっても、ノイズ
によってフォーカスエラー信号が0より大きくまたは小
さくなることがある。このとき誤ってフォーカスエラー
信号が0レベル以上であると判定されることがある。さ
らに、フォーカスエラー信号のレベルは、合焦点位置近
傍のきわめて狭い範囲に集光レンズが存在するときだ
け、0レベルよりも大きくなるまたは小さくなる。ゆえ
に、フォーカスエラー信号が0レベルであるとき、集光
レンズが合焦点位置にあるのか、もしくはきわめて遠い
またはきわめて近い位置にあるのかを判断することが困
難である。
【0008】図13は、第2の従来技術のフォーカス制
御装置1の電気的構成を示すブロック図である。このフ
ォーカス制御装置1では、非点収差法が用いられる。制
御装置1は、ピックアップ3の光源4から出力されるレ
ーザ光を、集光レンズ5を含む光学系6を介して集光さ
せ、記録媒体7の記録層表面に照射する。記録媒体7の
記録層表面において反射した反射光は、ピックアップ3
に入射し、集光レンズ5を通過した後ハーフプリズム9
で光路が90°曲げられて、シリンドリカルレンズ10
に入射する。略半円柱状のシリンドリカルレンズ10
は、円柱の中心軸方向であるY方向の光はそのまま通過
させ、中心軸に直交するX方向に関してはレンズとして
働く。反射光は、シリンドリカルレンズ10を通過する
と、X方向の光だけがY方向の光よりもシリンドリカル
レンズ10に近い位置で集光する。シリンドリカルレン
ズ10を通過した光は、受光素子12の受光領域上に投
影される。受光素子12の受光領域は、4つの分割領域
13〜16に等分割される。受光素子12は、集光レン
ズ5が合焦点位置にあるとき、分割領域13〜16それ
ぞれに同一の面積かつ同一の受光量の光が当たる位置に
配置される。
【0009】分割領域13,14からの出力は、増幅さ
れた後、加算器19で加算される。また分割領域15,
16からの出力は、増幅された後、加算器20で加算さ
れる。減算器22は、加算器19,20のいずれか一方
の出力からいずれか他方の出力を減算して、図14
(1)に示すフォーカスエラー信号を生成し出力する。
フォーカスエラー信号のレベルは、集光レンズ5が予め
定める合焦点位置にあるとき、すなわち集光レンズ5か
ら記録媒体7の記録層表面までの離反距離が予め定める
距離y0であるときに0レベルとなる。また集光レンズ
5と記録媒体7の記録層表面との距離が極めて小さいと
きおよび極めて大きいときに0レベルに漸近する。さら
に、信号のレベルは、集光レンズ5が合焦点位置にある
ときの距離y0よりも小さい距離y1であるとき極大レ
ベルとなり、予め定める距離y0よりも大きい距離y2
であるとき極小レベルとなる。フォーカスエラー信号
は、位相補償回路27に与えられて以後のフォーカスサ
ーボ処理動作に用いられる。
【0010】加算器23は、加算器19,20からの出
力を加算して、図14(2)で示すような、受光素子1
2全体で受光した光の全受光量を示す総和信号を生成す
る。総和信号は、実線25に示すように、集光レンズ5
から記録媒体7の記録層表面までの距離がy0であると
き最大レベルとなる。
【0011】比較器29にはフォーカスエラー信号が与
えられる。比較器29では、図14(3)に示すよう
に、フォーカスエラー信号のレベルが0レベル以上であ
るときにはハイレベルの出力を導出し、0レベル未満で
あるときにはローレベルの出力を導出する。このときエ
ラー信号のレベルが0レベルに漸近すると、比較出力が
不定となる。比較器30には総和信号が与えられる。比
較器30では、図14(4)に示すように、総和信号の
レベルが予め定める弁別レベルVref1以上であると
きにはハイレベルの出力を導出し、弁別レベルVref
1未満であるときにはローレベルの出力を導出する。
【0012】制御回路32は、比較器30からの出力が
ハイレベルであって、かつ比較器29からの出力のレベ
ルが切換わるとき、集光レンズ5が合焦点位置に至った
と判断する。ゆえに、比較器29からの比較出力が不定
となる範囲を合焦点位置があると見なされる範囲から除
外することができる。集光レンズ5が合焦点位置に至っ
たと判断すると、制御回路32は切換えスイッチ34を
個別接点35から個別接点36に切換える。以後、減算
器22から出力されるフォーカスエラー信号に基づいて
行われるフォーカスサーボ処理動作が実行される。
【0013】上述したようにフォーカスエラー信号およ
び受光素子の全受光量に基づいて合焦点位置を検出する
制御装置であるフォーカス引込み回路が、特開平4−1
14321号公開公報に開示されている。
【0014】上述した装置1では、総和信号のレベルが
予め定める弁別レベルVref1以上であるとき、集光
レンズ5が合焦点位置近傍にあると判断する。記録媒体
7は、その記録層表面の反射率および複屈折の度合がデ
ィスク毎に異なる。ゆえに、反射光の光量は各記録媒体
毎に異なり、その最大値のレベルもまた異なる。ゆえ
に、前述した弁別レベルVref1の値は、これら記録
媒体毎のばらつきを考慮して設定する必要があるので、
設定が困難である。
【0015】図15は、第3の従来技術のフォーカス制
御装置41の電気的構成を示すブロック図である。フォ
ーカス制御装置41はフォーカス制御装置1と類似の構
成を有し、同一の動作を行う構成要素には同一の符号を
付し説明を省略する。図16(1)で示すフォーカスエ
ラー信号および図16(2)で示す総和信号は、図14
(1)に示す第2の従来技術のフォーカスエラー信号お
よび図14(2)で示す第2の従来技術の総和信号と同
等である。
【0016】フォーカスエラー信号は、比較器43で予
め定める弁別レベルVref2と比較される。比較器4
3は、図16(3)で示すように、フォーカスエラー信
号の信号レベルが弁別レベルVref2以上であるとき
にはハイレベルの出力を導出し、弁別レベルVref2
未満であるときにはローレベルの出力を導出する。フォ
ーカスエラー信号の弁別レベルVref2は、たとえば
フォーカスエラー信号の極大レベルと0レベルとの差分
よりも小さい値、または極小レベルと0レベルとの差分
よりも小さい値に設定される。また図16(4)に示す
比較器30からの比較出力は、図14(4)に示す第2
の従来技術の比較出力と同等である。制御回路32は、
比較器30からの出力がハイレベルであって、かつ比較
器43からの出力のレベルが切換わるとき集光レンズ5
が合焦点位置に至ったとみなして切換えスイッチ34を
切換える。
【0017】これによって、集光レンズ5が記録媒体7
の記録層表面にきわめて接近しているときまたは大きく
離反しているとき、比較器43における比較出力が不定
になることを防止することができる。このとき弁別レベ
ルVref2はたとえばフォーカスエラー信号に重畳さ
れるノイズ、および受光素子12の各分割領域13〜1
6における感度のばらつきなどを考慮して設定される。
たとえばこれらの要因によってエラー信号のレベルが変
動する場合で集光レンズ5が記録媒体7の記録層表面に
きわめて接近したときまたは大きく離反したときに出力
されるフォーカスエラー信号のレベルより大きいレベル
に設定される。
【0018】記録媒体7の記録層表面からの反射光の光
量は、記録媒体それぞれに対して異なる。また受光素子
12の各分割領域13〜16の感度は、個々の受光素子
毎に異なる。さらに、ノイズの重畳の様子は各装置41
毎に異なる。したがって、これらの要因から弁別レベル
Vref2を決定することは困難である。また、弁別レ
ベルVref2を大きくすると、それだけ比較器43の
比較出力の切換えタイミングが実際の合焦点位置からず
れる。
【0019】図17は、上述した問題を解決するための
第4の従来技術のフォーカス制御装置46の電気的構成
を示すブロック図である。図17のフォーカス制御装置
46は、図13のフォーカス制御装置1と類似の構成を
有し、同一の動作を行う構成要素には同一の符号を付し
説明を省略する。加算器23から出力される総和信号
は、比較器30およびピーク値検出回路48に与えられ
る。ピーク値検出回路48では、総和信号の最大レベル
を検出する。制御回路32は、回路48で求められた総
和信号の最大レベルに基づいて比較器30の弁別レベル
Vref1を決定し、比較器30に接続される基準電圧
源49の基準弁別レベルを制御する。
【0020】図18は、図17のフォーカス制御装置4
6を用いて合焦点位置を検出するフォーカスサーチ動作
を説明するためのフローチャートである。たとえばフォ
ーカス制御装置46に電源が投入されるとステップn1
からステップn2へ進む。ステップn2では、制御回路
32が切換えスイッチ34を一方の個別接点36から他
方の個別接点35に切換える。これによって、フォーカ
スサーボループ回路を開状態としてステップn3に進
む。ステップn3では、集光レンズ5をフォーカスサー
チ動作の初期位置に変位移動させて初期化させる。この
初期位置は、たとえばフォーカスエラー信号が極大レベ
ルとなる位置よりも記録媒体7に近い位置、またはフォ
ーカスエラー信号が極小レベルとなる位置よりも記録媒
体7から遠い位置である。
【0021】レンズ位置を初期化するとステップn3か
らステップn4に進み、レンズを合焦点位置を通り記録
媒体7に近付く近接方向および初期位置から合焦点位置
を通り記録媒体7から遠ざかる離反方向のいずれか一方
に移動させる。この移動において、集光レンズ5はたと
えばレンズの移動可能範囲全域に動かされる。レンズの
移動が終了するとステップn4からステップn5に進
み、総和信号の最大レベルをストアしてステップn6に
進む。ステップn6では、制御回路32において、最大
レベルの予め定める割合のレベルに総和信号の弁別レベ
ルVref1を設定する。
【0022】弁別レベルVref1が設定されるとステ
ップn7に進んで再びレンズ位置を初期化してステップ
n8に進み、レンズの近接方向または離反方向への変位
移動を開始させて、ステップn9に進む。制御回路32
は、集光レンズ5の移動中に比較器29,30からの出
力を検出して判定し、比較器30から出力される合焦点
近傍信号のレベルがハイレベルであるか否かを判断す
る。ハイレベルでないときステップn9に戻り、ハイレ
ベルとなるまでこの判定を繰返す。ハイレベルとなると
ステップn10に進み、比較器29からの出力がローレ
ベルからハイレベルに切換わったか否かが判断される。
切換わっていないときにはステップn10に戻り、切換
わるまでこの処理判定を繰返す。切換わるとステップn
10からステップn11に進み、切換えスイッチ34を
他方の個別接点35から一方の個別接点36に切換え、
フォーカスサーボループ回路を閉状態としてフォーカス
サーボ処理を行わせる。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】上述したフォーカス制
御装置46では、記録媒体を交換するたびに総和信号の
弁別レベルVref1を設定する。またこの弁別レベル
Vref1の設定は、たとえば記録媒体の再生動作中に
集光レンズ5が合焦点位置から大きく外れフォーカスサ
ーボを行うことができなくなった後にも行われる。この
ように、フォーカスサーチ動作を行うたびに総和信号の
弁別レベルを検出するので、その動作分だけ処理が複雑
となる。さらに、ピーク値検出回路48であるような回
路を付加える必要があるので、装置46の構成が複雑と
なり、装置の信頼性が低下する。また部品点数が増加す
るので装置のコストが増大し、かつ大形化する。
【0024】本発明の目的は、フォーカスエラー信号に
重畳されるノイズおよび受光素子の各分割領域の感度の
ばらつきなどの要因に影響されることなく、かつ合焦点
位置を短時間で確実に検出することができる光学的記録
媒体のフォーカス制御装置を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明は、(a)データ
が光学的に記録された光学的記録媒体と、 (b)複数の受光領域を有し、各受光領域ごとに、受光
量に対応したレベルの信号を出力する受光素子と、 (c)光学手段であって、記録媒体からの光を受光素子
の受光領域上に結像する集光レンズと、記録媒体に対し
て近接離反方向に集光レンズを変位駆動する駆動手段と
を含み、集光レンズが予め定める合焦点位置にあるとき
には各受光領域の受光量を等しくし、合焦点位置以外の
位置にあるときには、各受光領域の受光量が個別的に異
ならせるようにする光学部材とを有する光学手段と、 (d)受光素子の出力に応答し、各受光領域からの信号
レベルを相互に異なる値にするレベル変換手段と、 (e)レベル変換手段の出力に応答し、各受光領域から
の信号レベルを比較する比較手段と、 (f)集光レンズを駆動手段によって記録媒体の近接ま
たは離反方向に変位移動させ、集光レンズの移動中に、
比較手段の出力に応答し、レベル変換手段の出力の各受
光領域からの信号レベルの大小関係が逆転したときに駆
動手段による移動を停止して、光学的記録媒体に対し集
光レンズを介して照射されるデータ読出し用の光が合焦
されるように、集光レンズと光学的記録媒体との相対位
置が予め定める相対位置となるように制御するフォーカ
スサーボ動作に移行する制御手段とを含むことを特徴と
する光学的記録媒体のフォーカス制御装置である。本発
明に従えば、光学的記録媒体のフォーカス制御装置は、
光学的記録媒体に記録されたデータを読取り再生する再
生装置に備えられる。光学的記録媒体とは、たとえばコ
ンパクトディスクおよびミニディスクである。この装置
において、光学手段は記録媒体の記録層表面において反
射した反射光を集光レンズで集光し、光学部材を介して
受光素子の受光領域上に結像させる。この受光素子の受
光領域は複数の受光領域から成り、各受光領域毎に受光
量に対応したレベルの信号を出力する。集光レンズは、
駆動手段によって、媒体の近接または離反方向に変位駆
動される。フォーカス制御装置は、集光レンズが媒体記
録層表面から予め定める距離だけ離反した合焦点位置を
検出し、集光レンズを合焦点位置に保つ。集光レンズが
合焦点位置にあるとき、光学部材を通過し受光素子上に
結像される反射光の像はたとえば真円となり、受光素子
の各受光領域の受光量が等しくなる。このとき、再生装
置から集光レンズを介し媒体記録層表面に対して照射さ
れる照射光からなる像が記録層表面において最小とな
り、分解能が最高値となる。たとえば再生装置は、受光
素子に結像された像の変化から媒体に記録されたデータ
を読取る。このときフォーカス制御装置はデータの読取
り時に、フォーカスサーボ動作を行う。フォーカスサー
ボ動作とは、集光レンズの光学的記録媒体との相対位置
を、予め定める状態となるように制御する動作である。
光学的記録媒体再生装置では、記録媒体に記録されるデ
ータを読出すとき、たとえば媒体記録層に対し集光レン
ズを介して光量が常に一定となる光を照射する。再生装
置は、媒体記録層からの反射光を集光レンズで集光して
受光素子上に結像する。装置は、その像の変化および光
量変化に基づいて、媒体記録層に記録されるデータを読
出す。このとき、集光レンズと光学的記録媒体とは、集
光レンズを介して照射された光が媒体記録層表面で合焦
し集光するように、その相対位置を予め定める距離だけ
相互に離れた位置に保つ。この位置が合焦点位置であ
る。フォーカスサーボ動作では、集光レンズがこの相対
位置を常に保つように、集光レンズを記録媒体に対して
近接または離反方向に変位駆動させる。たとえば装置へ
の電源投入時、および装置に振動が加えられたときに
は、集光レンズの位置がフォーカスサーボ動作では調整
できないほど大きく合焦点位置から外れることがある。
また、たとえば記録媒体と集光レンズの変位範囲端部と
の距離は、媒体記録層構造の許容誤差などに起因して、
媒体ごとに異なる。この距離は、媒体を装置に設置する
ための構成における媒体嵌込みのがたつきなどに応じ
て、同一媒体であっても変化する。ゆえに、前記距離
は、媒体を交換するたびに変化する。したがって、集光
レンズの変位範囲端部と合焦点位置との距離は、その都
度変化する。したがって、集光レンズが合焦点位置から
大きく外れたとき、フォーカス制御装置の制御手段はフ
ォーカスサーチ動作を行う。このサーチ動作では、駆動
手段によって集光レンズを予め定める手順で駆動して合
焦点位置を検出し、集光レンズの位置を検出した合焦点
