JP3568705B6 - 非水系二次電池用正極活物質ニッケル酸リチウムの製造方法 - Google Patents

非水系二次電池用正極活物質ニッケル酸リチウムの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はLiNiOの製造方法、及びそのLiNiOを正極活物質として用いた非水系二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
特開平2−40861号公報に示されるLiNiOの製造方法の一例では、固体の水酸化リチウムと固体の酸化ニッケルとを混合する。まず、その混合物を600゜C、空気雰囲気で焼成する。そして、焼成物を粉砕し、再び600゜C〜800゜Cで焼成する。
【0003】
特開平5−251079号公報に示されるLiNiOの製造方法の一例では、固体の硝酸リチウムと、固体の水酸化ニッケルあるいはオキシ水酸化ニッケルの少なくともいずれか1つとを混合し、500゜C〜1000゜Cで焼成する。
【0004】
また、特開平6−44970号公報に示されるリチウムとニッケルの複合酸化物の製造方法の一例では、ハロゲン化ニッケル、硫酸ニッケル、リン酸ニッケル、酢酸ニッケル、蓚酸ニッケルの中から選ばれる少なくとも1種のニッケル塩による飽和水溶液に、このニッケル塩と等モルの水酸化リチウム、炭酸リチウム、炭酸水素リチウムの中から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩による飽和水溶液を注加する。この混合物を空気中又は減圧下において、撹拌混合しながら蒸発乾固させ、得られたケーキ状固形物質を600゜C〜800゜Cで焼成する。
【0005】
また、特開平6−44971号公報に示されるリチウムとニッケルの複合酸化物の製造方法の一例では、酸化ニッケル、オキシ水酸化ニッケル、水酸化ニッケル、炭酸ニッケルの中から選ばれる少なくとも1種の、水に難溶性又は不溶性のニッケル化合物粉末に、ハロゲン化リチウム、硝酸リチウム、硫酸リチウム、リン酸リチウム、ホウ酸リチウム、酢酸リチウム、蓚酸リチウムの中から選ばれる少なくとも1種のリチウム塩による飽和水溶液を注加して十分に撹拌練合する。この混合物を空気中あるいは減圧下において、撹拌しながら蒸発乾固させ、得られたケーキ状固形物質を600゜C〜800゜Cで焼成する。
【0006】
また、特開平6−96769号公報に示されるLiNiOの製造方法の一例では、リチウム源とニッケル源において、リチウム源中のリチウムのモル量とニッケル源中のニッケルのモル量との比が1:1になるように混合する。このとき、分散媒として少量の水を加える。この混合物を乾燥させ、650゜C〜800゜Cで焼成する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平2−40861号公報及び特開平5−251079号公報におけるLiNiOの製造方法では、固体の状態でリチウム化合物とニッケル化合物を混合させるので、これらは均一に混ざり合っていない。
【0008】
また、特開平6−44970号公報におけるリチウムとニッケルの複合酸化物の製造方法では、水溶液の状態でリチウム化合物とニッケル化合物を混合させるが、混合水溶液の乾燥固化の際、それぞれの溶質の溶解度が異なるので溶質の析出が同時に起こらない。したがって、得られるケーキ状固形物質ではリチウム化合物とニッケル化合物が均一に混ざり合っていない。
【0009】
また、特開平6−44971号公報及び特開平6−96769号公報におけるLiNiOの製造方法では、分散媒としてリチウム化合物水溶液や水を用いて混合するが、混合物を乾燥させる際、分散媒に溶解していた物質が均一に析出しない。したがって、得られた物質はリチウム化合物とニッケル化合物が十分に混合されたものではない。
【0010】
混合状態が十分でない物質による焼成物LiNiOを正極活物質に用いた非水系二次電池は、充放電サイクル数の増加に伴って放電容量は著しく低下し、電極の劣化が早い。
【0011】
本発明では、リチウム化合物とニッケル化合物が均一に混合した混合物を焼成するLiNiOの製造方法を提供し、また充放電サイクル特性の良好な非水系二次電池を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法は、まず水溶性リチウム化合物と水溶性ニッケル化合物を水に溶解させて水溶液を作製する。次に、この水溶液に有機酸を添加して、リチウム化合物とニッケル化合物から成る沈澱物を生成させる。生成した沈澱物を濾過、遠心分離等で水溶液から濾別する。得られた沈澱物を乾燥させた後、焼成する。
【0015】
上記の構成では、リチウム化合物とニッケル化合物の水溶液に有機酸を添加することで、リチウム化合物とニッケル化合物を共沈させる。共沈反応によって、沈澱物中のリチウム化合物とニッケル化合物は、均一に混合された状態にある。
【0016】
請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法は、請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法において、水溶性リチウム化合物と水溶性ニッケル化合物を溶解した水溶液中の、ニッケルイオンのモル量に対するリチウムイオンのモル量の比を1以上とする。これよって、共沈する沈澱物中のリチウム化合物とニッケル化合物は均一に混合された状態となる。
【0017】
請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法は、請求項1の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法において、有機酸として蓚酸を用いる。蓚酸は他の有機酸より水溶液に溶解しやすく、またリチウム化合物とニッケル化合物を共沈させやすい。
【0018】
請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法は、請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法において、焼成における温度を500゜C〜1000゜Cとする。また、請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法は、請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法において、酸素の体積割合が20%以上の雰囲気で焼成を行う。これらの条件で焼成することにより、LiNiO2の結晶は十分に成長し、焼成後の不純物の残存量は少なくなる。
【0019】
請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法は、請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法において、硝酸リチウム、酢酸リチウム、ヨウ化リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウム、炭酸リチウム、蓚酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、過酸化リチウムのいずれか1つを添加するリチウム化合物として用いる。これらのリチウム化合物は、焼成後不純物として残存しにくい。
