JP2532266B2 - フィ―ドバック制御装置 - Google Patents

フィ―ドバック制御装置

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JP2532266B2
JP2532266B2 JP63017806A JP1780688A JP2532266B2 JP 2532266 B2 JP2532266 B2 JP 2532266B2 JP 63017806 A JP63017806 A JP 63017806A JP 1780688 A JP1780688 A JP 1780688A JP 2532266 B2 JP2532266 B2 JP 2532266B2
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【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、たとえば、光ディスク等の情報記録面に情
報を記録再生する際に、前記情報記録面の情報記録部を
追従制御するフィードバック制御装置に関し、詳しく
は、追従目標と制御対象からフィードバックされた制御
量との間の制御偏差に基づいて制御対象を制御する制御
ループを有するフィードバック制御装置に関する。
[従来の技術] この種の制御装置として、従来から一般的に知られて
いるものに、たとえば、特開昭59−28253号公報に記載
されているものがあった。この従来の制御装置は、第13
図に示すように、信号を記録再生するための光ディスク
1上で光スポットをトラッキング制御するものである。
つまり、光ビームの光源となるレザー発振器45の出力を
ビームスプリッタ46により光ディスク1側に通過させ、
その通過した後の光ビームを対物レンズ43により集光さ
せて前記光ディスク1に投射させる。そして、この光デ
ィスク1からの反射光を前記ピームスプリッタ46によ
り、フォトディテクタ47へ反射させるように構成されて
いる。アクチュエータ42には、アクチュエータコイル4
が設けられており、このアクチュエータコイル4によ
り、アクチュエータ42の可動部に駆動力を供給し得るよ
うに構成されている。図中、47は光ディスク1からの反
射光を光量−電気変換するためのフォトディテクタであ
る。48はフォトディテクタ47からの信号を、光ディスク
1におけるトラッキング案内溝に対する光ビームの集光
スポットの位置を表わす電気信号に変換するためのトラ
ッキングエラー信号生成回路である。49は制御ループを
閉じたときに、安定性等の所定の制御性能を確保するた
めの位置補償回路である。50は位相補償回路49からの制
御電圧をアクチュエータ42の駆動電流に変換する増幅回
路である。
次に、動作について説明する。光ディスク1からの反
射光はフォトディテクタ47に入射し、光電変換された
後、トラッキングエラー信号生成回路48に入る。該トラ
ッキングエラー信号生成回路48では、光ディスク1のト
ラッキング用安内溝に対する光スポットの位置信号が生
成され、この位置信号に応じて、光ビームが光ディスク
1の案内溝に追従するようにアクチュエータ42が対物レ
ンズ43を駆動する。つまりこの際、光ディスク1上の光
スポットは、対物レンズ43がアクチュエータコイル4の
発生する駆動力で動かされることにより駆動する。また
ここでは位相補償回路49はトラッキングエラー信号生成
回路48の後段に挿入されており、これが制御系を閉じる
際にループの安定性,即応性を確保する。
すなわち、この第13図に示すトラッキング制御装置
は、光ディスク1の案内溝の位置が追従目標であり、対
物レンズ43がアクチュエータコイル4により動かされた
量が主フィードバック信号となり、その主フィードバッ
ク信号と前記追従目標との差すなわち制御偏差を前記ト
ラッキングエラー信号生成回路48により算出するのであ
り、このトラッキングエラー信号生成回路48により、フ
ィードバック制御系における比較部が構成されている。
このトラッキングエラー信号生成回路48からの出力信号
は、前記位相補償回路49および増幅回路50を通過して制
御動作信号として前記アクチュエータコイル4すなわち
フィードバック制御系における制御部に与えられる。そ
して、この制御部により対物レンズ43すなわち制御対象
が制御されるのである。
[発明が解決しようとする課題] この種の従来のトラッキング制御装置は、前述したよ
うにフィードバック制御方式を用いているため、制御理
論における残留偏差が必ず生じ、光ディスクの偏心量が
大きい場合や、トラッキング制御系のゲインが小さい場
合には、トラックオフセット量が増大する等の問題点が
あった。
そこで、前記のような問題点を解決するために、第14
図に示すような改良されたフィードバック制御装置が考
えられる。
第14図において、25はセンサ、26は制御部、27は制御
対象、44は主フィードバックループ、17はメモリ、40は
アッテネータ、33は繰返し補償部である。次に、第14図
に示す装置の動作について説明する。
まず、センサ25により、前記制御対象27からの出力す
なわち制御量信号と追従目標との差(制御偏差)が検出
され、その検出出力が制御動作信号として前記制御部26
に入力され、サーボループの適応性,安定性が確保させ
るように補償された後制御対象27を動作させる。この
際、前記制御動作信号は、繰返し補償部33にも入力さ
れ、繰返し制御に必要な制御帯域に制限された後、アッ
テネータ40により減衰され、メモリ17に入力される。こ
のメモリ17では、入力された信号を一時記憶し、前記制
御偏差の周期(たとえば光ディスク1が1回転する時
間)における1周期分遅れた入力信号を出力する。すな
わち、このメモリ17により、前記制御部26に入力される
制御動作信号を取入れて1周期分遅らせて出力され、そ
の出力信号が前記センサ25から出力された制御偏差信号
に加算され、その加算された信号が再び制御動作信号と
して前記制御部26および前記メモリ17に入力されるので
ある。つまり、繰返し補償部33,アッテネータ40および
メモリ17が設けられている繰返し制御ループにより、制
御偏差の周期によって第1回目の周期の制御偏差信号か
ら現在の周期までの制御偏差信号を各周期毎にそれぞれ
加算し、その加算信号を制御動作信号として出力する加
算手段202が構成されている。なお、図中200は、追従目
標に基づいた基準入力信号と主フィードバック信号とを
比較して制御偏差を算出しその制御偏差に基づいた制御
