JP2000319989A - 露出型柱脚の取付構造及び施工方法 - Google Patents
露出型柱脚の取付構造及び施工方法Info
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Abstract
能にも優れた露出型柱脚の取付構造を提供する。 【解決手段】 アンカーボルト(40)(40)…に螺合した締
付ナット(51)(51)…と受けナット(50)(50)…でベースプ
レート(22)を挟み込むとともに、ベースプレート(22)下
面側にグラウトを充填した取付構造において、受けナッ
ト(50)(50)…の締め付け前に、締付ナット(51)(51)…を
ベースプレート(22)に対して締め付ることによって、ア
ンカーボルト(40)(40)…に初張力を与えるようにする。
Description
れる露出型柱脚の取付構造及び施工方法に関する。
性に優れた埋込型柱脚や根巻型柱脚が知られているが、
これら柱脚は、基礎に埋め込むようにして施工されるの
で、施工性が悪く、また柱や鉄筋コンクリートが降伏し
て地震エネルギーを吸収するので、被災後の補修も困難
であった。
分けて簡単に施工することができ、被災後の復旧も比較
的容易な露出型柱脚が、多く採用されるようになってき
ている。この種の露出型柱脚は、例えば図4に示すよう
に、基礎(1)上に形成したレベル出し用のモルタル層
(2)の上面に、ベースプレート(4)を載置し、このベー
スプレート(4)を貫通したアンカーボルト(5)(5)…の
先端に、締付ナット(6)(6)…を螺合して締め付けるこ
とにより、アンカーボルト(5)(5)…に初張力を与えた
状態で、基礎(1)上に設置されている。
(5)(5)…よりも内側において基礎(1)上に形成したモ
ルタル層(7)の上面に、ベースプレート(4)を載置し、
このベースプレート(4)を貫通したアンカーボルト(5)
(5)…の先端に、締付ナット(6)(6)…を螺合して建ち
調整を行い、基礎(1)の上面とベースプレート(4)の下
面との間の隙間に、グラウト(8)を充填して硬化させた
後に、アンカーボルト(5)(5)…に初張力を与えた状態
で、基礎(1)上に設置するようにしたものもある。な
お、(9)は、グラウト充填のための型枠である。
ト(5)(5)…に予めレベル出し用の受けナット(10)(10)
…を螺合しておき、この受けナット(10)(10)上にベース
プレート(4)を載置し、ベースプレート(4)を貫通した
アンカーボルト(5)(5)…の先端に、締付ナット(11)(1
1)…を螺合して締め付け、その後、基礎(1)の上面とベ
ースプレート(4)の下面との間の隙間に、グラウト(13)
を充填して硬化させることによって、基礎(1)上に設置
するようにしたものもある。なお、(14)は、グラウト充
填のための型枠である。
示す露出型柱脚の取付構造においては、アンカーボルト
(5)(5)…に初張力を与えることによって、ベースプレ
ート(4)とモルタル層(2)(7)との密着性を高め、初期
剛性を安定して得られるようになっている。
曲げモーメントが作用して、アンカーボルト(5)(5)…
が降伏して伸びると、露出型柱脚が元に戻っても、アン
カーボルト(5)(5)…に残留変形が生じたままとなっ
て、締付ナット(6)(6)とベースプレート(4)との間に
隙間(15)ができ、復元力特性は、図8に示すスリップ型
となる。すなわち、アンカーボルト(5)(5)…は、引張
力のみを負担するだけであって、耐震性能が悪いといっ
た欠点があった。
構造においては、図9に示すように、露出型柱脚に曲げ
モーメントが作用して、アンカーボルト(5)(5)…が降
伏して伸びても、ベースプレート(4)の下面側に受けナ
ット(10)(10)…があるので、露出型柱脚が元に戻るとき
に、アンカーボルト(5)(5)…が圧縮力を負担すること
になり、締付ナット(11)(11)…とベースプレート(4)と
の間には隙間が生じるようなことはなく、復元力特性
は、図10に示す紡錘型となる。すなわち、アンカーボ
ルト(5)(5)…は、引張力と圧縮力の両方を負担できる
ようになっているので、耐震性能は良好である。
ト(4)下面側の受けナット(10)(10)が邪魔になって、締
付ナット(11)(11)…を締め付けても、アンカーボルト
(5)(5)…に初張力を与えることができず、このためベ
ースプレート(4)とグラウト層との間の密着性が悪く、
初期剛性を安定して得ることができないといった欠点が
あった。
剛性を安定して得られると同時に、耐震性能にも優れた
露出型柱脚の取付構造及び施工方法を提供することを目
的とするものである。
