JP3595663B2 - インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インクジェット記録装置およびインクジェット記録方法に関し、特に、高画質記録および高速記録のための構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータやワードプロセッサ等のOA機器が広く普及しており、これら機器で処理した情報をプリントアウトするための様々な記録装置が提供されており、また、このような装置の高画質化技術、高速化技術が急速に開発されつつある。
【0003】
(1)高画質化技術
高画質化技術の一例として、いわゆるマルチスキャン方式が知られている。
【0004】
インク吐出口等、複数の記録素子を有する記録ヘッドを用いて記録を行う場合、記録される画像の品位は記録ヘッドそのものの性質に依存するところが大きい。例えば、記録ヘッドの上記記録素子を構成する吐出口の形状や電気熱変換体(吐出ヒータ)の配設位置のバラツキ等、記録ヘッドの製作工程において生じる僅かな違いは、それぞれ吐出されるインクの吐出量や吐出方法の向きに影響を及ぼし、最終的に形成される画像の濃度ムラとして画像品位を劣化させる原因となることがある。
【0005】
その具体例を図1および図2を用いて説明する。図1(a)において、101は記録ヘッドを模式的に示し、説明の簡略化のため8個のインク吐出口102を有するものとして示されている。103はそれぞれの吐出口102によって吐出されたインクドロップレットを示し、通常は同図に示すように略同一の吐出量で、かつ同一の方向にインクが吐出されるものとして想定されている。そして、このような吐出が行われることにより、図1(b)に示すように、紙面上には略同一の大きさのドットが形成され、記録画像全体でも濃度ムラの無い一様な画像が得られる(図1(c)参照)。
【0006】
しかし、実際には、先にも述べたように吐出口の各々にはそれぞれ吐出量等の吐出特性にバラツキがあることが多く、このため、何らの対策も講じずにそのまま吐出を行うと、図2(a)に示すように、それぞれの吐出口より吐出されるインクドロップの大きさおよび向きにバラツキが生じ、紙面上においては同図(b)に示すようにそれらの位置およびサイズが異なるドットが形成される。例えば同図に示すように、ヘッド主走査方向において、周期的にエリアファクタ100%を満たせない白紙の部分が存在したり、また逆に必要以上にドットが重なり合ったり、あるいは同図中央に見られるような白筋が発生したりする。このような状態のドットの集まりによって形成される画像は、吐出口の配列方向において図2(c)に示す濃度分布となり、結果的には、通常人間の目でみた限りで、これらの現象が濃度ムラとして感知される。
【0007】
そこでこの濃度ムラ対策として次のような方法が知られている。図3および図4によりその方法を説明する。
【0008】
この方法によると、図3に示すように図1もしくは図2で示した記録領域を完成させるのにヘッド201を3回走査させるが、その半分の4画素分の領域は2回の走査(以下、2パスともいう)で完成する。この場合、ヘッド201の8個のインク吐出口202は、上4吐出口と、下4吐出口のグループに分けられるとともに、1つの吐出口が1回のスキャンで吐出するインクにより形成するドットは、その走査方向配列において約半分に間引いたものである。そして2回目のスキャンにおいて残りの半分のドットを補完的に形成し、4画素分の領域の記録が完成する。以上説明したような記録方法を、以下マルチスキャン方式と称する。
【0009】
この記録方式を用いると、図2で示したヘッドと等しいものを使用しても、各吐出口固有の記録領域への影響が半減されるので、記録された画像は図3(b)のようになり、図2(b)において見られるような黒スジや白スジがそれ程目立たなくなる。従って、濃度ムラも図3(c)に示すように、図2の場合と比べ、比較的よく緩和される。
【0010】
このような記録を行う際、1スキャン目と2スキャン目では、画像データをある決まった配列に従い、互いに補完するように分割するが、通常この画像データの配列(間引きパターン)とは図4に示すように、縦横1画素毎に、丁度千鳥格子になるようなものを用いるのが最も一般的である。単位記録領域(ここでは4画素分)においては千鳥格子を記録する1スキャン目(同図(a)または(c))と、逆千鳥格子を記録する2スキャン目(同図(b))によって記録が完成する。
【0011】
また、通常各走査の間に行われる被記録媒体搬送の量は一定に設定しており、図3および図4に示す例では、4吐出口分ずつ均等に搬送するものである。
【0012】
(2)高速化技術
高速化技術の一例として、記録ヘッドの吐出口数を増加させる構成が考えられる。記録ヘッドが有する吐出口をすべて使用して1回の走査で記録を行うシリアル記録の場合、給紙、排紙等の時間があるため厳密には比例関係にはならないが、記録速度は使用する吐出口の数の増加と共に上昇する。例えば、配列密度が360dpiで64個の吐出口を有する記録ヘッドを用いた場合、A4サイズの被記録媒体への記録は約60回の記録走査で完成することができるが、同じ配列密度で256個の吐出口を有する記録ヘッドでは約15回の記録走査で記録が完成し、全体的な記録速度は上昇して約4倍に近い速度の記録を行うことが可能となる。
【0013】
しかし、この場合、前者のヘッドは吐出口配列長さが約4.5mm(=25.4mm/360dpi×63吐出口間隔)程度になるのに対して、後者のヘッドは約18mm(=25.4mm/360dpi×255吐出口間隔)程度と、略4倍の長さを有することになる。原理的には吐出口配列長さにより、記録ドットの着弾位置精度が変化することはないが、実際の装置では、大量生産を行うため、製造上の精度を考慮する必要がある。例えば、図5に示すように、記録ヘッドの取り付ける角度の較差によって着弾位置にズレを生じることがある。例えば、基準となる画像上のカラム方向に対して、記録ヘッドの取り付け角度が0.3°傾いている場合、64個の吐出口を有する記録ヘッドでは、最大約23μm(=4.5mm×sin0.3°)のズレが生じるのに対して、256個の吐出口を有する記録ヘッドでは最大約94μm(=18mm×sin0.3°)のズレを生じてしまう。360dpiの画像では画素間隔が約70μmであり、この場合、64個の吐出口の記録ヘッドでは上記ズレは大きな画像上の問題にはならないが、256個の吐出口の記録ヘッドでは1画素以上ズレることになり、致命的な問題となる。
【0014】
