JPWO2003031511A1 - ゴム組成物 - Google Patents
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- C08K—Use of inorganic or non-macromolecular organic substances as compounding ingredients
- C08K3/00—Use of inorganic substances as compounding ingredients
- C08K3/34—Silicon-containing compounds
- C08K3/36—Silica
Abstract
ジエン系ゴム100重量部及びアルミニウム含有量が0.01〜0.24重量%で、CTAB比表面積が70〜210m2/g、BET/CTAB比が1.0〜1.4であり、かつ、単位面積当りのシラノール基が3.0〜5.5個/nm2であるシリカ10〜100重量部を含む加工性、分散性、耐摩耗性、ウエット摩耗性能及び低発熱性の総合特性に優れたゴム組成物。
Description
技術分野
本発明は、加工性、分散性、耐摩耗性、ウエット摩擦性能及び低発熱性の総合特性の向上を図ったシリカ配合系ゴム組成物に関する。
背景技術
少なくとも1種のジエン系ポリマーをベースとしたタイヤ製造用のゴム組成物の補強充填剤として、シリカのアルミニウム含量が該シリカの重量に対して0.35〜3重量%としたアルミニウムドープ沈降シリカを使用することによって、タイヤ用ジエン系ゴム組成物の作業性を改善すると共にかかる組成物の性質を劣化させずにカップリング剤の使用量を減少させることを図った技術が、特開平8−277346号、特表平10−503748号及び特表平10−504012号の各公報等によって知られている。
ゴムの補強充填剤として一般に用いられているシリカに含まれる微量のアルミニウム含有量が大きく、また、シリカのシラノール量が大きい場合には、ゴムへの取り込みが悪く、またムーニー粘度も高くなるので、かかるシリカ補強充填剤を配合したゴム組成物の加工性や分散性が悪くなる。さらに、シリカのCTAB比表面積及びBET/CTAB比が所定の範囲にあるシリカを使用する場合には、耐摩耗性、ウエット摩擦性能及び低発熱性が向上することが見出された。
発明の開示
従って、本発明では、シリカのアルミニウム含有量、シラノール基数、CTAB比表面積及びBET/CTAB比を適切な範囲に制御しシリカをジエン系ゴムに配合することによって加工性、分散性、耐摩耗性、ウエット摩耗性能及び低発熱性に優れたゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に従えば、少なくとも一種のジエン系ゴム100重量部及びアルミニウム含有量が0.01〜0.24重量%で、CTAB比表面積が70〜210m2/g、BET/CTAB比が1.0〜1.4であり、かつ、単位面積当りのシラノール基が3.0〜5.5個/nm2であるシリカ10〜100重量部を含むゴム組成物が提供される。
本発明に従えば、また、下式(I)で決まる配合量のシランカップリング剤を更に配合したゴム組成物が提供される。
シランカップリング剤配合量(重量部)=A×シラノール基数(個/nm2)×BET比表面積(m2/g)×シリカ配合量(重量部) (I)
(但し、A=7.48×10−5−1.14×10−4)
発明の実施の形態
本発明のゴム組成物に補強用充填剤として用いられるシリカとして、そのアルミニウム含有量、シラノール基数、CTAB比表面積及びBET/CTAB比を上記所定範囲に制御したシリカ、好ましくは沈降シリカを使用すると、加工性、分散性、耐摩耗性、ウエット摩擦性能及び低発熱性という総合特性に優れたゴム組成物が得られることを見出したことに基づくものである。
本発明の上記知見によれば、シリカにおけるアルミニウムの含有量は0.01〜0.24重量%である場合に良好な結果が得られた。このアルミニウムの含有量が0.24重量%を超える場合には、ゴムへのシリカの取り込みが悪く、ムーニー粘度が高くなる。さらに、このアルミニウム含有量が0.01〜0.1重量%である場合には、上記特性において一層良好な結果が得られる。
また、本発明のシリカでは、そのゴムへの補強性を確保するため、シリカのCTAB比表面積が70〜210m2/gで、かつBET/CTAB比が1.0〜1.4のものを選定することが好ましい。このCTAB比表面積が70m2/g未満でBET/CTAB比が1.0未満の場合には、補強性の確保が困難となる。また、CTAB比表面積が210m2/gを超え、かつBET/CTAB比が1.4を超える場合には、分散性が悪くなる。
