JP5000032B2 - ポリアミド系樹脂フィルムおよび積層体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水に対する良好な寸法安定性を有し、かつ耐屈曲疲労性に優れたポリアミド系樹脂フィルムおよび積層体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、ポリアミド系樹脂フィルムは靱性、耐屈曲疲労性、耐衝撃性などを含めた力学的特性、光学特性、熱的性質およびガスバリア性などに優れているため、包装用途を始めとして様々な用途に広く用いられている。ところが、上記従来のポリアミド系樹脂フィルムには、ポリアミド系樹脂自体の特性である高吸湿性のため、高湿度環境下での使用やボイル処理により寸法変化が生じて、著しくフィルム物性や加工製品の外観を害するという問題点があった。
【0003】
こうした問題点を克服するための手段として、吸湿性の低い樹脂を使用する方法が挙げられている。例えば、PETフィルムは水に対する寸法安定性は良好であるが、耐衝撃性や耐屈曲疲労性がポリアミド系樹脂フィルムよりも劣るという問題点があった。そこで、ポリアミド系樹脂フィルムの優れた特徴である耐衝撃性および耐屈曲疲労性を活かしながら、さらに水に対する寸法安定性の良好なフィルムの開発が必要となった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、水に対する良好な寸法安定性を有し、かつ耐屈曲疲労性に優れたポリアミド系樹脂フィルムおよび積層体を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意研究を行った結果、低吸湿性ポリアミド系樹脂、脂肪族ポリアミド系樹脂、および耐屈曲疲労性改良剤を組み合わせることにより、相対湿度変化60%当たりのフィルムの縦方向および横方向の寸法変化率が、共に2.0%以下であり、かつフィルムを速さ40回/分で1000回屈曲することにより生じるピンホール数が17.78cm四方当たり20個以下であるポリアミド系樹脂フィルムおよび積層体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は
(1)相対湿度変化60%当たりのフィルムの縦方向および横方向の寸法変化率が、共に2.0%以下であり、かつフィルムを速さ40回/分で1000回屈曲することにより生じるピンホール数が17.78cm四方当たり20個以下であることを特徴とするポリアミド系樹脂フィルム、および
(2)少なくとも2つの層を有し、最外層の少なくとも一方がポリアミド系樹脂を含有する層である積層体であって、相対湿度変化60%当たりのフィルムの縦方向および横方向の寸法変化率が、共に2.0%以下であり、かつフィルムを速さ40回/分で1000回屈曲することにより生じるピンホール数が17.78cm四方当たり20個以下であることを特徴とする積層体に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明における相対湿度変化60%当たりのフィルムの寸法変化率とは、相対湿度を35%RHから73%RHへ、および73%RHから35%RHへと変化させた時のフィルムの寸法変化率を測定し、1%RH変化当たりの寸法変化率を算出、平均した値に60を乗じた値を示す。
【0008】
本発明のポリアミド系樹脂フィルムの相対湿度変化60%当たりの寸法変化率は、フィルムの縦方向および横方向ともに好ましくは2.0%以下、特に好ましくは1.5%以下である。縦方向および横方向とは、フィルムを作製するときの流れ方向を縦方向、該流れ方向に垂直な方向を横方向という。該寸法変化率が2.0%を越える例として、ナイロン6を主成分としたポリアミド系樹脂フィルムが挙げられる。この場合、相対湿度変化60%当たりの横方向の寸法変化率は、約2.4%程度である。該ポリアミド系樹脂フィルムにボイル処理を行うと、吸湿による寸法変化が生じて、フィルムの印刷ずれやフィルムの表面に施した蒸着加工の割れ等が発生する。このため、寸法変化率が2.0%を越えるフィルムは、ボイル処理を施す用途には実用上使用不可能である。吸湿による寸法変化率が2.0%以下のフィルムは、上記のような弊害は殆ど生じなくなるため、ボイル処理を施す用途に使用でき、非常に利用価値の高いポリアミド系樹脂フィルムとなる。
【0009】
