JP3720203B2 - フォーカスジャンプ装置 - Google Patents

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    • G11B2007/0013Recording, reproducing or erasing systems characterised by the structure or type of the carrier for carriers having data stored in three dimensions, e.g. volume storage for carriers having multiple discrete layers

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、少なくもとも2層以上の記録層を有する光ディスク等記録媒体において記録層間のジャンプを行うフォーカスジャンプ装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のCD(Compact Disk)プレーヤー等の光ディスク再生装置におけるフォーカスサーボ制御は次のように行われている。まず、鋸波状信号等の所定の駆動信号がアクチュエータの駆動回路に供給されると、駆動回路からは当該駆動信号に応じた出力がアクチュエータに設けられたフォーカスコイルに印加され、これによりアクチュエータがディスクに向かう方向またはディスクから離れる方向に移動する。
【0003】
次に、アクチュエータの対物レンズを介して照射されたレーザービームが光ディスクに照射されると、当該光ディスクからの反射光がフォトディテクタにて電気信号に変換され、フォーカスエラー信号が生成される。このフォーカスエラー信号は、対物レンズとディスクとの相対距離が基準値の時にゼロレベルの出力となり、基準距離からの変位に応じて出力レベルが連続的に変化するS字状の特性を持つ。
【0004】
生成されたフォーカスエラー信号は基準値と比較され、比較結果出力が位置偏差としてサーボループ制御部に入力される。サーボループ制御部は、入力される位置偏差よりフォーカスエラー信号のゼロクロス点を認識し、反射光の総量であるフォーカスサム信号が所定レベル以上且つフォーカスエラー信号がゼロクロスする時に、アクチュエータの駆動回路へフォーカスエラー信号を入力させ、アクチュエータ、フォトディテクタ、アクチュエータの駆動回路のループからなるフォーカスサーボループが形成される。
【0005】
フォーカスサーボループが形成されると、フォーカスエラー信号はイコライザアンプにて位相補償が施され、アクチュエータの駆動回路に入力される。アクチュエータの駆動回路は、入力されるフォーカスエラー信号に基づき、対物レンズとディスクとの相対距離を常に基準値に維持するように、対物レンズを駆動する駆動出力をアクチュエータに出力する。
【0006】
以上のように、従来のCDプレーヤーにおいては、ピックアップをフォーカスコイルによって駆動させて対物レンズとディスク間の距離を常に一定に保つ用に制御していた。
【0007】
一方、光ディスクの記録情報の増大に伴い、第1の反射層と第2の反射層とからなる多層構造を有し、記録データの高密度化を図ったディスクが実用化されている。
【0008】
このような多層構造の光ディスクの再生においては、再生層の変更に伴い、記録情報を読み取るべき再生層に確実にフォーカスサーボをかける必要がある。例えば、第1層を再生中に第2層の再生に切り替えるために、アクチュエータをジャンプさせ、ビームスポットを第1層から第2層にフォーカスさせる必要が生じる。このような層間ジャンプは、一般にフォーカスジャンプと呼ばれるている。
【0009】
具体的には、ジャンプ開始命令と共に一定量の加速パルスをアクチュエータの駆動回路に加え、所望のタイミングで一定量の減速パルスを当該駆動回路に加えるというフィードフォワード方式のオープン制御を行い、対物レンズが目的位置に到達した後に再び上述したフォーカスサーボ制御を行っている。
【0010】
フォーカスサーボの目標値はゼロであり、フォーカスサーボクローズ時にフォーカスエラーがゼロ付近で推移している場合には、検出系は線形な特性を示す。ところが、上述のような層間ジャンプを行うと検出器の出力はsin波状等の非線形な特性を示す。そのため、従来においてはジャンプ期間中に安定化のためのフィードバック制御は行われていない。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、フィードフォワード方式のオープン制御は外乱に弱く、例えばジャンプ時におけるディスクの面振れ、あるいは層間隔のばらつきにより、制御が不安定になり、ジャンプ後にフォーカスサーボをクローズする際にサーボが迅速に整定しなかったり、サーボが外れる等の可能性があり、プレイアビリティ低下の大きな要因となる。
【0012】
本発明は、このような問題的に鑑みてなされたものであり、ディスクの面振れや層間隔のばらつき等の外乱が生じた場合でも、安定したフォーカスジャンプを行うことができるフォーカスジャンプ装置を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載のフォーカスジャンプ装置は、少なくとも2層以上の記録層を有する記録媒体の情報を再生する情報再生装置、あるいは該再生と共に該記録媒体に情報を記録する情報記録再生装置にて、前記記録媒体上の所定の記録層に照射される光ビームを、目標の記録層に照射させるように、前記目標の記録層に対応した焦点位置まで前記記録媒体に対して垂直方向に前記光ビームの焦点位置を移動させるフォーカスジャンプ装置であって、前記光ビームの焦点位置を移動させる焦点位置移動手段と、前記記録層に対する前記光ビームの焦点位置の変化に基づく前記記録媒体からの戻り光の変化によりフォーカスエラー信号を検出するフォーカスエラー信号検出手段と、前記光ビームの焦点位置を加速状態で移動させるように前記焦点位置移動手段に対して駆動信号を与える加速制御と、前記光ビームの焦点位置を減速状態で移動させるように前記焦点位置移動手段に対して駆動信号を与える減速制御とを行うフィードフォワード制御手段と、前記フォーカスエラー信号検出手段により検出された前記フォーカスエラー信号の値が増加方向に変化する領域と、減少方向に変化する領域との少なくとも何れの領域に属するかを判別する領域判別手段と、前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを備え、前記領域判別手段による判別結果に基づいて何れかの前記変換テーブルを選択し、当該選択された変換テーブルを参照して前記フォーカスエラー信号を線形化変換する線形化変換手段と、前記加速制御により開始される前記光ビームの焦点位置の前記目標の記録層への移動時に前記線形化変換手段の出力値と、所定の目標値とを比較し、その誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号をフィードバックして光ビームの焦点の位置制御を行う位置制御手段とを備え、前記位置制御手段は、フォーカスエラー信号または前記光ビームの前記記録媒体からの戻り光の量が所定のしきい値よりも小さい値で略一定に維持される期間を有する場合には、当該期間を除く他の期間においてフィードバック制御を行うことを特徴とする。
【0014】
請求項1に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、目標の記録層へのジャンプ開始の指示が外部の制御手段等から出力されると、フィードフォワード制御手段により焦点位置移動手段に対して加速制御が開始される。これにより光ビームの焦点位置は徐々に移動を開始し、記録層に照射される光ビームの焦点位置と、当該記録層の相対距離が変化する。また、この変化に基づいて、記録媒体からの戻り光が変化し、この戻り光の変化はフォーカスエラー信号検出手段によりフォーカスエラー信号として検出される。そして、検出されたフォーカスエラー信号の値が増加方向に変化する領域と、減少方向に変化する領域との少なくとも何れの領域に属するかを判別され、その領域判別手段による判別結果に基づいて、領域毎に異なる複数の変換テーブルのうちの何れかの変換テーブルが選択され、当該選択された変換テーブルが参照されてフォーカスエラー信号が線形化変換される。このようにして線形化変換されたフォーカスエラー信号の値は、所定の目標値と比較され、位置制御手段によりその誤差を低減させるように焦点位置移動手段に対する駆動信号がフィードバックされて光ビームの焦点の位置制御が行われる。一方、前記加速制御後においてはフィードフォワード制御手段により所定のタイミングで減速制御が行われ、光ビームの焦点位置が目標の記録層の位置に到達する。このように本発明によれば、フィードフォワード制御を用いることにより、光ビームの焦点位置を、フォーカスサーボ時における移動距離よりも長い、記録層間の移動距離に亘って確実に移動させると共に、この移動に対応した位置情報としてのフォーカスエラー信号を所定の目標値に追従させるようにフィードバック制御を行うので、外乱に強い安定し、しかも精度の良いジャンプが行われる。その結果、フォーカスジャンプ終了後のフォーカスサーボにおける収束を早める。
また、フォーカスエラー信号のキャプチャアレンジが小さくなる程、フォーカスエラー信号または前記光ビームの前記記録媒体からの戻り光の量は、所定のしきい値よりも小さい値で略一定に維持される期間を有するようになり、この期間においては、フォーカスエラー信号から光ビームの位置情報が得られない。そこで、前記のような期間が存在する場合には、当該期間においてはフィードバック制御を行わず、当該期間を除く他の期間においてフィードバック制御を行う。その結果、精度の高いフィードバック制御が行われることになり、精度の高いフォーカスジャンプが行われる。
【0015】
請求項2に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項1に記載のフォーカスジャンプ装置において、前記フィードフォワード制御手段は、前記加速制御と減速制御との間に、所定期間の一定速度制御を行うことを特徴とする。
【0016】
請求項2に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、フィードフォワード制御手段による加速制御を行った後から減速制御を行うまでの間に、所定期間の一定速度制御を行うので、この一定速度制御期間において前記位置制御手段によるフィードバック制御が行われると、当該フィードバック制御における見掛け上の周波数帯域が低下し、安定したサーボループが形成される。その結果、光ビームの焦点位置を前記所定の目標値に精度良く追従させることができる。そして、前記一定速度制御期間の終了後、前記フィードフォワード制御手段により減速制御が行われると、光ビームの焦点位置は精度良く目標の記録層の位置に到達する。このように、本発明によれば、精度の高いフォーカスジャンプが行われるので、フォーカスジャンプ終了後のフォーカスサーボにおける収束を早める。
【0017】
請求項3に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項2に記載のフォーカスジャンプ装置において、一定速度制御の期間は、加速制御の期間及び減速制御の期間よりも長くなるように設定されることを特徴とする。
【0018】
請求項3に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記一定速度制御の期間は、加速制御の期間及び減速期制御の間よりも長くなるように設定されるているので、前記光ビームの焦点位置についてのフィードバック制御が有効に機能し、精度の良いフォーカスジャンプが行われる。
【0019】
請求項4に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置において、前記フィードフォワード制御手段は、前記焦点位置移動手段に対して加速パルスを印加する加速制御を行った後に、前記焦点位置移動手段に対して所定期間パルスを印加しない一定速度制御を行い、該一定速度制御の終了後に前記焦点位置移動手段に対して減速パルスを印加する減速制御を行うことを特徴とする。
【0020】
請求項4に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記フィードフォワード制御手段は、フォーカスジャンプの開始と共に加速パルスを印加し、加速パルスの印加終了後に、前記一定速度期間を設ける。そして、前記一定速度期間の終了後に減速パルスを印加して、フォーカスジャンプを終了させる。このように、最初の加速パルスと最後の減速パルスの間に十分な一定速度期間が設けられるので、前記光ビームの焦点位置についてのフィードバックが有効に機能し、精度の良いフォーカスジャンプが行われる。
【0021】
請求項5に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置において、前記フィードフォワード制御手段は、前記焦点位置移動手段に対して加速パルスを印加する加速制御を行った後に、前記焦点位置移動手段に対して段階的に複数の減速パルスを印加する減速制御を行い、前記加速パルスと前記減速パルスの間、及び各減速パルス間に前記焦点位置移動手段に対してパルスを印加しない一定速度制御を行うことを特徴とする。
【0022】
請求項5に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記フィードフォワード制御手段は、フォーカスジャンプの開始と共に前記加速パルスを印加し、加速パルスの印加終了後に一定速度期間を設ける。一定速度期間の終了後には減速パルスを印加し、減速パルスの印加終了後には再び一定速度期間を設ける。このようにして、加速パルスの印加後に、段階的に複数の減速パルスを印加し、前記加速パルスと前記減速パルスの間、及び各減速パルス間に前記一定速度期間を設ける。従って、光ビームの焦点位置は最初に目標の記録層に近い位置まで移動し、徐々に速度を緩めながら精度良く目標の記録層の位置に一致する。その結果、フォーカスジャンプ終了後のフォーカスサーボの引き込みが早くなる。
【0023】
請求項6に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置において、前記フィードフォワード制御手段は、前記焦点位置移動手段に対して段階的に複数の加速パルスを印加する加速制御を行った後に、前記焦点位置移動手段に対して減速パルスを印加する減速制御を行い、前記加速パルス間、及び前記加速パルスと前記減速パルスの間に前記焦点位置移動手段に対してパルスを印加しない一定速度制御を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項6に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記フィードフォワード制御手段は、フォーカスジャンプの開始と共に加速パルスを印加し、加速パルスの印加終了後に一定速度期間を設ける。そして、この一定速度期間の終了後に再び加速パルスを印加する。このように、段階的に複数の加速パルスを印加した後に、減速パルスを印加し、前記加速パルス間、及び前記加速パルスと前記減速パルスの間に前記一定速度期間を設ける。従って、光ビームの焦点位置は徐々に移動を開始するので、記録媒体の面振れの影響が確実に取り除かれ、精度の良いフォーカスジャンプが行われる。
