JPH10157137A - 記録装置および方法 - Google Patents

記録装置および方法

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JPH10157137A
JPH10157137A JP32570496A JP32570496A JPH10157137A JP H10157137 A JPH10157137 A JP H10157137A JP 32570496 A JP32570496 A JP 32570496A JP 32570496 A JP32570496 A JP 32570496A JP H10157137 A JPH10157137 A JP H10157137A
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Application number
JP32570496A
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English (en)
Inventor
Miyuki Fujita
美由紀 藤田
Toshiji Inui
利治 乾
Shigeyasu Nagoshi
重泰 名越
Yuji Akiyama
勇治 秋山
Masaya Uetsuki
雅哉 植月
Hidehiko Kanda
英彦 神田
Akitoshi Yamada
顕季 山田
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Canon Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低解像度のピッチで配列された記録素子を用
いた場合においても、高解像度の画像と高品位な画質と
を同時に得ることが可能な記録装置および方法。 【解決手段】 記録素子81の配列ピッチがKq(K:
整数)である記録ヘッド702に対して、画像の画素ピ
ッチをqとして記録できるように副走査を行いながら、
1つの画素列を記録する際に、d回(d:整数)に分割
して主走査すると同時に、その主走査の各回の走査にお
ける記録素子81の駆動数を異ならせることによって、
画素ピッチqの各主走査ライン上に、1つの画素列をd
回に分割して記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低解像の配列ピッ
チで配列された記録素子を有する記録ヘッドを用い、高
解像の画像を高品位に形成することが可能な記録装置お
よび方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、複写装置や、ワードプロセッサ、
コンピュータ等の情報処理機器、さらには通信機器の普
及に伴い、それらの機器の画像形成(記録)装置の1例
として、インクジェット方式によってデジタル画像記録
を行う装置が普及している。また、近年では、高画質化
への需要に応え、より高解像な記録への対応も急速に図
られている。
【0003】例えば、インクジェット記録装置では、記
録速度の向上を図るため、複数の記録素子を集積配列し
てなる記録ヘッドとして、インク吐出口および液路を複
数集積したものを用いている。しかし、インク吐出口の
集積密度には限度があるため、近年要求されている解像
度にはこれまでの記録ヘッドの構成では対応しきれなく
なってきている。
【0004】そこで、低解像度な記録ヘッドでも高解像
度の画像を記録するための様々な記録方法が既に考案さ
れている。その1例として、Xerox Disclo
sure Journal March/April
1979のVolume4Number2によれば、記
録素子がピッチλで配列された記録ヘッドの記録走査と
n+1/2λ(nは整数)の紙送りとによって画像を形
成する方法を提示している。この方法によれば、記録素
子の配列ピッチがλである低解像度の記録ヘッドにおい
ても、画素ピッチが1/2λである画像、つまり倍の解
像度の画像を形成することができる。ここに明記されて
いるのは低解像な記録素子(ノズル)を用い、数回のイ
ンターレース記録を行うことで高解像画像を得るための
最も基本的な手法である。
【0005】このような手法に対し、更に記録装置とし
ての構成を具体的に示したものとして、Gamblin
によるUSP4198642の例や、Katerber
gによるUSP4920355の例が挙げられる。前者
の例によれば、画素ピッチqに対し、ノズルの配列ピッ
チがKq、素子数nとし、Kとnが1より大きい互いに
素の整数であることによって、一定の紙送り量と記録走
査の繰り返しとで、ノズルの配列ピッチのk倍の解像度
を持つ画像が得られる。また、後者の例によれば、2画
素ピッチで配置されたA個のノズルを用いて記録すると
き、Aは偶数であることと、各記録走査毎の紙送り量は
(A−1)画素と(A+1)画素の繰り返しで画像を形
成する方法が明記されており、ここではノズルの配列ピ
ッチの倍の解像度を実現している。
【0006】両者の例とも、1度の記録走査における各
ノズルの記録間隔の隙間を、複数回の記録走査と特定の
紙送り量によって埋め合わせていく点(インターレー
ス)においては同一であり、与えられた記録ヘッドの解
像度よりも高解像の画像を実現させることができてい
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した従来
