JP2000125857A - α−L−フコシダーゼ、その製造方法、菌株および用途 - Google Patents

α−L−フコシダーゼ、その製造方法、菌株および用途

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JP2000125857A JP10302746A JP30274698A JP2000125857A JP 2000125857 A JP2000125857 A JP 2000125857A JP 10302746 A JP10302746 A JP 10302746A JP 30274698 A JP30274698 A JP 30274698A JP 2000125857 A JP2000125857 A JP 2000125857A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 糖鎖中のα1→2またはα1→3結合してい
るα−L−フコースを特異的に加水分解し、かつ糖転移
反応を触媒してα1→3結合したα−L−フコースを含
む三糖以上のオリゴ糖を生成する新規かつ有用なα−L
−フコシダーゼを提供する。 【解決手段】 アルカリジェネス・スピーシス・KSF
−9687(Alcaligenes sp. KSF-9687)菌株を液体培
地で培養し、培養液からα−L−フコシダーゼ画分を分
離、精製する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規かつ有用なα
−L−フコシダーゼ、その製造方法、その生産菌である
新規かつ有用なアルカリジェネス・スピーシス・KSF
−9687(Alcaligenes sp. KSF-9687)菌株、前記α
−L−フコシダーゼを用いたα1→3結合したL−フコ
ースを含むオリゴ糖の製造方法、ならびにα1→3結合
したL−フコースを含む新規かつ有用なオリゴ糖に関す
る。
【0002】
【従来の技術】糖タンパク質や糖脂質中に含まれる複合
糖質の糖鎖の非還元未端あるいは枝分れ部分には、α−
L−フコシル基を含むものが多く見出されている。例え
ば、植物キシログルカン由来のフコースを含むオリゴサ
ッカライドにエリシター様の活性があることが報告され
ている。また、L−フコースを含む複合脂質中の糖鎖
は、血液型の型決定基、肝臓への血清糖タンパク質の取
り込み、マクロファージ遊走阻止因子の受容体、細胞−
細胞相互作用など、さまざまな生理活性を有していると
言われている。さらに細胞のガン化に伴い血中のL−フ
コース量が増加することが観察されている。
【0003】α−L−フコシダーゼは糖鎖中のα−L−
フコシド結合を加水分解する酵素であり、複合糖質中の
糖鎖の構造解析や、構造と機能との関連あるいは生理活
性などを研究する上で、L−フコースを特異的にはすず
酵素試薬として重要な意味を持っている。一方、同様の
理由から、α−L−フコシダーゼのL−フコース転移能
を利用して、L−フコースを含むオリゴ糖を人工的に合
成することが求められている。しかしながら、フコース
を含む糖鎖の合成は一部のものが化学合成法または酵素
法によりなされているにすぎないのが現状である。
【0004】すなわち、化学合成法においては、水酸基
のうちで反応に関与しない水酸基を保護した受容体の1
位を活性化し、残りの水酸基を保護した供与体を作用さ
せて縮合反応を行い、反応終了後に保護基を脱離させて
目的物を得るという繁雑な工程を必要とする。しかも、
工程の数が多いために必然的に収率は低いものとならざ
るを得ない。
【0005】一方、酵素を用いてL−フコースを含むオ
リゴ糖を合成する試みは数多く行われている。例えば、
スベンソン(Svensson)およびチエム(Thime)は、ブ
タ肝臓由来のα−L−フコシダーゼを用いて、L−フコ
ースがα1→2またはα1→6結合したL−フコシル−
メチル−β−D−ガラクトピラノシドを合成している
(Carbohydr. Res., 200, 391-402. 1990)。しかしな
がら、このα−L−フコシダーゼは酵素活性が低く、ま
たこのα−L−フコシダーゼを用いてα1→3結合した
L−フコースを含むオリゴ糖を製造することはできな
い。
【0006】また、微生物由来のα−L−フコシダーゼ
を用いてL−フコースを含むオリゴ糖を製造する方法と
して、特開平5−137589号公報には、コリネバク
テリウム属細菌由来のα−L−フコシダーゼを用いて、
糖転移反応を行わせることにより、α1→2結合したL
−フコースを含むオリゴ糖を製造する方法が記載されて
いる。しかしながら、このα−L−フコシダーゼを用い
て、α1→3結合したL−フコースを含むオリゴ糖を製
造することはできない。
【0007】さらに、特開平8−242876号公報に
は、アルカリジェネス属に属する細菌の生産するα−L
−フコシダーゼを用いて、糖転移反応を行わせることに
より、α1→2結合したL−フコースを含むオリゴ糖の
製造方法が記載されている。しかしながら、このα−L
−フコシダーゼを用いて、α1→3結合したL−フコー
スを含むオリゴ糖を製造することはできない。
【0008】また、α1→3結合したL−フコースを含
むオリゴ糖の製造方法として、特開平4−99492号
公報には、アスペルギルス・ニガー(Aspergillus nige
r)由来のα−L−フコシダーゼを用いて、糖転移反応
を行わせることにより、α1→3結合したL−フコース
を含むオリゴ糖の製造方法が記載されている。そして実
施例において、受容体としてD−グルコースまたはN−
アセチル−D−グルコサミンの単糖を用いて糖転移反応
を行うことにより、D−グルコースまたはN−アセチル
−D−グルコサミンにα−L−フコースがα1→3結合
した二糖類(オリゴ糖)を製造している。
【0009】しかしながら、上記のα−L−フコシダー
ゼは、受容体としてD−ガラクトースを用いた場合には
糖転移反応は起こらない(Carbohydr. Res., 224, 291-
299(1992))。またラクトースまたは1−O−メチルラ
クトース等の二糖類に糖転移反応を行った実施例はな
く、α−L−フコースがα1→3結合した三糖以上のオ