【0025】
請求項7に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置において、前記フィードフォワード制御手段は、前記加速制御及び減速制御に用いる前記加速パルスと減速パルスの印加パターンを複数備え、ジャンプする距離に応じて前記印加パターンを選択することを特徴とする。
【0026】
請求項7に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、例えば記録媒体が2層の記録層を有し、フォーカスジャンプする距離が短い場合には、請求項4に記載したように加速パルスと減速パルスの間に一定速度期間が設けられた印加パターンによりフィードフォワード制御を行う。また、記録媒体が3層以上の複数の記録層を有し、フォーカスジャンプする距離が長い場合には、例えば請求項5に記載したように、最初に大き目の加速パルスを印加してある程度の位置まで近づき、その後一定速度期間を設けながら徐々に減速して目標の記録層に到達する。このように、フォーカスジャンプする距離に応じてパルスの印加パターンが選択されるので、フォーカスジャンプする距離によることなく常に精度の良いフォーカスジャンプが行われ、かつ、ジャンプに有する時間の短縮化を図ることができる。
【0027】
請求項8に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置において、前記フィードフォワード制御手段は、前記光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化を表すプロフィールを設定するプロフィール設定手段と、前記焦点位置移動手段の伝達特性の逆特性を有するフィードフォワード補償器とを備え、前記プロフィール設定手段は、前記焦点位置の移動の開始時点からの加速状態による前記焦点位置の変化と、当該移動の終了に至る減速状態による前記焦点位置の変化との間に、少なくとも一度一定速度状態での前記焦点位置の変化を含むプロフィールを設定し、前記フィードフォワード補償器は、前記焦点位置移動手段の伝達特性の逆特性を有することにより、前記加速制御と減速制御を補償し、当該プロフィールを忠実に実行することを特徴とする。
【0028】
請求項8に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、プロフィール設定手段により、光ビームの焦点位置の時間経過に伴う位置変化を表すプロフィールであって、ジャンプの開始時点からの加速状態による位置変化と、ジャンプの終了に至る減速状態による位置変化との間に、少なくとも一度一定速度状態での位置変化を含むプロフィールが設定され、このプロフィールは前記焦点位置移動手段の伝達特性の逆特性を有するフィードフォワード補償器に目標値として入力される。そして、このプロフィールがフィードフォワード補償器により補償されると、加速制御と減速制御の間に一定速度制御を行わしめるフィードフォワード出力が得られ、このフィードフォワード出力が焦点位置移動手段に印加される。従って、フィードフォワード制御と共に前記フィードバック制御が有効に機能し、精度の良いフォーカスジャンプが行われる。また、プロフィールの波形を変化させることは容易なので、プロフィーを変化させて光ビームの焦点位置の位置変化の態様を容易に自在に制御できる。
【0029】
請求項9に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置において、前記所定の目標値として、前記光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化を表すリファレンス位置の設定を行うリファレンス位置設定手段を更に備え、前記位置制御手段は、前記線形化変換手段の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、その誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号を制御することを特徴とする。
【0030】
請求項9に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化に基づいて、非線形なフォーカスエラー信号が得られるが、このフォーカスエラー信号は、線形化変換手段により線形化変換される。また、リファレンス位置設定手段は、光ビームの焦点位置の位置制御の所定の目標値として、光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化を表すリファレンス位置を設定する。そして、フィードバック制御手段は、前記線形化変換手段の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、その誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号を制御する。このように、非線形なフォーカスエラー信号を線形化処理することよって、フィードバック制御を行うので、フィードバック制御における見掛け上の周波数帯域は低下し、焦点位置を精度良くリファレンス位置に追従させるように移動させる。その結果、焦点位置は精度良く目標位置に到達し、光ビームの焦点位置は精度良く目標の記録層の位置に一致するので、フォーカスジャンプ終了後のフォーカスサーボの引き込みが早くなる。
【0031】
請求項10に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項8に記載のフォーカスジャンプ装置において、前記位置制御手段は、前記プロフィール設定手段により設定されるプロフィールを、前記所定の目標値としてのリファレンス位置として用い、前記線形化変換手段の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、その誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号を制御することを特徴とする。
【0032】
請求項10に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化に基づいて、非線形なフォーカスエラー信号が得られるが、このフォーカスエラー信号は、線形化変換手段により線形化変換される。また、前記プロフィール設定手段により設定されたプロフィールは、前記フィードフォワード制御手段だけでなく、フィードバック制御手段にも供給される。そして、フィードバック制御手段は、前記線形化変換手段の出力値とリファレンス位置としての前記プロフィールを比較し、その誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号を制御する。ここにおいて、前記プロフィールは、光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化を表すプロフィールであって、フォーカスジャンプの開始時点からの加速状態による位置変化と、フォーカスジャンプの終了に至る減速状態による位置変化との間に、少なくとも一度一定速度状態での位置変化を含むプロフィールである。従って、線形化変換されたフォーカスエラー信号と、一定速度期間に基づく位置変化を含むプロフィールとの比較に基づいてフィードバック制御が行われるので、フィードバック制御における見掛け上の周波数帯域は低下し、光ビームの焦点位置を精度良くリファレンス位置に追従させるように移動させる。その結果、光ビームの焦点位置は精度良く目標位置である目標の記録層の位置に到達するので、フォースジャンプ終了後のフォーカスサーボの引き込みが早くなる。また、リファレンス位置設定手段とプロフィール設定手段との共通化により構成の簡略化を図る。
【0035】
請求項11に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項9または請求項10に記載のフォーカスジャンプ装置において、フォーカスエラー信号の検出方式を判別する検出方式判別手段を更に備え、前記線形化変換手段は、前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを前記検出方式毎に複数備え、前記検出方式判別手段による判別結果に応じて、前記検出方式に応じた前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを選択し、選択した複数の変換テーブルの中から、前記領域判別手段による判別結果に基づいて変換テーブルを選択し、前記フォーカスエラー信号を線形化変換することを特徴とする。
【0036】
請求項11に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、複数種類の記録媒体が用いられる場合には、記録媒体によってフォーカスエラー信号の検出方式が異なることがあるが、このフォーカスエラー信号の検出方式は、検出方式判別手段により判別される。そして、線形化変換手段は、検出方式判別手段による判別結果に応じて、検出方式に応じた領域毎に異なる複数の変換テーブルを選択し、選択した複数の変換テーブルの中から、領域判別手段による判別結果に基づいて変換テーブルを選択し、前記フォーカスエラー信号を線形化変換する。その結果、異なる波形のフォーカスエラー信号が得られる場合でも、適切に線形化変換が行われ、フィードフォワード制御と共に適切なフィードバックが行われて、精度の良いフォーカスジャンプが行われる。
【0037】
請求項12に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項11に記載のフォーカスジャンプ装置において、前記領域判別手段は、前記フォーカスエラー信号検出手段によって検出される前記フォーカスエラー信号が、信号の値が正の値で増加方向に変化する領域または信号の値が負の値で減少方向に変化する領域と、減少または増加方向に変化する領域と、負の値で増加する方向に変化する領域または正の値で減少する方向に変化する領域との3領域の何れに属する信号であるかを判別することを特徴とする。
【0038】
請求項12に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、領域判別手段により、フォーカスエラー信号検出手段によって検出されるフォーカスエラー信号が、信号の値が正の値で増加方向に変化する領域または信号の値が負の値で減少方向に変化する領域に属すると判別された場合には、線形化変換手段は、フォーカスエラー信号の極性そのままとし、信号の値に応じてゲインが調節された変換テーブルを用いて線形化変換を行う。また、前記フォーカスエラー信号が、前記領域判別手段により、信号の値が減少または増加方向に変化する領域に属すると判別された場合には、線形化変換手段は、減少または増加分に対応する減少または増加分を得るようにフォーカスエラー信号の極性を反転させ、信号の値に応じてゲインが調節された変換テーブルを用いて線形化変換を行う。更に、前記領域判別手段により、信号の値が負の値で増加する方向に変化する領域または正の値で減少する方向に変化する領域に属すると判別された場合には、線形化変換手段は、フォーカスエラー信号の極性をそのままとし、信号の値に応じてゲインが調節され更にオフセット分を補償した変換テーブルを用いて線形化変換を行う。このように、非線形なフォーカスエラー信号の波形の特性に合致した3つの領域毎の判別に基づくと共に、それぞれの領域のフォーカスエラー信号に応じた変換テーブルを用いて線形化変換が行われるので、非線形なフォーカスエラー信号が適切に線形化変換される。その結果、フィードフォワード制御と共に適切なフィードバックが行われて、精度の良いフォーカスジャンプが行われる。
【0039】
請求項13に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項11又は請求項12の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置において、前記領域判別手段は、前記フォーカスエラー信号の正または負のピーク値への到達タイミングを基準として前記領域を判別することを特徴とする。
【0040】
請求項13に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、領域判別手段により、フォーカスエラー信号が正または負のピーク値への到達前であると判定された場合には、フォーカスジャンプ開始当初と同じ領域に属する信号であると判別され、フォーカスエラー信号が正または負のピーク値への到達後であると判別された場合には、領域がフォーカスジャンプ開始当初から切り替わったと判別される。このように、フォーカスエラー信号の正または負のピーク値への到達タイミングを基準として前記領域が判別されるので、精度良く領域の判別が行われる。その結果、適切な変換テーブルにより線形化変換が行われることになる。
【0041】
請求項14に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項11又は請求項12の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置において、前記領域判別手段は、前記光ビームの前記記録媒体からの戻り光の量に基づいて前記領域を判別することを特徴とする。
【0042】
請求項14に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、領域判別手段により、光ビームの記録媒体からの戻り光の量が、所定のしきい値を超える場合には、フォーカスジャンプ開始当初と同じ領域に属する信号であると判別される。また、前記戻り光の量が、所定のしきい値以下である場合には、領域がフォーカスジャンプ開始当初から切り替わったと判別される。このように、光ビームの記録媒体からの戻り光の量に基づいて前記領域が判別されるので、精度良く領域の判別が行われる。その結果、適切な変換テーブルにより線形化変換が行われることになる。
【0043】
