JP2001302247A - リチウムマンガン複酸化物、その製造方法及び二次電池 - Google Patents
リチウムマンガン複酸化物、その製造方法及び二次電池Info
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- Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】初期容量及び容量保持率が改良され、充放電サ
イクル特性に優れた非水リチウム二次電池を構成できる
リチウムマンガン複酸化物、その製造方法及びそのよう
なリチウムマンガン複酸化物を用いた二次電池を提供す
ること。 【解決手段】リチウム化合物とマンガン化合物とを湿式
混合し、得られたスラリー乃至ペーストを乾燥し、乾燥
物を解砕し、解砕物を350〜600℃で焼成し、45
℃以下に冷却し、解砕した後、酸素気流中800〜10
00℃で焼成し、100℃以下に冷却し、解砕した後、
400〜700℃で焼成することにより得られ、正極材
料として用いることにより初期容量及び容量保持率の改
良された非水リチウム二次電池を構成することができる
リチウムマンガン複酸化物、そのようなリチウムマンガ
ン複酸化物の製造方法、そのようなリチウムマンガン複
酸化物を正極材料として用いた非水リチウム二次電池。
イクル特性に優れた非水リチウム二次電池を構成できる
リチウムマンガン複酸化物、その製造方法及びそのよう
なリチウムマンガン複酸化物を用いた二次電池を提供す
ること。 【解決手段】リチウム化合物とマンガン化合物とを湿式
混合し、得られたスラリー乃至ペーストを乾燥し、乾燥
物を解砕し、解砕物を350〜600℃で焼成し、45
℃以下に冷却し、解砕した後、酸素気流中800〜10
00℃で焼成し、100℃以下に冷却し、解砕した後、
400〜700℃で焼成することにより得られ、正極材
料として用いることにより初期容量及び容量保持率の改
良された非水リチウム二次電池を構成することができる
リチウムマンガン複酸化物、そのようなリチウムマンガ
ン複酸化物の製造方法、そのようなリチウムマンガン複
酸化物を正極材料として用いた非水リチウム二次電池。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウムマンガン複
酸化物、その製造方法及び二次電池に関し、より詳しく
は、非水リチウム二次電池の正極材料として用いること
により初期容量及び容量保持率が改良され、充放電サイ
クル特性に優れた非水リチウム二次電池を構成すること
ができるリチウムマンガン複酸化物、その製造方法及び
そのようなリチウムマンガン複酸化物を正極材料として
用いている非水リチウム二次電池に関する。
酸化物、その製造方法及び二次電池に関し、より詳しく
は、非水リチウム二次電池の正極材料として用いること
により初期容量及び容量保持率が改良され、充放電サイ
クル特性に優れた非水リチウム二次電池を構成すること
ができるリチウムマンガン複酸化物、その製造方法及び
そのようなリチウムマンガン複酸化物を正極材料として
用いている非水リチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】非水リチウム二次電池の正極材料として
は、これまでにチタンやモリブデンの硫化物や酸化物、
並びにバナジウムやリンの酸化物等が提案されている
が、これらは電池としての保存性が悪く、しかも高価で
あるため、未だ実用化されるまでには至っていない。
は、これまでにチタンやモリブデンの硫化物や酸化物、
並びにバナジウムやリンの酸化物等が提案されている
が、これらは電池としての保存性が悪く、しかも高価で
あるため、未だ実用化されるまでには至っていない。
【0003】一方、非水一次電池の正極活物質としては
二酸化マンガンが既に実用化されており、非水一次電池
においては二酸化マンガンは代表的に用いられている。
二酸化マンガンは、資源的にも豊富で安価であり、更に
化学的に安定であるため電池としての保存性に優れてい
る。しかしながら、二酸化マンガンは二次電池の可逆性
に難があるため、非水系二次電池の正極活物質としては
不適当であり、それで改質された種々のマンガン酸化物
が提案されている。
二酸化マンガンが既に実用化されており、非水一次電池
においては二酸化マンガンは代表的に用いられている。
二酸化マンガンは、資源的にも豊富で安価であり、更に
化学的に安定であるため電池としての保存性に優れてい
る。しかしながら、二酸化マンガンは二次電池の可逆性
に難があるため、非水系二次電池の正極活物質としては
不適当であり、それで改質された種々のマンガン酸化物
が提案されている。
【0004】例えば、特開昭63−114064号、特
開昭63−187569号、特開平1−235158号
等の公報に開示されているように、二酸化マンガンとリ
チウム化合物との混合物を熱処理して得られ、結晶構造
中にリチウムを含有しているマンガン酸化物が提案され
ている。
開昭63−187569号、特開平1−235158号
等の公報に開示されているように、二酸化マンガンとリ
チウム化合物との混合物を熱処理して得られ、結晶構造
中にリチウムを含有しているマンガン酸化物が提案され
ている。
【0005】これらのリチウム含有マンガン酸化物は製
造する際の熱処理温度の相違に起因して生成するリチウ
ム含有マンガン酸化物の組成、結晶構造が異なり、例え
ば、熱処理温度が250〜300℃である場合には、X
繰回折図において、2θ=22°、31.7°、37
°、42°及び55°付近にピークを有する結晶構造の
マンガン酸化物となり、300〜430℃である場合に
は、Li2 MnO3 を含有したマンガン酸化物となり、
そして800〜900℃である場合には、スピネル型構
造を有するマンガン酸化物となる。更に、900℃以上
の高温で焼成すると高結晶性とはなるが、LiMnO2
が生成し、充放電サイクル特性を低下させることが分か
っている。
造する際の熱処理温度の相違に起因して生成するリチウ
ム含有マンガン酸化物の組成、結晶構造が異なり、例え
ば、熱処理温度が250〜300℃である場合には、X
繰回折図において、2θ=22°、31.7°、37
°、42°及び55°付近にピークを有する結晶構造の
マンガン酸化物となり、300〜430℃である場合に
