JP2000119400A - 強化ゴムの製造とタイヤにおけるその使用 - Google Patents

強化ゴムの製造とタイヤにおけるその使用

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工性に優れ、そして高い引張強さ、伸びお
よびモジュラスを有して、タイヤトレッドに使用したと
きその耐摩耗性を改善することができるゴム組成物を提
供する。 【解決手段】 (1)少なくとも1種のジエン系エラス
トマー100重量部、(2)該エラストマーに対して約
30〜約100phrの、カーボンブラックと、アルミ
ナ、沈降シリカ、アルミノシリケートまたは表面に水酸
化珪素を含む変性カーボンブラックから成る粒状強化用
充填材、および(3)所定量の式Z−R1−S n−R1−Zで表
される有機シランジスルフィド化合物を少なくとも1つ
の逐次的予備非硬化発現混合工程で、フリー硫黄が添加
されていない状態で熱機械的に混合し、続いてフリー硫
黄および式Z−R1−Sm−R1−Zで表される有機シランポリ
スルフィド化合物を前工程の混合物と硬化発現混合工程
で前工程より低い温度で混合すると、加工性に優れ、タ
イヤトレッドに使用したときその耐摩耗性を顕著に改善
するゴム組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シリカ系強化材を
含有するゴム組成物の製造、およびゴム組成物と混合さ
れた有機シランジスルフィドの、少なくとも1つの非硬
化発現混合段階における使用と、それに続く硬化発現混
合段階における有機シランポリスルフィド化合物の使用
に関する。
【0002】本発明は、また、そのようにして製造され
たゴム組成物、特にその組成物より成るトレッドを有す
るタイヤに関する。
【0003】
【従来の技術】ゴムを利用する、高い強力と耐摩耗性を
必要とする種々の用途、特にタイヤや各種工業製品のよ
うな用途には、強化用充填材を実質的な量で含む硫黄硬
化ゴムが利用される。このような目的には一般にカーボ
ンブラックが用いられ、そして、普通は、硫黄硬化ゴム
に良好な物理的性質を与えるか、またはそれら性質を向
上させる。粒状の沈降シリカも、ときには、そのような
目的に、特にそのシリカがカップリング剤と共に用いら
れるときに使用されることがある。場合によっては、沈
降シリカとカーボンブラックとの組み合わせが、タイヤ
用トレッドを含めて様々なゴム製品のための充填材を補
強するために利用される。
【0004】例えば、ポリスルフィド橋中に平均3.5
〜4個の硫黄原子を有する有機シランポリスルフィドの
ようなカップリング剤が、沈降シリカをエラストマーに
連結させるために用いられた。
【0005】このような有機シランポリスルフィドの典
型的な例は、ポリスルフィド橋中に平均約3.8個の硫
黄原子を有するビス(3−トリエトキシシリルプロピ
ル)ポリスルフィドである。このようなポリスルフィド
は、使用ポリスルフィドおよび混合温度とその時間に幾
らか依存して、例えば100℃以上の温度のような昇温
下におけるゴム組成物の典型的な高剪断混合中に、フリ
ー硫黄を遊離することによって硫黄供与体となり得ると
考えられる。
【0006】その遊離した少量のフリー硫黄は、そのと
きジエン系エラストマーと混合されおよび/または多分
そのエラストマーを一部加硫するのに利用可能である。
しかし、ポリスルフィド橋中に平均約2.6個以下の硫
黄原子を有する有機シランポリスルフィド―これは主と
してジスルフィドである―は、ポリスルフィド橋中に平
均で少なくとも約3.5個の硫黄原子を有する有機シラ
ンポリスルフィドと比較して、有機シランジスルフィド
の場合によく見られることであるが、硫黄−対−硫黄の
結合が相対的に強いことに因り、上記のような混合条件
下では普通良好な硫黄供与体とはならないと考えられ
る。
【0007】従って、ポリスルフィド橋中に平均2.8
個未満、特に約2〜約2.6個の硫黄原子を含む有機シ
ランポリスルフィド化合物(ジスルフィド)では、フリ
ー硫黄の遊離があっても、それは、混合時間それ自体を
含めて総合的な混合条件に幾らかは依存して約150〜
約185℃の範囲内の混合温度においても、高剪断ゴム
混合段階中に起こるフリー硫黄遊離の速度は比較的遅
い。
【0008】例えば、米国特許第4,046,550号
およびドイツ特許公開DT第2,360,471号明細
書には、多種、多様な有機シランジスルフィドとしての
ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド
が、このジスルフィドが高度に純粋なものであっても、
シリカ含有硫黄加硫性エラストマー組成物中で有用であ
ると教示される。しかし、このようなジスルフィドは、
普通、前記のゴム/シリカ/カップラーの混合操作にお
いては、フリー硫黄を容易には遊離しないと考えられ
る。
【0009】シリカカップラーとして使用するための有
機シランポリスルフィドの例については、米国特許第
4,076,550号、同第4,704,414号およ
び同第3,873,489号明細書を参照されたい。
【0010】ゴム組成物の予備非硬化発現混合工程で少
量のフリー硫黄と共に加えられる有機シランジスルフィ
ドの例については、米国特許第4,076,550号、
同第5,580,912号および同第5,674,93
2号明細書を参照されたい。
【0011】実際は、硫黄加硫エラストマー製品は、典
型的には、ゴムと各種成分とを、逐次的かつ段階的方法
で熱機械的に混合し、続いて加硫製品を形成するために
その混練ゴムを整形し、硬化させることによって製造さ
れる。
【0012】まず、ゴムおよび種々の成分、典型的には
フリー硫黄と硫黄加硫促進剤を除いた諸成分との前記混
合では、エラストマー(1種または複数種)と種々のゴ
ム混練成分とは、典型的には、適当なミキサー中で、通
常は密閉式ゴムミキサー中で、少なくとも1つの、通常
は少なくとも2つの逐次的予備熱機械的混合段階(1つ
または2つ以上)でブレンドされる。このような予備混
合は、しばしば、「非硬化発現(non-productive)混
合」または「非硬化発現混合工程若しくは同段階」と称
される。このような予備混合は、通常、約140〜19
0℃の範囲内、往々にして約140℃または150℃〜
約185℃の範囲内の温度で行われる。
【0013】そのような逐次的予備混合段階(1つまた
は2つ以上)に続いて、フリー硫黄および硫黄加硫促進
剤、そして多分1種または2種以上の追加の成分が、ゴ
ムコンパウンド、即ち同組成物と、時にはゴム組成物の
「スコーチ」と称される硫黄硬化性ゴムの早期硬化を防
ぎまたは遅らせるために、最終の硬化発現(productiv
e)混合段階で、典型的には、上記の予備混合段階(1
つまたは2つ以上)で用いられる温度より低い温度であ
る約100〜約130℃の範囲内の温度において混合さ
れる。
【0014】そのような逐次的非硬化発現混合工程およ
びそれに続く硬化発現混合工程は、ゴム混合の技術分野
の当業者には周知のものである。熱機械的混合とは、ゴ
ムコンパウンド、即ちゴムとゴム混練成分の組成物が、
その混合の結果として、ゴムミキサー中のゴム混合物が
その混合物内における剪断とそれに関連した摩擦に主と
して起因して、そのゴム混合物が温度上昇を伴って自己
発生的に暖まる高剪断条件下においてゴム混合物中で混
合されることを意味する。
【0015】このようなゴムコンパウンドの熱機械的混
合法、およびそれに関連した剪断とその剪断に伴う温度
上昇の現象は、ゴムの製造、混合技術分野で経験のある
人々には周知のことである。
【0016】実際には、本発明者が述べる、(1)有機
シランジスルフィドをゴム組成物の非硬化発現混合段階
で加え、その非硬化発現混合段階に続いて(2)ポリス
ルフィド橋中に平均3.5〜4.5個の硫黄原子を含む
有機ポリスルフィドを少量のフリー硫黄と共にシリカ系
強化ゴム組成物の硬化発現ゴム組成物混合段階で加える
ことから成る、特に上記の関連硫黄/エラストマーの相
互作用、並びに先行予備混合段階(1つまたは2つ以
上)における上記有機シランジスルフィドの反応で生ず
るシラン/シリカ網状構造物、即ち生成物との相互作用
を制御する手段としての方法は、過去の実務経験から見
て新規でかつ進歩性を有すると考えられる。
【0017】1つの面から見ると、ゴム組成物の逐次的
混合操作においてエラストマー(1種または2種以上)
およびシラン/シリカ網状構造物と相互作用させるため
の、初めのシラン/シリカ反応の、その反応に続いてフ
リー硫黄の放出を伴う解連結(decoupling)、および追
加のシラン反応は、本発明の方法により、有機シランジ
スルフィドの予備混合段階の別個の選択的添加と有機シ
ランポリスルフィドの添加とを組み合わせた方法を用
い、続いてゴム組成物を加硫することによって達成さ
れ、これは過去の方法とは著しく隔たるものであると考
えられる。
【0018】本明細書で用いられる「phr」という用語
は、通常の用い方に従って、「ゴムまたはエラストマー
100重量部当たりの、個々の材料の部数」を意味す
る。本発明の説明において、「ゴム」と「エラストマ
ー」という用語が用いられる場合、それらは、別に指示
しない限り、互換的に用いることができる。「ゴム組成
物」、「混練ゴム」および「ゴムコンパウンド」等の用
語は、本明細書で用いられる場合、「各種の成分および
材料とブレンドまたは混合されているゴム」を意味すべ