の手法では、高解像な画像を得ることはできるが、主走
査方向Xに連なる画素列については、いずれの例も1回
の主走査で記録完成させてしまうので、多少の紙送りの
誤差が生じた場合、以下のような問題が生じる。
【0008】図16の(a)は、奇数列の記録と偶数列
の記録を副走査方向Yへの紙送りを挟んで交互に行った
時、突発的に1回の紙送り量が0.75画素分不足した
場合の画像を表したものである。紙送り後の主走査で記
録されるドット列は、紙送り前の主走査で記録したドッ
ト列に対し、全て0.75画素分ずれて記録されるの
で、図16の(a)のように2画素おきに主走査方向X
への白スジが現れる。
【0009】このような問題は、記録素子の密度と同等
の画像を記録する場合には起こらなかった。1回の紙送
りの誤差は記録ヘッド端部のつなぎの位置に1本現れる
のみであった。しかし、上記のように記録素子より高い
密度の画像を紙送りを挟んだ2つの記録走査で構成しよ
うとすると、図16の(a)のように記録領域全体の白
スジ或いは濃度薄として検知されてしまう。このような
問題は、記録ヘッドの解像度よりも高解像の画像を実現
させようとするインターレース記録の手法において、新
たに発生する問題である。
【0010】そこで、本発明の目的は、低解像度の配列
ピッチで配列された記録素子を有する記録ヘッドを用
い、主走査方向に連なる1つの画素列を、複数回以上の
主走査で記録すると共に、その各回の走査において駆動
する記録素子の数を異ならせることによって、高解像度
の画像と高品位な画質とを同時に形成することが可能な
記録装置および方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、副走査方向へ
移動可能な記録媒体に対して、該副走査方向に直交する
主走査方向へ記録ヘッドを相対的に移動させることによ
って、前記記録媒体上に画像を形成する記録装置であっ
て、前記記録ヘッドに設けられ、副走査方向に沿って配
列ピッチpで形成された複数の記録素子と、該複数の記
録素子の配列ピッチpに対し、前記記録媒体上での画素
の副走査方向への画素ピッチqがq=p/K(K:整
数)となるように、前記記録媒体を副走査方向へ移動制
御する第1制御手段と、前記副走査方向へ移動制御され
る記録媒体に対して、前記記録ヘッドによるd回(d≧
2:整数)の主走査方向への繰り返し走査、および、当
該繰り返し走査に伴う各走査における記録素子の駆動数
を異ならせる制御を行う第2制御手段とを具え、前記画
素ピッチq単位の各主走査ライン上に各々連なる1つの
画素列を、d回の主走査に分割して記録することを特徴
とする。
【0012】また、本発明は、副走査方向へ移動可能な
記録媒体に対して、該副走査方向に直交する主走査方向
へ記録ヘッドを相対的に移動させることによって、前記
記録媒体上に画像を形成する記録方法であって、前記記
録ヘッドに設けられた複数の記録素子の配列ピッチpに
対し、前記記録媒体上での画素の副走査方向への画素ピ
ッチqがq=p/K(K:整数)となるように、前記記
録媒体を副走査方向へ移動制御しながら、前記副走査方
向へ移動制御される記録媒体に対して、前記記録ヘッド
によるd回(d≧2:整数)の主走査方向への繰り返し
走査を行うと同時に、当該繰り返し走査の各走査におい
て記録素子の駆動する数を異ならせる制御を行うことに
よって、前記画素ピッチq単位の各主走査ライン上に各
々連なる1つの画素列を、d回の主走査に分割して記録
することを特徴とする。
【0013】ここで、前記記録ヘッドに前記記録素子を
n個配列させ、該nと前記Kとは互いに素の関係にする
ことができる。
【0014】前記記録ヘッドに前記記録素子を配列ピッ
チp=2qで偶数個配列させ、前記記録媒体の副走査方
向への移動量を常にqの奇数倍にすることができる。
【0015】形成する画素の画素ピッチが、qである高
解像度記録モードと、Kqである低解像度記録モードと
を有し、前記高解像度記録モードでの前記記録ヘッドの
記録走査スピードと、前記低解像度記録モードでの前記
記録ヘッドの記録走査スピードとを同速度とし、前記高
解像度記録モードでは、各記録素子は各記録走査で主走
査方向に連続した2画素を記録しないようにすることが
できる。
【0016】往路記録走査と復路記録走査とからなる往
復記録を行い、同一記録走査では各記録素子は主走査方
向に連続したm画素を記録するようにすることができ
る。
【0017】前記記録ヘッドとしてインクを吐出するイ
ンクジェットヘッドを用い、当該インクジェットヘッド
から前記記録媒体にインクを吐出して記録を行うことが
できる。この場合、インクジェットヘッドを、熱エネル
ギーを利用してインクに気泡を生じさせ、該気泡の生成
に伴ってインクを吐出するような構成とすることができ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施の形態を詳細に説明する。
【0019】本発明の第1の実施の形態を図1〜図10
に基づいて説明する。まず、本発明装置の概略構成を図
2および図3に基づいて説明する。図3は、本例で用い
るマルチヘッド702を示す。このマルチヘッド702
自体は360dpi画像に対応しており、360dpi
ピッチ即ち約70.5μm間隔で記録素子81(以下、
マルチノズル81と称す)16個が1次元的に配列して
いる。各マルチノズル81から吐出されるインクドロッ
