JP2000128546A - 非水系二次電池用正極活物質ニッケル酸リチウムの製造方法及び非水系二次電池 - Google Patents
非水系二次電池用正極活物質ニッケル酸リチウムの製造方法及び非水系二次電池Info
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Abstract
極活物質LiNiO2を低コストで資源的に無駄なく製造
する方法を提供し、また充放電サイクル特性の良好なリ
チウムイオン二次電池を提供する。 【解決手段】水溶性リチウム化合物と水溶性ニッケル化
合物を緩衝溶液に溶解させて水溶液を作製する。次に、
この水溶液に蓚酸を添加して、沈澱物を生成させる。生
成した沈澱物を濾過、遠心分離等で水溶液から濾別す
る。得られた沈澱物を乾燥させた後、焼成してLiNiO
2を製造する。さらに沈澱物を濾過した後の溶液を蓚酸
を添加する前の条件に再度調製し、上記と同様の方法で
前駆体を得て、焼成することによりLiNiO2を製造す
る。この操作を繰り返して、沈澱物を濾過した後の濾液
を循環させる。
Description
i1-XMXO2(0<X<0.5、Mは遷移金属又は3B族元素
又は4B族元素又は5B族元素から選ばれる少なくとも
1種の元素)の製造方法、及びそのLiNiO2又はLiN
i1-XMXO2(0<X<0.5、Mは遷移金属又は3B、4
B、5B族元素から選ばれる少なくとも1種の元素)を
正極活物質として用いた非水系二次電池に関するもので
ある。
O2)の製造方法の代表的なものとして次のような報告
がある。
カル・ソサエティ(J.Am.Chem.Soc.),76,1499(1
954)に示されているLiNiO2の製造方法の一例で
は、固体の無水水酸化リチウムと金属ニッケルとを混合
し、空気雰囲気で焼成する。
れるLiNiO2の製造方法の一例では、固体の水酸化ニ
ッケル一水和物と固体の酸化ニッケルとを混合する。ま
ず、その混合物を600℃、空気雰囲気で焼成する。そ
して、焼成物を粉砕し、再び600℃〜800℃で焼成
する。
されるLiNiO2の製造方法の一例では、固体の過酸化
リチウムと酸化ニッケルを混合し、750℃以下で焼成
した後急冷させる。
されるLiNiO2の製造方法の一例では、固体の硝酸リ
チウムと、固体の水酸化ニッケルあるいはオキシ水酸化
ニッケルの少なくともいずれか1つとを混合し、500
℃〜1000℃で焼成する。
されるLiNiO2の製造方法の一例では、酢酸ニッケル
と酢酸リチウムとをエチレングリコールに加熱溶解さ
せ、さらに加熱し固化させた物質を400℃、空気中で
熱処理、粉砕後、酸素気流下700℃で焼成する。そし
て、この焼成物を再び酸素気流下800℃で焼成する。
istry Express),6,161(1991)に示されるLiN
iO2の製造方法の一例では、4.5Mの水酸化リチウム
水溶液と1.0Mの硝酸ニッケル水溶液を60℃で等モ
ル混合する。この混合溶液を減圧下において、撹拌混合
しながら蒸発乾固させ、得られた固形物質を粉砕し、3
00℃で予備焼成した後、800℃で再び焼成する。
れるリチウムとニッケルの複合酸化物の製造方法の一例
では、ハロゲン化ニッケル、硫酸ニッケル、リン酸ニッ
ケル、酢酸ニッケル、蓚酸ニッケルの中から選ばれる少
なくとも1種のニッケル塩による飽和水溶液に、このニ
ッケル塩と等モルの水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭
酸水素リチウムの中から選ばれる少なくとも1種のリチ
ウム塩による飽和水溶液を注加する。この混合物を空気
中又は減圧下において、撹拌混合しながら蒸発乾固さ
せ、得られたケーキ状固形物質を600℃〜800℃で
焼成する。
れるリチウムとニッケルの複合酸化物の製造方法の一例
では、酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニ
ッケル、炭酸ニッケルの中から選ばれる少なくとも1種
の、水に難溶性又は不溶性のニッケル化合物粉末に、ハ
ロゲン化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、リン
酸リチウム、ホウ酸リチウム、酢酸リチウム、蓚酸リチ
ウムの中から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩によ
る飽和水溶液を注加して充分に撹拌練合する。この混合
物を空気中あるいは減圧下において、撹拌しながら蒸発
乾固させ、得られたケーキ状固形物質を600℃〜80
0℃で焼成する。
れるLiNiO2の製造方法の一例では、リチウム源とニ
ッケル源において、リチウム源中のリチウムのモル量と
ニッケル源中のニッケルのモル量との比が1:1になる
ように混合する。このとき、分散媒として少量の水を加
える。この混合物を乾燥させ、650℃〜800℃で焼
成する。
されるLiNiO2の製造方法の一例では、酸化ニッケル
の粉末と水酸化リチウム又は硝酸リチウムのいずれかの
リチウム化合物をリチウムとニッケルのモル量の比が
1:1になるように秤量する。そして、リチウム化合物
の溶融温度以上500℃以下で溶融させたリチウム化合
物を酸化ニッケルの粉末に浸透させ、酸素あるいは酸素
富化ガスの存在下で焼成する。
造方法において、固体状態でリチウム化合物とニッケル
化合物を混合させる方法では、焼成前の両者の混合状態
が均一ではないという問題があった。
ッケル化合物を混合させる方法では、混合水溶液の乾燥
固化の際、それぞれの溶質の溶解度が異なるので溶質の
析出が同時におこらない。従って、得られる固形物質で
はリチウム化合物とニッケル化合物が均一に混ざり合っ
ていない。
レングリコールに加熱溶解させ、さらに加熱し乾燥固化
させた固形物質を2度焼成する方法は、長い焼成時間を
要し、製造工程が複雑になるという面で好ましくない。
しかも、この方法で得られた焼成前の固形物質でもリチ
ウム化合物とニッケル化合物の混合状態は十分ではな
い。
合物粉末をリチウム塩水溶液に分散させる方法やリチウ
ム化合物とニッケル化合物を水に分散させて撹拌練合さ
せる方法では、分散媒である水を除去する際に溶質が均
一に析出しないので、得られた物質はリチウム化合物と
ニッケル化合物が均一に混合されたものではない。
ケル粉末に浸透させる方法でも、両者の混合状態は幾分
改善されるものの、それでもまだ不十分である。
正極活物質に用いた非水系二次電池は、充放電サイクル
数の増加に伴って放電容量は著しく低下し、電極の劣化
が早い。
−106564号公報に開示されているLiNiO2の製
造方法では、まず水溶性リチウム化合物と水溶性ニッケ
ル化合物を水に溶解させて水溶液を作製する。次に、こ
の水溶液に蓚酸を添加してリチウム化合物とニッケル化
合物を共沈させる。得られた沈澱物を乾燥させた後、焼
成する。
化合物とニッケル化合物は、均一に混合された状態にあ
る。従って、これを焼成して得られるLiNiO2を正極
活物質に用いた非水系二次電池は充放電サイクル特性が
