JP2000141565A - ポリアミド系積層樹脂フィルム - Google Patents

ポリアミド系積層樹脂フィルム

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JP2000141565A JP32049998A JP32049998A JP2000141565A JP 2000141565 A JP2000141565 A JP 2000141565A JP 32049998 A JP32049998 A JP 32049998A JP 32049998 A JP32049998 A JP 32049998A JP 2000141565 A JP2000141565 A JP 2000141565A
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地加男 森重
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昌由 佐藤
真純 ▲厳▼西
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Abstract

(57)【要約】 【課題】耐屈曲疲労性、耐衝撃性等の特性が良好であっ
て、しかも、高湿度環境下や水の存在する環境下で用い
た場合にも寸法変化の少ない樹脂フイルムを提供する。 【解決手段】脂肪族ポリアミド樹脂(A)を主成分とす
る樹脂フィルム層(X)の片面又は両面に、脂肪族ポリ
アミド樹脂(B)を主成分とする樹脂フィルム層(Y)
を積層した積層樹脂フィルムであって、脂肪族ポリアミ
ド樹脂(B)の吸水率が、脂肪族ポリアミド樹脂(A)
の吸水率の0.5倍以下であり、且つ湿度差60%R.
H.当たりの該積層樹脂フィルムの寸法変化率がフィル
ムの長手方向及びこの方向と垂直に交わる方向の両方向
について、2.0%以下であることを特徴とするポリア
ミド系積層樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ポリアミド系積層
樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】ポリアミド系樹脂フイルムは、機械的特
性、光学特性、熱的特性、耐薬品性、ガスバリヤー性等
に優れているために、従来から、食品包装材を始めとし
て、様々な用途に広く用いられている。しかしながら、
従来のポリアミド系樹脂フィルムは、ポリアミド系樹脂
自体の特性に由来する難点として、吸湿性が高く、高湿
度環境下で使用する場合やボイル処理を施す場合には、
吸湿して寸法変化を生じ易く、このためフィルム加工製
品の印刷ずれが生じることがある。また、吸湿状態から
乾燥状態への変化時にフィルム表面にクラックが生じ易
く、フィルム物性や加工製品の外観を大きく害すことが
ある。
【0003】このため、ポリアミド樹脂よりも吸湿性の
低い樹脂を使用することが試みられている。例えば、P
ETフィルムに代表されるポリエステル系フィルムは、
吸湿による寸法変化がポリアミド系フィルムより少ない
ために、ボイル処理を必要とする用途に用いられてい
る。
【0004】しかしながら、ポリエステル系フィルム
は、ポリアミド系フィルムと比べて耐屈曲疲労性に劣る
ために、包装用途などの高い強度を要求される用途には
不適当である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主な目的は、
耐屈曲疲労性、耐衝撃性等の特性が良好であって、しか
も、高湿度環境下や水の存在する環境下で用いた場合に
も寸法変化の少ない樹脂フイルムを提供することであ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述した如
き従来技術の課題に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、二種
類以上のポリアミド樹脂を積層した樹脂フィルムであっ
て、各ポリアミド樹脂の吸水率が所定の条件を満足する
と共に、湿度変化による積層フイルムの寸法変化率が所
定の範囲内にある積層樹脂フィルムは、耐衝撃性、耐屈
曲性に優れた脂肪族ポリアミド樹脂の特性を損なうこと
