JP2015054403A - 無カール性多層フィルム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】内皮層(F)、芯層(B)、外皮層(E)とがこの順で積層されてなる、少なくとも3層で構成され、芯層(B)が、6-ナイロン、66-ナイロン、6-ナイロンと66-ナイロンとの混合物及び6-ナイロンと66-ナイロンとの共縮合体から選ばれる1種以上からなる高吸湿性ナイロンからなり、外皮層(E)が610-ナイロンからなり、内皮層(F)がポリオレフィン系樹脂単味又は2種以上のポリオレフィン樹脂からなり、多層フィルムの厚みを100%としたときに、外皮層の厚さが、2%以上8%以下であり、共押出水冷インフレーション法によって製造されたものであることを特徴とする無カール性多層フィルム。
【選択図】なし
Description
[1]内皮層(F)、芯層(B)、外皮層(E)とがこの順で積層されてなる、少なくとも3層で構成され、
芯層(B)が、6-ナイロン、66-ナイロン、6-ナイロンと66-ナイロンとの混合物及び6-ナイロンと66-ナイロンとの共縮合体から選ばれる1種以上からなる高吸湿性ナイロンからなり、
外皮層(E)が610-ナイロンからなり、
内皮層(F)がポリオレフィン系樹脂単味又は2種以上のポリオレフィン樹脂からなり、
多層フィルムの厚みを100%としたときに、外皮層の厚さが、2%以上8%以下であり、
共押出水冷インフレーション法によって製造されたものであることを特徴とする無カール性多層フィルム。
密度0.88〜0.97g/cc、MI(190℃; 2.16kgf) 0.1〜30g/10min及び融点(Tm)90〜138℃のポリエチレン樹脂、改質ポリエチレン樹脂単味又はこれらの樹脂の2種以上の混合物であるか、又は、
MFR(230℃;2.16kgf)0.5〜45g/10min及び融点(Tm)125〜165℃のポリプロピレン樹脂単味又はこれらの樹脂の2種以上の混合物である[1]の無カール性多層フィルム。
無カール性多層フィルム
本発明に係る無カール性多層フィルムは、内皮層(F)、芯層(B)、外皮層(E)とがこの順で積層されてなる。
芯層(B)は、高吸湿性ナイロンからなる。
(1)芯層(B)用の高吸湿性ナイロンとは6-ナイロン、66-ナイロン(6,6-ナイロン)、6-ナイロンと66-ナイロンとの混合物又は6-ナイロンと66-ナイロンとの共縮合体等の高吸湿性ナイロンである。
ここで「高吸湿性」とは吸水率(ASTM D570に準拠)が1%以上、好ましくは1.4%以上のものを言う。
これらは、単独でも2種以上を併用してもよい。
外皮層は、610-ナイロンから構成される。610-ナイロンは市販のものを特に制限なく使用することができる。
内皮層(F)用のポリオレフィン樹脂ポリオレフィン樹脂とは、炭素数2〜10程度の1-オレフィンの1種以上を重合(共重合をも包含する)させて得られる樹脂状物である。最も多用されるポリオレフィン樹脂であるポリエチレンはエチレンの単独重合体に加えてエチレンとプロピレン以上(炭素数3以上)の1-オレフィンとの共重合体をも包含する。一般にポリエチレン樹脂では、含有されるコモノマーの量が約15モル%以下である。
芯層(B)を形成する高吸湿性ナイロン層に対して強い層間接着力が要求される用途向けには、ポリオレフィン樹脂中に接着性の改質ポリオレフィン樹脂を適当量配合するか又は接着性ポリオレフィン樹脂製の接着層を設けてもよい。
本発明の無カール性多層フィルムは、全体としての層厚(外皮層厚+芯層厚+内皮層厚)が通常50〜110μm、好ましくは60〜90μmの範囲にある。また、芯層厚:通常10〜50μm、好ましくは15〜30μmの範囲にあり、内皮層厚:通常30〜80μm、好ましくは40〜70μmの範囲にある。
なお、外皮層(E)と芯層(B)との間の接着性は極めて強固であって実用上剥離不能である。内皮層(F)は、芯層(B)の更に内側に十分強力に積層された状態で存在する。
本明細書における「無カール性」というのは、当然ながら必ずしも完全な無カール状態、即ち試験片のカールにおける曲率半径が無限大の状態のみを指すのではなく、生じたカールが実用上は障害とならない程度に留まる場合も本発明の「無カール性」に包含される。具体的には、使用される条件下でカール測定法における曲率半径(r)で少なくも1.5cm以上の値を維持できる場合の包括的表現である。
本発明では、袋口部分のカールの有無は、引き取り方向に平行な方向(MD、すなわち、図1の31および33)に大きく影響される。このため、図1の31および33のMDにおける曲率半径測定値で評価を行う。