改善される。
開平10−106564号公報に開示されているLiNi
O2の製造方法では、リチウムとニッケルを複合蓚酸塩
として析出させているため、リチウム化合物とニッケル
化合物が均一に混合された前駆体が得られるものの、蓚
酸リチウムは比較的水に溶解しやすいために、前駆体を
作製する毎に、前駆体中のリチウムとニッケルのモル比
(リチウム/ニッケル)にバラツキが生じ、再現性が十
分でなかった。
とニッケル化合物の水溶液を作製する工程において、原
料であるリチウム化合物をニッケル化合物に対してリチ
ウムとニッケルのモル比で数倍〜十倍程度加えなければ
ならなかった。
前駆体を焼成して得られるLiNiO2を正極活物質に用
いた非水系二次電池は、初期放電容量が改善され、良好
な充放電サイクル特性が得られるものの、安定した活物
質が得られないという問題点と、原材料費の面でコスト
がかかるという問題点と、資源的に無駄が多いという問
題点があった。
系二次電池用正極活物質LiNiO2を低コストで資源的
に無駄なく製造する方法を提供し、また充放電サイクル
特性の良好なリチウムイオン二次電池を提供することを
目的とする。
に、請求項1のLiNiO2を含む非水系二次電池用正極
活物質の製造方法は、まずリチウム化合物とニッケル化
合物を有機酸とリチウム塩から成る緩衝溶液に溶解させ
て水溶液を作製する。次に、この水溶液に蓚酸を添加し
て、沈澱物を生成させる。生成した沈澱物を濾過、遠心
分離等で水溶液から濾別する。得られた沈澱物を乾燥さ
せた後、焼成する。そして、沈澱物を濾過した後の濾液
を再度利用する。
セスにおいて、濾液を循環させるようにしているので、
原材料コストの削減及び資源の有効利用が可能となる。
二次電池用正極活物質の製造方法は、まずリチウム化合
物とニッケル化合物を有機酸とリチウム塩から成る緩衝
溶液に溶解させて水溶液を作製する。次に、この水溶液
に蓚酸を添加して、沈澱物を生成させる。生成した沈澱
物を濾過、遠心分離等で水溶液から濾別する。得られた
沈澱物を乾燥させた後、焼成する。そして、沈澱物を濾
過した後の濾液を緩衝溶液として再び用いる。
<0.5、Mは遷移金属又は3B族元素又は4B族元素又
は5B族元素から選ばれる少なくとも1種の元素)を含
む非水系二次電池用正極活物質の製造方法は、先ずリチ
ウム化合物とニッケル化合物及び遷移金属又は3B族元
素又は4B族元素5B族元素から選ばれる少なくとも1
種の元素を含む化合物を有機酸とリチウム塩とから成る
緩衝溶液に溶解させて水溶液を作製する。次に、この水
溶液に蓚酸を添加して、沈澱物を生成させる。生成した
沈澱物を濾過、遠心分離等で水溶液から濾別する。得ら
れた沈澱物を乾燥させた後、焼成する。そして、沈澱物
を濾過した後の濾液を緩衝溶液として再び用いる。
来は捨てていた沈澱物を濾過した際に排出される濾液を
繰り返し緩衝溶液として用いて、再び沈澱物を得るよう
にしているので、原材料コストの削減と資源の有効利用
が可能である。しかも、毎回得られる沈澱物は、沈澱物
中のリチウム化合物とニッケル化合物のモル比(リチウ
ム/ニッケル)にバラツキが少なく、混合状態が均一と
なる。
二次電池用正極活物質の製造方法は、まずリチウム化合
物とニッケル化合物を有機酸とリチウム塩から成る緩衝
溶液に溶解させて水溶液を作製する。次に、この水溶液
に蓚酸を添加して、沈澱物を生成させる。生成した沈澱
物を濾過、遠心分離等で水溶液から濾別する。得られた
沈澱物を乾燥させた後、焼成する。そして、沈澱物を濾
過した際に排出される溶液から溶液中に残っている蓚酸
イオンを蓚酸塩として水に溶解しにくいカチオンを含む
酢酸塩、酸化物、水酸化物のいずれか一つの化合物を加
えてそれぞれの添加したカチオンを含む蓚酸塩として除
去する。次に酢酸を蒸留、抽出等で分離して、蓚酸を添
加する前の条件に再度溶液を調製することにより濾液を
繰り返し用いる。
<0.5、Mは遷移金属又は3B族元素又は4B族元素又
は5B族元素から選ばれる少なくとも1種の元素)を含
む非水系二次電池用正極活物質の製造方法は、まずリチ
ウム化合物とニッケル化合物と遷移金属又は3B族元素
又は4B族元素又は5B族元素から選ばれる少なくとも
1種の元素を含む化合物を有機酸とリチウム塩から成る
緩衝溶液に溶解させて水溶液を作製する。次に、この水
溶液に蓚酸を添加して、沈澱物を生成させる。生成した
沈澱物を濾過、遠心分離等で水溶液から濾別する。得ら
れた沈澱物を乾燥させた後、焼成する。そして、沈澱物
を濾過した際に排出される溶液から溶液中に残っている
蓚酸イオンを蓚酸塩として水に溶解しにくいカチオンを
含む酢酸塩、酸化物、水酸化物のいずれか一つの化合物
を加えてそれぞれの添加したカチオンを含む蓚酸塩とし
て除去する。次に酢酸を蒸留、抽出等で分離して、蓚酸
を添加する前の条件に再度溶液を調製することにより濾
液を繰り返し用いる。
求項5のLiNiO2を含む非水系二次電池用正極活物質
又はLiNi1-XMXO2(0<X<0.5、Mは遷移金属又は
3B族元素又は4B族元素又は5B族元素から選ばれる
少なくとも1種の元素)を含む非水系二次電池用正極活
物質の製造方法において、蓚酸イオンを除去する方法と
して、酢酸カルシウムを濾液に添加して蓚酸カルシウム
として沈澱させる。
液を繰り返し用いる際に、溶液のpHを加味し、溶液中
のリチウムイオン及び酢酸濃度の精度を高めるようにし
ているので、複合蓚酸塩として得られる沈澱物は、さら
に混合状態が均一となる。この沈澱物を乾燥後、焼成し
た焼成物は充放電サイクル特性の安定した非水系二次電
池用正極活物質として用いることができる。特に、請求
項5によると、濾液中に含まれる蓚酸イオンを酢酸カル
シウムを添加して除去するようにしたので、上述した溶
液のpHやリチウムイオン及び酢酸濃度の精度をさらに
向上させることができる。
のいずれかのLiNiO2を含む非水系二次電池用正極活
物質又はLiNi1-XMXO2(0<X<0.5、Mは遷移金属
又は3B族元素又は4B族元素又は5B族元素から選ば
れる少なくとも1種の元素)を含む非水系二次電池用正
極活物質の製造方法において、焼成条件として、650
℃以上900℃以下の温度で、好ましくは700℃以上
850℃以下の温度で、空気中あるいは空気中より酸素
の体積割合が高い21%以上100%以下、好ましくは
50%以上100%以下の雰囲気で焼成を行う。これら
の条件で焼成することにより結晶性が向上し、不純物の
残存量は少なくなる。
のいずれかのLiNiO2を含む非水系二次電池用正極活
物質又はLiNi1-XMXO2(0<X<0.5、Mは遷移金属
又は3B族元素又は4B族元素又は5B族元素から選ば
れる少なくとも1種の元素)を含む非水系二次電池用正
極活物質の製造方法において、リチウム化合物として酢
酸リチウム又は水酸化リチウムを用い、ニッケル化合物
として酢酸ニッケルを用いる。これらの化合物は、沈澱
物を濾過した後の濾液を繰り返し用いる観点から、毎回
類似の組成比に調製しやすい面と、沈澱物を焼成した時