は、Li2 MnO3 を含有したマンガン酸化物となり、
そして800〜900℃である場合には、スピネル型構
造を有するマンガン酸化物となる。更に、900℃以上
の高温で焼成すると高結晶性とはなるが、LiMnO2
が生成し、充放電サイクル特性を低下させることが分か
っている。
【0006】また、これらの改良法においては二酸化マ
ンガンとリチウム化合物とを固相同志で反応させている
ため、二酸化マンガン粒子の内部までは改質が及ばず、
従って高電流密度での充放電サイクルでは劣化が早いと
いう欠点があった。そこで、例えば特開平2−1839
63号公報に開示されているように、リチウム化合物を
溶解した水溶液中に二酸化マンガンを浸漬し、蒸発乾固
した後に熱処理して、二酸化マンガン粒子の細孔内部に
まで改質反応を進める方法が提案されている。
ンガンとリチウム化合物とを固相同志で反応させている
ため、二酸化マンガン粒子の内部までは改質が及ばず、
従って高電流密度での充放電サイクルでは劣化が早いと
いう欠点があった。そこで、例えば特開平2−1839
63号公報に開示されているように、リチウム化合物を
溶解した水溶液中に二酸化マンガンを浸漬し、蒸発乾固
した後に熱処理して、二酸化マンガン粒子の細孔内部に
まで改質反応を進める方法が提案されている。
【0007】しかしながら、これまでに提案されている
リチウム含有二酸化マンガンはその電気化学活性が二次
電池用途に対しては不十分であり、それでそのようなリ
チウム含有二酸化マンガンを正極に用いて構成した非水
リチウム二次電池では、初期容量及び容量保持率が不十
分であり、充放電サイクル特性が不十分であった。
リチウム含有二酸化マンガンはその電気化学活性が二次
電池用途に対しては不十分であり、それでそのようなリ
チウム含有二酸化マンガンを正極に用いて構成した非水
リチウム二次電池では、初期容量及び容量保持率が不十
分であり、充放電サイクル特性が不十分であった。
【0008】更に、特開平6−203834号、特開平
7−245106号、特開平7−307155号等の公
報には、二酸化マンガン又はマンガン塩とリチウム化合
物との混合物を熱処理して得たリチウムとマンガンとの
複酸化物をリチウム二次電池の正極材料として用いるこ
とが提案されている。しかしながら、何れの技術で得ら
れたリチウムマンガン複酸化物も、高い初期容量及び長
期の容量保持率を有する二次電池を提供することはでき
ない。
7−245106号、特開平7−307155号等の公
報には、二酸化マンガン又はマンガン塩とリチウム化合
物との混合物を熱処理して得たリチウムとマンガンとの
複酸化物をリチウム二次電池の正極材料として用いるこ
とが提案されている。しかしながら、何れの技術で得ら
れたリチウムマンガン複酸化物も、高い初期容量及び長
期の容量保持率を有する二次電池を提供することはでき
ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、非
水リチウム二次電池の正極材料として用いることにより
初期容量及び容量保持率が改良され、充放電サイクル特
性に優れた非水リチウム二次電池を構成することができ
るリチウムマンガン複酸化物、その製造方法及びそのよ
うなリチウムマンガン複酸化物を正極材料として用いて
おり、優れた初期容量及び容量保持率を有し、特に高温
での充放電サイクル特性に優れている非水リチウム二次
電池を提供することを課題としている。
水リチウム二次電池の正極材料として用いることにより
初期容量及び容量保持率が改良され、充放電サイクル特
性に優れた非水リチウム二次電池を構成することができ
るリチウムマンガン複酸化物、その製造方法及びそのよ
うなリチウムマンガン複酸化物を正極材料として用いて
おり、優れた初期容量及び容量保持率を有し、特に高温
での充放電サイクル特性に優れている非水リチウム二次
電池を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を達成するために鋭意検討し、種々の実験を行った結
果、リチウム化合物とマンガン化合物とを湿式混合する
こと、その乾燥物の解砕、特定条件下での焼成、特定温
度迄の冷却を繰り返すことにより得られるリチウムマン
ガン複酸化物はその組成、結晶構造等について必ずしも
明確ではないが、そのようにして得られたリチウムマン
ガン複酸化物は正極材料として用いることにより初期容
量及び容量保持率の改良された非水リチウム二次電池を
構成することができることを見いだし、本発明を完成し
た。
題を達成するために鋭意検討し、種々の実験を行った結
果、リチウム化合物とマンガン化合物とを湿式混合する
こと、その乾燥物の解砕、特定条件下での焼成、特定温
度迄の冷却を繰り返すことにより得られるリチウムマン
ガン複酸化物はその組成、結晶構造等について必ずしも
明確ではないが、そのようにして得られたリチウムマン
ガン複酸化物は正極材料として用いることにより初期容
量及び容量保持率の改良された非水リチウム二次電池を
構成することができることを見いだし、本発明を完成し
た。
【0011】即ち、本発明のリチウムマンガン複酸化物
は、リチウム化合物とマンガン化合物とを湿式混合し、
得られたスラリー乃至ペーストを乾燥し、その乾燥物を
一次解砕し、その解砕物を350〜600℃で一次焼成
し、45℃以下に冷却し、二次解砕した後、酸素気流中
800〜1000℃で二次焼成し、100℃以下に冷却
し、三次解砕した後、400〜700℃で三次焼成する
ことにより得られるリチウムマンガン複酸化物であっ
て、正極材料として用いることにより初期容量及び容量
保持率の改良された非水リチウム二次電池を構成するこ
とができるリチウムマンガン複酸化物である。
は、リチウム化合物とマンガン化合物とを湿式混合し、
得られたスラリー乃至ペーストを乾燥し、その乾燥物を
一次解砕し、その解砕物を350〜600℃で一次焼成
し、45℃以下に冷却し、二次解砕した後、酸素気流中
800〜1000℃で二次焼成し、100℃以下に冷却
し、三次解砕した後、400〜700℃で三次焼成する
ことにより得られるリチウムマンガン複酸化物であっ
て、正極材料として用いることにより初期容量及び容量
保持率の改良された非水リチウム二次電池を構成するこ
とができるリチウムマンガン複酸化物である。