偏差信号を出力する比較部である。
この第14図に示したフィードバック制御系は以下に述
べるような制御理論における内部モデル原理を応用した
ものである。
すなわち、フィードバック制御における定常偏差の低
減は、追従目標と同じような周期関数の発生機構を制御
ループ内に挿入すれば実現されるという原理である。こ
れを第16A図および第16B図に基づいて説明する。
まず、周期関数の発生構成は、第16B図のブロック図
において実現されている。図おいて、メモリ17の出力が
アッテネータ40および繰返し補償部33を介してメモリ17
の入力に正帰還しているため、この正帰還ループが周期
関数の発生機構となっている。また、同時に、繰返し制
御を制御システムに応用したときの即応性や安定性を改
善するために比例制御54をゲイン量1でかける。そうす
ると第16B図は、下記のように、制御理論の等価交換に
より第16A図と全く同じものとなる。
すなわち、第16B図の伝達関数をGb(s),第16A図の
伝達関数をGa(s)とし、 G1(s)…センサの伝達関数 G2(s)…メモリの伝達関数 G3(s)…アッテネータの伝達関数 G4(s)…繰返し補償の伝達関数 とすると、 第16B図の伝達関数Gb(s)は、 となり、第16A図の伝達関数Ga(s)となる。
結局、第16A図を内部に持つ制御システムは第14図の
制御ブロック図に相当する。
第14図の一般化した原理図は、第16A図を内部に持
ち、すなわち比例制御54のゲイン量を1とした第16B図
を内部に持つこととなる。よって、第14図は、周期関数
発生機構を内部に持っていることに相当する。一方、制
御理論における内部モデル原理は、「追従目標と同じ関
数を制御系の内部に持てば定常偏差を0にすることがで
きる」であるので、周期関数発生機構を内部に持つ第14
図のフィードバック制御装置は、周期的な追従目標に対
して定常偏差0で追従することが理論上可能である。
すなわち、第14図において、アッテネータ40のゲイン
をKとすると、定常偏差の圧縮率rは、 で表わされる。よって、ゲインKを1に近づけると、定
常偏差の圧縮率はr=−∞となり、定常偏差をゼロにす
ることができる。このように、前述した制御理論におけ
る内部モデル原理を応用したのが第14図に示すフィード
バック制御装置であり、このフィードバック制御装置を
追従目標または外乱が周期的に変化するものに応用すれ
ば、高い追従性が期待し得る。
一方、追従目標または外乱に周期性が認められない無
周期成分(たとえば光ディスク1上の傷等によるパルス
信号)が含まれている場合には、前記ゲインKを1とし
たのでは、繰返し制御ループを前記無周期成分が減衰す
ることなく巡回することとなり、追従目標または外乱に
無周期成分が存在しなくなった段階においても、前記繰
返し制御ループ内で巡回している無周期成分が制御動作
信号として制御部26に与えられるために、その無周期成
分によりいつまでも追従目標への追従が乱れるという欠
点が考えられる。一方、前記ゲインKを1以上とすると
繰返し制御ループが正帰還ループであるので不安定とな
るため、ゲインKの値は必ず1以下としなければならな
い。
以上より、前記制御理論における内部モデル原理を応
用したフィードバック制御においては、アッテネータ40
のゲインKを1より下げれば下げるほど無周期成分の減
衰は早くなるが、定常偏差は圧縮されなくなるといった
二律背反するジレンマが生ずることが考えられる。
よって、第14図に示すフィードバック制御装置では、
以上のようにトレードオフを考えてゲインKを設定しな
ければならない。たとえば、K=0.8としたときの第14
図の動作は、第15図に示すように、追従目標が周期的に
変化するものである場合には、制御偏差信号(追従目標
と制御量との差からなる信号)は、52に示すように、メ
モリ17からの第1回目の出力(53参照)がaに示す時点
から導出されると同時に減衰する。この結果制御系の定
常偏差は0に近づく。
このように、第14図に示すフィードバック制御は、追
従目標または外乱が周期的に変化しほとんど無周期成分
が含まれていない場合は十分効果を発揮できるものであ
るため、各種サーボ系の制御に応用することが考えら
れ、特に追従目標や外乱に無周期成分がほとんど含まれ
ていないサーボ系を見つけ出し、それに応用することが
期待される。
しかし、追従目標や外乱に偶然または突発的にパルス
等の無周期成分が含まれる場合には、前述したように、
アッテネータ40のゲインが1に近い場合は、第17図の56
に示すように何周期にもわたって最初の無周期成分の悪
影響が残り続けることとなり、また逆に、アッテネータ
40のゲインが1より十分小さい場合は、第17図の57に示
すように、最初の無周期成分の悪影響は数周期後にはほ
とんどなくなってしまうが、第17図の56に比して定常偏
差の圧縮があまり期待し得ないのであり、このような二
律背反する技術上の課題が存在する。
本発明は、係る実情に鑑み考え出されたものであり、
その目的は、追従目標や外乱と同じ関数を制御系の内部
に持つフィードバック制御において、追従目標や外乱に
無周期成分が含まれている場合に生ずる前述した二律背
反する技術的な問題を解決することを目的とする。
[課題を解決するための手段] 請求項1に記載の本発明は、追従目標と制御対象から
フィードバックされた制御量との間の制御偏差に基づい
て制御対象を制御する制御ループを有するフィードバッ
ク制御装置であって、周期的に変化する前記制御偏差を
減少させるための信号であって前記制御偏差の周期と同
様の周期性を有する補正信号を前記制御偏差に基づいて
作成し、該補正信号を前記制御ループ内に入力する補正
信号作成手段と、前記制御偏差中に周期的に変化しない
無周期成分が含まれているか否かを判別する無周期成分
判別手段とを備え、その無周期成分判別手段が前記制御
偏差中に無周期成分が含まれていることを判別した場合
には、その制御偏差を前記補正信号の作成対象から除外
することを特徴とする。
請求項2に記載の本発明は、情報記録面に情報を記録
再生する際に、前記情報記録面の情報記録部を追従制御
するものであって、追従目標と制御対象からフィードバ
ックされた制御量との間の制御偏差に基づいて制御対象
を制御する制御ループを有するフィードバック制御装置
において、周期的に変化する前記制御偏差を減少させる
ための信号であって前記制御偏差の周期と同様の周期性
を有する補正信号を前記制御偏差に基づいて作成し、該