また、図6に示すように記録ヘッドそのものが湾曲している場合、もしくは吐出方向が偏向している場合も同様、図6に示すように着弾位置のズレが吐出口配列長さによって顕著なものとなり大きな画像上の弊害となることもある。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
このような吐出口配列長さに起因した着弾位置のズレが顕著な場合において、濃度ムラを防止するため前述したマルチスキャン方式による記録を行った場合、画像の同一ラスタを異なる吐出口で形成することになるが、これらの吐出口について図5,図6で上述した着弾位置ズレは用いる吐出口の位置に応じた規則的なものであり、マルチスキャン方式によってこのようなズレの影響は緩和されることは少なく、このため着弾位置のズレは解消されず、このズレに起因するテキスチャ(模様)を生じてしまうことになる。
【0016】
すなわち、従来のマルチスキャン方式では、吐出口の吐出特性のバラツキ等に起因する濃度ムラに関して充分に効果を得ることができるが、高速化が図られて、より多くの吐出口が用いられる場合には、記録ヘッドにおけるこの吐出口配列の長さに起因した着弾位置のズレによってテキスチャが発生することになる。
【0017】
本発明は上記問題点を解消するためになされたものであり、その目的とするところは、記録ヘッドの着弾位置ズレに起因するテキスチャを抑制したマルチスキャン方式の記録が可能なインクジェット記録装置およびインクジェット記録方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明では、複数の吐出口を配列した記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、記録ヘッドに記録のための走査を行わせる走査手段と、記録ヘッドに対し相対的に、前記複数の吐出口の配列方向に被記録媒体を搬送する紙送り手段と、前記走査手段および前記紙送り手段を制御し、記録ヘッドのn(nは2以上の整数)回の走査により、一の走査ラインに対して異なるn個の吐出口を補完的に対応させて記録を行う場合において、前記記録ヘッドのn回の走査および該n回の各走査の間の(n−1)回の紙送りを行うことにより前記走査ラインの所定数に対応した大きさの所定領域の記録を完成させるとともに、当該完成させた所定領域に隣接する次の、前記走査ラインの所定数に対応した大きさの前記所定領域への記録に移行するためにn回目の紙送りを行う記録制御手段とを具え、前記(n−1)回の紙送りそれぞれの紙送り量fk は、fk <A/n(ここで、kは1≦k≦n−1を満たす整数であり、Aは前記複数の吐出口の数×吐出口ピッチ)を満たし、前記n回目の紙送り量f n は、f n =A−f k ・(n−1)を満たし、前記走査ライン各々を記録するのに使用されるn個の吐出口のうち、1回目の走査で使用される吐出口とn回目の走査で使用される吐出口との前記配列方向における距離は(n−1)×A/n未満であることを特徴とする。
また、複数の吐出口を配列した記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、記録ヘッドに記録のための走査を行わせる走査手段と、記録ヘッドに対し相対的に、前記複数の吐出口の配列方向に被記録媒体を搬送する紙送り手段と、前記走査手段および前記紙送り手段を制御し、記録ヘッドのn(nは2以上の整数)回の走査により、一の走査ラインに対して異なるn個の吐出口を補完的に対応させて記録を行う場合において、前記記録ヘッドのn回の走査および該n回の各走査の間の(n−1)回の紙送りを行うことにより前記走査ラインの所定数に対応した大きさの所定領域の記録を完成させるとともに、当該所定領域に対する記録の最後の走査時に当該所定領域に隣接する次の、前記走査ラインの所定数に対応した大きさの前記所定領域に対する最初の記録を行う記録制御手段とを具え、前記(n−1)回の紙送りそれぞれの紙送り量f k は、f k <A/n(ここで、kは1≦k≦n−1を満たす整数であり、Aは前記複数の吐出口の数×吐出口ピッチ)を満たし、前記走査ライン各々を記録するのに使用されるn個の吐出口のうち、1回目の走査で使用される吐出口とn回目の走査で使用される吐出口との前記配列方向における距離は(n−1)×A/n未満であることを特徴とする。
【0019】
好ましくは、前記fk は、fk <A/2(n−1)を満たすことを特徴とする。
【0020】
また、複数の吐出口を配列した記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行うに際し、記録ヘッドのn(nは2以上の整数)回の走査により、一の走査ラインに対して異なる吐出口を補完的に対応させて記録を行うインクジェット記録方法であって、記録ヘッドのn回の走査を行い、および該n回の各走査の間に(n−1)回の紙送りを行い、これにより前記走査ラインの所定数に対応した大きさの所定領域に対する記録を完成させる工程と、前記完成させた所定領域に隣接する次の前記所定領域への記録に移行するために、n回目の紙送りを行う工程とを有し、前記(n−1)回の紙送りそれぞれの紙送り量fk は、fk <A/n(ここで、kは1≦k≦n−1を満たす整数であり、Aは前記複数の吐出口の数×吐出口ピッチ)を満たし、前記n回目の紙送り量f n は、f n =A−f k ・(n−1)を満たし、前記各走査ライン各々を記録するのに使用されるn個の吐出口のうち、1回目の走査で使用される吐出口とn回目の走査で使用される吐出口との前記配列方向における距離は(n−1)×A/n未満であることを特徴とする。
【0021】
好ましくは、前記fk は、fk <A/2(n−1)を満たすことを特徴とする。
【0022】
以上の構成によれば、記録ヘッドのn回の走査(nは2以上の整数)およびこのn回の各走査の間の送り量fk (k=1,…,n−1)の紙送りを行うことにより所定の大きさの領域を記録する場合に、fk を少なくともA/n(Aは吐出口の数×吐出口ピッチ)より小さく設定するので、同一ラインで使用される吐出口を、上記吐出口配列においてより近い吐出口同士にすることができ、これにより、記録ヘッドの製造上の精度や記録ヘッドの取り付け角度等の誤差に起因した上記同一ラインを形成する吐出口相互の位置ずれを小さなものとすることができる。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
【0024】
図7ないし図12は、本発明が実施もしくは適用される好適なインクジェットユニットIJU、インクジェットヘッドIJH、インクタンクIT、インクジェットカートリッジIJC、インクジェット記録装置本体IJRA、キャリッジHCのそれぞれおよびそれぞれの関係を説明するための説明図である。以下これらの図面を用いて各部構成の説明を行う。
【0025】
(i)装置本体の概略説明
