JP4101245B2 - 液体吐出ヘッド、液体吐出記録装置、および液体吐出記録方法 - Google Patents

液体吐出ヘッド、液体吐出記録装置、および液体吐出記録方法 Download PDF

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Description

本発明は、インクなどの液体を吐出口から吐出して被プリント材上に画素を形成し、この画素から画像を形成する液体吐出記録方式(インクジェット記録方式)の記録を行う液体吐出ヘッド(インクジェットヘッド)、液体吐出記録装置(インクジェット記録装置)、および液体吐出記録方法(インクジェット記録方法)に関するものである。
複写装置や、ワードプロセッサ、コンピュータ等の情報処理機器、さらには通信機器の普及に伴い、それらの機器の画像形成装置、あるいは記録装置の1つとして、液体吐出ヘッドを用いてディジタル画像記録を行うものが急速に普及している。そして、情報処理機器や通信機器における視覚情報の高品位・カラー化に伴い、記録装置に対しても高画質化、カラー化の要望が大きくなりつつある。
このような記録装置においては、高画質化の要望に対応して画素の微細化を図るため、インクなどの液体(以下、単にインクと称する)の吐出口および液路を含むノズルを高密度で集積した液体吐出ヘッドが用いられるようになってきている。また、記録装置には、カラー化のため、例えばシアン・マゼンタ・イエロー・ブラックの各インクに対応して、各色のインク吐出用のインクヘッドが備えられるのが一般的である。さらに、記録装置に対しては、高画質の画像形成を可能としつつ、記録動作を高速化することも求められており、このため、一度に形成できる画素の数を増やして記録速度を高速化するために、液体吐出ヘッドには多数のノズルが備えられるようになってきている。
特に、液体吐出ヘッドの長さを、記録する最大の被プリント材の幅程度とし、1パスの走査で記録を実行可能とすることによって高速な出力を可能とする方法も具現化されつつある。この場合、例えばA4横送りのページプリンタを考えると、その液体吐出ヘッドの長さは約30cmとなり、ノズル密度を1200dpi(dot per inch)とすれば、概算で14000以上のノズルが必要となる。このように多くのノズルを有する液体吐出ヘッドを一度に製造するためには大型の基体が必要となり、製造コストおよび歩留まりの観点からいっても、非常に困難である。
また、そのノズル数の多さゆえに、全てのノズルを同等の性能にし、また同等の性能を維持するのは困難である。そのため、各ノズル間で、インク吐出量のムラや着弾位置のズレ(ヨレ)が生じることが考えられ、これに対して、記録画像において光学濃度ムラが生じないようにするために、ヘッドシェーディング補正の技術を用いることが知られている。
ヘッドシェーディングの方法としては、各ノズルについて、その出力画素の光学濃度を測定し、その結果を入力画像データにフィードバックして、光学濃度むらを補正する方法が一般的である。例えば、あるノズルが何らかの理由により吐出量が少なく、その部分の光学濃度が薄くなっている場合には、入力画像の、当該ノズルに対応する部分の階調値を増加させる補正を行い、それによって、出力画像における画像光学濃度の均一化が測られる。
また、多数のノズルにおいては、不吐出ノズルが発生する可能性もあり、これに対して補完処理を行い、全てのノズルが無欠陥でなくても、画像出力を可能とする不吐出ノズル補正(不吐補完)の技術も知られている。
不吐補完の方法としては、例えば、あるノズルが不吐出である場合、当該ノズルによって形成すべきドット(画素)の代わりに、当該ノズルの両側のノズルを用いて、当該ドットに隣接する位置にドットを形成する方法や、記録動作用の画像データに対して、不吐出ノズルによって形成されるべきドットの代わりにその周囲にドットを含むように補正を行う方法(隣接補完)が知られている。また、また、シアンの不吐出ノズルによってドットを形成すべき部分に、例えば黒などの他色のインクドットを形成して補う方法(異色補完)も知られている。
米国特許第4723129号明細書 米国特許第4740796号明細書 米国特許第4463359号明細書 米国特許第4345262号明細書 米国特許第4313124号明細書 米国特許第4558333号明細書 米国特許第4459600号明細書 特開昭59−123670号公報 特開昭59−138461号公報
液体吐出記録装置においては、いかに速く、いかに高画質の画像を出力し、かつ、これをいかに低コストで実現するかが、技術的進歩の1つの方向性である。これに対して、上記のように、高速で高画質の画像を形成する上で有効な、長尺で、かつ高密度でノズルを集積した液体吐出ヘッドを製造するのには、製造コストが嵩んだり、歩留まりが低下したり、性能の維持が難しくなったりするという困難がある。また、上記のように、ヘッドシェーディングや不吐補完の手法を用いれば、長尺で、かつ高密度でノズルを集積した液体吐出ヘッドにおいて、ある程度の欠陥があっても画像出力が可能となるが、欠陥のない液体吐出ヘッドによる出力画像の品位より、画像品位が低下するのは避けられない。
本発明は、上記従来技術の実状に鑑み、被プリント材に、隣接してドットが形成される際の着弾時間差が異なることで発生する画像濃度むらを低減し、高速で、高画質で、高い信頼性での画像出力が可能な構成の液体吐出ヘッド、液体吐出記録装置、および液体吐出記録方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明の液体吐出ヘッドは、液体を吐出する吐出口が一定の間隔で配列する吐出口列を複数有する吐出口列群が千鳥状に配置され、前記吐出口列群内および隣接する前記吐出口列群間でそれぞれ隣接する前記吐出口列において、前記各吐出口列に属する吐出口は、前記吐出口列の方向に関して第1の間隔を置いて配置され、かつ、前記吐出口列の方向に交差する方向に関して第2の間隔を置いて配置され、前記吐出口列群において前記吐出口列の、前記吐出口群が隣接する部分における端部にある前記吐出口同士を結んだ線と、隣接する前記吐出口列群における前記線と、は同一線上にあり、前記交差する方向において前記吐出口は重ならないように配置されることを特徴とする。