補正信号を前記制御ループ内に入力する補正信号作成手
段と、前記情報記録面に生じた傷を検出する傷検出手段
とを備え、その傷検出手段が前記情報記録面に生じた傷
を検出した場合の前記制御偏差を前記補正信号の作成対
象から除外することを特徴とする。
請求項3に記載の本発明は、追従目標と制御対象から
フィードバックされた制御量との間の制御偏差に基づい
て制御対象を制御する制御ループを有するフィードバッ
ク制御装置において、前記制御偏差から周期的に変化し
ない無周期成分を検出する無周期成分検出手段と、該検
出された無周期成分を前記制御偏差から除去する無周期
成分除去手段と、周期的に変化する前記制御偏差を減少
させるための信号であって前記制御偏差の周期と同様の
周期性を有する補正信号を前記無周期成分除去手段の出
力信号に基づいて作成し、該補正信号を前記制御ループ
内に入力する補正信号作成手段とを備えていることを特
徴とする。
[作用] 請求項1に記載の本発明によれば、補正信号作成手段
の働きにより、周期的に変化する前記制御偏差を減少さ
せるための信号であって前記制御偏差の周期と同様の周
期性を有する補正信号が前記制御偏差に基づいて作成さ
れ、その作成された補正信号が制御ループ内に入力され
る。その結果、前記補正信号作成手段により追従目標や
外乱と同じ周期関数を同じ制御系の内部に持つことがで
き、制御理論における内部モデル原理に従った追従性の
よいフィードバック制御とすることができる。
さらに、前記制御偏差中に周期的に変化しない無周期
成分が含まれているか否かを無周期成分判別手段が判別
し、その無周期成分判別手段が前記制御偏差中に無周期
成分が含まれていないことを判別した場合には、その制
御偏差が前記補正信号の作成対象から除外される。
請求項2に記載の本発明によれば、補正信号作成手段
の働きにより、周期的に変化する前記制御偏差を減少さ
せるための信号であって前記制御偏差の周期と同様の周
期性を有する補正信号が前記制御偏差に基づいて作成さ
れ、その補正信号が制御ループ内に入力される。その結
果、前記補正信号作成手段により追従目標や外乱と同じ
周期関数を同じ制御系の内部に持つことができ、制御理
論における内部モデル原理に従った追従性のよいフィー
ドバック制御を行なうことができる。
しかも、傷検出手段の働きにより、前記情報記録面に
生じた傷が検出され、その傷検出手段により情報記録面
に生じた傷が検出された場合の前記制御偏差が前記補正
信号の作成対象から除外される。
請求項3に記載の本発明によれば、無周期成分検出手
段の働きにより、前記制御偏差から周期的に変化しない
無周期成分が検出される。そして、その検出された無周
期成分が無周期成分除去手段の働きにより前記制御偏差
から除去される。そして、補正信号作成手段の働きによ
り、周期的に変化する前記制御偏差を減少させるための
信号であって前記制御偏差の周期と同様の周期性を有す
る補正信号が前記無周期成分除去手段の出力信号に基づ
いて作成され、その補正信号が前記制御ループ内に入力
される。その結果、追従目標や外乱と同じ周期関数を同
じ制御系の内部に持つことができ、制御理論における内
部モデル原理に従った追従性のよいフィードバック制御
とすることができながらも、前記補正信号を作成するに
先立って、前記制御偏差から無周期成分が検出されれば
その検出された無周期成分が除去される。
[実施例] 次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図は光ディスクのトラッキング制御装置のブロッ
ク構成を示し、第1図において、11は光ディスクの案内
溝と光スポットとの相対位置ずれを検出するためのトラ
ッキングセンサ、12はトラッキングセンサ11の出力電流
を電圧に変換するための電流−電圧変換回路である。13
は制御の不要なノイズ成分を除去するための入力フィル
タである。14は入力フィルタ13の出力を減衰させるため
のゲインが1以下となっている減衰器である。15は減衰
器14の出力信号の高周波成分を除去するための低域通過
フィルタである。16は低域通過フィルタ15のアナログ信
号出力をディジタル信号に変換するためのA/Dコンバー
タである。17はA/Dコンバータ16のディジタル情報を記
憶するための記憶装置、たとえば半導体メモリ等のメモ
リである。18′はメモリ17からのディジタル情報をアナ
ログ情報に変換するためのD/Aコンバータである。19は
光ディスクの所定の回転位相を検出するための回転検出
回路である。
次に、第2図は前記装置の動作における残留偏差の推
移を示し、第2図において、20はメモリ17の出力を制御
系に加算してから毎周期ごとに光スポットのオフトラッ
ク量(残留偏差)の変化を表わす曲線である。
次に、動作について説明する。第1図において、たと
えばトラッキング検出方式がプッシュプルトラッキング
信号検出方式であるとする。2つのトラッキングセンサ
11の電流出力をそれぞれ電流−電圧変換回路12にて電圧
出力とした後、それぞれの差をとると、光ディスク案内
溝に対する光スポットの相対位置ずれ量が検出される。
すなわち、図中破線で示した200により、追従目標に基
づいた基準入力信号と主フィードバック信号とを比較し
て制御偏差を算出し、その制御偏差に基づいた制御偏差
信号を出力する比較部が構成されている。そして、この
光スポットの相対位置ずれ量すなわち制御偏差信号を位
相補償回路9を通した後、増幅器10にて増幅し、この出
力すなわち制御動作信号に基づいてアクチュエータコイ
ル4を駆動すると、光スポットは光ディスク案内溝に追
従することとなる。すなわち、前記アクチュエータコイ
ル4により、前記制御動作信号に応答して光スポットと
いう制御対象を制御する制御部が構成されている。この
際、光スポットは光ディスク案内溝の中心に正確に追従
しているわけではなく、実際には光ディスク1の偏心量
に応じてある程度の残留偏差をもって追従している。こ
の残留偏差は、従来のフィードバック制御装置(第13
図)において必ず存在する。
そこで、本装置では入力フィルタ13にて制御に不要な
ノイズ成分を除去した後、前記残留偏差に相当する信号
について減衰器14にて信号振幅を落としている。これ
は、メモリ17を有する正帰還ループがゲイン1以上とな
ると発振するためである。そして、低域通過フィルタ15
を通した後、A/Dコンバータ16にてディジタル情報に変
換した後メモリ17にて光ディスク1周分の残留偏差を記
憶する。そして次の周期においてメモリ17からの前の周
