JP3278823B2 - 柱脚固定装置および柱脚固定方法 - Google Patents
柱脚固定装置および柱脚固定方法Info
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Description
の柱脚を基礎コンクリートに固定するための柱脚固定装
置および,この柱脚固定装置を用いて行う柱脚固定方法
に関する。
ベースプレート2を溶接固定し,このベースプレート2
を基礎コンクリート3に埋め込んだアンカーボルト4に
ナット5で締め付け固定する柱脚固定方法は,鉄骨構造
建築物の柱脚固定方法として広く採用されている。な
お,ベースプレート2を含めた柱1の下端部を柱脚とい
う。この種の柱脚固定方法における柱脚レベル調整は一
般に,図示のように基礎コンクリート3上の柱中心位置
に柱脚レベル調整用の基準モルタル6を所定の高さで設
け,この基準モルタル6に柱1のベースプレート2を乗
せ,ナット5を締め付けてベースプレート2をアンカー
ボルト4に締め付け固定し,その後,基礎コンクリート
3とベースプレート2との間隙に後打ちモルタル7を充
填する方法が一般的である。
柱脚に回転モーメントと水平力が作用するが,回転モー
メントに対しては,例えば図7に矢印で示すようにアン
カーボルト4に引き抜き力,および基礎コンクリートに
圧縮力が作用する。水平力に対しては,ベースプレート
2と基礎コンクリート3との間の摩擦力で抵抗するが,
回転モーメント,水平力が大きい場合には,終局的にア
ンカーボルト4のせん断力で抵抗することになる。しか
し,アンカーボルト4は本来せん断力を負担することを
目的としていないので,好ましいことではない。
ート2の裏面にプレート8を垂直に当てて溶接固定し,
後打ちモルタル7に埋め込まれたこのプレート8が水平
力を負担する構造とする場合もある。しかし,この構造
においても,後打ちモルタル7と基礎コンクリート3と
の間の滑りを拘束することにならないので,水平力を負
担する構造として十分でない。また,十分な水平力負担
を実現するためには,図示は省略するが,図8における
プレート8をさらに長くし,この長くしたプレートが基
礎コンクリート3側に形成した凹所に嵌入する構造とす
ることも考えられるが,基礎コンクリート3に凹所を形
成することは,基礎コンクリートの施工を著しく煩雑に
する。
を出す方法は,基準モルタル6を所定の高さに精度よく
設ける作業が煩雑である上,基準モルタル6が硬化する
までに例えば4日ほど要し,工期が長くなるという問題
もある。
図9に示すように,内面に雌ねじを形成した螺筒11を
基礎コンクリート3に予め埋め込んでおき,柱1の建方
の際には頭付きのボルト12を前記螺筒11に螺合さ
せ,適宜回し高さを調節して柱脚レベル調整を行う方法
もある(実公昭50−45765号参照)。しかし,こ
の方法は,規模の小さな建築物に対して適切なものであ
って,大規模な鉄骨構造建築物の柱脚固定方法としては
不向きである上,前述の水平力負担の問題は解決されな
い。
で,柱脚に作用する水平力をアンカーボルトに負担させ
ないで済むとともに,柱脚レベル調整が容易で,かつ工
期の短縮も図られる柱脚固定装置および柱脚固定方法を
提供することを目的とする。
明の柱脚固定装置は,基礎穴底部に設置されるアンカー
ボルトセットフレームと,このアンカーボルトセットフ
レームに垂直に保持されたアンカーボルトと,前記アン
カーボルトセットフレームの上部中央に垂設された,上
端側内面に雌ねじ部を持つ筒状支柱と,前記筒状支柱の
前記雌ねじ部に螺合する雄ねじ部とこの雄ねじ部の上部
に形成された柱脚レベル調整用のベースプレート受け部
とこのベースプレート受け部から突出してベースプレー
トの中央穴に嵌入する突出部とを持つレベル調整用金物
とを備えたことを特徴とする。
用金物の雄ねじ部が中空であり,かつ,基礎コンクリー
トから露出する部分にモルタル流入孔を有することを特
徴とする。
用金物の突出部に上下に貫通して前記雄ねじ部内の中空
部に連通するエア抜き穴を設けたことを特徴とする。
用金物のベースプレート受け部に,ベースプレート下面
側の間隙とベースプレートの中央穴とを連通させるため
の溝を形成したことを特徴とする。
を用いて柱脚を基礎コンクリートに固定する柱脚固定方