請求項15に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項9乃至請求項14の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置において、前記リファレンス位置は、前記焦点位置の移動の開始時点からの加速状態による前記焦点位置の変化と、前記焦点位置の移動の終了に至る減速状態による前記焦点位置の変化との間に、少なくとも一度一定速度状態での前記焦点位置の変化を含むことを特徴とする。
【0044】
請求項15に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、光ビームの焦点位置を現在の記録層から目標の記録層に移動させるようにフォーカスジャンプさせる場合には、前記リファレンス位置として、フォーカスジャンプの開始時点からの加速状態による位置変化と、フォーカスジャンプの終了に至る減速状態による位置変化との間に、少なくとも一度一定速度状態での位置変化を含むリファレンス位置が用いられる。その結果、光ビームの焦点位置が前記一定速度状態での位置変化を含むリファレンス位置に追従するようにフィードバック制御されるので、フィードバック制御における周波数帯域は低下し、安定したフィードバックループにより精度の良いフォーカスジャンプが行われる。
【0046】
請求項16に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、フォーカスエラー信号のキャプチャアレンジが小さくなる程、フォーカスエラー信号または前記光ビームの前記記録媒体からの戻り光の量は、所定のしきい値よりも小さい値で略一定に維持される期間を有するようになり、この期間においては、フォーカスエラー信号から光ビームの位置情報が得られない。そこで、前記のような期間が存在する場合には、当該期間においてはフィードバック制御を行わず、当該期間を除く他の期間においてフィードバック制御を行う。その結果、精度の高いフィードバック制御が行われることになり、精度の高いフォーカスジャンプが行われる。
【0047】
請求項16に記載のフォーカスジャンプ装置は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項15の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置において、フォーカスジャンプの終了後に前記フォーカスエラー信号をゼロとするように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号をフィードバックして前記光ビームの焦点の位置制御を行うフォーカスサーボ制御手段を更に備え、前記位置制御手段と前記フォーカスサーボ制御手段は、それぞれの制御の特性に応じた位相補償器を備えていることを特徴とする。
【0048】
請求項16に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記位置制御手段によるフォーカスジャンプ制御が行われた後には、フォーカスサーボ制御手段により、フォーカスジャンプの終了後に前記フォーカスエラー信号をゼロとするように前記光ビームの焦点位置移動手段に対する駆動信号をフィードバックする光ビームの焦点の位置制御が行われる。そして、前記位置制御手段及びフォーカスサーボ制御手段は、それぞれの制御の特性に応じた位相補償器を備えているので、周波数帯域の異なるそれぞれの制御が適切に行われることになる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0050】
(第1の実施形態)
まず、本発明の第1の実施形態を図1乃至図23に基づいて説明する。
【0051】
図1は本実施形態におけるフォーカスジャンプ装置の構成を示すブロック線図である。本実施形態のフォーカスジャンプ装置は、2層構造の信号記録層を有し、片面のみから信号を再生できるDVDの再生装置、または片面のみから信号を再生及び記録できるDVDの再生記録装置に用いられる。このDVDは、それぞれ信号記録層を有する2枚の基材が貼り合わされており、1層目には半透明薄膜、2層目には反射膜を形成している。レーザは片側から入射し、半透明薄膜からの反射光で1層目の信号を再生し、半透明薄膜を透過し、反射膜からの反射光で2層目の信号を再生する。それぞれの基材は、0.55〜0.64mmの厚みを有しており、1層目と2層目の間には55±15μmの厚みのスペーサが設けられている。従って、レーザの絞り位置をスペーサの厚み分だけ上下に移動させることにより、2つの層の信号の再生または記録が可能になっている。本実施形態のフォーカスジャンプ装置は、このように1層目から2層目、または2層目から1層目へレーザービームスポットを移動させるための対物レンズのジャンプ、所謂フォーカスジャンプを精度良く行う装置である。
【0052】
図1に示すように本実施形態のフォーカスジャンプ装置は、制御対象としてのアクチュエータ1と、該アクチュエータ1に操作量としてのフィードフォワード出力を供給するフィードフォワード補償器2と、前記目標値を供給するリファレンス位置発生器3と、前記アクチュエータ1の挙動を示す位置出力を制御量として検出する位置検出器4と、該位置検出器4から出力されるフォーカスエラー信号を線形化変換し線形化位置出力としてフィードバックする線形化変換器5と、前記リファレンス位置発生器3から供給される目標値と前記フィードバックされた線形化位置出力との間に生ずる位置偏差に基づき、前記アクチュエータ1の挙動を目標値に一致させるように操作量としてドライブ信号を供給する安定化補償器6とを備えている。以下、それぞれの構成要素について詳しく説明する。
【0053】
[1]アクチュエータ
焦点位置移動手段としてのアクチュエータ1は、前記フィードフォワード補償器2からのフィードフォワード出力または安定化補償器6から出力されるドライブ信号に基づいて、光ピックアップの対物レンズをDVDに垂直な方向に移動させる手段であり、図2に示すような周波数特性を有している。フォーカスジャンプの所要時間は1msec以下で、周波数に換算すると数kHzであり、図2に示すようにアクチュエータ1の固有振動周波数を超えたところにある。そして、このフォーカスジャンプの帯域では、アクチュエータ1は−40dB/decの傾斜を有する周波数特性を示す。
【0054】
[2]フィードフォワード補償器
フィードフォワード補償器2は、前記アクチュエータ1の挙動を目標値に一致させるように、操作量としてのフィードフォワード出力F(s),f(t)を供給する手段である。アクチュエータ1の位置出力をY(s)、アクチュエータ1の伝達関数をGu(s)、フィードフォワード補償器2の伝達関数をGf(s)、目標値をR(s)とすると、
Y(s)=Gu(s)・Gf(s)・R(s)
と表すことができる。従って、アクチュエータ1の位置出力を目標値に一致させるには、
Y(s)/R(s)=1=Gu(s)・Gf(s)
を満たす必要があり、結局、フィードフォワード補償器2の伝達関数Gfは、
Gf(s)=1/Gu(s)
となり、アクチュエータ1の伝達関数の逆関数とすれば良いことがわかる。この伝達関数1/Gu(s)を有するフィードフォワード補償器2の周波数特性を図2に示す。図2から明らかなように、フィードフォワード補償器2の周波数特性は40dB/decの傾斜を有し2階の微分器の特性として近似しても良いことが判る。
【0055】
[3]リファレンス位置発生器
リファレンス位置発生器3は、前記目標値R(s)(,r(t))を出力する手段である。制御対象としてのアクチュエータ1の制御量は、位置出力、即ち時間軸上で変化する移動距離であるから、目標値R(s)(,r(t))についても時間軸上で変化する移動距離として与える必要がある。本実施形態では、リファレンス位置発生器3から、一例として図3(A)に示すようなプロフィールを目標値R(s)(,r(t))として出力する。このプロフィールは、現在の信号記録層の位置(0μm)をスタート位置として、移動距離がタイミングt0からT1の期間で2次関数的に立ち上がり、その後T2の期間で1次関数的に増加し、更にその後に2次関数的に減少し、タイミングt3にて層間距離である40μm離れた位置に到達するものである。
【0056】
このようなプロフィールに対して1階の微分を施し速度変化として表すと、図3(B)に示すようになる。即ち、期間T1は加速期間、期間T2は一定速度期間、そして期間T3は減速期間となる。
【0057】
更に、フィードフォワード補償器2は上述したように2階の微分器に近似できるから、前記プロフィールに対して2階の微分を施すと、図3(C)に示すように、タイミングt0にてT1の幅の加速パルスが出力され、タイミングt1から期間T2後のタイミングt2にてT3の幅の減速パルスが出力される。本実施形態では、図3(A)に示すようなプロフィールを目標値としてフィードフォワード補償器2に供給し、フィードフォワード補償器2からは、図3(C)に示すように加速パルスと減速パルスの間に一定の間隔をおいたフィードフォワード出力F(s),f(t)が得られる。
【0058】
なお、本実施形態においては、フィードフォワード補償器2の伝達関数Gf(s)を2階の微分器に近似し、上述のようなプロフィールを目標値R(s)(,r(t))とすることによって、加速パルス(期間T1)と減速パルス(期間T3)をフィードフォワード出力f(t)として与えた例について説明したが、本発明はこのような構成に限定されるものではなく、前記プロフィール以外の適宜の目標値R(s)(,r(t))と、フィードフォワード補償器2の伝達関数Gf(s)を計算することにより、パルス波形以外のフィードフォワード出力F(s)を与えるようにしても良い。
【0059】
[4]位置検出器
位置検出器4は、アクチュエータ1の移動により変化する位置の情報としての位置出力を、実際の信号の変化として検出する手段であり、例えば図4に示すように構成される。図4に示す位置検出器4は、4分割された受光素子40と、非点収差発生手段41と、差動アンプ42とを備えている。
【0060】
信号記録層からの反射光は、非点収差発生手段41を経て、AからDの領域に4分割された受光素子40に入力される。対角に位置する受光素子の出力は加算され(Va+Vd,Vb+Vc)、加算された出力の差分が差動アンプ42にて生成され、図5(B)に示すような非点収差法によるフォーカスエラー信号が生成される。フォーカスエラー信号の生成方法はこれに限定されず、スポットサイズ法やナイフエッジ法等何れを用いても良い。
【0061】
図5(B)はアクチュエータ1が一定の速度で移動し、信号記録層と対物レンズの相対位置が一定の割合で変化する場合のフォーカスグエラー信号の例を示している。図5(B)から判るように、フォーカスエラー信号は、信号が正の値で増加する領域である領域1と、減少する領域である領域2との境界位置、及び前記領域2と負の値で増加する領域である領域3との境界位置において、それぞれ正のピーク値と負のピーク値を示し、それぞれの層のフォーカス位置と層間の中間位置がゼロクロス点となる。フォーカスサーボ時においては、一般にS字曲線と言われるられるフォーカスエラー信号が得られるが、このフォーカスジャンプにおけるフォーカスエラー信号は、1層目におけるフォーカスサーボ時のフォーカスエラー信号の正の値を取る部分と、2層におけるフォーカスサーボ時のフォーカスエラー信号の負の値を取る部分とを結合した曲線を描く。なお、フォーカスエラー信号の極性は生成方法によって異なり、図5(B)と逆の極性であっても良い。
【0062】
フォーカスエラー信号は、このように非線形の信号であるが、前記それぞれの領域毎に見れば、時間の経過と共に増加方向または減少方向の何れかの方向に変化する信号である。従って、領域1におけるフォーカスエラー信号の値v(t1),v(t2)と、信号記録層と対物レンズの相対位置の値w(t1),w(t2)が、また領域2におけるフォーカスエラー信号の値v(t3)〜v(t10)と、信号記録層と対物レンズの相対位置の値w(t3)〜w(t10)が、更に領域3におけるフォーカスエラー信号の値v(t11),v(t12)と、信号記録層と対物レンズの相対位置の値w(t11),w(t12)が、それぞれ一対一に対応している。このように、領域を区別できれば、フォーカスエラー信号をアクチュエータ1の位置出力を表す信号として用いることができる。
【0063】
[5]線形化変換器
線形化変換器5は、前記位置検出器4から出力されるフォーカスエラー信号を線形化変換する手段である。例えば図5(B)に示すような非線形な特性を示すフォーカスエラー信号を、図5(A)に示すような線形な信号に変換する。
【0064】
フォーカスサーボ制御においては、フォーカスエラー信号を対物レンズのフォーカス位置からのずれを表す信号として用いており、図6に示すように領域3から領域1の間の線形な信号として近似できる領域をキャプチャーレンジとしてサーボを行うため、線形化変換処理は行っていない。
【0065】
しかしながら、本実施形態では、フォーカスエラー信号を、現在の記録層に対するフォーカス位置から次の記録層に対するフォーカス位置までにおける、対物レンズと記録層の相対位置を表す信号として用いると共に、この相対位置を表す信号と、リファレンス位置として用いられる前記プロフィールとの偏差を減少させるようにフィードバックループを形成するため、フォーカスエラー信号は、領域1、領域2、及び領域3の全ての領域中のあらゆる点で参照する必要があり、非線形の信号のままでは容易にフィードバック制御を行うことができない。
【0066】
例えば、図5(B)に示すフォーカスエラー値v(t2)から正のピーク値に至るまで、あるいは負のピーク値からフォーカスエラー値v(t11)に至るまでのように2次関数的に値が変化すると、高い周波数帯域におけるフィードバック制御が要求される。また、図5(B)に示す領域2においては、フォーカスエラー信号の極性が反転してしまうため、フィードバックループを乱してしまう。
【0067】
そこで、線形化変換器5によってフォーカスエラー信号を全ての領域において線形な信号に変換することにより、フォーカスジャンプ中において安定なサーボループを形成する。
【0068】
線形化変換を行う方法には様々な方法が考えられるが、一例としてDSP(Digital Signal Processer)を用いて図7に示すようなテーブルを参照しながら変換器出力を行う方法が挙げられる。図7に示すテーブルは、領域1用変換テーブル、領域2用変換テーブル、及び領域3用変換テーブルの3種類のテーブルに分かれている。これは、フォーカスエラー信号が図5(B)に示すように、信号の大きさと極性から、領域1、領域2、及び領域3の3種類の領域に分けられるためである。領域1においては、フォーカスエラー信号は正の値を示し、時間の経過と共に信号の大きさが増加する極性を有している。また、領域2においては、フォーカスエラー信号は時間の経過によって正の値から負の値に変化し、信号の大きさが減少する極性を有している。また、領域3においては、フォーカスエラー信号は負の値を示し、時間の経過と共に信号の大きさが増加する極性を有している。