リゴ糖を製造することはできない。従って、糖転移反応
受容体についてはスペクトラムが狭く、生体中での糖鎖
の生理活性を明らかにするための試薬としては不向きで
ある。
【0010】またペニシリウム・マルチコラー(Penici
llium multicolor)由来のα−L−フコシダーゼ(Carb
ohydr. Res., 309, 125-129(1998))も知られている
が、このα−L−フコシダーゼの受容体に対する特異性
は、前記特開平4−99492号公報のアスペルギルス
・ニガー(Aspergillus niger)由来のα−L−フコシ
ダーゼと同じであり、従って糖転移反応受容体について
はスペクトラムが狭く、生体中での糖鎖の生理活性を明
らかにするための試薬としては不向きである。
【0011】以上のように、α−L−フコースがα1→
3結合した三糖以上のオリゴ糖を合成することができる
α−L−フコシダーゼはこれまで知られておらず、この
ため糖鎖の構造解析や、生体中での糖鎖の生理活性など
を研究する上で必要となるα1→3結合したα−L−フ
コースを含む三糖以上のオリゴ糖およびこのオリゴ糖を
合成することができるα−L−フコシダーゼが求められ
ている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上のように、生体中
の複合糖質中の糖鎖においてL−フコースを含むオリゴ
糖は構造上および生理活性上重要な位置を占めており、
特にα1→3結合したL−フコースを含むオリゴ糖は、
その新たな生理活性に興味が持たれるところである。従
って、糖転移反応受容体の種類や分子量に影響されるこ
となく、L−フコースを受容体の3位に選択的に糖転移
反応させ、α1→3結合したL−フコースを含むオリゴ
糖の製造方法が求められている。
【0013】本発明の課題は、天然高分子基質、オリゴ
糖または合成基質中のα−L−フコシド結合を特異的に
加水分解し、しかもα1→3結合したα−L−フコース
を含む三糖以上のオリゴ糖を合成することができる新規
かつ有用なα−L−フコシダーゼを提供することであ
る。本発明の他の課題は、上記α−L−フコシダーゼを
容易に製造することができるα−L−フコシダーゼの製
造方法を提案することである。本発明の別の課題は、上
記α−L−フコシダーゼを生産する新規かつ有用なアル
カリジェネス・スピーシス・KSF−9687(Alcali
genes sp. KSF-9687)菌株を提供することである。本発
明のさらに別の課題は、上記α−L−フコシダーゼを用
いて、α1→3結合したL−フコースを含むオリゴ糖を
効率よく製造することができるオリゴ糖の製造方法を提
案することである。本発明のさらに別の課題は、α1→
3結合したL−フコースを含む新規かつ有用なオリゴ糖
を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は次のα−L−フ
コシダーゼ、その製造方法、その生産菌株および用途で
ある。 (1)次の酵素学的性質を有するα−L−フコシダー
ゼ。 作用 ・天然高分子基質、オリゴ糖または合成基質中のα−L
−フコシド結合を特異的に加水分解し、L−フコースを
遊離する。 ・α−L−フコシド結合しているL−フコースを、受容
体である単糖または二糖以上のオリゴ糖に糖転移反応を
行い、L−フコースを含むオリゴ糖を生成する。 加水分解での基質特異性 ・天然高分子基質、オリゴ糖または合成基質中のα1→
2またはα1→3結合しているL−フコースを加水分解
する。 ・合成基質であるp−ニトロフェニル−α−L−フコピ
ラノシドを加水分解する。 ・天然高分子基質、オリゴ糖または合成基質中のα1→
4またはα1→6結合しているL−フコースには作用し
ない。 糖転移反応での特異性 ・α−L−フコシド結合しているL−フコースを、受容
体である単糖または二糖以上のオリゴ糖に糖転移反応を
行い、α1→3結合したL−フコースを含むオリゴ糖を
生成する。 ・α1→2、α1→4またはα1→6結合したL−フコ
ースを含むオリゴ糖は生成しない。 至適pHおよび安定pH範囲 ・至適pHはpH7.0〜8.0であり、安定pH範囲
は、45℃で1時間の保持条件においてpH6.0〜
9.0である。 至適温度および安定温度範囲 ・至適温度は55℃であり、pH7.0で10分間処理
した時、50℃まで安定であり、65℃以上で失活す
る。 阻害剤などの影響 ・酵素活性は銅、水銀またはパラクロルメルクリ安息香
酸により著しく阻害されるが、その他の金属イオン、S
H試薬および糖によりほとんど影響を受けない。 分子量 ・PAGEにより測定した分子量は約102,000で
ある。 ・SDS−PAGEにより測定した分子量は約51,0
00である。 (2)アルカリジェネス・スピーシス・KSF−968
7(Alcaligenes sp.KSF-9687)菌株由来であることを
特徴とする上記(1)記載のα−L−フコシダーゼ。 (3)上記(1)記載のα−L−フコシダーゼ生産能を
有することを特徴とするアルカリジェネス・スピーシス
・KSF−9687(Alcaligenes sp. KSF-9687)菌
株。 (4)アルカリジェネス(Alcaligenes)属に属し、菌
体内および菌体外にα−L−フコシダーゼを生産する能
力を有する微生物を培養し、培養物より上記(1)記載
のα−L−フコシダーゼを採取することを特徴とするα
−L−フコシダーゼの製造方法。 (5)微生物がアルカリジェネス・スピーシス・KSF
−9687(Alcaligenes sp. KSF-9687)菌株である上
記(4)記載の製造方法。 (6)L−フコースの供与体と、L−フコースの受容体
とを含む溶液に、上記(1)または(2)記載のα−L
−フコシダーゼを添加して糖移転反応を行うことを特徴
とするα1→3結合したL−フコースを含むオリゴ糖の
製造方法。 (7)L−フコースの供与体がp−ニトロフェニル−α
−L−フコピラノシド、o−ニトロフェニル−α−L−
フコピラノシドまたはα−L−フコピラノシルフルオリ
ドである上記(6)記載の製造方法。 (8)L−フコースの受容体が単糖または二糖以上のオ