なく、水の存在する環境下で用いた場合の寸法安定性を
向上させることができることを見出し、ここに本発明を
完成するに至った。
【0007】即ち、本発明は、下記のポリアミド系積層
樹脂フィルム、及び食品包装材を提供するものである。
【0008】1.脂肪族ポリアミド樹脂(A)を主成分
とする樹脂フィルム層(X)の片面又は両面に、脂肪族
ポリアミド樹脂(B)を主成分とする樹脂フィルム層
(Y)を積層した積層樹脂フィルムであって、脂肪族ポ
リアミド樹脂(B)の吸水率が、脂肪族ポリアミド樹脂
(A)の吸水率の0.5倍以下であり、且つ湿度差60
%R.H.当たりの該積層樹脂フィルムの寸法変化率が
フィルムの長手方向及びこの方向と垂直に交わる方向の
両方向について、2.0%以下であることを特徴とする
ポリアミド系積層樹脂フィルム。
【0009】2.脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、ナイ
ロン6又はナイロン6,6であり、ポリアミド樹脂
(B)がナイロン12、ナイロン6,12又はナイロン
6/12共重合体である上記項1に記載のポリアミド系
積層樹脂フィルム。
【0010】3.上記項1又は2に記載の積層樹脂フィ
ルムからなる食品包装材。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の積層フィルムは、脂肪族
ポリアミド樹脂(A)を主成分とする樹脂フィルム層
(X)の片面又は両面に、脂肪族ポリアミド樹脂(B)
を主成分とする樹脂フィルム層(Y)を積層したもので
あり、脂肪族ポリアミド樹脂(B)の吸水率は、脂肪族
ポリアミド樹脂(A)の吸水率の0.5倍以下であるこ
とが必要である。
【0012】ここで、脂肪族ポリアミド樹脂の吸水率
は、ASTM D570に準拠して、23℃の水中に2
4時間浸漬後評価したものである。
【0013】本発明で用いる脂肪族ポリアミド樹脂
(A)及び(B)としては特に限定はなく、ラクタム又
はアミノカルボン酸から得られた脂肪族ポリアミド樹
脂、ジアミンとジカルボン酸の重縮合で得られた脂肪族
ポリアミド樹脂、これらの共重合体等の公知のポリアミ
ド樹脂をいずれも用いることができる。脂肪族ポリアミ
ド樹脂(A)及び脂肪族ポリアミド樹脂(B)として
は、これらのポリアミド樹脂から、脂肪族ポリアミド樹
脂(B)の吸水率/脂肪族ポリアミド樹脂(A)の吸水
率≦0.5となるような組合せで、適宜選択して用いれ
ばよい。
【0014】代表的なポリアミド樹脂について、上記方
法で求めた吸水率を示すと次の通りである。
【0015】ナイロン6:1.80%、ナイロン6,
6:1.30%、ナイロン12:0.21%、ナイロン
6,12:0.30%、ナイロン6/12共重合体(ナ
イロン6とナイロン12のブロックコポリマー):0.
30%本発明における脂肪族ポリアミド樹脂(A)と
(B)の好ましい組合せの例を挙げると、ポリアミド樹
脂(A)がナイロン6又はナイロン6,6であり、ポリ
アミド樹脂(B)がナイロン12、ナイロン6,12又
はナイロン6/12共重合体である組合せである。
【0016】本発明の積層樹脂フィルムでは、脂肪族ポ
リアミド樹脂(B)を主成分とする樹脂フィルム層
(Y)は、脂肪族ポリアミド樹脂(A)を主成分とする
樹脂フィルム層(X)の少なくとも片面に積層すればよ
いが、特に良好な寸法安定性を付与するためには、脂肪
族ポリアミド樹脂(A)を主成分とする樹脂フィルム層
(X)の両面に、脂肪族ポリアミド樹脂(B)を主成分
とする樹脂フィルム層(Y)を積層することが好まし
い。樹脂フィルム層(Y)を積層フィルム層(X)の両
面に積層する場合には、それぞれの樹脂フィルム層
(Y)に配合する脂肪族ポリアミド樹脂(B)は、脂肪
族ポリアミド樹脂(A)との間で、吸水率が上記した関
係となるものであれば、同一であってもよく、或いは相
違しても良い。
【0017】上記樹脂フィルム(X)は脂肪族ポリアミ
ド樹脂(A)を90重量%以上含むことが好ましく、樹
脂フィルム(Y)は脂肪族ポリアミド樹脂(B)を90
重量%以上含むことが好ましい。
【0018】本発明で用いるポリアミド樹脂(A)及び
(B)には、更に、必要に応じて、公知の耐屈曲疲労性
改良剤を配合しても良い。この様な耐屈曲疲労性改良剤