6-ナイロン、66-ナイロン、6-ナイロンと66-ナイロンとの混合物及び6-ナイロンと66-ナイロンとの共縮合体から選ばれる1種以上からなる高吸湿性ナイロンからなる芯層(B)材料と、
610-ナイロンからなる外皮層(E)材料と、
ポリオレフィン系樹脂単味又は2種以上のポリオレフィン樹脂からなる内皮層(F)材料とを、
内皮層(F)、芯層(B)、外皮層(E)の順に積層構造となり、多層フィルムの厚みを100%としたときに、外皮層の厚さが、2%以上8%以下となるように、同心環状ダイから共押出を行なって多層チューブを成形する。芯層(B)を形成する高吸湿性ナイロン層に対して強い層間接着力が要求される用途向けには、ポリオレフィン樹脂中に接着性の改質ポリオレフィン樹脂を適当量配合するか又は接着性ポリオレフィン樹脂製の接着層を介在させる形態を採用することもできる。 成形の際には、該多層インフレチューブを水等の水性冷却媒体中に通じて急冷する。液状冷媒による急冷処理は多層フィルムの寸法精度向上及び透明性向上に有益である。液状冷却媒の温度は通常10〜60℃に、該冷却媒中の通過線速度は通常5〜80m/minに設定する。
このような本発明に係る多層フィルムは、電子部品などの工業製品、ハム・ソーセージなどの食品の包装などに好適に使用される。特に、端部がカールしないために、充填包装する際に支障を来たすこともない。また、ヘーズにも優れているため、透明性も高く、内容物の視認性にも優れる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
6-NY:6-ナイロン[相対粘度3.6;重合度250;分子量28000;吸水率(ASTM D570)1.3〜3.5%(24h)];
610-NY:610-ナイロン[相対粘度2.7;重合度160;分子量18×103;吸水率(ASTM D570)0.3〜1.5%(24h)];
L-LDPE:直鎖状低密度ポリエチレン[MI(190℃;2.16kgf)1.0g/10min];
・内皮層(F):L-LDPE
・芯層(B):6-ナイロン
・外皮層(E):610-ナイロン(実施例)
・押出設備:共押出水冷インフレーション装置
・押出温度:210℃(L-LDPE)、
・押出温度:250℃(6-NY)、250℃(610-NY)、
・膨比:約1;
・冷却水温度(℃):10〜60(外610-NY/芯6-NY/内L-LDPEの場合);
・冷却水浴内の通過線速度(m/sec):5〜80(同上の場合)。
図1に示す様に原反引取方向とそれに垂直の方向とを2辺とする正方形(一辺5cm)を試料多層フィルム上に描き、その両対角線上に切り目(×印状)を入れて形成された4つの花弁状片の湾曲部に現れた曲率半径(r)を測定してそれらの相加平均値として求める。
JIS K7126に準じて酸素透過度測定機(MOCON社製)にて評価する。
表1に例示された各種の樹脂の種類、層厚及び層構成の組合せを選んで外皮層(E)、芯層(B)及び内皮層(F)を上記成形設備及び成形条件でそれぞれ多層フィルムを作製し、評価した。
実施例1の態様における外皮層と芯層を表1のように変更した以外には実施例1と同様にして積層フィルムを作成した。
32 試料フィルムに設けられた切り目によって区分された部分(図の左側)
33 試料フィルムに設けられた切り目によって区分された部分(図の下側)
34 試料フィルムに設けられた切り目によって区分された部分(図の右側)
Claims (2)
- 内皮層(F)、芯層(B)、および外皮層(E)とがこの順で積層されてなる、少なくとも3層で構成され、
芯層(B)が、6-ナイロン、66-ナイロン、6-ナイロンと66-ナイロンとの混合物及び6-ナイロンと66-ナイロンとの共縮合体から選ばれる1種以上からなる高吸湿性ナイロンからなり、
外皮層(E)が610-ナイロンからなり、
内皮層(F)がポリオレフィン系樹脂単味又は2種以上のポリオレフィン樹脂からなり、
多層フィルムの厚みを100%としたときに、外皮層の厚さが、2%以上8%以下であり、
共押出水冷インフレーション法によって製造されたものであることを特徴とする無カール性多層フィルム。 - 内皮層のポリオレフィン樹脂が、
密度0.88〜0.97g/cc、MI(190℃; 2.16kgf) 0.1〜30g/10min及び融点(Tm)90〜138℃のポリエチレン樹脂、改質ポリエチレン樹脂単味又はこれらの樹脂の2種以上の混合物であるか、又は、
MFR(230℃;2.16kgf)0.5〜45g/10min及び融点(Tm)125〜165℃のポリプロピレン樹脂単味又はこれらの樹脂の2種以上の混合物であることを特徴とする請求項1に記載の無カール性多層フィルム。
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