また本発明のポリアミド系樹脂フィルムにおいて、ゲルボフレックステスターを使用してフィルムを速さ40回/分で1000回屈曲すること(耐屈曲疲労性試験)により生じるピンホール数は、17.78cm四方当たり20個以下、好ましくは15個以下である。該ピンホール数が20個を越えるフィルムで物品を包装した場合、運搬作業時におけるフィルムへの外的な接触により穴や破れが発生することになり、包装用フィルムとしては不適である。
【0010】
本発明において、相対湿度変化60%当たりのフィルムの縦方向および横方向の寸法変化率がともに2.0%以下であり、フィルムを速さ40回/分で1000回屈曲することにより生じるピンホール数が17.78cm四方当たり20個以下であるポリアミド系樹脂フィルムは、低吸湿性ポリアミド系樹脂、脂肪族ポリアミド系樹脂および耐屈曲疲労性改良剤を組み合わせることにより、また低吸湿性ポリアミド系樹脂および耐屈曲疲労性改良剤を組み合わせることにより得ることができる。
【0011】
本発明における低吸湿性ポリアミド系樹脂とは、水に20℃、24時間浸漬した場合の吸水率(ASTM−D570)が7%以下であるポリアミド系樹脂を示す。
【0012】
本発明のポリアミド系樹脂フィルムは、低吸湿性ポリアミド系樹脂、脂肪族ポリアミド系樹脂および耐屈曲疲労性改良剤を組み合わせることにより得られる。本発明で使用する低吸湿性ポリアミド系樹脂として、テレフタル酸、イソフタル酸等のジカルボン酸と炭素数6〜12の脂肪族ジアミンとからなるポリアミド、該ポリアミドと脂肪族ポリアミドとからなる共重合体、メタキシリレンジアミンおよび/またはパラキシリレンジアミンと炭素数6〜12のα−および/またはω−脂肪族ジカルボン酸とからなるポリアミド、ナイロン12、ナイロン6とナイロン12とからなる共重合体(以下、ナイロン6/12という)、およびナイロン612などの低吸湿性脂肪族ポリアミド系樹脂などが挙げられ、好ましくはヘキサメチレンジアミンとテレフタル酸とからなるポリアミド(以下、ナイロン6Tという)とナイロン6との共重合体(以下、ナイロン6T/6という)、ナイロンMXD6、ナイロン12、ナイロン6/12、およびナイロン612が挙げられる。
【0013】
本発明で使用する脂肪族ポリアミド系樹脂として、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン11、ナイロン46、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、およびナイロン9並びにこれらの共重合体が挙げられ、好ましくはナイロン6、ナイロン66、ナイロン12、ナイロン612、およびナイロン6/12が挙げられる。
【0014】
本発明における、低吸湿性ポリアミド系樹脂と脂肪族ポリアミド系樹脂との好ましい組み合わせとしては、ナイロン6T/6とナイロン6、ナイロン6T/6とナイロン66、ナイロンMXD6とナイロン6、ナイロンMXD6とナイロン66、ナイロン12とナイロン6、ナイロン12とナイロン66、ナイロン612とナイロン6、ナイロン612とナイロン66、ナイロン6T/6とナイロン12、ナイロン6T/6とナイロン612、ナイロンMXD6とナイロン12、およびナイロンMXD6とナイロン612が挙げられる。また、本発明のポリアミド系樹脂フィルムにおける低吸湿性ポリアミド系樹脂と脂肪族ポリアミド系樹脂とは共重合していてもよく、この時の低吸湿性ポリアミド系樹脂および脂肪族ポリアミド系樹脂は上記と同じであり、共重合体としては例えばナイロン6T/6が挙げられる。
【0015】
相対湿度変化60%当たりのフィルムの縦方向および横方向の寸法変化率がともに2.0%以下であるポリアミド系樹脂フィルムを得るためには、低吸湿性ポリアミド系樹脂および脂肪族ポリアミド系樹脂を以下のような配合量で配合すればよい。本発明のフィルムにおける低吸湿性ポリアミド系樹脂の配合量は使用する低吸湿性ポリアミド系樹脂および脂肪族ポリアミド系樹脂の種類に依存し、例えば低吸湿性ポリアミド系樹脂としてナイロン6T/6、ナイロンMXD6、またはナイロン6Tを使用する場合、低吸湿性ポリアミド系樹脂と脂肪族ポリアミド系樹脂との配合量の重量比は、60:40〜95:5、好ましくは75:25〜90:10である。
【0016】
上記寸法変化率を有するフィルムに、速さ40回/分で1000回屈曲することにより生じるピンホール数が17.78cm四方当たり20個以下となるような特性をさらに付与するためには、耐屈曲疲労性改良剤を上記低吸湿性ポリアミド系樹脂および脂肪族ポリアミド系樹脂にさらに配合すればよい。
