JP2000120046A - 斜面コンクリート舗設装置 - Google Patents
斜面コンクリート舗設装置Info
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Abstract
に、コンクリートが分離せず、多くの労力や危険作業を
伴わない斜面コンクリート舗設装置を提供する。 【解決手段】 コンクリートポンプを使用して構造物の
斜面にコンクリートを舗設するための装置であって、斜
面に沿って移動するスリップフォーム10と、このスリ
ップフォーム10に供給されるコンクリートを当該スリ
ップフォーム10の全幅にわたって吐出するディストリ
ビュータ20と、前記スリップフォーム10の移動に伴
ってコンクリートポンプにより当該スリップフォーム1
0へコンクリートを圧送するための配管Kを延長する配
管延長機構30と、スリップフォーム10を載せてこれ
を他の打設ブロック上方に運搬するためのスリップフォ
ーム運搬手段たる移動トロリ60と、からなる斜面コン
クリート舗設装置。
Description
ンクリートを舗設するための斜面コンクリート舗設装置
に係り、特に表面遮水壁型フィルダムのコンクリート遮
水壁を舗設するための斜面コンクリート舗設装置に関す
る。
ムのコンクリート遮水壁の舗設は、次のようにシュート
を用いて行っていた。すなわち図15に示すように、ま
ず、堤体の法尻から法肩にかけて、型枠付レールR及び
鉄筋TをクローラクレーンCで敷設する。次に、型枠付
レールRに沿って堤体斜面を移動するスリップフォーム
Fに、法肩から堤体斜面に沿って設備したシュートSで
コンクリートを供給しながら、コンクリート遮水壁を法
尻から法肩に向かって徐々に舗設していく。このとき、
シュートSへのコンクリートの供給は、堤頂に停車する
ミキサー車Mから直接(又はコンクリートポンプ車Pを
介して)行う。また、スリップフォームF内におけるコ
ンクリート分配は、シュートS下部に取り付けた旋回ホ
ッパHによりコンクリートの吐出方向を順次切り替える
ことにより行い、シュートSはスリップフォームFの移
動に伴って順次下方から切り離していく。なお、コンク
リートの締固めは、スリップフォームFに乗り込んだ作
業員がバイブレータを使って行う。
うにシュートSを使用して表面遮水壁型フィルダムのコ
ンクリート遮水壁の舗設を行う場合には、次のような問
題が生じていた。すなわち、 シュートS内部を長い距離にわたって急降下すること
によりコンクリートが分離してしまうため、コンクリー
ト遮水壁の品質を確保できない。 旋回ホッパHの切り替え、シュートSの切り離し、バ
イブレータを使用してのコンクリート締固めは、いずれ
も堤体斜面上で作業員による人力で行われるため、多く
の労力を要するとともに危険である。
たものであって、構造物の斜面にコンクリート舗設を行
う際に、コンクリートが分離せず、多くの労力や危険作
業を伴わない斜面コンクリート舗設装置を提供すること
を目的とするものである。
の発明は、コンクリートポンプを使用して構造物の斜面
にコンクリートを舗設するための装置であって、斜面に
沿って移動するスリップフォームと、このスリップフォ
ームに供給されるコンクリートを当該スリップフォーム
の全幅にわたって吐出するディストリビュータと、前記
スリップフォームの移動に伴ってコンクリートポンプに
より当該スリップフォームへコンクリートを圧送するた
めの配管を延長する配管延長機構と、からなることを特
徴とする斜面コンクリート舗設装置である。
よれば、スリップフォームに供給されるコンクリートは
コンクリートポンプにより圧送されるものであるため、
斜面頂部のミキサー車等からシュートを用いてコンクリ
ートを供給する場合のようなコンクリートの分離は殆ど
生じない。そして、ディストリビュータでスリップフォ
ームの全幅にわたってコンクリートを吐出できるととも
に、スリップフォームの移動に伴って配管延長機構によ
り配管が延長されるため、フィルダムのような巨大な構
造物の斜面に円滑にコンクリート舗設を行うことができ
安全である。なお、前記スリップフォームは斜面に沿っ
て下方から上方へ上昇するものでもよいし、上方から下
方へ下降するものでもよい。そして、コンクリートポン
プも、斜面の上方又は下方等、場所を問わず設置され
る。
載の発明において、前記ディストリビュータ及び配管延
長機構が、直管及びベンド管を適宜接続してなるととも
に、管同士を相互にねじり自在とした接続部を含むこと
により変形できる、ことを特徴とする。
よれば、一般に用いられているコンクリート輸送管を使
用して所定形状に変形する配管を形成できるため、配管
盛替えをせずとも請求項1記載の発明を実現することが
できる。
は請求項2記載の発明において、前記配管延長機構が、
配管内のコンクリートの流通を遮断するストッパーを有
