JP4307319B2 - 記録装置及び記録方法 - Google Patents

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Description

本発明は記録装置及び該装置を用いた記録方法に関し、詳しくは吐出する色材に応じて、記録素子列数や記録素子間隔を異ならせた複数の記録素子からなる記録ヘッドを用いて記録する記録装置及び記録方法に関するものである。
近年、オフィスや家庭におけるパーソナルコンピュータやワードプロセッサ、ファクシミリ等の普及により、これらの機器の情報出力機器として様々な記録方式の記録装置が提供されている。その中でもインクジェット方式によるプリンタなどの記録装置は、複数種類のインクを用いたカラー記録への対応が比較的容易なものである。また、動作時の騒音が小さく、多種多様の記録媒体に対して高品位の画像形成が可能であり、さらに小型である等、種々の利点を有している。この点から、この方式のプリンタなどはオフィスや家庭でのパーソナルユースに適したものと言える。このインクジェット方式の記録装置のうち、記録媒体に対して記録ヘッドを走査して記録を行うシリアル型の記録装置は、低コストで高品位の画像を記録できることから広く普及している。
シリアルタイプの記録装置は、このように比較的低コストであるものの、一方でより高い記録性能が求められている。記録性能の代表的なものは画質ないし画像品位と記録速度である。
画質を決定する1つの要因はインクの種類である。一般には、用いるインクの種類が多い程もしくはインクの種類を適切なものとして、より高い画質の記録を行うことができ、このインクの種類は、例えば、染料インク、顔料インクなどインクに用いる色材、濃、淡インクなどインクの色材濃度、オレンジ、レッド、ブルーの特色などインク色によって区別することができる。
よく知られたプリンタでは、例えば、染料ブラックインク、染料イエローインク、濃、淡の染料マゼンタインク、および濃、淡の染料シアンインクの6種類のインクを用いたものや、顔料ブラックインクと染料イエローインク、染料マゼンタインク、および染料シアンインクの4種類のインクを用いたものがある。前者はデジタルカメラやスキャナ等で入力された写真画像を光沢記録媒体に高画質で出力することを重視した装置であり、後者は普通紙に文書など黒文字や表などの黒線を高品位で出力することを重視した装置である。
また、画質を決定するもう1つの要因は解像度である。一般に高い解像度で記録された方がより高画質になる傾向にある。例えば、黒文字の場合は、高解像度で記録した方が、エッジ部分が滑らかになり、より高画質な記録結果が得られる。また、カラー画像の場合も、1つの画素が表現できる階調性の高さが高画質の要因の1つとみなされており、高い解像度であれば1画素についてより高い階調表現を実現することができる。その結果、より高画質な記録結果が得られる。
このように、同じインクの組み合わせの2種類の記録装置であっても、解像度の違いによって両者の記録結果は異なる可能性がある。したがって、より高解像度な記録を実現することは、より高画質な記録結果を得る上で重要な要因の一つとなっている。
従来、複数の解像度に対応した記録ヘッドに関する発明がなされている。特許文献1には、複数の記録解像度を有する記録ヘッドを具えたインクジェットプリンタが開示されている。これは、黒とカラーで解像度が異なる記録を行うものであり、黒はカラーに比べて高い解像度となっている。文書と画像とが混在する記録物において、テキスト文書などにもっとも頻繁に現れる黒成分を高い解像度で記録することによって、記録全体の画像品質を向上させようとするものである。
特許文献2には、複数の解像度に対応してドットサイズの異なるインクを吐出する記録ヘッドに関する発明が開示されている。ドットサイズの小さい黒インクのドットと、ドットサイズの大きいカラーインクのドットをと様々に組み合わせて打ち込むものである。
特開平7−186411号公報 特開平8−258291号公報
ところで、インクジェット記録装置において、解像度を高くした記録を行うということは、言い換えれば所定領域に打ち込み可能なインクドット数が多くなるということである。したがって、記録装置に搭載するインク色数やインク種類が多くなるほど、それらのインク色全てに対して高解像度記録を行うと、取り扱うデータ量が非常に多くなってしまう。これにより、吐出データ等を保持する記憶領域が大量に必要になり、装置本体に備えるメモリの容量を大容量なものとした場合、装置本体のコストが高くなってしまう。また、吐出データを展開する上で要する時間や、そのデータをヘッドドライバへ転送する時間がより多く必要になってしまう。結果として記録装置の製造コストが上昇したり、記録に要する時間が長くなるなどの問題がある。
また、記録ヘッドの生産技術においては、記録が高解像度になればなるほど、記録ヘッドを形成する各ノズル同士の間隔を狭くする必要がある。しかしながら、ノズルを高集積に形成するには高い製造技術が要求されるとともに、不良品の発生頻度すなわち不良率が高くなる可能性がある。したがって、ノズルを高集積に形成した記録ヘッドを製造すること自体が生産コストを高くする一因となりかねない。
本発明はこのような問題を解決するためになされたものであり、吐出データなどの保持のために必要とする記憶領域の必要量を最小限に抑え、また高い製造技術を必要としない記録ヘッド構成によって、通常の解像度よりも高い解像度の記録を実現できるモードを備え、必要に応じて高画質な画像形成を実現する記録装置及び記録方法を提供することを目的とする。
本発明の第1の形態は、インクを吐出するための複数の記録素子が一定間隔で配列された記録素子列を具える記録ヘッドを、前記記録素子列における記録素子の配列方向と異なる方向に走査させ、記録媒体に対し記録を行う記録装置であって、前記記録ヘッドは、第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列、および第2の色のインクに対応する複数の前記記録素子列が前記走査方向に配列され、前記第1の色のインクに対応する記録素子列数は、前記第2の色のインクに対応する記録素子列数よりも多く、前記第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列において前記記録素子の配列方向における記録素子間の間隔は、前記第2の色のインクに対応する複数の前記記録素子列において前記記録素子の配列方向における記録素子間の間隔に比べて狭く、前記第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列は、第1の吐出量でインクを吐出するための記録素子を配列した記録素子列と、前記第1の吐出量よりも少ない第2の吐出量でインクを吐出するための記録素子を配列した記録素子列とを含むことを特徴とする。
また、本発明の第2の形態は、インクを吐出するための複数の記録素子を一定間隔で配列された記録素子列を具える記録ヘッドを、前記記録素子列における記録素子の配列方向と異なる方向に走査させ、記録媒体に対し記録を行う記録装置であって、前記記録ヘッドは、第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列、および第2の色のインクに対応する複数の前記記録素子列が前記走査方向に配列され、前記第1の色のインクに対応する記録素子列数は、前記第2の色のインクに対応する記録素子列数よりも多く、前記第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列において前記記録素子の配列方向における記録素子間の間隔は、前記第2の色のインクに対応する複数の前記記録素子列において前記記録素子の配列方向における記録素子間の間隔に比べて狭く、前記第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列は、第1の吐出量でインクを吐出するための記録素子を配列した記録素子列と、前記第1の吐出量よりも少ない第2の吐出量でインクを吐出するための記録素子を配列した記録素子列とを含む記録装置を用いた記録方法であって、第1記録モードと、該第1記録モードよりも高解像度記録を行う第2記録モードとのモード切替を行うモード切替工程と、前記モード切替工程によって切り替えられたモードに応じて、前記複数の記録素子の駆動を制御する記録素子駆動制御工程とを具え、該記録素子駆動制御工程では、前記第1記録モードにおいては、前記第1の色のインクに対応する複数の記録素子列のうち、特定の記録素子列のみを使用して記録を行うとともに、前記第2記録モードにおいては、前記第1の色のインクに対応する複数の記録素子列の全てを使用して記録を行うことを特徴とする。
また、本発明の第3の形態は、インクを吐出するための複数の記録素子を一定間隔で配列された記録素子列を具える記録ヘッドを、前記記録素子列における記録素子の配列方向と異なる方向に走査させ、記録媒体に対し記録を行う記録装置であって、前記記録ヘッドは、第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列、および第2の色のインクに対応する複数の前記記録素子列が前記走査方向に配列され、前記第1の色のインクに対応する記録素子列数は、前記第2の色のインクに対応する記録素子列数よりも多く、前記第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列において前記記録素子の配列方向における記録素子間の間隔は、前記第2の色のインクに対応する複数の前記記録素子列において前記記録素子の配列方向における記録素子間の間隔に比べて狭く、前記第1の色のインクに対応する前記複数の記録素子列は、第1の吐出量でインクを吐出するための記録素子を配列した記録素子列と、前記第1の吐出量よりも少ない第2の吐出量でインクを吐出するための記録素子を配列した記録素子列とを含む記録装置を用いた記録方法であって、第1記録モードと、該第1記録モードよりも高解像度記録を行う第2記録モードとのモード切替を行うモード切替工程と、前記モード切替工程によって切り替えられたモードに応じて、前記複数の記録素子の駆動を制御する記録素子駆動制御工程とを具え、該記録素子駆動制御工程では、前記第1記録モードにおいては、前記第1の色のインクに対応する複数の記録素子列のうち、特定の記録素子列のみを使用して記録を行うとともに、前記第2記録モードにおいては、前記第1の色のインクに対応する複数の記録素子列のうち、第1記録モードで使用しない記録素子列のみを使用して記録を行うことを特徴とする。
本発明を用いることによって、複数の解像度を有する記録ヘッドを用いた記録装置を提供することができ、これによって、記録ヘッド生産における研究開発費及び製造ラインの開発費を低減して、高解像度の記録ヘッドによる高画質記録を実現する記録装置の市場導入を、より短期間で実現することができる。
また、複数の解像度を有する記録ヘッドを用いた記録装置を提供することで、高階調性と高解像度との両立を低コストで実現することができる。
また、本発明を用いることによって、使用する色材に応じた解像度の設定を実現することができるため、階調変化を表現する上での寄与が大きい色は記録素子列を増やして高解像度として、視認性が低い色や、画像形成における使用頻度の低い色に関しては低解像度とする記録ヘッドを用いることによって、記録時に使用する記憶領域の必要量を最低限に抑えて、視覚的に画質向上の度合いが大きい画像を形成することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