の具体例としては、ブロックポリエステルアミド、ブロ
ックポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド
系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、変成エ
チレンプロピレンゴム、エチレン/アクリレート共重合
体等を挙げることができる。
【0019】これらの耐屈曲疲労性改良剤は、一種単独
又は二種以上混合して用いることができ、樹脂フィルム
層(X)及び(Y)のいずれか一方にのみ配合しても良
く、或いは両方に配合しても良い。耐屈曲疲労性改良剤
の配合量については、特に限定的ではないが、例えば、
積層フィルム全体を基準として、0.1〜10重量%程
度含有させることができる。
【0020】更に、ポリアミド樹脂(A)及び(B)に
は、フィルム同士のブロッキング防止や滑り性向上のた
めに、粒子系滑剤や有機系潤滑剤等の滑り性付与剤を添
加しても良い。粒子系滑剤の具体例としては、シリカ、
アルミナ、炭酸カルシウム等の無機系粒子や架橋アクリ
ル粒子、架橋ポリスチレン粒子等の有機系粒子等が挙げ
られる。また、有機系潤滑剤としては、ステアリン酸ア
マイド、ベヘン酸アマイド、エルカ酸アマイド、N−ス
テアリルステアリン酸アマイド、エチレンビスベヘン酸
アマイド、エチレンビスステアリン酸アマイド等の高級
脂肪酸アマイドや脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル等を用
いることができる。
【0021】これらの滑り性付与剤は、一種単独又は二
種以上混合して用いることができ、樹脂フィルム層
(X)及び(Y)のいずれか一方にのみ配合しても良
く、或いは両方に配合しても良い。滑り性付与剤の配合
量については、特に限定的ではないが、例えば、積層フ
ィルム全体を基準として、1.0重量%程度まで含有さ
せることができる。
【0022】更に、樹脂フィルム層(X)及び(Y)に
は、目的、性能を損なわない限り、酸化防止剤、耐光
剤、ゲル化防止剤、顔料、帯電防止剤、界面活性剤等の
各種添加剤を配合しても良い。これらの添加剤について
も樹脂フィルム層(X)及び(Y)のいずれか一方にの
み添加しても良く、或いは両方に添加しても良い。その
配合量についても、特に限定的ではないが、例えば、積
層フィルム全体を基準として、1.0重量%程度まで含
有させることができる。
【0023】樹脂フィルム層(X)及び樹脂フィルム層
(Y)のそれぞれの厚さについては、具体的な用途によ
って適宜決めれば良く、特に限定的ではないが、例え
ば、樹脂フィルム層(X)が0.09〜90μm程度、
樹脂フィルム層(Y)が0.01〜10μm程度であっ
て、積層フィルム全体として0.1〜100μm程度と
することが適当である。
【0024】本発明の積層樹脂フィルムは、公知のフィ
ルム製膜法によって形成することができる。例えば、T
ダイ法、インフレーション法等によって、溶融共押出し
を行うことによって、本発明の積層樹脂フィルムを製造
することができる。更に、この様にして得た積層樹脂フ
ィルムに、必要に応じて、常法に従って延伸処理を施す
ことができる。
【0025】本発明では、この様にして形成された積層
フィルムは、湿度差60%R.H.当たりの寸法変化率
がフィルムの長手方向及びこの方向と垂直に交わる方向
の両方向について、2.0%以下であることが必要であ
る。
【0026】ここで、湿度差60%R.H.当たりの寸
法変化率とは、熱応力歪み測定装置TMA(真空理工社
製)とガス加湿装置を用いて下記の方法により求めた積
層フィルムの吸湿膨張による寸法変化量から算出したも
のである。
【0027】即ち、試料とする積層樹脂フィルムを長さ
50mm、幅4mmに切り取って熱応力歪み測定装置T
MAにセットする。次いで、ガス加湿装置を用いて、T
MA装置中に水蒸気を送り込み、装置内の湿度を(a)
80%R.H.、(b)35%R.H.、(c)73%
R.H.、(d)35%R.H.の順序で変化させる。
TMA装置内は、各湿度に30分間維持して、積層フィ
ルムの長さを安定させて、その長さを測定した後、湿度
を変化させる。
【0028】TMA装置内の湿度を(b)35%R.
