JP2006192602A - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 転送能力の異なる複数のコンピュータインタフェースの選択接続に対して、データ転送能力の差異が引き起こす記録走査間ウエイトを少なくし、転送速度に応じて、多値画像データを2値化する方法を変更することを可能にするインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】 該多値データを2値化する複数の手段と、該インタフェースの情報転送能力に応じて、該2値化手段を切り替える制御を可能とするプリント制御手段を具備する。
【選択図】 図1
【解決手段】 該多値データを2値化する複数の手段と、該インタフェースの情報転送能力に応じて、該2値化手段を切り替える制御を可能とするプリント制御手段を具備する。
【選択図】 図1
Description
本発明は記録装置及び記録方法に関し、特に、インクジェット方式に従ってインクを吐出させて記録を行う記録ヘッドを用いた記録装置及び記録方法に関する。
近年、パーソナルコンピュータや複写装置、ワードプロセッサ等のOA機器が広く普及しており、これらの機器の画像形成(記録)装置の一種としてインクジェット方式によりディジタル画像記録を行う記録装置が急速に発展、普及している。特にOA機器の高機能化とともに、それらの機器のカラー化が進んでおり、これに伴って様々なカラーインクジェット記録装置が開発されてきている。
一般にインクジェット記録装置は、記録ヘッドおよびインクタンクを搭載するキャリッジと、記録紙を搬送する搬送機構と、これらを制御する制御回路とを具備している。このような記録装置では、インク液滴を吐出させる複数の吐出口を有した記録ヘッドを記録紙の搬送方向(副走査方向)と直行する方向(主走査方向)にシリアル・スキャンさせながらインク吐出を行う一方で、記録ヘッドからのインク吐出がない間に記録紙を記録ヘッドの記録幅に等しい量で間欠的に搬送することにより記録動作を実行する。さらには、カラー記録が可能な記録装置の場合、複数色の記録ヘッドにから吐出されるインク液滴の重ねあわせによりカラー画像を形成する。
インクジェット記録装置において、インクを吐出させる方法としては、吐出口近傍に発熱素子(電気熱エネルギー変換体)を設け、この発熱素子に電気信号を印加することによりインクを局所的に加熱して圧力変化を起こさせ、インクを吐出口から吐出させる方法や、ピエゾ素子等の圧電素子を用い、インクに機械的圧力を付与してインクを吐出する方法が従来より知られている。
このインクジェット記録方法は、記録信号に応じてインクを微少な液滴として吐出口から記録媒体上に吐出することにより文字や図形などの記録を行うものであり、ノンインパクトであるため騒音が少ないこと、ランニング・コストが低いこと、装置が小型化しやすいこと、およびカラー化が比較的容易であること、などの利点を有していることから、コンピュータやワードプロセッサ等と併用され、あるいは単独で使用される複写機、プリンタ、ファクシミリ等の記録装置において、画像形成(記録)手段として広く用いられている。
図1および図2はそれぞれインクジェット記録装置のコントローラ部およびエンジン部の概略構成を示すブロック図である。
まずコントローラ部の機能および概略動作について説明する。CPU101はUSBインタフェース108あるいはIEEE1394インタフェース109を介してホストコンピュータ120に接続されており、制御プログラムや更新可能な制御プログラムや処理プログラムや各種定数データなどを格納したROM105、及びホストコンピュータ120から受信したコマンド信号や画像情報を格納するためのRAM104にアクセスし、これらのメモリに格納された情報に基づいて記録動作を制御する。メモリコントローラ102はRAM104やROM105内部の情報を読み出したり、データの書込みを管理する。操作パネル107のキーから入力される指示情報は操作パネルインタフェース106を介してCPU101に伝達され、またCPU101からの命令により同様に操作パネルインタフェース106を介して操作パネル107のLED点灯やLCD表示が制御される。拡張インタフェース110はLANコントローラやHDDなどの拡張カードを接続することにより機能拡張を行うためのインタフェースである。バスブリッジ103はCPU101の制御のもと、前述の各種インターフェースとRAM104やROM105との間でデータの授受を行う。画像情報は画像データ処理ブロック111によりRAM112を使用して各インク色のドットデータに変換され、エンジン(図2)へ出力される。またコントローラとエンジンの間の各種コマンドやステータス情報の送受信は同様に画像データ処理ブロック111を介して行われる。