【0017】
本発明における耐屈曲疲労性改良剤として、ブロックポリエステルアミド、ブロックポリエーテルアミド、ポリエーテルエステルアミド系エラストマー(例えば、ポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体など)、ポリエステル系エラストマー、変性エチレンプロピレンゴム、変性アクリルなどのエラストマー、およびエチレン/アクリレート共重合体が挙げられ、好ましくは、ポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体が挙げられる。これら耐屈曲疲労性改良剤は、1種または2種以上配合していてもよい。
【0018】
本発明における耐屈曲疲労性改良剤は、低吸湿性ポリアミド系樹脂および脂肪族ポリアミド系樹脂の配合量の和を100重量部とした場合、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜6.0重量部配合していればよい。
【0019】
また、脂肪族ポリアミド系樹脂を含有させずに、低吸湿性ポリアミド系樹脂と耐屈曲疲労性改良剤との組み合わせからでも本発明のポリアミド系樹脂フィルムが得られる。この組み合わせにおいて使用できる低吸湿性ポリアミド系樹脂としては、上記低吸湿ポリアミド系樹脂からナイロンMXD6、ナイロン6T、ナイロン12、ナイロン612が挙げられ、耐屈曲疲労性改良剤は上記のものであれば特に限定はない。該組み合わせにおける耐屈曲疲労性改良剤の添加量は、ポリアミド系樹脂フィルム全体の0.2〜10重量%であり、該添加量が10重量%を越えると透明性が低下し、0.2重量%未満であると耐屈曲疲労性が低下する。
【0020】
本発明のポリアミド系樹脂フィルムの厚みは特に規定はなく、例えば乾燥後の厚みは5〜100μmが好ましく、5〜30μmが特に好ましい。
【0021】
本発明のポリアミド系樹脂フィルムは、Tダイ法、インフレーション法、延伸フィルム成形などの公知のフィルム製膜法によって形成することができ、例えば上記の低吸湿性ポリアミド系樹脂、脂肪族ポリアミド系樹脂および耐屈曲疲労性改良剤、または上記の低吸湿性ポリアミド系樹脂および耐屈曲疲労性改良剤を配合し、溶融押し出しして延伸することにより得られる。この際、低吸湿性ポリアミド系樹脂および脂肪族ポリアミド系樹脂を重合した後に溶融押し出しして延伸してもよい。
【0022】
本発明において、相対湿度変化60%当たりのフィルムの縦方向および横方向の寸法変化率が、共に2.0%以下であり、かつフィルムを速さ40回/分で1000回屈曲することにより生じるピンホール数が17.78cm四方当たり20個以下である積層体は、少なくとも2つの層を有しており、最外層の少なくとも一方に上記寸法変化率を満足するポリアミド系樹脂を、さらに耐屈曲疲労性を付与するため積層体の外層および/または内層に耐屈曲疲労性改良剤を配合すればよい。積層体の内層に含まれる樹脂は、本発明のポリアミド系樹脂以外に他種樹脂であってもよい。
【0023】
本発明における積層体で使用する低吸湿性ポリアミド系樹脂、脂肪族ポリアミド系樹脂、および耐屈曲疲労性改良剤は、本発明のポリアミド系樹脂フィルムにおいて使用するものと同じものが使用できる。
【0024】
相対湿度変化60%当たりのフィルムの縦方向および横方向の寸法変化率がともに2.0%以下である、本発明の積層体を得るためには、低吸湿性ポリアミド系樹脂および脂肪族ポリアミド系樹脂からなる積層体の最外層に、各ポリアミド系樹脂を以下のような配合量で配合すればよい。本発明の積層体における低吸湿性ポリアミド系樹脂の配合量は使用する低吸湿性ポリアミド系樹脂および脂肪族ポリアミド系樹脂の種類に依存し、例えば低吸湿性ポリアミド系樹脂としてナイロン6T/6、ナイロンMXD6、またはナイロン6Tを使用する場合、低吸湿性ポリアミド系樹脂と脂肪族ポリアミド系樹脂との配合量の重量比は、60:40〜95:5、好ましくは75:25〜90:10である。
【0025】
上記寸法変化率を有する積層体に、速さ40回/分で1000回屈曲することにより生じるピンホール数が17.78cm四方当たり20個以下となるような特性をさらに付与するためには、耐屈曲疲労性改良剤を上記積層体にさらに配合すればよい。
【0026】
本発明における耐屈曲疲労性改良剤は、積層体全体を100重量部とした場合、0.1〜10重量部、好ましくは0.2〜6.0重量部配合していればよい。