プ量はほぼ一定で、およそ25pl/dotとする。な
お、このマルチノズル81の配列方向は、図2の印字紙
707を搬送する副走査方向Yに対応している。この副
走査方向Yに直交する主走査方向Xに沿って、マルチヘ
ッド702は記録走査がなされる。
【0020】図2は、マルチヘッド702であり、紙面
上を印字していく際のプリンタ部の構成を示したもので
ある。ここでは、カラー対応として4色分4個の上記マ
ルチヘッド702を記録走査方向(主走査方向X)に備
えている。この図2において、701は、インクカート
リッジである。これらインクカートリッジ701は、4
色のカラーインク、ブラック、シアン、マゼンタ、イエ
ローが詰め込まれたインクタンクと、702の記録ヘッ
ドとより構成されている。703は、紙送りローラであ
り、補助ローラ704と共に印字紙707を抑えながら
矢印の方向に回転し、印字紙707を副走査方向Yに随
時送っていく。また、705は給紙ローラであり、印字
紙707の給紙を行うと共に、紙送りローラ703、補
助ローラ704と同様に、印字紙707を抑える役割も
果たす。706は、4つのインクカートリッジを支持
し、印字と共にこれらを移動させるキャリッジである。
このキャリッジ706は、印字を行っていないとき、あ
るいはマルチヘッド702の回復作業などを行うときに
は、図の点線で示した位置のホームポジションhに待機
するようになっている。
【0021】印字開始前、図の位置(ホームポジション
h)にあるキャリッジ706は、印字開始命令がくる
と、ノズル列とは直角な主走査方向Xに移動しながら、
マルチヘッド702上のn個のマルチノズル81によ
り、紙面上に幅Dの画像を記録する。紙面端部まで所定
データの印字が終了すると、キャリッジ706は元のホ
ームポジションhに戻り、再び主走査方向Xへ印字す
る。あるいは、往復印字であれば、−X方向に移動しな
がら印字する。この最初の記録走査が終了してから、2
回目の記録走査が始まる前までに、紙送りローラ703
が矢印方向へ回転することにより、副走査方向Yへ所定
量の紙送りを行う。このようにしてキャリッジ706の
1スキャン毎の記録走査と紙送りとを繰り返し行うこと
により、一紙面上のデータ画像が完成する。
【0022】本例の記録装置においては、360dpi
相当のマルチヘッド702を用いることにより、360
dpiと720dpiの双方の画像が記録可能であると
する。360dpi記録モードの時には、ノズルピッチ
(配列ピッチ)の整数倍分だけ常に紙送りすればよい。
【0023】また、従来例で説明したように、720d
pi画像を360dpiピッチ(70.5μm間隔)で
並列する16個のノズルで記録するには、(8+1/
2)×70.5μmと(8−1/2)×70.5μmと
の紙送りを交互に行うことによって実現できる。しか
し、本例では、更に紙送り量を少なくし、(4+1/
2)×70.5μmと(4−1/2)×70.5μmと
し、これらの紙送り量を交互に繰り返すことによって画
像を完成させている。さらに、本例では、主走査方向に
連なる1つの画素列を、マルチノズル81の駆動数を変
えながら複数回走査することによって完成させている。
【0024】ここで、本発明と従来例との基本的な違い
を図16に基づいて説明する。図16(c)は、従来例
で説明した図16(a)と同様、ある1回の紙送り量が
0.75画素だけ不足していた場合に形成される画像を
示したものである。しかし、これら図16の(a)と
(c)との2つを比較した場合、(c)の方が白く抜け
ている部分Aが少なく、かつ一様に分布しているのがわ
かる。従って、本例のような記録手法は、主走査方向X
に並ぶ連続する記録画素を、異なる主走査で記録してい
るので、紙送りのばらつきの影響も半減させることがで
きることがわかる。また、紙送りに限らず、各ノズル特
有のばらつきによる画像弊害も緩和させることができ
る。このように主走査方向Xへの1つの画素列を、駆動
するノズル数を異ならせて2つ以上の走査で記録する分
割記録の手法は、従来から適用されていた。しかし、こ
のような分割記録の手法を、本発明のように記録素子
(マルチノズル81)の解像度以上(ノズルピッチ以
下)の画像を形成する場合について適用しているものは
なかった。このような点が、従来例とは基本的に異なる
部分である。
【0025】次に、本発明の基本的な記録手法となる分
割記録法の基本的な原理について、図4〜図9に示す具
体例を挙げて説明する。図4(a)において、91はマ
ルチヘッドであり、これは図3のマルチヘッド702と
同様であるが、この説明では簡単のため8個のマルチノ
ズル92によって構成されているものとする。93はマ
ルチノズル92によって吐出されたインクドロップレッ
トであり、通常はこの図のように揃った吐出量で、揃っ
た方向にインクが吐出されるのが理想である。もし、こ
のような吐出が行われれば、図4(b)に示すように紙
面上に揃った大きさのドットが着弾され、これにより図
4(c)に示すように全体的にも濃度ムラの無い一様な
画像が得られる。
【0026】しかし、実際には、先にも述べたようにノ
ズル1つ1つにはそれぞれバラツキがあり、そのまま上
記と同じように印字を行ってしまうと、図5(a)に示
すようにそれぞれのノズルより吐出されるインクドロッ
プの大きさ及び向きにバラツキが生じ、紙面上において
は図5(b)に示すように着弾される。この図5によれ