本発明の一実施形態としてインクジェット記録装置を説明する。ここでは、色材としてインクを使用し、ノズルである記録素子から該インクを記録媒体へ吐出する形態としたが、本発明はインクジェット記録装置に限らず、複数の記録素子からなる構成の記録装置であれば、実現可能である。
また、詳細は後述するが、本実施形態のインクジェット記録装置は、テキスト文書などを形成するモノクロ記録モードとカラー記録モードとを具え、カラー記録モードはさらに記録速度重視の通常記録モードと画像品位重視の高解像度記録モードとに分かれており、記録対象に応じてこれらのモードを使い分けるものとする。
(インクジェット記録装置の装置構成)
図1は、本実施形態のインクジェット記録装置の装置構成を示す図であり、ケースカバーを除いた状態で示す斜視図である。
同図に示すように、本実施形態のインクジェット記録装置は、記録ヘッド3を着脱自在に搭載するキャリッジ2と、これを移動させて記録ヘッドの走査を行うための駆動機構を備える。すなわち、キャリッジ2は、駆動源であるキャリッジモータM1の駆動力がベルト、プーリなどからなる伝動機構4を介してキャリッジ2に伝えられることによりキャリッジ2を矢印A方向に往復移動させることができる。キャリッジ2には、本記録装置で用いるインクの種類に対応してインクカートリッジ6が着脱自在に搭載される。搭載するインクカートリッジは簡略化して4個のみを示しているが、本実施形態では、第1および第2のブラックインク、シアン、マゼンタ、イエローの5種類のインクを用いるため、必要に応じてインクごとに別体のインクカートリッジを5個搭載するようにしてもよい。なお、インクの詳細については後述する。
記録ヘッド3は大きくはブラックインク用チップとカラーインク用チップに分かれており、キャリッジ2には、これらチップにおける各溝にそれぞれ対応するインクがカートリッジから供給されるようそれぞれのインク供給路が形成される。また、キャリッジ2と上記各チップからなる記録ヘッド3は、両部材の接合面が適切に接して所要の電気的接続ができるよう構成される。これにより、記録ヘッド3は、記録信号に応じて前述のヒータに電圧パルスを印加してインクに気泡を生じさせこの気泡の圧力によって吐出口からインクを吐出することができる。すなわち、電気熱変換体であるヒータはパルスが印加されることにより熱エネルギーを生じ、これによりインクに生じる膜沸騰による気泡の成長、収縮によって生じる圧力変化を利用して、吐出口よりインクを吐出させるものである。
また、記録媒体である記録紙Pを搬送する給紙機構5を備え、記録ヘッドの走査に応じて所定量の紙送りを行う。さらに、キャリッジ2の移動範囲の一端には、記録ヘッド3の吐出回復処理を行うための回復装置10を備える。
このようなインクジェットプリンタにおいて、記録紙Pは給紙機構5によって記録ヘッド3の走査領域に送り込まれ、記録ヘッド3の走査によって記録紙Pに画像や文字などの記録が行なわれる。
上述の装置構成をより詳細に説明すると、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の駆動力を伝達する伝動機構4を構成する駆動ベルト7の一部に連結されており、また、ガイドシャフト13に沿って矢印A方向に摺動自在に案内支持されている。これにより、キャリッジモータM1の駆動力がキャリッジ2に伝達されてその移動を行うことができる。この場合、キャリッジ2は、キャリッジモータM1の正転および逆転によってそれぞれ往方向または復方向の移動を行うことができる。また、図1において、8はキャリッジ2の矢印A方向における位置を検出するためのスケールを示す。本実施形態では、透明なPETフィルムに所定のピッチで黒色のバーを印刷したものを用いており、その一方はシャーシ9に固着され、他方は不図示の板バネで支持されている。このスケールのバーをキャリッジ2に設けられるセンサが光学的に検出することにより、キャリッジ2の位置を検出することができる。
記録ヘッド3の走査領域で、記録ヘッド3の走査でそれぞれの吐出口列に対向する領域に不図示のプラテンが設けられており、このプラテン上を搬送される記録紙Pに対してそれぞれのインクを吐出することにより、プラテンによって平坦な面が維持された記録紙に記録が行われる。
14は不図示の搬送モータM2によって駆動される搬送ローラを示し、15は不図示のバネにより記録シートを搬送ローラ14に当接するピンチローラ、16はピンチローラ15を回転自在に支持するピンチローラホルダをそれぞれ示す。また、17は搬送ローラ14の一端に取り付けられた搬送ローラギアを示し、この搬送ローラギア17に不図示の中間ギアを介して伝達された搬送モータM2の回転により、搬送ローラ14が駆動される。20は記録ヘッド3によって画像が形成された記録紙を装置外ヘ排出するための排出ローラを示し、同様に搬送モータM2の回転が伝達されることで駆動される。なお、排出ローラ20には不図示のバネの押圧力によって不図示の拍車ローラが記録紙に当接する。22は拍車ローラを回転自在に支持する拍車ホルダを示す。
キャリッジ2が記録動作のために往復移動する範囲(走査領域)外の所定の位置(例えばホームポジションと対応する位置)には、上述のように、記録ヘッド3の吐出性能を維持するための回復装置10が配設されている。この回復装置10は、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングするキャッピング機構11と記録ヘッド3の吐出口面(各色の吐出口列が設けられた面)をクリーニングするワイピング機構12を備えており、このキャッピング機構11による吐出口面のキャッピングに連動して回復装置内の不図示の吸引機構(吸引ポンプ等)により吐出口からインクを強制的に排出させ、それによって、記録ヘッド3のインク路内の増粘インクや気泡等を除去するなどの吐出回復処理を行うことができる。また、非記録時等に、記録ヘッド3の吐出口面をキャッピングすることによって、記録ヘッドを保護するとともにインクの乾燥を防止することができる。さらに、ワイピング機構12は、キャッピング機構11の近傍に配されて、記録ヘッド3の吐出口面に付着したインク滴を拭き取ることにより、そのクリーニングを行う。そして、これらキャッピング機構11およびワイピング機構12により、記録ヘッド3を正常な吐出状態に保つことが可能となっている。
図2は図1に示した装置構成を具えたインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。
図2に示すように、コントローラ600は、マイクロコンピュータ形態のCPU601、後述する各種記録モードの実行やその際の記録動作の制御、また、後述する画像処理のシーケンスに対応したプログラムや所要のテーブルその他の固定データを格納したROM602、上記各記録モード実行の際のキャリッジモータM1の制御、紙送りモータM2の制御、記録ヘッド3における吐出制御等の制御信号を生成する特殊用途集積回路(ASIC)603、画像データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM604、CPU601、ASIC603およびRAM604を相互に接続してデータの授受を行うシステムバス605、以下に説明するセンサ群からのアナログ信号を入力してA/D変換し、それぞれのデジタル信号をCPU601に供給するA/D変換器606などで構成される。
610は画像データの供給源となるホストコンピュータ(あるいは画像読取り用のリーダや、デジタルカメラなど)を示し、インターフェース(I/F)611を介して画像データ、コマンド、ステータス信号等をコントローラ600と送受信する。
620はスイッチ群を示し、電源スイッチ621、プリント開始を指令するためのスイッチ622、および記録ヘッド3の回復処理の起動を指示するための回復スイッチ623など、操作者による指令入力を受容するためのスイッチを有する。630はセンサ群を示し、記録ヘッド3がその移動によりホームポジションhに位置することを検出する、上記スケール8と組合わされるフォトカプラ631、環境温度を検出するためにプリンタの適宜の箇所に設けられた温度センサ632等から構成される。さらに、640はキャリッジモータM1を駆動するドライバ、642は紙送りモータM2を駆動するためのドライバをそれぞれ示す。
以上の構成において、本実施形態の記録装置は、インターフェース611を介して転送された記録データのコマンドを解析し、記録すべき画像データをRAM602に展開する。画像データの展開領域(展開バッファ)は、横を主走査方向の記録可能領域分の画素数Hpに対応したサイズ、縦を記録トヘッドにおけるノズル列により1回の走査で記録される縦方向の画素数である64n(nは1以上の整数;例えばn=4)に対応したサイズとしてそれぞれ構成し、RAM602の記憶領域上に確保される。また、記録走査において記録ヘッドにデータを送るために参照されるRAM602上の記憶領域(プリントバッファ)は、横を主走査方向の記録可能領域分の画素数Vpに対応したサイズ、縦を記録ヘッドの1回のプリント走査でプリントされる縦方向の画素数である64nに対応したサイズとして構成し、RAM602の記憶領域上に確保される。
ASIC603は、記録ヘッドによる記録走査の際に、RAM602の記憶領域(プリントバッファ)に直接アクセスしながら記録ヘッドに対して各吐出口ごとにヒータの駆動データを取得し、それを記録ヘッドのドライバへ転送する。
このような構成のインクジェット記録装置に搭載するインクについて、以下に詳細を説明する。
(インク)
本実施形態では、ブラックインクとして、上述記録モードに応じて2種類のインクが用いられる。そのうち、テキスト文書などのモノクロ記録モードで使用される第1のブラックインクは、色材としてカーボンブラックからなる顔料を用いたものである。この顔料の表面にカルボキシル基等の表面処理を施すことでインク中に分散可能にしている。また、インクの水分蒸発を抑制するためにグリセリン等の多価アルコール類を保湿剤として添加することが好ましい。さらに、顔料インクは顔料が記録媒体表層に定着するため、文字等のキャラクタを記録するのに用いると黒々としたシャープな文字を実現することができる。また、テキスト文書は普通紙に記録されることが多いので、普通紙においてもブラックインクドットのエッジが劣化しないことが重要であるが、エッジが劣化しない範囲でインクの浸透性を調整するためにアセチレングリコール系の界面活性剤を添加しても良い。また、この顔料と記録媒体との結着力を高めるために高分子ポリマーをバインダーとして添加しても良い。
一方、カラー記録モードで使用される第2のブラックインクは、色材としてブラック染料を用いる。また、記録媒体の表面で十分高速なインクの浸透を実現するためにアセチレングリコール系の界面活性剤を臨界ミセル濃度以上添加する。また、本インクも水分蒸発を抑制するためにグリセリン等の多価アルコール類を保湿剤として添加することが好ましい。また、尿素等を色材の溶解性を高めるために添加しても良い。
写真画像などをカラー記録する場合、本実施形態では、カラーインクとしてシアンインク、マゼンタインクおよびイエローインクが用いられる。これらはそれぞれシアン、マゼンタ、イエロー色の染料インクとなっているため、ここで、第1のブラックインクである顔料インクを用いると、カラーインクとブラックインクとの間でインクの浸透速度に違いがあり、結果としてカラーインクとブラックインクの境界部分でブリーディングやフェザリングが発生しやすくなる。したがって、写真画像のような比較的高品位のカラー記録を行う場合、上述のブラック染料インクを用いるものとする。したがって、カラーインクは、第2のブラックインクと同様な保湿剤、界面活性剤、および添加物を添加することが好ましい。なお、本発明はこれに限らず、顔料インクと染料インクを併用する形としてもよいのは言うまでもない。
