JP2000108322A - 記録装置および記録方法 - Google Patents
記録装置および記録方法Info
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Abstract
生かしつつ、スループットの低下なしに特につなぎすじ
の問題を解消する。 【解決手段】 各スキャン毎の紙送り量を、その整数倍
が記録ヘッド102の全ノズル1021による記録幅に
一致しないように設定することにより、つなぎすじが発
生する可能性が高くなる各スキャン毎の記録領域の境界
が隣接することを避けるとともに、上記領域の境界が紙
送り量の周期よりも短い周期で現われるようにすること
ができる。それとともに、各スキャン毎に記録ヘッドに
供給する画像データのマスクを複数のノズル群のうち両
端部のノズル群に対応するマスクをデューティーの低い
ものとする。
Description
を得るための記録方法および記録装置に関し、詳しく
は、いわゆるマルチパス記録による記録を行う記録方法
および記録装置に関するものである。
低騒音、低ランニングコスト、装置が小型化しやすい、
カラー化が容易である等の利点を有し、プリンタや複写
機等に広く利用されている。このような記録装置におい
ては、記録速度の向上のため、複数の記録素子(インク
ジェット記録方法では、インクを吐出させるノズル)を
集積配列してなる記録ヘッドを用いる。
列した記録ヘッドを用いる記録装置では、画質を低下さ
せる要因の一つとして、副走査方向(記録媒体の搬送方
向)に周期的に現れるすじ状の濃度むらが知られてい
る。このような周期的なすじむらは極めて目に付きやす
い。すじむらが発生する原因には、例えばインクジェッ
ト方式の場合、ノズル毎の吐出量や吐出方向のばらつ
き、紙送り量と印字ピッチのずれ、各走査間で印字の時
間差があることにより濃度の変化などがある。
高画質化するための方法が種々開示されている。
は、主走査方向の複数回の走査(以下、単に「スキャ
ン」ともいう)に伴って、記録ヘッドがスキャン毎に印
字する領域の境界(以下「つなぎ目」ともいう)に発生
するすじ(つなぎすじ)を無くすために、前回のスキャ
ンで印字された部分の最下端と今回のスキャンで印字す
る部分の最上段を重複させこの重複する2回のスキャン
で選択的に印字させる方法が開示されている。
られているものは、分割記録方法(マルチパス記録方
法)である。以下に、この分割記録方法の説明を行う。
ルをもつ記録ヘッドはその製造過程においてわずかなが
らノズル毎のばらつきが生じることがある。このような
ばらつきは、印字したときの各ノズルのインクの吐出量
や吐出方向のばらつきとなって現われ、最終的には印字
画像においてすじむら等の濃度むらとして画像品位を劣
化させる原因となる。図10にその一例を示す。図10
(a)は、8個のインク吐出ノズルによって構成された
ヘッドにおいて、各ノズルから吐出されるインクの体
積、方向がばらついていることを示している。このよう
な吐出特性のばらつきを有したノズルでそのまま印字を
行うと、図10(b)に示すように、ノズルに対応した
印字行ごとに大きさや着弾位置がばらついたドットが形
成されることになる。その結果、同図の中央部分に見ら
れるような白地の部分が存在したり、また逆に必要以上
にドットが重なりあったりする部分を生ずる。図10
(c)はこのようなドット形成がなされた画像濃度の分
布を示したものである。このような濃度むらはすじむら
として認識され、画像の品位を低下させる原因となる。
字方法)は、全記録画素を記録ヘッドの1回の主走査方
向の記録ヘッドの移動(1スキャン)によって記録する
のではなく、複数回のスキャンに分け、かつ印字に用い
るノズルを走査毎に異ならせて記録する方法である。図
11は、図10に示したヘッドと同じものでマルチパス
印字をした場合の説明図である。図11(a)に示すよ
うに、図10で示した印字領域に対し、記録ヘッドの3
回のスキャンを行なうが、印字領域の半分である縦4画
素分の各領域は2回のスキャンでそれぞれ印字が完成す
る。この場合、記録ヘッドの8ノズルは上4ノズルと下
4ノズルの各ノズル群に分けられ、1ノズルが1回のス
キャンで印字するドットは、所望の画像データを所定の
方法に従って、約半分に間引いたものである。そして4
画素分の紙送りをする事によって、初めの印字に用いら
れたノズルと異なるノズルがその印字位置に対応し、残
りの半分の間引いた画像データによって補完的にドット
を形成し、最終的に印字を完成させる。このような記録
方法を用いると、1ラスター(主走査方向の1ドットラ
イン)を記録するのに、異なるノズルから吐出されたイ
ンクで記録できるため、ノズル毎のばらつきの影響を軽
減でき、図11(b)および(c)に示すように濃度む
らを軽減できる。
目と2スキャン目では、それぞれ画像データを所定の規
則に従がって抽出し、2回のスキャンで互いに補間する
ように画像データの分割を行う。この抽出は、通常マス
ク処理によって行われるものであり、マスクとして最も
一般的なものは、図12に示すように、縦横1画素ごと
に、ちょうど千鳥格子になるようなパターンである。単
位印字領域(ここでは4画素単位)において図12
(a)に示すように千鳥格子を印字する1スキャン目
と、図12(b)に示すように逆千鳥格子を印字する2
スキャン目の2回のスキャン(2パス)によって印字が
完成されるものである。
数(パス数)を増すことは、高画質化に有効である。例
えば、2パス印字と10パス印字を比べた場合、2パス
印字では1ラスターを異なる2つのノズルを用いて完成
させるのに対し、10パス印字では異なる10のノズル
で完成させるので、その分、個々のノズルの吐出特性の
ばらつきが印字結果に寄与する度合が相対的に小さくな