また、本発明の液体吐出方法では、液体を吐出する吐出口が一定の間隔で配列する吐出口列を複数有する吐出口列群が千鳥状に配置され、前記吐出口列群内および隣接する前記吐出口列群間でそれぞれ隣接する前記吐出口列において、前記各吐出口列に属する吐出口は、前記吐出口列の方向に関して第1の間隔を置いて配置され、前記吐出口列群内で隣接する前記吐出口列は、前記列方向に交差する方向に関して第2の間隔を置いて配置され、前記吐出口列群において前記吐出口列の、前記吐出口群が隣接する部分における端部にある前記吐出口同士を結んだ線と、隣接する前記吐出口列群における前記線と、が平行であり、前記交差する方向において前記吐出口は重ならないように配置される液体吐出ヘッドを、前記交差する方向に被プリント材に対して相対的に移動させ、前記吐出口列群内で隣接する前記吐出口列において、液体を吐出して被プリント材の隣接する画素位置に液体をそれぞれ着弾させる時間差と、隣接する前記吐出口列群間で隣接する前記吐出口列において、液体を吐出して被プリント材の隣接する画素位置に液体をそれぞれ着弾させる時間差と、が等しくなるように液体を吐出する。
本発明によれば、複数の吐出口列を有する吐出口群を千鳥状に配置することで、全体として長尺のヘッドを構成し、高速化に対応できる。さらに、被プリント材の、吐出口の配列方向に隣接して一部重なって形成されるドット同士の着弾の時間差を一定にすることで、画像濃度むらの少ない高品質で信頼性の高い画像を形成することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
〔液体吐出ヘッド〕
図1は、本実施形態の、インクなどの液体(以下単にインクと称する)を吐出する液体吐出ヘッド(インクジェットヘッド)21の模式図である。同図に示すように、この液体吐出ヘッド21は、複数のヘッドチップ10a,10b,…を千鳥状に並べて構成され、全体として1つの長尺の液体吐出ヘッドとして働くようになっている。なお、図1では、分かりやすくするために、ヘッドチップを3つだけ記載しているが、本実施形態の液体吐出ヘッド21はさらに多数のヘッドチップ10を有するものであってよい。以下の説明では、このように複数のヘッドチップから構成される液体吐出ヘッドをマルチヘッドとも称する。
本発明の実施形態のマルチヘッドに用いられているヘッドチップ10を図2に破断状態で示す。また、図3は、このヘッドチップ10のノズル構造を示す平面図であり、図2のインク室13によって形成されるインク流路17と、吐出口16の位置関係を示している。ヘッドチップ10は、例えSiウェハを用いて製造され、細長いインク供給口15が形成されており、Siウェハ上には、吐出口16やインク室13を形成する天板19が設けられている。
各インク供給口15には、このインク供給口15の長手方向に沿って所定間隔で配列するインク室13が当該インク供給口15を挟むように2列に形成されており、各インク室13にはエネルギー発生素子14とこのエネルギー発生素子14と対向してインクを滴として吐出するための吐出口16とが設けられている。
本実施形態では、インク供給口15を挟んで相互に平行な2列の吐出口16が相互に半ピッチずらして、いわゆる千鳥状に配列されており、インク供給口15の長手方向に沿って配列する吐出口16の間隔は、見かけ上、各列の吐出口16に対応するインク室13の間隔の半分の間隔になっている。また、エネルギー発生素子14およびAlなどで形成されてエネルギー発生素子14に電力を供給する不図示の電極配線は、成膜技術によりSiウェハの表面に形成され、電極配線17の端末は、Auなどで形成されてSiウェハの表面から突出するバンプ18となっている。
詳細には図示していないが、本実施形態におけるエネルギー発生素子14は、例えばTaN,TaSiN,Ta−Alなどで形成された発熱抵抗体層の、電極配線によって覆われていない部分によって構成されており、所定のシート抵抗値を有する。また、これらエネルギー発生素子14および電極配線17は、所定の厚みのSiNで形成された保護層で覆われ、さらにエネルギー発生素子14の上の保護層の表面上には、所定の厚みのTaから構成された耐キャビテーション層が成膜されている。
上述したインク供給口15は、発熱基板として用いられるSiウェハの結晶方位を利用し、異方性エッチングにより形成される。つまり、Siウェハの表面が<100>で、その厚さ方向に<111>の結晶方位を持つ場合、例えばKOHやテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド(TMAH)あるいはヒドラジンなどのアルカリ系異方性エッチング液を用い、エッチング方向に選択性を持たせて所望の深さにエッチングを行う。また、インク室13および吐出口16は、フォトリソグラフィ技術によって形成され、エネルギー発生素子14に電力を供給することによって、例えば4ピコリットルのインク滴を吐出口16から吐出させる。
なお、図1〜3などでは、エネルギー発生素子14や吐出口16は、分かりやすくするために少数しか示していないが、各ヘッドチップ10は、より多数の吐出口16を有することができる。
〔液体吐出記録装置〕
図4は、本発明における液体吐出ヘッドを適用可能な本実施形態の液体吐出記録装置(インクジェット記録装置)を模式的に示す図である。この装置は、上述したような液体吐出ヘッドを被プリント材に対して相対移動させながら、吐出口から液滴を被プリント材に着弾させて、ドットを形成することで、画像を形成する装置である。
図4において、101a〜101dはそれぞれ、複数のヘッドを千鳥状に搭載することで長尺のヘッドにした、マルチヘッド型のインクジェット記録ヘッド(以下、「ヘッド」という。)である。これらのヘッドはホルダ102により矢印X方向に所定の間隔を持って互いに平行に固定支持されている。各ヘッド101a〜101dの下面には矢印Y方向に沿って並んで、吐出口が下向きに設けられており、これにより被プリント材の幅に対応する記録が可能となっている。