また、第2のブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクの表面張力は概略同じになるように界面活性剤を調整することが望ましい。これは普通紙においての浸透性を同じにすることで紙面上での各インク間で記録された領域間のにじみ(ブリード)を抑制することができる。また、上記特性以外のインクの浸透性および粘度などの特性は、第2のブラックインクとシアンインク、マゼンタインク、イエローインクとは同等に調整する。
(記録ヘッド構成)
次に、本実施形態で用いられる記録ヘッドの構成について図3を参照して説明する。
まず、各記録ヘッドには複数の吐出口が記録媒体搬送方向に配列されている。各吐出口はインクタンクと連通するインク液室及びインク液路とつながっており、各吐出口に対応してインク液路には電気熱変換体であるヒータが設けられている。インク吐出時はこのヒータを発熱させ、インク中に気泡を発生させ、この気泡の生成圧力によって所定量のインクを滴として記録媒体上に吐出する。以下、吐出口とそれに対応するインク液路等を含めて「ノズル」と称する。
図3は、本インクジェット記録装置に装着された状態の記録ヘッドを記録媒体側から見た図であり、各記録チップの配置を示した模式図である。
同図に示すように、本実施形態の記録ヘッドは、カラーインク用チップ1100とブラックインク用チップ1200を基材1000に接続することにより形成される。カラーインク用チップ1100とブラックインク用チップ1200とを比較して分かるように、ブラックインク用チップ1200の方が記録媒体搬送方向に長くなっている。ブラックインク用チップ1200は、上述の第1ブラックインクを吐出するためのノズルを配列したものであり、カラーインク用チップ1100より記録媒体搬送方向(副走査方向)にノズルの配列範囲が長いチップである。これによって、ブラックインク用チップを用いて黒1色でテキスト文書等を記録する場合、1走査での記録幅が長いので、1ページを記録するために要する走査数が少なくなり、記録に要する時間が短くすることができる。テキスト文書のように記録速度を重視する記録モードの場合、非常に有効である。
また、記録媒体上の同一記録領域に対しカラーインクの付与に先行して顔料ブラックインクの記録を行うことができるように、カラーインク用チップ1100とブラックインク用チップ1200は記録媒体方向にずらした位置に配置してある。
次にカラーインク用チップについて説明する。ここで、本発明の特徴を明確にするために、従来のノズル列構成および、該構成における記録方法などを参考形態として説明する。
(参考形態)
図4は、カラーインク用チップ1100における各色インクの吐出口の配置を示した模式図である。
本形態のカラーインク用記録チップは、シアン、マゼンタ、イエローの各インクおよび上記第2のブラックインクについて、それぞれ複数の吐出口およびそれぞれの吐出口に対応した、吐出に利用される熱エネルギーを発生するヒータなどが設けられたものである。そして、本実施形態で説明する記録ヘッドのカラーインク用チップ1100には、カラーの各色インクについて2つの吐出口列が設けられるとともに、その吐出口列の配置が、シアン、マゼンタ、イエローの各インクについては前述したような対称配置であり、第2のブラックインクについては、そのような配置を採らず、イエローインクの吐出口列y2とマゼンタインクの吐出口列m2との間に、吐出口列k1、k2が配置される構成とする。従って、第2のブラックインク用の吐出口列k1、k2は、異なる色のインクに対応した吐出口列(ここではイエローとマゼンタ)に挟まれた配置となっている。なお、図4に示す配置からすると、シアン、マゼンタの吐出口列が対称配置となっている間に、イエロー、ブラックのインクに対応する吐出口列が並んで配置されていると言える。
カラーインク用チップの具体的構成は、シリコン製の同一のチップ1100に6個の溝を形成し、溝ごとにそれぞれのインクの上述した吐出口などが形成される。すなわち、吐出口、これに連通するインク液路、インク液路の一部に形成されたヒータ、およびこれらのインク液路に共通に連通する供給路などが形成される。
また、チップ1100の各溝の間には上記ヒータを駆動するための駆動回路(不図示)が設けられる。ヒータや駆動回路は、半導体の製膜プロセスと同じプロセスによって製造される。また、インク液路や吐出口は樹脂によって形成される。さらに、シリコンチップの裏面には各溝に対してそれぞれにインクを供給するインク供給路が設けられる。
6個の溝は、図において走査方向左側から順に、第1溝1001、第2溝1002、第3溝1003、第4溝1004、第5溝1005、第6溝1006とするとき、本実施形態では、第1溝1001および第6溝1006にシアンインクを供給し、第2溝1002および第5溝1005にマゼンタインクを供給し、第3溝1003にイエローインクを供給し、第4溝1004に染料を色材とする第2のブラックインクを供給する。
そして、第1溝1001には、64n(nは1以上の整数;例えばn=4)個の吐出口から成るシアンインクのノズル列c1を、第2溝1002には64n個の吐出口から成るマゼンタインクのノズル列m1を構成する。また、第3溝1003の第2溝側には64n個の吐出口から成るイエローインクのノズル列y1を、第3溝1003の第4溝側には64n個の吐出口から成るイエローインクのノズル列y2を構成する。さらに、第5溝1005には64n個の吐出口から成るマゼンタインクのノズル列m2を、第6溝1006には64n個の吐出口から成るシアンインクのノズル列c2を構成する。また、第4溝1004の第3溝側には64n個の吐出口から成る染料ブラックインク(第2ブラックインク)のノズル列k1を、第4溝1004の上記ノズル列k1に隣接して64n個の吐出口から成る同じ染料ブラックインクのノズル列k2を構成する。
各ノズル列はそれぞれ概略等ピッチで吐出口を配置し、また、それぞれ同じ色のインクのノズル列間では各吐出口の配列ピッチの半分だけ相互の配置を副走査方向にずらしてある。これは各画素について1回の記録走査における記録ドットによる記録媒体の被覆効率が最も高いように構成するためである。
本形態では、カラー記録に使用するインクの組み合わせとして、シアン、マゼンタ、イエローのインク組み合わせを第1のインクの組み合わせとし、シアン、マゼンタ、イエローの各インク、および第2ブラックインクの組み合わせを第2のインクの組み合わせとする。図4の対称配置からも明らかなように、第1のインクの組み合わせにおいて、任意の2種類以上のインクを用いて表現する2次色または3次色の記録の場合には2つ付与順をもつことができる。
上述したように、シアン、マゼンタのインク並び順は中心線を軸として記録走査方向に線対称となっている。走査方向先頭にあるインクから順に記録媒体に付与されていくとする。ここで、2次色ドットはインクの重なり順の違いによって微妙に色味が変化する。この現象と本記録ヘッドのインク並び順との関係について、図を参照してより具体的に説明する。こ
図5において、シアンドット(シアンインクにより形成されるドット、以下、同じ)を縦線で表し、マゼンタドットを横線で表し、イエロードットを格子線で表している。また、本図は実際の重なり順番がわかる様にドットの重なりをずらして模式化している。
隣接するシアン列とマゼンタ列によって、2次色(青)が形成されるとすると、シアンインクとマゼンタインクの組み合わせによる2次色である青色(C+M)は、同図から明らかなように、往復それぞれの走査で、ノズル列c1、m1の組とノズル列c2、m2の組でドットが形成される。ここで図より明らかなように、往路/復路のいずれにおいても、c1、m1の組で形成されるドットとc2、m2の組みで形成されるドットのインクの付与順序は逆転することになる。つまり、往路/復路のいずれにおいても、インクの付与順番がシアンの次にマゼンタがくる画素とマゼンタの次にシアンがくる画素の2種類を記録することができる。
これら重なり順序の異なる2種類のドットは、記録データを処理することによって、往路および復路の双方の走査でほぼ同数発生させることが可能である。これは、後述する1パス記録とマルチパス記録のいずれによっても可能となる。このように、本実施形態では、双方向記録において、全ての画素に対して同じ付与順でドットを形成するように制御するのではなく、付与順序ないしドットの重なり方について2種類設け、これら2種類がほぼ同数発生するように記録データの処理を行う。つまり、付与順序の異なる2種類のドットが所定方向に分散されることになる。したがって、インクの付与順序が異なることに起因した色むらを目立たなくする。
同様に、シアンとイエローの組み合わせによる2次色である緑色(C+Y)は、ノズル列c1、y1の組とノズル列c2、y2の組を用いるにより、往復両方向において、付与順序がシアンの次にイエローがくる画素とイエローの次にシアンがくる画素の2種類を生成することができる。また、マゼンタとイエローの組み合わせによる2次色である赤色(M+Y)は、ノズル列m1、y1の組とノズル列m2、y2の組を用いることにより、往復両方向において、付与順序がシアンの次にイエローがくる画素とイエローの次にシアンがくる画素の2種類を生成することができる。また、シアン、マゼンタおよびイエローのインクによる3次色においても、ノズル列c1、m1およびy1の組とノズル列c2、m2およびy2の組を用いることにより、シアン、マゼンタ、イエローの付与順序になる画素とイエロー、マゼンタ、シアンの付与順序になる画素の2種類を生成することができる。
このように、記録ヘッドの走査方向にインク付与順序の異なる2種類のドットを打ち込むことで得られる色ムラ防止などの効果は本実施形態においても同様である。
なお、第2のブラックインクについては、同様に2種類の重なり方が可能であるが、対称配置ではないためその2種類の重なり方は図3に示すような付与順が完全に逆になる付与順とはならない。
ところで、本実施形態の記録ヘッドのカラーチップにおけるノズル列並びの詳細については、後述するが、ここではまず、使用するインク色は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック(カラー記録の場合は第2ブラックインク)の4色とし、ホストコンピュータから送られた画像データから実際の吐出データを形成する上でのデータ処理の詳細について、以下に説明する。
(データ処理)
本実施形態では、レッド(R)、グリーン(G)、ブルー(B)の多値データに対し、所定の画像処理を施すことにより、本記録装置で用いるインク色に対応したシアン、マゼンタ、イエローおよびブラックの量子化された多値データに変換する。ここでは説明を簡単にするために、2値データもしくは3値データへの変更について説明する。なお、本実施形態では、この処理をホスト装置610において行うが、記録装置のコントローラ等において行なってもよい。
一般的にデータ処理は、記録モードに応じて実行されるものである。例えば、記録速度の速い記録モード、すなわちスピード重視の記録モードでは0,1の2値データへの変換を行い、スピードよりもむしろ画質を重視する高画質記録モードでは0,1,2の3値データへの変換を行なうとする。
また、このデータ処理および記録動作において、処理にかかる画素の単位は、図4に示した同じインク色のそれぞれ2つの吐出口列において、各吐出口列の吐出口配列ピッチの1/2の間隔で副走査方向において隣接する2つの吐出口(従って、異なる吐出口列の吐出口)によるそれぞれのインクドットを形成可能な単位ないしサイズであり、また、この画素においてこれらドットは離れた位置に形成される。より具体的には、画素の単位は、図3に示した、2つの格子点上に形成された2つのドットを有する領域が一つの単位とする。
