JP4661454B2 - 印刷装置及び印刷方法 - Google Patents

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Description

本発明は、印刷装置及び印刷方法に関し、特に、いわゆるマスク処理を行なう装置の規模を小さく抑え、処理を高速に行なうことのできる印刷装置及び印刷方法に関する。
インクを吐出する複数のノズルを備えるヘッドが印刷媒体上を走査しながら印刷を行うインクジェットプリンタなどの印刷装置においては、各ノズルのハード特性やインク吐出特性などが画像上に集中して画質が劣化してしまうことを防ぐために、従来から、幾つかの画質向上のための技術が紹介されている。
例えば、下記特許文献1または特許文献2には、インターレース方式という技術が開示されている。また、下記特許文献3および特許文献4には、シングリング方式またはマルチスキャン方式と呼ばれる技術が開示されている。
さらに、前記ノズル特性等を印刷対象の画像上で分散させるための技術としてマスク処理と呼ばれるものがある。かかる処理は、マスクデータと呼ばれる0と1の羅列からなるデータを収めたマスクテーブルというものを用いて、印刷に用いられる各ドットの画像データに対して不規則にマスキングを行い、ヘッドの1回の走査で印刷される画像データを分散させるものである。
また、このマスク処理にも幾つかの種類があり、例えば、複数のノズルを副走査方向に備えるノズル列において、その上端部および下端部に備えられるノズルで印刷される画像データについて上記マスク処理を行なうPOL(パートオーバーラップ)方式や、画像の全域にわたって処理を行う分散方式などがある。
従来、このような複数種類のマスク処理を行う場合には、種類毎に前述した不規則な分散の効果を十分に得るために、種類毎に前記マスクテーブルを備えていた。例えば、前記POL方式と分散方式を行なう印刷装置では、各方式用に2つのマスクテーブルを用意していた。
米国特許第4,198,642号 特開昭53−2040号公報 特開平3−207665号公報 特公平4−19030号公報
しかしながら、前述のように、マスク処理の種類毎にマスクテーブルを備える方法では、マスク処理の高速化のために当該マスク処理をハードウェア化する際に、各マスクテーブル用の各メモリがチップ上に備えられることになり、それらの物理的占有面積が大きく、チップの小型化の障害となると共に、コストアップの要因となってしまう。
また、これら各マスクテーブル用のメモリを外部に持たせることもできるが、その場合には、メモリが別部品となってやはりコストアップの要因となってしまう。さらに、この場合には、メモリへの外部アクセスが必要になり、処理スピードが低下し、高速化の妨げとなってしまう。
そこで、本発明の目的は、ノズル特性等の影響を分散させるためのマスク処理を装置規模を小さく抑えつつ高速に行なうことのできる印刷装置および印刷方法を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明の一つの側面は、印刷ヘッドを用いて印刷を行い、前記印刷ヘッドの1回の走査によって印刷される画像データを不規則に分散させるためのマスク処理を複数種類実行可能な印刷装置が、前記マスク処理のためのマスクデータを縦横にそれぞれ所定数ずつ配列した、1のマスクテーブルと、前記印刷ヘッドの走査方向における1ラインであるラスタ毎の前記画像データについて前記マスク処理を行なう際に、当該処理に使用する前記マスクデータの前記マスクテーブル上での先頭位置を指定し、当該先頭位置から前記マスクテーブルに配列されている前記マスクデータによって前記マスク処理を行なうマスク処理手段とを有し、同一ラスタについて前記マスク処理がなされる際に指定される前記先頭位置は、前記マスク処理の種類毎に異なる位置であることである。
更に、上記の発明において、その好ましい態様は、前記印刷装置が複数色による印刷が可能であり、前記マスク処理手段による先頭位置の指定が、前記複数色の各色の画像データ毎に行われ、同一ラスタについて指定される前記先頭位置は、前記色毎に異なる位置であることを特徴とする。
更に、上記の発明において、好ましい態様は、前記先頭位置についての異なる位置は、前記マスクテーブルにおいて、互いに、縦横両方向にずれていることを特徴とする。
また、上記の発明において、別の態様は、前記マスク処理手段によって指定される各先頭位置は、前記マスクテーブル上のランダムな位置であることを特徴とする。
更にまた、上記の発明において、一つの態様は、前記マスク処理手段は、前記先頭位置を指定したマスク処理を、当該先頭位置と縦方向に同一位置に配列されたマスクデータの行について、当該先頭位置から1方向に順番にマスクデータを使用し、当該行の端に達した場合には、当該行の反対側の端から前記方向で順番にマスクデータを使用することを特徴とする。
また、上記の発明において、別の態様は、前記マスク処理手段は、前記先頭位置を指定したマスク処理を、当該先頭位置と縦方向に同一位置に配列されたマスクデータの行について、当該先頭位置から1方向に順番にマスクデータを使用し、当該行の端に達した場合には、当該行に隣接する行から順番に各行に配列されるマスクデータを使用することを特徴とする。
上記の目的を達成するために、本発明の別の側面は、印刷ヘッドを用いて印刷を行う印刷方法が、前記印刷ヘッドの1回の走査によって印刷される画像データを不規則に分散させるためのマスク処理を複数種類実行可能であり、前記マスク処理のためのマスクデータを縦横に配列した1のマスクテーブルを備える印刷装置で、前記印刷ヘッドの走査方向における1ラインであるラスタ毎の前記画像データについて前記マスク処理を行なう際に、当該処理に使用する前記マスクデータの前記マスクテーブル上での先頭位置を指定するステップと、当該先頭位置から前記マスクテーブルに配列されている前記マスクデータによって前記マスク処理を行なうステップとを有し、同一ラスタについて前記マスク処理がなされる際に指定される前記先頭位置は、前記マスク処理の種類毎に異なる位置であることである。