【0069】
以上のようなフォーカスエラー信号を線形化するために、領域1用の変換テーブルと領域3用の変換テーブルについては、フォーカスエラー信号の値の増加に追従して変換器出力値を増加させる極性のテーブルとし、領域2用の変換テーブルについては、フォーカスエラー信号の値の減少に追従して変換器出力値を増加させる極性のテーブルとしている。また、領域1用の変換テーブルよりも領域2用の変換テーブルのオフセット値を高くし、更に領域2用の変換テーブルよりも領域3用の変換テーブルのオフセット値を高く設定した。また、それぞれの領域において2次関数的に変化する部分に対して、フォーカスエラー信号の変化量の減少または増大に応じてゲイン補正量を増大または減少させている。
【0070】
領域の切り換え方法は、フォーカスエラー信号のピーク値を基準として切り換える方法と、戻り光量の総和であるフォーカスサムのしきい値を基準として切り換える方法が考えられる。また、再生RF信号のエンベロープを検出し、所定のしきい値を基準として切り換える方法が考えられる。例えば図8(A)に示すようなフォーカスエラー信号を微分すると、図8(B)に示すような波形の信号が得られ、この信号が正から負に減少する過程でゼロとなる位置が、フォーカスエラー信号の正のピーク値を得る位置であり、負から正に増加する過程でゼロになる位置が負のピーク値を得る位置である。そして、正のピーク値を得る位置が領域1と領域2の境界位置であり、負をピーク値を得る位置が領域2と領域3の境界位置である。従って、ピーク検出器やレベル検出器等を用いるか、もしくはサンプルしているフォーカスエラーの傾きの極性からフォーカスエラー信号のピーク検出を行うことにより、領域を切り換えることができる。
【0071】
また、図8(A)に示すフォーカスエラー信号が得られる時の、戻り光量の総和であるフォーカスサムを検出すると、図8(C)に示すような波形を描く。図8(C)に示すように、領域の境界位置においてはフォーカスサムが減少方向あるいは増加方向で所定の閾値を通過し、減少方向で所定のしきい値を通過する点が領域1と領域2の境界位置であり、増加方向で所定の閾値を通過する点が領域2と領域3の境界位置である。従って、フォトディテクタで検出される戻り光量の総和を検出することによりフォーカスサムを求め、求めたフォーカスサムと所定の閾値とを比較することにより、領域を切り換えることができる。
【0072】
ここで、ピーク検出またはフォーカスサム検出により領域の切り換えを行い、図7に示すテーブルを用いて行う線形化変換の一例を図9を参照して説明する。図9(A)は図7に示すテーブルを示す図、図9(B)はアクチュエータ1が時間的に一定の変位量で(速度一定で)移動している場合に、線形化変換器5に入力されるフォーカスエラー信号の一例、及び図9(C)は図9(B)に示すフォーカスエラー信号を図9(A)に示すテーブルを用いて線形化変換した結果を示す図である。
【0073】
まず、図9(B)に示す領域1においては、図9(A)に示す領域1用変換テーブルが参照され、時刻t1の時のフォーカスエラー値v(t1)に対してはw(t1)、時刻t2のフォーカスエラー値v(t2)に対してw(t2)の出力が行われる。ここで、時刻t2のフォーカスエラー値v(t2)までのフォーカスエラー値に対してはテーブルの値は直線的に増加するが、トラッキングエラー値v(t2)以降のフォーカスエラー値に対してはフォーカスエラー信号の増加率が徐々に低下するのに応じてゲインを徐々に増加させるテーブルが用いられる。以上のような変換器出力をグラフに表すと図9(C)のようになり、領域1におけるフォーカスエラー信号が線形化変換されることが判る。
【0074】
次に、図9(B)に示す領域2においては、図9(A)に示す領域2用変換テーブルが参照される。領域2用変換テーブルは、図9(A)に示すように、極性が領域1用変換テーブルとは異なり、また、オフセット値も領域1用変換テーブルより大きく設定されている。領域2用変換テーブルによれば、時刻t3の時のフォーカスエラー値v(t3)に対してはw(t3)、以下同様にして時刻t4〜t10の時のトラッキングエラー値v(t4)〜v(t10)に対してw(t4)〜w(t10)の出力が行われる。ここで、領域1と領域2の境界位置におけるフォーカスエラー信号から時刻t4の時のフォーカスエラー値v(t4)までのフォーカスエラー信号に対しては、フォーカスエラー信号の減少率が徐々に増加するのに応じてゲインを徐々に低下させるテーブルが用いられる。また、時刻t5の時のフォーカスエラー値v(t5)からフォーカスエラー値のゼロクロスまでに対しては、フォーカスエラー信号の減少率が徐々に低下するため、これに応じてゲインを徐々に増加させ、また、フォーカスエラー信号のゼロクロスから時刻t8の時のフォーカスエラー値v(t8)まではフォーカスエラー信号の減少率が徐々に増加するため、これに応じてゲインを徐々に低下させるテーブルが用いられる。更に、時刻t9の時のフォーカスエラー値v(t9)から領域2と領域3の境界位置までのフォーカスエラー信号に対しては、フォーカスエラー信号の減少率が徐々に低下するのに応じてゲインを徐々に増加させるテーブルが用いられる。そして、フォーカスエラー値v(t4)からフォーカスエラー値v(t5)まで、及びフォーカスエラー値v(t8)からフォーカスエラー値v(t9)まではフォーカスエラー信号が減少するのに応じて直線的にゲインを増加させるテーブルが用いられる。
【0075】
次に、図9(B)に示す領域3においては、図9(A)に示す領域3用変換テーブルが参照される。領域3用変換テーブルは、図9(A)に示すように、極性が領域1用変換テーブルと同じであり、オフセット値は領域2用変換テーブルより更に大きく設定されている。領域3用変換テーブルによれば、時刻t11の時のフォーカスエラー値v(t11)に対してはw(t11)、時刻t12の時のフォーカスエラー値v(t12)に対してw(t12)の出力が行われる。ここで、時刻t10のトラッキングエラー値v(t11)以降のフォーカスエラー値に対してはテーブルの値は直線的に増加するが、領域2と領域3の境界位置のフォーカスエラー信号からフォーカスエラー値v(t11)までのフォーカスエラー値に対してはフォーカスエラー信号の増加率が徐々に増加するのに応じてゲインを徐々に低下させるテーブルが用いられる。
【0076】
以上のような変換器出力をグラフに表すと図9(C)のようになり、図9(B)に示すようなフォーカスエラー信号が線形化変換され、線形化位置出力が得られることが判る。
【0077】
[6]安定化補償器
再び図1に戻り、安定化補償器6は、以上に説明した線形化変換器5から出力される線形化位置出力と、リファレンス位置発生器3から出力される図3(A)に示すような加速期間と減速期間の間に一定速度期間を有するプロフィールとの比較の結果得られる位置偏差を減少させるように、制御対象としてのアクチュエータ1にドライブ信号を出力する手段である。図10に、アクチュエータ1が目標となるプロフィールの速度よりも速い速度で移動した場合と、遅い速度で移動した場合の、位置偏差の例を示す。なお、図10に示す線形化位置出力は、速い速度と遅い速度の何れの場合も、加速期間及び減速期間において2次関数的に変化し、一定速度期間で直線的に変化する線形化位置出力を用いている。
【0078】
このように、本実施形態においては、フィードフォワード制御の目標値としてのプロフィールに一定速度期間を設けると共に、制御対象としてのアクチュエータ1の制御量としての位置出力を、フォーカスエラー信号を線形化変換した線形化位置出力としてフィードバックし、前記プロフィールをリファレンス位置として比較して位置偏差を求めることによりクローズドループを形成している。つまり、本実施形態のフォーカスジャンプ装置は、従来においてオープン制御により行われていたフィードフォワード制御を、フィードバック制御と組み合わせて行うものであり、外乱に対する影響を著しく減少させ、安定したフォーカスジャンプを行うことができる。また、図2に示したようにフォーカスジャンプの周波数帯域は数kHzと高く、フィードバック制御だけでは追従が困難であるが、フィードフォワード制御を併用することにより、高帯域でかつ安定した制御を可能にしたと言うこともできる。更に、本実施形態のフォーカスジャンプ装置では、フォーカスジャンプ中もフィードバックループがクローズしているため、常にフォーカスサーボがオンしているような動作をするため、フォーカスジャンプの終了からフォーカスサーボをオンした時のショックを小さくすることができる。従って、フォーカスジャンプが終了した後も乱れが少なくフォーカスサーボの収束を速くすることができる。
【0079】
また、本実施形態のフォーカスジャンプ装置では、フォーカスサーボ時と同じように目標値が与えられ偏差が得られるため、フォーカスジャンプ時とフォーカスサーボ時で同じ安定化補償器6を用いることができる。但し、フォーカスジャンプは瞬間的に動作が終了してしまうため、補償の目的がフォーカスサーボとは多少異なる。従って、フォーカスジャンプ時とフォーカスサーボ時で安定化補償器の特性を変化させていも良い。また、安定化補償器の特性をフォーカスジャンプ時からフォーカスサーボ時にかけて徐々に変化させても良い。例えば、定常特性については、通常のフォーカスサーボでは定常偏差抑圧のために低域のゲインを大きくとるが、この帯域はフォーカスジャンプの帯域外であるため、フォーカスジャンプでは低域のゲインを抑えて高域の位相余裕をとるようにすれば良い。また、フォーカスジャンプの性能の評価となるものは過渡応答であり、一方通常のフォーカスサーボでは定常応答であるから、フォーカスジャンプでは速応性を重視し、通常のフォーカスサーボでは安定性を重視した安定化補償器とすれば良い。更に、本実施形態のフォーカスジャンプ期間中にフィードバックされる位置情報は、非線形なフォーカスエラー信号から推定されたもので、推定誤差から生じる外乱を、特に、領域の切り換え時に含んでいる。従って、フォーカスジャンプ時には外乱除去のフィルターを安定化補償器に付加したり、フィードバックのゲインを低くするようにしても良い。
【0080】
[7]全体の動作
次に、本実施形態のフォーカスジャンプ装置の全体の動作について説明する。まず、リファレンス位置発生器3から、図3(A)に示すような軌跡のプロフィールを出力する。このプロフィールは、加速期間T1及び減速期間T3を短くとり、一定速度期間T2を充分に長くとるようにする。このプロフィールがフィードフォワード補償器2に供給されると、アクチュエータ1には図3(C)に示すような加速パルスが短時間だけ与えられ、アクチュエータ1の移動が開始される。その後は減速パルスが出力されるまでアクチュエータ1に対するフィードフォワード出力は与えられない。従って、この一定速度期間においては、アクチュエータ1はトラックに対して一定の速度で移動し、対物レンズも一定の速度で移動する。一定速度期間では目標値としてのプロフィールは一定の傾きを有して変化するため、目標値の帯域はフォーカスジャンプの帯域よりも見掛け上著しく低くなり、有効なフィードバック制御が行われる。つまり、上述のようにアクチュエータ1が移動を開始することにより、図5(B)に示すようなフォーカスエラー信号が位置検出器4から出力され、これが線形化変換器5によって線形化変換されて線形化位置出力された後、図10に示すようにプロフィールと線形化位置出力との比較により位置偏差が求められ、この位置偏差を抑えるように安定化補償器6によりアクチュエータ1に対してドライブ信号が供給される。そして、一定速度期間が終了し、トラッキングサーボの引き込みが行われる直前で、図3(C)に示すような減速パルスが出力され、アクチュエータ1は減速を開始する。減速は短時間で行うため、帯域的に高い領域の影響は少なく、トラッキングサーボの引き込みを速く完了させることができる。なお、加速、減速期間においてフィードバック制御を行うように構成しても良い。
【0081】
これに対し、従来のフォーカスジャンプ装置では、図11及び図12に示すように、フォーカスジャンプの開始と共に所定のパルス幅の加速パルスを出力し、その後フォーカスエラー信号が所定のしきい値よりも小さくなるタイミングで所定のパルス幅の減速パルスを出力するというフィードフォワードのオープン制御が行われていた。その結果、ディスクの面振れや層間隔のばらつきにより外乱が生じた場合には、フォーカスサーボ引き込み時に乱れを生じ、最悪の場合フォーカスサーボが乱れてしまうという問題があった。図11と図12に従来のフォーカスジャンプ装置によるジャンプの失敗例を示す。図11は、加速方向に外乱が生じた場合、あるいは層間隔が規定値よりも小さい場合であり、図12は減速方向の外乱または層間隔が大きい場合の例である。図11及び図12から判るように、サーボクローズの直後において、フォーカスエラー信号はフォーカスサーボ制御の帯域外の値をとり、ジャンプに失敗している。
【0082】
しかしながら、本実施形態のフォーカスジャンプ装置では、フィードフォワード制御と共にフィードバック制御を行っているので、外乱に対して強く、ディスクの面振れや層間隔のばらつきが生じても、安定したフォーカスジャンプを実現することができる。
【0083】
特に、本実施形態では、加速期間と減速期間の間に一定速度期間を設けたプロフィールを用いると共に、フォーカスエラー信号の線形化変換を行ったので、より一層フィードバック制御の効果を充分に発揮させることができる。これに対し、前記従来のフォーカスジャンプ装置のままでは、上述したように非線形なフォーカスエラー信号を用いることになるので、安定したフィードバック制御を行うことはできない。
【0084】
ここで、目標値を定速度入力とした場合と、定加速度入力とした場合の定常偏差の違いについて詳しく説明する。なお、以下の説明では、理解を容易にするために、図13(A)に示すような、伝達関数G2(s)の制御対象に対して、伝達関数G1(s)の補償要素を直結した直結フィードバック系をモデルとする。
【0085】
この場合において、制御対象の伝達関数G2(s)は1次遅れ系とする。
2(s) = K/(1+Ts) …(1)[K:ゲイン定数,T:時定数]
また、補償要素には積分要素を用いる。その伝達関数G1(s)は次のようになる
1(s) = 1/s …(2)
従って、図13(A)に示すような直結フィードバック系の一巡伝達関数G(s)は次のようになる。
G(s) = G1(s)・G2(s)
= K/{(1+Ts)s} …(3)
また、目標値をR(s)とすると、直結フィードバック系の制御偏差E(s)は、次のようになる。
E(s) = R(s)/{1+G(s)} …(4)
ここで、ラプラス変換における最終値の定理により、制御偏差をe(t)とすると、定常偏差e(∞)は次式により求められる。
【0086】
【数1】
Figure 0003720203
ここで、図13(A)の場合のsE(s)を求める。まず、前記(3)より、
1+G(s) = 1+K/{(1+Ts)s}