位置に一致させる。フォーカス制御装置では、一般的に
各受光領域から出力される信号は、集光レンズが合焦点
位置にあるときだけでなく、集光レンズが合焦点位置か
ら予め定める距離以上離れた位置にあるときにも同等の
レベルとなる。予め定める距離はたとえば10μmであ
る。この距離は集光レンズの変位可能範囲と比較して、
極めて狭い。従来のフォーカス制御装置では、各受光素
子の各受光領域からの出力信号の差分値であるフォーカ
スエラー信号に基づいて、合焦点位置を検出する。前述
したように、各受光領域の出力は集光レンズが合焦点位
置から予め定める距離以上に離れるとほぼ同レベルとな
るので、このときのフォーカスエラー信号は0レベルに
漸近する。フォーカスエラー信号に基づいて合焦点位置
を検出しようとするとき、制御装置はフォーカスエラー
信号を基準となる0レベルと比較する。このとき使用さ
れる比較回路などの回路部品では、0レベルに漸近する
信号レベルと0レベルとを比較すると、比較結果が不定
となることがある。このとき、集光レンズが合焦点位置
にあるのか予め定める距離以上に合焦点位置から離れた
位置にあるのかを、エラー信号だけに基づいて判断する
ことが困難となる。この不都合を解決するために、フォ
ーカスエラー信号と予め定める基準レベルとを比較し、
その比較結果を用いて合焦点位置を検出する手法が考え
られるけれども、この手法では基準レベルの設定が困難
となる。本発明のフォーカス制御装置では、受光素子の
各受光領域からの信号をそのまま用いて合焦点位置を検
出する。これらの信号を比較するとき、比較前に各受光
領域ごとに、異なる変換量だけレベル変換しておく。た
とえば媒体に記録されたデータの再生が行われる前に
は、集光レンズは合焦点位置よりも記録媒体から遠い位
置または記録媒体に近い位置に置かれている。再生装置
が記録媒体の再生を実行するように操作されると、制御
手段はフォーカスサーチ動作を行う。制御手段によって
サーチ動作を行うとき、集光レンズは駆動手段によって
記録媒体に近付く近接移動、または記録媒体から遠ざか
る離反移動を行う。このとき受光素子の各受光領域から
出力される信号は、レベル変換手段に与えられる。レベ
ル変換手段では、各受光領域からのレベルを各受光領域
ごとに定められる変換量だけ減衰または増幅してレベル
変換する。この変換量は、各受光領域毎に異なる。ゆえ
に、たとえば合焦点位置から予め定める距離だけ離れた
位置に集光レンズがあるときの各受光領域からの信号レ
ベルが、変換量だけ異なる。レベル変換後の各受光領域
からの信号は、比較手段において比較される。比較手段
は、レベル変換後の各受光領域からの信号の大小関係を
示す出力を、制御手段に導出する。前述したように、集
光レンズが合焦点位置にあるとき、各受光領域からの信
号レベルは等しい。ゆえに、レベル変換後の各受光領域
からの信号の信号レベルは、集光レンズが合焦点位置近
傍にあるときに、大小関係が逆転する。制御手段は、比
較手段からの出力に基づいて、レベル変換後の各受光領
域からの信号の大小関係が逆転したときに、集光レンズ
が合焦点位置に至ったと見なす。集光レンズが合焦点位
置に至ったと見なされると、制御装置は、たとえば駆動
手段を停止させる。上述した手法を用いると、合焦点位
置を確実に検出することができる。この後、制御装置
は、前述したフォーカスサーボ動作を行う。これによっ
て、サーチ動作終了後には、常に再生装置から照射した
光が最小面積に集光されて記録層に照射される。ゆえ
に、データ読出し動作を行うとき、記録層からの反射光
の光量が最大となる。また、レベル変換手段は、たとえ
ば複数の抵抗を用いて受光領域からの信号を分圧し減衰
させる分圧回路で実現される。各受光領域の変換量は、
この抵抗の値を変更することによって容易に変更するこ
とができる。ゆえに、装置の構成が簡易となる。
【0026】また本発明の前記受光素子は、第1および
第2受光領域を有し、前記光学手段は、集光レンズが合
焦点位置よりも記録媒体に近い位置にあるときには、第
1受光領域の受光量が第2受光領域の受光量以上とな
り、集光レンズが合焦点位置よりも記録媒体から遠い位
置にあるときには、第1受光領域の受光量が第2受光領
域の受光量未満となり、合焦点位置よりも記録媒体に近
い予め定める近接位置に集光レンズがあるとき第1受光
領域の受光量が極大となり、合焦点位置よりも記録媒体
から遠い予め定める離反位置に集光レンズがあるとき第
2受光領域の受光量が極大となるように、記録媒体から
の光を集光させることを特徴とする。本発明に従えば、
前記受光素子は第1および第2受光領域の2つの受光領
域を有する。この受光素子は、たとえば正方形の領域を
マトリクス状に4分割した4分割フォトダイオードで実
現される。第1受光領域は、元の領域の一方の対角線上
に位置する2つの受光領域からなる。第2受光領域は、
元の領域の他方の対角線上に位置する2つの受光領域か
らなる。前記光学手段は、光学部材によって、集光レン
ズが合焦点位置以外の位置にあるときには、その位置に
応じて第1および第2受光領域の受光量を異ならせるよ
うに、記録媒体からの光を第1および第2受光領域上に
結像する。光学部材は、たとえばシリンドリカルレンズ
で実現され、反射光の光軸に直交しかつ相互に直交する
2方向の光の焦点の位置をずらす。これによって、受光
素子の受光領域上に結像される反射光の像は、集光レン
ズだけを通過したときの仮想的な光の焦点と受光素子と
の位置関係に応じて、その形状が変化する。この光学手
段は、いわゆる非点収差法を用いた光学手段である。た
とえば、集光レンズが合焦点位置よりも記録媒体に近い
位置にあるときには、第1受光領域の受光量を第2受光
領域の受光量以上とする。集光レンズが合焦点位置より
も記録媒体から遠い位置にあるときには、第1受光領域
の受光量を第2受光領域の受光量未満とする。かつ、合
焦点位置よりも記録媒体に近い予め定める近接位置に集
光レンズがあるとき第1受光領域の受光量が極大とな
る。さらに、合焦点位置よりも記録媒体から遠い予め定
める離反位置に集光レンズがあるとき、第2受光領域の
受光量が極大となる。また、合焦点位置から記録媒体の
近接方向また離反方向に充分離れた位置に集光レンズが
あるとき、第1および第2受光領域はほぼ等しくなる。
ゆえに、記録媒体から集光レンズまでの間隔距離に対す
る第1および第2受光領域の信号レベル変化を示すグラ
フは、近接位置および離反位置をそれぞれ頂点とした山
形を示す。これによって、レベル変換後の各受光領域か
らの信号レベルは、近接位置から合焦点位置を挟んで離
反位置までの範囲において、大小関係が逆転する。近接
位置から離反位置までの範囲はたとえばμmのオーダー
であり、集光レンズの変位範囲と比較して極めて狭い。
この範囲におけるレベルの大小関係が逆転する位置を合
焦点位置とみなすので、実際の合焦点位置とレンズを停
止させる位置とが極めて近い位置となる。ゆえに、合焦
点位置と見なした位置と実際の合焦点位置との誤差が極
めて小さい。また、上述した非点収差法の光学手段は、
コンパクトディスク再生装置およびミニディスク再生装
置など、市販の記録媒体再生装置のフォーカス制御装置
に多く使用される。ゆえに、従来の装置を僅かに改良す
るだけで、本発明のフォーカス制御装置を作成すること
ができる。したがって、実現が容易である。
【0027】また本発明の前記レベル変換手段は、集光
レンズが合焦点位置から充分に離れている状態における
各受光領域の信号レベルの差の値を、受光素子の各受光
領域のばらつきに依存した出力レベルの差を越える値に
選ぶことを特徴とする。本発明に従えば、前記レベル変
換手段は、この手段において各受光領域の信号レベルを
変換する変換量を、各受光領域の特性のばらつきに依存
した出力レベルの差を越える値に選ぶ。各受光領域の変
換量は、集光レンズが合焦点位置から充分に離れている
状態において、各受光領域から出力される信号レベルの
差の値に等しい。この変換量は、たとえばある受光領域
の信号のレベル変換後の最小の信号レベルが、別の受光
領域の信号のレベル変換後の最大の信号レベル未満とな
るように選ばれる。さらに、受光素子の各受光領域は、
各受光領域ごとに光に対する感度、ノイズの重畳状態な
どの特性が異なる。ゆえに、出力される信号の信号レベ
ルは、実際に受光領域に結像された反射光の受光量に対
応したレベルから、上述した特性に起因するレベル分だ
け変動する。集光レンズが合焦点位置から充分に離れる
位置にあるとき各受光領域の受光量はほぼ等しくなるの
で、各受光領域の信号レベルの差は、各受光領域の特性
に起因するレベル分に対応する。レベル変換手段におけ
る変換量は、この特性に起因するレベル分の差の値を越
える。ゆえに、集光レンズが合焦点位置から充分に離れ
た位置にあるときのレベル変換後の信号レベルの大小関
係は、たとえば信号に重畳されるノイズおよび受光領域
の光の感度に影響されない。ゆえに、集光レンズが合焦
点位置から充分に離れた位置にあるとき各受光領域の特
性の差異によって、あやまって信号レベルの大小関係が
逆転することを防止することができる。したがって、確
実に合焦点位置を検出することができる。
【0028】また本発明の前記レベル変換手段は、制御
手段によって集光レンズが記録媒体に近づく方向に変位
駆動されるとき、第1受光領域からの信号レベルが第2
受光領域からの信号レベルよりも相対的に大きくなり、
記録媒体から遠ざかる方向に変位駆動されるとき、第1
受光領域からの信号レベルが第2受光領域からの信号レ
ベルよりも相対的に小さくなるようにレベル変換するこ
とを特徴とする。本発明に従えば、前記レベル変換手段
は、第1および第2受光領域のうち、集光レンズが変位
移動されるとき、移動動作の時間経過に応じ、時間的に
先に信号レベルが極大レベルに至る一方の受光領域の信
号レベルを、他方の受光領域の信号レベルよりも相対的
に小さくする。前述したように、集光レンズを変位範囲
内において、変位させるとき、集光レンズが記録媒体に
近付く近接移動中であれば、集光レンズは近接位置より
も離反位置に先に至る。逆に集光レンズが記録媒体から
遠ざかる離反移動中であれば、集光レンズは離反位置よ
りも近接位置に先に至る。前述したように、第1および
第2受光領域からの信号レベルは、それぞれ近接位置お
よび離反位置において極大レベルを示す山型となる。こ
のとき集光レンズが近接移動中であれば、レベル変換手
段は、移動開始から時間的に先に信号レベルが極大レベ
ルを示す第2受光領域の信号レベルを第1受光領域の信
号レベルよりも相対的に小さくする。これによって、第
1受光領域の信号レベルが第2受光領域の信号レベルよ
りも小さくなるのは、後述する図8(4)に示すよう
に、集光レンズが離反位置近傍にある間だけとなる。か
つ、第1受光領域の信号レベルは、近接移動の時間経過
からみて、集光レンズが離反位置を越えて合焦点位置に
至る前に第2受光領域からの信号レベル以上に増加す
る。また離反移動中であれば、レベル変換手段は、移動
開始から時間的に先に信号レベルが極大レベルを示す第
1受光領域の信号レベルを第2受光領域の信号レベルよ
りも相対的に小さくする。これによって、第1受光領域
の信号レベルが第2受光領域の信号レベルよりも大きく
なるのは、後述する図8(6)に示すように、集光レン
ズが近接位置近傍にある間だけとなる。かつ、第1受光
領域の信号レベルは、離反移動の時間経過からみて、集
光レンズが近接位置を越えて合焦点位置に至る前に第2
受光領域からの信号レベル未満に低下する。このよう
に、移動経過にともない時間的に先に極大レベルを示す
一方の受光領域の信号レベルを他方の受光領域の信号レ
ベルよりも相対的に小さくすると、第1および第2受光
領域の信号レベルは、合焦点位置に至る前に大小関係が
逆転する。ゆえに、制御手段は、合焦点位置に至る手前
で集光レンズの移動を停止させる。このとき集光レンズ
が慣性によって、停止位置よりもさらに移動方向に沿っ
て先に進むことがある。集光レンズが合焦点位置を越え
て行過ぎると、変位方向を逆転させて、集光レンズを戻
す動作が必要になる。このとき、停止位置は、移動方向
からみて合焦点位置の手前であるので、集光レンズが慣
性によってさらに移動方向に沿って変位すると、集光レ
ンズが合焦点位置にさらに近付くことになる。ゆえに、
集光レンズが合焦点位置を越えて行過ぎることを防止す
ることができる。さらに、集光レンズは実際の合焦点位
置に近付くので、レンズが停止する見かけ上の合焦点位
置と実際の合焦点位置との誤差が、移動の慣性によって
大きくなることを防止することができる。
【0029】また本発明の前記レベル変換手段は、制御
手段によって集光レンズが記録媒体に近づく方向に変位
駆動されるとき、第1受光領域からの信号レベルが第2
受光領域からの信号レベルよりも相対的に小さくなり、
記録媒体から遠ざかる方向に変位駆動されるとき、第1
受光領域からの信号レベルが第2受光領域からの信号レ
ベルよりも相対的に大きくなるようにレベル変換するこ
とを特徴とする。本発明に従えば、前記レベル変換手段
は、第1および第2受光領域のうち集光レンズが変位移
動されるとき、移動動作の時間経過に応じ、時間的に後
から信号レベルが極大レベルに至る一方の受光領域の信
号レベルを、他方の受光領域の信号レベルよりも相対的
に小さくする。前述したように、集光レンズを変位範囲
内において、変位させるとき、集光レンズが記録媒体に
近付く近接移動中であれば、集光レンズは近接位置より
も離反位置に先に至る。逆に集光レンズが記録媒体から
遠ざかる離反移動中であれば、集光レンズは離反位置よ
りも近接位置に先に至る。前述したように、第1および
第2受光領域からの信号レベルは、それぞれ近接位置お
よび離反位置において極大レベルを示す山型となる。こ
のとき集光レンズが近接移動中であれば、レベル変換手
段は、移動開始から時間的に後から信号レベルが極大レ
ベルを示す第1受光領域の信号レベルを第2受光領域の
信号レベルよりも相対的に小さくする。これによって、
第1受光領域の信号レベルが第2受光領域の信号レベル
よりも大きくなるのは、後述する図10(4)に示すよ
うに、集光レンズが近接位置近傍にある間だけとなる。
かつ、第1受光領域の信号レベルは、近接移動の時間経
過からみて、集光レンズが合焦点位置を越えて近接位置
に近づいたときに初めて第2受光領域からの信号レベル
以上に増加する。また離反移動中であれば、レベル変換
手段は、移動開始から時間的に後から信号レベルが極大
レベルを示す第2受光領域の信号レベルを第1受光領域
の信号レベルよりも相対的に小さくする。これによっ
て、第2受光領域の信号レベルが第1受光領域の信号レ
ベルよりも大きくなるのは、後述する図10(6)に示
すように、集光レンズが離反位置近傍にある間だけとな
る。かつ、第2受光領域の信号レベルは、離反移動の時
間経過からみて、集光レンズが合焦点位置を越えて離反
位置に近づいたときに、初めて第1受光領域からの信号
レベル以上に増加する。このように、移動経過にともな
い時間的に後から極大レベルを示す一方の受光領域の信
号レベルを他方の受光領域の信号レベルよりも相対的に
小さくすると、第1および第2受光領域の信号レベル
は、合焦点位置を越えた直後で初めて大小関係が逆転す
る。ゆえに、制御手段は、合焦点位置を越えた直後で集
光レンズの移動を停止させる。コンパクトディスク再生
装置に用いられるピックアップは、記録媒体であるコン
パクトディスクに対して重力が作用する下側方向に設置
されることが多い。このときサーチ動作において、集光
レンズは重力に逆らって上昇変位される。このような方
向に変位されると、集光レンズが停止された後、集光レ
ンズの自重によって、停止位置から僅かに下降すること
がある。合焦点位置を越えた直後の位置で集光レンズを
停止させると、重力が作用してレンズが微小変位すると
き、その変位方向は合焦点位置に近付く方向となる。ゆ
えにこのとき、集光レンズの自重に起因する変位によっ
て、合焦点位置の誤差が大きくなることを防止すること
ができる。
【0030】また本発明は、前記駆動手段によって前記
集光レンズの移動が開始される初期位置は、前記離反位
置よりも記録媒体から遠い位置であり、前記制御手段
は、駆動手段によって集光レンズを初期位置から記録媒
体に近づける方向に変位駆動させ、前記比較手段は、各
受光領域の前記レベル変換手段によって変換された信号