次にエンジン部の機能および動作概要について説明する。エンジン部はバンドメモリ制御ブロック209を介してコントローラ(図1)と接続されている。メモリ210はバンドメモリ制御ブロック209の作業用として機能する。CPU201は制御プログラムや更新可能な制御プログラムや処理プログラムや各種定数データなどを格納したROM203、及びコントローラ(図1)受信したコマンド信号や画像情報を格納するためのRAM202(図2ではSDRAM)にアクセスし、これらのメモリに格納された情報に基づいて記録動作を制御する。キャリッジモータ制御回路207を介してキャリッジモータ208を動作させることによりキャリッジ220を移動させる。また、紙送りモータ制御回路204を介して紙搬送モータ205を動作させることにより搬送ローラなどの紙搬送機構206を動作させる。さらにCPU201は、RAM202に格納されている各種情報に基づきバンドメモリ制御ブロック209や記録ヘッド制御ブロック211を制御してプリントヘッド212を駆動することにより記録媒体上に所望の画像を記録することができる。
また、図外の電源回路からは、CPUや各種制御回路を動作させるためのロジック駆動電圧Vcc(たとえば3.3V)、各種モータ駆動電圧Vm(たとえば24V)、記録ヘッドを駆動させるためのヒート電圧Vh(たとえば12V)、等が出力される。
多値データを二値化して2値データを得、その2値データを用いて擬似的に階調画像を再現する方法としては、例えば、(1)濃度パターン法、(2)組織的パターンディザ法、(3)誤差拡散法などが挙げられる。
濃度パターン法は、1画素をM*N個(M、Nは1以上の整数)の記録ドットに展開し、面積変調により二値による濃淡表現を行うものであり、単位面積当たりに記録するドット数(インク粒数)を可変にして面積変調を実現するものである。
パターンディザ法では、マトリクス状に構成された閾値からなるパターンディザマトリクスを用意し、この各閾値と入力データの各画素との1対1の画素比較を行いON/OFFを決定する。
誤差拡散法では、注目画素について周辺画素に拡散係数を割り当て、注目画素において発生する量子化誤差を拡散係数に応じて周辺画素に振り分ける。これにより画像全体の濃度は保存されることになり、良好な疑似階調表現が可能となる。
一般にパターンディザ法では誤差拡散法を適用した画像に比べて画品位が低下する傾向にあるが、誤差拡散法は誤差が伝播するまで次画素の処理に移行できないため高速処理が困難である。
従来のインクジェット記録方法においては、インクのにじみのない高発色のカラー画像を得るためにはインク吸収層を有する専用コート紙を使用する必要があったが、近年はインクの改良等によりプリンタや複写機等で大量に使用される普通紙への印字適性を持たせた方法も実用化されている。さらにはOHPシートや布、プラスチック・シート等の様々な記録媒体への対応が望まれており、こうした要求に応えるため、インクの吸収特性が異なる記録媒体(記録メディア)を必要に応じて選択した際に記録媒体の種類に係わりなく最良の記録が可能な記録装置の開発および製品化が進められている。また記録媒体の大きさについても、宣伝広告用のポスタや衣類等の織布では大サイズのものが要求されてきている。このようなインクジェット記録装置は、優れた記録手段として幅広い分野で需要が高まっており、より一層高品位な画像の提供が求められ、また更なる高速化への要求も一段と高まっていると言える。
一般に、カラーインクジェット記録方法は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロ(Y)の3色のカラーインクを使用し、また、さらにブラック(Bk)を加えた4色のインクを使用してカラー記録を実現する。このようなカラーインクジェット記録装置においては、キャラクタのみを記録するモノクロ専用のインクジェット記録装置と異なり、カラー画像の記録するにあたり、画像の発色性や階調表現性、一様性など、様々な要素を考慮する必要がある。
しかし、記録される画像の品位は記録ヘッド単位の性能に依存するところが大きい。記録ヘッドの吐出口の形状や電気熱変換体(吐出ヒータ)の品質のばらつき等の記録ヘッド製造工程時に生じるノズル毎の僅かな特性の違いが、それぞれに吐出されるインクの吐出量や吐出方向の向きに影響を及ぼし、これらの影響が最終的に形成される記録画像の濃度ムラとして現れ、画像品位を劣化させる原因となる。その結果として、記録ヘッドの主走査方向に対して周期的にエリア・ファクタ100%を満たせない“白”の部分が存在したり、逆に必要異常にドットが重なり合ったり、あるいは白筋が発生したりすることとなる。これらの現象が通常人間の目で濃度ムラとして感知される。
そこで、これらの濃度ムラ対策としてマルチパス記録法と呼ばれる方式が提案されている。ここでは、簡単のために8ノズルからなる単一色のインクを用いて記録を行う記録ヘッドを用いた場合を例に挙げて説明する。