これらのヘッド101a〜101dは熱エネルギーを用いて記録液を吐出する方式のものであり、ヘッドドライバー120によって吐出制御される。
なお、ヘッド101a〜101dおよびホルダ102によってヘッドユニットが構成され、このヘッドユニットはヘッド移動手段124により、上下方向に移動させられるようになっている。
また、ヘッド101a〜101dに対応してその下部に隣接して配置されたキャップ103a〜103dはそれぞれ内部にスポンジ等のインク吸収部材を有する。これらのキャップ103a〜103dは不図示のホルダにより固定支持されており、このホルダおよびキャップ103a〜103dによってキャップユニットが構成され、このキャップユニットはキャップ移動手段125により矢印X方向に移動させられるようになっている。
各ヘッド101a〜101dにはそれぞれ、インクタンク104a〜104dからインク供給チューブ105a〜105dを通じてシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色のインクが供給され、カラー記録を可能としている。このインク供給はヘッド吐出口の毛細管現象を利用して行われ、各インクタンク104a〜104dの液面は吐出口位置より一定距離だけ低く設定されている。
ベルト106は被プリント材(記録紙)127を搬送するためのものであって帯電可能なシームレスベルトからなる。ベルト106は駆動ローラ107、アイドルローラ109,109aおよびテンションローラ110により所定の経路に引きまわされており、駆動ローラ107に接続され、モータードライバー121により駆動されるベルト駆動モーター108により、走行させられる。ベルト106はヘッド101a〜101dの吐出口の直下において矢印X方向に走行し、ここでは固定支持部材126により、下側のブレが抑制されている。
ベルト106の図示下方には、ベルト106の表面に付着している紙粉等を除去するクリーニングユニット117が配設されている。
ベルト106を帯電させる帯電器112は、帯電器ドライバー122により、ON、OFFされ、この帯電による静電的吸着力により、被プリント材127はベルト106に吸着される。
帯電器112の前後にはアイドルローラ109,109aと共同して、搬送される被プリント材127をベルト106に押し付けるためのピンチローラ111,111aが配置されている。
給紙カセット113内の被プリント材127は給紙ローラ116の回転により1枚ずつ送り出され、モータードライバー123により駆動される搬送ローラ114およびピンチローラ115により矢印X方向に山形ガイド113へと搬送される。山形ガイド113は被プリント材127のたわみを許容する山形のスペースを有する。
記録の終了した被プリント材127は排紙トレイ118に排出される。
ヘッドドライバー120、ヘッド移動手段124、キャップ移動手段125、モータードライバー121,123および帯電器ドライバー122はすべて制御回路119により制御される。
本実施形態の液体吐出記録装置による記録動作は、被プリント材127を搬送し、この際、各液体吐出ヘッドから、入力画像データに応じて選択的にインクを吐出させることによって実行される。各液体吐出ヘッドの駆動は、所定のタイミングで各ヒータ(エネルギー発生素子)に駆動パルス電圧を選択的に供給することによって実行される。これによって、各液体吐出ヘッドから吐出されたインクドロップレットが飛翔して被プリント材の所定の位置に付着し、それによって、被プリント材上に記録画素としてドットが形成され、形成された各ドットによって、入力画像データに対応した画像が形成される。
なお、図4では、液体吐出ヘッドは、記録に用いられる最大の被プリント材の幅に相当する長さを有するフルライン型の構成であり、液体吐出記録装置は、液体吐出ヘッドまたは被プリント材のいずれか一方のみを移動させて被プリント材全体への記録を行う構成を示しているが、液体吐出ヘッドを移動させる主走査と、被プリント材を移動させる副走査を行うシリアル型の液体吐出記録装置としてもよい。
液体吐出記録装置は、上述のような記録動作制御を実行する制御系を有している。図5は、このような制御系の構成の一例を示すブロック図である。
この制御系には、画像データ入力部41、操作部42、CPU43、RAM45、画像データ処理部46が、装置内のアドレス信号、各種データ、制御信号などを伝送するバスライン48を介して互いに接続されて設けられている。また、バスライン48には、上記の液体吐出ヘッド、ベルト駆動モーターなどの各動作機構やリニアエンコーダなどの検出機構が接続されており、図5では、これらを代表して画像記録部47として記載している。
CPU43は、制御プログラム44dに基づいて所定の各種情報処理を実行し、液体吐出記録装置全体を統括制御するものである。制御プログラム44dは、上述したような各部の動作制御のためのプログラムや、エラー処理プログラムなどを含み、ROM、FD、CD−ROM、HD、メモリカード、光磁気ディスクなどの記憶媒体44に格納されて供給される。CPU43は、この記憶媒体44からバスライン48を介して制御プログラム44を読み出して動作し、また、場合によっては、制御プログラム44dは読取装置によって読み込まれて一旦他の一時記憶部であるワーク用RAM45などに記憶され、そこからCPU43に供給される。また、記憶媒体44には、主として被プリント材の種類に関する情報である被プリント材情報44a、記録に用いるインクに関する情報であるインク情報44b、記録動作時の温度、湿度などの環境に関する情報である環境情報44dなどを適宜格納し、これらの情報を良好な記録制御のために利用してもよい。
ワーク用RAM45は、主として、各種プログラムのワークエリア、エラー処理時の一時待避エリア、および画像処理時のワークエリアなどとして用いられる。また、ワーク用RAM45は、記憶媒体44中の各種テーブルなどをコピーし、そのテーブルの内容を適宜変更して画像処理などに利用するといった用い方をしてもよい。