本発明の更なる目的及び、特徴は、以下に説明する発明の実施の形態から明らかになる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態例を説明する。しかしながら、かかる実施の形態例が、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、図において、同一又は類似のものには同一の参照番号又は参照記号を付して説明する。
図1は、本発明を適用した印刷装置の実施の形態例に係る構成図である。図1のプリンタ1が本発明を適用した印刷装置であり、指定したマスクテーブル上の先頭位置から連なるマスクデータを用いたマスク処理を実行するが、前記先頭位置として指定されるマスクテーブル上の位置の自由度を高めることにより、複数種類のマスク処理に対して1のマスクテーブルを共用し、マスク処理を、効果を落とすことなく、また、そのための装置規模を小さく抑えつつ、高速に行なおうとするものである。
本実施の形態例に係るプリンタ1は、一例として、カラーで印刷可能なインクジェットプリンタであり、図1に示すように、I/F2、CPU3、画像処理ユニット4、メモリ10、ローカルバス9、DSP11、及びヘッド12(印刷ヘッド)等で構成されている。ホストコンピュータなど外部から送信される印刷要求とその画像データは、I/F2を介してメモリ10に格納される。その後、受信された圧縮されている画像データに対して、画像処理ユニット4、DSP11等により、解凍処理、色変換処理、二値化処理、及びマスク処理がそれぞれ行なわれ、処理後のデータがヘッド12に出力される。ヘッド12では、転送される画像データに基づいて順次インクを吐出し、印刷媒体への印字を実行する。なお、本プリンタ1では、C(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)の4色のインクを吐出して印刷するものとする。
I/F2は、ホストコンピュータなどプリンタ1外部とのインターフェースを司る部分であり、CPU3は、上記各種の画像処理を制御する部分である。また、メモリ10は、画像処理ユニット4の外部に設けられたユニット外メモリであり、外部から受信した状態及び前述した各画像処理の処理後の状態における各画像データをそれぞれ所定領域に格納する。従って、解凍処理後のデータ、二値化処理後のデータ、マスク処理後のデータなどがそれぞれメモリ10に格納される。本プリンタ1の特徴であるマスク処理部7は、メモリ10に格納された二値化処理後のデータを読み出して処理し、処理後のデータをメモリ10に書き戻す。
次に、画像処理ユニット4は、図1に示すように、パス制御部5、解凍部6、マスク処理部7、及びヘッド出力部8等を有し、具体的には、ASICで構成される。パス制御部5は、前記I/F2を介してプリンタ1に入力されたデータの転送制御を行う部分であり、解凍部6は、圧縮されている画像データの前記解凍処理を行なう部分である。
マスク処理部7は、本プリンタ1の特徴部分であり、二値化処理後の画像データに対して、ヘッド12の1回の走査で印刷される画像データを分散させるためのマスク処理を行う。また、当該マスク処理部7には、マスク処理に用いられる1のマスクテーブル71が備えられる。図2は、マスクテーブル71を例示した図である。図2に示されるように、マスクテーブル71は、縦横256の「1」又は「0」の数字で構成されるものであり、これらの数字をマスクデータと呼ぶ。また、「1」又は「0」の一つのマスクデータは、1ドットの画像データに対応するものである。なお、上記マスクテーブル71のサイズは一例であって、他のサイズにすることも可能である。
また、本プリンタ1では、マスク処理として、前述したPOL方式と分散方式の両方を行なうことが可能である。なお、マスク処理部7による具体的な処理内容については後述する。
次に、ヘッド出力部8は、マスク処理後の画像データを読み込んで、ヘッド12に順次出力する部分である。
DSP11は、前述した色変換処理及び二値化処理を行うプロセッサ(Digital Signal Processor)であり、メモリ10内に格納された所定の画像データを読み出して処理を実行し、処理後のデータを再びメモリ10に書き戻す。
また、図1に示すように、画像処理ユニット4の各処理部とメモリ10は、各処理部で必要となるメモリ10とのデータ通信を高速に行なうためのローカルバス9でつながれている。かかるローカルバス9は、いわゆるデータバスであり、画像処理ユニット4内の各処理部とCPU3をつなぐCPUバスは、画像処理ユニット4内において図示を省略している。
最後に、ヘッド12は、インクの色毎(CMYK毎)にノズル列121を有し、主走査方向に移動しながら、ヘッド出力部8から転送される各色の画像データに従って順次インク吐出を行い印刷媒体に印字を実施する部分である。図3は、ヘッド12に備えられるノズル列121を模式的に示した図である。
図3に示すように、各色のノズル列121は、副走査方向に256のノズル122(例えば、Cの色は、C1〜C256)を有し、4つのノズル列121は、全体として主走査方向に移動しながらインク吐出を行なっていく。なお、備えられるノズル122の数256は一例であって、他の数であっても構わない。
以上説明したような構成を有する本プリンタ1では、前述したように、マスク処理について特徴を有し、以下、このマスク処理について具体的な処理内容を説明する。図4は、画像データに対するマスク処理の手順を例示したフローチャートである。図4には、1ラスタ(印刷画像における主走査方向の1ライン)の1色の画像データに対して一つの種類のマスク処理を行う場合について示されている。
まず、マスク処理部7にメモリ10から処理対象のラスタの画像データが読み込まれる(ステップS11)。図5は、マスク処理を説明するための図である。図5の(a)は、印刷媒体1面分の画像データを模式的に示したものであり、ラスタ(i)の画像データは、図に示すように、左から順番に主走査方向に、1ドット毎にi1、i2、、、、と並んでいる。前記画像データの読み込みでは、例えば、このラスタ(i)の画像データが読み込まれる。