点で不純物として残存しにくい面から好適である。
のいずれかのLiNiO2を含む非水系二次電池用正極活
物質又はLiNi1-XMXO2(0<X<0.5、Mは遷移金属
又は3B族元素又は4B族元素又は5B族元素から選ば
れる少なくとも1種の元素)を含む非水系二次電池用正
極活物質の製造方法において、緩衝溶液として酢酸と酢
酸リチウムの混合水溶液を用いる。これによって、原材
料コストの削減や資源の有効利用が可能になる。
9のいずれかのLiNiO2を含む非水系二次電池用正極
活物質又はLiNi1-XMXO2(0<X<0.5、Mは遷移金
属又は3B族元素又は4B族元素又は5B族元素から選
ばれる少なくとも1種の元素)を含む非水系二次電池用
正極活物質の製造方法により製造されたLiNiO2又は
LiNi1-XMXO2(0<X<0.5、Mは遷移金属又は3B
族元素又は4B族元素又は5B族元素から選ばれる少な
くとも1種の元素)を正極活物質として正極に用い、負
極、イオン伝導体と共に非水系二次電池を作製する。
法を詳述する。図1は本発明に係る濾液循環プロセスに
よるLiNiO2の製造方法を示した図である。まず、こ
のフローチャートについて説明する。
と水溶性ニッケル化合物を緩衝溶液に溶解させて、水溶
液を作製する。リチウム化合物として水酸化リチウム又
は酢酸リチウムのいずれかを用いるのが濾液を繰り返し
循環させる面で好ましい。また、ニッケル化合物とし
て、同じ理由から酢酸ニッケルを用いるのが好ましい。
また、緩衝溶液として、これも同じ理由で酢酸と酢酸リ
チウムあるいは水酸化リチウムの混合水溶液を用いるの
が好ましい。
した水溶液に蓚酸を添加することで、リチウム化合物を
共沈させる。共沈反応によって生成した沈澱物中のリチ
ウム化合物と、ニッケル化合物は均一に混合された状態
にある。
溶解した水溶液中に、蓚酸を加えることにより共沈させ
ることができる。蓚酸は水溶液の状態あるいは、固体の
状態で加えてもよい。水溶液で加えることにより、均一
な微粒子が形成されるため好ましい。また、固体で加え
ることにより、共沈反応を制御しやくすくなるためこの
方法も好ましい。
ルイオンに対してモル比で1.3〜2.5倍が好まし
い。1.3倍より少ない場合は、溶液のpHが制御し難
くなり、沈澱物を焼成してLiNiO2を得ることができ
ない。また、2.5倍より多い場合は、沈澱物を焼成し
て得られたLiNiO2に不純物が多く含まれるため好ま
しくない。
過、遠心分離等で濾別する。そして、ステップ#20で
濾別により得られた沈澱物を乾燥させ、ステップ#25
でこれを焼成する。
酸素が20%〜100%の雰囲気で焼成されることが好
ましい。特に、良好な電極特性を得るために700℃〜
850℃の温度で、酸素が50%〜100%の雰囲気で
焼成されることが好ましい。この範囲外では結晶の発達
が遅い、結晶が分解してしまう、あるいは不純物が多く
混在している等の問題点がある。
して繰り返し用いる濾液循環プロセスについて説明す
る。本発明は、この濾液循環プロセスとして2通りの方
法を提供する。
沈澱物を濾過した後に排出される濾液を緩衝溶液として
再び用いるものである。すなわち、図1中ので示すよ
うにステップ#5に戻り、上述したようにして再び沈澱
物を得る。これを繰り返して濾液を循環させる。
に、溶液中の酢酸及びリチウムイオンの濃度の精度を高
めるため、以下のようにする。すなわち、ステップ#1
5で生成した沈澱物を濾過した後、排出される濾液にス
テップ#30で蓚酸塩として水に溶解しにくいカチオン
を含む酢酸塩、酸化物、水酸化物のいずれか一つの化合
物を加えて、濾液中の蓚酸イオンをそれぞれの添加した
カチオンを含む蓚酸塩として沈澱させ、ステップ#35
で沈澱した蓚酸塩を濾過して分離除去する。
は、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸ストロン
チウム、酢酸バリウム、二酢酸水酸化アルミニウム、酢
酸銀、酢酸カドミウム、酢酸コバルト、酢酸銅、酢酸
鉄、酢酸ランタン、酢酸マンガン、酢酸ニッケル、酢酸
鉛、酢酸錫、酢酸イットリウム、酢酸亜鉛等の酢酸塩が
好ましい。中でも、コストとリサイクル性の面から酢酸
カルシウム、二酸化水酸化アルミニウム、酢酸ニッケル
等の酢酸塩がさらに好ましい。
しては、酸化カルシウム、酸化銀、酸化バリウム、酸化
カドミウム、酸化コバルト、酸化銅、酸化鉄、酸化ガリ
ウム、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化ニッケ
ル、酸化錫、酸化イットリウム、酸化亜鉛等がある。
としては、水酸化カルシウム、水酸化ストロンチウム、
水酸化アルミニウム、水酸化バリウム、水酸化カドミウ
ム、水酸化セリウム、水酸化コバルト、水酸化銅、水酸
化鉄、水酸化ガリウム、水酸化マグネシウム、水酸化マ
ンガン、水酸化ニッケル、水酸化イットリウム、水酸化
亜鉛等がある。
テップ#40で蒸留、抽出等で酢酸を分離させる。酢酸
を分離した溶液をステップ#45で適当に調製して蓚酸
を添加する前の溶液として再び用いる。この操作を繰り
返し、上記と同様にして前駆体を得て、これを焼成する
ことにより均一なLiNiO2を製造することができる。
セスによるLiNiO2の製造方法は、LiNi1-XMXO
2(0<X<0.5、Mは遷移金属又は3B族元素又は4B
族元素又は5B族元素から選ばれる少なくとも1種の元
素)の製造方法にも適用できるが、具体的には図1のス
テップ#5にステップ#50で示した遷移金属又は3B
族元素又は4B族元素又は5B族元素から選ばれる少な
くとも1種の元素を添加する工程が加わるだけなので、
詳しい説明は省略する。
B族元素又は4B族元素又は5B族元素から選ばれる少
なくとも1種の元素として、ステップ#15で沈澱物を
濾過した際の濾液を繰り返し循環させる面と、最終的に
沈澱物を焼成した時点で不純物として残存しにくい面と
から、酢酸バナジウム、酢酸クロム、酢酸マンガン、酢
酸コバルト、酢酸銅、酢酸亜鉛、酢酸イットリウム、酢
酸ランタン等の酢酸塩を用いるのが好ましい。
によって得られたLiNiO2を正極活物質として正極に
用いた非水系二次電池について説明する。ただし、非水
系二次電池の作製方法はこれに限られるものではない。
合によっては、固体電解質等を混合した合材を用いて形
成される。導電材としては、カーボンブラック、アセチ
レンブラック、ケッチェンブラック等の炭素類、黒鉛粉
末(天然黒鉛、人造黒鉛)、金属粉末、金属繊維等を用
いることができるが、これに限定されるものではない。
結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフ
ッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマー、ポリエチレン、
ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエン−ター
ポリマー等のポリオレフィン系ポリマー、スチレンブタ