ば、マルチヘッド91の主走査方向Xに対し、周期的に
エリアファクター100%を満たせない白紙の部分が存
在したり、また逆に、必要以上にドットが重なり合った
り、あるいは、この図5の中央に見られるような白筋A
が発生したりしている。このような状態で着弾されたド
ットの集まりはノズル並び方向(副走査方向Y)に対
し、図5(c)に示す濃度分布となり、結果的には、通
常人間の目でみた限りで、これらの現象が濃度ムラとし
て感知される。
【0027】そこで、この濃度ムラ対策として、図6お
よび図7〜図9に示すような記録手法が考案されてい
る。この記録手法によると、図6と、図7〜図9とにそ
れぞれ示すように、図4及び図5で示した印字領域を完
成させるためにマルチヘッド91を3回スキャンしてい
るが、その半分4画素単位の領域は2パス(主走査)で
完成している。この場合、マルチヘッド91の8ノズル
は、上側4つのマルチノズル92と、下側4つのマルチ
ノズル92のグループに分けられ、1ノズルが1回のス
キャンで印字するドットは、規定の画像データを、ある
所定の画像データ配列に従い、約半分に間引いたもので
ある。そして、2回目のスキャン時に残りの半分の画像
データへドットを埋め込み、4画素単位領域の印字を完
成させる。以上説明したような記録手法を本発明では、
分割記録法と称す。
【0028】このような分割記録法を用いると、図5で
示したマルチヘッド91と等しいものを使用しても、各
ノズル固有の印字画像への影響が半減されるので、印字
された画像は図6(b)のようになり、図5(b)に見
るような黒筋や白筋Aが余り目立たなくなる。従って、
濃度ムラも図6(c)に示すように図5の場合と比べ、
かなり緩和される。
【0029】そこで、本例では、高解像画像をインター
レース法によって記録する際に、上述したような分割記
録法を用いることによって、インターレースに特有な紙
送り精度による画像のムラ(図16(a)参照)も、各
ノズルのムラを緩和させるのと同様に、低減させること
ができるのである。
【0030】次に、本例の具体的な記録手法を図1に基
づいて説明する。
【0031】第1記録走査では、マルチヘッド702の
マルチノズル81を4本用い、第1〜7列の奇数画素列
(1,3,5,7列)を記録する。但し、主走査におい
ては、各マルチノズル81は、1つおき(奇数行)の記
録画素にのみインクを着弾する。
【0032】第1記録走査の後、720dpiで9画素
分(360dpiで4.5画素)紙送りする。
【0033】第2記録走査では、マルチノズル81を8
本用い、第2〜16列の偶数画素列を記録する。但し、
この時も主走査においては、各マルチノズル81は、第
1記録走査と同様、1つおき(奇数行)の記録画素にの
みインクを着弾する。
【0034】第2記録走査の後、720dpiで7画素
分(360dpiで3.5画素)紙送りする。
【0035】第3記録走査では、マルチノズル81を1
2本用い、第1〜23列の奇数画素列を記録する。但
し、主走査においては、各マルチノズル81は、今度は
偶数行に1つおきに記録画素への着弾を行う。この時、
第1〜7列は既に奇数行の記録画素にインクが着弾され
ていることから、この領域に関しては、この第3記録走
査において第1,3,5,7列のインク着弾が完成した
ことになる。
【0036】第3記録走査後、再び720dpiで9画
素分(360dpiで4.5画素)の紙送りする。
【0037】第4記録走査では、マルチノズル81を1
6本(全てのマルチノズル)用い、第2〜第32列の偶
数画素列を記録する。ここでも、第3記録走査と同様
に、各マルチノズル81は、偶数行に1つおきに着弾す
る。この記録走査で、1〜8列までの全ての画素列の画
像が完成すると同時に、10〜16列迄の偶数列の画素
列も完成したことになる。
【0038】以後、このような記録走査、及び、紙送り
を順次繰り返していくことにより、紙面全体に記録画像
が完成することになる。
【0039】上述した本例特有の効果として、以下のこ
とが挙げられる。一般に、720dpiの記録を行うに
は、360dpiに比べ、画素列方向(主走査方向X)
にも倍のピッチで記録しなければならない。通常は、マ
ルチヘッド702の駆動周波数の限界でキャリッジスピ
ードを制御するので、720dpiモードの時には、3
60dpiモードに比べて、キャリッジスピードを半減
させなければ記録できない。このような状況で、前述し
た分割記録を行うと、記録時間が更に大きくかかってし
まう。
【0040】しかし、本例のように、常に画素列方向へ
の記録を2画素に1回ずつ駆動する構成を取れば、キャ
リッジスピードは360dpi記録時と同様でよく、必
要以上に記録速度を落とすことはない。このことは、本
例特有の効果である。
【0041】以上説明してきたように、本例によれば、
360dpiのノズルピッチで並列する16個のマルチ
ノズル81に対し、720dpiの画像を形成する際
に、9画素と7画素の交互の紙送りの制御と、各主走査
ラインでの記録走査において、連なる1つの画素列を1
/2に分割して記録(各画素列に対して2回ずつの記録
走査)する制御とを行うことによって、紙送りムラやノ
ズルムラの無い、滑らかな720dpi画像を得ること
ができる。
【0042】次に、本例の応用例を図10に基づいて説
明する。
【0043】上述した本例では、ノズルピッチ(360
dpi)に対し、2倍の解像度の画像(720dpi)
