JPH09296A - シアル酸量の測定法 - Google Patents

シアル酸量の測定法

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JPH09296A
JPH09296A JP15815095A JP15815095A JPH09296A JP H09296 A JPH09296 A JP H09296A JP 15815095 A JP15815095 A JP 15815095A JP 15815095 A JP15815095 A JP 15815095A JP H09296 A JPH09296 A JP H09296A
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JP
Japan
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acid
sialic acid
neuraminidase
colominic
derived
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JP15815095A
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English (en)
Inventor
Koji Inagaki
浩二 稲垣
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Japan Tobacco Inc
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Japan Tobacco Inc
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 ノイラミニダーゼを用いて、コロミン酸及び
他のシアル酸含有物質を含む混合物中のコロミン酸由来
のシアル酸量を測定する方法、ならびにビブリオ属に属
する微生物由来のノイラミニダーゼを用いて、コロミン
酸及び他のシアル酸含有物質を含む混合物中のコロミン
酸由来のシアル酸量を測定する方法。 【効果】 1種類のノイラミニダーゼで、コロミン酸及
びその他のシアル酸含有物質を含む混合物中におけるコ
ロミン酸以外のシアル酸含有物質由来のシアル酸量及び
全シアル酸量を測定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コロミン酸及びそれ以
外のシアル酸含有物質を含む混合物中のコロミン酸由来
のシアル酸量を測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ノイラミニダーゼは、糖蛋白質、糖脂
質、オリゴ糖及び多糖類の糖鎖の非還元末端に存在する
シアル酸残基を遊離させる反応を触媒するため、血清等
の生体中のシアル酸含有物質の定量や、シアル酸を除去
したアシアロ体の調製に広く用いられている。
【0003】ノイラミニダーゼの供給源としては、工業
的規模で製造可能であり、しかも活性の安定したものが
得られること等の理由により、微生物由来のものが大半
を占めている。例えば、ビブリオ・コレラ(Vibrio cho
lerae)、クロストリディウム・パーフリンゲン(Clost
ridium perfringens)、ストレプトコッカス スピーシ
ーズ(Streptococcus sp.)、ストレプトマイセス ス
ピーシーズ(Streptomyces sp.)等の微生物は、培養液
中へノイラミニダーゼを生産することが知られており、
またコリネバクテリウム・ディフテリア(Corynebacter
ium diphtheriae)、クレブシエラ・アエロゲネス(Kle
bsiella aerogenes)等では、大部分が膜結合型として
存在することが知られている。
【0004】ところでコロミン酸は、シアル酸がα2→
8で結合したポリマーであって、大腸菌、骨膜炎双球菌
などの血清型分類の基準となる多糖体である。従って、
血清中で他のシアル酸含有物質と混在しているコロミン
酸由来のシアル酸量を測定することによりコロミン酸を
定量することは、上記血清型分類においては非常に重要
である。
【0005】しかしながら、従来の微生物由来のノイラ
ミニダーゼでは、コロミン酸及びそれ以外のシアル酸含
有物質を含む混合物中の各成分由来のシアル酸量を測定
するには、コロミン酸に作用しないノイラミニダーゼと
全ての基質に対して作用するノイラミニダーゼの2種類
の酵素を準備する必要があり、非常に煩雑であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、1種
類のノイラミニダーゼを用いて、種々のシアル酸含有物
質を含む試料中のシアル酸量を、由来する物質毎に測定
する方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題に鑑み鋭意研究
の結果、本発明者らは、ビブリオ属に属する微生物由来
のノイラミニダーゼを用いて、試料中のpHを所定値に
調整するとともに二価金属イオンを添加し又は添加せず