マルチパス記録の第1走査では、偶数列パターン、第2走査では、奇数列パターンとする場合や、第1走査では、千鳥パターン、第2走査では逆千鳥のパターンを用いて記録データを間引くことによりパス・データを生成する固定マスク方式を採用して2パス記録を実現する場合について説明する。第1走査において千鳥パターンを記録し、記録幅の半分(4ドット幅)だけ紙送りを行った後、第2走査において逆千鳥パターンを記録することにより記録を完成する。すなわち、順次4ドット単位の紙送りと千鳥/逆千鳥パターンの記録を交互に行うことにより、4ドット単位の記録領域を1スキャン毎に完成させていく。
次に、記録ドットと非記録ドットとが乱数的に配列されたランダム・マスク・パターンなどを用いて記録データを間引くことによりパス・データを生成するテーブル参照方式を採用し2パス記録を実現する場合について説明する。図3は走査毎のマスク・テーブルの一例を示す図であり、テーブル領域A、Bはそれぞれ第1パス、第2パスにおいて使用する相補的なマスク・テーブルである。テーブルは1bit/dotで、0はマスク対象であることを示し、1は非マスク対象であることを示す。マスク・テーブルA、Bはそれぞれ主走査方向12画素*副走査方向4画素に対応したサイズのテーブルであり、これを各方向に繰り返し展開してマスク・データとして使用する。記録ヘッドが備えるノズル数は8であり、2パス記録における紙搬送量に相当する画素数は8/2=4であり、これはテーブルA及びBの副走査方向サイズと一致する。
図4は図3で示したマスク・テーブルを用いた記録走査の様子を説明する図である。8のノズルに対応する8ラインのデータに対して、4ライン毎にA、Bをマスク・パターンとして適用する。各記録走査においては、格納されたマスク・テーブルを用いて画像データのマスク処理(記録ドットを非記録ドットに置き換える)を実行し、パス・データを生成出力する。具体的には、画像データとマスク・データとの論理積をとることにより、マスク・データが1である場合には画像データをそのまま出力し、マスク・データが0である場合には画像データは0に置き換えることにより実現される。全ての画像領域は常に2回の走査によりA、Bの順にマスク処理されて記録データが生成されることになる。ここで、A、BのマスクOFF(1)比率は等しく各々50%程度である。
このようにして、一つのラインを異なる二つのノズルを用いて記録することにより、濃度ムラを抑えた高品位な画像を形成することができる。また、マルチパス記録法は、インクを乾かしながら記録していくことによりブリーディング(にじみ)を抑えるといった効果や、走査毎の記録ドットを低減することから吐出不良の原因となる記録ヘッドの昇温を抑制する効果、なども同時に達成できる。ここでは主走査方向について説明したが、副走査方向に対して連続するドットを間引いて記録することにより更なる高画質化が可能になる。また、ノズル解像度よりも高い解像度で副走査方向の画像形成を実現したい場合には、この副走査方向の間引き記録は必須の処理となる。
各走査のパス・データを生成する方法としては、上述のように、記録ドットと非記録ドットとが乱数的に配列されたランダム・マスク・パターンなどを用いて記録データを間引くことによりパス・データを生成する方法(テーブル参照方式と称す)や、偶数列/奇数列パターンや千鳥/逆千鳥パターンを用いて記録データを間引くことによりパス・データを生成する方法(固定マスク方式と称す)のほかに、記録ドットに着目して間引き処理を行うことによりパス・データを生成する方法(データマスク方式と称す)、あるいはこれらを併用した方式などが知られている。
又、別の従来例としては、特許文献1及び特許文献2をあげることが出来る。
特開平11−254711号公報
特開平10−243229号公報
最近ではホストコンピュータとの接続インタフェースが高速化・多様化しており、IEEE1284やUSB、IEEE1394など、様々なコンピュータインタフェースを備えたインクジェット記録装置が製品化されている。これらのコンピュータインタフェースは画像データの転送レートに大きな違いがあり、高速インタフェース接続で実現できるスループットは、必ずしも低速インタフェース接続状態で実現できるものではない。また、インタフェースの接続状況などによってもデータ転送能力が制限を受ける場合がある。
高速に記録するモードのときは、2値化する手法としてパターンディザ法、低速でもきれいに記録するモードの時は、誤差拡散法を使用するなどの工夫をしている。
ここで、一般に画像データの転送に要する時間は、インタフェースによって異なる。多値の画像データを2値化する手法において、上述したように、一般にパターンディザ法では誤差拡散法を適用した画像に比べて画品位が低下する傾向にあるが、誤差拡散法は誤差が伝播するまで次画素の処理に移行できないため高速処理が困難である。
