JP2001328814A - リチウムマンガン系複酸化物、その製法及び二次電池 - Google Patents

リチウムマンガン系複酸化物、その製法及び二次電池

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JP2001328814A
JP2001328814A JP2000147950A JP2000147950A JP2001328814A JP 2001328814 A JP2001328814 A JP 2001328814A JP 2000147950 A JP2000147950 A JP 2000147950A JP 2000147950 A JP2000147950 A JP 2000147950A JP 2001328814 A JP2001328814 A JP 2001328814A
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Masumi Terauchi
真澄 寺内
Toshihiko Shiotani
俊彦 塩谷
Teruyuki Takahashi
輝行 高橋
Yutaka Umetsu
豊 梅津
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Dai Nippon Toryo KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】非水リチウム二次電池の正極材料として用いる
のに適した(変性)リチウムマンガン複酸化物、その製
法及びそれを正極材料として用いた非水リチウム二次電
池を提供すること。 【解決手段】(変性)炭酸マンガン化合物の熱処理で得
られる(変性)マンガン酸化物とリチウム化合物とを湿
式混合し、そのスラリー乃至ペーストを乾燥し、乾燥物
を解砕し、解砕物を350〜600℃で焼成し、45℃
以下に冷却し、解砕した後、酸素気流中800〜100
0℃で焼成し、100℃以下に冷却し、解砕した後、4
00〜700℃で焼成することからなる(変性)リチウ
ムマンガン複酸化物の製法、そのような製法によって得
られ、正極材料として用いることにより初期容量及び容
量保持率の改良された非水リチウム二次電池を構成する
ことができる(変性)リチウムマンガン複酸化物、及び
二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリチウムマンガン系
複酸化物、その製法及び二次電池に関し、より詳しく
は、非水リチウム二次電池の正極材料として用いること
により初期容量及び容量保持率が改良され、充放電サイ
クル特性に優れた非水リチウム二次電池を構成すること
ができるリチウムマンガン系複酸化物、その製法及びそ
のようなリチウムマンガン系複酸化物を正極材料として
用いている非水リチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】非水リチウム二次電池の正極材料として
は、これまでにチタンやモリブデンの硫化物や酸化物、
並びにバナジウムやリンの酸化物等が提案されている
が、これらは電池としての保存性が悪く、しかも高価で
あるため、未だ実用化されるまでには至っていない。
【0003】一方、非水一次電池の正極活物質としては
二酸化マンガンが既に実用化されており、非水一次電池
においては二酸化マンガンは代表的に用いられている。
二酸化マンガンは、資源的にも豊富で安価であり、更に
化学的に安定であるため電池としての保存性に優れてい
る。しかしながら、二酸化マンガンは二次電池の可逆性
に難があるため、非水系二次電池の正極活物質としては
不適当であり、それで改質された種々のマンガン酸化物
が提案されている。
【0004】例えば、特開昭63−114064号、特
開昭63−187569号、特開平1−235158号
等の公報に開示されているように、二酸化マンガンとリ
チウム化合物との混合物を熱処理して得られ、結晶構造
中にリチウムを含有しているマンガン酸化物が提案され
ている。
【0005】これらのリチウム含有マンガン酸化物は製
造する際の熱処理温度の相違に起因して生成するリチウ
ム含有マンガン酸化物の組成、結晶構造が異なり、例え
ば、熱処理温度が250〜300℃である場合には、X
繰回折図において、2θ=22°、31.7°、37
°、42°及び55°付近にピークを有する結晶構造の
マンガン酸化物となり、300〜430℃である場合に
は、Li2 MnO3 を含有したマンガン酸化物となり、
そして800〜900℃である場合には、スピネル型構
造を有するマンガン酸化物となる。更に、900℃以上
の高温で焼成すると高結晶性とはなるが、LiMnO2
が生成し、充放電サイクル特性を低下させることが分か
っている。
【0006】また、これらの改質法においては二酸化マ
ンガンとリチウム化合物とを固相同志で反応させている
ため、二酸化マンガン粒子の内部までは改質が及ばず、
従って高電流密度での充放電サイクルでは劣化が早いと
いう欠点があった。そこで、例えば特開平2−1839
63号公報に開示されているように、リチウム化合物を
溶解した水溶液中に二酸化マンガンを浸漬し、蒸発乾固
した後に熱処理して、二酸化マンガン粒子の細孔内部に
まで改質反応を進める方法が提案されている。
【0007】しかしながら、これまでに提案されている