レベルを比較して、第1受光領域からの信号レベルが第
2受光領域からの信号レベル未満であるとき第1レベル
の出力を導出し、第1受光領域からの信号レベルが第2
受光領域からの信号レベル以上であるとき第2レベルの
出力を導出し、前記制御手段は、比較手段の出力に応答
し、集光レンズの近接移動中に比較手段の出力レベルが
第1レベルから第2レベルに切換わるとき、集光レンズ
の近接移動を停止させて、前記フォーカスサーボ動作に
移行することを特徴とする。本発明に従えば、制御手段
はサーチ動作を行うとき、集光レンズをまず離反位置よ
りも記録媒体から遠い初期位置に変位させる。この位置
から、集光レンズを近接方向に変位移動させる。これに
よって、集光レンズは、離反位置、合焦点位置、近接位
置をこの順で通過するように変位される。このように、
集光レンズを離反位置よりも記録媒体から遠い位置を初
期位置として変位させると、レンズを初期位置に移動さ
せる過程で、集光レンズと記録媒体とが接触することを
防止することができる。このとき比較手段は、たとえば
第1受光領域からの信号レベルが第2受光領域からの信
号レベル未満であるとき、第1レベルの出力を導出す
る。第1受光領域からの信号レベルが第2領域からの信
号レベル以上であるとき、第2レベルの出力を導出す
る。後述する図8(5)、図10(5)において、第1
レベルはローレベルであり第2レベルはハイレベルであ
る。第1および第2受光領域からの信号レベルは、前述
したように山型を示す。ゆえに、第1および第2受光領
域からの信号レベルの大小関係は、集光レンズの変位範
囲全域に集光レンズを変位させたとき2回反転する。制
御手段は、この2回の反転が起こる位置のうち、比較手
段からの出力が第1レベルから第2レベルに切換わる位
置を合焦点位置と見なして、集光レンズの変位移動を停
止させる。前述したように、近接移動中であって、移動
時間経過に伴い先に極大レベルに至る一方の受光素子の
信号レベルを他方の受光素子の信号レベルよりも相対的
に小さくするとき、比較出力は図8(5)に示すよう
に、移動開始直後には第2レベルを保つ。さらに近接移
動させると、比較出力は離反位置に至るまえに第2レベ
ルから第1レベルに切換わり、離反位置を越えるまで第
2レベルを保った後に、合焦点位置に至る前に第2レベ
ルから第1レベルに切換わる。また、近接移動中であっ
て、移動時間経過に伴い後から極大レベルに至る一方の
受光素子の信号レベルを他方の受光素子の信号レベルよ
りも相対的に小さくするとき、比較出力は図10(5)
に示すように、移動開始直後には第1レベルを保つ。さ
らに近接移動させると、比較出力は離反位置および合焦
点位置を越えるまで第1レベルを保ち、合焦点位置を越
えた直後に第1レベルから第2レベルに切換わり、近接
位置を越えるまで第2レベルを保つ。このように、近接
移動中であって、比較手段が上述した出力を導出すると
き、比較出力は、合焦点位置近傍で第1レベルから第2
レベルに切換わる。ゆえに、比較出力が上述した変化を
示すときに集光レンズの変位移動を停止させると、確実
に合焦点位置近傍で集光レンズを停止させることができ
る。
【0031】また本発明の前記駆動手段によって前記集
光レンズの移動が開始される初期位置は、前記近接位置
よりも記録媒体に近い位置であり、前記制御手段は、駆
動手段によって集光レンズを初期位置から記録媒体から
遠ざける方向に変位駆動させ、前記比較手段は、各受光
領域の前記レベル変換手段によって変換された信号レベ
ルを比較して、第1受光領域からの信号レベルが第2受
光領域からの信号レベル未満であるとき第1レベルの出
力を導出し、第1受光領域からの信号レベルが第2受光
領域からの信号レベル以上であるとき第2レベルの出力
を導出し、前記制御手段は、比較手段の出力に応答し、
集光レンズの離反移動中に比較手段の出力レベルが第2
レベルから第1レベルに切換わるとき、集光レンズの離
反移動を停止させ、フォーカスサーボ動作に移行するこ
とを特徴とする。本発明に従えば、制御手段はサーチ動
作を行うとき、集光レンズをまず近接位置よりも記録媒
体に近い初期位置に変位させる。この位置から、集光レ
ンズを離反方向に変位移動させる。これによって、集光
レンズは、近接位置、合焦点位置、離反位置をこの順で
通過するように変位される。比較手段は、たとえば第1
受光領域からの信号レベルが第2受光領域からの信号レ
ベル未満であるとき、第1レベルの出力を導出する。第
1受光領域からの信号レベルが第2受光領域からの信号
レベル以上であるとき、第2レベルの出力を導出する。
後述する図8(7)、図10(7)において、第1レベ
ルはローレベルであり第2レベルはハイレベルである。
第1および第2受光領域からの信号レベルは、前述した
ように山型を示す。ゆえに、第1および第2受光領域か
らの信号レベルの大小関係は、集光レンズの変位範囲全
域に集光レンズを変位させたとき2回反転する。制御手
段は、この2回の反転が起こる位置のうち、比較手段か
らの出力が第2レベルから第1レベルに切換わる位置を
合焦点位置と見なして、集光レンズの変位移動を停止さ
せる。前述したように、離反移動中であって、移動時間
経過に伴い先に極大レベルに至る一方の受光素子の信号
レベルを他方の受光素子の信号レベルよりも相対的に小
さくするとき、比較出力は図8(7)に示すように、移
動開始直後には第1レベルを保つ。さらに離反移動させ
ると、比較出力は近接位置に至るまえに第1レベルから
第2レベルに切換わり、近接位置を越えるまで第2レベ
ルを保った後に、合焦点位置に至る前に第2レベルから
第1レベルに切換わる。また、離反移動中であって、移
動時間経過に伴い後から極大レベルに至る一方の受光素
子の信号レベルを他方の受光素子の信号レベルよりも相
対的に小さくするとき、比較出力は図10(7)に示す
ように、移動開始直後には第2レベルを保つ。さらに離
反移動させると、比較出力は近接位置および合焦点位置
を越えるまで第2レベルを保ち、合焦点位置を越えた直
後に初めて第2レベルから第1レベルに切換わり、離反
位置を越えるまで第1レベルを保つ。このように、離反
移動中であって、比較手段が上述した出力を導出すると
き、比較出力は、合焦点位置近傍で第2レベルから第1
レベルに切換わる。ゆえに、比較出力が上述した変化を
示すときに集光レンズの変位移動を停止させると、確実
に合焦点位置近傍で集光レンズを停止させることができ
る。
【0032】また本発明の前記初期位置は第1の初期位
置と第2の初期位置とを含み、第1の初期位置は前記離
反位置よりも記録媒体から遠い位置であり、第2の初期
位置は前記近接位置よりも記録媒体に近い位置であり、
前記制御手段は、前記駆動手段によってまず集光レンズ
を第1の初期位置から記録媒体に近づける方向に変位移
動させ、次いで第2の初期位置から記録媒体から遠ざけ
る方向に変位移動させ、前記比較手段は、各受光領域の
前記レベル変換手段によって変換された信号レベルを比
較して、第1受光領域からの信号レベルが第2受光領域
からの信号レベル未満であるとき第1レベルの出力を導
出し、第1受光領域からの信号レベルが第2受光領域か
らの信号レベル以上であるとき第2レベルの出力を導出
し、前記制御手段は、比較手段の出力に応答し、集光レ
ンズの近接移動中に比較手段の出力レベルが第1レベル
から第2レベルに切換わるとき、および集光レンズの離
反移動中に比較手段の出力レベルが第2レベルから第1
レベルに切換わるとき、集光レンズの近接および離反移
動を停止させ、フォーカスサーボ動作に移行することを
特徴とする。本発明に従えば、前記制御手段は、集光レ
ンズをまず近接移動させて合焦点位置を検出し、検出で
きないときには、連続して離反移動させて合焦点位置を
検出する。近接移動時の第1の初期位置は、離反位置よ
りも記録媒体から遠い、また離反移動時の第2の初期位
置は、近接位置よりも記録媒体に近い。集光レンズを近
接または離反移動させると、集光レンズは第1または第
2の初期位置から第2または第1の初期位置の近傍に移
動されることとなる。ゆえに、たとえば合焦点位置の検
出を複数回繰返すとき、近接移動と離反移動とを連続し
て行うと、逐次各移動時の初期位置に変位させる動作を
省略することができる。ゆえに、サーチ動作に必要な時
間を短縮することができる。比較手段は、たとえば第1
受光領域からの信号レベルが第2受光領域からの信号レ
ベル未満であるとき、第1レベルの出力を導出する。第
1受光領域からの信号レベルが第2受光領域からの信号
レベル以上であるとき、第2レベルの出力を導出する。
後述する図8(5)、図8(7)、図10(5)、およ
び図10(7)において、第1レベルはローレベルであ
り第2レベルはハイレベルである。制御手段は、集光レ
ンズの移動方向に応じて、移動時に2回生じる出力レベ
ルの切換わりにおいて、合焦点位置に近い位置で起こる
切換わりを選択する。たとえば近接移動時には比較出力
が第1レベルから第2レベルに切換わるときに集光レン
ズの移動を停止させる。また離反移動時には比較出力が
第2レベルから第1レベルに切換わるときに集光レンズ
の移動を停止させる。これによって、確実に合焦点位置
に近い位置で集光レンズを停止させることができる。
【0033】また本発明の前記初期位置は第1の初期位
置と第2の初期位置とを含み、第1の初期位置は前記近
接位置よりも記録媒体に近い位置であり、第2の初期位
置は前記離反位置よりも記録媒体から遠い位置であり、
前記制御手段は、前記駆動手段によってまず集光レンズ
を第1の初期位置から記録媒体から遠ざける方向に変位
移動させ、次いで第2の初期位置から記録媒体に近付け
る方向に変位移動させ、前記比較手段は、各受光領域の
前記レベル変換手段によって変換された信号レベルを比
較して、第1受光領域からの信号レベルが第2受光領域
からの信号レベル未満であるとき第1レベルの出力を導
出し、第1受光領域からの信号レベルが第2受光領域か
らの信号レベル以上であるとき第2レベルの出力を導出
し、前記制御手段は、比較手段の出力に応答し、集光レ
ンズの離反移動中に比較手段の出力レベルが第2レベル
から第1レベルに切換わるとき、および集光レンズの近
接移動中に比較手段の出力レベルが第1レベルから第2
レベルに切換わるとき、集光レンズの離反および近接移
動を停止させ、フォーカスサーボ動作に移行することを
特徴とする。本発明に従えば、前記制御手段は、集光レ
ンズをまず離反移動させて合焦点位置を検出し、検出で
きないときには、連続して近接移動させて合焦点位置を
検出する。離反移動時の第1の初期位置は、近接位置よ
りも記録媒体に近い。また近接移動時の第2の初期位置
は、離反位置よりも記録媒体から遠い。集光レンズを離
反または近接移動させると、集光レンズは第1または第
2の初期位置から第2または第1の初期位置の近傍に移
動されることとなる。ゆえに、たとえば合焦点位置の検
出を複数回繰返すとき、離反移動と近接移動とを連続し
て行うと、逐次各移動時の初期位置に変位させる動作を
省略することができる。ゆえに、サーチ動作に必要な時
間を短縮することができる。比較手段は、たとえば第1
受光領域からの信号レベルが第2受光領域からの信号レ
ベル未満であるとき、第1レベルの出力を導出する。第
1受光領域からの信号レベルが第2受光領域からの信号
レベル以上であるとき、第2レベルの出力を導出する。
後述する図8(5)、図8(7)、図10(5)、およ
び図10(7)において、第1レベルはローレベルであ
り第2レベルはハイレベルである。制御手段は、集光レ
ンズの移動方向に応じて、移動時に2回生じる出力レベ
ルの切換わりにおいて、合焦点位置に近い位置で起こる
切換わりを選択する。たとえば離反移動時には比較出力
が第2レベルから第1レベルに切換わるときに集光レン
ズの移動を停止させる。また近接移動時には比較出力が
第1レベルから第2レベルに切換わるときに集光レンズ
の移動を停止させる。これによって、確実に合焦点位置
に近い位置で集光レンズを停止させることができる。
【0034】また本発明の前記制御手段は、集光レンズ
の近接移動および離反移動を含む往復移動が行われた回
数を計数する計数手段と、計数手段の出力に応答し、往
復移動の回数が予め定める回数以上となったとき、集光
レンズの移動を停止させ、合焦点位置を検出することが
できないことを示すエラー信号を出力する停止手段とを
さらに含むことを特徴とする。本発明に従えば、前記制
御手段は、合焦点位置を検出することができるまで、複
数回集光レンズの往復移動を繰返す。往復移動は、前述
したように近接移動に続いて離反移動を行う移動手法で
ある。往復移動の移動回数は、計数手段によって計数さ
れる。停止手段は、計数手段で計数される往復移動の回
数が予め定める回数以上となったとき、集光レンズの移
動を停止させる。かつ、合焦点位置を検出することがで
きないことを示すエラー信号を出力する。このとき、集
光レンズは合焦点位置に停止されてはいないので、以
後、フォーカスサーボ動作および記録媒体の再生および
書込み動作を行うことが困難となる。集光レンズは、た
とえば装置に振動などの外乱が加えられたとき、容易に
位置が変位する。ゆえに、フォーカスサーチ動作を行っ
ているときに外乱が加わると、合焦点位置を検出するこ
とができなくなる。合焦点位置の検出を複数回繰返す
と、外乱が一時的なものであれば外乱が納まった後に合
焦点位置を検出することができる。ゆえに、一時的な外
乱によって、サーチ動作が阻害されることを防止するこ
とができる。また、往復移動および移動中の合焦点位置
の検出は、予め定める回数だけ行われる。装置が故障し
ているときなどには、それを早く使用者に知らせる必要
がある。ゆえに、複数回往復移動する間に合焦点位置を
検出することができないときは、装置の故障であると判
定して、エラー信号を出力する。使用者はこのエラー信
号に基づいて、装置が故障していることを認識すること
ができる。
【0035】また本発明は、前記往復移動の予め定める
回数は、3回であることを特徴とする。本発明に従え
ば、1回のフォーカスサーチ動作において、往復移動が
許容される予め定める許容回数は3回である。フォーカ
スサーチ動作では、集光レンズがその変位範囲内を移動
しつつ、合焦点位置を検出する。このとき、集光レンズ
が1回往復移動を行うと、変位範囲全域を1往復してい
る。3回の往復移動に必要な時間は、集光レンズが合焦
点位置に至るまでに装置の使用者が長いと感じない時間
である。集光レンズが変位範囲を3往復しても合焦点位
置が検出されないとき、フォーカス制御装置に不良があ
るので合焦点位置が検出されないとみなされる。ゆえ
に、このときはエラー処理を行う。これによって、使用
者に早くエラー発生を知らせることができる。
【0036】また本発明は、前記制御手段は、集光レン
ズの近接移動および離反移動の少なくとも一方を含む移
動に要する時間を計測する計測手段と、計測手段の出力
に応答し、移動に要する時間が予め定める時間以上とな
ったとき、集光レンズの移動を停止させ、合焦点位置を
検出することができないことを示すエラー信号を出力す
る停止手段とをさらに含むことを特徴とする。本発明に
従えば、前記制御手段は、予め定める時間だけ、合焦点
位置を検出するように、集光レンズを移動させる。集光
レンズを移動させ始めてからの経過時間は計測手段によ
って計測される。この移動は、近接移動、離反移動、お
よび往復移動のいずれか1つである。停止手段は、計測
手段で計測される移動の経過時間が予め定める時間以上
となったとき、集光レンズの移動を停止させる。かつ、
合焦点位置を検出することができないことを示すエラー
信号を出力する。このとき、集光レンズは合焦点位置に
停止されてはいないので、以後、フォーカスサーボ動作
および記録媒体の再生および書込み動作を行うことが困
難となる。前述したように、集光レンズは、装置に加え
られた外乱によって容易に位置が変化する。このように
予め定める時間の間は繰返しフォーカスサーチ動作を行
うことができるので、サーチ動作が一時的な外乱に影響
されない。
【0037】また本発明は、前記受光素子の各受光領域
からの信号レベルを相互に加算する加算手段と、加算手
段の出力に応答し、加算手段の出力レベルを合焦点位置
から予め定める距離だけ離れた合焦点近傍位置に対応す
る予め定める弁別レベルVref11でレベル弁別し、
集光レンズが合焦点近傍位置よりも合焦点位置に近い位
