JP2017198032A - 建物および制震装置 - Google Patents

建物および制震装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017198032A
JP2017198032A JP2016091539A JP2016091539A JP2017198032A JP 2017198032 A JP2017198032 A JP 2017198032A JP 2016091539 A JP2016091539 A JP 2016091539A JP 2016091539 A JP2016091539 A JP 2016091539A JP 2017198032 A JP2017198032 A JP 2017198032A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vibration control
transmission member
fastening member
attached
anchor bolt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2016091539A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6866573B2 (ja
Inventor
崇兵 閻
Chongbing Yan
崇兵 閻
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Rubber Industries Ltd filed Critical Sumitomo Rubber Industries Ltd
Priority to JP2016091539A priority Critical patent/JP6866573B2/ja
Publication of JP2017198032A publication Critical patent/JP2017198032A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6866573B2 publication Critical patent/JP6866573B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Buildings Adapted To Withstand Abnormal External Influences (AREA)

Abstract

【課題】建物の下部構造材が傷つきにくくする。【解決手段】ここで提案される制震装置200は、第1締結部材204と、第2締結部材205とを備えている。第1締結部材204は、アンカーボルト111に締結され、かつ、下側伝達部材203の下面に当たる位置に配置される部材である。第2締結部材205は、アンカーボルト111,112に締結され、かつ、下側伝達部材203の上面に当たる位置に配置される部材である。【選択図】図2

Description

本発明は、建物および制震装置に関する。
制震装置が取り付けられた建物は、例えば、特開2014−20113号公報に開示されている。同公報では、制震装置の下側伝達部材をコンクリート基礎に設けられたアンカーボルトに挿通して固定することが提案されている。この中で、建物の下部構造材(ここでは、土台)には、アンカーボルトを挿通するための挿通孔が形成されている。ここでは、建物の下部構造材の挿通孔を保護するためにスリーブを装着し、当該スリーブにアンカーボルトを装着することが提案されている。
特開2014−20113号
上述のように、建物の下部構造材(ここでは、土台)には、アンカーボルトを挿通するための挿通孔に、スリーブを装着し、挿通孔を保護することが提案されている。また、かかるスリーブの下端が、例えば、基礎あるいは基礎パッキンなどで支持され、かつ、上端が制震装置の下側伝達部材の下面に当たるように、スリーブの長さを適切に調整することによって、制震装置の下側伝達部材の下面を支持する支持部材となりうる。しかし、制震装置が取り付けられる位置や、制震装置が取り付けられる建物の構造によって、スリーブの長さを調整する必要があった。また、このような制震装置は、一般に広く普及しているものではない。このため、工事を行なう者の不慣れによって、建物の下部構造材にアンカーボルトを挿通させる位置に、スリーブを挿通させるための大きな径の貫通孔が用意されていない場合が生じうる。そのような場合、既に設置された建物の下部構造材のアンカーボルト挿通孔を、さらにスリーブを取り付けるために加工することには、大きな手間が生じる場合がある。
ここで提案される建物は、上方に突出したアンカーボルトを備えた基礎と、基礎の上に配置され、アンカーボルトに固定される下部構造材と、下部構造材から立ち上がった複数の柱と、複数の柱に支持され、下部構造材の上方に配置された上部構造材と、下部構造材と、複数の柱のうち一対の柱と上部構造材とで囲まれた空間に配置された制震ユニットと、制震ユニットと前記上部構造材とに取り付けられた上側伝達部材と、アンカーボルトに挿通される挿通孔を有し、下部構造材の上に配置され、かつ、制震ユニットに取り付けられた下側伝達部材と、アンカーボルトに締結され、かつ、下側伝達部材の下面に当たる位置に配置された第1締結部材と、挿通孔に挿通されたアンカーボルトに締結され、下側伝達部材の上面に当たる位置に配置された第2締結部材とを備えている。
