JP2000096576A - 鉄骨柱脚部の接合構造及びその施工方法 - Google Patents

鉄骨柱脚部の接合構造及びその施工方法

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JP2000096576A
JP2000096576A JP10265960A JP26596098A JP2000096576A JP 2000096576 A JP2000096576 A JP 2000096576A JP 10265960 A JP10265960 A JP 10265960A JP 26596098 A JP26596098 A JP 26596098A JP 2000096576 A JP2000096576 A JP 2000096576A
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仁 北谷
Jiro Fukue
次郎 福江
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 前記鉄骨柱脚部の下端に設けたベースプレー
トと基礎の上面との接合部に充填するグラウトが硬化す
るまで、前記ベースプレートを固定するナットの本締め
ができないという問題を解消し、全体の工期の短縮を図
ると共に、施工方法の簡略化を図る。 【解決手段】 鉄骨柱脚部3の下端に設けたベースプレ
ート4を、基礎5に埋設されたアンカーボルト6及び該
アンカーボルト6に螺合されたナット7により前記基礎
5の上面8に固定する鉄骨柱脚部の接合構造1におい
て、前記ベースプレート4と前記基礎上面8のとの隙間
にエポキシ系樹脂グラウト9を充填する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、鉄骨造建築におけ
る露出型の鉄骨柱脚部の接合構造及びその施工方法に係
り、特に、グラウトとしてエポキシ系樹脂を使用するも
のに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の鉄骨造建築における露出型の鉄骨
柱脚部の接合構造及びその施工方法について、図7から
図11に基づいて説明する。前記鉄骨柱脚部の接合構造
の土台となる建築物の基礎を施工する際、図7に示すよ
うに、まず、構築された一対の基礎型枠51の間にコン
クリート52を打設し、その上面の高さ及び水平度を調
節して平滑に仕上げる。この際、前記基礎を形成するコ
ンクリート52の上面の平滑性を出し易くするために、
流動性の良いモルタルなどからなる天端レベラー材を前
記打設したコンクリートの上面に流し込む場合もある。
その後、前記コンクリート52が硬化すれば前記基礎型
枠51を取り外す。
【0003】次に、図8に示すように、前記基礎上面5
6における前記鉄骨柱脚部を固定するための複数のアン
カーボルト54の中央に、前記鉄骨柱の垂直性及び設置
高さを調節するための治具57を設置する。この治具5
7は、ベース部58及びこのベース部58に螺合され、
高さ調節が可能な柱受部59とから形成されるものであ
る。そして、図9に示すように、前記鉄骨柱60を前記
治具57の上に載置する。その際、前記鉄骨柱60の脚
部61の下端に設けたベースプレート62の周縁部近傍
にある固定穴63にそれぞれ前記アンカーボルト54が
挿通し、かつ、前記ベースプレート62の中央を前記治
具57により支持するようにして載置する。そして、前
記アンカーボルト54に螺合されたナット64を仮締め
して前記鉄骨柱脚部61を固定する。あるいは、別の方
法として、前記治具57を使用せず、その代わりに、図
10に示すように、前記複数のアンカーボルト54の中
央に、こてなどを用いてモルタルを台形状に形成して硬
化させ、このモルタル台65の上に前記鉄骨柱脚部61
を同様に載置する場合もある。
【0004】上記のようにして、前記鉄骨柱60を設置
した後、前記鉄骨柱60の設置位置、高さ及び角度を固
定する。その後、図11に示すように、前記ベースプレ