置にあるとき第3レベルの出力を導出し、合焦点近傍位
置よりも合焦点位置から離れた位置にあるとき第4レベ
ルの出力を導出するレベル弁別手段とをさらに含み、前
記制御手段は、前記比較手段およびレベル弁別手段の出
力に応答し、集光レンズの移動中にレベル弁別手段から
の出力が第3レベルの出力であってレベル変換手段から
出力された受光領域からの信号間の信号レベルの大小関
係が反転するとき、集光レンズの移動を停止させてフォ
ーカスサーボ動作に移行することを特徴とする。本発明
に従えば、フォーカス制御装置は、受光素子の全受光領
域において受光された記録媒体の反射光の全受光量に基
づいて、合焦点位置があるべき範囲を検出する。受光素
子の各受光領域からの信号は、加算手段において、相互
に加算される。この加算手段からの加算出力が、受光素
子で受光された反射光の全受光量である。加算出力は、
レベル弁別手段において、予め定める弁別レベルVre
f11でレベル弁別される。レベル弁別手段は、全受光
量が弁別レベルVref11以上であるとき、集光レン
ズが合焦点位置から予め定める距離離れた合焦点近傍位
置以上に合焦点位置に近いと判断して、第3レベルの出
力を導出する。全受光量が弁別レベルVref11未満
であるとき、集光レンズが合焦点近傍位置よりも合焦点
位置から遠い位置にあると判断して、第4レベルの出力
を導出する。前述した光学手段が、合焦点位置に集光レ
ンズがあるとき、受光素子に結像する反射光の像が最小
となるように集光する。ゆえにこのとき、受光素子の全
受光量が最大となる。予め定める弁別レベルVref1
1は、合焦点位置から予め定める距離だけ離れた位置に
集光レンズがあるときの総和信号のレベルと等しいレベ
ルに設定される。このレベルVref11は、たとえば
集光レンズが近接位置近傍および離反位置近傍にあると
きの全受光量のレベルと等しいレベルである。このよう
なレベルでレベル弁別されると、近接位置から離反位置
までの範囲すなわち合焦点位置があるべき範囲に集光レ
ンズが位置するときだけ第3レベルの出力が導出され
る。ゆえに、合焦点位置があるべき範囲を限定すること
ができる。したがって、より確実に合焦点位置を検出す
ることができる。
【0038】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施形態で
あるフォーカス制御装置61の電気的構成を示すブロッ
ク図である。フォーカス制御装置61は、たとえばコン
パクトディスクである光学的記録媒体63からデータを
読出し再生する記録媒体再生装置に備えられる。
【0039】円板状の記録媒体63には、その一方面側
にある記録層63aに形成される渦巻き状のトラックに
沿って、データが記録される。記録媒体再生装置におい
て、記録媒体63は、スピンドルモータ64によって予
め定める線速度で回転される。記録媒体63に記録され
たデータは、ピックアップ65によって読出される。ピ
ックアップ65は、記録媒体63の記録層63aのトラ
ックを追尾するように、スライドモータ66によって記
録媒体63の半径方向に変位される。
【0040】ピックアップ65は、光源68、光学系6
9、集光レンズ70、および受光素子71を含んで構成
される。光源68は、たとえばレーザ光である照射光を
出力する。出力された照射光は、光学系69を経て、集
光レンズ70に入射する。この照射光は、集光レンズ7
0によって記録媒体63の記録層63a表面に結像され
る。記録層63a表面で反射した反射光は、ピックアッ
プ65に入射する。反射光は集光レンズ70によって集
光され、光学系69を介して受光素子71の受光領域上
に結像される。また、ピックアップ65は変位装置72
を備える。変位装置72は、予め定める変位範囲W1内
において、記録媒体63に近付く近接方向または遠ざか
る離反方向に集光レンズ70を変位させる。
【0041】集光レンズ70の変位量は、フォーカス制
御装置61によって定められる。フォーカス制御装置6
1は、ピックアップ65からの出力に基づいて、フォー
カスサーチ動作およびフォーカスサーボ動作をそれぞれ
行う。フォーカスサーチ動作とは、集光レンズ70の合
焦点位置を検出し、レンズ70をその位置に至らしめる
動作である。フォーカスサーボ動作とは、集光レンズ7
0が常に合焦点位置に保たれるように、集光レンズ70
の位置の徴調整を行う動作である。合焦点位置とは、集
光レンズ70の変位範囲内において、記録媒体63の記
録層63a表面から予め定める第1の距離だけ遠ざかっ
た相対位置である。集光レンズ70が合焦点位置にある
とき、ピックアップの光源68から照射され集光レンズ
70を介して記録媒体63の記録層63a表面に結像さ
れる照射光の像が最小となり、照射光の焦点が記録層6
3a表面に一致する。
【0042】図2は、ピックアップ65の構成を簡略化
して示す斜視図である。フォーカスサーチ動作およびフ
ォーカスサーボ動作には、たとえば非点収差法が用いら
れる。非点収差法における光学系69は、グレーティン
グ76、コリメータレンズ77、ハーフプリズム78、
およびシリンドリカルレンズ82を含む。ハーフプリズ
ム78は、偏光ビームスプリッタとも称される。
【0043】光源68と集光レンズ70との間であっ
て、光源68と集光レンズ70の中心を通る光軸75上
に、グレーティング76、コリメータレンズ77および
ハーフプリズム78が、光源68に近い側からこの順で
設置される。矢符79で示す光軸75と平行な方向を、
以後「y方向」と称する。
【0044】コリメータレンズ77は、光源68からグ
レーティング76を通過してレンズ77に入射する光を
光軸75に平行な光とする。ハーフプリズム78は、偏
光方向がプリズム78の入射面に平行である光だけを通
過させ、偏光方向が入射面に垂直である光は、偏光方向
が入射面と平行である光の出射方向と垂直な方向に反射
させる。また、集光レンズ70とハーフプリズム78と
の間の光軸75上に、1/4波長板が挿入されることが
ある。1/4波長板は、直線偏光の波を円偏光の波に変
換する。
【0045】ハーフプリズム78から垂直方向に反射さ
れる光の経路にシリンドリカルレンズ82が備えられ
る。シリンドリカルレンズ82は、光の入射面である対
象面83が平面であり、出射面84が一方方向にだけ円
弧状に弯曲する略半円柱状の形状を有する。シリンドリ
カルレンズ82は、光の入射方向に対して個々に直交
し、かつ相互に直交する一方および他方方向に対し、出
射面84で円弧状に弯曲する一方方向にだけレンズとし
て働く。矢符86で示すシリンドリカルレンズの一方方
向に平行な方向を、「x方向」と称する。他方方向は、
y方向に平行な方向である。光が入射するシリンドリカ
ルレンズ82の対象面83の法線方向に沿う法線軸87
は、光軸75と直交する。矢符88で示す法線軸87と
平行な方向を、以後「z方向」と称する。
【0046】法線軸87の延長線上であってシリンドリ
カルレンズ82の出射面84側には、受光素子71が配
置される。受光素子71は、たとえば平板状の受光領域
を4分割した4分割フォトダイオードで実現される。受
光素子71の受光領域は、たとえば正方形であり、この
受光領域が同一形状同一面積に4分割される。たとえば
分割領域91〜94は、正方形の受光領域の中心点71
aを通り各辺に平行な線で縦横に等面積に区分されて形
成される。
【0047】法線軸87は、受光素子71の受光領域の
面と直交し、かつ分割領域91〜94の中心であり素子
71の受光領域の中心である点71aを通る。さらにシ
リンドリカルレンズ82の法線軸87と直交する対称軸
線96と、受光素子71の正方形の受光領域の対角線9
5とは、どちらもy方向に平行である。
【0048】光源68からグレーティング76およびコ
リメータレンズ77を介して出力される照射光の偏光方
向は、ハーフプリズム78の入射面に平行な方向と一致
している。ゆえに照射光はハーフプリズム78を通過
し、1/4波長板で偏光の種類が変換される。この光は
集光レンズ70で収束されて、記録媒体63の記録層6
3a表面に、この表面と光軸75とが交わる点を中心と
して結像する。
【0049】前述した照射光は、記録媒体63の記録層
63a表面において反射されるとき、その表面に形成さ
れるピットによって強度変調される。この反射光は、集
光レンズ70に戻る。また、記録媒体63が光磁気ディ
スクであるとき、照射光は、記録層63aが帯磁してい
る磁場の方向に応じて円偏光の偏光方向が変化されて集
光レンズ70に戻る。
【0050】集光レンズ70で集約された光は、光学系
69に入射する。光学系69では、たとえば1/4波長
板において円偏光が直線偏光に変換される。直線偏光の
方向は、記録層63a表面で偏光方向が変化されていな
いとき、前述した光が照射されるときに1/4波長板を
通過したときの偏光方向と直交する方向になる。1/4
波長板を通過した光は、ハーフプリズム78に入射す
る。このとき入射する光は光の入射面に対し垂直な方向
に偏光しているので、照射光の光軸75と垂直な法線軸
87に沿う方向に反射される。この反射光は、シリンド
リカルレンズ82によって受光素子71の各分割領域9
1〜94上に結像される。
【0051】シリンドリカルレンズ82はx方向にだけ
レンズとして働く。ゆえにレンズ82を通過した光の成
分のうち、y方向成分はx方向成分よりもシリンドリカ
ルレンズ82から遠い位置で1点に集光する。図3は、
x方向から見たシリンドリカルレンズ82を通過した反
射光の光経路を示す図である。すなわち、y方向の成分
の経路を示す。y方向成分は、法線軸87上の点PAに
おいて一点に集光する。x方向成分は、法線軸87上の
点PBにおいて一点に集光する。点PAでは、x方向成
分は一点に集光していない。同様に点PBではy方向成
分は一点に集光していない。
【0052】ゆえに、たとえば点PAにおいて法線軸8
7と直交する平面に投影される反射光の投影像はx方向
に平行な線分となる。同様に点PBにおいて法線軸87
と直交する平面に投影される反射光の投影像はy方向に
平行な線分となる。点PA,PB間の中点である点PJ
では、x方向およびy方向成分の収束の度合いが等しく
なり、反射光の投影像が真円となる。
【0053】受光素子71は、集光レンズ70が変位範
囲W1の合焦点位置DJにあるとき、その受光領域が点
PJにおいて法線軸87と直交する平面と一致するよう
に配置される。すなわち、集光レンズ70が合焦点位置
DJにあるとき、受光素子71が点PJに位置するよう
に配置される。このとき、反射光は受光素子71の受光
領域面上に最大輝度で真円となるように結像される。図
4(2)は、受光領域上に反射光が結像される受光素子
71の正面図である。反射光が投影される領域を、斜線
を付して示す。このとき像の中心は受光素子71の分割
領域91〜94の対角線の交点である中心点71aと一
致し、各分割領域91〜94への投影像が等面積とな
る。
【0054】集光レンズ70が記録媒体63の記録層6
3a表面に近づき合焦点位置DJよりも記録媒体63に
近い範囲W2にあるとき、受光素子71の受光領域は、
点PJよりも点PBに近づく。図4(1)は、点PB,
PJ間の点PNにおいて、受光領域上に反射光が結像さ
れる受光素子71の正面図である。反射光が投影される
領域を、斜線を付して示す。反射光の投影像は、長軸が
y方向に平行な楕円となる。このとき、分割領域91〜
94において、分割領域91,94は分割領域92,9
3よりも受光面積が広い。
【0055】また、集光レンズ70が記録媒体63の記
録層63a表面から遠ざかり合焦点位置DJよりも記録
媒体63から遠い範囲W3にあるとき、受光素子71の
受光領域は、点PJよりも点PAに近づく。図4(3)
は、点PA,PJ間の点PFにおいて、受光領域上に反
射光が結像される受光素子71の正面図である。反射光
が投影される領域を、斜線を付して示す。反射光の投影
像は、長軸がx方向に平行な楕円となる。このとき、分
割領域91〜94において、分割領域91,94は分割
領域92,93よりも受光面積が狭い。
【0056】反射光の投影像は点PJで最小となり、輝
度が最大となる。また点PAよりもシリンドリカルレン
ズ82から遠ざかる程、および点PBよりもシリンドリ
カルレンズ82に近づく程、反射光の投影像は大きくな
り、受光素子71の受光領域よりも大きくなる。このと
き、各分割領域91〜94の受光量は等しくとも、点P
Jでの投影像と比較して、分割領域91〜94での受光
量の総和量が小さくなる。すなわち、集光レンズ70が
合焦点位置DJに近づくほど、分割領域91〜94の受
光量の総和値が大きくなり、合焦点位置DJで最大とな
る。
【0057】また、光学系69は、シリンドリカルレン
ズ82の代わりに平板ガラス90を用いても良い。図5
は、平板ガラス90を用いた光学系69aを用いたピッ
クアップ65aの構成を簡略化して示す斜視図である。
図5は図2に類似のものであり、同一の構成要素には同
一の符号を付し、説明は省略する。
【0058】平板ガラス90は、ハーフプリズム78か
ら垂直に反射される光の経路に設置される。平板ガラス
90は、光が入射する入射面および出射する出射面の法
線と、光軸87と直交し受光素子71の受光領域の中心
71aを通る法線軸87aとが、xy平面で予め定める
角度を成すように設置される。入射面および出射面に平
行な軸90aは、光軸75および受光素子71の対角線
95と平行である。平板ガラス90を通過した光は、前
述したシリンドリカルレンズ82を通過した光と同様
に、x方向の光の焦点とy方向の光の焦点とがずれる。
【0059】再び図1を参照する。受光素子71の各分
割領域91〜94からの出力は、ピックアップ65から
の出力として、データ処理のための構成およびフォーカ
ス制御のための構成に与えられる。
【0060】受光素子71の分割領域91,94の出力
は、増幅回路97,100で増幅された後に、加算器1
01に与えられ加算される。受光素子71の分割領域9
2,93の出力は、増幅回路98,99で増幅された後
に、加算器102に与えられ加算される。すなわち、分
割領域91〜94のうち、法線軸87が通る中心点71
aを通りy方向に沿う対角線95上の分割領域91,9
4の出力を加算する。同様に、中心点71aを通りx方
向に沿う対角線上の分割領域92,93の出力を加算す
る。図4(1)〜図4(3)に示すように、集光レンズ
70が合焦点位置からずれると、受光素子71に投影さ
れる投影像はx方向およびy方向に長軸および短軸のそ
れぞれが平行となる楕円となる。ゆえに受光素子71に
おいて、分割領域91,94および分割領域92,93
は、受光量がそれぞれ同じように変化する。
【0061】図6は、加算器101,102から出力さ
れる第1および第2加算出力と、集光レンズ70から記
録媒体63の記録層表面63aまでの離反距離との関係
を示すグラフである。曲線106は分割領域91,94
からの出力を加算する加算器101から出力される第1
加算出力を示す。曲線107は、分割領域92,93か
らの出力を加算する加算器102から出力される第2加
算出力を示す。第1および第2加算出力は、ともに離反
距離がきわめて小さいときおよびきわめて大きいときに
は予め定める最小レベルEminに漸近する。離反距離
が予め定める距離y10であるとき、集光レンズ70が
合焦点位置DJにある。このとき第1および第2加算出
力は、ともに予め定めるレベルE0となる。
【0062】離反距離が予め定める距離y11であると
き、集光レンズ70は合焦点位置DJよりも記録媒体6
3の記録層63a表面に近い近接位置にある。このと
き、第1加算出力だけが極大レベルEmaxとなり、第
2加算出力は最小レベルEminに漸近する。離反距離
が予め定める距離y12であるとき、集光レンズ70は
合焦点位置DJよりも記録媒体63の記録層63a表面
から遠い離反位置にある。このとき、第2加算出力だけ
が予め定める極大レベルEmaxとなり、第1加算出力
が最小レベルEminに漸近する。近接位置および離反
位置は、それぞれ合焦点位置DJから予め定める第2の
距離W10だけ離れている。
【0063】再び図1を参照する。加算器101,10
2からの加算出力は、導線104,105を介してそれ
ぞれ減算器109および加算器112に与えられる。減
算器109では、加算器101の第1加算出力の出力レ
