JP2002110523A - 露光装置 - Google Patents

露光装置

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JP2002110523A
JP2002110523A JP2000300512A JP2000300512A JP2002110523A JP 2002110523 A JP2002110523 A JP 2002110523A JP 2000300512 A JP2000300512 A JP 2000300512A JP 2000300512 A JP2000300512 A JP 2000300512A JP 2002110523 A JP2002110523 A JP 2002110523A
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Japan
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exposure apparatus
slider
guide shaft
stage
actuator
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JP2000300512A
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Kazutoshi Sakaki
和敏 榊
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
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    • GPHYSICS
    • G03PHOTOGRAPHY; CINEMATOGRAPHY; ANALOGOUS TECHNIQUES USING WAVES OTHER THAN OPTICAL WAVES; ELECTROGRAPHY; HOLOGRAPHY
    • G03FPHOTOMECHANICAL PRODUCTION OF TEXTURED OR PATTERNED SURFACES, e.g. FOR PRINTING, FOR PROCESSING OF SEMICONDUCTOR DEVICES; MATERIALS THEREFOR; ORIGINALS THEREFOR; APPARATUS SPECIALLY ADAPTED THEREFOR
    • G03F7/00Photomechanical, e.g. photolithographic, production of textured or patterned surfaces, e.g. printing surfaces; Materials therefor, e.g. comprising photoresists; Apparatus specially adapted therefor
    • G03F7/70Microphotolithographic exposure; Apparatus therefor
    • G03F7/70691Handling of masks or workpieces

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  • Physics & Mathematics (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Exposure And Positioning Against Photoresist Photosensitive Materials (AREA)
  • Electron Beam Exposure (AREA)
  • Container, Conveyance, Adherence, Positioning, Of Wafer (AREA)
  • Exposure Of Semiconductors, Excluding Electron Or Ion Beam Exposure (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 モータを使用しないステージを備えた露光装
置を提供する。 【解決手段】 X−Yステージは、Xガイド軸11とこ
れに沿って移動可能なXスライダ12とを含むXアクチ
ュエータ10と、Yガイド軸21とこれに沿って移動可
能なYスライダ22とを含むYアクチュエータ20とを
備える。各アクチュエータは、ガイド軸の周囲とスライ
ダとの間に圧力室を形成すると共に、該圧力室を軸方向
に関して2つのシリンダ室に区画する隔壁をスライダ、
ガイド軸の一方に設け、2つに区画されたシリンダ室に
それぞれ、ガイド軸内に設けられた供給/排出通路を通
して圧縮空気を出入り可能にすることにより構成され、
一方のガイド軸を他方のガイド軸のスライダに連結する
ことにより、該一方のガイド軸のスライダに装着した前
記ステージをX軸方向、Y軸方向に移動可能とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は露光装置に関し、特
に、高精度の位置決め機能を持つX−Yステージを備え
た露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】露光装置は、光露光装置、電子ビーム露
光装置、イオンビーム露光装置、X線露光装置(シンク
ロトロン軌道放射光を利用したものも含む)等、様々な
種類のものが提供されている。
【0003】これらのうちの電子ビーム露光装置につい
て、図12を参照して簡単に説明する。図12におい
て、電子銃であるフィラメント101から出た電子は、
収束レンズ102により適度な電子ビーム照射量が得ら
れるように収束される。収束された電子ビームは、絞り
機構103により不要部分が除去される。絞り機構10
3を出た電子は、高速性を要求されるビームのオン、オ
フを駆動する静電偏向のブランキングプレート104を