く互換的に用いられ、また「ゴム混練」または「混練」
は「そのような材料の混合」を意味すべく用いることが
できる。このような用語は、ゴム混合またはゴム混練の
技術分野の当業者にはよく知られているものである。
【0019】本明細書でエラストマーの「Tg」なる表現
が用いられている場合、それは「ガラス転移温度」を意
味するが、それは示差走査熱量計で加熱速度10℃/分
において測定することができる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、加工性に優れ、そして高い引張強さ、伸びおよびモ
ジュラスを有して、タイヤトレッドに使用したときその
耐摩耗性を改善することができるゴム組成物およびその
製造方法を提供することである。
【0021】
【課題を解決するための手段】発明の概要と実施 本発明によれば、ゴム組成物の製造法は、次の(A)
(1)共役ジエンの単独重合体および共重合体、並びに
少なくとも1種の共役ジエンと芳香族ビニル化合物との
共重合体から選ばれる少なくとも1種のジエン系エラス
トマー100重量部、(2)約30〜約100phr、
あるいは約30〜約90phrの、次の:約5〜約85
重量%のカーボンブラック、およびそのカーボンブラッ
クの量に対応して約15〜約95重量%の、アルミナ、
並びに沈降シリカ、アルミノシリケートおよび表面に水
酸化珪素を含む変性カーボンブラックの内の少なくとも
1種から選ばれるシリカ系充填材より成る群の少なくと
も1種から選ばれる少なくとも1種の追加の強化用充填
材を含んで成る粒状強化用充填材、および(3)上記の
アルミナおよびシリカ系充填材1重量部当たり約0.0
5〜約20重量部、あるいは約0.05〜約10重量部
の、少なくとも1種の、式(I):
【0022】
【化5】
【0023】で表される有機シランジスルフィド化合物
を、少なくとも1つの逐次的予備混合工程において、フ
リー硫黄が添加されていない状態で、約150〜約18
5℃の範囲内の温度になるまで熱機械的に混合し、続い
て(B)フリー硫黄、および少なくとも1種の、式(I
I):
【0024】
【化6】
【0025】で表される有機シランポリスルフィド化合
物を、工程(A)の混合物と、工程(A)に続く混合工
程において、約100〜約130℃の範囲内の温度にな
るまで混合する、工程を含んで成る:但し、上記の式に
おいて:R1は合計1〜18個の炭素原子を有する置換
または非置換アルキル基および合計6〜12個の炭素原
子を有する置換または非置換アリール基より成る群から
選ばれる基であり、ここでR1はエチル基、プロピル基
およびブチル基から選ばれるのが好ましく;nは2〜約
6の数で、かつnの平均は約2〜約2.6の範囲内にあ
り;mは2〜約8の数で、かつmの平均は約3.5〜約
4.5の範囲内にあり;そしてZは次の:
【0026】
【化7】
【0027】で表される基より群から選ばれ、ここでR
2は同一の基であってもよいし、或いは異なる基であっ
てもよく、そして各々独立に1〜4個の炭素原子を有す
るアルキル基およびフェニル基より成る群から、好まし
くはメチル基およびエチル基から選ばれ、そしてR3
同一の基であってもよいし、或いは異なる基であっても
よく、そして各々独立に1〜4個の炭素原子を有するア
ルキル基、フェニル基、1〜8個の炭素原子を有するア
ルコキシ基および5〜8個の炭素原子を有するシクロア
ルコキシ基より成る群から、好ましくはメチル基および
エチル基から選ばれる。
【0028】実施に際して、上記の混合工程(B)で、
フリー硫黄と、式(II)の有機シランポリスルフィド
のポリスルフィド橋における硫黄の約50パーセントと
の合計は約0.93〜約4phr、あるいは約0.93
〜約2.8phrの範囲にあるのが好ましい。
【0029】実施に際して、各混合工程間で、ゴム組成
物は、これを、例えば約40〜約20℃の範囲内の温度
のような、約40℃以下の温度まで冷却することができ
る。実施に際して、予備(非硬化発現)混合工程の総混
合時間は約2〜約20分、あるいは約4〜約15分の範
囲であることができ、また後続の(硬化発現)混合工程
ではその総混合時間は約1〜約3分であることができ
る。
【0030】有機シランジスルフィド化合物(I)およ
び有機シランポリスルフィド化合物(II)は、アルコ
キシ成分のアルキル基がメチル基およびエチル基から選
ばれ、シリルアルキル基のアルキル基がエチル基、プロ
ピル基およびブチル基から選ばれるビス−(3−トリア
ルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドであるのが好
ましい。
【0031】式(I)では、その有機シランジスルフィ
ド化合物は有機シランジスルフィドを主とするものであ
って、それは、通常、nの少なくとも55パーセント、
普通は少なくとも65パーセントが2であり、そして好
ましくはnの約80〜約100パーセントが2である有
機シランポリスルフィドの混合物である。
【0032】式(II)の有機シランポリスルフィド化
合物では、一般に、mの少なくとも70パーセント、好
ましくは約80〜約100パーセントが約3.5〜約
4.5の範囲内にある。
【0033】1つの態様において、式(II)の有機シ
ランポリスルフィドは約150〜約185℃の範囲内の
温度でその硫黄の少なくとも一部を放出する性質を有す
る。特に、使用される有機シランポリスルフィドの選択
と量に依存して、約140〜約185℃の範囲内の昇温
下でのゴム組成物の成形、硬化中に、その有機シランポ
リスルフィド(II)から放出されるフリー硫黄は、そ
のポリスルフィドのポリスルフィド橋における硫黄原子
の約40〜約60パーセントがフリー硫黄として遊離さ
れると仮定して、例えば約0.13〜約1phrの範囲
内であることができる。
【0034】本発明の包括的な思想は、フリー硫黄の放
出を早め過ぎずに、まず強化用充填材とのシラン反応を
別個にかつ選択的に促進し、続いて有機シランジスルフ
ィド化合物(I)により前もって促進された第一シラン
反応の生成物との更なるシラン反応と、有機シランポリ
スルフィド(II)の引き続く添加によるフリー硫黄の
放出の両者を促進すると言う認識にあると考えられるも
のである。エラストマーの予備混合段階(1つまたは2
つ以上)中のフリー硫黄の早期放出を妨げることは、ゴ
ム組成物の粘度をその混合中により低くするのを可能に
し、従ってゴム組成物が混合されるとそれにつれてその
加工を一層し易くすると言う1つの特定の利点が認めら
れる。この発明の方法のさらにもう1つの利点は、第一
シラン反応の生成物とのシラン反応が引き続き行われる
こと、それと共にフリー硫黄の生成が引き続き起こると
いうことである。
【0035】これは、有機シランジスルフィド(I)と
エラストマー(1種または2種以上)および強化用充填
材との第一混合、およびそれに続いて別個に行われる有
機シランポリスルフィド化合物(II)とゴムおよびシ
ラン−充填材網状構造生成物との混合の操作により達成
される。
【0036】このような方法は新規であって、過去の実
務経験からは著しく隔たるものであると考えられる。実
際、このとき、ポリスルフィド橋中に平均約3.5〜約
4.5個の硫黄原子を有する有機シランポリスルフィド
化合物(II)からフリー硫黄が放出されることに因る
早期の部分的加硫に起因して予備非硬化発現混合段階
(1つまたは2つ以上)中に起こるゴム組成物の粘度増
加が避けられる。しかし、有機シランジスルフィド化合
物(I)の有機シラン成分と強化用充填材との反応の利
点は、依然として得られる。
【0037】続いて、有機シランポリスルフィド化合物
(II)を硬化発現段階においてより低温の混合条件下
で加え、そしてその添加有機シランポリスルフィド化合
物(II)をしてゴム組成物の加硫を助けるようにする
することによって、その有機シランポリスルフィド化合
物(II)のシラン部分は先に形成された有機シラン/
シリカ複合物またはそのような複合物の網状構造物と相
互作用することが可能となり、それはまたより高い硬化
温度でフリー硫黄を放出させることになる。
【0038】本発明のこの態様は、理解されるように、
活性シラン部位を有するが、フリー硫黄が予備非硬化発
現混合段階(1つまたは2つ以上)中には遊離されず、
かつ硫黄は、後に、ゴム組成物の加硫の際に前記の有機
シランポリスルフィド化合物(II)により別個に加え
得るように、フリー硫黄をあまり放出しない有機シラン
ジスルフィド化合物(I)をまず用いることによって達
成される。こうして、有機シランジスルフィド化合物の
シラン部分とシリカ系充填材とは初めに選択的に反応す
るが、フリー硫黄の放出と追加のシラン相互作用とは、
より高い混合温度における予備非硬化発現混合工程(1
つまたは2つ以上)とそれに続くより低い混合温度にお
ける硬化発現混合工程の両工程のあとまで、そしてより
高温でのゴム組成物の加硫まで、遅らされると言う利点
が得られる。
【0039】本発明による方法の機構は完全には理解さ
れていないが、昇温下におけるゴム組成物の加硫は、有
機シランポリスルフィドのシラン成分の存在、およびそ
のようなシラン成分が存在する結果として得られる、有
機シランジスルフィドのシラン部分とアルミナおよび/
またはシリカ系充填材との相互作用によって前もって形
成された有機シラン/シリカ複合物および/または網状
構造物との組み合わせの存在によって高められると考え
られる。
【0040】本発明の1つの態様においては、前記の予