法であって,柱脚の基礎施工の段階で,前記柱脚固定装
置を基礎穴底部に設置して基礎コンクリートを打設し,
コンクリート養生の後,前記筒状支柱の雌ねじ部に雄ね
じ部が螺合したレベル調整用金物を回してベースプレー
ト受け部の高さ調整を行うことにより柱脚レベル調整を
行い,次いで,前記アンカーボルトが柱脚のベースプレ
ートのボルト挿通穴に嵌入しかつ前記レベル調整用金物
の前記突出部がベースプレートの中央穴に嵌入するよう
に,柱脚のベースプレートをレベル調整用金物のベース
プレート受け部に乗せ,次いで,前記アンカーボルトと
ベースプレートとをナットで締結固定し,,次いで,基
礎コンクリートとベースプレートとの間隙部およびベー
スプレートの中央穴内に後打ちモルタルを充填すること
を特徴とする。
〜図6に示す実施例を参照して説明する。図1は本発明
の一実施例の柱脚固定装置20を用いた柱脚固定方法に
より施工した鉄骨建築物の柱脚固定構造の断面図であ
り,21は例えば角形鋼管を用いた柱,22は柱21の
下端面に溶接固定したベースプレート,23は基礎コン
クリートである。なお,柱脚とは,ベースプレート22
を含めた柱21の下端部をいう。
置されるアンカーボルトセットフレーム26と,このア
ンカーボルトセットフレーム26に垂直に保持されたア
ンカーボルト24と,前記アンカーボルトセットフレー
ム26の上部中央に垂設された,上端側内面に雌ねじ部
30aを持つ筒状支柱30と,この筒状支柱30の前記
雌ねじ部30aに螺合するレベル調整用金物32とから
なっている。
は,図2にも示すように,2本の水平な底材26aに4
本の垂直な脚26bを溶接固定し,アンカーボルト24
を保持するセットボルト式の保持部26cを四方に取り
付けた構造である。
記雌ねじ部30aを形成し,上端部にフランジ33を溶
接固定したもので,アンカーボルトセットフレーム26
の上面部中央に垂直に溶接固定されている。
にも詳細を示すように,前記筒状支柱30の雌ねじ部3
0aに螺合する雄ねじ部34と,この雄ねじ部34の上
部に形成された柱脚レベル調整用のベースプレート受け
部35と,このベースプレート受け部35から上に突出
してベースプレート22の中央穴22aに嵌入する突出
部36とからなっている。前記雄ねじ部34は,円筒の
外周に雄ねじを形成したもので,内部が中空であり,上
部にモルタル流入孔37を備えている。前記ベースプレ
ート受け部35および突出部36には,後述するように
後打ちモルタルをベースプレート22の中央穴22a内
に導くための溝38を形成している。また,突出部36
の外径は,ベースプレート22の中央穴22aの内径よ
り,設置誤差を吸収できる程度に小径としている。ま
た,前記突出部36には,上下に貫通して雄ねじ部32
内の中空部に連通するエア抜き穴39を設けている。
定する要領について説明する。基礎施工時に,捨てコン
クリート40を打設し,筒状支柱30を一体に持つアン
カーボルトセットフレーム26を捨てコンクリート40
上の柱中心位置に配置しアンカーボルト42で固定す
る。次いで,アンカーボルトセットフレーム26の保持
部26cでアンカーボルト24を保持する。この段階で
は,レベル調整用金物32は筒状支柱30から外してお
く。
の上端開口を塞ぐキャップ45とこのキャップ45を下
面側に取り付けたアンカーボルト保持板46とからなる
キャップ兼アンカーボルト保持板47,およびナット4
8により各アンカーボルト24の上部の相互位置を正し
く保持し,かつキャップ45を筒状支柱30のフランジ
33にボルト49で固定する。この場合,筒状支柱30
はキャップ兼アンカーボルト保持板47とともに,アン
カーボルトセットフレームの一部分として機能して,ア
ンカーボルト24を正しく位置決め保持する働きをする
ことになる。
施した後,基礎コンクリートを打設する。なお,図示例
の基礎コンクリート23は地中梁と一体に打設してい
る。基礎コンクリートの養生を行った後,キャップ兼ア
ンカーボルト保持板47をアンカーボルト24および筒
状支柱30から外す。次いで,レベル調整用金物32の
雄ねじ部34を筒状支柱30の雌ねじ部30aに螺合さ
せるとともに,このレベル調整用金物32を回してベー
スプレート受け部35の高さ調整を行うことにより柱脚