ってその影響が全体として小さなものとなり、その結
果、すじむらが目立たなくなる。
のマルチパス印字方法に加え、更なる高画質化を目的と
して特に吸収の早い記録媒体に対して、つなぎ部分の両
側の領域に対する走査回数を合せると他の領域に比べて
印字が完成するまでの走査回数が多いことに着目し、境
界部分に臨む両側の領域で印字比率を低くする方法が開
示されている。
記録においても、紙送り量と記録ヘッドのノズルピッチ
との関係がずれている場合には、いわゆるつなぎすじが
発生することは避けられない。これについて図13を用
いて説明する。
の印字例であり、図12で説明したのと同様、8ノズル
のヘッドを用いて印字を行う場合を示すものである。な
お、説明を明瞭にするため、8個のノズルにはノズル毎
の吐出特性のばらつきはないものとして説明する。ま
た、分割のためのマスクは千鳥格子のパターンを用いて
いる。すなわち、奇数スキャンでは千鳥格子、偶数スキ
ャンでは逆千鳥格子のそれぞれマスクを使用し、2回の
スキャンで記録が完成する。
正確に4画素分の紙送りがなされた場合の印字結果を示
している。なお、説明の簡単のため、同図右には第1ス
キャンで印字されたドットと第3スキャンで印字された
ドットを表示し、第2スキャンで印字されたドットは示
していない。第1スキャンで印字される領域の下端部は
第3スキャンで印字される領域の上端部と隣接し、これ
ら領域の境界は、スキャン間のつなぎ目を形成する。図
13(a)に示すように、2回の紙送りで正確に8画素
分の紙送りが行われた場合、記録されるドットはスキャ
ンのつなぎ目でも正確に配列され、すじは発生しない。
分の正規の量より大きい場合の印字結果を示している。
図13(a)と同様に、同図右には第1スキャンと第3
スキャンで印字されたドットのみを示している。第1ス
キャンから第3スキャンまでに、紙送りが2回行われる
が、それぞれの紙送りが4画素分よりも大きいため、第
1スキャンと第3スキャンとの間では8画素分より大き
い紙送りが行われる。そのため、第3スキャンで印字さ
れるドット群は、第1スキャンで印字されるドット群か
ら紙送りの誤差分だけ離れて記録される。このスキャン
間の隙間が、画像では白すじとして認識され、高画質化
を妨げる原因になる。
イナスに現われる場合は黒すじとして認識される。さら
に、この説明では、ノズル群の誤差はなく、紙送りの誤
差で説明したが、ノズルのピッチが全体的に規定よりも
大きい場合や、反対に小さい場合にも同様にそれぞれ黒
すじ、白すじが発生する。
したときにゼロであっても、ある2回の合計した紙送り
量が8画素分よりも多かったり少なかったりすれば、上
述した現象と同じ現象が起こる。紙送り量は紙送りロー
ラの外径等の誤差、印字の環境、紙などの被記録媒体の
種類や状態によって変わってくるものであり、毎回の紙
送りの誤差を厳密にゼロにすることは困難である。
録方式においても発生するが、特にマルチパスの分割数
を増すことはつなぎすじを緩和する上で有効である。マ
ルチパスの分割数を増すと1回のスキャンで印字される
ドット数が少なくなるため、紙送りの誤差などによりつ
なぎすじが発生してもそれによって生ずるすじ自体の濃
度は薄くなるからである。また、人間の目には、空間周
波数によって感度が変わるという特性があり、同じ濃さ
のすじでも、すじの間隔によって目立つ場合と目立たな
い場合がある。
度、横軸は空間周波数(cycles/mm)である。図から分か
るように、最も感度が高いのは1.1cycles/mm 近辺で
あり、これは言い換えれば、幅0.9mmのすじがもっと
も目立つということである。マルチパス記録を行った場
合のすじの発生周期は、600dpi のノズルピッチで8
0ノズルが配設されたヘッドの場合、次のようになる。
2パス印字と10パス印字を比べた場合、2パス印字を
行うと、紙送りは40ノズル分となり、すじの発生周期
は40ノズル幅分で1.69mm(25.4mm/600dp
i ×40画素)となる。つまり空間周波数は0.59cy
cles/mm である。それに対して10パスで印字を行う
と、紙送りは8ノズル分となり、すじの発生周期は8ノ
ズル幅分で、0.338mm(25.4mm/600dpi ×
8画素)であり、従って、空間周波数は、3.0cycles
/mm である。この場合、図14から明らかなように、2
パス記録時に発生するすじの周期よりも10パス記録時
に発生するすじの周期のほうが目立ちにくいことが分か
る。
毎に完成する印字領域が小さくなり、全体の画像を印字
するための時間が増してしまうという問題がある。たと
えば、分割数を増し2パス印字を10パス印字にする
と、単純に考えると5倍もの時間を要することになる。
たマルチパス印字の特徴を生かしつつ、スループットの
低下なしに特につなぎすじの問題を解消し、高画質化を
実現することができる記録装置および記録方法を提供す
ることにある。
複数の記録素子を配列した記録ヘッドを用いて記録媒体
に記録を行う記録装置であって、記録ヘッドと記録媒体
とを相対的に移動させることにより、記録媒体に対する
記録ヘッドの走査を行う走査手段と、記録ヘッドと記録
媒体とを相対的に移動させることにより、記録媒体を記
録ヘッドの走査方向とは異なる方向へ搬送する紙送り手
段と、前記走査手段と前記紙送り手段とを制御して前記
紙送り手段による記録媒体の搬送を介した複数回の前記
記録ヘッドの走査を行うことにより、該複数回の走査で
記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドの異なる記録素
子を対応させて、記録を行ない前記記録ヘッドの走査毎
に順次記録を完成させて行くマルチパス制御手段と、該
マルチパス制御手段による記録制御に用いられる画像デ
ータをマスク処理によって生成する手段であって、前記