以下では双方向記録を行う場合のデータ処理を説明する。このデータ処理は、記録ヘッドに形成された各色インクの2つの吐出口列のそれぞれに対応させてデータ振り分けを行なう。具体的には、各吐出口列に対応するプリントバッファを設け、対応するプリントバッファに上記の2値データまたは3値データを格納する処理を行なう。これにより、各走査ではそれぞれの吐出口列に対応したプリントバッファのデータを読み出し、それぞれの吐出口列の吐出口からインクを吐出すべくデータ転送を行なう。
以下、各モードでのデータ処理をさらに詳しく説明する。
(2値の場合)
上記のように、シアン、マゼンタ、イエローの量子化されたデータが2値の場合は、同じインク色で対となる2つの吐出口列(ノズル列)で同一のプリントバッファを用いる。
具体的には、図4のシアンノズル列c1およびシアンノズル列c2に、同じシアン第1プリントバッファを割り当て、同様に、マゼンタノズル列m1およびマゼンタノズル列m2に対してはマゼンタ第1プリントバッファを割り当て、イエローノズル列y1およびイエローノズル列y2に対してはイエロー第1プリントバッファを割り当てる。
言い換えれば、2値化されたデータは、例えばシアンインクの場合、全てシアン第1プリントバッファに展開される。そして、往走査では、シアン第1プリントバッファに展開された2値データを参照し、記録ヘッドのシアンノズル列c1とシアンノズル列c2の両方の吐出口に対応させて転送し、その対応する吐出口からインクを吐出する。つまり、データ値が1(吐出)の場合、シアンノズル列c1とc2の両方の対応する吐出口からインクが吐出される。同じく、復走査でも同様、シアン第1プリントバッファに展開された2値データを参照して、シアンノズル列c1とシアンノズル列c2の吐出口に対応させて転送しその対応する吐出口からインクを吐出する。
このように、シアンノズル列c1とシアンノズル列c2で同一の画素にインクを吐出して2ドット打ち込むことになる。すなわち、2値データが1の画素は、同一インク色について異なる吐出口列の吐出口から吐出されるインクによる2つのドットで構成されることになる。同様にして、マゼンタ、イエローについてもマゼンタ第1プリントバッファ、イエロー第1プリントバッファを参照してそれぞれ2つの吐出口列によって画像を記録する。
この場合、各画素(2値データが1の画素)を構成する2つのドットが異なるノズル列によるものであることから、図3にて示したように、2次色、3次色であっても2種類のインク付与順序が存在し、従って、記録画像全体でもこの付与順序が異なるドットが同数存在することになる。これにより、走査方向の違いによる各色インク相互の付与順序ないし重なり方の違いは、画素単位および記録画像全体の双方で緩和されて、色むらの発生を低減できる。
なお、記録モードによっては、顔料インクである第1のブラックインクを用いるが、その2値データは通常の記録と同様に1つのプリントバッファに格納され、また、記録の際には参照されて、ブラックインク用チップ1200の各吐出口に対応させて記録ヘッドに転送される。これは次に説明する3値の場合も同様である。
(3値の場合)
シアン、マゼンタ、イエローの量子化されたデータが3値の場合は、画素のドット形成について、それぞれ、ドットなし、1ドット、および2ドットの3段階となる。これに対応して、3値データの内容は0、1、2であり、0の場合にはドットなし、1の場合には1ドット、2の場合には2ドットとなる。
この場合、プリントバッファは各インク色の各ノズル列に対応するように第1のプリントバッファと第2のプリントバッファとに記憶領域を分けて管理する。すなわち、シアンノズル列c1に対してはシアン第1プリントバッファを割り当て、マゼンタノズル列m1に対してはマゼンタ第1プリントバッファを割り当て、イエローノズル列y1はイエロー第1プリントバッファを割り当てる。また、イエローノズル列y2にはイエロー第2プリントバッファを割り当て、マゼンタノズル列m2に対してはマゼンタ第2プリントバッファを割り当て、シアンノズル列c2に対してはシアン第2プリントバッファを割り当て管理する。
そして、量子化された3値データが0の場合は第1および第2のプリントバッファの双方にデータ無しを意味する0を展開する。量子化された3値データが2の場合は、第1および第2のプリントバッファの双方に1ドットのデータを意味する1を展開する。これにより、インク色の3値データが2の場合には、往復走査のいずれでも、3値データが2の画素に対して異なるノズル列で各1ドットの計2ドットが形成される。量子化された3値データが1の場合は第1または第2のプリントバッファのどちらか一方に1を展開し、他方に0を展開する。この際、同一のインク色についてその3値データが1である度にどちらのプリントバッファに1を展開したか記憶しておき、3値データが次に1であるとき、そのデータを展開するプリントバッファを切り替えるようデータ展開を制御する。これにより、往復走査のいずれでも、3値データが1の画素に対して異なるノズル列のどちらか一方により1ドットを形成することになる。
以上説明した3値データの振り分けの結果、多数の画素でマクロ的に見れば異なるノズル列で記録されるドットの数が同数であることになり、付与順序が異なる2種類のドットが確率的に同数存在することになり、視覚的な色むらの認識が比較的困難となる。
上述したように、量子化されたデータが2値の場合のデータ処理は3値の場合のデータ処理に比較してデータの処理量が少ないので高速に記録する記録モードに適している。また、2値のデータ処理の場合、本実施形態では各画素について2ドットの構成であるため、記録画像の低濃度部で1ドットを使用する上記3値の処理に比較して粒状感において品位の劣る画像となるため、高画質の記録モードでは3値データを用いる。なお、粒状感で品位劣化の少ないイエローは2値の量子化を行って、その他の色を3値の量子化を用いてもよい。
なお、後述するが、本実施形態ではさらに4値以上の階調表現を行う。したがって、このような場合においても、吐出口列とプリントバッファとの対応を3値のデータ振り分けと同じものとするとともに、3値の場合と同様に、偶数個のドットによる表現の場合は第1および第2のプリントバッファの双方に同一個ドットを記録するようにデータを展開し、奇数個のドットによる表現の場合は第1または第2のプリントバッファのいずれか一方のドットが他方に対して1ドット多くなるようにデータを展開する。そして、同一インク色について階調表現のドット数が奇数個である度にどちらのプリントバッファが1ドット多いデータを展開したか記憶しておき、次に画素のドット数が奇数個であるときに1ドット多いデータを展開するプリントバッファを切り替えるようにデータを展開する。
ブラックインク(第2のブラックインク)の場合、図4に示したように、その2つの吐出口列は、シアン、マゼンタ、イエローインクのように対称配置ではないが、ブラックのプリントバッファおよび量子化データの振り分けは、上述したシアン、マゼンタ、イエローと同様の構成とする。
具体的には、量子化されたデータが2値の場合は、2つのノズル列で同一のプリントバッファを兼用する。また、量子化されたデータが3値の場合は、各ノズル列に対応するように第1のプリントバッファと第2のプリントバッファとに記憶領域を分けて管理する。すなわち、ブラックノズル列k1に対してはブラック第1プリントバッファを、ブラックノズル列k2に対してはブラック第2プリントバッファを割り当て管理するとともに、3値データの振り分けも上述したシアン、マゼンタ、イエローの3値データの振り分けと同じものとする。
ところで、本実施形態の記録装置は、記録モードに応じて、所定領域を記録する走査数が異なる。スピードを重視するテキスト文書などのモノクロ記録モードでは、1パス記録を行う一方で、画質を重視するモードではマルチパス記録を行う。各記録方法について、以下にさらに具体的に説明する。なお、両記録方法とも、双方向記録を行うものとする。
(1パス記録)
図6は、カラーの記録物を1回の走査で完成させる1パス記録を模式的に説明する図である。
図において、1100は図1に示したカラーインク用チップを示し、1200は同様に顔料ブラックのブラックインク用チップを示しており、この図6では吐出向列の幅、走査で記録可能な幅として示されている。また、各チップにおける斜線部または網掛け部は走査で記録に使用している吐出口部分を示したものである。また、図における破線は記録媒体の1回の副走査(紙送り)による搬送量を示したものである。すなわち、本実施形態の1回の副走査による搬送量は、1回の記録ヘッドの走査で図2に示したカラーインク用チップの各色吐出向列の幅にあたる64n画素相当分である。また、図において紙面の左右が記録ヘッドの走査方向であり、紙面の上方向が記録媒体の搬送方向の下流側となる。
本実施形態の1パス記録は、ブラックインク用チップとカラーインク用チップの両方を用いるモードと、カラーインク用チップのみを用いるモードがあり、以下では両方のチップを用いる場合について説明するが、カラーインク用チップのみを用いるモードでも以下に示す記録動作と同様の動作が行なわれることは明らかであるから、その説明は省略する。また、両方のチップを用いるモードでは、カラーインク用チップ1100における第2のブラックインクの吐出口列k1、k2は用いられない。
まず、往走査S201で顔料ブラックインクのチップ1200で記録領域1の記録を行う。
次に、記録媒体を64n画素分搬送して、復走査S202で顔料ブラックのチップ1200によって記録領域2の記録を行う。
次に、記録媒体を64n画素分搬送して、往走査S203で顔料ブラックのチップ1200で記録領域3の記録を行い、同時に記録領域1をカラーインク用チップ1100により記録を行う。
以降、64n画素分の搬送を挟んだ復または往走査S204、S205、…では、走査S203と同様に2つの記録領域をそれぞれのチップにより記録を行ない、画像を完成させる。
本記録動作によれば顔料ブラックインクの記録は必ずカラーの記録より1記録走査分早く同一の記録領域を行うことが可能である。これにより顔料ブラックインクが記録媒体に十分に浸透した後にカラーインクを付与することになり、黒とカラーとの間に生じるにじみを低減できる。また、カラーインク間の付与順序に起因した色むらは、上述したように、付与順が異なる2種類のドットが略同数存在するように記録が行なわれるので、色むらを低減することができる。
(マルチパス記録)
本実施形態では、マルチパス記録において所定の記録領域を完成する複数回の走査それぞれのデータをランダムマスクを用いて生成し、この生成されたデータに基づく記録制御を行なう。以下では、ランダムマスクおよびそれによって生成されたデータに基づいて記録制御について説明する。また、このマルチパス記録は、記録モードについて後述されるように、シアン、マゼンタ、イエローインク以外に、第1ブラックインクである顔料ブラックインクまたは第2ブラックインクである染料ブラックインクを用いる場合のモードである。
(ランダムマスクの作成)
図7は同一記録領域を4回の走査で画像を完成させるためのマスク構成を模式的に示す図である。