リゴ糖である上記(6)または(7)記載の製造方法。 (9)L−フコースの受容体がD−ガラクトース、1−
O−メチル−D−ガラクトース、D−マンノース、ラク
トースまたはN−アセチルラクトサミンである上記
(6)ないし(8)のいずれかに記載の製造方法。 (10)下記式(1)で表されるα−L−フコピラノシ
ル−(1→3)−D−ガラクトース。
【化7】 (11)下記式(2)で表されるα−L−フコピラノシ
ル−(1→3)−D−マンノース。
【化8】 (12)下記式(3)で表されるα−L−フコピラノシ
ル−(1→3)−1−O−メチル−D−ガラクトース。
【化9】 (13)下記式(4)で表されるα−L−フコピラノシ
ル−(1→3’)−ラクトース。
【化10】 (14)下記式(5)で表されるα−L−フコピラノシ
ル−(1→3’)−1−O−メチルラクトース。
【化11】 (15)下記式(6)で表されるα−L−フコピラノシ
ル−(1→3’)−N−アセチルラクトサミン。
【化12】 (式中、Acはアセチル基である。)
【0015】本発明のα−L−フコシダーゼはアルカリ
ジェネス(Alcaligenes)属に属する菌株から得ること
ができる。アルカリジェネス属に属する菌株としては、
α−L−フコシダーゼ生産能を有するものであればいか
なる菌株でも使用することができ、これらの菌株の変異
株でも使用することができる。アルカリジェネス属に属
するα−L−フコシダーゼ生産能を有する菌株の具体例
としては、例えばアルカリジェネス・スピーシス・KS
F−9687(Alcaligenes sp. KSF-9687)菌株があげ
られる。この菌株の菌学的性質は次の通りである。
【0016】《形態的所見》 (1)細胞の形態、大きさ:桿菌、0.7〜0.8×
1.5〜2.5μm (2)多形性:なし (3)運動性:あり (4)胞子:なし (5)べん毛:周ベん毛 (6)グラム染色性:陰性
【0017】《生育状態》 (1)肉汁寒天平板培養 集落の形状は円形であり、周縁は平滑で、表面隆起は扁
平状である。また、集落の色調は半透明である。 (2)肉汁液体培養 生育し混濁する。 (3)ゼラチン穿刺培養 液化しない。
【0018】 《生理学的性質》 (1)硝酸塩の還元 :陽性 (2)色素の生成 :陰性 (3)インドールの生成:陰性 (4)デンプンの分解 :陰性 (6)クエン酸の利用 :陽性 (8)カタラーゼ :陽性 (9)オキシダーゼ :陽性 (10)MRテスト :陰性 (11)VPテスト :陰性 (12)エスクリンの加水分解:陰性 (13)脱窒反応 :陽性 (14)ポリヒドロキシ酪酸の蓄積:陽性 (15)栄養要求性:陰性 (16)リジンデカルボキシラーゼ:陽性 (17)アルギニンジヒドロラーゼ:陰性 (18)オルニチンデカルボキシラーゼ:陽性 (19)生育温度 :15〜42℃ 至適温度 :30〜37℃ (20)生育pH :6.0〜9.0 至適pH :7.0〜8.0 (21)酸素に対する態度:好気性 (22)糖鎖からの酸およびガスの生成(+:生成、−:生成せず) 酸 ガス D−グルコース − − D−フルクトース − − D−ガラクトース − − D−キシロース − − 麦芽糖 − − 乳糖 − − ショ糖 − − D−マンニトール − −
【0019】《その他》後述する酵素学的および理化学
的性質を有するα−L−フコシダーゼを菌体内および菌
体外に産出する。
【0020】以上の性質から、Bergey's Manual of Sys
tematic Bacteriologyを参照し、この菌株をアルカリジ
ェネスに属する菌株と同定し、アルカリジェネス・スピ
ーシス・KSF−9687(Alcaligenes sp. KSF-968
7)と命名した。最も類似した性質を示すものとしてア
ルカリジェネス・デニトリフィカンス(Alcaligenes de
nitrificans)があげられる。本菌株は、工業技術院生
命工学工業技術研究所にFERM P−16944の受
託番号で寄託されている。
【0021】次に、上記アルカリジェネス・スピーシス
・KSF−9687(Alcaligenessp. KSF-9687)菌株
により生産される本発明のα−L−フコシダーゼの酵素
学的および理化学的性質について説明する。 (1)酵素の作用 本発明のα−L−フコシダーゼは天然高分子基質、オリ
ゴ糖または合成基質中のα−L−フコシド結合を特異的
に加水分解し、L−フコースを遊離する。またα−L−
フコシド結合しているL−フコースを、受容体である単
糖または二糖以上のオリゴ糖に糖転移反応を行い、L−
フコースを含む二糖または三糖以上のオリゴ糖を生成す
る。
【0022】(2)加水分解での基質特異性 本発明のα−L−フコシダーゼは天然高分子基質、オリ
ゴ糖または合成基質中のα1→2またはα1→3結合し
ているL−フコースを加水分解する。また合成基質であ
るp−ニトロフェニル−α−L−フコピラノシド(p−
ニトロフェニル−α−L−フコシド)を加水分解する。
しかし、天然高分子基質、オリゴ糖または合成基質中の
α1→4またはα1→6結合しているL−フコースには
作用しない。
【0023】本発明のα−L−フコシダーゼの種々のα
−L−フコシド結合含有基質に対する酵素活性を表1に
示した。表1から明らかなように、本発明のα−L−フ
コシダーゼはp−ニトロフェニル−α−L−フコシドの
ような合成基質、ならびにα−L−フコピラノシル−
(1→2’)−ラクトース(2′−フコシルラクトー
ス)、α−L−フコピラノシル−(1→3’)−ラクト
ース(3′−フコシルラクトース)などのオリゴ糖およ
びムチン等の天然基質に作用することが分かる。すなわ
ち、本発明のα−L−フコシダーゼは、合成基質中のα
−L−フコシド結合を加水分解し、またオリゴ糖鎖中の
α1→2またはα1→3結合しているフコースを加水分
解することが分かる。一方、オリゴ糖鎖中および天然高
分子基質中のα1→4またはα1→6結合しているL−
フコースには作用しないことが分かる。なお、表1中の
相対活性は、p−ニトロフェニル−α−L−フコシドに
対する活性を100として表示した。
【0024】
【表1】 *1 Fuc:L−フコース PNP:p−ニトロフェニル Lac:ラクトース GlcNAc:N−アセチル−D−グルコサミン Gal:D−ガラクトース