図7は、本発明が適用されるインクジェット記録装置IJRAの概観図の一例である。図7において、リードスクリュ5004は駆動モータ5013の正逆回転に連動し駆動力伝達ギア5011,5009を介して回転する。一方、リードスクリュ5004の螺旋溝5005にはキャリッジHCに設けられたピン(不図示)が係合し、これにより、キャリッジHCはリードスクリュの回転に応じて矢印aまたはb方向に往復移動することができる。このキャリッジHCには、インクジェットカートリッジIJCが搭載され、その記録走査の間にインクを吐出し記録を行う。5002は紙押え板であり、キャリッジ移動経路に沿って被記録媒体としての記録紙をプラテン5000に対して押圧する。5007,5008はフォトセンサであり、キャリッジのレバー5006のこの域での存在を確認して、モータ5013の回転方向切換等を行うためのホームポジション検知手段を構成する。5016は記録ヘッドの前面をキャップするためのキャップ5022を指示するための部材であり、5015はこのキャップ内を吸引する吸引手段であり、キャップ内開口5023を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。5017はクリーニングブレードであり、5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする支持する部材である。部材5019は本体支持板5018に支持されている。なお、ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブレードを本例に適用できることはいうまでもない。
【0026】
また、5024は温度センサであり、インクジェット記録装置がおかれている環境の温度を検出することができる。また、その検出温度に基づいて記録ヘッドの温度を推定することも可能となる。この温度検出手段はインクジェットカートリッジIJCに取り付けられていても良く、直接インクジェットユニットIJUに取り付けても良い。
【0027】
また、5021は、吸引回復の吸引を開始するためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラッチ切換等の公知の伝達手段によって伝達されてその移動が制御される。
【0028】
なお、これらのキャッピング、クリーニング、吸引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきたときにリードスクリュ5005の作用によってそれらの対応位置で所望の処理を行えるように構成されているが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれば、本例には何れの構成も適用することができる。
【0029】
本例のインクジェットカートリッジIJCは、図7に明らかなように、インクの収納割合が大きくなっているもので、インクタンクITの前方面よりわずかにインクジェットユニットIJUの先端部が突出した形状である。このインクジェットカートリッジIJCは、インクジェット記録装置本体IJRAに載置されているキャリッジHCの後述する位置決め手段、および電気的接点とによって固定支持されると共に、このキャリッジHCに対して着脱可能に構成されている。
【0030】
(ii)インクジェットユニットIJU構成説明
インクジェットユニットIJUは、電気信号に応じて膜沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギーを生成する電気熱変換体を用いて記録を行う方式のユニットである。
【0031】
(iii )ヒータボードの説明
図8は本実施形態で使用しているヘッドのヒータボード100を示す模式図である。ヘッドの温度を制御するために用いる温調用(サブ)ヒータ8d、インクを吐出させるための64個の吐出用(メイン)ヒータからなるヒータ列8g、および駆動素子8hが同図で示されるような位置関係で基板上に形成されている。このように各素子を同一基板上に配することでヘッド温度の検出、制御を効率よく行うことができ、さらにヘッドのコンパクト化、製造工程の簡略化を図ることができる。また、同図には、ヒータボードがインクで満たされる領域と、そうでない領域とに分離する天板(不図示)の外周壁断面8fの位置を斜線で示す。この天板の外周壁断面8fのヒータ列8g側が、共通液室として機能する。なお、天板にはヒータ列8gに対応して溝部が設けられており、これにより各ヒータ8cに対応した液路が形成される。
【0032】
(iv)制御構成の説明
次に、上述した装置構成の各部の記録制御を実行するための制御構成について、図9に示すブロック図を参照して説明する。制御回路を示す同図において、10はホスト装置との間で記録信号等の授受を行うためのインターフェース、11はMPU、12はMPU11が実行する制御プログラムを格納するプログラムROM、13は各種データ(上記記録信号やヘッドに供給される記録データ等)を保存しておくダイナミック型のRAMであり、記録ドット数や、インク記録ヘッドの交換回数等も記憶することができる。14は記録ヘッド18に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイであり、インターフェース10、MPU11、RAM13間のデータの転送制御も行う。20は記録ヘッド18の走査のための移動の駆動源をなすキャリモータ、19は記録用紙搬送のための駆動源をなす搬送モータである。15は記録データに基づきヘッドを駆動してインクを吐出させるためのヘッドドライバ、16,17はそれぞれ搬送モータ19、キャリアモータ20を駆動するモータドライバである。
【0033】
図10は、図9におけるゲートアレイ14等の詳細を示すブロック図である。ゲ1トアレイ14は、データラッチ141、セグメント(SEG)シフトレジスタ142、マルチプレクサ(MPX)143、コモン(COM)タイミング発生回路144、デコーダ145を有している。記録ヘッド18において、図8に示したヒータ列8gを形成する64個の吐出ヒータH1〜H64を駆動するためダイオードマトリックス構成を採用しており、かつ8ブロック毎の分割駆動を行うものであり、コモン信号COMとセグメント信号SEGがともにアクティブされたところの吐出用ヒータに駆動電流が流れ、これによりインクが加熱され吐出が行われる。
【0034】