レベル調整を行う。このレベル調整用金物32を回転さ
せる操作は,雄ねじ部34に設けたモルタル流入孔37
に棒を差し込み,この棒を旋回させて行うことができ,
レベル調整用金物32の回転の操作は容易である。
プレート22のボルト挿通穴に嵌入しかつレベル調整用
金物32の突出部36がベースプレート22の中央穴2
2aに嵌入するように,柱脚のベースプレート22をレ
ベル調整用金物32のベースプレート受け部35に乗せ
る。このとき,ベースプレート受け部35に乗ったベー
スプレート22の高さレベルすなわち柱脚レベルは,正
しく設定されていることになる。合わせて,柱設置芯に
合わせて柱21を水平方向に微調整し,位置決めを行
う。次いで,アンカーボルト24とベースプレート22
とをナット25で締結固定する。
に2点鎖線で示すように若干背の高い型枠50を設け,
基礎コンクリート23とベースプレート22との間隙部
に後打ちモルタル51を充填する。この場合,後打ちモ
ルタル51は基礎コンクリート23とベースプレート2
2との間隙部に充填されると同時に,図3にも示すよう
に,レベル調整用金物32のモルタル流入孔37から筒
状支柱30の内部に充填される。その際,エア抜き穴3
9があけられているので,筒状支柱30の内部に支障な
くモルタルが充填される。また,後打ちモルタル51
は,ベースプレート受け部35および突出部36に設け
た溝38を通じてベースプレート22の中央穴22aに
流入し,中央穴22a内に充填される。この場合,後打
ちモルタル51の一部はエア抜き穴39を通じて中央穴
22a内に流入する。また,エア抜き穴39自体にも後
打ちモルタルが充填される。なお,後打ちモルタル51
を充填する際には,前記の通り若干背の高い型枠50を
設けるので,後打ちモルタル51をベースプレート22
の中央穴22aの上部位置まで充填することができる。
調整は,単にレベル調整用金物32を回せばよいので,
図7等に示した基準モルタル6により柱脚レベル調整を
行う従来方法と比べて,その作業はきわめて容易であ
る。また,モルタル養生期間が不要で直ちに次の工程に
移ることができるので,工期の短縮が図られる。
を有しており,この突出部36がベースプレート22に
あけた中央穴22a内に嵌入し,後打ちモルタル51で
ベースプレート22と一体に係合するので,ベースプレ
ート22に水平力が作用した時,筒状支柱30を介して
基礎コンクリート23と一体結合しているレベル調整用
金物32がこの水平力を負担することができる。したが
って,アンカーボルト24に直接水平力が作用する不都
合は避けられる。
を筒状支柱30から外した状態で,基礎コンクリートを
打設したが,筒状支柱30にレベル調整用金物32を装
着させたまま,基礎コンクリートを打設することもでき
る。この場合は,例えば,図6に示すように,レベル調
整用金物32を筒状支柱30に最下限高さ位置にて装着
しておき,かつ,このレベル調整用金物32を収容する
円筒状キャップ52とアンカーボルト保持板53とから
なるキャップ兼アンカーボルト保持板54を用いるとよ
い。これにより,基礎コンクリート打設時に,レベル調
整用金物32の雄ねじ部34やベースプレート受け部3
5にモルタルが付着する等の不都合を防止できる。
の筒状支柱30は,必ずしも全体が丸パイプである必要
はなく,少なくともレベル調整用金物32の雄ねじ部3
4が螺合できる雌ねじ部30aを備えていればよい。ま
た,アンカーボルトセットフレーム26は,アンカーボ
ルト24を保持することができ,筒状支柱30を垂直に
固定できるものであれば,その構造自体は任意である。
雄ねじ部34の内部を中空としており,これにより筒状
支柱30の内部に後打ちモルタルを充填することが可能
になっているが,中実の雄ねじ部とすることもできる。
の外径をベースプレート22の中央穴22aの内径より
十分小さくした場合には,突出部36の部分には溝を設
けず,ベースプレート受け部35の部分のみに溝38を
設けたものでもよい。この場合でも,後打ちモルタル5
1は中央穴22a内に流入できる。また,実施例では角
形鋼管の柱21を用いているため,ベースプレート22
の中央穴22a内への後打ちモルタル51の注入は,ベ
ースプレート22の下面側からしか行うことができず,
このため,ベースプレート受け部35および突出部36