H.から(c)73%R.H.に変化させた際の積層樹
脂フィルムの伸び率(x1)と、(c)73%R.H.
から(d)35%R.H.に変化させた場合の積層樹脂
フィルムの伸び率(x2)を下記式より求める。
【0029】
【数1】
【0030】この様にして求めた伸び率(x1)は、3
5%R.H.から73%RHまで湿度を38%上昇させ
た場合の積層フィルムの寸法の変化率であり、伸び率
(x2)は、73%RHから35%RHまで湿度を38
%低下させた場合の積層フィルムの寸法の変化率であ
る。
【0031】以上により求めた伸び率x1と、伸び率x2
より、湿度差60%当たりの寸法変化率(z1)及び
(z2)を以下の式より算出する。
【0032】 寸法変化率(z1)=(x1/38)×60 寸法変化率(z2)=(x2/38)×60 次いで、寸法変化率(z1)と寸法変化率(z2)の平均
値を求め、これを、本発明における積層樹脂フィルムの
湿度差60%当たりの寸法変化率とする。
【0033】本発明の積層フィルムは、上記した方法で
測定した寸法変化率がフィルムの長手方向及びこの方向
と垂直に交わる方向の両方向について、2.0%以下で
あることが必要である。この変化率がいずれか一方でも
2.0%を上回ると、吸湿による寸法変化が大きくな
り、フイルムの印刷ずれやフィルム表面に施した蒸着加
工の割れ等が生じ易くなるので好ましくない。
【0034】積層フィルムの寸法変化率を上記範囲にす
るためには、前記した構造の積層樹脂フィルムとすると
同時に、積層ポリアミドフィルムの製造に当たって、縦
延伸倍率、縦延伸温度、横延伸倍率、横延伸温度、熱固
定温度等の諸条件を適宜組み合わせて調節すればよい。
例えば、縦延伸倍率(MDX)=2.0〜4.0程度、
横延伸倍率(TDX)=3.0〜5.0程度、縦延伸温
度40〜70℃程度、横延伸温度50〜90℃程度、熱
固定温度180〜215℃程度、緩和率2〜10%程度
の条件を採用することができる。この場合には、例え
ば、熱固定温度が低くなると寸法変化率が大きくなる傾
向にあり、また、熱固定温度が高くなりすぎると、結晶
白化、フィルム溶解等を生じ易くなる。
【0035】本発明では、更に、得られた積層樹脂フィ
ルムに印刷性、接着性等を付与するために、フィルム表
面にコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、
火焔処理等の表面処理を施すことができ、また、コーテ
ィング等の手段によりポリマー層を塗布することができ
る。更に、ガスバリヤー性向上のために、無機の薄膜を
蒸着させても良い。また、本発明の積層フィルムを、更
に、他種の樹脂フィルムとラミネートして用いることも
できる。これらの各処理は、公知の方法に従って行うこ
とができる。
【0036】本発明の積層樹脂フィルムは、例えば、食
品包装材等の用途に用いることができる。食品包装材と
して用いる場合の対象とする被包装食品としては、ハ
ム、ソーセージ等の食肉加工品、魚肉加工品、カマボ
コ、チクワ等のねり加工品等を例示できる。本発明の積
層樹脂フィルムを包装材として用いる場合には、フラッ
トな形態とする他に、チューブ状、袋状等の形態として
用いることもできる。例えば、フラットなフィルムを用
いる場合には、常法により適当な形態の包装材とすれば
よく、シームレスチューブとして用いる場合には、適当
な長さにカットし、そのままケーシング、袋状物等とし
て用いる等任意の方法で使用すれば良い。
【0037】
【発明の効果】本発明の積層樹脂フィルムは、耐衝撃
性、耐屈曲疲労性、透明性等の各種特性に優れ、しか
も、高湿度環境下や水の存在する環境下においても寸法
変化が少ない。
【0038】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0039】実施例1 樹脂層(X)を形成するためにナイロン6(吸水率1.