【0020】
請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法は、請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法において、共沈した沈澱物にリチウム化合物を添加し、その沈澱物中のニッケルのモル量に対するリチウムのモル量の比を1〜1.3に調整する。これによって、得られたLiNiO2を正極に用いた電池は、充放電サイクル数が増加しても放電容量の著しい減少は起こりにくい。
【0021】
請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法は、請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法において、水溶性のリチウム化合物として硫酸リチウム、硝酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、酢酸リチウムのいずれか1つを用いることを特徴とする。これらのリチウム化合物は、経済的に好適である。
【0022】
請求項の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法は、請求項に記載の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法において、水溶性のニッケル化合物として、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、酢酸ニッケルのいずれか1つを用いることを特徴とする。これらのリチウム化合物は、経済的に好適である。
【0024】
【本発明の実施の形態】
本発明に係るLiNiOの製造方法を詳細に説明する。図1は本発明に係るLiNiOの製造方法を示した図である。ステップ#5では、水溶性リチウム化合物と水溶性ニッケル化合物を水に溶解させて、水溶液を作製する。リチウム化合物として、硝酸リチウム、硫酸水素リチウム、リン酸水素リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウム、炭酸リチウム、蓚酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、酢酸リチウム、硫化リチウム、硫酸リチウム、窒化リチウム、過酸化リチウム等がある。特に、水溶性のリチウム化合物は、硝酸リチウム、硫酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、酢酸リチウムを用いるのが経済的に好ましい。
【0025】
また、ニッケル化合物として、水溶性のニッケル化合物であればよいが、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、酢酸ニッケルを用いるのが経済的に好ましい。
【0026】
上記の水溶性ニッケル化合物と水溶性リチウム化合物を水で溶解、混合する。このときの原料のニッケル及びリチウムの濃度は、溶解する化合物により異なる。更に、リチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)は添加する有機酸により異なるが、1以上20以下が良い。リチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)が20を越えると経済的に問題があり、1より低いとリチウムとニッケルが均一に共沈しない。経済性、均一性、焼成後の結晶性を考えるとより好ましくは1.5以上10以下、更に容量を考慮すると、好ましくは2以上10以下である。
【0027】
ステップ#10では、ステップ#5で作製した水溶液に有機酸を添加することで、リチウム化合物とニッケル化合物を共沈させる。共沈反応によって生成した沈澱物中のリチウム化合物と、ニッケル化合物は均一に混合された状態にある。また、有機酸として蓚酸、マロン酸、マレイン酸、リンゴ酸、プロピオン酸、コハク酸、クエン酸、シトマラル酸、酒石酸、乳酸、ピルビン酸、フマル酸等がある。蓚酸は他の有機酸に比べて、溶解度、共沈性の面で好ましい。
【0028】
上記のリチウム化合物とニッケル化合物を溶解した水溶液中に、上記に記載した有機酸を加えることにより共沈させることができる。有機酸を加えるとき、有機酸が水に溶解する場合は、リチウム化合物とニッケル化合物を溶解した水溶液中に、水溶液の状態で加えてもよい。或いは、有機酸が水に溶解する、しないに拘らず、固体の状態又は液体の状態で加えてもよい。水溶液或いは液体で加えることにより、均一な微粒子が形成されるため好ましい。また、固体で加えることにより、共沈反応を制御しやすくなるためこの方法も好ましい。
【0029】
ステップ#15では、生成した沈澱物を濾過、遠心分離等で濾別する。そして、ステップ#20では濾別により得られた沈澱物を乾燥させる。この乾燥した沈澱物中のリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)が1〜1.3であれば、ステップ#30にて焼成を行う。
【0030】
しかし、この値に満たない場合はステップ#25においてこの沈澱物にリチウム化合物を添加し、リチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)を1〜1.3に調整する。このモル比を1〜1.3に調整することで、得られたLiNiOを正極に用いた電池は、充放電サイクル数が増加しても放電容量の著しい減少は起こりにくい。リチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)が1〜1.3になるように調整しないと、焼成後結晶性が悪い、容量が少ない、或いは不純物が多く混在している等の問題点が生じる。
【0031】
また、硝酸リチウム、酢酸リチウム、ヨウ化リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウム、炭酸リチウム、蓚酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、過酸化リチウムのうち、少なくとも1つをステップ#25で添加するリチウム化合物として用いる。これらのリチウム化合物は、焼成後不純物として残存しにくく、また安全性の面からも好ましい。
【0032】
ステップ#30では、上述から得られた沈澱物、或いは沈澱物に更にリチウム化合物を混合調整したものを焼成する。焼成は500゜C〜1000゜Cの温度で、且つ酸素が20%〜100%の雰囲気、1時間〜1週間の時間範囲で焼成されることが好ましい。更に、結晶成、経済性の観点から、600゜C〜900゜Cの温度で、酸素が70〜100%の雰囲気、1時間〜3日の時間範囲で焼成されることが好ましい。特に、電極特性的に650゜C〜900゜Cの温度で、酸素が80%〜100%の雰囲気で焼成されることが好ましい。この範囲外では結晶性が悪い、容量が少ない、或いは不純物が多く混在している等の問題点がある。