リチウム含有二酸化マンガンはその電気化学活性が二次
電池用途に対しては不十分であり、それでそのようなリ
チウム含有二酸化マンガンを正極に用いて構成した非水
リチウム二次電池では、初期容量及び容量保持率が不十
分であり、充放電サイクル特性が不十分であった。
【0008】更に、特開平6−203834号、特開平
7−245106号、特開平7−307155号等の公
報には、二酸化マンガン又はマンガン塩とリチウム化合
物との混合物を熱処理して得たリチウムとマンガンとの
複酸化物をリチウム二次電池の正極材料として用いるこ
とが提案されている。しかしながら、何れの技術で得ら
れたリチウムマンガン複酸化物も、高い初期容量及び長
期の容量保持率を有する二次電池を提供することはでき
ない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、非
水リチウム二次電池の正極材料として用いることにより
初期容量及び容量保持率が改良され、充放電サイクル特
性に優れた非水リチウム二次電池を構成することができ
るリチウムマンガン複酸化物又は変性リチウムマンガン
複酸化物、その製法及びそのようなリチウムマンガン複
酸化物又は変性リチウムマンガン複酸化物を正極材料と
して用いており、優れた初期容量及び容量保持率を有
し、特に高温での充放電サイクル特性に優れている非水
リチウム二次電池を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の課
題を達成するために鋭意検討し、種々の実験を行った結
果、炭酸マンガン化合物を熱処理して得られるマンガン
酸化物、又はLi、B、Mg、Al、V、Cr、Co、
Ni、Zn及びGaからなる群から選ばれる少なくとも
1種を含む変性炭酸マンガン化合物を熱処理して得られ
る変性マンガン酸化物は、粒径が揃っており、組成が均
一であり、且つ熱処理による脱炭酸で細孔が生じている
のでマンガン酸化物又は変性マンガン酸化物中へのリチ
ウムの浸透が容易であることを見いだし、また、そのよ
うなマンガン酸化物又は変性マンガン酸化物とリチウム
化合物とを湿式混合し、その乾燥物の解砕、特定条件下
での焼成、特定温度迄の冷却を繰り返すことにより得ら
れるリチウムマンガン系複酸化物はその組成、結晶構造
等について必ずしも明確ではないが、そのようにして得
られたリチウムマンガン系複酸化物は正極材料として用
いることにより初期容量及び容量保持率の改良された非
水リチウム二次電池を構成することができることを見い
だし、本発明を完成した。
【0011】即ち、本発明のリチウムマンガン複酸化物
は、炭酸マンガン化合物を熱処理して得られるマンガン
酸化物とリチウム化合物とを湿式混合し、得られたスラ
リー乃至ペーストを乾燥し、その乾燥物を一次解砕し、
その解砕物を350〜600℃で一次焼成し、45℃以
下に冷却し、二次解砕した後、酸素気流中800〜10
00℃で二次焼成し、100℃以下に冷却し、三次解砕
した後、400〜700℃で三次焼成することにより得
られるリチウムマンガン複酸化物であって、正極材料と
して用いることにより初期容量及び容量保持率の改良さ
れた非水リチウム二次電池を構成することができること
を特徴とする。
【0012】また、本発明の変性リチウムマンガン複酸
化物は、Li、B、Mg、Al、V、Cr、Co、N
i、Zn及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1
種を含む変性炭酸マンガン化合物を熱処理して得られる
変性マンガン酸化物とリチウム化合物とを湿式混合し、
得られたスラリー乃至ペーストを乾燥し、その乾燥物を
一次解砕し、その解砕物を350〜600℃で一次焼成
し、45℃以下に冷却し、二次解砕した後、酸素気流中
800〜1000℃で二次焼成し、100℃以下に冷却
し、三次解砕した後、400〜700℃で三次焼成する
ことにより得られる変性リチウムマンガン複酸化物であ
って、正極材料として用いることにより初期容量及び容
量保持率の改良された非水リチウム二次電池を構成する
ことができることを特徴とする。
【0013】本発明のリチウムマンガン複酸化物の製法
は、炭酸マンガン化合物を熱処理して得られるマンガン
酸化物とリチウム化合物とを湿式混合し、得られたスラ
リー乃至ペーストを乾燥し、その乾燥物を一次解砕し、
その解砕物を350〜600℃で一次焼成し、45℃以
下に冷却し、二次解砕した後、酸素気流中800〜10
00℃で二次焼成し、100℃以下に冷却し、三次解砕
した後、400〜700℃で三次焼成することを特徴と
する。
【0014】また、本発明の変性リチウムマンガン複酸
化物の製法は、Li、B、Mg、Al、V、Cr、C
o、Ni、Zn及びGaからなる群から選ばれる少なく
とも1種を含む変性炭酸マンガン化合物を熱処理して得
られる変性マンガン酸化物とリチウム化合物とを湿式混
合し、得られたスラリー乃至ペーストを乾燥し、その乾
燥物を一次解砕し、その解砕物を350〜600℃で一
次焼成し、45℃以下に冷却し、二次解砕した後、酸素
気流中800〜1000℃で二次焼成し、100℃以下
に冷却し、三次解砕した後、400〜700℃で三次焼
成することを特徴とする。
【0015】本発明の非水リチウム二次電池は、正極材
料として上記のリチウムマンガン複酸化物又は上記の変
