JP2000142696A - 合成樹脂製パレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【解決手段】合成樹脂製パレットの角部に位置するデッ
キボードｐ４に肉厚部ｐ１１を形成したものである。 【効果】合成樹脂製パレットの角部の衝撃強度を向上す
ることができるとともに、射出成形による合成樹脂製パ
レットの成形性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、物品を載置して運
搬、保管等に供される合成樹脂製パレットに関するもの
である。

【０００２】

【従来の技術】従来、合成樹脂製パレットの軽量化を図
るために、デッキボードの肉厚を薄くするとともに、一
方、強度を高める観点から、上下デッキボードを連結す
る桁の肉厚を厚くしたり、合成樹脂製パレットの角部に
位置する隅桁内に、対角線に沿ってリブを形成するよう
にした合成樹脂製パレットが知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】合成樹脂製パレット
が、何かの原因で落下した場合に、角部から落下する場
合が多いが、上述した従来の合成樹脂製パレットにおい
ては、デッキボードの肉厚が薄いために、合成樹脂製パ
レットが落下した場合に、合成樹脂製パレットの隅桁部
分のデッキボードが割れるという問題があった。

【０００４】また、上述した従来の合成樹脂製パレット
においては、デッキボードの肉厚が薄いために、特に、
合成樹脂製パレットの角部に位置する隅桁部分のデッキ
ボードを形成する金型の間隙部分への溶融樹脂の充填が
しにくく、この部分にボイドやウエルドができたり、該
部分に更に薄肉部分ができるという問題があった。

【０００５】本発明の目的は、上述した従来の合成樹脂
製パレットが有する課題を解決し、軽量化と強度面とを
両立させた合成樹脂製パレットを提供することにある。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上述した目的
を達成するために、合成樹脂製パレットの角部に位置す
るデッキボードに肉厚部を形成したものである。

【０００７】

【実施例】先ず最初に、図１を用いて、一例としての合
成樹脂製パレットＰについて説明する。

【０００８】１は、上部デッキボードであり、１’は下
部デッキボードであり、同一形状に、射出成形等により
成形されている。上部デッキボード１と下部デッキボー
ド１’の隅桁の半体部１ａ、１ａ’と、隅桁の半体部１
ａ、１ａ’間に位置する中間桁の半体部１ｂ、１ｂ’
と、図示されていない、中央部に位置する中央桁の半体
部とを、それぞれの端面において溶融接合することによ
り、筒状の隅桁ｐ１、筒状の中間桁ｐ２及び図示されて
いない中央桁を有する合成樹脂製パレットＰが形成され
る。そして、隅桁ｐ１と中間桁ｐ２との間に、フォーク
差込み口ｐ３が形成されている。なお、以下において
は、上部デッキボード１及び下部デッキボード１’を、
単に、デッキボードｐ４と称する。

【０００９】ｐ5 及びｐ6 は、筒状の隅桁ｐ１の略中央
部を、上下のデッキボードｐ４まで延在する隔壁リブで
あり、ｐ7 は、隅桁ｐ１内において、デッキボードｐ４
面に対して垂直方向に、且つ、縦横に延びる背丈の低い
リブであり、また、ｐ８は、筒状の隅桁ｐ１の内周壁
に、上下方向に延在する背丈の低いリブである。ｐ９及
びｐ１０は、隅桁ｐ１、中間桁ｐ２及び中央桁以外のデ
ッキボードｐ４の内面に、縦横に形成された交差リブで
ある。

【００１０】ｐ１１は、合成樹脂製パレットＰの隅桁ｐ
１が位置する角部に形成されたデッキボードｐ４の肉厚
部であり、本実施例においては、デッキボードｐ４の周
壁ｐ１２と隔壁リブｐ５と周壁ｐ１２に一番近いリブ８
の延長線により囲まれる部分のデッキボードｐ４を内方
に向かって肉厚とするとにより、肉厚部ｐ１１が形成さ
れている。このように、合成樹脂製パレットＰの角部に
位置するデッキボードｐ４に肉厚部ｐ１１を形成するこ
とにより、合成樹脂製パレットＰの角部の衝撃強度を向
上することができる。

【００１１】また、図２において、Ｇとして示されてい
る位置に、射出成形機の溶融樹脂の複数のゲートの一つ
がある場合に、該ゲートＧから金型に注入された溶融樹
脂は、ゲートＧを中心として半径方向に拡散していく
が、デッキボードｐ４の角部は、ゲートＧから遠い位置
にあり、且つ、従来、この部分のデッキボードｐ４の肉
厚が薄いために、デッキボードｐ４の角部には、溶融樹
脂が届き難く、この部分に、ボイドができたり、より薄
肉な部分が形成される等の問題があり、合成樹脂製パレ
ットＰの角部の衝撃強度をより弱いものとしていた。し
かしながら、本発明のように、合成樹脂製パレットＰの
角部に位置するデッキボードｐ４に肉厚部ｐ１１を形成
するために、金型間隙を広くすることにより、ゲートＧ
から注入された溶融樹脂が、確実に、この部分に行き渡
り、射出成形による合成樹脂製パレットＰの成形性が向
上することになる。また、複数のゲート間に位置する部
分も、いずれのゲートからも離れているために溶融樹脂
が届き難い場合があるので、このような部分の金型間隙
を広くすることにより、ゲートＧから注入された溶融樹
脂が、確実に、この部分に行き渡り、射出成形による合
成樹脂製パレットＰの成形性を向上することもできる。

【００１２】

【発明の効果】本発明は、以上説明した構成を有してい
るので、以下に記載する効果を奏するものである。

【００１３】合成樹脂製パレットの角部の衝撃強度を向
上することができるとともに、射出成形による合成樹脂
製パレットの成形性が向上する。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の合成樹脂製パレットの斜視図で
ある。

【図２】図２は本発明の合成樹脂製パレットを構成する
下方のデッキボードの平面図である。

【図３】図３は図２のＩ−Ｉ線に沿った合成樹脂製パレ
ットの垂直断面図である。

【符号の説明】

Ｐ・・・・・・・・合成樹脂製パレット ｐ４・・・・・・・デッキボード ｐ１１・・・・・・肉厚部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】合成樹脂製パレットの角部に位置するデッ
   キボードに肉厚部を形成したことを特徴とする合成樹脂
   製パレット。