【0025】(3)糖転移反応での基質特異性 本発明のα−L−フコシダーゼが触媒する糖転移反応に
おいて、L−フコースの供与体となる化合物は、α−L
−フコシド結合しているL−フコースを有する化合物で
ある。供与体の具体的なものとしては、p−ニトロフェ
ニル−α−L−フコピラノシド、o−ニトロフェニル−
α−L−フコピラノシドまたはα−L−フコピラノシル
フルオリドなどがあげられる。本発明のα−L−フコシ
ダーゼが触媒する糖転移反応において、L−フコースの
受容体となる化合物は、D−ガラクトース、1−O−メ
チル−D−ガラクトースおよびD−マンノースなどの単
糖;ラクトースおよびN−アセチルラクトサミンなどの
二糖以上のオリゴ糖等である。
【0026】本発明のα−L−フコシダーゼが触媒する
糖転移反応では、α1→3結合したL−フコースを含む
オリゴ糖が選択的に生成し、α1→2、α1→4または
α1→6結合したL−フコースを含むオリゴ糖は生成し
ない。すなわち、上記受容体の3位にL−フコースがα
1→3フコシド結合したオリゴ糖だけが生成する。糖転
移反応により生成するオリゴ糖は、二糖以上のオリゴ糖
である。例えば、受容体として単糖を用いた場合には、
この受容体にL−フコースがα1→3結合した二糖のオ
リゴ糖が生成し、受容体として二糖を用いた場合には、
この受容体にL−フコースがα1→3結合した三糖のオ
リゴ糖が生成する。
【0027】(4)至適pHおよび安定pH範囲 加水分解および糖転移反応の至適pHはpH7.0〜
8.0である。安定pH範囲は、45℃で1時間の処理
条件の場合、pH6.0〜9.0である。
【0028】(5)力価の測定法 本発明のα−L−フコシダーゼの加水分解活性の測定
は、p−ニトロフェニル−α−L−フコシドを基質とし
て、pH7.0のリン酸カリウム緩衝液中、50℃で反
応を行い、グリシン−NaOH緩衝液(pH10.0)
を加えて反応を停止させた後、遊離したp−ニトロフェ
ノールの量を410nm吸光度を測定することにより行
うことができる。酵素の単位は1分間に1μmolのp
−ニトロフェノールを遊離する酵素量を1ユニットとし
た。その他の基質については、pH7.0のリン酸カリ
ウム緩衝液中、50℃で30分間反応を行った後、沸騰
浴中3分間加熱して反応を停止し、次に遠心分離し、そ
の上清中の遊離L−フコース量をシュードモナス由来の
L−フコースデヒドロゲナーゼを用いて測定することに
より行うことができる。あるいは、ピリジルアミノ化に
より蛍光ラベルした基質および生成物を高速液体クロマ
トグラフィーで分析することにより測定することもでき
る。
【0029】また糖転移反応の活性の測定方法は次のよ
うにして行うことができる。すなわち、L−フコース供
与体と、受容体となるオリゴ糖とを緩衝液などに溶解
し、この溶液に本発明のα−L−フコシダーゼを添加
し、37℃付近で反応を行う。反応後、薄層クロマトグ
ラフィー(TLC)または高速液体クロマトグラフィー
(HPLC)などを用いて、反応生成物を確認する。
【0030】(6)至適温度および安定温度 加水分解および糖転移反応の至適温度は55℃である。
安定温度範囲は、pH7.0の10mMリン酸緩衝液中
に各温度で10分間保温して残存活性を測定した時、5
0℃まで安定であり、55℃で約60%残存活性を示
す。
【0031】(7)pH、温度による失活の条件 65℃で10分間の処理により完全に失活する。またp
H11以上において45℃で60分間の処理によって完
全に失活する。
【0032】(8)阻害剤等の影響 本発明のα−L−フコシダーゼに対する種々の添加物質
の影響について検討したところ、加水分解および糖転移
反応において、銅(0.1mM)、水銀(0.1mM)
またはパラクロルメルクリ安息香酸(0.5mM)によ
り著しく阻害されたが、その他の金属イオン(1mM)
およびSH試薬(1mM)によりほとんど影響を受けな
い。また加水分解反応は、生成物であるL−フコース
(1mM)によりほとんど影響を受けない。
【0033】(9)精製方法 本発明のα−L−フコシダーゼの精製は、既知の精製法
が単独または併用して利用され得る。本発明のα−L−
フコシダーゼは菌体内および菌体外に生産されるが、酵
素の精製には菌体外酵素を用いる方が望ましい。例え
ば、培養液を濾過または遠心分離にかけ菌体を除去し、
次いで塩析法、各種クロマトグラフ法等を適宜に組み合
せて行うことができる。精製法の一例を次に示す。
【0034】培養終了後、ストリームライン−ディアエ
(ファルマシア製)に菌体を含む培養物を通し、吸着し
た酵素を溶出する。活性画分を最終濃度1Mになるよう
硫酸アンモニウムを加え、ブチルトヨパール650Mカ
ラムに通し、活性画分を溶出する。活性画分を集め、フ
コース−セルロファインカラムに通し、吸着した酵素を
溶出する。活性画分を、一晩透析を行い、FPLC−M
ono Qカラムに通し、活性画分を溶出する。溶出さ
れた活性画分はこの時点で電気泳動的に単一バンドを示
すが、ポリッシングのためセファクリルS−300HR
カラムを用いてゲル濾過を行うこともできる。
【0035】(10)分子量 本発明のα−L−フコシダーゼの分子量は、PAGE
(ポリアクリルアミドゲル電気電気泳動)法により約1
02,000と測定された。
【0036】(11)ポリアクリルアミド電気泳動 精製されたα−L−フコシダーゼは、PAGEおよびS
DS−PAGE電気泳動において単一のバンドを示し
た。また、この時の分子量はそれぞれ102,000、
51,000と測定された。
【0037】以上のような本発明のα−L−フコシダー
ゼは菌体内および菌体外に生産されるため、菌から酵素
を得る際には菌体外に生産された酵素を分離するだけで
容易に得ることができる。例えば、菌の培養液からα−
L−フコシダーゼを分離するだけで容易に得ることがで
きる。このため、菌体を破砕して活性画分を抽出する操
作を必要としないので、工業的生産に適している。また
本発明のα−L−フコシダーゼは中性付近に至適pHを
有し、しかも熱に安定であるので、糖鎖の構造解析や機
能の研究に好適に利用することができる。
【0038】上記性質をもつ新規なα−L−フコシダー