ート62の周囲にせき止め部材55を設けて囲み、前記
せき止め部材55と前記ベースプレート62との隙間又
は前記ベースプレート62に設けた図示しない注入孔か
ら無機系グラウト66を注入し、図12に示すように、
前記基礎上面56と前記ベースプレート62との間に前
記無機系グラウト66を充填する。ここで、前記せき止
め部材55を設けたのは、前記基礎上面56と前記ベー
スプレート62との間に前記無機系グラウト66を充填
した際に、それが周囲に流れ出さないようにするためで
ある。このとき、前記治具57又は前記モルタル台65
(図12には前記治具57の場合を示す。)はそのまま
埋め込んでしまう。そして、数日間養生して硬化させた
後、前記アンカーボルト54に螺合されたナット64を
本締めする。ここで、前記無機系グラウト66とは、前
記基礎上面56と前記ベースプレート62との隙間を埋
めるための充填材であり、無収縮モルタルからなる。
【0005】上記のように、前記基礎上面56と前記ベ
ースプレート62との接合部に前記治具57を設置し、
又は前記モルタル台65を形成した理由は、以下のよう
なところにある。すなわち、前記基礎上面56は、コン
クリート52により形成されるものであるので、完全に
水平面にすることは困難である。したがって、前記基礎
上面56に直接前記ベースプレート62を載置して前記
鉄骨柱の角度を垂直に固定した場合、どうしても、前記
ベースプレート62と前記基礎上面56との間に隙間が
生じてしまう。しかしながら、このような隙間は非常に
狭いため、無収縮モルタルからなる前記無機系グラウト
を注入することは困難であり、結果として、前記ベース
プレート62を前記基礎上面56に密着させた状態で前
記アンカーボルト54に螺合された前記ナット64を締
めることができず、前記鉄骨柱脚部61の接合部の強度
が不足する可能性がある。
【0006】そこで、上記のように前記基礎上面56と
前記ベースプレート62との接合部に前記治具57を設
置し、又は前記モルタル台65を形成して前記基礎上面
56と前記ベースプレート62との隙間を広く確保し、
そこに前記無機系グラウト66を充填することによっ
て、前記ベースプレート62を前記基礎上面56に密着
させ、前記鉄骨柱脚部61の接合部の強度を確保してい
る。なお、前記ベースプレート62の中央を前記治具5
7又は前記モルタル台65により支持することによっ
て、それらを中心として前記鉄骨柱60の垂直方向の角
度を調節することができる。また、前記治具57による
場合は、前記柱受部59の高さを調節することにより、
前記鉄骨柱60の設置高さを調節することもできる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の鉄骨柱脚部の接合構造及びその施工方法によると、
以下のような問題がある。まず第1に、前記鉄骨柱脚部
下端に設けられた前記ベースプレートの中央を前記治具
又は前記モルタル台により支持し、前記ベースプレート
の周縁部近傍を前記アンカーボルト及びナットにより固
定しているので、前記基礎上面と前記ベースプレートと
の隙間に前記無機系グラウトを注入した後、この無機系
グラウトが硬化するまでに、前記ナットを本締めする
と、その締め込んだ量だけ前記無機系グラウトが変形し
てしまい、前記基礎上面と前記ベースプレートとをしっ
かり締結することができない。したがって、前記無機系
グラウトが完全に硬化するまで、前記ナットの本締めを
することができず、その分だけ、全体の工期が長くなる
という問題がある。
【0008】第2に、前記基礎の上面に前記無機系グラ
ウトを流し込む際に、前記ベースプレートの周囲にせき
止め部材を設けて囲み、前記無機系グラウトが周囲に流
れないようにする必要があるが、そのため、前記せき止
め部材を設置する工数が余分に増えるという問題があ
る。
【0009】第3に、前記治具を使用する場合において
は、前記ベースプレートを前記治具により支持したまま
の状態で、前記基礎上面と前記ベースプレートとの隙間
に前記無機系グラウトを注入するため、前記治具をその