期におけるディスク1周分の残留偏差をD/Aコンバータ1
8′にてアナログ情報に戻した後に入力フィルタ13の出
力に対して加算する。すなわち、常に1周期前の残留偏
差が少し減衰されて入力フィルタ13の出力に加算され続
ける。この減衰器14,低減通過フィルタ15,A/Dコンバー
タ16,メモリ17,回転検出回路19およびD/Aコンバータ1
8′を含む繰返し制御ループにより、前記制御偏差を減
少させるための信号であって前記制御偏差の周期と同様
の周期性を有する補正信号を前記制御偏差に基づいて作
成し、該補正信号を制御ループ内に入力する補正信号作
成手段202が構成されている。
以上のように制御系を構成すると、残留偏差は第2図
に示す曲線20のようになり、1周期毎の偏差を加算して
から減少し始め、数サイクル後にほとんど0になってし
まう。これは、追従目標や外乱と同じ関数を制御系の内
部に持てば定常偏差を0にすることができるという制御
理論における内部モデル原理に従った結果である。
このように、本実施例では前記メモリ17がトラッキン
グ信号を直流成分から記憶しており、このためアクチュ
エータコイル4に加わる外乱に対しても補正することが
でき、サーボ剛性の高い制御系が実現できる効果があ
る。
第3図は、第1図に示した制御装置と多少構成の異な
る他の制御装置の構成を示すブロック図である。図にお
いて、1は光ディスク、2は光ディスク1を回転させる
ためのモータ、3は光ディスク1からの信号を録画再生
するための光ヘッドである。12は光ヘッド3におけるト
ラッキングセンサからの電流情報を電圧に変換する電流
−電圧変換回路、5は電流−電圧変換回路12からの信号
によりトラッキングエラーを作るための差信号生成アン
プである。この電流−電圧変換回路12と差信号生成アン
プ5とにより、追従目標に基づいた基準入力信号と主フ
ィードバック信号とを比較して制御偏差を算出し、その
制御偏差に基づいた制御偏差信号を出力する比較部200
が構成されている。次に、6はトラッキングサーボルー
プを安定化するために挿入された位相補償回路、7はサ
ーボループのサーボゲインを定めるためのゲイン補償ア
ンプ、8は光ヘッド3におけるアクチュエータコイル4
に電流を供給するためのドライバである。18は繰返しル
ープの制御帯域を定める繰返し補償フィルタ、21は繰返
しループのゲインを定めるアッテネータ、16はアナログ
信号をディジタル信号に変換するためのA/Dコンバー
タ、17は半導体メモリ等で構成されたメモリ、18′はデ
ィジタル信号をアナログ信号に変換するためのD/Aコン
バータである。19はモータ2の出力を検出することによ
り光ディスク1の1回転の周期を検出しその周期を前記
メモリ17に入力させるための回転検出回路である。
次に、動作について説明する。光ヘッド3におけるト
ラッキングセンサの出力を、電流−電圧変換回路12にて
電流−電圧変換し、差信号生成アンプ5にてトラッキン
グエラー信号(光ディスク1の面上に照射された光ビー
ムと光ディスク1のトラック案内溝とのトラック方向位
置ずれ量に相当するものであり、制御偏差のことであ
る)が生成される。生成されたエラー信号は位相補償回
路6,ゲイン補償アンプ7で安定性等が確保された後ドラ
イバ8にて光ヘッド3内のレンズ用のアクチュエータコ
イルへ駆動電流として供給される。まず、トラッキング
エラー信号すなわち制御偏差信号を、繰返し制御ループ
の帯域を制限するためにローパスフィルタなどで構成し
た繰返し補償フィルタ18に入力し、繰返し補償フィルタ
18の出力をアッテネータ21で減衰し、A/Dコンバータ16
でディジタル情報に変換した後、半導体メモリ等で構成
されたメモリ17で回転検出回路19からの出力に基づいた
1周期分を記憶し、1周期遅れた情報をA/Dコンバータ1
6にてアナログ量に戻した後、元のトラッキングエラー
信号すなわち制御偏差信号に加算する。以上の繰返し補
償フィルタ18,アッテネータ21、A/Dコンバータ16,メモ
リ17およびD/Aコンバータ18′を含む繰返し制御ループ
により、前記制御偏差を減少させるための信号であって
前記制御偏差の周期と同様の周期性を有する補正信号を
前記制御偏差に基づいて作成し、該補正信号を制御ルー
プ内に入力する補正信号作成手段202が構成されてい
る。
なお、第1図および第3図に示したフィードバック制
御方式は、追従目標や外乱が周期的であればどのような
サーボ系にも応用することができ、光ディスク装置にお
ける光ヘッドからの照射ビームの焦点を常にディスク面
上に合わせるためのフォーカスサーボや、ディスク用モ
ータにより一定回転で回転させるためのディスクサーボ
などにも応用できる。
次に、追従目標や外乱の中に周期性が認められない無
周期成分が含まれている場合に有効となるフィードバッ
ク制御装置を以下に説明する。
まず、第4図は、フィードバック制御装置の原理を説
明するためのブロック図であり、25はセンサであり、こ
れにより、追従目標と主フィードバック信号との差が検
出される。すなわち、図中破線200で示した部分によ
り、追従目標に基づいた基準入力信号と主フィードバッ
ク信号とを比較して制御偏差を算出しその制御偏差に基
づいた制御偏差信号を出力する比較部200が構成されて
いる。前記センサ25から出力された制御偏差信号を含む
制御動作信号は制御部26に入力され、その入力信号に基
づいて制御部26が制御対象27を制御するための信号を出
力する。また、前記制御部26によって制御される制御対
象27の制御量信号が主フィールドバック信号として前記
比較部200に入力される。
また、図中、28はメモリ17の出力である繰返し周期に
おける1周期毎の情報と現在の情報を比較するための減
算器であり、29は減算器28の情報のレベルを判別し無周
期成分の有無を判定するレベル判別部である。32はスイ
ッチであり、前記メモリ17への入力をメモリ17の出力を
減衰させた情報とするか現在の情報とするかを切換える
ためのものである。31は前記メモリ17からの出力を減衰
させるためのアッテネータである。なお、前記メモリ17
には制御偏差と同一の周期からなる周期信号が入力され
る。
追従目標や外乱に無周期成分が含まれていない場合に
は、メモリ17の出力である1周期前の情報と現在の情報
はほぼ等しいため、減算器28の出力は0となり、レベル
判別部29は無周期成分はないと判定する。そのため、ス
イッチ32は、図示実線で示すように、現在の制御偏差信
号を含む情報を繰返し補償部33へ導出する側へ切換えら
