JPH07227944A - 無カール性多層フィルムとその製造方法 - Google Patents

無カール性多層フィルムとその製造方法

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JPH07227944A
JPH07227944A JP6046408A JP4640894A JPH07227944A JP H07227944 A JPH07227944 A JP H07227944A JP 6046408 A JP6046408 A JP 6046408A JP 4640894 A JP4640894 A JP 4640894A JP H07227944 A JPH07227944 A JP H07227944A
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原 清 一 栗
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 高吸湿性樹脂を芯層として共押出水冷インフ
レーション法によって製造されながら、カールを生じに
くい多層フィルムを提供する。 【構成】 LDPE(内皮層)、6-NY(芯層)及び61
0-NY(外皮層)をそれぞれ別の3台の押出機から温度
190℃、290℃及び250℃において同心多重環状
ダイ経由で水冷共押出インフレーション成形(膨比:約
2)して無カール性多層管状フィルム[膜厚(μm):総
括80;外皮層10;芯層20;内皮層50]を得た。 【効果】 多層フィルムのカール:曲率半径(r)=10
cm(図2の測定法による;温度25℃、60%RH)、
十分に実用に耐える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は外皮層(E)が芯層(B)と
同族の低吸湿性高分子材料、芯層(B)が高吸湿性高分子
材料から少なくとも構成され、共押出水冷インフレーシ
ョン法によって製造され、実用上障害となる程にはカー
ルを生じない多層フィルム及びその製造方法に関する。
詳しくは、本発明は芯層(B)が高吸湿性の高分子材料
(通常は樹脂)から、外皮層(E)が芯層(B)と同族の低
吸湿性(防湿性)高分子材料からなり、特に共押出水冷
インフレーション法によって得られる無カール性多層フ
ィルム及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】共押出水冷インフレーション法で多層フ
ィルムを製造する場合に、異種の樹脂からなる層同士、
例えばナイロン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体けん
化物(略称「EVOH」)等からなる高吸湿性樹脂層と
ポリオレフィン等の低吸湿性樹脂層とを積層すると、得
られた多層インフレーションフィルム(以下、「多層イ
ンフレフィルム」と略称することがある)が往々にして
湾曲(以下、「カール」と略称することがある)を生ず
るという問題がある。
【0003】例えば、内皮層(F)がポリエチレン、外皮
層(E)が6-ナイロンの少なくと2層から構成される多層
構成の管状フィルム(「フィルムA」と略称することが
ある)を共押出水冷インフレーション法で製造した場合
には、該管状フィルムの外側に湾曲する形でカールが発
生する(図1参照)。この現象は特に管状体の開放端
(口部)において顕著である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】以下に、図面に基づい
て従来の多層フィルムと本発明の無カール性多層フィル
ムとを対比することによって解決課題を説明する。
【0005】[図面に基づく説明]図1は従来の2層フ
ィルム(内LDPE//外6-NY)から作成された袋の正面及び
その模式的断面図である。図1の(a)は従来の2層フィ
ルムからなる袋の正面図であって、同図の1は袋本体を
示す。1の底縁付近がシールされており、その頂縁即ち
口部Lが吸湿性の差異に起因して外側へカールした状態
を示す。L1は袋の手前側に位置する口縁であり、L2は
該袋の向う側に位置する口縁であって、これらがカール
を生じて口部が開いている。図1の(b)は従来の多層フ
ィルムをA−A線で切断した場合の模式的断面図であっ
て、同図においては口縁L1と口縁L2とが相互に反対側
へカールしている状態を明瞭に示している。
【0006】図2の(a)は従来袋1を形成する積層フィ
ルムの模式的断面図であって、高吸湿性ナイロン(6-NY)
層(B1)と低密度ポリエチレン樹脂(LDPE)層(E1)からな
り、そのB1面が冷却水に接触すれば吸湿してカールを
生ずる。なお、以下の説明においてナイロン層とポリオ
レフィン層との間に介在して両層に対して強力な接着性
を発揮する接着層の説明は原則的に省略する。
【0007】図2の(b)は本発明の多層フィルムの例と
して水性冷却液に接触する外皮層(E21)が低吸湿性ナイ
ロン(610-NY)で形成され、水性冷却液に非接触の芯層
(B21)が高吸湿性ナイロン(6-NY)で形成され、その内側
に内皮層(F21)が低密度ポリオレフィン(LDPE)層で形成
された積層体21を示すものである。積層体21を構成