性リチウムマンガン複酸化物を用い、負極材料として金
属リチウム、リチウム合金、又はリチウムの吸蔵・放出
が可能な炭素材料若しくは金属酸化物を用いて構成され
ていることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】以下に、本発明について更に詳細
に説明する。本発明で出発原料として用いることのでき
るリチウム化合物としてLiOH、LiF、Li2 CO
3 、LiNO3 、Li2 SO4 等を挙げることができる
が、これらに限定されるものではない。
【0017】本発明で出発原料として用いることのでき
るマンガン酸化物は炭酸マンガン化合物を熱処理して得
られるものであり、また変性マンガン酸化物はLi、
B、Mg、Al、V、Cr、Co、Ni、Zn及びGa
からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む変性炭酸
マンガン化合物を熱処理して得られるものである。これ
らのマンガン酸化物又は変性マンガン酸化物は通常の二
酸化マンガンと併用して用いることもできる。
【0018】上記の炭酸マンガン化合物は、好ましく
は、マンガン化合物の水溶液と、塩基性炭酸塩水溶液、
塩基性炭酸水素塩水溶液、二酸化炭素を含有する気体及
び二酸化炭素を含有する水溶液からなる群から選ばれる
少なくとも1種とを混合して調製される湿式合成物であ
る。
【0019】また、上記の変性炭酸マンガン化合物は、
好ましくは、マンガン化合物の水溶液と、塩基性炭酸塩
水溶液、塩基性炭酸水素塩水溶液、二酸化炭素を含有す
る気体及び二酸化炭素を含有する水溶液からなる群から
選ばれる少なくとも1種と、Li、B、Mg、Al、
V、Cr、Co、Ni、Zn及びGaの各々の水溶性化
合物からなる群から選ばれる少なくとも1種を含む水溶
液とを混合して調製される湿式合成物である。
【0020】上記のマンガン化合物の水溶液として各種
のマンガン化合物の水溶液を使用することができる。例
えば、塩化マンガン、硝酸マンガン、硫酸マンガン、硼
酸マンガン、ぎ酸マンガン、クエン酸マンガン、蓚酸マ
ンガン、酢酸マンガン等の水溶液を使用することができ
る。好ましくは、塩化マンガン、硝酸マンガン、硫酸マ
ンガン、蓚酸マンガン、酢酸マンガンの水溶液を使用す
ることができる。
【0021】上記の塩基性炭酸塩水溶液、塩基性炭酸水
素塩水溶液として各種の塩基性炭酸塩、塩基性炭酸水素
塩の水溶液を使用することができる。そのような塩基性
炭酸塩としてはNa2 CO3 、K2 CO3 、KNaCO
3 、(NH4 2 CO3 等を用いることができ、また塩
基性炭酸水素塩としてはNaHCO3 、KHCO3 、N
4 HCO3 等を用いることができる。また、上記の二
酸化炭素を含有する気体及び二酸化炭素を含有する水溶
液は、二酸化炭素を含有する気体又は水溶液であれば特
に限定されない。なお、二酸化炭素を含有する気体(二
酸化炭素自体も含む)を用いる場合にはバブリングによ
って混合を実施する。
【0022】上記のLi、B、Mg、Al、V、Cr、
Co、Ni、Zn及びGaの各々の水溶性化合物からな
る群から選ばれる少なくとも1種を含む水溶液として各
種のものを使用することができる。そのような水溶性化
合物としてLi、B、Mg、Al、V、Cr、Co、N
i、Zn及びGaの各々の硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩、蓚
酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物、水酸化物、酸化物等のう
ちで水溶性のものを用いることができる。例えば、硫酸
マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム、
塩化マグネシウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウ
ム、塩基性酢酸アルミニウム、塩化アルミニウム、ヨウ
化アルミニウム、アルミン酸ナトリウム等を用いること
ができる。
【0023】上記の諸原料を用いて炭酸マンガン化合物
を調製する方法については特には制限されず、例えば、
この調製の際に、マンガン化合物1モル当たり炭酸イオ
ン及び/又は二酸化炭素が1〜2.5モル、好ましくは
1.2〜2モルとなる相対量比で両者を混合することが
好ましく、また、上記の変性炭酸マンガン化合物を調製
する方法についても特には制限されず、例えば、この調
製の際に、マンガン化合物1モル当たり炭酸イオン及び
/又は二酸化炭素が1〜2.5モル、好ましくは1.2
〜2モル、Li、B、Mg、Al、V、Cr、Co、N
i、Zn及びGaからなる群から選ばれる少なくとも1
種が0.005〜0.15モル、好ましくは0.02〜
0.09モルとなる相対量比で混合することが好まし
い。
【0024】上記の調製は、好ましくは、マンガン化合
物の水溶液中に、塩基性炭酸塩水溶液、塩基性炭酸水素
塩水溶液、二酸化炭素を含有する気体及び二酸化炭素を
含有する水溶液からなる群から選ばれる少なくとも1種
を連続的に又は間欠的に徐々に滴下(気体の場合にはバ
ブリング)し、又は塩基性炭酸塩水溶液、塩基性炭酸水
素塩水溶液、二酸化炭素を含有する気体及び二酸化炭素
を含有する水溶液からなる群から選ばれる少なくとも1
種と、Li、B、Mg、Al、V、Cr、Co、Ni、