ジエンゴム等を用いることができるが、これに限定され
るものではない。
て、導電材を1〜50重量部、結着材を1〜30重量部
とすることができる。導電材が1重量部より少ないと、
電極の抵抗あるいは分極が大きくなり、放電容量が小さ
くなるため、実用的な二次電池を作製できない。導電材
が50重量部より多い(混合する導電材の種類により重
量部は変わる)と、電極内に含まれる活物質量が減るた
め、正極としての放電容量が小さくなる。また、結着材
が1重量部より少ないと決着力が無くなってしまい、3
0重量部より多いと、導電材の場合と同様に、電極内に
含まれる活物質量が減り、さらに上記に記載の如く電極
の抵抗あるいは分極等が大きくなり、放電容量が小さく
なるため実用的ではない。
ト状にする方法、あるいは混合物に適当な溶剤を添加し
たペーストを集電体上に塗布し、乾燥、圧延してシート
状にする方法があるが、これに限定されない。また、正
極には電子の授受を担う集電体が設けられる。この集電
体としては金属単体、合金、炭素等を用いる。例えば、
チタン、アルミニウム、ステンレス鋼等がある。また、
銅、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、チ
タン、銀を処理させたもの、これらの材料を酸化したも
のも用いられる。特に、アルミニウム、ステンレス鋼が
コストの面で好ましい。その形状は箔の他、フィルム、
シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質
体、発泡体、繊維群の成形体等である。厚みは1μm〜
1mmのものが用いられるが、特に限定はされない。
びリチウムを吸蔵・放出可能な物質を用いる。例えば、
リチウム金属、リチウム/アルミニウム合金、リチウム
/スズ合金、リチウム/鉛合金、ウッド合金等リチウム
合金類、さらに電気化学的にリチウムをドープ・脱ドー
プできる物質、例えば導電性高分子(ポリアセチレン、
ポリチオフェン、ポリパラフェニレン等)、熱分解炭
素、触媒の存在下で気相熱分解された熱分解炭素、ピッ
チ、コークス、タール等から焼成した炭素等や、リチウ
ムイオンのインターカレーション/デインターカレーシ
ョンの可能な黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛
等)、リチウムイオンをドープ・脱ドープできる無機化
合物(WO2、MoO2等)等の物質あるいはこれらの複
合体を用いることができる。
触媒存在下で気相熱分解された熱分解炭素、ピッチ、コ
ークス、タール等から焼成した炭素、高分子より焼成し
た炭素等や、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等)
が電池特性、特に安全性の面で好ましい二次電池を作製
することができる。
無機化合物等を用いて負極とする場合、導電材と結着材
が添加されてもよい。導電材にはカーボンブラック、ア
セチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素類、黒
鉛粉末(天然黒鉛、人造黒鉛)、金属粉末、金属繊維等
を用いることができるが、これに限定されるものではな
い。結着剤にはポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ
化ビニリデン等のフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエン−ターポ
リマー等のポリオレフィン系ポリマー、スチレンブタジ
エンゴム等を用いることができるが、これに限定される
ものではない。
体電解質(高分子固体電解質、無機固体電解質)、溶融
塩等を用いることができ、この中でも有機電解液を好適
に用いることができる。有機電解液は、有機溶媒と電解
質から構成される。有機溶媒として非プロトン性有機溶
媒であるプロピレンカーボネート、メチルエチルカーボ
ネート、γ−ブチロラクトンなどのエステル類、テトラ
ヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の置換
テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジエチルエーテ
ル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエ
トキシエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、
スルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル
等が挙げられる。これらのうち1種あるいは2種以上を
混合して用いる。
ッ化リチウム、リンフッ化リチウム、6フッ化砒素リチ
ウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ハロゲ
ン化リチウム、塩化アルミン酸リチウム等のリチウム塩
が挙げられ、これらのうち1種あるいは2種以上を混合
して用いる。上記で選ばれた溶媒に電解質を溶解するこ
とによって電解液を調製する。電解液を調製する際に使
用する溶媒、電解質は上記に挙げたものに限定されな
い。
ハロゲン化物、酸素酸塩等が知られている。例えば、L
i3N、LiI、Li3N−LiI−LiOH、Li4SiO4、
Li4SiO4−LiI−LiOH、Li3PO4−Li4Si
O4、硫化リン化合物、Li2SiS3等がある。
質の解離を行う高分子から構成された物質、高分子にイ
オン解離基を持たせた物質等がある。電解質の解離を行
う高分子としては、例えば、ポリエチレンオキサイド誘
導体あるいは該誘導体を含むポリマー、ポリプロピレン
オキサイド誘導体あるいは該誘導体を含むポリマー、リ
ン酸エステルポリマー等がある。その他に、上記非プロ
トン性極性溶媒を含有させた高分子マトリックス材料、
イオン解離基を含むポリマーと上記非プロトン性電解液
の混合物、ポリアクリロニトリルを電解液に添加したも
のもある。また、無機固体電解質と有機固体電解質を併
用することもできる。
気絶縁性の合成樹脂繊維、ガラス繊維、天然繊維等の不
織布、織布、あるいはミクロポア構造材料、またアルミ
ナ粉末等の成形体等が挙げられる。中でも、合成樹脂の
ポリエチレン、ポリプロピレン等の不織布、ミクロポア
構造体が品質の安定性等から好ましい。
体では、電池が異常発生した場合に、セパレータが熱に
より溶解して正極と負極の間を遮断する機能を付加した
ものもあり、安全性の観点からこれらも好適に使用する
ことができる。セパレータの厚みは特に限定はないが、
必要量の電解液を保持することが可能で、且つ正極と負
極との短絡を防ぐ厚さがあればよい。通常、0.01mm
〜1mm、好ましくは0.02mm〜0.05mm程度のもの
を用いることができる。
ト型、円筒形、角型等がある。コイン型電池やボタン型
電池のときには、電極はペレット状に形成する。円筒形
電池及び角型電池では主に電極をシート状とし、この電