走査毎に記録が完成する領域に対応づけられる記録ヘッ
ドの複数の記録素子群のうち、当該配列における端部の
記録素子群に対する記録比率を他の記録素子群に対する
記録比率より小さくするマスク処理を行うマスク手段
と、を具えたことを特徴とする。
体の搬送量は、記録ヘッドの全記録素子による記録幅の
約数でない量であることを特徴とする。
ドを用いて記録媒体に記録を行う記録方法であって、記
録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させることによ
り、記録媒体に対する記録ヘッドの走査を行う走査手段
と、記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させること
により、記録媒体を、記録ヘッドの走査方向とは異なる
方向へ搬送する紙送り手段とを用意するステップと、前
記走査手段と前記紙送り手段とを制御して前記紙送り手
段による記録媒体の搬送を介した複数回の前記記録ヘッ
ドの走査を行うことにより、該複数回の走査で記録媒体
の同一領域に対して記録ヘッドの異なる記録素子を対応
させて、記録を行ない前記記録ヘッドの走査毎に順次記
録を完成させて行くマルチパス記録を制御するステップ
と、該マルチパス記録を制御するステップにおける記録
制御に用いられる画像データをマスク処理によって生成
するステップであって、前記走査毎に記録が完成する領
域に対応づけられる記録ヘッドの複数の記録素子群のう
ち、当該配列における端部の記録素子群に対する記録比
率を他の記録素子群に対する記録比率より小さくするマ
スク処理を行うステップと、を有したことを特徴とす
る。
体の搬送量は、記録ヘッドの全記録素子による記録幅の
約数でない量であることを特徴とする。
する領域それぞれの記録において、その領域を記録する
のにある走査では記録ヘッドにおける端部の記録素子群
が対応してその領域を記録するためその走査では記録領
域の境界が形成されることになり、つなぎすじを生じ易
くなるが、マスク処理によってこの場合の記録比率を小
さくしてあるので、仮りにつなぎすじが生じたとしても
その濃度を低いものとすることができる。また、紙送り
量を全記録素子による記録幅の約数でない量とすること
により、各走査毎に形成される記録領域の端部がその境
界で互いに隣接しないようにすることができるため、つ
なぎすじを発生させる大きな原因を排除できるととも
に、記録領域の1つの端部の存在によって仮につなぎす
じが生じたとしてもその周期を紙送り量より小さなもの
とすることができる。
配列した記録ヘッドを用いて記録媒体に記録を行う記録
装置であって、記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動
させることにより、記録媒体に対する記録ヘッドの走査
を行う走査手段と、記録ヘッドと記録媒体とを相対的に
移動させることにより、記録媒体を、記録ヘッドの走査
方向とは異なる方向へ搬送する紙送り手段と、前記走査
手段と前記紙送り手段とを制御して前記紙送り手段によ
る記録媒体の搬送を介した複数回の前記記録ヘッドの走
査を行うことにより、該複数回の走査で記録媒体の同一
領域に対して記録ヘッドの異なる記録素子を対応させ
て、記録を行ない前記記録ヘッドの走査毎に順次記録を
完成させて行くマルチパス制御手段と、該マルチパス制
御手段による記録制御に用いられる画像データをマスク
処理によって生成する手段であって、前記走査毎に記録
が完成する領域に対応づけられる記録ヘッドの複数の記
録素子群のうち、当該配列における端部以外の記録素子
群に対する記録比率をゼロとするマスク処理を行うマス
ク手段と、を備えたことを特徴とする。
ドを用いて記録媒体に記録を行う記録方法であって、記
録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させることによ
り、記録媒体に対する記録ヘッドの走査を行う走査手段
と、記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させること
により、記録媒体を、記録ヘッドの走査方向とは異なる
方向へ搬送する紙送り手段とを用意するステップと、前
記走査手段と前記紙送り手段とを制御して前記紙送り手
段による記録媒体の搬送を介した複数回の前記記録ヘッ
ドの走査を行うことにより、該複数回の走査で記録媒体
の同一領域に対して記録ヘッドの異なる記録素子を対応
させて、記録を行ない前記記録ヘッドの走査毎に順次記
録を完成させて行くマルチパス記録を制御するステップ
と、該マルチパス記録を制御するステップにおける記録
制御に用いられる画像データをマスク処理によって生成
するステップであって、前記走査毎に記録が完成する領
域に対応づけられる記録ヘッドの複数の記録素子群のう
ち、当該配列における端部以外の記録素子群に対する記
録比率をゼロとするマスク処理を行うステップと、を有
したことを特徴とする。
を目立たなくしたり、つなぎすじの発生周期を紙送り量
より小さなものとすることができる。
施形態を詳細に説明する。
記録装置の一例を示す概略斜視図である。記録装置10
0の給紙位置に挿入された記録媒体106は、送りロー
ラ109によって記録ヘッドユニット103による記録
可能領域へ搬送される。記録可能領域における記録媒体
の下部には、プラテン108が設けられる。キャリッジ
101は、ガイド軸a104とガイド軸b105の2つ
のガイド軸と摺動可能に係合しこれらに沿った方向に移
動可能に設けられており、これにより、不図示の駆動機
構より、駆動力を得て記録領域を往復走査することがで
きる。キャリッジ101には、異なる色のインクを吐出
する複数の記録ヘッドと、それぞれの記録ヘッドにイン