デコーダ145は、コモンタイミング発生回路144が発生したタイミングをデコードして、上記コモン信号COM1〜8のいずれか1つを選択する信号を生成する。データラッチ141は、RAM13(図9参照)から読み出されて図12にて後述する処理がなされた記録データ140を8ビット単位でラッチし、これに対しマルチプレクサ143はこのラッチした記録データをセグメントシフトレジスタ142に従い、セグメント信号SEG1〜8として出力する。マルチプレクサ143からの出力は、後述するように1ビット単位、2ビット単位、または8ビット全てなど、シフトレジスタ142の内容によって種々変更することができる。
【0035】
図9および図10に示す、上記制御構成の動作を説明すると、インターフェース10に記録信号が入力されるとゲートアレイ14とMPU11との間で、記録信号をプリント用の記録データに変換する処理が行われる。そして、モータドライバ16および17を介してそれぞれモータ18および20の駆動が制御されるとともに、ヘッドドライバ15に送られた記録データに従って記録ヘッド18が駆動され、記録動作が行われる。なお、本実施形態では、64個のヒータを用いた記録ヘッドを駆動する場合について説明してきたが、吐出ヒータの数はこれに限られず、いずれの数でも同様な構成で駆動制御を行うことができる。
【0036】
図11は、本実施形態の記録装置内部での記録データの流れを説明する図であり、同図に示す各バッファはDRAM13(図9参照)に構成されるものである。
【0037】
ホストコンピュータからの記録データはインターフェースを介して受信バッファに送られ、ここに記憶される。受信バッファは数k〜数十kバイトの容量を有している。受信バッファに蓄えられた記録データに対してコマンド解析が行われてからテキストバッファへ送られる。テキストバッファでは、一行分の中間形式として記録データが保持され、各文字の記録位置、修飾の種類、大きさ、文字(コード)、フォントのアドレス等が付加される処理が行われる。テキストバッファの容量は各機種毎により異なり、シリアルプリンタであれば数行分の容量、ページプリンタであれば1ページ分の容量を有している。さらにテキストバッファに蓄えられた記録データは、展開されてプリントバッファに2値化された状態で蓄えられ、最終的に記録ヘッドに記録データとして送られ、記録が行われる。なお、本実施形態では、プリントバッファに蓄えられている2値化データに特定の割合で間引きマスクパターンを用いた間引き処理を行い、その間引きされた信号を記録ヘッドに送るようにしている。そのため、プリントバッファに蓄えられている状態のデータを見てからマスクパターンを設定することもできる。また、上述の構成の代わりにテキストバッファを有することなく、受信バッファに蓄積した記録データをコマンド解析と同時に展開してプリントバッファに書き込むこともできる。
【0038】
図12は、以上示した構成においてマルチスキャン方式の記録を行うための構成を示すブロック図である。
【0039】
同図において101はメモリデータバスに接続され、メモリ13中のプリントバッファ130に蓄えられているプリントデータを読み出して一時的に格納するためのデータレジスタ、102はデータレジスタ101に格納されたデータをシリアルデータに変換するためのパラレル−シリアル変換器、103はシリアルデータにマスクをかけるためのANDゲート、104はデータ転送数を管理するためのカウンタである。
【0040】
105はMPUデータバスに接続され、マスクパターンを格納するためのレジスタ、106はマスクパターンの桁位置を選択するためのセレクタ、107はマスクパターンの行位置を選択するためのセレクタ、108はMPUデータバスに接続され、伸張量を設定するためのレジスタ、109は伸張数をカウントするためのカウンタ、110は伸張量レジスタ108の値と伸張カウンタ109の値を比較するコンパレータ、および111は桁位置を管理するためのカウンタである。
【0041】
図12に示すデータ転送回路はMPU11から送られる記録信号により、プリントヘッドに64ビットのプリントデータをシリアル転送する。メモリ中のプリントバッファに蓄えられていたプリントデータはデータレジスタ101に一時的に格納され、パラレル−シリアル変換器102によってシリアルデータに変換される。変換されたシリアルデータはANDゲート103によってマスクをかけられた後、プリントヘッドに転送される。転送カウンタ104は転送ビット数をカウントして64に達すると、データ転送を終了させる。
【0042】
マスクレジスタ105は4個のマスクレジスタA,B,C,Dより構成され、CPUによって書き込まれたマスクパターンを格納する。各レジスタは縦4ビット×横4ビットのマスクパターンを格納する。セレクタ106はカラムカウンタ111の値を選択信号とすることによって桁位置に対応したマスクパターンデータを選択する。また、セレクタ107は転送カウンタ104の値を選択信号とすることによって行位置に対応したマスクパターンデータを選択する。セレクタ106,107によって選択されたマスクパターンデータにより、ANDゲート103を用いて転送データにマスクがかけられる。
【0043】
なお、本実施形態では、4つのマスクレジスタ構成で説明したが、これは他のマスクレジスタ数であってもよい。また、マスク処理が施された転送データは直接記録ヘッドに供給したが、一旦プリントバッファに格納する構成であってもよい。
【0044】
以上、図7〜図12に示した本実施形態のインクジェット記録装置における本発明の実施形態を以下に説明する。
【0045】
(実施形態1)
以下、第1の実施形態として、同一走査ラインに対して異なる吐出口を対応させて記録を行い、n回(nは2以上の整数)の走査で記録を完成するマルチスキャン方式において、1つの記録領域に関して、各走査の間にヘッドに対して記録紙を移動させる量を、使用する全吐出口数×吐出口ピッチを2(n−1)で割った値より小さく設定した構成を用いて、高速化のため多くの吐出口を用いることに起因した濃度ムラを解消することについて説明する。
【0046】
上記記録紙の移動量(送り量)の設定を含む記録シーケンスを図13に示す。
【0047】
まず、ステップS1で記録データを取り込む。次に、ステップS2で使用する記録ヘッドの吐出口数×吐出口ピッチ:Aを設定する。これはROM等の記憶媒体に予め設定しておき、装着された記録ヘッドの種類を検知し、それに対応するAの値をROMから読み出すことにより設定することができる。また、使用する記録ヘッドが単一のものであれば、本シーケンスとは別に予め設定しておくこともできる。次に、ステップS3で記録走査数:nを設定する。マルチスキャン方式において複数回の走査で記録する1つの記録領域に関する上記記録走査回数は使用している記録ヘッドや記録すべきデータの種類、または本体の設定やユーティリティソフト等に応じて切り換えることができる。
【0048】