また、本発明のシリカでは、その加工性と分散性を高め、かつ耐摩耗性、ウエット摩擦性能および低発熱性、更にはtanδバランスを向上させるため、シリカの単位面積当りのシラノール基数が3.0〜5.5個/nm2のものを選定することが好ましい。このシラノール基数が上記所定の範囲にある場合には、加工性、分散性、耐摩耗性、ウエット摩擦性能および低発熱性の点でバランス良く向上させることができる。更に好ましくは、シラノール基数が4.8〜5.5個/nm2のシリカであり、これにより耐摩耗性を良好に維持することができる。
本発明のゴム組成物におけるジエン系ゴム成分には、天然ゴム(NR)、およびジエン系合成ゴムとしての、例えば、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が使用される。これらは、単独、又は2種以上の混合物として使用することができる。天然ゴムとジエン系合成ゴムの2種以上のゴム混合物として使用する場合には、少なくとも60重量部以上の天然ゴムを配合したゴム混合物とすることが所望の目的との関係で好ましい。
本発明のゴム組成物には、本発明による所定のシリカを、ゴム成分100重量部に対して10〜100重量部、好ましくは30〜90重量部の配合量で用いる。この配合量が少な過ぎると所望の効果が得られず、また、多過ぎると硬度が高くなり過ぎたり、加工性が低下するなどしてゴム材料としての実用性が乏しくなるので好ましくない。
本発明のゴム組成物には、補強剤として、上記シリカに加えて、更に通常のカーボンブラックを配合することができ、ゴム成分100重量部に対して少なくとも10重量部、好ましくは10〜80重量部配合することができる。カーボンブラックの配合量が多過ぎるとゴムの加工上問題があり、また少な過ぎると配合による効果(例えば紫外線による劣化の防止、導電性の付与)が低い。
本発明のゴム組成物には、上記必須成分に加えて、更に任意的にシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤を用いる場合には、従来よりゴム組成物に使用されている任意のシランカップリング剤を用いることができ、その使用量としては、下式1で決まるシランカップリング剤の配合量を用いることが好ましい。
シランカップリング剤配合量(重量部)=A×シラノール基数(個/nm2)×BET比表面積(m2/g)×シリカ配合量(重量部) (I)
(但し、A=7.48×10−5−1.14×10−4)
本発明のゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑化剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に配合されている各種配合剤を配合することができ、かかる配合物は、一般的な方法で混練、加硫してゴム組成物とし、加硫または架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
実施例
以下、実施例および比較例によって本発明を更に説明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
試験サンプルの製造
以下の表IIに示すシリカ種の沈降シリカを用いて、表Iに示すゴム配合成分のうち加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.8リットルの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、165±5℃に達したときに放出したマスターバッチに加硫促進剤と硫黄を8インチのオープンロール混練してゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のムーニー粘度を測定した。次いで、この組成物に上記加硫促進剤を15×15×0.2cmの金型中で、160℃で20分間プレス加硫して目的とする試験片(ゴムシート)を作製し、これにより分散性、耐摩耗性及びtanδ(0℃、60℃)を測定、評価した。
1):37.5%油展乳化重合スチレン/ブタジエンゴム、
SBR 1712(日本ゼオン製)
2)表II参照
3):Si69(デグッサ製)
4):亜鉛華#3、工業用酸化亜鉛
5):工業用ステアリン酸
6):ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチア
ジルスルフェンアミド)(大内新興化学製)
7):5%油処理粉末硫黄(軽井沢精錬所製)
試験方法
1)ムーニー粘度:JIS K6300に基づき100℃にて測定した。
2)分散性:加硫ゴムを鋭利な刃物で切り、その表面について目視および光学顕微鏡(×100、×400)でシリカの分散状態を確認し、次の評価法により評価した。
◎・・・シリカの不良分散塊(数100μm径)が殆どなく、均等に分散している。
○・・・シリカの不良分散塊が数個発見されるが、それ以外はある程度分散している。
△・・・シリカの不良分散塊が数十個見受けられるが、それ以外はある程度分散している。