するとともに、予備のコンクリート輸送管を継ぎ足され
ることにより配管を延長できることを特徴とする。
おいては、予備のコンクリート輸送管が継ぎ足されるこ
とにより配管を延長することができるが、このとき、ス
トッパーが配管内のコンクリートの流通を遮断するた
め、切り離した配管の連結部からコンクリートが流出す
ることもなく、円滑かつ確実に配管を延長することがで
きる。
至請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記
スリップフォームが、その全幅にわたってコンクリート
を締め固める複数のバイブレータを具備することを特徴
とする。
よれば、ディストリビュータから吐出されたコンクリー
トが複数のバイブレータにより同時にくまなく締め固め
られるので、品質のよい密実なコンクリートを多くの労
力なしに舗設することができる。
至請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記
スリップフォームが、電源ケーブル等を巻き取るための
リールを具備することを特徴とする。
よれば、スリップフォームの移動に伴って電源ケーブル
等を巻き取ることができるので、安全かつ円滑に舗設作
業を行うことができる。
至請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記
スリップフォームが、打設ブロックの両側に沿って敷設
した型枠付レールに沿って移動し、この型枠付レール
が、コッタにより位置及び向きが調節可能に連結・固定
されてなる、ことを特徴とする。
おいては、型枠付レールの固定・連結が簡易になされる
とともに微調整も可能であるため、装置設置作業の省力
化を図ることができる。
至請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記
スリップフォームが、これに一体固定された索体巻送手
段が索体を巻き取り送り出すことにより斜面上を移動す
ることを特徴とする。
おいては、スリップフォームに一体固定された索体巻送
手段が索体を巻き取り送り出す、という簡易な構成によ
り当該スリップフォームが斜面上を移動できるため、工
費低減に資する。
載の発明において、前記索体が、前記スリップフォーム
を載せてこれを他の打設ブロック上方に運搬するための
スリップフォーム運搬手段に設けられたシーブに掛け回
され、前記スリップフォーム運搬手段が、前記スリップ
フォームの牽引時に斜面頂部にアンカー固定されてな
る、ことを特徴とする。
おいては、スリップフォーム運搬手段がスリップフォー
ムの牽引時に斜面頂部にアンカー固定されているため、
また、これに設けられたシーブに索体が掛け回されてい
るため、比較的軽量かつ簡易な構成で済み、工費低減に
資する。
至請求項8のいずれか一項に記載の発明において、前記
スリップフォームの移動、前記ディストリビュータや配
管延長機構の変形、前記ストッパーやバイブレータ等の
操作が、それぞれ必要に応じて遠隔集中制御されること
を特徴とする。
よれば、必要な移動操作が遠隔集中制御されるため作業
が省力化され、さらに品質のよいコンクリートを安全に
かつ無駄なく舗設することができる。
3乃至請求項9のいずれか一項に記載の発明において、
前記スリップフォームが、予備のコンクリート輸送管を
搭載するとともに、この予備のコンクリート輸送管を荷
取りして前記配管延長機構に継ぎ足すための作業足場を
具備することを特徴とする。
よれば、スリップフォームが予備のコンクリート輸送管
を搭載しているため、スリップフォームの移動に伴って
予備のコンクリート輸送管を斜面上へ吊り上げる手間が
省ける。また、スリップフォームが作業足場を具備する
ため、斜面上であっても、予備のコンクリート輸送管を
荷取りしてこれを配管延長機構に継ぎ足すための作業ス
ペースが確保され、安全かつ円滑にコンクリートを舗設
することができる。
の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、同一
要素には同一符号を用い、重複する説明は省略するもの
とする。
コンクリート舗設装置の一実施形態を表す平面図であ
り、図2は同正面図、図3は同断面図、図4は同側面図
である。これらの図に表したように、斜面コンクリート
舗設装置は、スリップフォーム10を本体とし、このス
リップフォーム10内においてその全幅にわたりコンク
リートを分配吐出するディストリビュータ20と、この
ディストリビュータ20と配管Kとの間に介在して配管
Kを延長する役割を果たす配管延長機構30と、を具備
する構成となっている。したがって、コンクリートポン
プにより配管Kを通じて圧送されたコンクリートは、配
管延長機構30内を通ってディストリビュータ20から
