JP2000100431A - 黒鉛粒子の製造法、黒鉛粒子、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペースト、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 - Google Patents

黒鉛粒子の製造法、黒鉛粒子、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペースト、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池

Info

Publication number
JP2000100431A
JP2000100431A JP10264267A JP26426798A JP2000100431A JP 2000100431 A JP2000100431 A JP 2000100431A JP 10264267 A JP10264267 A JP 10264267A JP 26426798 A JP26426798 A JP 26426798A JP 2000100431 A JP2000100431 A JP 2000100431A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
graphite
secondary battery
lithium secondary
graphite particles
weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10264267A
Other languages
English (en)
Inventor
Tatsuya Nishida
達也 西田
Yoshito Ishii
義人 石井
Koichi Takei
康一 武井
Atsushi Fujita
藤田  淳
Kazuo Yamada
和夫 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Resonac Corp
Original Assignee
Hitachi Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Chemical Co Ltd filed Critical Hitachi Chemical Co Ltd
Priority to JP10264267A priority Critical patent/JP2000100431A/ja
Publication of JP2000100431A publication Critical patent/JP2000100431A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高容量で、急速充放電特性に優れたリチウム
二次電池に好適な黒鉛粒子、その製造法及び黒鉛粒子を
用いた黒鉛ペースト、黒鉛負極、リチウム二次電池を提
供する。 【解決手段】 黒鉛化可能な骨材と黒鉛化可能なバイン
ダーを混合し、これを焼成、黒鉛化する黒鉛粒子の製造
法において、黒鉛化可能な骨材の0.1〜20重量%が
揮発分が0.1〜5重量%の酸処理黒鉛である黒鉛粒子
の製造法、この黒鉛粒子の製造法により製造され、広角
X線回折による、厚み方向の格子間距離(d 002)
が3.380Å以下で、厚み方向の結晶子の大きさ(L
c)が500Å以上である黒鉛粒子、この黒鉛粒子に、
有機系結着剤及び溶剤を添加し、混合してなる黒鉛ペー
スト、この黒鉛ペーストを集電体に塗布、一体化してな
るリチウム二次電池用負極及びこのリチウム二次電池用
負極と正極がセパレータを介して対向して配置され、そ
の周辺に電解液が注入されたリチウム二次電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な黒鉛粒子、
黒鉛粒子の製造法、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペースト、リ
チウム二次電池用負極及びリチウム二次電池に関する。
更に詳しくは、ポータブル機器、電気自動車、電力貯蔵
用に用いるのに好適な、急速充放電特性等に優れたリチ
ウム二次電池とそれを得るための黒鉛粒子、黒鉛粒子の
製造法、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペースト、及びリチウム
二次電池用負極に関する。
【0002】
【従来の技術】従来黒鉛粒子としては、例えば天然黒鉛
粒子、コークスを黒鉛化した人造黒鉛粒子、これらを粉
砕した黒鉛粒子などがある。これらの黒鉛粒子は、有機
系結着剤及び有機溶剤と混合して黒鉛ペーストとし、こ
の黒鉛ペーストを銅箔の表面に塗布し、溶剤を乾燥させ