しかしながら、上記のように画像データの転送に要する時間が、インタフェースの種類やインタフェースの接続状況によっても異なるため、記録している時間よりも画像データ転送の方が遅くなってしまう場合が発生し、記録走査間ウエイトが増大してしまい、パターンディザ法で印刷しているにもかかわらず、結果として低速な記録時間になってしまうという問題があった。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、その目的は、転送能力の異なる複数のコンピュータインタフェースの選択接続に対して、データ転送能力の差異が引き起こす記録走査間ウエイトを少なくし、転送速度に応じて、多値画像データを2値化する方法を変更することを可能にするインクジェット記録装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明に係る第1の発明によるインクジェット記録装置は以下の構成からなる。
ホストとなるコンピュータとの間で多値の画像情報や制御情報を転送するための複数のインタフェースを備え、複数の吐出部を有する記録ヘッドを記録媒体上に走査させ、入力された前記画像情報に基づいて記録媒体にインクを吐出して各画素にドットを形成することにより画像をプリントするインクジェット記録装置において、多値画像情報を2値化する複数の手段を備え、選択接続されたインタフェースの転送能力に応じて、多値2値化手法を切り替えるように制御するプリント制御手段を備えることを特徴とする。
さらに本発明に係る第2の発明によるインクジェット記録装置は以下の構成からなる。
第1の発明によるインクジェット記録装置において、前記プリント制御手段は、接続されたインタフェースの種類に応じて適応的に前記多値2値化手法を切り替えるように制御することを特徴とする。
さらに本発明に係る第3の発明によるインクジェット記録装置は以下の構成からなる。
第1の発明によるインクジェット記録装置において、前記プリント制御手段は、接続されたインタフェースの実効レートに応じて適応的に前記多値2値化手法を切り替えるように制御することを特徴とする。
さらに本発明に係る第4の発明によるインクジェット記録装置は以下の構成からなる。
第1の発明によるインクジェット記録装置において、前記プリント制御手段は、接続されたインタフェースのデバイス接続状況に応じて適応的に前記多値2値化手法を切り替えるように制御する、ことを特徴とする。
さらに本発明に係る第5の発明によるインクジェット記録装置は以下の構成からなる。
第1の発明によるインクジェット記録装置において、前記プリント制御手段は、接続されたインタフェースの転送能力が低い場合に適応的に前記多値2値化手法を切り替えるように制御することを特徴とする。
さらに本発明に係る第6の発明によるインクジェット記録装置は以下の構成からなる。
第1から第5の何れかの発明によるインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドは、熱エネルギーを用いて前記インクに状態変化を生起させることによりインク滴を吐出することを特徴とする。
さらに本発明に係る第7の発明によるインクジェット記録装置は以下の構成からなる。
第1から第5の何れかの発明によるインクジェット記録装置において、前記記録ヘッドは、圧力発生素子を作動させることによりインク滴を吐出することを特徴とする。
ホストコンピュータとの間で多値の画像情報や制御情報を転送するための複数のインタフェースを備え、複数の吐出部を有する記録ヘッドを記録媒体上に走査させ、入力された前記画像情報に基づいて記録媒体にインクを吐出して各画素にドットを形成することにより画像をプリントするインクジェット記録装置において、選択接続されたインタフェースの転送能力に応じて、多値画像情報を2値化する方法を変更するよう制御するプリント制御手段を備える、ことによって、接続インタフェースの転送能力、種類、転送モード、デバイス接続状況、などの情報に基づき、2値化方法を調整することにより、記録走査間のウエイト時間を有効に活用し、均一な画像形成を可能とし、信頼性の高いインクジェット記録装置が提供できるといった優れた効果を発揮する。
(第一の実施例)
以下、図面を参照して本発明の第1の実施例を詳細に説明する。
以下、図面を参照して本発明の第1の実施例を詳細に説明する。
図7は本発明によるインクジェット記録装置の記録部の構成を示したものである。
701は記録ヘッドであり、ブラック(Bk)・シアン(Cy)・マゼンタ(Mg)・イエロー(Ye)の4色のカラー・インクがそれぞれ封入されたインク・タンクと、それぞれに対応した独立した4つのヘッドからなるマルチヘッドにより構成されている。各色のノズル数は16ノズルである。702は記録ヘッド701を支持し、記録とともにこれらを移動させるキャリッジである。キャリッジはX方向へステー706を用いて移動することが可能である。キャリッジ702は非記録状態などの待機時には図のホーム・ポジション位置HPにある。703は紙送りローラであり、記録紙704を抑えながら回転し、記録紙704をY方向に随時送っていく。また705は給紙ローラであり、記録紙704の給紙を行うとともに、紙送りローラ703及び補助ローラと同様に記録紙704を抑える役割を果たす。ここで、記録ヘッド701は、Bk・Cy・Mg・Yeの4色について、それぞれ紙送り方向に配置された1024個のノズルをそれぞれ有している。