を形成する場合を例にして説明したが、本発明はこれに
限るものではない。例えば、ノズルピッチ(360dp
i)に対し、4倍の解像度の画像(1440dpi)を
形成する際にも、単にインターレース記録だけであれば
4回の記録走査で同一画像領域の記録を完成させること
ができる。この記録手法に2分割の分割記録を行う場合
には、さらにそれぞれ紙送り量を半減させること及び各
画素列に対し2回ずつ記録走査することにより、本例の
目的が達成できる。
【0044】このようなことから、図10の例において
は、図1と同様のマルチヘッド702を用い、ノズルピ
ッチの4倍(1440dpi)の画像を記録する場合を
示したものである。各記録走査間では9画素或いは5画
素の紙送りを順次繰り返し、全画素列を2回の分割記録
で記録完了させている。紙送り量は図1の場合に比べ、
2つの紙送り量を交互に繰り返すものではないが、4つ
の画素列に2回づつ均等に記録走査できるように分配さ
れている。
【0045】以上の説明から、図1の例では、画素ピッ
チに対して2倍のノズルピッチ(K=2)と、分割記録
数d=2回とにより、1つの画素列はK×d=2×2=
4回の記録走査となる。また、図10の例では、画素ピ
ッチに対して4倍のノズルピッチ(K=4)と、分割記
録数d=4回とにより、1つの画素列はK×d=4×2
=8回の記録走査となる。
【0046】このように考えれば、インターレース記録
と分割記録を同時に行う場合、一般に、画素ピッチqに
対するノズルピッチKqと、分割記録法の分割数(1つ
の主走査を何個のノズルで記録するか)dとの関係にお
いて、1つの画素列はK×d回の記録走査で画像を完成
させることができることがわかる。
【0047】次に、本発明の第2の実施の形態を図11
〜図13に基づいて説明する。
【0048】本例は、前述した第1の実施の形態と同様
のマルチヘッド702を用い、同様の解像度を得るため
の記録方法であるが、1つの画像領域に対し第1の実施
の形態では4回の記録走査で画像を完成させていたのに
対し、本例では8回の記録走査で画像を完成させてい
る。即ち、1つの奇数ラインあるいは偶数ラインの記録
画素は4つに分割され、4種類のノズルで記録されてい
る。さらに、本例では、4分割記録での記録時間の遅れ
を取り戻すために、両方向印字を適用している。
【0049】本例で用いた、分割記録用の間引きマスク
を、図12の(a)〜(h)に示した。ここでの間引き
マスクは1×4画素を基本とした階段状のマスクであ
り、奇数記録走査、及び偶数の記録走査毎に間引きマス
クが丁度補間の関係になっている(黒色部分が記録され
る領域に相当する)。即ち同一画像に対し、(a)〜
(h)の間引きマスクを順番に用いて、8回の記録走査
を行えば、この画像領域の記録画素は全て網羅されるこ
とになる。これらは全て各記録走査毎にマルチヘッド7
02に対して掛けられるマスクであり、従って横方向に
は720dpi、縦方向には360dpiの記録とな
る。この場合(a),(c),(e),(g)は奇数ラ
インにかかるマスクであり、これらは互いに補間の関係
にある。同時に(b),(d),(f),(h)は偶数
ラインに掛かるマスクであり、これらも互いに補間の関
係にある。
【0050】これら図12のマスクを用いて、32個の
マルチノズル81を有する記録ヘッド702を用いて、
8回の分割記録で記録していく状態を表したものが図1
1である。
【0051】ここで、図12のようなマスクを用いた場
合における本例の特徴を、図16を用いて説明する。
(e)は、(a)(c)と同様に、1回の紙送り量が
0.75画素だけ不足していた場合の画像である。この
(e)は(a)や(c)に比べて分割数が多い分、白く
抜けている部分も少なくなっている。ただし、これらが
4つずつ固まっていることから、一様に分布している
(c)より1つの白抜けの塊が目立ってしまう恐れはあ
る。しかし、(e)の領域の画像濃度自体は(c)より
高く現れる。
【0052】また、(b)(d)(f)は、紙浮き(コ
ックリング)等の影響で、ある主走査の記録のドット着
弾位置が主走査方向Xに1画素分ずれた場合の画像を表
している。この場合には、(b)が最も良好で、(d)
が最も白抜け部分が多いことがわかる。(f)は、横方
向に長い1×4マスクを用いている分、白抜けの箇所も
ずれたドットの1/4に留まっている。特に、本例のよ
うに、両方向印字を行う場合には、(f)のように、主
走査方向Xへの着弾ずれが起こる可能性が高いことか
ら、本例で挙げた横長マスクを用いることが特に有効と
なる。
【0053】従って、以上の説明から、紙送り方向(副
走査方向Y)、及び、主走査方向Xの同一ずれ量に対し
て、(e)(f)は平均して良好な画像を得られている
ことがわかる。
【0054】また、本例の別マスクを用いた場合の例
を、図13に基づいて説明する。このマスクは、図12
のマスクに比べて、紙送り方向の画像は白抜け部分が一
様に現れるため良好になる可能性がある。しかし同時
に、主走査方向Xのずれに関しては、図12のマスクに
比べ、白抜け部分の数が多くなることが予想される。ま
た、隣接した主走査方向Xに隣接した2画素を記録する
ことがないため、第1の実施の形態と同様の効果とし
て、キャリッジスピードを倍速にすることができる。
【0055】上述したような図12,図13の分割マス
クは、その記録装置やその時々の記録媒体等の印字状態
から、最も良好なものを選択すればよい。本例のように