ることにより、特公昭62−23433号公報に示され
るような、高容量のリチウム二次電池用負極として使用
されている。
【0003】得られる電池の放電容量は、黒鉛結晶中に
いかに多くのリチウムを吸蔵できるかということにより
決定され、黒鉛結晶が高度に発達した方が、より多くの
リチウムを吸蔵でき、それだけ高容量のリチウム二次電
池が得られる。この点からは、黒鉛結晶が高度に発達し
た天然黒鉛粒子は、現存する黒鉛粒子の中では、最も黒
鉛結晶が高度に発達しており、高容量が得られ、低コス
トな点と合わせて、好適なリチウム二次電池用負極材と
いえる。
【0004】しかし一般に天然黒鉛粒子は、厚み方向の
結晶の結合力が、面方向のそれに比べ極端に小さいた
め、アスペクト比が大きい、いわゆる鱗状粒子になる。
この鱗状粒子は、有機系結着剤、溶剤と混合し、集電体
に塗布、一体化した際に、集電体の面方向に配向しやす
くなる。充放電時の黒鉛層間へのリチウムの挿入、脱離
は、黒鉛粒子の端面を介して行われるため、このような
鱗状粒子が集電体の面方向に配向した電極を用いたリチ
ウム二次電池は、リチウムの吸蔵、脱離が短時間に多量
に行われる急速充放電時の容量がリチウムの脱離、吸蔵
が緩やかに行われる通常使用時の容量に比べ極端に小さ
くなる。すなわち急速充放電特性が悪くなる。
【0005】これを解消するためには、特開平7−33
5216号公報に示されるような、黒鉛化可能な骨材
を、黒鉛化可能なバインダーと混合、これを黒鉛化処理
して結晶の配向性を等方化した人工黒鉛粒子が使用され
ているが、こうした人造黒鉛粒子は、一般に天然黒鉛粒
子に比べ、急速放電特性は優れるものの、黒鉛化度が劣
るため得られる電池の放電容量は小さいものとなる。こ
れに対しては、骨材に天然黒鉛をそのまま使用すること
により対処できるが、天然黒鉛はバインダーに対する塗
れ性が、コークスに対して悪いため、バインダーの配合
量、選定に注意を要する。また、特開平7−33521
6号公報に示される方法では、リチウムの挿入は、主と
して黒鉛化された粒子の端面を介して行われるため、骨
材が微細な程リチウムの挿入サイトが増え、高速充放電
特性が良好になるが、現行の粉砕技術での骨材の微細化
には限界があり、このため上記方式による急速充放電特
性の向上には限界がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、高容
量で、急速充放電特性に優れたリチウム二次電池に好適
な黒鉛粒子の製造法を提供することにある。
【0007】本発明の他の目的は、高容量で、急速充放
電特性に優れたリチウム二次電池に好適な、黒鉛粒子を
提供することにある。
【0008】本発明の他の目的は、高容量で、急速充放
電特性に優れたリチウム二次電池に好適な、黒鉛ペース
トを提供することにある。
【0009】本発明の他の目的は、高容量で、急速充放
電特性に優れたリチウム二次電池に好適な、黒鉛負極を
提供することにある。
【0010】本発明の他の目的は、高容量で、急速充放
電特性に優れたリチウム二次電池を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、黒鉛化可能な
骨材と黒鉛化可能なバインダーを混合し、これを焼成、
黒鉛化する黒鉛粒子の製造法において、黒鉛化可能な骨
材の0.1〜20重量%が揮発分が0.1〜5重量%の
酸処理黒鉛であることを特徴とする黒鉛粒子の製造法に
関する。
【0012】また本発明は、上記の製造法により製造さ
れ、広角X線回折による、厚み方向の格子間距離(d
002)が3.380Å以下で、厚み方向の結晶子の大
きさが500Å以上である黒鉛粒子に関する。
【0013】また本発明は、上記の黒鉛粒子に、有機系
結着剤及び溶剤を添加し、混合してなる黒鉛ペーストに
関する。
【0014】また本発明は、上記の黒鉛ペーストを集電
体に塗布、一体化してなるリチウム二次電池用負極に関
する。
【0015】また本発明は、上記のリチウム二次電池用
負極と正極がセパレータを介して対向して配置され、そ
の周辺に電解液が注入されたリチウム二次電池に関す
る。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明に使用する黒鉛化可能な骨
材としては、例えばコークス粉末、樹脂の炭素化物等が
使用できるが、黒鉛化できる粉末材料であれば特に制限
はない。またすでに黒鉛化されている黒鉛も黒鉛化可能
な骨材として用いることができる。黒鉛としては、例え
ば天然黒鉛粉末、人造黒鉛粉末等が使用できる。粒径、
純度等には特に制限はない。
【0017】本発明においては、この黒鉛化可能な骨材
の一部として、0.1〜5重量の揮発分を有する酸処理
黒鉛を0.1〜20重量%用いることを特徴とする。
【0018】本発明において用いられる酸処理黒鉛と