まま埋め込んでしまうこととなる。したがって、毎回、
前記鉄骨柱の本数だけ前記治具が必要となり、しかも再
利用することができないので、その分施工費用が高くつ
くという問題点がある。あるいは、前記治具の代わりに
前記モルタル台を形成する場合においては、作業者がこ
てなどを用いて適正な高さ及び大きさの台形状に形成す
る必要があり、作業時間がかかる上、前記モルタルが硬
化するまで、前記鉄骨柱を載置することができず、その
分だけ、工期が長くなるという問題がある。
【0010】第4に、前記無機系グラウトは、無収縮モ
ルタルからなるものであるため、セメント、骨材、水を
練り混ぜる作業が必要となり、しかも、これは前記基礎
コンクリートや前記天端レベラー材とは別途に行う必要
があるため、作業が煩雑になるという問題がある。
【0011】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
であって、前記鉄骨柱脚部の前記ベースプレートと前記
基礎上面との接合部に充填するグラウトが硬化するま
で、前記ベースプレートを固定するナットの本締めがで
きないという問題を解消して全体の工期を短縮するこ
と、前記無機系グラウトが周囲に流れ出さないようにす
るための前記せき止め部材を不要とし、工数を削減する
こと、前記鉄骨柱の垂直性及び設置高さを調節するため
の治具又はモルタル台を不要として、施工費用を低減
し、作業時間を短縮して工期を短くすること、及び前記
無機系グラウトの現場での練り混ぜ作業を簡略化するこ
とを技術課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記技術課題を解決する
ための具体的手段は、次のようなものである。すなわ
ち、請求項1に記載する鉄骨柱脚部の接合構造は、鉄骨
柱脚部下端に設けられたベースプレートを、基礎に埋設
されたアンカーボルト及び該アンカーボルトに螺合され
たナットにより前記基礎の上面に固定する鉄骨柱脚部の
接合構造において、前記ベースプレートと前記基礎の上
面のとの隙間に浸透性が高いエポキシ系樹脂グラウトを
充填したことを特徴とするものである。
【0013】請求項2に記載する鉄骨柱脚部の接合構造
の施工方法は、鉄骨柱脚部下端に設けられた貫通穴を有
するベースプレートを基礎の上面に載置し、該基礎に埋
設されたアンカーボルト及び該アンカーボルトに螺合さ
れたナットにより前記鉄骨柱脚部を固定した後、前記ベ
ースプレートの周縁部と前記基礎との隙間を塞ぎ、前記
貫通穴にエポキシ系樹脂グラウトを注入して前記ベース
プレートと前記基礎の上面との隙間にエポキシ系樹脂グ
ラウトを充填することを特徴とするものである。
【0014】請求項3に記載する鉄骨柱脚部の接合構造
の施工方法は、鉄骨柱脚部下端に設けられたベースプレ
ートを基礎の上面に載置し、該基礎に埋設されたアンカ
ーボルト及び該アンカーボルトに螺合されたナットによ
り前記鉄骨柱脚部を固定した後、前記ベースプレートの
外周を包囲し、かつ、少なくとも1箇所に前記ベースプ
レートとの隙間を設けるようにして、せき止め部材を配
し、前記ベースプレートと前記せき止め部材との隙間に
エポキシ系樹脂グラウトを注入して前記ベースプレート
と前記基礎の上面との隙間にエポキシ系樹脂グラウトを
充填することを特徴とするものである。
【0015】請求項4に記載する鉄骨柱脚部の接合構造
の施工方法は、請求項2又は3に記載する構成におい
て、鉄骨柱脚部下端に設けられたベースプレートを基礎
の上面に載置する際に、前記ベースプレートと前記基礎
の上面との間に薄板を挟むことにより、前記ベースプレ
ートと前記基礎の上面との隙間を広く確保するととも
に、鉄骨柱の高さ及び垂直方向の角度の調整を容易にす
ることを特徴とするものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態に係る鉄
骨柱脚部の接合構造及びその施工方法を図1から図6に
基づいて説明する。本実施形態に係る鉄骨柱脚部の接合
構造1は、図1に示すように、鉄骨柱2の脚部3の下端