れている。この場合、繰返し制御ループは、前記制御偏
差を減少させるための信号であって前記制御偏差の周期
と同様の周期性を有する補正信号を前記制御偏差に基づ
いて作成し、該補正信号を制御ループ内に入力する補正
信号作成手段202を構成しているために、前述した制御
理論における内部モデル原理に従って定常偏差は圧縮さ
れる。
一方、追従目標または外乱に無周期成分が含まれてい
る場合は、1周期前の情報と現在の情報は無周期成分の
あるポイントで大きくずれるため、減算器28からは大き
なレベルが出力され、レベル判別部29は無周期成分があ
ると判定する。この際、1周期前の情報と現在の情報の
わずかなずれに対してはレベル判別器29は無周期成分を
検出しないようにあるスレッショルドレベルが設けられ
ている。
レベル判別器29が無周期成分を含むと判定すると、そ
の瞬間前記スイッチ32は図示実線とは逆の方向に切換え
られるように構成されており、メモリ17から出力された
1周期前の情報がアッテネータ31,前記繰返し補償部33
を通過して再び前記メモリ17に入力されるようになる。
このとき、1周期前の情報には無周期成分が含まれてい
なかったため、無周期成分がメモリ17に記憶されてしま
うことがなく、無周期成分による制御への悪影響を次の
周期以降断ち切ることができる。前記レベル判別部29,
メモリ17,減算器28により、前記制御偏差中に周期的に
変化しない無周期成分が含まれているか否かを判別する
無周期成分判別手段が構成されている。
また減算器28,レベル判別部29およびスイッチ32によ
り、前記無周期成分判別手段が無周期成分が含まれてい
ることを判別した場合に、その無周期成分を前記補正信
号作成対象から除外する無周期成分除外手段が構成され
ている。ここで、前記アッテネータ30のゲインを1とす
ると、システムの定常偏差を0とすることができるが、
システムの安定性の観点からすれば、1を越えることが
できない範囲で極力1に近い値で固定することが望まし
い。
また、アッテネータ31のゲインを1とすると、仮にメ
モリ17に無周期成分が記憶された場合、無周期成分の影
響が何周期にもわたって残ってしまう。これは、レベル
判別部29はある程度小さな無周期成分はそのままメモリ
17に入力するように不感帯を持たせたためである。要す
るに、前の周期と同じ位相で前の周期よりも不感帯を超
えない範囲で振幅の大きい無周期成分が続くと、レベル
判別部29は動作しないまま1周期ごとに徐々に大きな無
周期成分がメモリ17に入力されることとなり、このメモ
リ17に入力された無周期成分が追従目標に無周期成分が
含まれなくなっても悪影響を及ぼすこととなる。そこ
で、前記アッテネータ31のゲインをK2とすると、仮にメ
モリ17に無周期成分が記憶された場合の無周期成分の減
衰率rは、 r(dB)=20log{(1−K2} …式3 (ただしnは繰返し回数) となる。
このため、前記アッテネータ31のゲインK2は、1を超
えない範囲で極力1に近い値でシステム全体との兼ね合
いから前記式3により決定するのが望ましい。なお、前
記アッテネータ31の挿入は繰返し制御の定常偏差の圧縮
とは関係ない。
第4図に示したフィードバック制御装置の動作を第5
図および第6図に基づいて説明する。
まず、追従目標または外乱に無周期成分が含まれてい
ない場合は第5図に示すような応答となる。第5図の34
は時間に対する制御偏差の変化を示す曲線を表わしてお
り、第5図の35はメモリ17からの出力信号を表わした曲
線である。一定の周期で変化する追従目標または外乱が
制御系に入力された場合に、初回の周期においては第5
図の35に示すようにメモリからの出力は行なわれず、2
回目の周期から初めてメモリからの出力が行なわれ、そ
の時点から繰返し制御動作が開始される(図示一点鎖線
で示した時点)。そして、繰返し制御動作が開始された
直後から第5図の34に示すように制御偏差が激減し、非
常に高い追従性を示している。
次に、追従目標または外乱の一部にパルス等の無周期
成分が混入されていた場合の応答を第6図に示す。
第6図中、36は制御偏差の時間に対する変化を示す曲
線である。37は制御部26に与えられる制御動作信号を示
す曲線である。38はメモリ17からの出力信号を示す曲線
である。まず、前述と同様に、1回目の周期の間は第6
図の38に示すようにメモリ出力は導出されず、2回目の
周期から初めてメモリ出力が導出される。そして、36に
示すように、追従目標または外乱にパルス等の無周期成
分39が含まれている場合には、前述したように、スイッ
チ32が切換わり、1周期前のメモリ出力がループが一巡
して再びメモリ17に入力されるために、前記無周期成分
39はメモリ17に記憶されず、そのためにメモリ17からの
出力は第6図の38に示すように、無周期成分が含まれな
いものとなる。一方、制御部26に与えられる制御動作信
号は、第6図の36に示す制御偏差信号と38に示すメモリ
出力との和となるために、第6図の37に示す曲線とな
る。この37に示すように、無周期成分39の影響はその周
期のみに生ずるだけであって、後々の周期にまで無周期
成分の悪影響を及ぶことはない。ゆえに、無周期成分39
による制御系に対する後々までの悪影響を断ち切ること
ができる。
第4図に示すようなフィードバック制御方式を光ディ
スクのトラッキング制御に応用すると、第7図に示すよ
うになる。
図において、差信号生成アンプ5の出力と第1のアッ
テネータ30の出力を加算した信号は、減算器28にてメモ
リ17の出力をディジタル−アナログ変換した信号と減算
され、ウィンドコンパレータなどで構成されたレベル判
別部29にて、無周期成分が含まれているか否かを判別さ
れる。無周期成分が含まれていると判別されると、スイ
ッチ32が図示実線とは逆の方向すなわち第2のアッテネ
ータ31側に切換えられる。その結果、メモリ17から出力
された1周期前の情報が、D/Aコンバータ18′,第2の
アッテネータ31,スイッチ32,繰返し補償フィルタ18およ
びA/Dコンバータ16を通過してループを一巡し再びメモ
リ17に入力され、制御偏差に含まれている無周期成分が
メモリ17に入力されることはない。このようにして、ト
ラッキング制御に繰返し制御を応用した場合でも、光デ
ィスク上の傷や装置の外部振動などによる無周期成分の
悪影響が繰返し制御ループに入るのを防止することがで
きる。
以上により、繰返し制御ループにおける第1のアッテ
ネータ30のゲインKを1に近づけることができるため、