に反応させることにより、コロミン酸以外のシアル酸含
有物質由来のシアル酸量及び全シアル酸量を測定するこ
とができることを見出し、本発明を完成した。
【0008】即ち、本発明は、ノイラミニダーゼを用い
て、コロミン酸及び他のシアル酸含有物質を含む混合物
中のコロミン酸由来のシアル酸量を測定する方法であ
る。また、本発明は、ビブリオ属に属する微生物由来の
ノイラミニダーゼを用いて、コロミン酸及び他のシアル
酸含有物質を含む混合物中のコロミン酸由来のシアル酸
量を測定する方法である。
【0009】さらに、本発明は、コロミン酸及び他のシ
アル酸含有物質を含む混合物中に、(a) 二価金属イオン
を添加することなく、ビブリオ属に属する微生物由来の
ノイラミニダーゼを添加し、混合物のpHを7.5以上
に調整して反応させることにより、コロミン酸以外のシ
アル酸含有物質由来のシアル酸量を測定するとともに、
(b) ビブリオ属に属する微生物由来のノイラミニダーゼ
及び二価金属イオンを添加し、混合物のpHを7.5以
上に調整して反応させることにより、全シアル酸量を測
定し、この全シアル酸量と、工程(a) で測定したコロミ
ン酸以外のシアル酸含有物質由来のシアル酸量との差か
ら、コロミン酸由来のシアル酸量を算出することを特徴
とする、コロミン酸由来のシアル酸量の測定法である。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明で
使用するノイラミニダーゼは、一定の条件下では、コロ
ミン酸を含めて全てのシアル酸含有物質に作用し、他の
条件下ではコロミン酸に対してのみ作用しないノイラミ
ニダーゼであればいかなるものであってもよく、例えば
ノイラミニダーゼ205、ノイラミニダーゼ220等を
用いることができる。
【0011】ノイラミニダーゼ205は新規なノイラミ
ニダーゼであって、新菌種ビブリオ・スピーシーズJT
0205を培地に培養し、菌体外にノイラミニダーゼ2
05を生産させ、これを採取することにより得ることが
できる。このノイラミニダーゼの一例である、後述の製
造例1で得られるノイラミニダーゼ205の酵素的諸性
質を以下に述べる。
【0012】(1)作用 糖鎖の非還元末端にα配位ケトシド結合したシアル酸を
加水分解的に遊離する。 (2)基質特異性 (試験方法)α2−3シアリルラクトース、α2−6シ
アリルラクトース、コロミン酸、糖脂質(ガングリオシ
ドGM3、GD3)、糖蛋白質(ムチン、フェツイン)
を基質として用い、これらに含まれるシアル酸量を10
0nmolに統一し、0.001〜0.005単位のノ
イラミニダーゼ205によって基質から遊離するシアル
酸量を測定することで各基質への作用の差を比較する。
【0013】具体的には、100nmolのシアル酸を
含む基質溶液25μlと0.003単位/5μlの酵素
液を50mM イミダゾール塩酸バッファー(pH7.
5)+20mM MgCl2中、37℃、10分間作用
させた後、遊離したシアル酸量をTBA法で定量し、各
基質から遊離されたシアル酸量を、α2−3シアリルラ
クトースを基質とした場合を基準として比較する。 (結果)結果は表1の通りである。
【0014】
【表1】 ─────────────────────────── 基 質 相対反応速度(%) ─────────────────────────── α2−3シアリルラクトース 100 α2−6シアリルラクトース 37.9 コロミン酸 51.4 ガングリオシドGM3 74.5 ガングリオシドGD3 76.5 フェツイン 117 ムチン 45.5 ───────────────────────────
【0015】表1から、ノイラミニダーゼ205は、α
2−3,α2−6、α2−8結合したシアル酸を含むシ
アリルラクトース、コロミン酸、糖脂質、糖蛋白質によ
く作用し、これらのシアロ糖複合体の各種N−アセチル
ノイラミン酸ケトシドを加水分解できる。
【0016】(3)作用最適pH 最適pHは、37℃、10分間の反応で、pH5〜7の
間にある。 (4)安定pH範囲 4℃、24時間では、pH5〜10においても活性の低
下はほとんど見られない。
【0017】(5)力価の測定方法 ノイラミニダーゼの酵素活性は、反応液中に遊離される
シアル酸量をチオバルビツール酸(TBA)法によって
求める。すなわち、50mM イミダゾール塩酸バッフ
ァー(pH7.5)中、1%濃度(w/v)にコロミン
酸を溶解した基質溶液25μlと5μlの酵素液を加え
て37℃、10〜20分間作用させる。この反応溶液に
25mMのメタ過ヨウ素酸ナトリウムを125μl加え
て37℃、30分間インキュベートした後、2%(w/
v)亜ヒ素酸ナトリウム溶液を100μlを添加、0.
1M チオバルビツール酸1mlを加え、沸騰水浴中、
7分30秒間加熱後、氷冷し、n−ブタノール:塩酸
(95:5)2mlを加え、遠心分離後の紫紅色の上清
の549nmにおける吸光度を測定する。上記測定条件
で、1分間に1μmolのシアル酸を遊離させる酵素量
を1単位とした。
【0018】(6)作用最適温度 pH5.0、10分間の反応で、50℃に至適温度があ