する外皮層(E21)と芯層(B21)とが共にナイロン同族体
である場合又は外皮層(E21)は低吸湿性ナイロンである
が芯層(B21)がEVOHである場合には、両層が互に剥
離不能に融着されている。
【0008】図2の(c)は本発明の多層フィルムの第2
態様として外皮層(E22)が別種の低吸湿性ナイロン(612
-NY)で、芯層(B22)が別種の高吸湿性ナイロン(66-NY)
で、内皮層(F22)が低密度ポリエチレン(LDPE)でそれぞ
れ形成されている積層体22の例を示す。積層体22に
おいても外皮層(E22)と芯層(B22)とは相互に剥離不能
に融着されている。
【0009】図2の(d)は本発明の多層フィルムの第3
態様として外皮層(E23)が別種の低吸湿性ナイロン(MXD
6)で、芯層(B23)が別種の高吸湿性ナイロン(6-NY)とE
VOHとの混合物で、内皮層(F23)が低密度ポリエチレ
ン(LDPE)でそれぞれ形成されている積層体23の例を示
す。積層体23においても外皮層(E23)と芯層(B23)と
の間は相互に剥離不能に融着されている。
【0010】図3は多層フィルムのカール状態を相互に
垂直な4方向において定量的に把握する為の処置を示
す。図3の(ap)は試料多層フィルムの中央部に1辺5cm
の正方形で囲まれた範囲3を画定してその両対角線上を
刃物で切断して相互に合同な4個の直角二等辺三角形3
1、32、33及び34を形成させる。
【0011】多層フィルムがカールする場合には、上記
の対角線切断によって各三角形がそれぞれカールを生ず
る。即ち、両対角線の交点で互に接する4個の頂点が自
由端に位置する状態となったことから、フィルム面から
反り上がって離脱する傾向を示す。
【0012】図3の(bp)は各三角形31〜34がフィル
ムの面から反り上った状態を示す模式的平面見取図であ
る。同図における4個の三角形のカール程度は必ずしも
一致しない。特に袋が何れかの一方向へ延伸されている
場合には当然に一致せず、二軸延伸されていても各方向
への延伸倍率が大幅に異なる場合にはそれぞれの方向に
応じて差異が認められ得る。
【0013】図3の(br)はカール状態を袋の長軸に垂直
な方向(横方向)から見た図であって、互に対向した2
個の三角形31及び三角形33がカールしている状態を
明瞭に看取ることができる。両三角形の形成する弧の中
心から弧へ向かう矢印rは弧の曲率半径を表す。このr
が大きな場合には袋のカール程度が低く(緩やかで)、
逆に小さな場合にはカール程度が高い(激しい)ことを
表わす。
【0014】上記現象において、発生したカールが或程
度以上に大きな場合には、得られた共押出水冷インフレ
ーションチューブを用いる製袋加工工程又はその袋に被
包物を充填する工程で著しい妨げとなる等の実用面にお
ける大きな問題が依然として残されている。
【0015】カールの大きさ(換言すればrの小ささ)
は湿度及び温度等の環境条件によっても変化するが、実
用経験的には温度25℃及び相対湿度(RH)60%の条件
下で後記の方法によって測定したカールの曲率半径が
1.5cm 以上であれば、多層インフレフィルムの加工及
び該フィルムから得られた袋への充填工程でカールによ
る問題は特に生じないことを本発明者等は確認した。
【0016】現在の処、カール抑制措置を特には執らず
に共押出水冷インフレーション法で前記のフィルムAを
製造すると、実用上問題となる程度に強いカール(小さ
な曲率半径)が発生する。そこで、自動製袋工程又は自
動充填工程へ強くカールしたフィルムAを供するにはカ
ールを除去する為の後処理が必要である。
【0017】他方、一歩進んでカール発生の根源を除去
した多層フィルムの製造方法もよく知られている。その
原理は多層フィルムの層構成を対称配置とすることにあ
る。例えば、ナイロン層(NY)とポリエチレン層(PE)とか
らなる多層フィルムにおいて、外皮層(E)と内皮層(F)
との両層をポリエチレン層(PE)とし、両層の間に介在す
る芯層(B)をナイロン層(NY)として多層フィルム[PE//
NY//PE(「フィルムB」と略称することがある)]を作
成すれば、カールの発生が略完全に解消された多層フィ
ルムを得ることができる。この方法の限界はナイロン層
とポリエチレン層とからなる多層フィルムでは、採用で
きる層構成が対称配置に限られる点にある。
【0018】残念なことに、フィルムBの様なナイロン
層を芯層(B)とする多層フィルムは長所として優れた耐
ピンホール性等を備えている一方で、短所として及び光
沢感不足及びシール性不十分等を伴っている。もしも、
高融点樹脂であるナイロン層を外皮層(E)とする多層フ
ィルムであれば優れた光沢感等を存分に発揮でき、シー
ル性にも優れたフィルムとすることができる筈である。
処が、高融点樹脂とはいえ高吸湿性の高吸湿性ナイロン
層を外皮層(E)としながらも無カール性の多層フィルム
を共押出水冷インフレーション法によって直接に製造す
ることは至難である。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者は従来方法とは
全く異なる原理に立ってカール発生原因を取り除くこと
に成功した。即ち、本発明は疎水性樹脂からなる内皮層
(F)で裏打ちされた高吸湿性ナイロン単味又は高吸湿性