備混合が、混合工程の少なくとも2つは約140〜約1
85℃の範囲内の温度になるまで行われる少なくとも2
つの逐次的熱機械的混合工程で行われ、その場合それら
混合工程の少なくとも2つの工程間でのゴム組成物の中
間冷却は約40℃以下の温度になるまで行われる前記の
方法が提供される。
【0041】本発明によれば、さらに、本発明の方法、
特にゴム組成物を約140〜約185℃の範囲内の昇温
下において硫黄硬化させる方法によって製造されるゴム
組成物が提供される。
【0042】本発明によれば、さらに、前記ゴム組成物
を少なくとも1つの構成部材として有する物品が提供さ
れる。本発明によれば、さらに、前記ゴム組成物を少な
くとも1つの構成部材として有するタイヤが提供され
る。
【0043】本発明によれば、さらに、前記ゴム組成物
のトレッドを有するタイヤ、特にそのタイヤトレッドが
接地するように設計されている場合のタイヤが提供され
る。1つの態様では、本発明に従って製造されたゴム組
成物は、適当な金型の中で約140〜約190℃の範囲
内の昇温下において加硫される。
【0044】本発明によれば、さらに、その方法は、本
発明の方法により製造された前記ゴム組成物を含んで成
るトレッドを具えるタイヤまたは硫黄加硫性ゴムの集成
体を製造し、そしてその集成体を約140〜約185℃
または約190℃の範囲内の温度で加硫する追加の工程
を含む。
【0045】従って、本発明はそのような方法によって
製造された、加硫されたタイヤも意図するものである。
実施に際して、式(I)の有機シランジスルフィドおよ
び式(II)の有機シランポリスルフィドは、典型的に
は液体であり、そして両化合物は、それぞれ、有機シラ
ンジスルフィド(I)とカーボンブラックとの複合物、
および有機シランポリスルフィド(II)とカーボンブ
ラックとの複合物の形で与えられるのが好ましい。それ
は、それら成分をカーボンブラックがキャリアーとして
作用する比較的乾燥したまたは実質的に乾燥した粉末と
して提供するためである。
【0046】有機シランジスルフィドおよび同ポリスル
フィドをそのような粒状形態で加える意図された利点
は、それら成分がそれらに関係した混合工程でゴム組成
物と共に分散するのを助長することである。
【0047】本発明の1つの態様においては、場合によ
っては、合計約0.05〜約5phrの少なくとも1種
のアルキルアルコキシシラン、特にそのアルキルシラン
が式:R'−Si−(OR)3(式中、Rはメチル基、エチル
基、プロピル基またはイソプロピル基であり、そして
R’は1〜18個の炭素原子を有する飽和アルキル基ま
たは6〜12個の炭素原子を有するアリール基もしくは
飽和アルキル置換アリール基である)を有するアルキル
アルコキシシランを予備混合段階(1つまたは2つ以
上)で熱機械的に混合することができる。そのようなア
リール基または置換アリール基は、例えばベンジル基、
フェニル基、トリル基、メチルトリル基およびアルファ
ーメチルトリル基であるだろう。
【0048】アルキルアルコキシシランの目的は、例え
ば充填材の配合性とコンパウンドの熟成性(aging)を
改善することである。アルキルシランの代表的な例は、
例えばプロピルトリエトキシシラン、メチルトリエトキ
シシラン、ヘキサデシルトリエトキシシランおよびオク
タデシルトリエトキシシランであるが、これらに限定し
ようと言うものではない。
【0049】実施に際しては、前記のとおり、式(I
I)の有機シランポリスルフィド化合物はより低温の硬
化発現混合工程、即ち同段階で加えられ、続いて、その
有機シランポリスルフィド化合物(II)は、そのシラ
ン成分を、先に添加された式(I)の有機シランジスル
フィド化合物との前段の反応により先に形成されたシラ
ン/充填材網状構造物と反応させる、得られるゴム組成
物の成形、硬化中に経験されるより高い温度で硫黄を遊
離する。硬化発現混合段階、即ち同工程で加えられるべ
きフリー硫黄の量プラス式(II)の有機シランポリス
ルフィド化合物により遊離されるフリー硫黄の量は、実
際の計算は、必ず、硫黄橋中の硫黄原子の実際の数、そ
の他の因子に依存して、個別の基準で行われなければな
らないだろうが、約0.93〜約4phr、あるいは約
0.93〜約2.8phrの範囲内にあるものとする。
これは、式(II)の有機シランポリスルフィド化合物
の硫黄の約40〜約60パーセントが硬化工程中に硫黄
として遊離されると言う仮定に基づいている。
【0050】実施に際しては、少なくとも1phrのフ
リー硫黄と少なくとも1phrの式(II)の有機シラ
ンポリスルフィド化合物を硬化発現混合段階で加えるの
が好ましい。
【0051】加硫促進剤は、通常、硬化発現混合段階で
加えられる。ある種の加硫促進剤はフリー硫黄を遊離す
ると言う意味では硫黄供与体とは通常見なされないが、
理解されるように、それらは、例えばベンゾチアゾー
ル、アルキルチウラムジスルフィド、グアニジン誘導体
およびチオカルバメート類のようなタイプのものである
ことができる。このような促進剤の代表的な例は、例え
ばメルカプトベンゾチアゾール、テトラメチルチウラム
ジスルフィド、ベンゾチアゾールジスルフィド、ジフェ
ニルグアニジン、ジチオカルバミン酸亜鉛、アルキルフ
ェノールジスルフィド、ブチルキサントゲン酸亜鉛、N
−ジシクロヘキシル−2−ベゾチアゾールスルフェンア
ミド、N−シクロヘキシル−2−ベゾチアゾールスルフ
ェンアミド、N−オキシジエチレンベンゾチアゾール−
2−スルフェンアミド、N,N−ジフェニルチオ尿素、
ジチオカルバミルスルフェンアミド、N,N−ジイソプ
ロピルベンゾチアゾール−2−スルフェンアミド、亜鉛
−2−メルカプトトルイミダゾール、ジチオビス(N−
メチルピペラジン)、ジチオビス(N−β−ヒドロキシ
エチルピペラジン)およびジチオビス(ジベンジルアミ
ン)であるが、これらに限定される訳ではない。このよ
うな物質が、ゴム混練技術分野の当業者には硫黄加硫性
エラストマー用の硫黄加硫促進剤として周知であること
は知られている。
【0052】所望によっては、本発明の実施には好まし
くないけれども、最終の硬化発現混合段階で、常用の、
追加の硫黄供与体を、硬化発現混合段階で加えられるフ
リー硫黄と、前記の有機シランポリスルフィド化合物と
添加剤としての硫黄供与体から硬化段階で遊離されるフ
リー硫黄との総量が約0.93〜約4phrの範囲内に
ある限り、加えてもよい。このような追加の硫黄供与体
の代表的な例は、例えばチルラム誘導体およびモルホリ
ン誘導体である。このような物質の代表的な例は、例え
ばジモルホリンジスルフィド、ジモルホリンテトラスル
フィド、テトラメチルチウラムテトラスルフィド、ベン
ゾチアジル−2,N−ジチオモルホリド、チオプラスト
類(thioplasts)、ジペンタメチレンチウラヘキサスル
フィドおよびジスルフィドカプロラクタムである。この
ような物質がゴム混練技術分野の当業者には周知の硫黄
供与体であることは知られている。加えられるべきフリ
ー硫黄の量は、そのような硫黄供与体が硬化発現混合段
階で加えられる程度に対応して減少される。
【0053】本発明の充填材強化材については、カーボ
ンブラックと併用することができるシリカ系顔料が考え
られる。本発明の1つの態様では、シリカ系充填材は沈
降シリカであるのが好ましい。
【0054】本発明のもう1つの態様では、シリカ系充
填材は外表面に水酸化珪素を有するカーボンブラックで
あるのが好ましい。本発明のさらにもう1つの態様で
は、シリカ系充填材はシリカとアルミニウムとの共沈物
としてのアルミノシリケートであって、そのようなシリ
カ/アルミニウム充填材複合物に対して約0.05〜約
10パーセントの範囲内のアルミニウム含有量を有する
ものであるのが好ましい。
【0055】表面に水酸化珪素を有するカーボンブラッ
クは、例えば有機シランとオイルとを昇温下で共−発煙
させることによって製造することができる。実施に際し
て、強化用充填材は約15〜約95重量パーセントの沈
降シリカ、アルミナ、アルミノシリケートおよび/また
は表面に水酸化珪素を有するカーボンブラックと、それ
に対応して約5〜約85重量パーセントのカーボンブラ
ックとから成ることができる。
【0056】沈降シリカ、アルミナ、アルミノシリケー
ト類および/または表面に水酸化珪素を有するカーボン
ブラックのようなシリカ系充填材、またカーボンブラッ
ク強化用充填材の両充填材を含有するゴム組成物が望ま
れる場合、そのようなシリカ系充填材(1種または2種
以上)対カーボンブラックの重量比は少なくとも1.1
/1、しばしば少なくとも3/1であるのが好ましいこ
とが多く、少なくとも10/1でもよく、かくして約
1.1/1〜約30/1の範囲内であることができる。
【0057】前記式(I)の有機シランジスルフィドお
よび式(II)の有機シランポリスルフィドに関し、代
表的なR2基はアルキル基であり、また代表的なR1基は
アルカリール、フェニルおよびハロアリール基から選ば
れる。
【0058】かくして、本発明の1つの態様では、基R
2およびR1はお互い相手を含まない。このような基はア
ルキルであるのが好ましい。そのようなアルキル基の代
表的な例は、メチル基、エチル基、n−プロピル基およ
びn−デシル基で、n−プロピル基が好ましい。
【0059】アラルキル基が用いられるべき場合、その
代表的な例はベンジル基であって、α、α−ジメチルベ
ンジル基が好ましい。アルカリール基が用いられる場