【0033】
次に、本発明に係るLiNiOの製造方法によって得られたLiNiOを正極活物質として正極に用いた非水系二次電池について説明する。ただし、非水系二次電池の作製方法はこれに限られるものではない。
【0034】
正極はLiNiO、導電材、結着材及び場合によっては、固体電解質等を混合した合材を用いて形成される。導電材としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素類、黒鉛粉末(天然黒鉛、人造黒鉛)、金属粉末、金属繊維等を用いることができるが、これに限定されるものではない。結着材としては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンタ−ポリマー等のポリオレフィン系ポリマー、スチレンブタジエンゴム等を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0035】
この混合比は活物質100重量部に対して、導電材を1〜50重量部、結着材を1〜30重量部とすることができる。導電材が1重量部より小さいと、電極の抵抗或いは分極等が大きくなり、放電容量が小さくなるため、実用的な二次電池が作製できない。導電材が50重量部より多い(混合する導電材の種類により重量部は変わる)と、電極内に含まれる活物質量が減るため、正極としての放電容量が小さくなる。結着材は1重量部より小さいと結着能力が無くなってしまい、30重量部より大きいと、導電材の場合と同様に、電極内に含まれる活物質量が減り、更に上記に記載の如く電極の抵抗或いは分極等が大きくなり、放電容量が小さくなるため実用的ではない。
【0036】
この混合物を成形するには圧縮してペレット状にする方法、或いは混合物に適当な溶剤を添加したペーストを集電体上に塗布し、乾燥、圧延してシート状にする方法があるが、これに限定されない。また、正極には電子の授受を担う集電体が設けられる。この集電体としては金属単体、合金、炭素等を用いる。例えば、チタン、アルミニウム、ステンレス鋼等がある。また、銅、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、チタン、銀を処理させたもの、これらの材料の表面を酸化したものも用いられる。特に、アルミニウム、ステンレス鋼がコストの面で好ましい。その形状は箔の他、フィルム、シート、ネット、パンチされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体等である。厚みは1μm〜1mmのものが用いられるが、特に限定はされない。
【0037】
負極にはリチウム、リチウム合金又は/及びリチウムを吸蔵・放出可能な物質を用いる。例えば、リチウム金属、リチウム/アルミニウム合金、リチウム/スズ合金、リチウム/鉛合金、ウッド合金等リチウム合金類、更に電気化学的にリチウムイオンをドープ・脱ドープできる物質、例えば導電性高分子(ポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン等)、熱分解炭素、触媒の存在下で気相熱分解された熱分解炭素、ピッチ、コークス、タール等から焼成した炭素、セルロース、フェノール樹脂等の高分子より焼成した炭素等や、リチウムイオンのインターカレーション/デインターカレーションの可能な黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等)、リチウムイオンをドープ・脱ドープできる無機化合物(WO、MoO等)等の物質或いはこれらの複合体を用いることができる。
【0038】
これらの負極活物質のうち、熱分解炭素、触媒存在下で気相熱分解された熱分解炭素、ピッチ、コークス、タール等から焼成した炭素、高分子より焼成した炭素等や、黒鉛(天然黒鉛、人造黒鉛、膨張黒鉛等)が電池特性、特に安全性の面で好ましい二次電池を作製することができる。
【0039】
負極活物質に導電性高分子、炭素、黒鉛、無機化合物等を用いて負極とする場合、導電材と結着剤が添加されてもよい。導電材にはカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等の炭素類、黒鉛粉末(天然黒鉛、人造黒鉛)、金属粉末、金属繊維等を用いることができるが、これに限定されるものではない。結着剤にはポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンタ−ポリマー等のポリオレフィン系ポリマー、スチレンブタジエンゴム等を用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0040】
イオン伝導体には、例えば有機電解液、固体電解質(高分子固体電解質、無機固体電解質)、溶融塩等を用いることができ、この中でも有機電解液を好適に用いることができる。有機電解液は、有機溶媒と電解質から構成される。有機溶媒として非プロトン性有機溶媒であるプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラクトン等のエステル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の置換テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジエチルエーテル、ジメトキシエタン、ジエトキシエタン、メトキシエトキシエタン等のエーテル類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、メチルスルホラン、アセトニトリル、ギ酸メチル、酢酸メチル等が挙げられ、これらのうち1種あるいは2種以上を混合して用いる。
【0041】
また、電解質は過塩素酸リチウム、ホウフッ化リチウム、リンフッ化リチウム、6フッ化砒素リチウム、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム、ハロゲン化リチウム、塩化アルミン酸リチウム等のリチウム塩が挙げられ、これらのうち1種あるいは2種以上を混合して用いる。上記で選ばれた溶媒に電解質を溶解することによって電解液を調製する。電解液を調製する際に使用する溶媒、電解質は上記に掲げたものに限定されない。
【0042】
無機固体電解質には、リチウムの窒化物、ハロゲン化物、酸素酸塩等が知られている。例えば、LiN、LiI、LiN−LiI−LiOH、LiSiO、LiSiO−LiI−LiOH,LiPO−LiSiO、硫化リン化合物、LiSiS等がある。
【0043】
有機固体電解質では、上記の電解質と電解質の解離を行う高分子から構成された物質、高分子にイオン解離基を持たせた物質等がある。電解質の解離を行う高分子として、例えば、ポリエチレンオキサイド誘導体或いは該誘導体を含むポリマー、ポリプロピレンオキサイド誘導体、該誘導体を含むポリマー、リン酸エステルポリマー等がある。その他に、上記非プロトン性極性溶媒を含有させた高分子マトリックス材料、イオン解離基を含むポリマーと、上記非プロトン性電解液の混合物、ポリアクリロニトリルを電解液に添加する方法もある。また、無機固体電解質と有機固体電解質を併用する方法も知られている。