この建物によれば、下側伝達部材は、上方に引っ張られたり、下方に押し付けられたりする力が作用するが、第1締結部材と第2締結部材が取り付けられたアンカーボルトが下側伝達部材を上方および下方の何れにも支持する。このため、下側伝達部材が下部構造材を傷付けにくい。また、第1締結部材の取り付けが容易である。
この場合、第1締結部材は、ナットであってもよい。より好ましくは、第1締結部材は、下側伝達部材の下面に当たる面に径方向に延びたつばを有していてもよい。また、第2締結部材は、緩み止めナットでもよい。
また、ここで提案される制震装置は、制震ユニットと、制震ユニットに取り付けられた上側伝達部材と、制震ユニットに取り付けられ、アンカーボルトが挿通される挿通孔を有し、かつ、下部構造材に設置される下側伝達部材と、アンカーボルトに締結される締結部を有し、かつ、下側伝達部材の下面に当たる位置に配置される第1締結部材と、アンカーボルトに締結される締結部を有し、かつ、下側伝達部材の上面に当たる位置に配置される第2締結部材とを備えている。
図1は、建物100に取り付けられた制震装置200を示す正面図である。 図2は、制震装置200のブレースの基部を拡大した部分断面図である。 図3は、上側伝達部材202と下側伝達部材203とに取付けられた制震ユニット201の左側面図である。
以下、ここで提案される建物および制震装置を図面に基づいて説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されない。各図面は模式的に描かれており、必ずしも実物を反映していない。また、各図面は、一例を示すのみであり、特に言及されない限りにおいて本発明を限定しない。また、同一の作用を奏する部材・部位には、適宜に同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
《建物100》
図1は、建物100に取り付けられた制震装置200を示す正面図である。図2は、制震装置200のブレースの基部を拡大した部分断面図である。建物100は、図1および図2に示すように、基礎101と、下部構造材102と、複数の柱103,104と、上部構造材105とを備えている。
基礎101は、上方に突出したアンカーボルト111〜114を備えている。ここで、アンカーボルト111〜114は、建物100の下部構造材102や柱103,104を基礎101に固定する部材である。アンカーボルト111〜114の下部は、基礎101に埋め込まれており、アンカーボルト111〜114の上部は、基礎101から立ち上がっている。アンカーボルト111〜114は、所要の引き抜き強度を備えているとよい。図1に示す形態では、アンカーボルト111,112には、下部構造材102と制震装置200が固定されている。アンカーボルト113,114には、柱103,104が固定されている。制震装置200が取り付けられるアンカーボルト111,112は、例えば、15kN以上の引き抜き強度を有しているとよい。なお、図示される以外にも、基礎101には、アンカーボルト111〜114の他にも複数のアンカーボルトが設けられている。建物100の下部構造材102および複数の柱は、基礎101に設けられた複数のアンカーボルトによって固定されている。
下部構造材102は、基礎101の上に配置されている。ここで、下部構造材102は、基礎101の上に配置される建物100の下部の構造材である。図1および図2に示された形態では、基礎101の上に、基礎パッキン101aが取り付けられている。そして、基礎パッキン101aの上に、下部構造材102が重ねられている。下部構造材102は、土台102aと、床合板102bを備えている。土台102aは、基礎パッキン101aの上に重ねられている。床合板102bは、土台102aの上に重ねられている。下部構造材102は、基礎101の上に配置される建物100の下部の構造材であり、土台102aと、床合板102bとからなる構造に限定されない。下部構造材102を構成する部材は、建物100の工法や設計の差異などによって種々変更されうる。
複数の柱103,104は、下部構造材102から立ち上がっている。ここで、図1は、建物100の一部が描かれているに過ぎず、建物100には、柱103,104の他にも複数の柱が設けられている。上部構造材105は、かかる柱103,104を含む建物100の複数の柱103,104によって支持されており、下部構造材102の上方に配置されている。このように、上部構造材105は、複数の柱103,104によって支持され、下部構造材102の上方に配置された建物100の構造材である。例えば、2階建ての家屋であれば、2階の床梁などが、上部構造材105となる。
《制震装置200》