【0012】また、本発明のリチウムマンガン複酸化物
の製造方法は、リチウム化合物とマンガン化合物とを湿
式混合し、得られたスラリー乃至ペーストを乾燥し、そ
の乾燥物を一次解砕し、その解砕物を350〜600℃
で一次焼成し、45℃以下に冷却し、二次解砕した後、
酸素気流中800〜1000℃で二次焼成し、100℃
以下に冷却し、三次解砕した後、400〜700℃で三
次焼成することを特徴とする。
の製造方法は、リチウム化合物とマンガン化合物とを湿
式混合し、得られたスラリー乃至ペーストを乾燥し、そ
の乾燥物を一次解砕し、その解砕物を350〜600℃
で一次焼成し、45℃以下に冷却し、二次解砕した後、
酸素気流中800〜1000℃で二次焼成し、100℃
以下に冷却し、三次解砕した後、400〜700℃で三
次焼成することを特徴とする。
【0013】更に、本発明の非水リチウム二次電池は、
正極材料として請求項1記載のリチウムマンガン複酸化
物を用い、負極材料として金属リチウム、リチウム合
金、又はリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料若しく
は金属酸化物を用いて構成されていることを特徴とす
る。
正極材料として請求項1記載のリチウムマンガン複酸化
物を用い、負極材料として金属リチウム、リチウム合
金、又はリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料若しく
は金属酸化物を用いて構成されていることを特徴とす
る。
【0014】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について更に詳細
に説明する。本発明で出発原料として用いることのでき
るリチウム化合物として、LiOH、LiF、Li2 C
O3 、LiNO3 、Li2 SO4 等を挙げることができ
るが、特に限定されるものではない。
に説明する。本発明で出発原料として用いることのでき
るリチウム化合物として、LiOH、LiF、Li2 C
O3 、LiNO3 、Li2 SO4 等を挙げることができ
るが、特に限定されるものではない。
【0015】本発明で出発原料として用いることのでき
るマンガン化合物として、二酸化マンガン、炭酸マンガ
ン等を挙げることができ、二酸化マンガン、炭酸マンガ
ンとして種々のものを使用することができる。例えば、
二酸化マンガンとして、マンガン鉱石を400℃以上の
温度で焼成して得られるMn2 O3 、Mn3 O4 等の低
級マンガン酸化物を硫酸や硝酸、又はこれらの混合物等
の鉱酸により不均化反応させることによって得られる化
学合成二酸化マンガンを使用することができる。また、
電解によって得られる電解二酸化マンガンを使用するこ
ともできる。
るマンガン化合物として、二酸化マンガン、炭酸マンガ
ン等を挙げることができ、二酸化マンガン、炭酸マンガ
ンとして種々のものを使用することができる。例えば、
二酸化マンガンとして、マンガン鉱石を400℃以上の
温度で焼成して得られるMn2 O3 、Mn3 O4 等の低
級マンガン酸化物を硫酸や硝酸、又はこれらの混合物等
の鉱酸により不均化反応させることによって得られる化
学合成二酸化マンガンを使用することができる。また、
電解によって得られる電解二酸化マンガンを使用するこ
ともできる。
【0016】本発明においてはリチウム化合物とマンガ
ン化合物とを湿式で混合してスラリー乃至ペーストを形
成する。この湿式混合の際にスラリーが形成されるかペ
ーストが形成されるかは、湿式混合でリチウム化合物が
スラリー乃至ペーストを構成する水に溶解した状態にな
り、この溶解したリチウム化合物がマンガン化合物中に
高度に分散した状態になるように十分な量の水を用いる
が、しかしその後の乾燥の際のコストを考慮してなるべ
く少ない量の水を用いることが好ましいので、その用い
る水の量によって変化する。このような状態にすること
により、後述する工程を経て得られるリチウムマンガン
複酸化物は組成的に非常に均一となり、従って、放電容
量の高いものとなる。これに対して、これらの化合物を
乾式で混合すると、混合が不十分となるため、得られる
リチウムマンガン複酸化物におけるマンガン酸リチウム
の組成が不均一となり、放電容量の高いリチウムマンガ
ン複酸化物を得ることができない。
ン化合物とを湿式で混合してスラリー乃至ペーストを形
成する。この湿式混合の際にスラリーが形成されるかペ
ーストが形成されるかは、湿式混合でリチウム化合物が
スラリー乃至ペーストを構成する水に溶解した状態にな
り、この溶解したリチウム化合物がマンガン化合物中に
高度に分散した状態になるように十分な量の水を用いる
が、しかしその後の乾燥の際のコストを考慮してなるべ
く少ない量の水を用いることが好ましいので、その用い
る水の量によって変化する。このような状態にすること
により、後述する工程を経て得られるリチウムマンガン
複酸化物は組成的に非常に均一となり、従って、放電容
量の高いものとなる。これに対して、これらの化合物を
乾式で混合すると、混合が不十分となるため、得られる
リチウムマンガン複酸化物におけるマンガン酸リチウム
の組成が不均一となり、放電容量の高いリチウムマンガ
ン複酸化物を得ることができない。
【0017】上記の湿式混合においては、例えば、水酸
化リチウム(LiOH・H2 O)とマンガン化合物と
を、通常、LiとMnとのモル比が0.7:2〜1.
3:2、好ましくは、1:2〜1.1:2となるように
配合し、水を加えてスラリー乃至ペースト状とし、これ
をポットミルを用いて混合する。水の添加量は、水酸化
リチウムとマンガン化合物との合計量を基準にして、例
えば、10〜40質量%、好ましくは15〜25質量%
に相当する量とする。水の添加量が10質量%未満の場
合には、得られる含水混合物において水酸化リチウムの
溶解量が十分ではなく、かつ粘度が高くて分散が困難と
なる傾向がある。一方、水の添加量が40質量%を超え
る場合には、得られる含水混合物の乾燥に比較的長時間
を要し(乾燥速度が遅くなり)、また乾燥中に生じる固
液分離が大きくなり、従ってリチウムの均一分散が大き
く阻害される傾向がある。
化リチウム(LiOH・H2 O)とマンガン化合物と
を、通常、LiとMnとのモル比が0.7:2〜1.