極を電池缶に入れ、缶と電極を電気的に接続する。
ッキンを介して封口板で封じる。あるいは、ハーメチッ
クシールにより封口板と缶を絶縁して封じる。このと
き、安全素子を備え付けた安全弁を封口板として用いる
ことができる。例えば、安全素子には過電流防止素子と
して、ヒューズ、バイメタル、PTC素子等がある。ま
た、安全弁の他に電池缶の内圧上昇の対策として、ガス
ケットに亀裂を入れる方法、封口板に亀裂を入れる方
法、電池缶に切り込みを入れる方法等を用いる。また、
過充電や過放電対策を組み込んだ外部回路を用いてもよ
い。
乾燥、脱水されていることが好ましい。乾燥、脱水方法
としては、一般的な方法を利用することができる。例え
ば、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風
等を単独あるいは組み合わせて用いる方法がある。温度
は50℃〜380℃の範囲が好ましい。
実験の結果を、従来技術による比較例と共に説明する。
ル比で1:1となるようにそれぞれ水に溶解させ、緩衝
溶液を作製する。この緩衝溶液に水酸化リチウム無水物
0.03モルと酢酸ニッケル・4水和物0.03モルを
溶解させる。この水溶液に粉末の蓚酸を添加して、室温
で2時間撹拌する。蓚酸の添加量は、0.045モルと
する。
を濾過乾燥させる。この沈澱物を700℃、酸素雰囲気
で10時間焼成し、得られた焼成物を粉砕する。これを
実施例1とする。
び緩衝溶液として用いて共沈反応させる。即ち、この溶
液に酢酸リチウム0.03モルと酢酸ニッケル・4水和
物0.03モルを溶解させる。これに粉末の蓚酸0.0
45モルを添加して、室温で2時間撹拌する。生成した
沈澱物を濾過乾燥し、実施例1と同様の条件で焼成す
る。得られた焼成物を粉砕する。これを実施例2とす
る。
衝溶液として用い、同様の方法で焼成物を得る。この焼
成物を粉砕する。これを実施例3とする。
物質に用いて電極を作製する。LiNiO2、導電材とな
るアセチレンブラック、及び結着材となるポリテトラフ
ルオロエチレン100:10:10の割合で乳鉢にて混
合する。この混合物に集電体としてチタンメッシュを加
え、加圧成形して直径20mm、重量0.10gのペレッ
トを作製する。チタンメッシュにチタン線をスポット溶
接することにより集電を取り、評価用の電極とする。
び参照極にリチウムを用いる。電解液にはエチレンカー
ボネートとエチルメチルカーボネートを体積比1:1で
混合した溶媒に、過塩素酸リチウムを1Mの割合で溶解
させたものを用いる。充放電電流密度は27.4mA/gと
し、初めに参照極のリチウムに対して4.2Vまで定電
流充電を行い、続いて2.7Vまで定電流放電を行う。
2回目以降も同じ電圧の範囲、同じ電流密度で充放電を
繰り返した。その結果、1回目の放電容量はそれぞれ1
70mAh/g、173mAh/g、175mAh/gであった。
製造方法に沿ってLiNiO2を合成し、そのLiNiO2を
用いて作製した電極の評価を行った結果を示す。
るリチウム化合物とニッケル化合物を混合するLiNiO
2の製造方法である。水酸化リチウムとオキシ水酸化ニ
ッケルをリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッ
ケル)が1.1になるように秤量した後、乳鉢で混合す
る。この混合物に100kg/cm2の圧力を加えてペレット
を作製する。これを800℃、酸素雰囲気で2時間焼成
する。得られた焼成物を粉砕する。これを比較例1とす
る。
3の方法に準じて行う。その結果、1回目の放電容量は
124mAh/gであった。
水溶液とニッケル化合物水溶液を混合するLiNiO2の
製造方法である。水酸化リチウムと塩化ニッケルをリチ
ウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)が1に
なるように秤量した後、それぞれを水に溶解させ水溶液
とする。塩化ニッケル水溶液を撹拌しながら、水酸化リ
チウム水溶液を徐々に注加し、30℃で5時間撹拌す
る。この混合溶液を90℃〜100℃で乾燥させ、得ら
れた固形物質を粉砕した後、100kg/cm2の圧力を加え
てペレットを作製する。これを800℃、酸素雰囲気で
2時間焼成する。得られた焼成物を粉砕する。これを比
較例2とする。
3の方法に準じて行う。その結果、1回目の放電容量は
120mAh/gであった。
るリチウム化合物とニッケル化合物に分散媒として水を
加えるLiNiO2の製造方法である。水酸化リチウムと
水酸化ニッケルをリチウムとニッケルのモル比(リチウ
ム/ニッケル)が1になるように秤量した後、少量の水
を分散媒として加え、乳鉢にて混合した。これを90℃
〜100℃で乾燥させ、得られた固形物質を粉砕した
後、100kg/cm2の圧力を加えてペレットを作製する。
これを800℃、酸素雰囲気で2時間焼成する。得られ
た焼成物を粉砕する。これを比較例3とする。
3の方法に準じて行う。その結果、1回目の放電容量は
110mAh/gであった。
化合物にリチウム化合物水溶液を混合するLiNiO2の
製造方法である。塩化リチウムと酸化ニッケルをリチウ
ムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)が1にな
るように秤量した後、塩化リチウムを水に溶解させて水
溶液とする。固体の酸化ニッケルに塩化リチウム水溶液
を徐々に注加し、30℃で5時間混練する。これを90
℃〜100℃で乾燥させ、得られた固形物質を粉砕した
後、100kg/cm2の圧力を加えてペレットを作製する。
これを800℃、酸素雰囲気で2時間焼成する。得られ
た焼成物を粉砕する。これを比較例4とする。
3の方法に準じて行う。その結果、1回目の放電容量は
127mAh/gであった。
た電極の性能評価を行った結果、初期放電容量が170
mAh/g以上の高い値が得られている。この値は、比較例
1〜4のLiNiO2を用いて作製した電極より約50mAh
/g以上も高い値である。
意し、これらの緩衝溶液のそれぞれから実施例1〜3と
同様にして沈澱物を得た。最初の緩衝溶液から得られた
沈澱物をサンプル1とする。同様に2番目、3番目の緩
衝溶液から得られた沈澱物をそれぞれサンプル2、サン
プル3とする。
ケルのモル比(リチウム/ニッケル)をICP発光分析
を用いて測定した。これらの沈澱物中のリチウム/ニッ
ケル比を表1に示す。
て、それぞれの焼成物を活物質に用いて電極を作製し、
それらの電極の評価を行った。電極の作製及び評価は実
施例1〜3と同様の方法で行った。充放電1サイクル目
の放電容量(mAh/g)を表2に示す。
に排出される濾液を繰り返し利用して沈澱物を得ること
で、沈澱物中のリチウム/ニッケル比の制御が容易にな
り、沈澱物の均一性が向上する。さらに、この沈澱物を
焼成したLiNiO2を活物質として電極に用いた時の初
期電極特性は大幅に改善される。
で1:1となるようにそれぞれ水に溶解させ、緩衝溶液
を作製する。この緩衝溶液に水酸化リチウム無水物0.