マスクはマスクA、マスクB、マスクC、およびマスクDの4つの領域で構成される。マスクA、マスクB、マスクC、およびマスクDはそれぞれ16キロバイト(1キロバイトは16000ビット)で構成する。詳細には、同図に示されるように、各マスクは縦16ビットで横16000ビットの構成である。この縦と横のビットの関係は、量子化された画像データを構成する画素の縦と横の関係と一致する。また、マスクにおける画素の位置は同図の矢印で示されるように、縦方向をV、横方向をHとして管理する。ここで、マスクA、マスクB、マスクC、およびマスクDは記憶素子上で一続きに展開することにより、横方向のHにより各マスクを管理することができる。この管理の仕方によれば、マスクAの先頭は(H、V)=(0、0)となり、マスクBの先頭は(H、V)=(16000、0)となり、マスクCの先頭は(H、V)=(16000×2、0)となり、マスクDの先頭は(H、V)=(16000×3、0)となる。
図8は、本実施形態のランダムマスクの生成手順を示すフローチャートである。
S1000でランダムマスクの作成を開始する。次に、S1001でマスクの設定を開始する位置をマスクの先頭に設定する。すなわち、マスクAは(H、V)=(0、0)になり、マスクBは(H、V)=(16000、0)になり、マスクCは(H、V)=(16000×2、0)になり、マスクDは(H、V)=(16000×3、0)になる。次に、S1002では、0、1、2、3で構成される乱数を発生させる。次に、S1003、S1004およびS1005により、乱数の値に応じて記録または非記録を設定するマスクを決定する。
乱数が0の場合は、S1003での決定により、S1006、S1007、S1008、S1009の処理を実行する。すなわち、S1006においてマスクAに1を設定して記録ビットとする。ここで、この記録ビットとは、マスクの画素に対応する画像データの画素のデータを有効とするものであり、その画素の例えば2値データが1の場合はその画素にドットが形成されることを意味する。逆に、非記録ビットとは対応する画素のデータを無効にすることを意味する。次に、S1007、S1008、およびS1009においてそれぞれマスクB、マスクC、およびマスクDに0を設定して非記録ビットとする。乱数が1の場合は、同様にして、マスクBを記録ビット、その他を非記録ビットとし、乱数が2の場合は、マスクCを記録ビット、その他を非記録ビットとし、乱数が3の場合は、マスクDを記録ビット、その他を非記録ビットとする。これら1画素ごとのマスク設定の処理後、S1022ではマスクの全領域を設定し終えたかどうかを判断する。すなわちこの判断はマスクAの現在の設定位置が(H、V)=(16000、16)であるかの判断になる。S1022においてマスクの全領域を設定し終えていないと判断した場合、S1023に進む。S1023では次に設定を行うマスク上の位置を指定する。ここで、現在のV座標を1つ足すことになる。但し、現在のV座標が16の場合はVを1に設定してマスクA、マスクB、マスクC、マスクD、それぞれのH座標を1つ足すことになる。S1023の処理の後、S1002に進み上記の処理を繰り返す。S1022においてマスクの全領域を設定し終えている場合、S1024に進みランダムマスクの生成処理を終了する。
(記録制御)
上記のランダムマスクは記録媒体上の記録可能領域に対して、設定可能な構成をとる。記録媒体上の記録可能領域の座標を、主走査方向をHpとし、副走査方向をVpとする。本実施形態では、同一記録領域を4回の走査で画像を完成させるマルチパス記録を行なう。
本記録装置は、I/F611(図2)を介してホスト装置610から転送された記録データのコマンドを解析し、記録を行う画像データとしてRAMに展開する。この画像データの展開領域(展開バッファ)としては、横を記録可能領域分のVp画素とし、縦を記録ヘッドの走査で記録される縦方向の幅である、64nの4分の1である16n画素分としてRAM上に確保する。また、走査において記録ヘッドが参照するRAM上の記憶領域(プリントバッファ)としては、横を記録可能領域分のVp画素とし、縦を記録ヘッドの走査で記録される縦方向の幅である64n画素としてRAM上に確保する。
また、本記録装置のASICの機能として、プリントバッファの縦方向の16画素単位でプリントバッファの横方向に対するランダムマスクの開始位置であるH座標として指定できる構成をとる。さらに、ASICの機能として記録領域の横方向に対してランダムマスクの終端になった場合は、ランダムマスクの先頭にもどる機能を有する。すなわち記録領域の横方向に対してランダムマスクの横方向のH=0から16000を繰り返し対応させることになる。
上記の構成に基づき、ASICは記録ヘッドの走査の際にプリントバッファの画像データとランダムマスクのデータを対応させながら記憶領域に直接参照しながら双方のデータの論理積(AND)を行なって記録ヘッドに駆動データを転送する。
また、本実施形態では4回の走査で画像を完成させるため、1回の記録ヘッドの走査で記録ヘッドの縦の幅の4分の1の画像が完成される。従って、1回の記録ヘッドの走査でプリントバッファに展開された画像データの記録媒体搬送方向の下流側4分の1のデータが不必要になる。そこで、不必要になったプリントバッファの領域を画像データの展開用の展開バッファとして使用し、展開バッファとして使用していた記憶領域をプリントバッファの4分の1として使用する。すなわち記憶領域は、記録ヘッドの走査で記録される幅の4分の1単位の領域で管理する。そして、この管理する5つの領域を展開バッファとプリントバッファをローテーションしながら使用する。
図9は、本実施形態における記録動作およびその各走査で用いるマスクを説明する図である。
図において、破線は記録媒体の1回の副走査による搬送量を示すものである。本実施形態における1回の副走査による搬送量は、上述したように、1回の記録ヘッドの走査で記録する縦の幅の4分の1にあたる16n画素である。また、図において紙面の左右が記録ヘッドの走査方向となり、紙面の上方向が記録媒体の搬送方向の下流側となる。
図9において、A1、B1、C1、D1等の参照符号は、その記録領域に対するランダムマスクA、B、C、Dそれぞれの開始点の管理番号であり、このようにマスクの開始点が異なることによって記録領域および走査ごとに異なるマスクとし、また、同一の記録領域に対して4つのマスクが相互に補完関係となっている。ここで、数字が同一の場合はランダムマスクの開始位置が横方向に16000画素分オフセットしていることを示している。
このように図4に示すカラーチップを用いることにより、各画素に打ち込まれる2次色形成のための2色のインクの打ち込み順序を変更することが可能となる。つまり、同一画素に打ち込まれる2ドットのインクの重なり順序を変更可能であるため、2次色であれば、インク重なり順序の異なる2種類のドットを、記録画像中に均等に分散させることができ、インクの重なり順序のばらつきに起因して生じる色ムラを抑えることができる。そしてさらに、画質を重視する記録モードなどにおいては、マルチパス記録などを行うことによって、より高画質な画像を実現することができる。
しかしながら、さらにより高画質な画像を求める場合、解像度を高くするなど、更なる手段が必要である。本実施形態では、駆動周波数を高くして所定領域への打ち込み可能ドット数を多くする駆動制御による高解像度を実現するのではなく、カラーチップにおけるノズル列を多くして、隣接するノズル列2列の位置関係を調節することによって、実際に打ち込まれるドットピッチを狭めることによって、解像度を高くする。
具体的には、装置の構成は同様で、図4に示した記録ヘッドに比べて、シアンインクとマゼンタインクに関してはさらに、ノズル列を追加し、1色について4列のノズル列を配置した構成の記録ヘッドを用いる(図10参照)。ここで、本実施形態において、シアンとマゼンタのみを4列構成とし、イエローとブラックは2列構成としたのは次の理由からである。
インク色によって人間の視認性が異なり、イエローは上述の4色の中でもっとも視認性が低く、同じサイズのドットで比較した場合、他の色に比較してドットが目立ちにくく、粒状感が低い。シアン、マゼンタはイエローよりも視認性が高いので、4列構成にして解像度を高めた記録を行うと、従来の2列構成での記録結果に比べて画質向上が得られる。反面、イエローに関しては仮に4列構成にしてもシアン、マゼンタほどの格段の画質向上は望めない。一方、ブラックは4色の中でもっとも視認性は高いが、カラー記録におけるブラックは使用頻度が比較的低く、また、明度が低い領域に対して記録に用いられるので、仮に解像度が他の色に比べて低くても画像全体に与える影響が少ない。したがって、本実施形態では、画像全体に与える影響が大きく、大幅な画質向上が図れるシアン、マゼンタについては4列構成にし、画像に与える影響が小さいイエロー、ブラックについては、従来と同様に2列構成にすることで、製造コストのアップを抑えるとともに、追加したノズル列に対応するプリントバッファの容量増加も抑えることができる。
(実施例1)
シアンとマゼンタに関しては1色4列構成とし、残りの色に関しては1色2列構成とした記録ヘッドの一例を説明する。
図10は、カラーインク用チップ1100における各色インクの吐出口の配置を示した模式図である。
本発明のカラーインク用記録チップは、シアン、マゼンタ、イエローの各インクおよび上記第2のブラックインクについて、それぞれ複数の吐出口およびそれぞれの吐出口に対応した、吐出に利用される熱エネルギーを発生するヒータなどが設けられたものである。そして、各色インクについて2つの吐出口列が設けられるとともに、その吐出口列の配置が、シアン、マゼンタ、イエローの各インクについては前述したような対称配置であり、第2のブラックインクについては、そのような配置を採らず、イエローインクの吐出口列y2とマゼンタインクの吐出口列m2との間に、吐出口列k1、k2が配置される構成とする。
カラーインク用チップの具体的構成は、シリコン製の同一のチップ1100に10個の溝を形成し、溝ごとにそれぞれのインクの上述した吐出口などが形成される。すなわち、吐出口、これに連通するインク路、インク路の一部に形成されたヒータ、およびこれらのインク路に共通に連通する供給路などが形成される。
また、チップ1100の各溝の間には上記ヒータを駆動するための駆動回路(不図示)が設けられる。ヒータや駆動回路は、半導体の製膜プロセスと同じプロセスによって製造される。また、インク路や吐出口は樹脂によって形成される。さらに、シリコンチップの裏面には各溝に対してそれぞれにインクを供給するインク供給路が設けられる。
10個の溝は、図において走査方向左側から順に、第1溝10001、第2溝10002、第3溝10003、第4溝10004、第5溝10005、第6溝10006とするとき、本実施形態では、第1溝10001および第6溝10006にシアンインクを供給し、第2溝10002および第5溝10005にマゼンタインクを供給し、第3溝10003にイエローインクを供給し、第4溝10004に染料を色材とする第2のブラックインクを供給する。
そして、第1溝10001の第2溝の反対側には、64n(nは1以上の整数;例えばn=4)個の吐出口から成るシアンインクのノズル列c1を、第1溝10001の第2溝側には64n個の吐出口から成るシアンインクのノズル列c3を構成する。第2溝10002の第1溝側には64n個の吐出口から成るマゼンタインクのノズル列m1を、第2溝10002の第3溝側には64n個の吐出口から成るマゼンタインクのノズル列m3を構成する。また、第3溝10003の第2溝側には64n個の吐出口から成るイエローインクのノズル列y1を、第3溝10003の第4溝側には64n個の吐出口から成るイエローインクのノズル列y2を構成する。第4溝10004の第3溝側には64n個の吐出口から成る染料ブラックインク(第2ブラックインク)のノズル列k1を、第4溝10004の第5溝側には64n個の吐出口から成る同じ染料ブラックインクのノズル列k2を構成する。さらに、第5溝10005の第4溝側には64n個の吐出口から成るマゼンタインクのノズル列m2を、第5溝10005の第6溝側には64n個の吐出口から成るマゼンタインクのノズル列m4を構成する。第6溝10006の第5溝側には64n個の吐出口から成るシアンインクのノズル列c2を、第6溝10006の第5溝と反対側には64n個の吐出口から成るシアンインクのノズル列c4を構成する。
