JP3516598B2 - トラックジャンプ装置 - Google Patents

トラックジャンプ装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ディスク等の記
録媒体を用いた情報再生装置または情報記録装置もしく
は情報記録再生装置に適用され、アクチュエータの対物
レンズを介して記録媒体上の所定の記録トラックに照射
されるレーザビームスポットを、目標の記録トラックに
照射させるように、前記アクチュエータの位置を前記目
標の記録トラックに対応した位置までジャンプさせるト
ラックジャンプ装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、CD(Compact Disk)プレーヤ等
におけるトラックジャンプの制御は、ジャンプ開始命令
と共に一定量の加速パルスをアクチュエータのドライブ
に加え、所望のタイミングで一定量の減速パルスを当該
ドライブに加えるというフィードフォワード方式のオー
プン制御が採用されている。
【0003】しかしながら、近年におけるDVD等の光
ディスクの高密度化に伴い、トラックピッチが狭くなる
と、従来のフィードフォワード方式のオープン制御で
は、次のような問題が発生した。まず、トラッキングサ
ーボの駆動系及び検出系には、不感帯や反応時間の遅れ
が存在するため、減速パルスがドライバに加わっても実
際に駆動されるのが遅れたり、減速及びサーボクローズ
のタイミングの検出にも遅れを生じることがある。この
ような駆動系及び検出系の遅れは、CDの場合のように
充分なジャンプ時間が確保されており、また、サーボク
ローズ後の引き込み時に有効なトラッキングエラー信号
が得られる範囲である所謂キャプチャレンジが広い時に
は、トラッキングサーボの安定にそれ程大きな影響を与
えることはなかった。
【0004】しかし、トラックピッチが狭くなった場合
に、従来のトラックジャンプのように加速パルスと減速
パルスに同量のパルスを用いると、ジャンプ時間が短く
なるため、前記不感帯や時間遅れのジャンプ時間に対す
る割合が大きくなり、トラッキングサーボの安定に大き
な影響を与えることになる。また、トラックピッチが狭
くなると、前記キャプチャレンジも狭くなるため、サー
ボクローズの際に生じるオーバーシュートの周波数が高
くなってサーボ帯域外となり、制動されずにジャンプを
失敗したり、安定するまでに長い時間を要していた。
【0005】また、このようなトラックジャンプの不安
定性を防ぐ方法として、加速パルスと減速パルスに同量
のパルスを用いるのではなく、一定量の加速パルスを加
えた後、ジャンプ開始からトラッキングエラーのゼロク
ロスの間隔を測定し、測定したゼロクロス間隔と適正な
ゼロクロス間隔とのずれに基づいて減速パルスの量を調
整する方法が提案されている。
【0006】しかしながら、ゼロクロスポイントを精度
良く測定するためには、ある程度の測定時間を要する
が、トラックピッチが狭くなった場合でも従来と同量の
加速パルス及び減速パルスを加えた場合には、従来より
もジャンプ時間が短くなり、必要な測定時間が得られな
いことになる。従って、測定したゼロクロスポイントの
精度が悪くなり、このゼロクロスポイントに基づくゼロ
クロス間隔から算出される減速パルスも適正ではなくな
り、却ってトラッキングサーボの安定性を乱すことがあ
った。
【0007】更に、近年においては、DSP(Digital
Signal Processer)等を用いて、デジタルで処理を行う
サーボシステムが開発されている。このシステムにおい
ては、トラックジャンプを行う際、トラッキングエラー
信号をサンプリングし、そのサンプリング値に基づいて
減速パルスの出力タイミング及びトラッキングサーボの
クローズタイミングが決定されるため、最大で1サンプ
リングのタイミングの遅れが発生する。
【0008】従って、トラックピッチが狭くなると、ジ
ャンプ時間が短くなるため、この1サンプリングのタイ
ミングの遅れの影響が大きくなり、ジャンプを不安定に
するばかりでなく、ジャンプ動作が正常に機能せずジャ
ンプの失敗を招くことがあった。
【0009】一方、以上に説明したようなジャンプ時間
の短縮に基づく問題の発生を防ぐために、加減速量を減
少させる方法も考えられる。しかしながら、一般に加速
パルス及び減速パルスの量を小さくしていくと、相対的
に外乱の影響が大きくなる。外乱とは、偏心やスライダ
状態の変化、ショック等によるものであり、想定される
外乱の大きさはある程度決まっている。また、上述した
ようにトラックジャンプ方式はオープン制御により行わ
れるため、基本的に外乱に対して弱い方式である。従っ
て、従来のトラックジャンプ方式において加減速量を減
少させても、外乱の影響を強く受け、トラックジャンプ
を安定させることはできない。
【0010】そこで、ある程度のジャンプ時間を確保し
つつ、安定したジャンプを行うために、フィードフォワ
ード制御によるトラックジャンプ中においても、フィー
ドバック制御を行う方法が提案された(特開平9−16
7357号公報)。この方法によれば、ディスク偏心等
の外乱が加わった場合でも、トラックジャンプ終了後に
安定なトラッキングサーボの引き込みが可能となる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報に掲載された方法によれば、フィードバック制御の為
の目標値として、ジャンプ時のビーム位置の軌跡を与え
る必要があるが、加速パルスの終了直後に減速パルスを
加えるというフィードフォワード制御を行っているた
め、前記ビーム位置の軌跡が二次曲線を組み合わせたよ
うな形になり、目標値自体が帯域的に高いためにフィー
ドバック制御の効果があまり得られないという問題があ
った。つまり、この方法では、定常偏差が比較的大きい
ため、トラッキングサーボを短時間で安定させることが
困難であった。
【0012】そこで、本発明は、このような問題的に鑑
みてなされたものであり、トラックピッチが狭い場合で
あっても、ある程度のジャンプ時間を確保しつつ、安定
したトラックジャンプを行うことができ、かつ、短時間
でトラッキングサーボを安定させることのできるトラッ
クジャンプ装置を提供することを課題としている。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のトラッ
クジャンプ装置は、前記課題を解決するために、アクチ
ュエータの対物レンズを介して記録媒体上の所定の記録
トラックに照射されるレーザビームスポットを、目標の
記録トラックに照射させるように、前記アクチュエータ
の位置を前記目標の記録トラックに対応した位置までジ
ャンプさせるトラックジャンプ装置であって、前記アク
チュエータを移動させるアクチュエータ駆動手段と、前
記記録トラックと前記レーザビームスポットの相対位置
の変化に基づく前記記録媒体からの戻り光の変化により
トラッキングエラー信号を検出するトラッキングエラー
信号検出手段と、前記アクチュエータの時間経過に伴う
位置変化を表すプロフィールを設定するプロフィール設
定手段、及び、2階の微分器からなり当該プロフィール
設定手段により設定されたプロフィールを目標値とする
フィードフォワード補償器を備え、前記アクチュエータ
駆動手段に対して加速パルス及び減速パルスを印加する
フィードフォワード制御手段と、前記加速パルスの印加
により開始される前記目標の記録トラックへのジャンプ
時に前記トラッキングエラー信号検出手段によって検出
される前記トラッキングエラー信号と、前記目標値とを
比較し、その誤差を低減させるように前記アクチュエー
タ駆動手段に対する駆動信号をフィードバックしてアク
チュエータの位置制御を行う位置制御手段とを備え、
記プロフィール設定手段は、前記アクチュエータの加速
期間、一定速度期間、減速期間のそれぞれの期間におけ
る位置変化を含むプロフィールを設定し、前記フィード
フォワード補償器は、前記プロフィールを目標値として
2階微分することにより、前記加速パルスと減速パルス
を印加することを特徴とする
【0014】請求項1に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、目標のトラックへのジャンプ開始の指示が外部
の制御手段等から出力されると、フィードフォワード制
御手段によりアクチュエータ駆動手段に対して加速パル
スが印加される。これによりアクチュエータは徐々に移
動を開始し、アクチュエータの対物レンズを介して記録
トラックに照射されるレーザビームスポットと、当該記
録トラックとの相対位置が変化する。また、この変化に
基づいて、記録媒体からの戻り光が変化し、この戻り光
の変化はトラッキングエラー信号検出手段によりトラッ
キングエラー信号として検出される。位置制御手段は、
このようにして検出されるトラックキングエラー信号
と、所定の目標値とを比較し、その誤差を低減させるよ
うにアクチュエータ駆動手段に対する駆動信号をフィー
ドバックしてアクチュエータの位置制御を行う。一方、
フィードフォワード制御手段は、前記加速パルスの印加
後においては、次の加速パルスまたは減速パルスを印加
するまでの間に、一定速度期間を設ける。従って、この
一定速度期間において前記位置制御手段によるフィード
バック制御が行われると、当該フィードバック制御にお
ける見掛け上の周波数帯域が低下し、安定したサーボル
ープが形成される。その結果、アクチュエータの位置を
前記所定の目標値に精度良く追従させることができる。
そして、前記一定速度期間の終了後、前記フィードフォ
ワード制御手段により最後の減速パルスが出力されるこ
とにより、アクチュエータは精度良く目標位置に到達す
る。このように、本発明によれば、ある程度のジャンプ
時間を確保しながら、外乱に強い安定したジャンプを行
うので、挟トラックピッチのディスクにおいても精度の
高いジャンプを行い、ジャンプ終了後のトラッキングサ
ーボにおける収束を速める。より詳しくは、プロフィー
ル設定手段により、アクチュエータの時間経過に伴う位
置変化を表すプロフィールであって、前記アクチュエー
タの加速期間、一定速度期間、減速期間のそれぞれの期
間における位置変化を含むプロフィールが設定され、こ
のプロフィールは2階の微分器からなるフィードフォワ
ード補償器に目標値として入力される。そして、このプ
ロフィールがフィードフォワード補償器により2階微分
されると、加速パルスと減速パルスの間に一定速度期間
が設けられたフィードフォワード出力が得られ、このフ
ィードフォワード出力がアクチュエータ駆動手段に印加
される。従って、フィードフォワード制御と共に前記フ
ィードバック制御が有効に機能し、精度の良いジャンプ
が行われる。また、プロフィールの波形を変化させるこ
とは容易なので、プロフィールを変化させてアクチュエ
ータの位置変化の態様を容易に自在に制御できる。ま
た、請求項2に記載のトラックジャンプ装置によれば、
マルチトラックジャンプを行う際には、前記プロフィー
ル設定手段は、各トラック毎に前記プロフィールを設定
し、前記フィードフォワード補償器は、各トラック毎に
当該プロフィールを目標値とする。
【0015】請求項に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1または2に記
載のトラックジャンプ装置において、一定速度間は、加
速期間及び減速期間よりも長くなるように設定されるこ
とを特徴とする。
【0016】請求項に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、前記一定速度期間は、加速期間及び減速期間よ
りも長くなるように設定されているので、前記アクチュ
エータの位置についてのフィードバック制御が有効に機
能し、精度の良いジャンプが行われる。
【0017】請求項に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1ないし請求項
3のいずれか1に記載のトラックジャンプ装置におい
て、前記フィードフォワード制御手段は、前記加速パル
スを印加した後に、前記一定速度期間を設け、前記一定
速度期間の終了後に減速パルスを印加することを特徴と
する。
【0018】請求項に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、前記フィードフォワード制御手段は、ジャンプ
の開始と共に加速パルスを印加し、加速パルスの印加終
了後に、前記一定速度期間を設ける。そして、前記一定
速度期間の終了後に減速パルスを印加して、ジャンプを
終了させる。このように、最初の加速パルスと最後の減
速パルスの間に十分な一定速度期間が設けられるので、
挟トラックピッチのディスクにおける隣接した記録トラ
ック間のジャンプにおいても、前記フィードバックが有
効に機能し、精度の良いジャンプが行われる。
【0019】請求項に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1ないし請求項
3のいずれか1に記載のトラックジャンプ装置におい
て、前記フィードフォワード制御手段は、前記加速パル
スを印加した後に、段階的に複数の減速パルスを印加
し、前記加速パルスと前記減速パルスの間、及び各減速
パルス間に前記一定速度期間を設けることを特徴とす
る。
【0020】請求項に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、前記フィードフォワード制御手段は、ジャンプ
の開始と共に前記加速パルスを印加し、加速パルスの印
加終了後に一定速度期間を設ける。一定速度期間の終了
後には減速パルスを印加し、減速パルスの印加終了後に
は再び一定速度期間を設ける。このようにして、加速パ
ルスの印加後に、段階的に複数の減速パルスを印加し、
前記加速パルスと前記減速パルスの間、及び各減速パル
ス間に前記一定速度期間を設ける。従って、アクチュエ
ータは最初に目標トラックに近い位置まで移動し、徐々
に速度を緩めながら精度良く目標トラックに到達する。
その結果、ジャンプ終了後のトラッキングサーボの引き
込みが速められる。
【0021】請求項に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1ないし請求項
3のいずれか1に記載のトラックジャンプ装置におい
て、前記フィードフォワード制御手段は、段階的に複数
の加速パルスを印加した後に、減速パルスを印加し、前
記加速パルス間、及び前記加速パルスと前記減速パルス
の間に前記一定速度期間を設けることを特徴とする。
【0022】請求項に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、前記フィードフォワード制御手段は、ジャンプ
の開始と共に加速パルスを印加し、加速パルスの印加終
了後に一定速度期間を設ける。そして、この一定速度期
間の終了後に再び加速パルスを印加する。このように、
段階的に複数の加速パルスを印加した後に、減速パルス
を印加し、前記加速パルス間、及び前記加速パルスと前
記減速パルスの間に前記一定速度期間を設ける。従っ
て、アクチュエータは徐々に移動を開始するので、記録
媒体の偏心の影響が確実に取り除かれ、精度の良いジャ
ンプが行われる。
【0023】請求項に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1ないし請求項
3のいずれか1に記載のトラックジャンプ装置におい
て、前記フィードフォワード制御手段は、前記加速パル
スと減速パルスの印加パターンを複数備え、ジャンプす
る距離に応じて前記印加パターンを選択することを特徴
とする。
【0024】請求項に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、ジャンプする距離が短く、例えば隣接するトラ
ックへのジャンプの場合には、請求項に記載したよう
に加速パルスと減速パルスの間に一定速度期間が設けら
れた印加パターンによりフィードフォワード制御を行
う。また、ジャンプする距離が長い場合には、例えば請
求項に記載したように、最初に大き目の加速パルスを
印加してある程度の位置まで近づき、その後一定速度期
間を設けながら徐々に減速して目標位置に到達する。こ
のように、ジャンプする距離に応じてパルスの印加パタ
ーンが選択されるので、ジャンプする距離によることな
く常に精度の良いジャンプが行われる。
【0025】
【0026】
【0027】請求項8に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項7
の何れか一項に記載のトラックジャンプ装置において、
前記トラッキングエラー信号を線形化変換する線形化変
換手段と、前記所定の目標値として、前記アクチュエー
タの時間経過に伴う位置変化を表すリファレンス位置の
設定を行うリファレンス位置設定手段とを更に備え、前
記フィードバック制御手段は、前記線形化変換手段の出
力値と前記リファレンス位置とを比較し、その誤差を低
減させるように前記アクチュエータ駆動手段に対する駆
動信号を制御することを特徴とする。
【0028】請求項8に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、アクチュエータの時間経過に伴う位置変化に基
づいて、非線形なトラッキングエラー信号が得られる
が、このトラッキングエラー信号は、線形化変換手段に
より線形化変換される。また、リファレンス位置設定手
段は、アクチュエータの位置制御の所定の目標値とし
て、アクチュエータの時間経過に伴う位置変化を表すリ
ファレンス位置を設定する。そして、フィードバック制
御手段は、前記線形化変換手段の出力値と前記リファレ
ンス位置とを比較し、その誤差を低減させるように前記
アクチュエータ駆動手段に対する駆動信号を制御する。
このように、非線形なトラッキングエラー信号を線形化
処理することよって、フィードバック制御を行うので、
フィードバック制御における見掛け上の周波数帯域は低
下し、アクチュエータを精度良くリファレンス位置に追
従させるように移動させる。その結果、アクチュエータ
は精度良く目標位置に到達し、ジャンプ終了後のトラッ
キングサーボの引き込みを速める。
【0029】請求項9に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項7に記載のトラ
ックジャンプ装置において、前記トラッキングエラー信
号を線形化変換する線形化変換手段を更に備え、前記フ
ィードバック制御手段は、前記プロフィール設定手段に
より設定されるプロフィールを、前記所定の目標値とし
てのリファレンス位置として用い、前記線形化変換手段
の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、その誤差
を低減させるように前記アクチュエータ駆動手段に対す
る駆動信号を制御することを特徴とする。
【0030】請求項9に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、アクチュエータの時間経過に伴う位置変化に基
づいて、非線形なトラッキングエラー信号が得られる
が、このトラッキングエラー信号は、線形化変換手段に
より線形化変換される。また、前記プロフィール設定手
段により設定されたプロフィールは、前記フィードフォ
ワード制御手段だけでなく、フィードバック制御手段に
も供給される。そして、フィードバック制御手段は、前
記線形化変換手段の出力値とリファレンス位置としての
前記プロフィールを比較し、その誤差を低減させるよう
に前記アクチュエータ駆動手段に対する駆動信号を制御
する。ここにおいて、前記プロフィールは、アクチュエ
ータの時間経過に伴う位置変化を表すプロフィールであ
って、ジャンプの開始時点からの加速状態による位置変
化と、ジャンプの終了に至る減速状態による位置変化と
の間に、少なくとも一度一定速度状態での位置変化を含
むプロフィールである。従って、線形化変換されたトラ
ッキングエラー信号と、一定速度期間に基づく位置変化
を含むプロフィールとの比較に基づいてフィードバック
制御が行われるので、フィードバック制御における見掛
け上の周波数帯域は低下し、アクチュエータを精度良く
リファレンス位置に追従させるように移動させる。その
結果、アクチュエータは精度良く目標位置に到達し、ジ
ャンプ終了後のトラッキングサーボの引き込みを速め
る。また、リファレンス位置設定手段とプロフィール設
定手段との共通化により構成の簡略化を図る。
【0031】請求項10に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項8または請求項
9に記載のトラックジャンプ装置において、前記トラッ
キングエラー信号検出手段によって検出される前記トラ
ッキングエラー信号が、信号の値が増加方向に変化する
領域と、減少方向に変化する領域との少なくとも何れの
領域に属する信号であるかを判別する領域判別手段を更
に備え、前記線形化変換手段は、前記領域毎に異なる複
数の変換テーブルを備え、前記領域判別手段による判別
結果に基づいて前記変換テーブルを選択し、前記トラッ
キングエラー信号を線形化変換することを特徴とする。
【0032】請求項10に記載のトラックジャンプ装置
によれば、領域判別手段により、前記トラッキングエラ
ー信号検出手段によって検出される前記トラッキングエ
ラー信号が、信号の値が増加方向に変化する領域に属す
ると判別された場合には、増加の程度に応じてゲインを
調節した変換テーブルが選択され、トラッキングエラー
信号が線形化変換される。また、前記トラッキングエラ
ー信号が、信号の値が減少方向に変化する領域に属する
と判別された場合には、極性を反転させると共に、減少
の程度に応じてゲインを調節した変換テーブルが選択さ
れ、トラッキングエラー信号が線形化変換される。この
ように、線形化変換手段は、領域毎に異なる複数の変換
テーブルを備え、前記領域判別手段による判別結果に基
づいて前記変換テーブルを選択し、前記トラッキングエ
ラー信号を線形化変換するので、非線形なトラッキング
エラー信号が適切に線形化変換される。
【0033】請求項11に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項8または請求項
9に記載のトラックジャンプ装置において、トラッキン
グエラー信号の検出方式を判別する検出方式判別手段を
更に備え、前記線形化変換手段は、前記領域毎に異なる
複数の変換テーブルを前記検出方式毎に複数備え、前記
検出方式判別手段による判別結果に応じて、前記検出方
式に応じた前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを選
択し、選択した複数の変換テーブルの中から、前記領域
判別手段による判別結果に基づいて変換テーブルを選択
し、前記トラッキングエラー信号を線形化変換すること
を特徴とする。
【0034】請求項11に記載のトラックジャンプ装置
によれば、複数種類の記録媒体が用いられる場合には、
記録媒体によってトラッキングエラー信号の検出方式が
異なることがあるが、このトラッキングエラー信号の検
出方式は、検出方式判別手段により判別される。そし
て、線形化変換手段は、検出方式判別手段による判別結
果に応じて、検出方式に応じた領域毎に異なる複数の変
換テーブルを選択し、選択した複数の変換テーブルの中
から、領域判別手段による判別結果に基づいて変換テー
ブルを選択し、前記トラッキングエラー信号を線形化変
換する。その結果、異なる波形のトラッキングエラー信
号が得られる場合でも、適切に線形化変換が行われ、フ
ィードフォワード制御と共に適切なフィードバックが行
われて、精度の良いジャンプが行われる。
【0035】請求項12に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項10または請求
項11に記載のトラックジャンプ装置において、前記領
域判別手段は、前記トラッキングエラー信号検出手段に
よって検出される前記トラッキングエラー信号が、信号
の値が正の値で増加方向に変化する領域と、減少方向に
変化する領域と、負の値で増加する方向に変化する領域
との3領域の何れに属する信号であるかを判別すること
を特徴とする。
【0036】請求項12に記載のトラックジャンプ装置
によれば、領域判別手段により、トラッキングエラー信
号検出手段によって検出されるトラッキングエラー信号
が、信号の値が正の値で増加方向に変化する領域に属す
ると判別された場合には、線形化変換手段は、トラッキ
ングエラー信号の極性そのままとし、信号の値に応じて
ゲインが調節された変換テーブルを用いて線形化変換を
行う。また、前記トラッキングエラー信号が、前記領域
判別手段により、信号の値が減少方向に変化する領域に
属すると判別された場合には、線形化変換手段は、減少
分に対応する増加分を得るようにトラッキングエラー信
号の極性を反転させ、信号の値に応じてゲインが調節さ
れた変換テーブルを用いて線形化変換を行う。更に、前
記領域判別手段により、信号の値が負の値で増加する方
向に変化する領域に属すると判別された場合には、線形
化変換手段は、トラッキングエラー信号の極性を反転さ
せ、信号の値に応じてゲインが調節された変換テーブル
を用いて線形化変換を行う。このように、非線形なトラ
ッキングエラー信号の波形の特性に合致した3つの領域
毎の判別に基づくと共に、それぞれの領域のトラッキン
グエラー信号に応じた変換テーブルを用いて線形化変換
が行われるので、非線形なトラッキングエラー信号が適
切に線形化変換される。その結果、フィードフォワード
制御と共に適切なフィードバックが行われて、精度の良
いジャンプが行われる。
【0037】請求項13に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項10乃至請求項
12の何れか一項に記載のトラックジャンプ装置におい
て、前記領域判別手段は、前記トラッキングエラー信号
のピーク値への到達タイミングを基準として前記領域を
判別することを特徴とする。
【0038】請求項13に記載のトラックジャンプ装置
によれば、領域判別手段により、トラッキングエラー信
号がピーク値への到達前であると判定された場合には、
ジャンプ開始当初と同じ領域に属する信号であると判別
され、トラッキングエラー信号がピーク値への到達後で
あると判別された場合には、領域がジャンプ開始当初か
ら切り替わったと判別される。このように、トラッキン
グエラー信号のピーク値への到達タイミングを基準とし
て前記領域が判別されるので、精度良く領域の判別が行
われる。その結果、適切な変換テーブルにより線形化変
換が行われることになる。
【0039】請求項14に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項10乃至請求項
12の何れか一項に記載のトラックジャンプ装置におい
て、前記領域判別手段は、前記レーザビームスポットの
前記記録媒体からの戻り光の総量に基づいて前記領域を
判別することを特徴とする。
【0040】請求項14に記載のトラックジャンプ装置
によれば、領域判別手段により、レーザビームスポット
の記録媒体からの戻り光の総量が、所定のしきい値を超
える場合には、ジャンプ開始当初と同じ領域に属する信
号であると判別される。また、前記戻り光の総量が、所
定のしきい値以下である場合には、領域がジャンプ開始
当初から切り替わったと判別される。このように、レー
ザビームスポットの記録媒体からの戻り光の総量に基づ
いて前記領域が判別されるので、精度良く領域の判別が
行われる。その結果、適切な変換テーブルにより線形化
変換が行われることになる。
【0041】請求項15に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項8乃至請求項1
4の何れか一項に記載のトラックジャンプ装置におい
て、アクチュエータの対物レンズを介して記録媒体上の
所定の記録トラックに照射されるレーザビームスポット
を、当該所定の記録トラックに隣接する目標の記録トラ
ックに照射させるように、前記アクチュエータの位置を
前記目標の記録トラックに対応した位置にジャンプさせ
る場合には、前記リファレンス位置は、ジャンプの開始
時点からの加速状態による位置変化と、ジャンプの終了
に至る減速状態による位置変化との間に、少なくとも一
度一定速度状態での位置変化を含むことを特徴とする。
【0042】請求項15に記載のトラックジャンプ装置
によれば、レーザビームスポットを現在の記録トラック
に隣接する目標の記録トラックに照射させるように、ア
クチュエータの位置を前記目標の記録トラックに対応し
た位置にジャンプさせる場合には、前記リファレンス位
置として、ジャンプの開始時点からの加速状態による位
置変化と、ジャンプの終了に至る減速状態による位置変
化との間に、少なくとも一度一定速度状態での位置変化
を含むリファレンス位置が用いられる。その結果、隣接
する二つの記録トラック間のピッチが極めて挟い場合で
も、アクチュエータが前記一定速度状態での位置変化を
含むリファレンス位置に追従するようにフィードバック
制御されるので、フィードバック制御における周波数帯
域は低下し、安定したフィードバックループにより精度
の良いジャンプが行われる。
【0043】請求項16に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項8乃至請求項1
5の何れか一項に記載のトラックジャンプ装置におい
て、アクチュエータの対物レンズを介して記録媒体上の
所定の記録トラックに照射されるレーザビームスポット
を、複数の記録トラックを隔てた目標の記録トラックに
照射させるように、前記アクチュエータの位置を前記目
標の記録トラックに対応した位置にジャンプさせる場合
には、前記リファレンス位置は、ジャンプの開始時点か
らの加速状態による位置変化と、ジャンプの終了に至る
減速状態による位置変化との間に、少なくとも一度一定
速度状態での位置変化を含み、前記リファレンス位置と
前記トラッキングエラー信号の線形化変換後の信号は、
前記レーザビームスポットが記録トラックを横切る際の
オントラックのタイミングでジャンプ開始時の初期値に
リセットされることを特徴とする。
【0044】請求項16に記載のトラックジャンプ装置
によれば、レーザビームスポットを、複数の記録トラッ
クを隔てた目標の記録トラックに照射させるように、ア
クチュエータの位置を前記目標の記録トラックに対応し
た位置にジャンプさせる場合には、トラッキングエラー
信号は記録トラックを横切る毎に、それぞれの記録トラ
ックのオントラック位置にゼロクロスを有する波形とし
て検出される。そこで、トラッキングエラー信号の線形
化変換後の信号は、レーザビームスポットが記録トラッ
クを横切る際のオントラックのタイミングでジャンプ開
始時の初期値にリセットする。また、リファレンス位置
についても、ジャンプの開始時点からの加速状態による
位置変化と、ジャンプの終了に至る減速状態による位置
変化との間に、少なくとも一度一定速度状態での位置変
化を含むリファレンス位置であって、レーザビームスポ
ットが記録トラックを横切る際のオントラックのタイミ
ングでジャンプ開始時の初期値にリセットされるリファ
レンス位置を用いる。従って、ジャンプするトラック数
が複数の場合であっても、前記線形化変換後の信号とリ
ファレンス位置により、シングルトラックジャンプの場
合と同様なフィードバック制御が繰り返されることにな
り、精度の高いジャンプが行われる。
【0045】請求項17に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項15または請求
項16に記載のトラックジャンプ装置において、前記リ
ファレンス位置と前記トラッキングエラー信号の線形化
変換後の信号がリセットされるタイミングは、1つの記
録トラックを横切る際のオントラックのタイミングであ
ることを特徴とする。
【0046】請求項17に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記リファレンス位置と前記トラッキングエ
ラー信号の線形化変換後の信号は、1つの記録トラック
を横切る際のオントラックのタイミング毎にリセットさ
れるので、シングルジャンプ時のフィードバック制御が
繰り返されることになり、精度の高いジャンプが行われ
る。
【0047】請求項18に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項16に記載のト
ラックジャンプ装置において、前記リファレンス位置と
前記トラッキングエラー信号の線形化変換後の信号がリ
セットされるタイミングは、複数の記録トラックを横切
る際のオントラックのタイミングであることを特徴とす
る。
【0048】請求項18に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記リファレンス位置と前記トラッキングエ
ラー信号の線形化変換後の信号は、複数の記録トラック
を横切る際のオントラックのタイミングでリセットされ
る。従って、精度の高いジャンプが行われると共にジャ
ンプに要する時間が短縮される。
【0049】請求項19に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項8乃至請求項1
5に記載のトラックジャンプ装置において、アクチュエ
ータの対物レンズを介して記録媒体上の所定の記録トラ
ックに照射されるレーザビームスポットを、複数の記録
トラックを隔てた目標の記録トラックに照射させるよう
に、前記アクチュエータの位置を前記目標の記録トラッ
クに対応した位置にジャンプさせる場合には、前記リフ
ァレンス位置は、ジャンプの開始時点からの加速状態に
よる位置変化と、ジャンプの終了に至る減速状態による
位置変化との間に、少なくとも一度一定速度状態での位
置変化を含み、前記リファレンス位置と前記トラッキン
グエラー信号の線形化変換後の信号は、前記レーザビー
ムスポットが記録トラックを横切る際の記録トラック間
の中間位置のタイミングでジャンプ開始時の初期値にリ
セットされることを特徴とする。
【0050】請求項19に記載のトラックジャンプ装置
によれば、レーザビームスポットを、複数の記録トラッ
クを隔てた目標の記録トラックに照射させるように、ア
クチュエータの位置を前記目標の記録トラックに対応し
た位置にジャンプさせる場合には、前記リファレンス位
置として、ジャンプの開始時点からの加速状態による位
置変化と、ジャンプの終了に至る減速状態による位置変
化との間に、少なくとも一度一定速度状態での位置変化
を含むリファレンス位置を用い、リファレンス位置とト
ラッキングエラー信号の線形化変換後の信号を、レーザ
ビームスポットが記録トラックを横切る際の記録トラッ
ク間の中間位置のタイミングでジャンプ開始時の初期値
にリセットする。従って、より一層細かな分解能でフィ
ードバック制御が行われ、より一層精度の高いジャンプ
が行われる。
【0051】請求項20に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項1
9の何れか一項に記載のトラックジャンプ装置におい
て、前記トラッキングエラー信号のゼロクロス周波数
