JPH09177323A - コンクリートディストリビュータ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量小型でありながら、当該固定位置におい
てコンクリート打設位置を広範囲において任意に定める
ことのできるコンクリートディストリビュータを提供す
ること。 【解決手段】 クローラー等の自走車両ａに搭載した旋
回装置ｂおよびこの旋回装置ｂ上に基端ブーム１７を俯
仰角度を変更自在にして取り付けてなる俯仰装置ｅ内
に、コンクリート送給配管を、その回転中心を上記旋回
装置ｂの回転中心と一致させて装架している。上記俯仰
装置ｅの基端ブーム１７の先端には、上記コンクリート
送給配管と接続した鋼管製のブーム兼用コンクリート送
給配管２２を取り付けている。このブーム配管２２の先
端に接続した可撓性の先端ホース２３のさらに先端にノ
ズル管２４を接続し、このノズル管２４と上記ブーム配
管２２との間にノズル前後動装置ｆを架設している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリートディ
ストリビュータ、さらに具体的には、特にダム等の土木
工事における打設コンクリートの圧送に使用するのに好
適なコンクリートディストリビュータに関する。

【０００２】

【従来の技術】コンクリートはコンクリート圧送管を通
じて打設箇所に圧送されるが、当然のことながら、その
打設箇所が移行するたびに当該コンクリートディストリ
ビュータの配置位置を変えている。すなわち、レール走
行型コンクリートディストリビュータでは、そのレール
の敷設変えを行い、また、架台固定型コンクリートディ
ストリビュータでは、その架台の移設を行っているもの
である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】このレールの敷設変え
や架台の移設は、設置場所の確保自体に困難なときがあ
るとともに、その移設作業分だけ当該コンクリート打設
作業の能率を低下させることになる。また、レールや架
台の存在が他の作業の邪魔になったり、その作業の支障
になったりすることさえある。

【０００４】このような欠点は、図６に示すように、ク
ローラークレーンＡの長尺ブーム１にコンクリート圧送
管２に接続延長したコンクリート送給配管３を沿設吊下
しておき、そのクローラークレーンＡを随時当該打設位
置に走行移動させる方法を採用することにより、解消す
ることができる。

【０００５】しかし、このクローラークレーンＡを使用
した場合には、上記長尺ブーム１の旋回中心と上記コン
クリート送給配管３の旋回中心とが異なり、その配管３
の旋回をブーム１と同じ広角度において行うことができ
ず、コンクリート打設範囲が狭くならざるを得ないもの
であり、これをより広くするためには、希望する広範囲
の打設に対応するさらに長いブームを備えた大型クロー
ラクレーンを必要とするものであり、その大型クローラ
ークレーンによるコンクリート打設には、自ずと大きな
作業スペースを必要とする欠点を生じる。

【０００６】また、上記のように比較的狭い範囲で使用
できるにすぎない通常の大きさのクローラークレーンで
あっても、長尺ブーム１の重量に加え、それに沿設した
コンクリート送給配管３の重量、さらに、その配管３内
を充満流動するコンクリート重量を支持できる能力のも
のを必要とし、全体としてはますます大型化重量化を避
けられない。

【０００７】本発明の目的は、これらの問題を解決した
軽量小型のコンクリートディストリビュータを提供する
ことにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明コンクリートディ
ストリビュータは次の構成からなる。クローラー等の自
走車両ａに搭載した旋回装置ｂおよびこの旋回装置ｂ上
に基端ブーム１７を俯仰角度を変更自在にして取り付け
てなる俯仰装置ｅ内に、コンクリート送給配管を、その
回転中心を上記旋回装置ｂの回転中心と一致させて装架
している。上記俯仰装置ｅの基端ブーム１７の先端に
は、上記コンクリート送給配管と接続した鋼管製のブー
ム兼用コンクリート送給配管２２を取り付けている。こ
のブーム兼用コンクリート送給配管２２の先端に接続し
た可撓性の先端ホース２３のさらに先端にノズル管２４
を接続し、このノズル管２４と上記ブーム兼用コンクリ
ート送給配管２２との間にノズル前後動装置ｆを架設し
ている。

【０００９】

【作用】本発明コンクリートディストリビュータによれ
ば、これを当該コンクリート打設場所に走行位置させ、
旋回装置による旋回動作、俯仰装置による俯仰動作、さ
らにノズル前後動装置によるノズル管の前後動動作を、
適宜組み合わせて行うことにより、コンクリート打設位
置を比較的広い範囲において任意に定めることができ
る。

【００１０】特に、旋回装置および俯仰装置内に装架し
たコンクリート送給配管は、その回転中心を、上記旋回
装置の回転中心と一致した状態で装架されているので、
これらが食い違っている場合にくらべ、旋回装置はより
広角度の旋回ができる。

【００１１】また、俯仰装置の基端ブームの先端には、
上記コンクリート送給配管と接続した鋼管製のブーム兼
用コンクリート送給配管を取り付け、コンクリートを、
そのブーム兼用コンクリート送給配管を通じてノズル管
に送給するものであるから、換言すると、ブーム兼用コ
ンクリート送給配管は文字どおりブームを兼用している
から、ブームとコンクリート送給配管を各別に備える場
合にくらべ、全体を小型化、軽量化できる。