に設けられたベースプレート4を、基礎5に埋設された
鉄骨柱固定用のアンカーボルト6及び該アンカーボルト
6に螺合されたナット7により前記基礎5の上面8に固
定するものであって、前記ベースプレート4と前記基礎
上面8のとの隙間にエポキシ系樹脂グラウト9を充填し
たものである。
【0017】次に、前記鉄骨柱脚部の接合構造1の施工
方法について説明し、併せて前記鉄骨柱脚部の接合構造
1の構成について更に詳しく説明する。
【0018】前記鉄骨柱脚部の接合構造1の土台となる
建築物の基礎5を施工する際、図2に示すように、ま
ず、構築された一対の基礎型枠10の間にコンクリート
11を打設し、その上面の高さ及び水平度を調節し、な
おかつ平滑に仕上げる。この際、流動性の良いモルタル
などからなる天端レベラー材12を、前記基礎5を形成
するコンクリート11の上面全体に薄く流し込めば、前
記基礎上面8を平滑に仕上げ易くなる。なお、この天端
レベラー材12は、必ずしも必要なものではなく、これ
を使用しない場合もある。そして、前記コンクリート1
1及び前記天端レベラー材12が硬化すれば、前記基礎
型枠10を取り外す。
【0019】次に、図3に示すように、前記鉄骨柱2
を、前記基礎上面8に載置する。ここで、前記鉄骨柱2
の脚部3の下端にはベースプレート4が設けられてお
り、このベースプレートの周縁部近傍には、前記アンカ
ーボルト6を挿通するために固定穴が設けられている。
そこで、前記基礎5に埋設され、前記基礎上面8から垂
直上方に突出させて設けられた前記アンカーボルト6を
前記固定穴に挿通させ、前記アンカーボルト6にナット
7を螺合させてこれを仮締めして、前記鉄骨柱脚部3を
前記基礎上面8に固定する。なお、図においては、前記
鉄骨柱2はH形鋼として表しているが、鉄骨中の形状は
これに限られるものではなく、他の形状であっても同様
に実施することができる。
【0020】その後、図示しない梁などの上部構造の仮
組みをし、前記鉄骨柱2同士を接合する。このように、
前記鉄骨柱2を仮締めして固定した状態で、前記上部構
造の仮組みをすることによって、前記鉄骨柱2の設置位
置及び垂直方向の角度を固定する。そして、前記鉄骨柱
2を固定するための前記ナット7を本締めする。
【0021】上記のようにして、前記基礎上面8を水平
かつ平滑に仕上げたばあいにおいても、完全な水平面に
することは困難である。したがって、前記基礎上面8に
直接前記ベースプレート4を載置し、前記上部構造の仮
組みをして前記鉄骨柱の垂直方向の角度を固定すると、
前記ベースプレート4と前記基礎上面8との間にどうし
てもわずかな隙間が生じてしまう。そこでこの隙間にエ
ポキシ系樹脂グラウト9を注入し、硬化させることによ
り、前記ベースプレート4を前記基礎上面8に密着させ
て固定し、前記鉄骨柱脚部3の接合部の強度を確保する
必要がある。以下、前記エポキシ系樹脂グラウト9の注
入方法について説明する。
【0022】前記エポキシ系樹脂グラウト9の注入方法
の第1の実施形態としては、図4に示すように、前記鉄
骨柱脚部3の下端に設けられた前記ベースプレート4
を、前記基礎上面8に固定した後、前記エポキシ系樹脂
グラウト9の漏れ防止のため、前記ベースプレート4の
周縁部と前記基礎上面8との隙間をシール材13によっ
て塞ぐ。この際、前記ベースプレート4には、あらかじ
め前記エポキシ系樹脂グラウト9を注入するための貫通
穴14を設けておき、この貫通穴14から前記エポキシ
系樹脂グラウト9を注入し、前記ベースプレート4と前
記基礎上面8との隙間に充填する。
【0023】前記エポキシ系樹脂グラウト9は、主剤と
硬化剤とからなり、これらを所定の混合比に混ぜ合わせ
て使用する。したがって、本実施形態においては、あら
かじめこれらの混合比に応じた分量をそれぞれ別の小型
容器に入れておき、建築現場においてこれらを容器単位
で混ぜ合わせて使用する。このようにすれば、前記主剤
と前記硬化剤の分量を計る手間を省くことができる。こ
こで、前記主剤としては、エポキシや特殊エポキシなど
を、前記硬化剤としては、ポリアミドアミン、脂環ポリ