制震装置200は、建物100の下部構造材102と、複数の柱のうち一対の柱103,104と、上部構造材105とで囲まれた空間106に配置されている。この実施形態では、下部構造材102と、一対の柱103,104と、上部構造材105とによって、矩形の空間を有する枠組みが構築されている。制震装置200は、当該枠組みの内側に配置されている。ここで、制震装置200は、制震ユニット201と、上側伝達部材202と、下側伝達部材203と、第1締結部材204と、第2締結部材205とを備えている。
《制震ユニット201》
図3は、上側伝達部材202と下側伝達部材203とに取付けられた制震ユニット201の左側面図である。図3では、制震ユニット201が粘弾性体212,213の中心線に沿って部分的に縦断された断面図として図示されている。
制震ユニット201は、図3に示すように、中間プレート211と、一対の粘弾性体212,213と、一対の外側プレート214,215とを備えている。一対の粘弾性体212,213は、中間プレート211を挟むように配置され、中間プレート211に接着されている。一対の外側プレート214,215は、中間プレート211を挟むように配置された一対の粘弾性体212,213の外側面に重ねられ、かつ、接着されている。
《粘弾性体212,213》
粘弾性体212,213には、高減衰性を有する粘弾性ゴム(制震ゴム)が好適に採用されうる。高減衰性を有する粘弾性ゴム(制震ゴム)には、例えば、天然ゴム、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブタジエンゴム素材(BR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、ハロゲン化ブチルゴム(X−IIR)、クロロプレンゴム(CR)、あるいは、これらのゴムのうち複数のゴム素材を混合したゴム素材に、高減衰性を発揮する添加剤を加えて生成された高減衰性ゴム組成物を用いることができる。高減衰性を発揮する添加剤としては、例えば、カーボンブラックなど、種々の添加剤が知られている。中間プレート211と粘弾性体212,213および外側プレート214,215と粘弾性体212,213とは、加硫接着によって接着されているとよい。
この実施形態では、制震ユニット201は、上記下部構造材102と、柱103,104と、上部構造材105とで囲まれた矩形の枠組み内に配置されている。そして、上記下部構造材102と、柱103,104と、上部構造材105とで囲まれた矩形の枠組みの法線方向に、中間プレート211と、一対の粘弾性体212,213と、一対の外側プレート214,215との法線方向が合わせられている。中間プレート211は、一対の粘弾性体212,213が接着された部位から下方に延びている。中間プレート211の下端には、中間プレート211と直交するように取付プレート211aが溶接されている。一対の外側プレート214,215は、図1に示すように、一対の粘弾性体212,213が接着された部位から左方および右方に延びている。
《上側伝達部材202》
上側伝達部材202は、制震ユニット201と上部構造材105とに取り付けられている。この実施形態では、上側伝達部材202は、基部202aと、取付片202b,202cとを備えている。基部202aは、上部構造材105の下面に沿って取り付けられる部位であり、締結具(この実施形態では、ラグスクリューボルト321)によって、上部構造材105に締結されている。取付片202b,202cは、中間プレート211の左方と右方とにおいて、基部202aから下方に延びている。取付片202b,202cは、一対の外側プレート214,215の、一対の粘弾性体212,213から左方および右方に延びた部位にそれぞれ取付けられている。取付片202b,202cと、一対の外側プレート214,215との間には、スペーサ(図示省略)が取り付けられている。このスペーサによって、一対の外側プレート214,215の間隔が維持されている。一対の外側プレート214,215と取付片202b,202cとは、スペーサを介在させた状態で、ボルトナット301によって締結されている。
《下側伝達部材203》
下側伝達部材203は、下部構造材102の上に配置され、かつ、制震ユニット201に取り付けられている。さらに下側伝達部材203は、アンカーボルト111,112に挿通される挿通孔203d4(図2参照)を有しており、アンカーボルト111,112に取付けられている。
この実施形態では、下側伝達部材203は、取付部203aと、2本のブレース203b,203cと、基部203d,203eとを備えている。取付部203aは、制震ユニット201に取り付けられる部位である。この実施形態では、取付部203aは、図1および図3に示すように、2本のブレース203b,203cの上端に設けられている。そして、取付部203aは、制震ユニット201の中間プレート211に設けられた取付プレート211aに取り付けられている。この実施形態では、取付部203aは、ブレース203b,203cの上端および前後に沿うように折り曲げられたプレート状の部材である。取付部203aは、ブレース203b,203cの上端に対向する面203a1と、ブレース203b,203cの上部を前後に挟む面203a2,203a3とを備えている。2本のブレース203b,203cの上端およびブレース203b,203cの前面と後面を覆うように、ブレース203b,203cの上部に重ねられた状態でブレース203b,203cに溶接されている。ブレース203b,203cの上端に対向する面203a1は、左方及び右方に延びている。そして、当該面203a1は、中間プレート211に設けられた取付プレート211aに重ねられて、ボルトナット302によって取付プレート211aに締結されている。