る(図1)。 (7)温度安定性 pH5.0、10分間の反応で50℃までは安定である
が50℃以上では部分的に失活する。 (8)分子量 SDS−PAGEによる測定で分子量は約65,00
0、セファクリルS−200HR(ファルマシア製)を
用いたゲル濾過法で測定したところ、約62,000で
ある。
【0019】(9)等電点 等電点をPhast System(ファルマシア製)
でPhast−GelIEF 4.0−6.5を用いて
測定した結果、4.8であった。 (10)N末端アミノ酸配列 N末端アミノ酸配列はアプライドバイオシステムズ社の
自動アミノ酸配列分析装置(モデル470A)に供して
以下のように決定できる。 VAPNVRDVVVFQGGEGG
【0020】以上の酵素的諸性質を有するノイラミニダ
ーゼ205の製造に用いることのできる微生物として
は、例えばビブリオ・スピーシーズJT0205が挙げ
られる。このビブリオ・スピーシーズJT0205は海
洋性細菌であり、本発明者らが相模湾の海水から分離採
取したものである。
【0021】この微生物、JT0205の天然界からの
スクリーニング方法を以下に示す。海水、海砂、もしく
は海泥を微生物源として、直接、コロミン酸、バクト
イースト ニトロゲン ベース W/O アミノ アシッ
ド、および海水からなる滅菌培地に接種する。本培地で
増殖した微生物は常法にしたがってシングルコロニーア
イソレーションした後、得られた微生物の培養液を酵素
源として、常法によりノイラミニダーゼ205活性を測
定し、該酵素活性を示す菌株より本菌株を得ることがで
きる。
【0022】このようにして得られるJT0205の菌
学的性質を以下に示す。 菌学的性質: 1)形態 (1)細胞の形態は桿菌で、大きさは1 ×0.5 〜2 ×1
μm (2)運動性を示し、鞭毛を有する。 (3)グラム染色性は陰性 (4)胞子は形成しない。 2)生理的性質 (1)生育温度 4℃では生育せず 30℃では生育する 35℃では生育する 40℃では生育せず (2)集落の色調 特徴的集落色素を産生せず (3)O−Fテスト F (4)カタラーゼテスト 陽性 (5)オキシダーゼテスト 陽性 (6)グルコースからガスの生成 無し (7)V−P反応 陰性 (8)ゼラチン分解能 有り (9)デンプン分解能 有り (10)硝酸塩還元能 有り (11)発光性 無し (12)酸素に対する態度 通性嫌気性 (13)PHBの蓄積 β-ヒドロキシ酪酸を基質 有り グルコースを基質 無し (14)β-ヒドロキシ酪酸の利用能 有り (15)NaCl要求性 有り (16)リパーゼ活性 有り (17)マンニトールの資化性 有り (18)プテリジン誘導体に対する感受性 10μg 感受性 150μg 感受性 (19)キノン系 Q−8 (20)菌体内DNAのGC含量(モル%)* 46 (21)アルギニンジヒドラーゼ活性 有り (22)資化性 D−キシロース − L−アラビノース − D−マンノース + シュークロース + セロビオース + D−グルコン酸塩 + ヘプタン酸 + D−ソルビトール − エタノール − γ−アミノ酪酸 − L−プロリン + プトレスシン − 注)*:HPLC法によって行なった。
【0023】このJT0205菌株の上記の菌学的性質
について、バージーズ マニュアルオブ デタミネイテ
ィブ バクテリオロジー第9改正(1994)を用いて
検討した結果、JT0205菌株はビブリオ属に属する
微生物であると同定された。次いでこのJT0205菌
株の菌学的性質をビブリオ属に属する類縁の公知種と比
較検討したところ、表2に示すとおり、JT0205の
菌学的性質はその全項目においてビブリオ・ツビアッシ
ー(Vibrio tubiashii)のそれらとほぼ一致しているこ
とが判った。しかし、ビブリオ・ツビアッシーのType s
train であるATCC 19109は、コロミン酸を資化すること
ができず、ノイラミニダーゼの酵素活性は認められなか
った。したがって、JT0205菌株は、ビブリオ属に
属する公知種とは明らかに区別され、新菌種であると認
定し、ビブリオ・スピーシーズJT0205と同定し
た。そして、このビブリオ・スピーシーズJT0205
は、工業技術院生命工学工業技術研究所に平成7年5月
30日に寄託し、その寄託番号はFERM BP−51
17である。
【0024】
【表2】
【0025】本発明におけるビブリオ・スピーシーズJ
T0205を培養するには、通常のこの分野の微生物の
一般的な栄養培地を使用できるが、NaCl要求性の細
菌であるため、0.5%以上、好ましくは3%程度のN
aClを培地に加える必要があり、天然海水や人工海水
に栄養源として0.2〜2%程度のコロミン酸あるいは
N−アセチルマンノサミンと0.1〜1%程度の酵母エ
キスを添加した培地を使用することができる。
【0026】培養は、20〜30℃で20〜48時間好
気的に行なわれ、これにより培養液中にノイラミニダー
ゼ205が生成、蓄積される。培養液からのノイラミニ
ダーゼ205の採取時期は、ノイラミニダーゼ205の
産生量が菌の増殖とともに増加するので適宜、設定すれ
ば良い。培養物中に産生されるノイラミニダーゼ205
は、培養終了後の培養物をそのまま遠心分離して菌体を