吐出され、スリップフォーム10によって押さえ込まれ
ることになる。以下、この斜面コンクリート舗設装置を
表面遮水壁型フィルダムのコンクリート遮水壁舗設に用
いる場合を例にとって、装置の各部の構成・作用等につ
いて詳述することにより、本発明の意義を明らかにす
る。
れたコンクリートを連続的に平坦に押さえ込むための移
動式型枠であり、斜面コンクリート舗設装置の本体とな
る部分である。基本的にその構成は台車に類似してお
り、コンクリートの上面を押さえ込むためのプレート1
5、予め敷設されている型枠付レールRに沿って移動す
るための車輪17、雨風を防ぐとともに剛性を高める屋
根18を有する。そして、このスリップフォーム10
は、その両端に取り付けられているウィンチ11a,1
1bを作動させることにより、法尻から法肩へ移動す
る。すなわち、堤頂に設置されたシーブ12a,12b
にその中間部が掛け回されるとともに、その一端がスリ
ップフォーム10に緊結されたワイヤロープ13a,1
3bの他端をそれぞれウィンチ11a,11bが巻き取
ることにより、スリップフォーム10が斜面上を下方か
ら上方へ移動することになる。
トリビュータ20から吐出されたコンクリートを締め固
めるためのバイブレータ14が具備されている。このバ
イブレータ14は、振動棒14a〜14eを束ねた枠体
がラックとピニオンの係合によりレール19に沿って横
スライドする構成であり、さらに各振動棒14a〜14
eもラックとピニオンの係合により枠体に対して上下動
する構成となっている。したがって、バイブレータ14
は、各振動棒14a〜14eをスリップフォーム10の
全幅にわたって横スライドさせるとともに、独立的に上
下動できるようにしたものとなっているため、ディスト
リビュータ20から吐出されたばかりのコンクリートを
くまなく好適に締め固めることができる。そして、バイ
ブレータ14a〜14eにより締め固められたコンクリ
ートは、移動するスリップフォーム10の底部のプレー
ト15によってその上面を押さえつけられて、連続的に
平坦に敷き均される。このとき、コンクリートの両側面
は型枠付レールRの側面型枠40(図6参照)によって
せきとめられているため、スリップフォーム10が通過
するとコンクリートが成形されてコンクリート遮水壁が
出来上がっていく。
1とベンド管22とを適宜相互にねじり自在であるよう
に連結するとともに、直管21aがo軸まわりに回動す
るようにこれを保持するアーム23と、管口となる直管
21bをレール24に沿って横スライドさせるスライダ
ー25と、を具備したものであり、コンクリートポンプ
により圧送されたコンクリートをスリップフォーム10
の全幅にわたって吐出する役割を果たすものである。そ
して、このディストリビュータ20のうち可動部分はo
軸から管口に至る部分であり(図1参照)、それ以外の
部分はスリップフォーム10に固定されている。また、
管口たる直管21bは、スライダー25によりレール2
4の長さ一杯に横スライドすることができるようになっ
ている。
するスライダー25がレール24に沿って移動し、これ
に追随するようにアーム23がo軸まわりに回動するよ
うに構成されているが、本発明はこれに限定されるもの
でなく、ディストリビュータ20の前記機能を発揮する
ならば、逆に動力を具備するアーム23が直管21aを
o軸まわりに回動させ、これに追随するようにスライダ
ー25がレール24に沿ってスライドする構成であって
もよい。また、その他にも、アーム23とスライダー2
5の双方が動力を具備するものであってもよいし、これ
らのいずれもが動力を具備せずに他の部分が動力を具備
して同様の作用を奏するものとしてもよい。
0の移動に伴って、図示しないコンクリートポンプから
スリップフォーム10へコンクリートを圧送する配管K
を延長することを目的とした機構である。本実施形態に
おける配管延長機構30は、直管31とベンド管32と
を適宜相互にねじり自在であるように連結するととも
に、その中途部の直管31aを上下左右に移動させるホ
イスト33、このホイスト33を吊り下げている逆L字
形の枠体34、配管Kとこの配管延長機構30との間の
コンクリートの流通を遮断するためのバルブ35と、を
具備する構成となっている。
沿って水平にスライドできるとともに、そのフック33
aを上下動させることができる。そして、このようなホ
イスト33の動きに伴って配管延長機構30が尺取り虫
のように伸縮する。
管Kとの間に予備のコンクリート輸送管を継ぎ足す場合
には、一旦当該連結部を切り離さなければならない。こ
のとき、コンクリートポンプの作動を中止しなければな
らないのは当然であるが、斜面勾配を考慮すると、配管
延長機構30中に残存しているコンクリートが流れ出て
くるのを防止するため、バルブ35を締める必要があ
る。
管Kを延長する方法について、図5に基づいて説明す
