JPH11129456A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH11129456A
JPH11129456A JP9298665A JP29866597A JPH11129456A JP H11129456 A JPH11129456 A JP H11129456A JP 9298665 A JP9298665 A JP 9298665A JP 29866597 A JP29866597 A JP 29866597A JP H11129456 A JPH11129456 A JP H11129456A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1パス印字とマルチパス印字が混在するよう
なときでも、スループットが低下しないインクジェット
記録装置を実現すること。 【解決手段】 インクを吐出する複数の吐出部を具備す
る記録ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回
走査させて画像を完成させるインクジェット記録装置に
おいて、前記記録ヘッドの複数の領域についてそれぞれ
設けられ、非記録画素と記録画素とが配列されて入力さ
れた記録ヘッドの複数の領域それぞれへの印字データを
異なる間引きパターンとするマスクパターンと、前記複
数の領域にそれぞれ設けられたマスクパターン毎にそれ
ぞれ設けられ、該マスクパターンによる間引き画像の形
成を実行するかを選択する間引き選択手段および印字デ
ータの送出を選択するデータ送信選択手段とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット記録
装置に関し、特に、1パス印字とマルチパス印字が混在
するようなときでも、効率よく印字を行うことのできる
インクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、インクジェットプリンタにおい
て、より高品位の画像出力を得ようとする場合、印字デ
ータにマスク処理を施すことを特徴とした、マルチパス
記録法という手段が用いられる。
【0003】マルチパス記録法は、記録ヘッドの吐出ノ
ズルの性能バラツキ、もしくは、記録データの濃度ムラ
に基づく画像劣化現象の解消を目的として行われるもの
で、特開平07−052389号公報に代表されるよう
な構成の実施型が、現在、製品化されている。
【0004】マルチパス記録法について4パス印字を例
とし、図10乃至図13を参照して以下に説明する。
【0005】まず、図10に使用される記録ヘッドのノ
ズルの形態を示す。図示するように、記録ヘッド500
は複数個のノズル505を有し、各々のノズル505か
らインクが吐出されて印刷が行われる。
【0006】4パス印字が行われる場合、記録ヘッド5
00のノズル部は4分割される。ここではそれぞれのブ
ロックが、分割領域501〜504として4分割されて
いる。なお、4パス印字を行う場合には、吐出データを
格納するRAM(不図示)からのデータ読み出しの関係
上、各分割領域501〜504に含まれるノズル数は、
8の倍数とする必要がある。
【0007】4パス印字は、各分割領域501〜504
を別々に運用することにより実現される。そのプリント
の様子を図11に示す。
【0008】ここでいう4パス印字とは、1つの印字領
域を4回の印字走査にて完成させる記録法である。各印
字走査において、25%デューティでの間引きのマスク
パターンを分割領域毎の印字データに設定し、4回の走
査で100%の画像を作成する手法である。
【0009】4パス印字では、例えば、図12に示すよ
うな、4×4のマスクパターンA1〜A4を用意する。
各マスクパターンA1〜A4のそれぞれは、図中網模様
で示されるマス目上の位置にマスクデータが存在し、各
マスクパターンA1〜A4を重ね合わせると、4×4の
マス目が全てマスクデータで埋まるように構成されてい
る。
【0010】図13に示されるようなプリントデータ8
00(ハッチング部分が印字データが有ることを示す)
に対して上記のマスクパターンA1〜A4を設定する。
ここで、プリントデータ800については印字データが
有る場合を1とし、無い場合を0とし、また、マスクパ
ターンA1〜A4についてはマスクデータが有る場合を
1とし、無い場合を0としてプリントデータ800と各
マスクパターンA1〜A4の同じ位置における論理和が
取られ、記録ヘッドの吐出データ801〜804がそれ
ぞれ生成される。4つの吐出データ801〜804を重
ね合せると、元のプリントデータ800と同じ印字画像
805が形成されることとなる。
【0011】マルチパス印字では、このようなマスクデ
ータの設定を、各印字走査において、印字ヘッド500
の各分割領域501〜504毎に行う。
【0012】図11はマルチパス印字を説明するための
図である。マルチパス印字の場合、まず、マスクパター
ンとして、A1〜A4のグループ、B1〜B4のグルー
プ、C1〜C4のグループ、D1〜D4のグループの、
4種類のマスクデータ群が使用される。各グループ内の
パターンは、いずれも、4つを重ね合せたときに100
%の画像が完成するようなパターンとされている。
【0013】実際の印刷は、以下のように行われる。
【0014】プリント画像上の第1印字領域は、1回目
の記録走査では、記録ヘッドの分割領域501にてマス
クパターンA1が設定され、記録が行われる。
【0015】続いて、第2記録走査では、第1印字領域
は、記録ヘッドの分割領域502にてマスクパターンA
2が用いられ、第2印字領域では、記録ヘッドの分割領
域501にて第1印字領域とはグループの異なるマスク
パターンB1を使っての印刷が行われる。
【0016】さらに、第3記録走査では、記録ヘッドの
分割領域503にて第1印字領域はマスクパターンA3
を、第2印字領域では、記録ヘッドの分割領域502に
てマスクパターンB2を、第3印字領域では、記録ヘッ
ドの分割領域501にて、これらとはグループの異なる
マスクパターンC1を用いての印刷が行われる。
【0017】そして、第4記録走査では、第1印字領域
では、記録ヘッドの分割領域504にてマスクパターン
A4を、第2印字領域では、記録ヘッドの分割領域50
3にてマスクパターンB3を、第3印字領域では、記録
ヘッドの分割領域502にてマスクパターンC2を、第
4印字領域では、記録ヘッドの分割領域501にて、ま
た、グループの異なるマスクパターンD1を用いての印
刷が行われる。このとき、第1印字領域は、4つのマス