ベルから、加算器102の第2加算出力の出力レベルが
減算される。減算器109からの出力は後述するフォー
カスエラー信号である。
【0064】図8(1)は、減算器109から出力され
るフォーカスエラー信号と前記離反距離との関係を示す
グラフである。このとき記録媒体63にはピットがない
ものとする。離反距離が小さく集光レンズ70が記録媒
体63に合焦点位置よりも近い位置にあるとき、フォー
カスエラー信号のレベルは正側から0レベルに漸近す
る。たとえば集光レンズ70の変位範囲W1のうち最も
記録媒体63に近い端部Dminから記録媒体63の離
反方向に集光レンズ70を変位させると、フォーカスエ
ラー信号のレベルは徐々に増加する。離反距離が予め定
める距離y11となり、合焦点位置に予め定める第2の
距離W10まで近付いた近接位置に集光レンズ70が至
るとき、信号レベルは極大レベルVmとなる。さらに集
光レンズ70を記録媒体63の離反方向に変位させる
と、フォーカスエラー信号のレベルは低下する。離反距
離が予め定める距離y10となり、合焦点位置に至る
と、信号レベルは0レベルとなる。
【0065】合焦点位置を超えてさらに記録媒体63の
離反方向に集光レンズ70を変位させると、フォーカス
エラー信号のレベルはさらに減少する。離反距離が予め
定める距離y12となり、合焦点位置を越えて予め定め
る第2の距離W10だけ進んだ離反位置に至ると、信号
レベルは極小レベル(−Vm)となる。この離反位置か
らさらに離反方向に変位させるとフォーカスエラー信号
のレベルは増加し始め、記録媒体63から充分に遠ざか
った位置ではフォーカスエラー信号のレベルは負側から
0レベルに漸近する。このように、フォーカスエラー信
号は、集光レンズ70が合焦点位置に至ったときに0レ
ベルとなり、その前後で位置に応じてレベル変化するS
字特性を示す。フォーカスエラー信号が0レベルよりも
増加又は減少する範囲W11は、たとえば合焦点位置を
中心として近接方向および離反方向にそれぞれ10μm
である。
【0066】再び図1を参照する。加算器112では、
加算器101,102からの出力レベルを加算する。加
算器112からの出力は、受光素子71の全受光領域で
受光される反射光の全受光量を示す総和信号である。総
和信号は、記録媒体63の記録層63a表面のピットの
有無に対応して、そのレベルが変化する。
【0067】図8(2)は、加算器112から出力され
る総和信号のレベルと前記離反距離との関係を示すグラ
フである。このとき記録媒体63にはピットがないもの
とする。総和信号は、離反距離が予め定める距離y10
となり、集光レンズ70が合焦点位置に至ったときに最
大レベルVmaxとなる。合焦点位置よりも集光レンズ
70が記録媒体63に近付くほど、また合焦点位置より
も集光レンズ70が記録媒体63から遠ざかるほど、信
号レベルは小さくなる。合焦点位置から充分に遠ざかっ
た位置では、信号レベルは0レベルに漸近する。
【0068】再び図1を参照する。加算器112からの
総和信号は、導線113を介してデータ処理のための構
成に与えられる。データ処理のための構成では、総和信
号をEFM復調し、誤り訂正して、デジタル信号である
データを再生する。たとえば記録媒体63に音響が記録
されるとき、再生されたデータをデジタル/アナログ変
換してアナログ信号とした後に、スピーカから音響とし
て出力する。
【0069】また、加算器112からの総和信号は、比
較器116の非反転端子に与えられる。比較器116の
反転端子は、電源ラインと接地ラインとの間に直列に介
在された基準電圧源117に接続される。比較器116
の反転端子には、予め定める弁別レベルVref11の
印加電圧が与えられる。比較器116は、加算器112
からの総和信号のレベルが予め定める弁別レベルVre
f11以上であるとき、ハイレベルの出力を導出する。
総和信号のレベルが、予め定める弁別レベルVref1
1未満であるとき、ローレベルの出力を導出する。比較
器116の出力は、後述する合焦点近傍信号である。
【0070】図8(3)は比較器116から出力される
合焦点近傍信号と前記離反距離との関係を示す波形図で
ある。比較器116において、基準電圧源117の弁別
レベルVref11は、集光レンズ70が予め定める第
3の距離W13だけ合焦点位置に接近したときに出力さ
れる合焦点近傍信号のレベルと同程度のレベルに設定さ
れる。すなわち、離反距離が距離y13または距離y1
4となるときのレベルに等しい。距離y13は、前述し
た合焦点位置の距離y10よりも予め定める第3の距離
W13だけ短い。記録媒体63から距離y13だけ離れ
た位置は、前記近接位置よりも記録媒体63に近い。ま
た距離y14は、前述した合焦点位置の距離y10より
予め定める第3の距離W13だけ長い。記録媒体63か
ら距離y14だけ離れた位置は、離反位置よりも記録媒
体63から遠い。
【0071】すなわち、集光レンズを変位範囲W1の最
も記録媒体63に近い位置Dminから記録媒体の離反
方向に変位させるとき、合焦点近傍信号は、まず最初は
ローレベルを保ち、離反距離が距離y13となるとロー
レベルからハイレベルに立上がる。さらに離反方向に変
位させると、前記距離y13から合焦点位置を越えて距
離y14に至るまでハイレベルを保ち、離反距離が距離
y14に至るとハイレベルからローレベルに立下がる。
【0072】再び図1を参照する。さらに、加算器10
1,102からの第1および第2加算出力は、導線10
4,105を介してレベル変換回路121に与えられ
る。第1および第2加算出力は、レベル変換回路121
においてそのレベルが相互に異なるように変換された後
に比較器122に与えられて比較される。
【0073】レベル変換回路121は、インピーダンス
素子125,126、抵抗R1,R2,R3,R4、お
よび切換えスイッチ128を含んで構成される。加算器
101,102と比較器122との間には、それぞれイ
ンピーダンス素子125,126および抵抗R1,R2
が直列に介在される。さらに、抵抗R1と比較器122
との間の導線127と接地ラインとの間には、切換えス
イッチ128の一方の個別接点129を介して抵抗R3
が介在される。同様に抵抗R2と比較器122との間の
導線と接地ラインとの間には、切換えスイッチ128の
他方の個別接点131を介して抵抗R4が介在される。
【0074】たとえば切換えスイッチ128が他方の個
別接点131に切換えられているとき、第1加算出力
は、インピーダンス素子125を通り、抵抗R1で減衰
された後に、比較器122に与えられる。第2加算出力
は、インピーダンス素子126を通り、抵抗R2と抵抗
R4とによって分圧される。その分圧出力がレベル変換
後の第2加算出力として、比較器122に与えられる。
【0075】これによって、前述した図6で示すよう
に、最小レベル、極大レベルおよび合焦点位置でのレベ
ルが等しい第1および第2加算出力は、相互に異なるレ
ベルにレベル変換される。第1および第2加算出力の減
衰量は、集光レンズ70が合焦点位置から充分に離れた
位置にあるときの第1および第2加算出力をレベル変換
したとき、レベル変換後の第1および第2加算出力のレ
ベル差が加算出力に重畳されるノイズおよび受光素子7
1の各分割領域91〜94の感度のばらつきによる誤差
よりも大きくなるように設定される。かつ、レベル変換
後の第1および第2加算出力のレベルが等しくなる集光
レンズ70の位置が、合焦点位置に極めて近い位置とな
るように設定される。
【0076】またインピーダンス素子125,126の
入力インピーダンスは、素子125,126よりも信号
流れ上流側の構成のインピーダンスよりも大きい。これ
によって、切換えスイッチ128が個別接点129,1
31のいずれか一方に接触するときおよびいずれにも接
触していないとき、接触していない個別接点側の導線の
信号流れ上流側の構成は、インピーダンス素子125,
126よりも信号流れ下流側の構成の影響を受けない。
【0077】比較器122は、レベル変換後の第1およ
び第2加算出力のレベルを相互に比較して、出力の大小
関係を示す比較出力を導出する。レベル変換後の第1加
算出力のレベルがレベル変換後の第2加算出力のレベル
以上であるとき、比較器122の比較出力のレベルはハ
イレベルである。レベル変換後の第1加算出力がレベル
変換後の第2加算出力のレベル未満であるとき、比較出
力のレベルはローレベルである。比較器122から出力
される比較出力は制御回路141に与えられる。また比
較器116からの合焦点近傍信号もまた制御回路141
に与えられる。制御回路141では、後述するように集
光レンズ70を記録媒体63の近接離反方向に変位さ
せ、そのときの比較出力および合焦点近傍信号に基づい
て、集光レンズ70の合焦点位置を検出する。
【0078】フォーカスサーチ動作を行うとき、制御回
路141は、信号生成回路143を制御して、たとえば
鋸波状のレベル変化を示す信号を生成させる。かつ、制
御回路141は切換えスイッチ145を一方の個別接点
146および他方の個別接点147のいずれか一方に切
換える。一方の個別接点146には信号生成回路143
が接続される。他方の個別接点147には、位相補償回
路149が接続される。
【0079】位相補償回路149には、減算器109か
らフォーカスエラー信号が与えられる。切換えスイッチ
145が一方の個別接点146に切換えられるとき、フ
ォーカス制御装置61はフォーカスサーチ動作を行う。
また切換えスイッチ145が他方の個別接点147に切
換えられるとき、フォーカス制御装置61はフォーカス
サーボ動作を行う。
【0080】位相補償回路149は、フォーカスエラー
信号のレベルが常に0レベルとなるように、集光レンズ
70を変位させる信号を導出し、変位装置72を駆動さ
せる。たとえばフォーカスエラー信号が正側に増加する
と、集光レンズ70を離反方向に変位させるように、変
位装置72を駆動させる。またエラー信号が負側に減少
すると、集光レンズ70を近接方向に変位させるように
変位装置72を駆動させる。
【0081】信号生成回路143および位相補償回路1
49のいずれか一方からの出力は、切換えスイッチ14
5を介し、増幅回路150で増幅された後、変位装置7
2に与えられる。変位装置72は、集光レンズ70を記
録媒体63の近接離反方向の予め定める変位範囲内にお
いて変位させる。
【0082】図7は、集光レンズ70および変位装置7
2の構成を簡略化して示す斜視図である。集光レンズ7
0は、たとえば底面および上面が抜かれた直方体の枠で
ある保持部材152によって保持される。保持部材15
2には、たとえば渦巻きばねおよび弾性体の線材で実現
されるばね部材153の一方端が取付けられる。ばね部
材153の他方端は、たとえばフォーカス制御装置61
の筺体の一部に取付けられ固定される。ばね部材153
は矢符155で示す記録媒体63の離反方向にばね力を
及ぼして支持する。保持部材152および集光レンズ7
0が、たとえば最も記録媒体63から遠い位置にあると
き、ばね部材153の伸びが最小となる。一般的に集光
レンズ70は、記録媒体63の記録層63aの鉛直下方
側に取付けられ、重力に逆らって記録媒体に近接するこ
とが多い。ゆえに集光レンズ70が変位装置72によっ
て変位されていないとき、保持部材152および集光レ
ンズ70は、その自重によって図7の実線で示す位置か
ら2点破線156で示す位置まで、鉛直方向下方に微小
量だけ低下していることがある。
【0083】保持部材152の一部には、コイル157
が固定される。コイル157は、棒状の永久磁石158
に巻回される。永久磁石158は、その長手方向が記録
媒体63の近接離反方向、すなわち図2で示す光軸75
と平行な方向に沿うように取付けられる。永久磁石15
8は、たとえば長手方向の一方端158aがN極であ
り、他方端158bがS極である。ばね部材153、コ
イル157および永久磁石158は、変位装置72に含
まれる。
【0084】再び図1を参照する。コイル157の一方
端は、増幅回路150および切換えスイッチ145を介
して、信号生成回路143および位相補償回路のいずれ
か一方に接続される。コイル157の他方端は接地され
る。コイル157は、制御回路141から切換えスイッ
チ145、および増幅回路150を経て与えられる駆動
電圧の電圧レベルに応じて励磁する。これによって、コ
イル157を記録媒体の近接方向に変位させる力が生じ
る。ゆえに集光レンズ70は、永久磁石158の長手方
向、すなわち記録媒体63の近接離反方向に沿って、コ
イル157を変位させる力とばね部材153のばね力と
が釣合う位置までに変位する。変位装置72は、コイル
157に印加される駆動電圧が増加するほど、集光レン
ズ70を記録媒体63に近付ける近接方向に変位させ
る。
【0085】切換えスイッチ145が他方の個別接点1
47に切換えられるとき、光源68、光学系69、集光
レンズ70、受光素子71、増幅回路97〜100、加
算器101,102、減算器109、位相補償回路14
9、増幅回路150、およびコイル157は、負帰還回
路であるフォーカスサーボループ回路を形成する。
【0086】記録媒体63からピックアップ65がデー
タを読出すとき、記録媒体63の面ブレなどが生じる
と、記録媒体63の記録層63a表面と集光レンズ70
との距離が変化して、照射光の焦点が記録層63a表面
からずれることがある。フォーカスサーボループ回路で
は、この距離のずれに応じたフォーカスエラー信号のレ
ベルの変動に基づいて、位相補償回路149においてコ
イル157に印加する駆動電圧の電圧レベルを調整す
る。これによって、集光レンズ70と記録層63a表面
との距離が常に予め定める第1の距離を保ち、照射光の
焦点が記録媒体63の記録層63a表面と一致するよう
に制御する。
【0087】図8(4)は、レベル変換回路121にお
いて切換えスイッチ128を他方の個別接点131に切
換えたときのレベル変換後の第1および第2の加算出力
を示すグラフである。曲線171は加算器101から出
力されレベル変換された第1加算出力を示す。曲線17
2は、加算器102から出力されレベル変換された第2
加算出力を示す。切換えスイッチ128が他方の個別接
点に切換えられると、第2加算出力だけが分圧される。
ゆえに、第2の加算出力が第1の加算出力よりも大きく
減衰される。したがって、レベル変換後の第2加算出力
は、集光レンズ70が合焦点位置にあるときのレベルE
02、および離反距離が最小および最大であるときに漸
近する最小レベルEmin2が、それぞれ第1の加算出
力の各レベルE01,Emin1未満となる。かつ、第
2加算出力の極大レベルEmax2は、第1加算出力の
最小レベルEmin1よりも大きい。
【0088】図8(5)は切換えスイッチ128が他方
の個別接点131に切換えられるときの比較出力と離反
距離との関係を示す波形図である。たとえば記録媒体の
近接方向に変位させると、レベル変換後の第1加算出力
がレベル変換後の第2加算出力のレベル以上になった位
置までの距離に離反距離がなるまでハイレベルを保つ。
離反距離が前記距離となると、ハイレベルからローレベ
ルに立ち下がる。前記距離の位置からさらに近接方向に
変位させるとローレベルを保ち、距離y16においてロ
ーレベルからハイレベルに立上がる。距離y16は、記
録媒体63の記録層63a表面から、合焦点位置を超え
てさらに予め定める第4の距離W14だけ離れた位置ま
での距離である。
【0089】図8(6)は、切換えスイッチ128を一
方の個別接点129に切換えたときにレベル変換回路1
21から出力されるレベル変換された第1および第2加
算出力と前記離反距離との関係を示すグラフである。曲
線175は、加算器101から出力されたレベル変換さ
れた第1の加算出力を示す。曲線176は加算器102
から出力されレベル変換された第2の加算出力を示す。
切換えスイッチ128が一方の個別接点に切換えられる
と、第1の加算出力だけが分圧される。ゆえに、第1の
加算出力が第2の加算出力よりも大きく減衰される。し
たがって、レベル変換後の第1加算出力は、集光レンズ
70が合焦点位置にあるときのレベルE01、および離
反距離が最小および最大であるときに漸近する最小レベ
ルEmin1が、それぞれ第2加算出力の各レベルE0
2,Emin2未満となる。かつ、第1加算出力の極大