ゼを用いることによって、α1→3結合したL−フコー
スを含むオリゴ糖の製造方法を確立した。本発明による
L−フコースを含むオリゴ糖の製造方法を以下に詳細に
記述する。本発明のオリゴ糖の製造方法は、L−フコー
スの供与体と、L−フコースの受容体とを含む溶液に、
前記本発明のα−L−フコシダーゼを添加して糖移転反
応を行って、α1→3結合したL−フコースを含むオリ
ゴ糖を製造する方法である。
【0039】上記L−フコースの供与体としては、p−
ニトロフェニル−α−L−フコピラノシド、o−ニトロ
フェニル−α−L−フコピラノシドまたはα−L−フコ
ピラノシルフルオリドなどがあげられる。これらの供与
体は精製品はもちろん、これらの化合物を含む化合物な
どを用いることもできる。上記L−フコースの受容体と
しては、D−ガラクトース、1−O−メチル−D−ガラ
クトース、D−マンノースなどの単糖;ラクトースまた
はN−アセチルラクトサミンなどの二糖以上のオリゴ糖
等があげられる。これらの受容体は精製品はもちろん、
これらの糖を含む糖などを用いることもできる。
【0040】本発明のオリゴ糖の製造方法では、前記本
発明のα−L−フコシダーゼを用いているので、α1→
3結合したL−フコースを含むオリゴ糖を選択的に製造
することができる。すなわち、本発明のオリゴ糖の製造
方法では、α1→2、α1→4またはα1→6結合した
L−フコースを含むオリゴ糖は生成しない。本発明のオ
リゴ糖の製造方法で選択的に得られるオリゴ糖は、前記
受容体の3位にL−フコースがα1→3フコシド結合し
たオリゴ糖、すなわちα−L−フコピラノシル(1→
3)基を含むオリゴ糖である。
【0041】本発明のオリゴ糖の製造方法では、受容体
を選択することにより、二糖または三糖以上のオリゴ糖
を製造することができる。例えば受容体として単糖を用
いることにより、L−フコースがα1→3結合した二糖
のオリゴ糖を製造することができる。また、受容体とし
て二糖を用いることにより、L−フコースがα1→3結
合した三糖のオリゴ糖を製造することができる。
【0042】本発明のオリゴ糖の製造方法の好ましい方
法として、次の方法が例示できる。まず、リン酸カリウ
ム緩衝液と、ジメチルスルフォキシド、N,N−ジメチ
ルホルムアミドおよびアセトニトリル等の水溶性有機溶
媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の有機溶媒と
の混合溶液を調製する。この混合溶液に前記受容体およ
び供与体を添加し、27℃〜60℃、好ましくは35℃
〜55℃の間で6時間〜72時間、好ましくは18時間
〜48時間反応させる。このときの受容体および供与体
の濃度は0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.
1重量%〜10重量%とするのが望ましい。また受容体
と供与体との混合比は、重量比で1:1〜20:1、好
ましくは2:1〜10:1とするのが望ましい。反応温
度は27℃〜60℃、好ましくは35℃〜55℃とする
のが望ましい。反応pHは6〜9、好ましくはpH7〜
8とするのが望ましい。使用するα−L−フコシダーゼ
は精製したほうが好ましいが、粗精製の酵素を使用する
こともできる。
【0043】上記のような方法によりL−フコースの糖
転移反応を行うことにより、α1→3結合したL−フコ
ースを含むオリゴ糖を選択的に容易に製造することがで
きる。このような方法により製造することができるオリ
ゴ糖の具体的なものとしては、前記式(1)で表される
α−L−フコピラノシル−(1→3)−D−ガラクトー
ス、前記式(2)で表されるα−L−フコピラノシル−
(1→3)−D−マンノース、前記式(3)で表される
α−L−フコピラノシル−(1→3)−1−O−メチル
−D−ガラクトース、前記式(4)で表されるα−L−
フコピラノシル−(1→3’)−ラクトース、前記式
(5)で表されるα−L−フコピラノシル−(1→
3’)−1−O−メチルラクトース、前記式(6)で表
されるα−L−フコピラノシル−(1→3’)−N−ア
セチルラクトサミンなどがあげられる。これらはいずれ
も新規な化合物であり、糖鎖の構造解析、糖の機能の研
究および糖の代謝の研究などに有用であるほか、生理活
性が期待される。
【0044】
【発明の効果】本発明のα−L−フコシダーゼは新規か
つ有用である。本発明のα−L−フコシダーゼは天然高
分子基質、オリゴ糖または合成基質中のα−L−フコシ
ド結合を特異的に加水分解し、しかもα1→3結合した
α−L−フコースを含む三糖以上のオリゴ糖を合成する
ことができるので、糖鎖の構造解析や機能の研究に有用
である。
【0045】本発明のα−L−フコシダーゼの製造方法
は、アルカリジェネスに属する微生物の培養物からα−
L−フコシダーゼを採取しているので、上記α−L−フ
コシダーゼを容易に製造することができる。
【0046】本発明のアルカリジェネス・スピーシス・
KSF−9687(Alcaligenes sp. KSF-9687)菌株は
新規かつ有用である。この菌株は上記α−L−フコシダ
ーゼ生産能を有しており、しかも菌体外にこの酵素を生
産するので、この菌株を用いることにより、α−L−フ
コシダーゼを容易に製造、精製することができる。
【0047】本発明のL−フコースを含むオリゴ糖の製
造方法は、上記α−L−フコシダーゼを用いて糖転移反
応を行っているので、α1→3結合したL−フコースを
含むオリゴ糖を容易に製造することができる。
【0048】本発明のα1→3結合したL−フコースを
含むオリゴ糖は新規な化合物であり、糖鎖の構造解析、
糖の機能の研究および糖の代謝の研究などに有用であ
る。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を詳し
く説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
い。
【0050】実施例1 p−ニトロフェニル−α−L−フコシド0.05重量
%、グルコース1重量%、ペプトン0.5重量%、カザ
ミノ酸0.25重量%、KH2PO4 0.1重量%、M