【0044】
電解液を保持するためのセパレーターは、電気絶縁性の合成樹脂繊維、ガラス繊維、天然繊維等の不織布、織布、或いはミクロポア構造材料、またアルミナ粉末等の成形体等が挙げられる。中でも、合成樹脂のポリエチレン、ポリプロピレン等の不織布、ミクロポア構造体が品質の安定性等から好ましい。
【0045】
これら合成樹脂の不織布・ミクロポア構造体では、電池が異常発熱した場合に、セパレータが熱により溶解して正極と負極の間を遮断する機能を付加したものもあり、安全性の観点からこれらも好適に使用することができる。セパレータの厚みは特に限定はないが、必要量の電解液を保持することが可能で、且つ正極と負極との短絡を防ぐ厚さがあればよい。通常、0.01mm〜1mm程度のものを用いることができ、好ましくは0.02mm〜0.05mm程度である。
【0046】
電池の形状にはコイン型、ボタン型、シート型、円筒形、角型等がある。コイン型電池やボタン型電池のときには、電極はペレット状に形成する。円筒形電池及び角型電池では主に電極をシート状とし、この電極を電池缶に入れ、缶と電極を電気的に接続する。
【0047】
電解液を注入し、電池缶の開口部を絶縁パッキンを介して封口板で封じる。あるいは、ハーメチックシールにより封口板と缶を絶縁して封じる。このとき、安全素子を備え付けた安全弁を封口板として用いることができる。例えば、安全素子には過電流防止素子として、ヒューズ、バイメタル、PTC素子等がある。また、安全弁の他に電池缶の内圧上昇の対策として、ガスケットに亀裂を入れる方法、封口板に亀裂を入れる方法、電池缶に切り込みを入れる方法等を用いる。また、過充電や過放電対策を組み込んだ外部回路を用いてもよい。
【0048】
ペレット状やシート状の電極はあらかじめ乾燥、脱水されていることが好ましい。乾燥、脱水方法としては、一般的な方法を利用することができる。例えば、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風等を単独或いは組み合わせて用いる方法がある。温度は50゜C〜380゜Cの範囲が好ましい。
【0049】
次に、上述した本発明に係るLiNiOの製造方法に沿ってLiNiOを合成し、そのLiNiOを電極に用いた電池の充放電試験の結果を示す。それをもって、本発明に係るLiNiOの製造方法の明徴とする。
【0050】
<実施例1〜4、比較例1>
硝酸リチウムと硫酸ニッケルを水に溶解させる。硝酸リチウムの濃度は1Mとする。ここでは、水溶液中のリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)と、生成したLiNiOを電極に用いた電池の放電容量との関係を調べるため、様々な硫酸ニッケル濃度の水溶液を作製する。
【0051】
即ち、硫酸ニッケルの濃度を0.05M、0.1M、0.2M、1M、2Mとする。このときの溶液中でのリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)はそれぞれ20、10、5、1、0.5である。これらの水溶液に、それぞれ固体の蓚酸を添加する。蓚酸の添加量は、水溶液中のニッケルイオンとリチウムイオンのうち、量の少ないイオンのモル量に対して4倍とする。
【0052】
次に、蓚酸添加により生成した沈澱物を濾過し、得られた沈澱物を100゜Cで乾燥させる。この際、化学分析を行い、それぞれの沈澱物中のリチウムとニッケルの比(リチウム/ニッケル)を測定したところ、硫酸ニッケルの濃度が0.05と0.1の場合しか1以上になっていなかったので、他の沈澱物には水酸化リチウムを添加してこのモル比を1.1に調整する。これらの沈澱物を700゜C、酸素の体積割合99%の雰囲気で2時間焼成し、得られた焼成物を粉砕する。このときのそれぞれを、実施例1〜4、比較例1とする。
【0053】
上記のLiNiOの製造方法により得られたLiNiOを活物質に用いて、正極を作製する。LiNiO、導電材となるアセチレンブラック、及び結着材となるポリテトラフルオロエチレンを100:10:10の割合で乳鉢にて混合する。この混合物を加圧成形し、直径15mm、厚さ0.75mm、重量0.17gのペレットにする。
【0054】
負極の作製方法は次の通りである。負極活物質にはマダガスカル産の天然黒鉛(鱗片状、粒径:11μm、(002)面の平行する隣接面との面間隔(d002):0.337nm、(002)面方向にある結晶層の厚さ(Lc):27nm、(002)面方向にある結晶層の拡り(La):17nm、アルゴンレーザーラマン法による散乱スペクトルの波数が1580cm−1付近のピークに対する1360cm−1付近のピークの強度比(R値):0、比表面積:8m/g)を用いる。
【0055】
天然黒鉛と結着剤となるポリテトラフルオロエチレンを、10:1の割合で混合する。この混合物に集電体としてニッケルメッシュを加え、加圧成形して直径15mm、厚さ0.59mm、重量0.1gのペレットを作製する。このペレットを水分除去のために200゜C、減圧下で乾燥させる。
【0056】
これらの電極を用いたコイン型電池の構成は次の通りである。図2は本発明に係るコイン型電池の断面を示している。低い円筒形の正極缶1の内部に、側壁に沿って絶縁パッキン8が載置されている。また、この絶縁パッキン8より中心側に正極集電体2と一体となった正極3が圧着されている。
【0057】
このとき、正極集電体2は正極缶1の底面に接している。この正極3の上にポリプロピレン不織布のセパレータ7と負極集電体5と一体となっている負極6が、この順に下から上へ互いに密接して配置されている。セパレータ7には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1:1で混合した溶媒に、リンフッ化リチウムを1Mの割合で溶解させた電解液が含浸している。
【0058】
負極6の上には負極缶4が重ねられており、この負極缶4と正極缶1は絶縁パッキン8を介在させて、かしめで密封されている。これによって、負極6は負極缶4に圧着しており、特に負極集電体5は負極缶4の内面に接している。
【0059】
このコイン型電池の充放電試験は次の通りに行う。充放電電流は2mAとし、初めに充電上限電圧4.2Vまで定電流充電を行い、続いて4.2Vで定電圧充電を行う。定電流充電時間と定電圧充電時間の合計は24時間とする。また、定電流放電は放電下限電圧2.5Vまで行う。2回目以降も同じ電流、電圧の範囲で充放電を行い、充放電3サイクル目の放電容量を測定する。
【0060】
図3は水溶液中のニッケルイオンのモル量に対するリチウムイオンのモル量の比と、放電容量の関係を示した図である。モル比が1以上の場合では、1以下の場合に比べて高い値の放電容量が得られている。したがって、水溶液中のニッケルイオンのモル量に対するリチウムイオンのモル量の比が1以上であることを特徴とした、本発明に係るLiNiOの製造方法を用いれば、初期放電容量の高い電地を得ることが認められた。
【0061】
<実施例5〜11、比較例2、3>
