JP6458109B2 - 低カール性多層フィルム - Google Patents

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Description

本発明は、実用上障害となる程にはカールを生じない多層フィルム及びその製造方法に関する。詳しくは、外皮層(E)に特定のポリアミド共重合体を使用した低カール性多層フィルム及びその製造方法に関する。
共押出水冷インフレーション法で多層フィルムを製造する場合に、異種の樹脂からなる層、例えば脂肪族ポリアミドからなる層とポリオレフィン等からなる層とを積層すると、得られた多層インフレーションフィルム(以下、「多層インフレフィルム」と略称することがある)が往々にして湾曲(以下、「カール」と略称することがある)を生ずるという問題がある。
例えば、内皮層(F)がポリエチレン、外皮層(E)が6-ナイロンの少なくとも2層から構成される多層構成の管状フィルム(「フィルムA」と略称することがある)を共押出水冷インフレーション法で製造した場合には、該管状フィルムの外側に湾曲する形でカールが発生する(図2参照)。この現象は特に管状体の開放端(口部)において顕著である。
図2の(a)は従来の2層フィルムからなる袋の正面図であって、同図の1は袋本体を示す。1の底縁付近がシールされており、その頂縁即ち口部Lが吸湿性の差異に起因して外側へカールした状態を示す。L1は袋の手前側に位置する口縁であり、L2は該袋の向う側に位置する口縁であって、これらがカールを生じて口部が開いている。図2の(b)は従来の多層フィルムをA−A線で切断した場合の模式的断面図であって、同図においては口縁L1と口縁L2とが相互に反対側へカールしている状態を明瞭に示している。
このような問題点を解決すべく、本願出願人は、特許3227301号(特許文献1)を提案した。
特許第3227301号明細書
特許文献1には、610-ナイロンなどの低吸湿性ナイロンを外皮層として使用している構成であるが、高湿度で内カールが大きく使用しづらい場合があった。また、高湿度で内カール改善のため、高吸湿性のナイロンをブレンドすることを本発明らは検討したが、透明性が悪化するという問題点があった。
このような状況のもと、カールが問題ない程度に少なく、しかも透明性に優れた低カール性多層フィルムが求められていた。
そこで、本発明者は、外皮層(E)として、特定のポリアミドを用いることで、上記課題を解決した低カール性多層フィルムが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の構成は以下の通りである。
[1]内皮層(F)、芯層(B)、外皮層(E)の少なくとも3層がこの順序で積層されてなる低カール性多層フィルムであって、
芯層(B)が、脂肪族ポリアミド、またはEVOHから選ばれる1種以上からなり、
外皮層(E)が、
(i)ジアミン構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸構成単位の50モル%以上がセバシン酸に由来するポリアミド、あるいは、
(ii)ジアミン構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸構成単位の50モル%以上がセバシン酸に由来するポリアミド100質量部に対し、脂肪族アミノカルボン酸50〜150質量部を共重合することを特徴とする共重合ポリアミドを含み、
外皮層(E)は、前記(i)ポリアミドまたは(ii)共重合ポリアミドとともに、脂肪族ポリアミドである6−ナイロンを含み、前記(i)ポリアミドあるいは(ii)共重合ポリアミドとして、メタキシリレンジアミン―セバシン酸共縮合重合体を、25〜75重量%の割合で含むポリアミドからなり、
内皮層(F)がポリオレフィン系樹脂単味又は2種以上のポリオレフィン樹脂からなり、
共押出水冷インフレーション法によって製造された低カール性多層フィルム。
[2]膜組成が、外皮層厚:3〜20μm、芯層厚:10〜50μm、内皮層厚:30〜80μmで、合計層厚(外皮層厚+芯層厚+内皮層厚):50〜150μmである[1]に記載の低カール性多層フィルム。
[3]内皮層のポリオレフィン樹脂が密度0.88〜0.97g/cc、MI(190℃;2.16kgf)0.1〜30g/10min及び融点(Tm)90〜138℃のポリエチレン樹脂、改質ポリエチレン樹脂単味又はこれらの樹脂の2種以上の混合物であるか又はMFR(230℃;2.16kgf)0.5〜45g/10min及び融点(Tm)125〜165℃のポリプロピレン樹脂単味又はこれらの樹脂の2種以上の混合物である[1]または[2]に記載の低カール性多層フィルム。