通過し、静電(あるいは電磁)偏向系105により偏向
される。広がった分布は、対物レンズ106により絞ら
れ、半導体ウエハのようなワーク107に到達する。ワ
ーク107は、X−Yステージ108におけるステージ
に搭載されている。
【0004】なお、上記の説明はマスクを使用しない場
合であるが、電子ビームをウエハに直接描画せずに、予
め描画しない部分を隠した1枚のマスクを使用して、1
回、あるいは複数枚のマスクで複数回電子ビームを照射
し、1つのパターン、あるいは1枚のウエハ露光を完成
させても良い。
【0005】X−Yステージ108は、ステージをX軸
方向に駆動するためのX軸用のアクチュエータと、Y軸
方向に駆動するためのY軸用のアクチュエータとを備え
ている。各アクチュエータは、真空チャンバ110によ
る高真空下で使用され、また電子ビーム軌道を制御する
ための磁場あるいは電場に影響を与えないように、使用
される材料は、非磁性材料に限定される。このため、ア
ルミナセラミクス、ベリリウム銅などの非磁性材料を使
用したステージをころ軸受で案内し、摩擦駆動するとい
う構成が一般的である。
【0006】摩擦駆動によるアクチュエータは、図13
に示されるように、予圧Pをかけた従動輪(図示せず)
と駆動輪61とでスライダ62を挟み、摩擦により駆動
輪61の回転運動をスライダ62の直線運動に変換する
構造である。駆動輪61は、サーボモータ63で駆動さ
れる。スライダ62には、テーブル64が案内面上をこ
ろ軸受案内によりスライド可能に組合わされる。テーブ
ル64の移動量は変位センサ65で検出され、コントロ
ーラ66に送られる。コントローラ66は、検出された
移動量を受けてテーブル64が所定の目標位置に位置決
めされるようにサーボモータ63を制御する。
【0007】図13に示すアクチュエータは、一軸分の
構成であり、これをX軸用のアクチュエータとすると、
別にY軸用のアクチュエータが必要となる。Y軸用のア
クチュエータもX軸用のアクチュエータと同じ構成であ
るが、X軸用のアクチュエータとテーブル64とを一体
的にY軸方向に移動させることになる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のアクチュエータ
の特徴は、ボールねじ駆動機構と比較して高速駆動が可
能な点にあるが、摩擦力で駆動されるため推力が小さい
ことが問題点としてあげられる。更に、駆動輪61とス
ライダ62との間の摩擦係数が不明であるため、すべり
を嫌って低速で用いられることが多く、電子ビーム露光
装置に用いた場合のスループットは、半導体ウェハ数枚
/hr程度となっている。より大きな摩擦力を得るため
には、大きな予圧Pが必要となり、アクチュエータの材
料摩耗、発塵、寿命低下など信頼性の点で問題となる。
【0009】また、ころ軸受案内は接触式案内であり、
案内面ところの加工精度により案内精度が決まり、案内
剛性は比較的大きいものの、接触面への塵埃の混入に弱
いという問題がある。加えて、駆動輪61の回転にはサ
ーボモータ63を使用するが、サーボモータ63は磁性
を有するので、真空チャンバ外に設置する必要があり、
電子ビームの磁場に影響しない真空チャンバ外からスラ
イダ62によりテーブル64を駆動するという構成を採
用せざるを得ない。これは、X軸用、Y軸用の両アクチ
ュエータに共通の課題である。その結果、アクチュエー
タの占有面積増加、駆動軸が長くなることによる剛性の
低下に起因する運動性能の劣化などが新たな問題として
生じる。
【0010】そこで、本発明の課題は、モータを使用し
ないステージを備えた露光装置を提供することにある。
【0011】本発明の他の課題は、高精度の位置決めの
可能なステージを備えた露光装置を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、露光され
るべきワークを搭載するためのステージを備えた露光装
置において、前記ステージの駆動機構として流体圧駆動
によるアクチュエータを有することを特徴とする。
【0013】本露光装置においては、露光光源として、
例えば電子ビームが用いられ、真空中で使用される。
【0014】なお、露光光源としては、X線を用いても
良いし、波長が可視光域から紫外線域の露光光源を用い
ても良い。
【0015】第2の発明によれば、露光されるべきワー
クを搭載するためのステージを互いに直交するX軸、Y
軸方向に駆動可能としたX−Yステージを備えた露光装
置において、前記X−Yステージの駆動機構として流体
圧駆動によるアクチュエータを有することを特徴とする
露光装置が提供される。
【0016】第2の発明による露光装置においては、前
記X−Yステージは、X軸方向に延びるX軸用のガイド
軸とこれに沿って移動可能なX軸用のスライダとを含む
X軸用のアクチュエータと、Y軸方向に延びるY軸用の
ガイド軸とこれに沿って移動可能なY軸用のスライダと
を含むY軸用のアクチュエータとを備え、各アクチュエ
ータは、ガイド軸の周囲とスライダとの間に圧力室を形
成すると共に、該圧力室を軸方向に関して2つのシリン
ダ室に区画する隔壁をスライダ、ガイド軸の一方に設
け、2つに区画されたシリンダ室にそれぞれ、ガイド軸
内に設けられた供給/排出通路を通して圧縮流体を出入
り可能にすることにより構成され、一方のガイド軸を他
方のガイド軸のスライダに連結することにより、該一方
のガイド軸のスライダに装着した前記ステージをX軸方
向、Y軸方向に移動可能とされる。
【0017】第2の発明による露光装置においてはま
た、各アクチュエータにおけるシリンダ室の両側であっ
てガイド軸とスライダとの間にはそれぞれ軸受及びシリ
ンダ室からの漏れ流体を排出するための排出部が設けら
れ、ガイド軸内にはその端部から前記排出部に至る排出
通路が設けられる。
【0018】第2の発明による露光装置においては更
に、各ガイド軸の両端部にそれぞれ圧縮流体を供給/排
出するための接続部が設けられ、該接続部に接続した配
管にはサーボ弁が設けられる。
【0019】第2の発明による露光装置においては、各