3:2、好ましくは、1:2〜1.1:2となるように
配合し、水を加えてスラリー乃至ペースト状とし、これ
をポットミルを用いて混合する。水の添加量は、水酸化
リチウムとマンガン化合物との合計量を基準にして、例
えば、10〜40質量%、好ましくは15〜25質量%
に相当する量とする。水の添加量が10質量%未満の場
合には、得られる含水混合物において水酸化リチウムの
溶解量が十分ではなく、かつ粘度が高くて分散が困難と
なる傾向がある。一方、水の添加量が40質量%を超え
る場合には、得られる含水混合物の乾燥に比較的長時間
を要し(乾燥速度が遅くなり)、また乾燥中に生じる固
液分離が大きくなり、従ってリチウムの均一分散が大き
く阻害される傾向がある。
【0018】なお、リチウム化合物とマンガン化合物と
を湿式混合する際に、B、Mg、Al、V、Cr、C
o、Ni、Zn及びGaの各々の水溶性化合物から選ば
れる少なくとも1種をそのまま添加するか又は水溶液と
して添加することも可能であり、このような化合物を添
加することにより充放電サイクル特性を更に改善するこ
とができる。
を湿式混合する際に、B、Mg、Al、V、Cr、C
o、Ni、Zn及びGaの各々の水溶性化合物から選ば
れる少なくとも1種をそのまま添加するか又は水溶液と
して添加することも可能であり、このような化合物を添
加することにより充放電サイクル特性を更に改善するこ
とができる。
【0019】上記のようにして得られたスラリー乃至ペ
ーストを、次いで、好適には70〜180℃で乾燥す
る。乾燥温度が70℃よりも低い場合には、乾燥速度が
遅くなり、生産効率が落ちるので好ましくない。一方、
乾燥温度が180℃を越える場合には、乾燥機自体の高
性能化が必要であり、装置設備コスト、ひいては操業コ
ストがかかるので経済的に好ましくなく、また、乾燥速
度が速くなるのでLiとMnとの接触時間が相対的に短
くなり、MnへのLiの浸透反応時間が短くなるので好
ましくない。
ーストを、次いで、好適には70〜180℃で乾燥す
る。乾燥温度が70℃よりも低い場合には、乾燥速度が
遅くなり、生産効率が落ちるので好ましくない。一方、
乾燥温度が180℃を越える場合には、乾燥機自体の高
性能化が必要であり、装置設備コスト、ひいては操業コ
ストがかかるので経済的に好ましくなく、また、乾燥速
度が速くなるのでLiとMnとの接触時間が相対的に短
くなり、MnへのLiの浸透反応時間が短くなるので好
ましくない。
【0020】得られた乾燥物を次いで解砕する。解砕の
程度は解砕物の平均粒径が0.5〜50μm、好ましく
は5〜30μmとなるようにする。解砕物の平均粒径が
50μmを超える場合には十分な均一混合が困難にな
る。解砕物の平均粒径が0.5μmよりも小さい場合に
は、解砕過剰で、生成化合物の結晶構造を破壊する懸念
があり、更に作業者が徴粉吸入の危険にさらされる可能
性が増大する。
程度は解砕物の平均粒径が0.5〜50μm、好ましく
は5〜30μmとなるようにする。解砕物の平均粒径が
50μmを超える場合には十分な均一混合が困難にな
る。解砕物の平均粒径が0.5μmよりも小さい場合に
は、解砕過剰で、生成化合物の結晶構造を破壊する懸念
があり、更に作業者が徴粉吸入の危険にさらされる可能
性が増大する。
【0021】このようにして得られた解砕物(粒状物)
を、次いで、350〜600℃、好ましくは400〜5
00℃、更に好ましくは450〜500℃の温度におい
て焼成する。水酸化リチウムの融点は445℃であるの
で、特に450〜500℃の温度で焼成することによ
り、リチウムイオンがマンガン化合物の細孔内部に浸透
し、均一なマンガン酸リチウムが得られる。
を、次いで、350〜600℃、好ましくは400〜5
00℃、更に好ましくは450〜500℃の温度におい
て焼成する。水酸化リチウムの融点は445℃であるの
で、特に450〜500℃の温度で焼成することによ
り、リチウムイオンがマンガン化合物の細孔内部に浸透
し、均一なマンガン酸リチウムが得られる。
【0022】このようにして得られた焼成物を、一旦、
45℃以下、好ましくは25℃以下、更に好ましくは2
0℃以下に冷却した後、二次解砕する。冷却温度の下限
としては、実際の操作上、0℃以上が適当である。この
冷却操作によって更に均一なリチウムマンガン複酸化物
を得ることが出来る。この二次解砕の条件は、一次焼成
前の解砕の場合と同様である。
45℃以下、好ましくは25℃以下、更に好ましくは2
0℃以下に冷却した後、二次解砕する。冷却温度の下限
としては、実際の操作上、0℃以上が適当である。この
冷却操作によって更に均一なリチウムマンガン複酸化物
を得ることが出来る。この二次解砕の条件は、一次焼成
前の解砕の場合と同様である。
【0023】このようにして得られた二次解砕物を、次
いで、二次焼成する。この二次焼成は、酸素気流中で8
00〜1000℃、好ましくは850〜950℃で行
う。この二次焼成により、組成の均一化及び未反応物の
反応促進を効率良く達成することができるので、高容量
の二次電池を構成するのに用いることができるリチウム
マンガン複酸化物を得ることができる。二次焼成温度が
800℃未満の場合には、反応が不十分であるのでリチ
ウムマンガン複酸化物の結晶性は不十分となるだけでな
く、未反応物の残留や副生成物が生じ、正極活物質とし
て十分な特性を達成することができない。
いで、二次焼成する。この二次焼成は、酸素気流中で8
00〜1000℃、好ましくは850〜950℃で行
う。この二次焼成により、組成の均一化及び未反応物の
反応促進を効率良く達成することができるので、高容量
の二次電池を構成するのに用いることができるリチウム
マンガン複酸化物を得ることができる。二次焼成温度が
800℃未満の場合には、反応が不十分であるのでリチ
ウムマンガン複酸化物の結晶性は不十分となるだけでな
く、未反応物の残留や副生成物が生じ、正極活物質とし
て十分な特性を達成することができない。
【0024】一般的には、焼成温度が800℃を越える
と、リチウムマンガン複酸化物の結晶性が高くなるが、
酸素欠損のためにリチウムイオンの侵入、脱離による結
晶崩壊が起こり易くなり、そのようなリチウムマンガン
複酸化物を正極材料として用いた二次電池では充放電サ
イクル特性が低下すると考えられていたが、本発明にお
いては酸素気流中で焼成するので酸素の脱離を抑制する
ことができ、1000℃迄の焼成温度が可能となった。
と、リチウムマンガン複酸化物の結晶性が高くなるが、