と、所定の目標周波数とを比較し、その誤差を低減させ
るように前記アクチュエータ駆動手段に対する駆動信号
をフィードバックしてアクチュエータの速度制御を行う
速度制御手段を更に備え、アクチュエータの対物レンズ
を介して記録媒体上の所定の記録トラックに照射される
レーザビームスポットを、複数の記録トラックを隔てた
目標の記録トラックに照射させるように、前記アクチュ
エータの位置を前記目標の記録トラックに対応した位置
にジャンプさせる場合には、前記位置制御手段による制
御と前記速度制御手段による制御を併用することを特徴
とする。
【0052】請求項20に記載のトラックジャンプ装置
によれば、レーザビームスポットを、複数の記録トラッ
クを隔てた目標の記録トラックに照射させるように、ア
クチュエータの位置を前記目標の記録トラックに対応し
た位置にジャンプさせる場合には、ある程度の位置まで
は、速度制御手段により、トラッキングエラー信号のゼ
ロクロス周波数と、所定の目標周波数とが比較され、そ
の誤差を低減させるようにアクチュエータ駆動手段に対
する駆動信号をフィードバックしてアクチュエータの速
度制御が行われる。従って、ジャンプに要する時間が短
縮される。そして、ある程度位置に達した後は、上述し
た位置制御手段によるトラッキングエラー信号と所定の
目標値の誤差を低減させるフィードバック制御が行われ
るので、精度の高いジャンプが行われる。このよう、本
発明によれば、ジャンプ時間の短縮とジャンプの高精度
化とが両立されることになる。
【0053】請求項21に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項20に記載のト
ラックジャンプ装置において、ジャンプさせる記録トラ
ック数が所定数以下の場合には前記位置制御手段により
制御を行い、前記記録トラック数が所定数を超える場合
には前記速度制御手段による制御を行った後に前記位置
制御手段による制御を行うことを特徴とする。
【0054】請求項21に記載のトラックジャンプ装置
によれば、ジャンプさせる記録トラック数が所定数以下
の場合には、位置制御手段により、トラッキングエラー
信号と所定の目標値の誤差を低減させるフィードバック
制御が行われる。従って、精度の高いジャンプが行われ
る。また、ジャンプさせる記録トラック数が所定数を超
える場合には、ある程度の位置までは、速度制御手段に
より、前記トラッキングエラー信号のゼロクロス周波数
と、所定の目標周波数とを比較し、その誤差を低減させ
るように前記アクチュエータ駆動手段に対する駆動信号
をフィードバックしてアクチュエータの速度制御が行わ
れる。そして、ある程度の位置に達した後は上述したよ
うな位置制御手段によるフィードバック制御が行われ
る。従って、ジャンプ時間の短縮化とジャンプの高精度
化が両立される。以上のように、ジャンプ距離に応じた
適切なジャンプ制御が行わる。
【0055】請求項22に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項20または請求
項21に記載のトラックジャンプ装置において、前記速
度制御手段による制御時におけるアクチュエータの移動
速度は、前記位置制御手段による制御時におけるアクチ
ュエータの移動速度よりも速くなるように設定されてい
ることを特徴とする。
【0056】請求項22に記載のトラックジャンプ装置
によれば、速度制御手段によりアクチュエータの移動速
度が制御されるが、この制御時におけるアクチュエータ
の移動速度は、前記位置制御手段による制御時における
アクチュエータの移動速度よりも速くなるように設定さ
れている。従って、確実にジャンプ時間の短縮化が図ら
れる。
【0057】請求項23に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項20乃至請求項
22の何れか一項に記載のトラックジャンプ装置におい
て、前記速度制御手段による制御は、前記一定速度期間
において行い、前記減速パルスが印加される期間あるい
は減速終了後オントラックになるまでの期間で前記位置
制御手段による制御を行うことを特徴とする。
【0058】請求項23に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項20乃至請求項
22の何れか一項に記載のトラックジャンプ装置におい
て、前記速度制御手段による制御は、前記一定速度期間
において行い、前記減速パルスが印加される期間あるい
は減速終了後オントラックになるまでの期間で前記位置
制御手段による制御を行うことを特徴とする。
【0059】請求項23に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記速度制御手段による制御は、前記一定速
度期間において行われるので、周期の揃ったトラッキン
グエラー信号により、安定したフィードバック制御が行
われる。一方、前記減速パルスが印加される期間あるい
は減速終了後オントラックになるまでの期間において
は、前記位置制御手段によるトラッキングエラー信号と
所定の目標値の誤差を低減させるフィードバック制御が
行われる。従って、ある程度の位置まではできるだけジ
ャンプ時間の短縮が図られ、目標位置に近づいた段階で
より精度の高いジャンプが行われることになる。
【0060】請求項24に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項20乃至請求項
23の何れか一項に記載のトラックジャンプ装置におい
て、トラックジャンプの終了後に前記トラッキングエラ
ー信号をゼロとするように前記アクチュエータ駆動手段
に対する駆動信号をフィードバックしてアクチュエータ
の位置制御を行うトラッキングサーボ制御手段を更に備
え、前記位置制御手段及び速度制御手段並びにトラッキ
ングサーボ制御手段は、それぞれの制御の特性に応じた
位相補償器を備えていることを特徴とする。
【0061】請求項24に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記位置制御手段及び速度制御手段によるジ
ャンプ制御が行われた後には、トラッキングサーボ制御
手段により、トラックジャンプの終了後に前記トラッキ
ングエラー信号をゼロとするように前記アクチュエータ
駆動手段に対する駆動信号をフィードバックするアクチ
ュエータの位置制御が行われる。そして、前記位置制御
手段及び速度制御手段並びにトラッキングサーボ制御手
段は、それぞれの制御の特性に応じた位相補償器を備え
ているので、周波数帯域の異なるそれぞれの制御が適切
に行われることになる。
【0062】請求項25に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項24に記載のト
ラックジャンプ装置において、前記速度制御手段による
制御から前記位置制御手段による制御に移行し、更にト
ラッキングサーボ制御手段による制御に移行する際に
は、それぞれの制御における位相補償器の積分項を次の
制御の位相補償器に受け渡すことを特徴とする。
【0063】請求項25に記載のトラックジャンプ装置
によれば、ジャンプ開始当初においては、前記速度制御
手段による速度制御が行われ、その後に前記位置制御手
段による位置制御が行われ、ジャンプ終了後にはトラッ
キングサーボ制御手段によるトラッキングサーボ制御が
行われる。そして、前記速度制御手段から前記位置制御
手段への制御の移行、及び前記位置制御手段から前記ト
ラッキングサーボ制御手段への移行の際には、それぞれ
の制御における位相補償器の積分項が次の制御の位相補
償器に受け渡される。従って、慣性系の影響を受けてジ
ャンプするアクチュエータが、目標位置に到達した際
に、バネ系の影響を受ける場合でも、ジャンプ中におけ
る低域成分の積分項が受け渡されているので、この低域
成分を抑圧するように制御が行われ、レーザビームスポ
ットは目標のトラック位置に迅速に引き込まれる。
【0064】請求項26に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項24に記載のト
ラックジャンプ装置において、前記速度制御手段による
制御から前記位置制御手段による制御に移行し、更にト
ラッキングサーボ制御手段による制御に移行する際に
は、それぞれの制御におけるドライブ量の積分項を次の
制御に受け渡すことを特徴とする。
【0065】請求項26に記載のトラックジャンプ装置
によれば、ジャンプ開始当初においては、前記速度制御
手段による速度制御が行われ、その後に前記位置制御手
段による位置制御が行われ、ジャンプ終了後にはトラッ
キングサーボ制御手段によるトラッキングサーボ制御が
行われる。そして、前記速度制御手段から前記位置制御
手段への制御の移行、及び前記位置制御手段から前記ト
ラッキングサーボ制御手段への移行の際には、それぞれ
の制御におけるドライブ量の積分項が次の制御の位相補
償器に受け渡される。従って、慣性系の影響を受けてジ
ャンプするアクチュエータが、目標位置に到達した際
に、バネ系の影響を受ける場合でも、前記ドライブ量の
積分項が受け渡されているので、このドライブ量に応じ
て前記バネ系の影響を無くすように制御が行われ、レー
ザビームスポットは目標のトラック位置に迅速に引き込
まれる。
【0066】請求項27に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項24に記載のト
ラックジャンプ装置において、前記速度制御手段による
制御から前記位置制御手段による制御に移行し、更にト
ラッキングサーボ制御手段による制御に移行する際に
は、それぞれの制御においてジャンプしたトラック数を
次の制御に受け渡すことを特徴とする。
【0067】請求項27に記載のトラックジャンプ装置
によれば、ジャンプ開始当初においては、前記速度制御
手段による速度制御が行われ、その後に前記位置制御手
段による位置制御が行われ、ジャンプ終了後にはトラッ
キングサーボ制御手段によるトラッキングサーボ制御が
行われる。そして、前記速度制御手段から前記位置制御
手段への制御の移行、及び前記位置制御手段から前記ト
ラッキングサーボ制御手段への移行の際には、それぞれ
の制御においてジャンプしたトラック数が次の制御に受
け渡される。従って、慣性系の影響を受けてジャンプす
るアクチュエータが、目標位置に到達した際に、バネ系
の影響を受ける場合でも、前記トラック数はアクチュエ
ータの変位量を示すため、この変位量を低減するように
制御が行われ、レーザビームスポットは目標のトラック
位置に迅速に引き込まれる。
【0068】請求項28に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項24に記載のト
ラックジャンプ装置において、前記速度制御手段による
制御から前記位置制御手段による制御に移行し、更にト
ラッキングサーボ制御手段による制御に移行する際に
は、前記位置制御手段による制御期間あるいは前記フィ
ードフォワード制御時の減速または加速を行うオープン
制御期間は、前の処理の積分項あるいは積分されたドラ
イブ量をオフセットとしてフィードフォワード加算する
ことを特徴とする。
【0069】請求項28に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記速度制御手段による制御から前記位置制
御手段による制御に移行し、更にトラッキングサーボ制
御手段による制御に移行する際には、前記位置制御手段
による制御期間、あるいは前記フィードフォワード制御
時の減速または加速を行うオープン制御期間は、前の処
理の積分項あるいは積分されたドライブ量をオフセット
としてフィードフォワード加算する。従って、慣性系の
影響を受けてジャンプするアクチュエータが、目標位置
に到達した際に、バネ系の影響を受ける場合でも、前記
ドライブ量がフィードフォワード加算されるので、バネ
系の影響を相殺するように制御が行われ、レーザビーム
スポットは目標のトラック位置に迅速に引き込まれる。
【0070】請求項29に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項2
8の何れか一項に記載のトラックジャンプ装置におい
て、前記記録媒体がランドトラック及びグルーブトラッ
クの双方に記録を行う記録媒体であり、当該記録媒体上
の所定の記録トラックに、アクチュエータの対物レンズ
を介して照射されるレーザビームスポットを、前記ラン
ドトラックに隣接した目標のグルーブトラック、または
グルーブトラックに隣接した目標のランドトラックに照
射させるように、前記アクチュエータの位置を前記目標
のグルーブトラックまたはランドトラックに対応した位
置までジャンプさせる場合には、ランドトラックからラ
ンドトラックへのジャンプ、またはグルーブトラックか
らグルーブトラックへのジャンプの際に検出されるトラ
ッキングエラー信号の半波分のトラッキングエラー信号
を用いてそれぞれの制御を行うことを特徴とする。
【0071】請求項29に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記記録媒体がランドトラック及びグルーブ
トラックの双方に記録を行う記録媒体であって、前記ア
クチュエータの位置を前記目標のグルーブトラックまた
はランドトラックに対応した位置までジャンプさせる場
合には、ランドトラックからランドトラックへのジャン
プ、またはグルーブトラックからグルーブトラックへの
ジャンプの際に検出されるトラッキングエラー信号の半
波分のトラッキングエラー信号を用いてそれぞれの制御
を行う。通常のトラック間隔に対して半分の間隔しかな
いグルーブトラックからランドトラック、またはランド
トラックからグルーブトラックへのジャンプにおいて
も、上述したような加速パルスと減速パルス期間に一定
速度期間を設け、フィードフォワード制御とフィードバ
ック制御が行われるので、精度の高いジャンプが行われ
る。
【0072】請求項30に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項2
9の何れか一項に記載のトラックジャンプ装置におい
て、前記記録媒体が、ランドトラック及びグルーブトラ
ックの双方に記録を行う記録媒体であり、当該記録媒体
上の所定の記録トラックに、アクチュエータの対物レン
ズを介して照射されるレーザビームスポットを、複数の
ランドトラックまたはグルーブトラックを隔てて、ラン
ドトラックから目標のグルーブトラックに、またはグル
ーブトラックから目標のランドトラックに照射させるよ
うに、前記アクチュエータの位置を前記目標のグルーブ
トラックまたはランドトラックに対応した位置にジャン
プさせる場合には、複数のランドトラックまたはグルー
ブトラック間のジャンプ期間は、ランドトラック間また
はグルーブトラック間のジャンプの際に検出される全波
分のトラッキングエラー信号を用い、前記目標のランド
トラックまたはグルーブトラックの一つ手前のグルーブ
トラックまたはランドトラックから、目標のランドトラ
ックまたはグルーブトラックへのジャンプ期間は、前記
トラッキングエラー信号の半波分のトラッキングエラー
信号を用いてそれぞれの制御を行うことを特徴する。
【0073】請求項30に記載のトラックジャンプ装置
によれば、記録媒体がランドトラック及びグルーブトラ
ックの双方に記録を行う記録媒体であって、レーザビー
ムスポットを、複数のランドトラックまたはグルーブト
ラックを隔てて、ランドトラックから目標のグルーブト
ラックに、またはグルーブトラックから目標のランドト
ラックに照射させるように、前記アクチュエータの位置
を前記目標のグルーブトラックまたはランドトラックに
対応した位置にジャンプさせる場合には、複数のランド
トラックまたはグルーブトラック間のジャンプ期間は、
ランドトラック間またはグルーブトラック間のジャンプ
の際に検出される全波分のトラッキングエラー信号を用
いて上述した制御が行われる。従って、このジャンプ期
間においては精度の高いジャンプが行われる。そして、
前記目標のランドトラックまたはグルーブトラックの一
つ手前のグルーブトラックまたはランドトラックから、
目標のランドトラックまたはグルーブトラックへのジャ
ンプ期間は、前記トラッキングエラー信号の半波分のト
ラッキングエラー信号を用いてそれぞれの制御が行われ
る。従って、ジャンプ終了直前においては、ランドトラ
ック間またはグルーブトラック間のトラック間隔に対し
て半分の間隔しかないグルーブトラックからランドトラ
ック、またはランドトラックからグルーブトラックへの
ジャンプが行われるが、上述したような加速パルスと減
速パルス期間に一定速度期間を設け、フィードフォワー
ド制御とフィードバック制御が行われるので、精度の高
いジャンプが行われる。以上のように、複数のトラック
間をジャンプした後に当該トラック間の間隔の半分の間
隔しかないジャンプが行われる場合でも、精度の高いジ
ャンプが行われる。
【0074】請求項31に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項29または請求
項30に記載のトラックジャンプ装置において、前記領
域判別手段は、前記トラッキングエラー信号の微分信号
のゼロクロスを基準に前記領域の判別を行うことを特徴
とする。
【0075】請求項31に記載のトラックジャンプ装置
によれば、領域判別手段により、トラッキングエラー信
号の微分信号のゼロクロスを基準に前記領域の判別が行
われるので、ランドトラック間またはグルーブトラック
間のジャンプ時に得られるトラッキングエラー信号の半
波分のトラッキングエラー信号を用いて制御を行う場合
でも、適切にトラッキングエラー信号の線形化変換が行
われる。
【0076】請求項32に記載のトラックジャンプ装置
は、前記課題を解決するために、請求項1乃至請求項3
1の何れか一項に記載のトラックジャンプ装置におい
て、ゲインコントローラ及びオフセットコントローラを
更に備え、該ゲインコントローラ及びオフセットコント
ローラによりゲイン調整及びオフセット調整されたトラ
ッキングエラー信号を用いて制御を行うことを特徴とす
る。
【0077】請求項32に記載のトラックジャンプ装置
によれば、各種の制御に用いられるトラッキングエラー
信号は、ゲインコントローラ及びオフセットコントロー
ラによりゲイン調整及びオフセット調整されたトラッキ
ングエラー信号であるので、偏心等の影響によりトラッ
キングエラー信号に変動がある場合でも、適切な線形化
変換処理、フィードバック処理等が行われ、精度の高い
ジャンプが行われる。
【0078】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。
【0079】(第1の実施形態)まず、本発明の第1の
実施形態を図1乃至図31に基づいて説明する。
【0080】図1は本実施形態におけるトラックジャン
プ装置の構成を示すブロック線図である。本実施形態の
トラックジャンプ装置は、トラックピッチがCD(Compa
ct Disk)の半分以下の0.74μmであるDVDの再生
装置に用いられる。トラックジャンプの方式には、現在
のトラックに隣接した次のトラックを目標トラックとし
てジャンプを行うシングルトラックジャンプと、現在の
トラックから複数トラック離れた位置のトラックを目標
トラックとしてジャンプを行うマルチトラックジャンプ
があるが、本実施形態では、特にシングルトラックジャ
ンプを行う場合について説明する。
【0081】図1に示すように本実施形態のトラックジ
ャンプ装置は、制御対象としてのアクチュエータ1と、
該アクチュエータ1に操作量としてのフィードフォワー
ド出力を供給するフィードフォワード補償器2と、前記
目標値を供給するリファレンス位置発生器3と、前記ア
クチュエータ1の挙動を示す位置出力を制御量として検
出する位置検出器4と、該位置検出器4から出力される
トラッキングエラー信号を線形化変換し線形化位置出力
としてフィードバックする線形化変換器5と、前記リフ
ァレンス位置発生器3から供給される目標値と前記フィ
ードバックされた線形化位置出力との間に生ずる位置偏
差に基づき、前記アクチュエータ1の挙動を目標値に一
致させるように操作量としてドライブ信号を供給する安
定化補償器6とを備えている。以下、それぞれの構成要
素について詳しく説明する。
【0082】[1]アクチュエータ アクチュエータ1は、前記フィードフォワード補償器2
からのフィードフォワード出力または安定化補償器6か
ら出力されるドライブ信号に基づいて、光ピックアップ
の対物レンズをDVDのラジアル方向に移動させる手段
であり、図2に示すような周波数特性を有している。図
2に示すように、1トラックジャンプの所要時間は1m
sec以下で、周波数に換算すると数kHzであり、ア
クチュエータ1の固有振動周波数を超えたところにあ
る。そして、このトラックジャンプの帯域では、アクチ
ュエータ1は−40dB/decの傾斜を有する周波数
特性を示す。
【0083】[2]フィードフォワード補償器 フィードフォワード補償器2は、前記アクチュエータ1
の挙動を目標値に一致させるように、操作量としてのフ
ィードフォワード出力を供給する手段である。アクチュ
エータ1の位置出力をY(s)、アクチュエータ1の伝
達関数をGu(s)、フィードフォワード補償器2の伝
達関数をGf、目標値をR(s)とすると、 Y(s)=Gu(s)・Gf・R(s) と表すことができる。従って、アクチュエータ1の位置
出力を目標値に一致させるには、 Y(s)/R(s)=1=Gu(s)・Gf を満たす必要があり、結局、フィードフォワード補償器
2の伝達関数Gfは、 Gf=1/Gu(s) となり、アクチュエータ1の伝達関数の逆関数とすれば
良いことがわかる。この伝達関数1/Gu(s)を有す
るフィードフォワード補償器2の周波数特性を図2に示
す。図2から明らかなように、フィードフォワード補償
器2の周波数特性は40dB/decの傾斜を有し2階
の微分器の特性として近似することができる。
【0084】[3]リファレンス位置発生器 リファレンス位置発生器3は、前記目標値を出力する手
段である。制御対象としてのアクチュエータ1の制御量
は、位置出力、即ち時間軸上で変化する移動距離である
から、目標値についても時間軸上で変化する移動距離と
して与える必要がある。本実施形態では、リファレンス
位置発生器3から、一例として図3(A)に示すような
プロフィールを目標値として出力する。このプロフィー
ルは、現在のトラックの位置(0μm)をスタート位置
として、移動距離がタイミングt0からT1の期間で2
次関数的に立ち上がり、その後T2の期間で1次関数的
に増加し、更にその後に2次関数的に減少し、タイミン
グt3にて1トラック分である0.74μm離れた位置
に到達するものである。
【0085】このようなプロフィールに対して1階の微
分を施し速度変化として表すと、図3(B)に示すよう
になる。即ち、期間T1は加速期間、期間T2は一定速
度期間、そして期間T3は減速期間となる。
【0086】更に、フィードフォワード補償器2は上述
したように2階の微分器に近似できるから、前記プロフ
ィールに対して2階の微分を施すと、図3(C)に示す
ように、タイミングt0にてT1の幅の加速パルスが出
力され、タイミングt1から期間T2後のタイミングt
2にてT3の幅の減速パルスが出力される。本実施形態
では、図3(A)に示すようなプロフィールを目標値と
してフィードフォワード補償器2に供給し、フィードフ
ォワード補償器2からは、図3(C)に示すように加速
パルスと減速パルスの間に一定の間隔をおいたフィード
フォワード出力が得られる。
【0087】[4]位置検出器 位置検出器4は、アクチュエータ1の移動により変化す
る位置の情報としての位置出力を、実際の信号の変化と
して検出する手段であり、本実施形態では、対物レンズ
の移動に伴う戻り光量の変化に基づいて、図4(B)に
示すようなトラッキングエラー信号を出力する手段が用
いられる。図4(B)はアクチュエータ1が一定の速度
で移動し、トラックと対物レンズの相対位置が一定の割
合で変化する場合のトラッキングエラー信号の例を示し
ている。図4(B)から判るように、トラッキングエラ
ー信号は、信号が正の値で増加する領域である領域1
と、減少する領域である領域2との境界位置、及び前記
領域2と負の値で増加する領域である領域3との境界位
置において、それぞれ正のピーク値と負のピーク値を示
し、オントラック位置とトラック間の中間位置がゼロク
ロス点となる正弦波状あるいは鋸波状の信号である。ト
ラッキングエラー信号は、このように非線形の信号であ
るが、前記それぞれの領域毎に見れば、時間の経過と共
に増加方向または減少方向の何れかの方向に変化する信
号である。従って、領域1におけるトラッキングエラー
信号の値v(t1)〜v(t4)と、トラックと対物レ
ンズの相対位置の値w(t1)〜w(t4)が、また領
域2におけるトラッキングエラー信号の値v(t5)〜
v(t8)と、トラックと対物レンズの相対位置の値w
(t5)〜w(t8)が、更に領域3におけるトラッキ
ングエラー信号の値v(t9)〜v(t12)と、トラ
ックと対物レンズの相対位置の値w(t9)〜w(t1
2)が、それぞれ一対一に対応している。このように、
領域を区別できれば、トラッキングエラー信号をアクチ
ュエータ1の位置出力を表す信号として用いることがで
きる。
【0088】[5]線形化変換器 線形化変換器5は、前記位置検出器4から出力されるト
ラッキングエラー信号を線形化変換する手段である。例
えば図4(B)に示すような正弦波状あるいは鋸波状の
非線形な特性を示すトラッキングエラー信号を、図4
(A)に示すような線形な信号に変換する。
【0089】トラッキングサーボ制御においては、トラ
ッキングエラー信号を対物レンズのオントラック位置か
らのずれを表す信号として用いており、図5に示すよう
に領域3から領域1の間の線形な信号として近似できる
領域をキャプチャアレンジとしてサーボを行うため、線
形化変換処理は行っていない。
【0090】しかしながら、本実施形態では、トラッキ
ングエラー信号を、現在のオントラック位置から次のト
ラックに対するオントラック位置までにおける、対物レ
ンズとトラックの相対位置を表す信号として用いると共
に、この相対位置を表す信号と、リファレンス位置とし
て用いられる前記プロフィールとの偏差を減少させるよ
うにフィードバックループを形成するため、トラッキン
グエラー信号は、領域1、領域2、及び領域3の全ての
領域中のあらゆる点で参照する必要があり、非線形の信
号のままでは容易にフィードバック制御を行うことがで
きない。
【0091】例えば、図4(B)に示すトラッキングエ
ラー値v(t3)から正のピーク値に至るまで、あるい
は負のピーク値からトラッキングエラー値v(t11)
に至るまでのように2次関数的に値が変化すると、高い
周波数帯域におけるフィードバック制御が要求される。
また、図4(B)に示す領域2においては、トラッキン
グエラー信号の極性が反転してしまうため、フィードバ
ックループを乱してしまう。
【0092】そこで、線形化変換器5によってトラッキ
ングエラー信号を全ての領域において線形な信号に変換
することにより、トラックジャンプ中において安定なサ
ーボループを形成する。
【0093】線形化変換を行う方法には様々な方法が考
えられるが、一例としてDSP(Digital Signal Proce
sser)を用いて図6に示すようなテーブルを参照しなが
ら変換器出力を行う方法が挙げられる。図6に示すテー
ブルは、領域1用変換テーブル、領域2用変換テーブ
ル、及び領域3用変換テーブルの3種類のテーブルに分
かれている。これは、トラッキングエラー信号が図4
(B)に示すように、信号の大きさと極性から、領域
1、領域2、及び領域3の3種類の領域に分けられるた
めである。領域1においては、トラッキングエラー信号
は正の値を示し、時間の経過と共に信号の大きさが増加
する極性を有している。このトラッキングエラー信号
は、一例としてDPD(Differential Phase Detectio
n)法(位相差法)により生成されたものであるため、
領域1においてはジャンプの開始からトラッキングエラ
ー値v(t3)を得るまでの間は線形な信号に近似でき
るように変化するが、トラッキングエラー値v(t3)
からピーク値を示すまでの間は非線形に変化する。そし
て、領域1と領域2の境界位置では正のピーク値を示
す。また、領域2においては、トラッキングエラー信号
は時間の経過によって正の値から負の値に変化し、信号
の大きさが減少する極性を有している。更に、正のピー
ク値からトラッキングエラー値v(t5)を得るまでの
間及びトラッキングエラー値v(t7)から負のピーク
値を得るまでの間は非線形に変化し、トラッキングエラ
ー値v(t5)〜v(t7)までの間は線形な信号に近
似できるように変化する。そして、領域2と領域3の境
界位置にて負のピーク値を示す。また、領域3において
は、トラッキングエラー信号は負の値を示し、時間の経
過と共に信号の大きさが増加する極性を有している。更
に、負のピーク値からトラッキングエラー値v(t1
1)を得るまでは2次関数的に変化し、トラッキングエ
ラー値v(t11)からオントラック位置までは線形の
信号として近似できるように変化する。
【0094】以上のようなトラッキングエラー信号を線
形化するために、領域1用の変換テーブルと領域3用の
変換テーブルについては、トラッキングエラー信号の値
の増加に追従して変換器出力値を増加させる極性のテー
ブルとし、領域2用の変換テーブルについては、トラッ
キングエラー信号の値の減少に追従して変換器出力値を
増加させる極性のテーブルとしている。また、領域1用
の変換テーブルよりも領域2用の変換テーブルのオフセ
ット値を高くし、更に領域2用の変換テーブルよりも領
域3用の変換テーブルのオフセット値を高く設定した。
また、それぞれの領域において2次関数的に変化する部
分に対して、トラッキングエラー信号の変化量の減少ま
たは増大に応じてゲイン補正量を増大または減少させて
いる。
【0095】領域の切り換え方法は、トラッキングエラ
ー信号のピーク値を基準として切り換える方法と、戻り
光量の総和であるフォーカスサムのしきい値を基準とし
て切り換える方法が考えられる。例えば図7(A)に示
すようなトラッキングエラー信号を微分すると、図7
(B)に示すような波形の信号が得られ、この信号が正
から負に減少する過程でゼロとなる位置が、トラッキン
グエラー信号の正のピーク値を得る位置であり、負から
正に増加する過程でゼロになる位置が負のピーク値を得
る位置である。そして、正のピーク値を得る位置が領域
1と領域2の境界位置であり、負をピーク値を得る位置
が領域2と領域3の境界位置である。従って、ピーク検
出器やレベル検出器等を用いるか、もしくはサンプルし
ているトラッキングエラーの傾きの極性からトラッキン
グエラー信号のピーク検出を行うことにより、領域を切
り換えることができる。
【0096】また、図7(A)に示すトラッキングエラ
ー信号が得られる時の、戻り光量の総和であるフォーカ
スサムを検出すると、図7(C)に示すような波形を描
く。図7(C)に示すように、領域の境界位置において
はフォーカスサムが減少方向あるいは増加方向で所定の
閾値を通過し、減少方向で所定のしきい値を通過する点
が領域1と領域2の境界位置であり、増加方向で所定の
閾値を通過する点が領域2と領域3の境界位置である。
従って、フォトディテクタで検出される戻り光量の総和
を検出することによりフォーカスサムを求め、求めたフ
ォーカスサムと所定の閾値とを比較することにより、領
域を切り換えることができる。
【0097】ここで、ピーク検出またはフォーカスサム
検出により領域の切り換えを行い、図6に示すテーブル
を用いて行う線形化変換の一例を図8を参照して説明す
る。図8(A)は図6に示すテーブルを示す図、図8
(B)はアクチュエータ1が時間的に一定の変位量で
(速度一定で)移動している場合に、線形化変換器5に
入力されるトラッキングエラー信号の一例、及び図8
(C)は図8(B)に示すトラッキングエラー信号を図
8(A)に示すテーブルを用いて線形化変換した結果を
示す図である。
【0098】まず、図8(B)に示す領域1において
は、図8(A)に示す領域1用変換テーブルが参照さ
れ、時刻t1の時のトラッキングエラー値v(t1)に
対してはw(t1)、以下同様にして時刻t2〜t4の
時のトラッキングエラー値v(t2)〜v(t4)に対
してw(t2)〜w(t4)の出力が行われる。ここ
で、時刻t2のトラッキングエラー値v(t2)までの
トラッキングエラー値に対してはテーブルの値は直線的
に増加するが、トラッキングエラー値v(t2)以降の
トラッキングエラー値に対してはトラッキングエラー信
号の増加率が徐々に低下するのに応じてゲインを徐々に
増加させるテーブルが用いられる。以上のような変換器
出力をグラフに表すと図8(C)のようになり、領域1
におけるトラッキングエラー信号が線形化変換されるこ
とが判る。
【0099】次に、図8(B)に示す領域2において
は、図8(A)に示す領域2用変換テーブルが参照され
る。領域2用変換テーブルは、図8(A)に示すよう
に、極性が領域1用変換テーブルとは異なり、また、オ
フセット値も領域1用変換テーブルより大きく設定され
ている。領域2用変換テーブルによれば、時刻t5の時
のトラッキングエラー値v(t5)に対してはw(t
5)、以下同様にして時刻t6〜t9の時のトラッキン
グエラー値v(t6)〜v(t9)に対してw(t6)
〜w(t9)の出力が行われる。ここで、領域1と領域
2の境界位置におけるトラッキングエラー信号から時刻
t5の時のトラッキングエラー値v(t5)までのトラ
ッキングエラー信号に対しては、トラッキングエラー信
号が負方向へ徐々に増加するのに応じてゲインを徐々に
低下させるテーブルが用いられる。また、時刻t8の時
のトラッキングエラー値v(t8)から領域2と領域3
の境界位置までのトラッキングエラー信号に対しては、
トラッキングエラー信号の負方向への増加率の減少に応
じてゲインを徐々に増加させるテーブルが用いられる。
そして、トラッキングエラー値v(t6)からトラッキ
ングエラー値v(t8)まではトラッキング信号が負の
方向へ増加するのに応じて直線的にゲインを増加させる
テーブルが用いられる。
【0100】次に、図8(B)に示す領域3において
は、図8(A)に示す領域3用変換テーブルが参照され
る。領域3用変換テーブルは、図8(A)に示すよう
に、極性が領域1用変換テーブルと同じであり、オフセ
ット値は領域2用変換テーブルより更に大きく設定され
ている。領域3用変換テーブルによれば、時刻t10の
時のトラッキングエラー値v(t10)に対してはw
(t10)、以下同様にして時刻t10〜t12の時の
トラッキングエラー値v(t10)〜v(t12)に対
してw(t10)〜w(t12)の出力が行われる。こ
こで、時刻t10のトラッキングエラー値v(t10)
以降のトラッキングエラー値に対してはテーブルの値は
直線的に増加するが、領域2と領域3の境界位置のトラ
ッキングエラー信号からトラッキングエラー値v(t1
0)までのトラッキングエラー値に対してはトラッキン
グエラー信号の増加率が徐々に増加するのに応じてゲイ