【0027】
積層体の内層の樹脂は特に限定はなく、用途に応じて変更することができ、例えばナイロン6、ナイロン12、ナイロン66などのポリアミド系樹脂、およびポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂が挙げられる。例えば、ナイロン6は吸湿性の高いポリアミド系樹脂であり、このフィルムを内層として積層した本発明の積層体は、水に対する良好な寸法安定性および優れた耐屈曲疲労性を示し、また本発明のポリアミド系樹脂フィルムとポリエチレンなどの他種樹脂フィルムとのラミネーションにより包装袋として使用することができる。
【0028】
本発明の積層体の厚みは特に規定はなく、例えば乾燥後の厚みは5〜100μmが好ましく、5〜30μmが特に好ましい。本発明の積層体の外層と内層の厚み比率は、外層:内層が5:95〜40:60の範囲内であればよい。外層の厚みとは、2層からなる積層体の場合には上記相対湿度変化を満足するポリアミド系樹脂を含有する層の厚みを、3層以上からなる積層体の場合には最外層である2層の厚みの和を示す。
【0029】
本発明の積層体は、公知の方法により形成することができ、例えば上記の低吸湿性ポリアミド系樹脂、脂肪族ポリアミド系樹脂および耐屈曲疲労性改良剤を所望の積層体になるように配合し、溶融共押し出しすることにより得られる。この際、低吸湿性ポリアミド系樹脂および脂肪族ポリアミド系樹脂を重合した後に積層体を形成してもよい。
【0030】
本発明のポリアミド系樹脂フィルムおよび積層体は、本発明の目的を損なわない限り、各種添加剤をさらに配合したものであってもよく、例えば酸化防止剤、耐光剤、ゲル化防止剤、滑剤、有機系潤滑剤、顔料、帯電防止剤、および界面活性剤などが挙げられる。
【0031】
本発明のポリアミド系樹脂フィルムおよび積層体は、種々の性能付与のために各処理をさらに施してもよい。例えば、印刷性や接着性を付与するためにコロナ放電処理、プラズマ処理、紫外線照射処理、火焔処理およびコーティングなどの手段をフィルム表面に施してもよい。また、さらにガスバリア性を向上させるために無機化合物の薄膜をフィルム表面に蒸着させてもよい。
【0032】
【実施例】
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものでない。
【0033】
実施例1
ナイロン6(東洋紡績(株)製T−814)39.8重量部、ナイロン6T/6(BASF社製UltramidTKR4350、ナイロン6T:ナイロン6=60:40〜75:25重量%のランダム共重合体)60重量部およびポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)0.2重量部をTダイから溶融押し出しし、40℃の回転ドラム上で冷却して厚さ180μmの未延伸ポリアミドフィルムを得た。この未延伸フィルムを100℃で3.0倍に縦延伸した。次いで、135℃で横方向に4.0倍延伸し、220℃で熱固定を行い、厚み15μmの2軸延伸フィルムを得た。
【0034】
参考例2
ポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)5重量部およびナイロン6T/6(BASF社製UltramidTKR4350)95重量部とし、縦方向の延伸温度を120℃、横方向の延伸温度を150℃とする以外は、実施例1と全く同様に行った。
【0035】
実施例3
ナイロン12(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド L1940)39.8重量部、ナイロン6T/6(BASF社製UltramidTKR4350)60重量部およびポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)0.2重量部配合する以外は、実施例1と全く同様に行った。
【0036】
実施例4
ナイロン612(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド D1940)39.8重量部、ナイロン6T/6(BASF社製UltramidTKR4350)60重量部およびポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)0.2重量部配合する以外は、実施例1と全く同様に行った。
【0037】