酸素欠損のためにリチウムイオンの侵入、脱離による結
晶崩壊が起こり易くなり、そのようなリチウムマンガン
複酸化物を正極材料として用いた二次電池では充放電サ
イクル特性が低下すると考えられていたが、本発明にお
いては酸素気流中で焼成するので酸素の脱離を抑制する
ことができ、1000℃迄の焼成温度が可能となった。
【0025】このようにして得られた焼成物を、一旦、
100℃以下、好ましくは45℃以下、更に好ましくは
20℃以下に冷却する。次いで解砕し、その解砕物を4
00〜700℃で焼成(三次焼成)する。この三次焼成
により、より均一なリチウムマンガン複酸化物となる。
100℃以下、好ましくは45℃以下、更に好ましくは
20℃以下に冷却する。次いで解砕し、その解砕物を4
00〜700℃で焼成(三次焼成)する。この三次焼成
により、より均一なリチウムマンガン複酸化物となる。
【0026】上記のようにして得られたリチウムマンガ
ン複酸化物は、従来と同様に正極材料として用いること
により初期容量及び容量保持率の改良された非水リチウ
ム二次電池を構成することができる。本発明のリチウム
マンガン複酸化物は従来公知のリチウムマンガン複酸化
物よりも優れた特性を発揮する理由は不明であるが、3
回の解砕、3回の焼成、2回の冷却により従来公知のリ
チウムマンガン複酸化物とは異なった組成、結晶構造と
なっているものと思われる。
ン複酸化物は、従来と同様に正極材料として用いること
により初期容量及び容量保持率の改良された非水リチウ
ム二次電池を構成することができる。本発明のリチウム
マンガン複酸化物は従来公知のリチウムマンガン複酸化
物よりも優れた特性を発揮する理由は不明であるが、3
回の解砕、3回の焼成、2回の冷却により従来公知のリ
チウムマンガン複酸化物とは異なった組成、結晶構造と
なっているものと思われる。
【0027】本発明の非水リチウム二次電池は、正極材
料として上記のリチウムマンガン複酸化物を用い、負極
材料として従来より使用されている金属リチウム又はリ
チウム合金を用いるか、又はリチウムの吸蔵・放出が可
能な炭素材料若しくは金属酸化物を用いて構成される。
無論、織布、硝子繊維、多孔性合成樹脂膜等のセパレー
ターを用いるが、その材質については特には限定されな
い。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン系の多孔膜
は薄膜でかつ大面積化でき、また膜強度や膜抵抗の面で
適当である。
料として上記のリチウムマンガン複酸化物を用い、負極
材料として従来より使用されている金属リチウム又はリ
チウム合金を用いるか、又はリチウムの吸蔵・放出が可
能な炭素材料若しくは金属酸化物を用いて構成される。
無論、織布、硝子繊維、多孔性合成樹脂膜等のセパレー
ターを用いるが、その材質については特には限定されな
い。例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン系の多孔膜
は薄膜でかつ大面積化でき、また膜強度や膜抵抗の面で
適当である。
【0028】本発明の非水リチウム二次電池で用いる非
水電解液の溶媒は、通常用いられている物で良く、例え
ばカーボネート類、塩素化炭化水素、エーテル類、ケト
ン類、ニトリル類等を用いることが出来る。高誘電率溶
媒であるエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカ
ーボネート(PC)、γーブチルラクトン(GBL)等
から少なくとも1種類を選択し、低粘度溶媒であるジエ
チルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート
(DMC)、エステル類等から少なくとも1種類を選択
し、その混合液を用いることが好ましい。支持塩として
はLiClO4 、LiI、LiPF6 、LiAlC
l4 、LiBF4 、CF3 SO3 Li等の少なくとも1
種類を用いる。電池を使用する環境、電池用途への最適
化を考慮して電解液、支持塩は適宜選定・調整すればよ
いが、0.8〜1.5MのLiPF6 、LiBF4 、L
iClO4 を支持塩として用い、EC+DEC、PC+
DMC、PC+EMCのうちの少なくとも1種類を溶媒
として用いることが望ましい。電池の構造としては角
形、ペーパー型、積層型、円筒型、コイン型など様々な
形状を採用することが出来る。また、その他の構成部品
としては集電帯、絶縁板等があるが、これらは特に限定
される物ではなく、上記の形状に応じて適宜選定すれば
よい。
水電解液の溶媒は、通常用いられている物で良く、例え
ばカーボネート類、塩素化炭化水素、エーテル類、ケト
ン類、ニトリル類等を用いることが出来る。高誘電率溶
媒であるエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカ
ーボネート(PC)、γーブチルラクトン(GBL)等
から少なくとも1種類を選択し、低粘度溶媒であるジエ
チルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート
(DMC)、エステル類等から少なくとも1種類を選択
し、その混合液を用いることが好ましい。支持塩として
はLiClO4 、LiI、LiPF6 、LiAlC
l4 、LiBF4 、CF3 SO3 Li等の少なくとも1
種類を用いる。電池を使用する環境、電池用途への最適
化を考慮して電解液、支持塩は適宜選定・調整すればよ
いが、0.8〜1.5MのLiPF6 、LiBF4 、L
iClO4 を支持塩として用い、EC+DEC、PC+
DMC、PC+EMCのうちの少なくとも1種類を溶媒
として用いることが望ましい。電池の構造としては角
形、ペーパー型、積層型、円筒型、コイン型など様々な
形状を採用することが出来る。また、その他の構成部品
としては集電帯、絶縁板等があるが、これらは特に限定
される物ではなく、上記の形状に応じて適宜選定すれば
よい。
【0029】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細
に説明するが、本発明はこれらによって限定されること
はない。 <実施例1>水酸化リチウム(LiOH・H2 O)と電
解二酸化マンガン(EMD)とを、LiとMnとのモル
比が1.1:2となるように配合し、その配合物の合計
量の20質量%に相当する量の脱イオン水を加えてスラ
リー乃至ペーストを調製した。このスラリー乃至ペース
トをポットミル中で混合した後、80℃で乾燥し、その