は、酸処理により生成する黒鉛−酸層間化合物を意味
し、黒鉛の層間に酸を主成分とする揮発分を含有してい
る。酸処理黒鉛は、公知であり、例えば、硫酸中に硝
酸、過マンガン酸カリウムなどの酸化剤と黒鉛を浸漬し
て共存させることにより簡便に得られる。この方法にお
ける、各成分の混合割合、処理時間等に特に制限はな
く、例えば、黒鉛100重量部に対して、硫酸(濃度2
0〜98%のもの)100〜600重量部、酸化剤とし
て硝酸(濃度30〜70%のもの)20〜100重量部
又は過マンガン酸カリウム20〜50重量部を混合し、
10分〜2時間程度処理することにより製造することが
できる。また、酸化剤を使用するかわりに電気分解法、
気相反応法によっても簡便に得られる。電気分解法とし
ては、例えば、黒鉛を負極として、硫酸等の酸中で電気
分解反応を生じさせる方法があり、気相反応法として
は、例えば黒鉛をSO3、SO2などの酸性ガス雰囲気下
に100〜200℃の温度下放置させる方法がある。
【0019】この酸処理黒鉛は、表面にバインダーと親
和性のある官能基を多量に保有している。このためこれ
をバインダーと混合し、焼成、黒鉛化すると骨材粒子間
が強固に結合された黒鉛粒子が得られる。また、酸処理
黒鉛は、酸を主成分とする揮発分を粒子内に含有してい
る。この揮発分は、焼成工程中に揮発、腐食性の例えば
硫酸ガスのような腐食性のガスを発生させる。このガス
は骨材やバインダーを高温で侵食、粒子内部に微小な空
隙を形成させる。この粒子内部の微小な空隙がリチウム
の吸蔵、脱離のためのサイトになる。このため急速充放
電特性が天然黒鉛をそのまま骨材に使用した場合に比
べ、良好なものとなる。
【0020】本発明では、酸処理黒鉛として揮発分を5
重量%以下としたものを用い、骨材の主成分としては、
黒鉛又は黒鉛化可能な骨材を用いる。その種類について
は特に規定しない。本発明において、酸処理黒鉛を形成
する原料となる黒鉛は、特に制限されないが天然黒鉛、
キッシュ黒鉛、熱分解黒鉛など、高度に黒鉛化が発達し
たものが好ましい。
【0021】本発明で用いられる酸処理黒鉛の揮発分は
0.1〜5重量%であるが、好ましくは0.3〜3重量
%、更に好ましくは1〜2重量%の範囲である。揮発分
が5重量%を超えると焼成時に骨材が膨張し、粒子が破
壊してしまい、また破壊されないまでも、黒鉛粒子から
黒鉛ペースト、負極を作製する工程において、有機系結
着剤や溶剤を吸収してしまうため、集電体への密着性が
悪化したり、またペーストの粘度調整のため、多量の溶
剤を必要とするので、乾燥性が悪くなるなどの、後工程
での電池の作業性に問題を生じさせる。一方揮発分が
0.1重量%未満では、バインダーとの親和性向上、空
孔の確保などで十分な効果が得られない。
【0022】本発明において、揮発分は、磁性るつぼに
試料を入れ、100℃で十分乾燥した後の重量(W1
と、その後400℃で10分間加熱し、デシケータ中で
放冷後測定した重量(W2)から、(W1−W2)/W1×
100(%)により求めることができる。
【0023】黒鉛化可能な骨材中の酸処理黒鉛の比率は
0.1〜20重量%である。0.1重量%未満では得ら
れる効果が少なくなり、また20重量%を超えると、酸
処理黒鉛の揮発分が多い場合と同様に、粒子のかさ密度
が低下し、比表面積が増加することにより取り扱い性が
悪化すると同時に、実際に負極材として使用する際、充
放電効率が悪化し、電池が低容量となる。
【0024】黒鉛化可能な骨材としては、前記の、酸処
理黒鉛の原料となる黒鉛のほか、コークス粉末、樹脂の
炭化物などを用いることができる。
【0025】本発明において使用される黒鉛化可能なバ
インダーとしては、例えばタール、ピッチのほか、熱硬
化性樹脂、熱可塑性樹脂等が使用できる。
【0026】本発明の製造法において、黒鉛化可能な骨
材とバインダーとの配合比率については特に限定されな
いが、後に示すd 002、Lcを有する黒鉛粒子を得
ることができる比率であることが好ましい。黒鉛化可能
な骨材とバインダーとの配合比率の好ましい配合比率
は、黒鉛化可能な骨材とバインダーの合計量に対してバ
インダーを10〜50重量%配合することが好ましい。
【0027】本発明の具体的な製造方法としては、上記
の黒鉛化可能な骨材と、上記のバインダーを、バインダ
ーの軟化点以上の温度(好ましくは80〜350℃)
で、加熱し、溶融状態で混合した後、これを粉砕、炭素
化、黒鉛化、必要に応じてこの後粉砕して、所望の黒鉛
粒子を得る。炭素化は700〜1200℃で、非酸化雰
囲気(窒素ガス中など)の条件下で行うことが好まし
く、黒鉛化は2500〜3000℃で、非酸化雰囲気の
条件下で行うことが好ましい。
【0028】本発明の製造法により得られる黒鉛粒子
の、広角X線回折における厚み方向の格子間距離(d
002)は3.380Å以下で、厚み方向の結晶子の大