ンを徐々に低下させるテーブルが用いられる。
【0101】以上のような変換器出力をグラフに表すと
図8(C)のようになり、図8(B)に示すようなトラ
ッキングエラー信号が線形化変換され、線形化位置出力
が得られることが判る。
【0102】図8は、アクチュエータがジャンプの開始
から終了に至るまでの全期間を一定速度で移動した場合
の変換例を示している。しかし、実際のシングルジャン
プ時においては、アクチュエータはジャンプの開始と共
に加速されて徐々に移動し、その後一定速度による移動
期間を経て、ジャンプの終了に向けて徐々に減速しなが
ら目標位置に到達する。従って、本実施形態の線形化変
換器5は、シングルジャンプを行う場合には、加速期間
と減速期間においては変換器出力をアクチュエータの位
置変化に合わせて2次関数的に変化させ、一定速度期間
において線形な信号として変化させるような変換テーブ
ルを用いてトラッキングエラー信号の変換を行う。
【0103】[6]安定化補償器 再び図1に戻り、安定化補償器6は、以上に説明した線
形化変換器5から出力される線形化位置出力と、リファ
レンス位置発生器3から出力される図3(A)に示すよ
うな加速期間と減速期間の間に一定速度期間を有するプ
ロフィールとの比較の結果得られる位置偏差を減少させ
るように、制御対象としてのアクチュエータ1にドライ
ブ信号を出力する手段である。図9に、アクチュエータ
1がプロフィールのような軌跡を描く場合の速度よりも
速い速度で移動した場合と、遅い速度で移動した場合
の、位置偏差の例を示す。なお、図9に示す線形化位置
出力は、速い速度と遅い速度の何れの場合も、加速期間
及び減速期間において2次関数的に変化し、一定速度期
間で直線的に変化する線形化位置出力を用いている。
【0104】このように、本実施形態においては、フィ
ードフォワード制御の目標値としてのプロフィールに一
定速度期間を設けると共に、制御対象としてのアクチュ
エータ1の制御量としての位置出力を、トラッキングエ
ラー信号を線形化変換した線形化位置出力としてフィー
ドバックし、前記プロフィールをリファレンス位置とし
て比較して位置偏差を求めることによりクローズドルー
プを形成した。つまり、本実施形態のトラックジャンプ
装置は、従来においてオープン制御により行われていた
フィードフォワード制御を、フィードバック制御と組み
合わせて行うものであり、外乱に対する影響を著しく減
少させ、安定したトラックジャンプを行うことができ
る。また、図2に示したようにトラックジャンプの周波
数帯域は数kHzと高く、フィードバック制御だけでは
追従が困難であるが、フィードフォワード制御を併用す
ることにより、高帯域でかつ安定した制御を可能にした
と言うこともできる。更に、本実施形態のトラックジャ
ンプ装置では、トラックジャンプ中もフィードバックル
ープがクローズしているため、常にトラッキングサーボ
がオンしているような動作をするため、トラックジャン
プの終了からトラッキングサーボをオンした時のショッ
クを小さくすることができる。従って、トラックジャン
プが終了した後も乱れが少なくトラッキングサーボの収
束を速くすることができる。
【0105】このように、本実施形態のトラックジャン
プ装置では、トラッキングサーボ時と同じように目標値
が与えられ偏差が得られるため、トラックジャンプ時と
トラッキングサーボ時で同じ安定化補償器6を用いるこ
とができる。但し、トラックジャンプは瞬間的に動作が
終了してしまうため、補償の目的がトラッキングサーボ
とは多少異なる。従って、トラックジャンプ時とトラッ
キングサーボ時で安定化補償器の特性を変化させていも
良い。また、安定化補償器の特性をトラックジャンプ時
からトラッキングサーボ時にかけて徐々に変化させても
良い。例えば、定常特性については、トラッキングサー
ボでは定常偏差抑圧のために低域のゲインを大きくとる
が、この帯域はトラックジャンプの帯域外であるため、
トラックジャンプでは低域のゲインを抑えて高域の位相
余裕をとるようにすれば良い。また、トラックジャンプ
の性能の評価となるものは過渡応答であり、一方通常の
トラッキングサーボでは定常応答であるから、トラック
ジャンプでは速応性を重視し、通常のトラッキングサー
ボでは安定性を重視した安定化補償器とすれば良い。更
に、本実施形態のトラックジャンプ期間中にフィードバ
ックされる位置情報は、非線形なトラッキングエラー信
号から推定されたもので、推定誤差から生じる外乱を、
特に、領域の切り換え時に含んでいる。従って、トラッ
クジャンプ時には外乱除去のフィルターを安定化補償器
に付加したり、フィードバックのゲインを低くするよう
にしても良い。
【0106】[7]全体の動作及び従来例との比較 次に、本実施形態のトラックジャンプ装置の全体の動作
について説明する。まず、リファレンス位置発生器3か
ら、図3(A)に示すような軌跡のプロフィールを出力
する。このプロフィールは、加速期間T1及び減速期間
T3を短くとり、一定速度期間T2を充分に長くとるよ
うにする。このプロフィールがフィードフォワード補償
器2に供給されると、アクチュエータ1には図3(C)
に示すような加速パルスが短時間だけ与えられ、アクチ
ュエータ1の移動が開始される。その後は減速パルスが
出力されるまでアクチュエータ1に対するフィードフォ
ワード出力は与えられない。従って、この一定速度期間
においては、アクチュエータ1はトラックに対して一定
の速度で移動し、対物レンズも一定の速度で移動する。
一定速度期間では目標値としてのプロフィールは一定の
傾きを有して変化するため、目標値の帯域はトラックジ
ャンプの帯域よりも見掛け上著しく低くなり、有効なフ
ィードバック制御が行われる。つまり、上述のようにア
クチュエータ1が移動を開始することにより、図4
(B)に示すようなトラッキングエラー信号が位置検出
器4から出力され、これが線形化変換器5によって線形
化変換されて線形化位置出力された後、図9に示すよう
にプロフィールと線形化位置出力との比較により位置偏
差が求められ、この位置偏差を抑えるように安定化補償
器6によりアクチュエータ1に対してドライブ信号が供
給される。そして、一定速度期間が終了し、トラッキン
グサーボの引き込みが行われる直前で、図3(C)に示
すような減速パルスが出力され、アクチュエータ1は減
速を開始する。減速は短時間で行うため、帯域的に高い
領域の影響は少なく、トラッキングサーボの引き込みを
速く完了させることができる。なお、加速、減速期間に
おいてフィードバック制御を行うように構成しても良
い。
【0107】これに対し、従来のトラックジャンプ装置
では、図10(C)に示すように、トラックジャンプの
開始と共に加速パルスをオンし、トラッキングエラー信
号のゼロクロス位置で加速パルスをオフすると共に、直
ちに減速パルスをオンするというフィードフォワード制
御が行われていた。しかしながら、ディスクの高密度化
に伴い、トラックピッチが狭くなると、従来のトラック
ジャンプ装置のような加速量と減速量を大きくとる制御
では、トラックジャンプに要する時間が短くなり、トラ
ッキングサーボ系における駆動系及び検出系に存在する
不感帯や時間遅れの影響が大きくなり、安定したトラッ
クジャンプを行うことができなくなる。つまり、上述の
ような減速パルスがドライバに加わっても、実際に駆動
されるのが遅れたり、減速及びサーボクローズのタイミ
ングの検出にも遅れを生じ、サーボクローズの際に生じ
るオーバーシュートの周波数が高くなって、制動されず
にジャンプを失敗したり、安定するまでに時間を要する
ことがある。また、減速パルスの適正量は、ジャンプ開
始からトラッキングエラーのゼロクロスの間隔から求め
ることができるが、ゼロクロス間隔と適正減速パルスの
関係にはばらつきが含まれており、ジャンプ時間が短く
なる程、測定時間が短くなり、このばらつきの影響が増
大する。そのため、測定したゼロクロス間隔から算出さ
れる減速パルスが適正ではなく、却ってジャンプを乱す
ことがある。更に、減速パルスを出力するタイミングや
トラッキングサーボをクローズするタイミングは、トラ
ッキングエラー信号から決定されるが、トラッキングエ
ラー信号をサンプリングする場合、最大で1サンプリン
グのタイミングの遅れが発生する。従って、ジャンプ時
間が短くなると、1サンプリングのタイミングの遅れが
影響しジャンプを不安定にするばかりでなく、順次進む
ようになっているジャンプ動作が機能せずジャンプの失
敗を招く。
【0108】しかしながら、本実施形態のトラックジャ
ンプ装置では、加速量と減速量を小さくし、ある程度の
ジャンプ時間を確保することができるので、従来のよう
なジャンプ時間の短縮に伴う問題は発生しない。しか
も、本実施形態のトラックジャンプ装置では、フィード
フォワード制御と共にフィードバック制御を行っている
ので、加速量と減速量を小さくした場合でも外乱に対し
て強く、偏心やスライダ状態の変化、ショック等が生じ
ても、安定したトラックジャンプを実現することができ
る。
【0109】特に、本実施形態では、加速期間と減速期
間の間に一定速度期間を設けたプロフィールとしたの
で、このようなフィードバック制御の効果を充分に発揮
させることができる。前記従来のトラックジャンプ装置
のような加速パルスと減速パルスを与える構成では、プ
ロフィールは図10(A)に示すように、一定速度期間
の無い2次関数を二つ組み合わせたようなプロフィール
となる。
【0110】ここで、目標値を定速度入力とした場合
と、定加速度入力とした場合の定常偏差の違いについて
詳しく説明する。なお、以下の説明では、理解を容易に
するために、図11(A)に示すような、伝達関数G
2(s)の制御対象に対して、伝達関数G1(s)の補償要素を
直結した直結フィードバック系をモデルとする。
【0111】この場合において、制御対象の伝達関数G
2(s)は1次遅れ系とする。 G2(s) = K/(1+Ts) …(1)[K:ゲイン定
数,T:時定数] また、補償要素には積分要素を用いる。その伝達関数G
1(s)は次のようになる G1(s) = 1/s …(2) 従って、図11(A)に示すような直結フィードバック
系の一巡伝達関数G(s)は次のようになる。 G(s) = G1(s)・G2(s) = K/{(1+Ts)s} …(3) また、目標値をR(s)とすると、直結フィードバック系
の制御偏差E(s)は、次のようになる。 E(s) = R(s)/{1+G(s)} …(4) ここで、ラプラス変換における最終値の定理により、制
御偏差をe(t)とすると、定常偏差e(∞)は次式により
求められる。
【0112】
【数1】 ここで、図11(A)の場合のsE(s)を求める。まず、
前記(3)より、 1+G(s) = 1+K/{(1+Ts)s} = (Ts2+s+K)/{(1+Ts)s} …(6) となるので、前記(6)式と前記(4)式より、 E(s) = R(s)(1+Ts)s/(Ts2+s+K) …(7) という結果が得られる。そこで、前記(7)式の両辺を
s倍することにより、sE(s)が得られる。 sE(s) = R(s)(1+Ts)s2/(Ts2+s+K) …(8) 次に、目標値r(t)が本実施形態のトラックジャンプ装
置のように図11(B)に示す定速度の場合の定常偏差
e(∞)を、前記(5)式及び前記(8)式に基づいて求
める。
【0113】図11(B)の定速度入力を考えると、目
標値r(t)及びR(s)は、次のようになる。 r(t) = v0t, R(s) = v0/s2 …(9) 従って、前記(8)式より、sE(s)は次のようにな
る。 sE(s) = (v0/s2)(1+Ts)s2/(Ts2+s+K) = v0(1+Ts)/(Ts2+s+K) …(10) 従って、前記(5)式より、定常偏差e(∞)は次のよう
になる。
【0114】
【数2】 次に、目標値r(t)が従来のトラックジャンプ装置のよ
うに図11(C)に示す定加速度の場合の定常偏差e
(∞)を、前記(5)式及び前記(8)式に基づいて求め
る。
【0115】図11(C)の定加速度入力を考えると、
目標値r(t)及びR(s)は、次のようになる。 r(t) = (1/2)a02, R(s) = a0/s3 …(12) 従って、前記(8)式より、sE(s)は次のようにな
る。 sE(s) = (a0/s3)(1+Ts)s2/(Ts2+s+K) = (a0/s)(1+Ts)/(Ts2+s+K) …(13) 従って、前記(5)式より、定常偏差e(∞)は次のよう
になる。
【0116】
【数3】 前記(11)式と前記(14)式を比較すると、目標値
が定速度の場合には、定常偏差は定数(v0/K)に収
束するのに対し、目標値が定加速度の場合には、定常偏
差は∞となり発散してしまう。従って、制御対象と補償
器が共通であれば、目標値が定速度の場合に比較して定
加速度の場合の方が制御偏差は大きくなる。 つまり、
従来のトラックジャンプ装置においては、図10(A)
に示すように定加速度の目標値を設定していることにな
るから、従来のトラックジャンプ装置にフィードバック
制御を組み合わせたとしても、制御は本実施形態のトラ
ックジャンプ装置に比べて著しく困難であり、偏差も本
実施形態のトラックジャンプ装置に比べて著しく大きく
なることが明らかである。
【0117】これに対し、本実施形態のトラックジャン
プ装置は、図3(A)に示すように、定速度の目標値を
設定しているため、フィードバック制御が従来のトラッ
クジャンプ装置に比べて著しく容易であり、偏差も従来
のトラックジャンプ装置に比べて著しく少なくなる。
【0118】また、本実施形態のトラックジャンプ装置
で用いることのできるプロフィールは、加速期間と減速
期間の間に一定速度期間を設けた図3(A)に示すよう
なプロフィールに限られるものではない。
【0119】例えば図12(A)に示すように一定速度
期間が高速期間と低速期間の2段階に分かれており、図
12(B)に示すように段階的に減速するプロフィール
を用いることもできる。このプロフィールを用いると、
図12(C)に示すように、加速パルスを加えた後に2
回に分けて減速パルスを加えることになり、最初に目標
値に大きく近づき、その後徐々に目標値に到達すること
ができる。従って、ある程度の加減速の大きさを保ちな
がら、時間をかけてトラックジャンプを行うことがで
き、トラックピッチむら等のトラックジャンプの途中に
発生する外乱にも対応し易いとい利点を有している。な
お、一定速度期間を更に多くの段階に分け、加速パルス
を加えた後に複数階に分けて減速パルスを加えるように
しても良い。
【0120】また、図13(A)に示すように、一定速
度期間が高速期間と低速期間の2段階に分かれており、
図13(B)に示すように段階的に加速するプロフィー
ルを用いることもできる。このプロフィールを用いる
と、図13(C)に示すように、加速パルスを2回に分
けて加えた後に大きな減速パルスを加えることになり、
ある程度の加減速の大きさを保ちながら、時間をかけて
トラックジャンプを行うことができる。また、トラック
ジャンプ時に発生する外乱の殆どは偏心による初期加速
度等であるため、ゆっくり加速しながらフィードバック
を行うと、トラックジャンプ開始から制御が効き易く、
トラックジャンプの初期条件の変動の外乱を抑圧でき
る。なお、この場合も、減速パルスを加える回数を2回
以上にすることができる。
【0121】なお、図14(A)に示すように、一定速
度期間が無く、加速期間と減速期間が交互に現れるプロ
フィールを用いることもできる。このプロフィールによ
れば、図14(B)に示すように加速減速を繰り返すこ
とになり、加速量及び減速量が増大する。加速パルス及
び減速パルスの量を増していくと、外乱の影響が小さく
なる。従って、外乱の影響が小さくなるように、加速パ
ルス、減速パルスの量をトータルで大きくして、同時に
トラックジャンプに要する時間が短くなることによる不
都合をできるだけ回避するために、階段状に目標値に近
づくものである。このようなプロフィールを用いると、
フィードバックによる制御が困難になるが、最大の加減
速量を加えることができ、外乱の影響を最小にできる。
【0122】以上のように、本実施形態のトラックジャ
ンプ装置においては、様々な軌跡を描くプロフィールを
用いることが可能であるが、図3(A)に示すようなプ
ロフィールを用いた場合には、制御系を簡単な構成とす
ることができ、また、アクチュエータにとっても比較的
応答が容易であるという利点を有している。
【0123】また、リファレンス位置発生器3により、
上述したような種々のプロフィールを出力可能に構成
し、外乱の状態等に応じて適宜プロフィールを選択して
出力するように構成しても良い。
【0124】更に、それぞれのプロフィールは、実験の
結果に基づいて決定され、外乱に対する安定性、あるい
はトラッキングサーボの引き込みの速さ等が考慮され
る。
【0125】[8]実験例 次に、本実施形態における一実験例について図15乃至
図24を参照しながら説明する。図15は、この実験例
に用いたトラックジャンプ装置の構成を示すブロック図
である。なお、このトラックジャンプ装置は、アクチュ
エータ10、ドライバ11、フォトディテクタ21、及
びCPU20を除く箇所は、DSPにおいてプログラム
が実行されることにより各機能が実現される。
【0126】図15において、アクチュエータ10は、
図示しない対物レンズが載置されている可動部と、この
可動部をばね等によって支持する支持部とを備えてお
り、ドライバ11から出力される駆動信号に応じて可動
部を図示しない記録トラックに対して半径方向に変位さ
せる。
【0127】ドライバ11は、入力信号に応じて前記駆
動信号を生成する。安定化補償回路15から出力される
位相補償された信号、またはフィードフォワード補償部
18から出力されるフィードフォワード信号とが加算部
12により加算され、ドライバ11に入力信号として入
力される。前記アクチュエータ10と当該ドライバ11
が図1におけるアクチュエータ1に相当する要素であ
る。
【0128】フィードフォワード補償部18は、セレク
タ部16と、該セレクタ部16に接続されたアッパーレ
ベル設定部17a、センターレベル設定部17b、及び
ローワーレベル設定部17cとからなる。セレクタ部1
6は、タイミング発生部19から出力される制御信号に
応じて、アッパーレベル設定部17a、センターレベル
設定部17b、またはローワーレベル設定部17cの何
れかを選択し、アッパーレベル、センターレベル、また
はローワーレベルのうちの何れかのレベルの電圧値を有
する信号を所定期間出力する。アッパーレベルの電圧値
を有する信号は加速パルス信号、ローワーレベルの電圧
値を有する信号は減速パルス信号、及びセンターレベル
の電圧値を有する信号は一定速度信号となる。
【0129】タイミング発生部19は、制御手段として
のCPU20から出力されるジャンプトリガ信号及びジ
ャンプ方向信号に応じて、加速期間、一定速度期間、減
速期間、及び信号の極性を選択し、加速パルス信号、一
定速度信号、あるいは減速パルス信号を出力させるため
の所定の極性を持った制御信号をフィードフォワード補
償部18のセレクタ部16に出力する。
【0130】制御手段としてのCPU20は、図示しな
い操作パネル等により入力される情報に基づいて、現在
捕捉しているトラックと、当該情報に基づいてジャンプ
すべきトラックとを比較し、ジャンプトリガ信号及びジ
ャンプ方向信号を出力する。
【0131】以上のようなCPU20、タイミング発生
部19、及びフィードフォワード補償部18によりフィ
ードフォワード信号が加算部12に出力されフィードフ
ォワード制御が行われる。つまり、これらのCPU2
0、タイミング発生部19、及びフィードフォワード補
償部18により、図1に示すフィードフォワード補償器
5が構成されている。また、この実験例におけるトラッ
クジャンプ装置では、上述したようなプロフィールを2
階微分してパルス状のフィードフォワード出力を得るの
ではなく、プロフィールに対応したパルス信号のレベル
を予めアッパーレベル設定部17a、センターレベル設
定部17b、及びローワーレベル設定部17cにより設
定しておくと共に、パルス信号のタイミングデータをタ
イミング発生部19に記憶させておくことにより、直接
的にパルス状のフィードフォワード出力を得ている。
【0132】次に、図1における安定化補償器6に相当
する安定化補償部15は、位相補償部13とセレクタ部
14とから成る。位相補償部13は、セレクタ部14に
より選択されるトラッキングサーボ時の位置偏差、ある
いはトラックジャンプ時のフィードバック制御における
位置偏差を小さくするように、ドライバ11に対してド
ライブ信号を出力する。
【0133】フォトディテクタ21は、受光面が2分割
または4分割されて配置された図示しない光電変換素子
から構成されており、記録トラックからの光ビームの戻
り光が、これらの光電変換素子によって電気信号に変換
される。フォトディテクタ21にはトラッキングエラー
信号検出部22が接続されており、前記電気信号はトラ
ッキングエラー信号検出部22に出力される。
【0134】トラッキングエラー信号検出部22は、図
示しない差動アンプあるいは位相比較器からなり、前記
フォトディテクタ21から出力される電気信号に基づい
て、プッシュプル法あるいはDPD(Differential Pha
se Detection)法(位相差法)によりトラッキングエラ
ー信号が生成される。トラッキングエラー信号検出部2
2には、傾き検出部23、コンパレータ部25,26、
アドレス発生部28、及びバッファ部35が接続されて
おり、前記トラッキングエラー信号をこれらの回路に出
力する。この実験例におけるトラックジャンプ装置で
は、フォトディテクタ21とトラッキングエラー信号検
出部22から図1に示す位置検出器4が構成されてい
る。
【0135】傾き検出部23は、トラッキングエラー信
号の傾きの極性を検出する回路であり、この傾きの極性
が正から負に切り換わる時にハイレベルからローレベル
に立ち下がる信号を出力し、また、負から正に切り換わ
る時にローレベルからハイレベルに立ち上がる信号を出
力する。この傾き検出部23の出力はタイミング発生部
19に供給され、タイミング発生部19は前記傾き検出
部23の出力の変化に基づいて、図4(B)に示すよう
な領域を判別する信号を出力する。トラッキングエラー
信号の傾きの極性が切り換わる位置は、トラッキングエ
ラー信号のピークの位置であり、トラッキングエラー信
号のピーク位置が判れば前記領域の判別を行うことがで
きる。
【0136】タイマー24は、CPU20から出力され
るスタート信号をトリガーとして動作を開始し、CPU
20によってセットされたタイマー値がゼロになったと
ころでタイミング発生回路19に対してタイムアップ信
号を出力する。つまり、タイマー値を適宜の値に設定
し、適宜のタイミングでスタートさせることにより、所
望のタイミングからの時間の計測が可能である。この実
験例におけるトラックジャンプ装置は、前記傾き検出部
23を用いた領域の切り換えだけでなく、タイマー24
を用いた一定時間毎の領域の切り換えを行うことができ
るように構成されている。
【0137】コンパレータ25,26は、トラッキング
エラー信号と所定の閾値との比較を行う回路であり、コ
ンパレータ25にはアッパーレベル設定部27aにより
正の値の閾値を表す電圧が供給され、コンパレータ26
にはローワーレベル設定部27bにより負の値の閾値を
表す電圧が供給される。正の値の閾値はトラッキングエ
ラー信号の正のピーク値よりも低い値に設定され、負の
値の閾値はトラッキングエラー信号の負のピーク値より
も高い値に設定されている。タイミング発生部19は、
前記傾き検出部23により正のピーク値の検出を示す信
号が出力された場合には、トラッキングエラー信号が正
の閾値よりも低い値になった時に領域1から領域2への
切り換え信号を出力する。また、前記傾き検出部23に
より負のピーク値の検出を示す信号が出力された場合に
は、トラッキングエラー信号が負の閾値よりも高い値に
なった時に領域2から領域3への切り換え信号を出力す
る。このような構成により、トラッキングエラー信号に
ノイズが含まれる場合でも正確に領域の切り換えを行う
ことができる。そして、以上のようにしてタイミング発
生部19から出力される領域を切り換える信号は、アド
レス発生部28に供給される。
【0138】アドレス発生部28は、タイミング発生部
19から出力される領域の切り換え信号を参照しながら
トラッキングエラー信号の線形化変換に参照すべき変換
テーブルのスタートアドレスを発生させる。アドレス発
生部28には表参照部29が接続されており、前記スタ
ートアドレスは表参照部29に供給される。
【0139】表参照部29は、前記アドレス発生部28
から供給されるスタートアドレスに基づいて、テーブル
部30に予め記憶された変換テーブルを参照し、サンプ
ルされたトラッキングエラーの値に応じて変換テーブル
に設定された値を出力する。
【0140】テーブル部30には、領域1用の変換テー
ブルである変換テーブル1、領域2用の変換テーブルで
ある変換テーブル2、及び領域3用の変換テーブル3が
それぞれ異なったスタートアドレスを有して記憶されて
おり、各変換テーブルには図6に示すような値が所定の
分解能で設定されている。従って、前記表参照部29に
より各変換テーブルが参照されてテーブル値の出力が行
われると、図8(C)に示すようにトラッキングエラー
信号の線形化変換が行われることになる。
【0141】以上のように、この実験例のトラックジャ
ンプ装置においては、傾き検出部23、タイマー部2
4、コンパレータ部25,26、アッパーレベル設定部
27a,27b、タイミング発生部19、アドレス発生
部28、表参照部29、及びテーブル部30により、図
1に示す線形化変換器5が構成される。
【0142】一方、アドレス発生部31は、タイミング
発生部19から出力されるカウント信号に基づき、テー
ブル部33に記憶されたリファレンステーブルのスター
トアドレスを発生させる。タイミング発生部19はフィ
ードフォワード出力としてのパルス信号のパルス幅に応
じて異なるカウント信号を出力するように構成されてお
り、当該パルス幅はCPU20により選択できるように
構成されている。従って、CPU20から所定のパルス
幅を選択する信号がタイミング発生部19に出力される
と、タイミング発生部19は当該パルス幅のパルス信号
を生成するようにフィードフォワード補償部18に制御
信号を出力すると共に、単なるカウント信号をアドレス
発生部31に出力する。これにより、アドレス発生部3
1は当該パルス幅に対応したリファレンステーブルのア
ドレスを発生させ、表参照部32に出力する。
【0143】表参照部32は、前記アドレス発生部31
から供給されるアドレスに基づいて、テーブル部33に
予め記憶されたリファレンステーブルを参照し、リファ
レンステーブルに設定された値を出力する。
【0144】テーブル部33には、フィードフォワード
に応じた所定の軌跡を描くプロフィールが設定されてい
る。例えば、加速期間と減速期間において非線形で、定
速期間は線形な図9のような波形が前記表参照部32に
より出力される。以上のように、この実験例のトラック
ジャンプ装置においては、CPU20、タイミング発生
部19、アドレス発生部31、表参照部32、及びテー
ブル部33により、図1に示すリファレンス位置発生器
3が構成される。
【0145】表参照部32から出力されるプロフィール
と、表参照部29から出力される線形化位置出力は、加
減算部34において加減算され、例えば図9に示すよう
に位置偏差が出力される。この位置偏差は安定化補償部
15のセレクタ部14に出力され、タイミング発生部1
9からセレクタ部14に対してトラッキングサーボのオ
ープン信号が出力された時に、位相補償部13に出力さ
れ、トラックジャンプ時のクローズドループが構成され
る。一方、タイミング発生部19からセレクタ部14に
対してトラッキングサーボのクローズ信号が出力された
時には、バッファ部35を介して出力されるトラッキン
グエラー信号が位置偏差として位相補償部13に出力さ
れ、トラッキングサーボ時のクローズドループが構成さ
れる。
【0146】次に、以上のような実験例におけるトラッ
クジャンプ装置の動作例について説明する。まず、表参
照部32から図16(c)に示すようなプロフィールを
出力させ、フィードフォワード補償部18からこのプロ
フィールに対応したフィードフォワード出力をドライバ
11に供給させる。なお、この時、トラッキングサーボ
はオープン状態とし、加減算部34とセレクタ部14と
の接続を切り離した。つまり、フィードバックループが
形成されていない状態で位置偏差を調べた。その結果、
外乱の無い状態では図16(a)に示すようなトラッキ
ングエラー信号が得られ、このトラッキングエラー信号
は図16(b)に示すように線形化変化された。図16
(b)に示す線形化位置出力と、図16(c)に示すプ
ロフィールとは略一致し、図16(d)に示すように位
置偏差は略ゼロとなった。なお、図16において各信号
が細かく振動しているのはノイズのためである。
【0147】次に、加速方向に外乱を与えた場合を図1
7に示す。なお、他の条件は図16の場合と同様であ
る。図16(a)と図17(a)の比較により明らかな
ように、トラッキングエラー信号は加速方向の外乱の影
響で左方向にシフトする。また、図16(b)と図17
(b)の比較により明らかなように、線形化位置出力の
傾きは大きくなる。従って、図17(d)に示すように
負の方向に増加する位置偏差が得られる。
【0148】次に、減速方向に外乱を与えた場合を図1
8に示す。なお、他の条件は図16の場合と同様であ
る。図16(a)と図18(a)の比較により明らかな
ように、トラッキングエラー信号は減速方向の外乱の影
響で右方向にシフトする。また、図16(b)と図18
(b)の比較により明らかなように、線形化位置出力の
傾きは小さくなる。従って、図18(d)に示すように
正の方向に増加する位置偏差が得られる。
【0149】以上のように、本実験例のトラックジャン
プ装置においては、トラッキングエラー信号を線形化変
換した線形化位置出力に基づいて適切な位置偏差を得る
ことができる。そして、トラックジャンプ中において、
この位置偏差を安定化補償回路15に供給するように構
成するので、トラックジャンプ中においてもフィードバ
ックループを形成することができる。次に、加減算部3
4とセレクタ部14を接続し、トラックジャンプ中のフ
ィードバックループが形成されるようにして行った実験
結果を図19及び図20に示す。図19は加速方向に小
さめの外乱を加えた例であり、図20は減速方向に外乱
を加えた例である。図19(b)及び図20(b)はド
ライバ11に供給されるドライブ信号を示すのであり、
加速パルスと減速パルスの間に一定速度期間が設けら
れ、フィードバック制御が行われていることが判る。そ
して、このようなフィードフォワード制御とフィードバ
ック制御の組み合わせにより、図19(a)及び図20
(a)から明らかなように、トラッキングエラー信号は
ジャンプ終了後に短時間で収束し、トラッキングサーボ
の引き込みが短時間で完了したことが判る。
【0150】一方、フィードバック制御を行わず、フィ
ードフォワード制御のみを行った場合を図21及び図2
3に示す。フィードバック制御を行わない他は図19及
び図20と同様の条件とした。図21は図19に対応さ
せて加速方向に小さめの外乱を与えた例、図23は図2
0に対応させて減速方向に小さめの外乱を与えた例であ
る。図21と図19の比較から明らかなように、フィー
ドバック制御を行わない場合には、減速パルスを与えた
後においてもトラッキングエラー信号は収束せず、トラ
ッキングサーボの引き込みに時間を要することが判る。
また、図23の場合に到っては、図20の比較から明ら
かなように、トラッキングエラー信号は全く収束せず、
トラッキングサーボの引き込みに失敗していることが判
る。
【0151】なお、図22と図24に、従来のトラック
ジャンプ装置のように、加速量と減速量を大きくした例
を示す。図22は加速方向に外乱を与えた場合、図24
は減速方向に外乱を与えた場合である。図22(b)及
び図24(b)に示すように、加速パルスと減速パルス
の間に一定速度期間は殆ど設けられていない。また、こ
の例ではフィードバック制御を行っていない。仮にフィ
ードバック制御を行ったとしても、トラックジャンプの
制御帯域は2kHzと高いため、このように一定速度期
間がない場合には有効なフィードバック制御を行うこと
ができない。そして、図22(a)及び図24(a)か
ら明らかなように、減速パルスの供給が終了した後にお
いてもトラッキングエラー信号は安定しないことが判
る。
【0152】以上の実験結果から、狭トラックピッチに
おけるトラックジャンプは、オープン制御の場合、加減
速を小さくして移動速度を小さくすると、外乱の影響を
受け不安定になり易いことが判る。また、加減速を大き
くして短時間でジャンプを行った場合にも、駆動系の遅
れやタイミングのずれにより、これもまた不安定になり
易いことが判る。
【0153】しかしながら、本発明に基づく本実験例の
トラックジャンプ装置によれば、目標となるプロフィー
ルを与え逐次移動量を検出しフィードバックを行うこと
により、ある程度のジャンプ時間を確保したまま安定し
たトラックジャンプを行うことが可能であることが明ら
かになった。
【0154】目標のプロフィールを与えるだけでは、制
御系の特性から、クローズドループのみではトラックジ
ャンプの帯域まで上げられないが、本発明においては、
フィードフォワード制御を行うことにより解決し、更に
フィードバックと併用することにより、高帯域でかつ安
定した制御を可能にした。
【0155】また、トラックジャンプ中もフィードバッ
クループがクローズしており、常にトラッキングサーボ
がオンしているような動作をするため、ジャンプからト
ラッキングサーボオンの時のショックが小さくできる。
従って、ジャンプが終了した後も乱れが少なく収束が速
い。従って、本発明のトラックジャンプ装置は、サンプ
リング時間等の制約のあるデジタルサーボシステムにも
効果がある。
【0156】[9]変形例 次に、本実施形態の変形例について説明する。
【0157】<変形例1>本変形例は本実施形態のトラ
ックジャンプ装置にゲインコントローラ及びオフセット
コントローラを備えた例である。
【0158】本実施形態のトラックジャンプ装置は、上
述したようにトラッキングエラー信号を線形化変換する
ことによってトラックジャンプ中のフィードバック制御
を容易にしているが、トラッキングエラー信号に変動が
生ずる場合には、図25に示すように線形化変換器5の
前段にゲインコントローラ・オフセットコントローラ4
0を設ければ良い。
【0159】DVD−RAM、あるいはDVD−R等の
書き込み可能な記録ディスクにおいては、記録部と未記
録部において、トラッキングエラー信号にゲイン変動が
生ずる。また、プッシュプル方式を用いてトラッキング
エラー信号を生成した場合には、対物レンズの光軸ず
れ、あいるはディスクの半径方向の傾き、若しくはディ
スクの溝形状のアンバランス等により、トラッキングエ
ラー信号に直流オフセットが現れる。また、ディスクに
偏心があった場合にもオフセットが現れる。
【0160】そこで、このような場合には、図26に示
すように、オートゲインコントローラ(A.G.C.)