る。同図(a)は配管延長機構30が縮んでいる状態を
示しており、この状態からスリップフォーム10が少し
ずつ移動して(b)の状態となる。ここで配管Kを延長
するために、スリップフォーム10の移動及びコンクリ
ートポンプ車Pの作動を中止し、バルブ35を締める。
そして、バルブ35と配管Kとの間の連結部36におい
て両者を切り離し、(c)のようにスリップフォーム1
0の位置はそのままの状態で配管延長機構30を縮ませ
て、これをバルブ35ごとスリップフォーム10側に引
き寄せる。そして、予備のコンクリート輸送管kを1本
挿入できるスペースができたら、そこにそのコンクリー
ト輸送管kを挿入・連結する(同(d)参照)。このよ
うにして(a)〜(d)の手順を踏むことにより、コン
クリート輸送管kの長さだけ配管Kが延長されるので、
今度はバルブ35を開け、スリップフォーム10の移動
及びコンクリートポンプ車Pの作動を再開すればよい。
また、さらに配管Kを延長するためには、(e)に示す
ように配管延長機構30を伸ばしていくことから始め
て、前記(a)〜(d)の手順を繰り返せばよい。
1にも示すようにスリップフォーム10上に複数本搭載
されている。そして、これらのコンクリート輸送管kを
荷取りし、連結部36に継ぎ足すための作業スペースと
して、またコテ仕上げ、養生剤散布等の作業や様々なメ
ンテナンス用として、スリップフォーム10の四周には
作業足場16が設置されている。さらに、荷取りしたコ
ンクリート輸送管kを連結部36に継ぎ足すことを容易
にするため、枠体34の腕木34aはポール34bのま
わりに回動自在となっており、当該作業時には腕木34
aをスリップフォーム10の中心に向けるようにして連
結部36を作業足場16の上に持ってくる。
ーム10は従来と同様の型枠付レールRに沿って斜面上
を移動するが、この型枠付レールRはコッタにより位置
や向きが調節可能に連結・固定される。このことについ
て、図6乃至図8を参照して説明する。まず図6は、型
枠付レールRの敷設状況を表す部分平面図である。同図
に示すように、型枠付レールRは打設ブロックDの両側
に平行に2列敷設され、内側の側面型枠40と外側のレ
ール41とからなっている。
の部分詳細平面図である図7(a)、図6のA−A’断
面図である図7(b)からも分かるように、レール41
はH形鋼であり、溝形鋼42a,42aを背中合わせに
した枕木42によって支えられ、ボルト43によってこ
れに連結されている。そして溝形鋼42a,42aの隙
間の両端部には、ブラケット付ボルト44,44が溶接
固定されている。また、ブラケット付ボルト44はベー
ス金具45に対してドリフトピン46で固定され、ベー
ス金具45はアンカ棒47によって地盤に固定されてい
る。
とは、図示のようにレール固定金具48を介してコッタ
49a,49aにより、水平面上におけるレール41の
軸と直交方向(紙面左右方向)の位置が調節可能に連結
されている。したがって、例えば図7(a)において最
も右側のコッタ49aを矢印の方向に叩いて押し込め
ば、アンカ棒47、ブラケット付ボルト44、枕木4
2、レール41が一体となって矢印のように左方に移動
することになる。また同様に、枕木42とブラケット付
ボルト44とは、ボルト43を介してコッタ49b,4
9bによって水平面上におけるレール41の軸と直交方
向(紙面左右方向)の位置が調節可能に連結されてい
る。さらに、ブラケット付ボルト44とベース金具45
とは、高さ調節ナット44a,44bによって相対的な
高さを調節できるように連結されている。したがって、
レール41の曲りや位置の微調節は、コッタ49a,4
9b,高さ調節ナット44a,44bを操作することに
より簡易に行うことができる。
固定する部分の部分詳細平面図であり、図8(b)は図
6のB−B’断面図である。これらの図に示すように、
側面型枠40は、鋼管の一端にL字形のブラケットが溶
接固定されたブラケット付鋼管50を介してレール41
に対して位置調節可能に連結固定されている。このブラ
ケット付鋼管50のブラケット部にはピン51が溶接固
定されており、側面型枠40に溶接固定された型枠固定
金具52とコッタ53aを介して連結される。また、ブ
ラケット付鋼管50の鋼管部は、レール41の下フラン
ジ底面に溶接固定されたプレート54の長孔にコッタ5
3bを打ち込むこと、ブラケット付鋼管50の鋼管部を
両側から、レール41の下フランジを把持する把持金具
55を介してボルト56で締め付けること、によってレ
ール41に連結固定される。
定する役割を果たすものであり、このコッタ53aを図
8(a)中の矢印の方向に叩いて押し込めば、側面型枠
40は型枠固定金具52を介してブラケット付鋼管50
に強固に固定される。このとき、仮にブラケット付鋼管