きさ(Lc)が、500Å以上であることが好ましい。
更に好ましくはd 002が3.375Å以下で、Lc
が800Å以上であり、特に好ましくはd 002が
3.370Å以下、Lcが1000Å以上である。d
002が3.380Åを超え、Lcが500Å未満で
は、黒鉛中へのリチウムの吸蔵量が小さくなり、電池の
容量も小さくなる傾向がある。なお、d 002及びL
cは、X線回折により黒鉛(002)面の回折角よりブ
ラッグの公式を用いて算出することができる。
【0029】本発明の黒鉛粒子は、有機系結着剤及び溶
剤と混練して、シート状、ペレット状の形態に成形され
る。有機系結着剤としては、例えばポリエチレン、ポリ
プロピレン、エチレンプロピレンターポリマー、スチレ
ンブタジエンゴム、イオン導電性の大きな高分子化合物
が使用できる。このような高分子化合物としては、ポリ
フッ化ビニリデン、ポリエチレンオキサイドなどがあ
る。有機系結着剤の含有量としては、黒鉛粒子との混合
物において、3〜20重量%含有することが望ましい。
【0030】溶剤としては特に制限はなく、N−メチル
−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、イソプロパ
ノールなどが用いられる。その量も特に制限はなく、所
望の粘度に調整できればよいが、通常ペーストに対して
30〜70重量%使用される。
【0031】本発明の黒鉛粒子に有機系結着剤及び溶剤
を添加し、混合する黒鉛ペーストが得られる。この黒鉛
ペーストを必要に応じてさらに粘度を調整した後、集電
体へ塗布し、集電体と一体化するとリチウム二次電池用
の負極が得られる。集電体としては、例えばニッケル、
銅等の箔、メッシュなどの金属集電体が使用できる。な
お、一体化は例えばロール、プレス等の成形法で行うこ
とができ、これらを組み合わせして一体化してもよい。
【0032】このようにして得られたリチウム二次電池
用の負極は、セパレータを介して正極と対向して配置
し、かつ電解液を注入することにより、従来の炭素材料
を負極に使用したリチウム二次電池に比較して、急速充
放電特性、サイクル特性に優れたリチウム二次電池を作
製することができる。
【0033】本発明におけるリチウム二次電池の正極に
用いられる材料については、特に制限はなく、LiNi
2、LiCoO2、LiMn24等を単独、又は混合し
て使用することができる。
【0034】電解液としては、LiClO4、LiPF6
等のリチウム塩を、例えば炭酸エチレン、炭酸ジメチル
などの非水系溶剤に溶解したいわゆる有機系電解液、ポ
リフッ化ビニリデン等の高分子固体電解質に含ませた電
解液などを使用することができる。
【0035】セパレータとしては、例えばポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のポリオレフィンを主成分とした
不織布、クロス、微孔フィルム又はこれらを組み合わせ
たものを使用することができる。
【0036】なお、図1に円筒型リチウムイオン二次電
池の一例を示す、一部断面正面図を示す。
【0037】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて詳細に説明
するが、本発明はこれに限定にされるものではない。
【0038】実施例1 (1)黒鉛粒子の調製 平均粒径が20μmの中国産天然黒鉛粉末30重量部
を、濃度64%の希硫酸60重量部、濃度62%の濃硝
酸10重量部で1時間浸漬処理した。これを水洗し、1
00℃で2時間乾燥させ、酸処理黒鉛とした。この酸処
理黒鉛の揮発分は1.7重量%であった。
【0039】上記で得られた酸処理黒鉛を5重量部、他
の骨材として石炭コークスを70重量部、バインダーと
してタールピッチを25重量部を混合し、200℃で2
時間、攪拌した。これを平均粒径20μmになるように
粉砕し、更に窒素雰囲気中で900℃で炭素化、更に2
800℃で黒鉛化、その後粉砕して、黒鉛粒子を得た。
【0040】得られた黒鉛粒子の広角X線回折における
d 002は3.366Å、Lcは1250Åであっ
た。
【0041】(2)リチウム二次電池の作製 図1は、円筒形リチウム二次電池の一部断面正面図を示
し、1は正極、2は負極、3はセパレータ、4は正極タ
ブ、5は負極タブ、6は正極蓋、7は電池缶及び8はガ
スケットである。
【0042】図1に示すリチウム二次電池は以下のよう
にして作製した。正極活物質としてLiCoO2を88
重量部、導電助剤として平均粒径が1μmの鱗片状天然
黒鉛を7重量部、及び結着剤としてポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)を5重量部添加して、これにN−メチル
−2−ピロリドンを(50重量部)加え正極用黒鉛ペー
ストを調製した。同様に負極活物質として(1)で得た