= (Ts2+s+K)/{(1+Ts)s} …(6)
となるので、前記(6)式と前記(4)式より、
E(s) = R(s)(1+Ts)s/(Ts2+s+K) …(7)
という結果が得られる。そこで、前記(7)式の両辺をs倍することにより、sE(s)が得られる。
sE(s) = R(s)(1+Ts)s2/(Ts2+s+K) …(8)
次に、目標値r(t)が本実施形態のフォーカスジャンプ装置のように図13(B)に示す定速度の場合の定常偏差e(∞)を、前記(5)式及び前記(8)式に基づいて求める。
【0087】
図13(B)の定速度入力を考えると、目標値r(t)及びR(s)は、次のようになる。
r(t) = v0t, R(s) = v0/s2 …(9)
従って、前記(8)式より、sE(s)は次のようになる。
Figure 0003720203
従って、前記(5)式より、定常偏差e(∞)は次のようになる。
【0088】
【数2】
Figure 0003720203
次に、目標値r(t)が図13(C)に示す定加速度の場合の定常偏差e(∞)を、前記(5)式及び前記(8)式に基づいて求める。
【0089】
図13(C)の定加速度入力を考えると、目標値r(t)及びR(s)は、次のようになる。
r(t) = (1/2)a02, R(s) = a0/s3 …(12)
従って、前記(8)式より、sE(s)は次のようになる。
Figure 0003720203
従って、前記(5)式より、定常偏差e(∞)は次のようになる。
【0090】
【数3】
Figure 0003720203
前記(11)式と前記(14)式を比較すると、目標値が定速度の場合には、定常偏差は定数(v0/K)に収束するのに対し、目標値が定加速度の場合には、定常偏差は∞となり発散してしまう。従って、制御対象と補償器が共通であれば、目標値が定速度の場合に比較して定加速度の場合の方が制御偏差は大きくなる。 つまり、従来のフォーカスジャンプ装置の構成のままでフィードバック制御を行おうとすると、図13(B)に示すように定速度の目標値を用いることができず、複雑に変化する目標値を用いるしかない。図13(C)に示すような定加速度に近似できる目標値を用いることが可能な領域も存在するが、たとえ定加速度に近似できる目標値を用いたとしても、制御は本実施形態のフォーカスジャンプ装置に比べて著しく困難であり、偏差も本実施形態のフォーカスジャンプ装置に比べて著しく大きくなることが明らかである。
【0091】
これに対し、本実施形態のフォーカスジャンプ装置は、図3(A)に示すように、定速度の目標値を設定しているため、フィードバック制御が従来のフォーカスジャンプ装置に比べて著しく容易であり、偏差も従来のフォーカスジャンプ装置に比べて著しく少なくなる。
【0092】
また、本実施形態のフォーカスジャンプ装置で用いることのできるプロフィールは、加速期間と減速期間の間に一定速度期間を設けた図3(A)に示すようなプロフィールに限られるものではない。
【0093】
例えば図14(A)に示すように一定速度期間が高速期間と低速期間の2段階に分かれており、図14(B)に示すように段階的に減速するプロフィールを用いることもできる。このプロフィールを用いると、図14(C)に示すように、加速パルスを加えた後に2回に分けて減速パルスを加えることになり、最初に目標値に大きく近づき、その後徐々に目標値に到達することができる。従って、引き込みの直前に精度の高い制御が可能となる。なお、一定速度期間を更に多くの段階に分け、加速パルスを加えた後に複数階に分けて減速パルスを加えるようにしても良い。
【0094】
また、図15(A)に示すように、一定速度期間が高速期間と低速期間の2段階に分かれており、図15(B)に示すように段階的に加速するプロフィールを用いることもできる。このプロフィールを用いると、図15(C)に示すように、加速パルスを2回に分けて加えた後に大きな減速パルスを加えることになり、ある程度の加減速の大きさを保ちながら、時間をかけてフォーカスジャンプを行うことができる。ゆっくり加速しながらフィードバックを行うと、フォーカスジャンプ開始から制御が効き易く、フォーカスジャンプの初期条件の変動の外乱を抑圧できる。なお、この場合も、減速パルスを加える回数を2回以上にすることができる。
【0095】
なお、図16(A)に示すように、一定速度期間が無く、加速期間と減速期間が交互に現れるプロフィールを用いることもできる。このプロフィールによれば、図16(B)に示すように加速減速を繰り返すことになり、加速量及び減速量が増大する。加速パルス及び減速パルスの量を増していくと、外乱の影響が小さくなる。従って、外乱の影響が小さくなるように、加速パルス、減速パルスの量をトータルで大きくして、同時にフォーカスジャンプに要する時間が短くなることによる不都合をできるだけ回避するために、階段状に目標値に近づくものである。このようなプロフィールを用いると、フィードバックによる制御が困難になるが、フィードバックを行わない場合には最大の加減速量を加えることができ、外乱の影響を最小にできる。
【0096】
以上のように、本実施形態のフォーカスジャンプ装置においては、様々な軌跡を描くプロフィールを用いることが可能であるが、図3(A)に示すようなプロフィールを用いた場合には、制御系を簡単な構成とすることができ、また、アクチュエータにとっても比較的応答が容易であるという利点を有している。
【0097】
また、リファレンス位置発生器3により、上述したような種々のプロフィールを出力可能に構成し、外乱の状態等に応じて適宜プロフィールを選択して出力するように構成しても良い。
【0098】
更に、それぞれのプロフィールは、実験の結果に基づいて決定され、外乱に対する安定性、あるいはトラッキングサーボの引き込みの速さ等が考慮される。
【0099】
[8]実験例
次に、本実施形態における一実験例について図17及び図18を参照しながら説明する。図17は、この実験例に用いたフォーカスジャンプ装置の構成を示すブロック図である。なお、このフォーカスジャンプ装置は、アクチュエータ10、ドライバ11、フォトディテクタ22、デコーダ20及びCPU21を除く箇所は、DSPにおいてプログラムが実行されることにより各機能が実現される。
【0100】
図17において、アクチュエータ10は、図示しない対物レンズが載置されている可動部と、この可動部をばね等によって支持する支持部とを備えており、ドライバ11から出力される駆動信号に応じて可動部をディスクの下方からディスクに対して垂直方向に変位させる。
【0101】
ドライバ11は、入力信号に応じて前記駆動信号を生成する。安定化補償回路15から出力される位相補償された信号、またはフィードフォワード補償部18から出力されるフィードフォワード信号とが加算部12により加算され、ドライバ11に入力信号として入力される。前記アクチュエータ10と当該ドライバ11が図1におけるアクチュエータ1に相当する要素である。
【0102】
フィードフォワード補償部18は、セレクタ部16と、該セレクタ部16に接続されたアッパーレベル設定部17a、センターレベル設定部17b、及びローワーレベル設定部17cとからなる。セレクタ部16は、タイミング発生部19から出力される制御信号に応じて、アッパーレベル設定部17a、センターレベル設定部17b、またはローワーレベル設定部17cの何れかを選択し、アッパーレベル、センターレベル、またはローワーレベルのうちの何れかのレベルの電圧値を有する信号を所定期間出力する。アッパーレベルの電圧値を有する信号は加速パルス信号、ローワーレベルの電圧値を有する信号は減速パルス信号、及びセンターレベルの電圧値を有する信号は一定速度信号となる。
【0103】
タイミング発生部19は、制御手段としてのCPU21から出力されるジャンプトリガ信号及びジャンプ方向信号に応じて、加速期間、一定速度期間、減速期間、及び信号の極性を選択し、加速パルス信号、一定速度信号、あるいは減速パルス信号を出力させるための所定の極性を持った制御信号をフィードフォワード補償部18のセレクタ部16に出力する。
【0104】
制御手段としてのCPU21には、デコーダ20が接続されており、該デコーダ20においてRF信号をデコードすることにより得られるアドレスを参照しながら、現在捕捉されている信号記録層と、アドレスに基づいてジャンプすべき信号記録層とを比較し、ジャンプトリガ信号及びジャンプ方向信号を出力する。
【0105】
以上のようなCPU21、タイミング発生部19、及びフィードフォワード補償部18によりフィードフォワード信号が加算部12に出力されフィードフォワード制御が行われる。つまり、これらのCPU21、タイミング発生部19、及びフィードフォワード補償部18により、図1に示すフィードフォワード補償器5が構成されている。また、この実験例におけるフォーカスジャンプ装置では、上述したようなプロフィールを2階微分してパルス状のフィードフォワード出力を得るのではなく、プロフィールに対応したパルス信号のレベルを予めアッパーレベル設定部17a、センターレベル設定部17b、及びローワーレベル設定部17cにより設定しておくと共に、パルス信号のタイミングデータをタイミング発生部19に記憶させておくことにより、直接的にパルス状のフィードフォワード出力を得ている。
【0106】
次に、図1における安定化補償器6に相当する安定化補償部15は、位相補償部13とセレクタ部14a及び14bとから成る。位相補償部13は、セレクタ部14aにより選択されるフォーカスサーボ時の位置偏差、あるいはセレクタ部14bを介して出力されるフォーカスジャンプ時のフィードバック制御における位置偏差を小さくするように、ドライバ11に対してドライブ信号を出力する。セレクタ部14aにはタイミング発生部19からフォーカスサーボのオープンとクローズを切り換える信号が供給されており、オープン側に切り換えられた場合には、フォーカスジャンプ時のフィードバック制御における位置偏差を位相補償部13に出力し、クローズ側に切り換えられた場合には、フォーカスサーボ時の位置偏差を位相補償部13に供給する。
【0107】
また、セレクタ部14bには、タイミング発生部19から位置サーボのON/OFFを切り換える信号が供給されており、ON側に切り換えられた場合には、フォーカスジャンプ時のフィードバック制御における位置偏差を出力し、OFF側に切り換えられた場合には、ゼロレベルの電圧を出力する。これは、図18(A)に示すように、フォーカスエラー信号の不定領域においてフィードバック制御を行わないようにするためである。この不定領域の大きさは、フォーカスサーボ制御におけるキャプチャーレンジの大きさと層間隔の大きさとの相関関係によって異なる。例えば、層間隔が一定であるとして、2つの層の間で反射光のクロストークが生じ得る程度にキャプチャーレンジを大きくとった場合には、図19に示すように不定領域は生じないが、2つの層の間で反射光のクロストークが生じないようにキャプチャーレンジを中位に設定した場合には図20に示すように僅かな不定領域が生じる。また、2つの層の間で反射光のクロストークの発生を確実に防ぐように、キャプチャーレンジを小さく設定した場合には、図21に示すように大きな不定領域を生じる。
【0108】
また、キャプチャーレンジが一定であっても、層間隔のばらつきにより、不定領域の大きさは変動する。つまり、キャプチャーレンジが一定の時に層間隔が規定値よりも大きい場合には不定領域は大きくなり、層間隔が規定値よりも小さい場合には不定領域は小さくなる。
【0109】
そして、このような不定領域においては、フォーカスエラー信号からは何の位置情報も得られないため、不定領域が生じる期間においてフィードバック制御を行うと却って制御を不安定にしてしまう。
【0110】
そこで、本実施形態では、図18に示すように、フォーカスエラー信号のゼロレベルに近接した正の値の第1のしきい値と、当該ゼロレベルに近接した負の値の第2のしきい値とを設定し、フォーカスエラー信号の値が、第1のしきい値よりも小さく、第2のしきい値よりも大きい値をとる範囲を、不定領域として検出し、この不定領域の期間においては位置サーボをOFFに切り換える信号をセレクタ部14bに出力することにより、フィードバック制御を行わないように構成した。
【0111】
次に、再び図17に戻って、フォトディテクタ22は、受光面が4分割されて配置された光電変換素子から構成されており、記録トラックからの光ビームの戻り光が、これらの光電変換素子によって電気信号に変換される。図4に示した受光素子40と同様の構成である。フォトディテクタ22にはフォーカスエラー信号検出部23が接続されており、前記電気信号はフォーカスエラー信号検出部23に出力される。
【0112】
フォーカスエラー信号検出部23は、図4に示した位置検出器4と同様に、非点収差発生手段41と、差動アンプ42とを備えている。信号記録層からの反射光は、非点収差発生手段41を経て、AからDの領域に4分割された受光素子40に入力される。対角に位置する受光素子の出力は加算され(Va+Vd,Vb+Vc)、加算された出力の差分が差動アンプ42にて生成され、図5(B)に示すようなフォーカスエラー信号が生成される。フォーカスエラー信号検出部23には、傾き検出部24、レベル検出部26、位置発生部27、及び減算部30が接続されており、前記フォーカスエラー信号をこれらに出力する。この実験例におけるフォーカスジャンプ装置では、フォトディテクタ22とフォーカスエラー信号検出部23から図1に示す位置検出器4が構成されている。
【0113】
傾き検出部24は、フォーカスエラー信号の傾きの極性を検出する回路であり、この傾きの極性が正から負に切り換わる時にハイレベルからローレベルに立ち下がる信号を出力し、また、負から正に切り換わる時にローレベルからハイレベルに立ち上がる信号を出力する。この傾き検出部24の出力はタイミング発生部19に供給され、タイミング発生部19は前記傾き検出部24の出力の変化に基づいて、図5(B)に示すような領域を判別する信号を出力する。フォーカスエラー信号の傾きの極性が切り換わる位置は、フォーカスエラー信号のピークの位置であり、フォーカスエラー信号のピーク位置が判れば前記領域の判別を行うことができる。
【0114】
タイマー25は、CPU21から出力されるスタート信号をトリガーとして動作を開始し、CPU21によってセットされたタイマー値がゼロになったところでタイミング発生回路19に対してタイムアップ信号を出力する。つまり、タイマー値を適宜の値に設定し、適宜のタイミングでスタートさせることにより、所望のタイミングからの時間の計測が可能である。この実験例におけるフォーカスジャンプ装置は、前記傾き検出部24を用いた領域の切り換えだけでなく、タイマー25を用いた一定時間毎の領域の切り換えを行うことができるように構成されている。
【0115】
レベル検出部26は、フォーカスエラー信号と図18に示す第1〜第3のしきい値との比較を行い、比較結果をタイミング発生部19に出力する。これにより、上述した位置サーボのON/OFF切り換え信号、加減速パルスの出力タイミングが決定される。