合、その代表的な例はp−トリルおよびp−ノニルフェ
ニル基である。
【0060】ハロアリール基が用いられる場合、その代
表的な例はp−クロロフェノール基である。式(II)
の化合物である有機シランポリスルフィドの代表的な例
は、例えばビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ト
リスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピ
ル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエトキシシリル
プロピル)トリスルフィド、ビス(3−トリエトキシシ
リルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3−トリエト
キシシリルエチルトリレン)トリスルフィドおよびビス
(3−トリエトキシシリルエチルトリレン)テトラスル
フィドであるが、これらに限定しようとするものではな
い。
【0061】式(I)のブレンドである有機シランジス
ルフィド化合物の代表的な例は、例えば次のものであ
る:2,2'-ビス(トリメトキシシリルエチル)ジスル
フィド、3,3'-ビス(トリメトキシシリルプロピル)
ジスルフィド、3,3'-ビス(トリエトキシシリルプロ
ピル)ジスルフィド、2,2'-ビス(トリエトキシシリ
ルエチル)ジスルフィド、2,2'-ビス(トリプロポキ
シシリルエチル)ジスルフィド、2,2'-ビス(トリ‐
sec‐ブトキシシリルエチル)ジスルフィド、2,
2'-ビス(トリ‐t‐ブトキシシリルエチル)ジスルフ
ィド、2,2'-ビス(トリエトキシシリルエチルトリレ
ン)ジスルフィド、2,2'-ビス(トリメトキシシリル
エチルトリレン)ジスルフィド、3,3'-ビス(トリイ
ソプロポキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,3'-
ビス(トリオクトキシシリルプロピル)ジスルフィド、
2,2'-ビス(2'‐エチルヘキソキシシリルエチル)
ジスルフィド、2,2'-ビス(ジメトキシエトキシシリ
ルエチル)ジスルフィド、3,3'-ビス(メトキシエト
キシプロポキシシリルプロピル)ジスルフィド、3,
3'-ビス(メトキシジメチルシシリルプロピル)ジスル
フィド、3,3'-ビス(シクロヘキソキシジメチルシリ
ルプロピル)ジスルフィド、4,4'-ビス(トリメトキ
シシリルブチル)ジスルフィド、3,3'-ビス(トリメ
トキシシシリル‐3‐メチルプロピル)ジスルフィド、
3,3'-ビス(トリプロポキシシリル‐3‐メチルプロ
ピル)ジスルフィド、3,3'-ビス(ジメトキシメチル
シリル‐3‐エチルプロピル)ジスルフィド、3,3'-
ビス(トリメトキシシリル‐2‐メチルプロピル)ジス
ルフィド、3,3'-ビス(ジメトキシフェニルシリル‐
2‐メチルプロピル)ジスルフィド、3,3'-ビス(ト
リメトキシシリルシクロヘキシル)ジスルフィド、1
2,12'-ビス(トリメトキシシリルドデシル)ジスル
フィド、12,12'-ビス(トリエトキシシリルドデシ
ル)ジスルフィド、18,18'-ビス(トリメトキシシ
リルオクタデシル)ジスルフィド、18,18'-ビス
(メトキシジメチルシリルオクタデシル)ジスルフィ
ド、2,2'-ビス(トリメトキシシリル‐2‐メチルエ
チル)ジスルフィド、2,2'-ビス(トリエトキシシリ
ル‐2‐メチルエチル)ジスルフィド、2,2'-ビス
(トリプロポキシシリル‐2‐メチルエチル)ジスルフ
ィドおよび2,2'-ビス(トリオクトキシシリル‐2‐
メチルエチル)ジスルフィド。
【0062】式(I)の好ましい有機シランジスルフィ
ドは3,3'-ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジス
ルフィドであって、これもビス(3−トリエトキシシリ
ルプロピル)ジスルフィドで代表されることが知られて
いる。
【0063】本発明の実施に際しては、前記で指摘した
とおり、ゴム組成物は少なくとも1種のジエン系エラス
トマー、即ちゴムを含んで成る。適した共役ジエンはイ
ソプレンおよび1,3−ブタジエンであり、また適した
ビニル芳香族化合物はスチレンおよびα−メチルスチレ
ンである。かくして、そのエラストマーは硫黄硬化性エ
ラストマーであると考えられる。そのようなジエン系エ
ラストマー、即ちゴムは、例えばシス1,4−ポリイソ
プレンゴム(天然および/または合成)、好ましくは天
然ゴム、乳化重合で合成されたスチレン/ブタジエン共
重合体ゴム、有機溶液重合で合成されたスチレン/ブタ
ジエンゴム、3,4‐ポリイソプレンゴム、イソプレン
/ブタジエンゴム、スチレン/イソプレン/ブタジエン
三元重合体ゴム、シス1,4‐ポリブタジエンゴム、中
ビニルポリブタジエンゴム(ビニル35〜50パーセン
ト)、高ビニルポリブタジエンゴム(ビニル50〜75
パーセント)、スチレン/イソプレン共重合体ゴム、乳
化重合で合成されたスチレン/ブタジエン/アクリロニ
トリル三元共重合体ゴムおよびブタジエン/アクリロニ
トリル共重合体ゴムの内の少なくとも1種から選ばれる
ことができる。
【0064】乳化重合で合成されたE-SBRとは、スチレ
ンと1,3−ブタジエンとが水性エマルジョンとして共
重合されたことを意味する。このことはそのような技術
分野の当業者には周知である。その結合スチレン含有量
は、例えば約5〜50%の範囲内で変えることができ
る。
【0065】溶液重合で合成されたSBR(S-SBR)
は、典型的には、約5〜約50パーセント、好ましくは
約9〜約36パーセントの範囲内の結合スチレン含有量
を有する。このS-SBRは、例えば有機炭化水素系溶媒の
存在下で有機リチウム触媒の作用で都合よく合成するこ
とができる。
【0066】前記のように、本発明で用いられる沈降シ
リカは、例えば可溶性シリケート、例えば珪酸ナトリウ
ムの酸処理で得られるもののような沈降シリカである。
このような沈降シリカはこの技術分野の当業者には周知
である。また、前記のように、意図したアルミノシリケ
ートはシリカとアルミニウムとを共沈殿することにより
色々なものが得られる。
【0067】このような沈降シリカは、例えば窒素ガス
を用いて測定して、好ましくは約40〜約600m2
gの範囲内、より普通には約50〜約300m2/gの
範囲内のBET表面積を有すると言う特徴がある。表面積
を測定するBET法は、米国化学会誌Journal of the Am
erican Chemical Society)、第60巻、304頁(1
930年)に記載されている。
【0068】シリカは、また、典型的には、約100〜
約350ml/100g、より普通には約150〜約3
00ml/100gの範囲内のジブチルフタレート(DB
P)吸収値を有すると言う特徴もある。
【0069】さらに、シリカ、そしてまた上記のアルミ
ナおよびアルミノシリケートは、約100〜約220の
範囲内のCTAB表面積を有すると予想される。CTAB表面積
は、pH9のセチル・トリメチルアンモニウムブロミドに
よって評価される外表面積である。この方法は、その設
定(setup)と評価法がASTM D3849に説明されている。
CTAB表面積はよく知られているシリカの特性化法であ
る。
【0070】水銀表面積/多孔度は、水銀ポロシメトリ
ーによって測定される比表面積である。この方法では、
水銀は、揮発物を除去する熱処理後に試料の孔の中に浸
透せしめられる。設定条件は、100mgの試料を用
い;揮発物を105℃、常圧で2時間にわたって除去
し;常圧〜2000バールの圧力範囲で測定するとして
説明するのが適当である。この評価は、ASTMビュレチ
ン、39頁(1959年)におけるウインスロー(Wins
low)およびシャピロ(Shapiro)に説明されている方法
またはDIN 66133の方法により行うことができる。この
評価には、カルロ−エルバ(CARLO‐ERBA)ポロシメー
ター2000を用いることもある。
【0071】沈降シリカの水銀多孔度に基づく平均比表
面積は、望ましくは約100〜300m2/gの範囲内
であるべきである。シリカ、アルミナおよびアルミノシ
リケートについてのこのような水銀多孔度評価法による
適切な孔径分布は、本発明では、望ましくは、その孔の
5パーセント以下が約10nm以下の直径を有し;その孔
の60〜90パーセントが約10〜約100nmの直径を
有し;その孔の10〜30パーセントが約100〜約1
000nmの直径を有し;そしてその孔の5〜20パーセ
ントが約1000nm以上の直径を有する、そのような分
布であると考えられる。
【0072】シリカは、電子顕微鏡で測定して、平均最
大粒径が、例えば0.01〜0.05ミクロンの範囲内
にあると予想されるが、但しシリカ粒子の大きさは上記
粒径よりもさらに小さくてもよいし、或いは、恐らくは
それより大きくてもよいだろう。
【0073】市場から入手できる各種のシリカが本発明
での使用に考慮することができる。ここで、単なる例と
して、制限を付けずに示すと、PPGインダストリーズ社
(PPGIndustries)からハイ−シル(Hi-Sil)という商
標名で、ハイ−シル210、243などの表示で市販さ
れているシリカ;ローン・プーラン社(Rhone-Poulen
c)から、例えばゼオシル(Zeosil)1165MPという名称
で市販されているシリカ;デグッサ社(Degussa GmgH)