Zn及びGaの各々の水溶性化合物からなる群から選ば
れる少なくとも1種を含む水溶液とを連続的に又は間欠
的に徐々に滴下(気体の場合にはバブリング)し、反応
温度を例えば室温〜95℃、好ましくは45〜90℃に
維持し、回転数を例えば50〜1000rpm、好まし
くは100〜700rpmにして撹拌しながら反応させ
ることによって実施できる。その後、生成物を濾別し、
濾液のpHが中性になるまで脱イオン水によって洗浄
し、乾燥して炭酸マンガン化合物又は変性炭酸マンガン
化合物を得る。炭酸マンガン化合物又は変性炭酸マンガ
ン化合物の粒径は、水溶液の濃度、反応温度等をコント
ロールすることにより0.1〜50μmの範囲で制御す
ることが可能である。
【0025】上記のようにして得られた炭酸マンガン化
合物又は変性炭酸マンガン化合物を空気流中又は酸素気
流中500℃以下の温度で熱処理することによりマンガ
ン酸化物又は変性マンガン酸化物を得ることができる。
このようにして得られるマンガン酸化物又は変性マンガ
ン酸化物には熱処理による脱炭酸で細孔が生じているの
で、後の工程でのマンガン酸化物又は変性マンガン酸化
物中へのリチウムの浸透が容易となる。
【0026】本発明においては、リチウム化合物とマン
ガン酸化物又は変性マンガン酸化物とを湿式で混合して
スラリー乃至ペーストを形成する。この湿式混合の際に
スラリーが形成されるかペーストが形成されるかは、湿
式混合でリチウム化合物がスラリー乃至ペーストを構成
する水に溶解した状態になり、この溶解したリチウム化
合物がマンガン酸化物又は変性マンガン酸化物中に高度
に分散した状態になるように十分な量の水を用いるが、
しかしその後の乾燥の際のコストを考慮してなるべく少
ない量の水を用いることが好ましいので、その用いる水
の量によって変化する。このような状態にすることによ
り、後述する工程を経て得られるリチウムマンガン複酸
化物又は変性リチウムマンガン複酸化物は組成的に非常
に均一となり、従って、放電容量の高いものとなる。ま
た、本発明で用いるマンガン酸化物又は変性マンガン酸
化物は前記したように多数の細孔を結晶構造中に持って
おり、この細孔が結晶内部へのリチウムの浸透に大きく
寄与しているものと思われる。これに対して、これらの
化合物を乾式で混合すると、混合が不十分となるため、
得られるリチウムマンガン複酸化物又は変性リチウムマ
ンガン複酸化物におけるマンガン酸リチウムの組成が不
均一となり、放電容量の高いリチウムマンガン複酸化物
又は変性リチウムマンガン複酸化物を得ることができな
い。
【0027】上記の湿式混合においては、例えば、水酸
化リチウム(LiOH・H2 O)とマンガン酸化物又は
変性マンガン酸化物とを、普通には、LiとMnとのモ
ル比が0.7:2〜1.3:2、好ましくは、1:2〜
1.1:2となるように配合し、水を加え、ポットミル
を用いて混合してスラリー乃至ペースト状とする。水の
添加量は、水酸化リチウムとマンガン酸化物又は変性マ
ンガン酸化物との合計量を基準にして、例えば、10〜
40質量%、好ましくは15〜25質量%に相当する量
とする。水の添加量が10質量%未満の場合には、得ら
れる含水混合物において水酸化リチウムの溶解量が十分
ではなく、かつ粘度が高くて分散が困難となる傾向があ
る。一方、水の添加量が40質量%を超える場合には、
得られる含水混合物の乾燥に比較的長時間を要し(乾燥
速度が遅くなり)、また乾燥中に生じる固液分離が大き
くなり、従ってリチウムの均一分散が大きく阻害される
傾向がある。
【0028】上記のようにして得られたスラリー乃至ペ
ーストを、次いで、好適には70〜180℃で乾燥す
る。乾燥温度が70℃よりも低い場合には、乾燥速度が
遅くなり、生産効率が落ちるので好ましくない。一方、
乾燥温度が180℃を越える場合には、乾燥機自体の高
性能化が必要であり、装置設備コスト、ひいては操業コ
ストがかかるので経済的に好ましくなく、また、乾燥速
度が速くなるのでLiとMnとの接触時間が相対的に短
くなり、MnへのLiの浸透反応時間が短くなるので好
ましくない。
【0029】得られた乾燥物を次いで解砕する。解砕の
程度は解砕物の平均粒径が0.5〜50μm、好ましく
は5〜30μmとなるようにする。解砕物の平均粒径が
50μmを超える場合には十分な均一混合が困難にな
る。解砕物の平均粒径が0.5μmよりも小さい場合に
は、解砕過剰で、生成化合物の結晶構造を破壊する懸念
があり、更に作業者が徴粉吸入の危険にさらされる可能
性が増大する。
【0030】このようにして得られた解砕物(粒状物)
を、次いで、350〜600℃、好ましくは400〜5
00℃、更に好ましくは450〜500℃の温度におい
て焼成する。水酸化リチウムの融点は445℃であるの
で、特に450〜500℃の温度で焼成することによ
り、リチウムイオンがマンガン酸化物又は変性マンガン
酸化物の細孔内部に浸透し、均一なマンガン酸リチウム
が得られる。
【0031】このようにして得られた焼成物を、一旦、
45℃以下、好ましくは25℃以下、更に好ましくは2
0℃以下に冷却した後、二次解砕する。冷却温度の下限
としては、実際の操作上、0℃以上が適当である。この
冷却操作によって更に均一なリチウムマンガン複酸化物
又は変性リチウムマンガン複酸化物を得ることが出来
る。この二次解砕の条件は、一次焼成前の解砕の場合と