次に、ステップS4では1つの記録領域の記録を複数回の走査で完成させるための紙送り(以下、「同一領域内での紙送り」ともいう)か、あるいは次の記録領域への紙送りかを判別し、同一領域内での紙送りである場合は、ステップS5で、次式で示される送り量を設定する。すなわち、同一領域内での送り量:fk は
【0049】
【数1】
fk <A/2(n−1) …(1)
ここで、kは1≦k≦n−1を満たす整数
を満たすように設定されており、これは予め記録走査回数に応じて記憶媒体に格納されているものである。なお、この送り量は、任意に設定を変えることも可能であり、式(1)の条件を満たしていれば、より小さい値の方がテキスチャの抑制にはより効果的である。ここで設定された送り量で、次のステップS7で紙送りを行い記録に備える。
【0050】
一方、ステップS4で、同一領域内での紙送りでないと判断したときは、ステップS6で、送り量を次式のように設定する。ここでの送り量:fn は、次の記録領域への紙送りのためのものであり、
【0051】
【数2】
fn =A−fk ・2(n−1) …(2)
と設定される。この送り量は予め記憶媒体に記憶しておいても良いし、fk の値から計算しても良い。ステップS6で設定した送り量を用い、ステップS8で紙送りを行い記録に備える。
【0052】
次に、ステップS9で記録ヘッドを走査させながら記録を行い、この走査を終了すると、ステップS10で記録データがあるのか否かを判別して、記録データがあれば、ステップS4に戻り、上述した処理を繰り返し、一方、記録データが無いと判断したときは、本シーケンスを終了する。
【0053】
なお、本シーケンスでは、同一記録領域内における上記送り量を、上記の条件の範囲内で、種々設定することが可能であり、ユーザーが任意に設定したり、環境温度等の他の要因に応じて設定することもできる。また、記録走査回数によって送り量を変えたり、また、1種類の記録走査回数に対して複数の送り量を設定することもできる。
【0054】
ここで、比較のため従来のマルチスキャン方式法を用いて記録を行った場合について図14を参照して説明する。図14は360dpiの密度で256個の吐出口を有する記録ヘッドで4パス記録を行う場合を示すものである。すなわち、1つの記録領域に対して、第1走査で記録ヘッドの第1吐出口から第64吐出口、第2走査で第65吐出口から第128吐出口、第3走査で第129吐出口から第192吐出口、第4走査で第193吐出口から第256吐出口をそれぞれ用い、それぞれ64個の吐出配列の長さ、すなわちA/4の長さの紙送りをしながら記録を行う。このような4パス記録を行うと、いずれの記録領域においてもその領域内の位置に応じて1つのラインを記録するために使用される吐出口の組み合わせは常に一定であり、例えば、図中の着目ラインでは、第1、第65、第129および第193の吐出口の組み合わせとなる。
【0055】
ここで、吐出口列が、ヘッドの取り付け角度等の影響で0.3°傾いていたとすると、第1吐出口で記録したドットを基準とする場合、それぞれの吐出口によるドット位置のズレ量は第65吐出口によるドットは約23.6μm(=25.4mm/360dpi×64吐出口×sin0.3°)、第129吐出口によるドットは約47.2μm(=25.4mm/360dpi×128吐出口×sin0.3°)、第193吐出口では約70.9μm(=25.4mm/360dpi×192吐出口×sin0.3°)となる。このように第1吐出口によるドットと第193吐出口によるドットとの間では、360dpiの1画素ピッチ分のズレを有していることになる。同一記録領域内の他のラインでも同様のズレを生じる。すなわち、図14に示すように各記録領域内では各走査で記録されるドットが一律に走査方向において一定のズレを生じ、その結果、それぞれの走査で記録するドット配列を定めるマルチスキャンに係る間引きのパターンに応じたテクスチャを生じることになる。
【0056】
図14に示した従来例に対し、図15は本発明を適用した記録方式を示すものである。図15は上記従来例との比較のため256個の吐出口を有した記録ヘッドを用い、4パス記録を行う場合を示すが、この吐出口の数は本発明を本質的に限定するものでないことはこれまでの説明から明らかである。本発明では、同一の記録領域内での紙送り量は、上式(1)に従い、全吐出口数分の長さ(吐出口数×吐出口ピッチ、以下同様)を2(n−1)で割った値以下である。すなわち、
【0057】
【数3】
256吐出口分の長さ/2(4−1)=42.7吐出口分の長さ
より少ない紙送り量とする。
【0058】
図15に示す例では、紙送り量は、1つの記録領域内での各走査間の送り量を上記の条件を満たす4吐出口分の長さとしている。すなわち、図15に示すように、第1走査と第2走査、第2走査と第3走査、第3走査と第4走査のそれぞれの間では4吐出口分の長さの紙送りを行う。
【0059】
以上からも明らかなように、本実施形態では、同一領域内での紙送りの送り量の設定は、吐出口配列の長さに起因する着弾誤差を解消すべく、着弾位置精度を2倍以上とすることやマルチスキャン方式のプリントを行うことを可能とすること等の条件に基づいて行われるものである。すなわち、本実施形態の場合は、マルチスキャン方式において本発明を適用しない場合の少なくとも2倍の着弾位置精度を確保するため、(N−1)に2を乗じた値によって、全吐出口分の長さを割った値に基づいて紙送り量を定めるものとしたが、本発明の適用はこのような例に限られないことは勿論である。例えば、着弾位置精度を2倍以上とすることが必ずしも必要でない場合は、後述の実施形態4のように、単にnによって全吐出口分の長さを割った値に基づいて紙送り量を定めるようにしてもよい。
【0060】
一方、次の記録領域へ移行するための送り量は、前述の式(2)より、
【0061】
【数4】
256吐出口分の長さ−4・2(4−1)=232吐出口分の長さ
とする。すなわち、この送り量を第4走査と第5走査の間の送り量とする。
【0062】
図14に示す例と同様に吐出口列が、ヘッドの取り付け角度等の影響で0.3°傾いているとすると、第1吐出口により記録したドットを基準としたときの各吐出口によるドットのズレ量は、第5吐出口によるドットは約1.5μm(=25.4mm/360dpi×4吐出口分×sin0.3°)、第9吐出口によるドットでは約3.0μm(=25.4mm/360dpi×8吐出口×sin0.3°)、第13吐出口によるドットでは約4.4μm(=25.4mm/360dpi×12吐出口×sin0.3°)となる。
【0063】
このズレ量は図14に示す従来例の場合に比べてかなり小さく、人間の視覚によって認識することは困難であり、従って、このズレに起因したテキスチャは発生しないがほとんど目立たないものとなる。なお、本実施形態では、4吐出口分の送りについて説明したが、他の送り量でも、上記条件を満たせば同等の効果を得ることができる。しかし、同一記録領域内での送り量は小さい方がテキスチャ発生の抑制にはより効果的である。