レベルEmax1は、第2加算出力の最小レベルEmi
n2よりも大きい。
【0090】図8(7)は切換えスイッチ128が一方
の個別接点129に切換えられるときの比較出力と離反
距離との関係を示す波形図である。たとえば記録媒体の
離反方向に変位させると、離反距離が最小距離であると
きから、記録媒体63からレベル変換後の第1加算出力
がレベル変換後の第2加算出力のレベル以上になる位置
までの距離までローレベルを保つ。離反距離が前記距離
となると、ローレベルからハイレベルに立上がる。前記
位置からさらに離反方向に変位させるとハイレベルを保
ち、距離y17だけ離れた位置においてハイレベルから
ローレベルに立下がる。距離y17は、記録媒体63の
記録層63a表面から、合焦点位置よりも予め定める第
4の距離W14だけ記録媒体63に近い位置までの距離
である。
【0091】予め定める第4の距離W14は、合焦点位
置から近接位置および離反位置までの第2の距離W10
よりも短い。ゆえに、距離y16および距離y17は、
集光レンズ70が合焦点位置にあるときの距離y10に
極めて近い。したがって、本実施形態のフォーカス制御
装置61では、集光レンズ70が記録媒体63から距離
y17だけ離れたことを検知したとき、または距離y1
6だけ離れたことを検知したとき、集光レンズ70が合
焦点位置に至ったとみなす。
【0092】図9は、本実施形態のフォーカス制御装置
61において行われるフォーカスサーチ動作を説明する
ためのフローチャートである。フォーカスサーチ動作
は、たとえばフォーカス制御装置61を含む記録媒体再
生装置への電源投入時、記録媒体63のデータの読出し
開始直前時に行われる。また、再生装置に振動などの外
乱が加わり、フォーカスサーボ回路におけるコイル15
7への駆動電圧の調整が困難となったときにも行われ
る。このように調整が困難となったとき、処理回路64
は一旦コイル157への駆動電圧の印加を停止して、集
光レンズ70を待機位置に戻す。待機位置は、たとえば
図7の2点鎖線で示す位置、すなわちコイル157に駆
動電圧が与えられていない状態での位置である。
【0093】本実施形態の制御装置61では、集光レン
ズの変位方向に応じ、時間的に先に極大レベルを示す一
方の加算出力のレベルを、他方の加算出力のレベルより
も小さくする。
【0094】上述した要因によってフォーカスサーチ動
作を行う必要が生じると、ステップa1からステップa
2に進む。ステップa2では、制御回路141内に備え
られる回数カウンタに予め定める値が代入されてセット
される。回数カウンタは、減算カウンタである。回数カ
ウンタは、後述するフォーカスサーチ動作を繰返す回数
を計数する。この回数は、たとえば3回である。フォー
カスサーチ動作を3回繰返す時間は、装置の使用者がサ
ーチ動作の時間が長いと感じない程度の時間である。こ
のフォーカス制御装置61では、サーチ動作を予め定め
る回数だけ繰返した間に合焦点位置が検出できないと
き、フォーカスサーチ動作ができない状態にあると判断
してそこで処理を中止する。
【0095】回数カウンタがセットされるとステップa
2からステップa3に進む。ステップa3では、フォー
カスサーボループ回路の切換えスイッチ145を他方の
個別接点147から一方の個別接点146に切換える。
これによって、前述した負帰還回路であるフォーカスサ
ーボループ回路が開状態となる。
【0096】フォーカスサーボループ回路を開状態とす
るとステップa3からステップa4に進む。ステップa
4では、回数カウンタのカウント値が0であるか否かが
判断される。0であるときにはステップa5に進み、後
述するエラー処理を行う。0でないときにはステップa
4からステップa6に進み、合焦点位置のサーチ動作を
開始する。合焦点位置のサーチ動作では、たとえば集光
レンズ70を近接移動させた後に離反移動させる往復移
動中に合焦点位置を検出する。
【0097】ステップa6では、集光レンズ70を予め
定める第1初期位置に変位移動させて、集光レンズ70
の位置を初期化する。予め定める第1初期位置は、たと
えば前述した集光レンズ70の変位範囲W1のうち、最
も記録媒体63から遠い位置Dmaxである。集光レン
ズ70の位置が初期化されるとステップa6からステッ
プa7に進む。
【0098】ステップa7では、制御回路141が備え
るタイマをリセットして初期化する。このタイマは、後
述するように集光レンズ70を記録媒体63に近付ける
近接方向または遠ざける離反方向に変位移動させるとき
に合焦点位置の検出が許容される許容時間を計数するも
のである。
【0099】タイマをリセットされるとステップa7か
らステップa8に進む。ステップa8ではレベル変換回
路121の切換えスイッチ128を他方の個別接点に切
換える。これによって、レベル変換回路121では、加
算器101から出力される第1加算出力よりも加算器1
02から出力される第2加算出力の方が大きく減衰され
る。ゆえに、レベル変換後の加算出力は、図8(4)に
示すレベルを示す。
【0100】接点の切換えを行うとステップa8からス
テップa9に進み、前述したタイマでの時間計測を開始
させる。計測を開始するとステップa9からステップa
10に進み、集光レンズ70を前述した第1初期位置か
ら記録媒体63に近付ける近接方向に移動させる近接移
動を開始する。このとき、変位装置72のコイル157
には、制御回路141によって制御される信号生成回路
143において生成された鋸波状の駆動電圧が与えられ
る。ゆえに集光レンズ70は、駆動電圧の電圧増加率に
応じた速度で近接方向に変位される。したがって、レベ
ル変換後の加算出力、および比較器122の比較出力
は、図8(4)および図8(5)に示すレベル変化を示
す。かつ時間的には、矢符t1で示す方向に変化する。
【0101】レンズの近接移動が開始されるとステップ
a10からステップa11に進み、比較器116から出
力される合焦点近傍信号がハイレベルであるか否かが判
断される。そうでないときには、ステップa11からス
テップa12に進み、ステップa9において計測が開始
されたタイマの値が予め定める値に至り、予め定める許
容時間が経過したか否かが判断される。許容時間は、た
とえば集光レンズ70が変位範囲の一方の端部から他方
の端部まで変位移動するのに充分な時間である。許容時
間が経過していないときはステップa11に戻り、合焦
点近傍信号がハイレベルとなるまで判断を繰返す。合焦
点近傍信号がハイレベルとなると、集光レンズ70は合
焦点位置近傍に至ったものと判断される。このときには
ステップa11からステップa13に進む。
【0102】ステップa13では比較器122から出力
される比較出力のレベルがローレベルからハイレベルに
立上がったか否かが判断される。すなわち、前述した図
8(5)に示すように、合焦点位置の手前であり、記録
媒体63から距離y16だけ離れた位置に至ったか否か
が判断される。そうでないときにはステップa13から
ステップa14に進み、許容時間が経過したか否かが判
断される。経過していないときにはステップa13に戻
り、比較器122からの比較出力がローレベルからハイ
レベルに立上がるまで判断を繰返す。比較出力がローレ
ベルからハイレベルに切換わるとステップa13からス
テップa15に進む。
【0103】またステップa12において許容時間が経
過して、かつ合焦点近傍信号がローレベルのままである
とき、またステップa14において予め定める時間が経
過しても比較器122からの比較出力がローレベルから
ハイレベルに切換わらないときには近接移動における合
焦点位置のサーチ動作が不良であると判断される。この
ときには、続いて集光レンズを離反移動させる。このと
きには、ステップa16に進む。
【0104】ステップa16では、集光レンズ70を、
第2初期位置に変位移動させて初期化する。第2の初期
位置は、たとえば集光レンズ70の変位範囲W1におい
て最も記録媒体63に近い位置Dminである。第2初
期位置に初期化するとステップa16からステップa1
7に進み、前述したタイマをリセットする。タイマのリ
セットが終わると、ステップa17からステップa18
に進み、レベル変換回路121の切換えスイッチ128
を一方の個別接点129に切換える。これによって、図
8(6)に示すように、第1加算出力が第2加算出力よ
りも大きく減衰される。
【0105】個別接点を切換えるとステップa18から
ステップa19に進み、前述したタイマの時間計測を開
始してステップa20に進む。ステップa20では、制
御回路141が集光レンズ70の離反方向への移動を開
始させて、ステップa21に進む。このとき、変位装置
72のコイル157には、信号生成回路143から近接
移動時とは電圧レベル変化が逆である鋸波状の駆動電圧
が与えられる。ゆえに集光レンズ70は、駆動電圧の電
圧増加率に応じた速度で離反方向に変位される。したが
って、レベル変換後の加算出力、および比較器122の
比較出力は、図8(6)および図8(7)に示すレベル
変化を示す。かつ時間的には、矢符t2で示す方向に変
化する。
【0106】ステップa21では、前述した合焦点近傍
信号がハイレベルであるか否かが判断される。ハイレベ
ルではないときはステップa21からステップa22に
進み、許容時間が経過したか否かが判断される。そうで
ないときにはステップa21に進み、合焦点近傍信号が
ハイレベルとなるまで判定を繰返す。合焦点近傍信号が
ハイレベルとなるとステップa21からステップa23
に進む。
【0107】ステップa23では、比較器122からの
比較出力がハイレベルからローレベルに立下がったか否
かが判断される。立下がらないときにはステップa23
からステップa24に進み、許容時間が経過したか否か
が判断される。時間が経過していないときにはステップ
a24からステップa23に戻り、比較出力がハイレベ
ルからローレベルに立下がるまで判断を繰返す。集光レ
ンズ70の離反移動中に、比較出力がハイレベルからロ
ーレベルに立下がったとき、すなわち図8(6)および
図8(7)において合焦点位置の手前であって記録媒体
63から距離y17だけ離れた位置に集光レンズ70が
至る。このときステップa23からステップa15に進
む。
【0108】前述したように、集光レンズ70の近接移
動中には比較出力のレベルがローレベルからハイレベル
に立上がったときに合焦点位置に至ったと判断する。ま
た集光レンズ70の離反移動中には比較出力がハイレベ
ルからローレベルに立下がったときに合焦点位置に至っ
たと判断する。このとき、実際の集光レンズ70は合焦
点位置から予め定める第4の距離W14だけ離れた位置
にあるけれども、この距離は微小であり、位置はほとん
ど変わらない。
【0109】たとえば集光レンズ70の自重が大きいと
き、集光レンズの移動を停止しても集光レンズ70自体
の慣性によって、集光レンズ70が変位方向に向かって
移動することがある。本実施形態のフォーカス制御装置
61では、集光レンズを変位させるとき、その変位方向
から見て合焦点位置の手前で変位を停止するので、慣性
でさらに集光レンズ70が変位移動すると、停止位置よ
りも合焦点位置に近付く。ゆえに、慣性に起因する誤差
を小さくすることができる。
【0110】集光レンズ70が合焦点位置に至ったと判
断されると、ステップa13およびステップa23から
ステップa15に進む。ステップa15では、切換えス
イッチ145を一方の個別接点146から他方の個別接
点147に切換える。これによって、前述したフォーカ
スサーボループ回路が閉状態となる。ゆえに、信号生成
回路143からの出力信号が変位装置72に与えられな
くなる。したがって、集光レンズ70はその位置で停止
される。以後、集光レンズ70が停止される位置を合焦
点位置と見なし、この合焦点位置に基づいてフォーカス
サーボ処理動作が行われる。
【0111】また、ステップa24において許容時間が
経過しかつ比較出力がハイレベルからローレベルに立下
がっていないとき、ステップa24からステップa25
に進む。ステップa25では、前述した回数カウンタか
ら1減算してカウントダウンする。合焦点位置のサーチ
動作は、集光レンズ70をディスクの近接方向に移動さ
せる動作と離反方向に移動させる動作とを1回ずつ行っ
たときに1回のサーチ動作が行われたと判断される。回
数カウンタのカウントダウンが終了すると、ステップa
25からステップa4に進み、再び合焦点位置のサーチ
動作を開始する。
【0112】また、前述したステップa4において回数
カウンタのカウンタの値が0であるとき、ステップa4
からステップa5に進みエラー処理を行う。このエラー
処理は、たとえば装置61に取付けられた赤色ランプを
点灯させる。これによって、使用者にフォーカスサーチ
動作が不良であることを提示する。これによって、何ら
かの理由でフォーカスサーチ動作が不良であるとき、図
9のフローチャートの処理から抜出せなくなることを防
止し、使用者がサーチ動作に要する時間が長いと感じな
い程度でフォーカスサーチ動作を終了させることができ
る。
【0113】ステップa15においてフォーカスサーボ
ループ回路を閉状態に切換えたとき、およびステップa
5においてエラー処理を行ったとき、ステップa26に
進み当該フローチャートの処理動作を終了する。このよ
うに、集光レンズ70を記録媒体63に対して近接方向
または離反方向に変位させて合焦点位置を検出する。こ
れによって、確実に合焦点位置を検出することができ
る。上述したサーチ動作では、サーチ動作を行う回数に
変わって時間を設定し、この設定された時間内にサーチ
動作が終了しないときにエラー処理を行うようにしても
よい。
【0114】図10は、本発明の第2実施形態であるフ
ォーカス制御装置において出力されるフォーカスエラー
信号、総和信号、合焦点近傍信号、レベル変換された加
算出力およびその比較結果と、集光レンズから記録媒体
までの離反距離との関係を示すグラフおよび波形図であ
る。第2実施形態のフォーカス制御装置は、第1実施形
態のフォーカス制御装置61と同様の構成を有する。ま
た、この装置を用いたフォーカスサーチ動作は、図9に
示すフローチャートと類似の動作を行う。以後、同一の
動作を行う構成要素は同一の符号を付し説明は省略す
る。
【0115】第2実施形態のフォーカス制御装置では、
図10(1)に示すフォーカスエラー信号、図10
(2)に示す総和信号、および図10(3)に示す合焦
点近傍信号は第1実施形態において出力される信号と等
しい。さらに、受光素子の分割領域からの出力を加算す
る加算器から出力される第1および第2加算出力もま
た、第1実施形態との加算出力と等しい。
【0116】本実施形態のフォーカス制御装置のフォー
カスサーチ動作では、第1実施形態の図9のフローチャ
ートと類似の動作を行う。以下に、フォーカスサーチ動
作の相違点を述べる。これら相違点以外の動作は、図9
のフローチャートに示す動作と等しい。
【0117】集光レンズを近接移動させるとき、レベル
変換回路の切換えスイッチは一方の個別接点に切換えら
れる。これによって、図10(4)に示す近接移動時の
レベル変換後の加算出力のレベルは、曲線181で示す
第1の加算出力が曲線182で示す第2の加算出力より
も相対的に小さくなる。すなわち、レベル変換後の第2
加算出力は、集光レンズが合焦点位置にあるときのレベ
ルE02、および離反距離が最小および最大であるとき
に漸近する最小レベルEmin2が、それぞれ第1加算
出力の各レベルE01,Emin1以上となる。かつ、
第1加算出力の極大レベルEmax1は、第2加算出力
の最小レベルEmin2よりも大きい。
【0118】比較器から出力される比較出力は、第1実
施形態の比較器122と同様に、第1加算出力のレベル
が第2加算出力のレベル以上であるときハイレベルとな
り、レベル未満であるときローレベルとなる。
【0119】図10(5)はレベル変換回路の切換えス
イッチが一方の個別接点に切換えられるときの比較出力
と離反距離との関係を示す波形図である。たとえば集光
レンズを記録媒体の近接方向に変位させると、離反距離
が合焦点位置の距離y10よりも短い前記距離y17だ
け離れた位置までの距離になるまでローレベルを保つ。
離反距離が前記距離y17となると、ローレベルからハ
イレベルに立上がる。前記位置からさらに近接方向に変