実施例5
ナイロン6(東洋紡績(株)製T−814)19.8重量部、ナイロンMXD6(東洋紡績(株)製T−600)80重量部およびポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)0.2重量部をTダイから溶融押し出しし、40℃の回転ドラム上で冷却して厚さ180μmの未延伸ポリアミドフィルムを得た。この未延伸フィルムを80℃で3.0倍に縦延伸した。次いで、125℃で横方向に4.0倍延伸し、215℃で熱固定を行い、厚み15μmの2軸延伸フィルムを得た。
【0038】
参考例6
ポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)5重量部およびナイロンMXD6(東洋紡績(株)製T−600)95重量部とし、縦方向の延伸温度を90℃とする以外は、実施例5と全く同様に行った。
【0039】
実施例7
ナイロン12(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド L1940)19.8重量部、ナイロンMXD6(東洋紡績(株)製T−600)80重量部およびポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)0.2重量部配合する以外は、実施例5と全く同様に行った。
【0040】
実施例8
ナイロン612(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド D1940)19.8重量部、ナイロンMXD6(東洋紡績(株)製T−600)80重量部およびポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)0.2重量部配合する以外は、実施例5と全く同様に行った。
【0041】
参考例9
ナイロン6(東洋紡績(株)製T−814)95重量部、およびポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)5重量部からなる樹脂層を内層とし、ナイロン6T/6(BASF社製UltramidTKR4350)からなる樹脂層を外層とした溶融共押出し積層フィルムであって、層構成および厚み比率が外層/内層/外層=1.5/7.0/1.5、総厚みが15μmである積層体を得た。
【0042】
参考例10
ナイロン6(東洋紡績(株)製T−814)95重量部、およびポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)5重量部からなる樹脂層を内層とし、ナイロン6(東洋紡績(株)製T−814)30重量部とナイロン6T/6(BASF社製UltramidTKR4350)70重量部との混合物からなる樹脂層を外層とした溶融共押出し積層フィルムであって、層構成および厚み比率が外層/内層/外層=1.5/7.0/1.5、総厚みが15μmである積層体を得た。
【0043】
参考例11
ナイロン12(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド L1940)95重量部およびポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)5重量部からなる樹脂層を内層とし、ナイロン6(東洋紡績(株)製T−814)30重量部とナイロン6T/6(BASF社製UltramidTKR4350)70重量部との混合物からなる樹脂層を外層とした溶融共押出し積層フィルムであって、層構成および厚み比率が外層/内層/外層=1.5/7.0/1.5、総厚みが15μmである積層体を得た。
【0044】
比較例1
ナイロン6(東洋紡績(株)製T−814)99.8重量部およびポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)0.2重量部をTダイから溶融押し出しし、20℃の回転ドラム上で冷却して厚さ180μmの未延伸ポリアミドフィルムを得た。この未延伸フィルムを50℃で3.0倍に縦延伸した。次いで、125℃で横方向に4.0倍延伸し、215℃で熱固定を行い、厚み15μmの2軸延伸フィルムを得た。
【0045】
比較例2
ナイロン6(東洋紡績(株)製T−814)49.8重量部、ナイロン6T/6(BASF社製UltramidTKR4350)50重量部およびポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)0.2重量部とする以外は、実施例1と全く同様に行った。