03モルと、酢酸ニッケル・4水和物0.03モルをそ
れぞれ溶解させる。この水溶液に粉末の蓚酸を添加し
て、室温で2時間撹拌する。蓚酸の添加量は0.045
モルとする。
る。濾過の際に得られる濾液に蓚酸カルシウムを添加
し、溶液中に存在している蓚酸イオンを蓚酸カルシウム
として沈澱させ、この沈澱物を濾過により除去する。さ
らに、濾液に含まれる過剰の酢酸を蒸留により分離し、
酢酸及びリチウムイオン濃度を加味して溶液調製を行
い、この溶液に酢酸リチウム0.03モルと酢酸ニッケ
ル・4水和物0.03モルを溶解させる。これに粉末の
蓚酸を添加して、室温で2時間撹拌する。得られた沈澱
物を濾過乾燥させ、700℃、酸素雰囲気で10時間焼
成する。この焼成物を粉砕する。これを実施例4とす
る。
3の方法に準じて行う。その結果、1回目の放電容量は
175mAh/gであった。
意し、これらの緩衝溶液のそれぞれから実施例4と同様
にして沈澱物を得た。得られた3種の沈澱物中のリチウ
ムとニッケルのモル比をICP発光分析を用いて行っ
た。その結果、これらの沈澱物中のリチウム/ニッケル
比は、それぞれ1.05、1.04、1.04であっ
た。
ぞれの焼成物を用いて電極を作製し、それらの電極の評
価を行った。電極の作製及び評価は実施例1〜3と同様
の方法で行った。その結果、1回目の放電容量は、それ
ぞれ176mAh/g、176mAh/g、175mAh/gであっ
た。
に、酢酸及びリチウムイオン濃度の精度を高めるように
溶液を調製した実施例4のLiNiO2の製造方法では、
得られる沈澱物中のリチウム/ニッケル比のバラツキが
小さくなり、より混合状態の均一な前駆体が得られる。
また、これらの前駆体を焼成したLiNiO2は、優れた
初期電極特性を与える活物質であることが認められる。
チウムと酢酸をモル比が1:1となるようにそれぞれ水
に溶解させ、緩衝溶液を作製する。この緩衝溶液に水酸
化リチウム無水物0.3モルと酢酸ニッケル・4水和物
0.3モルを溶解させる。この水溶液に粉末の蓚酸を添
加し、室温で2時間撹拌する。蓚酸の添加量は0.45
モルとする。
後、濾液に酢酸リチウムを0.3モルと酢酸ニッケル・
4水和物0.3モルを溶解させ、溶液を調製する。この
水溶液に粉末の蓚酸0.45モルを添加し、室温で2時
間撹拌する。蓚酸の添加により沈澱物が生成した水溶液
を濾過し、得られた沈澱物を乾燥させる。ここでは、焼
成温度と焼成物であるLiNiO2を用いて作製した電極
の性能との関係を調べるため、様々な温度で焼成を行
う。
50℃、800℃、850℃、900℃、940℃、9
80℃の各温度にて沈澱物を焼成する。焼成時間はいず
れも5時間とする。また、いずれも酸素雰囲気で焼成す
る。このときのそれぞれを、比較例5、実施例5〜1
0、比較例6、7とする。
を活物質に用いて電極を作製する。このとき、LiNiO
2、導電材になるアセチレンブラック、及び結着材にな
るポリテトラフルオロエチレンを100:8:10の割
合で混合する他は、電極作製の手順やペレットの重量及
びサイズ等、上述した実施例1〜3の電極作製方法に準
ずる。
ト、ジエチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合
した溶媒に、過塩素酸リチウムを1Mの割合で溶解した
ものを用いる他は、上述した実施例1〜3の電極評価方
法に準ずる。
関係を示した図である。沈澱物を濾過した後の溶液を用
いて再び沈澱物を得て、焼成することによりLiNiO2
を製造した場合でも、良好な初期電極特性を与えること
がわかる。また、焼成温度が650℃〜900℃、好ま
しくは700℃〜850℃であれば、高い値の放電容量
が得られている。従って、焼成温度を650℃〜900
℃とすることを特徴とした、本発明に係るLiNiO2の
製造方法を用いれば、初期電極特性の良好な電極を得る
ことが認められた。
酸リチウムと酢酸をモル比が1:1になるようにそれぞ
れ水に溶解させ、緩衝溶液を作製する。この緩衝溶液に
水酸化リチウム無水物0.3モルと酢酸ニッケル・4水
和物0.24モル及び酢酸コバルト0.06モルをそれ
ぞれ溶解させる。この水溶液に粉末の蓚酸を添加し、室
温で2時間撹拌する。蓚酸の添加量は0.45モルとす
る。
後、濾液に酢酸リチウム0.3モルと酢酸ニッケル0.
24モル及び酢酸コバルト0.06モルをそれぞれ溶解
させ、溶液を調製する。この水溶液に粉末の蓚酸0.4
5モルを添加し、室温で2時間撹拌する。蓚酸の添加に
より沈澱物が生成した水溶液を濾過し、得られた沈澱物
を乾燥させる。ここでは、焼成温度と焼成物であるLi
Ni0.8Co0.2O2を用いて作製した電極の性能との関係
を調べるため、様々な温度で焼成を行う。
50℃、800℃、850℃、900℃、940℃、9
80℃の各温度にて沈澱物を焼成する。焼成時間はいず
れも5時間とする。また、いずれも酸素雰囲気で焼成す
る。このときのそれぞれを、比較例8、実施例11〜1
6、比較例9、10とする。
Co0.2O2を活物質に用いて電極を作製する。このと
き、LiNi0.8Co0.2O2、導電材になるアセチレンブラ
ック、及び結着材になるポリテトラフルオロエチレンを
100:8:10の割合で混合する他は、電極作製の手
順やペレットの重量及びサイズ等、上述した実施例1〜
3の電極作製方法に準ずる。
ト、ジエチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合
した溶媒に、過塩素酸リチウムを1Mの割合で溶解した
ものを用いる他は、上述した実施例1〜3の電極評価方
法に準ずる。
関係を示した図である。沈澱物を濾過した後の溶液を用
いて再び沈澱物を得て、焼成することによりLiNi0.8
Co0.2O2を製造した場合でも、良好な初期電極特性を
与えることがわかる。また、焼成温度が650℃〜90
0℃、好ましくは700℃〜850℃であれば、高い値
の放電容量が得られている。従って、焼成温度を650
℃〜900℃とすることを特徴とした、本発明に係るL
iNi0.8Co0.2O2の製造方法を用いれば、初期放電容量
の高い電極を得ることが認められた。
酢酸リチウムと酢酸をモル比が1:1となるようにそれ
ぞれ0.3モルずつ水に溶解させ、緩衝溶液を作製す
る。この緩衝溶液に水酸化リチウム無水物0.3モルと
酢酸ニッケル・4水和物0.3モルを溶解させる。この
水溶液に粉末の蓚酸を添加し、室温で2時間撹拌する。
蓚酸の添加量は0.45モルとする。
得られた沈澱物を乾燥させる。ここでは、焼成雰囲気に
おける酸素の体積割合と、生成したLiNiO2を用いて
作製した電極の放電容量との関係を調べるため、様々な
酸素濃度の雰囲気で焼成を行う。
素の体積割合が10%、20%(空気中)、30%、5
0%、70%、80%、100%の各雰囲気で沈澱物を
焼成する。ただし、いずれの場合も700℃で8時間焼
成する。得られた焼成物を粉砕する。このときのそれぞ
れを、比較例11〜17とする。
した実施例4と同様に調製した後、酢酸リチウム0.3
モルと酢酸ニッケル0.3モルを溶解させる。これに粉
末の蓚酸0.45モルを添加して、室温で2時間撹拌す
る。生成した沈澱物を濾過乾燥し、上述した様々な酸素
濃度の雰囲気で焼成する。
(空気中)、30%、50%、70%、80%、100
%の各雰囲気で沈澱物を焼成する。ただし、いずれの場