クを供給するインクタンクとを含む記録ヘッドユニット
103が搭載されている。本例のインクジェット記録装
置に設けられる複数の色のインクは、図2にて後述され
るようにブラック(Bk)、シアン(C)、マゼンタ
(M)、イエロー(Y)の4色である。
その移動領域の下部に回復系ユニット110が設けられ
ており、非記録時に記録ヘッドの吐出口部をキャップす
る等、吐出回復処理に用いられる。この左端を記録ヘッ
ドのホームポジションと呼ぶ。
スイッチ部は記録装置の電源のオン/オフや各種記録モ
ードの設定時等に使用され、表示素子部は記録装置の種
々の状態を表示する機能を果たす。
構成を示す斜視図である。キャリッジ101にはBk、
C、M、Yのインクを吐出する記録ヘッド102と、B
k用タンク20K、C用タンク20C、M用タンク20
M、Y用タンク20Yが搭載される。各タンクは記録ヘ
ッドとの接続部を介して記録ヘッドと接続し、それぞれ
対応する記録ヘッドにインクを供給する。これらの記録
ヘッドおよびインクタンクは、それぞれ独立に着脱でき
るように設けられている。
ては、これらが一体構造であってもよく、または黒以外
の色のインクのタンクが一体構造であっても良い。さら
には、高画質化のために同系色のインクについて異なる
濃度のインクを用いるためそれらの記録ヘッドおよびイ
ンクタンクをさらに備えてもよい。
装置における主に制御構成を示すブロック図である。
べき文字や画像のデータ(以下、「画像データ」とい
う)は記録装置の受信バッファ301に一旦格納され
る。また、正しくデータが転送されているか否かを確認
するデータや記録装置の動作状態を知らせるデータが記
録装置からホストコンピュータに帰される。受信バッフ
ァ301に格納されたデータは、CPUを有した制御部
302の管理のもとでメモリ部303のRAM(ランダ
ムアクセスメモリ)に転送され、一次的に格納される。
2からの指令によりキャリッジモータやラインフィード
モータ等のメカ部305の駆動を制御する。センサ/S
Wコントロール部306は、各種センサやSW(スイッ
チ)からなるセンサ/SW部307からの信号を制御部
302に送る。表示素子コントロール部308は、制御
部302からの指令により表示パネル群のLEDや液晶
表示素子等からなる表示素子部309を制御する。記録
ヘッドコントロール部310は制御部302からの指令
により記録ヘッド102におけるインク吐出のための駆
動を制御する。また、記録ヘッド102の状態を示す温
度情報等について、これらが検知され制御部302に伝
えられる。
り行われる本発明の一実施形態に係る記録方法を以下に
説明する。
は、記録ヘッドのノズルを3つのノズル群に分割し、各
スキャンで両端部のノズル群によって印字される領域の
印字デューティーを少なくし、かつ、紙送り量を全ノズ
ル数の約数でないノズル数に対応した量にすることによ
り、特につなぎすじを低減させる方法について説明す
る。
を用いた印字の課程を説明する図である。
つ記録ヘッド102と、このヘッドに対応したマスクM
11を模式的に示す図である。マスクM11は画素単位
で表わされる画像データに対応して縦10画素分、横4
画素分の大きさを持ち、図中グレーで示す部分が画像デ
ータを有効とする部分である。10個のノズル1021
は3つのノズル群(ノズル群a1,b1,c1)に分け
られ、それに対応するマスクM11は図に示すように、
3個の領域に分けられる。両端のノズル群a1およびc
1に対応するそれぞれ2ノズル分に対応する領域は、画
像データの8画素に対して2画素のデータを有効とする
ものである。これを1/4duty、または25%dutyと呼
ぶ。ノズル群b1に対応する中央の6ノズル分の領域
は、画像データの24画素に対して12画素のデータが
有効とされ、これを1/2duty、または50%dutyと呼
ぶ。各スキャンでは、常に、図4(b)に示したように
同一のマスクが同一のノズルに対応する。もちろん、マ
スクは、その領域毎に、以下で示すように2回または3
回のスキャンでデータを有効する部分が互いに補完する
ような構成となっている。また、マスクの具体的構成
は、周知のようにマスクデータによって構成されるもの
であり、画像データを有効とする部分は、画像データと
の論理積演算に供するマスクデータが、例えば“1”で
あるデータを有する部分である。
スクM11を用いて本実施形態の記録方法により記録を
完成していく過程を示す図である。なお、図示の例で
は、最終的に記録される画像は横4ドット、縦16ドッ
ト以上のすべての画素を印字するいわゆるベタの矩形で
あるとする。紙送り量は4ノズル幅分(本明細書におい
ては、この「ノズル幅」とは、ノズルピッチを表わすも
のとする)であり、本ヘッドの全使用ノズル数は10ノ
ズルであるので、紙送り量は全使用ノズル数の約数でな
い数のノズル幅になっている。また、説明のため、記録
された領域を縦2画素分ずつ区切り、領域11〜領域1
8とする。
キャンと第2スキャンの各スキャンで1/2dutyずつ印
字し、2回のスキャンで印字を完成させる。いわゆる2
パス印字となっている。領域12は、第1スキャンで1
/4duty、第2スキャンで1/2duty、第3スキャンで
1/4dutyでそれぞれ印字し、合計3回のスキャンで印
字を完成させる3パス印字となっている。同様に、領域
13では、第2スキャンと第3スキャンで1/2dutyず
つ印字して2パス印字、領域14では第2スキャン、第
3スキャン、第4スキャンで印字して3パス印字、領域
15は第3スキャンと第4スキャンで印字して2パス印
字でそれぞれ完成される。
方法では、1回のスキャンで印字されるそれぞれの領域
の端部は、他のスキャンで印字される領域の端部と隣接
しない。つまり、従来のマルチパス印字方法では、例え
ば図13に示したように、2パス印字の場合、第1スキ