以上の構成における基本的な記録動作について説明する。
待機時にホーム・ポジション位置HPにあるキャリッジ702は記録開始命令によりX方向に移動しながら記録ヘッド701の複数のノズルにより記録データに従い記録紙704上にインクを吐出し記録を行う。記録紙704端部まで記録データの記録が終了するとキャリッジは元のホームポジション位置に戻る。紙送りローラ703が矢印方向へ回転することによりY方向へ所定幅だけ紙送りし、再びキャリッジ702はX方向に移動しながらインクを吐出して記録を開始する。このようなスキャン動作と紙送り動作との繰り返しによりデータ記録を実現する。
なお、本実施例のインクジェット記録装置は、ホストコンピュータ等との間で画像情報や各種制御情報のやりとりをするためのインタフェースや、入力画像情報をインク色ごとのドットのON/OFFデータに変換するための画像データ処理ブロック、などで構成されるコントローラ(図1)と、記録紙の搬送やキャリッジの駆動を行うとともに記録ヘッドを制御して画像を形成するエンジン(図2)、などにより構成されている。
本実施例においては、USBインタフェースとIEEE1394インタフェースとを備えている。ユーザは2つのインタフェースのどちらかを選択して用いることが可能であり、実際に接続されたインタフェースを用いてホストコンピュータとの間で画像情報や制御情報の送受信を行うことができる。ここでUSBインタフェースの実効レートは0.5MByte/S、IEEE1394インタフェースの実効レートは4MByte/Sであるとする。
また、本実施例におけるインクジェット記録装置は、同一記録領域を複数回走査させて画像を形成するマルチパス記録方式を採用している。先に述べたとおり、マルチパス記録は、一つのラインを複数のノズルを用いて画像を形成することにより、ノズル毎のインクの吐出量や吐出方向の微少な違いによる濃度ムラを抑え、同時にパス毎の記録デューティを低減してインク滲みなどによる画品位の劣化を防ぐ記録方式である。
ここで、2パス記録を例に挙げて説明する。キャリッジを最大吐出周波数に相当する速度以下で駆動して、各走査ではマスクテーブルを参照しながら2回の記録走査で画像を完成させるものである。走査間で行われる紙搬送量は使用ノズル数を2で除したノズル分の幅に相当する。
先に述べたとおり、記録ヘッドは各色1024ノズルずつ備えており、紙搬送に対して先行側よりノズル番号を#0,1,2,3,…,1023と付与している。本実施例では偶数列と奇数列とを交互に形成する固定マスク方式を採用している。第1パスではX座標=2nである偶数列のドットのみを形成する。そして、使用ノズル数の半分に相当する幅の紙搬送を行った後に、第2パスではX座標=2n+1である奇数列のドットのみを形成する。そして、また使用ノズル数の半分に相当する幅の紙搬送を行う。以後は、偶数列のドット形成、紙搬送、奇数列のドット形成、紙搬送、を順次繰り返して実行していく。
次に、本発明において特徴的な、接続するコンピュータインタフェースに応じた記録制御について詳細に説明する。以下、図を参照しながら、エンジンにおけるコンピュータ接続インタフェースの種類に応じたドット形成及び紙搬送制御について述べる。
本実施例においては、USBインタフェース接続によりコンピュータから画像情報を受信して画像形成を行う場合と、IEEE1394インタフェース接続によりコンピュータから画像情報を受信して画像形成を行う場合とに分類し、多値画像情報を2値化する手法を選択制御するものである。
具体例を挙げて説明する。データ転送能力の高いIEEE1394インタフェースを用いて画像データ転送を行う場合には、画像形成の速度も高めるために2値化はパターンディザ法にて行い記録を行う。一方、データ転送能力の低いUSBインタフェースを用いて画像データ転送を行う場合には、2値化は誤差拡散法にて行い記録を行う。
図5は本実施例における接続インタフェースに応じた記録制御動作を説明するフローチャートである。ページの画像形成に先立ち、接続インタフェースの種類を示す情報を取得するS501。高速なインタフェースであるIEEE1394に接続されている場合にはS502、2値化処理としてパターンディザ法が設定されるS503。そしてパターンディザ用の印字データ制御パラメータをセットするS504。一方、相対的に低速なインタフェースであるUSBインタフェースに接続されている場合には、2値化処理として誤差拡散法を設定するS505。そして、誤差拡散法用の印字データ制御パラメータをセットするS506。