同様である。
【0032】このようにして得られた二次解砕物を、次
いで、二次焼成する。この二次焼成は、酸素気流中で8
00〜1000℃、好ましくは850〜950℃で行
う。この二次焼成により、組成の均一化及び未反応物の
反応促進を効率良く達成することができるので、高容量
の二次電池を構成するのに用いることができるリチウム
マンガン複酸化物又は変性リチウムマンガン複酸化物を
得ることができる。二次焼成温度が800℃未満の場合
には、反応が不十分であるのでリチウムマンガン複酸化
物又は変性リチウムマンガン複酸化物の結晶性は不十分
となるだけでなく、未反応物の残留や副生成物が生じ、
正極活物質として十分な特性を達成することができな
い。
【0033】一般的には、焼成温度が800℃を越える
と、リチウムマンガン複酸化物又は変性リチウムマンガ
ン複酸化物の結晶性が高くなるが、酸素欠損のためにリ
チウムイオンの侵入、脱離による結晶崩壊が起こり易く
なり、そのようなリチウムマンガン複酸化物又は変性リ
チウムマンガン複酸化物を正極材料として用いた二次電
池では充放電サイクル特性が低下すると考えられていた
が、本発明においては酸素気流中で焼成するので酸素の
脱離を抑制することができ、1000℃迄の焼成温度が
可能となった。
【0034】このようにして得られた焼成物を、一旦、
100℃以下、好ましくは45℃以下、更に好ましくは
20℃以下に冷却する。次いで解砕し、その解砕物を4
00〜700℃で焼成(三次焼成)する。この三次焼成
により、より均一なリチウムマンガン複酸化物又は変性
リチウムマンガン複酸化物となる。
【0035】上記のようにして得られたリチウムマンガ
ン複酸化物又は変性リチウムマンガン複酸化物は、従来
と同様に正極材料として用いることにより初期容量及び
容量保持率の改良された非水リチウム二次電池を構成す
ることができる。本発明のリチウムマンガン複酸化物又
は変性リチウムマンガン複酸化物は従来公知のリチウム
マンガン複酸化物よりも優れた特性を発揮する理由は不
明であるが、3回の解砕、3回の焼成、2回の冷却によ
り従来公知のリチウムマンガン複酸化物とは異なった組
成、結晶構造となっているものと思われる。
【0036】本発明の非水リチウム二次電池は、正極材
料として上記のリチウムマンガン複酸化物又は変性リチ
ウムマンガン複酸化物を用い、負極材料として従来より
使用されている金属リチウム又はリチウム合金を用いる
か、又はリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素材料若しく
は金属酸化物を用いて構成される。無論、織布、硝子繊
維、多孔性合成樹脂膜等のセパレーターを用いるが、そ
の材質については特には限定されない。例えば、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン系の多孔膜は薄膜でかつ大面積
化でき、また膜強度や膜抵抗の面で適当である。
【0037】本発明の非水リチウム二次電池で用いる非
水電解液の溶媒は、通常用いられている物で良く、例え
ばカーボネート類、塩素化炭化水素、エーテル類、ケト
ン類、ニトリル類等を用いることが出来る。高誘電率溶
媒であるエチレンカーボネート(EC)、プロピレンカ
ーボネート(PC)、γーブチルラクトン(GBL)等
から少なくとも1種類を選択し、低粘度溶媒であるジエ
チルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート
(DMC)、エステル類等から少なくとも1種類を選択
し、その混合液を用いることが好ましい。支持塩として
はLiClO4 、LiI、LiPF6 、LiAlC
4 、LiBF4 、CF3 SO3 Li等の少なくとも1
種類を用いる。電池を使用する環境、電池用途への最適
化を考慮して電解液、支持塩は適宜選定・調整すればよ
いが、0.8〜1.5MのLiPF6 、LiBF4 、L
iClO4 を支持塩として用い、EC+DEC、PC+
DMC、PC+EMCのうちの少なくとも1種類を溶媒
として用いることが望ましい。電池の構造としては角
形、ペーパー型、積層型、円筒型、コイン型など様々な
形状を採用することが出来る。また、その他の構成部品
としては集電帯、絶縁板等があるが、これらは特に限定
される物ではなく、上記の形状に応じて適宜選定すれば
よい。
【0038】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細
に説明するが、本発明はこれらによって限定されること
はない。 <実施例1>硫酸マンガンを151.1g含有する水溶
液1L(1モル/L)に、反応系の温度を50℃に維持
し、300rpmで攪拌しながら、炭酸水素アンモニウ
ムを142.3g含有する水溶液1L(1.8モル/
L)及びアルミン酸ナトリウムを8.4g含有する水溶
液1L(0.06モル/L)を同時にそれぞれ1時間に
わたって滴下して反応させた。添加終了の5時間後に反
応を終了させ、静置した。その後、濾別し、pHが中性
になるまで脱イオン水で洗浄した後、150℃で乾燥し
て、変性炭酸マンガン化合物を得た。得られた変性炭酸
マンガン化合物を酸素気流中、300℃で24時間熱処
理して変性マンガン酸化物を得た。
【0039】水酸化リチウム(LiOH・H20)と、
変性マンガン酸化物とを、LiとMnとのモル比が1.