【0116】
タイミング発生部19は、上述した位置サーボのON/OFF切り換え信号、及び加減速パルスの出力開始信号の他、フォーカスサーボのオープン/クローズの切り換え信号も出力する。また、前記傾き検出部24により正のピーク値の検出を示す信号が出力された場合には、フォーカスエラー信号が正の閾値よりも低い値になった時に領域1から領域2への切り換え信号を出力する。また、前記傾き検出部24により負のピーク値の検出を示す信号が出力された場合には、フォーカスエラー信号が負の閾値よりも高い値になった時に領域2から領域3への切り換え信号を出力する。このような構成により、フォーカスエラー信号にノイズが含まれる場合でも正確に領域の切り換えを行うことができる。そして、以上のようにしてタイミング発生部19から出力される領域を切り換える信号は、位置発生部27に供給される。
【0117】
位置発生部27は、タイミング発生部19から出力される領域の切り換え信号を参照しながらフォーカスエラー信号の線形化変換に参照すべき変換テーブルのアドレスを発生させる。そして、このアドレスに基づいて、予め記憶された変換テーブルを参照し、サンプルされたフォーカスエラーの値に応じて変換テーブルに設定された値を出力する。変換テーブルは、領域1用の変換テーブル、領域2用の変換テーブル、及び領域3用の変換テーブルがそれぞれ異なったアドレスを有して記憶されており、各変換テーブルには図7に示すような値が所定の分解能で設定されている。従って、各変換テーブルが参照されてテーブル値の出力が行われると、図9(C)に示すようにフォーカスエラー信号の線形化変換が行われることになる。
【0118】
以上のように、この実験例のフォーカスジャンプ装置においては、傾き検出部24、タイマー部25、レベル検出部26、タイミング発生部19、及び位置発生部27により、図1に示す線形化変換器5が構成される。
【0119】
一方、リファレンス発生部28は、タイミング発生部19から出力されるカウント信号に基づき、予めテープルに記憶されたリファレンステーブルのアドレスを発生させる。タイミング発生部19はフィードフォワード出力としてのパルス信号のパルス幅に応じて異なるカウント信号を出力するように構成されており、当該パルス幅はCPU21により選択できるように構成されている。従って、CPU21から所定のパルス幅を選択する信号がタイミング発生部19に出力されると、タイミング発生部19は当該パルス幅のパルス信号を生成するようにフィードフォワード補償部18に制御信号を出力すると共に、単なるカウント信号をリファレンス発生部28に出力する。これにより、リファレンス発生部28は当該パルス幅に対応したリファレンステーブルのアドレスを発生させる。そして、このアドレスに基づいて、予め記憶されたリファレンステーブルを参照し、リファレンステーブルに設定された値を出力する。
【0120】
テーブルには、フィードフォワードに応じた所定の軌跡を描くプロフィールが設定されている。例えば、加速期間と減速期間において非線形で、定速期間は線形な図10のような波形が出力される。以上のように、この実験例のフォーカスジャンプ装置においては、CPU21、タイミング発生部19、リファレンス発生部28により、図1に示すリファレンス位置発生器3が構成される。
【0121】
リファレンス発生部28から出力されるプロフィールと位置発生部27から出力される線形化位置出力は、加減算部29において加減算され、例えば図10に示すように位置偏差が出力される。この位置偏差は安定化補償部15のセレクタ部14bに出力され、タイミング発生部19からセレクタ部14bに対して位置サーボをONに切り換える信号が出力された時に、セレクタ部14aに出力される。セレクタ部14aにおいては、タイミング発生部19からトラッキングサーボのオープン信号が出力された時に、前記位置偏差が位相補償部13に出力され、フォーカスジャンプ時のクローズドループが構成される。一方、タイミング発生部19からセレクタ部14aに対してトラッキングサーボのクローズ信号が出力された時には、減算部30を介して出力されるフォーカスエラー信号が位置偏差として位相補償部13に出力され、トラッキングサーボ時のクローズドループが構成される。
【0122】
次に、以上のような実験例におけるフォーカスジャンプ装置の動作例について説明する。まず、CPU21からジャンプトリガが出力されると、時刻t0において、タイミング発生部19により、図18(B)に示すようにフォーカスサーボオープン/クローズ信号をローレベルに切り換えて、セレクタ部14aによる位相補償部13への接続先としてセレクタ部14bを選択する。また同時に、図18(D)に示すようにタイミング発生部19により位置サーボON/OFF信号をハイレベルに切り換えて、セレクタ部14bの出力として加減算部29の出力である位置偏差を選択する。更に、この時刻t0のタイミングにおいては、リファレンス発生部28から図18(E)に示すようなプロフィールを出力させ、フィードフォワード補償部18からこのプロフィールに対応した図18(H)に示すようなフィードフォワード出力をドライバ11に供給させる。
【0123】
これにより、アクチュエータ10はジャンプを開始し、レーザービームスポットを移動させるので、フォーカスエラー検出部23からは図18(A)に示すようなフォーカスエラー信号が検出される。このフォーカスエラー信号は、傾き検出部24に供給され、傾き検出部24はこのフォーカスエラー信号が正のピーク値に到達する前の正の傾きを有していることを示す信号をタイミング発生部19に出力する。タイミング発生部19はこの検出結果に基づいて、図18(C)に示すように変換領域信号としてハイレベルの信号を出力し、現在の領域が図5(B)に示す領域1であることを示す。この変換領域信号は位置発生部27に出力され、位置発生部27はこの出力に基づいて、変換テーブルとして領域1用の変換テーブルを選択し、この領域1用の変換テーブルを用いてフォーカスエラー信号を線形化変換し、図18(F)に示すような線形化位置を出力する。この線形化位置出力と、前記プロフィールによるリファレンス位置は、加減算部29において比較され、図18(G)に示すような位置偏差が得られる。この位置偏差は、セレクタ部14b及びセレクタ部14aを介して位相補償部13に供給され、位相補償部13においてはこの位置偏差を低減するように図18(I)に示すようなドライブ信号をフィードバックする。従って、アクチュエータ10は、外乱が生じた場合でも高い精度でリファレンス位置に追従するようにジャンプを続ける。
【0124】
次に、時刻t1において、フォーカスエラー信号が正のピーク値に至ったことが傾き検出部24により検出され、タイミング発生部19から出力される変換領域信号は図18(C)に示すようにローレベルに切り換えられる。この変換領域信号を入力した位置発生部27は、領域が領域1から領域2に切り換わったことを認識し、変換テーブルとして領域2用の変換テープルを選択してフォーカスエラー信号の線形化変換を行う。その結果、図18(A)に示すように非線形なフォーカスエラー信号は、図18(F)に示すように線形化され、この線形化された位置出力に基づいて、安定したフィードバック制御が行われる。
【0125】
次に、時刻t2のタイミングにおいて、フォーカスエラー信号が図18(A)に示すように第1のしきい値よりも小さい値となったことを、レベル検出部26が検出すると、タイミング発生部19はこの検出結果に基づいて、図18(B)に示すように位置サーボON/OFF信号をローレベルに切り換え、セレクタ14bからゼロレベルの電圧を出力させる。このようにしてフォーカスエラー信号の不定領域においてフィードバック制御が中断される。
【0126】
そして、時刻t3のタイミングにおいて、フォーカスエラー信号が図18(A)に示すように第2のしきい値よりも小さな値となったことを、レベル検出部26が検出すると、タイミング発生部19はこの検出結果に基づいて、図18(B)に示すように位置サーボON/OFF信号をハイレベルに切り換え、セレクタ14bから再び位置偏差を出力させる。このようにしてフィードバック制御が再開される。
【0127】
次に、時刻t4において、フォーカスエラー信号が負のピーク値に達したことを、傾き検出部24が検出すると、タイミング発生部19は、図18(C)に示すように変換領域信号をハイレベルに切り換える。この変換領域信号は、位置発生部27に入力され、位置発生部27はフォーカスエラー信号の領域が領域2から領域3に切り換ったことを認識し、変換テーブルとして領域3用の変換テーブルを選択する。そして、この領域3用の変換テーブルによりフォーカスエラー信号の線形化変換を行う。
【0128】
次に、時刻t5において、フォーカスエラー信号が第3のしきい値よりも大きな値になったことをレベル検出部26が検出すると、タイミング発生部19は、この検出結果に基づいて、フィードフォワード補償部18に対して、減速パルスの出力開始信号を出力する。これにより、フィードフォワード補償部18において、図18(H)に示すような減速パルスを出力し、ドライバ11に供給する。その結果、アクチュエータ10は減速を開始する。そして、減速パルスが終了する時刻t6において、タイミング発生部19は図18(B)に示すようにフォーカスサーボオープン/クローズ信号をハイレベルに切り換え、セレクタ部14aによる位相補償部13の接続先として減算部30を選択させ、フォーカスサーボループをクローズさせる。また、タイミング発生部19は図18(D)に示すように位置サーボON/OFF信号をローレベルに切り換えフィードバック制御を終了させる。
【0129】
以上のようにして目標の記録層におけるフォーカスサーボ制御が行われることになるが、目標の記録層までのフォーカスジャンプは、上述したようにフィードフォワード制御とフィードバック制御との併用により、リファレンス位置に追従して高い精度で行われており、減速パルスの終了時点では、レーザビームスポットの位置はほぼフォーカス位置に到達している。従って、フォーカスサーボの引き込みは図18(A)に示すように極めて迅速に行われる。
【0130】
以上のように、本実験例のフォーカスジャンプ装置においては、フォーカスサーボにおけるキャプチャアレンジよりも遥かに長い層間距離のフォーカスジャンプを確実に実行できるだけでなく、フォーカスエラー信号を線形化変換した線形化位置出力に基づいて適切な位置偏差を求め、フォーカスジャンプ中においてこの位置偏差に基づいて安定したフィードバック制御が行われるので、外乱が発生した場合でも極めて高い精度でレーザービームスポットを目標の記録層に到達させることができる。
【0131】
また、フォーカスジャンプ中もフィードバックループがクローズしており、常にフォーカスサーボがオンしているような動作をするため、ジャンプからフォーカスサーボオンの時のショックが小さくできる。従って、ジャンプが終了した後も乱れが少なく収束が速い。従って、本発明のフォーカスジャンプ装置は、サンプリング時間等の制約のあるデジタルサーボシステムにも効果がある。
【0132】
なお、本実験例で用いたアクチュエータ10は、図22に示すように、ディスク50の下方に位置し、バネ40により付勢されている。そして、ドライブ信号がOFFの時には、図22に点線で示すように、バネの付勢力と重力とがつりあった静的つり合いの位置にある。しかし、フォーカスサーボが行われている時には、図22に実線で示すように、アクチュエータ10に対して定常的なドライブ信号が印加されている。
【0133】
従って、上述したフォーカスジャンプを行う場合でも、図23(B)に示すようにオフセット電圧がアクチュエータ10に印加された状態で、フィードフォワード出力を行うことにより、加速量と減速量を同じ量に設定することができる。
【0134】
但し、本発明はこのようなオフセット電圧の印加を行った上でのフィードフォワード制御に限定されるものではなく、下層である1層目から上層である2層目までのジャンプ時と、2層目から1層目までのジャンプ時とで、加速量と減速量に差を設けるようにしても良い。つまり、1層目から2層目へのジャンプ時においては、重力に抗してジャンプを行う必要があるため、減速パルスよりも大きな加速パルスを印加する。また、2層目から1層目へのジャンプ時においては、重力により減速方向に大きな力が加わるので、加速パルスよりも大きな減速パルスを印加する。そして、このように加速パルスと減速パルスに差を設ける時には、リファレンス位置もそれに応じて変える必要があり、また新たなリファレンス位置に適合した線形化位置出力を得るためにフォーカスエラー信号の線形化変換のための変換テーブルも切り換える必要がある。
【0135】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態を添付図面の図24及び図25に基づいて説明する。なお、第1の実施形態との共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0136】
第1の実施形態においては、フォーカスエラー信号を線形化変換した後に、線形領域を有するプロフィールと比較する構成としたが、本実施形態のフォーカスジャンプ装置は、フォーカスエラー信号の非線形性を考慮して非線形な目標値を与えるところが第1の実施形態と異なる。
【0137】
図24のブロック線図に本実施形態におけるフォーカスジャンプ装置の概略構成を示す。なお、図1との共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0138】
図24に示すように、本実施形態のフォーカスジャンプ装置においては、位置検出器4から出力されるフォーカスエラー信号が、線形化変換されることなく、直接的に目標値と比較される。
【0139】
また、非線形化変換器7は、リファレンス位置発生器3から出力される線形なリファレンス位置に対して、非線形化変換を行う。これは、第1の実施形態において、フォーカスエラー信号に対して線形化変換を行った場合の逆変換を行うものである。実際には、ROMに予め非線形な目標値テーブルを書き込んでおき、アドレスを操作して順番に読み出すようにすれば良い。
【0140】
線形化変換器5は、フォーカスエラー信号と目標値の差分から適正に対物レンズを移動させるために、当該差分に対して極性とゲインを補正して線形な位置偏差を生成する。
【0141】
そして、極性とゲインが補正された後の位置偏差を安定化補償器6に供給し、位置偏差を低減させるドライブ信号をアクチュエータ1に供給する。
【0142】
なお、フィードフォワード補償器2により、ジャンプのプロフィールとアクチュエータの挙動が一致するようにフィードフォワード出力をドライバに加える点は第1の実施形態と同様である。
【0143】
図25に目標値となるリファレンス信号と、前記プロフィールの一定速度よりも速い速度でアクチュエータ1が移動した際に得られるフォーカスエラー信号と、前記プロフィールの一定速度よりも遅い速度でアクチュエータ1が移動した際に得られるフォーカスエラー信号とを示す。