黒鉛粒子を90重量部及び結着剤としてPVDFを正極
用黒鉛ペーストに対し10重量部添加して、これにN−
メチル−2−ピロリドンを100重量部混合して負極用
黒鉛ペーストを得た。
【0043】次に正極用黒鉛ペーストを厚みが25μm
のアルミニウム箔の両面に塗付し、その後120℃で1
時間真空乾燥した。真空乾燥後ローラープレスによっ
て、電極を加圧成形して、厚みを190μmとした。単
位面積当たりの正極合剤(ペーストから溶剤を除いたも
の、即ち、N−メチル−2−ピロリドンを揮発させて得
た黒鉛粒子+結着剤のこと)塗布量は、50mg/cm
2であり、幅が40mmで長さが285mmの大きさに
切り出して正極1を作製した。但し正極1の両端の長さ
10mmは、正極合剤が塗布されておらず、アルミニウ
ム箔が露出されており、この一方に正極タブ4を、超音
波接合によって圧着した。
【0044】一方負極用黒鉛ペーストを、厚みが10μ
mの銅箔の両面に塗付し、その後120℃で1時間真空
乾燥した。真空乾燥後、ローラープレスによって電極を
加圧成形して、厚みを175μmとした。単位面積当た
りの負極合剤(ペーストから溶剤を除いたもの)の塗布
量は、20mg/cm2であり、幅が40mmで長さが
290mmの大きさに切り出して、負極2を作製した。
これを正極1と同様に、負極2の長さ10mmの部分
は、負極合剤が塗布されておらず、銅箔が露出してお
り、この一方に負極タブ5を超音波接合により圧着し
た。
【0045】セパレータ3は、厚みが25μm、幅が4
4mmのポリエチレン製の微孔膜を用いた。次いで図1
に示すように正極1、セパレータ3、負極2及びセパレ
ータ3の順で重ね合わせ、これを捲回して電極群とし
た。これを単3サイズの電池缶に挿入して、負極タブ5
を缶低溶接し、正極蓋6を加締るための絞り部を設け
た。この後体積比で1:1の炭酸エチレンと炭酸ジメチ
ルの混合溶媒に六フッ化リン酸リチウムを1モル/リッ
トルで溶解させた電解液を電池缶7に注入した後、正極
タブ4を正極蓋6に溶接した後、正極蓋6を加締めてリ
チウム二次電池を得た。
【0046】得られたリチウム二次電池を用いて、充放
電電流300mA、充電終止電圧4.15V、放電終止
電圧2.8Vで充放電を繰り返した。また充放電電流
を、300mA、600mA、900mAと変化させ、
急速充放電を行った。このときの1サイクル目の黒鉛粒
子の単位重量当たりの放電容量を測定した。その結果を
表1に示す。
【0047】実施例2 実施例1と同じ天然黒鉛粉末30重量部を、濃度32%
の希硫酸60重量部、濃度62重量%の濃硝酸10重量
部で1時間処理した。これを水洗し、100℃で2時間
乾燥させ、酸処理黒鉛とした。この酸処理黒鉛の揮発分
は0.5重量%であった。
【0048】上記で得られた酸処理黒鉛を1重量部、実
施例1と同じコークスを74重量部、実施例1と同じタ
ールピッチを25重量部を加え、実施例1と同じ方法に
て、黒鉛粒子を得た。
【0049】得られた黒鉛粒子の広角X線回折における
d 002は3.369Å Lcは1000Åであっ
た。
【0050】これを実施例1と同じ方法にてリチウム二
次電池を作製、実施例1と同様の電池特性試験を行っ
た。
【0051】比較例1 平均粒径が20μmの中国産天然黒鉛粉末30重量部
を、濃度98%の濃硫酸60重量部、濃度62重量%の
濃硝酸10重量部で1時間処理した。これを水洗し、1
00℃で2時間乾燥させ、酸処理黒鉛とした。この酸処
理黒鉛の揮発分は8.6重量%であった。これを実施例
1と同じ配合、方法にて黒鉛粒子を得た。得られた黒鉛
粒子の広角X線回折におけるd 002は3.364
Å、Lcは1300Åであった。
【0052】これを実施例1と同じ方法にてリチウム二
次電池を作製、実施例1と同様の電池特性試験を行っ
た。
【0053】比較例2 実施例1と同じ酸処理黒鉛を21重量部を、実施例1と
同じ骨材(石炭コークス)を54重量部、実施例1と同
じタールピッチ25重量部を混合、実施例1と同じ方法
にて黒鉛粒子を得た。得られた黒鉛粒子の広角X線回折
におけるd 002は3.365Å、Lcは1270Å
であった。
【0054】これを実施例1と同じ方法にてリチウム二
次電池を作製、実施例1と同様の電池特性試験を行っ
た。
【0055】比較例3 実施例1と同じ骨材(石炭コークス)を75重量部、実
施例1と同じタールピッチ25重量部を混合、実施例1
と同じ方法にて黒鉛粒子を得た。得られた黒鉛粒子の広
角X線回折におけるd 002は3.358Å、Lcは
1750Åであった。
【0056】これを実施例1と同じ方法にてリチウム二
次電池を作製、実施例1と同様の電池特性試験を行っ
た。
【0057】
【表1】 表1に示されるように、本発明の実施例で得られたリチ
ウム二次電池は、比較例1、2、3に比べ、充放電電流