1:2となるように配合し、その配合物の合計量の20
質量%に相当する量の脱イオン水を加え、ポットミル中
で混合してスラリー乃至ペーストを調製した。このスラ
リー乃至ペーストを80℃で乾燥し、その乾燥物を一次
解砕した。解砕物の平均粒径は10μmであった。この
解砕物を大気雰囲気下、470℃で24時間一次焼成し
た。次いで、その焼成物を室温(20℃)まで下げた
後、平均粒径が10μmとなるように解砕し、その解砕
物を酸素気流中、950℃で48時間二次焼成した。こ
の焼成物を室温(20℃)まで下げた後、平均粒径が1
0μmとなるように解砕し、大気雰囲気中、650℃で
24時間三次焼成した。
【0040】得られた焼成物のX繰回折及び化学分析の
結果、その組成はLiAl0.1 Mn 1.9 4 である変性
マンガン酸リチウムであることが確認できた。正極活物
質としてこの焼成物82質量部を用い、更に、アセチレ
ンブラック10質量部を用い、バインダーとしてポリ弗
化ビニリデン8質量部を予めN−メチルー2−ピロリド
ン58質量部に溶解したものを用い、これらを十分に混
合してペーストを得た。
【0041】このペーストをアルミニウム綱に塗布し、
圧着し、乾燥させることによって正極板を作成した。対
極には、正極と同じ大きさの金属リチウム板を使用し、
正極電位測定には金属リチウム基準電極を用いた。電解
液として1mol/dm3 の濃度でLiPF6 を溶解し
たエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとの
1:1の混合溶媒を用いることによって試験電池を作成
した。
【0042】<実施例2>炭酸水素アンモニウムを14
2.3g含有する水溶液1Lの代わりに、炭酸ナトリウ
ムを190.8g含有する水溶液1L(1.8モル/
L)を使用した以外は、実施例1と同様にして試験電池
を作成した。 <実施例3>炭酸水素アンモニウムを142.3g含有
する水溶液1Lの代わりに、二酸化炭素41Lを1時間
にわたってバブリングしながら反応させた以外は、実施
例1と同様にして試験電池を作成した。
【0043】<実施例4>炭酸水素アンモニウムを14
2.3g含有する水溶液1Lの代わりに、炭酸水素アン
モニウムを118.5g含有する水溶液1L(1.5モ
ル/L)に二酸化炭素を飽和させた水溶液を使用した以
外は、実施例1と同様にして試験電池を作成した。
【0044】<実施例5>水酸化リチウム(LiOH・
H2O)と実施例1で得た変性マンガン酸化物とをLi
とMnとのモル比が1.1:2となるように配合する代
わりに、Liと実施例1で得た変性マンガン酸化物中の
Mnと通常の二酸化マンガン中のMnとのモル比が1.
1:1.6:0.4となるように配合した以外は、実施
例1と同様にして試験電池を作成した。
【0045】<実施例6>アルミン酸ナトリウムを8.
4g含有する水溶液1Lの代わりに、アルミン酸ナトリ
ウムを4.2g含有する水溶液1L(0.03モル/
L)を使用した以外は、実施例1と同様にして試験電池
を作成した。 <実施例7>アルミン酸ナトリウムを8.4g含有する
水溶液1Lの代わりに、アルミン酸ナトリウムを11.
2g含有する水溶液1L(0.08モル/L)を使用し
た以外は、実施例1と同様にして試験電池を作成した。
【0046】<実施例8>アルミン酸ナトリウムを8.