【0064】
また、1つのラインに対して、複数(ここでは4個の)の異なる吐出口を対応させて記録を行っているので、マルチスキャン方式が有する、吐出口個々の吐出特性のバラツキに起因した濃度ムラを抑制する効果を損なうことはない。
【0065】
以上説明したように、1つの記録領域内での各走査間における被記録媒体の移動量、および次の記録領域に移動する移動量をそれぞれ式(1),式(2)に従って、それぞれ設定することで、同一ラインで使用される吐出口をそれらの配列においてより近い吐出口同士にすることができる。これにより、記録ヘッドの製造上の精度や記録ヘッドの取り付け角度等の影響によるドットのズレ量を小さくすることが可能となり、従来のマルチスキャン方式において発生することがあったドット位置ズレに起因するテキスチャを抑制できるマルチスキャン方式と実現することが可能となる。
【0066】
(実施形態2)
本実施形態では、上記第1の実施形態で説明した構成に加え、各記録領域間のつなぎ部分でこのつなぎスジの発生を抑制する構成を加えたマルチスキャン方式について説明する。
【0067】
すなわち、本実施形態では、記録領域間でのつなぎスジが比較的目立ち易い被記録媒体に記録を行う場合、つなぎスジをなるべく発生させないように、1つの記録領域に対する記録における最後の走査と、次の記録領域に対する最初の走査とを同一のものとする記録を行う。
【0068】
図16は本実施形態の記録方式を説明する図であり、256個の吐出口を有した記録ヘッドを用いて1ラインを4パスで記録する場合を示している。同一の記録領域内での各走査間の紙送り量を40吐出口分とし、次の記録領域への送り量は0としている。すなわち、同図において、記録領域1に対する記録の最後の走査である第4走査は、次の記録領域2に対する最初の走査になっている。つまり、第4走査においては、記録領域1に対する最後の記録を行うと同時に、記録領域2の第1走査である最初の記録を行うものである。
【0069】
以上の条件から、前述の式(2)において、次の記録領域への送り量を0とし、1つの記録領域内での送り量:fk を40吐出口分とすると、
【0070】
【数5】
0=A−40・2(4−1)
A=240×吐出口ピッチ
となる。つまり、本実施形態では、256個の吐出口を有する記録ヘッドで使用するのは240個の吐出口であり、残りの16個の吐出口は使用しない。
【0071】
図16に示す第4走査においては、2つの記録領域に対して同時に記録が行われる。これに対し、第1走査から第3走査の記録と、第5走査から第7走査の記録とでは、完全に記録領域毎にそれぞれ別個に記録が行われる。このため、各記録領域の境界の画像のつなぎ目では各記録領域間の記録時間差により、インクの定着状態等が異なり、その結果としてそのつなぎ目部分でスジが発生し易い状態となるが、最後の第4走査において次の記録領域も同時に記録を行うので、つなぎスジの発生を緩和することができる。
【0072】
このつなぎスジの発生の緩和についてさらに詳細に説明すると、第4走査で記録が行われる場合、記録領域1の記録と同時に記録領域2の記録も同時に行われるため、記録領域1の記録が完成していない状態で記録領域2の記録が行われることになり、つなぎスジを誘発する要因にはならない。また、第5走査以降においても、直前の走査で同一記録領域に対して記録が行われているため、つなぎ部に着弾したインク滴が記録領域1側のインクに一律に引き寄せられることはなく、記録領域2側へも分散されて引き寄せられる。このため、つなぎ部において部分的にインクの引き寄せにより濃度が高くなることはあっても、それが走査方向に連続することはなく、これにより、つなぎスジの発生が緩和される。
【0073】
ここで、つなぎスジの発生に関して、先に吐出されたインクに、隣接記録領域において後から吐出されたインクを重ねた場合、その重なり部分においては先に吐出されたインクよりも後に打たれたインクの方が紙面の厚み方向に沈む傾向にある。図17はこの現象を模式的に示す断面図である。この現象は、吐出されたインク中の染料等の色材が被記録媒体と物理的かつ化学的に結合するが、この時被記録媒体と色材との結合は有限であり、従って、色材の種類によって結合力に大きな差がない限り、先に吐出されたインクの色材と被記録媒体との結合が優先されて被記録媒体の表面に多く残ることになる。一方、後から吐出されたインクの色材は被記録媒体表面では結合しにくく、紙面の厚み方向に沈んで結合するからであると考えられる。さらに、被記録媒体内部での繊維レベルでのインクの挙動を考えた場合、一度インク中の染料等と結合した繊維は、全く結合していない状態に比べて親水性が強くなっており、そのため、親水性の強い部分に隣接して着弾したインク滴は、前のインク滴が着弾している方向に引き寄せられる傾向がある。
【0074】
従って、図18に示すようにすでに記録が終了している記録領域に隣接する記録領域を記録する場合、領域の境界部に着弾したインクは隣接する、すでに記録された記録領域に引き寄せられる。この結果、すでに記録が終了している記録領域の境界部では、部分的にインクの量が多くなってしまい、結果として濃度が高くなる。これが一部分で発生しているのであれば、さほど目立つことはないが、濃度の高い部分が走査方向につながると、これがつなぎスジとなる。つなぎスジはこのような現象であるため、本実施形態のマルチスキャン方式によって以上説明したようにつなりスジの発生を抑制することができる。
【0075】
また、図16において、1つのラインに着目して、記録されたドットの着弾位置精度を考えると、取り付け角度等の影響で0.3°傾いているとき、第1吐出口で記録したドットを基準とする場合、着弾位置のズレ量は、第41吐出口によるドットは約15.1μm(=25.4mm/360dpi×41吐出口分×sin0.3°)、第81吐出口によるドットは約29.6μm(=25.4mm/360dpi×81吐出口×sin0.3°)、第121吐出口によるドットは約44.7mm(=25.4mm/360dpi×121吐出口×sin0.3°)となる。このズレ量は図14に示す従来例の場合に比べて約半分程度になっており、これにより、着弾位置のズレに起因したテキスチャの発生が抑制される。
【0076】
以上説明してきたように、1つの記録領域に対する記録の最後の走査と、次の記録領域に対する最初の走査とを同一のものとすることによって、各記録領域間でのつなぎスジの発生を抑制すると共に、記録ヘッドの製造上の精度や記録ヘッドの取り付け角度等の影響による着弾位置のズレに起因するテキスチャを抑制することのできるマルチスキャン方式を実現することができる。