ナイロンに少量のEVOH重合体又はPVOH重合体が
添加された混合物から形成された芯層(B)の上に低吸湿
性ナイロン等から形成された外皮層(E)を積層するこ
とによって、無カール性に加えて優れた光沢感を兼備し
た無カール性の多層水冷インフレーションフィルム及び
その容易確実な製造方法に関する。
【0020】本発明は下記の多層水冷インフレーション
フィルム及びそれらの製造方法からなる: [多層フィルムの基本的層構成]芯層(B)が高吸湿性ナ
イロン単味又は高吸湿性ナイロンを主体としてこれにE
VOH重合体及びPVOH重合体から選ばれる1種以上
が少量添加された混合物からなり、外皮層(E)が低吸湿
性ナイロン単味又は低吸湿性ナイロンを主体としてこれ
に高吸湿性ナイロンが少量添加された材料並びに内皮層
(F)がポリオレフィン樹脂単味又はポリオレフィン樹脂
を主体としてこれに高吸湿性ナイロンが少量添加された
材料からなる少なくとも3層で構成され、共押出水冷イ
ンフレーション法によって製造された無カール性多層フ
ィルム。
【0021】[多層フィルムの改良層構成1]芯層(B)
が高吸湿性ナイロン60〜100重量%とエチレン単位
含有量24〜50モル%のEVOH重合体及びPVOH
重合体から選ばれる1種以上0〜40重量%と(両者の
和が100重量%となる様に組合せる)からなる「多層
フィルムの基本的層構成」に記載の無カール性多層フィ
ルム。
【0022】[多層フィルムの改良構成2]外皮層(E)
が低吸湿性ナイロンの1種以上60〜100重量%と高
吸湿性ナイロンの1種以上40〜0重量%と(両者の和
が100重量%となる様に組合せる)からなる「多層フ
ィルムの基本的層構成」及び「多層フィルムの改良層構
成1」に記載の無カール性多層フィルム。
【0023】[多層フィルムの改良構成3]高吸湿性ナ
イロンが6-ナイロン、66-ナイロン、6-ナイロンと66-ナ
イロンとの混合物又は6-ナイロンと66-ナイロンとの共
縮合体であり、低吸湿性ナイロンが610-ナイロン、612-
ナイロン、11-ナイロン、12-ナイロン及びメタキシリレ
ンジアミン−ジカルボン酸共縮合重合体から選ばれる1
種以上である「多層フィルムの基本的層構成」並びに
「多層フィルムの改良層構成1」及び「多層フィルムの
改良構成2」に記載の無カール性多層フィルム。
【0024】[多層フィルムの改良構成4]高吸湿性ナ
イロンが6-ナイロン、66-ナイロン、6-ナイロンと66-ナ
イロンとの混合物又は6-ナイロンと66-ナイロンとの共
縮合体であり、低吸湿性ナイロンが610-ナイロン、612-
ナイロン、11-ナイロン、12-ナイロン及びメタキシリレ
ンジアミン−ジカルボン酸共縮合重合体から選ばれる1
種以上である「多層フィルムの基本的層構成」及び「多
層フィルムの改良層構成1」〜「多層フィルムの改良構
成3」に記載の無カール性多層フィルム。
【0025】[多層フィルムの基本的製法]芯層(B)と
して高吸湿性ナイロン単味又は高吸湿性ナイロンを主体
としてこれにEVOH重合体及びPVOH重合体から選
ばれる1種以上が少量添加された混合物を、外皮層(E)
として低吸湿性ナイロン単味又は低吸湿性ナイロンを主
体としてこれに高吸湿性ナイロンが少量添加された混合
物を、内皮層(F)としてポリオレフィン樹脂単味又はポ
リオレフィン樹脂を主体としてこれに少量の高吸湿性ナ
イロンが添加された混合物を共押出水冷インフレーショ
ン成形することを特徴とする無カール性多層フィルムの
製造方法。
【0026】[多層フィルムの改良製法1]芯層(B)と
して高吸湿性ナイロン60〜100重量%とエチレン単
位含有量24〜50モル%のEVOH重合体及びPVO
H重合体から選ばれる1種以上0〜40重量%とからな
る混合物(両者の和が100重量%となる様に組合せ
る)を、外皮層(E)として低吸湿性ナイロン単味又は低
吸湿性ナイロン100〜60重量%と高吸湿性ナイロン
0〜40重量%とからなる混合物(両者の和が100重
量%となる様に組合せる)を、内皮層(F)としてポリオ
レフィン樹脂単味又はポリオレフィン樹脂を主体としこ
れに少量の高吸湿性ナイロンが添加された混合物を共押
出水冷インフレーション成形する「多層フィルムの基本
的製法」に記載の多層フィルムの製造方法。
【0027】[多層フィルムの改良製法2]高吸湿性ナ
イロンが6-ナイロン、66-ナイロン、6-ナイロンと66-ナ
イロンとの混合物又は6-ナイロンと66-ナイロンとの共
縮合体であり、低吸湿性ナイロンが610-ナイロン、612-
ナイロン、11-ナイロン、12-ナイロン及びメタキシリレ
ンジアミン−ジカルボン酸共縮合重合体から選ばれる1
種以上である「多層フィルムの基本的製法」及び「多層
フィルムの改良製法1」に記載の多層フィルムの製造方
法。
【0028】[多層フィルムの層構成及び各層厚]以下
に、本発明の多層フィルムの中で最も一般的な3層フィ
ルムの層構成及びその総括厚みを芯層(B)及び外皮層
(E)について別掲の表1に例示する。
【0029】
【表1】
【0030】<発明の好適な態様> (1)芯層(B)用の高吸湿性ナイロン単味又はそれを主体
とする混合物 本発明における高吸湿性ナイロンとは6-ナイロン、66-