から、例えばVN2およびVN3などの名称で市販されている
シリカ;およびフーバー社(Huber)から、例えばフー
バー・シル(HuberSil)8745なる名称で市販されている
シリカがある。
【0074】本発明の目的には、アルミナは天然および
合成の酸化アルミニウム(Al2O3)である。場合によっ
ては、アルミナはそのような目的のために単独かまたは
シリカとの組み合わせのいずれかで用いられる。「アル
ミナ」なる用語は、本明細書では「酸化アルミニウム」
または「Al2O3」と記載することもできる。ゴム組成物
中でのアルミナの使用は、例えば米国特許第5,11
6,886号および欧州特許出願公開 EPO第63
1,982 A2号明細書に認めることができる。
【0075】認められるように、アルミナは色々な形、
即ち酸性形、中性形および塩基性形をしていることがで
きる。一般的に言えば、中性形のものが好ましいだろう
と考えられる。
【0076】アルミノシリケートとして、本発明の目的
には、中性物質または合成的に製造されたもの、特に共
沈シリカ/アルミニウムが使用できる。例えば、米国特
許第5,723,529号明細書を参照されたい。
【0077】一般に、「アルミノシリケート」なる用語
は、二酸化珪素の珪素原子がアルミニウム原子で自然に
または合成的に一部置き換えられ、即ち置換されている
天然または合成の物質と記述することができる。例え
ば、二酸化珪素の珪素原子の約5〜約90パーセント、
あるいは約10〜約80パーセントがアルミニウム原子
で自然にまたは合成的に置き換えられ、即ち置換されて
アルミノシリケートを生成させる。適したそのような製
造法は、例えばシリケートとアルミン酸塩との塩基性溶
液、即ち混合物のpH調整による共沈、また例えばSi
O2、即ち二酸化珪素の表面上のシラノールとNaAlO2との
化学反応によると説明することができる。例えば、その
ような共沈法では、合成共沈アルミノシリケートはその
表面の約5〜約95パーセントをシリカ部位から構成さ
せ、それに対応してその表面の約95〜約5パーセント
をアルミニウム部位から構成させることができる。
【0078】天然アルミノシリケートの例は、例えば白
雲母、緑柱石、菫青石、海泡石およびカオリナイトであ
る。合成アルミノシリケートは、例えばゼオライト、お
よび、例えば[(Al2O3)x・(SiO2)y・(H2O)z];[(Al2O3)
x・(SiO2)y・MO](但し、Mはマグネシウムまたはカルシ
ウムである)のような式で表すことができるものであ
る。アルミノシリケートのゴム組成物中での使用に関し
ては、例えば米国特許第5,116886号;欧州特許
公開EPO第063,982 A2号明細書;RubberChem.
Tech.、第50巻、606頁(1988年)および同第
60巻、84頁(1983年)を示すことができる。
【0079】この技術分野の当業者であれば容易に理解
できるように、ゴム組成物は、ゴム混練技術分野で一般
に知られている方法、例えば各種の硫黄加硫性成分ゴム
を、例えば硫黄、活性化剤、硬化遅延剤および硬化促進
剤のような硬化助剤、オイルのような加工助剤、粘着性
付与樹脂を含めて樹脂類、シリカ、可塑剤、充填材、顔
料、脂肪酸、酸化亜鉛、ワックス、酸化防止剤とオゾン
亀裂防止剤、素練り促進剤(peptizing agent)、並び
に、例えばカーボンブラックのような強化用材料のよう
な一般に使用される種々の添加剤材料と混合するなどの
方法によって混練される。この技術分野の当業者に知ら
れているように、上記の添加物は、硫黄加硫性のおよび
硫黄硬化された材料(ゴム)の意図される用途に応じて
選ばれ、普通は常用の量で使用される。
【0080】本発明では、強化タイプのカーボンブラッ
ク(1種または2種以上)が使用される場合、その典型
的な量は前に述べたとおりである。ここで、シリカカッ
プラーをカーボンブラックと共に使用する、即ちゴム組
成物に加える前にカーボンブラックと予備混合すること
ができ、そしてそのようなカーボンブラックはゴム組成
物の処方物用の前記カーボンブラック量に含められるべ
きであることを理解すべきである。粘着性付与樹脂を使
用する場合、その典型的な量は約0.5〜約10phr、
通常は約1〜約5phrの範囲である。加工助剤の典型的
な量は約1〜約50phrである。このような加工助剤と
して、例えば芳香族系、ナフテン系および/またはパラ
フィン系のプロセスオイルを挙げることができる。酸化
防止剤の典型的な量は約1〜約5phrである。代表的な
酸化防止剤は、例えばジフェニル‐p‐フェニレンジア
ミン、および、例えばヴァンデルビルトのゴムハンドブ
ック(Vanderbilt Rubber Handbook)(1978年)、
344−346頁に開示されているもののような他の酸
化防止剤であることができる。オゾン亀裂防止剤の典型
的な量は約1〜約5phrである。例としてステアリン酸
を挙げることができるが、脂肪酸を使用する場合、その
典型的な量は約0.5〜約3phrである。酸化亜鉛の典
型的な量は約2〜約5phrである。ワックスの典型的な
量は約1〜約5phrである。マイクロクリスタリンワッ
クスもよく用いられる。素練り促進剤の典型的な量は約
0.1〜約1phrである。典型的な素練り促進剤として
は、例えばペンタクロロチオフェノールおよびジベンズ
アミドジフェニルジスルフィドであることができる。
【0081】加硫は硫黄加硫剤の存在下で行われる。適
した硫黄加硫剤の例に、例えば元素硫黄(フリー硫
黄)、または前記の有機シランポリスルフィド(II)
を含めて硫黄供与性加硫剤がある。前記のように、所望
によっては、例えばアミンジスルフィド、高分子ポリス
ルフィドまたは硫黄−オレフィン付加体のような追加の
硫黄供与体化合物を使用することができる。硫黄加硫剤
は、普通、最終の硬化発現ゴム組成物混合工程で加えら
れる。
【0082】加硫促進剤は加硫に必要とされる時間およ
び/または温度を調節し、加硫物の性質を改善するため
に用いられる。一つの態様では、単一の促進剤系、即ち
一次促進剤を用いることができる。一次促進剤(一種ま
たは複数種)は、普通、総量で約0.5〜約4phr、好
ましくは約0.8〜約1.5phrの範囲の量で用いるの
が好ましい。もう一つの態様では、加硫を活性化し、加
硫物の性質を改善するために、一次促進剤と二次促進剤
との組み合わせが用いられることもあり、この場合二次
促進剤は(約0.05〜約3phrと言った)より少量で
用いられる。これら促進剤の組み合わせは、最終製品の
性質に対して相乗効果を生むと予想され、そしていずれ
か一方の促進剤を単独で用いることで得られる性質より
も幾分良い性質となる。さらに、標準の加工温度では影
響を受けないが、普通の加硫温度で満足な硬化をもたら
す遅効型促進剤を用いることもできる。加硫遅延剤が用
いられることもある。本発明で使用することができる適
したタイプの促進剤は、アミン類、ジスルフィド類、グ
アニジン類、チオ尿素類、チアゾール類、チウラム類、
スルフェンアミド類、ジチオカルバメート類およびザン
テート類である。一次促進剤はスルフェンアミド類であ
るのが好ましい。二次促進剤を用いる場合、二次促進剤
はグアニジン系化合物、ジチオカルバメート系化合物ま
たはチウラム系化合物であるのが好ましい。
【0083】本発明のゴム組成物は様々な目的に使用す
ることができる。例えば、それは各種のタイヤ用コンパ
ウンドに使用することができる。このようなタイヤは、
この技術分野の当業者に知られ、直ちに明らかになる種
々の方法で組み立てられ、整形され、成形され、そして
硬化させることができる。
【0084】
【実施例】本発明は次の実施例を参照すればさらによく
理解できるだろう。それらの実施例において、部および
百分率は、特に明記されない限りは、重量による。
【0085】実施例1 シリカ強化材を含有する硫黄加硫性ゴム混合物を調製し
た。それらは、ここでは実験(例)1、実験2および実
験3として報告される。
【0086】特に、実験1は、ポリスルフィド橋中に平
均約3.8個の硫黄原子を含むビス(3−トリエトキシ
シリルプロピル)テトラスルフィド化合物(式II)
が、ゴム組成物と、密閉式ゴムミキサー中で、予備非硬
化発現混合段階で混合される第一の対照例とされる。
【0087】特に、実験2は、ポリスルフィド橋中に平
均約2.2個の硫黄原子を含むビス(3−トリエトキシ
シリルプロピル)ジスルフィド化合物(式I)が、ゴム
組成物と、密閉式ゴムミキサー中で、予備非硬化発現混
合段階で混合される第二の対照例とされる。
【0088】最後に、本発明に従って、ポリスルフィド
橋中に平均約2.2個の硫黄原子を含むビス(3−トリ
エトキシシリルプロピル)ジスルフィド化合物(式I)
が、ゴム組成物と、密閉式ゴムミキサー中で、予備非硬
化発現混合段階で混合され、続いてポリスルフィド橋中
に平均約3.8個の硫黄原子を含むビス(3−トリエト
キシシリルプロピル)テトラスルフィド化合物(式I
I)が、ゴム組成物に、密閉式ゴムミキサー中で、最終
硬化発現混合段階で別個に添加される。
【0089】特に、本発明の典型例とされる実験3の試
料では、予備非硬化発現混合段階で式(I)の有機シラ
ンジスルフィド化合物6.64phrが加えられ、そし
て硬化発現混合段階で式(II)の有機シランポリスル
フィド化合物1phrおよび硫黄1.4phrが加えら
れている。
【0090】従って、硬化発現混合に関しては、有機シ