画像データ入力部41は、スキャナやデジタルカメラ等の画像入力機器からの画像データや、パーソナルコンピュータのハードディスク等に保存されている画像データを液体吐出記録装置に入力する働きをする。操作部42は、操作者が各種パラメータの設定や記録動作開始の指令などの入力処理をするための各種キーを備えている。
画像データ処理部46は、画像データ入力部41から入力された画像データを、最終的に、各色のインクのドットを各ドット位置に形成するか否かを示す2値の情報からなる、吐出パターンとして用いることができるデータに変換する働きをする。このような変換は、従来から一般に用いられている手法を用いて実施することができる。
例えば、画像データ入力部41からは、多値画像データが入力される。画像データ処理部46は、この多値画像データを各液体吐出ヘッド21から吐出する各インクの色に対応するように色分解し、各色毎、各画素毎のN値の画像データに量子化し、その量子化された各画素における階調値"K"に対応する吐出パターンを作成する。例えば、8bit(256階調)で表現される多値画像データが画像データ入力部41に入力されると、画像データ処理部46において、出力する画像データの階調値が25(=24+1)値に変換される。このような、入力階調画像データのK値化処理には多値誤差拡散法を用いることができるが、これに限られることはなく、平均光学濃度保存法、ディザマトリックス法等、任意の中間調処理方法を用いることができる。そして、画像の濃度情報に基づいて、K値化処理を全ての画素数分繰り返すことにより、各ドット位置毎の、各色のドットを形成するか、しないかの2値の情報からなるデータが生成される。
次に、本実施形態の液体吐出記録装置による記録動作の詳細について説明するに当たり、まず、本実施形態に対比される比較例の液体吐出記録装置による記録動作について説明する。
〔第1の比較例〕
図6は、本実施形態の第1の比較例として、全ての吐出口62が一列に並べられた長尺の液体吐出ヘッド61による記録動作を説明する図である。同図において、矢印Cは、記録動作時の液体吐出ヘッド61の、被プリント材に対する移動方向を示しており、あるいは、矢印Dで示すように被プリント材側を液体吐出ヘッド61に対して移動させてもよい。このように液体吐出ヘッド61と被プリント材とを相対移動させながら、所定の周波数で各吐出口62から選択的にインクを吐出させることによって、模式的に示す記録マトリックス65の各ドット位置にインクを選択的に付着させてドットパターンを形成する。
すなわち、番号1の吐出口62からインクを吐出することによって、記録マトリックス65の記録ライン番号1の各ドット位置、番号2の吐出口62からインクを吐出することによって、記録マトリックス65の記録ライン番号2の各画素位置にドットを形成する。この時、液体吐出ヘッド61として、例えば1280個の吐出口62を1200dpiのピッチ(約21.2μm間隔)で配列したものを用いると、記録マトリックス65の各ドット位置の間隔は約21.2μmになるが、インクドロップレットによって形成されるドットの大きさがこの間隔よりも大きい場合には、互いに隣接するドット同士は重なることになる。また、インクドロップレットによって形成されるドットの大きさがさらに大きければ、ドット位置(1,a)と(2,b)のように、互いに斜めに隣接するドット同士でも重なりが生じる。また、インクドロップレットが、理想的な位置(記録マトリックス65の各ドット位置の中心)に着弾しない場合にもまた、隣接するドット同士が重なることが考えられる。
このようにドットが重なる場合、従来のシリアルタイプの記録装置において、インターレース記録やマルチパス記録を行う場合には、隣接するドットが一部重なった形状は、図7(a)に示すように、単独で形成された場合と同じ形状になる。これに対して、比較例の液体吐出ヘッド61を用い、1パスで記録を行った場合、隣接するドットが協働して、図7(c)に示すように楕円形のドットを形成したり、斜めに隣接するドット同士でも、図7(b)に示すように、重なり部でドットの形状が変化してひょうたん状のドットが形成されたり、理想的なドット形状からずれる場合がある。
これは、インターレース記録やマルチパス記録時には、互いに隣接するドット位置にインクドロップレットが着弾する時間にある程度の差があるのに対して、本比較例では、ドット位置(1,a)と(2,a)間などでは、着弾時間がほぼ同時であり、ドット位置(1,a)と(1,b)間、あるいはドット位置(1,a)と(2,b)間などでは、ヒータの駆動周期分、例えば、駆動周波数を10kHzとすれば、0.1msecしか着弾時間に差がないことに起因するものと推察される。すなわち、インクドロップレットが着弾した後、それが被プリント材に吸収される前に、互いに隣接するドット位置にインクドロップレットが着弾することによって、被プリント材上でインクドロップレット同士が合体し、そのために望ましいドット形状が損なわれてしまうものと解釈される。言い換えれば、インクドロップレットの被プリント材への吸収速度が、記録速度に追いつけなくなっている。したがって、このような傾向は、ヒータの駆動周波数を高くして、記録速度を速くすればするほど顕著になると考えられる。
このように、本発明者らは、上述したような、インクの、被プリント材への吸収時間を考慮し、互いに隣接するドット位置にドットを形成する場合、できるだけ、インクが被プリント材に吸収される時間以上の差を置いてドットを形成するようにすることが、高速記録において高い画像品位を得る上で有効であるということを見出した。
ここで、インクの被プリント材への吸収挙動を測定し、吸収時間を求める点について詳説する。