300mA、600mA,900mAとも高容量で、優
れた急速充放電特性を有する。
【0058】
【発明の効果】本発明の黒鉛粒子の製造法は、高容量
で、急速充放電特性に優れたリチウム二次電池に好適な
黒鉛粒子の製造法である。
【0059】本発明の黒鉛粒子は、高容量で、急速充放
電特性に優れたリチウム二次電池に好適な黒鉛粒子であ
る。
【0060】本発明の黒鉛ペーストは、高容量で、急速
充放電特性に優れたリチウム二次電池に好適な黒鉛ペー
ストである。
【0061】本発明のリチウム二次電池用負極は、高容
量で、急速充放電特性に優れたリチウム二次電池に好適
な黒鉛負極である。
【0062】本発明のリチウム二次電池は、高容量で、
急速充放電特性に優れたリチウム二次電池である。
【図面の簡単な説明】
【図1】円筒形リチウム二次電池の一部断面正面図であ
る。
【符号の説明】
1 正極 2 負極 3 セパレータ 4 正極タブ 5 負極タブ 6 正極蓋 7 電池缶 8 ガスケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武井 康一 茨城県日立市鮎川町三丁目3番1号 日立 化成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 藤田 淳 茨城県日立市鮎川町三丁目3番1号 日立 化成工業株式会社山崎工場内 (72)発明者 山田 和夫 茨城県日立市鮎川町三丁目3番1号 日立 化成工業株式会社山崎工場内 Fターム(参考) 4G032 AA02 AA04 AA09 BA05 GA02 GA19 5H029 AJ02 AJ03 AK03 AL07 AM03 AM05 AM07 CJ02 CJ08 CJ11 CJ22 DJ07 DJ08 EJ04 EJ12 HJ01 HJ13

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 黒鉛化可能な骨材と黒鉛化可能なバイン
    ダーを混合し、これを焼成、黒鉛化する黒鉛粒子の製造
    法において、黒鉛化可能な骨材の0.1〜20重量%が
    揮発分が0.1〜5重量%の酸処理黒鉛であることを特
    徴とする黒鉛粒子の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の黒鉛粒子の製造法により
    製造され、広角X線回折による、厚み方向の格子間距離
    (d 002)が3.380Å以下で、厚み方向の結晶
    子の大きさ(Lc)が500Å以上である黒鉛粒子。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の黒鉛粒子に、有機系結着
    剤及び溶剤を添加し、混合してなる黒鉛ペースト。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の黒鉛ペーストを集電体に
    塗布、一体化してなるリチウム二次電池用負極。
  5. 【請求項5】 請求項4記載のリチウム二次電池用負極
    と正極がセパレータを介して対向して配置され、その周
    辺に電解液が注入されたリチウム二次電池。
JP10264267A 1998-09-18 1998-09-18 黒鉛粒子の製造法、黒鉛粒子、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペースト、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池 Pending JP2000100431A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10264267A JP2000100431A (ja) 1998-09-18 1998-09-18 黒鉛粒子の製造法、黒鉛粒子、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペースト、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10264267A JP2000100431A (ja) 1998-09-18 1998-09-18 黒鉛粒子の製造法、黒鉛粒子、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペースト、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000100431A true JP2000100431A (ja) 2000-04-07

Family

ID=17400804