特許文献1には、高吸湿性ナイロンと低吸湿性ナイロンのブレンド物を外皮層に使用することが記載されているが、透明性が悪化する。また、特許文献1の610-ナイロンを用いる場合、高湿度下で内側にカールが大きくなることがあった。
本発明によれば、低カールであり、かつ透明性に優れ、しかも高湿度下でも、その特性が損われることがない多層フィルムが提供される。このような多層フィルムは、低カール性であるにも拘らずナイロンの長所である高光沢及び高透明性を備えた高級感に富むものとなり、食品包装などの用途に好適に使用することができる。
本発明の多層フィルムの一態様例を示す模式的断面図である。 従来の2層フィルム(内LDPE//外6-NY)から作成された袋の正面及びその模式的断面図である。図1中の(a)は従来のカール性多層フィルムからなる袋の正面見取図及び図1中の(b)は該袋のA−A線位置における模式的縦断面図である。 多層フィルムのカール状態を相互に垂直な4方向において定量的に評価するための概略図を示す。図3の(ap)は試料フィルムにカールを発生させる為の切り目の位置、方向及び長さを表す平面見取図、(bp)は試料フィルムに切り目を設けた後に生ずる状態の平面見取図及び(br)は(bp)の状態を横方向から見た見取図である。
本発明に係る低カール性多層フィルムは、内皮層(F)、芯層(B)、外皮層(E)の少なくとも3層がこの順序で積層されてなる。かかる多層フィルムも模式図を図1に示す。
芯層(B)
芯層(B)は、脂肪族ポリアミドまたはEVOHから構成される。
脂肪族ポリアミドとは、6-ナイロン、6-ナイロンと66-ナイロンとの共縮合体等が挙げられる。
EVOHは、エチレン-ビニルアルコール共重合樹脂であり、エチレンと酢酸ビニル共重合物の加水分解により得られる。かかるEVOHは、エチレ単位含有量通常24〜50モル%、好ましくは29〜44モル%であって、そのMI(190℃;2.16kgf)通常0.5〜15g/10min、好ましくは1〜7g/10minのものである。
外皮層(E)
外皮層(E)には、
(i)ジアミン構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸構成単位の50モル%以上がセバシン酸に由来するポリアミド、あるいは、
(ii)ジアミン構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸構成単位の50モル%以上がセバシン酸に由来するポリアミド100質量部に対し、脂肪族アミノカルボン酸50〜150質量部を共重合した共重合ポリアミドを、
20〜100重量%の割合で含むポリアミド(以後、ポリアミド(A))からなる。
本発明で使用するポリアミド(A)を構成するジアミン構成単位のうち、キシリレンジアミンに由来するものを、70モル%以上、さらに好ましくは80モル%以上、特に好ましくは90モル%以上含む。
キシリレンジアミン以外のジアミン成分としては、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチルペンタンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチル−ヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノメチル)デカリン、ビス(アミノメチル)トリシクロデカン等の脂環族ジアミン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル、パラフェニレンジアミン、キシリレンジアミン、ビス(アミノメチル)ナフタレン等の芳香環を有するジアミン類等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
ポリアミド(A)を構成するジカルボン酸成分としては、セバシン酸に由来する構成単位を、全ジカルボン酸構成単位中に、50モル%以上、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上含む。
ポリアミド(A)には、例えばコハク酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、アジピン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸等の脂肪族ジカルボン酸;テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類などのジカルボン成分が含まれていてもよい。