41によりトラッキングエラー信号の最大値、最小値、
及び平均値を求めてゲイン調整及びオフセット調整を行
う。
【0161】また、前記記録ディスクにおける記録部で
はRF信号が検出され、未記録部ではRF信号が検出さ
れない。従って、RF検波器42により出力されるRF
信号のエンベロープをコンパレータ43に入力し、RF
信号が検出された時には記録部であるからトラッキング
エラー信号のゲインを大きくするように、またRF信号
が検出されない時には未記録部であるからトラッキング
エラー信号のゲインを小さくするようにゲイン調整を行
う。
【0162】次に、ゲインコントローラ・オフセットコ
ントローラ40の具体例を図27に示す。図27(A)
はトラッキングエラー信号の例、図27(B)はオート
ゲインコントローラ(A.G.C.)のを用いたゲイン
・オフセットコントローラの概略構成を示すブロック線
図である。
【0163】図27(B)に示すように、A.G.C.
には切り換えスイッチ50が設けられており、この切り
換えスイッチ50によりトラッキングサーボループの一
時的にオープン、及びクローズの切り換えが可能であ
る。また、この切り換えスイッチ50には、ピークホー
ルド回路51,52が接続されている。
【0164】ピークホールド回路51はトラッキングエ
ラー信号の正のピーク値をホールドする回路である。こ
の回路においては、入力されたトラッキングエラー信号
がそれまでの正のピーク値よりも小さい時は、それまで
の正ピーク値から非常に小さな値の補正値LEを引いて
その結果を改めて正のピーク値とする。また、入力され
たトラッキングエラー信号がそれまでの正のピーク値以
上である時は、この値を最新の正のピーク値とする。
【0165】また、ピークホールド回路52はトラッキ
ングエラー信号の負のピーク値をホールドする回路であ
る。この回路においては、入力されたトラッキングエラ
ー信号が負ピーク値よりも大きい時は、それまでの負の
ピーク値に前記補正値LEを加算して、その結果を改め
て負のピーク値とする。一方、入力されたトラッキング
エラー信号がそれまでの負のピーク値以下である時は、
その値を最新の負のピーク値とする。
【0166】このように、正のピークホールド回路51
と負のピークホールド回路52の双方において、非常に
小さな値LEを用いることにより、ノイズでトラッキン
グエラー信号が急に変化した場合でも、ノイズを除去し
て安定したピークホールドを行うことが可能となる。ま
た、前記補正値LEを大きくすると、ピークホールドの
追従性が良くなり、前記補正値LEを小さくすると、ピ
ークホールド値が安定する。この性質を利用して、ピー
クホールドの開始時には、前記補正値LEを大きくし、
その後に前記補正値LEを小さくすることによって、正
確なピークホールドを短時間で行うことが可能になる。
なお、前記補正値LEを可変にする方法は、例えばホー
ルドコンデンサに並列に接続されたリーク抵抗の値を変
化させれば良い。
【0167】前記ピークホールド回路51,52には、
それぞれLPF(Low Pass Filter)53,54が接続
されており、LPF53とLPF54は、互いに加算器
55及び加減算器56のそれぞれに接続されている。
【0168】以上のような構成より、正のピークホール
ド回路51及び負のピークホールド回路52の出力は、
それぞれ鋸歯状に変化する信号となり、このような信号
がLPF53とLPF54を通過するため、LPF53
の出力は図27(A)の上側の包絡線を描く波形、ま
た、LPF54の出力は図27(B)の下側の包絡線を
描く波形となる。そして、加算器55にて、これらの包
絡線を描く波形が加算され、その後に1/2倍されるた
め、適正なオフセットレベルが得られる。この適正なオ
フセットレベルはトラッキングサーボのクローズ時に加
算器57においてトラッキングエラー信号と加算される
ため、適切なオフセット補償が行われることになる。
【0169】一方、前記上側の包絡線を描く波形から前
記下側の包絡線を描く波形が加減算器56にて減算され
るので、トラッキングエラー信号のピークトゥピークの
平均値が得られる。このピークトゥピークの平均値は、
ゲインKが積算され、AGCアンプ58に供給される。
AGCアンプ58は、トラッキングエラー信号のピーク
トゥピーク値が前記ピークトゥピークの平均値よりも大
きい場合にはゲインを低下させ、平均値よりも小さい場
合にはゲインを増加させるので、トラッキングエラー信
号のゲインは常に一定となるように補償される。
【0170】このようにA.G.C.を用いてトラッキ
ングエラー信号のゲイン補償及びオフセット補償を行う
ことにより、レーザパワーやフォトディテクタの感度等
のばらつきによってゲインが変化する場合でも、ゲイン
調整用のボリュウムを設けることなく、ゲイン調整を自
動で行うことができる。また、ディスクの反射率等によ
ってディスクを変える毎に数dBのゲインのばらつきが
あるが、ディスクを変える毎に自動的にゲイン調整でき
る。その結果、トラッキングエラー信号に変動がある場
合であっても、変動を適切に相殺して、適切な線形変換
を行うことができるので、上述したような安定したトラ
ックジャンプ制御を行うことができる。
【0171】<変形例2>本変形例は本実施形態のトラ
ックジャンプ装置は、読み取り専用のDVD−ROM
と、読み書き可能なDVD−RAMとの何れのDVDの
再生も可能に構成された再生装置に用いられるものであ
る。
【0172】本変形例のトラックジャンプ装置の概略構
成を図28のブロック線図に示す。図28に示すよう
に、このトラックジャンプ装置は、トラッキングエラー
信号の種類毎の線形化変換用テーブルが記録されたRO
M等のテーブル部61,62と、変換テーブル選択部6
0を備えているところが、図1に示したトラックジャン
プ装置と異なる。このトラックジャンプ装置において
は、前記変換用テーブルが、トラッキングエラー信号の
種類に応じて変換テーブル選択部60により切り換えら
れる。なお、図1との共通箇所には同一符号を付して説
明を省略する。
【0173】図28においてテーブル部61に記録され
たDPD用の変換用テーブルは、DPD(Differential
Phase Detection)法により生成されたトラッキングエ
ラー信号を線形化変換する際に用いる変換用テーブルで
ある。DPD法とは、位相差法とも呼ばれ、4分割ディ
テクタに戻るメインビーム信号の対角の和の位相差によ
りトラッキングエラー信号を得る方法である。DPD法
により生成されるトラッキングエラー信号の一例を図2
9に実線で示す。図29に示すように、この場合のトラ
ッキングエラー信号は鋸波状の波形となる。この方法
は、トラックピッチや信号レベルによる影響が少なくD
VD再生に適している。現在ではDVD−ROMの再生
装置に用いられている。
【0174】一方、テーブル部62に記録されたPP用
の変換用テーブルは、PP(Push Pull:プッシュプ
ル)法により生成されたトラッキングエラー信号を線形
化変換する際に用いる変換用テーブルである。PP法
は、ディスクのランド部で反射回折された光を2分割デ
ィテクタの2つの受光部での出力差として取り出すこと
によりトラッキングエラー信号を得る方法である。PP
法により生成されるトラッキングエラー信号の一例を図
29に破線で示す。図29に示すように、この場合のト
ラッキングエラー信号は正弦波状の波形となる。DVD
−RAMはグルーブだけでなくランドにも情報の記録を
行うランドグルーブフォーマットを採用しており、グル
ーブトラックとランドトラックを識別する必要があるた
め、DVD−RAMの再生装置においては、グルーブの
形状からDPD信号の検出が困難であるため、PP法が
用いられている。
【0175】変換テーブル選択部60には、図示しない
DVD判別器から、再生対称のDVDがDVD−ROM
とDVD−RAMの何れであるかを示す判別情報が供給
される。また、変換テーブル選択部60は、当該判別情
報に基づいて、線形化変換器5において参照される変換
用テーブルを、テーブル部61に記録されたDPD用の
変換用テーブルと、テーブル部62に記録されたPP用
の変換用テーブルとの何れかから選択する。つまり、再
生対称のDVDがDVD−ROMである場合には、線形
化変換器5においてはDPD用の変換用テーブルが参照
され、また、再生対称のDVDがDVD−RAMである
場合には、PP用の変換用テーブルが参照される。
【0176】本変形例のトラックジャンプ装置は、以上
のような構成を備えているため、再生対称のDVDとし
てDVD−ROMとDVD−RAMとの何れが用いら
れ、図29に示すように著しく形状の異なる2種類のト
ラッキングエラー信号が生成される場合でも、それぞれ
のトラッキングエラー信号に対応した変換用テーブルを
用いてトラッキングエラー信号の線形化変換を行うこと
ができるので、常に適正なアクチュエータの位置に関す
るフィードバック制御が行われ、狭ピッチのディスクに
対してもある程度のジャンプ時間を確保しつつ、精度の
良い安定したシングルトラックジャンプを行うことがで
きる。
【0177】<変形例3>本変形例は線形化変換器5を
アナログ回路で構成した例である。本変形例における線
形化変換器の概略構成を図30のブロック線図に示す。
【0178】図30においてフォトディテクタ70は、
2分割または4分割された受光素子によりDVDからの
戻り光を受光し、戻り光の光量に応じた電気信号を出力
する。
【0179】戻り光量検出回路71は、フォトディテク
タ70の各受光素子からの電気信号出力の総和によりD
VDからの戻り光量を検出し、戻り光量に応じて図31
(E)に示すようなフォーカスサム信号をコンパレータ
72に出力する。
【0180】コンパレータ72には所定の閾値が供給さ
れており、フォーカスサム信号と所定の閾値とを比較
し、フォーカスサム信号が閾値よりも大である時にはロ
ーレベルの領域切換信号を出力し、フォーカスサム信号
が閾値よりも小である時にはハイレベルの領域切換信号
を出力する。その結果、コンパレータ72からは図31
(D)に示すようにローレベル〜ハイレベル〜ローレベ
ルと変化する領域切換信号が得られる。この領域切換信
号は後述するタイミング発生回路に供給される。
【0181】一方、トラッキングエラー信号検出回路7
3は、前記フォトディテクタ70の各受光素子の出力信
号に基づいて、図31(F)に示すようなトラッキング
エラー信号を出力する。
【0182】サンプルホールド回路74には前記トラッ
キングエラー信号検出回路73から出力されるトラッキ
ングエラー信号が供給され、後述する最大値ラッチ信号
がハイレベルになると、供給されたトラッキングエラー
信号の値をホールドする。また、最大値ラッチ信号がロ
ーレベルの時には供給されたトラッキングエラー信号を
そのまま出力する。
【0183】サンプルホールド回路75にも前記トラッ
キングエラー信号検出回路73から出力されるトラッキ
ングエラー信号が供給され、後述する最小値ラッチ信号
がハイレベルになると、供給されたトラッキングエラー
信号の値をホールドする。また、最小値ラッチ信号がロ
ーレベルの時には供給されたトラッキングエラー信号を
そのまま出力する。
【0184】前記サンプルホールド回路74の出力はそ
のまま選択回路78に供給されると共に、2倍されて加
算回路76に供給される。一方、サンプルホールド回路
75の出力は加減算回路72に減算入力として供給され
ると共に、−1/K倍されて加算回路76に供給され
る。加算回路76の出力は前記加減算回路77に加算入
力として供給されると共に前記選択回路78に供給され
る。更に、前記加減算回路77には、トラッキングエラ
ー信号検出回路73からの出力が直接的に供給され、前
記加減算回路77の出力は前記選択回路78に供給され
る。
【0185】選択回路78には、以上のように、サンプ
ルホールド回路74の出力と、加算回路76の出力と、
加減算回路77の出力とが供給されており、後述する最
大値ラッチ信号と最小値ラッチ信号が共にローレベルの
時にサンプルホールド回路74の出力を選択する。ま
た、最大値ラッチ信号がハイレベルになると、加算回路
76の出力を選択する。更に、最大値ラッチ信号と最小
値ラッチ信号の双方がハイレベルになると、加減算回路
77の出力を選択する。そして、選択した各出力を図3
1(G)に示すような線形化位置出力として後述する加
減算回路84に供給する。
【0186】ジャンプパルス発生回路79は、図31
(A)に示すように、加速パルスと減速パルスからなる
ジャンプパルスを出力する。加速パルスと減速パルスの
間には一定速度期間が設けられており、減速パルスはト
ラッキングサーボの引き込み直前の短時間に出力され
る。
【0187】タイミング発生回路81は、前記コンパレ
ータ72から供給される領域切換信号と、前記ジャンプ
パルス発生回路79から出力されるジャンプパルスに基
づいて、最大値ラッチ信号、最小値ラッチ信号、及びサ
ーボクローズ/オープン制御信号を出力する。具体的に
は、領域切換信号がローレベルで、減速パルスの終了と
共にサーボをクローズさせる制御信号を出力し、領域切
換信号がローレベルの時に加速パルスが出力されると、
サーボをオープンにする制御信号を出力する。また、領
域切換信号がローレベルからハイレベルに切り換ってか
ら、減速パルスが終了するまでの間、図31(B)に示
すように最大値ラッチ信号をローレベルからハイレベル
に切り換える。また、領域切換信号がハイレベルからロ
ーレベルに切り換ってから減速パルスが終了するまでの
間、図31(C)に示すように最小値ラッチ信号をロー
レベルからハイレベルに切り換える。そして、減速パル
スが終了した時には、最大値ラッチ信号及び最小値ラッ
チ信号を共にローレベルにすると共に、サーボをクロー
ズする制御信号を出力する。なお、最大値ラッチ信号は
上述したサンプルホールド回路74と選択回路78に供
給され、最小値ラッチ信号は上述したサンプルホールド
回路75と選択回路78に供給される。また、サーボク
ローズ/オープン制御信号は後述する選択回路85に供
給される。
【0188】アドレス発生回路80は、ジャンプパルス
発生回路79の出力に応じて、プロフィールを出力させ
るためのアドレスデータを出力する。具体的には、加速
パルスが出力されると、加速期間のプロフィールテーブ
ルのアドレスを出力する。また、加速パルスが終了する
と一定速度期間のプロフィールテーブルのアドレスを出
力する。更に減速パルスが出力されると、減速期間のプ
ロフィールテーブルのアドレスを出力する。
【0189】ROM82は、加速期間、一定速度期間、
及び減速期間のそれぞれのプロフィールテーブルが所定
のアドレスを先頭にして記憶されており、前記アドレス
発生回路から出力されるアドレスデータに基づいて、プ
ロフィールテーブルのデジタル値を順次出力する。
【0190】D/A変換回路83は、ROM82から出
力されるプロフィールテーブルのデジタル値をアナログ
値に変換する。その結果、D/A変換回路83からは図
30(H)に示すようなプロフィールが出力され、加減
算回路84に減算入力として供給される。
【0191】加減算回路84は、前記選択回路78から
出力される図31(G)に示すような線形化位置出力と
前記プロフィールとの比較を行い、その差分を位置偏差
として選択回路85に供給する。
【0192】選択回路85は、トラッキングエラー信号
検出回路73から出力されるトラッキングエラー信号自
体と、前記加減算回路84から出力される位置偏差の何
れかを、タイミング発生回路81から出力されるトラッ
キングサーボのクローズ/オープン制御信号に基づいて
選択し、位相補償回路86に出力する。タイミング発生
回路81からサーボをクローズする制御信号が出力され
ている場合には、トラッキングエラー信号自体を位相補
償回路86に供給し、トラッキングサーボ制御を行わせ
る。また、タイミング発生回路81からサーボをオープ
ンする制御信号が出力されている場合には、加減算回路
84から出力される位置偏差を位相補償回路86に供給
し、トラックジャンプ時におけるフィードバック制御を
行わせる。
【0193】位相補償回路86は、前記選択回路85か
ら供給されるトラッキングエラー信号または位相偏差を
ゼロに近付けるように、ドライバ87に対してドライブ
信号を出力する。
【0194】ドライバ87は、前記位相補償回路86か
ら供給されるドライブ信号に応じてアクチュエータ88
を移動させ、アクチュエータ88は目標のトラックに向
かってジャンプ移動し、あるいは目標のトラックに追従
するように制御される。
【0195】次に、以上のような構成の線形化変換器に
おける線形化変換処理について詳しく説明する。
【0196】まず、ジャンプパルス発生回路79から、
図31(A)に示すように加速パルスが出力されると、
アドレス発生回路80から加速期間のプロフィールテー
ブルのアドレスデータがスタートアドレスから順次出力
され、ROM82からは加速期間のプロフィールテーブ
ルのデジタル値が出力される。このデジタル値はD/A
変換回路83においてアナログ値に変換されて出力さ
れ、図31(H)に示すようなプロフィール出力が得ら
れる。プロフィール出力は加減算回路84に供給されて
線形化位置出力と比較されるが、ここでは未だ線形化位
置出力が得られていないので、プロフィール出力の分だ
けマイナスの位置偏差が位相補償回路86に供給され
る。その結果、位相補償回路86はアクチュエータ88
をジャンプの正方向へ移動させるべくドライブ信号をド
ライバ87に出力し、アクチュエータ88はジャンプを
開始する その結果、対物レンズのトラックに対する位置が変化す
るため、フォトディテクタ70の出力値も変換し、トラ
ッキングエラー信号検出回路73において、図31
(F)に示すようなトラッキングエラー信号が生成され
る。一方、戻り光量検出回路71においては、図31
(E)に示すようなフォーカスサム信号が得られ、コン
パレータ72に出力される。図31(E)から判るよう
に、この時のフォーカスサムは所定の閾値よりも大であ
るため、コンパレータ72からはローレベルの領域切換
信号がタイミング発生回路81に対して出力される。
【0197】タイミング発生回路81では、領域切換信
号がローレベルであり、加速パルスの出力期間であるた
め、最大値ラッチ信号と最小値ラッチ信号を共にローレ
ベルにする。
【0198】最大値ラッチ信号はサンプルホールド回路
74に供給されるがローレベルであるために、サンプル
ホールド回路74におけるホールドは行われず、トラッ
キングエラー信号自体がサンプルホールド回路74から
出力される。一方、最大値ラッチ信号と最小値ラッチ信
号は選択回路78に供給されており、選択回路78は、
これらのラッチ信号が共にローレベルなので、入力信号
としてサンプルホールド回路74の出力信号を選択し、
加減算回路84に出力する。その結果、選択回路78か
らはトラッキングエラー信号自体が出力され、図31
(G)に示すように線形化位置出力が得られる。そし
て、加減算回路84において、このようにして得られる
線形化位置出力と、プロフィールとが比較され、その差
分が位置偏差として選択回路85から位相補償回路86
に供給され、位相補償回路86はアクチュエータ88を
ジャンプの正方向に移動させるドライブ信号をドライバ
87に出力する。
【0199】以下、同様の処理が繰り返され、図31
(F)に示すようなトラッキングエラー信号、図31
(G)に示すような線形化位置出力、及び図31(H)
に示すようなプロフィールが得られる。トラックジャン
プの開始から所定時間が経過すると、加速パルスは図3
1(A)に示すように終了するが、最大値ラッチ信号及
び最小値ラッチ信号はローレベルのままであり、更に以
上のような処理が繰り返される。
【0200】しかし、アクチュエータ88の位置が領域
1と領域2の境界位置に到達し、領域2に移動して行く
と、戻り光量検出回路71から出力されるフォーカスサ
ムは図31(E)に示すうに閾値よりも小となり、コン
パレータ72から出力される領域切換信号は図31
(D)に示すようにローレベルからハイレベルに切り換
わる。また、この領域切換信号の変化によって、タイミ
ング発生回路81から出力される最大値ラッチ信号がロ
ーレベルからハイレベルに切り換えられ、サンプルホー
ルド回路74に出力される。従って、サンプルホールド
回路74は、図31(F)に示すようにトラッキングエ
ラー信号の正の最大値TEmaxをホールド出力する。
このサンプルホールド回路74の出力は、2倍され、加
算回路76に供給される。一方、最小値ラッチ信号はロ
ーレベルのままなので、サンプルホールド回路75から
はトラッキングエラー信号自体が出力され、−1/K倍
されて加算回路76に供給される。従って、加算回路7
6の出力は、トラッキングエラー信号の値をTEとする
と、 2|TEmax|−(1/K)|TE| …(15) となる。そして、最大値ラッチ信号がハイレベルになる
と、選択回路78は入力信号として加算回路76の出力
を選択するので、前記(15)式の結果が線形化位置出
力として加減算器84に供給される。つまり、この時の
線形化位置支出力は、トラッキングエラー信号の正の最
大値TEmaxの2倍の値から、トラッキングエラー信
号を(1/K)倍した値を減算することになるので、図
31(G)に示すように領域2において直線近似可能な
軌跡を描いて増大する。
【0201】加速パルスの終了後においては、ジャンプ
パルスは一定速度期間としてパルスを出力しないので、
これに対応してD/A変換器83からは、図31(H)
に示すように一定の傾きを持った直線のプロフィールが
得られる。従って、このような直線状のプロフィールと
上述のように直線近似可能な軌跡を描いて増大する線形
化位置出力の位置偏差に基づいてフィードバック制御が
行われるので、外乱が生じた場合でもプロフィールに沿
うようにアクチュエータ88を移動させることができ
る。
【0202】次に、アクチュエータ88が領域2と領域
3の境界位置に至り、領域3へと移動していくと、図3
1(E)に示すように、フォーカスサムは閾値よりも大
となる。その結果、コンパレータ72から出力される領
域切換信号は、図31(D)に示すようにハイレベルか
らローレベルに切り換わり、タイミング発生回路81は
最小値ラッチ信号を図31(C)に示すようにローレベ
ルからハイレベルに切り換える。このハイレベルの最小
値ラッチ信号はサンプルホールド回路75に供給され、
サンプルホールド回路75は図31(F)に示すトラッ
キングエラー信号の負の最大値TEminをホールド出
力する。その結果、加算回路76の出力は、 2|TEmax|−(1/K)|TEmin| … (16) となる。そして、ハイレベルの最小値ラッチ信号は選択
回路78にも供給され、選択回路78は入力信号として
加減算回路77の出力を選択する。加減算回路77に
は、加算回路76の出力である前記(16)式の結果
と、トラッキングエラー信号自体とが加算入力として供
給され、前記トラッキングエラー信号の負の最大値TE
minが減算入力として供給される。従って、加減算回
路77の出力は、トラッキングエラー信号の値をTEと
すると、 2|TEmax|−(1+1/K)|TEmin|+|TE| …(17) となる。TEmaxの値は正、TEminの値は負であ
り、また領域3においては、トラッキングエラー信号の
値は負である。従って、TEmaxの値とTEminの
値が略等しいとすると、前記(17)式は、 {3+(1/K)}TEmax−TE …(18) となる。つまり、TEmaxの{3+(1/K)}倍の
値からトラッキングエラー信号を減算していくことにな
るため、線形化位置出力は図31(G)に示すように徐
々に増加を続ける軌跡を描く。また、領域3において
は、途中から図31(A)に示すように減速パルスが出
力されるため、トラッキングエラー信号は図31(F)
に示すように適正な時間をかけて目標値に達する。そし
て、減速パルスするが終了すると、タイミング発生回路
81からサーボをクローズする制御信号が選択回路85
に出力され、選択回路85はトラッキングエラー信号自
体を偏差として位相補償回路86に供給する。その結
果、トラッキングサーボループが形成されトラッキング
サーボの引き込みが行われる。
【0203】以上のように、アナログ回路を用いた場合
でも線形化変換器を構成することができ、トラッキング
エラー信号の線形化変換を適切に行うことができるの
で、常に適正なアクチュエータの位置に関するフィード
バック制御が行われ、狭ピッチのディスクに対してもあ
る程度のジャンプ時間を確保しつつ、精度の良い安定し
たシングルトラックジャンプを行うことができる。
【0204】(第2の実施形態)次に、本発明の第2の
実施形態を添付図面の図32及び図33に基づいて説明
する。なお、第1の実施形態との共通箇所には同一符号
を付して説明を省略する。
【0205】第1の実施形態においては、トラッキング
エラー信号を線形化変換した後に、線形領域を有するプ
ロフィールと比較する構成としたが、本実施形態のトラ
ックジャンプ装置は、トラッキングエラー信号の線形化
変換を行わず、位置検出器から得られるトラッキングエ
ラー信号をそのまま用いる。従って、フィードバックの
目標値は、第1の実施形態のようにフィードフォワード
制御に用いられるプロフィールではなく、正弦波または
鋸波状のトラッキングエラー信号と等しいリファレンス
信号を用いる。
【0206】一方、フィードフォワード補償器2には、
第1の実施形態と同様にアクチュエータ1が徐々に移動
する加速期間と、加速期間後にアクチュエータが一定速
度で移動する一定速度期間と、一定速度期間後にアクチ
ュエータが徐々に減速するプロフィールを目標値として
供給する。従って、フィードフォワード補償器2から
は、加速パルスを出力した後の一定期間はパルスを出力
せず、サーボ引き込みの直前である一定期間後に減速パ
ルスを出力するフィードフォワード出力が得られる。
【0207】図32のブロック線図に本実施形態におけ
るトラックジャンプ装置の概略構成を示す。なお、図1
との共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0208】図32に示すように、本実施形態のトラッ
クジャンプ装置においては、位置検出器4から出力され
るトラッキングエラー信号が、線形化変換されることな
く、直接的に目標値と比較される。
【0209】極性切換器7は、目標値であるリファレン
ス信号と、トラッキングエラー信号との比較の結果得ら
れる位置偏差の極性を領域毎に切り換える手段である。
この極性切換器7の出力はゲインコントローラ8に供給
される。
【0210】ゲインコントローラ8は、前記極性切換器
7によって極性が切り換えられた位置偏差のゲインを領
域毎かつトラッキングエラーのレベルに応じて調整する
手段であり、このゲインコントローラ8の出力が位置偏
差として安定化補償器6に供給される。
【0211】図33に目標値となるリファレンス信号
と、前記プロフィールの一定速度よりも速い速度でアク
チュエータ1が移動した際に得られるトラッキングエラ
ー信号と、前記プロフィールの一定速度よりも遅い速度
でアクチュエータ1が移動した際に得られるトラッキン
グエラー信号とを示す。
【0212】図33において、前記速い速度または遅い
速度で移動した場合のトラッキングエラー信号とリファ
レンス信号とを比較すると、偏差の極性が、領域1及び
領域3と、領域2とでは逆になっていることが判る。そ
こで、本実施形態の極性切換器7では、領域2の時に得
られ偏差の極性を反転させ、偏差の極性を揃えている。
【0213】また、各領域の境界位置付近では、リファ
レンス信号及びトラッキングエラー信号共に変化率が減
少するため偏差のゲインが低下する。そこで、本実施形
態のゲインコントローラ8では、領域が切り換えられて
から所定期間は偏差のゲインを増加させる。また、トラ
ッキングエラーのレベルによってゲインを変化させるよ
うに構成しても良い。
【0214】以上のように構成することにより、制御量
としてのトラッキングエラー信号と、目標値としてのリ
ファレンス信号が、共に非線形な信号であっても、各領
域毎に見れば互いの信号が線形に近似できるため、見掛
け上の周波数帯域を低下させることができ、トラックジ
ャンプ中におけるフィードバック制御を行うことができ
る。
【0215】従って、常に適正なアクチュエータの位置
に関するフィードバック制御が行われ、狭ピッチのディ
スクに対してもある程度のジャンプ時間を確保しつつ、
精度の良い安定したシングルトラックジャンプを行うこ
とができる。
【0216】なお、本実施形態においても第1の実施形
態と同様に、ピーク検出またはフォーカスサムを用いる
方法で領域の切り換えを行うことができる。
【0217】また、本実施形態はトラッキングエラー信
号を用いてフィードバック制御を行う点については第1
の実施形態と同様であり、第1の実施形態と同様に、位
置検出器4の後方にゲイン/オフセットコントローラを
設けてトラッキングエラー信号の変動を抑えるようにし
ても良い。
【0218】また、本実施形態のトラックジャンプ装置
を、読み取り専用のDVD−ROMと、読み書き可能な
DVD−RAMとの何れのDVDの再生も可能に構成さ
れた再生装置に用いる場合には、リファレンス信号をD
PD法によるトラッキングエラー信号とPP法によるト
ラッキングエラー信号の何れの波形の信号でも出力でき
るように構成し、再生対象のDVDに応じてリファレン
ス信号を選択するようにすれば良い。具体的には、再生
対象がDVD−ROMである場合には、DPD法による
トラッキングエラー信号をリファレンス信号として選択
し、再生対象がDVD−RAMである場合には、PP法
によるトラッキングエラー信号をリファレンス信号とし
て選択する。
【0219】(第3の実施形態)次に、本発明の第3の
実施形態を添付図面の図34乃至図40に基づいて説明
する。本実施形態は、上述した第1及び第2の実施形態
とは異なり、マルチトラックジャンプを行う装置に本発
明を適用したものである。
【0220】図34において、アクチュエータ1は、フ
ィードフォワード補償器2からのフィードフォワード出
力または安定化補償器6から出力されるドライブ信号に
基づいて、光ピックアップの対物レンズをDVDのラジ
アル方向に移動させる手段であり、第1の実施形態と同
様にアクチュエータ1の固有振動周波数を超えたところ
にあるトラックジャンプの帯域では、−40dB/de
cの傾斜を有する周波数特性を示す。
【0221】フィードフォワード補償器2は、前記アク
チュエータ1の挙動を目標値に一致させるように、操作