クパターン、A1、A2、A3、A4を用いて、合計4
回の印字走査が行われ、この領域についての画像印刷は
完成となる。
【0018】同様の手順で、第2印字領域は、B1、B
2、B3、B4を用いて、第3印字領域はC1、C2、
C3、C4を用いて、第4印字領域はD1、D2、D
3、D4を用いての画像形成がなされる。また、このあ
と、第5印字領域は、再び、A1、A2、A3、A4を
用いて、第6印字領域はB1、B2、B3、B4を用い
ての印字と、この4グループのパターンを、繰り返し運
用しても印字が続けられていく。
【0019】このように、上記公報に開示される4つの
マスクパターンを運用した4パス印字の方法では、4つ
の印字領域毎に、同じグループのマスクパターンが使用
される。また、当然、2パス印字の場合には2つのマス
クパターンを、8パス印字の場合には8つのマスクパタ
ーンが繰り返し運用されていく。
【0020】以上、このマルチパス記録法という手段
は、同じ印字領域内に多種類のノズルを使用することで
吐出ノズルの性能バラツキに基づく画像劣下を防止し、
そして印字する領域毎にマスクパターンを周期的に変化
させることで記録データの濃度ムラに基づく画像劣下の
解消を行っている。
【0021】一般に、インクジェット記録装置において
は、印字モードの切り替え等により、1パス印字とマル
チパス印字が行われる。1パス印字はスループットを優
先させたい場合に使用され、マルチパス印字は印字品位
を優先させたい場合に使用することが多い。このように
用途が明確な場合には、同じページ内で異なる印字パス
が混在することは少ない。しかしながら、1パス印字に
よるスループットとマルチパス印字による印字品位を同
じページ内で両立させたいときなどには、同じページ内
で1パス印字とマルチパス印字を混在させることがあ
る。 上記のような同じページ内で1パス印字とマルチ
パス印字を混在させる例として、カラーインクジェット
プリンタにおいてカラーデータと黒データが隣接する部
分だけをマルチパスで印字し、それ以外は1パスで印字
するような場合がある。これは、カラー印字部の発色性
と黒印字部の耐水性を両立させたいときに、異なる性質
のカラーインクと黒インクを使用することがあるため
で、このように性質が異なるインクを用いて1パスで印
字を行う場合には、カラーデータと黒データが隣接する
部分ではインクの性質の違いにより、にじみが発生する
ことがある。
【0022】マルチパス印字は上記のにじみを回避する
ために行われるもので、カラーデータと黒データが隣接
する部分についてはマスクをかけてマルチパスで印字す
ることにより、1回に印字する濃度を下げることにより
にじみを少なくするものである。
【0023】同じページ内で1パス印字とマルチパス印
字を混在させる他の例としては、キャラクタデータにつ
いては1パス印字で、イメージデータについてはマルチ
パス印字で、というように印字データを解析しながら印
字種類を選択することがある。
【0024】上記のいずれの例においても、1パス印字
によるスループットとマルチパス印字による印字品位を
両立することを目的とするもので、このように同じペー
ジ内に1パス印字とマルチパス印字が混在するときの印
字制御の従来例を以下に示す。
【0025】図14〜図16は従来例を説明するための
図であり、従来のインクジェット記録装置で行われてい
た印字制御について以下に説明する。
【0026】図15は印字データを印字ヘッドに送信す
る部分の回路図を示している。本従来例は、印字の際に
上部、中部、下部についてそれぞれ印字を行う3個の印
字ヘッド651〜653を用いて印字を行うものであ
る。611〜613は各印字ヘッドに対する印字データ
であり、データ送信スイッチ621〜623、データマ
スクスイッチ631〜633およびマスクパターン64
1〜643をそれぞれ介して印字ヘッド651〜653
へ供給される。マスクパターン641は3パス印字3パ
ス目用とされ、マスクパターン642は3パス印字2パ
ス目用とされ、マスクパターン643は3パス印字1パ
ス目用とされている。
【0027】本従来例において、データ送信スイッチ6
21〜623がオンのときに印字データ611〜613
が送信され、オフのときに印字データ611〜613は
送信されない。データ送信スイッチ621〜623は各
印字ヘッド651〜653のそれぞれについて独立にオ
ン、オフすることができるように構成されている。
【0028】データマスクスイッチ631〜633は、
オンのときに各印字データ611〜613についてのマ
スク処理が施され、オフのとき印字データはそのまま各
印字ヘッド651〜653に送信される。データマスク
スイッチ631〜633は連動してオン、オフし、各印
字ヘッド651〜653のそれぞれについて独立にオ
ン、オフすることはできないように構成されている。
【0029】マスクパターン641〜643は間引きデ
ータを格納するバッファメモリで、データマスクスイッ
チ631〜633がオンにされたときに、印字データ6
11〜613とマスクパターン641〜643に格納さ
れた間引きデータとの論理和データが印字ヘッド651
〜653に送信される。各印字ヘッド651〜653は
送られてきたデータに応じて上部、中部、下部で3パス
印字を行うことにより、印字データが再現される。
【0030】図14は1パス印字とマルチパス印字が混
在した印字データの例を表している。ここでは簡単のた
め、1パス印字すべき部分かマルチパス印字すべき部分
かの区別のみ表している。
【0031】図16は、図14に示した印字データを図
15に示した従来例により印字したときの様子を説明す
るための図である。
【0032】図7中、701は印字データを示し、図5
に示した印字データと同じである。702〜711が各
パス毎に各印字ヘッド651〜653に与えられる印字
データ列を表している。印字データ列702〜711は
3個のブロックで示され、各ブロックは図面上方から順
に印字ヘッド651〜653に与えられるデータを示し
ており、空白のブロックはデータ送信スイッチ621〜
623がオフで印字データが出力されず印字が行われな
いことを示し、ハッチングが施されたブロックは印字デ
ータが出力されて印字が行われることを示している。
【0033】印字データ列702は1パス印字すべきデ
ータについて生成されたもので、上部の印字ヘッド65
1はデータの範囲外であるため、データ送信スイッチ6
21はオフ、データ送信スイッチ622および623が
オンとされる。また、1パス印字すべきデータであるこ
とからデータマスクスイッチ631〜623はオフとさ