従来に比べて、定常偏差をより圧縮することができる。
なお、第4図に示したフィードバック制御装置は、第
7図に示すような光ディスク装置のトラッキング制御に
応用できるばかりでなく、光スポットの焦点を制御する
フォーカス制御や、ディスクの回転を一定に保つための
ディスクサーボなど、種々のサーボ系に応用できる。な
お、前記フォーカス制御を行なう場合には、光ヘッド
が、光ディスク面上の集光スポットをディスク面に垂直
な方向へ移動可能でディスク面と集光スポットのディス
ク面に垂直な方向の相対位置ずれ量を検出することが可
能に構成される必要があり、かつ、焦点制御ループの安
定化のための位相補償,ゲイン補償を有する制御系にす
る必要がある。また、前記ディスクサーボの場合には、
回転数の制御対象をディスクに限らず一般的な物体にし
てもよい。
また、前記第7図に示した光ディスクのトラッキング
制御装置に対して、構成上多少異なった他の例を第8図
に示す。
図において、23は光ディスクの傷を検出するための傷
検出回路である。22はアナログスイッチであり、光ディ
スク上に生じた傷等の検出時に減衰器14へ信号を通さず
に制御ループを構成し、傷のないときに減衰器14に信号
を通し、D/Aコンバータ18′からの信号を入力フィルタ1
3の出力に加算するようにループを切換えるためのもの
である。これ以外のものは、前記第1図に示した実施例
と同一であるためにここでは説明を省略する。このよう
に、傷検出回路23で傷の有無を検出し、傷のあるときに
はアナログスイッチ22にてメモリ17に傷による信号の乱
れを記憶させないようにしているために、最初の傷によ
るサーボ系への悪影響が後々まで残るという不都合な事
態を防止することができる。前記傷検出回路23により、
前記光ディスクの情報記録面に発生した傷を検出する傷
検出手段が構成されている。
なお、図中200は、追従目標に基づいた基準入力信号
と主フィードバック信号とを比較して制御偏差を算出
し、その制御偏差に基づいた制御偏差信号を出力する比
較部である。また、図中202は、前記制御偏差を減少さ
せるための信号であって前記制御偏差の周期と同様の周
期性を有する補正信号を前記制御偏差に基づいて作成
し、該補正信号を制御ループ内に入力する補正信号作成
手段である。
前記第4図に示したフィードバック制御装置のさらに
他の例を第9図に示す。
図において、28は第1の減算器であり、メモリ17の出
力である繰返し周期(制御偏差の周期と同一の周期)に
おける1周期前の情報と現在の情報を比較するためのも
のである。24は、第1の減算器28の出力のうち或る周波
数領域のみを通すフィルタ、80は現在の情報からフィル
タ24の出力を減算するための第2を減算器である。
第10図は、縦軸をゲイン、横軸を周波数としてフィル
タ24の周波数特性を表わした図であり、81はフィルタ24
をハイパスフィルタとしたときの周波数特性を示し、82
は、フィルタ24をバンドパスフィルタとしたときの周波
数特性を表わしたものである。
第11図は、繰返し制御ループに無周期成分が混入した
場合の動作図であり、83はたとえば第3図に示す無周期
成分除外手段204のないフィードバック制御装置に無周
期成分が混入した場合の制御偏差を示し、84は、第9図
のフィードバック制御装置において無周期成分が混入し
た場合の制御偏差を表わす図である。
まず、追従目標または外乱に無周期成分が含まれてい
ない場合においては、メモリ17の出力すなわち1周期前
の情報と、現在の情報は、ほぼ等しい値となるため、第
1の減算器28の出力はほぼ0となり、第2の減算器80で
は、現在の情報を減算せずにそのまま出力する。このた
め、第9図の繰返し制御は繰返し補償部33,メモリ17お
よびアッテネータ30のみが関与した通常の繰返し制御と
なる。
次に、追従目標または外乱に無周期成分が含まれてい
る場合は、メモリ17の出力である1周期前の情報と現在
の情報との差は、無周期成分に相当する値となる。この
無周期成分を第2の減算器80にて現在情報から引くと、
現在情報から無周期成分が除外された信号がメモリ17に
与えられることとなる。すなわち、前記第1の減算器28
には、メモリ17からの1周期前の信号と、比較部200か
らの現在の信号すなわち無周期成分を含む信号とが入力
されることとなり、その両信号の差はほぼ無周期成分と
同じ値を示すこととなる。ゆえにこの無周期成分と同等
の値をフィルタ24を介して前記第2の減算器80に入力さ
せることにより、無周期成分を含む現在の情報から無周
期成分のみを減算することができ、無周期成分が除外さ
れた現在の情報がメモリ17に入力されることとなるので
ある。
以上の動作により、繰返し制御ループに無周期成分が
巡回することを防ぐことができる。すなわち、前記メモ
リ17,フィルタ24,第1の減算器28および第2の減算器80
により、前記制御偏差中に周期的に変化しない無周期成
分が含まれている場合に、その無周期成分を前記補正信
号作成対象から除外する無周期成分除外手段204が構成
されている。前記メモリ17,第1の減算器28により、前
記制御偏差から周期的に変化しない無周期成分を検出す
る無周期成分検出手段が構成されている。
一方、実際には、無周期成分には、以下のように繰返
し制御ループ内を巡回させてはならないものと、巡回さ
せた方が望ましいものに分類される。
巡回させてはならないものには、 (イ) センサに含まれている一時的な雑音,ノイズの
取込み (ロ) 追従目標である対象物の部分的な破損等による
もの (ハ) センサの一時的な誤検出 (ニ) 制御対象に加わる一時的な外乱 などが挙げられる。
これらは、すべて一時的なものであって、これを繰返
し制御ループ内で巡回させると、一時的な無周期成分や
外乱が追従目標または外乱に既に存在しなくなった後
も、繰返し制御が前記無周期成分を記憶し、制御系にい
つまでも無周期成分が内在し続けるという不都合な結果
となる。ゆえに、前記(イ)〜(ニ)に掲げたような無
周期成分は前記無周期成分除外手段204により除外する
のが望ましい。
一方、巡回させた方が望ましいものは、 (ホ) センサ,制御部におけるドリフト (ヘ) 制御対象に加わる摩擦等の定常的な外乱 などが挙げられる。
これに対しては、無周期成分の除外を行なわない繰返
し制御の方がサーボ剛性が上がったことに相当するた
め、好ましい。しかし、一般的には、前記巡回させては
ならない無周期成分と、巡回させた方が望ましい無周期
成分とでは、その成分の周波数領域において、「巡回さ