アクチュエータが、ガイド軸とスライダとの組み合わせ
を2組、互いに平行になるような関係で有することが好
ましい。
【0020】第2の発明による露光装置においては更
に、前記軸受として静圧空気軸受が用いられ、各ガイド
軸内にはその端部から前記静圧空気軸受に至る給気通路
が設けられる。
【0021】なお、各アクチュエータは非磁性材料で構
成されるのが好ましい。
【0022】第2の発明による露光装置においては、各
アクチュエータが更に、2つの前記サーボ弁を制御する
ための制御系を備え、該制御系は、前記スライダの位置
を検出するための位置検出器と、該位置検出器からの位
置検出信号に対してサンプリングを行ってあらかじめ定
められた演算を行い、前記2つのサーボ弁に指令値を出
力する演算装置とを含み、該演算装置は、1サンプリン
グ周期前の指令値と1サンプリング周期前のスライダ位
置とを用いて現在のスライダの推定位置、推定速度、推
定加速度を算出する第1のステップと、スライダ目標位
置、算出されたスライダの推定位置、算出された推定速
度、算出された推定加速度より前記2つのサーボ弁に対
する指令値を算出する第2のステップと、1サンプリン
グ周期前の指令値、1サンプリング周期前の算出された
推定速度、1サンプリング周期前の算出された推定加速
度、算出された現在の推定加速度から定常位置偏差に対
する補正値を算出する第3のステップと、前記第2のス
テップで算出された指令値を前記第3のステップで算出
された補正値で補正して前記2つのサーボ弁に与える第
4のステップとを実行する。
【0023】前記サーボ弁は、3位置3ポート直動型サ
ーボ弁が好ましい。
【0024】第2の発明による露光装置においては、前
記スライダ目標値が与えられてからサーボ弁に対する指
令値が出力されるまでの制御系は、あらかじめ定められ
た伝達関数Gc (s)で規定され、前記演算装置は更
に、前記スライダ目標値に前記伝達関数の逆モデルGc
(s)-1を乗算するステップを実行することにより定常
速度偏差を低減できるようにされている。
【0025】第2の発明による露光装置においても、露
光光源として、例えば電子ビームが用いられ、真空中で
使用される。また、露光光源としては、X線を用いても
良いし、波長が可視光域から紫外線域の露光光源を用い
ても良い。
【0026】
【発明の実施の形態】図2を参照して、本発明によるX
−Yステージの駆動原理について説明する。このX−Y
ステージは、図12で説明した電子ビーム露光装置のよ
うな露光装置においてワークを搭載して互いに直交する
X軸方向、Y軸方向に駆動可能とするX−Yステージと
して利用される。
【0027】本形態によるX−Yステージは、後で説明
されるように、X軸方向駆動用のアクチュエータ(以
下、Xアクチュエータと呼ぶ)とY軸方向駆動用のアク
チュエータ(以下、Yアクチュエータと呼ぶ)とを備え
るが、アクチュエータとしての駆動原理は同じであるの
で、ここでは、Xアクチュエータについて説明する。
【0028】図2において、Xアクチュエータ10は、
両端部を支持体により固定されてX軸方向に延びるXガ
イド軸11と、これに沿って移動可能なXスライダ12
とを含む。Xスライダ12は、Xガイド軸11の周囲を
囲むことができるような筒状体であり、Xガイド軸11
の外周との間に空間ができるようにされている。この空
間は、圧力室として使用されるものであり、この圧力室
を軸方向に関して2つのシリンダ室16a、16bに区
画する隔壁13をXスライダ12の内壁に固定してい
る。隔壁13もXスライダ12と共にXガイド軸11に
沿ってスライド可能である。Xスライダ12の両端部に
はそれぞれ、静圧空気軸受14を設け、これらの静圧空
気軸受14には軸受給気系15を接続している。静圧空
気軸受は良く知られているので、詳細な構造については
説明を省略する。Xスライダ12の両端部にはまた、2
つに区画されたシリンダ室16a、16bにそれぞれ、
圧縮空気を出入り可能にするためのシリンダ給気系17
a、17bを接続している。シリンダ給気系17a、1
7bはそれぞれ、サーボ弁18a、18bを備え、これ
らのサーボ弁18a、18bは圧縮空気供給源に接続さ
れている。
【0029】このような構成により、静圧空気軸受14
に圧縮空気を供給すると、Xスライダ12はXガイド軸
11に対してわずかに浮上する。ここで、例えばサーボ
弁18aを圧縮空気供給側、サーボ弁18bを大気開放
側にすると、隔壁13はピストンとして作用してXスラ
イダ12は、図2中、右方向に移動する。このようにし
て、サーボ弁18a、18bの開度を制御することによ
り、Xスライダ12をXガイド軸11に対して任意の位
置に移動させることができる。
【0030】位置制御系については、図13で説明した
のと同様の方式を採用することができる。すなわち、図
13で説明したコントローラがXスライダ12の変位量
に応じてサーボ弁18a、18bの開度を制御するよう
にすれば良い。しかし、本発明による露光装置は、図1
3で説明したものとは異なる位置制御系を有しており、
これについては後述する。
【0031】次に、図3を参照して、上記の駆動原理を
利用したXアクチュエータ10の一例について説明す
る。この例では、Xガイド軸11として断面四角形状の
軸体を用い、Xスライダ12もXガイド軸11を挿通可
能な断面四角形状の内部空間を持つ断面四角形状にされ
ている。特に、Xスライダ12の内壁とXガイド軸11
の外周面との間の隙間はわずかである。また、Xガイド
軸11の中央部に近い領域において圧力室を形成するこ
とができるように、ここではXガイド軸11を細くして
いる。Xスライダ12の内壁には、圧力室を2つのシリ
ンダ室16a、16bに区画するために、Xガイド軸1
1に沿ってスライド可能な隔壁13を固定している。
【0032】以下では、2つに区画されたシリンダ室1
6a、16bのうち、シリンダ室16a側の構造につい
て説明する。シリンダ室16b側もまったく同じ構造で
ある。
【0033】シリンダ室16aに圧縮空気を出入り可能
にするために、Xガイド軸11内の中心にその端部から