×・・・切り出した表面から粉らしきものが見えるのが確認でき、シリカの不良分散塊が無数に見受けられる。
3)耐摩耗性:ランボーン摩耗試験機(岩本製作所(株)製)を用いて、温度20℃、スリップ率25%の条件で摩耗減量を測定し、比較例1の値を100として指数表示した。数値が大きい程、耐摩耗性が良好である。
4)tanδ(0℃、60℃):粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所製)を用いて、温度0℃及び60℃で、初期歪10%、動的歪±2%、周波数20Hzの条件下で粘弾性を測定した(試験幅:5mm)。
5)シラノール量の測定:シラノール基の定量は「触媒化成技報18巻2号 29〜33頁(1991)(触媒化成工業(株)発行)に従って測定した。
実施例1〜10及び比較例1〜6
上記ゴム配合系において、各シリカ種及び所定量のシランカップリング剤を配合して得たゴム組成物についての測定、評価結果を示すものである。その結果を表IIに示す。
実施例1〜3及び比較例1〜3は、アルミニウム含有量とシラノール量を変えた例である。アルミ含有量及びシラノール量共に少ない実施例1〜3は、比較例1〜3に対し、ムーニー粘度も低く、分散が良好であった。高シラノール量の比較例1,3では、転動抵抗とウエット摩耗性能のバランス指標である、tanδ比(0℃/60℃)も悪い。実施例6にて、シラノール量3.0個/nm2まで効果を確認している。従って、アルミニウム含有量0.01〜0.24重量%及びシラノール量3.0〜5.5個/nm2以下が良好である。
実施例4及び5並びに比較例4及び5は、CTAB値を変量した試料例である。比較例4は、耐摩耗性が大きく悪化しており、実用に耐えられない。また、比較例5は、分散性にやや悪化が見られ、ムーニー粘度も高く、転動抵抗とウエット摩擦性能のバランス指標である、tanδ比(0℃/60℃)も悪い。従って、CTABは70〜210m2/gが良好である。
実施例6及び比較例6は、BET/CTAB値を変量した例である。BET/CTAB値の高すぎる比較例6では、0℃のtanδが低く、tanδ比(0℃/60℃)も低い。実施例5にてBET/CTAB比1.0まで効果を確認している。従って、BET/CTAB比1.0〜1.4が良好である。
産業上の利用可能性
表IIの結果から見られるように、本発明による所定のシリカおよび所定量のシランカップリング剤を配合したゴム組成物は、加工性、分散性、耐摩耗性、ウエット摩擦性能及び低発熱性という総合特性に極めて優れていることがわかる。
本発明は、加工性、分散性、耐摩耗性、ウエット摩擦性能及び低発熱性の総合特性の向上を図ったシリカ配合系ゴム組成物に関する。
背景技術
少なくとも1種のジエン系ポリマーをベースとしたタイヤ製造用のゴム組成物の補強充填剤として、シリカのアルミニウム含量が該シリカの重量に対して0.35〜3重量%としたアルミニウムドープ沈降シリカを使用することによって、タイヤ用ジエン系ゴム組成物の作業性を改善すると共にかかる組成物の性質を劣化させずにカップリング剤の使用量を減少させることを図った技術が、特開平8−277346号、特表平10−503748号及び特表平10−504012号の各公報等によって知られている。
ゴムの補強充填剤として一般に用いられているシリカに含まれる微量のアルミニウム含有量が大きく、また、シリカのシラノール量が大きい場合には、ゴムへの取り込みが悪く、またムーニー粘度も高くなるので、かかるシリカ補強充填剤を配合したゴム組成物の加工性や分散性が悪くなる。さらに、シリカのCTAB比表面積及びBET/CTAB比が所定の範囲にあるシリカを使用する場合には、耐摩耗性、ウエット摩擦性能及び低発熱性が向上することが見出された。
発明の開示
従って、本発明では、シリカのアルミニウム含有量、シラノール基数、CTAB比表面積及びBET/CTAB比を適切な範囲に制御しシリカをジエン系ゴムに配合することによって加工性、分散性、耐摩耗性、ウエット摩耗性能及び低発熱性に優れたゴム組成物を提供することを目的とする。
本発明に従えば、少なくとも一種のジエン系ゴム100重量部及びアルミニウム含有量が0.01〜0.24重量%で、CTAB比表面積が70〜210m2/g、BET/CTAB比が1.0〜1.4であり、かつ、単位面積当りのシラノール基が3.0〜5.5個/nm2であるシリカ10〜100重量部を含むゴム組成物が提供される。
本発明に従えば、また、下式(I)で決まる配合量のシランカップリング剤を更に配合したゴム組成物が提供される。
シランカップリング剤配合量(重量部)=A×シラノール基数(個/nm2)×BET比表面積(m2/g)×シリカ配合量(重量部) (I)
(但し、A=7.48×10−5−1.14×10−4)
発明の実施の形態