塩化リチウムを1M、硝酸ニッケルを0.05Mの割合でそれぞれ水に溶解させる。この水溶液に固体の蓚酸を0.3Mの割合で添加する。これは、水溶液中に溶解しているリチウム(イオン)と、ニッケル(イオン)の小さい方のモル量の6倍の蓚酸を加えたことに相当する。蓚酸の添加により沈澱物が生成した水溶液を濾過し、得られた沈澱物を100゜Cで乾燥させる。ここでは、焼成温度と生成したLiNiOを電極に用いた電池の放電容量との関係を調べるため、様々な温度で焼成を行う。
【0062】
即ち、450゜C、500゜C、600゜C、650゜C、700゜C、800゜C、900゜C、1000゜C、1100゜Cの各温度で沈澱物を焼成する。焼成時間は450゜C〜900゜Cでは10時間、1000゜C、1100゜Cでは2時間とする。また、焼成雰囲気における酸素の体積割合は、いずれの場合も95%とする。このときのそれぞれを、比較例2、実施例5〜11、比較例3とする。
【0063】
上記のLiNiOの製造方法により得られたLiNiOを活物質に用いて、正極を作製する。このとき、LiNiO、導電材になるアセチレンブラック、及び結着材になるポリテトラフルオロエチレンを100:8:5の割合で混合する他は、電極作製の手順やペレットの重量及びサイズ等、上述したコイン型電池の正極の作製方法に準ずる。また、負極も上述したコイン型電池の負極の作製方法に準ずる。
【0064】
これらの電極を用いたコイン型電池の構成は、電解液としてエチレンカーボネート、ジメチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した溶媒に、過塩素酸リチウムを1Mの割合で溶解したものを用いる他は、上述したコイン型電池と同様である。また、このコイン型電池の充放電試験は、上述したコイン型電池と同様に行う。
【0065】
図4は、焼成温度と放電容量との関係を示した図である。焼成温度が500゜C〜1000゜C、好ましくは600゜C〜900゜C、特に650゜C〜900゜Cであれば高い値の放電容量が得られている。したがって、焼成温度を500゜C〜1000゜Cとすることを特徴とした、本発明に係るLiNiOの製造方法を用いれば、初期放電容量の高い電極を得ることが認められた。
【0066】
<実施例12〜21>
塩化リチウムを1M、硫酸ニッケルを0.1Mの割合でそれぞれ水に溶解させる。このときの溶液中でのリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)はそれぞれ10である。この溶液中に蓚酸が0.3Mとなるように、水に溶解させた蓚酸を加えた。これは、水溶液中に溶解しているリチウム(イオン)とニッケル(イオン)の小さい方のモル量の3倍の蓚酸を加えたことに相当する。蓚酸の添加により沈澱物が生成した水溶液を濾過し、得られた沈澱物を100゜Cで乾燥させる。
【0067】
ここでは、焼成雰囲気における酸素の体積割合と、生成したLiNiOを電極に用いた電池の放電容量との関係を調べるため、様々な酸素濃度の雰囲気で焼成を行う。即ち、酸素の体積割合が20%、30%、50%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、100%の各雰囲気で沈澱物を焼成する。ただし、いずれの場合も800゜Cで3時間焼成する。このときのそれぞれを、実施例12〜21とする。
【0068】
上記のLiNiOの製造方法により得られたLiNiOを活物質に用いて、正極を作製する。このとき、LiNiO、導電材になるアセチレンブラック、及び結着材になるポリテトラフルオロエチレンを100:5:4の割合で混合する他は、電極作製の手順やペレットの重量及びサイズ等、上述したコイン型電池の正極の作製方法に準ずる。また、負極も上述したコイン型電池の負極の作製方法に準ずる。
【0069】
これらの電極を用いたコイン型電池の構成は、電解液としてエチレンカーボネート、エチルメチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した溶媒に、リンフッ化リチウムを1Mの割合で溶解したものを用いる他は、上述したコイン型電池と同様である。また、このコイン型電池の充放電試験は、上述したコイン型電池と同様に行う。
【0070】
図5は、雰囲気の酸素濃度と放電容量との関係を示した図である。酸素濃度が20%以上、好ましくは70%以上、特に80%以上であれば高い値の放電容量が得られている。したがって、焼成雰囲気における酸素の体積割合を20%以上とすることを特徴とした、本発明に係るLiNiOの製造方法を用いれば、初期放電容量の高い電極を得ることが認められた。
【0071】
<実施例22〜28、比較例4、5>
硝酸リチウムを1M、硫酸ニッケルを1Mの割合でそれぞれ水に溶解させる。このときの溶液中でのリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)は、それぞれ1である。この水溶液に固体の蓚酸を4Mの割合で添加する。これは、水溶液中に溶解しているリチウム(イオン)とニッケル(イオン)の小さい方のモル量の4倍の蓚酸を加えたことに相当する。蓚酸の添加により沈澱物が生成した水溶液を濾過し、得られた沈澱物を100゜Cで乾燥させる。
【0072】
この際、化学分析を行い、沈澱物中のリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)を測定したところ、1より小さいことが判明したので、この乾燥した沈澱物に酸化リチウムを添加して、沈澱物中のリチウムとニッケルのモルの比を1.3に調整する。ここでは、焼成温度と生成したLiNiOを電極に用いた電池の放電容量との関係を調べるため、様々な温度で焼成を行う。
【0073】
即ち、450゜C、500゜C、600゜C、650゜C、700゜C、800゜C、900゜C、1000゜C、1100゜Cの各温度で沈澱物を焼成する。焼成時間は450゜C〜900゜Cでは10時間、1000゜C、1100゜Cでは2時間とする。また、焼成雰囲気における酸素の体積割合は、いずれの場合も80%とする。このときのそれぞれを、比較例4、実施例22〜28、比較例5とする。
【0074】
上記のLiNiOの製造方法により得られたLiNiOを活物質に用いて、正極を作製する。このとき、LiNiO、導電材になるアセチレンブラック、及び結着材になるポリテトラフルオロエチレンを100:15:10の割合で混合する他は、電極作製の手順やペレットの重量及びサイズ等、上述したコイン型電池の正極の作製方法に準ずる。また、負極も上述したコイン型電池の負極の作製方法に準ずる。
【0075】
これらの電極を用いたコイン型電池の構成は、電解液としてエチレンカーボネート、ジメチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した溶媒に、リンフッ化リチウムを1Mの割合で溶解したものを用いる他は、上述したコイン型電池と同様である。また、このコイン型電池の充放電試験は、上述したコイン型電池と同様に行う。
【0076】
図6は、焼成温度と放電容量との関係を示した図である。焼成温度が500゜C〜1000゜C、特に650゜C〜900゜Cであれば高い値の放電容量が得られている。したがって、焼成温度を500゜C〜1000゜Cとすることを特徴とした、本発明に係るLiNiOの製造方法を用いれば、初期放電容量の高い電極を得ることが認められた。