れる。
【0034】印字データ列703〜705は3パス印字
すべきデータについて生成されたもので、各データ列の
いずれにおいてもデータマスクスイッチ631〜623
はオンとされる。ここで、ヘッドの上部、中部は印字デ
ータ列702によりすでに印字終了しているため、印字
データ列703〜705のそれぞれにおいてはデータ送
信スイッチ623、622、621が順にオンとされ、
それ以外はオフとされる。
【0035】印字データ列706は1パス印字すべきデ
ータについて生成されたもので、データマスクスイッチ
631〜633はオフとされ、データ送信スイッチ62
1〜623がオンとされる。
【0036】印字データ列707は1パス印字すべきデ
ータについて生成されたもので、データマスクスイッチ
631〜633はオフとされる。ヘッドの上部、中部は
印字データ列706によりすでに印字終了しているた
め、データ送信スイッチ623のみがオンとされ、これ
以外はオフとされる。
【0037】印字データ列708〜710は3パス印字
すべきデータについて生成されたもので、各データ列の
いずれにおいてもデータマスクスイッチ631〜623
はオンとされる。ここで、ヘッドの上部、中部は印字デ
ータ列706、707によりすでに印字終了しているた
め、印字データ列708〜710のそれぞれにおいては
データ送信スイッチ623、622、621が順にオン
とされ、それ以外はオフとされる。
【0038】印字データ列711は1パス印字すべきデ
ータについて生成されたもので、データマスクスイッチ
631〜623はオフとされ、データ送信スイッチ62
1〜623がオンとされる。
【0039】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来例におい
ては以下に示すような問題点があった。
【0040】印字データにマスクをかけるかどうかのス
イッチが複数の印字ヘッドに連動する構成であるため、
1パス印字とマルチパス印字を同時に行うことができな
かった。このため、1パス印字からマルチパス印字に切
り替えるときには、1パス印字が完了してからマルチパ
ス印字に切り替えなければならない。
【0041】また、マルチパス印字から1パス印字に切
り替えるときには、マルチパス印字が完了してから1パ
ス印字に切り替えなければならない。その結果、1パス
印字とマルチパス印字の切り替え部分でパス数が増加す
ることになりスループットの低下を招いていた。
【0042】本発明は上述したような従来の技術が有す
る問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、1パス
印字とマルチパス印字が混在するようなときでも、スル
ープットが低下しないインクジェット記録装置を実現す
ることにある。
【0043】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
記録装置は、インクを吐出する複数の吐出部を具備する
記録ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回走
査させて画像を完成させるインクジェット記録装置にお
いて、前記記録ヘッドの複数の領域についてそれぞれ設
けられ、非記録画素と記録画素とが配列されて入力され
た記録ヘッドの複数の領域それぞれへの印字データを異
なる間引きパターンとするマスクパターンと、前記複数
の領域にそれぞれ設けられたマスクパターン毎にそれぞ
れ設けられ、該マスクパターンによる間引き画像の形成
を実行するかを選択する間引き選択手段および印字デー
タの送出を選択するデータ送信選択手段とを有すること
を特徴とする。
【0044】本発明の他の形態によるインクジェット記
録装置は、インクを吐出する複数の吐出部を具備する記
録ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回走査
させて画像を完成させるインクジェット記録装置におい
て、前記記録ヘッドの複数の領域についてそれぞれ設け
られ、非記録画素と記録画素とが配列されて入力された
記録ヘッドの複数の領域それぞれへの印字データを異な
る間引きパターンとする複数種類のマスクパターンと、
前記複数種類のマスクパターン毎にそれぞれ設けられ、
複数種類のマスクパターンを選択することにより間引き
パターンを選択する間引き選択手段および印字データの
送出を選択するデータ送信選択手段とを有することを特
徴とする。この場合、前記記録ヘッドの複数の領域につ
いてそれぞれ設けられた複数種類のマスクパターンが、
100%の画像を形成するマスクパターンを含むことと
してもよい。
【0045】また、前記間引き選択手段およびデータ送
信選択手段設定手段が各記録走査毎に設定することがで
きることとしてもよい。
【0046】さらに、前記記録ヘッドは熱によりインク
を吐出することとしてもよい。
【0047】本発明の記録装置は、複数の記録部を具備
する記録ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数
回走査させて画像を完成させる記録装置において、前記
記録ヘッドの複数の領域についてそれぞれ設けられ、非
記録画素と記録画素とが配列されて入力された記録ヘッ
ドの複数の領域それぞれへの印字データを異なる間引き
パターンとするマスクパターンと、前記複数の領域にそ
れぞれ設けられたマスクパターン毎にそれぞれ設けら
れ、該マスクパターンによる間引き画像の形成を実行す
るかを選択する間引き選択手段および印字データの送出
を選択するデータ送信選択手段とを有することを特徴と
する。
【0048】本発明の他の形態による記録装置は、複数
の記録部を具備する記録ヘッドを記録媒体の同一記録領
域に対して複数回走査させて画像を完成させる記録装置
において、前記記録ヘッドの複数の領域についてそれぞ
れ設けられ、非記録画素と記録画素とが配列されて入力
された記録ヘッドの複数の領域それぞれへの印字データ
を異なる間引きパターンとする複数種類のマスクパター
ンと、前記複数種類のマスクパターン毎にそれぞれ設け
られ、複数種類のマスクパターンを選択することにより
間引きパターンを選択する間引き選択手段および印字デ
ータの送出を選択するデータ送信選択手段とを有するこ
とを特徴とする。 「作用」上記の目的を達成するための本発明によれば、
記録ヘッドの複数の領域にそれぞれ設けられたマスクパ
ターン毎に間引き選択手段およびデータ送信選択手段が
設けられ、もしくは、記録ヘッドの複数の領域毎に、複
数種類のマスクパターン、間引き選択手段およびデータ