ジアミン成分、ジカルボン酸成分以外にも、ポリアミド(A)を構成する成分として、本発明の効果を損なわない範囲でε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等の脂肪族アミノカルボン酸類も共重合成分として含むものであってもよく、ポリアミド(A)100質量部に対し、50〜150質量部の脂肪族アミノカルボン酸類が共重合されたものも本発明では、使用できる。
このようなキシリレンジアミンを主成分とするジアミン成分とセバシン酸を主成分とするポリアミドは、バリア性能が高く、透明性、耐熱性、成形加工性が良好である。
このようなポリアミド(A)としては、三菱ガス化学(株)製のレクスター(LEXTER)シリーズを好適に使用できる。
内皮層
内皮層(F)がポリオレフィン系樹脂単味又は2種以上のポリオレフィン樹脂からなる。
ポリオレフィン樹脂とは、炭素数2〜10程度の1-オレフィンの1種以上を重合(共重合をも包含する)させて得られる樹脂状物である。
最も多用されるポリオレフィン樹脂であるポリエチレンはエチレンの単独重合体に加えてエチレンとプロピレン以上(炭素数3以上)の1-オレフィンとの共重合体をも包含する。一般にポリエチレン樹脂では、含有されるコモノマーの量が約15モル%以下である。
ポリエチレン樹脂は高密度、中密度及び低密度樹脂にも区分される。これらの中で低密度ポリエチレン樹脂は最も透明性及び柔軟性に富むことに加えてヒートシール性にも優れるというフィルムとして好ましい性質を備えている。
本発明では、低密度ポリエチレン樹脂が最も好ましい。勿論、特殊用途向けには高密度ポリエチレン樹脂が採用され得る。特に、高温度、高張力等に耐えることが要求される用途向けには低密度ポリエチレン樹脂よりも適合する。
本発明に好適なポリエチレン樹脂としては、MI(190℃;2.16kgf)通常0.1〜30g/10min、好ましくは1〜5g/min、密度通常0.91〜0.965g/cc、好ましくは0.92〜0.95g/cc及び融点(Tm)通常90〜138℃、好ましくは100〜130℃のものである。
ポリプロピレン樹脂はポリエチレンよりも高融点、高透明、高剛性及び高引張強度等の点を活かして型物用途には汎用されるが、フィルム用途向けにはポリエチレン程には用いられていない。本発明の袋状物において内皮層用に用いられるポリプロピレン樹脂はMFR(230℃;2.16kgf)通常0.5〜45g/10min、好ましくは2〜12g/10minで融点(Tm)通常125〜160℃、好ましくは130〜150℃のものである。ポリプロピレン樹脂にも多種多様な共重合体が市販されており、例えばプロピレン−エチレン共重合体、プロピレン−1-ブテン共重合体等を挙げることができる。これらの中から用途に応じて適切なものを選ぶことができる。
以上のような樹脂から、内皮層、芯層、外皮層を構成することで、多層フィルムのカールを少なくすることが可能となる。
接着性樹脂
本発明の多層フィルムには、必要に応じて、各層の接着性を向上させる目的で、ポリオレフィン樹脂中に接着性の改質ポリオレフィン樹脂を適当量配合するか又は接着性ポリオレフィン樹脂製の接着層を介在させる形態を採用することもできる。接着性樹脂としては、無水マレイン酸変性ポリオレフィン等が挙げられる。
共押出水冷インフレーション法
本発明では、上記各層を構成する成分から、共押出水冷インフレーション成形により低カール性多層フィルムを製造する。
共押出水冷インフレーション成形法とは、上記の各層を例えば同心環状ダイから共押出インフレーション成形する方法である。この際に多層インフレチューブを水性冷却媒体浴に通じて急冷する方法が共押出水冷インフレーションと呼ばれる。ここで、水性冷却媒体とは通常は水(湯を包含)であるが、これに製品の用途に応じて各種の添加剤が配合されたものをも包含する。
具体的には、前記した層構成となるように、同心環状ダイから共押出を行なって多層チューブを成形する。
成形の際には、該多層インフレチューブを水等の水性冷却媒体中に通じて急冷する。液状冷媒による急冷処理は多層フィルムの寸法精度向上及び透明性向上に有益である。
低カール性多層フィルムの層構成
本発明の低カール性多層フィルム(シートをも包含)の各層の厚さは下記の通りである:
外皮層厚:通常3〜20μm、好ましくは5〜15μm
芯層厚:通常10〜50μm、好ましくは15〜30μm
内皮層厚:通常30〜80μm、好ましくは40〜70μm