ナイロン(6,6-ナイロン)、6-ナイロンと66-ナイロン
との混合物又は6-ナイロンと66-ナイロンとの共縮合体
等の高吸湿性ナイロンである。芯層(B)を形成する材
料の別異例としては該高吸湿性ナイロンとエチレン−ビ
ニルアルコール重合体及びポリビニルアルコールから選
ばれる1種以上との混合物であって、両者の配合比(両
者の和が100重量%となる様に組合せる)は高吸湿性
ナイロン60〜100重量%、好ましくは70〜90重
量%とEVOH重合体(及び/又はPVOH)40〜0
重量%、好ましくは30重量%以下である。
【0031】ここで「高吸湿性」とは吸水率(ASTM
D570に準拠)が1%以上、好ましくは1.4%以
上のものを言う。これらにつき、以下に詳説する。 (1-1)高吸湿性ナイロン並びにEVOH重合体及びPV
OHの具体例: ◆6-ナイロン、66-ナイロン、6-ナイロンと66-ナイロン
との混合物又は6-ナイロンと66-ナイロンとの共縮合体
等、本発明の積層包装用袋状物に用いられるEVOH重
合体はエチレ単位含有量通常24〜50モル%、好まし
くは29〜44モル%であって、そのMI(190℃;2.16k
gf)通常0.5〜15g/10min、好ましくは1〜7g/10min
のものである。 ◆ポリビニルアルコール(PVOH)とは、同様な化学
反応上の制約から酢酸ビニルの単独重合体を高度に加水
分解して得られている。とはいえ、その多くのものは水
溶性であるから、単独の樹脂として用いられる場合は少
ない。 ◆上記の高吸湿性樹脂の2種以上からなる混合物。 (2)外皮層(E)用の低吸湿性ナイロン 本発明における低吸湿性ナイロンは概念的には前掲の
「高吸湿性ナイロン」に属しないものである。しかし、
実際には吸水率を基準として「高吸湿性ナイロン」と厳
格に区別するには馴染まず、相対的な区分に過ぎない。
吸水率の数値が測定法及びその条件に応じて相当大幅に
異なり得るからである。吸水率の一応の基準としては、
前記の吸水率1.0%以下、好ましくは0.8%以下のナ
イロン及びその2種以上からなる混合物を本発明におけ
る「低吸湿性ナイロン」と称し得る。とはいえ、実用的
には下掲の具体例に準拠して区別する程度である。
【0032】なお、低吸湿性ナイロンに対しては、少量
の高吸湿性ナイロンを配合することができる。本発明に
おいて「少量」とは、その配合によって得られる多層フ
ィルムのカール性が所期の上限を超えない値に設定すべ
きであり、その配合量は重量比で高吸湿性ナイロン/低
吸湿性ナイロンが40/60以下、好ましくは30/7
0以下(分子の数値と分母の数値との和が100となる
様にそれぞれを選ぶ)に設定する。
【0033】低吸湿性ナイロン単味の具体例: ◆610-ナイロン(6,10-ナイロン)、612-ナイロン(6,1
2-ナイロン)、11-ナイロン又は12-ナイロン及びメタキ
シリレンジアミン−ジカルボン酸共縮合重合体[本発明
においては「MXDC」と略称することがある]。なお、
「MXD6」はジカルボン酸がアジピン酸(C=6)であること
を示す]。 ◆610-ナイロンとメタキシリレンジアミン−ジカルボン
酸共縮合重合体との混合物、612-ナイロンとメタキシリ
レンジアミン−ジカルボン酸共縮合重合体との混合物又
は610-ナイロンと612-ナイロンとメタキシリレンジアミ
ン−ジカルボン酸共縮合重合体との混合物。 (3)内皮層(F)用のポリオレフィン樹脂 ポリオレフィン樹脂とは、炭素数2〜10程度の1-オレ
フィンの1種以上を重合(共重合をも包含する)させて
得られる樹脂状物である。
【0034】最も多用されるポリオレフィン樹脂である
ポリエチレンはエチレンの単独重合体に加えてエチレン
とプロピレン以上(炭素数3以上)の1-オレフィンとの
共重合体をも包含する。一般にポリエチレン樹脂では、
含有されるコモノマーの量が約15モル%以下である。
【0035】ポリエチレン樹脂は高密度、中密度及び低
密度樹脂にも区分されれる。これらの中で低密度ポリエ
チレン樹脂は最も透明性及び柔軟性に富むことに加えて
ヒートシール性にも優れるというフィルムとして好まし
い性質を備えている。本発明の目的にも低密度ポリエチ
レン樹脂が最も好ましい。勿論、特殊用途向けには高密
度ポリエチレン樹脂が採用され得る。特に、高温度、高
張力等に耐えることが要求される用途向けには低密度ポ
リエチレン樹脂よりも適合する。
【0036】本発明に好適なポリエチレン樹脂として
は、MI(190℃;2.16kgf)通常0.1〜30g/10min、好
ましくは1〜5g/min、密度通常0.91〜0.965g/c
c、好ましくは0.92〜0.95g/cc及び融点(Tm)通
常90〜138℃、好ましくは100〜130℃のもの
である。
【0037】ポリプロピレン樹脂はポリエチレンよりも
高融点、高透明、高剛性及び高引張強度等の点を活かし
て型物用途には汎用されるが、フィルム用途向けにはポ
リエチレン程には用いられていない。本発明の袋状物に
おいて内皮層用に用いられるポリプロピレン樹脂はMF
R(230℃;2.16kgf)通常0.5〜45g/10min、好ましく
は2〜12g/10minで融点(Tm)通常125〜160
℃、好ましくは130〜150℃のものである。ポリプ
ロピレン樹脂にも多種多様な共重合体が市販されてお