ャンで印字される領域の下端部と第3スキャンで印字さ
れる領域の上端部は隣接するため、わずかな紙送りの誤
差があってもとその誤差によって端部同士が互いに離れ
たり(白すじ)、あるいは重なる(黒すじ)印字がなさ
れ、つなぎすじを生じやすい。これに対し、本実施形態
の方法では各領域の端部同士が隣接しないため、仮に紙
送りの誤差があっても端部の離れや重なりという現象自
体を生じることがなく、すじそのものの発生が押さえら
れる。
低くなっているため、紙送りの誤差によって各スキャン
間の印字領域がずれたり、各スキャン間の印字時間差に
よって各領域の濃度が違っても端部の濃度が薄く印字さ
れるため、誤差の影響がつなぎ目すじ等の濃度むらとな
って現われにくくなる。さらに、従来のマルチパス印字
では、紙送り量の周期ですじが発生していたが、本例で
は、紙送り量が4ノズル幅分であるのに対し、つなぎす
じ等が発生するような印字領域の端部の周期は端部同士
が隣接しないようにした結果、2ノズル幅分となり、仮
につなぎすじが発生したとしてもその発生周期を紙送り
量よりもさらに短くでき、これにより、スループットの
低下を伴うことなくすじを目立ちにくくすることができ
る。
幅の紙送りを伴って2パスと3パスで印字が完成される
例を示したが、さらなる高画質化はマルチパスのパス数
を増すことで達成できる。図5はさらにパス数を増した
場合のマスクの一例を示す図である。マスクM12は、
上例と同様に、10個のノズルを持つ記録ヘッドに対応
し、縦10画素分、横6画素分の大きさを持つ、図中、
グレーで示す部分が画像データを有効とする部分であ
る。マスクM12は、上例と同様に3つの領域に分けら
れ、上下それぞれの1ノズル幅の領域では6画素に対し
て1画素のデータを有効とすると1/6dutyの印字比率
であり、中央の8ノズル幅分の領域は、48画素に対し
て16画素のデータを有効とする1/3dutyである。本
マスクを用いて紙送り量を3ノズル幅に設定すると、3
回または4回のスキャンで各領域の記録が完成する。
られない。さらに大きなサイズのマスクとすることや、
マスクの有効とする部分にランダム性を持たせることは
高画質化に有効である。いずれの場合でも記録ヘッドの
複数のノズルを所定数の隣接するノズルごとにノズル群
とし、各ノズル群で印字するテューティーを異ならせ、
特に印字境界部分を作る端部のノズル群の記録デューテ
ィーを小さくし、紙送り量を印字ノズル数の約数でない
数に対応した量にすることによって、本実施形態の効果
が得られる。すなわち、つなぎすじの主要な原因となる
印字領域の端部同士が隣接することが防止され、つなぎ
すじ自体が発生し難くなるとともに、つなぎすじが発生
したとしてもそのものの濃さが減り、さらにすじの周期
が短くなる。その結果、すじが目立ちにくくなり、スル
ープットの大幅な低下なしに高画質記録を実現すること
ができる。
録ヘッドの複数のノズルをいくつかのノズル群に分割
し、端部のノズル群の記録デューティーを小さくし、な
おかつ紙送り量を記録ヘッドの全使用ノズル数の約数で
ない数のノズル幅に対応した幅とすることで、つなぎす
じの発生もしくは顕在化の低減を図った。しかし、端部
ノズル群に対する記録デューティーを小さくするだけで
もつなぎすじが特に顕在化することを低減できることは
上述した通りであり、本実施形態はこの例を示すもので
ある。
を用いたマルチパス印字の課程を説明する図である。
ドと、このヘッドの吐出データを作成する際に用いるマ
スクM21を模式的に示す図である。マスクM21は画
像データの縦9画素分、横4画素分に対応した大きさを
持ち、図中グレーで示す部分が画像データを有効とする
部分である。9個のノズルは3つのノズル群(ノズル群
a2,b2,c2)に分けられ、一方、各ノズルに対応
するマスクM21も図に示すように、3つの領域に分け
られる。ノズル群a2、ノズル群c2に対応する領域で
は12画素に対して3画像のデータが有効とされ、印字
比率は1/4dutyである。ノズル群b2に対応する中央
の3ノズル分の領域は、12画素に対して6画素のデー
タを有効とするものであり、印字比率は1/2dutyとな
る。実施形態1と同様に、各スキャンでは常に同一のマ
スクが同一のノズルに対応する。また、ノズル群a2の
マスクパターン、ノズル群b2のマスクパターンおよび
ノズル群c2のマスクパターンは互いに補完の関係にあ
ることは勿論である。
ドとマスクを用いて記録を行った場合の記録の完成して
いく課程を示す図である。本実施形態では、紙送り量は
3ノズル幅分である。この結果、上述した実施形態とは
異なり、各スキャンの印字領域の端部同士が隣接するこ
とが生じる。例えば図6(b)に示す例では、第1スキ
ャンの印字領域の下端部と第4スキャンの印字領域の上
端部が隣接する。これにより、つなぎすじの発生そのも
のを抑制することはできず、また、すじの短周期化の効
果は得られないが、以下に示すように、端部ノズル群の
記録デューティーを小さくすることにより、つなぎすじ
が発生したとしてもその濃度をうすくでき、目立たなく
なることができる。
ずつ区切り、領域21〜領域24とすると、まず領域2
1を完成させるためには、第1スキャンで1/4dutyの
印字をし、第2スキャンでは1/2dutyの印字をし、第
3スキャンで残りの1/4dutyの印字をして、3回のス
キャンで印字を完成させる。領域22は、第2スキャン
で1/4duty、第3スキャンで1/2duty、第4スキャ
ンで1/4dutyで印字して記録を完成させる。以下、同
様にすべての領域が3スキャンで完成されていく。
ば、各スキャンの印字領域の上端部と下端部は他のスキ
ャンの印字領域のそれぞれ下端部と上端部に隣接してつ
なぎすじを発生させる可能性があるがこれら上,下端部