合計層厚(外皮層厚+芯層厚+内皮層厚):通常50〜150μm、好ましくは60〜90μm。
本発明の多層フィルムを構成する層の数には特に制限は無い。また、必須層である「外皮層(E)」、その内側に位置して外皮層(E)と強固に接着してカール発生から護られる「芯層(B)」及び芯層(B)の内側に位置する疎水性の内皮層(F)から構成される点、それらの各層の性状及び順序を除き、他の層の構成又は順序等に特に制限は無い。各構成層は、同種の樹脂の2種以上からなる混合物であってもよく、また、2層以上形成されたものであってもよい。
なお、外皮層(E)と芯層(B)との間の接着性は極めて強固であって実用上剥離不能である。内皮層(F)は、芯層(B)の更に内側に十分強力に積層された状態で存在する。
本願明細書において「低カール性」というのは、当然ながら必ずしも完全な無カール状態、即ち試験片のカールにおける曲率半径が無限大の状態のみを指すのではない。生じたカールが実用上は障害とならない程度に留まる場合も本発明の「低カール性」に包含される。
本発明で低カール性は図3のようにして評価される。
図3は多層フィルムのカール状態を相互に垂直な4方向において定量的に評価するた為の処置を示す。図3の(ap)は試料多層フィルムの中央部に1辺5cmの正方形で囲まれた範囲3を画定してその両対角線上を刃物で切断して相互に合同な4個の直角二等辺三角形31、32、33及び34を形成させる。
多層フィルムがカールする場合には、上記の対角線切断によって各三角形がそれぞれカールを生ずる。即ち、両対角線の交点で互に接する4個の頂点が自由端に位置する状態となったことから、フィルム面から反り上がって離脱する傾向を示す。
図3の(bp)は各三角形31〜34がフィルムの面から反り上った状態を示す模式的平面見取図である。同図における4個の三角形のカール程度は必ずしも一致しない。特に袋が何れかの一方向へ延伸されている場合には当然に一致せず、二軸延伸されていても各方向への延伸倍率が大幅に異なる場合にはそれぞれの方向に応じて差異が認められ得る。
図3の(br)はカール状態を袋の長軸に垂直な方向(横方向)から見た図であって、互に対向した2個の三角形31及び三角形33がカールしている状態を明瞭に看取ることができる。両三角形の形成する弧の中心から弧へ向かう矢印rは弧の曲率半径を表す。このrが大きな場合には袋のカール程度が低く(緩やかで)、逆に小さな場合にはカール程度が高い(激しい)ことを表わす。
本発明では、袋口部分のカールの有無は、引き取り方向に平行な方向(MD、すなわち、図3の31および33)に大きく影響される。このため、図3の31および33のMDにおける曲率半径測定値で評価を行う。
上記現象において、発生したカールが或程度以上に大きな場合には、得られた共押出水冷インフレーションチューブを用いる製袋加工工程又はその袋に被包物を充填する工程で著しい妨げとなる等の実用面における大きな問題が生じる。
カールの大きさ(換言すればrの小ささ)は湿度及び温度等の環境条件によっても変化するが、実用経験的には温度23℃及び相対湿度(RH)50%及び40℃90%RHの条件下で後記の方法によって測定したカールの曲率半径が1.3cm 以上であれば、多層インフレフィルムの加工及び該フィルムから得られた袋への充填工程でカールによる問題は特に生じない。
[実施例]
以下、本発明を実施例により、詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら制限されるものではない。
本実施例および比較例で評価されたカールの曲率半径は、上記測定方法と測定条件とにおける測定結果である。
本発明における樹脂の融点(Tm)とは、差動走査型熱量計(略称「DSC」)を用いて観測される試料の吸熱曲線においてピークの位置する温度とする。なお、2個以上のピークが観測される場合にはそれらの中で最大面積のピークが位置する温度を融点とする。
また、樹脂略号の凡例は次の通りである:
6-NY:6-ナイロン[相対粘度3.6;重合度250;分子量28000;吸水率(ASTM D570)1.3〜3.5%(24h)];
610-NY:610-ナイロン[相対粘度2.7;重合度160;分子量18×103;
吸水率(ASTM D570)0.3〜1.5%(24h)];
レクスター(銘柄:S8501):メタキシリレンジアミン−セバシン酸共縮合重合体(三菱ガス化学(株)製);
LDPE:低密度ポリエチレン[MI(190℃;2.16kgf)1.0g/10min];
<層構成、共押出インフレーション成形及び急冷の各操作並びにその条件>