め、この発明の露出型柱脚の取付構造は、基礎から突出
したアンカーボルトを露出型柱脚のベースプレートに貫
通させて、そのアンカーボルトに螺合した上側の締付ナ
ットと下側の受けナットで前記ベースプレートを挟み込
むとともに、前記ベースプレートの下面と基礎の上面と
の間に生じる隙間にグラウトを充填した露出型柱脚の取
付構造において、前記締付ナットを前記ベースプレート
に対して締め付ることによって、前記アンカーボルトに
初張力を与えてあることを特徴とする。
グラウト充填用空間を形成する枠部材を設けるととも
に、前記ベースプレートにおける前記枠部材よりも外側
に、前記アンカーボルトが貫通するボルト貫通孔を形成
してある。
部材よりも内側に、前記グラウト充填用空間に開口する
グラウト注入孔を形成してある。
トの下面に突設したり、前記枠部材の下端に、前記基礎
の上面に当接して前記グラウト充填用空間からのグラウ
トの漏れを阻止する水密材を取り付けるようにしてい
る。
たボルト挿通孔に、前記基礎から突出した剪断力伝達用
のアンカーボルトを挿通させるとともに、そのアンカー
ボルトに螺合したレベル調整用ナットに、前記ベースプ
レートの下面を当接させるようにしてある。
から突出したアンカーボルトに予め受けナットを螺合し
ておき、ベースプレートのボルト貫通孔を貫通したアン
カーボルトの先端に締付ナットを螺合し、ベースプレー
トの下面と基礎の上面との隙間に充填したグラウトが硬
化した後、前記締付ナットを締め付けて前記アンカーボ
ルトに初張力を与えてから、前記受けナットを締め付け
て前記締付ナットとで前記ベースプレートを挟み込むよ
うにしている。
部材を、前記ベースプレートの下面側に設けて、前記受
けナットの締め付けを、前記枠部材よりも外側で行うよ
うにしている。
に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形
態にかかる露出型柱脚の取付構造を示す分解斜視図、図
2は、同じくその平面断面図、図3は、図2のA−A断
面図である。
た状態で設置される露出型柱脚であって、この露出型柱
脚(20)は、角型鋼管からなる柱本体(21)の下端に、略正
方形のベースプレート(22)を一体的に固着することによ
って構成されている。なお、このベースプレート(22)の
固着は、柱本体(21)の下端全周を、ベースプレート(22)
の上面に溶接(23)することによってなされている。
充填用空間(25)を形成する枠部材(26)が一体的に突設さ
れている。なお、枠部材(26)の突設は、枠部材(26)の上
端全周を、ベースプレート(22)の下面に溶接(27)するこ
とによってなされている。
れ、その中心が柱本体(21)及びベースプレート(22)の中
心とほぼ一致し、柱本体(21)のコーナー部分の直下に、
4つの斜壁(28)(28)…の中央部分が位置している。ま
た、枠部材(26)の下端全周には、基礎(24)の上面に当接
して、グラウト充填用空間(25)からのグラウト(30)の漏
れを阻止する弾性を有した水密材(31)が貼付されてい
る。
(26)よりも外側の四隅には、ボルト貫通孔(35)(35)…が
それぞれ形成されており、ベースプレート(22)における
枠部材(26)よりも内側の中央には、ボルト挿通孔(36)が
形成されている。さらにベースプレート(22)には、柱本
体(21)よりも外側で、枠部材(26)よりも内側において、
グラウト充填用空間(25)に開口する4個のグラウト注入
孔(37)(37)…が形成されている。
ート(22)のボルト貫通孔(35)(35)…に対応した4本のア
ンカーボルト(40)(40)…と、ボルト挿通孔(36)に対応し
た剪断力伝達部材(41)とが突出している。
0)(40)…よりも突出量の小さい剪断力伝達用のアンカー
ボルト(42)と、この剪断力伝達用のアンカーボルト(42)
に螺合されたダブルナットであるレベル調整用ナット(4
3)とからなる。
ついて説明する。まず、基礎(24)から突出した4本のア
ンカーボルト(40)(40)…に対して、受けナット(50)(50)
…をそれぞれ螺合し、この受けナット(50)(50)…を基礎
(24)の上面付近まで下げておく。また、中央の剪断力伝
達用のアンカーボルト(42)に螺合してあるレベル調整用
ナット(43)を、所定の高さに調整する。
孔(35)(35)…にアンカーボルト(40)(40)…を貫通させ、
またボルト挿通孔(36)に剪断力伝達用のアンカーボルト
(42)を挿通させながら、ベースプレート(22)の下面をレ
ベル調整用ナット(43)に当接させることによって、露出
型柱脚(20)を所定の高さレベルで基礎(24)に対してセッ