【0046】
比較例3
ナイロン6(東洋紡績(株)製T−814)49.8重量部、ナイロンMXD6(東洋紡績(株)製T−600)50重量部およびポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体(ダイセル.ヒュルス社製、ダイアミド−PAE−E40)0.2重量部とする以外は、実施例1と全く同様に行った。
【0047】
耐屈曲疲労性試験
実施例および比較例で得られたフィルムおよび積層体に対して、以下のような耐屈曲疲労性試験を行った。
ゲルボフレックステスター(理化学工業(株)製)を使用して、試験を行った。まず、得られたフィルムサンプルを、直径8.89cm(3.5inch)の固定ヘッドと、固定ヘッドから17.78cm(7inch)離れて平行に配置されている同径の可動ヘッドに円筒状に取り付けた。
可動ヘッドの真ん中に取り付けたシャフトで、可動ヘッドの動きをコントロールする。最初、可動ヘッドを440度ひねりながら固定ヘッドに8.89cm(3.5inch)近づけ、次に水平運動で固定ヘッドに更に6.35cm(2.5inch)近づけた後、正反対の動きで元の状態に戻した。このサイクルを1回として、23℃、60%RHで40回/分の速さで1000回行った。
【0048】
吸湿による寸法変化率
実施例および比較例で得られたフィルムおよび積層体に対して、吸湿による寸法変化率を以下の様な方法で測定し、評価した。
フィルムの吸湿による寸法変化を、熱応力歪み測定装置TMA(真空理工社製)およびガス加湿装置(株式会社小島製作所製)を用いて測定した。
まず、長さ50mm×幅4mmのフィルムサンプルをTMA装置にセットした。次に、ガス加湿装置によりTMA装置内に水蒸気を徐々に送り込み、相対湿度を(a)80%RH→(b)35%RH→(c)73%RH→(d)35%RHの順に変更した。相対湿度を(b)→(c)および(c)→(d)に変更した場合のフィルムサンプルの寸法変化率(%)をそれぞれx1およびx2、各相対湿度差をy1およびy2とした。但し、それぞれの湿度の変更は、設定湿度におけるTMA装置からの応答が30分間安定した後に行い、温度は25℃(室温)で測定した。各フィルムサンプルに対する相対湿度変化60%当たりの寸法変化率を下記式により算出し、得られた結果を表1に示した。
z1=|x1/y1|×60
z2=|x2/y2|×60
寸法変化率(%)=(z1+z2)/2
【0049】
総合評価
各フィルムに対する総合評価は、上記で得られたフィルムの縦方向と横方向の吸湿による寸法変化率(%)が共に2.0%以下であり、かつ耐屈曲疲労性試験においてピンホール数が20個/(17.78×17.78)cm2 以下であるものを良品とした。評価結果は表1に示す。
○:良品、×:不良品
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】
本発明により、水に対する良好な寸法安定性を有し、かつ耐屈曲疲労性に優れたポリアミド系樹脂フィルムおよび積層体が得られ、ボイル処理および高湿度条件下で利用できるポリアミド系樹脂フィルムを提供でき、ガスバリア性と耐屈曲疲労性を兼ね備えたボイル殺菌処理可能な食品包装用フィルムにおいて使用することができる。また、本発明により得られたポリアミド系樹脂フィルムは、透明性にも優れている。
Claims (1)
- ナイロン6T/6、ナイロンMXD6およびナイロン6Tから選ばれる低吸湿性ポリアミド系樹脂、脂肪族ポリアミド系樹脂、およびポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体を含んでなり、低吸湿性ポリアミド系樹脂と脂肪族ポリアミド系樹脂との配合量の重量比が60:40〜95:5であり、ポリラウリルラクタム/ポリエーテル共重合体は、低吸湿性ポリアミド系樹脂と脂肪族ポリアミド系樹脂の配合量の和100重量部当たり0.1〜10重量部配合されており、相対湿度変化60%当たりのフィルムの縦方向および横方向の寸法変化率が、共に2.0%以下であり、かつフィルムを速さ40回/分で1000回屈曲することにより生じるピンホール数が17.78cm四方当たり20個以下であることを特徴とするポリアミド系樹脂フィルム。
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