50が図中の仮想線のように側面型枠40に対して斜め
になっていたとしても、コッタ53aを押し込んで側面
型枠40を固定することは容易になされる。また、コッ
タ53bはブラケット付鋼管50を固定する役割を果た
すものであり、このコッタ53bを図8(b)中の矢印
の方向に叩いて押し込めば、ブラケット付鋼管50はプ
レート54に強固に固定される。このとき、同図におけ
る左右方向の調節は、ブラケット付鋼管50の鋼管部に
おけるプレート54の位置を調節してコッタ53bを押
し込むことにより簡易になされる。
部に設置固定されたスリップフォーム運搬手段について
説明する。図9はスリップフォーム運搬手段たる移動ト
ロリ60を表す斜視図であり、図10はその固定状況を
表す側断面図である。図9に示すように、移動トロリ6
0は、車輪61を具備するトロリ台車62と、このトロ
リ台車62上に組み立てられた櫓部63と、から構成さ
れており、斜面頂部に沿って敷設されたトロリレール6
4に沿って車輪61により移動する。また、櫓部63の
頂部に設けられたシーブ12a(12b)には、スリッ
プフォーム10に具備されているウィンチ11a(11
b)によって巻き取られるワイヤロープ13a(13
b)が掛け回される。また、トロリ台車62上には、ス
リップフォーム10の重量によって引きずられないよう
におもり65が設置される。さらに、図10に示すよう
に、櫓部63はターンバックル66により、トロリ台車
62はチェーン67により、斜面頂部に構築された基礎
コンクリート68にアンカー固定されている。
の役割は、スリップフォーム10が斜面に沿って移動す
るときの反力をとるとともに、スリップフォーム10が
斜面上を上昇し終わった後、これを丸ごと櫓部63に載
せて次の打設ブロックDへ移動させることである。した
がって、通常の移動トロリはスリップフォーム10等と
同程度の重量を有している必要があるが、図示の移動ト
ロリ60は、H形鋼等を組み合わせたフレームにオモリ
65を載せただけの極めて簡易な構成となっており、そ
の総重量がスリップフォーム10等よりも大幅に軽いも
のとなっている。これは、ターンバックル66やチェー
ン67により、斜面頂部に構築された基礎コンクリート
68にアンカー固定されているためである。なお、移動
トロリ60が移動するときには、ターンバックル66や
チェーン67を外すことは言うまでもない。
ためのウィンチ11a,11b、ディストリビュータ2
0を変形させるためのスライダー25又はアーム23、
配管延長機構30を伸縮させるためのホイスト33、バ
ルブ35、その他バイブレータ14等の操作は、必要に
応じて堤体から離れた遠隔から集中制御することもでき
る。したがって、これらの操作が省力化されるととも
に、安全に、かつ、作業進捗に応じて総合的に無駄なく
行われる。
基づき、本発明に係る斜面コンクリート舗設装置の別の
実施形態について説明する。図11は斜面コンクリート
舗設装置のディストリビュータ20のみについて図示し
た平面図であり、図12(a)はその側面図である。こ
こで、スリップフォーム10については仮想線で表示
し、配管延長機構30については図示を省略している。
これらの図に示したディストリビュータ20は、先端が
二方向に分岐し斜面下方からコンクリートポンプでコン
クリートを圧送するための配管Kを支持するディストリ
ビュータ台車26と、配管Kを通じて圧送されるコンク
リートを受け取ってスリップフォーム10の前方に分配
吐出するための揺動式シュート27,27と、これらの
揺動式シュート27,27の先端を打設ブロックDの幅
一杯にスライドさせるガイドビーム28と、から構成さ
れる。
ある図12(b)に示すように、揺動式シュート27
は、シュート27a,27bを上下に重ねてローラ27
cでスライド自在とした構成であり、全体の長さが変化
するようになっている。また、ガイドビーム28には図
示しない動力伝達機構が内蔵されており、シュート27
b,27bの先端を打設ブロックDの幅方向にスライド
させる。そして、シュート27a,27aの元端がディ
ストリビュータ台車26に対して回動自在に接合されて
いるため、配管Kを通じて圧送されるコンクリートを円
滑にスリップフォーム10の前方に分配吐出することが
できる。また、従来のシュート方式と異なり、この斜面
コンクリート舗設装置においては、斜面下方からコンク
リートを圧送し、全長の短い揺動式シュート27によっ
てこれを分配するに過ぎないため、コンクリートの分離
は起こらない。なお、配管Kの中途部には切換弁Kaが
設けられ、これを操作することにより揺動式シュート2
7への圧送先を選択できるようになっている。
ームについて説明する。図13は、図11において仮想
線表示したスリップフォーム10を表す平面図であり、
図14はその側面図である。このスリップフォーム10