次に、CPU3は、当該画像データに対する当該マスク処理に用いるマスクデータをマスク処理部7に対して指定する。具体的には、前記マスクテーブル71上における先頭位置を指定する。この先頭位置とは、マスクテーブル71上のデータ読み出しポインタの位置であり、マスクテーブル71に収められているデータをこの位置から順番に読み出してマスク処理に使うことを意味するものである。また、この指定した先頭位置を、CPU3は、当該処理対象のラスタ番号(例えば、ラスタ(i))と関連付けて記憶する(ステップS12)。
図5の(b)には、前記指定された先頭位置が例示されている。図において上向きの矢印で指し示される位置が、例えば、この先頭位置であり、この位置に収められている「1」のデータから右方向に読み出されて(図の太線で囲われた部分)、マスクデータとして用いられる。なお、本プリンタ1では、この先頭位置の指定の仕方に特徴があり、具体的な内容については後述する。
次に、マスク処理部7は、自らが備える前記マスクテーブル71の、前記指定された先頭位置からマスクデータを読み出す(ステップS13)。図5に示す例では、図5の(b)に示すように、先頭位置から、「1、1、0、0、1、、、、」というデータが読み出される。なお、マスクテーブル71上における先頭位置からのデータ読み出しの順番については、後述する。
次に、マスク処理部7は、前記読み込んだ画像データと前記読み出したマスクデータとの乗算を行なう(ステップS14)。具体的には、画像データとマスクデータを、それぞれ一つずつ順番に取り出して掛け合わせて行く処理を行なう。図5の例では、図5の(a)に示すラスタ(i)の画像データ、i1、i2、i3、i4、i5、、、と、図5の(b)に示す先頭位置からのマスクデータ、「1、1、0、0、1、、、、」とが一つずつ順番に掛け合わされる。かかる乗算の結果が図5の(c)に示されている。すなわち、画像データi1には、最初のマスクデータ「1」が掛けられてそのままのデータとして残り、画像データi2には、2番目のマスクデータ「1」が掛けられて、これもそのままのデータとして残り、また、画像データi3には、3番目のマスクデータ「0」が掛けられて0という計算結果になっている。
このように、画像データにマスクデータを掛けることにより、「0」であるマスクデータに対応する画像データについては、元の値に関わらず0の値となり、当該画像データに対応するヘッド12におけるインク吐出については行なわないことになる。従って、これら画像データについては、マスキングされたことになり、後述する、当該ラスタについての2回目の処理においてインク吐出の対象となるように処理される。なお、画像データ、i1、i2、、、は、1ビットのデータであってもよいし2ビットのデータであってもよい。
次に、マスク処理部7は、前記演算された後の画像データをメモリ10に書き戻す(ステップS15)。図5の例では、前述した図5の(c)に示したデータが書き戻される。そして、その後、当該書き戻された画像データがヘッド出力部8を介してヘッド12に転送され、当該画像データに基づくインク吐出がなされる。例えば、ここでマスク処理を行なった画像データがCの色のデータである場合には、当該ラスタのCの画像データが、例えば、C1のノズル122で印字されることになる。ただし、前述のようにマスキングされているので、今回の印字において、当該ラスタについて全て印字されるわけではない。
その後、プリンタ1における各種の処理が推移し、所定のタイミングで、再び、当該ラスタの同一色の画像データについての同一種類のマスク処理を行なう。図5の例では、図5の(a)に示したラスタ(i)の画像データについて2回目のマスク処理を行なう。
まず、ステップS11と同様に、メモリ10から該当するラスタの元の画像データをマスク処理部7に読み込む(ステップS21)。ここで、元の画像データとは、前記ステップS11〜S15のマスク処理を行う前の、ステップS11で読み込んだ画像データのことである。
次に、マスク処理部7は、前記ステップS12でCPU3が記憶した先頭位置をCPU3から取得する(ステップS22)。図5の例では、図5の(b)における上向きの矢印で指し示される位置の情報を取得する。そして、当該先頭位置から、前述したステップS13と同様に、マスクデータを読み出す(ステップS23)。
次に、前記ステップS14と同様に乗算を行なうが、今回は、画像データに掛け合わせる前記読み出したマスクデータを反転した後に乗算する(ステップS24)。すなわち、読み出されたマスクデータが「1」である場合には「0」として、また、読み出されたマスクデータが「0」である場合には「1」として、乗算を行う。図5の例では、前述のように、マスクデータ、「1、1、0、0、1、、、、」が読み出され、「0、0、1、1、0、、、、」と反転されて、画像データ、i1、i2、i3、i4、i5、、、と掛け合わされる。
図5の(d)は、その演算結果を示したものである。今回は、i3、i4等の画像データ残され、i1、i2等はマスキングされる。そして、処理後の画像データがメモリ10に書き戻され(ステップS25)、その後、1回目と同様に、当該書き戻された画像データがヘッド出力部8を介してヘッド12に転送され、当該画像データに基づくインク吐出がなされる。
なお、今回のインク吐出は、当然に、前記1回目と異なるヘッド12のパス(走査)で行なわれるが、マスク処理の効果を出すために、1回目とは異なるノズル122で行なわれる。例えば、画像データがCの色のデータである場合には、1回目のインク吐出をC1のノズル122で行ない、2回目をC256で行なうようにする。このようにして、今回着目したラスタの1色の画像データについての1種類のマスク処理が終了し、前述のように、当該ラスタの画像データが二つの異なるノズル122により、マスクデータに基づく不規則な順番で打ち分けられることになる。従って、当該ラスタ内において、各ノズル特性の影響が分散されることになる。
以上図4に基づいた説明では、1ラスタの画像データを単位としてマスク処理を行なうこととしたが、画像処理ユニット4における他の処理との関係で、このマスク処理の処理単位は変更されても構わない。例えば、1色の画像データについて4ラスタ一緒に処理を行ってもよい。かかる場合においても、1ラスタに着目すれば、図4に基いて説明した処理と同様にマスク処理が行なわれることになる。