アミン、変性ポリアミンなどを使用する。
【0024】このようなエポキシ系樹脂グラウト9は、
従来の無機系グラウトと比較して流動性が良いため、わ
ずかな隙間であっても浸透させることができる。したが
って、前記ベースプレート4と前記基礎上面8との間に
形成されたわずかな隙間にも充填することが可能である
ので、従来のように、前記ベースプレート4と前記基礎
上面8との間に治具やモルタル台を設けるなどして、そ
れらの隙間を広く確保する必要がない。
【0025】前記エポキシ系樹脂グラウト9を注入する
時期は、前記鉄骨柱脚部3を固定するための前記ナット
7を本締めした後であれば、前記鉄骨柱脚部3が建物の
外壁及び内壁により隠れてしまうまで、いつでも可能で
ある。また、既に前記ナット7を本締めして前記鉄骨柱
脚部3を固定しているので、前記エポキシ系樹脂グラウ
ト9が硬化したか否かに関係なく、次の工事を行うこと
ができる。なお、従来と同様、前記ナット7を本締めす
る前に前記エポキシ系樹脂グラウト9を注入することも
可能であるが、この場合は、前記エポキシ系樹脂グラウ
ト9が硬化するまで前記ナット7の本締めを行うことが
できないことも従来と同様である。
【0026】また、図5に示すように、前記鉄骨柱脚部
3の下端に設けられた前記ベースプレート4を前記基礎
上面8に載置する際に、薄板15を前記ベースプレート
4と前記基礎上面8との間に挟む方法を採っても良い。
このように薄板15を挟むことにより、前記ベースプレ
ート4と前記基礎上面8との隙間を前記薄板15の厚さ
分だけ広げ、それによって前記エポキシ系樹脂グラウト
9を浸透し易くし、前記隙間への充填をより確実なもの
とすることができる。前記エポキシ系樹脂グラウト9
は、隙間が0.2mm程度であっても、十分に浸透するの
で、前記薄板15は、厚さが約1mm程度のものであれば
良い。また、前記薄板15の挟む枚数を増減させること
により、前記鉄骨柱2の設置高さの調整を行うことがで
きる。なお、前記薄板15の大きさは任意であるが、前
記役割に鑑みて、あまり大きいものは必要でなく、例え
ば、5cm平方程度の大きさであれば十分である。
【0027】前記エポキシ系樹脂グラウトの注入方法の
第2の実施形態としては、図6に示すように、前記鉄骨
柱脚部3の下端に設けられた前記ベースプレート4を、
前記基礎上面8に固定した後、前記エポキシ系樹脂グラ
ウト9の漏れ防止のため、前記ベースプレート4の外周
を包囲するようにしてせき止め部材16を配置する。こ
の際、少なくとも1箇所は、前記せき止め部材16と前
記ベースプレート4とを密着させずに隙間17を設けて
おくようにする必要がある。このように配置した前記せ
き止め部材16の外周又は下面と前記基礎上面8との隙
間を前記シール材13により塞ぎ、前記エポキシ系樹脂
グラウト9を注入した際に前記せき止め部材16が動か
ないようにする。そして、前記のようにして設けた前記
ベースプレート4と前記せき止め部材16との隙間17
に前記エポキシ系樹脂グラウト9を注入して前記ベース
プレート4と前記基礎上面8との隙間にエポキシ系樹脂
グラウト9を充填する。
【0028】この場合においても、前記エポキシ系樹脂
グラウトの注入方法の第1の実施形態の場合と同様の前
記エポキシ系樹脂グラウト9を使用し、その注入時期に
ついても全く同様にすることができる。また、同様に前
記ベースプレート4を前記基礎上面8に載置する際に、
前記薄板15を前記ベースプレート4と前記基礎上面8
との間に挟む方法を採ることができる。
【0029】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の請求項1
に係る鉄骨柱脚部の接合構造は、鉄骨柱脚部下端に設け
られたベースプレートを、基礎に埋設されたアンカーボ
ルト及び該アンカーボルトに螺合されたナットにより前
記基礎の上面に固定する鉄骨柱脚部の接合構造におい
て、前記ベースプレートと前記基礎の上面のとの隙間に
エポキシ系樹脂グラウトを充填するものである。このエ