4g含有する水溶液1Lの代わりに、硝酸コバルトを1
1g含有する水溶液1L(0.06モル/L)を使用し
た以外は、実施例1と同様にして試験電池を作成した。 <実施例9>アルミン酸ナトリウムを8.4g含有する
水溶液1Lの代わりに、硝酸ニッケルを11g含有する
水溶液1L(0.06モル/L)を使用した以外は、実
施例1と同様にして試験電池を作成した。
【0047】<比較例1>水酸化リチウム(LiOH・
2 O)と実施例1で得た変性マンガン酸化物とを、L
iとMnとのモル比が1.1:2となるように配合し、
その配合物の合計量の20質量%に相当する量の脱イオ
ン水を加え、ポットミル中で混合してスラリー乃至ペー
ストを調製した。このスラリー乃至ペーストを150℃
で乾燥し、その乾燥物を大気雰囲気下、470℃で24
時間一次焼成した。この焼成物を解砕後、酸素気流中、
750℃で48時間二次焼成した。この焼成物を解砕
後、大気雰囲気下、650℃で24時間三次焼成した。
これを正極活物質として用いた以外は、実施例1と同様
にして試験電池を作成した。
【0048】<比較例2>水酸化リチウム(LiOH・
2 O)と実施例1で得た変性マンガン酸化物とを、L
iとMnとのモル比が1.1:2となるように配合し、
その配合物の合計量の20質量%に相当する量の脱イオ
ン水を加え、ポットミル中で混合してスラリー乃至ペー
ストを調製した。このスラリー乃至ペーストを150℃
で乾燥し、その乾燥物を大気雰囲気下、470℃で24
時間一次焼成した。この焼成物を解砕後、大気雰囲気
下、950℃で48時間二次焼成した。この焼成物を解
砕後、大気雰囲気下、650℃で24時間三次焼成し
た。これを正極活物質として用いた以外は、実施例1と
同様にして試験電池を作成した。
【0049】<比較例3>水酸化リチウム(LiOH・
2 O)と実施例1で得た変性マンガン酸化物とを、L
iとMnとのモル比が1.1:2となるように配合し、
その配合物の合計量の20質量%に相当する量の脱イオ
ン水を加え、ポットミル中で混合してスラリー乃至ペー
ストを調製した。このスラリー乃至ペーストを150℃
で乾燥し、その乾燥物を大気雰囲気下、470℃で24
時間一次焼成した。この焼成物を解砕後、大気雰囲気
下、920℃で48時間二次焼成した。この焼成物を解
砕後、大気雰囲気下、650℃で24時間三次焼成し
た。これを正極活物質として用いた以外は、実施例1と
同様にして試験電池を作成した。
【0050】<比較例4>水酸化リチウム(LiOH・
H2O)と電解二酸化マンガンとを、LiとMnとのモ
ル比が1.1:2となるように配合し、配合物の合計の
20重量%の脱イオン水を加えて、ポットミル中で湿式
混合して、スラリーを調整した以外は、実施例1と同様
にして試験電池を作成した。
【0051】<特性試験>以上のようにして作成した実
施例1〜9及び比較例1〜4の試験電池を、60℃の雰
囲気中で、電流密度0.5mA/cm2 の定電流で4.
3Vまで充電した後、3.0Vまで放電する充放電サイ
クルを繰り返すことによって放電特性を評価した。その
際、1充放電サイクル目の放電容量を初期容量(mAh
/g)とし、初期容量に対する10充放電サイクル目及
び50サイクル目の放電容量を容量保持率(%)として
求めた。それらの結果を第1表に示す通りであった。
【0052】
【0053】第1表に示すように、実施例1〜9で得ら
れた本発明の試験電池では、所定の充放電条件下で高い
初期容量及び高い容量保持率が得られた。一方、本発明
の範囲から外れる比較例1(二次焼成を酸素気流中、7
50℃で実施)、比較例2(二次焼成を大気雰囲気中、
950℃で実施)、比較例3(二次焼成を大気雰囲気
中、920℃で実施)及び比較例4(マンガン酸化物と
して電解二酸化マンガンを使用)で得られた試験電池で
は、初期容量及び容量保持率が低いか、又は容量保持率
が低く、充放電サイクル特性が悪かった。
【0054】
【発明の効果】本発明の製法によって得られる本発明の
リチウムマンガン複酸化物又は変性リチウムマンガン複
酸化物は、非水リチウム二次電池の正極材料として用い
ることにより初期容量及び容量保持率が改良され、充放
電サイクル特性に優れた非水リチウム二次電池を構成す
ることができる。また、そのようなリチウムマンガン複
酸化物又は変性リチウムマンガン複酸化物を正極材料と
して用いている本発明の非水リチウム二次電池は優れた
初期容量及び容量保持率を有し、特に高温での充放電サ
イクル特性に優れている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 梅津 豊 京都府長岡市今里2−18−14 Fターム(参考) 4G048 AA04 AA05 AB01 AB05 AC06 AE05 5H029 AJ03 AJ05 AK03 AL02 AL06 AL12 AM03 AM04 AM05 AM07 BJ02 BJ03 BJ04 CJ02 CJ08 CJ28 HJ14 5H050 AA07 AA08 BA15 BA16 CA09 CB02 CB07 CB12 EA10 EA24 FA17 GA02 GA05 GA10 GA26 GA27 HA14

