JPH028995Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、水平デイストリビユーターに於け
る最先端ブームの構造に関する。

多関節ブームを垂直軸を介して水平面について
伸延するように連結してなるところの水平デイス
トリビユーターは、それまでの多関節ブームを水
平軸を介して垂直面について伸延するように連結
してなるものでは、コンクリート打設面に対し上
方よりブームを差し落ろす形態となるためにコン
クリート搬送路が迂回して長くなり供給ポンプに
負担となること、コンクリート打設面の上方に何
んらかの障害物が存在する場合にはこれによつて
打設不可となること等の不都合がなく、コンクリ
ート搬送路を最短で行なえ、水平延伸ができてコ
ンクリート打設面の上方に障害物があつても何ん
ら差し支えない便利さから最近採用されている。
しかるに、かかる水平デイストリビユーターは多
関節ブーム基端をマスト等に支持させている以
外、それより先方では一切支持されておらず、当
然のことながらたわみが生じ、最先端ブームは垂
れ下がざるを得ない。さらに、最先端ブームにま
で沿配のコンクリート搬送用の鋼管には、通常コ
ンクリート分離回避上、先端から垂直にブレーキ
ホースをぶら下げている。

以上の如く、水平デイストリビユーターにあつ
ては、多関節ブーム最先端が下がり気味であると
共にホースを下げていることから、この先端の下
がり部が邪魔となつて打設面より上部に出ている
差し筋や、柱筋等の障害物を回避することに問題
があり、作業上から改善を求められているのが実
情である。

すなわち、かかる場合には各関節部を微少に寸
動させて迂回して伸延させねばならず、この際の
調整は難かしく、かつ、時間もかかる不便があ
る。

本案は叙上の実情に鑑みなされたもので、その
要旨とするところは、水平方向について回動する
多関節ブームの最先端ブームの先端に水平軸を介
して仰伏部材を枢止連結し、さらに当該仰伏部材
の先端には揺動部材を水平軸を介して枢止すると
共に、該最先端ブームと仰伏部材との間に仰伏部
材仰伏動手段を架配し、さらに該仰伏部材と揺動
部材との間に揺動部材揺動手段を架配し、コンク
リート圧送管に接続の可撓性ホースを該仰伏部材
並びに揺動部材に沿配させるとして、最先端ブー
ムより伸延する仰伏部材並びに揺動部材に沿配の
可撓性ホースが、仰伏部材さらには揺動部材の仰
動並びに上方への揺動でもつて最先端ブームのレ
ベルにまで持ち上げ可能とし、多関節ブーム先端
の障害物に対する回避を可能とした点にある。

以下、これを図にもとづいて詳細に説明する。

第１図，第２図は本案を実施した態様の水平デ
イストリビユーターの正面図，平面図を示し、図
中１は、コンクリート圧送管を沿わせるための多
関節ブームで、これは、取付フレーム２、中間ブ
ーム３，……最先端ブーム４の端面を縦管部５，
…で枢止連結して水平面内に於いて、折畳み可能
な関節構造としたものである。

尚、図示例では中間ブーム３を３つとしている
が、打設位置までの距離等の事情に応じて増減さ
れる。図中１１はポンプからのコンクリート圧送
管を示し、これは、各ブーム３，４に取付具１
２，…で沿配され、ブーム相互間の枢止連結部に
あつては、スイベルジヨイント１３，…を介して
該縦管部５に挿通される。

該最先端ブーム４にはゴンドラ１４および操作
盤１５が付設されており、ゴンドラ１４に乗つた
オペレーターが操作盤１５を用いて運転すること
により、打設個所を近くより俯瞰しながら所望の
位置に旋回，進退移動させることが出来る。

該取付フレーム２は、コンクリート打設面内若
しくは側に存在する柱（Ｓ造，SRC造，RC造，
仮設棚杭，親杭等）１８に密接する取付プレート
部１９を有し、これに枢止して装備の拘持金属１
６を締結させることにより柱１８に対し強固に取
付く。

そして、該最先端ブーム４の先端には、仰伏部
材２０が水平軸支にて連結され、さらに、当該仰
伏部材２０の先端には揺動部材２１が水平軸支に
て取付けられており、かかる最先端ブーム４より
付加伸延された垂直面について起伏する関節部嵌
に該コンクリート圧送管１１に接続の可撓性ホー
ス２２が組付いて沿配されるが、その詳細は第３
図に示される。

第３図に於いて、図中２３は最先端ブーム４に
その基部を枢止の油圧シリンダー，２４は最先端
ブーム４の先端に配設のシーブ、２５は当該シー
ブ２４に架けられ、仰伏部材２０中途にその先端
を止着し、他端を該油圧シリンダー２３に止着の
ワイヤーで、これ等でもつて仰伏部材２０の仰伏
手段が構成される。又、図中２６は仰伏部材２０
に基部を水平枢止にて取付けの油圧シリンダー
で、そのピストンロツド先端は該揺動部材２１の
基端に水平枢止しているので、揺動部材２１を仰
伏部材２０の先端で揺動させることができ揺動手
段を構成する。

該可撓性ホース２２はサポーター２７，２８を
介して夫々仰伏部材２０、揺動部材２１の下面に
組付いている。

しかして、上述の２つの垂直面についての仰
伏，揺動手段を操作することにより、可撓性ホー
ス２２の先端動作範囲は図中斜線部２９で示す如
くになるが、これは、ホース２２先端の上下，前
後にある一定範囲の移動であり、上，前方向の移
動によつてはホース２２先端は最先端ブーム４の
レベルよりも上位にすることが可であり、この姿
勢下にて障害物を迂回して進むことが可能であ
る。

又、揺動部材２１の揺動によるホース２２先端
の又、前後方向の移動によつては、打設面への到
達が期し得ると共に、半径方向の小距離の移動が
先端部だけで可能となるものであつて、従来の水
平関節部のみの操作にたよらねばならなかつたの
に比し、実際上極めて好適となつた。

その他、移動時、ホース２２先端を「起」姿勢
にすることによつてコンクリートのたれ落ちを無
くすことが出来て好適である。

【図面の簡単な説明】

第１図，第２図は本案を施した水平デイストリ
ビユーターの正面図，平面図、第３図ａ，ｂ，ｃ
は本案要部を示す拡大詳示図、ａ図中Ｂ−Ｂ線矢
視図、Ｃ−Ｃ線矢視図である。 ４……先端ブーム、１１……コンクリート圧送
管、２０……仰伏部材、２１……揺動部材、２２
……可撓性ホース、２３……油圧シリンダー、２
４……シーブ、２５……ワイヤー、２６……油圧
シリンダー、２７……サポーター、２８……サポ
ーター。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 水平方向について回動する多関節ブームの最先
   端ブームの先端に水平軸を介して仰伏部材を枢止
   連結し、さらに当該仰伏部材の先端には揺動部材
   を水平軸を介して枢止すると共に、該最先端ブー
   ムと仰伏部材との間に仰伏部材仰伏動手段を架配
   し、さらに該仰伏部材と揺動部材との間に揺動部
   材揺動手段を架配し、コンクリート圧送管に接続
   の可撓性ホースを該仰伏部材並びに揺動部材に沿
   配させてなることを特徴とする水平デイストリビ
   ユーターに於ける最先端ブームの構造。