各ノズル列はそれぞれ概略等ピッチで吐出口が配置されている。また、ノズル列c1とc2、m1とm2、y1とy2、k1とk2は、それぞれ同じ色のインクのノズル列間で各吐出口の配列ピッチの半分だけ相互の配置を副走査方向にずらしてある。これは各画素について1回の記録走査における記録ドットによる記録媒体の被覆効率が最も高いように構成するためである。
本実施例では、シアン、マゼンタに関してはさらに、ノズル列を2列設けている。これらノズル列c3、c4、m3、m4は、他のノズル列に比べて各吐出口のインク吐出量が少なくなっている。また、c3とc4を比較し、m3とm4とを比較すると、それぞれ同じ色のインクのノズル列間での各吐出口の配列ピッチの半分だけ相互の配置を副走査方向にずらしてある。
さらに、c1とc3を比較し、c2とc4を比較すると、それぞれ配列ピッチの1/4だけ相互の配置を副走査方向にずらしてある。m1とm3、m2とm4の関係も同様である。
つまり、シアンもしくはマゼンタに関してはイエローなど残りの色の2倍のノズルを有する。さらにc1、c2、c3、c4の4列の各ノズルの相互位置関係と、y1、y2の2列の各ノズルの相互位置関係を考慮すると、シアンもしくはマゼンタは、イエローなど残りの色に比べて、2倍細かいノズルピッチで構成されている。したがって、シアン、マゼンタに関してはイエローなど他の色よりもさらに高解像度となる。
図10に示した記録ヘッドの一例では、ノズル列c1、c2、m1、m2、y1、y2、k1、k2の各ノズルから吐出されるインク滴の量は比較的大きめで、ノズル列c3、c4、m3、m4の各ノズルから吐出されるインク滴の量は比較的小さめになっている。
また、プリントバッファとしては以下の通りである。
各インク色の各ノズル列に対応するように記憶領域を分けて管理している。すなわち、シアンノズル列c1に対してはシアン第1プリントバッファを割り当て、マゼンタノズル列m1に対してはマゼンタ第1プリントバッファを割り当て、イエローノズル列y1はイエロー第1プリントバッファを割り当て、ブラックノズル列k1はブラック第1プリントバッファを割り当てる。また、ブラックノズル列k2はブラック第2プリントバッファを割り当て、イエローノズル列y2にはイエロー第2プリントバッファを割り当て、マゼンタノズル列m2に対してはマゼンタ第2プリントバッファを割り当て、シアンノズル列c2に対してはシアン第2プリントバッファを割り当て管理する。
そして、必要に応じて、シアンノズル列c3に対してはシアン第3プリントバッファを割り当て、マゼンタノズル列m3に対してはマゼンタ第3プリントバッファを割り当てる。また、マゼンタノズル列m4に対してはマゼンタ第4プリントバッファを割り当て、シアンノズル列c4に対してはシアン第4プリントバッファを割り当て管理する。
本発明の実施形態は、さらに、多種類のインクを用いて高解像度記録をする構成において、記録モードに応じて設定するプリントバッファの量を適正化している。本実施形態では、記録ヘッドのカラーインク用チップ1100(図10)におけるシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックインクの吐出口列のみを用いて、顔料ブラックインクのブラックインク用チップ1200は使用しない場合の記録モードについて説明をする。
本実施例では、顔料ブラックインクを使用しないカラー記録モードにおける、画質重視の記録モードである「高解像度記録モード」とスピード重視の記録モードである「通常記録モード」を用意している。高解像度記録モードでは、シアン、マゼンタに関しては、ノズル列全てを使用して記録を行う。すなわち、シアンに関してはc1、c2、c3、c4の4列を使用し、マゼンタに関してはm1、m2、m3、m4の4列を使用する。一方、通常の記録モードでは、使用するノズル列は各色2列とする。すなわち、シアンの4列のうちのc1、c2のみを、マゼンタの4列のうちのm1、m2のみを使用し、c3、c4、m3、m4は使用しない。したがって、使用しないノズル列に対応するプリントバッファは使用しないので、使用する記憶領域を少なくすることができる。以下に記録モードの切り替えとプリントバッファ等との関係について具体的に説明する。
図11に記録モード情報に応じてプリントバッファを設定する制御フローの一例を示す。まず、ホストコンピュータから記録する記録データの読みとり動作を行う(ステップ1)。次に、記録モード情報を取得する(ステップ2)。そして、入手した記録モードが高解像度記録モードであるか否かを判別し(ステップ3)、記録モードが高解像度記録モードでなければ通常の記録モードであると判断し、通常記録モード用のプリントバッファ設定をする(ステップ4)。つまり、シアン、マゼンタに関し、第3プリントバッファ、第4プリントバッファの設定を行わない。さらに、通常の記録モード設定を行う(ステップ5)。一方、ステップ3で高解像度記録モードであると判別されると、高解像度記録モード用のプリントバッファを設定し(ステップ6)、さらに、高解像度の記録モード設定を行う(ステップ7)。
このようにして、記録する記録モード情報に応じて、それぞれ独立に記録モードに合わせたプリントバッファ設定を行うことができる。本制御フローによれば、記録装置本体は、記録モードに合わせた適切なプリントバッファの設定が可能であり、有限な不揮発性メモリを有効に使用することが可能となる。また、上述したように、イエローとブラックに関してはノズル列を2列としたので、高解像度記録モードにおいてもプリントバッファのサイズアップを抑えることができ、不揮発性メモリが比較的低容量のものでも展開可能である。結果として高解像度記録を実現する上でのコスト増加を抑えることができる。
また、このような制御フローを用いることで、単に記録モードの指定の変更に伴って使用するノズル列を増減することで、記録装置の動作は全く同じにもかかわらず、通常の記録と高解像記録の双方を行うことができる。
加えて、本実施形態ではいずれのモードにおいても駆動周波数を変化させることなく、記録を行うことができるので、通常記録モードと高解像度記録モードとで、記録速度は変化しない。
一般に、高解像度の記録を行う場合は、それに対応した記録走査回数が増えたり、記録媒体の送り走査精度や記録動作のタイミングなどが変更するので、記録速度が急激に低下してしまいがちである。しかし、本発明によれば記録速度の低速化を招くことなく、簡単な制御で高解像度記録が行えるのである。
図12は図10に示した記録ヘッドを用いて記録を行った場合のドット配置を示したものである。同図(a)は通常記録モードによるドット配置の一例を示しており、(b)は高解像度の記録モードによるドット配置の一例を示している。(a),(b)ともに1画素を示しており、該画素で表現できる階調最大値である。
なお、上述したように、図10のノズル列c1、c2、m1、m2、y1、y2、k1、k2の各ノズルから吐出されるインク滴に比べて、ノズル列c3、c4、m3、m4の各ノズルから吐出されるインク滴は比較的小さめになっている。したがって、形成されるドットサイズも小さめになっている。図12では、シアンインクのノズル列c1、c2とノズル列c3、c4を使用する場合について記載をする。
図12(a)の1画素に打ち込まれた4ドットのうち、上側の2ドットはノズル列c1で記録され、下側の2ドットはノズル列c2で記録されている。一方、図12(b)では図12(a)と同じ4ドットに加えて、ノズル列c4から2ドット、ノズル列c3から2ドット打ち込まれている。このノズル列c4で記録されたドットとノズル列c3で記録されたドットは、ノズル列c1で記録されたドットとノズル列c2で記録されたドットから、1/4画素分ずれた点に記録している。これは、図10に示した記録ヘッドのノズル構成に起因するものであり、記録装置の副走査方向の送り制御で行うものではなく、記録ヘッドにおける使用ノズル列の選択に依存するものである。
また、高解像度記録の方が副走査方向に対して、記録ドットを正確且つ密に配列することが可能であり、記録ドットの着弾点のバラツキ等に代表される画像劣化要因に対して、比較的有利な構成であると言える。
次に、実際の画像形成における1画素あたりの階調性に関して説明をする。図13に、通常の記録モードでの階調変化と高解像度記録モードでの階調変化についての模式図を示す。
まず、図13(a)は通常記録モードの場合であり、1画素あたり5階調に対応したドット配列の一例である。一方、図13(b)は高解像度記録モードの場合であり、1画素あたり9階調に対応したドット配列の一例である。LEVEL1からLEVEL4までは、ノズル列c4とノズル列c3でのみ記録ドットを構成している。また、LEVEL5からLEVEL8までは、ノズル列c1とノズル列c2で記録されたドットも加えている。階調に合わせて使用するノズル列が変わっている。これは、それぞれのノズル列に割り当てられているプリントバッファに入力された記録データにより制御されるものであり、本実施例では4つのノズル列に対して4つのプリントバッファが用意されており、記録する画像データに応じて適切な記録データが生成されるのである。
ここで、図13(b)で示された高解像度記録モードの画像について説明をする。9階調のドットは列を示しているが、画像的な特徴としては、低階調部ではノズル列c4とノズル列c3で記録される比較的小さいインク滴のドットで形成されている。また、階調が上がるに従って、比較的大きいインク滴のドットが入ってくる。図13(a)に比較して、高い階調性を有することは明白であり、特に、低階調部では小さいインク滴で表現されるので通常記録モードに比べてより細かな階調表現が実現できる。
また、c1もしくはc2ノズル列とc3もしくはc4ノズル列の隣接ノズルの位置関係が1/4ピッチのずれとしているので、c1もしくはc2ノズル列からの大ドットと、c3もしくはc4ノズル列からの小ドットとの着弾位置が重ならず、1/4ピッチだけ副走査方向(カラム方向)にずれることになる。これによって、図13(b)のLEVEL5以降の比較的高階調部分においてもより細やかな階調表現が実現できる。
これらからも、階調性の観点と解像度の観点が同義的な関係になっていることがわかるであろう。これは単なるカタログスペック的なものではなく、本発明の記録ヘッドの特徴を示す重要な特性であり、つまりは高階調性と高解像度を両立する記録ヘッドであると言える。
さらに、上述したように、本発明の記録ヘッドは、シアン、マゼンタの色材に対して、ノズル列を増やして、高解像度記録が行えるようにしている。イエローに関しては高解像度記録の対応にはなっていない。これは色工学的にイエローは視認性が低く、高い階調性が画像の高画質性に有効に寄与しないためであり、有限の不揮発性メモリやコスト等を考慮して、低い解像度のままとしている。
また、第2のブラックに関しても同様である。一般的な画像設計において、低階調部では、シアン、マゼンタ、イエローの混色であるプロセスカラーブラックで画像形成され、ある程度の濃度になった時点からブラックインクによる画像形成が行われる。プロセスカラーブラックによる画像形成の一例を図14に示す。
ブラックインクの場合、階調性は画像の高画質性には大きく寄与しない。むしろ、画像のコントラストなどに影響のある最高濃度の面などがブラックインクでは重要である。従って、第2のブラックは低解像度のままとしている。