合も700℃で8時間焼成する。得られた焼成物を粉砕
する。このときのそれぞれを、比較例18、実施例17
〜22とする。
NiO2を活物質に用いて、電極を作製する。このとき、
LiNiO2、導電材になるアセチレンブラック、及び結
着材になるポリテトラフルオロエチレンを100:1
5:8の割合で混合する他は、電極作製の手順やペレッ
トの重量及びサイズ等、上述した実施例1〜3の電極作
製方法に準ずる。
ト、ジメチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合
した溶媒に、リンフッ化リチウムを1Mの割合で溶解し
たものを用いる他は、上述した実施例1〜3の電極評価
方法に準ずる。
回目の放電容量との関係を示した図である。図4より、
沈澱物を濾過した後の溶液を用いて再び沈澱物を得て、
焼成することによりLiNiO2を製造した場合でも、良
好な初期電極特性を与えることがわかる。また、酸素濃
度が20%以上、好ましくは50%以上、特に80%以
上であれば、高い値の放電容量が得られている。従っ
て、焼成雰囲気における酸素の体積割合を20%以上と
することを特徴とした、本発明に係るLiNiO2の製造
方法を用いれば、初期電極特性の良好な電極を得ること
が認められた。
るLiNiO2の製造方法により製造したLiNiO2を正極
活物質として簡単な電池を作製して、充放電試験を行
う。実施例2で述べた正極の作製方法に準じて正極を作
製し、直径15mm、重量50mgのペレットとする。
と平行な隣接面との面間隔(d002):0.337n
m、(002)面方向の結晶子の厚さ(Lc):15n
m、アルゴンレーザーラマン法による散乱スペクトルの
1580cm-1付近のピークに対する1360cm-1付近の
ピークの強度比(R値):0.45)を用いる。
時間常圧気相熱分解させ、ニッケルメッシュ(表面積4
cm2)の基板に堆積させる。これにニッケル線をスポッ
ト溶接して集電を取り、水分除去のために200℃で減
圧乾燥させたものを負極(重量35mg)とする。
とジエチルカーボネートを体積比1:1で混合した溶媒
に過塩素酸リチウムを1Mの割合で溶解させた電解液を
入れ、この電解液に上述した正極及び負極を浸す。
0.2mAで上限電圧4.4Vまで定電流充電を行い、続
いて同じ電流で2.5Vまで定電流放電を行った。2回
目以降も同様に行う。その結果、充放電1サイクル目の
放電容量は7.9mAh、100サイクル目の放電容量は
7.1mAhであった。
るコイン型電池の充放電試験を行う。実施例2で述べた
LiNiO2の製造方法により得られたLiNiO2を活物質
に用いて、正極を作製し、直径15mm、厚さ0.75m
m、重量0.20gのペレットとする。
物質にはマダガスカル産の天然黒鉛(鱗片状、粒径:1
1μm、(002)面と平行な隣接面との面間隔(d0
02):0.337nm、(002)面方向にある結晶子
の厚さ(Lc):27nm、(002)面方向にある結晶
層の拡がり(La):17nm、アルゴンレーザーラマン
法による散乱スペクトルの1580cm-1付近のピークに
対する1360cm-1付近のピークの強度比(R値):
0、比表面積:8m2/g)を用いる。
ロエチレンを、10:1の割合で混合する。この混合物
に集電体としてニッケルメッシュを加え、加圧成形して
直径15mm、厚さ0.59mm、重量0.1gのペレット
を作製する。このペレットを水分除去のために200
℃、減圧下で乾燥させる。
は次の通りである。図5は本発明に係るコイン型電池の
断面を示している。低い円筒形の正極缶1の内部に、側
面に沿って絶縁パッキン8が載置されている。また、こ
の絶縁パッキン8より中心側に正極集電体2と一体とな
った正極3が圧着されている。
に接している。この正極3の上にポリプロピレン不織布
のセパレータ7と負極集電体5と一体となっている負極
6が、この順に下から上へ互いに密接して配置されてい
る。セパレータ7には、エチレンカーボネートとジエチ
ルカーボネートを体積比1:1で混合した溶媒に、リン
フッ化リチウムを1Mの割合で溶解させた電解液が含浸
している。
り、この負極缶4と正極缶1は絶縁パッキン8を介在さ
せて、かしめで密封されている。これによって、負極6
は負極缶4に圧着しており、特に負極集電体5は負極缶
4の内面に接している。
に行う。充放電電流は1mAとし、初めに充電上限電圧
4.4Vまで定電流充電を行い、続いて放電下限電圧
2.5Vまで定電流放電を行う。2回目以降も同じ電
流、電圧の範囲で充放電を繰り返す。
は28.5mAh、100サイクル目の放電容量は25.
0mAhであった。
る円筒形電池の充放電試験を行う。まず、シート状の正
極を作製する。実施例2で述べたLiNiO2の製造方法
により正極活物質LiNiO2を製造する。
製方法は次の通りである。LiNiO2、導電材となるア
セチレンブラック、及び結着材となるポリフッ化ビニリ
デンを100:7:10の割合で混合する。ここに、分
散剤としてN−メチル−2−ピロリドンを加えてさらに
混合し、正極ペーストとする。
ウム箔(厚さ20μm)の両面に塗布し、乾燥させた
後、圧延して短冊状に切断する。この正極における単位
面積あたりの活物質の重量は40mg/cm2となった。ま
た、この正極の一端に正極リードとなるアルミニウムタ
ブを、スポット溶接にて取り付ける。
(002)面の平行する隣接面との面間隔(d00
2):0.337nm、(002)面方向にある結晶層の
厚さ(Lc):25nm、(002)面方向にある結晶層
の拡がり(La):13nm、アルゴンレーザーラマン法
による散乱スペクトルの波数が1580cm-1付近のピー
クに対する1360cm-1付近のピークの強度比(R
値):0、比表面積:12m2/g)を用いる。この人造黒
鉛と結着材となるポリフッ化ビニリデンを、100:1
0の割合で混合する。
2−ピロリドンを加えてさらに混合し、負極ペーストと
する。負極ペーストを集電体となる銅箔(厚さ18μ
m)の両面に塗布し、乾燥させた後、圧延し、短冊状に
切断する。この負極における活物質の単位面積あたりの
重量は20mg/cm2となった。また、この負極の一端に負
極リードとなるニッケルタブを、スポット溶接にて取り
付ける。
次の通りである。図6は本発明に係る円筒形電池の断面
を示している。尚、この図において、正極蓋11、絶縁
パッキン12及びセパレータ14には断面を示すハッチ
ングを省略している。正極16、負極15各1枚ずつの
間にポリエチレン製微多孔質のセパレータ14が挟まれ
ている。これらを対向するように端からスパイラル状に
巻回し、円筒形の巻回要素を形成する。
ド、下面から負極リードがそれぞれ引き出された状態
で、円筒形の電池缶(直径17mm、高さ50mm、ステン
レス製)内に収納されている。そして、正極リードは安
全弁付き正極蓋に、負極リードは電池缶の底面にスポッ
ト溶接によってそれぞれ取り付けられている。また、巻
回要素の中心部には、巻き崩れ防止のためにセンターピ
ン17(直径3.4mm、長さ40mm、ステンレス製チュ
ーブ)が挿入されている。
エチルカーボネートを体積比1:1で混合した混合溶媒
に、リンフッ化リチウムを1Mの割合で溶解させた電解
液が、電池缶に注液されている。また、正極蓋11と電
池缶13は絶縁パッキン12を介在させて、かしめで密
封されている。
行う。25℃の恒温槽において、500mA、上限電圧