ランポリスルフィド化合物(II)のポリスルフィド橋
中の硫黄原子の50パーセントを基準としての添加硫黄
の計算量は1.4phr(フリー硫黄)プラス0.13
phr(上記有機シランポリスルフィドに由来する硫
黄)であって、それは合計1.53phrに等しいこと
になる。ここで理解すべきは、実際の硫黄は、有機シラ
ンポリスルフィド化合物(II)から放出される硫黄の
量に依存して、計算硫黄量とは若干異なるだろうと言う
ことである。
【0091】各混合段階の後、ゴム混合物を2本ロール
機でバッチに分け、短時間ミル混合し、そしてそのロー
ル機からゴムのスラブまたはシートを取り出し、約30
℃以下の温度まで冷却させた。
【0092】表1に示される材料を含むゴム組成物は、
BRバンバリー(Banbury)ミキサー中で、3つの別個
の添加(混合)段階、即ち2つの予備混合段階と1つの
最終混合段階を用いて、それら3つの総混合段階につい
てそれぞれ170℃、160℃および120℃の温度に
なるまで、約8分間、2分間および2分間混合、調製さ
れたものである。有機シランジスルフィドおよび有機シ
ランポリスルフィドの量は表1に「可変量」として示さ
れるが、それらの添加量は表2にさらに具体的に記載さ
れている。
【0093】
【表1】
【0094】1)グッドイアー・タイア・アンド・ラバ
ー社(Goodyear Tire & Rubber Company)から得られ
る、乳化重合で合成された、スチレンを約40パーセン
ト含有し、Tgが約−31℃であるスチレン/ブタジエ
ン共重合体ゴム。このE-SBRは表1ではエラストマーの
乾燥重量基準で報告されているが、但しこのE-SBRは油
展され、約25phrのSBRと約15phrのオイルか
ら構成されている。
【0095】2)グッドイアー・タイア・アンド・ラバ
ー社から得られる、Tgが約−44℃であるイソプレン
/ブタジエン(50/50イソプレン/ブタジエン)共
重合体エラストマー。
【0096】3)グッドイアー・タイア・アンド・ラバ
ー社からブデン(BUDENE:登録商標)として得られるシ
ス1,4−ポリブタジエンエラストマー。 4)天然シス1,4−ポリイソプレン。
【0097】5)オイル。 6)主としてステアリン酸。 7)ローン・プーラン社からのゼオシル1165MP。
【0098】8)デグッサ社からX266Sとして市販
される、Si266(デグッサ社の商標)とカーボンブ
ラックとの50/50ブレンドの形をした複合物。Si
266はポリスルフィド橋中に約平均2.2個の硫黄原
子を含んでいることが分かっているビス−(3−トリエ
トキシシリルプロピル)ジスルフィド化合物(I)であ
る。従って、この複合物は式(I)に相当する有機シラ
ンジスルフィド化合物を50パーセント含有する。
【0099】9)ドイツのカリ・ヘミー社(Kali Chemi
e Company)からS8元素硫黄として得られる。 10)フェニレンジアミンタイプのもの。
【0100】11)デグッサ社からX50Sとして市販
される、デグッサ社の商標であって、ポリスルフィド橋
中に約平均3.8個の硫黄原子を含むビス−(3−トリ
エトキシシリルプロピル)テトラスルフィド化合物(I
I)と称されるものであるSi69とカーボンブラック
との50/50ブレンドの形をした複合物である。かく
して、式(II)の化合物に相当する上記有機シランテ
トラスルフィドは上記複合物の50%、従って活性50
%であると考えられる。
【0101】実験1、実験2および実験3の試料を適当
な金型で成形し、約160℃の温度になるまで約16分
間加熱して、硬化、即ち加硫させた。上記ゴム組成物の
種々の物理的性質を次の表2に示す。表2には、有機シ
ランジスルフィドおよび有機シランポリスルフィドの添
加量、並びにフリー硫黄の添加量も示されている。
【0102】
【表2】
【0103】1)硬化発現混合段階から得られたゴム混
合物の100℃におけるムーニー粘度(ML−4)。 特に、この実施例の実験3は、非硬化発現混合工程中の
有機シランジスルフィド化合物(式I)の添加と、それ
に加えて硬化発現混合工程でのビス−(3−トリエトキ
シシリルプロピル)テトラスルフィド化合物(式II)
の後続の制御された添加は、第一および第二対照例、即
ち実験1および実験2に比較して、高温および低温の反
発弾性の値に有意の影響を及ぼすことなく、引張強さ、
伸びおよびモジュラスをそれぞれ増大させたことを示し
ている。
【0104】このことは、本発明では、そのようなゴム
組成物のトレッドを有するタイヤの湿潤時静止摩擦特性
と転がり抵抗性に有意の影響を及ぼすことなく、さらに
良好な耐摩耗性能を有することを予期させるものである
ので、有益なことと考えられる。
【0105】さらに、それらゴム組成物について表2に
示される動的粘弾性に関する物理的性質(タンデルタ)
は、高温反発弾性と同じ傾向を示している。このこと
は、本発明では、実験3で示されるそのような配合の仕
方はゴム組成物のヒステリシスに悪影響を及ぼさず、従
ってそのようなゴム組成物のトレッドを有するタイヤの
総合的なタイヤの転がり抵抗性に悪影響を及ぼさないと
予期させるものであるので、対照例の実験1および実験
2に比較して有益であると考えられる。
【0106】さらに、実験3のDIN摩耗値は、実験1お
よび実験2の両対照例の同摩耗値より有意に小さく、従
ってこれはタイヤトレッドのトレッド摩耗性がより小さ
い(より良好)ことを示すもので、前記のモジュラス比
の観察結果に符合すると考えられる。
【0107】加えて、実験3、さらには実験2が示す、
ゴム混合物の粘度の尺度としてのムーニー塑性値は、ゴ
ム組成物の加工に関する限り、予備非硬化発現混合段階
で有機シランポリスルフィドに代えて有機シランジスル
フィドを添加することの利点が際だったものであること
を示している。特に、表2に示されるムーニー値は、実
験3および実験2の両者で実験1のムーニー値よりも著
しく低い。
【0108】それ故、有機シランジスルフィド(式I)
を予備非硬化発現混合段階(1つまたは2つ以上)で使
用し、一方有機シランポリスルフィド(式II)を後続
の最終硬化発現混合段階で別個に加えることは、硬化ゴ
ム組成物の種々の性質を著しく改善し、しかもこれには
また非硬化発現混合段階でのゴムの有利な加工(即ち、
より低いゴム粘度)が伴われることが観察された。
【0109】従って、規定された有機シランジスルフィ
ドとエラストマー(1種および2種以上)およびシリカ
との予備非硬化発現混合段階(1つまたは2つ以上)で
の混合と、それに続く規定された有機シランポリスルフ
ィドの後続硬化発現混合段階での非硬化発現混合段階よ
りも低い温度における添加と、それに続くそゴム組成物
の昇温下での加硫との組み合わせは、硬化された、即ち
加硫されたゴム組成物の物理的性質を向上させることが
明らかになったと考える。
【0110】ゴム組成物をこのようにして製造すること
で、規定の有機シランジスルフィドとシリカとのシラン
相互作用は、続いて添加される有機シランポリスルフィ
ド(II)からの規定される温度条件下でのフリー硫黄
の遊離とは分離される。ここで、有機シランポリスルフ
ィド化合物(II)の後続添加には、また、その有機シ
ランポリスルフィド化合物のシラン成分と、有機シラン
ジスルフィド化合物(I)とシリカとの予備非硬化発現
混合段階における相互作用でもたらされた、先に形成さ
れたシラン/充填材複合物または網状構造物との後続相
互作用も含む。
【0111】実施例2 トレッドに実施例1の実験1、2および3のゴム組成物
がそれぞれ使用されたサイズ195/65R15のタイ
ヤを製造した。これらの実験は本実施例2においても実
施例1に対応してそれぞれ実験1、2および3と称され
る。表3に示されるとおり、次の結果が得られた。ここ
で、対照例である実験1の値が100と言う値に正規化
され、そして実験2および実験3の対応する値は対照実
験例1に対する比較値として報告されている。
【0112】表3に報告される正規化値に関し、転がり
抵抗性は値の高い方が転がり抵抗性が小さいことを意味
し、従ってより高い値がより良好であり;トレッド摩耗
性は値の高い方がトレッドの摩耗が少ないことを意味
し、従ってより高い値がより良好であり;そして湿潤ス
キッド値は値の大きい方が静止摩擦特性および濡れた表
面上でのスキッド抵抗性がより大きいことを意味し、従
ってより高い値がより良好である。
【0113】
【表3】
【0114】この実施例は、本発明、即ち実験3に従っ
て製造されたゴム組成物のトレッドを有するタイヤは実
験1および2のゴム組成物のトレッドを有するタイヤよ
りも(摩耗が少ない)良好なタイヤトレッド摩耗性を与
えることが観察されたことを証明している。
【0115】これは、表3に示される観察された湿潤ス
キッド性および転がり抵抗性は実質的に、また認め得る
ほど影響されないので、有利であると考えられる。さら
に、そのゴム組成物の加工は実質的に影響されず、ムー
ニー(ML−4)粘度に関して表2に示されるように、
実験1の製造例以上に改善されさえしている。
【0116】特に、本発明の実施によれば、(1)ゴム
組成物の加工性、(2)物理的性質および(3)ゴムタ
イヤ、特にタイヤトレッドの性質の組み合わされた性質
における改善が明白である。
【0117】以上、本発明を例示説明する目的から、一
定の代表的な態様と細部を示したが、この技術分野の当
業者には、本発明には、その精神と範囲から逸脱しない