【0077】
<実施例29〜38>
硝酸リチウムを1M、塩化ニッケルを1Mの割合でそれぞれ水に溶解させる。このときの溶液中でのリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)はそれぞれ1である。この溶液中に蓚酸を4Mになるように、水に溶解させた蓚酸を加えた。これは、水溶液中に溶解しているリチウム(イオン)とニッケル(イオン)の小さい方のモル量の4倍の蓚酸を加えたことに相当する。蓚酸の添加により沈澱物が生成した水溶液を濾過し、得られた沈澱物を100゜Cで乾燥させる。この際、化学分析を行い、沈澱物中のリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)を測定したところ、1より小さいことが判明したので、この乾燥した沈澱物に水酸化リチウムを添加して、沈澱物中のリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)を1.1に調整する。
【0078】
ここでは、焼成雰囲気における酸素の体積割合と、生成したLiNiOを電極に用いた電池の放電容量との関係を調べるため、様々な酸素濃度の雰囲気で焼成を行う。即ち、酸素の体積割合が20%、30%、50%、70%、75%、80%、90%、95%、99%、100%の各雰囲気で沈澱物を焼成する。ただし、いずれの場合も800゜Cで3時間焼成する。このときのそれぞれを、実施例29〜38とする。
【0079】
上記のLiNiOの製造方法により得られたLiNiOを活物質に用いて正極を作製する。このとき、LiNiO、導電材になるアセチレンブラック、及び結着材になるポリテトラフルオロエチレンを100:5:5の割合で混合する他は、電極作製の手順やペレットの重量及びサイズ等、上述したコイン型電池の正極の作製方法に準ずる。また、負極も上述したコイン型電池の負極の作製方法に準ずる。
【0080】
これらの電極を用いたコイン型電池の構成は、電解液としてエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、及びジメチルカーボネートを体積比4:1:5の割合で混合した溶媒に、リンフッ化リチウムを1Mの割合で溶解したものを用いる他は、上述したコイン型電池と同様である。このコイン型電池の充放電試験は、上述したコイン型電池と同様に行う。
【0081】
図7は、雰囲気の酸素濃度と放電容量との関係を示した図である。酸素濃度が20%以上では、約24mAh以上の放電容量が得られている。好ましくは70%以上、特に酸素濃度が80%以上であれば、さらに高い値となる。したがって、焼成雰囲気における酸素の体積割合を20%以上とすることを特徴とした、本発明に係るLiNiOの製造方法を用いれば、初期放電容量の高い電極を得ることが認められた。
【0082】
<実施例39〜42、比較例6〜8>
硫酸リチウムを0.5M、硫酸ニッケルを1Mの割合でそれぞれ水に溶解させる。このときの溶液中でのリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)は、それぞれ1である。この水溶液に固体の蓚酸を3Mの割合で添加する。これは、水溶液中に溶解しているリチウム(イオン)とニッケル(イオン)の小さい方のモル量の3倍の蓚酸を加えたことに相当する。蓚酸の添加により沈澱物が生成した水溶液を濾過し、得られた沈澱物を100゜Cで乾燥させる。
【0083】
この際、化学分析を行い、沈澱物中のリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)を測定したところ、1より小さいことが判明した。ここでは、沈澱物中のリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)と、生成したLiNiOを電極に用いた電池の放電容量との関係を調べるため、様々なモル比の沈澱物よりLiNiOを合成する。即ち、乾燥した沈澱物に酸化リチウムを添加して、リチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)を0.8、0.9、1、1.1、1.2、1.3、1.4の各値に調整する。これらの沈澱物を750゜C、酸素の体積割合99%の雰囲気で、5時間焼成する。このときのそれぞれを、比較例6、7、実施例39〜42、比較例8とする。
【0084】
上記のLiNiOの製造方法により得られたLiNiOを活物質に用いて正極を作製する。このとき、LiNiO、導電材になるアセチレンブラック、及び結着材になるポリテトラフルオロエチレンを100:5:3の割合で混合する他は、電極作製の手順やペレットの重量及びサイズ等、上述したコイン型電池の正極の作製方法に準ずる。
【0085】
また、負極も上述したコイン型電池の負極の作製方法に準ずる。これらの電極を用いたコイン型電池の構成は、電解液としてエチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した溶媒に、リンフッ化リチウムを1Mの割合で溶解したものを用いる他は、上述したコイン型電池と同様である。
【0086】
このコイン型電池の充放電試験は、上述したコイン型電池と同様に行う。図8は、沈澱物中のリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)と、放電容量との関係を示した図である。このモル比が1〜1.3であれば高い値の放電容量を得ることができる。したがって、焼成前段階における沈澱物中のリチウムとニッケルのモル比(リチウム/ニッケル)が1〜1.3とすることを特徴とした、本発明に係るLiNiOの製造方法を用いれば、初期放電容量の高い電極を得ることが認められた。
【0087】
次に、従来技術に係る4例のLiNiOの製造方法に沿ってLiNiOを合成し、そのLiNiOを電極に用いた電池の充放電試験の結果を示す。
【0088】
<比較例9>
本比較例は、ともに固体であるリチウム化合物とニッケル化合物を混合し、焼成を1度のみとするLiNiOの製造方法である。水酸化リチウムとオキシ水酸化ニッケルは、水酸化リチウム中のリチウムとオキシ水酸化ニッケル中のニッケルのモル量の比が1.1:1となるように秤量する。これらを乳鉢で混合し、この混合物に100kg/cmの圧力をかけてペレットにする。このペレットを800゜C、酸素雰囲気で2時間焼成し、粉砕して活物質であるLiNiOを得る。
【0089】
上記のLiNiOの製造方法により得られたLiNiOを活物質に用いて、正極を作製する。LiNiO、導電材となるアセチレンブラック、及び結着材となるポリテトラフルオロエチレンを100:10:10の割合で乳鉢にて混合する。この混合物を加圧成形し、直径15mm、厚さ0.75mm、重量0.17gのペレットにする。
【0090】
負極の作製方法は次の通りである。負極活物質にはマダガスカル産の天然黒鉛(鱗片状、粒径:11μm、(002)面の平行する隣接面との面間隔(d002):0.337nm、(002)面方向にある結晶層の厚さ(Lc):27nm、(002)面方向にある結晶層の拡り(La):17nm、アルゴンレーザーラマン法による散乱スペクトルの波数が1580cm−1付近のピークに対する1360cm−1付近のピークの強度比(R値):0、比表面積:8m/g)を用いる。