8%)を用い、樹脂層(Y)を形成するためにナイロン
12(吸水率0.21%)(ダイセル.ヒュルス社製、
ダイアミドL1940)を用いて、最外層(Y1)/中
間層(X)/最内層(Y2)の層構成で、厚み比率が
(Y1):(X):(Y2)=1.5:7.0:1.5の
割合となるように溶融共押出しにより積層し、20℃の
回転ドラム上で冷却して、厚さ180μmの未延伸ポリ
アミドフィルムを得た。この未延伸フィルムを50℃で
3.0倍に縦延伸し、次いで、125℃で横方向に4.
0倍延伸し、215℃で熱固定を行うことによって、厚
さ15μmの2軸延伸フィルムを得た。
【0040】得られたフィルムについて、前述した方法
で、湿度差60%R.H.当たりの寸法変化率を求めた
ところ、長手方向については0.7%であり、これと垂
直な幅方向については1.4%であった。また、ナイロ
ン6の吸水率に対するナイロン12の吸水率の割合は、
0.12であった。
【0041】また、この積層フィルムについて、下記の
方法で耐屈曲疲労性及び透明性を評価した。
【0042】(試験方法) 耐屈曲疲労性:試験試料とする積層フィルムをA4サイ
ズに切り取り、理化学工業(株)製ゲルボフレックステ
スターを使用して、直径3.5インチの固定ヘッド側に
試料の一端を固定し、試料の他端を可動ヘッド側に固定
して、初期の把持間隔を7インチとした。ストロークの
最初の3.5インチで440度のひねりを与え、その
後、2.5インチは直線水平運動で全ストロークを終え
るような屈曲疲労試験を40回/分の速度で1000回
行い、フィルムに発生したピンホール個数を数えた。ま
た、同様の方法で屈曲疲労試験を3000回行なった場
合についても、フィルムに発生したピンホール個数を数
えた。これらの測定は25℃の環境下で行った。フィル
ムに発生する穴の個数が20個/7インチ四方以下のも
のが良品である。
【0043】透明性:JIS−K6714に準拠して、
東洋精機製作所製ヘイズテスターにてヘイズ値を測定し
た。ヘイズ値が5.0%以下のものが透明性良好であ
る。
【0044】耐屈曲疲労性、透明性及び水に対する寸法
安定性についての評価結果を下記表1に示す。尚、水に
対する寸法安定性については、湿度差60%当たりの寸
法変化率が2.0%以下のものについて○印で表し、湿
度差60%当たりの寸法変化率がいずれか一方の方向で
も2.0%を上回るものについて×印で表す。
【0045】実施例2 樹脂層(X)を形成するためにナイロン6(吸水率1.
8%)を用い、樹脂層(Y)を形成するためにナイロン
6/12共重合体(ナイロン6とナイロン12のブロッ
クコポリマー)(吸水率0.3%)(ダイセル.ヒュル
ス社製、ダイアミドD1940)を用いて、最外層(Y
1)/中間層(X)/最内層(Y2)の層構成で、厚み比
率が(Y1):(X):(Y2)=1.5:7.0:1.