除去し、得られる上清を粗酵素液として採取することも
できる。この粗酵素液はさらに酵素の分野で通常用いら
れている方法で精製することができる。この精製方法と
しては、例えば、硫安分画法や限外濾過膜を用いて酵素
を濃縮した後、イオン交換カラムクロマトグラフィー、
ゲル濾過カラムクロマトグラフィー等で行なえば良い。
【0027】ビブリオ・スピーシーズJT0205より
ノイラミニダーゼ205を生産する具体的方法は、該微
生物を天然海水中に1%N-アセチルマンノサミン、
0.67% バクト イースト ニトロゲン ベース
w/o アミノ アシッド(Difco社製)を加えた
培地中で培養温度15〜35℃、好ましくは20〜30
℃、pH6.8〜8.8、好ましくは7.2〜8.2、
培養時間、10〜48時間、好ましくは16〜36時間
培養することにより行われる。
【0028】目的とする酵素は主に菌体外に分泌される
ため、培養液を遠心分離して菌体を除去すれば、高いノ
イラミニダーゼ活性(約1単位/ml)を有する粗酵素
液が得られる。さらに、この時点での酵素の比活性は約
50単位/mg proteinであり、この値は現在
市販されているノイラミニダーゼの中でも高品質のもの
に相当する。さらに、研究や検査に使用する際に問題と
なるプロテアーゼや各種グリコシダーゼ活性をほとんど
含まないことが確認された。すなわち、ビブリオ・スピ
ーシーズJT0205を用いれば、培養液上清を直接、
酵素液として用いることができることから、ノイラミニ
ダーゼを安価でしかも簡便に製造することができるとい
う優れた利点を有している。
【0029】ノイラミニダーゼ220は新規なノイラミ
ニダーゼであって、新菌種ビブリオ・スピーシーズJT
0220を培地に培養し、菌体外にノイラミニダーゼ2
20を生産させ、これを採取することにより得ることが
できる。このノイラミニダーゼの一例である、後述の製
造例2で得られるノイラミニダーゼ220の酵素的諸性
質を以下に述べる。
【0030】(1)作用 糖鎖の非還元末端にα配位ケトシド結合したシアル酸を
加水分解的に遊離する。 (2)基質特異性 (試験方法)前述したノイラミニダーゼ205と同様で
ある。 (結果)結果は表3の通りである。
【0031】
【表3】 ─────────────────────────── 基 質 相対反応速度(%) ─────────────────────────── α2−3シアリルラクトース 100 α2−6シアリルラクトース 53.6 コロミン酸 22.4 ガングリオシドGM3 70.5 ガングリオシドGD3 56.5 フェツイン 125 ムチン 56.8 ───────────────────────────
【0032】表3から、ノイラミニダーゼ220は、α
2−3,α2−6、α2−8結合したシアル酸を含むシ
アリルラクトース、コロミン酸、糖脂質、糖蛋白質によ
く作用し、これらのシアロ糖複合体の各種N−アセチル
ノイラミン酸ケトシドを加水分解できる。
【0033】(3)作用最適pH 最適pHは、35℃、10分間の反応で、pH5.0〜
5.5の間にある(図2)。 (4)安定pH範囲 4℃、24時間では、pH5〜10においても活性の低
下はほとんど見られない。 (5)力価の測定方法 前述したノイラミニダーゼ205と同様である。
【0034】(6)作用最適温度 pH5.0、10分間の反応で、35℃に至適温度があ
る(図3)。 (7)温度安定性 pH5.0、10分間の反応で35℃までは安定である
が45℃以上では部分的に失活する。 (8)分子量 SDS−PAGEによる測定で分子量は約93,000
である。
【0035】以上の酵素的諸性質を有するノイラミニダ
ーゼ220の製造に用いる微生物としては、例えばビブ
リオ・スピーシーズJT0220が挙げられる。このビ
ブリオ・スピーシーズJT0220は海洋性細菌であ
り、大分県北部の沿岸海水から分離されたものである。
この微生物、JT0220の天然界からのスクリーニン
グ方法を以下に示す。
【0036】海水、海砂、もしくは海泥を微生物源とし
て、直接、コロミン酸、バクト イースト ニトロゲン
ベース W/O アミノ アシッド、および海水からな
る滅菌培地に接種する。本培地で増殖した微生物は常法
にしたがってシングルコロニーアイソレーションした
後、得られた微生物の培養液を酵素源として、常法によ
りノイラミニダーゼ220活性を測定し、該酵素活性を
示す菌株より本菌株を得ることができる。
【0037】このようにして得られるJT0220の菌
学的性質を以下に示す。 菌学的性質: 1)形態 (1)細胞の形態は桿菌で、大きさは1×0.5〜2×