ノズルの倍密度の画像を奇数ラインと偶数ラインを交互
に記録していく構成においては、奇数走査目の和と偶数
走査の和がそれぞれ補間の関係にあればよい。
【0056】以上説明してきたように、本例によれば、
360dpiピッチで並列する32ノズルに対し、72
0dpiの画像を形成する際に、9画素と7画素の交互
の紙送りの制御と、各主走査ラインでの記録走査におい
て、連なる1つの画素列を1/4に分割して記録(各画
素列に対して4回ずつの記録走査)する制御とを行うこ
とにより、紙送りムラやノズルムラのない滑らかな72
0dpi画像を得ることができる。
【0057】次に、本発明の第3の実施の形態を図14
〜図15に基づいて説明する。まず、図14について説
明する。本例は、これまでの例と同様に、360dpi
のピッチで並列するノズルを用い、720dpiの画像
を記録する場合の例である。また、第1の実施の形態と
同様に、各主走査に対し2分割の分割記録を行うことと
する。但し、本例で用いるマルチノズル81は全部で1
5本とし、紙送り量は常に7画素に固定されているもの
とする。
【0058】ここで、図14の記録走査について説明す
る。
【0059】第1記録走査では、マルチノズル81を4
本用い、第2〜8列の偶数画素列(2,4,6,8列)
を記録する。但し、主走査においては、各マルチノズル
81は、1つおき(奇数行)の記録画素にのみインクを
着弾する。
【0060】第1記録走査の後、720dpiで7画素
分(360dpiで3.5画素)紙送りする。
【0061】第2記録走査では、マルチノズル81を8
本用い、第1〜15列の奇数画素列を記録する。但し、
この時も主走査においては、各マルチノズル81は、第
1記録走査と同様に、1つおき(奇数行)の記録画素に
のみインクを着弾する。
【0062】第2記録走査の後、720dpiでやはり
7画素分(360dpiで3.5画素)紙送りする。
【0063】第3記録走査では、マルチノズル81を1
1本用い、第2〜22列の偶数画素列を記録する。但
し、主走査においては、各マルチノズル81は、今度は
偶数行に1つおきに記録画素への着弾を行う。この時、
第2〜8列は既に奇数行の記録画素にインクが着弾され
ていることから、この領域に関しては、この第3記録走
査において第2〜8列のインク着弾が完成したことにな
る。
【0064】第3記録走査後、再び720dpiで7画
素分(360dpiで3.5画素)の紙送りする。
【0065】第4記録走査では、マルチノズル81を1
5本(全てのマルチノズル)用い、第1〜第29列の奇
数画素列を記録する。ここでも第3記録走査と同様に、
偶数行に1つおきに着弾する。この記録走査で、1〜9
列までの全ての画素列の画像が完成すると同時に、11
〜15列迄の奇数列の画素列も完成したことになる。
【0066】以後、このような記録走査、及び、紙送り
を順次繰り返していくことにより、紙面全体に記録画像
が完成することになる。
【0067】前述した第1の実施の形態および第2の実
施の形態では、先に挙げた様々な従来例のうち、Kat
erbergの述べるインターレース記録法に分割記録
法を施した場合の構成例に対応するものであったが、本
例ではGamblinの述べるインターレース記録法に
分割記録法を適用した場合の例に対応する。
【0068】すなわち、Gamblinの著述に即せ
ば、画素ピッチq=35.25μm(720dpi)、
ノズル間隔Kq(K=2)に対し、ノズル数はn=15
であり、Kとnは互いに素の関係を満たしている。
【0069】第1および第2の実施の形態の例と本例と
のどちらの実施例の構成を取っても、画像形成される画
像の品質は分割記録の分割数や間引きマスクの形による
ものであり、両者2つの記録法自体には殆ど影響されな
い。従って、本例は、図16で説明した紙送り方向(副
走査方向Y)や主走査方向Xへの誤差も、第1の実施の
形態と同様に、図16(c),(d)等と同様な画質と
なる。これにより、図16(a)に比べて画質の改善を
図ることができる。
【0070】また、本例では先にも述べたように、常に
紙送り量が一定であるので、紙送りの制御自体をこれま
での例に比べて簡易的な構成で実現できる利点がある。
【0071】次に、本例の応用例を図16に基づいて説
明する。図16は、ノズル数n=20とした場合の例を
示す。ここでは、画素ピッチq=23.5μm(108
0dpi)とし、マルチヘッド81のノズル間隔Kq
(K=3)に対して、ノズル数n=20の構成としてい
る。この例でも、Kとnは互いに素の関係を満たしてい
る。また、紙送り量は常に10画素ピッチであり、各画
素列に対してはそれぞれ2分割で記録走査している。こ
の例においても、画質の改善や、紙送り量が一定である
ことによる紙送り制御の簡易化を図ることができる。
【0072】上述したように、インターレース記録と分
割記録とを同時に行う場合、第1,第2の実施の形態の
例のような場合、あるいは、第3の実施の形態の例のよ
うな場合においても、画素ピッチqに対するノズルピッ
チKqと、分割記録法の分割数(1つの主走査を何個の
ノズルで記録するか)dとの関係において、1つの画素
列はK×d回の記録走査で画像を完成させることができ
る。