乾燥物を一次解砕した。解砕物の平均粒径は10μmで
あった。この解砕物を大気雰囲気下、470℃で24時
間一次焼成した。次いで、その焼成物を室温(20℃)
まで下げた後、平均粒径が10μmとなるように解砕
し、その解砕物を酸素気流中、950℃で48時間二次
焼成した。この焼成物を室温(20℃)まで下げた後、
平均粒径が10μmとなるように解砕し、大気雰囲気
中、650℃で24時間三次焼成した。
に説明するが、本発明はこれらによって限定されること
はない。 <実施例1>水酸化リチウム(LiOH・H2 O)と電
解二酸化マンガン(EMD)とを、LiとMnとのモル
比が1.1:2となるように配合し、その配合物の合計
量の20質量%に相当する量の脱イオン水を加えてスラ
リー乃至ペーストを調製した。このスラリー乃至ペース
トをポットミル中で混合した後、80℃で乾燥し、その
乾燥物を一次解砕した。解砕物の平均粒径は10μmで
あった。この解砕物を大気雰囲気下、470℃で24時
間一次焼成した。次いで、その焼成物を室温(20℃)
まで下げた後、平均粒径が10μmとなるように解砕
し、その解砕物を酸素気流中、950℃で48時間二次
焼成した。この焼成物を室温(20℃)まで下げた後、
平均粒径が10μmとなるように解砕し、大気雰囲気
中、650℃で24時間三次焼成した。
【0030】得られた焼成物のX繰回折及び化学分析の
結果、その組成はLiMn2 04 であるマンガン酸リチ
ウムであることが確認できた。正極活物質としてこの焼
成物82質量部を用い、更に、アセチレンブラック10
質量部を用い、バインダーとしてポリ弗化ビニリデン8
質量部を予めN−メチルー2−ピロリドン58質量部に
溶解したものを用い、これらを十分に混合してペースト
を得た。
結果、その組成はLiMn2 04 であるマンガン酸リチ
ウムであることが確認できた。正極活物質としてこの焼
成物82質量部を用い、更に、アセチレンブラック10
質量部を用い、バインダーとしてポリ弗化ビニリデン8
質量部を予めN−メチルー2−ピロリドン58質量部に
溶解したものを用い、これらを十分に混合してペースト
を得た。
【0031】このペーストをアルミニウム綱に塗布し、
圧着し、乾燥させることによって正極板を作成した。対
極には、正極と同じ大きさの金属リチウム板を使用し、
正極電位測定には金属リチウム基準電極を用いた。電解
液として1mol/dm3 の濃度でLiPF6 を溶解し
たエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの
1:1の混合溶媒を用いることによって試験電池を作成
した。
圧着し、乾燥させることによって正極板を作成した。対
極には、正極と同じ大きさの金属リチウム板を使用し、
正極電位測定には金属リチウム基準電極を用いた。電解
液として1mol/dm3 の濃度でLiPF6 を溶解し
たエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの
1:1の混合溶媒を用いることによって試験電池を作成
した。
【0032】<実施例2>酸素気流中、940℃で48
時間二次焼成した以外は、実施例1と同様にして試験電
池を作成した。 <実施例3>酸素気流中、930℃で48時間二次焼成
した以外は、実施例1と同様にして試験電池を作成し
た。
時間二次焼成した以外は、実施例1と同様にして試験電
池を作成した。 <実施例3>酸素気流中、930℃で48時間二次焼成
した以外は、実施例1と同様にして試験電池を作成し
た。
【0033】<実施例4>酸素気流中、920℃で48
時間二次焼成した以外は、実施例1と同様にして試験電
池を作成した。 <実施例5>酸素気流中、910℃で48時間二次焼成
した以外は、実施例1と同様にして試験電池を作成し
た。
時間二次焼成した以外は、実施例1と同様にして試験電
池を作成した。 <実施例5>酸素気流中、910℃で48時間二次焼成
した以外は、実施例1と同様にして試験電池を作成し
た。
【0034】<実施例6>酸素気流中、900℃で48
時間二次焼成した以外は、実施例1と同様にして試験電
池を作成した。 <実施例7>酸素気流中、920℃で48時間二次焼成
し、この焼成物を室温(20℃)まで下げた後、平均粒
径が10μmとなるように解砕し、大気雰囲気中、70
0℃で24時間三次焼成した以外は、実施例1と同様に
して試験電池を作成した。
時間二次焼成した以外は、実施例1と同様にして試験電
池を作成した。 <実施例7>酸素気流中、920℃で48時間二次焼成
し、この焼成物を室温(20℃)まで下げた後、平均粒
径が10μmとなるように解砕し、大気雰囲気中、70
0℃で24時間三次焼成した以外は、実施例1と同様に
して試験電池を作成した。
【0035】<実施例8>酸素気流中、920℃で48
時間二次焼成し、この焼成物を室温(20℃)まで下げ
た後、平均粒径が10μmとなるように解砕し、大気雰
囲気中、640℃で24時間三次焼成した以外は、実施
例1と同様にして試験電池を作成した。
時間二次焼成し、この焼成物を室温(20℃)まで下げ
た後、平均粒径が10μmとなるように解砕し、大気雰
囲気中、640℃で24時間三次焼成した以外は、実施
例1と同様にして試験電池を作成した。
【0036】<実施例9>酸素気流中、920℃で48
時間二次焼成し、この焼成物を室温(20℃)まで下げ
た後、平均粒径が10μmとなるように解砕し、大気雰
囲気中、630℃で24時間三次焼成した以外は、実施
例1と同様にして試験電池を作成した。
時間二次焼成し、この焼成物を室温(20℃)まで下げ
た後、平均粒径が10μmとなるように解砕し、大気雰
囲気中、630℃で24時間三次焼成した以外は、実施
例1と同様にして試験電池を作成した。
【0037】<実施例10>酸素気流中、920℃で4
8時間二次焼成し、この焼成物を室温(20℃)まで下
げた後、平均粒径が10μmとなるように解砕し、大気
雰囲気中、620℃で24時間三次焼成した以外は、実
施例1と同様にして試験電池を作成した。
8時間二次焼成し、この焼成物を室温(20℃)まで下
げた後、平均粒径が10μmとなるように解砕し、大気
雰囲気中、620℃で24時間三次焼成した以外は、実
施例1と同様にして試験電池を作成した。
【0038】<実施例11>酸素気流中、920℃で4
8時間二次焼成し、この焼成物を室温(20℃)まで下
げた後、平均粒径が10μmとなるように解砕し、大気
雰囲気中、610℃で24時間三次焼成した以外は、実