ポキシ系樹脂グラウトは従来の無機系モルタルと比較し
て流動性が良く、わずかな隙間であっても浸透させるこ
とができるため、前記鉄骨柱を固定するための前記ナッ
トを本締めした後であっても、前記エポキシ系樹脂グラ
ウトの充填を行うことができる。したがって、従来のよ
うにグラウトが硬化するまで前記ナットの本締めをする
ことができないという問題がなく、続けて他の部分の工
事を行うことが可能となるので、全体の工期を短縮する
ことができる。
【0030】また、前記エポキシ系樹脂グラウトは流動
性が良いことから、従来のように前記ベースプレート
と前記基礎上面との隙間を広く確保する必要がない。し
たがって、前記鉄骨柱の垂直性及び設置高さを調節する
ための治具やモルタル台を設ける必要がないので、施工
費用を低減し、作業時間を短縮して工期を短くすること
ができる。
【0031】また、従来の無収縮モルタルからなる無機
系グラウトを使用する場合に必要であった、セメント、
骨材、水を練り混ぜる作業が不要となり、比較的容易な
前記エポキシ系樹脂グラウトの主材と硬化材との混合の
みで良いため、作業が簡略化され、工数を削減すること
ができる。
【0032】本発明の請求項2に係る鉄骨柱脚部の接合
構造の施工方法は、請求項1に係る発明の効果に加え
て、前記ベースプレートの周縁部と前記基礎との隙間を
塞ぎ、前記ベースプレートに設けた貫通穴から前記エポ
キシ系樹脂グラウトを注入する方法とすることにより、
前記エポキシ系樹脂グラウトを容易に充填することがで
きる。また、このような方法とすることによって、前記
ベースプレートの周囲にせき止め部材を設けることな
く、前記エポキシ系樹脂グラウトが周囲に流れ出すこと
を防止するので、前記せき止め部材の設置に要していた
作業工数を削減することができる。
【0033】本発明の請求項3に係る鉄骨柱脚部の接合
構造の施工方法は、請求項1に係る発明の効果に加え
て、前記ベースプレートの外周を包囲し、かつ、少なく
とも1箇所に前記ベースプレートとの隙間を設けるよう
にして、せき止め部材を配し、前記ベースプレートと前
記せき止め部材との隙間からエポキシ系樹脂グラウトを
注入することにより、前記エポキシ系樹脂グラウトが周
囲に流れ出すなどの無駄を無くし、なおかつ、前記エポ
キシ系樹脂グラウトを容易に充填することができる。
【0034】本発明の請求項4に係る鉄骨柱脚部の接合
構造の施工方法は、請求項2又は3に係る発明の効果に
加えて、鉄骨柱脚部下端に設けられたベースプレートを
基礎の上面に載置する際に、前記ベースプレートと前記
基礎の上面との間に薄板を挟むことにより、前記ベース
プレートと前記基礎上面との隙間を広げて前記エポキシ
系樹脂グラウトを浸透し易くし、前記隙間への充填をよ
り確実なものとすることができる。また、前記薄板の挟
む枚数を増減させることにより、鉄骨柱の設置高さの調
整を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る鉄骨柱脚部の接合構造
の断面図
【図2】本発明に係る基礎の施工状態を示す斜視図
【図3】本発明に係る鉄骨柱脚部を基礎上面に固定した
状態を示す斜視図
【図4】本発明に係るエポキシ系樹脂グラウトの注入方
法の第1の実施形態を示す斜視図
【図5】本発明に係る鉄骨柱脚部の接合構造において、
ベースプレートと基礎上面との間に薄板を挟んだ場合を
示す断面図
【図6】本発明に係るエポキシ系樹脂グラウトの注入方
法の第2の実施形態を示す斜視図
【図7】従来例に係る基礎の施工状態を示す斜視図
【図8】従来例に係る基礎の上面に治具を設置した状態
を示す斜視図
【図9】従来例に係る鉄骨柱を治具の上に載置した状態
を示す斜視図
【図10】従来例に係る基礎の上面にモルタル台を形成
した状態を示す斜視図
【図11】従来例に係るエポキシ系樹脂グラウトの注入
方法を示す斜視図
【図12】従来例に係る鉄骨柱脚部の接合構造の断面図
【符号の説明】