量としてのフィードフォワード出力を供給する手段であ
り、第1の実施形態と同様にフィードフォワード補償器
2の伝達関数Gfは、アクチュエータ1の伝達関数の逆
関数とすれば良く、2階の微分器の特性として近似可能
な特性を有している。
【0222】リファレンス位置発生器100は、前記目
標値を出力する手段であり、一例として図35(E)に
示すようなプロフィールをフィードフォワード制御の目
標値として出力すると共に、このプロフィールをフィー
ドバック制御の目標値として出力する。この目標値の与
え方は、シングルトラックジャンプを行った第1の実施
形態とは異なり、マルチトラックジャンプにおいて特徴
的な点である。マルチトラックジャンプにおいては、ジ
ャンプ開始直後の1トラックまたは数トラック、終了直
前の1トラックまたは数トラック、及びその間のトラッ
クにおいて異なる目標値を与える。
【0223】例えば、加速・減速期間が短く1トラック
以内の場合におけるジャンプ開始直後の1トラックに対
する目標値のうち、図35(E)に丸印E1で示す領域
の目標値を拡大して図36(A)に示す。図36(A)
に示すように、開始直後の1トラックに対しては、加速
期間において2次関数的に立ち上がり、その後一定の傾
きで増加する目標値を用いる。また、ジャンプ開始から
加速期間までの間に検出系及び駆動系の遅れを考慮した
期間を設ける。多くの場合マルチトラックジャンプにお
いてはシングルトラックジャンプに比較して加速量が大
きくなるため、検出系及び駆動系の遅れを考慮すること
によって精度の高いトラックジャンプ制御を行うことが
できる。
【0224】また、ジャンプ終了直前の1トラックに対
する目標値のうち、図35(E)に丸印E2で示す領域
の目標値を拡大して図36(B)に示す。図36(B)
に示すように、終了直前の1トラックに対しては、減速
期間において2次関数的に一定値に収束するような目標
値を用いる。また、減速期間の終了からトラッキングサ
ーボの引き込み開始までの間に検出系及び駆動系の遅れ
を考慮した期間を設ける。従って、ジャンプ開始直後と
同様に、シングルトラックジャンプに比較して加速量が
大きいマルチトラックジャンプにおいても、精度の高い
トラックジャンプ制御を行うことができる。
【0225】但し、加速・減速区間は短時間であるた
め、ジャンプ開始直後の1トラック、及びジャンプ終了
直前の1トラックに対しても、直線で近似した目標値を
用いても良い。
【0226】一方、他のトラックに対しては、全ての期
間で一定の傾きをもって増加する目標値とする。図35
(E)の場合では、2番目のトラックから3番目のトラ
ックに至るまで、また3番目のトラックから4番目のト
ラックに至るまでが2次関数的な増減期間を持たない一
定の傾きの一次関数となっている。
【0227】また、目標値は各トラックを横切る度にオ
ントラックの開始位置でリセットする。マルチトラック
ジャンプを行った場合には、ジャンプ中のビーム位置
は、図35(D)に示すようにジャンプするトラック数
の増加に応じて増大していく。しかし、トラッキングエ
ラー信号は図35(A)に示すように、各トラック毎に
目標値であるゼロを中心に変位する信号であるから、各
トラックのオントラック開始位置に到達する度に目標値
をゼロにリセットする。図35(E)における丸印E3
の部分を図36(C)に拡大して示す。
【0228】本実施形態においては、このようにオント
ラックの開始位置で目標値をリセットする必要があるた
め、図34に示すように位置検出器4からのトラッキン
グエラー信号をリファレンス位置検出器100に供給し
ている。
【0229】以上のような目標値をフィードフォワード
補償器2に供給すると、2階微分器として近似できるフ
ィードフォワード補償器2からは、図35(B)に示す
ように、シングルトラックジャンプの場合と同様な加速
パルスが出力された後に、パルス出力が一定期間行われ
ず、一定期間後のサーボ引き込み直前においてシングル
トラックジャンプの場合と同様な減速パルスが出力され
るというフィードフォワード出力が得られる。
【0230】このようなフィードフォワード出力による
アクチュエータ1は図35(B)に示すように、最初は
一定の割合で増加し、その後は速度一定となり、終了直
前に一定の割合で減少するという速度変化を示し、ビー
ムの位置は図35(D)に示すようにトラック数の増大
と共に位置が増加することになる。
【0231】位置検出器4は、第1の実施形態と同様
に、アクチュエータ1の移動により変化する位置の情報
としての位置出力を、実際の信号の変化として検出する
手段であり、マルチトラックジャンプを行うと、図35
(A)に示すようなトラッキングエラー信号が得られ
る。
【0232】線形化変換器101は、図1に示す第1の
実施形態における線形化変換器5に相当するものであ
り、前記位置検出器4から出力されるトラッキングエラ
ー信号を線形化変換する手段である。第1の実施形態と
同様に、DSPを用いて図6に示すようなテーブルを参
照しながら変換器出力を行う。但し、マルチトラックジ
ャンプを行う本実施形態のトラックジャンプ装置におい
ては、各トラックのオントラック位置にて線形化位置出
力をリセットする。具体的には、領域3用の変換テーブ
ルを用いた線形化変換処理中に、オントラック位置を検
出した場合には、再び領域1用の変換テーブルを用いて
線形化変換処理を行う。これは、目標値を各トラックの
オントラック位置でリセットするように構成したことに
対応させたものである。このような線形化変換器101
を用いると、図35(A)に示すトラッキングエラー信
号に対して、図35(F)に示す線形化位置出力が得ら
れる。
【0233】なお、領域の切り換え方法は、第1の実施
形態と同様に、トラッキングエラー信号のピーク値を基
準として切り換える方法と、戻り光量の総和であるフォ
ーカスサムの閾値を基準として切り換える方法を用いれ
ば良い。
【0234】安定化補償器6は、以上に説明した線形化
変換器101から出力される線形化位置出力と、リファ
レンス位置発生器100から出力される目標値との比較
の結果得られる位置偏差を減少させるように、制御対象
としてのアクチュエータ1にドライブ信号を出力する手
段である。
【0235】図35(G)にアクチュエータ1に対して
出力されるドライブ信号の例を示す。図35(G)から
判るように、マルチトラックジャンプを行う場合でも、
加速期間と減速期間の間の一定速度期間においてフィー
ドバック制御が行われており、高い精度で目標のトラッ
ク位置までジャンプさせることができる。従って、ジャ
ンプ後も乱れが少なくトラッキングサーボの収束を速く
することができる。
【0236】なお、本実施形態においても第1の実施形
態と同様に、トラックジャンプ時とトラッキングサーボ
時で同じ安定化補償器6を用いることができる。但し、
トラックジャンプは瞬間的に動作が終了してしまうた
め、補償の目的がトラッキングサーボとは多少異なる。
従って、トラックジャンプ時とトラッキングサーボ時で
安定化補償器の特性を変化させていも良い。また、安定
化補償器の特性をトラックジャンプ時からトラッキング
サーボ時にかけて徐々に変化させても良い。例えば、定
常特性については、トラッキングサーボでは定常偏差抑
圧のために低域のゲインを大きくとるが、この帯域はト
ラックジャンプの帯域外であるため、トラックジャンプ
では低域のゲインを抑えて高域の位相余裕をとるように
すれば良い。また、トラックジャンプの性能の評価とな
るものは過渡応答であり、一方通常のトラッキングサー
ボでは定常応答であるから、トラックジャンプでは速応
性を重視し、通常のトラッキングサーボでは安定性を重
視した安定化補償器とすれば良い。更に、本実施形態の
トラックジャンプ期間中にフィードバックされる位置情
報は、非線形なトラッキングエラー信号から推定された
もので、推定誤差から生じる外乱を、特に、領域の切り
換え時に含んでいる。従って、トラックジャンプ時には
外乱除去のフィルターを安定化補償器に付加したり、フ
ィードバックのゲインを低くするようにしても良い。
【0237】<変形例1>上述した説明では、目標値を
各トラックのオントラック開始位置でリセットしたが、
図37(B)に示すように半トラック毎に目標値のリセ
ットを行うように構成しても良い。つまり、図37
(A)のトラッキングエラー信号の各ゼロクロス位置で
目標値をリセットするのである。このように構成するこ
とにより、アクチュエータ1の移動距離に対するフィー
ドバック制御の分解能が高くなり、より一層高精度のト
ラックジャンプ制御を行うことができる。但し、この場
合には、線形化変換器101においては、半トラック毎
にリセットされる変換テーブルを用いる必要がある。
【0238】また、図37(F)に示すように、数トラ
ック毎に目標値をリセットするようにしても良い。、図
37(F)においては、2トラック毎に目標値をリセッ
トしている。このように構成すれば、リファレンス位置
のダイナミックレンジを広く取ることができ、目標トラ
ックへの到達速度をより向上させることができる。この
場合においても、線形化変換器101において数トラッ
ク毎にリセットされる変換テーブルを用いる必要があ
る。
【0239】また、図37(B)、図37(D)、及び
図37(F)は、順にリファレンス位置のダイナミック
レンジを増加させたものであるが、これらの図からも明
らかなように、リファレンス位置のダイナミックレンジ
を広げる程、アクチュエータ1の移動距離に対するフィ
ードバック制御の分解能が低くなり、精度の良い制御が
困難になる。分解能が低下した場合に精度の良い制御を
行うには、目標値を構成するデータ量を増加させること
が考えられるが、DSPのRAMのダイナミックレンジ
には制限があり、実現は不可能である。従って、目標値
及び線形化位置出力をリセットするトラック数は、分解
能とDSPのRAMのダイナミックレンジとを考慮して
適宜の値に設定すべきである。
【0240】また、ジャンプするトラック数に応じて、
異なるリファレンス位置を用いるようにしても良い。つ
まり、トラック数が少ない場合には、分解能が高いリフ
ァレンス位置を用い、トラック数が多い場合には、目標
トラックに近づくまで分解能の低いリファレンス位置を
用い、目標トラックに近づいた時に分解能の高いリファ
レンス位置を用いるようにすれば良い。
【0241】<変形例2>図38は、本変形例における
トラックジャンプ装置の概略構成を示すブロック線図で
ある。図38において図34に示すトラックジャンプ装
置との共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0242】このトラックジャンプ装置は、図38に示
すように、切換器102を備えており、該切換器102
は、安定化補償器6に接続されている。切換器102
は、安定化補償器6とアクチュエータ1との接続状態を
オープン状態とクローズ状態に切り換える手段であり、
後述するタイミング発生器105から出力される切換信
号がローレベルの時に前記接続状態をオープン状態に、
また、前記切換信号がハイレベルの時に前記接続状態を
クローズ状態に切り換える。
【0243】また、ゼロクロス検出器103、トラック
数測定器104、及びタイミング発生器105を備えて
いる点も図34に示すトラックジャンプ装置との相違点
である。
【0244】ゼロクロス検出器103は、コンパレータ
を備え、位置検出器4から出力されるトラッキングエラ
ー信号のゼロクロスを検出したタイミングで、ローレベ
ルからハイレベルに立ち上がるパルス信号、あるいはハ
イレベルからローレベルに立ち下がるパルス信号を出力
する。
【0245】トラック数測定器104は、カウンタから
構成され、前記ゼロクロス検出器103から出力される
パルス信号のうち、ローレベルからハイレベルに立ち上
がるパルス信号の数を計測することにより、ジャンプし
たトラック数を測定する。
【0246】タイミング発生器105は、前記トラック
数測定器104から出力されるトラック数データをモニ
ターし、当該トラック数が予め定められた所定のトラッ
ク数に達した時に、切換信号をローレベルからハイレベ
ルに立ち上げる。
【0247】また、リファレンス位置発生器100は、
図39(E)に示すようなプロフィールをフィードフォ
ワード補償器2及び安定化補償器6に対して出力する。
図39(E)に示すプロフィールは、トラックジャンプ
の開始直後に目標トラックの半分程度までジャンプさせ
るのに充分な加速期間を有し、加速期間の終了後に加速
期間より若干短い第1減速期間を有する。更に、第1減
速期間の後には、トラックジャンプ期間中で最も長い一
定速度期間を有し、最後に第1減速期間に比べて非常に
短い第2減速期間を有している。
【0248】本変形例のトラックジャンプ装置は、以上
のような構成により、リファレンス位置を目標値とした
フィードバック制御によるトラックジャンプ(以下、リ
ファレンスジャンプとする)を、トラックジャンプの全
期間において行うのではなく、トラックジャンプの終了
直前の所定数トラックに対してのみリファレンスジャン
プを行うものである。
【0249】以下、このトラックジャンプ装置における
トラックジャンプ制御について説明する。
【0250】まず、リファレンス位置発生器100から
図39(E)に示すようなプロフィールが出力され、フ
ィードフォワード補償器2に供給されると、図39
(B)に示すようにパルス幅の大きな加速パルスと減速
パルスが連続したフィードフォワード出力がフィードフ
ォワード補償器2からアクチュエータ1に供給される。
これにより、アクチュエータ1は、図39(D)に示す
よう急激に移動し、目標トラックの数トラック前の位置
まで到達する。
【0251】なお、トラックジャンプの開始と共に、位
置検出器4からは図39(A)に示すようなトラッキン
グエラー信号が得られ、ゼロクロス検出器103からは
当該トラッキングエラー信号のゼロクロスが検出され
て、ローレベルからハイレベルに立ち上がるパルス信号
及びハイレベルからローレベルに立ち下がるパルス信号
が出力される。トラック数測定器104は、これらのパ
ルス信号のうち、ローレベルからハイレベルに立ち上が
るパルス信号を計数し、トラックジャンプ開始からのジ
ャンプしたトラック数を測定している。そして、このト
ラック数はタイミング発生器105にてモニターされて
おり、第1減速期間の終了時点ではリファレンスジャン
プを開始する基準トラック数に達していないため、タイ
ミング発生器105から出力される切換信号は、ローレ
ベルのままである。従って、加速期間及び第1減速期間
中において切換器102は安定化補償器6とアクチュエ
ータ1の接続状態をオープン状態にしており、リファレ
ンスジャンプは行われない。
【0252】次に、第1減速期間が終了し、一定速度期
間のプロフィールがリファレンス位置発生器100から
フィードフォワード補償器2に供給されると、図39
(B)に示すようにフィードフォワード出力はゼロレベ
ルとなり、アクチュエータ1は一定速度で移動すること
になる。
【0253】この間にも前記タイミング発生器105に
おいて、ジャンプしたトラック数のモニタは継続されて
おり、当該トラック数が前記基準トラック数に達した時
には、タイミング発生器105からの切換信号がローレ
ベルからハイレベルに変化する。これにより、安定化補
償器6とアクチュエータ1の接続状態は切換器102に
よってクローズ状態に切り換えられ、リファレンスジャ
ンプが開始される。
【0254】つまり、線形化変換器101によってトラ
ッキングエラー信号が線形化変換され、1トラック毎に
リセットされた鋸歯状の線形化位置出力が得られるの
で、この線形化位置出力と、図39(E)に示すような
リファレンス位置との位置偏差が求められ、安定化補償
器6においてこの位置偏差を抑えようにアクチュエータ
1のドライブ信号が制御される。
【0255】その結果、トラックジャンプの後半におい
ては、外乱の影響を抑えつつ高い精度でトラックジャン
プが行われることになる。
【0256】そして、一定速度期間が終了した後は、図
39(E)に示すように短い第2減速期間のプロフィー
ルがフィードフォワード補償器2に供給され、フィード
フォワード補償器2からは図39(B)に示すような短
いパルス幅の減速パルスがアクチュエータ1に出力され
る。これにより、トラックジャンプは終了し、トラッキ
ングサーボがクローズされることになるが、上述したよ
うにトラックジャンプの後半は高精度でトラックに追従
したジャンプが行われているため、狭ピッチのDVDに
おいてもトラッキングサーボの引き込みが短時間で終了
することになる。
【0257】以上のように、本変形例のトラックジャン
プ装置によれば、トラックジャンプの全期間における殆
どをフィードバックサーボがオープンされた状態でフィ
ードフォワード制御を行うので、ジャンプ時間を短縮す
ることができ、かつ、残りの期間はフィードバックサー
ボがクローズされた状態でリファレンスジャンプが行わ
れるため、現在のトラックから所定数離れた目標トラッ
クまでアクチュエータを精度良くジャンプさせることが
できる。
【0258】<変形例3>次に、アクチュエータの速度
を徐々に低下させる例について説明する。本変形例は図
34に示すトラックジャンプ装置により実現可能であ
る。
【0259】アクチュエータの速度を徐々に低下させる
には、リファレンス位置発生器100から、図40
(E)に示すようなプロフィールをフィードフォワード
補償器2及び安定化補償器6に供給すれば良い。
【0260】図40(E)に示すようなプロフィールを
フィードフォワード補償器2に供給すると、図40
(B)に示すように、トラックジャンプの開始直後に加
速パルスが出力され、その後3回の一定速度期間が設け
られて、それぞれの一定速度期間の後に減速パルスが出
力されるというフィードフォワード出力が得られる。
【0261】それぞれの一定速度期間における速度は、
図40(C)に示すように徐々に低下するように設定さ
れており、アクチュエータ1は図40(D)に示すよう
に段階的に移動距離が短くなり、目標のトラック位置に
達する。
【0262】また、リファレンス位置発生器100にお
ける目標値のリセットは、トラックジャンプの開始から
2回の一定速度期間までは2トラック毎とし、最後の3
回目の一定速度期間においては1トラック毎とする。
【0263】このような構成とすることにより、トラッ
クジャンプの全期間に亘ってリファレンスジャンプを行
う行う場合であっても、ジャンプの開始から速い速度で
アクチュエータを移動させるのでジャンプ時間を短縮さ
せることができ、かつ、ジャンプの終了に近付くにつれ
て速度を低下させるので、精度の良いトラックジャンプ
を可能にする。
【0264】なお、本変形例では、速度を3段階に切り
換えたが、本発明はこれに限定されるものではなく、更
に複数段階に切り換えるようにしても良い。
【0265】(第4の実施形態)次に、本発明の第4の
実施形態を添付図面の図41乃至図48に基づいて説明
する。
【0266】図41は本実施形態におけるトラックジャ
ンプ装置の概略構成を示すブロック線図である。なお、
図41において、第1の実施形態及び第3の実施形態と
の共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0267】[1]トラックジャンプ装置の構成要素 図41に示すように、本実施形態のトラックジャンプ装
置は、二つの安定化補償器を選択する選択器106と、
トラッキングエラー信号のゼロクロスの周波数を一定に
制御する周波数制御用の安定化補償器107と、位置/
速度変換器108と、ゼロクロス検出器109と、ゼロ
クロス間隔測定器110と、トラック数測定器112
と、タイミング発生器113とを備えたところが第1の
実施形態のトラックジャンプ装置と異なる。
【0268】また、ゼロクロス検出器109と、ゼロク
ロス間隔測定器110と、位置/速度変換器108と、
安定化補償器107と、選択器106とにより周波数サ
ーボループが形成される点が第3の実施形態のトラック
ジャンプ装置と異なっている。
【0269】選択器106は、リファレンスジャンプ用
の安定化補償器6と、周波数制御用の安定化補償器10
7に接続され、後述するタイミング発生器113から出
力される切換信号がローレベルの時に安定化補償器10
7を選択し、当該切換信号がハイレベルの時に安定化補
償器6を選択する。
【0270】ゼロクロス検出器109は、コンパレータ
を備え、位置検出器4から出力されるトラッキングエラ
ー信号のゼロクロスを検出したタイミングで、ローレベ
ルからハイレベルに立ち上がるパルス信号、あるいはハ
イレベルからローレベルに立ち下がるパルス信号を出力
する。
【0271】ゼロクロス間隔測定器110は、カウンタ
から構成され、ゼロクロス検出器109から出力される
パルス信号の間隔を計測して、トラッキングエラー信号
のゼロクロス周期を測定している。
【0272】位置/速度変換器108は、1階の微分器
から構成されており、リファレンス位置発生器100か
ら出力されるリファレンス位置を目標速度に変換する。
前記ゼロクロス間隔測定器110から出力されるゼロク
ロス周期は、速度情報として前記目標速度と比較され、
比較の結果として得られる速度偏差は安定化補償器10
7に出力される。なお、本実施形態における目標速度に
は一定速度を用いているのでゲイン変動が少ないが、目
標速度が大きく変動する場合にはゲイン変動が大きいた
め、ゼロクロス間隔測定器110の出力をそのまま用い
るのは好ましくない。ゲイン変動が大きい場合には、図
41に示すようにゼロクロス間隔測定器110に周期/
周波数変換器111を接続し、ゼロクロス間隔測定器1
10の出力の逆数変換やゲイン調整を行うようにすれば
良い。
【0273】安定化補償器107は、前記速度偏差をゼ
ロとするように、アクチュエータ1に対してドライブ信
号を出力する。従って、前記選択器106により安定化
補償器107が選択され、周波数サーボループが形成さ
れると、トラッキングエラー信号のゼロクロス周波数が
一定となるようにアクチュエータ1の速度制御が行われ
る。本実施形態では、ゼロクロス周波数は10KHz〜
20KHzとなるように制御される。
【0274】トラック数測定器112は、カウンタから
構成され、前記ゼロクロス検出器109から出力される
パルス信号のうち、ローレベルからハイレベルに立ち上
がるパルス信号の数を計測することにより、ジャンプし
たトラック数を測定する。
【0275】タイミング発生器113は、前記トラック
数測定器112から出力されるトラック数データをモニ
ターし、当該トラック数が予め定められた所定のトラッ
ク数に達した時に、切換信号をローレベルからハイレベ
ルに立ち上げる。
【0276】また、リファレンス位置発生器100は、
図42(F)に示すようなプロフィールをフィードフォ
ワード補償器2及び安定化補償器6並びに安定化補償器
107に対して出力する。図42(F)に示すプロフィ
ールは、トラックジャンプの開始直後に数トラック分の
ジャンプを行わせる加速期間を有し、加速期間の終了後
に第1定速度期間を有する。更に第1定速度期間の後に
は加速期間より若干短い第1減速期間を有する。そし
て、第1減速期間の後に、第1定速期間よりも低い速度
の第2定速度期間を有し、最後に第1減速期間に比べて
非常に短い第2減速期間を有している。また、第2定速
度期間においてはリファレンス位置は1トラック毎にリ
セットされる。
【0277】[2]トラックジャンプ制御 本実施形態のトラックジャンプ装置は、以上のような構
成により、周波数制御を併用したリファレンスジャンプ
を行うものである。以下、このトラックジャンプ装置に
おけるトラックジャンプ制御について説明する。
【0278】まず、リファレンス位置発生器100から
図42(F)に示すようなプロフィールが出力され、フ
ィードフォワード補償器2に供給されると、図42
(C)に示すように加速パルスがフィードフォワード出
力としてフィードフォワード補償器2からアクチュエー
タ1に供給される。これにより、アクチュエータ1は、
図42(E)に示すよう徐々に移動を開始し、位置検出
器4からは図42(B)に示すようなトラッキングエラ
ー信号が得られる。また、ゼロクロス検出器109から
は当該トラッキングエラー信号のゼロクロスが検出され
て、ローレベルからハイレベルに立ち上がるパルス信号
及びハイレベルからローレベルに立ち下がるパルス信号
が出力される。トラック数測定器104は、これらのパ
ルス信号のうち、ローレベルからハイレベルに立ち上が
るパルス信号を計数し、トラックジャンプ開始からのジ
ャンプしたトラック数を測定している。そして、このト
ラック数はタイミング発生器105にてモニターされて
おり、加速期間の終了時点では周波数制御を開始する基
準トラック数、及びリファレンスジャンプを開始する基
準トラック数に達していないため、タイミング発生器1
13から出力される切換信号は、第1切換信号及び第2
切換信号共にローレベルのままである。従って、選択器
106により安定化補償器107が選択されることにな
るが、第1切換信号がローレベルであるため、ゼロクロ
ス間隔測定器110は停止状態のままであり、加速期間
期間中においては周波数制御が行われない。
【0279】次に、加速期間が終了すると、第1定速度
期間のプロフィールがリファレンス位置発生器100か
らフィードフォワード補償器2に供給され、図42
(C)に示すようにフィードフォワード出力はゼロレベ
ルとなり、アクチュエータ1は一定速度で移動すること
になる。
【0280】この間にも前記タイミング発生器113に
おいて、ジャンプしたトラック数のモニタは継続されて
おり、当該トラック数が前記周波数制御を開始する基準
トラック数に達した時には、タイミング発生器113か
らの第1切換信号がローレベルからハイレベルに変化す
る。これにより、ゼロクロス間隔測定器110の測定動
作が開始され、周波数サーボループが形成されることに
なる。
【0281】つまり、ゼロクロス間隔測定器110から
得られるゼロクロス周期は、位置/速度変換器108か
ら得られる目標速度(図42(D)に示す速度1)と比
較されて速度偏差が求められ、安定化補償器107にお
いてこの速度偏差をゼロとするようにアクチュエータ1
のドライブ信号が制御される。
【0282】その結果、図42(B)における丸印B1
の拡大図である図42(A)に示すように、トラッキン
グエラー信号のゼロクロス周波数が10kHz〜20k
Hz程度に一定となるようにアクチュエータ1の速度制
御が行われる。従って、ある程度の精度を保ちながら高
速でトラックジャンプが行われることになる。
【0283】次に、第1定速度期間が終了すると、第1
減速期間のプロフィールがリファレンス位置発生器10
0からフィードフォワード補償器2に供給され、図42
(C)に示すように減速パルスがフィードフォワード出
力としてアクチュエータ1に供給される。従って、アク
チュエータ1の速度は徐々に低下し、周波数制御の帯域
外となるため、周波数制御が働かなくなる。
【0284】そして、第1減速期間が終了すると、第2
定速度期間のプロフィールがリファレンス位置発生器1
00からフィードフォワード補償器2に供給され、図4
2(C)に示すようにフィードフォワード出力はゼロレ
ベルとなり、アクチュエータ1は再び一定速度で移動す
ることになる。
【0285】この間にも前記タイミング発生器113に
おいて、ジャンプしたトラック数のモニタは継続されて
おり、当該トラック数がリファレンスジャンプ開始の基
準トラック数に達した時には、タイミング発生器113
からの切換信号がローレベルからハイレベルに変化す
る。これにより、選択器106は安定化補償器6を選択
し、リファレンスジャンプ制御のサーボループが形成さ
れることになる。
【0286】このサーボループにおいては、線形化変換
器101によってトラッキングエラー信号が線形化変換
され、1トラック毎にリセットされた鋸歯状の線形化位
置出力が得られ、この線形化位置出力と、図42(F)
に示すような1トラック毎にリセットされた鋸歯状のリ
ファレンス位置との位置偏差が求められ、安定化補償器
6においてこの位置偏差を抑え.ようにアクチュエータ
1のドライブ信号が制御される。このリファレンスジャ
ンプ時においては、トラッキングエラー信号の周波数は
2kHzまで低下する。
【0287】この周波数帯域はフィードバック制御が有
効に働く帯域を超えているが、線形のリファレンス位置
と、線形化位置出力との間の位置偏差に基づいて制御が
行われるため、見掛け上の帯域はフィードバック制御が
有効に働く帯域まで低下することになる。その結果、ト
ラックジャンプの後半においては、外乱の影響を抑えつ
つ高い精度でトラックジャンプが行われることになる。
【0288】そして、第2定速度期間が終了した後は、
図42(F)に示すように短い第2減速期間のプロフィ
ールがフィードフォワード補償器2に供給され、フィー
ドフォワード補償器2からは図42(C)に示すような
短いパルス幅の減速パルスがアクチュエータ1に出力さ
れる。これにより、トラックジャンプは終了し、トラッ
キングサーボがクローズされることになるが、上述した
ようにトラックジャンプの後半は高精度でトラックに追
従したジャンプが行われているため、狭ピッチのDVD
においてもトラッキングサーボの引き込みが短時間で終
了することになる。
【0289】[3]リファレンスジャンプあるいは周波
数制御のみを行った場合との比較 リファレンスジャンプは、制御帯域の問題から、ジャン
プ時間を最短でも1トラック当たり数百μsec程度ま
でしか短縮できない。従って、数百トラックのジャンプ
を行うと、安定はしているが時間がかかりすぎ、アクセ
ス性の悪化につながる。
【0290】一方、周波数制御は、一般的にジャンプ中
のトラック対ビームの相対速度の反転等を避けるための
技術として用いられており、引き込みにもある程度効果
があるが、サンプリングが粗く、精度の高い制御ができ
ない。当然100kHzでサンプリングするリファレン
スジャンプよりも性能が劣る。また、ゼロクロスがサン
プリングとなっているため、加速時及び減速時のジャン
プ速度が遅い部分は無駄時間が増大し、制御帯域が制限
される。従って、引き込み前に制御がオープンの状態と
なる。これらのことから、周波数制御では引き込み時の
安定性が充分ではない。
【0291】これに対し、本実施形態のように、ジャン
プ開始後、加速期間終了後の一定速度期間に周波数制御
を行うことにより、トラックとアクチュエータの相対速
度の反転が防止されると共に、高速なトラックジャンプ
を行うことができる。リファレンスジャンプは1トラッ
ク当たりの速度が数百μseであり、数kHzの周波数