り、例えばプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン
−1-ブテン共重合体等を挙げることができる。これらの
中から用途に応じて適切なものを選ぶことができる。
【0038】<無カール性多層フィルムの製造>本発明
の無カール性多層フィルムを製造する為の共押出水冷イ
ンフレーション成形においては、次の層構成で同心環状
ダイから共押出を行なって多層チューブを成形する: ◆芯層(B):高吸湿性ナイロン例えば、6-ナイロン、66
-ナイロン、6-ナイロンと66-ナイロンとの混合物もしく
は6-ナイロンと66-ナイロンとの共縮合体又は該高吸湿
性ナイロンと特定範囲量のEVOH重合体(及び/又は
PVOH)との混合物等を、 ◆外皮層(E):低吸湿性ナイロン例えば、610-ナイロ
ン、612-ナイロン、11-ナイロン、12-ナイロン、メタキ
シリレンジアミン−アジピン酸共縮合体及びメタキシリ
レンジアミン−ジカルボン酸共縮合重合体、610ーナイロ
ンとメタキシリレンジアミン−ジカルボン酸共縮合重合
体との混合物、612ーナイロンとメタキシリレンジアミン
−ジカルボン酸共縮合重合体との混合物及び610ーナイロ
ンと612ーナイロンとメタキシリレンジアミン−ジカルボ
ン酸共縮合重合体との混合物又は該低吸湿性ナイロンと
少量の高吸湿性ナイロンとの混合物等を、 ◆内皮層(F):低吸湿性樹脂例えば、ポリオレフィン樹
脂、中でも低密度ポリエチレン樹脂等を配置する。芯層
(B)を形成する高吸湿性ナイロン層に対して強い層間
接着力が要求される用途向けには、ポリオレフィン樹脂
中に接着性の改質ポリオレフィン樹脂を適当量配合する
か又は接着性ポリオレフィン樹脂製の接着層を介在させ
る形態を採用することもできる。
【0039】成形の際には、該多層インフレチューブを
水等の水性冷却媒体中に通じて急冷する。液状冷媒によ
る急冷処理は多層フィルムの寸法精度向上及び透明性向
上に有益である。液状冷却媒の温度は通常10〜60℃
に、該冷却媒中の通過線速度は通常5〜80m/minに設
定する。
【0040】<本発明の無カール性多層フィルムの層構
成>本発明の共押出水冷インフレーションフィルムで多
く用いられる層構成は例えば下記のものである: ◆外皮層(E)が低吸湿性の6,10-ナイロン、6,12-ナイロ
ン、11-ナイロン、12-ナイロン、メタキシリレンジアミ
ンとジカルボン酸例えばアジピン酸との共縮重合体、61
0ーナイロンとメタキシリレンジアミン−ジカルボン酸共
縮合重合体との混合物、612ーナイロンとメタキシリレン
ジアミン−ジカルボン酸共縮合重合体との混合物及び61
0ーナイロンと612ーナイロンとメタキシリレンジアミン−
ジカルボン酸共縮合重合体との混合物又はこれらの低吸
湿性ナイロンに少量の高吸湿性ナイロンが配合された混
合物等から選ばれる1種以上で、 ◆芯層(B)が高吸湿性ナイロン例えば6-ナイロン、66-
ナイロン、6-ナイロンと66-ナイロンとの混合物もしく
は6-ナイロンと66-ナイロンとの共縮合体又は該高吸湿
性ナイロンと高吸湿性であるEVOH樹脂もしくはPV
OH樹脂等との混合物、例えば6-ナイロンとEVOHと
の混合物[6-NY/EVOH=60/40〜100/0(wt/wt)]
で形成されているもの;この外皮層(E)と芯層(B)との
間の接着性は極めて強固であって実用上剥離不能であ
る。 ◆内皮層(F)が低吸湿性樹脂であるポリオレフィン樹脂
等からなり、芯層(B)の更に内側に十分強力に積層され
た状態で存在する。その為には、芯層(B)と内皮層(F)
との間に両層の接着を助成する為の接着性物質を介在さ
せる。他の接着性向上策としては両層の少なくとも一方
に無水マレイン酸変性ポリオレフィン等を親和性付与添
加剤として配合することが重要である。
【0041】<各層の厚さ>本発明の無カール性多層フ
ィルム(シートをも包含)の各層の厚さは下記の通りで
ある: 外皮層厚:通常3〜20μm、好ましくは5〜15μm 芯層厚:通常10〜50μm、好ましくは15〜30μm 内皮層厚:通常30〜80μm、好ましくは40〜70
μm 総括層厚(外皮層厚+芯層厚+内皮層厚):通常50〜
110μm、好ましくは60〜90μm。
【0042】本発明の成形法において必須の共押出水冷
インフレーション成形法とは、上記の各層を例えば同心
環状ダイから共押出インフレーション成形する方法であ
る。この際に多層インフレチューブを水性冷却媒体浴に
通じて急冷する方法が共押出水冷インフレーションと呼
ばれる。ここで、水性冷却媒体とは通常は水(湯を包
含)であるが、これに製品の用途に応じて各種の添加剤
が配合されたものをも包含する。
【0043】本発明の多層フィルムを構成する層の数に
は特に制限は無い。また、必須層である「外皮層
(E)」、その内側に位置して外皮層(E)と強固に接着
してカール発生から護られる「芯層(B)」及び芯層
(B)の内側に位置する疎水性の内皮層(F)から構成され
る点、それらの各層の性状及び順序を除き、他の層の構
成又は順序等に特に制限は無い。それらの例は表1に示
されているが、その構成層の1以上が同種の樹脂の2種
以上からなる混合物である場合も勿論包含される。
【0044】<無カール性の定義>本発明において「無