送信選択手段が設けられるので、記録ヘッドの各領域で
1パス印字とマルチパス印字を選択することが可能とな
り、1パス印字とマルチパス印字が混在するようなとき
でも、1パス印字とマルチパス印字を同時に印字するこ
とにより、不必要な印字パスを減らすような印字制御が
可能となる。これにより、必要最低限のパス数で印字す
ることがてき、スループットの低下を最小限に抑えられ
る。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明のインクジェット記
録装置に係わる実施例について、図面を参照して詳細に
説明する。
【0050】図1乃至図5は、本発明が実施もしくは適
用される好適なインクジェットユニットIJU,インク
ジェットヘッドIJH,インクタンクIT,インクジェ
ットカートリッジIJC,インクジェット記録装置本体
IJRA,キャリッジHCの夫々及び夫々の関係を説明
するための説明図である。以下、これらの図面を用いて
各部構成の説明を行う。
【0051】(i) 装置本体の概略説明 図6は、本発明に適用されるインクジェット記録装置I
JRAの概観図の一例である。図において、駆動モータ
5013の正逆回転に連動して駆動力伝達ギア501
1,5009を介して回転するリードスクリュー500
5の螺旋溝5004に対して係合するキャリッジHCは
ピン(不図示)を有し、矢印a,b方向に往復移動され
る。このキャリッジHCには、インクジェットカートリ
ッジIJCが搭載されている。5002は紙押え板であ
り、キャリッジ移動方向にわたって紙をプラテン500
0に対して押圧する。5007,5008はフォトカプ
ラで、キャリッジのレバー5006のこの領域における
存在を確認して、モータ5013の回転方向切換等を行
うためのホームポジション検知手段である。5016は
記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材5022
を支持する部材、5015はこのキャップ内を吸引する
吸引手段でキャップ内開口5023を介して記録ヘッド
の吸引回復を行う。5017はクリーニングブレード、
5019はこのブレードを前後方向に移動可能にする部
材であり、本体支持板5018にこれらは支持されてい
る。ブレードは、この形態でなく周知のクリーニングブ
レードが本例に適用できることはいうまでもない。
【0052】又、5012は、吸引回復の吸引を開始す
るためのレバーで、キャリッジと係合するカム5020
の移動に伴って移動し、駆動モータからの駆動力がクラ
ツチ切換等の公知の伝達手段で移動制御される。
【0053】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジがホームポジション側領域にきた
ときにリードスクリュー5005の作用によってそれら
の対応位置で所望の処理が行えるように構成されている
が、周知のタイミングで所望の作動を行うようにすれ
ば、本例には何れも適用できる。
【0054】本例でのインクジェットカートリッジIJ
Cは、インクの収納割合が大きくなっているもので、イ
ンクタンクITの前方面よりもわずかにインクジェット
ユニットIJUの先端部が突出した形状である。このイ
ンクジェットカートリッジIJCは、インクジェット記
録装置本体IJRAに載置されているキャリッジHCの
前述の位置決め手段、及び電気的接点とによって固定支
持されると共に、該キャリッジHCに対して着脱可能な
タイプである。
【0055】(ii)インクジェットユニットIJU構成
説明 インクジェットユニットIJUは、電気信号に応じて膜
沸騰をインクに対して生じせしめるための熱エネルギー
を生成する電気熱変換体を用いて記録を行う方式のユニ
ットである。
【0056】(iii)ヒーターボードの説明 図2は本実施例で使用しているヘッドのヒーターボード
100の模式図を示している。ヘッドの温度を制御する
ための温調用(サブ)ヒーター8d、インクを吐出させ
るための吐出用(メイン)ヒーター8cが配された吐出
部列8g、駆動素子8hが同図で示される様な位置関係
で同一基板上に形成されている。この様に各素子を同一
基板上に配することでヘッド温度の検出、制御が効率よ
く行え、更にヘッドのコンパクト化、製造工程の簡略化
を計ることができる。また同図には、ヒーターボードが
インクで満たされる領域と、そうでない領域とに分離す
る天板の外周壁断面8fの位置関係を示す。この天板の
外周壁断面8fの吐出用ヒーター8d側が、共通液室と
して機能する。なお、天板の外周壁断面8fの吐出部列
8g上に形成された溝部によって、液路が形成される。
【0057】(iv)制御構成の説明 次に、上述した装置構成の各部の記録制御を実行するた
めの制御構成について、図3に示すブロック図を参照し
て説明する。制御回路を示す同図において、10は記録
信号を入力するインターフェ−ス、11はMPU、12
はMPU11が実行する制御プログラムを格納するプロ
グラムROM、13は各種データ(上記記録信号やヘッ
ドに供給される記録データ等)を保存しておくダイナミ
ック型のRAMであり、印字ドット数や、インク記録ヘ
ッドの交換回数等も記憶できる。14は記録ヘッド18
に対する記録データの供給制御を行うゲートアレイであ
り、インターフェース10、MPU11、RAM13間
のデータの転送制御も行う。20は記録ヘッド18を搬
送するためのキャリアモータ、19は記録用紙搬送のた
めの搬送モータである。15はヘッドを駆動するヘッド
ドライバ、16、17は夫々搬送モータ19、キャリア
モータ20を駆動するモータドライバである。
【0058】図4は、図3の各部の詳細を示す回路図で
ある。ゲートアレイ14は、データラッチ14、セグ
メント(SEG)シフトレジスタ14、マルチプレク
サ(MPX)14、コモン(COM)タイミング発生
回路14、デコーダ14を有する。記録ヘッド18
は、ダイオードマトリックス構成を取っており、コモン
信号COMとセグメント信号SEGが一致したところの
吐出用ヒータ(H1からH64)に駆動電流が流れ、こ
れによりインクが加熱され、吐出する。
【0059】上記デコーダ14は、上記コモンタイミ
ング発生回路14が発生したタイミングをデコードし
て、コモン信号COM1〜8のいずれか1つを選択す
る。データラッチ14はRAM13から読み出された
記録データを8ビット単位でラッチし、この記録データ
をマルチプレクサ14はセグメントシフトレジスタ1
に従い、セグメント信号SEG1〜8として出力す
る。マルチプレクサ14 からの出力は、後述するよう