【0077】
なお、本実施形態の記録も、図13に示したシーケンスにより実施でき、また、その他の制御のための構成および処理は上記実施形態1と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0078】
(実施形態3)
本実施形態は、上記第2の実施形態と同様に各記録領域間のつなぎ部分でのつなぎスジの発生を抑制するマルチスキャン方式について説明する。
【0079】
図19は、本実施形態に係るマルチスキャン方式により記録を行った場合を説明する図である。同図においては、図15に示す第1の実施形態と同じ送り量を採用しており、同一の記録領域内では、4吐出口分の長さの紙送りを行う。しかし、本実施形態では、つなぎ部分として第2記録領域を設け、その幅を4吐出口分とする。従って、第4走査と第5走査との間の送り量は式(2)で求められる値につなぎ部分の幅:m、ここでは4吐出口分の長さを加えたものとする。これにより、本実施形態では、次の記録領域への移動量は、
【0080】
【数6】
fn =A−fk ・2(n−1)+m …(3)
となる。
【0081】
第1記録領域において、1つのラインに着目すると、そのラインで用いる吐出口は、第1、第5、第9、第13吐出口の組み合わせとなり、図15に示す第1の実施形態の場合と全く同様となる。また、第3記録領域についても、全く同様のことが言える。これにより、着弾位置のズレに起因するテキスチャの発生を抑制することができる。
【0082】
ここで、第2記録領域は第1記録領域と第3記録領域との間のつなぎスジを発生させないために設ける、つなぎ部分緩衝領域である。ここで、1つのラインに着目すると、そのラインで使用される吐出口は第4、第9、第245、第249吐出口であり、取り付け角度等の影響で0.3°傾いているとすると、第1吐出口で記録したドットを基準とした場合、着弾位置のズレ量は第4吐出口では約1.5μm(=25.4mm/360dpi×4吐出口×sin0.3°)、第245吐出口では約88.7μm(=25.4mm/360dpi×240吐出口×sin0.3°)、第249吐出口では約90.1μm(=25.4mm/360dpi×244吐出口×sin0.3°)となる。従って、この場合、着弾位置のズレに起因したテキスチャが発生し易くなる。しかし、第2記録領域の幅は4吐出口分(360dpiで約0.28mmの幅)であり、テキスチャが発生していても、極めて小さな部分であるため、人間の視覚によっては認識し難いものとなる。また、第1記録領域と第2記録領域との間のつなぎ部は従来のマルチスキャン方式と同様の方式によって記録されるため、つなぎスジは発生しない。
【0083】
このように、本実施形態においても、画像品位は全く問題がなく、各記録領域間にそれらの一部として、つなぎ部分緩衝領域を設けることにより、つなぎスジ等の問題の発生を防止できる。
【0084】
図20に示す記録方式は、図19に示した実施形態の変形例に関するものであり、同実施形態と同様に同一の第1記録領域内では4吐出口分の紙送りで記録を行い、つなぎ部分として8吐出口分の幅の第2記録領域を設けた場合を示している。第1記録領域で用いる吐出口の組み合わせは図19に示す場合と全く同じである。また、第2記録領域で使用される吐出口の組み合わせの一例は、第1、第4、第245、第249吐出口であり、図19に示す場合とほぼ同等と見なすことができる。従って、図20に示すマルチスキャン方式によってもつなぎスジ等の問題の発生を防止できる。
【0085】
次に、図21に示すマルチスキャン方式も同様のものであり、同一の第1記録領域内では4吐出口分の紙送りで記録を行い、つなぎ部分として4吐出口分の幅の第2記録領域、第3記録領域、第4記録領域を設けた場合を示している。この場合も図19に示す例とほぼ同様の効果を得ることができる。また、各走査において、使用しない吐出口は無く、吐出口の使用効率にも優れている。
【0086】
以上説明してきたように、本実施形態によれば、同一の記録領域内での各走査間での被記録媒体の移動量、および次の記録領域に移動する移動量をそれぞれ式(1)、式(3)に従って、それぞれ設定し、各記録領域間に記録領域の一部として、つなぎ部分緩衝領域を設けることにより、つなぎスジ等の問題の発生を防止できると共に、記録ヘッドの製造上の精度や記録ヘッドの取り付け角度等の影響による着弾位置のズレに起因するテキスチャを抑制することのできるマルチスキャン方式の記録を実現することができる。
【0087】
以上示した本実施形態の記録は図13に示したシーケンスと同様のシーケンスにより実施できるものであり、また、その他の制御構成および処理は前述の実施形態1と同様であるので、ここでは詳細な説明は省略する。
【0088】
(実施形態4)
上述した各実施形態では、着弾位置精度を、本発明を適用しない場合の少なくとも2倍とするものであったが、本発明の範囲はこのような構成に限定されないことは勿論である。例えば、記録ヘッドの湾曲がそれ程大きくない場合は、同一の記録領域内の紙送り量fk を、fk <A/nを満たすものとすることもできる。すなわち、従来例の紙送り量A/nよりは小さい値の範囲で紙送り量を定めることによって、記録ヘッドの湾曲の大きさ等に応じた適切なズレの補正を行うことができるとともに、紙送り量を上記範囲内でできるだけ大きなものとすることができ、全体的な記録速度の低下を抑制することも可能となる。
【0089】
この場合、次の記録領域への紙送り量fn は、nn =A−fk ・(n−1)となる。図22は本実施形態の紙送り量設定処理を示すフローチャートであり、図13に示す処理と同様の処理を示すものである。上述から明らかなように、図13に示す処理と異なる点は、ステップS50およびS60でそれぞれ設定する処理が、それぞれfk <A/nおよびfn =A−fk ・(n−1)である点である。
【0090】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、記録ヘッドのn回の走査(nは2以上の整数)およびこのn回の各走査の間の送り量fk (k=1,…,n−1)の紙送りを行うことにより所定の大きさの領域を記録する場合に、fk を少なくともA/n(Aは吐出口の数×吐出口ピッチ)より小さく設定するので、同一ラインで使用される吐出口を、上記吐出口配列においてより近い吐出口同士にすることができ、これにより、記録ヘッドの製造上の精度や記録ヘッドの取り付け角度等の誤差に起因した上記同一ラインを形成する吐出口相互の位置ずれを小さなものとすることができる。
【0091】