【0073】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0074】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0075】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0076】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0077】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0078】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0079】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個設けられるものであってもよ
い。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては黒
色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘッ
ドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるかい
ずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色に
よるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備え
た装置にも本発明は極めて有効である。
【0080】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0081】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0082】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の記録素子が1列に等間隔で配列した記録ヘッドを
用い、記録ヘッドが記録素子の配列方向と異なる主走査
方向に記録走査することと、記録ヘッドの主走査方向と
垂直な副走査方向へ記録媒体に対する相対的な移動を繰
り返すことにより、画像信号に基づいた画像を記録媒体
上に形成する場合において、記録素子の配列ピッチがK
q(Kは整数)であるような記録ヘッドに対し、画像の
画素ピッチをqとして、全ての記録画素を記録できるよ
うに副走査方向への移動を行うとともに、1つの画素列
を記録する際に、d回(d≧2:整数)に分割して主走
査すると同時に、その主走査の各回の走査における記録
素子の駆動する数を異ならせることによって、低解像度
のピッチで配列された記録素子を用いた場合において
も、インターレース記録法による高解像な画像と分割記
録法による滑らかで高品位な画質とを同時に実現するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態である記録処理を示
す説明図である。
【図2】本発明に用いられるインクジェットプリンタの
概略構成を示す斜視図である。
【図3】本発明に用いられる記録ヘッドの構成を示す正
面図である。
【図4】分割記録法の具体例を示す説明図である。
【図5】分割記録法の具体例を示す説明図である。
【図6】分割記録法の具体例を示す説明図である。
【図7】分割記録法の具体例を示すものであり、第1回
目の記録処理を示す説明図である。
【図8】図7に続く第2回目の記録処理を示す説明図で
ある。
【図9】図8に続く第3回目の記録処理を示す説明図で
ある。
【図10】本発明の第1の実施の形態の応用例である記
録処理を示す説明図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態である記録処理を
示す説明図である。
【図12】記録処理時における間引き用マスクを記録順
に示す説明図である。
【図13】間引き用マスクの他の例を示す説明図であ
る。
【図14】本発明の第3の実施の形態である記録処理を
示す説明図である。
【図15】本発明の第3の実施の形態の応用例である記
録処理を示す説明図である。
【図16】紙送りおよび主走査方向の誤差に対応して現
れる画素の記録分布を示す説明図である。
【符号の説明】
81 記録素子 702 記録ヘッド 707 記録媒体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 秋山 勇治 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 植月 雅哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 神田 英彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 山田 顕季 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 副走査方向へ移動可能な記録媒体に対し
    て、該副走査方向に直交する主走査方向へ記録ヘッドを
    相対的に移動させることによって、前記記録媒体上に画
    像を形成する記録装置であって、 前記記録ヘッドに設けられ、副走査方向に沿って配列ピ
    ッチpで形成された複数の記録素子と、 該複数の記録素子の配列ピッチpに対し、前記記録媒体
    上での画素の副走査方向への画素ピッチqがq=p/K
    (K:整数)となるように、前記記録媒体を副走査方向