当業者には比較的に一般的な測定方法として、J−TAPPIに規定される「ブリスト法」が挙げられる。この方法によると、インクが被プリント材表面に接触してから極短時間内の被プリント材内へのインクの浸透速度を吸収速度係数として求めることができ、すなわち単位容量あたりのインクが被プリント材の単位面積の領域で被プリント材内へ吸収される時間を求めることができる。この方法によって、BJF850(キヤノン株式会社製)で用いられているインク(BCI5C:キヤノン株式会社製)が、プロフォトペーパー(PR101:キヤノン株式会社製)、インクジェット電子写真両用普通紙(PBPAPER:キヤノン株式会社製)、インクジェット用高品位専用紙(HR101:キヤノン株式会社製)へ吸収される時間を測定すると、表1に示す結果が得られる。
Figure 0004101245
この際、プロフォトペーパーPR101は、インクの吸収層が空隙型であり、このため、インク吸収層にインクドロップレットが吸収されるまでの時間が比較的長くなっている。そして、このプロフォトペーパーに上記のインクによってドットを形成する場合、互いに隣接する位置へのインクドロップレットの着弾時間差を、付着させるインクドロップレットの量を10ml/平方メートルとすれば8msec、20ml/平方メートルとすれば28msec以上にすれば、上記のような形成ドットの変形を低減できる。
〔第2の比較例〕
次に、第2の比較例の液体吐出ヘッド70を図8に示す。
この液体吐出ヘッド70は、本実施形態と同様に複数のヘッドチップ75a,75b,…を並べて構成したマルチヘッドである。図では、分かりやすくするために、3つのヘッドチップのみを示しているが、液体吐出ヘッド70は、より多数のヘッドチップ75を並べて構成したものであってもよい。
図8において、吐出口列に対して垂直な方向が、液体吐出ヘッド70の主走査方向、あるいはフルライン型の液体吐出ヘッド70を用いる場合の液体吐出ヘッド70と被プリント材の相対移動方向(以下「主走査方向」)である。ヘッドチップは、主走査方向に交互にずれて主走査方向に直交する方向に並べて配置されている。
液体吐出ヘッド70全体では、吐出口列の列方向(主走査方向に直交する方向)に平行に等間隔に、吐出口ライン71,72,73,74があり、この吐出口ライン上に各ヘッドチップの吐出口列が位置するよう、配置されている。
図8の下部には、液体吐出ヘッド70によって、被プリント材の主走査方向に直交する方向に並んだドットを形成する際の、時系列の形成ドットのパターンを示している。
まず、時間aで吐出口ライン71上の吐出口76から吐出された液滴(インクドロップレット)によってドットが形成される。この際、各吐出口列の吐出口76のピッチは、形成ドットのピッチの2倍であるため、被プリント材上に形成される各ドットは、ほぼ独立し、ほとんど重なることはない。同様に、時間bで吐出口ライン72、時間cで吐出口ライン73、時間dで吐出口ライン74に位置する吐出口76から吐出されたインクドロップレットによってドットが形成される。図8においては、分かりやすくするために、各時間に形成されるドット33に斜線を付し、それより前の時間に形成されたドット34を白丸で示している。
この際、時間a-b,b-c,c-dの時間の間隔tは、吐出口ラインの間隔(吐出口列の間隔)をL、記録速度、すなわち主走査時の液体吐出ヘッド70と被プリント材との相対速度をFとすれば、
t=L/F … (1)
となる。
例えば、各ノズル内のヒータの駆動周波数を10kHzとし、主走査方向の記録密度(記録マトリックス解像度)を各吐出口72の密度と同一として1200dpi(したがって、記録マトリックスの各ドットの領域は約20μm四方)とすると、記録速度Fは0.2mm/msecとなる。そして、10ml/平方メートルのインクドロップレットを被プリント材としてのプロフォトペーパー(PR101)に着弾させてドットを形成する場合、インクドロップレットの吸収時間Tは、表1から8msecであるので、時間a,b,c,dの間隔tをこの吸収時間とすることができる、吐出口ラインの間隔Lprは、(1)式より、1.6mm(約80ドット分に相当)となる。また、20ml/平方メートルのインクドロップレットを被プリント材としてのプロフォトペーパー(PR101)に着弾させてドットを形成する場合、インクドロップレットの吸収時間Tは28msecであるので、時間a,b,c,dの間隔tをこの吸収時間とすることができる、吐出口ラインの間隔Lprは、5.6mm(約265ドット分に相当)となる。
本比較例の液体吐出ヘッド70では、吐出口ライン71,72,73,74の間隔を、記録動作時に、隣接するドットでインクドロップレットが被プリント材に吸収された後にドットを形成できる距離Lprに近くなるように設定している。すなわち、各ヘッドチップの2列の吐出口列の間隔EをLprに近い値にする。さらに、主走査方向にずれたヘッドチップ(例えば75aと75b)の、両者の吐出口列の互いに隣接するもの同士の間隔Fが、間隔Eと同じになるように配置している。このようにすることによって、主走査方向に直交する方向に互いに隣接して一部重なって形成されるドット間で、楕円形やひょうたん形のドットが形成されるのを抑えることができる。
上記のLpr値の意味するところは、繰り返し説明するが、単位面積中に一定量のインクを引き伸ばすように接触させた際に、被プリント材内にインクが吸収される時間を基に、このインクが吸収される時間経過後に、隣接する吐出口72からのインクが被プリント材上に着弾するようにするために必要な吐出口ライン71,72,73,74間の間隔である。そのため、記録動作にあたって、各吐出口72から吐出するインク量によって、このLpr値も異なってくる。通常、全色分の総吐出インク量を、Lprを算出するのに用いることが好ましいが、各色間の距離が十分離れる場合などは、各色単位での吐出インク量を、Lprを算出するのに用いてもよい。