帯域であるのに対し、周波数制御の目標値は、トラッキ
ングエラーで10〜20KHz程度であり、リファレン
スジャンプだけでマルチトラックジャンプを行うより
も、ジャンプ時間を短縮できることになる。
【0292】更に、引き込みの直前に減速してある程度
速度を落としてからリファレンスジャンプを行うので、
引き込み時の安定性の高いトラックジャンプを行うこと
ができる。但し、周波数制御でトラッキングエラーの周
波数を10〜20kHz程度にするために数トラック、
そこからリファレンスジャンプの帯域に落とすのに数ト
ラック、定速区間で周波数制御が効果的に働くのに数ト
ラック必要である。従って、現在のトラックから10〜
20トラック離れたトラックを目標トラックとするマル
チトラックジャンプを行う場合には、リファレンスジャ
ンプのみを用いて制御し、現在のトラックから20トラ
ック以上離れたトラックを目標トラックとする場合に
は、周波数制御とリファレンスジャンプを併用して制御
を行う。
【0293】また、周波数制御を用いる目的は、ジャン
プ時間の短縮であるため、図42(D)に示すように、
周波数制御における速度1と、リファレンスジャンプに
おける速度2とは、必ず、 速度1≧速度2 となるように設定する。
【0294】また、ゼロクロスを用いた周波数制御にお
いては、加速時及び減速時は、サンプリングの周期が長
くなってしまうこと、及び速度制御系でランプ応答であ
ることから、制御系の特性がとれない。そこで、本実施
形態では、加速時及び減速時では、オープン制御とし、
パルスのみでフル加速とフル減速を行った。その結果、
この間に例えば2トラック程のジャンプが行われる。
【0295】また、周波数制御を行った後にリファレン
スジャンプを行うためには、10kHz〜20kHzま
で上昇しているトラッキングエラー信号の周波数を、2
KHzままで落とす必要があるが、これに要する時間は
加速時と同程度であり、2〜3トラックのジャンプが行
われる。理論的には、図42(C)に示すように加速期
間の加速量を加速量2、第1減速期間の減速量を減速量
2、第2減速期間の減速量を減速量1とすると、 加速量2−減速量2=減速量1 を満たすように、減速パルスを加えれば良い。但し、何
等かの外乱により減速開始からリファレンスジャンプ開
始までのオープン制御の区間で相対速度の反転が起こる
と、制御の手順に破綻を来すことから、安全のために減
速量を理論量よりも小さく設定することが好ましい。
【0296】また、リファレンスジャンプは1トラック
500μsec(2kHz)でジャンプするように制御
がかかるが、リファレンスジャンプ開始時、対物レンズ
の初期速度(対トラック)は、これよりも速い速度とな
っている。この早めの初期速度及び周波数制御のばらつ
きを、リファレンスジャンプで吸収することになる。例
えば、リファレンスジャンプ期間をマージンをとって4
トラック程度とする。従って、目標トラックの7トラッ
ク前に減速を開始し、4トラック前にリファレンスジャ
ンプを開始することになる。加速区間で、3トラック
分、周波数制御区間で数トラック分(定速区間である程
度周波数制御がかかっていなければむないないため)必
要なことから、周波数制御とリファレンスジャンプの併
用は、16トラック以上のマルチトラックジャンプで行
うこととした。
【0297】[4]実験例 次に、本実施形態における一実験例について図44乃至
図 を参照しながら説明する。図44は、この実験例に
用いたトラックジャンプ装置の構成を示すブロック図で
ある。なお、第1の実施形態の実験例に用いた図15に
示すトラックジャンプ装置の共通箇所には同一符号を付
して説明を省略する。本実施例においても、アクチュエ
ータ10、ドライバ11、フォトディテクタ21、CP
U20を除く箇所は、DSPにおいてプログラムを実行
することによりそれぞれの機能が実現される。
【0298】本実験例のトラックジャンプ装置は、図4
4に示すように、ゼロクロス検出部200、トラック間
隔カウンタ部201、加減算部202、位相補償部20
3、及び選択部205を備えているところが、図15に
示す実験例のトラックジャンプ装置と異なる。また、ト
ラッキングサーボ制御用の位相補償部204をリファレ
ンスジャンプ用の位相補償部13とは別に設けたところ
も図15に示す実験例のトラックジャンプ装置と異な
る。更に、表参照部32から出力されるリファレンス位
置は、1トラックまたは数トラック毎にリセットされる
ものであり、表参照部29から出力される線形化位置出
力についても前記リファレンス位置に対応させて1トラ
ックまたは数トラック毎にリセットされるものであると
ころが図15に示す実験例のトラックジャンプ装置と異
なる。更に、フィードフォワード発生部18から出力さ
れるフィードフォード出力は、周波数制御用とリファレ
ンスジャンプ用に一定速度期間が2回設けられ、周波数
制御時の一定速度からリファレンスジャンプ時の一定速
度への減速期間が設けられているところが図15に示す
実験例のトラックジャンプ装置と異なる。なお、図43
に示すレベル検出部206は、図15におけるコンパレ
ータ部25,26、アッパーレベル設定部27a、及び
ローワーレベル設定部27bに相当する箇所である。
【0299】ゼロクロス検出部200は、トラッキング
エラー信号のゼロクロスに同期した立ち上がりエッジ及
び立ち下がりエッジを有するパルスを生成する。このゼ
ロクロス検出部200は、図41におけるゼロクロス検
出部109に相当する箇所である。
【0300】トラック間隔カウンタ部201は、前記ゼ
ロクロス検出部200から出力されるパルス信号の周期
を計数し、この計数結果をビームの相対速度検出信号と
して出力する。このトラック間隔カウンタ部201は図
41のゼロクロス間隔測定部110に相当する箇所であ
る。
【0301】加減算部202は、目標速度信号から前記
トラック間隔カウンタ部201の相対速度検出信号を減
算することにより、速度偏差を算出する。目標速度信号
は、周波数が10〜20kHzのパルス信号の周期に対
応した信号である。この目標速度信号を出力する回路が
図41に示す位置/速度変換器108に相当する。
【0302】位相補償部203は、前記加減算部202
によって得られた速度偏差をゼロとするように、ドライ
バ11に対するドライブ信号を出力し、図41における
安定化補償器107に相当する箇所である。
【0303】選択部205は、タイミング発生部19か
ら出力されるタイミング信号に応じてリファレンスジャ
ンプ時には位相補償部13を、周波数制御時には位相補
償部203を、トラッキングサーボ時には位相補償部2
04をそれぞれ選択する。選択部205は図41におけ
る選択器106に相当する。
【0304】以上のようなトラックジャンプ装置を用い
て行った実験の結果を図44、図45、及び図46に示
す。
【0305】図44は、フィードフォワード制御を行い
つつ、一定速度期間に周波数制御とリファレンスジャン
プを行って、現在のトラックから20トラック先の目標
トラックにジャンプさせた結果である。マルチトラック
ジャンプに用いる周波数制御の目標値を約15kHzと
した。図44(A)はトラッキングエラー信号検出部2
2から出力されるトラッキングエラー信号を示す図、図
44(B)はドライバ11に供給されるドライブ信号、
図44(C)は表参照部29から出力される線形化位置
出力を示す図、図44(D)は表参照部32から出力さ
れるリファレンス位置を示す図である。
【0306】図45は、フィードフォワード制御を行い
つつ、一定速度期間にリファレンスジャンプのみを行っ
て、現在のトラックから8トラック先の目標トラックに
ジャンプさせた結果である。図45(A)はトラッキン
グエラー信号検出部22から出力されるトラッキングエ
ラー信号を示す図、図45(B)はドライバ11に供給
されるドライブ信号、図45(C)は表参照部29から
出力される線形化位置出力を示す図、図45(D)は表
参照部32から出力されるリファレンス位置を示す図で
ある。
【0307】図46は、フィードフォワード制御を行い
つつ、一定速度期間に周波数制御のみを行って、で現在
のトラックから8トラック先の目標トラックにジャンプ
させた結果である。図46(A)はトラッキングエラー
信号検出部22から出力されるトラッキングエラー信号
を示す図、図46(B)はドライバ11に供給されるド
ライブ信号、図46(C)は表参照部29から出力され
る線形化位置出力を示す図、図46(D)は表参照部3
2から出力されるリファレンス位置を示す図である。
【0308】まず、図44(A)に示すように、周波数
制御によりトラックジャンプを行った場合には、マルチ
トラックジャンプに用いる周波数制御の目標値をトラッ
キングエラー信号の周波数で約15kHz、両エッジ検
出のゼロクロス周波数で約30kHzとしたので、1ト
ラックジャンプに要する時間は約66.7μsecとな
る。一方、図45に示すように、リファレンスジャンプ
のみでは、1トラックジャンプに約500μsecの時
間を要する。このように、周波数制御はリファレンスジ
ャンプと比較してジャンプ時間を約1/7に短縮するこ
とができる。
【0309】一方、周波数制御のみを用いた場合には、
図46に示すように、トラッキングサーボの引き込みの
際にアクチュエータの位置が大きく変動し、不安定にな
ることが判る。
【0310】これに対し、周波数制御とリファレンスジ
ャンプを併用した場合には、図44に示すように、アク
チュエータの位置はトラックジャンプの終了後に直ちに
安定し、目標のトラックに引き込まれていることが判
る。
【0311】なお、加速時及び減速時においては、トラ
ッキングエラー信号に対するサンプリングの周期が長く
なってしまうこと、及び速度制御系ではランプ応答であ
り、制御系の特性がとれないことからオープン制御とし
た。トラックオンの状態からジャンプを開始してゼロク
ロス(両エッジ検出)周波数が約30kHzになるまで
の時間は、図44(A)に示すようにフル加速で約30
0μsecであり、この間2トラック程ジャンプする。
【0312】また、周波数制御を行った後にリファレン
スジャンプを行うためには、トラッキングエラー信号の
周波数を15kHzから2KHzまで落とす必要がある
が、この時の減速に要する時間は図44(A)に示すよ
うにフル減速で約250μsecであり、この間2〜3
トラックのジャンプが行われる。
【0313】複数回の実験を行ったところ、前記加速と
減速に要する時間は、周波数制御のばらつきがあっても
ジャンプしたトラック数に換算して2〜3トラック分に
は収まることが判った。
【0314】また、リファレンスジャンプは1トラック
500μsec(2kHz)でジャンプするように制御
がかかるが、リファレンスジャンプ開始時、対物レンズ
の初期速度(対トラック)は、これよりも速い速度とな
っている。従って、この速めの初期速度及び周波数制御
のばらつきを、リファレンスジャンプで吸収することに
なるが、この実験ではリファレンスジャンプ区間をマー
ジンをとって4トラック分とした。
【0315】従って、減速は、リファレンスジャンプ区
間の4トラック分と、減速に要する期間の3トラック分
を考慮して、目標トラックの7トラック前に開始する必
要がある。また、周波数制御を確実に行うためには数ト
ラック分必要であり、更に加速に3トラック分必要とな
る。従って、周波数制御とリファレンスジャンプを併用
したマルチトラックジャンプは、現在のトラックから1
6トラック以上離れたトラックを目標のトラックとする
場合に行うのが好ましいことが判った。
【0316】<変形例1>上述した例では、加速時及び
減速時は、サンプリングの周期が長くなり、また、速度
制御系でランプ応答であることから、制御系の特性がと
れないために、オープン制御としたが、図47に示すよ
うに、減速区間あるいは減速終了後オントラックになる
までの区間で徐々に速度が遅くなるようなリファレンス
位置を用いてリファレンスサーボを行うようにしても良
い。
【0317】図47(A)は減速時以降のトラッキング
エラー信号を示し、図47(B)はドライブ信号を示
し、図47(C)は線形化位置出力を示している。減速
時以降または減速終了後からリファレンスサーボを行う
ためには、図47(C)の線形化位置出力に合わせたリ
ファレンス位置を用いることが必要である。
【0318】<変形例2>本変形例のトラックジャンプ
装置は、周波数制御用の位相補償器、リファレンスジャ
ンプ用の位相補償器、及びトラッキングサーボ用の位相
補償器として、図48に示すようなディジタルイコライ
ザを備え、当該ディジタルイコライザをCPUにより制
御するように構成したものである。
【0319】図48においてK0は0次項係数、K1は1
次項係数、K2は2次項係数、KXIは積分項ゲイン(積
分係数)、KRはカットオフ周波数が20Hzのローパ
スフィルタ、KY1はカットオフ周波数が4kHzのロー
パスフィルタ、K3はゲインをそれぞれ表し、Z-1は前
回サンプリング値を示している。
【0320】入力をX(z)、出力をY(z)、イコラ
イザ特性をEQ(z)とすると、入出力関係は、 Y(z)=EQ(z)・X(z) となり、EQ(z)は、 EQ(z)=K3×{1−K1-1+K2-2+(KXI
(1−KR-1)}/(1−KY1-1) で表される。
【0321】このようなディジタルイコライザは、その
特性を決定する2次項係数K2及び積分係数KXIが可変
に構成されている。これらの係数は、通常再生時には、
イコライザの特性が低域のゲインブースト補償をなす所
定の特性となるように固定されるが、トラックジャンプ
動作後等のサーボ引き込み動作時は、図示しないCPU
により変化せしめられる。
【0322】具体的には、トラックジャンプ後のサーボ
ループのクローズのタイミングにて、CPUは先ず、サ
ーボの引き込み経過時間を計測するための内部タイマカ
ウンタのカウンタ値をリセットし、続いてディジタルイ
コライザの2次項係数K2及び積分係数KXIとしてそれ
ぞれ初期値を設定する。
【0323】特に、積分項KXI/(1−KR-1)の初
期値はゼロではなく、トラックジャンプ中の周波数制御
からリファレンスジャンプに受け渡され、更にトラッキ
ングサーボに受け渡された積分項KXI/(1−K
R-1)を用いる。
【0324】そして、これらの2次項係数K2及び積分
係数KXIの各初期値並びに予め設定されている他の係数
(固定値)に基づいてEQ(z)の演算を行うことによ
り、トラッキングエラー信号に対する周波数特性の補償
を行う。これらの2次項係数K2及び積分係数KXIの初
期値によって決定される引き込み開始時の総合オープン
ループ特性は、中域(100Hz付近)ゲインが低下す
るものの位相余裕が大きくなる。また、低域(30Hz
以下)については、周波数制御からリファレンスジャン
プを通じてドライブされた低域成分が受け渡され、ゲイ
ンブースト補償された特性となっている。
【0325】EQ(z)の演算後、先のタイマカウンタ
のカウント値nをインクリメントし、実行サイクル、例
えばイコライザのサンプリング時間をt0μsecとす
ると、n・t0によって引き込み開始時点から経過時間
を求めることができるから、この経過時間n・t0が所
定の引き込み時間Tを超えたか否かを判断する。引き込
み時間Tが経過していなければ、2次項係数K2及び積
分係数KXIの各値をΔK2及びΔKXIだけ増加せしめ、
しかる後変更されたK2及びKXIの各値に基づいてEQ
(z)の演算を行う。この動作を経過時間n・t0が引
き込み時間Tを超えたと判断するまで繰り返す。即ち、
2次項係数K2及び積分係数KXIの各値がサイクルt0
毎にΔK2及びΔKXIずつ変化し、これらの係数の変化
に応じて総合オープンループ特性も変化する。
【0326】そして、引き込み時間Tが経過したと判定
した場合には、2次項係数K2及び積分係数KXIの各値
を通常再生時の値K2N及び積分係数KINに設定する。以
上によりサーボの引き込み動作を終了し、通常再生時に
移行する。K2N及びKINによって決定される通常再生時
の総合オープンループ特性は、低域(30Hz以下)及
び中域(100Hz付近)のゲインが増加した特性とな
る。
【0327】このように、イコライザの特性を引き込み
開始時には中域において位相余裕が大きく、低域におい
ては他の制御から受け渡された低域成分が加えられた特
性とし、時間経過に応じて中域のゲインが徐々に増加し
て引き込み時間Tが経過した時点では通常再生時の特性
に戻るように2次項係数K2及び積分係数KXIの各値を
変化せしめることにより、引き込みの初期においては中
域でのゲインが低下して犠牲になるものの位相余裕が十
分大なる特性が得られるため、引き込み時のオーバーシ
ュートを小さく抑えることができる。また、サーボが安
定した後は、低域及び中域のゲインが増加し、十分なる
エラー圧縮特性が得られるので、ディスクの偏心成分に
対する追従性を向上できることになる。
【0328】しかも、引き込み初期において他の制御か
ら受け渡された低域成分の分だけ低域が補償された特性
となるので、数百トラックのマルチトラックジャンプを
行った時のように、ジャンプ時間が長く、スライダを止
めたままアクチュエータが対物レンズを大きくシフトす
るような状態になり、バネ系の影響を受ける場合でも、
引き込みの際のバネの復元力で揺り戻しを発生させるこ
とがなく、ジャンプの失敗を引き起こすことがない。
【0329】但し、周波数制御からリファレンスジャン
プへ、また、リファレンスジャンプからトラッキングサ
ーボへ積分項を受け渡す場合には、各制御系のループゲ
インまたはゲイン配分が異なるため、受け渡しの際にゲ
インを調整する必要がある。
【0330】また、位相補償器の積分項の代わりに、ド
ライブ量の積分値を次の処理に受け渡すようにしても良
い。更に、それまでジャンプしたトラック数は変位量を
表すため、積分項の代わりにこれを用いるようにしても
良い。
【0331】更に、リファレンスジャンプ区間あるいは
減速時等オープン制御区間は、積分項を受け取る代わり
に、前の処理の積分項あるいは積分されたドライブ量を
オフセットしてフィードフォワード加算するようにして
も良い。
【0332】何れの方法を用いた場合でも、各サーボモ
ードの移行の際の乱れを取り除くことができ、数百トラ
ックのマルチトラックジャンプの終了後においても、引
き込み時のバネの復元力による揺り戻しを発生させるこ
とがなく、トラッキングサーボを安定させることができ
る。実験では最大500トラックまで確実なトラックジ
ャンプを行うことが可能となった。
【0333】なお、本変形例では、トラッキングサー
ボ、周波数制御、リファレンスジャンプは、それぞれ位
相補償器を有している場合について説明したが、トラッ
キングサーボとリファレンスジャンプは2つとも位置に
対する制御であるため、同じ位相補償器を用いても良
い。
【0334】以上、それぞれ説明したように、リファレ
ンスジャンプ方式を、トラックジャンプに利用し、引き
込みの際の安定性向上を図ることができた。従って、D
VDにおいて用いた場合には、狭トラックピッチで引き
込み時の乱れを抑え、キャプチャレンジを外れてトラッ
ク飛びを起こすのを防ぐことができると思われる。ま
た、DVDより更に高密度化され、トラックピッチが狭
くなったシステムにおいては極めて優れた効果を発揮す
ることができる。
【0335】また、本実施形態の方式により、目標トラ
ックに確実に引き込みことが可能となり、アクセス性を
大きく向上させることができる。これに対し、従来のマ
ルチトラックジャンプでは、指定したトラック数だけ正
確にジャンプすることは難しく、数%の誤差を許してい
た。そのため、PLLロック後アドレス確認を行い、再
ジャンプを繰り返して時間的なロスを生じていた。
【0336】また、本実施形態の方式による安定性、確
実性の向上は、振動対策としても効果がある。
【0337】なお、本実施形態の方式で最大500トラ
ックまで正確なジャンプが可能であるが、これ以上のト
ラック数を考えた場合、物理的理由からジャンプ中にス
ライダを動かすことが必要である。
【0338】また、上述した第3の実施形態及び第4の
実施形態のようにマルチトラックジャンプを行う場合で
も、トラッキングエラー信号に基づいた制御を行うの
で、トラッキングエラー信号に変動が生じる場合には、
図27に示すようなゲイン/オフセットコントローラを
線形化変換部とトラッキングエラー信号検出部の間に設
けた方が好ましい。
【0339】また、上述した第3の実施形態及び第4の
実施形態においては、マルチトラックジャンプを行う場
合について説明したが、リファレンス位置発生器100
及び線形化変換器101により、第1の実施形態で説明
したシングルトラックジャンプに用いるリファレンス位
置及び線形化位置出力についても出力できるように構成
し、シングルトラックジャンプの実行時には第1の実施
形態で説明した手法により制御を行い、マルチトラック
ジャンプの実行時には第3の実施形態または第4の実施
形態で説明した手法により制御を行うようにすれば、シ
ングルトラックジャンプとマルチトラックジャンプの双
方について適切なトラックジャンプを行うことができ
る。
【0340】(第5の実施形態)次に、本発明の第5の
実施形態を添付図面の図49乃至図52に基づいて説明
する。なお、第3の実施形態または第4の実施形態との
共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0341】本実施形態は、ランド・グルーブ記録が行
われたディスクにおいて、ランドトラックからグルーブ
トラック、またはグルーブトラックからランドトラック
へのハーフトラックジャンプに本発明のトラックジャン
プ装置を適用した実施形態である。
【0342】ランド・グルーブ記録とは、従来案内溝に
用いていたプリグルーブにもデータを記録する技術であ
り、従来のランド部のみの記録に比べて理想的には2倍
の容量を達成することができる。現在ではDVD−RA
Mの記録にこのランド・グルーブ記録が用いられてい
る。
【0343】このようなランド・グルーブ記録が用いら
れるディスクにおいては、ランドトラックとランドトラ
ックの間のピッチ、及びグルーブトラックとグルーブト
ラックの間のピッチは、ランド部のみに記録されるDV
Dと同様に0.74×2μmであり、第1の実施形態に
おけるトラックジャンプ装置を用いてランドトラックか
らランドトラックへのシングルトラックジャンプ、ある
いはグルーブトラックからグルーブトラックへのシング
ルトラックジャンプを行うことができる。
【0344】一方、ランドトラックとグルーブトラック
の間のピッチは0.74μmであり、ランドトラックか
らグルーブトラックへトラックジャンプした場合、ある
いはグルーブトラックからランドトラックへトラックジ
ャンプした際に検出されるトラッキングエラー信号は、
前記シングルトラックジャンプの際に得られるトラッキ
ングエラー信号の半分の信号である。
【0345】従って、本実施形態では、このようなトラ
ックピッチに対応したプロフィール及びこのようなトラ
ッキングエラー信号に対応した線形化変換用テーブルを
用いる。以下、図49及び図50を参照して本実施形態
のトラックジャンプ装置について説明する。
【0346】図49は本実施形態のトラックジャンプ装
置の概略構成を示すブロック図であり、図15に示した
第1の実施形態の実験例1に用いたトラックジャンプ装
置との共通箇所には同一符号を付してある。
【0347】図49に示すように、本実施形態のトラッ
クジャンプ装置は、リファレンス位置発生部300と、
線形化変換部301の構成が前記実験例1に用いたトラ
ックジャンプ装置と異なり、他の要素については前記実
験例1に用いたトラックジャンプ装置と共通である。な
お、共通箇所についての重複した説明は省略する。
【0348】リファレンス位置発生部300は、図15
に示すトラックジャンプ装置と同様に、アドレス発生部
と、表参照部と、リファレンステーブル部とから構成さ
れる。このリファレンス位置発生部300から供給され
るプロフィールとしては、図50(E)に示すように、
加速期間において徐々に移動距離を増加させ、その後一
定速度期間において一定の割合で移動距離を増加させた
後、減速期間において徐々に移動距離の増加率を低下さ
せて現在のトラックから0.74μm離れた目標とのト
ラックに到達するプロフィールが用いられる。このよう
なプロフィールが2階の微分器に近似できるフィードフ
ォワード補償部に供給されることにより、図50(C)
に示すような加速パルスと減速パルスからなるフィード
フォワード出力が得られる。本実施形態ではパルス発生
部18から直接このような加速パルスと減速パルスを出
力している。減速パルスの出力タイミングは、実験デー
タに基づいて決定されることになるが、例えば、図50
(A)に示すように、トラッキングエラー信号の値が所
定のしきい値よりも小さくなるタイミングに設定した
り、あるいはトラッキングエラー信号の値がピーク値の
1/nになるタイミングに設定することができる。ま
た、トラッキングエラー信号の値がピーク値に到達して
から所定時間経過後に減速パルスを出力するように構成
することもできる。
【0349】また、前記のようなプロフィールはリファ
レンス位置としてフィードバック制御系にも供給される
が、本実施形態においては、ハーフトラックジャンプを
行う場合においても、加速期間と減速期間の間に一定速
度期間が設けられており、図50(E)に示すように線
形に近似できるリファレンス位置が得られるので、この
リファレンス位置とトラッキングエラー信号の線形化位
置出力とを用いることにより、容易に安定したフィード
バック制御が行われることになる。
【0350】一方、線形化変換部301は、図15に示
すトラックジャンプ装置と同様に、アドレス発生部と、
表参照部と、変換テーブルとから構成される。変換テー
ブルは、第1の実施形態で説明した領域1用の変換テー
ブルと領域2用の変換テーブルを用いることができる。
但し、検出されるトラッキングエラー信号は図50
(A)に示すようにシングルトラックジャンプの場合の
半分の波形であるため、領域2用の変換テーブルについ
ても、トラッキングエラー信号のゼロクロス到達時まで
に対応した半分の変換テーブルで良い。また、本実施形
態においては領域の切り換えは、傾き検出部23から出
力される図50(D)に示すようなピーク値検出信号に
基づいて行われる。つまり、ピーク値検出信号がハイレ
ベルの期間は領域1用の変換テーブルが参照され、ロー
レベルの期間は領域2用の変換テーブルが参照される。
図50(F)に線形化位置出力の一例を示す。
【0351】以上のような構成により、CPU20から
図50(B)に示すようなジャンプトリガが出力される
と、タイミング発生回路19からのタイミング信号に基
づいて、パルス発生回路18から図50(C)に示すよ
うな加速パルスがドライバ11に出力される。これによ
り、アクチュエータ10は移動を開始し、移動と共に図
50(A)に示すようなトラッキングエラー信号が得ら
れる。
【0352】このトラッキングエラー信号は、線形化変
換部301において線形化変換され、線形化位置出力と
してリファレンス位置との間で位置偏差が得られる。こ
の位置偏差は位相補償部13に供給され、位相補償部1
3はこの位置偏差をゼロとするようにドライバ11のド
ライブ信号を出力する。このようにしてフィードバック
ループが形成され、外乱の影響を受けることのない安定
したトラックジャンプが行われる。
【0353】次に、トラッキングエラー信号がピーク値
に到達すると、傾き検出部23から図50(D)に示す
ようにローレベルに変化するピーク値検出信号が得ら
れ、タイミング発生部19に出力される。タイミング発
生部19は、このピーク値検出信号に基づいて、領域1
から領域2に領域が切り換えられたことを示す信号を線
形化変換部301に出力し、線形化変換部301は領域
2用の変換テーブルを用いて線形化変換を行うことにな
る。
【0354】そして、トラッキングエラー信号が図50
(A)に示すように所定の閾値より小さくなるタイミン
グで、パルス発生部18から図50(C)に示すような
減速パルスをドライバ11に出力することにより、アク
チュエータ10は現在のトラックから0.37μm離れ
た目標のトラックへ到達し、トラッキングサーボの引き
込みが行われる。
【0355】以上のように本実施形態によれば、加速期
間と減速期間の間に一定速度期間が設けられたプロフィ
ールを用いてフィードフォワード制御とフィードバック
制御が行われるため、ランド・グルーブ記録を行うディ
スクにおいて、ランドトラックからグルーブトラック、
あるいはグルーブトラックからランドトラックへのハー
フトラックジャンプを行う場合においても、ある程度の
時間を確保して安定した精度の良いトラックジャンプを
行うことができ、トラッキングサーボの引き込みにおけ
る収束を速めることができる。
【0356】<変形例>上述した例では、傾き検出部2
3を用いてトラッキングエラー信号がピーク値に達した
タイミングで、ピーク値検出信号をハイレベルからロー
レベルに切り換えるように構成したが、本発明はこのよ
うな構成に限定されるものではなく、トラッキングエラ
ー信号の微分信号に基づいてピーク値検出信号をハイレ
ベルからローレベルに切り換えるように構成しても良
い。
【0357】具体的には、図49のトラッキングエラー
信号検出部22と微分回路部とを接続し、図51(A)
に示すようなトラッキングエラー信号に対して、図51
(B)に示すような微分信号を得る。そして、この微分
信号のゼロクロスでピーク値検出信号の極性を切り換え
る。
【0358】このような構成を採った場合でも、領域の
切り換えを良好に行うことができ、線形化変換処理を適
切に行うことができる。
【0359】(第6の実施形態)次に、本発明の第6の
実施形態を添付図面の図52乃至図53に基づいて説明
する。なお、第5の実施形態または第4の実施形態との
共通箇所には同一符号を付して説明を省略する。
【0360】本実施形態は、ランド・グルーブ記録が行
われるディスクに対して、現在のランドトラックから複
数トラック離れたグルーブトラックへのトラックジャン
プ、あるいはグルーブトラックから複数トラック離れた
ランドトラックへのトラックジャンプを行うトラックジ
ャンプ装置に本発明を適用した実施形態である。
【0361】トラックジャンプ装置の概略の構成は図4
9に示すトラックジャンプ装置と共通であるが、リファ
レンス位置発生部から出力されるリファレンス位置は1
トラック分あるいは複数トラック分のオントラック毎に
リセットされるところが第5の実施形態とは異なる。