【0091】
天然黒鉛と結着剤となるポリテトラフルオロエチレンを、10:1の割合で混合する。この混合物に集電体としてニッケルメッシュを加え、加圧成形して直径15mm、厚さ0.59mm、重量0.1gのペレットを作製する。このペレットを水分除去のために200゜C、減圧下で乾燥させる。
【0092】
これらの電極を用いてコイン型電池を作製するが、その構成は図2に示されたコイン型電池と同様とする。また、このコイン型電池の充放電試験は次の通りに行う。充放電電流は2mAとし、初めに充電上限電圧4.2Vまで定電流充電を行い、続いて4.2Vで定電圧充電を行う。定電流充電時間と定電圧充電時間の合計は24時間とする。定電流放電は放電下限電圧2.5Vまで行う。2回目以降も同じ電流、電圧の範囲で充放電を行い、充放電3サイクル目の放電容量を測定する。その結果、放電容量は22.5mAhとなった。
【0093】
<比較例10>
本比較例は、ともに固体であるリチウム化合物とニッケル化合物を混合し、2度焼成するLiNiOの製造方法である。水酸化リチウムと酸化ニッケルは、水酸化リチウム中のリチウムと酸化ニッケル中のニッケルのモル量の比が1.1:1となるように秤量する。これらを乳鉢で混合し、この混合物に100kg/cmの圧力をかけてペレットにする。このペレットを600゜C、空気雰囲気で24時間焼成した後、800゜C、酸素雰囲気で2時間焼成し、粉砕して活物質であるLiNiOを得る。
【0094】
上記のLiNiOの製造方法により得られたLiNiOを活物質に用いて、正極を作製する。正極と負極の作製方法、及び電池の構成は、上述した従来技術によるLiNiOを用いたコイン型電池に準ずる。また、その充放電試験も同様に行う。その結果、放電容量は23.1mAhとなった。
【0095】
<比較例11>
本比較例は、リチウム化合物水溶液とニッケル化合物水溶液を混合するLiNiOの製造方法である。水酸化リチウムと塩化ニッケルは、水酸化リチウム中のリチウムと塩化ニッケル中のニッケルのモル比が1:1となるように秤量する。この水酸化リチウムと塩化ニッケルを、それぞれ水に溶解させて水溶液とする。
【0096】
塩化ニッケル水溶液を撹拌しながら、水酸化リチウム水溶液を徐々に注加し、30゜Cにて5時間撹拌する。これを90〜100゜Cにて乾燥させ、得られた固形物を粉砕する。これに100kg/cmの圧力をかけてペレットを作製する。このペレットを800゜C、酸素雰囲気で2時間焼成し、粉砕して活物質であるLiNiOを得る。
【0097】
上記のLiNiOの製造方法により得られたLiNiOを活物質に用いて、正極を作製する。正極と負極の作製方法、及び電池の構成は、上述した従来技術によるLiNiOを用いたコイン型電池に準ずる。また、その充放電試験も同様に行う。その結果、放電容量は22.8mAhとなった。
【0098】
<比較例12>
本比較例は、ともに固体であるリチウム化合物とニッケル化合物に分散媒として水を加えるLiNiOの製造方法である。水酸化リチウムと水酸化ニッケルは、水酸化リチウム中のリチウムのモル量と水酸化ニッケル中のニッケルのモル量の比が1:1になるように秤量する。
【0099】
この水酸化リチウムと水酸化ニッケルに少量の水を加え、乳鉢にて混合する。これを90〜100゜Cにて乾燥させ、得られた固形物を粉砕する。これに、100kg/cmの圧力をかけてペレットとし、このペレットを800゜C、酸素雰囲気で2時間焼成し、粉砕して活物質であるLiNiOを得る。
【0100】
上記のLiNiOの製造方法により得られたLiNiOを活物質に用いて、正極を作製する。正極と負極の作製方法、及び電池の構成は、上述した従来技術によるLiNiOを用いたコイン型電池に準ずる。また、その充放電試験も同様に行う。その結果、放電容量は23.7mAhとなった。
【0101】
<比較例13>
本比較例は、固体のニッケル化合物にリチウム化合物水溶液を混合するLiNiOの製造方法である。塩化リチウムと酸化ニッケルは、塩化リチウム中のリチウムと酸化ニッケル中のニッケルのモル比が1:1になるように秤量する。塩化リチウムは水に溶解させて水溶液とする。
【0102】
酸化ニッケルを混練しながら、塩化リチウム水溶液を徐々に注加し、30゜Cにて5時間撹拌練合する。これを90〜100゜Cにて乾燥させて得られた固形物を粉砕し、100kg/cmの圧力をかけてペレットを作製する。このペレットを800゜C、酸素雰囲気で2時間焼成し、粉砕して活物質であるLiNiOを得る。
【0103】
上記のLiNiOの製造方法により得られたLiNiOを活物質に用いて、正極を作製する。正極と負極の作製方法、及び電池の構成は、上述した従来技術によるLiNiOを用いたコイン型電池に準ずる。また、その充放電試験も同様に行う。その結果、放電容量は23.8mAhとなった。
【0104】
前述の図3〜図8に示すとおり、本発明に係るLiNiOの製造方法によるLiNiOを正極に用いたコイン型電池の場合、放電容量は約24mAh以上であった。上記の従来技術によるLiNiOを正極に用いたコイン型電池も、これらと同じ充放電試験を行ったのであるが、その結果と比較すると、本発明による方が高い値を得ていることが認められる。したがって、本発明に係るLiNiOの製造方法によるLiNiOを電極に用いた電池は、従来技術によるLiNiOを電極に用いた電池よりも優れているということである。
【0105】
<実施例43>
本実施例では、本発明に係る円筒形電池の充放電試験を行う。まず、シート状の正極を作製する。塩化リチウムを1M、硫酸ニッケルを0.1Mの割合でそれぞれ水に溶解させる。この水溶液に、水溶液の蓚酸を0.3Mの割合で添加する。蓚酸の添加により沈澱物が生成した水溶液を濾過し、得られた沈澱物を100゜Cで乾燥させる。この乾燥した沈澱物を酸素雰囲気、800゜Cで3時間焼成し、得られた焼成物を粉砕する。
【0106】
このLiNiOを活物質に用いた電極の作製方法は次の通りである。LiNiO、導電材となるアセチレンブラック、及び結着剤となるポリフッ化ビニリデンを100:7:10の割合で混合する。ここに、分散剤としてN−メチル−2−ピロリドンを加えてさらに混合し、正極ペーストとする。
【0107】
この正極ペーストを集電体となるアルミニウム箔(厚さ20μm)の両面に塗布し、乾燥させた後、圧延して短冊状に切断する。この正極における単位面積あたりの活物質の重量は40mg/cmとなった。また、この正極の一端に正極リードとなるアルミニウムタブを、スポット溶接にて取り付ける。
【0108】
負極活物質に人造黒鉛(粒径:8μm、(002)面の平行する隣接面との面間隔(d002):0.337nm、(002)面方向にある結晶層の厚さ(Lc):25nm、(002)面方向にある結晶層の拡り(La):13nm、アルゴンレーザーラマン法による散乱スペクトルの波数が1580cm−1付近のピークに対する1360cm−1付近のピークの強度比(R値):0、比表面積:12m/g)を用いる。この人造黒鉛と結着剤となるポリフッ化ビニリデンを、100:10の割合で混合する。
【0109】