カール性」というのは、当然ながら必ずしも完全な無カ
ール状態、即ち試験片のカールにおける曲率半径が無限
大の状態のみを指すのではない。生じたカールが実用上
は障害とならない程度に留まる場合も本発明の「無カー
ル性」に包含される。具体的には、前述のカール測定法
における曲率半径(r)で少なくも1.5cm以上の値を
維持できる場合の包括的表現である。
【0045】勿論、カールの状態は外気の温度及び湿度
等によっても様々に異なる。即ち同一の多層フィルムの
カール状態も環境次第で変動するから、文字通りの「無
カール」状態を常時発現及び保持することは原理的に望
み難い。
【0046】
【実施例】以下に本発明の各種好適態様を実施例とし
て、従来技術の態様を比較例として表1に示す。同表中
のカールの曲率半径の欄に記載されているものは明細書
本文中に記載された測定方法と測定条件とにおける測定
結果である。測定結果を後掲の表2に示す。
【0047】本発明における樹脂の融点(Tm)とは、
差動走査型熱量計(略称「DSC」)を用いて観測され
る試料の吸熱曲線においてピークの位置する温度とす
る。なお、2個以上のピークが観測される場合にはそれ
らの中で最大面積のピークが位置する温度を融点とす
る。
【0048】また、樹脂略号の凡例は次の通りである: 6-NY:6-ナイロン[相対粘度3.6;重合度250;分
子量28000;吸水率(ASTM D570)1.3〜3.5%(24
h)]; 66-NY:6,6-ナイロン[相対粘度2.95;重合度18
0;分子量20×103;吸水率(ASTM D570)1.2〜2.5
%(24h)]; 11ーNY:11ーナイロン[相対粘度1.48;重合度18
0;分子量20×103;吸水率(ASTM D570)1.1〜1.5
%(24h)]; 12ーNY:12ーナイロン[相対粘度1.56;重合度20
0;分子量23×103;吸水率(ASTM D570)0.25〜0.
75%(24h)]; 610-NY:610ーナイロン[相対粘度2.7;重合度16
0;分子量18×103;吸水率(ASTM D570)0.3〜1.5
%(24h)]; 612ーNY:612ーナイロン[相対粘度2.7;重合度16
0;分子量18×103;吸水率(ASTM D570)0.5〜1.2
%(24h)]; MXDC:メタキシリレンジアミン−ジカルボン酸共縮合重
合体、実施例ではジカルボン酸単位がアジピン酸である
共縮合重合体(MXD6)[相対粘度2.7;分子量2500
0;吸水率0.9%(24h)]; LDPE:低密度ポリエチレン[MI(190℃;2.16kgf)1.
0g/10min]; HDPE:高密度ポリエチレン[MI(190℃;2.16kgf)1.
1g/10min]; PP:ポリプロピレン[MFR(230℃;2.16kgf)10.5g/1
0min]。 EVOH重合体:エチレン−ビニルアルコール共重合体
[エチレン単位含有量32モル%] <層構成、共押出インフレーション成形及び急冷の各操
作並びにその条件> ・内皮層(F):低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン又はポリプロピレン; ・芯層(B):6ーナイロン、66-ナイロンもしくは6-ナイ
ロンと66-ナイロンとの混合物又はEVOH樹脂もしく
はPVOH樹脂又は6-ナイロンとEVOHとの祖混合
物、66-ナイロンとEVOHとの混合物もしくは6-ナイ
ロンと66-ナイロンとEVOHとの混合物; ・外皮層(E):610-ナイロン、612-ナイロン、11-ナイ
ロン、12-ナイロン、メタキシリレンジアミン−アジピ
ン酸共縮重合体、610ーナイロンとメタキシリレンジアミ
ン−ジカルボン酸共縮合重合体との混合物、612ーナイロ
ンとメタキシリレンジアミン−ジカルボン酸共縮合重合
体との混合物、610ーナイロンと612ーナイロンとメタキシ
リレンジアミン−ジカルボン酸共縮合重合体との混合
物; ・押出設備:3層ダイ付きスクリュー押出機 ・使用高吸湿性樹脂: ・・ナイロン:6-ナイロン、66-ナイロン(何れも上記の
もの); ・・EVOH重合体: ・押出温度:160℃(LDPE)、190℃(HDPE)、210
℃(PP)、 ・押出温度:250℃(6-NY)、290℃(66-NY)、25
0℃(610-NY)、215℃(EVOH重合体)、260℃(MXD
6); ・膨比:約1.5; ・冷却水温度(℃):10〜60(外610-NY//芯6-NY
//内LDPEの場合); ・冷却水浴内の通過線速度(m/sec):5〜80(同上の
場合)。
【0049】<カールの測定及び評価>図3に示す様に
原反引取方向とそれに垂直の方向とを2辺とする正方形
(一辺5〓)を試料多層フィルム上に描き、その両対角
線上に切り目(×印状)を入れて形成された4つの花弁
状片の湾曲部に現れた曲率半径(r)を測定してそれら
の相加平均値として求める。結果を表2に示す。
【0050】表2から判ることは測定された曲率半径
(r)が小さな場合程強くカールしており、曲率半径が
大きな程弱いカールに留まったことである。低吸湿性ナ
イロンを外皮層(E)とする多層フィルムでは、湿度及び
温度等の環境条件によってもカールが変化する。しか