中央部に向けて空気通路11−1を設けている。この空
気通路11−1は、シリンダ室16aに近い部分で複数
に分岐されてシリンダ室16aに連通しており、シリン
ダ室16a内の圧力分布が均一になるようにしている。
Xガイド軸11の端部における空気通路11−1には空
気配管が接続され、更に、図2で説明したサーボ弁が備
えられる。Xスライダ12の最大ストロークは、シリン
ダ室16a、16bの軸方向寸法により決まる。
【0034】図4をも参照して、シリンダ室16aに近
いXガイド軸11の周囲にはまた、静圧空気軸受14が
設けられ、静圧空気軸受14の両側に排気部19−1、
19−2が設けられる。静圧空気軸受14は、Xガイド
軸11の断面形状が矩形状であるので、その4つの面に
設けられる。排気部19−1、19−2は、シリンダ室
16aからの漏れ空気、静圧空気軸受14からの空気を
排気するためのものであり、排気を容易にするためにX
ガイド軸11の周囲に溝を形成し、この溝を通して排気
を行うようにしている。Xガイド軸11には更に、その
軸方向に関して静圧空気軸受14よりも外側の位置に真
空排気部19−3が設けられる。真空排気部19−3を
備えるのは、真空チャンバ内での使用を考慮してのこと
であり、この真空排気部19−3も排気を容易にするた
めに、Xガイド軸11の周囲に溝を形成し、この溝を通
して真空排気を行うようにしている。
【0035】静圧空気軸受14に圧縮空気を供給するた
めに、Xガイド軸11内にその端部から静圧空気軸受1
4に至る複数の空気通路11−2を設けている。Xガイ
ド軸11内にはまた、その端部から排気部19−1、1
9−2の溝に至る複数の排気通路11−3を設けてい
る。Xガイド軸11内には更に、その端部から真空排気
部19−3の溝に至る排気通路11−4を設けている。
この排気通路11−4は、真空排気部19−3の溝に、
Xガイド軸11の4つの面毎に穴を設け、それぞれの穴
に連通するようにされるのが望ましい。
【0036】なお、図4では、便宜上、Xガイド軸11
に設けられた複数種類の通路をすべて実線で示している
が、これらの通路は、Xガイド軸11内の周方向に関し
て異なった位置に設けられることは言うまでもない。
【0037】Xガイド軸11の端部における複数の空気
通路11−2には空気配管が接続され、更に圧縮空気供
給源が備えられる。同様に、Xガイド軸11の端部にお
ける複数の排気通路11−3には空気配管が接続され、
更に排気用のポンプが備えられる。Xガイド軸11の端
部における排気通路11−4には空気配管が接続され、
更に真空排気用のポンプが備えられる。
【0038】なお、Xガイド軸11の両端部は、図3に
示されるように、真空チャンバ1(図12の電子ビーム
露光装置の場合、真空チャンバ110に対応)の側壁に
おいて支持されるように側壁を貫通している。したがっ
て、Xガイド軸11の両端部における空気配管の接続
は、真空チャンバ1の外で行われる。
【0039】以上、Xアクチュエータ10について説明
したが、Yアクチュエータについてもまったく同じ構造
である。
【0040】次に、図1を参照して、上記のXアクチュ
エータ10、Yアクチュエータを使用したX−Yステー
ジの一例について説明する。この例では、Xアクチュエ
ータ10は、Xガイド軸11とXスライダ12との組合
わせを2組、互いに平行になるような関係で有し、Yア
クチュエータ20も、Yガイド軸21とYスライダ22
との組合わせを2組、互いに平行になるような関係で有
する。特に、2組のYガイド軸21の両端を、2組のX
スライダ12に連結している。その結果、2組のYガイ
ド軸21は、2組のXスライダ12と共にX軸方向に移
動可能となる。更に、2組のYスライダ22の間に、ス
テージ30が設けられている。このようにして、Xスラ
イダ12のX軸方向の移動と、Yスライダ22のY軸方
向の移動とを合成することにより、ステージ30をX軸
方向、Y軸方向の両方向に移動させることができる。こ
のようなX−Yステージの場合、図3で説明したよう
に、Xガイド軸11の両端部が真空チャンバの側壁に固
定される。
【0041】なお、X−Yステージが、電子ビーム露光
装置における真空チャンバのような高真空下で使用され
る場合、電子ビーム軌道を制御する磁場に影響を与えな
いようにするために、各構成要素の材料は、アルミナセ
ラミクスやベリリウム銅などの非磁性材料が使用され
る。
【0042】図5は、Xアクチュエータの別の例を示
す。この例では、Xガイド軸11´は軸方向に関して同
じ断面形状を有する。一方、Xスライダ12´を、Xガ
イド軸11´が挿通される2つの部材12−1、12−
2と、これらの2つの部材12−1、12−2をカバー
しつつ連結している筒状体12−3とで構成することに
より、Xガイド軸11´の中央部の周囲に圧力室を形成
している。更に、隔壁13´を圧力室内においてXガイ
ド軸11´に固定することにより、圧力室を2つのシリ
ンダ室16a、16bに区画している。2つの部材12
−1、12−2は、筒状体12−3と共に、Xガイド軸
11´に沿って移動可能であり、圧力室を形成している
筒状体12−3の内壁は隔壁13´の外周上をスライド
可能である。シリンダ室16a、16bに圧縮空気を出
入り可能にするための構造、静圧空気軸受14、排気部
19−1、19−2、真空排気部19−3及びその回り
の構造は、前記の例と同じで良い。
【0043】このXアクチュエータは、例えばシリンダ
室16aに圧縮空気が導入されると、Xスライダ12´
が図5中、左方に移動する点で図3の例と異なるが、動
作原理はまったく同じである。
【0044】図6を参照して、Xアクチュエータの制御
系について説明する。図6において、図2、図3と同じ
部分については同一番号を付している。空気圧源40か
らレギュレータ41Aで適当な圧力に調節された空気が
静圧空気軸受14に供給される。この静圧空気軸受14
の空気によりXスライダ12がXガイド軸11から浮上
し、Xガイド軸11と非接触で移動が可能となる。した
がって、移動に際しての摺動抵抗をもたない。また、リ
ニアスケール等による位置センサ45によりXスライダ