以上、詳細に説明したとおり、転送能力の異なる複数のコンピュータインタフェースを備えたインクジェット記録装置において、データ転送に使用するコンピュータインタフェースの種類に応じて画像形成に使用する2値化の処理方法を決定し、記録走査ごとに転送が必要となるデータ量を接続インタフェースの転送能力に応じて2値化処理の方法を選択することにより、常に記録走査間ウエイトを所定時間内に抑え、信頼性の高い画像形成を実現することができる。特に、ドラフト印刷などに有効である。
(第二の実施例)
上記第1の実施例では、データ転送能力の異なる2つのインタフェース、USBインタフェースとIEEE1394インタフェースを備えるインクジェット記録装置において、どちらのインタフェースに接続するか、すなわち接続インタフェースの種別に応じて、多値画像データを2値化する方法を変更するものについて詳細に説明した。
上記第1の実施例では、データ転送能力の異なる2つのインタフェース、USBインタフェースとIEEE1394インタフェースを備えるインクジェット記録装置において、どちらのインタフェースに接続するか、すなわち接続インタフェースの種別に応じて、多値画像データを2値化する方法を変更するものについて詳細に説明した。
USBやIEEE1394などに代表される近年のコンピュータの標準インタフェースは、1対1すなわちピアツーピア接続のものではなく、1つのバス上に3つ以上のデバイスが接続可能になっているものが少なくない。このようなインタフェース接続では、常にバスの理論的な最大データ転送速度が保証されているわけではなく、そのネットワークを構成する他のデバイス間のデータ転送状況や転送モードなどに応じて、そこでの実効レートが大きく変化してしまう可能性がある。第2の実施例においては、ホストコンピュータとインクジェット記録装置を接続してデータ転送を行うコンピュータインタフェースについて他のデバイスの接続状況や接続モードなどに応じた実効レート(あるいはその推測値)にしたがい、多値画像データを2値化する方法を変更するものについて説明する。
本実施例におけるインクジェット記録装置の記録部の構成は第1の実施例(図7)と同様である。第1の実施例同様に、記録ヘッドは各色1024ノズルを搭載しており、コンピュータインタフェースについても第1の実施例と同様にUSBインタフェースとIEEE1394インタフェースを搭載するものとする。
データ転送の実効レートが2Mbyte/Sを越える場合には、多値画像データを2値化する方法を単純2値法で変換する。実効レートが2Mbyte/S以下だが1Mbyte/Sを越える場合には、多値画像データを2値化する方法をパターンディザ法で変換する。また、実効レートが1Mbyte/S以下である場合には、多値画像データを2値化する方法を誤差拡散法で変換する。
図6は本実施例における接続インタフェースに応じた記録制御動作を説明するフローチャートである。頁の画像形成に先立ち、接続インタフェースの実効レートに関連する情報を取得するS601。2Mbyte/Sを越える実効レートが確保できる否か判断しS602、2Mbyte/Sを越える場合には、2値化処理として単純2値化が選択されるS603。そして単純2値化用印字データ制御用パラメータをセットするS604。一方、転送レートが2Mbyte/S以下であると、続いて1Mbyte/Sを越えるか否か判断しS605、1Mbyte/Sを越える場合には、2値化処理としてパターンディザ法を選択するS606。そしてパターンディザ用の印字データ制御用パラメータをセットするS607。1Mbyte/S以下である場合には、2値化処理として誤差拡散法を設定するS608そして誤差拡散用の印字データ制御用パラメータをセットするS609。
なお、上記フローチャートでは頁単位のプリント動作に先立って多値画像データの2値化方法を決定するものについて説明したが、接続インタフェースのデバイス接続状況の変化などを検知して、これに対してリアルタイムに応答し、頁記録中の最適な制御を行うことなども可能である。
以上、詳細に説明したとおり、転送能力の異なる複数のコンピュータインタフェースを備えたインクジェット記録装置において、データ転送に使用するコンピュータインタフェースの実効レートに応じて画像形成に使用する2値化の方法を決定し、記録走査ごとに転送が必要となるデータ量を接続インタフェースの転送能力に応じて調整することにより、常に記録走査間ウエイトを所定時間内に抑え、信頼性の高い画像形成を実現することができる。
(その他の実施例)
上記第1および第2の実施例においては、インクジェット記録装置が備えるコンピュータインタフェースとしてUSBとIEEE1394を例に説明したが、SCSIなど他の標準インタフェース、あるいは独自インタフェースに対して適用することも可能である。