    へ移動制御する第1制御手段と、 前記副走査方向へ移動制御される記録媒体に対して、前
    記記録ヘッドによるd回(d:2以上の整数)の主走査
    方向への繰り返し走査、および、当該繰り返し走査に伴
    う各走査における記録素子の駆動数を異ならせる制御を
    行う第2制御手段とを具え、 前記画素ピッチq単位の各主走査ライン上に各々連なる
    1つの画素列を、d回の主走査に分割して記録すること
    を特徴とする記録装置。
  2. 【請求項2】 前記記録ヘッドに前記記録素子をn個配
    列し、該nと前記Kとは互いに素の関係にあることを特
    徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 【請求項3】 前記記録ヘッドに前記記録素子を配列ピ
    ッチp=2qで偶数個配列し、前記記録媒体の副走査方
    向への移動量は常にqの奇数倍であることを特徴とする
    請求項1記載の記録装置。
  4. 【請求項4】 形成する画素の画素ピッチが、qである
    高解像度記録モードと、Kqである低解像度記録モード
    とを有し、 前記高解像度記録モードでの前記記録ヘッドの記録走査
    スピードと、前記低解像度記録モードでの前記記録ヘッ
    ドの記録走査スピードとを同速度とし、 前記高解像度記録モードでは、各記録素子は各記録走査
    で主走査方向に連続した2画素を記録しないことを特徴
    とする請求項1ないし3のいずれかに記載の記録装置。
  5. 【請求項5】 往路記録走査と復路記録走査とからなる
    往復記録を行い、同一記録走査では各記録素子は主走査
    方向に連続したm画素を記録することを特徴とする請求
    項1ないし3のいずれかに記載の記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録ヘッドは、インクを吐出するイ
    ンクジェットヘッドであり、当該インクジェットヘッド
    から前記記録媒体にインクを吐出して記録を行うことを
    特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載の記録装
    置。
  7. 【請求項7】 前記インクジェットヘッドは、熱エネル
    ギーを利用してインクに気泡を生じさせ、該気泡の生成
    に伴ってインクを吐出することを特徴とする請求項6記
    載の記録装置。
  8. 【請求項8】 副走査方向へ移動可能な記録媒体に対し
    て、該副走査方向に直交する主走査方向へ記録ヘッドを
    相対的に移動させることによって、前記記録媒体上に画
    像を形成する記録方法であって、 前記記録ヘッドに設けられた複数の記録素子の配列ピッ
    チpに対し、前記記録媒体上での画素の副走査方向への
    画素ピッチqがq=p/K(K:整数)となるように、
    前記記録媒体を副走査方向へ移動制御しながら、 前記副走査方向へ移動制御される記録媒体に対して、前
    記記録ヘッドによるd回(d≧2:整数)の主走査方向
    への繰り返し走査を行うと同時に、当該繰り返し走査の
    各走査において記録素子の駆動する数を異ならせる制御
    を行うことによって、前記画素ピッチq単位の各主走査
    ライン上に各々連なる1つの画素列を、d回の主走査に
    分割して記録することを特徴と制御する記録方法。
  9. 【請求項9】 前記記録ヘッドに前記記録素子をn個配
    列し、該nと前記Kとは互いに素の関係にあることを特
    徴とする請求項8記載の記録方法。
  10. 【請求項10】 前記記録ヘッドに前記記録素子を配列
    ピッチp=2qで偶数個配列し、前記記録媒体の副走査
    方向への移動量は常にqの奇数倍であることを特徴とす
    る請求項8記載の記録方法。
  11. 【請求項11】 形成する画素の画素ピッチが、qであ
    る高解像度記録モードと、Kqである低解像度記録モー
    ドとを有し、 前記高解像度記録モードでの前記記録ヘッドの記録走査
    スピードと、前記低解像度記録モードでの前記記録ヘッ
    ドの記録走査スピードとを同速度とし、 前記高解像度記録モードでは、各記録素子は各記録走査
    で主走査方向に連続した2画素を記録しないことを特徴
    とする請求項8ないし10のいずれかに記載の記録方
    法。
  12. 【請求項12】 往路記録走査と復路記録走査とからな
    る往復記録を行い、同一記録走査では各記録素子は主走
    査方向に連続したm画素を記録することを特徴とする請
    求項8ないし10のいずれかに記載の記録方法。
  13. 【請求項13】 前記記録ヘッドは、インクを吐出する
    インクジェットヘッドであり、当該インクジェットヘッ
    ドから前記記録媒体にインクを吐出して記録を行うこと
    を特徴とする請求項8ないし12のいずれかに記載の記
    録方法。
  14. 【請求項14】 前記インクジェットヘッドは、熱エネ
    ルギーを利用してインクに気泡を生じさせ、該気泡の生
    成に伴ってインクを吐出することを特徴とする請求項1
    3記載の記録方法。
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