【００１２】

【発明の実施の形態】以下には、本発明コンクリートデ
ィストリビュータの１実施形態について説明する。ａは
自走車両であるクローラーで、機枠４に、旋回装置ｂ、
運転室ｃおよびアウトリガーｄを備え、上記旋回装置ｂ
に俯仰装置ｅを搭載するとともに、その俯仰装置ｅには
ノズル前後動装置ｆを付設している。

【００１３】旋回装置ｂは、機枠４に設置した筒形基体
５の上面開口部に回転自在に支承した回転盤６の回転中
心に接続用固定管７を縦貫設するとともに、その回転盤
６上に接続用固定管７を囲繞する状態にして横断面コ字
型の支持枠体８を設立し、上記筒形基体５の外側面に架
設したモーター９に連繋するピニオン１０を回転盤６の
外周面に噛合させている。したがって、旋回装置ｂの回
転盤６はモーター９によって回転する。

【００１４】１１はコンクリート送給配管である曲がり
管で、それは、上半部分を上記筒形基体５内にステー１
２により支持固定され、上端を上記接続用固定管７の下
端にスイベル１３を介して接続するとともに、下半部分
を機枠４自体にステー１４により支持固定し、下端に
は、コンクリートポンプ（図示していない）に基端を接
続したコンクリート圧送管１５の先端をコンクリート送
給配管である後部ホース１６を介し接続している。

【００１５】俯仰装置ｅは、旋回装置ｂの上記支持枠体
８に、鋼管製で側面ヘ字形の基端ブーム１７の下端を横
軸１８の回りに回動できるようにして取り付けるととも
に、その基端ブーム１７の上端側下面のブラケット１
７′と支持枠体８のブラケット８′との間に油圧シリン
ダ１９を架設し、この油圧シリンダ１９によって、基端
ブーム１７の俯仰角度を適宜変えることができるように
している。

【００１６】２０は、旋回装置ｂの支持枠体８と俯仰装
置ｅの基端ブーム１７とに内装架設したコンクリート送
給配管であるセンターホースである。このセンターホー
ス２０の先端は、上記基端ブーム１７の先端に取り付け
てある接続用固定管２１の内端に接続され、また、該セ
ンターホース２０の基端は、前記接続用固定管７の上端
に接続されている。

【００１７】２２は、基端を上記接続用固定管２１の外
端に接続することにより俯仰装置ｅに延長支持させた鋼
管製のブーム兼用コンクリート送給配管、２３は、この
ブーム兼用コンクリート送給配管２２の先端に接続した
可撓性の先端ホース、２４はその先端ホース２３のさら
に先端に接続したノズル管である。

【００１８】ノズル前後動装置ｆは、上記ノズル管２４
を前後動させるためのもので、それは、上記ブーム兼用
コンクリート送給配管２２の先端に取り付けたブラケッ
ト２５に基端を軸支したリンク２６の先端と、ノズル管
２４に取り付けたブラケット２７に基端を軸支したリン
ク２８の先端とを枢軸２９で枢着するとともに、その枢
軸２９と上記ブーム兼用コンクリート送給配管２２との
間に油圧シリンダ３０を架設してなり、その油圧シリン
ダ３０によって、先端ホース２３の可撓性を利用しノズ
ル管２４を前後動させ、その吐出口を、真下、手前下方
または前方下方に向けることができるようにしてある。

【００１９】コンクリートポンプ（図示していない）か
ら送給されるコンクリートは、コンクリート圧送管１
５、コンクリート送給配管である後部ホース１６、同曲
がり管１１、同センターホース２０、同ブーム兼用コン
クリート送給配管２２、先端ホース２３を通じて圧送さ
れ、ノズル管２４から当該打設場所に打設されるもので
ある。その打設場所は、クローラーａを所要のところに
走行位置させアウトリガーｄで固定した後、旋回装置ｂ
による旋回動作、俯仰装置ｅによる俯仰動作、さらにノ
ズル前後動装置ｆによるノズル管２４の前後動動作を、
適宜組み合わせて行うことにより任意に定めることがで
きる。

【００２０】上記において、回転盤６の回転中心に縦貫
設した接続用固定管７の下端にスイベル１３を介して曲
がり管１１の上端を接続するとともに、該接続用固定管
７の上端にセンターホース２０の下端を接続しているこ
とにより、換言すると、回転盤６の回転中心とコンクリ
ート送給配管の回転中心とを一致させていることによ
り、これらが食い違っている場合にくらべ、旋回装置ｂ
はより広角度の旋回ができる。

【００２１】また、俯仰装置ｅは、旋回装置ｂの支持枠
体８とこれに俯仰角度を変えることができるように取り
付けた基端ブーム１７とに内装している上記センターホ
ース２０に接続した鋼管製のブーム兼用コンクリート送
給配管２２を、上記基端ブーム１７の先端に接続用固定
管２１を介して延長させ、コンクリートを、そのブーム
兼用コンクリート送給配管２２を通じてノズル管２４に
送給するものであるから、換言すると、ブーム兼用コン
クリート送給配管は文字どおりブームを兼用しているか
ら、これらを各別に備える場合にくらべ、全体を小型
化、軽量化できる。