上記第1および第2の実施例においては、インクジェット記録装置が備えるコンピュータインタフェースとしてUSBとIEEE1394を例に説明したが、SCSIなど他の標準インタフェース、あるいは独自インタフェースに対して適用することも可能である。
また、上記第1および第2の実施例においては、Bk・Cy・Mg・Yeの4色インクを用いたインクジェット記録装置について説明したが、色数や色種はこれに限定するものではない。Bkを除く3色インクを用いたものであってもよいし、ライトCyやライトMgやライトYeなど低濃度の淡色インクを併用したものや、他の特別色を追加したものであってもよい。また搭載する記録ヘッドは1組(各色1つ)に限定するものではなく、複数組(各色2つ以上)の記録ヘッドを備えて高速処理を実現するインクジェット記録装置などにも適用可能である。
また、上記第1および第2の実施例においては、ハーフトーン処理やパスデータ処理をインクジェット記録装置内部で行う構成について説明したが、これらの一部を接続されるホストコンピュータ側のドライバで実現する構成であってもよい。
本発明は記録ヘッドの動作原理や構成により制限されるものではない。すなわち、記録ヘッドは、吐出口近傍に発熱素子(電気/熱エネルギー変換素子)を設け、この発熱素子に電気信号を印加することによりインクを局所的に加熱して圧力変化を起こさせ、インクを吐出口から吐出させるサーマル方式であってもよいし、ピエゾ素子等の電気/圧力変換手段を用い、インクに機械的圧力を付与してインクを吐出させるピエゾ方式であってもよい。
また、本発明に係るインクジェット記録装置の形態は、コンピュータやワードプロセッサをはじめとする情報処理装置の画像出力装置として一体または別体に設けられるものに限らず、読取装置と組み合わせた複写装置や通信機能を有するファクシミリ装置などであってもよい。
101 CPU
102 メモリコントローラ
103 バスブリッジ
104 RAM
105 ROM
106 操作パネルインタフェース107 操作パネル
108 USBインタフェース
109 IEEE1394インタフェース
110 拡張インタフェース111 画像データ処理ブロック
112 RAM
120,121 コンピュータ
201 CPU
202 SDRAM
203 ROM
204 紙搬送モータ制御回路
205 紙搬送モータ
206 紙搬送機構
207 キャリッジモータ制御回路
208 キャリッジモータ
209 バンドメモリ制御ブロック
210 メモリ
211 プリントヘッド制御回路
212 プリントヘッド
220 キャリッジ
701 記録ヘッド
702 キャリッジ
703 紙送りローラ
704 記録紙
705 給紙ローラ
706 ステー
102 メモリコントローラ
103 バスブリッジ
104 RAM
105 ROM
106 操作パネルインタフェース107 操作パネル
108 USBインタフェース
109 IEEE1394インタフェース
110 拡張インタフェース111 画像データ処理ブロック
112 RAM
120,121 コンピュータ
201 CPU
202 SDRAM
203 ROM
204 紙搬送モータ制御回路
205 紙搬送モータ
206 紙搬送機構
207 キャリッジモータ制御回路
208 キャリッジモータ
209 バンドメモリ制御ブロック
210 メモリ
211 プリントヘッド制御回路
212 プリントヘッド
220 キャリッジ
701 記録ヘッド
702 キャリッジ
703 紙送りローラ
704 記録紙
705 給紙ローラ
706 ステー
Claims (7)
- ホストとなるコンピュータとの間で、多値の画像データ・制御データを転送するための複数のインタフェースを具備し、複数のインク吐出部を有する記録ヘッドを記録媒体上に走査させ、入力された前記画像情報に基づいて、記録ヘッドから記録媒体にインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録装置において、
該多値データを2値化する複数の手段と、
該インタフェースの情報転送能力に応じて、該2値化手段を切り替える制御を可能とするプリント制御手段
を具備することを特徴とするインクジェット記録装置。 - 該プリント制御手段は、接続されたインタフェースの種類に応じて、該2値化手段を切り替えるように制御可能とする手段
を具備することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 該プリント制御手段は、接続されたインタフェースの実効レートに応じて、該2値化手段を切り替えるように制御可能とする手段
を具備することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 該プリント制御手段は、接続されたインタフェースの接続状況に応じて、該2値化手段を切り替えるように制御可能とする手段
を具備することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 該プリント制御手段は、接続されたインタフェースの転送能力が低い場合に、該2値化手段を切り替えるように制御可能とする手段