位させるとハイレベルを保ち、レベル変換後の第1加算
出力がレベル変換後の第2加算出力のレベル未満になる
位置においてハイレベルからローレベルに立下がる。
【0120】また、集光レンズを離反移動させるとき、
レベル変換回路の切換えスイッチは他方の個別接点13
1に切換えられる。これによって、図10(6)に示す
離反移動時のレベル変換後の加算出力は、曲線185で
示す第1の加算出力が曲線186で示す第2の加算出力
186よりも相対的に大きくなる。
【0121】図10(7)はレベル変換回路の切換えス
イッチが他方の個別接点に切換えられるときの比較出力
と前記離反距離との関係を示す波形図である。たとえば
記録媒体を離反方向に変位させると、離反距離が最小距
離であるときから合焦点位置の距離y10を越えて前記
距離y16となるまでハイレベルを保つ。離反距離が距
離y16となると、ハイレベルからローレベルに立下が
る。距離y16の位置からさらに離反方向に変位させる
とローレベルを保ち、レベル変換後の第1加算出力がレ
ベル変換後の第2加算出力のレベル以上になった位置に
おいてローレベルからハイレベルに立上がる。
【0122】制御回路は、集光レンズの近接移動中に
は、離反距離が距離y17になるときに集光レンズが合
焦点位置に至ったと見なす。すなわち、合焦点近傍信号
のレベルがハイレベルであり、比較出力のレベルがロー
レベルからハイレベルに立上がったときに、フォーカス
サーボループ回路の切換えスイッチを一方の個別接点か
ら他方の個別接点に切換える。また制御回路は、集光レ
ンズの離反移動中には、離反距離が距離y16となる時
に集光レンズが合焦点位置に至ったと見なす。すなわ
ち、合焦点近傍信号がハイレベルであり、かつ比較出力
がハイレベルからローレベルに立下がったときに、回路
の切換えスイッチを切換える。
【0123】これによって、集光レンズは、合焦点位置
よりも予め定める第4の距離W14だけそのときの移動
方向に沿って行き過ぎた位置まで移動した後に停止され
る。たとえば、集光レンズは、記録媒体の重力が作用す
る鉛直方向の下側に配置されることが多い。ゆえに、集
光レンズを記録媒体の近接方向に移動させてかつ本実施
形態のように移動させると、変位停止後に集光レンズが
その自重で微小量だけ変位移動したときにも、合焦点位
置に近付く方向に移動される、ゆえに、自重に起因する
変位の誤差を小さくすることができる。
【0124】図11は、本発明の第3実施形態のフォー
カス制御装置におけるフォーカスサーチ動作を説明する
ためのフローチャートである。本実施形態のフォーカス
制御装置は、第1実施形態のフォーカス制御装置61と
同様の構成を有する。また図11のフローチャートは図
9のフローチャートに類似のものであり、同一の動作を
行うステップには同一の符号を付し説明は省略する。本
実施形態のフォーカス制御装置では、フォーカスサーチ
動作において集光レンズを一方方向にだけ変位駆動させ
る。
【0125】フォーカスサーチ動作を開始するべき要因
が発生するとステップb1からステップa3に進む。こ
のときレベル変換回路の切換えスイッチは、たとえば他
方の個別接点に切換えられる。すなわち、変位方向にそ
って先に極大レベルを示す第2加算出力のレベルが、第
1加算出力のレベルよりも相対的に小さくなるように減
衰される。
【0126】ステップa3ではフォーカスサーボループ
回路の切換えスイッチを他方の個別接点から一方の個別
接点に切換え、ループ回路を開状態としてステップa6
に進む。ステップa6では、集光レンズをたとえば集光
レンズの変位範囲のうち最も記録媒体から遠い第1の初
期位置に変位させて、レンズ位置を初期化する。レンズ
位置を初期化するとステップa6からステップa10に
進み、レンズの近接移動を開始する。レベル変換回路の
切換えスイッチは、他方の個別接点に切換えられている
ので、レベル変換後の第1の加算出力はレベル変換後の
第2の加算出力よりも相対的に大きくなる。すなわち、
レベル変換後の第1および第2加算出力は、前述した図
8(4)に示すレベル変化を示す。かつ時間的には、矢
符t1に示す方向にレベル変化する。
【0127】レンズの移動を開始するとステップa10
からステップa11に進み、合焦点近傍信号がハイレベ
ルとなったか否かが判断される。ハイレベルとなってい
ないときにはステップa11に戻り、ハイレベルとなる
まで判断を繰返す。合焦点近傍信号はハイレベルになる
とステップa11からステップa13に進み、比較器か
らの比較出力がローレベルからハイレベルに立上がった
か否かが判断される。立上がっていないときにはステッ
プa13に戻り、立上がるまで判断を繰返す。比較出力
が立上がるとステップa13からステップa15に進
み、ループ回路の切換えスイッチを一方の個別接点から
他方の個別接点に切換え、フォーカスサーボループを閉
状態としてステップb2に進み、当該フローチャートの
処理動作を終了する。
【0128】これによって、少なくとも集光レンズが記
録媒体に近接する近接方向に集光レンズを変位移動させ
ることで、合焦点位置を検出することができる。ゆえ
に、第1および第2実施形態のフォーカスサーチ動作と
比較して、動作手順が簡略化される。また、レベル変換
回路の回路構成を、切換えスイッチを省略して抵抗R4
と接地ラインとが常に接続される構成とすることができ
る。ゆえに、レベル変換回路の回路構成を簡略化するこ
とができる。
【0129】上述したフォーカスサーチ動作では、たと
えば合焦点近傍信号および比較出力が条件を満たすか否
かの判断を予め定める許容時間内だけ許容し、許容時間
が経過しても条件を満たさないときはサーチ動作が不良
であるとして前述したエラー処理動作を行わせるように
してもよい。また、変位方向にそって時間的に後から極
大レベルを示す第1加算出力のレベルを第2加算出力の
レベルよりも相対的に小さくしてもよい。
【0130】図12は、本発明の第4実施形態であるフ
ォーカス制御装置のフォーカスサーチ動作を説明するた
めのフローチャートである。本実施形態のフォーカス制
御装置は、第1実施形態のフォーカス制御装置61と同
様の構成を有する。また図12のフローチャートは図9
のフローチャートに類似のものであり、同一の動作を行
うステップには同一の符号を付し説明は省略する。本実
施形態のフォーカス制御装置では、フォーカスサーチ動
作において集光レンズを離反方向にだけ変位駆動させ
る。
【0131】フォーカスサーチ動作を開始するべき要因
が発生するとステップb1からステップa3に進む。こ
のときレベル変換回路の切換えスイッチは、たとえば一
方の個別接点に切換えられる。すなわち、変位方向にそ
って先に極大レベルを示す第1加算出力のレベルが、第
2加算出力のレベルよりも相対的に小さくなるように、
減衰される。
【0132】ステップa3ではフォーカスサーボループ
回路の切換えスイッチを他方の個別接点から一方の個別
接点に切換え、ループ回路を開状態としてステップa1
6に進む。ステップa16では、集光レンズをたとえば
集光レンズの変位範囲のうち最も記録媒体に近い第2の
初期位置に変位移動させて、レンズ位置を初期化する。
レンズ位置を初期化するとステップa16からステップ
a20に進み、レンズの離反移動を開始する。レベル変
換回路の切換えスイッチは、一方の個別接点に切換えら
れているので、これによって、レベル変換後の第1の加
算出力はレベル変換後の第2の加算出力よりも小さくな
る。すなわち、レベル変換後の第1および第2加算出力
は、前述した図8(6)に示すレベル変化を示す。かつ
時間的には、矢符t2に示す方向にレベル変化する。
【0133】レンズの移動を開始するとステップa20
からステップa21に進み、合焦点近傍信号がハイレベ
ルとなったか否かが判断される。ハイレベルとなってい
ないときにはステップa21に戻り、ハイレベルとなる
まで判断を繰返す。合焦点近傍信号がハイレベルになる
とステップa21からステップa23に進み、比較器か
らの比較出力がハイレベルからローレベルに立下がった
か否かが判断される。立下がっていないときにはステッ
プa23に戻り、立下がるまで判断を繰返す。比較出力
が立下がるとステップa23からステップa15に進
み、ループ回路の切換えスイッチを一方の個別接点から
他方の個別接点に切換える。これによってフォーカスサ
ーボループ回路を閉状態にする。ループ回路を閉じると
ステップc2に進み、当該フローチャートの処理動作を
終了する。
【0134】これによって、少なくとも集光レンズが記
録媒体から離反する離反方向に集光レンズを変位移動さ
せるだけで、合焦点位置を検出することができる。ゆえ
に、第1および第2実施形態のフォーカスサーチ動作と
比較して、動作手順が簡略化される。また、レベル変換
回路の回路構成を、切換えスイッチを省略して抵抗R3
と接地ラインとが常に接続される構成とすることができ
る。ゆえに、レベル変換回路の回路構成を簡略化するこ
とができる。
【0135】上述したフォーカスサーチ動作では、たと
えば合焦点近傍信号および比較出力が条件を満たすか否
かの判断を予め定める許容時間内だけ許容し、許容時間
が経過しても条件を満たさないときはサーチ動作が不良
であるとして前述したエラー処理動作を行わせるように
してもよい。また、変位方向にそって時間的に後から極
大レベルを示す第2加算出力のレベルを第1加算出力の
レベルよりも相対的に小さくしてもよい。
【0136】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、光学的記
録媒体のフォーカス制御装置は、媒体表面からの反射光
を集光する集光レンズの、媒体表面から予め定める距離
だけ離れた合焦点位置を検出し、その位置にレンズを位
置合わせする。このとき合焦点位置は、受光素子の複数
の受光領域において受光された反射光の受光量に基づい
て検出される。制御手段は、集光レンズを媒体の近接ま
たは離反方向に移動させる。この移動中に各受光領域か
ら出力される受光量に対応した信号の信号レベルを、相
互に異なる変換量だけレベル変換したのちに、大小関係
を比較する。制御手段は、レベル変換後の各受光領域か
らの信号レベルの大小関係が逆転したとき、集光レンズ
が合焦点位置に至ったと見なす。
【0137】このような手法を用いて合焦点位置を検出
すると、いわゆるフォーカスエラー信号を用いて合焦点
位置を検出する手法と比較して、確実に合焦点位置を検
出することができる。特に、記録媒体からの反射光の全
光量のばらつきなどに影響されない。また、レベル変換
手段は、複数の分圧抵抗からなる分圧回路で実現するこ
とができるので、装置の構成が容易である。
【0138】さらにまた本発明に従えば、本発明の光学
手段は、いわゆる非点収差法に用いられる光学手段であ
る。この光学手段を介して集光された反射光を受光した
第1受光領域は、集光レンズが合焦点位置よりも記録媒
体に近い近接位置にあるとき極大レベルとなり、集光レ
ンズが合焦点位置から充分遠ざかるとき最小レベルとな
る信号を導出する。また前述した反射光を受光した第2
受光領域は、集光レンズが合焦点位置よりも記録媒体か
ら遠い離反位置にあるとき極大レベルとなり、集光レン
ズが合焦点位置から充分遠ざかるとき最小レベルとなる
信号を導出する。これによって、制御手段は、近接位置
近傍から合焦点位置を挟んで離反位置近傍までの極めて
狭い範囲に集光レンズが位置するときに、集光レンズの
移動を停止する。ゆえに、合焦点位置と見なした位置と
実際の合焦点位置との誤差を極めて小さくすることがで
きる。
【0139】また本発明によれば、前記レベル変換手段
は、各受光領域の信号レベルを各受光領域の特性のばら
つきに依存した出力レベルの差を越える値だけ相互に異
なるレベルとなるようにレベル変換する。ゆえに、集光
レンズが合焦点位置から充分に離れた位置にあるときの
レベル変換後の信号レベルの大小関係は、たとえば信号
に重畳されるノイズおよび受光領域の光の感度などの特
性に影響されない。したがって、各受光領域の特性の差
異に拘わらず、確実に合焦点位置を検出することができ
る。
【0140】また本発明によれば、前記レベル変換手段
は、第1および第2受光領域のうち集光レンズが変位移
動されるとき、移動動作の時間経過に応じ、時間的に先
に信号レベルが極大レベルに至る一方の受光領域の信号
レベルを、他方の受光領域の信号レベルよりも相対的に
小さくする。これによって、第1および第2受光領域の
信号レベルは、合焦点位置に至る前に大小関係が逆転す
る。ゆえに、合焦点位置と見なされる位置は、実際の合
焦点位置の手前の位置となる。したがって、たとえば集
光レンズが慣性で停止位置よりもさらに移動しても、合
焦点位置と見なした位置よりも実際の合焦点位置に近付
く。ゆえに、合焦点位置の誤差が大きくなることを防止
することができる。したがって、サーチ動作に続いて行
われるフォーカスサーボ動作を確実に行うことができ
る。
【0141】さらにまた本発明によれば、前記レベル変
換手段は、第1および第2受光領域のうち集光レンズが
変位移動されるとき、移動動作の時間経過に応じ、時間
的に後から信号レベルが極大レベルに至る一方の受光領
域の信号レベルを、他方の受光領域の信号レベルよりも
相対的に小さくする。これによって、第1および第2受
光領域の信号レベルは、合焦点位置を越えた直後で初め
て大小関係が逆転する。ゆえに、合焦点位置とみなされ
る位置は、合焦点位置を越えた直後の位置となる。した
がって、たとえば集光レンズを重力に逆らう方向に変位
させるとき、集光レンズの自重によって停止位置から変
位する方向が、合焦点位置に近付く方向となる。ゆえ
に、このとき、集光レンズの自重に起因する変位によっ
て、合焦点位置の誤差が大きくなることを防止すること
ができる。
【0142】また本発明によれば、制御手段はサーチ動
作を行うとき、集光レンズをまず離反位置よりも記録媒
体から遠い初期位置に変位させた後、初期位置から、集
光レンズを近接方向に変位移動させる。これによって、
集光レンズを初期位置に変位させるときに、集光レンズ
と記録媒体とが接触することを防止することができる。
【0143】比較手段は、たとえば第1受光領域からの
信号レベルが第2受光領域からの信号レベル未満である
とき第1レベルの出力を導出し、信号レベル以上である
とき第2レベルの出力を導出する。集光レンズを集光レ
ンズの変位範囲全域に変位させるとき、比較手段からの
比較出力のレベルは2回反転する。制御手段は、2回の
反転が起こる位置のうち、比較手段からの出力が第1レ
ベルから第2レベルに切換わる位置を合焦点位置と見な
して、集光レンズの変位移動を停止させる。これによっ
て、前述した2回の位置のうち、実際の合焦点位置によ
り近い位置を合焦点位置と見なすことができる。ゆえ
に、確実に合焦点位置近傍で集光レンズを停止させるこ
とができる。
【0144】さらにまた本発明によれば、制御手段はサ
ーチ動作を行うとき、集光レンズをまず近接位置よりも
記録媒体に近い初期位置に変位させたのち、初期位置か
ら集光レンズを離反方向に変位移動させる。
【0145】比較手段は、たとえば第1受光領域からの
信号レベルが第2受光領域からの信号レベル未満である
とき第1レベルの出力を導出し、信号レベル以上である
とき第2レベルの出力を導出する。集光レンズを集光レ
ンズの変位範囲全域に変位させるとき、比較手段からの
比較出力のレベルは2回反転する。制御手段は、2回の
反転が起こる位置のうち、比較手段からの出力が第2レ
ベルから第1レベルに切換わる位置を合焦点位置と見な
して、集光レンズの変位移動を停止させる。これによっ
て、前述した2回の位置のうち、実際の合焦点位置によ
り近い位置を合焦点位置と見なすことができる。ゆえ
に、確実に合焦点位置近傍で集光レンズを停止させるこ
とができる。
【0146】また本発明によれば、前記制御手段は、集
光レンズをまず近接移動させて合焦点位置を検出し、検
出できないときには、連続して離反移動させて合焦点位
置を検出する。さらにまた本発明によれば、制御手段
は、集光レンズをまず離反移動させて合焦点位置を検出
し、検出できないときは連続して近接移動させて合焦点
位置を検出する。これによって、合焦点位置の検出を複
数回繰返すとき、各移動時の初期位置に変位させる動作
を省略することができる。ゆえに、サーチ動作を短時間
で行うことができる。また、制御手段は、集光レンズの