以上説明してきたように、図10に示した記録ヘッド、つまり、使用する複数種類の色材それぞれに対応したノズル列を走査方向に複数配列し、且つ、複数の色材に応じたノズル列数とノズルピッチとで構成されて、ノズル列毎に異なるインク量を記録媒体に吐出して記録するノズル機構を有する記録ヘッドを用いることで、高階調記録と高解像度記録を両立する記録装置を提供することが可能となる。特には、画像の高品位性に大きく寄与する色材にのみを高解像度に対応させることで、記録ヘッド、記録装置ともに低コスト性に優れた構成となっている。
ここで、同色で隣接するノズル列(例えばc1とc3の関係)におけるドット配置を1/4ノズルピッチのずれとすることによる効果について、さらに詳しく説明する。
図15に、比較例として、隣接する2ノズル列のずれが1/2ピッチである記録ヘッドを示す。
図15において、10個の溝は、図において走査方向左側から順に、第1溝15001、第2溝15002、第3溝15003、第4溝15004、第5溝15005、第6溝15006とするとき、図10の場合と同様に、第1溝15001および第6溝15006にシアンインクを供給し、第2溝15002および第5溝15005にマゼンタインクを供給し、第3溝15003にイエローインクを供給し、第4溝15004に染料を色材とする第2のブラックインクを供給する。
そして、第1溝15001の第2溝の反対側には、64n(nは1以上の整数;例えばn=4)個の吐出口から成るシアンインクのノズル列c1を、第1溝15001の第2溝側には64n個の吐出口から成るシアンインクのノズル列c3を構成する。第2溝15002の第1溝側には64n個の吐出口から成るマゼンタインクのノズル列m1を、第2溝15002の第3溝側には64n個の吐出口から成るマゼンタインクのノズル列m3を構成する。また、第3溝15003の第2溝側には64n個の吐出口から成るイエローインクのノズル列y1を、第3溝15003の第4溝側には64n個の吐出口から成るイエローインクのノズル列y2を構成する。第4溝15004の第3溝側には64n個の吐出口から成る染料ブラックインク(第2ブラックインク)のノズル列k1を、第4溝1504の第5溝側には64n個の吐出口から成る同じ染料ブラックインクのノズル列k2を構成する。さらに、第5溝15005の第4溝側には64n個の吐出口から成るマゼンタインクのノズル列m2を、第5溝15005の第6溝側には64n個の吐出口から成るマゼンタインクのノズル列m4を構成する。第6溝10006の第5溝側には64n個の吐出口から成るシアンインクのノズル列c2を、第6溝15006の第5溝と反対側には64n個の吐出口から成るシアンインクのノズル列c4を構成する。
各ノズル列はそれぞれ概略等ピッチで吐出口を配置し、また、ノズル列c1、c2、m1、m2、y1、y2、k1、k2は、それぞれ同じ色のインクのノズル列間で各吐出口の配列ピッチの半分だけ相互の配置を副走査方向にずらしてある。これは各画素について1回の記録走査における記録ドットによる記録媒体の被覆効率が最も高いように構成するためである。さらに、ノズル列c3、c4、m3、m4も、同様にそれぞれ同じ色のインクのノズル列間で各吐出口の配列ピッチの半分だけ相互の配置を副走査方向にずらしてあり、c1とc2の組み合わせと、c3とc4の組み合わせにおいては、副走査方向に同じ位置になるように構成されている。また、図10同様に、ノズル列c1、c2、m1、m2、y1、y2、k1、k2の各ノズルから吐出されるインク滴の量は比較的大きめで、ノズル列c3、c4、m3、m4の各ノズルから吐出されるインク滴の量は比較的小さめになっている。
このように、実施例1(図10)の記録ヘッドと同様、シアン、マゼンタに関しては隣接するノズル列のうち、一方を大ノズル、他方を小ノズルとしている。しかしながら、両者の位置関係は1/4ノズルピッチのずれではなく、1/2ピッチのずれとなっている。すなわち、c3のノズルの中心線はc2のノズルの中心線と一致し、c4のノズルの中心線はc1のノズルの中心線と一致する。したがって、図13に示す階調変化と同様のものを実現することができるが、その変化方向はラスタ方向となる。
すなわち、図13の階調変化は、副走査方向すなわちカラム方向に着弾ドットを増やすことによって実現している。一方、図15のノズル列構成のヘッドでは、c1とc4のノズルの中心線が同様であることから、同一ラスタに両者のドットが打ち込まれることになるので、図13と同様の階調変化は、ラスタ方向に着弾ドットを増やすことによって実現することになる。
図16(a)は、図15に示したノズル列構成で、分かりやすいように小ドットのサイズを大ドットと同様にしたものであり、1画素を8つのドットで構成している。ノズル列c1で記録されるドットとノズル列c4で記録されるドットで1つのラスタを形成している。また、ノズル列c2で記録されるドットとノズル列c3で記録されるドットで1つのラスタを形成している。ラスタ方向にドットを並べて配置する構成になっているが、この例の場合、2つのノズル列において、それぞれの吐出タイミングを合わせることで1画素中の1つのラスタを形成している。このようなラスタ方向に打ち込むドット数を増やすことは、c1、c4の2つのノズルを使用して行うだけでなく、c1のみを使用して、記録ヘッドの吐出周波数を上げることによっても実現することができる。
さらには、カラム方向にドットを増やす、すなわち、図面上の2つのラスタ間を新たなドットで埋めるためには、記録走査回数を増やして、且つ、記録装置本体の副走査方向の送り制御を変更する必要があり、より精度の高い制御が要求される。これは制御プログラムを複雑にするとともに、装置の高精度の駆動が要求されるため望ましくない。
一方、図16(b)は、図10に示したノズル列構成で、分かりやすいように小ドットのサイズを大ドットと同様にしたものである。図からわかるように、同図(a)と同様に1画素を8つのドットで構成しているが、ラスタ方向にはそれぞれのノズル列が独立して対応する構成になっている。カラム方向には4つのノズル列で1つのカラムを形成している。これは、隣接するc1とc3のノズル列が1/4ノズルピッチだけずれて配置されているから実現できるものである。
図16(b)に示すドット配置の場合、ここからさらにラスタ方向にも打ち込みドットを増やそうとする場合、すなわち2つのカラム間の隙間をドットで埋めるためには、記録ヘッドの吐出周波数を上げることで実現できる。もしくは、記録走査回数を増やして、吐出タイミングの制御を記録走査毎に変更することで可能となる。つまり、同じ画像を記録する場合、図15のノズル列構成の記録ヘッドより、本実施例の記録ヘッドの方がより拡張性があり、低い解像度スペックのものから高い解像度スペックのものまで、記録ヘッドの製造装置等の大変更を必要とせずに実現することができ、記録ヘッドの生産条件などにより対応が取り易い構成となっている。
(実施例2)
実施例1(図10)のヘッド構成では、c3、c4、m3、m4のノズル列のノズルを小ドットを形成する小径のものとしたが、大ドットを形成する大径のものであっても、本発明を実現することができる。
図17は、ノズル径はいずれのノズル列においても同じとした記録ヘッドの一例を示す。
図17において、詳細なノズル列の説明は図10の場合とほぼ同様なので省略する。
ここで、実施例1でも説明したように、c1、c2のノズル列組とc3、c4のnozノズル列組間で、1/4ノズルピッチのずれでノズルを配置することが望ましいと述べた。図10もしくは図17では隣接するノズル列c1とc3、もしくはc2とc4間で1/4ノズルピッチのずれでノズルを配置している。隣接するノズル列間でこの関係を満たすことによる効果について、以下に具体的に説明する。
図18は図17の記録ヘッドとの比較例としてあげる記録ヘッドの一例を示す。図18において、詳細なノズル列の説明は図10の場合とほぼ同様なので省略する。図17の記録ヘッドと図18の記録ヘッドの違いは、1つの色材に対するノズル列の配置の組み合わせの違いである。図17においては、ノズル列c1、c2、m1、m2、y1、y2、k1、k2は、それぞれ同じ色のインクのノズル列間で各吐出口の配列ピッチの半分だけ相互の配置を副走査方向にずらしてある。ノズル列c3、c4、m3、m4も、同様にそれぞれ同じ色のインクのノズル列間で各吐出口の配列ピッチの半分だけ相互の配置を副走査方向にずらしてあり、c1とc2の組み合わせと、c3とc4の組み合わせにおいては、さらに配列ピッチの1/4だけ相互の配置を副走査方向にずらしてある。
これに対して、図18の記録ヘッドでは、ノズル列c1、c3、m1、m3、y1、y2、k1、k2は、それぞれ同じ色のインクのノズル列間で各吐出口の配列ピッチの半分だけ相互の配置を副走査方向にずらしてある。ノズル列c2、c4、m2、m4も、同様にそれぞれ同じ色のインクのノズル列間で各吐出口の配列ピッチの半分だけ相互の配置を副走査方向にずらしてあり、c1とc3の組み合わせと、c2とc4の組み合わせにおいては、さらに配列ピッチの1/4だけ相互の配置を副走査方向にずらしてある。
つまり、図17と図18の記録ヘッドの違いは、配列ピッチのずらし方であり、前者は隣接しているノズル列(たとえばc1とc3)で隣接ラスタを形成する構成であるが、後者は隣接していない、記録走査方向に遠いノズル列(たとえばc1とc4)で隣接ラスタを形成される構成になっている。理想状態でのドット形成が行われれば、いずれの構成においても図16(b)のようなドット配置が可能である。しかしながら、記録装置の記録走査精度や記録ヘッドの取り付け精度、記録ヘッドの製造精度など、様々な外乱要因で着弾位置がずれてしまった場合、具体的には記録走査方向に対して、角度を持った状態で記録が行われた場合、このノズル列の配置の違いが画像上に大きく影響することがある。
図19に前述のような着弾ずれが起きてしまった場合の一例を示す。図19(a)が図18の記録ヘッドを用いた場合であり、1つの画素の1/4だけ特定のラスタがずれた状態になっている。ここではノズル列c1、c3に対して、ノズル列c2、c3の記録ドットがずれた状態で形成されており、ノズル列c1とノズル列c4の記録ドットがほぼ重なった状態になっている。また、ノズル列c2とノズル列c3の記録ドットがほぼ重なった状態になっている。これにより、1つの画素は2つのノズル列で形成された状態に近いと言える。
一方、図19(b)は、図17の記録ヘッドを用いた場合であり、1つの画素の1/4だけ特定のラスタがずれた状態になっている。ここではノズル列c1、c3に対して、ノズル列c2、c3の記録ドットがずれた状態で形成されており、ノズル列c1とノズル列c4の記録ドットがほぼ重なった状態になっている。これにより、1つの画素は3つのノズル列で形成された状態に近いと言える。明らかに、図17の記録ヘッドの方が外乱要因による着弾ずれに対して、有利な構成である。言い換えれば、仮に1ノズル列がなんらかの原因によって理想の着弾位置からずれた位置に着弾するものとなった場合においても、図17の記録ヘッドの構成では所定面積の被覆率の低下を図18の記録ヘッドの構成に比べて抑えることができる。
このような違いがあるのは、それぞれのノズル配置に依存するものであり、記録走査方向に離れた位置に配置されたノズル列で隣接ラスタを形成するよりは、なるべく近いノズル列で隣接ラスタを形成するほうが、着弾ずれによる画像劣化を低減することができるからである。
以上説明してきたように、図17に示した記録ヘッド、つまり、隣接ラスタを形成するノズル列は近いノズル列を使用するようなノズル機構を有する記録ヘッドを用いることで、記録装置の記録走査精度や記録ヘッドの取り付け精度、記録ヘッドの製造精度など、様々な外乱要因による着弾ずれに対して、影響を受けにくい位置記録装置を提供することが可能となる。