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭酸マンガン化合物を熱処理して得られる
    マンガン酸化物とリチウム化合物とを湿式混合し、得ら
    れたスラリー乃至ペーストを乾燥し、その乾燥物を一次
    解砕し、その解砕物を350〜600℃で一次焼成し、
    45℃以下に冷却し、二次解砕した後、酸素気流中80
    0〜1000℃で二次焼成し、100℃以下に冷却し、
    三次解砕した後、400〜700℃で三次焼成すること
    により得られるリチウムマンガン複酸化物であって、正
    極材料として用いることにより初期容量及び容量保持率
    の改良された非水リチウム二次電池を構成することがで
    きることを特徴とするリチウムマンガン複酸化物。
  2. 【請求項2】Li、B、Mg、Al、V、Cr、Co、
    Ni、Zn及びGaからなる群から選ばれる少なくとも
    1種を含む変性炭酸マンガン化合物を熱処理して得られ
    る変性マンガン酸化物とリチウム化合物とを湿式混合
    し、得られたスラリー乃至ペーストを乾燥し、その乾燥
    物を一次解砕し、その解砕物を350〜600℃で一次
    焼成し、45℃以下に冷却し、二次解砕した後、酸素気
    流中800〜1000℃で二次焼成し、100℃以下に
    冷却し、三次解砕した後、400〜700℃で三次焼成
    することにより得られる変性リチウムマンガン複酸化物
    であって、正極材料として用いることにより初期容量及
    び容量保持率の改良された非水リチウム二次電池を構成
    することができることを特徴とする変性リチウムマンガ
    ン複酸化物。
  3. 【請求項3】炭酸マンガン化合物を熱処理して得られる
    マンガン酸化物とリチウム化合物とを湿式混合し、得ら
    れたスラリー乃至ペーストを乾燥し、その乾燥物を一次
    解砕し、その解砕物を350〜600℃で一次焼成し、
    45℃以下に冷却し、二次解砕した後、酸素気流中80
    0〜1000℃で二次焼成し、100℃以下に冷却し、
    三次解砕した後、400〜700℃で三次焼成すること
    を特徴とするリチウムマンガン複酸化物の製法。
  4. 【請求項4】炭酸マンガン化合物が、マンガン化合物の
    水溶液と、塩基性炭酸塩水溶液、塩基性炭酸水素塩水溶
    液、二酸化炭素を含有する気体及び二酸化炭素を含有す
    る水溶液からなる群から選ばれる少なくとも1種とを混
    合して得られる湿式合成物であることを特徴とする請求
    項3記載のリチウムマンガン複酸化物の製法。
  5. 【請求項5】Li、B、Mg、Al、V、Cr、Co、
    Ni、Zn及びGaからなる群から選ばれる少なくとも
    1種を含む変性炭酸マンガン化合物を熱処理して得られ
    る変性マンガン酸化物とリチウム化合物とを湿式混合
    し、得られたスラリー乃至ペーストを乾燥し、その乾燥
    物を一次解砕し、その解砕物を350〜600℃で一次
    焼成し、45℃以下に冷却し、二次解砕した後、酸素気
    流中800〜1000℃で二次焼成し、100℃以下に
    冷却し、三次解砕した後、400〜700℃で三次焼成
    することを特徴とする変性リチウムマンガン複酸化物の
    製法。
  6. 【請求項6】変性炭酸マンガン化合物が、マンガン化合
    物の水溶液と、塩基性炭酸塩水溶液、塩基性炭酸水素塩
    水溶液、二酸化炭素を含有する気体及び二酸化炭素を含
    有する水溶液からなる群から選ばれる少なくとも1種
    と、Li、B、Mg、Al、V、Cr、Co、Ni、Z
    n及びGaの各々の水溶性化合物からなる群から選ばれ
    る少なくとも1種を含む水溶液とを混合して得られる湿
    式合成物であることを特徴とする請求項5記載の変性リ
    チウムマンガン複酸化物の製法。
  7. 【請求項7】正極材料として請求項1記載のリチウムマ
    ンガン複酸化物を用い、負極材料として金属リチウム、
    リチウム合金、又はリチウムの吸蔵・放出が可能な炭素
    材料若しくは金属酸化物を用いて構成されていることを
    特徴とする非水リチウム二次電池。
  8. 【請求項8】正極材料として請求項2記載の変性リチウ
    ムマンガン複酸化物を用い、負極材料として金属リチウ
    ム、リチウム合金、又はリチウムの吸蔵・放出が可能な
    炭素材料若しくは金属酸化物を用いて構成されているこ
    とを特徴とする非水リチウム二次電池。
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