を含む印字領域を記録するノズル群の1スキャン当りの
デューティーが低く設定されているため、つなぎすじが
生じたとしても、その濃度を薄くすることができ、これ
により、つなぎすじを目立たなくすることができる。
は、間引きマスクを1種類設定し、毎スキャン同じ間引
きマスクを使用し、かつ、毎回の紙送り量が一定である
例を示した。本例では、スキャンごとにマスク、紙送り
量が異なる例を示す。
を用いた印字の課程を説明する図である。
ノズルを持つ記録ヘッドと、このヘッドに供給される画
像データに対応させる2種類の記録マスクM31および
M32を模式的に示す図である。マスクM31およびM
32は、画像データの縦10画素分、横4画素分に対応
した大きさを持ち、図中グレーで示す部分が画像データ
を有効とする部分である。10個のノズルは3つのノズ
ル群(ノズル群a3,b3,c3)に分けられ、それに
対応するマスクM31,M32は図に示すように、3つ
の領域に分けられる。ノズル群a3、ノズル群c3に対
応する上下のそれぞれ2ノズル幅分の領域では8画素に
対して2画素のデータが有効とされ、デューティーは1
/4dutyとなる。ノズル群b3に対応する中央の6ノズ
ル幅分の領域は、24画素に対して12画素のデータを
有効とされ、デューティーは1/2dutyである。
ッドとマスクM31,M32を用いて記録を行った場合
の、記録の完成していく過程を示す図である。図7
(b)において、奇数スキャンではマスクM31、偶数
スキャンではマスクM32をそれぞれ用い、紙送り量は
奇数スキャン印字後は2ノズル幅、偶数スキャン印字後
は6ノズル幅とする。図において、記録された領域を縦
2画素幅分ずつ区切り、領域31〜領域38とすると、
まず、領域31、領域32を完成させるためには、第1
スキャンと第2スキャンの各スキャンで1/2dutyずつ
印字し、2回のスキャンで印字を完成させる2パス印字
になっている。領域33は、第1スキャンで1/4dut
y、第2スキャンで1/2duty、第3スキャンで1/4d
uty印字し、合計3回のスキャンで印字を完成させる3
パス印字になっている。同様に、領域34では第2スキ
ャン、第3スキャン、第4スキャンで印字して3パス印
字、領域35および領域36は第3スキャンと第4スキ
ャンで印字して2パス印字でそれぞれの記録が完成され
る。なお、マスクM31およびM32は、以上の複数回
スキャンによる記録で各領域毎に画像データの抜けがな
いよう補完のパターンとなっていることは勿論である。
対応するノズル群の記録デューティーを下げているため
つなぎすじと目立たなくする上で効果がある。さらに、
スキャン毎に紙送り量を変えることによりすじ発生の周
期が短くなり、つなぎすじが目立ちにくくなる。
とに設定する方法を示したが、マスクのみスキャンごと
に設定し、紙送り量は毎スキャン同じ量で行っていても
よく、また、マスクは1種類のみ設定し、紙送り量をス
キャンごとに設定してもよい。いずれにしても最終的に
印字が補完し、つなぎすじの低減が図れるマスク、およ
び紙送り量を設定すればよい。
び3では、記録ヘッドのノズル群の中央部分と端部とで
吐出デューティーを変え、つなぎ目を目立たなくする記
録方法について説明した。これに対し本実施形態では、
特につなぎすじの発生周期に着目し、人の目で認識しに
くい細かい周期でつなぎすじを発生させることによっ
て、かえってつなぎすじを見えにくくする記録方法につ
いて説明する。
を用いた印字の課程を説明する図である。
のノズルを持つ記録ヘッドと、このヘッドの吐出データ
を作成する際に用いる記録マスクM41を模式的に示す
図である。マスクM41は画像データの縦10画素分、
横4画素分に対応した大きさを持ち、図中グレーで示す
部分が画像データを有効とする部分である。記録ノズル
は図に示すように、3つの領域に分けられる。上の4ノ
ズルをノズル群a4とし、ノズル群a4に対するマスク
は千鳥パターンのマスクであり、16画素に対して8画
素のデータが有効とされる、1/2dutyとなっている。
下の4ノズルをノズル群c4とし、ノズル群c4に対す
るマスクに逆千鳥パターンのマスクであり、デューティ
ーは1/2dutyである。中央の2ノズルをノズル群b4
とし、このノズル群に対応するマスクは0%duty、つま
りこれらのノズル群によって印字はなされない。各スキ
ャンでは、常に同一のマスクが同一のノズルに対応す
る。
とマスクM41を用いて記録を行った場合の、記録の完
成していく過程を示す図である。なお、上述の各実施形
態と同様に、最終的に記録される画像は、横4ドット、
縦16ドット以上の100%duty(ベタ)の矩形である
とする。紙送り量は4ノズル幅分である。説明のため、
記録された領域を縦2画素幅分ずつ区切り、領域41〜
領域48とする。
1スキャンと第2スキャンの各スキャンで1/2dutyず
つ印字し、2回のスキャンで印字を完成させていて、2
パス印字となる。領域42を完成させるためには第1ス
キャンと第3スキャンで各スキャン1/2dutyずつ印字
し、スキャンは3回であるが、うち2回のスキャンで印
字を完成させているので、領域41と同様に2パス印字
となる。以下、同様に領域43、領域44、領域45…
とすべての領域が2パスで完成されていく。
可能性のある位置を矢印で示す。同図において、第1ス
キャンと第2スキャン、第2スキャンと第3スキャン、
第3スキャンと第4スキャン…、というように、スキャ
ンのつなぎ目でノズル群a4およびノズル群c4の端部
が隣接し、つなぎすじが発生するのは従来と同様であ
る。この場合のつなぎすじの周期は紙送り量と同じ周期
(本例では4ノズル幅)である。しかし、本実施形態の
場合ヘッド内で使用するノズルを限っているため(ノズ
ル群b4を使用しないため)、ノズル群a4によって発