【0144】
図25において、前記速い速度または遅い速度で移動した場合のフォーカスエラー信号とリファレンス信号とを比較すると、偏差の極性が、領域1及び領域3と、領域2とでは逆になっていることが判る。そこで、本実施形態の線形化変換器5では、領域2の時に得られ偏差の極性を反転させ、偏差の極性を揃えている。
【0145】
また、各領域の境界位置付近では、リファレンス信号及びフォーカスエラー信号共に変化率が減少するため偏差のゲインが低下する。そこで、本実施形態の線形化変換器5では、領域が切り換えられてから所定期間は偏差のゲインを増加させる。また、フォーカスエラー信号のレベルによってゲインを変化させるように構成しても良い。
【0146】
以上のように構成することにより、制御量としてのフォーカスエラー信号と、目標値としてのリファレンス信号が、共に非線形な信号であっても、各領域毎に見れば互いの信号が線形に近似できるため、見掛け上の周波数帯域を低下させることができ、フォーカスジャンプ中におけるフィードバック制御を行うことができる。
【0147】
従って、常に適正なアクチュエータの位置に関するフィードバック制御が行われ、ディスクの面振れや層間隔のばらつき等の外乱が生じても、精度の良い安定したシングルフォーカスジャンプを行うことができる。
【0148】
なお、本実施形態においても第1の実施形態と同様に、ピーク検出またはフォーカスサムを用いる方法で領域の切り換えを行うことができる。
【0149】
また、上述した実施形態においては、光ビームとしてレーザービームを用いた例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、LEDによるビームを用いても良い。
【0150】
また、上述した実施形態においては、光ビームのスポットとして記録層上に集光させる例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、線状のビームにより数トラックを1度にトレースする方を用いた場合でも適用可能である。
【0151】
更に、上述した実施形態においては、光ビームの焦点位置を移動させる手法として、アクチュエータ自体をジャンプさせる例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、アクチュエータ内の対物レンズを移動させることにより、光ビームの焦点位置を移動させる構成としても良い。
【0152】
以上説明したように、請求項1に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、焦点位置移動手段に対して加速制御及び減速制御を実行するフィードフォワード制御手段と、前記加速制御の実行により開始される前記目標の記録層へのジャンプ時に前記フォーカスエラー信号検出手段によって検出される前記フォーカスエラー信号の値が増加方向に変化する領域と、減少方向に変化する領域との少なくとも何れの領域に属するかを判別する領域判別手段と、前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを備え、前記領域判別手段による判別結果に基づいて何れかの前記変換テーブルを選択し、当該選択された変換テーブルを参照して前記フォーカスエラー信号を線形化変換する線形化変換手段と、前記加速制御により開始される前記光ビームの焦点位置の前記目標の記録層への移動時に前記線形化変換手段の出力値と、所定の目標値とを比較し、その誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号をフィードバックして光ピームの焦点の位置制御を行う位置制御手段とを備えたので、フォーカスジャンプ中においてもサーボループを形成することができる。その結果、光ビームの焦点位置を前記所定の目標値に精度良く追従させ、焦点位置を精度良く目標位置に到達させることができる。このように、本発明によれば、外乱に強い安定したフォーカスジャンプを行うので、2層以上の記録層を有する記録媒体において、記録媒体の面振れや層間隔のばらつき等が生じた場合でも、記録層から記録層へのジャンプを高い精度で行うことができ、かつ、ジャンプ終了後のフォーカスサーボにおける収束を速めることができる。
また、フォーカスエラー信号または前記光ビームの前記記録媒体からの戻り光の量が所定のしきい値よりも小さい値で略一定に維持される期間を有する場合には、当該期間を除く他の期間においてフィードバック制御を行うので、適正な光ビームの位置情報に基づいて精度の高いフィードバック制御を行うことができる。
【0153】
請求項2に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、加速制御と減速制御の間に、所定期間の一定速度制御を行うので、一定速度制御期間において前記位置制御手段によるフィードバック制御が行われると、当該フィードバック制御における見掛け上の周波数帯域が低下し、安定したサーボループを形成することができる。その結果、光ビームの焦点位置を前記所定の目標値により一層精度良く追従させ、より一層精度良く目標位置に到達させることができる。
【0154】
請求項3に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、一定速度制御の期間を加速制御の期間及び減速制御の期間よりも長くなるように設定したので、光ビームの焦点位置についてのフィードバック制御を有効に機能させることができ、高い精度のフォーカスジャンプを行うことができる。
【0155】
請求項4に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記フィードフォワード制御手段により、前記加速パルスを印加した後に、前記一定速度期間を設け、前記一定速度期間の終了後に減速パルスを印加するので、最初の加速パルスと最後の減速パルスの間に十分な一定速度期間が設けられ、2層以上の記録層を有する記録媒体におけるフォーカスジャンプ中に、前記フィードバックを有効に機能させることができ、精度の良いフォーカスジャンプを行うことができる。
【0156】
請求項5に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記フィードフォワード制御手段により、前記加速パルスを印加した後に、段階的に複数の減速パルスを印加し、前記加速パルスと前記減速パルスの間、及び各減速パルス間に前記一定速度期間を設けたので、光ビームの焦点位置を最初に目標記録層に近い位置まで移動させ、徐々に速度を緩めながら精度良く目標記録層の位置に到達させることができる。その結果、フォーカスサーボの引き込みの直前に精度の高い制御を行うことができる。
【0157】
請求項6に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記フィードフォワード制御手段により、段階的に複数の加速パルスを印加した後に、減速パルスを印加し、前記加速パルス間、及び前記加速パルスと前記減速パルスの間に前記一定速度期間を設けたので、フォーカスジャンプの開始から制御が効き易く、フォーカスジャンプの初期条件の変動の外乱を抑圧することができる。
【0158】
請求項7に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記フィードフォワード制御手段により、前記加速パルスと減速パルスの印加パターンを複数備え、フォーカスジャンプする距離に応じて前記印加パターンを選択するので、フォーカスジャンプする距離に拘わらず常に高い精度のフォーカスジャンプを行うことができる。
【0159】
請求項8に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化を表すプロフィールを設定するプロフィール設定手段と、前記焦点位置移動手段の伝達特性の逆特性を有するフィードフォワード補償器とを備え、前記プロフィール設定手段により、ジャンプの開始時点からの加速状態による位置変化と、ジャンプの終了に至る減速状態による位置変化との間に、少なくとも一度一定速度状態での位置変化を含むプロフィールを設定し、前記フィードフォワード補償器は、当該プロフィールを補償するフィードフォワード信号を前記焦点位置移動手段に印加するので、フィードフォワード制御と共に前記フィードバック制御を有効に機能させることができ、高い精度のフォーカスジャンプを行うことができる。また、プロフィールの波形を変化させることは容易なので、プロフィールを変化させて光ビームの焦点位置の変化の態様を容易に自在に制御できる。
【0160】
請求項9に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記所定の目標値として、前記光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化を表すリファレンス位置の設定を行うリファレンス位置設定手段とを更に備え、前記フィードバック制御手段により、前記線形化変換手段の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、その誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号を制御するので、非線形なフォーカスエラー信号を線形化処理することよってフィードバック制御を行い、フィードバック制御における見掛け上の周波数帯域を低下させ、光ビームの焦点位置を高い精度でリファレンス位置に追従させるように移動させることができる。その結果、光ピームの焦点位置を高い精度で目標位置に到達させることができ、フォーカスジャンプ終了後のフォーカスサーボの引き込みを速めることができる。
【0161】
請求項10に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記プロフィール設定手段により設定されるプロフィールを、前記所定の目標値としてのリファレンス位置として用い、前記線形化変換手段の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、その誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号を制御するので、線形化変換されたフォーカスエラー信号と、一定速度期間に基づく位置変化を含むプロフィールとの比較に基づいてフィードバック制御が行われ、フィードバック制御における見掛け上の周波数帯域を低下させ、光ビームの焦点位置を精度良くリファレンス位置に追従させるように移動させることができる。その結果、光ビームの焦点位置を高い精度で目標位置に到達させることができ、フォーカスジャンプ終了後のフォーカスサーボの引き込みを速めることができる。また、リファレンス位置設定手段とプロフィール設定手段との共通化により構成の簡略化を図ることができる。
【0163】
請求項11に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、フォーカスエラー信号の検出方式を判別する検出方式判別手段を更に備え、前記線形化変換手段は、前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを前記検出方式毎に複数備え、前記検出方式判別手段による判別結果に応じて、前記検出方式に応じた前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを選択し、選択した複数の変換テーブルの中から、前記領域判別手段による判別結果に基づいて変換テーブルを選択し、前記フォーカスエラー信号を線形化変換するので、異なる波形のフォーカスエラー信号が得られる場合でも、適切に線形化変換を行うことができ、フィードフォワード制御と共に適切なフィードバックを行って、高い精度のフォーカスジャンプを行うことができる。
【0164】
請求項12に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記領域判別手段により、前記フォーカスエラー信号検出手段によって検出される前記フォーカスエラー信号が、信号の値が正の値で増加方向に変化する領域または信号の値が負の値で減少方向に変化する領域と、減少または増加方向に変化する領域と、負の値で増加する方向に変化する領域または正の値で減少する方向に変化する領域との3領域の何れに属する信号であるかを判別するので、非線形なフォーカスエラー信号の波形の特性に合致した3つの領域毎に、それぞれの領域のフォーカスエラー信号に応じた変換テーブルを用いて線形化変換を行うことができ、非線形なフォーカスエラー信号を適切に線形化変換することができる。その結果、フィードフォワード制御と共に適切なフィードバックを行って、高い精度のフォーカスジャンプを行うことができる。
【0165】
請求項13に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記領域判別手段により前記フォーカスエラー信号の正または負のピーク値への到達タイミングを基準として前記領域を判別するので、高い精度で領域の判別を行うことができ、適切な変換テーブルにより線形化変換を行うことができる。
【0166】
請求項14に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、前記領域判別手段により、前記光ビームの前記記録媒体からの戻り光の量に基づいて前記領域を判別するので、高い精度で領域の判別を行うことができ、適切な変換テーブルにより線形化変換を行うことができる。
【0167】
請求項15に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、シングルフォーカスジャンプを行う場合には、前記リファレンス位置として、ジャンプの開始時点からの加速状態による位置変化と、ジャンプの終了に至る減速状態による位置変化との間に、少なくとも一度一定速度状態での位置変化を含むリファレンス位置を用いてるので、フィードバック制御における周波数帯域を低下させて安定したフィードバックループにより光ビームの焦点位置を前記一定速度状態での位置変化を含むリファレンス位置に追従するように高い精度でフォーカスジャンプさせることができる。
【0169】
請求項16に記載のフォーカスジャンプ装置によれば、フォーカスジャンプの終了後に前記フォーカスエラー信号をゼロとするように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号をフィードバックして光ビームの焦点位置の位置制御を行うフォーカスサーボ制御手段を更に備え、前記フィードバック制御手段と前記フォーカスサーボ制御手段は、それぞれの制御の特性に応じた位相補償器を備えているので、周波数帯域の異なるそれぞれの制御を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるフォーカスジャンプ装置の構成を示すブロック線図である。