し、実用経験的には温度25℃、相対湿度60%の条件
下で上記の方法によって測定した曲率半径が1.5cm以
上であれば、多層フィルムの製袋加工及び得られる袋へ
の自動充填工程の何れにおいてもカール発生による問題
は特に生じない。
【0051】
【実施例1〜9】表1に例示された各種の樹脂の種類、
層厚及び層構成の組合せを選んで外皮層(E)、芯層
(B)及び内皮層(F)を上掲の成形設備及び成形条件
でそれぞれを形成させると共にそれらを積層して得られ
た各種の無カール性積層フィルム(シート)の内訳を表
2の「原反の構成」の欄に掲げると共に、その性状とし
て「カールの曲率半径r(cm)」及び「光沢感(グロ
ス)」を表2の「製品の評価」の欄に示す。ここで、
「カールの曲率半径r(cm)」の数値が小さければ小さい
程激しくカールしていることに留意すべきである。
【0052】
【比較例1】実施例1の態様(表1における「番号1」
に対応)における外皮層樹脂を低吸湿性の610-NYから高
吸湿性の6-NYに変更した以外には実施例1におけると同
様にして積層フィルムを作成した。該積層フィルム(シ
ート)の内訳を表2の「原反の構成」の欄に掲げると共
に、その性状として「カールの曲率半径r(cm)」及び
「光沢感(グロス)」を表2の「製品の評価」の欄に併
せて示す。本比較例における積層フィルムは実施例にお
ける各積層フィルムに比して格段に激しくカールを生じ
ていることが判る。
【0053】
【表2】
【0054】
【発明の効果】
(1)本発明の共押出水冷インフレーション成形方法によ
れば、外皮層(E)に低吸湿性ナイロン例えば、610-ナイ
ロン、612-ナイロン又はメタキシリレンジアミン−アジ
ピン酸共縮重合体等、芯層(B)に高吸湿性ナイロン例え
ば、6-ナイロンもしくは66-ナイロン又はEVOH樹脂
もしくはPVOH樹脂等、内皮層(F)にポリエチレン等
が配置された3層以上の積層体である無カール性の多層
フィルムを製造することができる。 (2)上記の層構成で共押出水冷インフレーション成形を
行なって得られる多層フィルムは無カール性であるにも
拘らずナイロンの長所である高光沢及び高透明性を備え
た高級感に富むものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1の(a)は従来のカール性多層フィルムから
なる袋の正面見取図及び図1の(b)は該袋のA−A線位
置における模式的縦断面図である。
【図2】図2の(a)は従来の高吸湿性樹脂からなる単層
フィルムの模式的断面図、図2の(b)は本発明の3層フ
ィルムの第一態様である積層体の模式的断面図、図2の
(c)は本発明の3層フィルムの第二態様である積層体の
模式的断面図及び図2の(d)は本発明の3層フィルムの
第三態様である積層体の模式的断面図である。
【図3】図3の(ap)は試料フィルムにカールを発生させ
る為の切り目の位置、方向及び長さを表す平面見取図、
図3の(bp)は試料フィルムに切り目を設けた後に生ずる
状態の平面見取図及び図3の(br)は図3の(bp)の状態を
横方向から見た見取図である。
【符号の説明】
1 従来のフィルムから作成された袋自体 2 本発明の無カール性3層フィルム(包括) 3 カール発生の為の切り目設置部分全体 11 従来の多層フィルム 21 本発明の無カール性3層フィルムの1態様 22 本発明の無カール性3層フィルムの別態様 31 試料フィルムに設けられた切り目によって区分さ
れた部分(図の上側) 32 試料フィルムに設けられた切り目によって区分さ
れた部分(図の左側) 33 試料フィルムに設けられた切り目によって区分さ
れた部分(図の下側) 34 試料フィルムに設けられた切り目によって区分さ
れた部分(図の右側) r 試料フィルムにおけるカールした部分の曲率半径 B1 従来の多層フィルムを構成する芯層 B2 本発明の無カール性多層フィルムを構成する芯層
(包括) E1 従来の多層フィルムを構成する外皮層 E2 本発明の無カール性多層フィルムを構成する外皮
層(包括) F2 本発明の無カール性多層フィルムを構成する内皮
層(包括) L1 袋の口部において生じたカール部分(図面の手前
側) L2 袋の口部において生じたカール部分(図面の向
側) B21 本発明の無カール性多層フィルムを構成する芯層
の第一態様 B22 本発明の無カール性多層フィルムを構成する芯層
の第二態様 B23 本発明の無カール性多層フィルムを構成する芯層
の第三態様 E21 本発明の無カール性多層フィルムを構成する外皮
層の第一態様 E22 本発明の無カール性多層フィルムを構成する外皮
層の第二態様 E23 本発明の無カール性多層フィルムを構成する外皮
層の第三態様 F21 本発明の無カール性多層フィルムを構成する内皮
層の第一態様 F22 本発明の無カール性多層フィルムを構成する内皮
層の第二態様 F23 本発明の無カール性多層フィルムを構成する内皮
層の第三態様
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 23:00 77:00 B29L 7:00 9:00

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芯層(B)が高吸湿性ナイロン単味又は高