トする。この状態で、ベースプレート(22)から突出した
アンカーボルト(40)(40)…の先端に、ダブルナットであ
る締め付けナット(51)(51)…を螺合し、これら締付ナッ
ト(51)(51)をベースプレート(22)の上面に当接させて、
露出型柱脚(20)の建ち調整を行う。
が、基礎(24)の上面に当接することによって、基礎(24)
の上面の不陸を吸収しながら、枠部材(26)下端と基礎(2
4)上面との間の隙間を塞いでいる。また、剪断力伝達部
材(41)が、グラウト充填用空間(25)内に配され、受けナ
ット(50)(50)…が、ベースプレート(22)下面から離間し
た状態となっている。
入孔(37)(37)より無収縮グラウト(30)を注入して、ベー
スプレート(22)の下面と基礎(24)の上面との隙間すなわ
ちグラウト充填用空間(25)内にグラウト(30)を充填す
る。
0)(50)…を締め付ける前に、ベースプレート(22)上面側
の締付ナット(51)(51)…を、ベースプレート(22)に対し
て締め付けて、アンカーボルト(40)(40)…に初張力を与
え、硬化したグラウト(30)とベースプレート(22)との密
着性を高めて、初期剛性を得るようにする。その後、ベ
ースプレート(22)下面側の受けナット(50)(50)…を、ベ
ースプレート(22)に対して締め付けて、締付ナット(51)
(51)…とでベースプレート(22)を挟み込み、アンカーボ
ルト(40)(40)…に引張力と圧縮力の両方を負担させる。
そして、柱本体(21)内にコンクリート(60)を充填し、受
けナット(50)(50)…の下面側には、錆止め剤(53)を塗布
しておく。これによって、露出型柱脚(20)が、基礎(24)
に対して設置される。
るものではなく、本発明の範囲内で、上記実施形態に多
くの修正及び変更を加え得ることは勿論である。例え
ば、柱本体は、角型鋼管に限らず、H型鋼等であっても
良い。
よりも外側に、剪断力伝達用のアンカーボルトがグラウ
ト充填箇所よりも内側にさえあれば、その本数や配置位
置は自由に設定しても良い。さらに、枠部材は、ベース
プレートの下面に突設したものに限らず、ベースプレー
トと別体のものであっても良く、またその形状は、平面
視八角形に限らず、平面視円形或いは平面視方形であっ
ても良い。
によると、締付ナットと受けナットとでベースプレート
を挟み込むことによって、アンカーボルトに引張力と圧
縮力の両方を負担させ、さらに締付ナットの締め付けに
よって、アンカーボルトに初張力を与えてあるので、復
元力特性が紡錘型の優れた耐震性能を得ることができる
と同時に、初期剛性を安定して得ることができる。
材の外側において、受けナットの締め付けを行えるよう
にしているので、受けナットがグラウト内に埋まった状
態とならず、グラウト充填後においても受けナットの締
め付けが可能となっている。従って、締付ナットを締め
付けて、グラウト層とベースプレートとの密着性を高め
るようにした後に、受けナットを締め付けることができ
るので、初期剛性を得るための作業を簡単に行うことが
できる。しかも、被災後は、受けナットを緩めて建ち直
しをした後、締付ナットを締め直してアンカーボルトに
初張力を与え、再び受けナットを締め付けるといった簡
単な補修作業で、継続使用が可能となる。
ト充填用空間を形成する枠部材を突設することによっ
て、グラウト充填時に型枠工事が不要となり、これによ
って施工性を向上することができる。加えて、この枠部
材の下端に、水密材を取り付けることによって、枠部材
からのグラウトの漏れを確実に防止することができると
ともに、基礎上面の不陸を吸収しながら、枠部材を基礎
上に配置することができる。
に引張力が生じて、露出型柱脚に浮き上がりが生じた
り、ベースプレートとグラウト層との間に生じる摩擦力
が小さくなった場合でも、剪断力伝達用のアンカーボル
トを介して、露出型柱脚にかかる剪断力を基礎に確実に
伝えることができるので、耐震性能をさらに向上するこ
とができる。しかも、この剪断力伝達用のアンカーボル
トには、ベースプレートの下面が当接するレベル調整用
ナットが螺合されているので、基礎上面の不陸に影響さ
れることなく、ベースプレートの高さレベルを高精度に
設定して、露出型柱脚の取付精度を向上することができ
る。
構造を示す分解斜視図である。
ある。
図である。
図である。
示す縦断面図である。
示す縦断面図である。
Claims (8)
- 【請求項1】 基礎から突出したアンカーボルトを露出
型柱脚のベースプレートに貫通させて、そのアンカーボ
ルトに螺合した上側の締付ナットと下側の受けナットで
前記ベースプレートを挟み込むとともに、前記ベースプ