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10264267A Pending JP2000100431A (ja) 1998-09-18 1998-09-18 黒鉛粒子の製造法、黒鉛粒子、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペースト、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000100431A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002289175A (ja) * 2001-03-23 2002-10-04 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002289175A (ja) * 2001-03-23 2002-10-04 Sanyo Electric Co Ltd リチウム二次電池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7337202B2 (ja) 負極活物質、これを含む負極及びリチウム二次電池
KR101038637B1 (ko) 음극 활성 물질, 그것을 이용한 음극, 그것을 이용한비수성 전해질 전지, 및 음극 활성 물질의 제조 방법
JP5348878B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法、リチウムイオン二次電池用負極ならびにリチウムイオン二次電池
JP2004259475A (ja) リチウム二次電池用負極材とその製造方法、及びそれを用いたリチウム二次電池
KR20090066019A (ko) 표면 처리된 음극 활물질을 포함하는 음극 및 이를 채용한리튬 전지
JP2008277232A (ja) リチウム二次電池用負極材料、その製造方法及びそれを用いたリチウム二次電池用負極、リチウム二次電池
JP2008277231A (ja) リチウム二次電池用負極材料、その製造方法及びそれを用いたリチウム二次電池負極、リチウム二次電池
JP2002348109A (ja) リチウム二次電池用負極材料およびその製造方法、ならびにそれを用いた二次電池
JP2005019399A (ja) リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法、ならびにリチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JPH11219704A (ja) リチウム二次電池、その負極及びその製造法
JP4354723B2 (ja) 黒鉛質粒子の製造方法
JP2000053408A (ja) 膨張黒鉛粒子及びその製造方法並びにリチウム二次電池、その負極及び負極材料
JP4495531B2 (ja) 粒状複合炭素材料およびその製造方法、ならびにリチウムイオン二次電池用負極材料、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JP2004234977A (ja) リチウム二次電池用正極材料およびその製造方法ならびにそれを用いたリチウム二次電池
JP4050072B2 (ja) 黒鉛質粒子の製造方法およびリチウムイオン二次電池用負極材料
JPH07302595A (ja) カーボン粒子の製造方法及びそのカーボン粒子を含んでなる負極
JP2000203817A (ja) 複合炭素粒子、その製造法、負極材料、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池
JPH11217266A (ja) 黒鉛粒子、その製造法、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池
JPH1111919A (ja) 複合炭素粒子の製造法、該製造法で得られた複合炭素粒子、複合炭素粒子を用いた炭素ペースト、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池
JPH07147158A (ja) リチウム二次電池用負極
JP2004059386A (ja) 炭素被覆黒鉛質粒子の製造方法、炭素被覆黒鉛質粒子、リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JPH11191408A (ja) リチウムイオン二次電池用負極活物質、これを用いて製造した負極板及びリチウムイオン二次電池
JPH11219700A (ja) リチウム二次電池、その負極及びその製造法
JP2000100431A (ja) 黒鉛粒子の製造法、黒鉛粒子、黒鉛粒子を用いた黒鉛ペースト、リチウム二次電池用負極及びリチウム二次電池
JPH11199213A (ja) 黒鉛粒子、その製造法、リチウム二次電池及びその負極