また、前述したマスク処理においてマスクテーブル71上での先頭位置の指定(図4のステップS12)を行なったが、この先頭位置は、副走査方向所定の範囲において、同一色の画像データであってもラスタが異なれば、それぞれ異なる位置に指定される。また、同一ラスタの画像データであっても色が異なれば、それぞれ異なる先頭位置が指定される。さらに、同一ラスタの同一色の画像データであっても、マスク処理の種類が異なれば、それぞれ異なる先頭位置が指定される。
本プリンタ1では、この先頭位置の決め方(指定)に特徴があり、以下、その内容について説明する。まず、一つ目の先頭位置の決め方は、同一ラスタについての色毎の先頭位置をマスクテーブル71上において上下方向にもずらし、また、同一ラスタの同一色の画像データについての、マスク処理の種類毎の先頭位置についても、マスクテーブル71上において上下方向にもずらす、というものである。
図6は、本プリンタ1における先頭位置の一例を示した図である。図6では、各ノズル列121C〜Kに備えられるノズル122が10個であるものとして描いている。また、各ノズル列121において、白色で示されるものが分散方式のマスク処理の場合を表し、斜線で示されるものがPOL方式のマスク処理の場合を表している。そして、この図において、各ノズル列121の各ノズル122が示されている位置が、当該ノズル122によって印字されるラスタについての、当該色の画像データについて当該方式のマスク処理を行う場合の前記先頭位置を表している。
例えば、C1のノズル122で印字されるラスタのCの画像データについては、分散方式のマスク処理を行う場合には、図6に示されるように、マスクテーブル71の左上の位置が前述した先頭位置として指定される。そして、当該先頭位置からマスクテーブル71の同一行右方向に順番にマスクデータが読み出されて、前述した画像データとの乗算が行われていく。また、1ラスタに含まれる画像データの数が多く、マスクテーブル71の当該行について右端までマスクデータが使用されてしまった場合には、図6においてマスクテーブル71の右側に示す矢印のように、同じ行のマスクデータが繰り返し当該ラスタの画像データに対して使用される。
同様に、図6におけるM1、Y1、及びK1が、これらのノズル122で印字されるラスタの各色の画像データについて分散方式のマスク処理を行う場合の先頭位置を示しており、これらの先頭位置は、前記C1を含め、図に示されるように、お互いにマスクテーブル71上で上下左右に異なった位置となっている。すなわち、各ノズル列121C〜Kは、図3に示したような配置となっていることから、C1、M1、Y1、及びK1のノズル122によって印字されるラスタは同一であり、同一ラスタについての色毎の先頭位置をマスクテーブル71上において上下左右にずらしているといえる。また、斜線で示されるPOL方式のマスク処理の場合についても、このことは同様である。
また、図6に示されるように、分散方式におけるC1とPOL方式におけるC1、つまり、同一ラスタの同一色の画像データについての、各マスク処理種類の先頭位置についても、マスクテーブル71上において上下左右にずらされている。このことは、他の色についても同様である。
図7は、従来装置における先頭位置の決め方の一例を示した図である。図7に示す例は、本プリンタ1と同様に2種類のマスク処理を行う場合であり、図の標記方法及びノズル位置の意味する内容は、図6の場合と同様である。前述のように、従来装置においては、マスク処理の種類毎にそれぞれマスクテーブルを用意するので、この例においても、前記2種類のマスク処理に対応して、図7の(a)及び(b)に示されるマスクテーブル(1)とマスクテーブル(2)が用意される。
そして、当該従来例における先頭位置は、図7に示されるように、各マスク処理の種類毎に、言い換えれば各マスクテーブル毎に、同一ラスタについての各色の先頭位置が、マスクテーブルの左右の方向にのみずれている。また、先頭位置から読み出したマスクデータが1ラスタの画像データに対して尽きてしまった場合には、各マスクテーブルの右上に示す矢印のように、同じ行のマスクデータが繰り返し当該ラスタの画像データに対して使用される。
以上説明したように、図6に例示した本プリンタ1での一つの先頭位置決定方法では、従来装置と異なり、一つのマスクテーブル71で2種類のマスク処理に係る先頭位置を決定し、さらに、同一ラスタについての色毎の先頭位置をマスクテーブル71上において上下左右にずらし、また、同一ラスタの同一色の画像データについての、マスク処理の種類毎の先頭位置についても、マスクテーブル71上において上下左右にずらしている。このように上下にもずらして先頭位置を決定することで、同一ラスタに対して使用されるマスクデータのマスクテーブル71上の距離が十分に離れ、異なる色及び異なるマスク処理種類で同一又は類似したパターンのマスクデータが使用される可能性が低く、各ノズル特性の影響を分散させるというマスク処理の効果を1つのマスクテーブル71でも十分に得ることができる。
次に、二つ目の先頭位置の決め方は、各種類のマスク処理における、各ラスタの各色の画像データについて、マスクテーブル71上の先頭位置を全くランダムに決めるというものである。図8は、当該決め方による先頭位置を例示した図である。図8において、丸で囲まれた記号は、分散方式のマスク処理において、当該記号のノズル122で印字される画像データについての先頭位置を表している。一方、四角で囲われた記号は、POL方式のマスク処理において、当該記号のノズル122で印字される画像データについての先頭位置を表している。図に示されるように、この例では、同一ラスタの異なる色間で(丸のC1、M1、Y1、K1)、同一ラスタ、同一色の異なるマスク処理種類間で(丸のC1と四角のC1)、また、同一色、同一マスク処理種類の異なるラスタ間で(丸のC1、C2、C3)、それぞれ、先頭位置がランダムに設定されている。