生するつなぎすじ(図中、二重矢印の位置)と、ノズル
群c4によって発生するつなぎすじ(図中、矢印の位
置)が2ノズル幅分だけずれることになる。その結果、
記録された画像のつなぎすじは2ノズル幅の周期に見
え、つなぎすじが細かくなり、すじが目立ちにくくな
る。
ことは勿論である。十分に短く、目立たない周期となる
つなぎすじが作れるようなパターンであればよい。ノズ
ル群の分割も3分割に限られず、より多くしても少なく
してもよい。例えば、図9に示すように、ノズル群を5
つの領域に分割し(ノズル群a5〜ノズル群e5)、ノ
ズル群b5およびノズル群d5は画像データを有効とし
ない(そのノズル群を使用しない)マスクを、ノズル群
a5、ノズル群c5、ノズルe5には1/2dutyのマス
クを設定してもよい。この場合、紙送り量を4ノズル幅
分とした場合、つなぎすじは、その発生可能性がある個
所がずれることにより2ノズル幅の周期となる。
たせることはキャリッジのずれなどのメカニカルなノイ
ズや、インクの吐出方向などのヘッドのノイズを目立た
なくさせるのに有効である。さらに、本例では1種類の
マスクを設定し、毎回の紙送り量も一定の場合を示した
が、複数種類のマスクを設定してスキャンごとに変えた
り、不規則な紙送りをしてもよい。特に、本実施形態の
場合、印字に使用しないノズルがあるので、複数種類の
マスクを用意してスキャンごとに変えることにより、印
字を行わないノズルを分散させることは使用ノズルの偏
りを防ぎ、ヘッドの寿命を延ばす点で有効である。さら
に、印字に使用しないノズルの位置が異なる複数種類の
マスクを用意し、ページごとに換えるのもヘッドの高寿
命化に有効である。どのようなパターンを使用しても、
最終的に印字される画像が、データの抜けがなく補完し
ていなければならないことは勿論である。
のうち、端部以外のノズル群を印字に使用しないように
設定することによって、つなぎすじの発生箇所を分散さ
せ、短周期化を図ることができる。その結果、つなぎす
じを目立たなくさせることで高画質化を図ることができ
る。
ジェット方式の記録ヘッドを用いた例について説明した
が、本発明の適用はこのような方式に限られず、例えば
熱転写方式、感熱方式等の記録ヘッドに用いることがで
きるのは勿論である。
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
走査毎に記録が完成する領域それぞれの記録において、
その領域を記録するのにある走査では記録ヘッドにおけ
る端部の記録素子群が対応してその領域を記録するため
その走査では記録領域の境界が形成されることになり、
つなぎすじを生じ易くなるが、マスク処理によってこの
場合の記録比率を小さくしてあるので、仮りにつなぎす
じが生じたとしてもその濃度を低いものとすることがで
きる。さらに、紙送り量を全記録素子による記録幅の約
数でない量とすることにより、各走査毎に形成される記
録領域の端部がその境界で互いに隣接しないようにする
ことができるため、つなぎすじが発生する大きな原因を
排除できるとともに、記録領域の1つの端部の存在によ
って仮につなぎすじが生じたとしてもその発生周期を紙
送り量より小さなものとすることができる。
上のノズル群を印字に使用しないことにより、つなぎす
じの発生を分散させ、つなぎすじの周期を短くすること
により、つなぎすじを見えにくくすることができる。
にマルチパス記録の特徴を生かしつつすじを目立たなく
させ、高画質化を図ることができる。
図である。
の斜視図である。
である。
に係るマルチパス印字に用いるマスクと印字の完成する
過程を説明する図である。
クの他の例を説明する図である。
に係るマルチパス印字に用いるマスクと印字の完成する
過程を説明する図である。
に係るマルチパス印字に用いるマスクと印字の完成する
過程を説明する図である。
に係るマルチパス印字に用いるマスクと印字の完成する
過程を説明する図である。
の他の例を説明する図である。
ある記録状態を説明する図である。
印字(分割記録)を説明する図である。
印字による印字過程を説明する図である。
紙送りと印字ピッチの不整合によりすじが発生する状態
を説明する図である。
る。
Claims (13)
- 【請求項1】 複数の記録素子を配列した記録ヘッドを
用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、 記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させることによ
り、記録媒体に対する記録ヘッドの走査を行う走査手段
と、 記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させることによ
り、記録媒体を記録ヘッドの走査方向とは異なる方向へ
搬送する紙送り手段と、 前記走査手段と前記紙送り手段とを制御して前記紙送り
手段による記録媒体の搬送を介した複数回の前記記録ヘ
ッドの走査を行うことにより、該複数回の走査で記録媒
体の同一領域に対して記録ヘッドの異なる記録素子を対
応させて、記録を行ない前記記録ヘッドの走査毎に順次
記録を完成させて行くマルチパス制御手段と、 該マルチパス制御手段による記録制御に用いられる画像
データをマスク処理によって生成する手段であって、前
記走査毎に記録が完成する領域に対応づけられる記録ヘ
ッドの複数の記録素子群のうち、当該配列における端部
の記録素子群に対する記録比率を他の記録素子群に対す
る記録比率より小さくするマスク処理を行うマスク手段
と、を具えたことを特徴とする記録装置。 - 【請求項2】 前記マスク手段は、前記走査毎に記録が
完成する領域に対する複数回の走査により、各走査毎の
記録が補完されるようなマスク処理を行うことを特徴と