【図2】図1のフォーカスジャンプ装置におけるアクチュエータ及びフィードフォワード補償器の周波数特性を示す図である。
【図3】(A)は本発明の第1の実施形態におけるリファレンス位置発生器から出力されるプロフィールを示す図、(B)は(A)のプロフィールを1階微分した速度変化を示す図、(C)は(A)のプロフィールを2階微分したフィードフォワード出力を示す図である。
【図4】図1のフォーカスジャンプ装置における位置検出器の構成例を示す図である。
【図5】(A)は図1のフォーカスジャンプ装置における線形化変換器によってフォーカスエラー信号を線形化変換した線形化位置出力を示す図、(B)は図1のフォーカスジャンプ装置における位置検出器によって得られるフォーカスエラー信号を示す図である。
【図6】フォーカスサーボ制御時におけるフォーカスエラー信号の参照方法と、フォーカスジャンプ時のフォーカスエラー信号の参照方法とを比較するための図である。
【図7】図1のフォーカスジャンプ装置の線形化変換器において用いられる線形化変換用のテーブルを示す図である。
【図8】(A)は図1のフォーカスジャンプ装置において検出されるフォーカスエラー信号を示す図、(B)はフォーカスエラー信号の微分波形と領域の関係を示す図、(C)はフォーカスサムと領域との関係を示す図である。
【図9】(A)は図7に示すテーブルを示す図、(B)は線形化変換器に入力されるフォーカスエラー信号を示す図、(C)は(B)のフォーカスエラー信号を線形化変換した結果である線形化位置出力を示す図である。
【図10】リファレンス位置に対する、速度が速い場合の線形化位置出力と、速度が遅い場合の線形化位置出力との偏差を示す図である。
【図11】本実施形態のフォーカスジャンプ装置と比較される比較例のフォーカスジャンプ制御を説明するための図であり、(A)はフォーカスエラー信号を示す図、(B)はアクチュエータに印加されるドライブ信号を示す図である。
【図12】本実施形態のフォーカスジャンプ装置と比較される他の比較例のフォーカスジャンプ制御を説明するための図であり、(A)はフォーカスエラー信号を示す図、(B)はアクチュエータに印加されるドライブ信号を示す図である。
【図13】(A)は直結フィードバック系のモデルを示す図、(B)は(A)のフィードバック系に入力される定速度入力を説明する図、(C)は(A)のフィードバック系に入力される定加速度入力を説明する図である。
【図14】(A)は段階的に減速するプロフィールを示す図、(B)は(A)のプロフィールを1階微分した速度変化を示す図、(C)は(A)のプロフィールを2階微分したフィードフォワード出力を示す図である。
【図15】(A)は段階的に加速するプロフィールを示す図、(B)は(A)のプロフィールを1階微分した速度変化を示す図、(C)は(A)のプロフィールを2階微分したフィードフォワード出力を示す図である。
【図16】(A)は一定速度期間が無く加速期間と減速期間が交互に現れるプロフィールを示す図、(B)は(A)のプロフィールを1階微分した速度変化を示す図、(C)は(A)のプロフィールを2階微分したフィードフォワード出力を示す図である。
【図17】本発明の第1の実施形態における実験例に用いたフォーカスジャンプ装置の構成を示すブロック図である。
【図18】図17に示すフォーカスジャンプ装置を用いて行った実験結果を示すタイミングチャートであり、(A)はフォーカスエラー信号、(B)はフォーカスサーボのオープン/クローズ切り換え信号、(C)はフォーカスエラー信号の領域の切り換えを示す変換領域信号、(D)はフォーカスエラー信号の不定領域とその他の領域における位置サーボのON/OFF切り換え信号、(E)はリファレンス位置、(F)はフォーカスエラー信号を線形化変換することによって得られた対物レンズの目標記録層に対する相対位置、(G)はリファレンス位置と相対位置との位置偏差、(H)はアクチュエータに印加されるフィードフォワード出力、(I)はアクチュエータに印加されるドライブ信号をそれぞれ示すタイミングチャートである。
【図19】フォーカスエラー信号の不定領域を説明するための図であり、(A)はキャプチャーレンジが大きい場合のフォーカスエラー信号、(B)はフィードフォワード出力を示す図である。
【図20】フォーカスエラー信号の不定領域を説明するための図であり、(A)はキャプチャーレンジが中位の場合のフォーカスエラー信号、(B)はフィードフォワード出力を示す図である。
【図21】フォーカスエラー信号の不定領域を説明するための図であり、(A)はキャプチャーレンジが小さい場合のフォーカスエラー信号、(B)はフィードフォワード出力を示す図である。
【図22】図17に示すフォーカスジャンプ装置におけるアクチュエータの構成を示す図である。
【図23】オフセットを加えたドライブ信号を説明するための図であり、(A)はフォーカスエラー信号、(B)はオフセットを加えたフィードフォワード出力を示す図である。
【図24】本発明の第2の実施形態におけるフォーカスジャンプ装置の構成を示すブロック線図である。
【図25】図24のフォーカスジャンプ装置における目標値となるリファレンス信号と、フォーカスエラー信号との偏差を示す図である。
【符号の説明】
1…アクチュエータ
2…フィードフォワード補償器
3…リファレンス位置発生器
4…位置検出器
5…線形化変換器
6…安定化補償器
7…非線形化変換器
10…アクチュエータ
11…ドライバ
13…位相補償部
18…フィードフォワード補償部
19…タイミング発生部
21…CPU
22…フォトディテクタ
23…フォーカスエラー検出部

Claims (16)

  1. 少なくとも2層以上の記録層を有する記録媒体の情報を再生する情報再生装置、あるいは該再生と共に該記録媒体に情報を記録する情報記録再生装置にて、前記記録媒体上の所定の記録層に照射される光ビームを、目標の記録層に照射させるように、前記目標の記録層に対応した焦点位置まで前記記録媒体に対して垂直方向に前記光ビームの焦点位置を移動させるフォーカスジャンプ装置であって、
    前記光ビームの焦点位置を移動させる焦点位置移動手段と、
    前記記録層に対する前記光ビームの焦点位置の変化に基づく前記記録媒体からの戻り光の変化によりフォーカスエラー信号を検出するフォーカスエラー信号検出手段と、
    前記光ビームの焦点位置を加速状態で移動させるように前記焦点位置移動手段に対して駆動信号を与える加速制御と、前記光ビームの焦点位置を減速状態で移動させるように前記焦点位置移動手段に対して駆動信号を与える減速制御とを行うフィードフォワード制御手段と、
    前記フォーカスエラー信号検出手段により検出された前記フォーカスエラー信号の値が増加方向に変化する領域と、減少方向に変化する領域との少なくとも何れの領域に属するかを判別する領域判別手段と、
    前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを備え、前記領域判別手段による判別結果に基づいて何れかの前記変換テーブルを選択し、当該選択された変換テーブルを参照して前記フォーカスエラー信号を線形化変換する線形化変換手段と、
    前記加速制御により開始される前記光ビームの焦点位置の前記目標の記録層への移動時に前記線形化変換手段の出力値と、所定の目標値とを比較し、その誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号をフィードバックして光ビームの焦点の位置制御を行う位置制御手段とを備え
    前記位置制御手段は、フォーカスエラー信号または前記光ビームの前記記録媒体からの戻り光の量が所定のしきい値よりも小さい値で略一定に維持される期間を有する場合には、当該期間を除く他の期間においてフィードバック制御を行うことを特徴とするフォーカスジャンプ装置。
  2. 前記フィードフォワード制御手段は、前記加速制御と減速制御との間に、所定期間の一定速度制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のフォーカスジャンプ装置。
  3. 前記一定速度制御の期間は、前記加速制御の期間及び減速制御の期間よりも長くなるように設定されることを特徴とする請求項2に記載のフォーカスジャンプ装置。
  4. 前記フィードフォワード制御手段は、前記焦点位置移動手段に対して加速パルスを印加する加速制御を行った後に、前記焦点位置移動手段に対して所定期間パルスを印加しない一定速度制御を行い、該一定速度制御の終了後に前記焦点位置移動手段に対して減速パルスを印加する減速制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置。
  5. 前記フィードフォワード制御手段は、前記焦点位置移動手段に対して加速パルスを印加する加速制御を行った後に、前記焦点位置移動手段に対して段階的に複数の減速パルスを印加する減速制御を行い、前記加速パルスと前記減速パルスの間、及び各減速パルス間に前記焦点位置移動手段に対してパルスを印加しない一定速度制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置。
  6. 前記フィードフォワード制御手段は、前記焦点位置移動手段に対して段階的に複数の加速パルスを印加する加速制御を行った後に、前記焦点位置移動手段に対して減速パルスを印加する減速制御を行い、前記加速パルス間、及び前記加速パルスと前記減速パルスの間に前記焦点位置移動手段に対してパルスを印加しない一定速度制御を行うことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置。
  7. 前記フィードフォワード制御手段は、前記加速制御及び減速制御に用いる加速パルスと減速パルスの印加パターンを複数備え、ジャンプする距離に応じて前記印加パターンを選択することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置。
  8. 前記フィードフォワード制御手段は、前記光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化を表すプロフィールを設定するプロフィール設定手段と、前記焦点位置移動手段の伝達特性の逆特性を有するフィードフォワード補償器とを備え、前記プロフィール設定手段は、前記焦点位置の移動の開始時点からの加速状態による前記焦点位置の変化と、当該移動の終了に至る減速状態による前記焦点位置の変化との間に、少なくとも一度一定速度状態での前記焦点位置の変化を含むプロフィールを設定し、前記フィードフォワード補償器は、当該プロフィールを補償するフィードフォワード信号を前記焦点位置移動手段に印加することを特徴とする請求項1乃至請求項7の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置。
  9. 前記所定の目標値として、前記光ビームの焦点位置の時間経過に伴う変化を表すリファレンス位置の設定を行うリファレンス位置設定手段を更に備え、前記位置制御手段は、前記線形化変換手段の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、その誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号を制御することを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置。
  10. 前記位置制御手段は、前記プロフィール設定手段により設定されるプロフィールを、前記所定の目標値としてのリファレンス位置として用い、前記線形化変換手段の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、その誤差を低減させるように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号を制御することを特徴とする請求項8に記載のフォーカスジャンプ装置。
  11. フォーカスエラー信号の検出方式を判別する検出方式判別手段を更に備え、前記線形化変換手段は、前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを前記検出方式毎に複数備え、前記検出方式判別手段による判別結果に応じて、前記検出方式に応じた前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを選択し、選択した複数の変換テーブルの中から、前記領域判別手段による判別結果に基づいて変換テーブルを選択し、前記フォーカスエラー信号を線形化変換することを特徴とする請求項9または請求項10に記載のフォーカスジャンプ装置。
  12. 前記領域判別手段は、前記フォーカスエラー信号検出手段によって検出された前記フォーカスエラー信号の値が正の値で増加方向に変化する領域または負の値で減少方向に変化する領域と、減少または増加方向に変化する領域と、負の値で増加する方向に変化する領域または正の値で減少する方向に変化する領域との3領域の何れに属する信号であるかを判別することを特徴とする請求項11に記載のフォーカスジャンプ装置。
  13. 前記領域判別手段は、前記フォーカスエラー信号の正または負のピーク値への到達タイミングを基準にして前記領域を判別することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載のフォーカスジャンプ装置。
  14. 前記領域判別手段は、前記光ビームの前記記録媒体からの戻り光の量に基づいて前記領域を判別することを特徴とする請求項11又は請求項12に記載のフォーカスジャンプ装置。
  15. 前記リファレンス位置は、前記焦点位置の移動の開始時点からの加速状態による前記焦点位置の変化と、前記焦点位置の移動の終了に至る減速状態による前記焦点位置の変化との間に、少なくとも一度一定速度状態での前記焦点位置の変化を含むことを特徴とする請求項9乃至請求項14の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置。
  16. フォーカスジャンプの終了後に前記フォーカスエラー信号をゼロとするように前記焦点位置移動手段に対する駆動信号をフィードバックして前記光ビームの焦点の位置制御を行うフォーカスサーボ制御手段を更に備え、前記位置制御手段と前記フォーカスサーボ制御手段は、それぞれの制御の特性に応じた位相補償器を備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項15の何れか一項に記載のフォーカスジャンプ装置。
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