12の位置を検出しその位置情報を電気信号により出力
する。位置センサ45により出力された信号は演算装置
50に入力される。
【0045】演算装置50では入力された位置情報をも
とに制御演算を行い、サーボアンプ42A、サーボアン
プ42Bにスプール位置指令信号(電気信号)を出力す
る。この際、サーボアンプ42A、サーボアンプ42B
への指令値は、絶対値が同じで符号を反転させた値を用
いる。
【0046】サーボアンプ42A、サーボアンプ42B
は、この指令値に従いサーボ弁18a、サーボ弁18b
のスプール位置をそれそれ制御する。なお、サーボ弁1
8a、サーボ弁18bは、3位置3ポート直動型サーボ
弁が好ましい。
【0047】サーボ弁18a、サーボ弁18bはレギュ
レータ41Bにより適当な圧力に調節された圧縮空気が
供給されており、サーボ弁18a、サーボ弁18b内の
スプール位置により通過する流量が変動する。サーボ弁
18a、サーボ弁18bを通過した空気はXスライダ1
2内に設けられた2つのシリンダ室16a、シリンダ室
16bに供給される。シリンダ室16a、シリンダ室1
6bの差圧がXスライダ12の内壁に取り付けられた隔
壁13に作用し、Xスライダ12を移動させる。
【0048】図4をも参照して、Xガイド軸11の端部
における空気通路11−1には空気配管が接続され、更
にサーボ弁を介して空気圧源40が接続される。Xガイ
ド軸11の端部における複数の空気通路11−2には空
気配管が接続され、更にレギュレータを介して空気圧源
40が接続される。同様に、Xガイド軸11の端部にお
ける複数の排気通路11−3には空気配管が接続され、
更に排気用のポンプが接続される。Xガイド軸11の端
部における排気通路11−4には空気配管が接続され、
更に真空引き用のポンプが接続される。
【0049】前に述べたように、本アクチュエータは真
空チャンバ内に設けられるので、Xガイド軸11の両端
部は、真空チャンバの側壁において支持されるように側
壁を貫通する。したがって、Xガイド軸11の両端部に
おける空気配管の接続は、真空チャンバの外で行われ
る。
【0050】図7に演算装置50で行われる制御演算の
ブロック線図を示す。図7のプラント(スライダ系)P
のノミナルモデルPn を次のように表わす。
【0051】 Pn (s)=Kn ・ωn 2 /s(s2 +ωn 2 ) (1) Kn 、ωn はプラントの特性から決まる定数、sは微分
器でありその乗数は微分の階数を表わす。図7のKs
サーボ弁の特性から決まる定数である。
【0052】以下に演算装置50の動作を説明する。以
下で、添え字k=0,1,・・・は、位置センサ45の
検出信号に対して行われるサンプリングの各サンプリン
グ周期のその変数のサンプル値を表わす。
【0053】(1)空気圧源40からの空気をレギュレ
ータ41Aで適当な圧力に調節し静圧空気軸受14に供
給する。この静圧空気軸受14の空気によりXスライダ
12をXガイド軸11から浮上させ、Xスライダ12が
Xガイド軸14と非接触で移動可能な状態にする。
【0054】(2)位置センサ45によりXスライダ1
2の位置を検出しその位置情報を電気信号により出力す
る。位置センサ45により出力された信号は演算装置5
0に入力される。
【0055】(3)演算装置50は位置センサ45から
の検出信号に対してサンプリングを行い、以下で述べる
ような演算を行う。指令値u(k−1)と(2)で検出
したスライダ位置x(k−1)からカルマンフィルタ5
1による演算を行い、次式からスライダの推定位置xep
(k)、推定速度xev(k)、推定加速度xea(k)を
得る。なお、kは現在のサンプル値、(k−1)は1サ
ンプリング周期前のサンプル値を表わす。また、eを付
す場合には、推定値を表すものとする。
【0056】xep(k)=ΔT[xev(k−1)+l1
{x(k−1)−xep(k−1)}]+xep(k−1) xev(k)=ΔT[xea(k−1)+l2 {x(k−
1)−xep(k−1)}]+xev(k−1) xea(k)=ΔT[axev(k−1)+bu(k−1)
+l3 {x(k−1)−xep(k−1)}]+xea(k
−1) 但し、a=−ωn 2 、b=Ks n ωn 2 、ΔTはサン
プリング周期である。
【0057】(4)スライダ目標位置Xref (k)と算
出されたスライダ位置推定値xep(k)、算出された速
度推定値xev(k)、算出された加速度推定値x
ea(k)の各フィードバック値より指令値u(k)を計
算する。
【0058】u(k)=Kp {xref (k)−x
ep(k)}−Kv ev(k)−Ka ea(k) 但し、Kp は比例ゲイン、Kv は速度ゲイン、Ka は加
速度ゲインである。
【0059】(5)1サンプリング周期前の指令値u
(k−1)、スライダ推定速度xev(k−1)、推定加
速度xea(k−1)と算出された現在の推定加速度xea
(k)から次式のようにサーボ弁中立点の機差の補正値
e (k)を計算する。
【0060】de (k)=ue ´(k)−u´(k) 但し、ue ´(k)、u´(k)はそれぞれ、以下の数
1、数2で与えられる。
【0061】
【数1】
【数2】 f は図7中の外乱オブザーバ52において次式で表わ
されるフィルタの時定数である。
【0062】F(s)=1/(Tf s+1) (6)(4)で計算した指令値u(k)と(5)で計算
したde (k)によりサーボアンプ42A、42Bへの
指令値u(k)−de (k)を計算し、これをサーボア
ンプ42A、サーボアンプ42Bに電気信号として出力
する。この際、サーボアンプ42A、サーボアンプ42
Bへの指令値は、絶対値が同じで符号を反転させた値を
用いる。
【0063】(7)サーボアンプ42A、サーボアンプ
42Bは、指令値u(k)−de(k)に従い、サーボ
弁18a、サーボ弁18bのスプール位置をそれぞれ制
御する。サーボ弁18a、サーボ弁18bはレギュレー
タ41Bにより適当な圧力に調節された圧縮空気が供給
されており、サーボ弁18a、サーボ弁18b内のスプ
ール位置により通過する流量が変動する。