1 鉄骨柱脚部の接合構造 2 鉄骨柱 3 鉄骨柱脚部 4 ベースプレート 5 基礎 6 アンカーボルト 7 アンカーボルトに螺合したナット 8 基礎上面 9 エポキシ系樹脂グラウト 13 シール材 14 ベースプレートに設けた貫通穴 16 せき止め部材 15 薄板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 平松 哲雄 大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハ ウス株式会社内 (72)発明者 北谷 仁 大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハ ウス株式会社内 (72)発明者 福江 次郎 大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハ ウス株式会社内 (72)発明者 岡本 和男 大阪市北区大淀中1丁目1番88号 積水ハ ウス株式会社内 Fターム(参考) 2D046 AA16 AA17 2E125 AA04 AA72 AB01 AC15 AF01 AG12 AG60 BA02 BA22 BB08 BB30 BD01 BE07 BE08 CA04 CA82 EA08

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄骨柱脚部下端に設けられたベースプレ
    ートを、基礎に埋設されたアンカーボルト及び該アンカ
    ーボルトに螺合されたナットにより前記基礎の上面に固
    定する鉄骨柱脚部の接合構造において、 前記ベースプレートと前記基礎の上面のとの隙間にエポ
    キシ系樹脂グラウトを充填したことを特徴とする鉄骨柱
    脚部の接合構造。
  2. 【請求項2】 鉄骨柱脚部下端に設けられた貫通穴を有
    するベースプレートを基礎の上面に載置し、該基礎に埋
    設されたアンカーボルト及び該アンカーボルトに螺合さ
    れたナットにより前記鉄骨柱脚部を固定した後、前記ベ
    ースプレートの周縁部と前記基礎との隙間をシール材に
    より塞ぎ、前記貫通穴にエポキシ系樹脂グラウトを注入
    して前記ベースプレートと前記基礎の上面との隙間にエ
    ポキシ系樹脂グラウトを充填することを特徴とする鉄骨
    柱脚部の接合構造の施工方法。
  3. 【請求項3】 鉄骨柱脚部下端に設けられたベースプレ
    ートを基礎の上面に載置し、該基礎に埋設されたアンカ
    ーボルト及び該アンカーボルトに螺合されたナットによ
    り前記鉄骨柱脚部を固定した後、前記基礎上面にせき止
    め部材を配して前記ベースプレートの外周の包囲し、前
    記ベースプレートと前記せき止め部材との隙間にエポキ
    シ系樹脂グラウトを注入して前記ベースプレートと前記
    基礎の上面との隙間にエポキシ系樹脂グラウトを充填す
    ることを特徴とする鉄骨柱脚部の接合構造の施工方法。
  4. 【請求項4】 鉄骨柱脚部下端に設けられたベースプレ
    ートを基礎の上面に載置する際に、前記ベースプレート
    と前記基礎の上面との間に薄板を挟むことを特徴とする
    請求項2又は3記載の鉄骨柱脚部の接合構造の施工方
    法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008196450A (ja) * 2007-02-15 2008-08-28 Ebara Corp ポンプ据付構造及びポンプ据付方法及びポンプ機場
JP2011173202A (ja) * 2010-02-24 2011-09-08 Alpha Kogyo Kk 設置対象物の据付方法
JP2015055061A (ja) * 2013-09-10 2015-03-23 トヨタホーム株式会社 付加構造物の設置構造
JP2015096758A (ja) * 2013-11-15 2015-05-21 川崎重工業株式会社 低温貯槽のアンカー構造およびアンカー構造設置方法

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