また、このLprを算出するために用いる吸収時間Kは、上記では「ブリスト法」により求める例を示したが、吸収速度を規定する他の測定手法を用いたり、目視により吸収したかどうかを判断して求めたりしてもよい。また、互いに隣接するドット位置に着弾時間差を変化させてドットを形成し、これによって形成されるドットの形状を観察して、吸収時間を推定してもよい。すなわち、インクドロップレットが被プリント材に吸収される前に、隣接するドット位置にインクドロップレットが着弾し、インクドロップレットの合体が生じた場合、ドット形状は、前述のように、例えば、図7(b)に示すように、ひょうたん形になったり、図7(c)に示すようい楕円形になったりすることがある。このことから、インクドロップレットが被プリント材に吸収される時間を推定することができる。
図8の比較例の構成によれば、主走査方向に直交する方向に互いに隣接したドット位置に着弾したインクドロップレット同士が、被プリント材に吸収される前に合体してドット形状が乱れるのを抑え、画像品位の向上を図ることができる。
しかし、比較例8によって形成された画質を詳細に観察すると、主走査方向に直交する方向で、部分的に光学濃度むらが生じ、スジ状に高光学濃度の部分が生じることが分かった。これについて、本発明者らが検討したところ、ドットが重なる部分の光学濃度は、重なるドット間でのインクドロップレットの着弾時間差によって変化することを見出した。このことについて以下に説明する。
図9は、互いに隣接して重なる部分を有するドットを形成した場合の光学濃度分布を示している。同図から分かるように、光学濃度は、重複した部分で最も高く、周辺にいくにしたがって徐々に低くなっている。
この最大光学濃度(Max O.D)の着弾時間差による変化を測定したところ、約50msの着弾時間差までは、着弾時間差の変化と共に急峻に最大光学濃度が変化し、それ以上の着弾時間差をおいた場合、最大光学濃度はある一定の値に落ち着く事がわかる。なお、この結果は、BJF850(キヤノン株式会社製)にインクとしてBCI5C(キヤノン株式会社製)を用いて、プロフォトペーパー(PR101:キヤノン株式会社製)に、着弾時間差を変化させて記録を行い、充分時間を置いた後、光学濃度を測定して得たものである。
そこで、比較例の図8の液体吐出ヘッド70によるドットの形成パターンを見ると、互いに隣接するドットは、ほとんどのものについて、例えば、時間aで形成されたドットに隣接するドットは時間bで形成され、時間bで形成されたドットに隣接するドットは時間cで形成される。すなわち、間隔Eと間隔Fが同じになるように配置されている為、着弾時間差が時間a−b間とb−c間と、c−d間で等しくなっている。しかし、図8において、αで示す部分についてのみ着弾時間差が異なっていることが分かる。すなわち、αで示す部分は、時間aにおいて形成されるるドットと、時間dにおいて形成されるドットとが重なる部分である。このように、αで示す部分は、他の隣接ドット間の着弾時間差に対して、長い着弾時間差があることが分かる。このため、高光学濃度の記録を行うと、ドットαの部分が、他の部分と光学濃度が異なり、スジ状に見えてしまうものと考えられる。
〔実施形態1〕
上述の比較例の構成においては、被プリント材上で主走査方向に直交する方向(吐出口列方向)において隣接して重なって形成されるドットの着弾時間差が、部分的に異なる為、形成された画像にスジが生じることがわかった。
そこで、以下の実施形態においては、吐出口の配列方向に隣接して一部重なって形成されるドット同士の着弾の時間差が一定になるようなヘッドを説明する。
本実施形態の液体吐出ヘッド21を、図1に示す。
液体を吐出する吐出口16が一定の間隔で配列する吐出口列5が2列設けられた吐出口列群6a、6b、6cをそれぞれ有するヘッドチップ10a,10b,10c、…が、主走査方向(吐出口列に直交する方向)に交互にずれて主走査方向に直交する方向に並べて千鳥状に配置されている。
液体吐出ヘッド21全体では、主走査方向に垂直な方向と平行に吐出口ライン1,2,3,4があり、この吐出口ライン上に各ヘッドチップの吐出口列が位置するよう、配置されている。吐出口列群内で隣接する吐出口列の間隔(吐出口ライン1と2、3と4の間隔)は、Aと示し、隣接する吐出口列群間で隣接する吐出口列の間隔(吐出口ライン2と3の間隔)は、Bと示す。本実施例においては間隔Aと間隔Bは等しい。
この間隔A,Bは、記録動作時に、主走査方向に直交する方向(吐出口列方向)に互いに隣接するドット位置で前に着弾したインクドロップレットが被プリント材に吸収された後に後のインクドロップレットが着弾する距離Lprに近くなるように設定するのが好ましい。それによって、主走査方向に直交する方向に互いに隣接するドット間で、インクドロップレットが被プリント材上で合体し、ドット形状が乱れるのを低減し、形成画像の品位を高くすることができる。この構成は、前述のPR101のように、インクの吸収層が空隙型である被プリント材では、普通紙や、高品位専用紙よりもインク吸収時間が長くなりがちであるため、このような被プリント材を用いる場合に特に有効である。
本実施形態において、記録に関与する吐出口を図1に黒丸で示す。ヘッドチップ内において白丸で示した吐出口は、記録に関与しないノズルである。本実施形態において、記録に関与する吐出口が、上述の構成をとればよく、他の部分に記録に関与しないダミーノズルであっても構わない。もちろん、もともと吐出に関わらない吐出口は形成しなくても良い。
以下、記録に関与する吐出口の配置について説明を行う。各ヘッドチップ内の吐出口列群内において、隣接する吐出口列に属する吐出口は、吐出口列方向に関して、間隔Cを置いて配置されている。また、隣接する吐出口列群間(6aと6b、6bと6c)でそれぞれ隣接する吐出口列においても、各列に属する吐出口は、吐出口が配列する方向に関して間隔Cを置いて配置されている。つまり、液体吐出ヘッド21の、印刷に寄与する吐出口は、吐出口が配列する方向に全て間隔Cで配置されており、吐出口列と垂直な方向に関して、重ならない(同じ位置にない)ように配置されている。さらに、吐出口列群において吐出口列の各端部にある吐出口同士を結んだ線と、隣接する吐出口列群における前記線(jとk、mとn)と、は同一線上にある。
図1の下部には、図8と同様に、本実施形態の液体吐出ヘッド21を用いて、被プリント材の主走査方向に直交する方向に並んだドットを形成する際の、時系列の形成ドットのパターンを示している。