4.2Vの定電流定電圧充電を3時間行い、100mA、
下限電圧2.75Vの定電流放電を行った。2回目以降
も同様に行う。その結果、充放電1サイクル目の放電容
量は918mAh、50サイクル目の放電容量は805mAh
であった。従って、本発明に係る非水系二次電池は繰り
返される充放電にも、放電容量が減少しない二次電池で
あることが認められた。
リチウム化合物を原料とし、これを緩衝溶液中に溶解さ
せた後、蓚酸を加えて共沈させ、沈澱物を濾過した際に
排出される濾液を緩衝溶液として再び用いて繰り返し前
駆体を得るようにしたことを特徴とする本発明に係るL
iNiO2の製造方法によると、リチウムとニッケルのモ
ル比(リチウム/ニッケル)のバラツキが少ないより均
一な前駆体が得られる。
から蓚酸イオン及び酢酸を分離した後、溶液中の酢酸及
びリチウムイオン濃度の精度を高めるように溶液を調製
することで、更に前駆体の均一性は安定する。
することにより、濾液を繰り返し用いてLiNiO2の前
駆体を得るようにしているので、原材料を毎回大量に用
いる必要がなくなりコストの削減がはかれるとともに、
資源の有効利用が可能となる。
を活物質として電極に用いた、本発明に係る非水系二次
電池では、高い値の初期放電容量を得ることができる。
さらに、本発明に係る二次電池では、繰り返される充放
電にも放電容量があまり減少しないので、寿命の長い二
次電池となる。
O2(0<X<0.5、Mは遷移金属又は3B族元素又は4
B族元素又は5B族元素から選ばれる少なくとも1種の
元素)の製造方法を示した図である。
と初回放電容量との関係を示した図である。
温度と初回放電容量との関係を示した図である。
成雰囲気の酸素濃度と初回放電容量との関係を示した図
である。
図である。
である。
Claims (10)
- 【請求項1】 有機酸とリチウム塩とから成る緩衝溶液
にリチウム化合物とニッケル化合物を溶解させて水溶液
を作製する工程と、該水溶液に蓚酸を添加する工程と、
前記蓚酸を添加後の前記溶液から沈澱物を濾別する工程
と、前記濾別工程によって得られた前記沈澱物を焼成す
る工程とから成り、前記濾別工程で得られた濾液を再度
用いることを特徴とするLiNiO2を含む非水系二次電
池用正極活物質の製造方法。 - 【請求項2】 有機酸とリチウム塩とから成る緩衝溶液
にリチウム化合物とニッケル化合物を溶解させて水溶液
を作製する工程と、該水溶液に蓚酸を添加する工程と、
前記蓚酸を添加後の前記溶液から沈澱物を濾別する工程
と、前記濾別工程によって得られた前記沈澱物を焼成す
る工程とから成り、前記濾別工程で得られた濾液を前記
緩衝溶液として再び用いることを特徴とするLiNiO2
を含む非水系二次電池用正極活物質の製造方法。 - 【請求項3】 有機酸とリチウム塩とから成る緩衝溶液
にリチウム化合物とニッケル化合物と遷移金属又は3B
族元素又は4B族元素又は5B族元素から選ばれる少な
くとも1種の元素を含む化合物を溶解させて水溶液を作
製する工程と、該水溶液に蓚酸を添加する工程と、前記
蓚酸を添加後の前記溶液から沈澱物を濾別する工程と、
前記濾別工程によって得られた前記沈澱物を焼成する工
程とから成り、前記濾別工程で得られた濾液を前記緩衝
溶液として再び用いることを特徴とするLiNi1-XMXO
2(0<X<0.5、Mは遷移金属又は3B族元素又は4B
族元素又は5B族元素から選ばれる少なくとも1種の元
素)を含む非水系二次電池用正極活物質の製造方法。 - 【請求項4】 有機酸とリチウム塩とから成る緩衝溶液
にリチウム化合物とニッケル化合物を溶解させて水溶液
を作製する工程と、該水溶液に蓚酸を添加する工程と、
前記蓚酸を添加後の前記溶液から沈澱物を濾別する工程
と、前記濾別工程によって得られた前記沈澱物を焼成す
る工程とから成り、前記濾別工程で得られた濾液から蓚
酸イオン及び酢酸を分離除去した後、前記蓚酸を添加す
る前の条件に再度調製することにより前記濾液を繰り返
し用いることを特徴とするLiNiO2を含む非水系二次
電池用正極活物質の製造方法。 - 【請求項5】 有機酸とリチウム塩とから成る緩衝溶液
にリチウム化合物とニッケル化合物と遷移金属又は3B
族元素又は4B族元素又は5B族元素から選ばれる少な
くとも1種の元素を含む化合物を溶解させて水溶液を作
製する工程と、該水溶液に蓚酸を添加する工程と、前記
蓚酸を添加後の前記溶液から沈澱物を濾別する工程と、
前記濾別工程によって得られた前記沈澱物を焼成する工
程とから成り、前記濾別工程で得られた濾液から蓚酸イ
オン及び酢酸を分離除去した後、前記蓚酸を添加する前
の条件に再度調製することにより前記濾液を繰り返し用
いることを特徴とするLiNi1-XMXO2(0<X<0.5、
Mは遷移金属又は3B族元素又は4B族元素又は5B族
元素から選ばれる少なくとも1種の元素)を含む非水系
二次電池用正極活物質の製造方法。 - 【請求項6】 前記蓚酸イオンを除去する方法として、
酢酸カルシウムを用いて行うことを特徴とする請求項4
又は請求項5に記載のLiNiO2を含む非水系二次電池
用正極活物質又はLiNi1-XMXO2(0<X<0.5、Mは
遷移金属又は3B族元素又は4B族元素又は5B族元素
から選ばれる少なくとも1種の元素)を含む非水系二次
電池用正極活物質の製造方法。 - 【請求項7】 前記焼成工程は焼成温度が650℃以上
900℃以下、焼成雰囲気は空気中又は酸素の体積割合
が21%以上100%以下の雰囲気で行われることを特
徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載のLi
NiO2を含む非水系二次電池用正極活物質又はLiNi
1-XMXO2(0<X<0.5、Mは遷移金属又は3B族元素
又は4B族元素又は5B族元素から選ばれる少なくとも
1種の元素)を含む非水系二次電池用正極活物質の製造
方法。 - 【請求項8】 前記リチウム化合物として酢酸リチウム
又は水酸化リチウムを用い、前記ニッケル化合物として
酢酸ニッケルを用いることを特徴とする請求項1乃至請
求項7のいずれかに記載のLiNiO2を含む非水系二次
電池用正極活物質又はLiNi1-XMXO2(0<X<0.5、
Mは遷移金属又は3B族元素又は4B族元素又は5B族
元素から選ばれる少なくとも1種の元素)を含む非水系
二次電池用正極活物質の製造方法。 - 【請求項9】 前記有機酸として酢酸を用い、前記リチ
ウム塩として酢酸リチウムを用いることを特徴とする請
求項1乃至請求項8のいずれかに記載のLiNiO2を含
む非水系二次電池用正極活物質又はLiNi1-XMXO2(0
<X<0.5、Mは遷移金属又は3B族元素又は4B族元
素又は5B族元素から選ばれる少なくとも1種の元素)
を含む非水系二次電池用正極活物質の製造方法。 - 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載の製
造方法により製造されたLiNiO2を含む正極活物質又
はLiNi1-XMXO2(0<X<0.5、Mは遷移金属又は3
B族元素又は4B族元素又は5B族元素から選ばれる少
なくとも1種の元素)を含む正極活物質から成る正極
と、負極と、イオン伝導体を有することを特徴とする非
水系二次電池。
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