限り、様々な変更および修正をなし得ることは明らかで
あろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08K 3/22 C08K 3/22 3/34 3/34 5/548 5/548 9/02 9/02 C08L 9/00 C08L 9/00 (71)出願人 590002976 1144 East Market Stre et,Akron,Ohio 44316− 0001,U.S.A. (72)発明者 ティエリー・フローレント・エドム・マタ ーン アメリカ合衆国オハイオ州44333,フェア ローン,ウィンチェスター・ロード 259 (72)発明者 ジョルジョ・アゴスティーニ ルクセンブルク大公国エル−7733 コルマ ー−ベルク,リュー・ド・ルクセンブルク 7 (72)発明者 ギスラン・アドルフ・レオン・ティセ ベルギー王国ベ−6600 バストーニュ,ブ ラス 50

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム組成物の製造方法にして、次の: (A)(1)共役ジエンの単独重合体および共重合体、
    並びに少なくとも1種の共役ジエンと芳香族ビニル化合
    物との共重合体から選ばれる少なくとも1種のジエン系
    エラストマー100重量部、(2)約30〜約100p
    hrの、次の: (a)約5〜約85重量%のカーボンブラック、および
    (b)(a)に対応して約15〜約95重量%の、 アルミナ、並びに沈降シリカ、アルミノシリケートおよ
    び表面に水酸化珪素を含む変性カーボンブラックの内の
    少なくとも1種から選ばれるシリカ系充填材より成る群
    の少なくとも1種から選ばれる少なくとも1種の追加の
    強化用充填材を含んで成る粒状強化用充填材、および
    (3)該アルミナおよびシリカ系充填材1重量部当たり
    約0.05〜約20重量部、あるいは約0.05〜約1
    0重量部の、少なくとも1種の、式(I): 【化1】 で表される有機シランジスルフィド化合物を、少なくと
    も1つの逐次的予備(非硬化発現)混合工程において、
    フリー硫黄が添加されていない状態で、約150〜約1
    85℃の範囲内の温度になるまで熱機械的に混合し、続
    いて (B)フリー硫黄、および少なくとも1種の、式(I
    I): 【化2】 で表される有機シランポリスルフィド化合物を、工程
    (A)の混合物と、工程(A)に続く(硬化発現)混合
    工程において、約100〜約130℃の範囲内の温度に
    なるまで混合する、工程を含んで成ることを特徴とする
    上記の方法:但し、上記の式において:R1は合計1〜
    18個の炭素原子を有する置換または非置換アルキル基
    および合計6〜12個の炭素原子を有する置換または非
    置換アリール基より成る群から選ばれる基であり、 nは2〜約6の数で、かつnの平均は2〜2.6の範囲
    内にあり;mは2〜約8の数で、かつmの平均は約3.
    5〜約4.5の範囲内にあり;そしてZは次の: 【化3】 で表される基より群から選ばれ、ここでR2は同一の基
    であってもよいし、或いは異なる基であってもよく、そ
    して各々独立に1〜4個の炭素原子を有するアルキル基
    およびフェニル基より成る群から選ばれ、そしてR3
    同一の基であってもよいし、或いは異なる基であっても
    よく、そして各々独立に1〜4個の炭素原子を有するア
    ルキル基、フェニル基、1〜8個の炭素原子を有するア
    ルコキシ基および5〜8個の炭素原子を有するシクロア
    ルコキシ基より成る群から選ばれる。
  2. 【請求項2】 前記の予備混合が、該予備(非硬化発
    現)混合工程の総密閉式混合時間が約4〜約15分の範
    囲内である少なくとも2つの密閉式混合工程で行われ、
    かつ前記の後続(硬化発現)密閉式混合工程の混合時間
    が約1〜約3分の範囲内であり、しかも各混合工程間で
    ゴム組成物は開放式ロール機で約2〜約6分間混合さ
    れ、次いで約40℃以下の温度まで冷却され;前記の有
    機シランジスルフィド化合物(I)と有機シランポリス
    ルフィド化合物(II)は、アルコキシ成分のアルキル
    基がメチル基およびエチル基から選ばれ、シリルアルキ
    ル成分のアルキル基がエチル基、プロピル基およびブチ
    ル基から選ばれるビス−(3−アルコキシシリルアルキ
    ル)ポリスルフィドであり、そして混合工程(B)で、
    フリー硫黄の添加量と、該有機シランポリスルフィド化
    合物(II)のポリスルフィド橋における硫黄の約50
    パーセントとが合計で約0.93〜約4phrの範囲内
    にあることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記の有機シランジスルフィド化合物
    (I)および有機シランポリスルフィド化合物(II)
    が、アルコキシ成分のアルキル基がメチル基およびエチ
    ル基から選ばれ、シリルアルキル成分のアルキル基がエ
    チル基、プロピル基およびブチル基から選ばれるビス−
    (3−アルコキシシリルアルキル)ポリスルフィドであ
    り、そして混合工程(B)で、フリー硫黄の添加量と、
    該有機シランポリスルフィド化合物(II)のポリスル
    フィド橋における硫黄の約50パーセントとが合計で約
    0.93〜約4phrの範囲内にあることを特徴とす
    る、請求項1または2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 前記有機シランジスルフィド化合物
    (I)の有機シラン成分が前記予備混合工程(1つまた
    は2つ以上)中に前記のアルミノシリケート、沈降シリ
    カおよび変性カーボンブラックの少なくとも1種が持つ
    ヒドロキシル基と反応してシラン系複合物を形成し;そ
    して前記の後続添加有機シランポリスルフィド(II)
    が、約140〜約190℃の範囲内の温度におけるゴム
    組成物の加硫中に、前もって形成された該シラン系複合
    物と相互作用してフリー硫黄を遊離することを特徴とす
    る、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 前記の有機シランジスルフィド化合物
    (I)および有機シランポリスルフィド化合物(II)
    が、各々、個々に、約25〜約75重量パーセントの該
    スルフィド化合物(I)および(II)、およびそれに
    対応して約75〜25重量パーセントの粒状カーボンブ
    ラックから成る複合物の形で添加されることを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 前記の粒状強化材が(a)前記カーボン
    ブラックと(b)前記の少なくとも1種の沈降シリカ、
    アルミノシリケートおよび変性カーボンブラックを含ん
    で成り;ここで該アルミノシリケートはシリケート電解
    質とアルミニウム電解質との共沈で約5〜約95重量パ
    ーセントのアルミニウムを含有するシリカ/アルミニウ
    ム複合物を形成することにより製造され、また該変性カ
    ーボンブラックは有機シランとカーボンブラックとを昇
    温下で反応させるか、または有機シランとオイルを昇温
    下で共−発煙させることにより製造されることを特徴と
    する、請求項1〜5のいずらかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 前記の有機シランジスルフィド化合物
    (I)および有機シランポリスルフィド化合物(II)
    が、(a)アルコキシ基のアルキル基がメチル基および
    エチル基から選ばれ、シリルアルキル基のアルキレン基
    がエチル基、プロピル基およびブチル基から選ばれるビ
    ス−(3−トリアルコキシシリルアルキル)ポリスルフ
    ィドであり、そして(b)該有機シランジスルフィド化
    合物(I)ではnの少なくとも55パーセントが2であ
    ることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の
    方法。
  8. 【請求項8】 前記の予備熱機械的混合工程(1つまた
    は複数)に合計で約0.05〜約5phrの少なくとも
    1種のアルキルアルコキシシランが添加され、ここで該
    アルキルシランは式(III): 【化4】 (式中、R’は1〜18個の炭素原子を有する飽和アル
    キル基若しくはアリール基または6〜12個の炭素原子
    を有する飽和アルキル置換アリール基であり、そして
    R”はメチル基、エチル基、プロピル基およびイソプロ
    ピル基の内の少なくとも1種から選ばれる。)を有する
    ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方
    法。
  9. 【請求項9】 前記のアルキルアルコキシシランが、プ
    ロピルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラ
    ン、ヘキサデシルトリエトキシシランおよびオクタデシ
    ルトリエトキシシランの内の少なくとも1種から選ばれ
    ることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】 前記のジエン系エラストマーについ
    て、その共役ジエンがイソプレンおよび1,3−ブタジ
    エンから選ばれ、そしてそのビニル芳香族化合物がスチ
    レンおよびα−メチルスチレンから選ばれることを特徴
    とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。
  11. 【請求項11】 前記のジエン系エラストマーが、天然
    および合成シス1,4−ポリイソプレンゴム、乳化重合
    で合成されたスチレン/ブタジエン共重合体ゴム、有機
    溶液重合で合成されたスチレン/ブタジエン共重合体ゴ
    ム、3,4‐ポリイソプレンゴム、イソプレン/ブタジ
    エンゴム、スチレン/イソプレン/ブタジエン三元共重
    合体ゴム、シス1,4‐ポリブタジエンゴム、中ビニル
    ポリブタジエンゴム(ビニル35〜50パーセント)、
    高ビニルポリブタジエンゴム(ビニル50〜90パーセ
    ント)、乳化重合で合成されたスチレン/ブタジエン/
    アクリロニトリル三元共重合体ゴムおよびブタジエン/
    アクリロニトリル共重合体ゴムの内の少なくとも1種か
    ら選ばれることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか
    に記載の方法。
  12. 【請求項12】 前記式(I)の有機シランジスルフィ
    ド化合物が、2,2'-ビス(トリメトキシシリルエチ
    ル)ジスルフィド、3,3'-ビス(トリメトキシシリル
    プロピル)ジスルフィド、3,3'-ビス(トリエトキシ
    シリルプロピル)ジスルフィド、2,2'-ビス(トリエ
    トキシシリルエチル)ジスルフィド、2,2'-ビス(ト
    リプロポキシシリルエチル)ジスルフィド、2,2'-ビ
    ス(トリ‐sec‐ブトキシシリルエチル)ジスルフィ
    ド、3,3'-ビス(トリ‐t‐ブトキシシリルエチル)
    ジスルフィド、3,3'-ビス(トリエトキシシリルエチ
    ルトリレン)ジスルフィド、3,3'-ビス(トリメトキ
    シシリルエチルトリレン)ジスルフィド、3,3'-ビス
    (トリイソプロポキシシリルプロピル)ジスルフィド、
    3,3'-ビス(トリオクトキシシリルプロピル)ジスル
    フィド、2,2'-ビス(2'-エチルヘキソキシシリルエ
    チル)ジスルフィド、2,2'-ビス(ジメトキシエトキ
    シシリルエチル)ジスルフィド、3,3'-ビス(メトキ
    シエトキシプロポキシシリルプロピル)ジスルフィド、
    3,3'-ビス(メトキシジメチルシシリルプロピル)ジ
    スルフィド、3,3'-ビス(シクロヘキソキシジメチル
    シリルプロピル)ジスルフィド、4,4'-ビス(トリメ
    トキシシリルブチル)ジスルフィド、3,3'-ビス(ト
    リメトキシシシリル‐3‐メチルプロピル)ジスルフィ
    ド、3,3'-ビス(トリプロポキシシリル‐3‐メチル
    プロピル)ジスルフィド、3,3'-ビス(ジメトキシメ
    チルシリル‐3‐エチルプロピル)ジスルフィド、3,
    3'-ビス(トリメトキシシリル‐2‐メチルプロピル)
    ジスルフィド、3,3'-ビス(ジメトキシフェニルシリ
    ル‐2‐メチルプロピル)ジスルフィド、3,3'-ビス
    (トリメトキシシリルシクロヘキシル)ジスルフィド、
    12,12'-ビス(トリメトキシシリルドデシル)ジス
    ルフィド、12,12'-ビス(トリエトキシシリルドデ
    シル)ジスルフィド、18,18'-ビス(トリメトキシ
    シリルオクタデシル)ジスルフィド、18,18'-ビス
    (メトキシジメチルシリルオクタデシル)ジスルフィ
    ド、2,2'-ビス(トリメトキシシリル‐2‐メチルエ
    チル)ジスルフィド、2,2'-ビス(トリエトキシシリ
    ル‐2‐メチルエチル)ジスルフィド、2,2'-ビス
    (トリプロポキシシリル‐2‐メチルエチル)ジスルフ
    ィドおよび2,2'-ビス(トリオクトキシシリル‐2‐
    メチルエチル)ジスルフィドの内の少なくとも1種から
    選ばれることを特徴とする、請求項1〜11のいずれか
    に記載の方法。
  13. 【請求項13】 前記式(I)の有機シランジスルフィ
    ド化合物が3,3'-ビス(トリエトキシシリルプロピ
    ル)ジスルフィドであり、そして前記式(II)の有機
    シランポリスルフィド化合物がビス(3‐トリメトキシ
    シリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3‐トリメト
    キシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3‐ト
    リエトキシシリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3
    ‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビ
    ス(3‐トリエトキシシリルエチルトリレン)トリスル
    フィドおよびビス(3‐トリエトキシシリルエチルトリ
    レン)テトラスルフィドの内の少なくとも1種であるこ
    とを特徴とする、請求項1〜11のいずれかに記載の方
    法。
  14. 【請求項14】 前記式(I)の有機シランジスルフィ
    ド化合物が3,3'-ビス(トリエトキシシリルプロピ
    ル)ジスルフィドであり、そして前記式(II)の有機
    シランポリスルフィド化合物がビス(3‐トリメトキシ
    シリルプロピル)トリスルフィド、ビス(3‐トリメト
    キシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3‐ト
    リエトキシシリルプロピル)トリスルフィドおよびビス
    (3‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド
    の内の少なくとも1種であることを特徴とする、請求項
    1〜11のいずれかに記載の方法。
  15. 【請求項15】 得られた混合ゴム組成物を約140〜
    約190℃の範囲内の温度で硫黄加硫する追加の工程を
    含むことを特徴とする、請求項1〜14のいずれかに記
    載の方法。
  16. 【請求項16】 得られた混合ゴム組成物を約140〜
    約190℃の範囲内の温度で硫黄加硫する追加の工程を
    含み、ここでフリー硫黄と、前記有機シランポリスルフ
    ィド化合物(II)のポリスルフィド橋における硫黄の
    約50パーセントとが合計で約0.93〜約4phrの
    範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜14のいず
    れかに記載の方法。
  17. 【請求項17】 得られた混合ゴム組成物を約140〜
    約190℃の範囲内の温度で硫黄加硫する追加の工程を
    含み、ここでフリー硫黄と、前記有機シランポリスルフ
    ィド化合物(II)のポリスルフィド橋における硫黄の
    約50パーセントとが合計で約0.93〜約2.8ph
    rの範囲内にあることを特徴とする、請求項1〜14の
    いずれかに記載の方法。
  18. 【請求項18】 請求項15〜17のいずれかに記載の
    方法に従って製造された加硫ゴム組成物。
  19. 【請求項19】 前記のゴム組成物を整形してタイヤト
    レッドストック(stock)を形成し、該タイヤトレッド
    ストックをゴムタイヤカーカスに施してそれらの集成体
    を形成し、そして該集成体を約140〜約190℃の範
    囲内の温度で成形および加硫してタイヤを形成すること
    を特徴とする、請求項1〜13のいずれかに記載の方
    法。
  20. 【請求項20】 フリー硫黄と、前記有機シランポリス
    ルフィド化合物(II)のポリスルフィド橋における硫
    黄の約50パーセントとが合計で約0.93〜約4ph
    rの範囲にあることを特徴とする、請求項19に記載の
    方法。
  21. 【請求項21】 請求項19または20に記載の方法に
    従って製造された加硫ゴムタイヤ。
  22. 【請求項22】 請求項18に記載のゴム組成物を1つ
    の構成部材として有するタイヤ。
  23. 【請求項23】 請求項18に記載のゴム組成物より成
    るトレッドを有するタイヤ。
  24. 【請求項24】 請求項18に記載のゴム組成物を少な
    くとも1つの構成部材として有する製品。
  25. 【請求項25】 請求項18に記載のゴム組成物を少な
    くとも1つの構成部材として有するベルトおよびホース
    の少なくとも1つから選ばれる工業製品。
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