施例1と同様にして試験電池を作成した。
8時間二次焼成し、この焼成物を室温(20℃)まで下
げた後、平均粒径が10μmとなるように解砕し、大気
雰囲気中、610℃で24時間三次焼成した以外は、実
施例1と同様にして試験電池を作成した。
【0039】<実施例12>酸素気流中、920℃で4
8時間二次焼成し、この焼成物を室温(20℃)まで下
げた後、平均粒径が10μmとなるように解砕し、大気
雰囲気中、600℃で24時間三次焼成した以外は、実
施例1と同様にして試験電池を作成した。
8時間二次焼成し、この焼成物を室温(20℃)まで下
げた後、平均粒径が10μmとなるように解砕し、大気
雰囲気中、600℃で24時間三次焼成した以外は、実
施例1と同様にして試験電池を作成した。
【0040】<比較例1>水酸化リチウム(LiOH・
H2 O)と電解二酸化マンガン(EMD)とを、Liと
Mnとのモル比が1.1:2となるように配合し、その
配合物の合計量の20質量%に相当する量の脱イオン水
を加えてスラリー乃至ペーストを調製した。このスラリ
ー乃至ペーストをポットミル中で混合した後、150℃
で乾燥し、その乾燥物を大気雰囲気下、470℃で24
時間一次焼成した。この焼成物を解砕後、酸素気流中、
750℃で48時間二次焼成した。この焼成物を解砕
後、大気雰囲気下、650℃で24時間三次焼成した。
これを正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様
にして試験電池を作成した。
H2 O)と電解二酸化マンガン(EMD)とを、Liと
Mnとのモル比が1.1:2となるように配合し、その
配合物の合計量の20質量%に相当する量の脱イオン水
を加えてスラリー乃至ペーストを調製した。このスラリ
ー乃至ペーストをポットミル中で混合した後、150℃
で乾燥し、その乾燥物を大気雰囲気下、470℃で24
時間一次焼成した。この焼成物を解砕後、酸素気流中、
750℃で48時間二次焼成した。この焼成物を解砕
後、大気雰囲気下、650℃で24時間三次焼成した。
これを正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様
にして試験電池を作成した。
【0041】<比較例2>水酸化リチウム(LiOH・
H2 O)と電解二酸化マンガン(EMD)とを、Liと
Mnとのモル比が1.1:2となるように配合し、その
配合物の合計量の20質量%に相当する量の脱イオン水
を加えてスラリー乃至ペーストを調製した。このスラリ
ー乃至ペーストをポットミル中で混合した後、150℃
で乾燥し、その乾燥物を大気雰囲気下、470℃で24
時間一次焼成した。この焼成物を解砕後、大気雰囲気
下、950℃で48時間二次焼成した。この焼成物を解
砕後、大気雰囲気下、650℃で24時間三次焼成し
た。これを正極活物質として用いた以外は、実施例1と
同様にして試験電池を作成した。
H2 O)と電解二酸化マンガン(EMD)とを、Liと
Mnとのモル比が1.1:2となるように配合し、その
配合物の合計量の20質量%に相当する量の脱イオン水
を加えてスラリー乃至ペーストを調製した。このスラリ
ー乃至ペーストをポットミル中で混合した後、150℃
で乾燥し、その乾燥物を大気雰囲気下、470℃で24
時間一次焼成した。この焼成物を解砕後、大気雰囲気
下、950℃で48時間二次焼成した。この焼成物を解
砕後、大気雰囲気下、650℃で24時間三次焼成し
た。これを正極活物質として用いた以外は、実施例1と
同様にして試験電池を作成した。
【0042】<比較例3>水酸化リチウム(LiOH・
H2 O)と電解二酸化マンガン(EMD)とを、Liと
Mnとのモル比が1.1:2となるように配合し、その
配合物の合計量の20質量%に相当する量の脱イオン水
を加えてスラリー乃至ペーストを調製した。このスラリ
ー乃至ペーストをポットミル中で混合した後、150℃
で乾燥し、その乾燥物を大気雰囲気下、470℃で24
時間一次焼成した。この焼成物を解砕後、大気雰囲気
下、920℃で48時間二次焼成した。この焼成物を解
砕後、大気雰囲気下、650℃で24時間三次焼成し
た。これを正極活物質として用いた以外は、実施例1と
同様にして試験電池を作成した。
H2 O)と電解二酸化マンガン(EMD)とを、Liと
Mnとのモル比が1.1:2となるように配合し、その
配合物の合計量の20質量%に相当する量の脱イオン水
を加えてスラリー乃至ペーストを調製した。このスラリ
ー乃至ペーストをポットミル中で混合した後、150℃
で乾燥し、その乾燥物を大気雰囲気下、470℃で24
時間一次焼成した。この焼成物を解砕後、大気雰囲気
下、920℃で48時間二次焼成した。この焼成物を解
砕後、大気雰囲気下、650℃で24時間三次焼成し
た。これを正極活物質として用いた以外は、実施例1と
同様にして試験電池を作成した。
【0043】<特性試験>以上のようにして作成した実
施例1〜12及び比較例1〜3の試験電池を電流密度
0.5mA/cm2 の定電流で4.3Vまで充電した
後、3.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返すこ
とによって放電特性を評価した。その際、1充放電サイ
クル目の放電容量を初期容量(mAh/g)とし、初期
容量に対する10充放電サイクル目及び50サイクル目
の放電容量を容量保持率(%)として求めた。それらの
結果を第1表に示す通りであった。
施例1〜12及び比較例1〜3の試験電池を電流密度
0.5mA/cm2 の定電流で4.3Vまで充電した
後、3.0Vまで放電する充放電サイクルを繰り返すこ
とによって放電特性を評価した。その際、1充放電サイ
クル目の放電容量を初期容量(mAh/g)とし、初期
容量に対する10充放電サイクル目及び50サイクル目
の放電容量を容量保持率(%)として求めた。それらの
結果を第1表に示す通りであった。
【0044】
【表1】
【0045】第1表に示すように、本発明の実施例1〜
12の試験電池では、所定の充放電条件下で、高い初期
容量及び高い容量保持率が得られた。一方、本発明の範
囲から外れる比較例1〜3の試験電池では、初期容量及
び容量保持率が低いか、又は容量保持率が低く、充放電
サイクル特性が悪かった。
12の試験電池では、所定の充放電条件下で、高い初期
容量及び高い容量保持率が得られた。一方、本発明の範
囲から外れる比較例1〜3の試験電池では、初期容量及
び容量保持率が低いか、又は容量保持率が低く、充放電