1μm (2)運動性を示し、鞭毛を有する。 (3)グラム染色性は陰性 (4)胞子は形成しない。 2)生理的性質 (1)生育温度 4℃ 生育せず 30℃ 生育する 35℃ 生育する 40℃ 生育せず (2)集落の色調 特徴的集落色素を産生せず (3)O−Fテスト F (4)カタラーゼテスト 陽性 (5)オキシダーゼテスト 陽性 (6)グルコースからガスの生成 無し (7)V−P反応 陰性 (8)ゼラチン分解能 有り (9)デンプン分解能 有り (10)硝酸塩還元能 有り (11)発光性 無し (12)酸素に対する態度 通性嫌気性 (13)PHBの蓄積 β−ヒドロキシ酪酸を基質 試験用培地に生育せず グルコースを基質 無し (14)β−ヒドロキシ酪酸の利用能 無し (15)NaCl要求性 有り (16)リパーゼ活性 有り (17)マンニトールの資化性 有り (18)プテリジン誘導体に対する感受性 10μg 感受性 150μg 感受性 (19)キノン系 Q−8 (20)菌体内DNAのGC含量(モル%)* 44 (21)アルギニンジヒドラーゼ活性 有り (22)資化性 D−キシロース − シュークロース + セロビオース + D−グルコン酸塩 − γ−アミノ酪酸 − L−プロリン + プトレスシン + D−マンノース + ガラクチュロン酸 − ヘプタン酸 − D−ソルビトール + エタノール − 注)* :HPLC法によって行なった。
【0038】このJT0220菌株の上記の菌学的性質
について、バージーズ マニュアルオブ デタミネイテ
ィブ バクテリオロジー第9改正(1994)を用いて
検討した結果、JT0220菌株はビブリオ属に属する
微生物であると同定された。次いでこのJT0220菌
株の菌株的性質をビブリオ属に属する類縁の公知種々と
比較検討したところ、表4に示す通り、JT0220の
菌株的性質はその全項目において一致するものはなかっ
た。その中でも近種であると考えられる4種と比較した
ところ、ビブリオ・ツビアッシー(Vibrio tubiashii)
とはキシロース、グルコン酸塩、ストレプトマイシンの
資化性において、ビブリオ・スプレンディダス(Vibrio
splendidus) とは発光性、キシロース、ソルビトー
ル、ストレプトマイシンの資化性において、ビブリオ・
メディテラーネ(Vibrio mediterranei) とはアルギニン
ジヒドロラーゼの有無、ゼラチンの分解において、ビブ
リオ・オリエンタリス(Vibrio orientalis )とは発光
性、生育温度、グルコン酸の資化性においてそれぞれ異
なる。したがって、JT0220菌株は、ビブリオ属に
属する公知種とは明らかに区別され、新菌種であると認
定し、ビブリオ・スピースーズJT0220と同定し
た。このビブリオ・スピーシーズJT0220は、工業
技術院生命工学工業技術研究所に平成7年5月30日に
寄託し、その寄託番号はFERM BP−5119であ
る。
【0039】
【表4】
【0040】本発明においてビブリオ・スピーシーズJ
T0220を培養するには、通常のこの分野の微生物の
一般的な栄養培地を使用できるが、NaCl要求性の細
菌であるため、0.5%以上、好ましくは3%程度のN
aClを培地に加える必要があり、天然海水や人工海水
に栄養源として0.2〜2%程度のコロミン酸あるいは
N−アセチルマンノサミンと0.1〜1%程度の酵母エ
キスを添加した培地を使用することができる。
【0041】培養は、20〜30℃で20〜48時間好
気的に行なわれ、これにより培養液中にノイラミニダー
ゼ220が生成、蓄積される。培養液からのノイラミニ
ダーゼ220の採取時期は、ノイラミニダーゼ220の
産生量が菌の増殖とともに増加するので適宜、設定すれ
ば良い。培養物中に産生されるノイラミニダーゼ220
は、培養終了後の培養物をそのまま遠心分離して菌体を
除去し、得られる上清を粗酵素液として採取することも
できる。この粗酵素液はさらに酵素の分野で通常用いら
れている方法で精製することができる。この精製方法と
しては、例えば、硫安分画法や限外濾過膜を用いて酵素
を濃縮した後、イオン交換カラムクロマトグラフィー、
ゲル濾過カラムクロマトグラフィー等で行なえば良い。
【0042】ビブリオ・スピーシーズJT0220より
ノイラミニダーゼ220を生産する具体的方法は、該微
生物を天然海水中に1%N-アセチルマンノサミン、
0.67% バクト イースト ニトロゲン ベース
w/o アミノ アシッド(Difco社製)を加えた
培地中で培養温度15〜35℃、好ましくは20〜30
℃、pH6.8〜8.8、好ましくは7.2〜8.2、
培養時間、10〜48時間、好ましくは16〜36時間
培養することにより行われる。
【0043】目的とする酵素は主に菌体外に分泌される
ため、培養液を遠心分離して菌体を除去すれば、高いノ
イラミニダーゼ活性(約0.5単位/ml)を有する粗
酵素液が得られる。さらに、この時点での酵素の比活性
は約20単位/mg proteinであり、この値は
現在市販されているノイラミニダーゼの中でも高品質の
ものに相当する。さらに、研究や検査に使用する際に問
題となるプロテアーゼや各種グリコシダーゼ活性をほと
んど含まないことが確認された。すなわち本発明のビブ
リオ・スピーシーズJT0220を用いれば、培養液上
清を直接、酵素液として用いることができることから、
ノイラミニダーゼを安価でしかも簡便に製造することが
できるという優れた利点を有している。
【0044】以上説明したビブリオ属に属する微生物由
来のノイラミニダーゼは、pHが7.5以上の条件の
下、コロミン酸に対しては、反応液に二価金属イオンを
加えなければほとんど作用せず、反対に反応液に二価金