gSO4・7H2O 0.02重量%および寒天2重量%
を含む培地をpH9.0に調整した。また静岡県掛川市
より採取した土壌を滅菌水により希釈し、土壌懸濁液と
した。この土壌懸濁液を上記培地からなる平板培地上に
広げ、37℃で2日間培養を行った。培養後、培地中の
黄色く発色しているコロニーを分離した。このようにし
てアルカリジェネス・スピーシス・KSF−9687
Alcaligenes sp. KSF-9687)菌株をスクリーニングし
た。
【0051】実施例2 《α−L−フコシダーゼの製造》ペプトン0.5重量
%、酵母エキス0.25重量%、塩化ナトリウム0.5
重量%(pH7.2)を含む培地500mlにアルカリ
ジェネス・スピーシス・KSF−9687(Alcaligene
s sp. KSF-9687)菌株を植菌し、容振とう培養して種培
養液とした。次いで種培養と同組成の培地3 literを5
liter容ジャーファーメンター3基に入れ、121℃で
20分間殺菌した。冷却後、上記の種培養液を接種し、
37℃で2日間、毎分3 literの通気量と毎分300回
転の攪拌速度の条件で培養した。
【0052】培養終了後、予め10mMリン酸緩衝液
(pH7.0)に溶解し、同緩衝液で平衡化したストリ
ームライン−ディアエカラム(ファルマシア製、5.0
×17cm)に菌体を含む培養物を通し、吸着した酵素
を0.2M塩化ナトリウムを含む10mMリン酸緩衝液
で溶出した。活性画分を集め、最終濃度1Mになるよう
に硫酸アンモニウムを溶解した。1M硫酸アンモニウム
を含む10mMリン酸緩衝液で予め平衡化したブチルヨ
パール650Mカラム(東ソー製、2.6×30cm)
に通し、1M〜0Mの硫酸アンモニウムを含む10mM
リン酸緩衝液のリニアーグラジェント法で溶出した。溶
出された活性画分を集めて予め10mMリン酸緩衝液
(pH7.0)で平衡化したフコースセルロファインカ
ラム(1.6×7.5cm)に通し、吸着した酵素を5
0mM L−フコースを含む同緩衝液で溶出した。活性
画分を一晩10mMリン酸緩衝液(pH7.0)にて透
析を行った。次に同緩衝液にて平衡化したFPLC−M
ono Q(ファルマシア製)に通し、吸着した酵素を
0M〜0.3Mの塩化ナトリウムを含む10mMリン酸
緩衝液のリニアーグラジェント法で溶出した。
【0053】この時点で当酵素は電気泳動的に単一バン
ドを与えるが、ポリッシングのため活性画分を濃縮後セ
ファクリルS−300HR(ファルマシア製、1.6×
60cm)を行い、α−L−フコシダーゼの精製標品7
4μg(比活性126units/mg、収率20重量
%)を得た。
【0054】実施例3 実施例2で得られたα−L−フコシダーゼの種々の基質
に対する加水分解活性を次のようにして測定した。p−
ニトロフェニル−α−L−フコシドを基質とした場合
は、pH7.0の100mMリン酸カリウム緩衝液に1
00μlの酵素および200μlの基質を加え、50℃
で15分間反応を行った後、グリシン−NaOH緩衝液
(pH10.0)を加えて反応を停止させた。次に、遊
離したp−ニトロフェノールの量を410nm吸光度を
測定することにより定量した。その他の基質については
pH7.0の100mMリン酸カリウム緩衝液に100
μlの酵素および200μlの基質を加え、50℃で3
0分間反応を行った後、沸騰浴中で3分間加熱して反応
を停止し、次に遠心分離し、上清中の遊離L−フコース
量をシュードモナス由来のL−フコースデヒドロゲナー
ゼを用いて定量した。結果は表1に示した通りである。
【0055】実施例4 《α−L−フコピラノシル−(1→3)−D−ガラクト
ースの合成》L−フコースの受容体としての単糖のD−
ガラクトース(500mg)と、L−フコースの供与体
としてのp−ニトロフェニル−α−L−フコピラノシド
(50mg)とを、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(p
H7.0、10ml)とジメチルスルフォキシド(10
00μl)との混合溶液に溶解した。この混合溶液に、
実施例2で得られたα−L−フコシダーゼを加え、37
℃で48時間糖転移反応を行った。
【0056】得られた反応物を活性炭素カラムクロマト
グラフィーにかけ、0〜20%(v/v)のエタノール
水溶液グラジエント(合計400ml)で溶出して、二
糖類の画分に相当する分画を集めた。集めた画分の溶媒
を蒸留で留去したところ、非晶性固体を20.5mg得
た。このときの回収率は18重量%であった。
【0057】この非晶性固体の分子量を測定したところ
326であった。また1H−NMRを測定し、得られた
スペクトルを解析した。得られた1H−NMRのスペク
トラムを図1に示す。これらの結果から、得られた非晶
性固体は前記式(1)で表されるα−L−フコピラノシ
ル−(1→3)−D−ガラクトース(3−フコピラノシ
ル−D−ガラクトース)であることが判明した。
【0058】実施例5 《α−L−フコピラノシル−(1→3)−D−マンノー
スの合成》L−フコースの受容体としての単糖のD−マ
ンノース(500mg)と、L−フコースの供与体とし
てのp−ニトロフェニルα−L−フコピラノシド(10
0mg)とを、0.1Mリン酸カリウム緩衝液(pH
7.0、10ml)とディメチルスルフォキシド(10
00μl)との混合溶液に溶解した。この混合溶液に、
実施例2で得られたα−L−フコシダーゼを加え、37
℃で48時間糖転移反応を行った。
【0059】得られた反応物を活性炭素カラムクロマト
グラフィーにかけ、0〜20%(v/v)のエタノール
水溶液グラジエント(合計400ml)で溶出して、二
糖類の画分に相当する分画を集めた。集めた画分の溶媒
を蒸留で留去したところ、非晶性固体を10.3mg得
た。このときの回収率は9重量%であった。
【0060】この非晶性固体の分子量を測定したところ
326であった。また1H−NMRを測定し、得られた
スペクトルを解析した。得られた1H−NMRのスペク
トラムを図2に示す。これらの結果から、得られた非晶
性固体は前記式(2)で表されるα−L−フコピラノシ
ル−(1→3)−D−マンノース(3−フコピラノシル
−D−マンノース)であることが判明した。