せた方が望ましい無周期成分の周波数よりも巡回させな
い方が望ましい無周期成分の周波数の方が大きい値とな
る。」という関係がある。このような関係から、第1の
減算器28の出力をフィルタ24で任意の周波数成分のみを
通すような構成にすれば、フィルタ24を通る周波数での
み繰返し制御ループにおける無周期成分を除去できる。
なお、フィルタ24のゲインは、メモリ17および第1,第
2の減算器28,80とで構成されるループが発振しないよ
うにどの周波数領域においても1以下でなくてはならな
い。
フィルタ24の構成は、種々の制御システムに応じて、
決定する必要があり、目安として以下のように考えられ
る。
(イ) 制御システムの追従目標や外乱に含まれる無周
期成分が極めて少ない場合はフィルタ24は単なるアッテ
ネータとするのが望ましい。
(ロ) 制御システムの追従目標や外乱にある周波数範
囲の無周期成分が含まれている場合は、フィルタ24は、
第10図82のようなバンドパスフィルタとするのが望まし
い。
(ハ) 制御システムに雑音を含んだ無周期成分が含ま
れている場合には、フィルタ24は、第10図81のようなハ
イパスフィルタとするのが望ましい。
前記第9図に示したフィードバック制御装置における
制御偏差は、第11図の84に示すような曲線となる。第11
図の83は無周期成分除外手段204が備えられていないフ
ィードバック制御における制御偏差が示されている。こ
の83に示すように、追従目標または外乱に一時的にパル
ス等の無周期成分が含まれていた場合には、その無周期
成分による影響が複数回にわたって後々までも制御偏差
に悪影響として現われるのであるが、84に示すように、
無周期成分除外手段204が備えられたフィードバック制
御装置の場合には、追従目標や外乱に含まれている無周
期成分の影響が初回のみ現われるだけで、後に悪影響が
続けて生じるような不都合な事態を断ち切ることができ
る。
第9図に示すフィードバック制御装置を光ディスクの
トラッキング制御に応用すると、第12図に示すようにな
る。
光ディスク1におけるトラッキング案内溝と光スポッ
トとの相対位置ずれ量である制御偏差は、メモリ17の手
前のA/Dコンバータ16に入力される前にフィルタ24の通
過周波数帯域の無周期成分だけ除去される。光ディスク
の場合、繰返し制御ループにおいて巡回させてはならな
い無周期成分は、光ディスク1に含まれる傷等による外
乱や、装置に加わる外部振動などであり、これに対し、
巡回させた方がよい無周期成分は、回路の温度ドリフト
や、光ヘッド3における制御対象などにおける摩擦など
である。そして、温度ドリフトや摩擦等の周波数成分は
低いためフィルタ24は第10図81のようなハイパスフィル
タで構成する。光ディスク1に傷があり、繰返し制御ル
ープに混入した場合傷の影響によって制御偏差(トラッ
キングエラー)の変化する周波数は、第10図の81のハイ
パスフィルタの通過領域内である。そのため、減算器80
によって繰返し制御ループにおける現在情報に含まれる
傷の影響による無周期成分は除去され、第11図における
84のように悪影響が後の周期に残ることはない。すなわ
ち、減算器80,28,繰返し補償フィルタ18およびフィルタ
24により、前記制御偏差中に周期的に変化しない無周期
成分が含まれている場合、その無周期成分を前記補正信
号作成対象から除外する無周期成分除外手段204が構成
されている。以上のような無周期成分除外手段204を持
たない繰返し制御ループでは、第11図の83のように傷の
影響が後の周期まで残り続ける。
ドリフトや摩擦などによる低周波の無周期成分は、フ
ィルタ24の通過領域外であるため、そのままメモリ17に
入力され、1周期後に、メモリ17から出力された後制御
偏差(トラッキングエラー)に加えられる。そのため、
トラッキング制御系のサーボ剛性は強くなる。
このように、光ディスクのトラッキング制御において
も、サーボ剛性を保ちつつ、光ディスクの傷等による無
周期成分が繰返し制御ループを巡回することを防ぐこと
ができる。このため、制御ループのアッテネータ30のゲ
インを1に近づけることができる。
なお、第9図に示したフィードバック制御装置は、第
12図に示す光ディスク装置のトラッキング制御に応用で
きるばかりでなく、光スポットを焦点を制御するフォー
カス制御や、ディスクの回転数を一定に保つためのディ
スクサーボなど、追従目標や外乱が周期的であるものに
すべてに応用できる。また、周期的な追従目標や外乱に
無周期成分が含まれている制御系においても応用するこ
とができる。
なお、前記フォーカス制御においては、光ヘッドが、
光ディスク面上の集光スポットをディスク面に垂直な方
向へ移動可能で、ディスク面と集光スポットのディスク
面に垂直な方向の相対位置ずれ量を検出できることが可
能に構成されていなければならず、さらに、焦点制御ル
ープの安定化のための位相補償,ゲイン補償を有する制
御系である必要がある。さらに、前記ディスクの回転制
御の場合においては、回転制御対象が光ディスクに限ら
れるものではなく、広く物体を回転制御するものであれ
ば何でも含まれる。
さらに、第9図に示すフィードバック制御を光ディス
クのジッタ制御に応用してもよい。その場合には、光ヘ
ッドが、光ディスク面上の集光スポットを、タンジェン
シェル方向へ移動可能で、ディスク面と集光スポットの
タンジェンシェル方向相対位置ずれ量を検出することが
可能に構成されていなければならず、さらに、シッタ制
御ループの安定化のための位相補償,ゲイン補償を有す
る制御系である必要がある。
[発明の効果] 請求項1に記載の本発明によれば、追従目標や外乱と
同じ周期関数を同じ制御系の内部に持つことができ、制
御理論における内部モデル原理に従った追従性の良いフ
ィードバック制御装置が実現できながらも、制御偏差に
たとえ無周期成分が含まれていたとしてもその無周期成
分の悪影響を受けた補正信号が制御ループ内に入力され
る不都合が極力防止できるため、無周期成分による制御
への後々までの悪影響を断ち切ることができる。しか
も、制御偏差中に周期的に変化しない無周期成分が含ま
れているか否か判別するために、無周期成分を正確に判
別することができ、無周期成分以外の周期性のある成分
まで誤って補正信号の作成対象から除外することや、逆
に無周期成分が十分には除外できないというような不都
合が極力防止できる。
請求項2に記載の本発明によれば、追従目標や外乱と
同じ周期関数を同じ制御系の内部に持つことができ、制