は、実施形態1で説明したスリップフォーム10と略同
様の構成を有するものであるが、電源ケーブル69等を
巻き取るためのリール70を具備する点、幅の大きな打
設ブロックDにも対応可能で巨大なダム工事にも使用で
きる点、が異なっている。したがって、スリップフォー
ム10の移動に伴って、打設ブロックDの両側に敷設さ
れる電源ケーブル69を巻き取ることができるので、安
全かつ円滑に舗設作業を行うことができる。
装置の構成・作用等について二つの実施形態を通じて述
べてきたが、各構成要素の形状や材質等については、そ
れぞれに要求される役割を果たすものである以上他の形
態に変更可能であり、本実施形態に示したものに限定さ
れない。すなわち、例えば、スリップフォーム10の構
造や移動方式、ディストリビュータ20や配管延長機構
30の構造や変形態様等については、それぞれに要求さ
れる機能を有することを条件として自由に定めることが
できる。なお、前記スリップフォームは斜面に沿って下
方から上方へ上昇するものに限定される訳ではなく、上
方から下方へ下降するものであってもよい。また、コン
クリートポンプの設置位置は、斜面下方のみならず斜面
上方であってもよいことは勿論である。
明によれば、スリップフォームに供給されるコンクリー
トがコンクリートポンプにより圧送されるものであるた
め、斜面頂部のミキサー車等からシュートを用いてコン
クリートを供給する場合のようなコンクリートの分離は
殆ど生じない。そして、ディストリビュータでスリップ
フォームの全幅にわたってコンクリートを吐出できると
ともに、スリップフォームの移動に伴って配管延長機構
により配管が延長されるため、フィルダムのような巨大
な構造物の斜面に円滑にコンクリート舗設を行うことが
でき安全である。
に用いられているコンクリート輸送管を使用して所定形
状に変形する配管を形成できるため、配管盛替えをせず
とも請求項1記載の発明を実現することができる。
のコンクリート輸送管が継ぎ足されることにより配管を
延長することができるが、このとき、ストッパーが配管
内のコンクリートの流通を遮断するため、切り離した配
管の連結部からコンクリートが流出することもなく、円
滑かつ確実に配管を延長することができる。
ストリビュータから吐出されたコンクリートが複数のバ
イブレータにより同時にくまなく締め固められるので、
品質のよい密実なコンクリートを多くの労力なしに舗設
することができる。
ップフォームの移動に伴って電源ケーブル等を巻き取る
ことができるので、安全かつ円滑に舗設作業を行うこと
ができる。
付レールの固定・連結が簡易になされるとともに微調整
も可能であるため、装置設置作業の省力化を図ることが
できる。
ップフォームに一体固定された索体巻送手段が索体を巻
き取り送り出す、という簡易な構成により当該スリップ
フォームが斜面上を移動できるため、工費低減に資す
る。
ップフォーム運搬手段がスリップフォームの牽引時に斜
面頂部にアンカー固定されているため、また、これに設
けられたシーブに索体が掛け回されているため、比較的
軽量かつ簡易な構成で済み、工費低減に資する。
な移動操作が遠隔集中制御されるため作業が省力化さ
れ、さらに品質のよいコンクリートを安全にかつ無駄な
く舗設することができる。
スリップフォームが予備のコンクリート輸送管を搭載し
ているため、スリップフォームの移動に伴って予備のコ
ンクリート輸送管を斜面上へ吊り上げる手間が省ける。
また、スリップフォームが作業足場を具備するため、斜
面上であっても、予備のコンクリート輸送管を荷取りし
てこれを配管延長機構に継ぎ足すための作業スペースが
確保され、安全かつ円滑にコンクリートを舗設すること
ができる。
実施形態を表す平面図である。
る。
細平面図であり、(b)は図6のA−A’断面図であ
る。
詳細平面図であり、(b)は図6のB−B’断面図であ
る。
す斜視図である。
る。
ータの別の実施形態を表す平面図である。
(a)のA−A’断面図である。
図である。
視図である。
29)
の発明は、コンクリートポンプを使用して構造物の斜面
にコンクリートを舗設するための装置であって、斜面に
沿って移動するスリップフォームと、このスリップフォ
ームに供給されるコンクリートを当該スリップフォーム
の全幅にわたって吐出するディストリビュータと、前記
スリップフォームの移動に伴ってコンクリートポンプに
より当該スリップフォームへコンクリートを圧送するた
めの配管を延長する配管延長機構とからなり、前記ディ
ストリビュータ及び配管延長機構が、直管及びベンド管
を適宜接続してなるとともに、管同士を相互にねじり自
在とした接続部を含むことにより変形できることを特徴
とする斜面コンクリート舗設装置である。
よれば、スリップフォームに供給されるコンクリートは
コンクリートポンプにより圧送されるものであるため、