に1ビット単位、2ビット単位、または8ビット全てな
ど、シフトレジスタ14の内容によって種々変更する
ことができる。上記制御構成の動作を説明すると、イン
ターフェース10に記録信号が入るとゲートアレイ14
とMPU11との間で記録信号がプリント用の記録デー
タに変換される。そして、モータドライバ16、17が
駆動されるとともに、ヘッドドライバ15に送られた記
録データに従って記録ヘッドが駆動され、印字が行われ
る。
【0060】次に、図5に記録装置内部での記録データ
の流れを説明する構成図を示す。ホストコンピュータか
ら送られた記録データはインターフェースを介して記録
装置内部の受信バッファに蓄えられる。受信バッファは
数k〜数十kバイトの容量を持っている。受信バッファ
に蓄えられた記録データに対してコマンド解析が行われ
てからテキストバッファへ送られる。テキストバッファ
中では一行分の中間形式として記録データが保持され、
各文字の印字位置、修飾の種類、大きさ、文字(コー
ド)、フォントのアドレス等が付加される処理が行われ
る。テキストバッファの容量は各機種毎により異なり、
シリアルプリンタであれば数行分の容量、ページプリン
タであれば1ページ分の容量を持っている。更にテキス
トバッファに蓄えられた記録データを展開してプリント
バッファに2値化された状態で蓄え、記録ヘッドに記録
データとして信号を送り、記録が行われる。本実施例で
はプリントバッファに蓄えられている2値化データに後
述するマスクパターンデータ(ランダムマスク)を掛け
てから記録ヘッドに信号を送るようにしている。そのた
め、プリントバッファに蓄えられている状態のデータを
見てからマスクパターンデータを設定することもでき
る。記録装置の種類によってはテキストバッファを有す
ることなく、受信バッファに蓄積した記録データをコマ
ンド解析と同時に展開してプリントバッファに書き込む
ものもある。
【0061】このような装置を用いて以下に本発明での
具体的な実施例を示す。
【0062】第1実施例 まず、本発明の第1実施例を図6、図7および図14を
参照して説明する。
【0063】図6は本発明の第1の実施例における印字
データを印字ヘッドに送信する部分の回路図を示してい
る。本実施例は、印字の際に上部、中部、下部について
それぞれ印字を行う3個の印字ヘッド151〜153を
用いて印字を行うものである。111〜113は各印字
ヘッドに対する印字データであり、データ送信スイッチ
121〜123、データマスクスイッチ131〜133
およびマスクパターン141〜143をそれぞれ介して
印字ヘッド151〜153へ供給される。マスクパター
ン141は3パス印字3パス目用とされ、マスクパター
ン142は3パス印字2パス目用とされ、マスクパター
ン143は3パス印字1パス目用とされている。
【0064】本実施例において、データ送信スイッチ1
21〜123がオンのときに印字データ111〜113
が送信され、オフのとき印字データ111〜113は送
信されない。データ送信スイッチ121〜123は各印
字ヘッド151〜153のそれぞれについて独立にオ
ン、オフすることができるように構成されている。
【0065】データマスクスイッチ131〜133は、
オンのときに各印字データ111〜113についてのマ
スク処理が施され、オフのとき印字データはそのまま各
印字ヘッド151〜153に送信される。本実施例にお
けるデータマスクスイッチ131〜133はデータ送信
スイッチ121〜123と同様に各印字ヘッド151〜
153のそれぞれについて独立にオン、オフすることが
できるように構成されている。
【0066】マスクパターン141〜143は間引きデ
ータを格納するバッファメモリで、データマスクスイッ
チ131〜133がオンにされたときに、印字データ1
11〜113とマスクパターン141〜143に格納さ
れた間引きデータとの論理和データが印字ヘッド151
〜153に送信される。各印字ヘッド151〜153は
送られてきたデータに応じて上部、中部、下部で3パス
印字を行うことにより、印字データが再現される。
【0067】図7は、従来例の説明でも用いた図14に
示す印字データを本発明で印字したときの様子を説明す
るための図である。
【0068】図2中、201は図14に示した印字デー
タと同じである。202から208が各パス毎の印字デ
ータ列を表している。
【0069】印字データ列202ではヘッドの上部、中
部は1パス印字すべきデータのため、各データマスクス
イッチ131〜133をオフにする。また、ヘッドの下
部は3パス印字すべきデータであるため、データマスク
スイッチ133をオンにする。
【0070】印字データ列203ではヘッドの上部は2
02ですでに印字終了しているため、データ送信スイッ
チ121をオフにする。ヘッドの中部は3パス印字すべ
きデータのため、データマスクスイッチ132をオンに
する。ヘッドの下部は1パス印字すべきデータのため、
データマスクスイッチ133をオフにする。
【0071】印字データ列204ではヘッドの上部は3
パス印字すべきデータのため、データマスクスイッチ1
31をオンにする。ヘッドの中部は印字データ列203
ですでに印字が終了しているため、データ送信スイッチ
122をオフにする。ヘッドの下部は1パス印字すべき
データのため、データマスクスイッチ133をオフにす
る。
【0072】印字データ列205ではヘッドの上部、中
部は1パス印字すべきデータのため、データマスクスイ
ッチ131,132をオフにする。ヘッドの下部は3パ
ス印字すべきデータのため、データマスクスイッチ13
3をオンにする。
【0073】印字データ列206ではヘッドの上部は印
字データ列205ですでに印字終了しているため、デー
タ送信スイッチ121をオンにする。ヘッドの中部は3
パス印字すべきデータのため、データマスクスイッチ1
32をオンにする。ヘッドの下部は1パス印字を行うた
め、データマスクスイッチ133をオフにする。
【0074】印字データ列207ではヘッドの上部は3
パス印字すべきデータのため、データマスクスイッチ1
31をオンにする。ヘッドの中部は印字データ列206
ですでに印字終了しているため、データ送信スイッチ1
22をオフにする。ヘッドの下部は1パス印字すべきデ
ータのため、データマスクスイッチ133をオフにす
る。
【0075】印字データ列208ではヘッドの上部は1
パス印字すべきデータのため、データマスクスイッチ1
31をオフにする。ヘッドの中部、下部はデータ範囲外
のため、データ送信スイッチ122,123をオフにす
る。