    吸湿性ナイロンを主体としてこれにEVOH重合体及び
    PVOH重合体から選ばれる1種以上が少量添加された
    混合物からなり、外皮層(E)が低吸湿性ナイロン単味又
    は低吸湿性ナイロンを主体としてこれに高吸湿性ナイロ
    ンが少量添加された材料並びに内皮層(F)がポリオレフ
    ィン系樹脂単味又は2種以上のポリオレフィン樹脂から
    なる少なくとも3層で構成され、共押出水冷インフレー
    ション法によって製造された無カール性多層フィルム。
  2. 【請求項2】 芯層(B)が高吸湿性ナイロン60〜10
    0重量%とエチレン単位含有量24〜50モル%のEV
    OH重合体及びPVOH重合体から選ばれる1種以上0
    〜40重量%と(両者の和が100重量%となる様に組
    合せる)からなる請求項1に記載の無カール性多層フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 外皮層(E)が低吸湿性ナイロンの1種以
    上60〜100重量%と高吸湿性ナイロンの1種以上0
    〜40重量%と(両者の和が100重量%となる様に組
    合せる)からなる請求項1又は2に記載の無カール性多
    層フィルム。
  4. 【請求項4】 高吸湿性ナイロンが6-ナイロン、66-ナ
    イロン、6-ナイロンと66-ナイロンとの混合物又は6-ナ
    イロンと66-ナイロンとの共縮合体であり、低吸湿性ナ
    イロンが610-ナイロン、612-ナイロン、11-ナイロン、1
    2-ナイロン及びメタキシリレンジアミン−ジカルボン酸
    共縮合重合体から選ばれる1種以上である請求項1〜3
    の何れかに記載の無カール性多層フィルム。
  5. 【請求項5】 内皮層のポリオレフィン樹脂が密度0.
    88〜0.97g/cc、MI(190℃;2.16kgf)0.1〜30g
    /10min及び融点(Tm)90〜138℃のポリエチレン樹
    脂、改質ポリエチレン樹脂単味又はこれらの樹脂の2種
    以上の混合物であるか又はMFR(230℃;2.16kgf)0.5
    〜45g/10min及び融点(Tm)125〜165℃のポリプ
    ロピレン樹脂単味又はこれらの樹脂の2種以上の混合物
    である請求項1〜4の何れかに記載の無カール性多層フ
    ィルム。
  6. 【請求項6】 芯層(B)として高吸湿性ナイロン単味又
    は高吸湿性ナイロンを主体としてこれにEVOH重合体
    及びPVOH重合体から選ばれる1種以上が少量添加さ
    れた混合物を、外皮層(E)として低吸湿性ナイロン単味
    又は低吸湿性ナイロンを主体としてこれに高吸湿性ナイ
    ロンが少量添加された混合物を、内皮層(F)としてポリ
    オレフィン樹脂単味又はポリオレフィン樹脂を主体とし
    てこれに少量の高吸湿性ナイロンが添加された混合物を
    共押出水冷インフレーション成形することを特徴とする
    無カール性多層フィルムの製造方法。
  7. 【請求項7】 芯層(B)として高吸湿性ナイロン60〜
    100重量%とエチレン単位含有量24〜50モル%の
    EVOH重合体及びPVOH重合体から選ばれる1種以
    上0〜40重量%とからなる混合物(両者の和が100
    重量%となる様に組合せる)を、外皮層(E)として低吸
    湿性ナイロン単味又は低吸湿性ナイロン60〜100重
    量%と高吸湿性ナイロン40〜0重量%からなる混合物
    (両者の和が100重量%となる様に組合せる)を、内
    皮層(F)としてポリオレフィン樹脂単味又はポリオレフ
    ィン樹脂の混合物を共押出水冷インフレーション成形す
    る請求項6に記載の無カール性多層フィルムの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 高吸湿性ナイロンが6-ナイロン、66-ナ
    イロン、6-ナイロンと66-ナイロンとの混合物又は6-ナ
    イロンと66-ナイロンとの共縮合体であり、低吸湿性ナ
    イロンが610-ナイロン、612-ナイロン、11-ナイロン、1
    2-ナイロン及びメタキシリレンジアミン−ジカルボン酸
    共縮合重合体から選ばれる1種以上である請求項6又は
    7に記載の無カール性多層フィルムの製造方法。
  9. 【請求項9】 内皮層のポリオレフィン樹脂が密度0.
    88〜0.97g/cc、MI(190℃;2.16kgf)0.1〜30g
    /10min及び融点(Tm)90〜138℃のポリエチレン樹
    脂、改質ポリエチレン樹脂単味又はこれらの2種以上の
    混合物であるか又はMFR(230℃;2.16kgf)0.5〜45
    g/10min及び融点(Tm)125〜165℃のポリプロピレ
    ン樹脂、改質ポリプロピレン樹脂及び該両樹脂の混合物
    から選ばれる1種以上である請求項7〜9の何れかに記
    載の無カール性多層フィルムの製造方法。
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