サイクル特性が悪かった。
【0046】
【発明の効果】本発明の製造方法によって得られる本発
明のリチウムマンガン複酸化物は、非水リチウム二次電
池の正極材料として用いることにより初期容量及び容量
保持率が改良され、充放電サイクル特性に優れた非水リ
チウム二次電池を構成することができる。また、そのよ
うなリチウムマンガン複酸化物を正極材料として用いて
いる本発明の非水リチウム二次電池は優れた初期容量及
び容量保持率を有し、特に高温での充放電サイクル特性
に優れている。
明のリチウムマンガン複酸化物は、非水リチウム二次電
池の正極材料として用いることにより初期容量及び容量
保持率が改良され、充放電サイクル特性に優れた非水リ
チウム二次電池を構成することができる。また、そのよ
うなリチウムマンガン複酸化物を正極材料として用いて
いる本発明の非水リチウム二次電池は優れた初期容量及
び容量保持率を有し、特に高温での充放電サイクル特性
に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅津 豊 京都府長岡市今里2−18−14 Fターム(参考) 4G048 AA04 AB02 AC06 AE05 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL06 AL12 AM03 AM05 AM07 CJ02 CJ28 HJ14 5H050 AA07 AA08 BA17 CA09 CB07 CB12 EA10 EA24 FA17 GA02 GA05 GA26 GA27 HA14
Claims (3)
- 【請求項1】リチウム化合物とマンガン化合物とを湿式
混合し、得られたスラリー乃至ペーストを乾燥し、その
乾燥物を一次解砕し、その解砕物を350〜600℃で
一次焼成し、45℃以下に冷却し、二次解砕した後、酸
素気流中800〜1000℃で二次焼成し、100℃以
下に冷却し、三次解砕した後、400〜700℃で三次
焼成することにより得られるリチウムマンガン複酸化物
であって、正極材料として用いることにより初期容量及
び容量保持率の改良された非水リチウム二次電池を構成
することができるリチウムマンガン複酸化物。 - 【請求項2】リチウム化合物とマンガン化合物とを湿式
混合し、得られたスラリー乃至ペーストを乾燥し、その
乾燥物を一次解砕し、その解砕物を350〜600℃で
一次焼成し、45℃以下に冷却し、二次解砕した後、酸
素気流中800〜1000℃で二次焼成し、100℃以
下に冷却し、三次解砕した後、400〜700℃で三次
焼成することを特徴とするリチウムマンガン複酸化物の
製造方法。 - 【請求項3】正極材料として請求項1記載のリチウムマ
ンガン複酸化物を用い、負極材料として金属リチウム、
リチウム合金、又はリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素
材料若しくは金属酸化物を用いて構成されていることを
特徴とする非水リチウム二次電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000127327A JP2001302247A (ja) | 2000-04-27 | 2000-04-27 | リチウムマンガン複酸化物、その製造方法及び二次電池 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000127327A JP2001302247A (ja) | 2000-04-27 | 2000-04-27 | リチウムマンガン複酸化物、その製造方法及び二次電池 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001302247A true JP2001302247A (ja) | 2001-10-31 |
Family
ID=18636942
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2000127327A Pending JP2001302247A (ja) | 2000-04-27 | 2000-04-27 | リチウムマンガン複酸化物、その製造方法及び二次電池 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2001302247A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002151070A (ja) * | 2000-11-06 | 2002-05-24 | Japan Storage Battery Co Ltd | 非水電解質二次電池 |
CN112366314A (zh) * | 2020-11-19 | 2021-02-12 | 惠州亿纬锂能股份有限公司 | 一种锂离子电池负极浆料及其制备方法与锂离子电池 |
CN112366310A (zh) * | 2020-11-19 | 2021-02-12 | 惠州亿纬锂能股份有限公司 | 一种锂离子电池正极浆料及其制备方法与锂离子电池 |
-
2000
- 2000-04-27 JP JP2000127327A patent/JP2001302247A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002151070A (ja) * | 2000-11-06 | 2002-05-24 | Japan Storage Battery Co Ltd | 非水電解質二次電池 |
CN112366314A (zh) * | 2020-11-19 | 2021-02-12 | 惠州亿纬锂能股份有限公司 | 一种锂离子电池负极浆料及其制备方法与锂离子电池 |
CN112366310A (zh) * | 2020-11-19 | 2021-02-12 | 惠州亿纬锂能股份有限公司 | 一种锂离子电池正极浆料及其制备方法与锂离子电池 |
CN112366310B (zh) * | 2020-11-19 | 2021-09-24 | 惠州亿纬锂能股份有限公司 | 一种锂离子电池正极浆料及其制备方法与锂离子电池 |
CN112366314B (zh) * | 2020-11-19 | 2022-03-11 | 惠州亿纬锂能股份有限公司 | 一种锂离子电池负极浆料及其制备方法与锂离子电池 |
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