【0362】また、線形化変換部の出力も、リファレン
ス位置に対応して1トラック分あるいは複数トラック分
のオントラック毎にリセットされるところが第5の実施
形態とは異なる。
【0363】図52に本実施形態のトラックジャンプ装
置を用いて、3.5トラック離れた目標トラックまでト
ラックジャンプを行った場合の例を示す。なお、0.5
トラックとは1ハーフトラック分のことを示している。
この例では、図52(E)に示すように、1トラック分
のオントラック毎にリファレンス位置をリセットし、図
52(F)に示すように1トラック分のオントラック毎
に線形化位置出力をリセットした。
【0364】グルーブトラックからグルーブトラックま
でのシングルトラックジャンプ、あるいはランドトラッ
クからランドトラックまでのシングルトラックジャンプ
は、第1の実施形態に示したシングルトラックジャンプ
と同じ条件で行うことができるので、図52(E)に示
すようなリファレンス位置を用いることによって、安定
して精度の良いマルチトラックジャンプを行うことがで
きる。そして、最後のハーフトラックについては、図5
2(E)に示すように他のリファレンス位置よりも短い
リファレンス位置を用いることにより、精度良く3.5
トラック離れた目標トラックに到達させることができ
る。
【0365】<変形例>現在のランドトラックから複数
トラック離れたグルーブトラックへのトラックジャン
プ、あるいはグルーブトラックから複数トラック離れた
ランドトラックへのトラックジャンプにおいて、総トラ
ック数が多い場合には、周波数制御とリファレンスジャ
ンプを併用することもできる。
【0366】図53は、一例として現在のトラックから
17.5トラック離れたトラックを目標トラックとした
例である。13番目のトラックまでは周波数制御とフィ
ードフォワード制御を用い、残りの3.5トラックにつ
いてはリファレンスジャンプを用いた。
【0367】このように構成することにより、現在のト
ラックから複数トラック離れた位置でハーフトラックジ
ャンプを行う場合でも、精度良く安定したトラックジャ
ンプを行いつつ、ジャンプ時間の短縮化を図ることがで
きる。
【0368】なお、上述した第5の実施形態及び第6の
実施形態のようにハーフトラックジャンプを行う場合で
も、トラッキングエラー信号に基づいた制御を行うの
で、トラッキングエラー信号に変動が生じる場合には、
図27に示すようなゲイン/オフセットコントローラを
線形化変換部とトラッキングエラー信号検出部の間に設
けた方が好ましい。
【0369】また、上述した第5の実施形態と第6の実
施形態においては、記録媒体としてランド・グルーブ記
録されたディスクを用いた場合について説明したが、こ
れらの実施形態において用いたリファレンス位置発生器
及び線形化変換器により、第1の実施形態〜第4の実施
形態で用いたような通常のディスクを用いる場合のリフ
ァレンス位置及び線形化位置出力を出力可能に構成し、
使用される記録媒体に応じて適宜リファレンス位置及び
線形化位置出力を選択して出力すると共に、通常のディ
スクに対しては第1の実施形態〜第4の実施形態で説明
した手法により制御を行い、ランド・グルーブ記録され
たディスクに対しては第5の実施形態または第6の実施
形態で説明した手法により制御を行うようにすれば、通
常のDVDにおけるシングルトラックジャンプ及びマル
チトラックジャンプ、ランド・グルーブディスクにおけ
るランドトラックからランドトラック、あるいはグルー
ブトラックからグルーブトラックへのシングルトラック
ジャンプ及びマルチトラックジャンプ、更にはランド・
グルーブディスクにおけるハーフトラックジャンプ、及
びマルチトラックジャンプにハーフトラックジャンプを
加えたジャンプ、をそれぞれ適切に制御することができ
る。
【0370】
【発明の効果】 以上説明したように、請求項1に記載
のトラックジャンプ装置によれば、アクチュエータ駆動
手段に対して加速パルス及び減速パルスを印加するフィ
ードフォワード制御手段と、前記加速パルスの印加によ
り開始される前記目標の記録トラックへのジャンプ時に
前記トラッキングエラー信号検出手段によって検出され
る前記トラッキングエラー信号と、所定の目標値とを比
較し、その誤差を低減させるように前記アクチュエータ
駆動手段に対する駆動信号をフィードバックしてアクチ
ュエータの位置制御を行う位置制御手段とを備え、前記
フィードフォワード制御手段は、各パルスの印加の間
に、所定期間パルスを印加しない一定速度期間を設けた
ので、一定速度期間において前記位置制御手段によるフ
ィードバック制御が行われると、当該フィードバック制
御における見掛け上の周波数帯域が低下し、安定したサ
ーボループを形成することができる。その結果、アクチ
ュエータの位置を前記所定の目標値に精度良く追従さ
せ、アクチュエータを精度良く目標位置に到達させるこ
とができる。このように、本発明によれば、ある程度の
ジャンプ時間を確保しながら、外乱に強い安定したジャ
ンプを行うので、挟トラックピッチのディスクにおいて
も精度の高いジャンプを行うことができ、かつ、ジャン
プ終了後のトラッキングサーボにおける収束を速めるこ
とができる。また、前記フィードフォワード制御手段
は、前記アクチュエータの時間経過に伴う位置変化を表
すプロフィールを設定するプロフィール設定手段と、2
階の微分器からなり前記プロフィール設定手段により設
定されたプロフィールを目標値とするフィードフォワー
ド補償器とを備え、前記プロフィール設定手段により、
前記アクチュエータの加速期間、一定速度期間、減速期
間のそれぞれの期間における位置変化を含むプロフィー
ルを設定し、前記フィードフォワード補償器は、当該プ
ロフィールを2階微分することにより、前記加速パルス
と減速パルスを印加するので、フィードフォワード制御
と共に前記フィードバック制御を有効に機能させること
ができ、精度の良いジャンプを行うことができる。ま
た、プロフィールの波形を変化させることは容易なの
で、プロフィールを変化させてアクチュエータの位置変
化の態様を容易に自在に制御できる。また、請求項2に
記載のトラックジャンプ装置によれば、マルチトラック
ジャンプを行う際には、前記プロフィール設定手段は、
各トラック毎に前記プロフィールを設定し、前記フィー
ドフォワード補償器は、各トラック毎に当該プロフィー
ルを目標値とするので、マルチトラックジャンプを行う
場合でも、加速期間と減速期間の間の一定速度期間にお
いてフィードバック制御が行われており、高い精度で目
標のトラック位置までジャンプさせることができる。従
って、ジャンプ後も乱れが少なくトラッキングサーボの
収束を速くすることができる。
【0371】請求項に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、一定速度期間を加速期間及び減速期間よりも長
くなるように設定したので、アクチュエータの位置につ
いてのフィードバック制御を有効に機能させることがで
き、精度の良いジャンプを行うことができる。
【0372】請求項に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、前記フィードフォワード制御手段により、前記
加速パルスを印加した後に、前記一定速度期間を設け、
前記一定速度期間の終了後に減速パルスを印加するの
で、最初の加速パルスと最後の減速パルスの間に十分な
一定速度期間が設けられ、挟トラックピッチのディスク
における隣接した記録トラック間のジャンプにおいて、
前記フィードバックを有効に機能させることができ、精
度の良いジャンプを行うことができる。
【0373】請求項に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、前記フィードフォワード制御手段により、前記
加速パルスを印加した後に、段階的に複数の減速パルス
を印加し、前記加速パルスと前記減速パルスの間、及び
各減速パルス間に前記一定速度期間を設けたので、アク
チュエータを最初に目標トラックに近い位置まで移動さ
せ、徐々に速度を緩めながら精度良く目標トラックに到
達させることができる。その結果、ジャンプ終了後のト
ラッキングサーボの引き込みを速めることができる。
【0374】請求項に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、前記フィードフォワード制御手段により、段階
的に複数の加速パルスを印加した後に、減速パルスを印
加し、前記加速パルス間、及び前記加速パルスと前記減
速パルスの間に前記一定速度期間を設けたので、アクチ
ュエータを徐々に移動開始させることができ、記録媒体
の偏心の影響を確実に取り除いて精度の良いジャンプを
行うことができる。
【0375】請求項に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、前記フィードフォワード制御手段により、前記
加速パルスと減速パルスの印加パターンを複数備え、ジ
ャンプする距離に応じて前記印加パターンを選択するの
で、ジャンプする距離に拘わらず常に精度の良いジャン
プを行うことができる。
【0376】
【0377】請求項8に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、前記トラッキングエラー信号を線形化変換する
線形化変換手段と、前記所定の目標値として、前記アク
チュエータの時間経過に伴う位置変化を表すリファレン
ス位置の設定を行うリファレンス位置設定手段とを更に
備え、前記フィードバック制御手段により、前記線形化
変換手段の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、
その誤差を低減させるように前記アクチュエータ駆動手
段に対する駆動信号を制御するので、非線形なトラッキ
ングエラー信号を線形化処理することよってフィードバ
ック制御を行い、フィードバック制御における見掛け上
の周波数帯域を低下させ、アクチュエータを精度良くリ
ファレンス位置に追従させるように移動させることがで
きる。その結果、アクチュエータを精度良く目標位置に
到達させることができ、ジャンプ終了後のトラッキング
サーボの引き込みを速めることができる。
【0378】請求項9に記載のトラックジャンプ装置に
よれば、前記トラッキングエラー信号を線形化変換する
線形化変換手段を更に備え、前記プロフィール設定手段
により設定されるプロフィールを、前記所定の目標値と
してのリファレンス位置として用い、前記線形化変換手
段の出力値と前記リファレンス位置とを比較し、その誤
差を低減させるように前記アクチュエータ駆動手段に対
する駆動信号を制御するので、線形化変換されたトラッ
キングエラー信号と、一定速度期間に基づく位置変化を
含むプロフィールとの比較に基づいてフィードバック制
御が行われ、フィードバック制御における見掛け上の周
波数帯域を低下させ、アクチュエータを精度良くリファ
レンス位置に追従させるように移動させることができ
る。その結果、アクチュエータを精度良く目標位置に到
達させることができ、ジャンプ終了後のトラッキングサ
ーボの引き込みを速めることができる。また、リファレ
ンス位置設定手段とプロフィール設定手段との共通化に
より構成の簡略化を図ることができる。
【0379】請求項10に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記トラッキングエラー信号検出手段によっ
て検出される前記トラッキングエラー信号が、信号の値
が増加方向に変化する領域と、減少方向に変化する領域
との少なくとも何れの領域に属する信号であるかを判別
する領域判別手段を更に備え、前記線形化変換手段は、
前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを備え、前記領
域判別手段による判別結果に基づいて前記変換テーブル
を選択し、前記トラッキングエラー信号を線形化変換す
るので、非線形なトラッキングエラー信号を適切に線形
化変換することができる。その結果、適切なフィードバ
ック制御を実現でき、アクチュエータを精度良く目標位
置に到達させると共にジャンプ終了後のトラッキングサ
ーボの引き込みを速めることができる。
【0380】請求項11に記載のトラックジャンプ装置
によれば、トラッキングエラー信号の検出方式を判別す
る検出方式判別手段を更に備え、前記線形化変換手段
は、前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを前記検出
方式毎に複数備え、前記検出方式判別手段による判別結
果に応じて、前記検出方式に応じた前記領域毎に異なる
複数の変換テーブルを選択し、選択した複数の変換テー
ブルの中から、前記領域判別手段による判別結果に基づ
いて変換テーブルを選択し、前記トラッキングエラー信
号を線形化変換するので、異なる波形のトラッキングエ
ラー信号が得られる場合でも、適切に線形化変換を行う
ことができ、フィードフォワード制御と共に適切なフィ
ードバックを行って、精度の良いジャンプを行うことが
できる。
【0381】請求項12に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記領域判別手段により、前記トラッキング
エラー信号検出手段によって検出される前記トラッキン
グエラー信号が、信号の値が正の値で増加方向に変化す
る領域と、減少方向に変化する領域と、負の値で増加す
る方向に変化する領域との3領域の何れに属する信号で
あるかを判別するので、非線形なトラッキングエラー信
号の波形の特性に合致した3つの領域毎に、それぞれの
領域のトラッキングエラー信号に応じた変換テーブルを
用いて線形化変換を行うことができ、非線形なトラッキ
ングエラー信号を適切に線形化変換することができる。
その結果、フィードフォワード制御と共に適切なフィー
ドバックを行って、精度の良いジャンプを行うことがで
きる。
【0382】請求項13に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記領域判別手段により前記トラッキングエ
ラー信号のピーク値への到達タイミングを基準として前
記領域を判別するので、精度良く領域の判別を行うこと
ができ、適切な変換テーブルにより線形化変換を行うこ
とができる。
【0383】請求項14に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記領域判別手段により、前記レーザビーム
スポットの前記記録媒体からの戻り光の総量に基づいて
前記領域を判別するので、精度良く領域の判別を行うこ
とができ、適切な変換テーブルにより線形化変換を行う
ことができる。
【0384】請求項15に記載のトラックジャンプ装置
によれば、シングルトラックジャンプを行う場合には、
前記リファレンス位置として、ジャンプの開始時点から
の加速状態による位置変化と、ジャンプの終了に至る減
速状態による位置変化との間に、少なくとも一度一定速
度状態での位置変化を含むリファレンス位置を用いてる
ので、隣接する二つの記録トラック間のピッチが極めて
挟い場合でも、フィードバック制御における周波数帯域
を低下させて安定したフィードバックループによりアク
チュエータを前記一定速度状態での位置変化を含むリフ
ァレンス位置に追従するように精度の良くジャンプさせ
ることができる。
【0385】請求項16に記載のトラックジャンプ装置
によれば、マルチトラックジャンプを行う場合には、前
記リファレンス位置として、ジャンプの開始時点からの
加速状態による位置変化と、ジャンプの終了に至る減速
状態による位置変化との間に、少なくとも一度一定速度
状態での位置変化を含むリファレンス位置を用い、前記
リファレンス位置と前記トラッキングエラー信号の線形
化変換後の信号を、前記レーザビームスポットが記録ト
ラックを横切る際のオントラックのタイミングでジャン
プ開始時の初期値にリセットするので、ジャンプするト
ラック数が複数の場合であっても、前記線形化変換後の
信号とリファレンス位置により、シングルトラックジャ
ンプの場合と同様なフィードバック制御を繰り返して行
うことができ、精度の高いジャンプを行うことができ
る。
【0386】請求項17に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記リファレンス位置と前記トラッキングエ
ラー信号の線形化変換後の信号をリセットするタイミン
グを、1つの記録トラックを横切る際のオントラックの
タイミングとしたので、シングルジャンプ時のフィード
バック制御を繰り返して行うことができ、精度の高いジ
ャンプを行うことができる。
【0387】請求項18に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記リファレンス位置と前記トラッキングエ
ラー信号の線形化変換後の信号をリセットするタイミン
グを、複数の記録トラックを横切る際のオントラックの
タイミングとしたので、精度の高いジャンプを行うこと
ができると共にジャンプに要する時間を短縮することが
できる。
【0388】請求項19に記載のトラックジャンプ装置
によれば、マルチトラックジャンプを行う場合には、前
記リファレンス位置として、ジャンプの開始時点からの
加速状態による位置変化と、ジャンプの終了に至る減速
状態による位置変化との間に、少なくとも一度一定速度
状態での位置変化を含むリファレンス位置を用い、前記
リファレンス位置と前記トラッキングエラー信号の線形
化変換後の信号を、前記レーザビームスポットが記録ト
ラックを横切る際の記録トラック間の中間位置のタイミ
ングでジャンプ開始時の初期値にリセットするので、よ
り一層細かな分解能でフィードバック制御を行うことが
でき、より一層精度の高いジャンプを行うことができ
る。
【0389】請求項20に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記トラッキングエラー信号のゼロクロス周
波数と、所定の目標周波数とを比較し、その誤差を低減
させるように前記アクチュエータ駆動手段に対する駆動
信号をフィードバックしてアクチュエータの速度制御を
行う速度制御手段を更に備え、マルチトラックジャンプ
を行う場合には、前記位置制御手段による制御と前記速
度制御手段による制御を併用するので、ジャンプ時間の
短縮とジャンプの高精度化とを両立することができる。
【0390】請求項21に記載のトラックジャンプ装置
によれば、ジャンプさせる記録トラック数が所定数以下
の場合には前記位置制御手段により制御を行い、前記記
録トラック数が所定数を超える場合には前記速度制御手
段による制御を行った後に前記位置制御手段による制御
を行うので、ジャンプ時間の短縮化とジャンプの高精度
化を両立しつつ、ジャンプ距離に応じた適切なジャンプ
制御を行うことができる。
【0391】請求項22に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記速度制御手段による制御時におけるアク
チュエータの移動速度を、前記位置制御手段による制御
時におけるアクチュエータの移動速度よりも速くなるよ
うに設定したので、確実にジャンプ時間の短縮化を図る
ことができる。
【0392】請求項23に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記速度制御手段による制御を前記一定速度
期間において行い、前記減速パルスが印加される期間あ
るいは減速終了後オントラックになるまでの期間で前記
位置制御手段による制御を行うので、ある程度の位置ま
ではできるだけジャンプ時間の短縮を図ることができ、
目標位置に近づいた段階でより精度の高いジャンプを行
うことができる。
【0393】請求項24に記載のトラックジャンプ装置
によれば、トラックジャンプの終了後に前記トラッキン
グエラー信号をゼロとするように前記アクチュエータ駆
動手段に対する駆動信号をフィードバックしてアクチュ
エータの位置制御を行うトラッキングサーボ制御手段を
更に備え、前記位置制御手段及び速度制御手段並びにト
ラッキングサーボ制御手段は、それぞれの制御の特性に
応じた位相補償器を備えているので、周波数帯域の異な
るそれぞれの制御を適切に行うことができる。
【0394】請求項25に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記速度制御手段による制御から前記位置制
御手段による制御に移行し、更にトラッキングサーボ制
御手段による制御に移行する際には、それぞれの制御に
おける位相補償器の積分項を次の制御の位相補償器に受
け渡すので、慣性系の影響を受けてジャンプするアクチ
ュエータが、目標位置に到達した際に、バネ系の影響を
受ける場合でも、ジャンプ中における低域成分の積分項
が受け渡されているので、この低域成分を抑圧するよう
に制御を行うことができ、レーザビームスポットを目標
のトラック位置に迅速に引き込むことができる。
【0395】請求項26に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記速度制御手段による制御から前記位置制
御手段による制御に移行し、更にトラッキングサーボ制
御手段による制御に移行する際には、それぞれの制御に
おけるドライブ量の積分値を次の制御に受け渡すので、
慣性系の影響を受けてジャンプするアクチュエータが、
目標位置に到達した際に、バネ系の影響を受ける場合で
も、前記ドライブ量の積分値が受け渡されているので、
このドライブ量に応じて前記バネ系の影響を無くすよう
に制御を行うことができ、レーザビームスポットを目標
のトラック位置に迅速に引き込むことができる。
【0396】請求項27に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記速度制御手段による制御から前記位置制
御手段による制御に移行し、更にトラッキングサーボ制
御手段による制御に移行する際には、それぞれの制御に
おいてジャンプしたトラック数を次の制御に受け渡すの
で、慣性系の影響を受けてジャンプするアクチュエータ
が、目標位置に到達した際に、バネ系の影響を受ける場
合でも、前記トラック数はアクチュエータの変位量を示
すため、この変位量を低減するように制御を行うことが
でき、レーザビームスポットを目標のトラック位置に迅
速に引き込むことができる。
【0397】請求項28に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記速度制御手段による制御から前記位置制
御手段による制御に移行し、更にトラッキングサーボ制
御手段による制御に移行する際には、前記位置制御手段
による制御期間あるいは前記フィードフォワード制御時
の減速または加速を行うオープン制御期間は、前の処理
の積分項あるいは積分されたドライブ量をオフセットと
してフィードフォワード加算するので、慣性系の影響を
受けてジャンプするアクチュエータが、目標位置に到達
した際に、バネ系の影響を受ける場合でも、前記ドライ
ブ量がフィードフォワード加算されるので、バネ系の影
響を相殺するように制御を行うことができ、レーザビー
ムスポットを目標のトラック位置に迅速に引き込むこと
ができる。
【0398】請求項29に記載のトラックジャンプ装置
によれば、ランドトラック及びグルーブトラックの双方
に記録を行う記録媒体において、ランドトラックからグ
ルーブトラック、あるいはグルーブトラックからランド
トラックへのハーフトラックジャンプを行う場合には、
ランドトラックからランドトラックへのジャンプ、また
はグルーブトラックからグルーブトラックへのジャンプ
の際に検出されるトラッキングエラー信号の半波分のト
ラッキングエラー信号を用いてそれぞれの制御を行うの
で、通常のトラック間隔に対して半分の間隔しかないグ
ルーブトラックからランドトラック、またはランドトラ
ックからグルーブトラックへのジャンプにおいても、上
述したような加速パルスと減速パルス期間に一定速度期
間を設け、フィードフォワード制御とフィードバック制
御を行うことができ、精度の高いジャンプを行うことが
できる。
【0399】請求項30に記載のトラックジャンプ装置
によれば、ランドトラック及びグルーブトラックの双方
に記録を行う記録媒体において、複数のトラックを隔て
たハーフトラックジャンプを行う場合には、ランドトラ
ック間またはグルーブトラック間のジャンプ期間は、そ
の期間に検出される全波分のトラッキングエラー信号を
用い、前記目標のランドトラックまたはグルーブトラッ
クの一つ手前のグルーブトラックまたはランドトラック
から、目標のランドトラックまたはグルーブトラックへ
のジャンプ期間は、前記トラッキングエラー信号の半波
分のトラッキングエラー信号を用いてそれぞれの制御を
行うので、複数のランドトラックまたはグルーブトラッ
ク間のジャンプ期間だけでなく、前記目標のランドトラ
ックまたはグルーブトラックの一つ手前のグルーブトラ
ックまたはランドトラックから、目標のランドトラック
またはグルーブトラックへのジャンプ期間においても、
上述したような加速パルスと減速パルス期間に一定速度
期間を設けてフィードフォワード制御とフィードバック
制御を行うことができ、精度の高いジャンプを行うこと
ができる。
【0400】請求項31に記載のトラックジャンプ装置
によれば、前記領域判別手段により、前記トラッキング
エラー信号の微分信号のゼロクロスを基準に前記領域の
判別を行うので、トラッキングエラー信号の半波分のト
ラッキングエラー信号を用いて制御を行う場合でも、適
切にトラッキングエラー信号の線形化変換を行うことが
できる。
【0401】請求項32に記載のトラックジャンプ装置
によれば、ゲインコントローラ及びオフセットコントロ
ーラを更に備え、該ゲインコントローラ及びオフセット
コントローラによりゲイン調整及びオフセット調整され
たトラッキングエラー信号を用いて制御を行うので、各
種の制御に用いられるトラッキングエラー信号は、ゲイ
ンコントローラ及びオフセットコントローラによりゲイ
ン調整及びオフセット調整されたトラッキングエラー信
号となり、偏心等の影響によりトラッキングエラー信号
に変動がある場合でも、適切な線形化変換処理、フィー
ドバック処理等を行うことができ、精度の高いジャンプ
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態におけるトラックジャ
ンプ装置の構成を示すブロック線図である。
【図2】図1のトラックジャンプ装置におけるアクチュ
エータ及びフィードフォワード補償器の周波数特性を示
す図である。
【図3】(A)は本発明の第1の実施形態におけるリフ
ァレンス位置発生器から出力されるプロフィールを示す
図、(B)は(A)のプロフィールを1階微分した速度
変化を示す図、(C)は(A)のプロフィールを2階微
分したフィードフォワード出力を示す図である。
【図4】(A)は図1のトラックジャンプ装置における
線形化変換器によってトラッキングエラー信号を線形化
変換した線形化位置出力を示す図、(B)は図1のトラ
ックジャンプ装置における位置検出器によって得られる
トラッキングエラー信号を示す図である。
【図5】トラッキングサーボ制御時におけるトラッキン
グエラー信号の参照方法と、トラックジャンプ時のトラ
ッキングエラー信号の参照方法とを比較するための図で
ある。
【図6】図1のトラックジャンプ装置の線形化変換器に
おいて用いられる線形化変換用のテーブルを示す図であ
る。
【図7】(A)は図1のトラックジャンプ装置において
検出されるトラッキングエラー信号を示す図、(B)は
トラッキングエラー信号の微分波形と領域の関係を示す
図、(C)はフォーカスサムと領域との関係を示す図で
ある。
【図8】(A)は図6に示すテーブルを示す図、(B)
は線形化変換器に入力されるトラッキング信号を示す
図、(C)は(B)のトラッキングエラー信号を線形化
変換した結果である線形化位置出力を示す図である。
【図9】リファレンス位置に対する、速度が速い場合の
線形化位置出力と、速度が遅い場合の線形化位置出力と
の偏差を示す図である。
【図10】本実施形態のトラックジャンプ装置と比較さ
れる比較例のトラックジャンプ制御を説明するための図
であり、(A)はリファレンス位置を示す図、(B)は
リファレンス位置を1階微分した速度変化を示す図、
(C)はリファレンス位置を2階微分したフィードフォ
ワード出力を示す図である。
【図11】(A)は直結フィードバック系のモデルを示
す図、(B)は(A)のフィードバック系に入力される
定速度入力を説明する図、(C)は(A)のフィードバ
ック系に入力される定加速度入力を説明する図である。
【図12】(A)は段階的に減速するプロフィールを示
す図、(B)は(A)のプロフィールを1階微分した速
度変化を示す図、(C)は(A)のプロフィールを2階
微分したフィードフォワード出力を示す図である。
【図13】(A)は段階的に加速するプロフィールを示
す図、(B)は(A)のプロフィールを1階微分した速
度変化を示す図、(C)は(A)のプロフィールを2階
微分したフィードフォワード出力を示す図である。
【図14】(A)は一定速度期間が無く加速期間と減速
期間が交互に現れるプロフィールを示す図、(B)は
(A)のプロフィールを1階微分した速度変化を示す
図、(C)は(A)のプロフィールを2階微分したフィ
ードフォワード出力を示す図である。
【図15】本発明の第1の実施形態における実験例に用
いたトラックジャンプ装置の構成を示すブロック図であ
る。
【図16】図15に示すトラックジャンプ装置を用いて
行った実験結果を示す図であり、(a)はトラックジャ
ンプ中にフィードバックループを形成せず外乱の無い状
態におけるトラッキングエラー信号を示す図、(b)は
(a)のトラッキングエラー信号を線形化変換した線形
化位置出力を示す図、(c)は(a)のトラッキングエ
ラー信号に基づくプロフィールを示す図、(d)は
(c)のプロフィールに対する線形化位置出力の位置偏
差を示す図である。
【図17】図15に示すトラックジャンプ装置を用いて
行った実験結果を示す図であり、(a)はトラックジャ
ンプ中にフィードバックループを形成せず加速方向に小
さめの外乱を与えた場合におけるトラッキングエラー信
号を示す図、(b)は(a)のトラッキングエラー信号
を線形化変換した線形化位置出力を示す図、(c)は
(a)のトラッキングエラー信号に基づくプロフィール
を示す図、(d)は(c)のプロフィールに対する線形
化位置出力の位置偏差を示す図である。