図8と同様に、時間aで吐出口ライン1上の吐出口から吐出された液滴によってドットが形成される。時間bで吐出口ライン2、時間cで吐出口ライン3、時間dで吐出口ライン4に位置する吐出口からの液滴によってドットが形成される。各時間に形成されるドット31に斜線を付し、それより前の時間に形成されたドット32を白丸で示している。
このように、上述のヘッドを用いて、被プリント材とヘッドとの相対速度が一定のもと、主走査方向に直交する方向に並んでドットを形成する際、本実施形態によれば、図1からも分かるように、互いに隣接するドットの形成は、いずれの場合にも、時間の間隔a−b,b−c,c−dに相当する同じ着弾時間差を置いて実行される。このため、互いに隣接するドットにおける着弾時間差の相違による形成画像の光学濃度むらを低減することができる。
以上説明したように、本実施形態では、液体吐出ヘッド21を複数のヘッドチップ10から形成している。したがって、比較的短いヘッドチップ10を用いて、比較的長尺の液体吐出ヘッド21を形成することができ、この際、比較的短いヘッドチップ10は、長尺の、特に、被プリント材24の幅に相当する長さを有するフルライン型のヘッドを1つの基体上に形成しようとした場合におけるように、製造や管理に困難を生じることはなく、低コスト・高歩留まりで、高性能、高信頼性のものを製造し、使用することができ、したがって、液体吐出ヘッド21全体として見ても、長尺な構成としても高性能で信頼性の高いものとすることができる。
〔実施形態2〕
本実施形態の液体吐出ヘッドを図10に示す。実施形態1と同様の部分は説明を省略する。
実施形態1と同様、液体吐出ヘッド80の、印刷に寄与する吐出口82は、吐出口が配列する方向に間隔Cで配置されており、吐出口列と垂直な方向に関して、重複しないように配置されている。図10の液体吐出ヘッド80では、各ヘッドチップ81の吐出口列の間隔Gと、主走査方向において隣接するヘッドチップの、隣接する吐出口列の間隔Hとが異なる間隔になっている。ヘッドチップにおいて吐出口列の各端部にある吐出口同士を結んだ線と、隣接する吐出口列群における前記線と、(j’とk’、m’とn’)は平行である。
図10に示すようなヘッドを用いた場合、吐出口の配列方向に隣接して一部重なって形成されるドット同士の着弾の時間差を一定にする為には、ヘッドと被プリント材の相対的な速度を間隔G、Hに応じて調整すれば良い。この結果、着弾時間記録画像における光学濃度むらを低減して、高品位の画像記録が可能となる。
また、上述の各実施形態においては、吐出口列群を有する小型のヘッドチップを千鳥配置することで、全体として長尺ヘッドとしたが、もともと長尺形状の基体に吐出口を形成した長尺チップを用いても構わない。
〔液体吐出方式〕
上述の実施形態においては、液体吐出記録方式(インクジェット記録方式)の中でも、エネルギー発生素子として、ヒータを用い、熱エネルギーを利用して飛翔液滴を形成し、記録を行う液体吐出方式の液体吐出ヘッド21を用いた構成を示した。
この代表的な構成や原理については、例えば、特許文献1、特許文献2に開示されている基本的な原理を用いて行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型、コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持されているシートや液路に対応して配置されている電気熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急速な温度上昇を与える少なくとも一つの駆動信号を印加することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せしめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結果的にこの駆動信号に一体一で対応した液体(インク)内の気泡を形成出来るので有効である。この気泡の成長、収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐出させて、少なくとも一つの滴を形成する。この駆動信号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信号としては、特許文献3、特許文献4に記載されているようなものが適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する発明の特許文献5に記載されている条件を採用すると、更に優れた記録を行うことが出来る。
液体吐出ヘッドの構成としては、上述の各明細書に開示されているような吐出口、液路、電気熱変換体の組合わせ構成(直線状液流路又は直角液流路)の他に熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示する特許文献6、特許文献7を用いた構成も用いることができる。
加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示する特許文献8や熱エネルギの圧力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示する特許文献9に基いた構成としてもよい。すなわち、液体吐出ヘッドの形態がどのようなものであっても、記録を確実に効率よく行うことができる。
液体吐出ヘッドとしては、装置本体に固定された液体吐出ヘッドでも、装置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在の液体吐出ヘッドでも用いることができる。また、液体吐出ヘッドに一体的にインクタンクを設けたカートリッジタイプの液体吐出ヘッドを用いてもよい。