する請求項1に記載の記録装置。 - 【請求項3】 前記紙送り手段による記録媒体の搬送量
は、記録ヘッドの全記録素子による記録幅の約数でない
量であることを特徴とする請求項1または2に記載の記
録装置。 - 【請求項4】 前記マルチパス制御手段は、前記紙送り
手段による記録媒体の搬送量を、前記記録ヘッドの走査
毎に変更することを特徴とする請求項3に記載の記録装
置。 - 【請求項5】 複数の記録素子を配列した記録ヘッドを
用いて記録媒体に記録を行う記録装置であって、 記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させることによ
り、記録媒体に対する記録ヘッドの走査を行う走査手段
と、 記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させることによ
り、記録媒体を、記録ヘッドの走査方向とは異なる方向
へ搬送する紙送り手段と、 前記走査手段と前記紙送り手段とを制御して前記紙送り
手段による記録媒体の搬送を介した複数回の前記記録ヘ
ッドの走査を行うことにより、該複数回の走査で記録媒
体の同一領域に対して記録ヘッドの異なる記録素子を対
応させて、記録を行ない前記記録ヘッドの走査毎に順次
記録を完成させて行くマルチパス制御手段と、 該マルチパス制御手段による記録制御に用いられる画像
データをマスク処理によって生成する手段であって、前
記走査毎に記録が完成する領域に対応づけられる記録ヘ
ッドの複数の記録素子群のうち、当該配列における端部
以外の記録素子群に対する記録比率をゼロとするマスク
処理を行うマスク手段と、を備えたことを特徴とする記
録装置。 - 【請求項6】 前記マスク手段は、前記走査毎に記録が
完成する領域に対する複数回の走査により、各走査毎の
記録が補完されるようなマスク処理を行うことを特徴と
する請求項5に記載の記録装置。 - 【請求項7】 前記記録ヘッドの複数の記録素子は、そ
れぞれ熱エネルギーを利用してインクに気泡を生じさ
せ、該気泡の圧力によってインクを吐出することにより
記録を行うものであることを特徴とする請求項1ないし
6のいずれかに記載の記録装置。 - 【請求項8】 複数の記録素子を配列した記録ヘッドを
用いて記録媒体に記録を行う記録方法であって、 記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させることによ
り、記録媒体に対する記録ヘッドの走査を行う走査手段
と、記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させること
により、記録媒体を、記録ヘッドの走査方向とは異なる
方向へ搬送する紙送り手段とを用意するステップと、 前記走査手段と前記紙送り手段とを制御して前記紙送り
手段による記録媒体の搬送を介した複数回の前記記録ヘ
ッドの走査を行うことにより、該複数回の走査で記録媒
体の同一領域に対して記録ヘッドの異なる記録素子を対
応させて、記録を行ない前記記録ヘッドの走査毎に順次
記録を完成させて行くマルチパス記録を制御するステッ
プと、 該マルチパス記録を制御するステップにおける記録制御
に用いられる画像データをマスク処理によって生成する
ステップであって、前記走査毎に記録が完成する領域に
対応づけられる記録ヘッドの複数の記録素子群のうち、
当該配列における端部の記録素子群に対する記録比率を
他の記録素子群に対する記録比率より小さくするマスク
処理を行うステップと、を有したことを特徴とする記録
方法。 - 【請求項9】 前記マスク処理ステップは、前記走査毎
に記録が完成する領域に対する複数回の走査により、各
走査毎の記録が補完されるようなマスク処理を行うこと
を特徴とする請求項8に記載の記録方法。 - 【請求項10】 前記紙送り手段による記録媒体の搬送
量は、記録ヘッドの全記録素子による記録幅の約数でな
い量であることを特徴とする請求項8または9に記載の
記録方法。 - 【請求項11】 前記マルチパス記録を制御するステッ
プは、前記紙送り手段による記録媒体の搬送量を、前記
記録ヘッドの走査毎に変更することを特徴とする請求項
10に記載の記録方法。 - 【請求項12】 複数の記録素子を配列した記録ヘッド
を用いて記録媒体に記録を行う記録方法であって、 記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させることによ
り、記録媒体に対する記録ヘッドの走査を行う走査手段
と、記録ヘッドと記録媒体とを相対的に移動させること
により、記録媒体を、記録ヘッドの走査方向とは異なる
方向へ搬送する紙送り手段とを用意するステップと、 前記走査手段と前記紙送り手段とを制御して前記紙送り
手段による記録媒体の搬送を介した複数回の前記記録ヘ
ッドの走査を行うことにより、該複数回の走査で記録媒
体の同一領域に対して記録ヘッドの異なる記録素子を対
応させて、記録を行ない前記記録ヘッドの走査毎に順次
記録を完成させて行くマルチパス記録を制御するステッ
プと、 該マルチパス記録を制御するステップにおける記録制御
に用いられる画像データをマスク処理によって生成する
ステップであって、前記走査毎に記録が完成する領域に
対応づけられる記録ヘッドの複数の記録素子群のうち、
当該配列における端部以外の記録素子群に対する記録比
率をゼロとするマスク処理を行うステップと、を有した
ことを特徴とする記録方法。 - 【請求項13】 前記マスク処理ステップは、前記走査
毎に記録が完成する領域に対する複数回の走査により、
各走査毎の記録が補完されるようなマスク処理を行うこ
とを特徴とする請求項12に記載の記録方法。
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