以上説明してきたように、本発明によれば、使用する複数種類の色材それぞれに対応したノズル列を走査方向に複数配列し、且つ、複数の色材に応じたノズル列数とノズルピッチとで構成されて、ノズル列毎に異なるインク量を記録媒体に吐出して記録するノズル機構を有する記録ヘッドを用いることで、高階調記録と高解像度記録を両立する記録装置を提供することが可能となる。特には、画像の高品位性に大きく寄与する色材にのみを高解像度に対応させることで、記録ヘッド、記録装置ともに低コスト性に優れた構成となっている。
この結果、将来展開的にヘッド生産における研究開発費及び製造ラインの開発費を低減して、高階調記録と高解像度記録に対応した記録装置を低コストで、且つ、より短期間に市場導入できるのである。
本発明の一実施形態に係わるインクジェット記録装置の構成を示す斜視図である。 図2に示したインクジェット記録装置の制御系の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態で用いる記録ヘッドのチップ構成を説明する模式図である。 本発明の参考形態で用いられる記録ヘッドのカラーインク用チップにおける吐出口列の配置を示す図である。 複数のインクの組み合わせとそれらの付与順序と記録ヘッドの走査の方向との関係を示す説明図である。 1パス記録を説明する図である。 マルチパス記録で用いられるマスクを説明する図である。 ランダムマスクの生成手順の一例を示す制御フローチャートである。 マルチパス記録およびそれに用いるマスクパターンを説明する図である。 実施例1で用いられる記録ヘッドのカラーインク用チップにおける吐出口列の配置の一例を示す図である。 実施例1で用いられるプリントバッファの設定方法の一例を示す制御フローである。 図10の記録ヘッドを用いて複数のドットで構成した1つの画素を示す模式図であり、(a)は通常記録モード時を示し(b)は高解像度記録モード時を示す。 図10の記録ヘッドを用いて複数のドットで構成した1つの画素における階調変化を示す模式図であり、(a)は通常記録モード時を示し(b)は高解像度記録モード時を示す。 実施例1で用いられるプロセスカラーブラックを説明する模式図である。 従来の記録ヘッドのカラーインク用チップにおける吐出口列の配置の一例を示す図である。 複数ドットで構成した1つの画素を示す模式図であり、(a)は図15の記録ヘッドによるものであり、(b)は図10の記録ヘッドによるものである。 実施例2で用いられる記録ヘッドのカラーインク用チップにおける吐出口列の配置の一例を示す図である。 従来の記録ヘッドのカラーインク用チップにおける吐出口列の配置の一例を示す図である。 本発明の実施形態で用いられる記録ヘッドおよび従来の記録ヘッドを用いた場合の複数ドットで構成した1つの画素を示す模式図であり、(a)は図18の記録ヘッドによるものであり、(b)は図17の記録ヘッドによるものである。
符号の説明
2 キャリッジ
3 記録ヘッド
4 伝動機構
5 給紙機構(紙送り機構)
6 インクカートリッジ
7 駆動ベルト
8 スケール
9 シャーシ
10 回復装置
11 キャッピング機構
12 ワイピング機構
13 ガイドシャフト
14 搬送ローラ
15 ピンチローラ
16 ピンチローラホルダ
17 搬送ローラギア
20 排出ローラ
22 拍車ホルダ
600 コントローラ
601 CPU
602 ROM
603 特殊用途集積回路(ASIC)
604 RAM
605 システムバス
606 A/D変換器
610 ホストコンピュータ(ホスト装置)
611 インターフェース(I/F)
620 スイッチ群
621 電源スイッチ
622 印刷スイッチ
623 回復スイッチ
630 センサ群
631 位置センサ(フォトカプラ)
632 温度センサ
640 キャリッジモータドライバ
642 紙送りモータドライバ
1100 カラーインク用チップ
1200ブラックインク用チップ
M1 キャリジモータ
M2 搬送モータ
P 記録紙

Claims (9)

  1. インクを吐出するための複数の記録素子が一定間隔で配列された記録素子列を具える記録ヘッドを、前記記録素子列における記録素子の配列方向と異なる方向に走査させ、記録媒体に対し記録を行う記録装置であって、
    前記記録ヘッドは、第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列、および第2の色のインクに対応する複数の前記記録素子列が前記走査方向に配列され、
    前記第1の色のインクに対応する記録素子列数は、前記第2の色のインクに対応する記録素子列数よりも多く、
    前記第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列において前記記録素子の配列方向における記録素子間の間隔は、前記第2の色のインクに対応する複数の前記記録素子列において前記記録素子の配列方向における記録素子間の間隔に比べて狭く、
    前記第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列は、第1の吐出量でインクを吐出するための記録素子を配列した記録素子列と、前記第1の吐出量よりも少ない第2の吐出量でインクを吐出するための記録素子を配列した記録素子列とを含むことを特徴とする記録装置。
  2. 第1記録モードと該第1記録モードよりも高解像度記録を行う第2記録モードとの切替を行うモード切替手段と、
    前記モード切替手段によって切り替えられた記録モードに応じて、前記複数の記録素子の駆動を制御する記録素子駆動制御手段とを具え、
    該記録素子駆動制御手段は、前記第1記録モードにおいては、前記第1の色のインクに対応する複数の記録素子列のうち、特定の記録素子列のみを使用して記録を行うとともに、前記第2記録モードにおいては、前記第1の色のインクに対応する複数の記録素子列の全てを使用して記録を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記第1の色のインクに対応する複数の記録素子列のうち、前記第1記録モードで使用する記録素子列は前記第1の吐出量でインクを吐出する記録素子列であることを特徴とする請求項2に記載の記録装置。
  4. 前記第1の色はシアンもしくはマゼンタであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の記録装置。
  5. インクを吐出するための複数の記録素子を一定間隔で配列された記録素子列を具える記録ヘッドを、前記記録素子列における記録素子の配列方向と異なる方向に走査させ、記録媒体に対し記録を行う記録装置であって、
    前記記録ヘッドは、第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列、および第2の色のインクに対応する複数の前記記録素子列が前記走査方向に配列され、
    前記第1の色のインクに対応する記録素子列数は、前記第2の色のインクに対応する記録素子列数よりも多く、
    前記第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列において前記記録素子の配列方向における記録素子間の間隔は、前記第2の色のインクに対応する複数の前記記録素子列において前記記録素子の配列方向における記録素子間の間隔に比べて狭く、
    前記第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列は、第1の吐出量でインクを吐出するための記録素子を配列した記録素子列と、前記第1の吐出量よりも少ない第2の吐出量でインクを吐出するための記録素子を配列した記録素子列とを含む記録装置を用いた記録方法であって、
    第1記録モードと、該第1記録モードよりも高解像度記録を行う第2記録モードとのモード切替を行うモード切替工程と、
    前記モード切替工程によって切り替えられたモードに応じて、前記複数の記録素子の駆動を制御する記録素子駆動制御工程とを具え、
    該記録素子駆動制御工程では、前記第1記録モードにおいては、前記第1の色のインクに対応する複数の記録素子列のうち、特定の記録素子列のみを使用して記録を行うとともに、前記第2記録モードにおいては、前記第1の色のインクに対応する複数の記録素子列の全てを使用して記録を行うことを特徴とする記録方法。
  6. 記記録素子駆動制御工程では、前記第2記録モードにおいては、同色のインクに対応する複数の記録素子列の記録素子を組み合わせて記録に使用することによって、前記第1記録モードでの記録よりも高い解像度の記録を行うことを特徴とする請求項5に記載の記録方法。
  7. 前記第2記録モードで記録された画像は、記録媒体上における前記記録ヘッドの走査方向と異なる方向の解像度が、前記第1記録モードで記録された画像の同一方向における解像度よりも高くなることを特徴とする請求項6に記載の記録方法。
  8. 第1記録モードと、該第1記録モードよりも高解像度記録を行う第2記録モードとの切替を行うモード切替手段と、
    前記モード切替手段によって切り替えられたモードに応じて、前記複数の記録素子の駆動を制御する記録素子駆動制御手段とを具え、
    該記録素子駆動制御手段は、前記第1記録モードにおいては、前記第1の色のインクに対応する複数の記録素子列のうち、特定の記録素子列のみを使用して記録を行うとともに、前記第2記録モードにおいては、前記第1の色のインクに対応する複数の記録素子列のうち、第1記録モードでは使用しない記録素子列のみを使用して記録を行うことを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  9. インクを吐出するための複数の記録素子を一定間隔で配列された記録素子列を具える記録ヘッドを、前記記録素子列における記録素子の配列方向と異なる方向に走査させ、記録媒体に対し記録を行う記録装置であって、
    前記記録ヘッドは、第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列、および第2の色のインクに対応する複数の前記記録素子列が前記走査方向に配列され、
    前記第1の色のインクに対応する記録素子列数は、前記第2の色のインクに対応する記録素子列数よりも多く、
    前記第1の色のインクに対応する複数の前記記録素子列において前記記録素子の配列方向における記録素子間の間隔は、前記第2の色のインクに対応する複数の前記記録素子列において前記記録素子の配列方向における記録素子間の間隔に比べて狭く、
    前記第1の色のインクに対応する前記複数の記録素子列は、第1の吐出量でインクを吐出するための記録素子を配列した記録素子列と、前記第1の吐出量よりも少ない第2の吐出量でインクを吐出するための記録素子を配列した記録素子列とを含む記録装置を用いた記録方法であって、
    第1記録モードと、該第1記録モードよりも高解像度記録を行う第2記録モードとのモード切替を行うモード切替工程と、
    前記モード切替工程によって切り替えられたモードに応じて、前記複数の記録素子の駆動を制御する記録素子駆動制御工程とを具え、
    該記録素子駆動制御工程では、前記第1記録モードにおいては、前記第1の色のインクに対応する複数の記録素子列のうち、特定の記録素子列のみを使用して記録を行うとともに、前記第2記録モードにおいては、前記第1の色のインクに対応する複数の記録素子列のうち、第1記録モードで使用しない記録素子列のみを使用して記録を行うことを特徴とする記録方法。
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