【0061】実施例6 《α−L−フコピラノシル−(1→3)−1−O−メチ
ル−D−ガラクトースの合成》L−フコースの受容体と
しての単糖の1−O−メチル−D−ガラクトース(30
0mg)と、L−フコースの供与体としてのp−ニトロ
フェニルα−L−フコピラノシド(24mg)とを、1
0mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0、4.2m
l)とディメチルスルフォキシド(420μl)との混
合溶液に溶解した。この混合溶液に、実施例2で得られ
たα−L−フコシダーゼを加え、37℃で48時間糖転
移反応を行った。
【0062】得られた反応物を活性炭素カラムクロマト
グラフィーにかけ、0〜20%(v/v)のエタノール
水溶液グラジエント(合計400ml)で溶出して、二
糖類の画分に相当する分画を集めた。集めた画分の溶媒
を蒸留で留去したところ、非晶性固体を10mg得た。
このときの回収率は23重量%であった。
【0063】この非晶性固体の分子量を測定したところ
340であった。また1H−NMRを測定し、得られた
スペクトルを解析した。得られた1H−NMRのスペク
トラムを図3に示す。これらの結果から、得られた非晶
性固体は前記式(3)で表されるα−L−フコピラノシ
ル−(1→3)−1−O−メチル−D−ガラクトース
(3−フコピラノシル−1−O−メチルガラクトース)
であることが判明した。
【0064】実施例7 《α−L−フコピラノシル−(1→3’)−ラクトース
の合成》L−フコースの受容体としての二糖のラクトー
ス(500mg)と、L−フコースの供与体としてのp
−ニトロフェニルα−L−フコピラノシド(50mg)
とを、10mMリン酸カリウム緩衝液(pH7.0、
4.2ml)とジメチルスルフォキシド(420μl)
との混合溶液に溶解した。この混合溶液に、実施例2で
得られたα−L−フコシダーゼを加え、37℃で48時
間糖転移反応を行った。
【0065】得られた反応物を活性炭素カラムクロマト
グラフィーにかけ、0〜20%(v/v)のエタノール
水溶液グラジエント(合計400ml)で溶出して、三
糖類の画分に相当する分画を集めた。集めた画分の溶媒
を蒸留で留去したところ、非晶性固体を20.5mg得
た。このときの回収率は23重量%であった。
【0066】この非晶性固体の分子量を測定したところ
488であった。また1H−NMRを測定し、得られた
スペクトルを解析した。得られた1H−NMRのスペク
トラムを図4に示す。これらの結果から、得られた非晶
性固体は前記式(4)で表されるα−L−フコピラノシ
ル−(1→3’)−ラクトース(3′−フコピラノシル
−ラクトース)であることが判明した。
【0067】実施例8 《α−L−フコピラノシル−(1→3’)−1−O−メ
チルラクトースの合成》L−フコースの受容体としての
二糖の1−O−メチルラクトース(300mg)と、L
−フコースの供与体としてのp−ニトロフェニルα−L
−フコピラノシド(24mg)とを、10mMリン酸カ
リウム緩衝液(pH7.0、4.2ml)とディメチル
スルフォキシド(420μl)との混合溶液に溶解し
た。この混合溶液に、実施例2で得られたα−L−フコ
シダーゼを加え、37℃で48時間糖転移反応を行っ
た。
【0068】得られた反応物を活性炭素カラムクロマト
グラフィーにかけ、0〜20%(v/v)のエタノール
水溶液グラジエント(合計400ml)で溶出して、二
糖類の画分に相当する分画を集めた。集めた画分の溶媒
を蒸留で留去したところ、非晶性固体を10mg得た。
このときの回収率は23重量%であった。
【0069】この非晶性固体の分子量を測定したところ
502であった。また1H−NMRを測定し、得られた
スペクトルを解析した。得られた1H−NMRのスペク
トラムを図5に示す。これらの結果から、得られた非晶
性固体は前記式(5)で表されるα−L−フコピラノシ
ル−(1→3’)−1−O−メチルラクトース(3′−
フコピラノシル−1−O−メチルラクトース)であるこ
とが判明した。
【0070】実施例9 《α−L−フコピラノシル−(1→3’)−N−アセチ
ルラクトサミンの合成》L−フコースの受容体としての
二糖のN−アセチルラクトサミン(500mg)と、L
−フコースの供与体としてのp−ニトロフェニルα−L
−フコピラノシド(30mg)とを、10mMリン酸カ
リウム緩衝液(pH7.0、5.0ml)とディメチル
スルフォキシド(500μl)との混合溶液に溶解し
た。この混合溶液に、実施例2で得られたα−L−フコ
シダーゼを加え、37℃で48時間糖転移反応を行っ
た。
【0071】得られた反応物を活性炭素カラムクロマト
グラフィーにかけ、0〜20%(v/v)のエタノール
水溶液グラジエント(合計400ml)で溶出して、二
糖類の画分に相当する分画を集めた。集めた画分の溶媒
を蒸留で留去したところ、非晶性固体を8.4mg得
た。このときの回収率は15重量%であった。
【0072】この非晶性固体の分子量を測定したところ
529であった。また1H−NMRを測定し、得られた
スペクトルを解析した。得られた1H−NMRのスペク
トラムを図6に示す。これらの結果から、得られた非晶
性固体は前記式(6)で表されるα−L−フコピラノシ
ル−(1→3’)−N−アセチルラクトサミン(3′−
フコピラノシル−N−アセチルラクトサミン)であるこ
とが判明した。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例4で得られた1H−NMRのスペクトラ
ムである。
【図2】実施例5で得られた1H−NMRのスペクトラ
ムである。
【図3】実施例6で得られた1H−NMRのスペクトラ
ムである。
【図4】実施例7で得られた1H−NMRのスペクトラ
ムである。
【図5】実施例8で得られた1H−NMRのスペクトラ
ムである。
【図6】実施例9で得られた1H−NMRのスペクトラ