斜面頂部のミキサー車等からシュートを用いてコンクリ
ートを供給する場合のようなコンクリートの分離は殆ど
生じない。そして、ディストリビュータでスリップフォ
ームの全幅にわたってコンクリートを吐出できるととも
に、スリップフォームの移動に伴って配管延長機構によ
り配管が延長されるため、フィルダムのような巨大な構
造物の斜面に円滑にコンクリート舗設を行うことができ
安全である。なお、前記スリップフォームは斜面に沿っ
て下方から上方へ上昇するものでもよいし、上方から下
方へ下降するものでもよい。そして、コンクリートポン
プも、斜面の上方又は下方等、場所を問わず設置され
る。また、ディストリビュータ及び配管延長機構が、一
般に用いられているコンクリート輸送管を適宜接続して
所定形状に変形できるようにしたものであるため、配管
盛替えをせずともコンクリート舗設を行うことができ
る。
載の発明において、前記配管延長機構が、配管内のコン
クリートの流通を遮断するストッパーを有するととも
に、予備のコンクリート輸送管を継ぎ足されることによ
り配管を延長できることを特徴とする。
は請求項2記載の発明において、前記スリップフォーム
が、その全幅にわたってコンクリートを締め固める複数
のバイブレータを具備することを特徴とする。
至請求項3のいずれか一項に記載の発明において、前記
スリップフォームが、電源ケーブル等を巻き取るための
リールを具備することを特徴とする。
至請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記
スリップフォームが、打設ブロックの両側に沿って敷設
した型枠付レールに沿って移動し、この型枠付レール
が、コッタにより位置及び向きが調節可能に連結・固定
されてなる、ことを特徴とする。
至請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記
スリップフォームが、これに一体固定された索体巻送手
段が索体を巻き取り送り出すことにより斜面上を移動す
ることを特徴とする。
載の発明において、前記索体が、前記スリップフォーム
を載せてこれを他の打設ブロック上方に運搬するための
スリップフォーム運搬手段に設けられたシーブに掛け回
され、前記スリップフォーム運搬手段が、前記スリップ
フォームの牽引時に斜面頂部にアンカー固定されてな
る、ことを特徴とする。
至請求項7のいずれか一項に記載の発明において、前記
スリップフォームの移動、前記ディストリビュータや配
管延長機構の変形、前記ストッパーやバイブレータ等の
操作が、それぞれ必要に応じて遠隔集中制御されること
を特徴とする。
乃至請求項8のいずれか一項に記載の発明において、前
記スリップフォームが、予備のコンクリート輸送管を搭
載するとともに、この予備のコンクリート輸送管を荷取
りして前記配管延長機構に継ぎ足すための作業足場を具
備することを特徴とする。
明によれば、スリップフォームに供給されるコンクリー
トがコンクリートポンプにより圧送されるものであるた
め、斜面頂部のミキサー車等からシュートを用いてコン
クリートを供給する場合のようなコンクリートの分離は
殆ど生じない。そして、ディストリビュータでスリップ
フォームの全幅にわたってコンクリートを吐出できると
ともに、スリップフォームの移動に伴って配管延長機構
により配管が延長されるため、フィルダムのような巨大
な構造物の斜面に円滑にコンクリート舗設を行うことが
でき安全である。また、ディストリビュータ及び配管延
長機構が、一般に用いられているコンクリート輸送管を
適宜接続して所定形状に変形できるようにしたものであ
るため、配管盛替えをせずともコンクリート舗設を行う
ことができる。
のコンクリート輸送管が継ぎ足されることにより配管を
延長することができるが、このとき、ストッパーが配管
内のコンクリートの流通を遮断するため、切り離した配
管の連結部からコンクリートが流出することもなく、円
滑かつ確実に配管を延長することができる。
ストリビュータから吐出されたコンクリートが複数のバ
イブレータにより同時にくまなく締め固められるので、
品質のよい密実なコンクリートを多くの労力なしに舗設
することができる。
ップフォームの移動に伴って電源ケーブル等を巻き取る
ことができるので、安全かつ円滑に舗設作業を行うこと
ができる。
付レールの固定・連結が簡易になされるとともに微調整
も可能であるため、装置設置作業の省力化を図ることが
できる。
ップフォームに一体固定された索体巻送手段が索体を巻
き取り送り出す、という簡易な構成により当該スリップ
フォームが斜面上を移動できるため、工費低減に資す
る。
ップフォーム運搬手段がスリップフォームの牽引時に斜
面頂部にアンカー固定されているため、また、これに設
けられたシーブに索体が掛け回されているため、比較的