・内皮層(F):低密度ポリエチレン;
・芯層(B):6-ナイロンと66-ナイロンとの共重合物;
・外皮層(E):レクスター、レクスターと6-ナイロンとの混合物、6-ナイロン、610-ナイロン、6-ナイロンと610-ナイロンとの混合物;
・押出設備:共押出水冷インフレーション装置
・押出温度: 200℃(LDPE)、250℃(レクスター)
・押出温度:250℃(6-NY)、250℃(610-NY)
・膨比:約1.5;
・冷却水温度(℃):10〜60;
<カールの測定及び評価>
図3に示す様に原反引取方向とそれに垂直の方向とを2辺とする正方形(一辺5cm)を試料多層フィルム上に描き、その両対角線上に切り目(×印状)を入れて形成された4つの花弁状片のうち、31、33の湾曲部に現れた曲率半径(r)を測定して、相加平均値として求める。曲率半径(r)が小さな場合程強くカールしており、曲率半径が大きな程弱いカールに留まったことである。
[実施例1〜3、参考例、比較例1〜3]
表1に例示された各種の樹脂の種類、層厚及び層構成の組合せを選んで外皮層(E)、芯層(B)及び内皮層(F)を上記の成形設備及び成形条件でそれぞれを形成させると共にそれらを積層して得られた各種の低カール性積層フィルム(シート)を作製し、評価した。
Figure 0006458109
本実施例における積層フィルムは比較例における各積層フィルムに比して格段に激しくカール性が改善され、透明性とのバランスよく優れていることは示されている。
31 試料フィルムに設けられた切り目によって区分された部分(図の上側)
32 試料フィルムに設けられた切り目によって区分された部分(図の左側)
33 試料フィルムに設けられた切り目によって区分された部分(図の下側)
34 試料フィルムに設けられた切り目によって区分された部分(図の右側)
r 試料フィルムにおけるカールした部分の曲率半径
B1 従来の多層フィルムを構成する芯層
B2 本発明の低カール性多層フィルムを構成する芯層(包括)
E1 従来の多層フィルムを構成する外皮層
E2 本発明の低カール性多層フィルムを構成する外皮層(包括)
F2 本発明の低カール性多層フィルムを構成する内皮層(包括)
L1 袋の口部において生じたカール部分(図面の手前側)
L2 袋の口部において生じたカール部分(図面の向側)

Claims (3)

  1. 内皮層(F)、芯層(B)、外皮層(E)の少なくとも3層がこの順序で積層されてなる低カール性多層フィルムであって、
    芯層(B)が、脂肪族ポリアミド、またはEVOHから選ばれる1種以上からなり、
    外皮層(E)が、
    (i)ジアミン構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸構成単位の50モル%以上がセバシン酸に由来するポリアミド、あるいは、
    (ii)ジアミン構成単位の70モル%以上がキシリレンジアミンに由来し、ジカルボン酸構成単位の50モル%以上がセバシン酸に由来するポリアミド100質量部に対し、脂肪族アミノカルボン酸50〜150質量部を共重合することを特徴とする共重合ポリアミドを含み、
    外皮層(E)は、前記(i)ポリアミドまたは(ii)共重合ポリアミドとともに、脂肪族ポリアミドである6−ナイロンを含み、前記(i)ポリアミドあるいは(ii)共重合ポリアミドとして、メタキシリレンジアミン―セバシン酸共縮合重合体を、25〜75重量%の割合で含むポリアミドからなり、
    内皮層(F)がポリオレフィン系樹脂単味又は2種以上のポリオレフィン樹脂からなり、
    共押出水冷インフレーション法によって製造された低カール性多層フィルム。
  2. 膜組成が、外皮層厚:3〜20μm、芯層厚:10〜50μm、内皮層厚:30〜80μmで、合計層厚(外皮層厚+芯層厚+内皮層厚):50〜150μmである請求項1に記載の低カール性多層フィルム。
  3. 内皮層のポリオレフィン樹脂が密度0.88〜0.97g/cc、MI(190℃;2.16kgf)0.1〜30g/10min及び融点(Tm)90〜138℃のポリエチレン樹脂、改質ポリエチレン樹脂単味又はこれらの樹脂の2種以上の混合物であるか又はMFR(230℃;2.16kgf)0.5〜45g/10min及び融点(Tm)125〜165℃のポリプロピレン樹脂単味又はこれらの樹脂の2種以上の混合物である請求項1または2に記載の低カール性多層フィルム。
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