に溝38を設けているが,ベースプレート22の上面側
から中央穴22aにモルタルを充填できる場合には,溝
38は設けなくてよい。
法によれば,レベル調整用金物を回転させるだけで柱脚
レベル調整を行うことができるので,基準モルタルによ
り柱脚レベル調整を行う従来方法と比べて,その作業は
きわめて容易である。また,モルタル養生期間が不要で
直ちに次の工程に移ることができるので,工期の短縮が
図られる。
トの中央穴内に嵌入する突出部を有し,後打ちモルタル
を介してベースプレートと一体に係合するので,柱脚に
水平力が作用した時,この水平力を負担することができ
る。したがって,アンカーボルトに直接水平力が作用す
る不都合は避けられる。
ねじ部が中空でかつモルタル流入孔を持つので,後打ち
モルタルを筒状支柱内にも充填することができ,基礎コ
ンクリート内に無用な空隙を発生させることがない。
出部に設けたエア抜き穴により,後打ちモルタルの筒状
支柱内への充填を支障なく行うことができる。
ースプレート受け部に設けた溝により,ベースプレート
の中央穴への後打ちモルタルの充填が可能となる。
固定方法により施工した柱脚固定構造の断面図である。
である。
ある。
状支柱の要部を示した斜視図である。
クリート打設時の施工要領を説明する図である。
クリート打設時の図5とは別の施工要領を説明する図で
ある。
ある。
Claims (5)
- 【請求項1】 基礎穴底部に設置されるアンカーボルト
セットフレームと,このアンカーボルトセットフレーム
に垂直に保持されたアンカーボルトと,前記アンカーボ
ルトセットフレームの上部中央に垂設された,上端側内
面に雌ねじ部を持つ筒状支柱と,前記筒状支柱の前記雌
ねじ部に螺合する雄ねじ部とこの雄ねじ部の上部に形成
された柱脚レベル調整用のベースプレート受け部とこの
ベースプレート受け部から突出してベースプレートの中
央穴に嵌入する突出部とを持つレベル調整用金物とを備
えたことを特徴とする柱脚固定装置。 - 【請求項2】 前記レベル調整用金物の雄ねじ部が中空
であり,かつ,基礎コンクリートから露出する部分にモ
ルタル流入孔を有することを特徴とする請求項1記載の
柱脚固定装置。 - 【請求項3】 前記レベル調整用金物の前記突出部に上
下に貫通して前記雄ねじ部内の中空部に連通するエア抜
き穴を設けたことを特徴とする請求項2記載の柱脚固定
装置。 - 【請求項4】 前記レベル調整用金物のベースプレート
受け部に,ベースプレート下面側の間隙とベースプレー
トの中央穴とを連通させるための溝を形成したことを特
徴とする請求項1記載の柱脚固定装置。 - 【請求項5】 請求項1記載の柱脚固定装置を用いて柱
脚を基礎コンクリートに固定する柱脚固定方法であっ
て,柱脚の基礎施工の段階で,前記柱脚固定装置を基礎
穴底部に設置して基礎コンクリートを打設し,コンクリ
ート養生の後,前記筒状支柱の雌ねじ部に雄ねじ部が螺
合したレベル調整用金物を回してベースプレート受け部
の高さ調整を行うことにより柱脚レベル調整を行い,次
いで,前記アンカーボルトが柱脚のベースプレートのボ
ルト挿通穴に嵌入しかつ前記レベル調整用金物の前記突
出部がベースプレートの中央穴に嵌入するように,柱脚
のベースプレートをレベル調整用金物のベースプレート
受け部に乗せ,次いで,前記アンカーボルトとベースプ
レートとをナットで締結固定し,,次いで,基礎コンク
リートとベースプレートとの間隙部およびベースプレー
トの中央穴内に後打ちモルタルを充填することを特徴と
する柱脚固定方法。
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CN108035554B (zh) * | 2017-11-24 | 2020-09-08 | 常州第一建筑集团有限公司 | 超高层建筑框架柱的型钢柱支撑架施工方法 |
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1996
- 1996-10-31 JP JP30591096A patent/JP3278823B2/ja not_active Expired - Fee Related
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