この結果、従来のマルチスキャン方式では抑制できなかった吐出口配列の誤差に起因する着弾位置のズレによるテキスチャを、抑制することのできるマルチスキャン記録を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a),(b)および(c)はインクジェット記録装置における理想的な記録状態の一例を示す図である。
【図2】(a),(b)および(c)は濃度ムラのある記録状態を示す図である。
【図3】マルチスキャン方式の一従来例により濃度ムラを抑制した記録を説明する図である。
【図4】(a),(b)および(c)はマルチスキャン方式における分割記録を説明する図である。
【図5】記録ヘッドの取り付け誤差等により、記録ヘッドが傾いた状態で記録が行われた場合を説明する図である。
【図6】吐出口配列が湾曲している記録ヘッドで記録した場合を説明する図である。
【図7】本発明が適用されるインクジェット記録装置本体の一例を示す斜視図である。
【図8】上記装置で用いられる記録ヘッドを構成するヒータボードを模式的に示す平面図である。
【図9】上記装置における制御構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示すゲートアレイ等の詳細を示すブロック図である。
【図11】上記装置における記録データの流れを説明する図である。
【図12】図9に示すゲートアレイ内に構成されるデータ転送回路を示すブロック図である。
【図13】本発明の第1実施形態に係る記録動作の特に紙送り量の設定処理を示すフローチャートである。
【図14】従来のマルチスキャン方式の一例を説明する図である。
【図15】本発明の第1の実施形態に係るマルチスキャン方式を説明する図である。
【図16】本発明の第2の実施形態に係るマルチスキャン方式を説明する図である。
【図17】連続して吐出される2つのインク滴の定着の様子を示す断面図である。
【図18】記録領域の境界部におけるつなぎスジの発生を説明する図である。
【図19】本発明の第3実施形態に係るマルチスキャン方式を説明する図である。
【図20】上記第3実施形態の変形例に係るマルチスキャン方式を説明する図である。
【図21】上記第3実施形態の他の変形例に係るマルチスキャン方式を説明する図である。
【図22】本発明の第4実施形態に係る記録動作の特に紙送り量の設定処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 インターフェース
11 MPU
12 ROM
13 DRAM
14 ゲートアレイ
15 ヘッドドライバ
16,17 モータドライバ
18 記録ヘッド
19 搬送モータ
20 キャリアモータ
Claims (3)
- 複数の吐出口を配列した記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
記録ヘッドに記録のための走査を行わせる走査手段と、
記録ヘッドに対し相対的に、前記複数の吐出口の配列方向に被記録媒体を搬送する紙送り手段と、
前記走査手段および前記紙送り手段を制御し、記録ヘッドのn(nは2以上の整数)回の走査により、一の走査ラインに対して異なるn個の吐出口を補完的に対応させて記録を行う場合において、前記記録ヘッドのn回の走査および該n回の各走査の間の(n−1)回の紙送りを行うことにより前記走査ラインの所定数に対応した大きさの所定領域の記録を完成させるとともに、当該完成させた所定領域に隣接する次の、前記走査ラインの所定数に対応した大きさの前記所定領域への記録に移行するためにn回目の紙送りを行う記録制御手段とを具え、
前記(n−1)回の紙送りそれぞれの紙送り量fkは、fk<A/n(ここで、kは1≦k≦n−1を満たす整数であり、Aは前記複数の吐出口の数×吐出口ピッチ)を満たし、
前記n回目の紙送り量fnは、fn=A−fk・(n−1)を満たし、
前記走査ライン各々を記録するのに使用されるn個の吐出口のうち、1回目の走査で使用される吐出口とn回目の走査で使用される吐出口との前記配列方向における距離は(n−1)×A/n未満であることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 複数の吐出口を配列した記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置であって、
記録ヘッドに記録のための走査を行わせる走査手段と、
記録ヘッドに対し相対的に、前記複数の吐出口の配列方向に被記録媒体を搬送する紙送り手段と、
前記走査手段および前記紙送り手段を制御し、記録ヘッドのn(nは2以上の整数)回の走査により、一の走査ラインに対して異なるn個の吐出口を補完的に対応させて記録を行う場合において、前記記録ヘッドのn回の走査および該n回の各走査の間の(n−1)回の紙送りを行うことにより前記走査ラインの所定数に対応した大きさの所定領域の記録を完成させるとともに、当該所定領域に対する記録の最後の走査時に当該所定領域に隣接する次の、前記走査ラインの所定数に対応した大きさの前記所定領域に対する最初の記録を行う記録制御手段とを具え、
前記(n−1)回の紙送りそれぞれの紙送り量fkは、fk<A/n(ここで、kは1≦k≦n−1を満たす整数であり、Aは前記複数の吐出口の数×吐出口ピッチ)を満たし、
前記走査ライン各々を記録するのに使用されるn個の吐出口のうち、1回目の走査で使用される吐出口とn回目の走査で使用される吐出口との前記配列方向における距離は(n−1)×A/n未満であることを特徴とするインクジェット記録装置。 - 複数の吐出口を配列した記録ヘッドを用い、被記録媒体にインクを吐出して記録を行うに際し、記録ヘッドのn(nは2以上の整数)回の走査により、一の走査ラインに対して異なる吐出口を補完的に対応させて記録を行うインクジェット記録方法であって、
記録ヘッドのn回の走査を行い、および該n回の各走査の間に(n−1)回の紙送りを行い、これにより前記走査ラインの所定数に対応した大きさの所定領域に対する記録を完成させる工程と、
前記完成させた所定領域に隣接する次の、前記走査ラインの所定数に対応した大きさの前記所定領域への記録に移行するために、n回目の紙送りを行う工程とを有し、
前記(n−1)回の紙送りそれぞれの紙送り量fkは、fk<A/n(ここで、kは1≦k≦n−1を満たす整数であり、Aは前記複数の吐出口の数×吐出口ピッチ)を満たし、
前記n回目の紙送り量fnは、fn=A−fk・(n−1)を満たし、
前記各走査ライン各々を記録するのに使用されるn個の吐出口のうち、1回目の走査で使用される吐出口とn回目の走査で使用される吐出口との前記配列方向における距離は(n−1)×A/n未満であることを特徴とするインクジェット記録方法。
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