御理論における内部モデル原理を利用したフィードバッ
ク制御により、情報記録面の情報記録部に対し追従性の
良いフィードバック制御が実現できる。しかも、その情
報記録面に傷が生じている場合には、その傷が検出され
た場合の前記制御偏差が補正信号の作成対象から除外さ
れるために、その傷の検出信号である無周期成分の悪影
響を受けた補正信号が制御ループ内に入力される不都合
が極力防止でき、傷に起因した無周期成分による制御の
後々までの悪影響を断ち切ることができる。
請求項3に記載の本発明によれば、追従目標や外乱と
同じ周期関数を同じ制御系の内部に持つことができ、制
御理論における内部モデル原理に従った追従性の良いフ
ィードバック制御装置が実現できながらも、制御偏差に
たとえ無周期成分が含まれていたとしてもその無周期成
分の悪影響を受けた補正信号が制御ループ内に入力され
る不都合が極力防止できるため、無周期成分による制御
への後々までの悪影響を断ち切ることができる。しか
も、制御偏差中に無周期成分が含まれている場合にはそ
の制御偏差から無周期成分が検出されるために、無周期
成分を正確に検出することができ、無周期成分以外の周
期性のある成分まで誤って除去することや逆に無周期成
分が十分には除去できないというような不都合が極力防
止できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例による光ディスクのトラッ
キング制御装置を示すブロック図である。 第2図は、前記光ディスクのトラッキング制御装置の動
作における制御偏差(残留偏差)の推移を表わす図であ
る。 第3図は、加算手段が付加されたトラッキング制御装置
を示すブロック図である。 第4図は、無周期成分除外手段を含む加算手段が付加さ
れたフィードバック制御装置を示すブロック図である。 第5図は、追従目標または外乱に無周期成分が含まれて
いない場合の第4図に示したフィードバック制御装置の
動作を示す図である。 第6図は、追従目標または外乱に無周期成分が含まれて
いる場合の第4図に示したフィードバック制御システム
の動作を示す図である。 第7図は、第4図に示したフィードバック制御装置を光
ディスクのトラッキング制御に応用した場合の構成を示
すブロック図である。 第8図は、他の例における光ディスクのトラッキング制
御装置を示すブロック図である。 第9図は、他の例を示すフィードバック制御装置のブロ
ック図である。 第10図は、第9図におけるフィルタの周波数特性を表わ
す図である。 第11図は、第9図に示したフィードバック制御装置と無
周期成分除外手段が備えられていないフィードバック制
御装置とにおいて、両制御装置の動作を比較した図であ
る。 第12図は、第9図におけるフィードバック制御装置を光
ディスクのトラッキング制御に応用した場合のブロック
図である。 第13図は、従来例を示し、トラッキング制御装置を示す
ブロック図である。 第14図は、従来例を改良したフィードバック制御装置を
示すブロック図である。 第15図は、第14図のフィードバック制御装置の動作を示
す図である。 第16A図および第16B図は、第14図のフィードバック制御
装置の原理説明図である。 第17図は、第14図のフィードバック制御装置において無
周期成分が含まれている場合の動作図である。 図中、1は光ディスク、3は光ヘッド、4はアクチュエ
ータコイル、11はトラッキングセンサ、17はメモリ、19
は回転検出回路、22はアナログスイッチ、23は傷検出回
路、24はフィルタ、25はセンサ、26は制御部、27は制御
対象、28は減算器、29はレベル判別部、32はスイッチ、
48はトラッキングエラー信号生成回路、200は比較部、2
02は加算手段、204は無周期成分除外手段である。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】追従目標と制御対象からフィードバックさ
    れた制御量との間の制御偏差に基づいて制御対象を制御
    する制御ループを有するフィードバック制御装置におい
    て、 周期的に変化する前記制御偏差を減少させるための信号
    であって前記制御偏差の周期と同様の周期性を有する補
    正信号を前記制御偏差に基づいて作成し、該補正信号を
    前記制御ループ内に入力する補正信号作成手段と、 前記制御偏差中に周期的に変化しない無周期成分が含ま
    れているか否かを判別する無周期成分判別手段とを備
    え、 該無周期成分判別手段が前記制御偏差中に無周期成分が
    含まれていることを判別した場合には、その制御偏差を
    前記補正信号の作成対象から除外することを特徴とす
    る、フィードバック制御装置。
  2. 【請求項2】情報記録面に情報を記録再生する際に、前
    記情報記録面の情報記録部を追従制御するものであっ
    て、追従目標と制御対象からフィードバックされた制御
    量との間の制御偏差に基づいて制御対象を制御する制御
    ループを有するフィードバック制御装置において、 周期的に変化する前記制御偏差を減少させるための信号
    であって前記制御偏差の周期と同様の周期性を有する補
    正信号を前記制御偏差に基づいて作成し、該補正信号を
    前記制御ループ内に入力する補正信号作成手段と、 前記情報記録面に生じた傷を検出する傷検出手段とを備
    え、 前記傷検出手段が前記情報記録面に生じた傷を検出した
    場合の前記制御偏差を前記補正信号の作成対象から除外
    することを特徴とする、フィードバック制御装置。
  3. 【請求項3】追従目標と制御対象からフィードバックさ
    れた制御量との間の制御偏差に基づいて制御対象を制御
    する制御ループを有するフィードバック制御装置におい
    て、 前記制御偏差から周期的に変化しない無周期成分を検出
    する無周期成分検出手段と、 該検出された無周期成分を前記制御偏差から除去する無
    周期成分除去手段と、 周期的に変化する前記制御偏差を減少させるための信号
    であって前記制御偏差の周期と同様の周期性を有する補
    正信号を前記無周期成分除去手段の出力信号に基づいて
    作成し、該補正信号を前記制御ループ内に入力する補正
    信号作成手段とを備えたことを特徴とする、フィードバ
    ック制御装置。
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