この二つ目の決定方法においても、使用されるマスクデータのマスクテーブル71上の距離が十分に離れて、異なるラスタ、異なる色、及び異なるマスク処理種類で同一又は類似したパターンのマスクデータが使用される可能性が低くなり、マスク処理の効果を1つのマスクテーブル71でも十分に得ることができる。なお、当該方法におけるランダムな先頭位置は、先頭位置を指定する必要が生じた際に、都度、乱数を発生させるなどの方法により決定してもよいし、予めノズル122毎に決定しておいてもよい。
また、これまでの説明においては、先頭位置からマスクテーブル71の右方向にマスクデータを読み出して使用し、1ラスタに含まれる画像データの数が多くマスクテーブル71のその行に含まれるマスクデータが尽きてしまった場合には、同じ行のマスクデータを繰り返し当該ラスタの画像データに対して使用するとしていたが、この使用するマスクデータの順番について、異なる方法を取ることもできる。
図9は、その一例を示した図である。図9に示す例では、1ラスタに含まれる画像データの数が多くマスクテーブル71の先頭位置の行におけるマスクデータが尽きてしまった場合に、同じ行のデータを繰り返し使用するのでなく、その行のデータが使用された後は、図の矢印で示すように、下の行のデータを順次使用することとし、マスクテーブル71の最後のデータ(図の右下)まで使用した後は、再度マスクテーブル71の最初のデータ(図の左上)に戻って使用する。
このようなマスクデータの使用順序とすることにより、マスクデータの同一パターンの出現周期も格段に長くなり、分散の効果を向上させることができる。
以上説明したように、本実施の形態例におけるプリンタ1では、1つのマスクテーブル71を備え、マスク処理時に指定することのできる当該マスクテーブル71上の前記先頭位置の自由度を高め、複数種類のマスク処理に対応する複数のマスクテーブルを備える場合と同等の効果が得られるようにしている。従って、複数種類のマスク処理を行う場合であっても1つのマスクテーブル71で済むため、マスク処理を行なう部分をハードウェア化する際に、マスクテーブル71用のメモリが占有する面積を小さく抑えることができ、装置の小型化が可能となる。また、当該マスクテーブル71用のメモリをチップの内部メモリとすることができるので、マスクテーブル71とのアクセスが速く、処理の高速化を図ることができる。
本発明の保護範囲は、上記の実施の形態に限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶものである。
上記の実施の形態に基づいて、マスク処理部の具体的な構成について説明する。まず、POL(Part-line Overlap)処理について具体例で説明し、その後、そのマスク処理部の具体例を説明する。
図10、図11は、POL処理を説明するための図である。ここでは、POL印刷に含まれる2種類の分散処理を説明するものであり、必ずしもPOL印刷のすべてを説明するものではなく、処理の一部は省略されている。POL印刷は、FOL(Full Overlap)印刷を改良するものである。FOL印刷は、印刷ヘッドの機械的な製造誤差に伴うノズルの特性(インク吐出角度など)に起因するバンディングを抑制するために、各ラスタを異なる2つ以上のノズルで印刷することで、主走査方向の上記ノズル特性に起因する規則性を緩和し、良好な画質を実現するものである。ところが、すべてのラスタにFOL印刷を適用すると、すべてのラスタを複数回のヘッド走査で印字する必要があり、紙送り速度が低下し印刷速度の低下を招く。そこで、POL印刷では、機械誤差が特に著しい印刷ヘッドの両端のノズルについてのみ、上記のオーバーラップ印刷、つまり1ラスタを2つ以上のノズルで印刷する。つまり、1ラスタ内の画像データを複数回の印刷ヘッドの走査により異なるノズルで印刷する。
このPOL印刷では、ノズル列121のノズル122の間に別のノズルを設けて、それらのノズルがインターレースすることなく1回の走査でラスタ内の全ての画素にインクを吐出する。これにより印刷速度を高めることができる。
さらにFOL印刷にPOL印刷を組み合わせたような印刷方式(FOL+POL印刷)も存在する。具体的に説明すると、N回の走査で完結するFOL印刷において端部ノズルの領域のみさらに走査を重ね、その端部ノズルの領域のみN+1回の走査以上で完結させるようにしてPOL印刷の原理を追加した印刷方法である。このFOL+POL印刷では、印刷速度は低下するもののPOL印刷やFOL印刷よりも高いバンディング抑制効果を得ることが出来る。
図10は、印刷ヘッドのノズル列121が簡単のために3つのノズル122を有している例で、各走査SC1〜SC3において、どのノズルが印刷媒体80上のどの位置にインクを吐出するかを示している。図10において、印刷媒体80は各ラスタRS1〜RS5で8画素のインク吐出位置を有し、それぞれの画素には吐出するノズルの番号が示されている。印刷媒体80が副走査方向に送られることにより、ノズル列121を有する印刷ヘッドの位置がずれて、各位置で主走査方向に走査される。つまり、走査SC1、2、3の順にノズル列が印刷媒体上を走査する。
ラスタRS3に注目すると、第1の走査SC1で、ノズル番号11が全8画素のうち2画素にインクを吐出し、第2の走査SC2で、ノズル番号22が4画素にインクを吐出し、第3の走査SC3では、ノズル番号33が残りの2画素にインクを吐出している。つまり、ラスタRS3において、ノズル列121の上下端のノズルが25%ずつの画素でインクを吐出し、上下端以外のノズルが残りの50%の画素でインクを吐出している。しかも、各ノズルが吐出する位置は、ランダムになるように分散処理されている。これにより、ラスタRS3は、上下端のノズルとそれ以外のノズルにより印字されるので、ラスタ方向でのノズルの機械誤差による規則性を緩和することができる。
図10において、各ノズル列においてノズル間に別ノズルを設け、それらの別ノズルについては2回の走査でラスタの印刷を完結するようにすることで、別ノズルにおいては2回の走査で印刷を完結するFOL印刷を、図示したノズル122においては3回の走査で印刷を完結するPOL印刷をそれぞれ適用して、前述のFOL+POL印刷を実現することができる。その場合、別ノズルはそれぞれ50%の画素でインクを吐出する。