【0064】(8)サーボ弁18a、サーボ弁18bを
通過した空気はXスライダ12内に設けられた2つのシ
リンダ室16a、シリンダ室16bに供給される。シリ
ンダ室16a、シリンダ室16bの差圧がXスライダ1
2に取り付けられた隔壁13に作用しXスライダ12を
移動させる。
【0065】(9)上記の(2)から(8)を繰り返
し、Xスライダ12を目標位置Xrefに制御する。
【0066】なお、u(0)、xep(0)、x
ev(0)、xea(0)、de (0)の初期値はすべて零
とする。
【0067】上記のように、Xスライダ12の位置、速
度、加速度を推定するために、本形態ではカルマンフィ
ルタ51を適用している。また、2台のサーボ弁を使用
した空気圧位置制御系では、各サーボ弁の中立点の違い
が外乱となり定常位置偏差が生じる。この外乱を外乱オ
ブザーバ52で推定し、打ち消すことで、これらの定常
位置偏差を補償している。そして、外乱オブザーバ52
を適用することにより、フィルタF(s)の帯域での外
乱やプラントのパラメータ変動に対するロバスト性を補
償できる。
【0068】いずれにしても、カルマンフィルタ、外乱
オブザーバを用いることにより、対象とする空気圧サー
ボ系の特性を(1)式のノミナルモデルに近付けること
ができる。
【0069】上記のような制御によれば、カルマンフィ
ルタ51、外乱オブザーバ52によりXスライダ12の
停止位置精度が改善される。このような制御は、スライ
ダをステップ状に動かし、停止位置精度だけを問題にす
る場合には十分である。しかし、スライダの等速移動時
のように目標値が連続的に変化する場合には定常速度偏
差が生じるため、スライダの駆動中の精度を問題にする
場合には、上記の制御では不十分である。
【0070】そこで、定常速度偏差を改善するための手
法を以下に説明する。
【0071】外乱オブザーバ52によって外乱(サーボ
弁中立点機差等)が補正され、カルマンフィルタ51に
よって位置、速度、加速度が正確に推定されると、図7
のブロック線図は図8のように書き替えられる。図8で
は、実際のサーボ弁の特性から決まる定数Ks (サーボ
弁ゲイン)は、演算装置50内で想定しているサーボ弁
ゲインKsnと等しいものとし、プラント(スライダ系)
の特性P(s)もノミナルモデルPn (s)と等しいも
のとしている。
【0072】この場合、目標値xref から制御量xまで
の閉ループ伝達関数は、 Gc (s)=x/xref =A3 /(s3 +A1 2 +A2 s+A3 ) となる。但し、 A1 =Ksnn ωn 2 a2 =(1+Ksnn v )ωn 23 =Ksnn ωn 2 p である。
【0073】定常速度偏差を低減するためには、図9に
示すように、図7のブロック線図における目標値xref
の入力部に上記の閉ループ伝達関数の逆モデルG
c (s)-1を挿入すれば良い。このような逆モデルを挿
入することによって、全体の伝達関数は理想的な1とな
り、定常速度偏差が改善される。
【0074】なお、目標値xref に逆モデルGc (s)
-1を乗算したものは次式で計算できる。
【0075】 xref c (s)-1=xref (s3 +A1 2 +A2 s+A3 )/A3 =(jref +A1 ref +A2 ref +A3 ref )/A3 但し、vref は目標値xref を1階微分した目標速度で
あり、aref は目標値x ref を2階微分した目標加速度
であり、jref は目標値xref を3階微分した目標ジャ
ークである。
【0076】したがって、離散化した指令値u(k)
は、以下の数3で計算される。
【0077】
【数3】
【0078】以上のような位置制御系を採用することに
より、数nmの精度で位置決めを行うことができる。
【0079】なお、本発明によるアクチュエータは、固
定部とこれに対して静圧軸受を介してスライド可能に設
けられたスライダとの間に2つの圧力室が形成され、こ
れら2つの圧力室に供給される圧縮空気の流量をそれぞ
れ3位置3ポート直動型サーボ弁により制御することに
より、2つの圧力室の差圧でスライダを非接触で駆動す
るように構成された空気圧アクチュエータ、更には空気
圧に限らず気体圧アクチュエータ全般に適用可能であ
る。
【0080】図10を参照して、本発明が適用されるX
線露光装置としてシンクロトロン用たて形ステッパにつ
いてその概略を説明する。本ステッパは、シンクロトロ
ン放射光(以下、SR光と呼ぶ)のX線を利用した露光
装置であり、マスク76を戴置したマスクステージ7
1、ウエハ77を載置した、本発明によるX−Yステー
ジ72、X−Yステージ72の側面に取り付けたミラ−
72a、X−Yステージ72の上面に取り付けたミラー
72b、X−Yステージ72の水平方向の移動距離(位
置あるいは変位量)を測定するレーザ干渉計73a、X
−Yステージ72の上下方向の移動距離(位置あるいは
変位量)を測定するレーザ干渉計73bを備えている。
SR光は電子軌道接線方向(水平方向)へ放出され、振
動ミラーにより25mm角に振幅(揺動)され、SR照
射系75より本ステッパに導かれる。このため、ステー
ジとしては、マスク76に対してウエハ77を、一定ギ
ャップに保ちながら鉛直平面に沿って位置決めを行うた
て形ステージの構成となっている。
【0081】従来の摩擦系案内装置と駆動源で設計した
場合、サーボモータとボールネジやリニアモータが発熱
すると、大気ゆらぎによりレーザ干渉計で行う測距精度
が低下するが、本発明ではそれらの問題点はない。すな
わち、摩擦がなく、発熱がきわめて少ないため、大気ゆ
らぎが発生しにくい。
【0082】図11は本発明の一実施例に係わる光露光
装置の模式図である。図11において、81は露光光
源、即ち照明装置、82は露光量制御のためのシャッ
タ、83は回路パターンの原板となるレチクル、84は
レチクルを保持するためのレチクルステージ、85はレ
チクルを搬入するためのレチクルハンド、86は投影レ
ンズ、87は半導体基板であるウエハ、88はウエハを
保持し露光光源とのフォーカスを合わせるためのウエハ