この混合物に、分散剤としてN−メチル−2−ピロリドンを加えてさらに混合し、負極ペーストとする。負極ペーストを集電体となる銅箔(厚さ18μm)の両面に塗布し、乾燥させた後、圧延し、短冊状に切断する。この負極における活物質の単位面積あたりの重量は20mg/cmとなった。また、この負極の一端に負極リードとなるニッケルタブを、スポット溶接にて取り付ける。
【0110】
これらの電極を用いた円筒形電池の構成は次の通りである。図9は本発明に係る円筒形電池の断面を示している。正極16、負極15各1枚ずつの間にポリエチレン製微多孔質のセパレータ14が挟まれている。これらを一体として端からスパイラル状に巻回し、円筒形の巻回要素を形成する。
【0111】
この円筒形巻回要素は上面から正極リード、下面から負極リードがそれぞれ引き出された状態で、円筒形の電池缶(直径17mm、高さ50mm、ステンレス製)内に収納されている。そして、正極リードは安全弁付き正極蓋に、負極リードは電池缶の底面にスポット溶接によってそれぞれ取り付けられている。また、巻回要素の中心部には、巻き崩れ防止のためにセンターピン17(直径3.4mm、長さ40mm、ステンレス製チューブ)が挿入されている。
【0112】
電解質として、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを体積比1:1で混合した混合溶媒に、リンフッ化リチウムを1Mの割合で溶解させた電解液が、電池缶に注液されている。また、正極蓋11と電池缶13は絶縁パッキン12を介在させて、かしめで密封されている。
【0113】
この円筒形電池の充放電試験は次の通りに行う。25゜Cの恒温槽において、500mA、上限電圧4.2Vの定電流定電圧充電を3時間行い、100mA、下限電圧2.75Vの定電流放電を行った。2回目以降も同様に行う。その結果、充放電1サイクル目の放電容量は918mAh、50サイクル目の放電容量は830mAhであった。したがって、本発明に係る非水系二次電池は繰り返される充放電にも、放電容量が減少しない二次電池であることが認められた。
【0114】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るLiNiOの製造方法では、リチウム化合物とニッケル化合物の混合物を共沈反応で得ることにより、その混合物はリチウムとニッケルが十分均一に混合された状態となる。これに伴い、焼成が容易になり、より低温で焼成可能になる。
【0115】
この混合物を焼成して得られるLiNiOを活物質として電極に用いた、本発明に係る非水系二次電池では、高い値の初期放電容量を得ることができる。さらに、二次電池は繰り返し行われる充放電に伴って放電容量が著しく減少するが、本発明に係る二次電池ではあまり減少しないので、寿命の長い二次電池となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るLiNiOの製造方法を示した図である。
【図2】本発明に係るコイン型電池の断面を示した図である。
【図3】リチウム化合物とニッケル化合物の水溶液における、ニッケルイオンのモル量に対するリチウムイオンのモル量の比と、LiNiOを電極に用いた電池の放電容量の関係を示した図である。
【図4】焼成温度とLiNiOを電極に用いた電池の放電容量との関係を示した図である。
【図5】焼成雰囲気の酸素濃度とLiNiOを電極に用いた電池の放電容量との関係を示した図である。
【図6】焼成温度とLiNiOを電極に用いた電池の放電容量との関係を示した図である。
【図7】焼成雰囲気の酸素濃度とLiNiOを電極に用いた電池の放電容量との関係を示した図である。
【図8】焼成前段階の沈澱物におけるリチウムとニッケルのモル比と、LiNiOを電極に用いた電池の放電容量との関係を示した図である。
【図9】本発明に係る円筒形電池の断面を示した図である。
【符号の説明】
1 正極缶
2 正極集電体
3 正極
4 負極缶
5 負極集電体
6 負極
7 セパレータ
8 絶縁パッキン
11 正極蓋
12 絶縁パッキン
13 電池缶
14 セパレータ
15 負極
16 正極
17 センターピン

Claims (9)

  1. 水溶性リチウム化合物と水溶性ニッケル化合物を水に溶解させて水溶液を作製する工程と、前記水溶液に有機酸を添加する工程と、前記有機酸を添加後の前記水溶液から沈澱物を濾別する工程と、前記濾別工程によって得られた前記沈澱物にリチウム化合物を添加する工程と、前記リチウム化合物を添加した前記沈澱物を焼成する工程と、から成ることを特徴とする非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法。
  2. 前記水溶性リチウム化合物と前記水溶性ニッケル化合物を溶解した前記水溶液において、ニッケルイオンのモル量に対するリチウムイオンのモル量の比が1以上であることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法。
  3. 前記有機酸として蓚酸を用いることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法。
  4. 前記焼成工程において、焼成温度を500゜C〜1000゜Cとすることを特徴とする請求項1に記載のLiNiO2の製造方法。
  5. 前記焼成工程において、酸素の体積割合が20%以上の雰囲気で焼成を行うことを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法。
  6. 前記沈澱物に前記リチウム化合物を添加する工程において、硝酸リチウム、酢酸リチウム、ヨウ化リチウム、水酸化リチウム、酸化リチウム、炭酸リチウム、蓚酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、過酸化リチウムのいずれか1つを前記リチウム化合物として用いることを特徴とする請求項に記載の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法。
  7. 前記沈澱物に前記リチウム化合物を添加する工程において、前記沈澱物中のニッケルのモル量に対するリチウムのモル量の比が1乃至1.3となるように添加することを特徴とする請求項に記載の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法。
  8. 水溶性のリチウム化合物として硫酸リチウム、硝酸リチウム、塩化リチウム、臭化リチウム、ヨウ化リチウム、酢酸リチウムのいずれか1つを用いることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法。
  9. 水溶性のニッケル化合物として、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、塩化ニッケル、臭化ニッケル、ヨウ化ニッケル、酢酸ニッケルのいずれか1つを用いることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用正極活物質LiNiO2の製造方法。
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