ムである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12N 1/20 C12N 1/20 A C12P 19/18 C12P 19/18 //(C12N 9/24 C12R 1:05) (C12N 1/20 C12R 1:05) (72)発明者 中山 礎 静岡県藤枝市前島二丁目1番33−401号 Fターム(参考) 4B050 CC01 DD02 FF05E FF09E FF11E FF12E FF14E LL03 LL05 4B064 AF02 AF03 AF04 CA21 CB07 CB30 CC01 CD09 CD30 CE06 CE10 CE11 DA13 4B065 AA12X AC12 AC14 AC15 BA23 BB01 BB03 BB23 BB29 BC01 BC03 BC05 BC09 BD14 BD17 CA29 CA31 CA46 CA60 4C057 AA02 AA03 BB02 BB03 BB04 CC01 CC04

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の酵素学的性質を有するα−L−フコ
    シダーゼ。 作用 ・天然高分子基質、オリゴ糖または合成基質中のα−L
    −フコシド結合を特異的に加水分解し、L−フコースを
    遊離する。 ・α−L−フコシド結合しているL−フコースを、受容
    体である単糖または二糖以上のオリゴ糖に糖転移反応を
    行い、L−フコースを含むオリゴ糖を生成する。 加水分解での基質特異性 ・天然高分子基質、オリゴ糖または合成基質中のα1→
    2またはα1→3結合しているL−フコースを加水分解
    する。 ・合成基質であるp−ニトロフェニル−α−L−フコピ
    ラノシドを加水分解する。 ・天然高分子基質、オリゴ糖または合成基質中のα1→
    4またはα1→6結合しているL−フコースには作用し
    ない。 糖転移反応での特異性 ・α−L−フコシド結合しているL−フコースを、受容
    体である単糖または二糖以上のオリゴ糖に糖転移反応を
    行い、α1→3結合したL−フコースを含むオリゴ糖を
    生成する。 ・α1→2、α1→4またはα1→6結合したL−フコ
    ースを含むオリゴ糖は生成しない。 至適pHおよび安定pH範囲 ・至適pHはpH7.0〜8.0であり、安定pH範囲
    は、45℃で1時間の保持条件においてpH6.0〜
    9.0である。 至適温度および安定温度範囲 ・至適温度は55℃であり、pH7.0で10分間処理
    した時、50℃まで安定であり、65℃以上で失活す
    る。 阻害剤などの影響 ・酵素活性は銅、水銀またはパラクロルメルクリ安息香
    酸により著しく阻害されるが、その他の金属イオン、S
    H試薬および糖によりほとんど影響を受けない。 分子量 ・PAGEにより測定した分子量は約102,000で
    ある。 ・SDS−PAGEにより測定した分子量は約51,0
    00である。
  2. 【請求項2】 アルカリジェネス・スピーシス・KSF
    −9687(Alcaligenes sp. KSF-9687)菌株由来であ
    ることを特徴とする請求項1記載のα−L−フコシダー
    ゼ。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のα−L−フコシダーゼ生
    産能を有することを特徴とするアルカリジェネス・スピ
    ーシス・KSF−9687(Alcaligenes sp. KSF-968
    7)菌株。
  4. 【請求項4】 アルカリジェネス(Alcaligenes)属に
    属し、菌体内および菌体外にα−L−フコシダーゼを生
    産する能力を有する微生物を培養し、培養物より請求項
    1記載のα−L−フコシダーゼを採取することを特徴と
    するα−L−フコシダーゼの製造方法。
  5. 【請求項5】 微生物がアルカリジェネス・スピーシス
    ・KSF−9687(Alcaligenes sp. KSF-9687)菌株
    である請求項4記載の製造方法。
  6. 【請求項6】 L−フコースの供与体と、L−フコース
    の受容体とを含む溶液に、請求項1または2記載のα−
    L−フコシダーゼを添加して糖移転反応を行うことを特
    徴とするα1→3結合したL−フコースを含むオリゴ糖
    の製造方法。
  7. 【請求項7】 L−フコースの供与体がp−ニトロフェ
    ニル−α−L−フコピラノシド、o−ニトロフェニル−
    α−L−フコピラノシドまたはα−L−フコピラノシル
    フルオリドである請求項6記載の製造方法。
  8. 【請求項8】 L−フコースの受容体が単糖または二糖
    以上のオリゴ糖である請求項6または7記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 L−フコースの受容体がD−ガラクトー
    ス、1−O−メチル−D−ガラクトース、D−マンノー
    ス、ラクトースまたはN−アセチルラクトサミンである
    請求項6ないし8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 下記式(1)で表されるα−L−フコ
    ピラノシル−(1→3)−D−ガラクトース。 【化1】
  11. 【請求項11】 下記式(2)で表されるα−L−フコ
    ピラノシル−(1→3)−D−マンノース。 【化2】
  12. 【請求項12】 下記式(3)で表されるα−L−フコ
    ピラノシル−(1→3)−1−O−メチル−D−ガラク
    トース。 【化3】
  13. 【請求項13】 下記式(4)で表されるα−L−フコ
    ピラノシル−(1→3’)−ラクトース。 【化4】
  14. 【請求項14】 下記式(5)で表されるα−L−フコ
    ピラノシル−(1→3’)−1−O−メチルラクトー
    ス。 【化5】
  15. 【請求項15】 下記式(6)で表されるα−L−フコ
    ピラノシル−(1→3’)−N−アセチルラクトサミ
    ン。 【化6】 (式中、Acはアセチル基である。)
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