Zステージ、89はウエハZステージをX−Y方向へ移
動させるための本発明によるX−Yステージ、89a、
89bはX−Yステージ22の側面に取り付けたミラ
ー、90a、90bはX−Yステージ89の位置を計測
するためのレーザ干渉計である。
【0083】この光露光装置においても、前記のX線露
光装置と同様に大気中で露光を行なうが、発熱がきわめ
て少ないため、大気ゆらぎが発生しにくく、レーザ干渉
計90a、90bの測距精度の低下を起こしにくい。ま
た、光源を紫外線とした場合、He雰囲気中で行なう必
要があるが、発熱がきわめて少ないため、同様の効果が
得られる。
【0084】なお、本発明は、液晶露光装置、レーザに
よる微細加工、顕微鏡の試料載置台等に使用されるX−
Yステージ装置や、図3の構成のような一軸方向にのみ
駆動可能なステージ装置にも適用できる。
【0085】更に、上記の説明では、空気圧で駆動する
X−Yステージについて説明したが、圧縮空気のみなら
ず、窒素ガス等の他の気体を使用しても良い。
【0086】
【発明の効果】以上、説明してきたように、本発明によ
るX−Yステージは、スライダがガイド軸に対して非接
触で案内される構造であるので、これらの間の摩擦に起
因する問題点、すなわち材料摩耗、発塵、寿命低下等の
問題点を解消することができる。また、圧縮空気供給
源、真空排気用のポンプを除く、図1に示した要素を真
空チャンバ内に配置することができ、真空チャンバ内で
の占有面積を小さくすることができる。
【0087】特に、ステージの駆動源としてサーボモー
タやリニアモータを使用しないために、露光光源の近傍
で強力な磁場を発生せず、磁場の影響を極端に嫌う電子
ビームを露光光源とした装置に適しており、更に各構成
要素を非磁性材料で構成することにより、磁場の影響を
極めて低くすることができる。
【0088】また、ステージの駆動源としてサーボモー
タやリニアモータを使用しないために、発熱の問題が生
じない。
【0089】これは先の真空度とも関連し、発熱は部品
からのアウトガスを発生する。特に、リニアモータ等は
コイル線材を樹脂封入しているため、発熱するとアウト
ガスを発生し、真空度の著しい低下を引き起こす。した
がって、発熱しないことが真空度の安定にも寄与してい
る。加えて、X線露光装置あるいは光露光装置など大気
中あるいはHeガス雰囲気中で使用する露光装置では発
熱は大気ゆらぎを引き起こし、レーザ干渉計で行なう測
距精度が低下し、露光の位置精度が低下するという問題
がある。これに対し、本発明ではステージの摩擦のない
ことと電気アクチュエータを使用しないことにより、発
熱は極めて少なく大気ゆらぎを問題視する度合いは非常
に低い。
【0090】更に、複動形の気体圧アクチュエータにお
いて2台の3位置3ポート直動型サーボ弁を用いてスラ
イダの位置制御を行う場合、2台のサーボ弁で中立点が
異なるとスライダ位置に定常位置偏差を生じる。これに
対し、本発明では上記の演算装置によりサーボ弁の中立
点の機差等に起因する定常位置偏差を推定し、これを補
償しているので上記のような定常位置偏差が大幅に減少
し、スライダを高精度で位置決め制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるXアクチュエータとYアクチュエ
ータとを組合わせて構成されたX−Yステージを示した
斜視図である。
【図2】本発明によるアクチュエータの動作原理を説明
するための図である。
【図3】本発明によるX−Yステージを構成するための
Xアクチュエータの構造を示した部分断面図である。
【図4】図3における静圧空気軸受、排気部、及び真空
排気部とそれらを空気配管と接続するためにXガイド軸
に設けられる通路を拡大して示した断面図である。
【図5】Xアクチュエータの他の例を示した断面図であ
る。
【図6】本発明によるXアクチュエータ及びその制御系
の構成を示した図である。
【図7】図6に示された演算装置で行われる定常位置偏
差低減のための制御演算のブロック線図を示した図であ
る。
【図8】図7のブロック線図を簡略化した図である。
【図9】図6に示された演算装置で行われる定常速度偏
差低減のための制御演算のブロック線図を示した図であ
る。
【図10】本発明による露光装置の一例として、シンク
ロトロン用たて形ステッパの概略構成を示した図であ
る。
【図11】本発明による露光装置の他の例として、光露
光装置の概略構成を示した図である。
【図12】電子ビーム露光装置の概略構成を示した図で
ある。
【図13】従来の摩擦駆動によるアクチュエータの一例
を示した図である。
【符号の説明】
1 真空チャンバ 10 Xアクチュエータ 11 Xガイド軸 12 Xスライダ 13 隔壁 14 静圧空気軸受 16a、16b シリンダ室 18a、18b サーボ弁 19−1、19−2 排気部 19−3 真空排気部 20 Yアクチュエータ 21 Yスライダ 30 ステージ 41A、41B レギュレータ 45 位置センサ 50 演算装置 41A、41B サーボアンプ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 21/30 541L

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 露光されるべきワークを搭載するための
    ステージを備えた露光装置において、 前記ステージの駆動機構として流体圧駆動によるアクチ
    ュエータを有することを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の露光装置において、露光
    光源を電子ビームとしたことを特徴とする露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の露光装置において、本露
    光装置は真空中で使用されることを特徴とする露光装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の露光装置において、露光