図11は、二値化後の画像データが3種類のノズルNOZ1、2、3に割り当てるための分散処理について説明する図である。図10で示したとおり、POL印刷では、1つのラスタを印字するノズルにノズル列の上下端のノズルが含まれる場合は、複数のノズル(及び走査)、例えば3つのノズルに分けてインクの吐出が行われる。したがって、二値化後の「1(吐出有り)」「0(吐出なし)」の画像データを、3つのノズルNOZ1、2、3(3つの走査で同じラスタに対応する異なるノズル)に割り当てるための分散処理が必要になる。図10の例で説明すると、この分散処理において、ラスタRS3の画像データは、第1の走査SC1でラスタRS3に位置するノズルNOZ1(図10のノズル番号11に対応)に25%、第2の走査SC2でラスタRS3に位置するノズルNOZ2(図10のノズル番号22に対応)に50%、第3の走査SC3でラスタRS3に位置するノズルNOZ3(図10のノズル番号33に対応)に25%、それぞれ分散される必要がある。
そこで、本実施例では、共通のマスクテーブルを利用して、上記の分散処理を行うために、分散処理1で第2の走査SC2のノズルNOZ2と、第1、第3の走査SC1、SC3のノズルNOZ1、NOZ3とに50%ずつ画像データを分散し、さらに、分散処理2で第1、第3の走査SC1、SC3のノズルNOZ1、NOZ3とに割り当てられた画像データを、両ノズルNOZ1、NOZ3に50%ずつ分散する。図11中では、分散処理1でノズルNOZ2とNOZ3とに50%ずつ分散され、分散処理2により、ノズルNOZ3の破線の画素がノズルNOZ1に割り当てられている。つまり、共通のマスクデータが50%の分散確率を有するので、2回の分散処理により、25%、50%、25%に画像データを分散する。その場合、分散処理1、2で同じマスクテーブルを利用すると分散処理2で半分に分散することができなくなるので、分散処理1、2で異なるマスクテーブルを利用するために、各処理でのマスクテーブルの参照位置を異ならせて、実質的に異なるマスクテーブルにしている。そのために、マスクテーブル内の参照開始の先頭アドレスをそれぞれ異ならせて、異なる位置でのマスクデータを利用する。
なお、図11中では、第4、第5の走査でのノズル番号も示して、ラスタRS4とRS5において全ての画素に対する吐出するノズル番号例を示している。
図12は、マスク処理部の具体的な回路構成の例を示す図である。図13は、図12のマスク処理部の回路動作を示すタイミングチャート図である。図12には、画像処理ユニット4(図1参照)内のマスク処理部の回路構成と、画像処理ユニットの外に設けられる外部メモリ10と、CPUとが示されている。マスク処理部は、共通のマスクテーブルMTを格納した内蔵メモリと、分散処理1を行うANDゲート82、84及びセレクタ86と、分散処理2を行うANDゲート88、90及びセレクタ92とを有する。一次メモリMEM0は、内蔵メモリであってもよいし、あるいは外部メモリ10内に確保してもよい。そして、CPUは、マスク処理部の動作を制御するために、マスクテーブルメモリへのアドレスADD1と、一次メモリMEM0へのアドレスADD2と、セレクタ86、92へのセレクト信号SEL1、SEL2と、分散された印刷画像データPPDを格納する印刷画像データメモリへのアドレスADD3とを供給する。
図13を参照しながら、その回路動作を説明する。前述のとおり、POL印刷するためには、各ラスタの画像データを3つのノズルに分散させる必要がある。そして、この3つのノズルは、走査位置とノズル位置により特定される。そこで、マスク処理部では、分散処理1と2により3つのノズルに分散させ、外部メモリ10では、ヘッドの走査位置SC1、SC2、SC3毎に区分して、分散させた画像データ(印刷画像データ)を格納する。また、各走査位置において、分散させた画像データは、印刷ヘッド内のノズル毎に区分して格納される。ここで、印刷ヘッド内のノズルは、副走査方向のノズル位置と、CMYKの色別のノズル位置とで特定される。
1つのラスタの画像データには、CMYKの画像データが含まれるので、各色の画像データが順番にマスク処理される。そして、各色のマスク処理では、第1、第2、第3の走査SC1、2、3におけるそのラスタに対応するノズルの画像データに分散される。つまり、図13中に示すように、CMYKの色の順に、各色では第1、第2、第3の走査SC1、2、3におけるノズルの順にそれぞれの画像データの抽出が行われる。なお、各色の画像データの抽出は、1走査ごとに処理しても良い。
まず、シアンCの画像データPDが外部メモリから供給され、ANDゲート82、84に入力される。同時に、CPUはアドレスADD1として第1の先頭番地からのアドレスA01をマスクテーブルMTのメモリに与え、マスクデータMDを読み出し、ANDゲート82、84の他方の入力に供給する。ANDゲート82では読み出したマスクデータMDの反転データが入力される。そして、CPUはセレクト信号SEL1を「0」にして、ANDゲート82の出力を選択し、反転マスクデータにより50%に分散された画像データPD1を一次メモリMEM0に書き込む。これは分散処理1に対応し、図11の例では、第1、第3の走査SC1、3のノズルNOZ1、3のノズル番号11、33の画像データが一次メモリMEM0に格納される。
続いて、CPUは、アドレスADD1として前述のアドレスA01とは異なるアドレスA02をマスクテーブルMTのメモリに与え、異なる先頭番地からのマスクデータMDをANDゲート88、90に入力させる。同時にCPUは、一次メモリMEM0へのアドレスADD2を与えて分散処理1で書き込まれた画像データPD2として第1、第2の走査SC1、3の画像データを読み出して、ANDゲート88、90に入力させる。そして、CPUは、セレクト信号SEL2として「1」を供給し、セレクタ92にNADゲート88の出力を選択させ、印刷画像データメモリMEM1に第1の走査SC1のノズル番号11の印刷画像データPPDを入力する。つまり、第1の走査SC1におけるノズル番号11の印刷画像データが外部メモリ10のメモリ領域MEM1に格納される。