5の割合となるように溶融共押出しにより積層し、20
℃の回転ドラム上で冷却して、厚さ180μmの未延伸
ポリアミドフィルムを得た。この未延伸フィルムを60
℃で3.5倍に縦延伸し、次いで、120℃で横方向に
3.4倍延伸し、210℃で熱固定を行うことによっ
て、厚さ15μmの2軸延伸フィルムを得た。
【0046】得られた積層フィルムについて、前述した
方法で、湿度差60%R.H.当たりの寸法変化率を求
めたところ、長手方向については0.6%であり、これ
と垂直な幅方向については1.2%であった。また、ナ
イロン6の吸水率に対するナイロン6/12の吸水率の
割合は、0.17であった。
【0047】また、この積層フィルムについて、実施例
1と同様にして耐屈曲疲労性、透明性及び水に対する寸
法安定性を評価した。結果を下記表1に示す。
【0048】実施例3 最外層(Y1)/中間層(X)/最内層(Y2)の層構成
で、厚み比率を(Y1):(X):(Y2)=0.5:
9.0:0.5としたこと以外は、実施例1と同様にし
て積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムにつ
いて、実施例1と同様にして湿度差60%R.H.当た
りの寸法変化率を求めたところ、長手方向については
0.6%であり、これと垂直な幅方向については1.6
%であった。この積層フィルムについて、実施例1と同
様にして耐屈曲疲労性、透明性及び水に対する寸法安定
性を評価した。結果を下記表1に示す。
【0049】実施例4 最外層(Y1)/中間層(X)/最内層(Y2)の層構成
で、厚み比率を(Y1):(X):(Y2)=0.5:
9.0:0.5としたこと以外は、実施例2と同様にし
て積層フィルムを作製した。得られた積層フィルムにつ
いて、実施例2と同様にして湿度差60%R.H.当た
りの寸法変化率を求めたところ、長手方向については
0.7%であり、これと垂直な幅方向については1.5
%であった。この積層フィルムについて、実施例2と同
様にして耐屈曲疲労性、透明性及び水に対する寸法安定
性を評価した。結果を下記表1に示す。
【0050】比較例1 実施例1の方法において、樹脂層(X)及び樹脂層
(Y)として、ともにナイロン6樹脂を用いたこと以外
は、実施例1と同様にして積層フィルムを作製した。得
られた積層フィルムについて、実施例1と同様にして湿
度差60%R.H.当たりの寸法変化率を求めたとこ
ろ、長手方向については0.7%であり、これと垂直な
幅方向については2.4%であった。この積層フィルム
について、実施例1と同様にして耐屈曲疲労性、透明性
及び水に対する寸法安定性を評価した。結果を下記表1
に示す。
【0051】
【表1】
【0052】以上の結果から明らかなように、本発明の
積層樹脂フィルムは、透明性及び耐屈曲疲労性が良好で
あり、しかも湿度変化に対して良好な寸法安定性を有す
るものであった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B29L 7:00 C08L 77:02 77:06 (72)発明者 佐藤 昌由 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 ▲厳▼西 真純 滋賀県大津市堅田2丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F071 AA35 AF10 AF21 AH04 BC01 BC17 4F100 AK46A AK46B AK48A AK48B AK48C BA02 BA03 BA06 BA10A BA10B BA16 EJ38 EJ42 GB23 JD15A JD15B JK01 JL00 JL04A JL04B JN01 YY00A 4F210 AA29 AE01 AG03 QC06 QG01 QG15 QG18 QW07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】脂肪族ポリアミド樹脂(A)を主成分とす
    る樹脂フィルム層(X)の片面又は両面に、脂肪族ポリ
    アミド樹脂(B)を主成分とする樹脂フィルム層(Y)
    を積層した積層樹脂フィルムであって、脂肪族ポリアミ
    ド樹脂(B)の吸水率が、脂肪族ポリアミド樹脂(A)
    の吸水率の0.5倍以下であり、且つ湿度差60%R.
    H.当たりの該積層樹脂フィルムの寸法変化率がフィル
    ムの長手方向及びこの方向と垂直に交わる方向の両方向
    について、2.0%以下であることを特徴とするポリア
    ミド系積層樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】脂肪族ポリアミド樹脂(A)が、ナイロン
    6又はナイロン6,6であり、ポリアミド樹脂(B)が
    ナイロン12、ナイロン6,12又はナイロン6/12
    共重合体である請求項1に記載のポリアミド系積層樹脂
    フィルム。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の積層樹脂フィルム
    からなる食品包装材。
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