このようなエネルギー発生素子として発熱素子(ヒータ)を使用したバブルジェット(BJ)方式の液体吐出ヘッドは、多数のノズル群を比較的簡易にかつ低コストで実現でき、好ましいものであるが、本発明の液体吐出記録装置に用いることができる液体吐出ヘッドは、これに限られることはない。例えば、インク滴を連続噴射し粒子化するコンティニュアス型の場合には荷電制御型、発散制御型等、また、必要に応じてインク滴を吐出するオンデマンド型の場合には、ピエゾ振動素子の機械的振動によりオリフィスからインク滴を吐出する圧力制御方式等でも適用可能である。
また、本発明の液体吐出記録装置の構成として、上述のような、液体吐出ヘッドの回復手段、さらに他の予備的な補助手段等を付加することは本発明の効果を一層安定したものとすることができるので、好ましいものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手段、記録とは別の吐出を行う予備吐出手段を挙げることができる。
本発明の実施形態1の液体吐出ヘッドの、吐出口面側から見た模式図、およびこれを用いて形成されるドットパターンの模式図。 図1の液体吐出ヘッドを構成するヘッドチップの部分破断斜視図。 図2のヘッドチップのノズル構造を模式的に示す平面図。 図1の液体吐出ヘッドを備える液体吐出記録装置の模式図。 図4の液体吐出記録装置の制御系を模式的に示すブロック図。 第1の比較例の液体吐出ヘッドの、吐出口面側から見た模式図、およびこれを用いて形成されるドット位置を説明するための記録マトリックスを示す図。 互いに隣接するドット位置にドットを形成した時のドット形状を示す図。 第2の比較例の液体吐出ヘッドの、吐出口面側から見た模式図、およびこれを用いて形成されるドットパターンの模式図。 ドットが重なって形成された部分の光学濃度分布を示す図。 本発明の実施形態2の液体吐出装置に用いられる液体吐出ヘッドの模式図。
符号の説明
5 吐出口列
6a,6b,6c 吐出口列群
16,76 吐出口
10a,10b,10c 75a,75b,75c ヘッドチップ
21,70 液体吐出ヘッド
31,33 各時間に被プリント材に形成されるドット
32,34 前の時間に被プリント材に形成されたドット

Claims (5)

  1. 液体を吐出する吐出口が一定の間隔で配列する吐出口列を複数有する吐出口列群が千鳥状に配置され、被プリント材に対して前記吐出口列の方向に直交する方向に相対的に移動することで記録を行う液体噴射記録ヘッドであって、
    前記吐出口列群内および隣接する前記吐出口列群間でそれぞれ隣接する前記吐出口列において、前記各吐出口列に属する前記吐出口は、前記吐出口列の方向に関して第1の間隔を置いて配置され、前記吐出口列は、前記吐出口列の方向に直交する方向に関して第2の間隔を置いて配置され、
    前記吐出口列群において前記吐出口列の、前記吐出口群が隣接する部分における端部にある前記吐出口同士を結んだ線と、隣接する前記吐出口列群における前記線と、は同一線上にあり、
    前記直交する方向において前記吐出口は重ならないように配置されることを特徴とする液体吐出ヘッド。
  2. 前記吐出口列群のそれぞれは、液体を吐出するために利用されるエネルギーを発生するエネルギー発生素子が設けられた基板に対して形成されている請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 請求項2に記載の液体吐出ヘッドと、
    被プリント材と前記液体吐出ヘッドとを前記直交する方向に相対的に移動させるための手段と、
    を具備する液体吐出記録装置。
  4. 液体を吐出する吐出口が一定の間隔で配列する吐出口列を複数有する吐出口列群が千鳥状に配置され、
    前記吐出口列群内および隣接する前記吐出口列群間でそれぞれ隣接する前記吐出口列において、各列に属する吐出口は、前記吐出口列の方向に関して第1の間隔を置いて配置され、
    前記吐出口列群内で隣接する前記吐出口列は、前記吐出口列の方向に直交する方向に関して第2の間隔を置いて配置され、
    前記吐出口列群において前記吐出口列の、前記吐出口群が隣接する部分における端部にある前記吐出口同士を結んだ線と、隣接する前記吐出口列群における前記線と、が平行であり、
    前記直交する方向において前記吐出口は重ならないように配置される液体吐出ヘッドを、
    前記直交する方向に被プリント材に対して相対的に移動させ、
    前記吐出口列群内で隣接する前記吐出口列において、液体を吐出して被プリント材の隣接する画素位置に液体をそれぞれ着弾させる時間差と、
    隣接する前記吐出口列群間で隣接する前記吐出口列において、液体を吐出して被プリント材の隣接する画素位置に液体をそれぞれ着弾させる時間差と、
    が等しいことを特徴とする液体吐出記録装置。
  5. 液体を吐出する吐出口が一定の間隔で配列する吐出口列を複数有する吐出口列群が千鳥状に配置され、
    前記吐出口列群内および隣接する前記吐出口列群間でそれぞれ隣接する前記吐出口列において、前記各吐出口列に属する吐出口は、前記吐出口列の方向に関して第1の間隔を置いて配置され、
    前記吐出口列群内で隣接する前記吐出口列は、前記吐出口列の方向に直交する方向に関して第2の間隔を置いて配置され、
    前記吐出口列群において前記吐出口列の、前記吐出口群が隣接する部分における端部にある前記吐出口同士を結んだ線と、隣接する前記吐出口列群における前記線と、が平行であり、
    前記直交する方向において前記吐出口は重ならないように配置される液体吐出ヘッドを、前記直交する方向に被プリント材に対して相対的に移動させ、
    前記吐出口列群内で隣接する前記吐出口列において、液体を吐出して被プリント材の隣接する画素位置に液体をそれぞれ着弾させる時間差と、
    隣接する前記吐出口列群間で隣接する前記吐出口列において、液体を吐出して被プリント材の隣接する画素位置に液体をそれぞれ着弾させる時間差と、
    が等しくなる様に液体を吐出することを特徴とする液体吐出記録方法。
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