レートの下面と基礎の上面との間に生じる隙間にグラウ
トを充填した露出型柱脚の取付構造において、前記締付
ナットを前記ベースプレートに対して締め付ることによ
って、前記アンカーボルトに初張力を与えてあることを
特徴とする露出型柱脚の取付構造。 - 【請求項2】 前記ベースプレートの下面側に、グラウ
ト充填用空間を形成する枠部材を設けるとともに、前記
ベースプレートにおける前記枠部材よりも外側に、前記
アンカーボルトが貫通するボルト貫通孔を形成した請求
項1記載の露出型柱脚の取付構造。 - 【請求項3】 前記ベースプレートにおける前記枠部材
よりも内側に、前記グラウト充填用空間に開口するグラ
ウト注入孔を形成した請求項2記載の露出型柱脚の取付
構造。 - 【請求項4】 前記枠部材を、前記ベースプレートの下
面に突設した請求項2又は3記載の露出型柱脚の取付構
造。 - 【請求項5】 前記枠部材の下端に、前記基礎の上面に
当接して前記グラウト充填用空間からのグラウトの漏れ
を阻止する水密材を取り付けた請求項2乃至4のいずれ
かに記載の露出型柱脚の取付構造。 - 【請求項6】 前記ベースプレートに形成したボルト挿
通孔に、前記基礎から突出した剪断力伝達用のアンカー
ボルトを挿通させるとともに、そのアンカーボルトに螺
合したレベル調整用ナットに、前記ベースプレートの下
面を当接させるようにした請求項1乃至5のいずれかに
記載の露出型柱脚の取付構造。 - 【請求項7】 基礎から突出したアンカーボルトに予め
受けナットを螺合しておき、ベースプレートのボルト貫
通孔を貫通したアンカーボルトの先端に締付ナットを螺
合し、ベースプレートの下面と基礎の上面との隙間に充
填したグラウトが硬化した後、前記締付ナットを締め付
けて前記アンカーボルトに初張力を与えてから、前記受
けナットを締め付けて前記締付ナットとで前記ベースプ
レートを挟み込むようにしたことを特徴とする露出型柱
脚の施工方法。 - 【請求項8】 グラウト充填用空間を形成する枠部材
を、前記ベースプレートの下面側に設けて、前記受けナ
ットの締め付けを、前記枠部材よりも外側で行うように
した請求項7記載の露出型柱脚の施工方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP13358999A JP3838472B2 (ja) | 1999-05-14 | 1999-05-14 | 露出型柱脚の施工方法 |
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JP13358999A JP3838472B2 (ja) | 1999-05-14 | 1999-05-14 | 露出型柱脚の施工方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP3838472B2 JP3838472B2 (ja) | 2006-10-25 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009144382A (ja) * | 2007-12-13 | 2009-07-02 | Ibigawa Concrete Kogyo Kk | 支柱立設用コンクリートブロック |
JP2013049970A (ja) * | 2011-08-30 | 2013-03-14 | Okabe Co Ltd | 鉄骨造露出型柱脚構造 |
JP2017198032A (ja) * | 2016-04-28 | 2017-11-02 | 住友ゴム工業株式会社 | 建物および制震装置 |
-
1999
- 1999-05-14 JP JP13358999A patent/JP3838472B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2009144382A (ja) * | 2007-12-13 | 2009-07-02 | Ibigawa Concrete Kogyo Kk | 支柱立設用コンクリートブロック |
JP4698661B2 (ja) * | 2007-12-13 | 2011-06-08 | 株式会社イビコン | 支柱立設用コンクリートブロック |
JP2013049970A (ja) * | 2011-08-30 | 2013-03-14 | Okabe Co Ltd | 鉄骨造露出型柱脚構造 |
JP2017198032A (ja) * | 2016-04-28 | 2017-11-02 | 住友ゴム工業株式会社 | 建物および制震装置 |
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