属イオンを添加することによってコロミン酸に対する酵
素活性が上昇する。一方、その他のシアル酸含有物質、
例えば、シアリルラクトースに対しては、pH7.5以
上の範囲でも二価金属イオンの添加の有無に関わらず、
上記酵素は作用する。
【0045】従って、コロミン酸とシアリルラクトース
をはじめとするシアル酸含有物質とが混在する試料中の
シアル酸含量を測定する場合に、pHを7.5以上に調
整するとともに二価金属イオンを添加せずに測定すれ
ば、コロミン酸以外のシアル酸含有物質由来のシアル酸
量(S1)が求められ、二価金属イオンを添加して測定
すれば試料中の全シアル酸量(S2)が求められる。さ
らに、両者の差(S2−S1)からは、コロミン酸由来
のシアル酸量が算出される。
【0046】従来の技術では、このような測定を行うに
は、コロミン酸に作用しないノイラミニダーゼと全ての
基質に対して作用するノイラミニダーゼの2種類の酵素
を準備する必要があったが、本発明によれば、1種類の
酵素を使用するだけで上記のような各成分毎のシアル酸
含量の測定を行うことができる。pHの調整は常法によ
って行えばよく、例えば7.5以上のpH領域で緩衝作
用を有するバッファーとしてイミダゾール塩酸、トリス
塩酸等が使用できる。
【0047】本発明で使用することのできる二価金属の
イオンとしては、例えばMg2+、Co2+、Cu2+、Zn
2+、Ba2+、Ca2+、Sr2+等が挙げられる。その好ま
しい添加量は、10〜30mMの範囲内である。反応温
度及び反応時間は、通常行われる温度及び時間であれば
よく、20〜40℃で10〜60分間程度が好ましい。
上記ノイラミニダーゼは、シアル酸含有物質からシアル
酸残基を遊離させる反応を触媒するが、遊離したシアル
酸量の定量は常法によって行えばよい。例えば、TBA
(チオバルビツール酸)法によって行うことができる。
【0048】
【実施例】以下、製造例、試験例及び実施例により本発
明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらに限定さ
れるものではない。 〔製造例1〕 ノイラミニダーゼ205の製造 (1) 酵素の採取 天然海水350mlを121℃で15分間滅菌した後、
蒸留水で3gのコロミン酸と2gのバクト イースト
ニトロゲン ベース w/o アミノ アシッドを溶解
して、滅菌フィルターを用いて無菌的に添加した。これ
に、ビブリオ・スピーシーズJT0205の前培養液3
mlを接種し、好気的培養条件下で27℃で48時間培
養した。培養終了後、培地を8,000xgで15分間
遠心し、菌体を除去して上清液300mlを得た。この
上清を粗酵素液とした。この粗酵素液の活性と比活性は
それぞれ、0.96単位/ml、50単位/mg pr
oteinであった。
【0049】(2) 酵素の精製 上記(1) において得られた粗酵素液を以下の操作で精製
した。粗酵素液300mlを充分量の25mM イミダ
ゾール塩酸バッファー(pH7.5)に対して透析した
後、同じバッファーで平衡化した50mlのQAE−ト
ヨパールを加えて穏やかに撹拌しながら酵素を吸着させ
た。これを空カラムに移して担体と上澄みを分けた。担
体は100mlの25mM イミダゾール塩酸バッファ
ー(pH7.5)で洗浄後、25mM イミダゾール塩
酸バッファー+0.5M NaCl(pH7.5)で担
体に吸着している酵素を溶出させた。活性画分はまとめ
て透析後、25mM イミダゾール塩酸バッファー(p
H7.5)で平衡化したMono−Q(ファルマシア
製)に付加し、吸着させ、0〜0.5M NaClのリ
ニアーグラジエントで溶出した。溶出後の活性画分は、
さらにゲル濾過にかけることにより、電気泳動的に単一
バンドの精製ノイラミニダーゼ205 2.1mgを取
得した。この精製酵素の比活性は113単位/mgprot
ein であり、出発粗酵素液に比べ精製度が約2倍に上昇
し、その収率は56%であった。
【0050】〔試験例1〕 二価金属イオンのノイラミ
ニダーゼ205の酵素活性への影響 精製したノイラミニダーゼ205の酵素活性に対する二
価イオンの影響を詳細に検討するために、基質としてコ
ロミン酸を用い、50mMイミダゾール塩酸バッファー
(pH7.5)中、各種の二価金属イオン(Mg2+,C
2+,Cu2+,Zn2+,Ba2+,Ca2+,Sr2+)をそ
れぞれ20mM濃度になるように添加してノイラミニダ
ーゼ205の活性を測定した。具体的には、1%(w/
v)濃度のコロミン酸溶液(50mMイミダゾール塩酸
(pH7.5)中)22μlと0.003単位/5μl
の酵素液と200mMの二価金属イオン溶液3μlから
なる反応溶液を37℃、10分間インキュベートした
後、遊離したシアル酸量をTBA法で定量し、二価金属
イオンの替わりに50mMイミダゾール塩酸バッファー
(pH7.5)を3μl添加して活性を測定したコント
ロール値を基準として比較した。結果を表5及び図4に
示す。
【0051】