を具備することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。 - 該記録ヘッドは、熱エネルギーを利用してインクを吐出する記録ヘッドであって、インクに与える熱エネルギーを発生するための熱エネルギー変換手段
を具備することを特徴とする請求項1から請求項7いずれか一項に記載のインクジェット記録装置。 - 該記録ヘッドは、圧力発生素子を利用してインクを吐出する
ことを特徴とする請求項1から請求項7いずれか一項に記載のインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005003825A JP2006192602A (ja) | 2005-01-11 | 2005-01-11 | インクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2005003825A JP2006192602A (ja) | 2005-01-11 | 2005-01-11 | インクジェット記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006192602A true JP2006192602A (ja) | 2006-07-27 |
Family
ID=36799043
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2005003825A Withdrawn JP2006192602A (ja) | 2005-01-11 | 2005-01-11 | インクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2006192602A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013193400A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-09-30 | Seiko Epson Corp | 画像処理装置 |
US20180175772A1 (en) * | 2016-12-21 | 2018-06-21 | Rockwell Automation Technologies, Inc. | Motor drive with multi-function high speed communications interface |
US11139768B2 (en) * | 2016-12-21 | 2021-10-05 | Rockwell Automation Technologies, Inc. | Motor drive with independent physical backplane communication |
US11296640B2 (en) * | 2016-12-21 | 2022-04-05 | Rockwell Automation Technologies, Inc. | Motor drive with dynamic interval communication |
-
2005
- 2005-01-11 JP JP2005003825A patent/JP2006192602A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013193400A (ja) * | 2012-03-22 | 2013-09-30 | Seiko Epson Corp | 画像処理装置 |
US20180175772A1 (en) * | 2016-12-21 | 2018-06-21 | Rockwell Automation Technologies, Inc. | Motor drive with multi-function high speed communications interface |
US11139768B2 (en) * | 2016-12-21 | 2021-10-05 | Rockwell Automation Technologies, Inc. | Motor drive with independent physical backplane communication |
US11296640B2 (en) * | 2016-12-21 | 2022-04-05 | Rockwell Automation Technologies, Inc. | Motor drive with dynamic interval communication |
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