次に、第2の走査SC2におけるノズル番号22の画像データが抽出される。まず、シアンCの画像データPDが外部メモリから供給され、ANDゲート82、84に入力される。同時に、CPUはアドレスADD1として第1の先頭番地からのアドレスA01をマスクテーブルMTのメモリに与えてマスクデータMDを読み出し、ANDゲート82、84の他方の入力に供給する。今度は、CPUはセレクト信号SEL1を「1」にして、ANDゲート84の出力を選択し、マスクデータMDにより50%に分散された画像データPD1を一次メモリMEM0に書き込む。この分散処理1により、図11の例では、第2の走査SC2のノズルNOZ2のノズル番号22の画像データが一次メモリMEM0に格納される。走査SC2のノズルNOZ2の画像データは、分散処理2を必要としないので、次の位相では、CPUがアドレスADD2を一次メモリMEM0に与えて、分散済みの画像データPD2を読み出し、セレクト信号SEL2を「0」にして読み出した画像データPD2を選択し、アドレスADD3を供給して第2の走査SC2に対応する印刷画像データメモリMEM2に書き込む。
最後に、第3の走査SC3におけるノズル番号33の画像データが抽出される。まず、CPUがアドレスADD1としてA01を、セレクト信号SEL1として「1」を出力し、第1、第3の走査SC1、3での画像データを抽出し、一次メモリMEM0に格納する。これが分散処理1である。そして、次に、CPUがアドレスADD1として上記とは異なるA02を、セレクト信号SEL2として「2」を出力し、NANDゲート90の出力である第3の走査SC3での印刷画像データPPDを抽出し、アドレスADD3により印刷画像データメモリMEM3に書き込む。
以上で、ラスタRS1でのシアンCの画像データに対する複数の走査SC1、2、3への分散処理が終了する。そして、同じラスタRS1でのマゼンタMの画像データに対する分散処理が同様にして行われる。この時、CPUは、マスクテーブルMTへのアドレスADD1として、シアンCの場合と異なるアドレスA11、A12を出力して、シアンの画像データの分散処理1、2の時とは異なる先頭番地からのマスクデータを読み出し、マゼンタの画像データの分散処理1、2を異なるマスクデータに基づいて行う。マゼンタMの場合も、第1、第2、第3の走査SC1、2、3のノズルの画像データが順番にマスク処理を経て抽出される。
残りの色のイエローYとブラックKの画像データについても、同様に分散処理1、2が異なるマスクデータにより行われる。また、イエローY、ブラックKのマスク処理も、シアンCやマゼンタMとは異なるアドレスA21、A31により異なるマスクデータに基づいて行われる。
以上のように、分散処理1、2でマスクテーブル内の異なる先頭番地からマスクデータを読み出すことで、共通のマスクテーブルを利用しながら、実質的に異なるマスクテーブルによる分散処理を可能にする。同様に、色毎にマスクテーブル内の異なる先頭番地からマスクデータを読み出すことで、共通のマスクテーブルを利用しながら、実質的に異なるマスクテーブルによる分散処理を可能にする。
なお、共通のマスクテーブル内の異なる位置のマスクデータを参照することで、実質的に異なるマスクテーブルを利用したマスク処理が可能になる。そして、異なる位置のマスクデータを参照するためには、例えば先頭番地を異ならせて同じようにアドレスをインクリメントしてマスクデータを読み出せば良い。または、同じ先頭番地であってもアドレスを逆方向にインクリメントまたはデクリメントすることによっても異なる位置のマスクデータを参照することができる。
また、以上ではCPUがADD1、ADD2、SEL1、SEL2の制御を直接行っていたが、制御は別途有するハードウェアが行いCPUはこのハードウェアにその制御手順を指定するという構成でも良い。
本発明を適用した印刷装置の実施の形態例に係る構成図である。 マスクテーブル71を例示した図である。 ヘッド12に備えられるノズル列121を模式的に示した図である。 画像データに対するマスク処理の手順を例示したフローチャートである。 マスク処理を説明するための図である。 本プリンタ1における先頭位置の一例を示した図である。 従来装置における先頭位置の決め方の一例を示した図である。 本プリンタ1における先頭位置の別の例を示した図である。 マスクデータを読み出す順番についての一つの方法を示した図である。 POL印刷を説明するための図である。 POL印刷を説明するための図である。 マスク処理部の具体的な回路構成の例を示す図である。 図12のマスク処理部の回路動作を示すタイミングチャート図である。
符号の説明
1 プリンタ、 2 I/F、 3 CPU(マスク処理手段)、 4 画像処理ユニ
ット、 5 パス制御部、 6 解凍部、 7 マスク処理部(マスク処理手段)、 8 ヘッド出力部、 9 ローカルバス、 10 メモリ、 11 DSP、 12 ヘッド(印刷ヘッド)、 71 マスクテーブル、 121 ノズル列、 122 ノズル

Claims (10)

  1. 印刷ヘッドを用いて印刷を行い、前記印刷ヘッドの1回の走査によって印刷される画像データを不規則に分散させるためのマスク処理を複数種類実行可能な印刷装置であって、
    前記マスク処理のためのマスクデータを縦横にそれぞれ所定数ずつ配列した、1のマスクテーブルと、
    前記印刷ヘッドの走査方向における1ラインであるラスタ毎の前記画像データについて前記マスク処理を行なう際に、当該処理に使用する前記マスクデータの前記マスクテーブル上での先頭位置を指定し、当該先頭位置から前記マスクテーブルに配列されている前記マスクデータによって前記マスク処理を行なうマスク処理手段とを有し、
    同一ラスタについて前記マスク処理がなされる際に指定される前記先頭位置は、前記マスク処理の種類毎に異なる位置であり、
    前記先頭位置についての異なる位置は、前記マスクテーブルにおいて、互いに、縦横両方向にずれている