移動方向に応じて比較手段の出力レベルの切換を選択す
る。ゆえに、近接移動および離反移動のいずれであって
も、実際の合焦点位置に近い位置に集光レンズを停止さ
せることができる。
【0147】また本発明によれば、前記制御手段は、合
焦点位置を検出することができるまで、複数回集光レン
ズの往復移動を繰返す。さらにまた本発明によれば、前
記制御手段は予め定める時間内に合焦点位置を検出する
ことができるまで、複数回集光レンズの往復移動を繰返
す。かつ往復移動が予め定める回数行われる間または予
め定める時間内に合焦点位置を検出することができない
ときには、エラー信号を導出して、フォーカスサーチ動
作を中止する。使用者はこのエラー信号に基づいて、装
置が故障していることを認識することができる。これに
よって、一時的な外乱が加わったときには、その外乱が
納まった後に合焦点位置を検出することができる。また
装置の故障であれば、早期に使用者にそれを提示するこ
とができる。
【0148】また本発明によれば、往復移動の繰返し回
数は3回である。これによって、使用者にサーチ動作時
間が長いと感じさせる前にエラー動作を行うことができ
る。
【0149】さらにまた本発明によれば、フォーカス制
御装置は、受光素子の全受光領域において受光された記
録媒体の反射光の全受光量に基づいて、合焦点位置があ
るべき範囲を検出する。制御手段は、前述した受光領域
の信号レベルの大小関係の判定した位置が、この範囲内
にあるときだけ、その位置を合焦点位置と見なす。ゆえ
に、受光領域の信号レベルの大小関係だけを用いて合焦
点位置を検出するときよりも、より確実に合焦点位置を
検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態であるフォーカス制御装
置61の電気的構成を示すブロック図である。
【図2】シリンドリカルレンズ82を用いた光学系69
を含むピックアップ65の構成を簡略化して示す斜視図
である。
【図3】x方向から見たシリンドリカルレンズ82を通
過後の反射光の光経路を示す図である。
【図4】受光領域上に反射光が結像される受光素子71
の正面図である。
【図5】平板ガラス90を用いた光学系69aを含むピ
ックアップ65aの構成を簡略化して示す斜視図であ
る。
【図6】加算回路101,102から出力される第1お
よび第2加算出力と、集光レンズから記録媒体までの離
反距離との関係を示すグラフである。
【図7】図1のフォーカス制御装置61の集光レンズ7
0および変位装置72の構成を簡略化して示す斜視図で
ある。
【図8】フォーカス制御装置61において出力されるフ
ォーカスエラー信号、総和信号、合焦点近傍信号、レベ
ル変換された加算出力およびその比較結果と、集光レン
ズから記録媒体までの離反距離との関係を示すグラフお
よび波形図である。
【図9】図1のフォーカス制御装置61を用いて合焦点
位置を検出するフォーカスサーチ動作を説明するための
フローチャートである。
【図10】第2の実施形態であるフォーカス制御装置に
おいて出力されるフォーカスエラー信号、総和信号、合
焦点近傍信号、レベル変換された加算出力およびその比
較結果と、集光レンズから記録媒体までの離反距離との
関係を示すグラフおよび波形図である。
【図11】第3の実施形態であるフォーカス制御装置を
用いて合焦点位置を検出するフォーカスサーチ動作を説
明するためのフローチャートである。
【図12】第4の実施形態であるフォーカス制御装置を
用いて合焦点位置を検出するフォーカスサーチ動作を説
明するためのフローチャートである。
【図13】第2の従来技術であるフォーカス制御装置1
の簡略化した電気的構成を示すブロック図である。
【図14】フォーカス制御装置1において出力されるフ
ォーカスエラー信号、総和信号、合焦点近傍信号、およ
びフォーカスエラー信号の比較結果と、集光レンズから
記録媒体までの離反距離との関係を示すグラフおよび波
形図である。
【図15】第3の従来技術であるフォーカス制御装置4
1の簡略化した電気的構成を示すブロック図である。
【図16】フォーカス制御装置41において出力される
フォーカスエラー信号、総和信号、合焦点近傍信号、お
よびフォーカスエラー信号の比較結果と、集光レンズか
ら記録媒体までの離反距離との関係を示すグラフおよび
波形図である。
【図17】第4の従来技術であるフォーカス制御装置4
6の簡略化した電気的構成を示すブロック図である。
【図18】フォーカス制御装置46を用いて行われるフ
ォーカスサーチ動作を説明するためのフローチャートで
ある。
【符号の説明】
61 フォーカス制御装置 63 光学的記録媒体 70 集光レンズ 71 受光素子 72 変位装置 82 シリンドリカルレンズ 91,92,93,94 分割領域 101,102,112 加算器 116,122 比較器 121 レベル変換回路 141 制御回路

Claims (13)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)データが光学的に記録された光学
    的記録媒体と、 (b)複数の受光領域を有し、各受光領域ごとに、受光
    量に対応したレベルの信号を出力する受光素子と、 (c)光学手段であって、 記録媒体からの光を受光素子の受光領域上に結像する集
    光レンズと、 記録媒体に対して近接離反方向に集光レンズを変位駆動
    する駆動手段とを含み、 集光レンズが予め定める合焦点位置にあるときには各受
    光領域の受光量を等しくし、合焦点位置以外の位置にあ
    るときには、各受光領域の受光量が個別的に異ならせる
    ようにする光学部材とを有する光学手段と、 (d)受光素子の出力に応答し、各受光領域からの信号
    レベルを相互に異なる値にするレベル変換手段と、 (e)レベル変換手段の出力に応答し、各受光領域から
    の信号レベルを比較する比較手段と、 (f)集光レンズを駆動手段によって記録媒体の近接ま
    たは離反方向に変位移動させ、 集光レンズの移動中に、比較手段の出力に応答し、レベ
    ル変換手段の出力の各受光領域からの信号レベルの大小
    関係が逆転したときに駆動手段による移動を停止して、
    光学的記録媒体に対し集光レンズを介して照射されるデ
    ータ読出し用の光が合焦されるように、集光レンズと光
    学的記録媒体との相対位置が予め定める相対位置となる
    ように制御するフォーカスサーボ動作に移行する制御手
    段とを含むことを特徴とする光学的記録媒体のフォーカ
    ス制御装置。
  2. 【請求項2】 前記受光素子は、第1および第2受光領
    域を有し、 前記光学手段は、 集光レンズが合焦点位置よりも記録媒体に近い位置にあ
    るときには、第1受光領域の受光量が第2受光領域の受
    光量以上となり、 集光レンズが合焦点位置よりも記録媒体から遠い位置に
    あるときには、第1受光領域の受光量が第2受光領域の
    受光量未満となり、 合焦点位置よりも記録媒体に近い予め定める近接位置に
    集光レンズがあるとき第1受光領域の受光量が極大とな
    り、 合焦点位置よりも記録媒体から遠い予め定める離反位置
    に集光レンズがあるとき第2受光領域の受光量が極大と
    なるように、記録媒体からの光を集光させることを特徴
    とする請求項1記載の光学的記録媒体のフォーカス制御
    装置。
  3. 【請求項3】 前記レベル変換手段は、集光レンズが合
    焦点位置から充分に離れている状態における各受光領域
    の信号レベルの差の値を、受光素子の各受光領域のばら
    つきに依存した出力レベルの差を越える値に選ぶことを
    特徴とする請求項2記載の光学的記録媒体のフォーカス
    制御装置。
  4. 【請求項4】 前記レベル変換手段は、 制御手段によって集光レンズが記録媒体に近づく方向に
    変位駆動されるとき、第1受光領域からの信号レベルが
    第2受光領域からの信号レベルよりも相対的に大きくな
    り、 記録媒体から遠ざかる方向に変位駆動されるとき、第1
    受光領域からの信号レベルが第2受光領域からの信号レ
    ベルよりも相対的に小さくなるようにレベル変換するこ
    とを特徴とする請求項2記載の光学的記録媒体のフォー
    カス制御装置。
  5. 【請求項5】 前記レベル変換手段は、 制御手段によって集光レンズが記録媒体に近づく方向に
    変位駆動されるとき、第1受光領域からの信号レベルが
    第2受光領域からの信号レベルよりも相対的に小さくな
    り、 記録媒体から遠ざかる方向に変位駆動されるとき、第1
    受光領域からの信号レベルが第2受光領域からの信号レ
    ベルよりも相対的に大きくなるようにレベル変換するこ
    とを特徴とする請求項2記載の光学的記録媒体のフォー
    カス制御装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動手段によって前記集光レンズの
    移動が開始される初期位置は、前記離反位置よりも記録
    媒体から遠い位置であり、 前記制御手段は、駆動手段によって集光レンズを初期位
    置から記録媒体に近づける方向に変位駆動させ、 前記比較手段は、各受光領域の前記レベル変換手段によ
    って変換された信号レベルを比較して、第1受光領域か
    らの信号レベルが第2受光領域からの信号レベル未満で
    あるとき第1レベルの出力を導出し、第1受光領域から
    の信号レベルが第2受光領域からの信号レベル以上であ
    るとき第2レベルの出力を導出し、 前記制御手段は、比較手段の出力に応答し、集光レンズ
    の近接移動中に比較手段の出力レベルが第1レベルから
    第2レベルに切換わるとき、集光レンズの近接移動を停
    止させて、前記フォーカスサーボ動作に移行することを
    特徴とする請求項4または5記載の光学的記録媒体のフ
    ォーカス制御装置。
  7. 【請求項7】 前記駆動手段によって前記集光レンズの
    移動が開始される初期位置は、前記近接位置よりも記録
    媒体に近い位置であり、 前記制御手段は、駆動手段によって集光レンズを初期位
    置から記録媒体から遠ざける方向に変位駆動させ、 前記比較手段は、各受光領域の前記レベル変換手段によ
    って変換された信号レベルを比較して、第1受光領域か
    らの信号レベルが第2受光領域からの信号レベル未満で
    あるとき第1レベルの出力を導出し、第1受光領域から
    の信号レベルが第2受光領域からの信号レベル以上であ
    るとき第2レベルの出力を導出し、 前記制御手段は、比較手段の出力に応答し、集光レンズ
    の離反移動中に比較手段の出力レベルが第2レベルから
    第1レベルに切換わるとき、集光レンズの離反移動を停
    止させ、フォーカスサーボ動作に移行することを特徴と
    する請求項4または5記載の光学的記録媒体のフォーカ
    ス制御装置。
  8. 【請求項8】 前記初期位置は第1の初期位置と第2の
    初期位置とを含み、第1の初期位置は前記離反位置より
    も記録媒体から遠い位置であり、第2の初期位置は前記
    近接位置よりも記録媒体に近い位置であり、 前記制御手段は、前記駆動手段によってまず集光レンズ
    を第1の初期位置から記録媒体に近づける方向に変位移
    動させ、次いで第2の初期位置から記録媒体から遠ざけ
    る方向に変位移動させ、 前記比較手段は、各受光領域の前記レベル変換手段によ
    って変換された信号レベルを比較して、第1受光領域か
    らの信号レベルが第2受光領域からの信号レベル未満で
    あるとき第1レベルの出力を導出し、第1受光領域から
    の信号レベルが第2受光領域からの信号レベル以上であ
    るとき第2レベルの出力を導出し、 前記制御手段は、比較手段の出力に応答し、集光レンズ
    の近接移動中に比較手段の出力レベルが第1レベルから
    第2レベルに切換わるとき、および集光レンズの離反移
    動中に比較手段の出力レベルが第2レベルから第1レベ
    ルに切換わるとき、集光レンズの近接および離反移動を
    停止させ、フォーカスサーボ動作に移行することを特徴
    とする請求項4または5記載の光学的記録媒体のフォー
    カス制御装置。
  9. 【請求項9】 前記初期位置は第1の初期位置と第2の
    初期位置とを含み、第1の初期位置は前記近接位置より
    も記録媒体に近い位置であり、第2の初期位置は前記離
    反位置よりも記録媒体から遠い位置であり、 前記制御手段は、前記駆動手段によってまず集光レンズ
    を第1の初期位置から記録媒体から遠ざける方向に変位
    移動させ、次いで第2の初期位置から記録媒体に近付け
    る方向に変位移動させ、 前記比較手段は、各受光領域の前記レベル変換手段によ
    って変換された信号レベルを比較して、第1受光領域か
    らの信号レベルが第2受光領域からの信号レベル未満で
    あるとき第1レベルの出力を導出し、第1受光領域から
    の信号レベルが第2受光領域からの信号レベル以上であ
    るとき第2レベルの出力を導出し、 前記制御手段は、比較手段の出力に応答し、集光レンズ
    の離反移動中に比較手段の出力レベルが第2レベルから
    第1レベルに切換わるとき、および集光レンズの近接移
    動中に比較手段の出力レベルが第1レベルから第2レベ
    ルに切換わるとき、集光レンズの離反および近接移動を
    停止させ、フォーカスサーボ動作に移行することを特徴
    とする請求項4または5記載の光学的記録媒体のフォー
    カス制御装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段は、 集光レンズの近接移動および離反移動を含む往復移動が
    行われた回数を計数する計数手段と、 計数手段の出力に応答し、往復移動の回数が予め定める
    回数以上となったとき、集光レンズの移動を停止させ、
    合焦点位置を検出することができないことを示すエラー
    信号を出力する停止手段とをさらに含むことを特徴とす
    る請求項8または9記載の光学的記録媒体のフォーカス
    制御装置。
  11. 【請求項11】 前記往復移動の予め定める回数は、3
    回であることを特徴とする請求項10記載の光学的記録
    媒体のフォーカス制御装置。
  12. 【請求項12】 前記制御手段は、 集光レンズの近接移動および離反移動の少なくとも一方
    を含む移動に要する時間を計測する計測手段と、 計測手段の出力に応答し、移動に要する時間が予め定め
    る時間以上となったとき、集光レンズの移動を停止さ
    せ、合焦点位置を検出することができないことを示すエ
    ラー信号を出力する停止手段とをさらに含むことを特徴
    とする請求項6〜9のいずれか1項に記載の光学的記録
    媒体のフォーカス制御装置。
  13. 【請求項13】 前記受光素子の各受光領域からの信号
    レベルを相互に加算する加算手段と、 加算手段の出力に応答し、加算手段の出力レベルを合焦
    点位置から予め定める距離だけ離れた合焦点近傍位置に
    対応する予め定める弁別レベルVref11でレベル弁
    別し、集光レンズが合焦点近傍位置よりも合焦点位置に
    近い位置にあるとき第3レベルの出力を導出し、合焦点
    近傍位置よりも合焦点位置から離れた位置にあるとき第
    4レベルの出力を導出するレベル弁別手段とをさらに含
    み、 前記制御手段は、前記比較手段およびレベル弁別手段の
    出力に応答し、集光レンズの移動中にレベル弁別手段か
    らの出力が第3レベルの出力であってレベル変換手段か
    ら出力された受光領域からの信号間の信号レベルの大小
    関係が反転するとき、集光レンズの移動を停止させてフ
    ォーカスサーボ動作に移行することを特徴とする請求項
    6〜9のいずれか1項に記載の光学的記録媒体のフォー
    カス制御装置。
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