本発明のゴム組成物に補強用充填剤として用いられるシリカとして、そのアルミニウム含有量、シラノール基数、CTAB比表面積及びBET/CTAB比を上記所定範囲に制御したシリカ、好ましくは沈降シリカを使用すると、加工性、分散性、耐摩耗性、ウエット摩擦性能及び低発熱性という総合特性に優れたゴム組成物が得られることを見出したことに基づくものである。
本発明の上記知見によれば、シリカにおけるアルミニウムの含有量は0.01〜0.24重量%である場合に良好な結果が得られた。このアルミニウムの含有量が0.24重量%を超える場合には、ゴムへのシリカの取り込みが悪く、ムーニー粘度が高くなる。さらに、このアルミニウム含有量が0.01〜0.1重量%である場合には、上記特性において一層良好な結果が得られる。
また、本発明のシリカでは、そのゴムへの補強性を確保するため、シリカのCTAB比表面積が70〜210m2/gで、かつBET/CTAB比が1.0〜1.4のものを選定することが好ましい。このCTAB比表面積が70m2/g未満でBET/CTAB比が1.0未満の場合には、補強性の確保が困難となる。また、CTAB比表面積が210m2/gを超え、かつBET/CTAB比が1.4を超える場合には、分散性が悪くなる。
また、本発明のシリカでは、その加工性と分散性を高め、かつ耐摩耗性、ウエット摩擦性能および低発熱性、更にはtanδバランスを向上させるため、シリカの単位面積当りのシラノール基数が3.0〜5.5個/nm2のものを選定することが好ましい。このシラノール基数が上記所定の範囲にある場合には、加工性、分散性、耐摩耗性、ウエット摩擦性能および低発熱性の点でバランス良く向上させることができる。更に好ましくは、シラノール基数が4.8〜5.5個/nm2のシリカであり、これにより耐摩耗性を良好に維持することができる。
本発明のゴム組成物におけるジエン系ゴム成分には、天然ゴム(NR)、およびジエン系合成ゴムとしての、例えば、ポリイソプレンゴム(IR)、各種スチレン−ブタジエン共重合ゴム(SBR)、各種ポリブタジエンゴム(BR)、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)等が使用される。これらは、単独、又は2種以上の混合物として使用することができる。天然ゴムとジエン系合成ゴムの2種以上のゴム混合物として使用する場合には、少なくとも60重量部以上の天然ゴムを配合したゴム混合物とすることが所望の目的との関係で好ましい。
本発明のゴム組成物には、本発明による所定のシリカを、ゴム成分100重量部に対して10〜100重量部、好ましくは30〜90重量部の配合量で用いる。この配合量が少な過ぎると所望の効果が得られず、また、多過ぎると硬度が高くなり過ぎたり、加工性が低下するなどしてゴム材料としての実用性が乏しくなるので好ましくない。
本発明のゴム組成物には、補強剤として、上記シリカに加えて、更に通常のカーボンブラックを配合することができ、ゴム成分100重量部に対して少なくとも10重量部、好ましくは10〜80重量部配合することができる。カーボンブラックの配合量が多過ぎるとゴムの加工上問題があり、また少な過ぎると配合による効果(例えば紫外線による劣化の防止、導電性の付与)が低い。
本発明のゴム組成物には、上記必須成分に加えて、更に任意的にシランカップリング剤を配合することが好ましい。シランカップリング剤を用いる場合には、従来よりゴム組成物に使用されている任意のシランカップリング剤を用いることができ、その使用量としては、下式1で決まるシランカップリング剤の配合量を用いることが好ましい。
シランカップリング剤配合量(重量部)=A×シラノール基数(個/nm2)×BET比表面積(m2/g)×シリカ配合量(重量部) (I)
(但し、A=7.48×10−5−1.14×10−4)
本発明のゴム組成物には、前記した成分に加えて、加硫または架橋剤、加硫または架橋促進剤、各種オイル、老化防止剤、可塑化剤などのタイヤ用、その他一般ゴム用に配合されている各種配合剤を配合することができ、かかる配合物は、一般的な方法で混練、加硫してゴム組成物とし、加硫または架橋するのに使用することができる。これらの添加剤の配合量も、本発明の目的に反しない限り、従来の一般的な配合量とすることができる。
実施例
以下、実施例および比較例によって本発明を更に説明するが、本発明の技術的範囲をこれらの実施例に限定するものでないことは言うまでもない。
試験サンプルの製造
以下の表IIに示すシリカ種の沈降シリカを用いて、表Iに示すゴム配合成分のうち加硫促進剤と硫黄を除く成分を1.8リットルの密閉型ミキサーで3〜5分間混練し、165±5℃に達したときに放出したマスターバッチに加硫促進剤と硫黄を8インチのオープンロール混練してゴム組成物を得た。得られたゴム組成物のムーニー粘度を測定した。次いで、この組成物に上記加硫促進剤を15×15×0.2cmの金型中で、160℃で20分間プレス加硫して目的とする試験片(ゴムシート)を作製し、これにより分散性、耐摩耗性及びtanδ(0℃、60℃)を測定、評価した。