    光源をX線としたことを特徴とする露光装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の露光装置において、露光
    光源の波長を可視光域から紫外線域とすることを特徴と
    する露光装置。
  6. 【請求項6】 露光されるべきワークを搭載するための
    ステージを互いに直交するX軸、Y軸方向に駆動可能と
    したX−Yステージを備えた露光装置において、 前記X−Yステージの駆動機構として流体圧駆動による
    アクチュエータを有することを特徴とする露光装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の露光装置において、 前記X−Yステージは、X軸方向に延びるX軸用のガイ
    ド軸とこれに沿って移動可能なX軸用のスライダとを含
    むX軸用のアクチュエータと、Y軸方向に延びるY軸用
    のガイド軸とこれに沿って移動可能なY軸用のスライダ
    とを含むY軸用のアクチュエータとを備え、 各アクチュエータは、ガイド軸の周囲とスライダとの間
    に圧力室を形成すると共に、該圧力室を軸方向に関して
    2つのシリンダ室に区画する隔壁をスライダ、ガイド軸
    の一方に設け、2つに区画されたシリンダ室にそれぞ
    れ、ガイド軸内に設けられた供給/排出通路を通して圧
    縮流体を出入り可能にすることにより構成され、 一方のガイド軸を他方のガイド軸のスライダに連結する
    ことにより、該一方のガイド軸のスライダに装着した前
    記ステージをX軸方向、Y軸方向に移動可能としたこと
    を特徴とする露光装置。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の露光装置において、各ア
    クチュエータにおけるシリンダ室の両側であってガイド
    軸とスライダとの間にはそれぞれ軸受及びシリンダ室か
    らの漏れ流体を排出するための排出部を設け、ガイド軸
    内にはその端部から前記排出部に至る排出通路を設けた
    ことを特徴とする露光装置。
  9. 【請求項9】 請求項7あるいは8記載の露光装置にお
    いて、各ガイド軸の両端部にそれぞれ圧縮流体を供給/
    排出するための接続部を設け、該接続部に接続した配管
    にはサーボ弁を設けたことを特徴とする露光装置。
  10. 【請求項10】 請求項7〜9のいずれかに記載の露光
    装置において、各アクチュエータは、ガイド軸とスライ
    ダとの組み合わせを2組、互いに平行になるような関係
    で有することを特徴とする露光装置。
  11. 【請求項11】 請求項8記載の露光装置において、前
    記軸受として静圧空気軸受を用い、各ガイド軸内にはそ
    の端部から前記静圧空気軸受に至る給気通路を設けたこ
    とを特徴とする露光装置。
  12. 【請求項12】 請求項6〜11のいずれかに記載の露
    光装置において、各アクチュエータを非磁性材料で構成
    したことを特徴とする露光装置。
  13. 【請求項13】 請求項9記載の露光装置において、各
    アクチュエータは更に、2つの前記サーボ弁を制御する
    ための制御系を備え、該制御系は、 前記スライダの位置を検出するための位置検出器と、該
    位置検出器からの位置検出信号に対してサンプリングを
    行ってあらかじめ定められた演算を行い、前記2つのサ
    ーボ弁に指令値を出力する演算装置とを含み、 該演算装置は、 1サンプリング周期前の指令値と1サンプリング周期前
    のスライダ位置とを用いて現在のスライダの推定位置、
    推定速度、推定加速度を算出する第1のステップと、 スライダ目標位置、算出されたスライダの推定位置、算
    出された推定速度、算出された推定加速度より前記2つ
    のサーボ弁に対する指令値を算出する第2のステップ
    と、 1サンプリング周期前の指令値、1サンプリング周期前
    の算出された推定速度、1サンプリング周期前の算出さ
    れた推定加速度、算出された現在の推定加速度から定常
    位置偏差に対する補正値を算出する第3のステップと、 前記第2のステップで算出された指令値を前記第3のス
    テップで算出された補正値で補正して前記2つのサーボ
    弁に与える第4のステップとを実行することを特徴とす
    る露光装置。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の露光装置において、
    前記サーボ弁として、3位置3ポート直動型サーボ弁を
    備えることを特徴とする露光装置。
  15. 【請求項15】 請求項13あるいは14記載の露光装
    置において、前記スライダ目標値が与えられてからサー
    ボ弁に対する指令値が出力されるまでの制御系は、あら
    かじめ定められた伝達関数Gc (s)で規定され、前記
    演算装置は更に、前記スライダ目標値に前記伝達関数の
    逆モデルGc (s)-1を乗算するステップを実行するこ
    とにより定常速度偏差を低減できるようにしたことを特
    徴とする露光装置。
  16. 【請求項16】 請求項6〜15のいずれかに記載の露
    光装置において、露光光源を電子ビームとしたことを特
    徴とする露光装置。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の露光装置において、
    本露光装置は真空中で使用されることを特徴とする露光
    装置。
  18. 【請求項18】 請求項6〜15のいずれかに記載の露
    光装置において、露光光源をX線としたことを特徴とす
    る露光装置。
  19. 【請求項19】 請求項6〜15のいずれかに記載の露
    光装置において、露光光源の波長を可視光域から紫外線
    域とすることを特徴とする露光装置。
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