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 印刷ヘッドを用いて印刷を行い、前記印刷ヘッドの1回の走査によって印刷される画像データを不規則に分散させるためのマスク処理を複数種類実行可能な印刷装置であって、
    前記マスク処理のためのマスクデータを縦横にそれぞれ所定数ずつ配列した、1のマスクテーブルと、
    前記印刷ヘッドの走査方向における1ラインであるラスタ毎の前記画像データについて前記マスク処理を行なう際に、当該処理に使用する前記マスクデータの前記マスクテーブル上での先頭位置を指定し、当該先頭位置から前記マスクテーブルに配列されている前記マスクデータによって前記マスク処理を行なうマスク処理手段とを有し、
    同一ラスタについて前記マスク処理がなされる際に指定される前記先頭位置は、前記マスク処理の種類毎に異なる位置であり、
    前記マスク処理手段によって指定される各先頭位置は、前記マスクテーブル上のランダムな位置である
    ことを特徴とする印刷装置。
  3. 請求項1において、
    前記印刷装置が複数色による印刷が可能であり、
    前記マスク処理手段による先頭位置の指定が、前記複数色の各色の画像データ毎に行われ、
    同一ラスタについて指定される前記先頭位置は、前記色毎に異なる位置であり、
    当該異なる位置は、前記マスクテーブルにおいて、互いに、縦横両方向にずれている
    ことを特徴とする印刷装置。
  4. 請求項2において、
    前記印刷装置が複数色による印刷が可能であり、
    前記マスク処理手段による先頭位置の指定が、前記複数色の各色の画像データ毎に行われ、
    同一ラスタについて指定される前記先頭位置は、前記色毎に異なる位置であり、
    当該先頭位置は、前記マスクテーブル上のランダムな位置である
    ことを特徴とする印刷装置。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかにおいて、
    前記マスク処理手段は、前記先頭位置を指定したマスク処理、当該先頭位置と縦方向に同一位置に配列されたマスクデータの行について、当該先頭位置から1方向に順番にマスクデータを使用し、当該行の端に達した場合には、当該行の反対側の端から前記方向で順番にマスクデータを使用する
    ことを特徴とする印刷装置。
  6. 請求項1乃至請求項4のいずれかにおいて、
    前記マスク処理手段は、前記先頭位置を指定したマスク処理、当該先頭位置と縦方向に同一位置に配列されたマスクデータの行について、当該先頭位置から1方向に順番にマスクデータを使用し、当該行の端に達した場合には、当該行に隣接する行から順番に各行に配列されるマスクデータを使用する
    ことを特徴とする印刷装置。
  7. 印刷ヘッドを用いて印刷を行う印刷方法であって、
    前記印刷ヘッドの1回の走査によって印刷される画像データを不規則に分散させるためのマスク処理を複数種類実行可能であり、前記マスク処理のためのマスクデータを縦横に配列した1のマスクテーブルを備える印刷装置で、前記印刷ヘッドの走査方向における1ラインであるラスタ毎の前記画像データについて前記マスク処理を行なう際に、
    当該処理に使用する前記マスクデータの前記マスクテーブル上での先頭位置を指定するステップと、
    当該先頭位置から前記マスクテーブルに配列されている前記マスクデータによって前記マスク処理を行なうステップとを有し、
    同一ラスタについて前記マスク処理がなされる際に指定される前記先頭位置は、前記マスク処理の種類毎に異なる位置であり、
    前記先頭位置についての異なる位置は、前記マスクテーブルにおいて、互いに、縦横両方向にずれている、あるいは、
    前記指定される各先頭位置は、前記マスクテーブル上のランダムな位置である
    ことを特徴とする印刷方法。
  8. 1つのラスタ内の画像データを印刷ヘッドの複数の走査で印刷する印刷装置であって、
    マスクデータを不規則に配置したマスクテーブルと、
    前記1つのラスタ内の画像データを、前記マスクデータに基づいて前記複数の走査の印刷画像データに不規則に分散させるマスク処理を行うマスク処理部とを有し、
    前記マスク処理部は、前記1つのラスタ内の画像データに対するマスク処理を、画像データに含まれる複数色の色毎に、前記マスクテーブル内の異なる位置のマスクデータに基づいて行い、当該異なる位置は、前記マスクデータの前記マスクテーブル上での先頭位置が、互いに縦横両方向にずれている位置である、あるいは、ランダムな位置である、ことを特徴とする印刷装置。
  9. 請求項8において、
    前記マスク処理部は、前記マスク処理において、前記1つのラスタ内の画像データから、第1の位置のマスクデータに基づいて第1の走査の印刷画像データを抽出し、当該第1の位置のマスクデータの反転データに基づいて第2の走査の印刷画像データを抽出し、前記色毎に異なる位置のマスクデータは、当該第1の位置のマスクデータであることを特徴とする印刷装置。
  10. 1つのラスタ内の画像データを印刷ヘッドの複数の走査で印刷する印刷装置であって、
    マスクデータを不規則に配置したマスクテーブルと、
    前記1つのラスタ内の画像データを、前記マスクデータに基づいて前記複数の走査の印刷画像データに不規則に分散させるマスク処理を行うマスク処理部とを有し、
    前記マスク処理部は、前記マスク処理において、前記1つのラスタ内の画像データから、第1の位置のマスクデータに基づいて第1、第2の走査の印刷画像データを抽出する第1のマスク処理と、さらに、当該抽出された第1、第2の走査の印刷画像データから、前記第1の位置とは異なる第2の位置のマスクデータに基づいて第1または第2の走査の印刷画像データを抽出する第2のマスク処理とを行い、
    前記第2の位置のマスクデータは、前記第1の位置のマスクデータと、前記マスクテーブル内の参照開始の先頭アドレスが異なる、ことを特徴とする印刷装置。
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