【００２２】

【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、
本発明コンクリートディストリビュータによれば次の効
果を奏する。当該コンクリート打設場所に走行位置さ
せ、旋回装置による旋回動作、俯仰装置による俯仰動
作、さらにノズル前後動装置によるノズル管の前後動動
作を、適宜組み合わせて行うことにより、コンクリート
打設位置を比較的広い範囲において任意に定めることが
できる。

【００２３】特に、旋回装置および俯仰装置内に装架し
たコンクリート送給配管は、その回転中心を、旋回装置
の回転中心と一致した状態で装架されているので、これ
らが食い違っている場合にくらべ、旋回装置はより広角
度の旋回ができる。

【００２４】また、俯仰装置の基端ブームの先端には、
上記コンクリート送給配管と接続した鋼管製のコンクリ
ート送給配管であるブーム兼用コンクリート送給配管を
取り付け、コンクリートを、そのブーム兼用コンクリー
ト送給配管を通じてノズル管に送給するものであるか
ら、換言すると、ブーム兼用コンクリート送給配管は文
字どおりブームを兼用しているから、ブームとコンクリ
ート送給配管を各別に備える場合にくらべ、全体を小型
化、軽量化できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明コンクリートディストリビュータの１実
施形態の側面図である。

【図２】同上の平面図である。

【図３】同上の要部の側面図である。

【図４】同上の旋回装置の縦断面図である。

【図５】同上のノズル前後動装置の側面図である。

【図６】長尺ブームにコンクリート送給配管を沿設吊下
した状態のクローラークレーンの側面図である。

【符号の説明】

ａ クローラー等の自走車両 ｂ 旋回装置 ｅ 俯仰装置 ｆ ノズル前後動装置 １７ 基端ブーム ２２ ブーム兼用コンクリート送給配管 ２３ 先端ホース ２４ ノズル管

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 足立 敏之 東京都千代田区麹町２−14−２ 財団法人 ダム水源地環境整備センター内 (72)発明者 金丸 孝行 大阪府大阪市中央区今橋２−１−７ 水資 源開発公団関西支社内 (72)発明者 氣田 優治 神奈川県厚木市恩名66 建設省関東地方建 設局宮ケ瀬ダム工事事務所内 (72)発明者 中島 淳 群馬県吾妻郡長野原町大字与喜屋11 建設 省関東地方建設局八ツ場ダム工事事務所内 (72)発明者 廣瀬 成道 東京都千代田区三番町２番地 飛島建設株 式会社内 (72)発明者 三橋 知弘 東京都千代田区三番町２番地 飛島建設株 式会社内 (72)発明者 多々良 敏夫 東京都千代田区三番町２番地 飛島建設株 式会社内 (72)発明者 北川 順矩 東京都中央区築地五丁目６番４号 三井造 船株式会社内

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】クローラー等の自走車両に搭載した旋回装
   置およびこの旋回装置上に基端ブームを俯仰角度を変更
   自在にして設けた俯仰装置内に、コンクリート送給配管
   を、その回転中心を上記旋回装置の回転中心と一致させ
   て装架していること、 上記俯仰装置の基端ブームの先端には、上記コンクリー
   ト送給配管と接続した鋼管製のブーム兼用コンクリート
   送給配管を取り付けていること、 このブーム兼用コンクリート送給配管の先端に接続した
   可撓性の先端ホースのさらに先端にノズル管を接続し、
   このノズル管と上記ブーム兼用コンクリート送給配管と
   の間にノズル前後動装置を架設してなることを特徴とす
   るコンクリートディストリビュータ。
2. 【請求項２】クローラー等の自走車両に搭載した旋回装
   置が、筒形基体の上面に回転自在に支承した回転盤の回
   転中心に接続用固定管を縦貫設するとともに、該回転盤
   上に上記接続用固定管を囲繞する支持枠体を設立し、上
   記筒形基体内にステーで支持固定したコンクリート送給
   配管である曲がり管の上端を上記接続用固定管の下端に
   スイベルを介して接続してなり、 旋回装置の上記支持枠体に俯仰角度を適宜変更できるよ
   うにして基端ブームを取り付けてなる俯仰装置が、その
   基端ブームと上記支持枠体とにコンクリート送給配管で
   あるセンターホースを内装架設し、該センターホースの
   基端を旋回装置の上記接続用固定管の上端に接続すると
   ともに、その先端を、上記基端ブームの先端に取り付け
   た接続用固定管の内端に接続してなり、 さらに、鋼管製のブーム兼用コンクリート送給配管を、
   その基端を上記基端ブームの先端の接続用固定管の外端
   に接続することにより俯仰装置に延長支持させるととも
   に、このブーム兼用コンクリート送給配管の先端に接続
   した可撓性の先端ホースのさらに先端にノズル管を接続
   し、このノズル管と上記ブーム兼用コンクリート送給配
   管との間にノズル前後動装置を架設してなることを特徴
   とするコンクリートディストリビュータ。