【0076】従来例と本実施例を比較すると、従来例で
は印字データにマスクをかけるかどうかのスイッチが連
動していたのに対し、本実施例では印字データにマスク
をかけるかどうかのスイッチが、ヘッドの上部、中部、
下部それぞれに指定できるようになっており、これによ
り、本実施例では1パス印字とマルチパス印字を同時に
印字することができる。このため、従来例では、図3の
印字データを印字するためには10パスを必要としてい
たのに対し、本実施例では7パスで印字することができ
るものとなっている。
【0077】上記のように、本実施例では1パス印字と
マルチパス印字が混在するときにも、必要最低限のパス
数で印字することが可能となり、スループットが向上す
る。
【0078】第2実施例 次に、本発明の第2の実施例について図8、9および図
14を参照して説明する。
【0079】図8は本発明の第2の実施例における印字
データを印字ヘッドに送信する部分の回路図を示してい
る。本実施例は、印字の際に上部、中部、下部について
それぞれ印字を行う3個の印字ヘッド351〜353を
用いて印字を行うものである。311〜313は各印字
ヘッドに対する印字データであり、データ送信スイッチ
321、データマスクスイッチ331〜334およびマ
スクパターン341〜344をそれぞれ介して印字ヘッ
ド151へ供給される。マスクパターン341は3パス
印字3パス目用とされ、マスクパターン342は3パス
印字2パス目用とされ、マスクパターン343は3パス
印字1パス目用とされている。
【0080】本実施例において、データ送信スイッチ3
21がオンのときに印字データ311が送信され、オフ
のときには印字データ311は送信されない。
【0081】データマスクスイッチ331〜334は、
オンのときに印字データ311についてそれぞれ異なる
マスクパターン341〜344によるマスク処理が施さ
れる。本実施例におけるデータマスクスイッチ331〜
334は各マスクパターン341〜344のそれぞれに
ついて設けられている。
【0082】マスクパターン341〜344は間引きデ
ータを格納するバッファメモリで、データマスクスイッ
チ331〜334がオンにされたときに、印字データ3
11とマスクパターン341〜344に格納された間引
きデータとの論理和データが印字ヘッド351に送信さ
れる。本実施例においては印字データ100%の印字マ
スク344が設けられており、これを選択することで、
1パス印字にも対応することができるものとなってい
る。
【0083】印字ヘッド151は送られてきたデータに
応じて上部、中部、下部で3パス印字を行うことによ
り、印字データが再現される。
【0084】なお、ここでは、ヘッドの上部の回路しか
示していないが、中部、下部の印字ヘッド352,35
2についても上記と同じ回路が接続され、印字データ3
12,313が出力される。
【0085】図9は、従来例の説明でも用いた図14に
示す印字データを本発明で印字したときの様子を説明す
るための図である。
【0086】図9中、401は図14に示した印字デー
タと同じである。402から408が各パス毎の印字デ
ータ列を表している。
【0087】印字データ列402ではヘッドの上部、中
部は1パス印字すべきデータのため、データマスクスイ
ッチを100%印字マスクに設定する。また、ヘッドの
下部は3パス印字すべきデータのため、データマスクス
イッチを3パス印字の1パス目用マスクに設定する。
【0088】印字データ列403ではヘッドの上部は印
字データ列402ですでに印字終了しているため、デー
タ送信スイッチをオフにする。ヘッドの中部は3パス印
字すべきデータのため、データマスクスイッチを3パス
印字の2パス目用マスクに設定する。ヘッドの下部は1
パス印字すべきデータのため、データマスクスイッチを
100%印字マスクに設定する。
【0089】印字データ列404ではヘッドの上部は3
パス印字すべきデータのため、データマスクスイッチを
3パス印字の3パス目用マスクに設定する。ヘッドの中
部は印字データ列403ですでに印字終了しているた
め、データ送信スイッチをオフにする。ヘッドの下部は
1パス印字すべきデータのため、データマスクスイッチ
を100%印字用マスクに設定する。
【0090】印字データ列405ではヘッドの上部、中
部は1パス印字すべきデータのため、データマスクスイ
ッチを100%印字用マスクに設定する。ヘッドの下部
は3パス印字すべきデータのため、データマスクスイッ
チを3パス印字の1パス目用マスクに設定する。
【0091】印字データ列406ではヘッドの上部は印
字データ列405ですでに印字終了しているため、デー
タ送信スイッチをオフにする。ヘッドの中部は3パス印
字すべきデータのため、データマスクスイッチを3パス
印字の2パス目用マスクに設定する。ヘッドの下部は1
パス印字を行うため、データマスクスイッチを100%
印字マスクに設定する。
【0092】印字データ列407ではヘッドの上部は3
パス印字すべきデータのため、データマスクスイッチを
3パス印字の3パス目用マスクに設定する。ヘッドの中
部は印字データ列406ですでに印字終了しているた
め、データ送信スイッチをオフにする。ヘッドの下部は
1パス印字すべきデータのため、データマスクスイッチ
を100%印字マスクに設定する。
【0093】印字データ列408ではヘッドの上部は1
パス印字すべきデータのため、データマスクスイッチを
100%印字マスクに設定する。ヘッドの中部、下部は
データ範囲外のため、データ送信スイッチをオフにす
る。
【0094】本発明ではマスクの種類を自由に選択でき
るため、3パス印字用のマスクと100%印字用のマス
クを用意することで、1パス印字とマルチパス印字を同
時に印字することができる。このため、従来例では、図
3の印字データを印字するためには10パスを必要とし
ていたのに対し、本発明では7パスで印字することがで
きる。このように、本発明では1パス印字とマルチパス
印字が混在するときにも、必要最低限のパス数で印字す
ることが可能となり、スループットが向上する。
【0095】(その他)本発明は、特にインクジェット
記録方式の中でも熱エネルギーを利用する方式の記録ヘ
ッド、記録装置に於いて、優れた効果をもたらすもので
ある。
【0096】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書、同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行なうものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド
型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能である
が、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)
が保持されているシートや液路に対応して配置されてい
電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越え
る急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を
印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギーを
発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰させて、結
果的にこの駆動信号に一対一対応し液体(インク)内の
気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成長,収
縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させ
て、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパ
ルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行なわ
れるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が
達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号と
しては、米国特許第4463359号明細書、同第43
45262号明細書に記載されているようなものが適し
ている。尚、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の
米国特許第4313124号明細書に記載されている条
件を採用すると、更に優れた記録を行なうことができ
る。
【0097】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体
の組み合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他
に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示
する米国特許第4558333号明細書、米国特許第4
459600号明細書を用いた構成も本発明に含まれる
ものである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共
通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開
示する特開昭59年第123670号公報や熱エネルギ
ーの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応せる構成を開
示する特開昭59年第138461号公報に基づいた構
成としても本発明は有効である。
【0098】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0099】なお、本発明はインクジェット記録に限定
されるものではなく、感熱記録、熱転記録、ワイヤード
ット記録等、記録装置全般に適用できるもので、シリア
ルプリンタにおいて記録領域毎にマスクパターンを変更
する場合の効果について説明する。
【0100】分割(マルチパス)記録は前述の通り、一
つのラスタに対して異なる複数の記録素子(エレメン
ト)で印字を行うことにより、その記録素子の特性(ヨ
レ、ドットの大きさ等)の不均一性を平均化して、一つ
の記録領域内での濃度ムラを見え難くするものである。
この分割記録の効果も、上述のように印字データとマス
クパターンが同調して使用される記録素子が偏ってしま
うと、一つのラスタの中でその特性が現れ易くなる。従
って、ランダムマスクを用いることで、データとの同調
性は部分的となり、効果的に分割印字を行える。
【0101】これはドットマトリクスプリンタ全てに共
通して言えることである。ドットのON/OFFの2値
で擬似階調性を出す場合等は、この記録素子の特性を均
一に制御する必要があり、記録領域毎にマスクパターン
を変更する分割印字が効果的である。
【0102】また、熱を利用して印字を行う記録装置
(熱転等)の場合、記録ヘッドの昇温を抑制する意味か
ら分割印字は効果的である。この場合も、やはり印字デ
ータと間引きマスクの同調からヘッド昇温にも偏りが発
生してしまい、記録ヘッドの中の熱分布により濃度ムラ
(ドット径の不均一性)が発生する。これに対しても記
録領域毎にマスクパターンを変更することで、総合的な
熱の均一化を行うことができる。
【0103】また、記録ヘッドが複数個、キャリッジの
走査方向に並んでいる構成のカラー記録装置では、ドッ
トの打ち込み順で色調が変わってしまう。印字データと
間引きマスクの同調が色調に現れ、ユーザーが表現した
い色とは異なる色調の画像を記録してしまうことがあ
る。例えば、熱転写記録の場合は先に印字したドット
(インク層)が記録媒体上に存在すると、次に転写され
るドットは転写され難い。一方、インクジェット記録で
は浸透性の強いインクを使用した場合、先に印字したイ
ンクの染料が記録媒体のインク保持層または繊維に先に
吸着し、次に印字されたインクの染料は吸着され難い。
従って、先打ちのドットの色調が強くなる。また、浸透
性の弱いインクでは、後打ちの染料が流れずに上層に重
なっていくために、逆に後打ちのドットの色調が強くな
る場合もある。これらの現象に対しても記録領域毎にマ
スクパターンを変更することで、マクロ的に見て色調の
ずれを生じにくくすることができる。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係わる印
字制御では、1パス印字とマルチパス印字が混在すると
きでも、1パス印字とマルチパス印字を同時に印字する
ことにより、必要最低限のパス数で印字することがで
き、スループットの低下を最小限に抑えられるという効
果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるインクジェット記録装置本
体を示す説明図である。
【図2】ヒータボードを説明する図である。
【図3】制御回路を示すブロック図である。
【図4】制御構成を示すブロック図である。