1):37.5%油展乳化重合スチレン/ブタジエンゴム、
SBR 1712(日本ゼオン製)
2)表II参照
3):Si69(デグッサ製)
4):亜鉛華#3、工業用酸化亜鉛
5):工業用ステアリン酸
6):ノクセラーCZ(N−シクロヘキシル−2−ベンゾチア
ジルスルフェンアミド)(大内新興化学製)
7):5%油処理粉末硫黄(軽井沢精錬所製)
試験方法
1)ムーニー粘度:JIS K6300に基づき100℃にて測定した。
2)分散性:加硫ゴムを鋭利な刃物で切り、その表面について目視および光学顕微鏡(×100、×400)でシリカの分散状態を確認し、次の評価法により評価した。
◎・・・シリカの不良分散塊(数100μm径)が殆どなく、均等に分散している。
○・・・シリカの不良分散塊が数個発見されるが、それ以外はある程度分散している。
△・・・シリカの不良分散塊が数十個見受けられるが、それ以外はある程度分散している。
×・・・切り出した表面から粉らしきものが見えるのが確認でき、シリカの不良分散塊が無数に見受けられる。
3)耐摩耗性:ランボーン摩耗試験機(岩本製作所(株)製)を用いて、温度20℃、スリップ率25%の条件で摩耗減量を測定し、比較例1の値を100として指数表示した。数値が大きい程、耐摩耗性が良好である。
4)tanδ(0℃、60℃):粘弾性スペクトロメーター(東洋精機製作所製)を用いて、温度0℃及び60℃で、初期歪10%、動的歪±2%、周波数20Hzの条件下で粘弾性を測定した(試験幅:5mm)。
5)シラノール量の測定:シラノール基の定量は「触媒化成技報18巻2号 29〜33頁(1991)(触媒化成工業(株)発行)に従って測定した。
実施例1〜10及び比較例1〜6
上記ゴム配合系において、各シリカ種及び所定量のシランカップリング剤を配合して得たゴム組成物についての測定、評価結果を示すものである。その結果を表IIに示す。
実施例1〜3及び比較例1〜3は、アルミニウム含有量とシラノール量を変えた例である。アルミ含有量及びシラノール量共に少ない実施例1〜3は、比較例1〜3に対し、ムーニー粘度も低く、分散が良好であった。高シラノール量の比較例1,3では、転動抵抗とウエット摩耗性能のバランス指標である、tanδ比(0℃/60℃)も悪い。実施例6にて、シラノール量3.0個/nm2まで効果を確認している。従って、アルミニウム含有量0.01〜0.24重量%及びシラノール量3.0〜5.5個/nm2以下が良好である。
実施例4及び5並びに比較例4及び5は、CTAB値を変量した試料例である。比較例4は、耐摩耗性が大きく悪化しており、実用に耐えられない。また、比較例5は、分散性にやや悪化が見られ、ムーニー粘度も高く、転動抵抗とウエット摩擦性能のバランス指標である、tanδ比(0℃/60℃)も悪い。従って、CTABは70〜210m2/gが良好である。
実施例6及び比較例6は、BET/CTAB値を変量した例である。BET/CTAB値の高すぎる比較例6では、0℃のtanδが低く、tanδ比(0℃/60℃)も低い。実施例5にてBET/CTAB比1.0まで効果を確認している。従って、BET/CTAB比1.0〜1.4が良好である。
産業上の利用可能性
表IIの結果から見られるように、本発明による所定のシリカおよび所定量のシランカップリング剤を配合したゴム組成物は、加工性、分散性、耐摩耗性、ウエット摩擦性能及び低発熱性という総合特性に極めて優れていることがわかる。
Claims (4)
- 少なくとも一種のジエン系ゴム100重量部及びアルミニウム含有量が0.01〜0.24重量%で、CTAB比表面積が70〜210m2/g、BET/CTAB比が1.0〜1.4であり、かつ、単位面積当りのシラノール基が3.0〜5.5個/nm2であるシリカ10〜100重量部を含むゴム組成物。
- ジエン系ゴムが天然ゴム、スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム(SBR)、ポリブタジエンゴム(BR)、ポリイソプレンゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム(NBR)及びブチルゴム(IIR)から選ばれる請求項1に記載のゴム組成物。
- 下式(I):
シランカップリング剤配合量(重量部)=A×シラノール基数(個/nm2)×BET比表面積(m2/g)×シリカ配合量(重量部) (I)
(式中、A=7.48×10−5−1.14×10−4)
で決まる配合量のシランカップリング剤を更に含む請求項1又は2に記載のゴム組成物。 - ジエン系ゴム100重量部中の60重量部以上が天然ゴムである請求項1〜3のいずれか1項に記載のゴム組成物。
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