【表5】 ──────────────────────── 二価金属イオン 活性 (ΔOD549/10min.) ──────────────────────── コントロール 0.18 Mg2+ 1.81 Co2+ 1.58 Cu2+ 1.38 Zn2+ 1.00 Ba2+ 1.10 Ca2+ 0.52 Sr2+ 0.61 ──────────────────────── この表5から、ノイラミニダーゼ205は二価金属イオ
ンによりその酵素活性が高められることが判る。
【0052】〔試験例2〕 ノイラミニダーゼ205の
pHによる作用性 コロミン酸に作用しないpH範囲を明らかにするため、
各pH範囲でのMgCl2存在下、非存在下での活性を
以下のようにして調べた。すなわち、25μlの1%コ
ロミン酸溶液を5μlの0.003単位の酵素液(ノイ
ラミニダーゼ205)と以下のバッファー中で反応させ
た。別個に、各バッファーに20mMのMgCl2を添
加した溶液中での活性を測定した。その結果を図5に示
す。
【0053】図5からMgCl2無添加の場合にコロミ
ン酸にほとんど作用しないpH範囲は7.5以上であっ
た。したがってpH7.5以上かつMgCl2無添加の
条件でコロミン酸に本酵素を作用させれば、コロミン酸
に作用させずに他のシアル酸含有物質由来のシアル酸量
を測定できる。
【0054】〔実施例1〕50mM イミダゾール塩酸
(pH7.5)中にコロミン酸、α2−3シアリルラク
トース、ガングリオシドGM3、フェツインをそれぞれ
シアル酸含量として100nmol含む基質溶液25μ
lに0.003単位の上記バッファーに対して徹底的に
透析した酵素液(ノイラミニダーゼ205)5μl加え
て37℃、10分間反応させた。また、50mM イミ
ダゾール塩酸バッファー(pH7.5)+20mM M
gCl2中で同様の反応を行い、反応で生じたシアル酸
量をTBA法で測定した。その結果を表6に示す。
【0055】
【表6】 ─────────────────────────── 基 質 活性 (ΔOD549/10min.) ───────────── (-Mg2+) (20mM Mg2+) ─────────────────────────── α2−3シアリルラクトース 0.681 0.650 コロミン酸 0.002 0.334 ガングリオシドGM3 0.510 0.497 フェツイン 0.792 0.760 ───────────────────────────
【0056】表6により、新規なノイラミニダーゼ20
5が生成したシアル酸量は、コロミン酸が基質である場
合を除いて、反応液中のMgCl2の存在に関わらず、
ほぼ同程度のシアル酸を遊離させた。一方、コロミン酸
に本酵素を作用させた場合、MgCl2を反応液中に添
加しない場合はシアル酸をほとんど遊離しなかったが、
MgCl2を添加した場合はシアル酸を遊離した。
【0057】試験例2及び実施例1より、以下のことが
分かる。即ち、ノイラミニダーゼ205はコロミン酸に
作用する場合に限り、反応液に二価金属イオンを添加す
ることによってその活性が上昇する。しかし、pHが
7.5以上の範囲では二価金属イオンを反応液中に加え
なければ該酵素はコロミン酸に対してほとんど作用しな
い。一方、その他の基質例えば、シアリルラクトースに
対してはpH7.5以上でも二価金属イオンの添加、無
添加に関わらず該酵素は作用する。
【0058】〔製造例2〕 ノイラミニダーゼ220の
製造 (1) 酵素の採取 天然海水100mlを121℃で15分間滅菌した後、
蒸留水で1gのN−アセチルマンノサミンと0.67g
のバクト イースト ニトロゲン ベース w/o ア
ミノ アシッドを溶解して、滅菌フィルターを用いて無
菌的に添加した。これに、ビブリオ・スピーシーズJT
0220の前培養液1mlを接種し、好気的培養条件下
で27℃で48時間培養した。培養終了後、培地を8,
000xgで15分間遠心し、菌体を除去して上清液9
0mlを得た。この上清を粗酵素液とした。この粗酵素
液の活性と比活性はそれぞれ、0.52単位/ml、2
5単位/mg proteinであった。
【0059】(2) 酵素の精製 上記(1) より得られた粗酵素液を以下の操作で精製し
た。粗酵素液90mlを充分量の25mM イミダゾー
ル塩酸バッファー(pH7.5)に対して透析した後、
同じバッファーで平衡化した40mlのQAE−トヨパ
ールを加えて穏やかに撹拌しながら酵素を吸着させた。
これを空カラムに移して担体と上澄みを分けた。担体は
100mlの25mM イミダゾール塩酸バッファー
(pH7.5)で洗浄後、25mM イミダゾール塩酸
バッファー+0.5M NaCl(pH7.5)で担体
に吸着している酵素を溶出させた。活性画分はまとめて
透析後、25mM イミダゾール塩酸バッファー(pH
7.5)で平衡化したMono−Q(ファルマシア製)
に付加し、吸着させ、0.5M NaClで溶出した。
溶出された活性画分をSDS−PAGEしたところ、電
気泳動的に単一のバンドの精製ノイラミニダーゼ220
0.72mgを取得した。この精製酵素の比活性は5
5単位/mg proteinであり、出発粗酵素液に比べて
2.2倍に上昇し、全活性は40単位、活性収率は85
%であった。
【0060】〔実施例2〕製造例2で得られた精製酵素