【図18】図15に示すトラックジャンプ装置を用いて
行った実験結果を示す図であり、(a)はトラックジャ
ンプ中にフィードバックループを形成せず減速方向に小
さめの外乱を与えた場合におけるトラッキングエラー信
号を示す図、(b)は(a)のトラッキングエラー信号
を線形化変換した線形化位置出力を示す図、(c)は
(a)のトラッキングエラー信号に基づくプロフィール
を示す図、(d)は(c)のプロフィールに対する線形
化位置出力の位置偏差を示す図である。
【図19】図15に示すトラックジャンプ装置を用いて
行った実験結果を示す図であり、(a)はトラックジャ
ンプ中にフィードバックループを形成して加速方向に外
乱を与えた場合におけるトラッキングエラー信号を示す
図、(b)はフィードフォワード制御とフィードバック
制御の下でアクチュエータのドライバに供給されるドラ
イブ信号を示す図である。
【図20】図15に示すトラックジャンプ装置を用いて
行った実験結果を示す図であり、(a)はトラックジャ
ンプ中にフィードバックループを形成して減速方向に外
乱を与えた場合におけるトラッキングエラー信号を示す
図、(b)はフィードフォワード制御とフィードバック
制御の下でアクチュエータのドライバに供給されるドラ
イブ信号を示す図である。
【図21】図15に示すトラックジャンプ装置を用いて
行った実験結果を示す図であり、(a)はトラックジャ
ンプ中にフィードバックループを形成せず、フィードフ
ォワード制御のみを行い、加速方向に外乱を与えた場合
におけるトラッキングエラー信号を示す図、(b)はフ
ィードフォワード制御の下でアクチュエータのドライバ
に供給されるドライブ信号を示す図である。
【図22】図15に示すトラックジャンプ装置を用いて
行った実験結果を示す図であり、(a)はトラックジャ
ンプ中にフィードバックループを形成し、加速量と減速
量を大きくして、加速方向に外乱を与えた場合における
トラッキングエラー信号を示す図、(b)は当該制御の
下でアクチュエータのドライバに供給されるドライブ信
号を示す図である。
【図23】図15に示すトラックジャンプ装置を用いて
行った実験結果を示す図であり、(a)はトラックジャ
ンプ中にフィードバックループを形成せず、フィードフ
ォワード制御のみを行い、減速方向に外乱を与えた場合
におけるトラッキングエラー信号を示す図、(b)はフ
ィードフォワード制御の下でアクチュエータのドライバ
に供給されるドライブ信号を示す図である。
【図24】図15に示すトラックジャンプ装置を用いて
行った実験結果を示す図であり、(a)はトラックジャ
ンプ中にフィードバックループを形成し、加速量と減速
量を大きくして、減速方向に外乱を与えた場合における
トラッキングエラー信号を示す図、(b)は当該制御の
下でアクチュエータのドライバに供給されるドライブ信
号を示す図である。
【図25】第1の実施形態のトラックジャンプ装置にお
いて線形化変換器の前段にゲインコントローラ・オフセ
ットコントローラを設けた変形例1のブロック図であ
る。
【図26】図25のゲインコントローラ・オフセットコ
ントローラに対する入力信号の詳細を示す図である。
【図27】(A)はトラッキングエラー信号の例、
(B)はゲインコントローラ・オフセットコントローラ
の一例を示すブロック図である。
【図28】第1の実施形態のトラックジャンプ装置に、
トラッキングエラー信号の検出方式毎の変換テーブル
と、当該変換テーブルの選択器を設けた変形例2の概略
構成を示すブロック図である。
【図29】ディファレンシャル・フェイズ・ディテクシ
ョン法により生成されるトラッキングエラー信号と、プ
ッシュプル法により生成されるトラッキングエラー信号
を示す図である。
【図30】第1の実施形態における線形化変換器のアナ
ログ回路による構成を示すブロック図である。
【図31】図30の線形化変換器における各種の信号の
波形を示す図であり、(A)は入力されるジャンプパル
スの波形を示す図、(B)は最大値ラッチ信号の波形
図、(C)は最小値ラッチ信号の波形図、(D)は領域
切換信号の波形図、(E)はフォーカスサムの波形図、
(F)はトラッキングエラー信号の波形図、(G)は線
形化位置出力の波形図、(H)はプロフィールを示す波
形図である。
【図32】本発明の第2の実施形態におけるトラックジ
ャンプ装置の構成を示すブロック線図である。
【図33】図32のトラックジャンプ装置における目標
値となるリファレンス信号と、トラッキングエラー信号
との偏差を示す図である。
【図34】本発明の第3の実施形態におけるトラックジ
ャンプ装置の構成を示すブロック線図である。
【図35】図34のトラックジャンプ装置における各種
の信号の波形を示す図であり、(A)はトラッキングエ
ラー信号の波形図、(B)はフィードフォワード出力の
波形図、(C)は速度変化の波形図、(D)はビーム位
置の波形図、(E)はリファレンス位置の波形図、
(F)は線形化位置出力の波形図、(G)はアクチュエ
ータのドライバに入力されるドライブ信号の波形図であ
る。
【図36】図34のトラックジャンプ装置における目標
値の与え方を示す図であり、(A)はジャンプ開始時、
(B)はジャンプ終了時、(C)はトラック横断時のそ
れぞれにおける目標値を示す図である。
【図37】本発明の第3の実施形態におけるトラックジ
ャンプ装置に適用可能なリファレンス位置の変形例を説
明するための図であり、(A)はトラッキングエラー信
号の波形図、(B)は半トラック毎にリセットするリフ
ァレンス位置を示す波形図、(C)はトラッキングエラ
ー信号の波形図、(D)は1トラック毎にリセットする
リファレンス位置を示す波形図、(E)はトラッキング
エラー信号を示す波形図、(F)は2トラック毎にリセ
ットするリファレンス位置を示す波形図である。
【図38】本発明の第2の実施形態における変形例2の
トラックジャンプ装置の構成を示すブロック線図であ
る。
【図39】図38のトラックジャンプ装置における各種
の信号の波形を示す図であり、(A)はトラッキングエ
ラー信号の波形図、(B)はフィードフォワード出力の
波形図、(C)は速度変化の波形図、(D)はビーム位
置の波形図、(E)はリファレンス位置の波形図であ
る。
【図40】第3の実施形態の変形例3におけるトラック
ジャンプ装置の各種の信号の波形を示す図であり、
(A)はトラッキングエラー信号の波形図、(B)はフ
ィードフォワード出力の波形図、(C)は速度変化の波
形図、(D)はビーム位置の波形図、(E)はリファレ
ンス位置の波形図である。
【図41】本発明の第4の実施形態におけるトラックジ
ャンプ装置の構成を示すブロック線図である。
【図42】第4の実施形態におけるトラックジャンプ装
置の各種の信号の波形を示す図であり、(A)は(B)
のトラッキングエラー信号の一部を拡大した波形図、
(B)はトラッキングエラー信号、(C)はフィードフ
ォワード出力の波形図、(D)は速度変化の波形図、
(E)はビーム位置の波形図、(F)はリファレンス位
置の波形図である。
【図43】本発明の第4の実施形態における実験例に用
いたトラックジャンプ装置の構成を示すブロック線図で
ある。
【図44】図43のトラックジャンプ装置を用いて、フ
ィードフォワード制御を行いつつ一定速度期間に周波数
制御とリファレンスジャンプを行って現在のトラックか
ら20トラック先の目標トラックにジャンプさせた場合
の各種の信号の波形図を示す図であり、(A)はトラッ
キングエラー信号の波形図、(B)はアクチュエータの
ドライバに供給されるドライブ信号の波形図、(C)は
線形化位置出力の波形図、(D)はリファレンス位置の
波形図である。
【図45】図43のトラックジャンプ装置を用いて、フ
ィードフォワード制御を行いつつ一定速度期間にリファ
レンスジャンプのみを行って現在のトラックから8トラ
ック先の目標トラックにジャンプさせた場合の各種の信
号の波形図を示す図であり、(A)はトラッキングエラ
ー信号の波形図、(B)はアクチュエータのドライバに
供給されるドライブ信号の波形図、(C)は線形化位置
出力の波形図、(D)はリファレンス位置の波形図であ
る。
【図46】図43のトラックジャンプ装置を用いて、フ
ィードフォワード制御を行いつつ一定速度期間に周波数
制御のみを行って現在のトラックから20トラック先の
目標トラックにジャンプさせた場合の各種の信号の波形
図を示す図であり、(A)はトラッキングエラー信号の
波形図、(B)はアクチュエータのドライバに供給され
るドライブ信号の波形図、(C)は線形化位置出力の波
形図、(D)はリファレンス位置の波形図である。
【図47】第4の実施形態において、減速区間及び減速
終了後オントラックになるまでの区間で徐々に速度が遅
くなるリファレンス位置を用いた変形例1における各種
の信号波形を示す図であり、(A)はトラッキングエラ
ー信号の波形図、(B)はアクチュエータのドライバに
供給されるドライブ信号の波形図、(C)は線形化位置
出力の波形図である。
【図48】第4の実施形態の変形例2において、周波数
制御用の位相補償器、リファレンスジャンプ用の位相補
償器、及びトラッキングサーボ用の位相補償器として用
いられるディジタルイコライザの構成例を示すブロック
線図である。
【図49】本発明の第5の実施形態におけるトラックジ
ャンプ装置の構成を示すブロック線図である。
【図50】図49のトラックジャンプ装置における各種
の信号の波形図であり、(A)はトラッキングエラー信
号の波形図、(B)はジャンプトリガの波形図、(C)
はアクチュエータのドライバに供給されるドライブ信号
の波形図、(D)はピーク値検出信号の波形図、(E)
はリファレンス位置の波形図、(F)は線形化位置出力
の波形図である。
【図51】領域の切り換えのために、トラッキングエラ
ー信号の微分信号からピーク値検出信号を得る第5の実
施形態の変形例1における各種の信号の波形を示す図で
あり、(A)はトラッキングエラー信号の波形図、
(B)は(A)のトラッキングエラー信号の微分信号の
波形図、(C)はピーク検出値信号の波形図である。
【図52】本発明の第6の実施形態におけるトラックジ
ャンプ装置の各種の信号の波形図であり、(A)はトラ
ッキングエラー信号の波形図、(B)はフィードフォワ
ード出力の波形図、(C)はビームの速度変化の波形
図、(D)はビームの位置変化の波形図、(E)はリフ
ァレンス位置の波形図、(F)は線形化位置出力の波形
図、(G)はアクチュエータのドライバに供給されるド
ライブ信号の波形図である。
【図53】第6の実施形態におけるトラックジャンプ装
置の各種の信号の波形を示す図であり、(A)はトラッ
キングエラー信号の波形図、(B)はフィードフォワー
ド出力の波形図、(C)は速度変化の波形図、(D)は
ビーム位置の波形図である。
【符号の説明】
1…アクチュエータ 2…フィードフォワード補償器 3…リファレンス位置発生器 4…位置検出器 5…線形化変換器 6…安定化補償器 10…アクチュエータ 11…ドライバ 13…位相補償部 18…フィードフォワード補償部 19…タイミング発生部 20…CPU 21…フォトディテクタ 22…トラッキングエラー検出部 40…ゲイン/オフセットコントローラ 60…選択部 100…リファレンス位置発生器 101…線形化変換器 107…安定化補償器 108…位置/速度変換器 109…ゼロクロス検出器 110…ゼロクロス間隔測定器 200…ゼロクロス検出回路 201…トラック間隔カウンタ 203,204…位相補償回路 300…リファレンス位置発生部 301…線形化変換部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−167357(JP,A) 特開 平9−63068(JP,A) 特開 平2−33732(JP,A) 特開 平4−176023(JP,A) 特開 昭62−298930(JP,A) 特開 昭63−181179(JP,A) 特開 平11−297012(JP,A) 特開 平3−222120(JP,A) 特開 平6−215500(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/08 - 7/10

Claims (32)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクチュエータの対物レンズを介して記
    録媒体上の所定の記録トラックに照射されるレーザビー
    ムスポットを、目標の記録トラックに照射させるよう
    に、前記アクチュエータの位置を前記目標の記録トラッ
    クに対応した位置までジャンプさせるトラックジャンプ
    装置であって、 前記アクチュエータを移動させるアクチュエータ駆動手
    段と、 前記記録トラックと前記レーザビームスポットの相対位
    置の変化に基づく前記記録媒体からの戻り光の変化によ
    りトラッキングエラー信号を検出するトラッキングエラ
    ー信号検出手段と、前記アクチュエータの時間経過に伴う位置変化を表すプ
    ロフィールを設定するプロフィール設定手段、及び、2
    階の微分器からなり当該プロフィール設定手段により設
    定されたプロフィールを目標値とするフィードフォワー
    ド補償器を備え、 前記アクチュエータ駆動手段に対して
    加速パルス及び減速パルスを印加するフィードフォワー
    ド制御手段と、 前記加速パルスの印加により開始される前記目標の記録
    トラックへのジャンプ時に前記トラッキングエラー信号
    検出手段によって検出される前記トラッキングエラー信
    号と、前記目標値とを比較し、その誤差を低減させるよ
    うに前記アクチュエータ駆動手段に対する駆動信号をフ
    ィードバックしてアクチュエータの位置制御を行う位置
    制御手段とを備え、前記プロフィール設定手段は、前記アクチュエータの加
    速期間、一定速度期間、減速期間のそれぞれの期間にお
    ける位置変化を含むプロフィールを設定し、 前記フィードフォワード補償器は、前記プロフィールを
    目標値として2階微分することにより、前記加速パルス
    と減速パルスを印加する、 ことを特徴とするトラックジャンプ装置。
  2. 【請求項2】 マルチトラックジャンプを行う際には、
    前記プロフィール設定手段は、各トラック毎に前記プロ
    フィールを設定し、前記フィードフォワード補償器は、
    各トラック毎に当該プロフィールを目標値とすることを
    特徴とする請求項1に記載のトラックジャンプ装置。
  3. 【請求項3】 一定速度期間は、加速期間及び減速期間
    よりも長くなるように設定されることを特徴とする請求
    項1または2に記載のトラックジャンプ装置。
  4. 【請求項4】 前記フィードフォワード制御手段は、前
    記加速パルスを印加した後に、前記一定速度期間を設
    け、前記一定速度期間の終了後に減速パルスを印加する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1
    に記載のトラックジャンプ装置。
  5. 【請求項5】 前記フィードフォワード制御手段は、前
    記加速パルスを印加した後に、段階的に複数の減速パル
    スを印加し、前記加速パルスと前記減速パルスの間、及
    び各減速パルス間に前記一定速度期間を設けることを特
    徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1に記載の
    トラックジャンプ装置。
  6. 【請求項6】 前記フィードフォワード制御手段は、段
    階的に複数の加速パルスを印加した後に、減速パルスを
    印加し、前記加速パルス間、及び前記加速パルスと前記
    減速パルスの間に前記一定速度期間を設けることを特徴
    とする請求項1ないし請求項3のいずれか1に記載のト
    ラックジャンプ装置。
  7. 【請求項7】 前記フィードフォワード制御手段は、前
    記加速パルスと減速パルスの印加パターンを複数備え、
    ジャンプする距離に応じて前記印加パターンを選択する
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1
    に記載のトラックジャンプ装置。
  8. 【請求項8】 前記トラッキングエラー信号を線形化変
    換する線形化変換手段と、前記所定の目標値として、前
    記アクチュエータの時間経過に伴う位置変化を表すリフ
    ァレンス位置の設定を行うリファレンス位置設定手段と
    を更に備え、前記フィードバック制御手段は、前記線形
    化変換手段の出力値と前記リファレンス位置とを比較
    し、その誤差を低減させるように前記アクチュエータ駆
    動手段に対する駆動信号を制御することを特徴とする請
    求項1乃至請求項7の何れか一項に記載のトラックジャ
    ンプ装置。
  9. 【請求項9】 前記トラッキングエラー信号を線形化変
    換する線形化変換手段を更に備え、前記フィードバック
    制御手段は、前記プロフィール設定手段により設定され
    るプロフィールを、前記所定の目標値としてのリファレ
    ンス位置として用い、前記線形化変換手段の出力値と前
    記リファレンス位置とを比較し、その誤差を低減させる
    ように前記アクチュエータ駆動手段に対する駆動信号を
    制御することを特徴とする請求項7に記載のトラックジ
    ャンプ装置。
  10. 【請求項10】 前記トラッキングエラー信号検出手段
    によって検出される前記トラッキングエラー信号が、信
    号の値が増加方向に変化する領域と、減少方向に変化す
    る領域との少なくとも何れの領域に属する信号であるか
    を判別する領域判別手段を更に備え、前記線形化変換手
    段は、前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを備え、
    前記領域判別手段による判別結果に基づいて前記変換テ
    ーブルを選択し、前記トラッキングエラー信号を線形化
    変換することを特徴とする請求項8または請求項9に記
    載のトラックジャンプ装置。
  11. 【請求項11】 トラッキングエラー信号の検出方式を
    判別する検出方式判別手段を更に備え、前記線形化変換
    手段は、前記領域毎に異なる複数の変換テーブルを前記
    検出方式毎に複数備え、前記検出方式判別手段による判
    別結果に応じて、前記検出方式に応じた前記領域毎に異
    なる複数の変換テーブルを選択し、選択した複数の変換
    テーブルの中から、前記領域判別手段による判別結果に
    基づいて変換テーブルを選択し、前記トラッキングエラ
    ー信号を線形化変換することを特徴とする請求項8また
    は請求項9に記載のトラックジャンプ装置。
  12. 【請求項12】 前記領域判別手段は、前記トラッキン
    グエラー信号検出手段によって検出される前記トラッキ
    ングエラー信号が、信号の値が正の値で増加方向に変化
    する領域と、減少方向に変化する領域と、負の値で増加
    する方向に変化する領域との3領域の何れに属する信号
    であるかを判別することを特徴とする請求項10または
    請求項11に記載のトラックジャンプ装置。
  13. 【請求項13】 前記領域判別手段は、前記トラッキン
    グエラー信号のピーク値への到達タイミングを基準にし
    て前記領域を判別することを特徴とする請求項10乃至
    請求項12の何れか一項に記載のトラックジャンプ装
    置。
  14. 【請求項14】 前記領域判別手段は、前記レーザビー
    ムスポットの前記記録媒体からの戻り光の総量に基づい
    て前記領域を判別することを特徴とする請求項10乃至
    請求項12の何れか一項に記載のトラックジャンプ装
    置。
  15. 【請求項15】 アクチュエータの対物レンズを介して
    記録媒体上の所定の記録トラックに照射されるレーザビ
    ームスポットを、当該所定の記録トラックに隣接する目
    標の記録トラックに照射させるように、前記アクチュエ
    ータの位置を前記目標の記録トラックに対応した位置に
    ジャンプさせる場合には、前記リファレンス位置は、ジ
    ャンプの開始時点からの加速状態による位置変化と、ジ
    ャンプの終了に至る減速状態による位置変化との間に、
    少なくとも一度一定速度状態での位置変化を含むことを
    特徴とする請求項8乃至請求項14の何れか一項に記載
    のトラックジャンプ装置。
  16. 【請求項16】 アクチュエータの対物レンズを介して
    記録媒体上の所定の記録トラックに照射されるレーザビ
    ームスポットを、複数の記録トラックを隔てた目標の記
    録トラックに照射させるように、前記アクチュエータの
    位置を前記目標の記録トラックに対応した位置にジャン
    プさせる場合には、前記リファレンス位置は、ジャンプ
    の開始時点からの加速状態による位置変化と、ジャンプ
    の終了に至る減速状態による位置変化との間に、少なく
    とも一度一定速度状態での位置変化を含み、前記リファ
    レンス位置と前記トラッキングエラー信号の線形化変換
    後の信号は、前記レーザビームスポットが記録トラック
    を横切る際のオントラックのタイミングでジャンプ開始
    時の初期値にリセットされることを特徴とする請求項8
    乃至請求項15の何れか一項に記載のトラックジャンプ
    装置。
  17. 【請求項17】 前記リファレンス位置と前記トラッキ
    ングエラー信号の線形化変換後の信号がリセットされる
    タイミングは、1つの記録トラックを横切る際のオント
    ラックのタイミングであることを特徴とする請求項15
    または請求項16に記載のトラックジャンプ装置。
  18. 【請求項18】 前記リファレンス位置と前記トラッキ
    ングエラー信号の線形化変換後の信号がリセットされる
    タイミングは、複数の記録トラックを横切る際のオント
    ラックのタイミングであることを特徴とする請求項16
    に記載のトラックジャンプ装置。
  19. 【請求項19】 アクチュエータの対物レンズを介して
    記録媒体上の所定の記録トラックに照射されるレーザビ
    ームスポットを、複数の記録トラックを隔てた目標の記
    録トラックに照射させるように、前記アクチュエータの
    位置を前記目標の記録トラックに対応した位置にジャン
    プさせる場合には、前記リファレンス位置は、ジャンプ
    の開始時点からの加速状態による位置変化と、ジャンプ
    の終了に至る減速状態による位置変化との間に、少なく
    とも一度一定速度状態での位置変化を含み、前記リファ
    レンス位置と前記トラッキングエラー信号の線形化変換
    後の信号は、前記レーザビームスポットが記録トラック
    を横切る際の記録トラック間の中間位置のタイミングで
    ジャンプ開始時の初期値にリセットされることを特徴と
    する請求項8乃至請求項15に記載のトラックジャンプ
    装置。
  20. 【請求項20】 前記トラッキングエラー信号のゼロク
    ロス周波数と、所定の目標周波数とを比較し、その誤差
    を低減させるように前記アクチュエータ駆動手段に対す
    る駆動信号をフィードバックしてアクチュエータの速度
    制御を行う速度制御手段を更に備え、アクチュエータの
    対物レンズを介して記録媒体上の所定の記録トラックに
    照射されるレーザビームスポットを、複数の記録トラッ
    クを隔てた目標の記録トラックに照射させるように、前
    記アクチュエータの位置を前記目標の記録トラックに対
    応した位置にジャンプさせる場合には、前記位置制御手
    段による制御と前記速度制御手段による制御を併用する
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項19の何れか一項
    に記載のトラックジャンプ装置。
  21. 【請求項21】 ジャンプさせる記録トラック数が所定
    数以下の場合には前記位置制御手段により制御を行い、
    前記記録トラック数が所定数を超える場合には前記速度
    制御手段による制御を行った後に前記位置制御手段によ
    る制御を行うことを特徴とする請求項20に記載のトラ
    ックジャンプ装置。
  22. 【請求項22】 前記速度制御手段による制御時におけ
    るアクチュエータの移動速度は、前記位置制御手段によ
    る制御時におけるアクチュエータの移動速度よりも速く
    なるように設定されていることを特徴とする請求項20
    または請求項21に記載のトラックジャンプ装置。
  23. 【請求項23】 前記速度制御手段による制御は、前記
    一定速度期間において行い、前記減速パルスが印加され
    る期間あるいは減速終了後オントラックになるまでの期
    間で前記位置制御手段による制御を行うことを特徴とす
    る請求項20乃至請求項22の何れか一項に記載のトラ
    ックジャンプ装置。
  24. 【請求項24】 トラックジャンプの終了後に前記トラ
    ッキングエラー信号をゼロとするように前記アクチュエ
    ータ駆動手段に対する駆動信号をフィードバックしてア
    クチュエータの位置制御を行うトラッキングサーボ制御
    手段を更に備え、前記位置制御手段及び速度制御手段並
    びにトラッキングサーボ制御手段は、それぞれの制御の
    特性に応じた位相補償器を備えていることを特徴とする
    請求項20乃至請求項23の何れか一項に記載のトラッ
    クジャンプ装置。
  25. 【請求項25】 前記速度制御手段による制御から前記
    位置制御手段による制御に移行し、更にトラッキングサ
    ーボ制御手段による制御に移行する際には、それぞれの
    制御における位相補償器の積分項を次の制御の位相補償
    器に受け渡すことを特徴とする請求項24に記載のトラ
    ックジャンプ装置。
  26. 【請求項26】 前記速度制御手段による制御から前記
    位置制御手段による制御に移行し、更にトラッキングサ
    ーボ制御手段による制御に移行する際には、それぞれの
    制御におけるドライブ量の積分項を次の制御に受け渡す
    ことを特徴とする請求項24に記載のトラックジャンプ
    装置。
  27. 【請求項27】 前記速度制御手段による制御から前記
    位置制御手段による制御に移行し、更にトラッキングサ
    ーボ制御手段による制御に移行する際には、それぞれの
    制御においてジャンプしたトラック数を次の制御に受け
    渡すことを特徴とする請求項24に記載のトラックジャ
    ンプ装置。
  28. 【請求項28】 前記速度制御手段による制御から前記
    位置制御手段による制御に移行し、更にトラッキングサ
    ーボ制御手段による制御に移行する際には、前記位置制
    御手段による制御期間あるいは前記フィードフォワード
    制御時の減速または加速を行うオープン制御期間は、前
    の処理の積分項あるいは積分されたドライブ量をオフセ
    ットとしてフィードフォワード加算することを特徴とす
    る請求項24に記載のトラックジャンプ装置。
  29. 【請求項29】 前記記録媒体がランドトラック及びグ
    ルーブトラックの双方に記録を行う記録媒体であり、当
    該記録媒体上の所定の記録トラックに、アクチュエータ
    の対物レンズを介して照射されるレーザビームスポット
    を、前記ランドトラックに隣接した目標のグルーブトラ
    ック、またはグルーブトラックに隣接した目標のランド
    トラックに照射させるように、前記アクチュエータの位
    置を前記目標のグルーブトラックまたはランドトラック
    に対応した位置までジャンプさせる場合には、ランドト
    ラックからランドトラックへのジャンプ、またはグルー
    ブトラックからグルーブトラックへのジャンプの際に検
    出されるトラッキングエラー信号の半波分のトラッキン
    グエラー信号を用いてそれぞれの制御を行うことを特徴
    とする請求項1乃至請求項28の何れか一項に記載のト
    ラックジャンプ装置。
  30. 【請求項30】 前記記録媒体が、ランドトラック及び
    グルーブトラックの双方に記録を行う記録媒体であり、
    当該記録媒体上の所定の記録トラックに、アクチュエー
    タの対物レンズを介して照射されるレーザビームスポッ
    トを、複数のランドトラックまたはグルーブトラックを
    隔てて、ランドトラックから目標のグルーブトラック
    に、またはグルーブトラックから目標のランドトラック
    に照射させるように、前記アクチュエータの位置を前記
    目標のグルーブトラックまたはランドトラックに対応し
    た位置にジャンプさせる場合には、複数のランドトラッ
    クまたはグルーブトラック間のジャンプ期間は、ランド
    トラック間またはグルーブトラック間のジャンプの際に
    検出される全波分のトラッキングエラー信号を用い、前
    記目標のランドトラックまたはグルーブトラックの一つ
    手前のグルーブトラックまたはランドトラックから、目
    標のランドトラックまたはグルーブトラックへのジャン
    プ期間は、前記トラッキングエラー信号の半波分のトラ
    ッキングエラー信号を用いてそれぞれの制御を行うこと
    を特徴する請求項1乃至請求項29の何れか一項に記載
    のトラックジャンプ装置。
  31. 【請求項31】 前記領域判別手段は、前記トラッキン
    グエラー信号の微分信号のゼロクロスを基準に前記領域
    の判別を行うことを特徴とする請求項29または請求項
    30に記載のトラックジャンプ装置。
  32. 【請求項32】 ゲインコントローラ及びオフセットコ
    ントローラを更に備え、該ゲインコントローラ及びオフ
    セットコントローラによりゲイン調整及びオフセット調
    整されたトラッキングエラー信号を用いて制御を行うこ
    とを特徴とする請求項1乃至請求項31の何れか一項に
    記載のトラックジャンプ装置。
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