【図5】印字データの流れを説明する構成図である。
【図6】本発明の第1実施例に係わる印字データ送信部
の回路図を示した図である。
【図7】本発明の第1実施例に係わる印字制御の例を示
した図である。
【図8】本発明の第2実施例に係わる印字データ送信部
の回路図を示した部分である。
【図9】本発明の第2実施例に係わる印字制御の例を示
した図である。
【図10】記録ヘッドのノズルの形態である。
【図11】マルチパス印字の説明図である。
【図12】4パス印字のマスクパターンである。
【図13】プリントデータがマスクされる様子の説明図
である。
【図14】本発明の第1実施例と第2実施例、従来例に
係わる印字データの例を示した図である。
【図15】従来例に係わる印字データ送信部の回路図を
示した図である。
【図16】従来例に係わる印字制御の例を示した図であ
る。
【符号の説明】
111〜113,311〜313 印字データ 121〜123,321 データ送信スイッチ 131〜133,331〜334 データマスクスイ
ッチ 141〜143,341〜344 マスクパターン 151〜153,351〜353 印字ヘッド

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出する複数の吐出部を具備す
    る記録ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回
    走査させて画像を完成させるインクジェット記録装置に
    おいて、 前記記録ヘッドの複数の領域についてそれぞれ設けら
    れ、非記録画素と記録画素とが配列されて入力された記
    録ヘッドの複数の領域それぞれへの印字データを異なる
    間引きパターンとするマスクパターンと、 前記複数の領域にそれぞれ設けられたマスクパターン毎
    にそれぞれ設けられ、該マスクパターンによる間引き画
    像の形成を実行するかを選択する間引き選択手段および
    印字データの送出を選択するデータ送信選択手段とを有
    することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 インクを吐出する複数の吐出部を具備す
    る記録ヘッドを記録媒体の同一記録領域に対して複数回
    走査させて画像を完成させるインクジェット記録装置に
    おいて、 前記記録ヘッドの複数の領域についてそれぞれ設けら
    れ、非記録画素と記録画素とが配列されて入力された記
    録ヘッドの複数の領域それぞれへの印字データを異なる
    間引きパターンとする複数種類のマスクパターンと、 前記複数種類のマスクパターン毎にそれぞれ設けられ、
    複数種類のマスクパターンを選択することにより間引き
    パターンを選択する間引き選択手段および印字データの
    送出を選択するデータ送信選択手段とを有することを特
    徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のインクジェット記録装置
    において、 前記記録ヘッドの複数の領域についてそれぞれ設けられ
    た複数種類のマスクパターンが、100%の画像を形成
    するマスクパターンを含むことを特徴とするインクジェ
    ット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記間引き選択手段およびデータ送信選
    択手段設定手段が各記録走査毎に設定することができる
    ことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに
    記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記記録ヘッドは熱によりインクを吐出
    することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれ
    かに記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 複数の記録部を具備する記録ヘッドを記
    録媒体の同一記録領域に対して複数回走査させて画像を
    完成させる記録装置において、 前記記録ヘッドの複数の領域についてそれぞれ設けら
    れ、非記録画素と記録画素とが配列されて入力された記
    録ヘッドの複数の領域それぞれへの印字データを異なる
    間引きパターンとするマスクパターンと、 前記複数の領域にそれぞれ設けられたマスクパターン毎
    にそれぞれ設けられ、該マスクパターンによる間引き画
    像の形成を実行するかを選択する間引き選択手段および
    印字データの送出を選択するデータ送信選択手段とを有
    することを特徴とする記録装置。
  7. 【請求項7】 複数の記録部を具備する記録ヘッドを記
    録媒体の同一記録領域に対して複数回走査させて画像を
    完成させる記録装置において、 前記記録ヘッドの複数の領域についてそれぞれ設けら
    れ、非記録画素と記録画素とが配列されて入力された記
    録ヘッドの複数の領域それぞれへの印字データを異なる
    間引きパターンとする複数種類のマスクパターンと、 前記複数種類のマスクパターン毎にそれぞれ設けられ、
    複数種類のマスクパターンを選択することにより間引き
    パターンを選択する間引き選択手段および印字データの
    送出を選択するデータ送信選択手段とを有することを特
    徴とする記録装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001293851A (ja) * 2000-04-13 2001-10-23 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法、及びインクジェット式記録装置
JP2016199047A (ja) * 2016-08-02 2016-12-01 セイコーエプソン株式会社 印刷制御装置、テストパターン、プログラム

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JP2001293851A (ja) * 2000-04-13 2001-10-23 Seiko Epson Corp インクジェット記録方法、及びインクジェット式記録装置
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