を50mMのトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)に対し
て透析した後、同緩衝液で蛋白質濃度が35μg/ml
になるように酵素液を調製した。25μlの基質溶液
(50mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.5)で1%
(W/V)濃度にコロミン酸を溶解)に酵素液5μlを
添加することにより反応を開始させ、35℃で15分間
反応させた。
【0061】一方、10mMのEDTAを含む50mM
トリス−塩酸緩衝液(pH7.5)に対して精製酵素を
透析した後、上記と同様の蛋白質濃度となるように酵素
液を調製した。10mMのEDTAを含む基質溶液(同
上)に酵素液5μlを添加することにより反応を開始さ
せ、35℃で15分間反応させた。両者の反応によって
生じたシアル酸量をTBA法によって測定した。
【0062】その結果、EDTAを含まない緩衝液中で
測定した値(ΔOD549/15min)とEDTAを
含む緩衝液中で測定した値は、それぞれ0.163及び
0.002であった。EDTAは金属イオンが酵素活性
に与える影響を除去する作用を有するため、EDTAの
添加により反応液中に存在する二価金属イオンの酵素に
対する作用が阻害されて、コロミン酸由来のシアル酸量
が少なく測定され、一方、EDTAの無添加により二価
金属イオンの酵素に対する作用が働き、コロミン酸由来
のシアル酸量が多く測定されたことが分かる。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、1種類のノイラミニダ
ーゼで、コロミン酸及びその他のシアル酸含有物質を含
む混合物中におけるコロミン酸以外のシアル酸含有物質
由来のシアル酸量及び全シアル酸量を測定することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ノイラミニダーゼ205の各温度による作用性
を示す図。
【図2】ノイラミニダーゼ220の各pHによる作用性
を示す図。
【図3】ノイラミニダーゼ220の各温度による作用性
を示す図。
【図4】ノイラミニダーゼ205活性への二価金属イオ
ンの影響を示す図。
【図5】基質をコロミン酸とした場合における、ノイラ
ミニダーゼ205の各pH範囲での酵素活性(MgCl
2存在下、非存在下)を示す図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノイラミニダーゼを用いて、コロミン酸
    及び他のシアル酸含有物質を含む混合物中のコロミン酸
    由来のシアル酸量を測定する方法。
  2. 【請求項2】 ビブリオ属に属する微生物由来のノイラ
    ミニダーゼを用いて、コロミン酸及び他のシアル酸含有
    物質を含む混合物中のコロミン酸由来のシアル酸量を測
    定する方法。
  3. 【請求項3】 ビブリオ属に属する微生物由来のノイラ
    ミニダーゼが、下記の理化学的性質 (1)作用及び特異性:糖蛋白質、糖脂質、オリゴ糖及
    び多糖類の糖鎖の非還元末端に存在するシアル酸残基を
    遊離させる反応を触媒する。 (2)至適pH:5〜7 (3)至適温度:50℃ (4)分子量:約65,000(SDS−PAGEによ
    る測定) を有するノイラミニダーゼ205であることを特徴とす
    る、請求項2記載のシアル酸量の測定法。
  4. 【請求項4】 ビブリオ属に属する微生物が、ビブリオ
    ・スピーシーズJT0205であることを特徴とする、
    請求項2又は3記載のシアル酸量の測定法。
  5. 【請求項5】 コロミン酸及び他のシアル酸含有物質を
    含む混合物中に、(a) 二価金属イオンを添加することな
    く、ビブリオ属に属する微生物由来のノイラミニダーゼ
    を添加し、混合物のpHを7.5以上に調整して反応さ
    せることにより、コロミン酸以外のシアル酸含有物質由
    来のシアル酸量を測定するとともに、(b) ビブリオ属に
    属する微生物由来のノイラミニダーゼ及び二価金属イオ
    ンを添加し、混合物のpHを7.5以上に調整して反応
    させることにより、全シアル酸量を測定し、この全シア
    ル酸量と、工程(a) で測定したコロミン酸以外のシアル
    酸含有物質由来のシアル酸量との差から、コロミン酸由
    来のシアル酸量を算出することを特徴とする、コロミン
    酸由来のシアル酸量の測定法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6034130A (ja) * 1983-08-06 1985-02-21 Kanamasu Ikedaen:Kk カルシウム付き緑茶の製造法
US4954476A (en) * 1987-01-23 1990-09-04 Siemens Aktiengesellschaft Method of making catalysts from titanium oxide
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