軽量かつ簡易な構成で済み、工費低減に資する。
な移動操作が遠隔集中制御されるため作業が省力化さ
れ、さらに品質のよいコンクリートを安全にかつ無駄な
く舗設することができる。
リップフォームが予備のコンクリート輸送管を搭載して
いるため、スリップフォームの移動に伴って予備のコン
クリート輸送管を斜面上へ吊り上げる手間が省ける。ま
た、スリップフォームが作業足場を具備するため、斜面
上であっても、予備のコンクリート輸送管を荷取りして
これを配管延長機構に継ぎ足すための作業スペースが確
保され、安全かつ円滑にコンクリートを舗設することが
できる。
Claims (10)
- 【請求項1】 コンクリートポンプを使用して構造物の
斜面にコンクリートを舗設するための装置であって、 斜面に沿って移動するスリップフォームと、 このスリップフォームに供給されるコンクリートを当該
スリップフォームの全幅にわたって吐出するディストリ
ビュータと、 前記スリップフォームの移動に伴ってコンクリートポン
プにより当該スリップフォームへコンクリートを圧送す
るための配管を延長する配管延長機構と、からなること
を特徴とする斜面コンクリート舗設装置。 - 【請求項2】 前記ディストリビュータ及び配管延長機
構は、直管及びベンド管を適宜接続してなるとともに、
管同士を相互にねじり自在とした接続部を含むことによ
り変形できる、ことを特徴とする請求項1記載の斜面コ
ンクリート舗設装置。 - 【請求項3】 前記配管延長機構は、配管内のコンクリ
ートの流通を遮断するストッパーを有するとともに、予
備のコンクリート輸送管を継ぎ足されることにより配管
を延長できることを特徴とする請求項1又は請求項2記
載の斜面コンクリート舗設装置。 - 【請求項4】 前記スリップフォームは、その全幅にわ
たってコンクリートを締め固める複数のバイブレータを
具備することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいず
れか一項に記載の斜面コンクリート舗設装置。 - 【請求項5】 前記スリップフォームは、電源ケーブル
等を巻き取るためのリールを具備することを特徴とする
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の斜面コン
クリート舗設装置。 - 【請求項6】 前記スリップフォームは、打設ブロック
の両側に沿って敷設した型枠付レールに沿って移動し、 この型枠付レールは、コッタにより位置及び向きが調節
可能に連結・固定されてなる、 ことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか一項
に記載の斜面コンクリート舗設装置。 - 【請求項7】 前記スリップフォームは、これに一体固
定された索体巻送手段が索体を巻き取り送り出すことに
より斜面上を移動することを特徴とする請求項1乃至請
求項6のいずれか一項に記載の斜面コンクリート舗設装
置。 - 【請求項8】 前記索体は、前記スリップフォームを載
せてこれを他の打設ブロック上方に運搬するためのスリ
ップフォーム運搬手段に設けられたシーブに掛け回さ
れ、 前記スリップフォーム運搬手段は、前記スリップフォー
ムの牽引時に斜面頂部にアンカー固定されてなる、こと
を特徴とする請求項7記載の斜面コンクリート舗設装
置。 - 【請求項9】 前記スリップフォームの移動、前記ディ
ストリビュータや配管延長機構の変形、前記ストッパー
やバイブレータ等の操作は、それぞれ必要に応じて遠隔
集中制御されることを特徴とする請求項1乃至請求項8
のいずれか一項に記載の斜面コンクリート舗設装置。 - 【請求項10】 前記スリップフォームは、予備のコン
クリート輸送管を搭載するとともに、この予備のコンク
リート輸送管を荷取りして前記配管延長機構に継ぎ足す
ための作業足場を具備することを特徴とする請求項3乃
至請求項9のいずれか一項に記載の斜面コンクリート舗
設装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10292442A JP3057490B2 (ja) | 1998-10-14 | 1998-10-14 | 斜面コンクリート舗設装置 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2000120046A true JP2000120046A (ja) | 2000-04-25 |
JP3057490B2 JP3057490B2 (ja) | 2000-06-26 |
Family
ID=17781858
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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