《2本のブレース203b,203c》
2本のブレース203b,203cは、取付部203aから下方に延びている。2本のブレース203b,203cは、下方に延びるにつれて、左右に間隔が拡がっている。2本のブレース203b,203cの中間部には、2本のブレース203b,203cの間隔を維持する横桟203fが取り付けられている。基部203d,203eは、下部構造材102に取り付けられる部位であり、2本のブレース203b,203cの下端に設けられている。
《基部203d,203e》
図2は、左側の基部203dを拡大した拡大図である。なお、ここでは、図2を参照しつつ、左側の基部203dを説明するが、右側の基部203eも左側の基部203dと同様の構造を有しており、かつ、同様の構造によって右側のアンカーボルト112に取り付けられている。基部203dは、図2に示すように、ベース部203d1と、フランジ部203d2,203d3とを備えている。ベース部203d1は、下部構造材102に沿って取り付けられる部位である。フランジ部203d2,203d3は、ベース部203d1の前後両側から立ち上がり、ブレース203bの端部を前後において挟んでいる。この状態で、フランジ部203d2,203d3とブレース203bの端部とは溶接されている。
図1に示すように、基部203dは、基礎101に埋設されたアンカーボルト111に取り付けられる。このため、図2に示すように、基部203dのベース部203d1には、アンカーボルト111を挿通するための挿通孔203d4が設けられている。この実施形態では、挿通孔203d4は、左右に長い長孔である。制震装置200を取り付ける際、基礎101に設けられたアンカーボルト111,112に対して、制震装置200の基部203d,203eの位置が多少ずれる場合がある。この場合でも、挿通孔203d4は、左右に長い長孔にすることによって、アンカーボルト111,112に基部203d,203eを固定することができる。また、この実施形態では、挿通孔203d4の周囲には、ベース部203d1を補強する補強板203d5が取り付けられている。また、ベース部203d1は、他の締結具(図1および図2に示された例では、ラグスクリューボルト322)によっても下部構造材102と締結されている。
《第1締結部材204、第2締結部材205》
制震装置200は、図2に示すように、第1締結部材204と、第2締結部材205によって、アンカーボルト111に締結されている。
第1締結部材204は、アンカーボルト111に締結され、かつ、下側伝達部材203の下面(この実施形態では、ベース部203d1の下面)に当たる位置に配置されている。第2締結部材205は、挿通孔203d4に挿通されたアンカーボルト111に締結され、下側伝達部材203の上面(この実施形態では、基部203dのベース部203d1の上面)に当たる位置に配置されている。つまり、下側伝達部材203の下面において、第1締結部材204が当たる部位では、下側伝達部材203の上面に第2締結部材205が配置されている。
第1締結部材204は、具体的には、アンカーボルト111に装着されうるナットで構成されているとよい。また、好適には、第1締結部材204に、つば付きナットを採用してもよい。つば付きナットは、フランジナットなどとも称される。第1締結部材204につば付きナットを採用する場合には、下側伝達部材203の下面につばが向くように、アンカーボルト111に取り付けるとよい。つまり、第1締結部材204は、下側伝達部材203の下面に当たる面に径方向に延びたつばを有しているとよい。この場合、第1締結部材204は、既存のつば付きナットに必ずしも限定されない。例えば、つばは周方向に間欠的に設けられていてもよい。また、第1締結部材204と下側伝達部材203の下面との間に径方向に所要の面積を有するワッシャを取り付けてもよい。また、第1締結部材204としてワッシャとつば付きナットとを組み合わせて用いてもよい。このようにつば付きナットを採用した場合やワッシャを取り付けた場合、第1締結部材204が下側伝達部材203の下面に当たる面積が広くなる。また、第2締結部材205についても、アンカーボルト111に装着されるナットで構成されているとよい。この実施形態では、第2締結部材205には、緩みが防止されるように、2つのナットを重ねた、いわゆるダブルナットが採用されている。第2締結部材205はダブルナットに限定されず、緩み止め機能を備えた種々のナット(いわゆる緩み止めナット)を採用することが好ましい。
このように、ここで提案される制震装置200は、第1締結部材204と、第2締結部材205とを備えている。第1締結部材204は、アンカーボルト111,112に締結される締結部(ナットでは、ねじ溝部分)を有し、かつ、下側伝達部材203の下面に当たる位置に配置される部材であるとよい。第2締結部材205は、アンカーボルト111,112に締結される締結部(ナットでは、ねじ溝部分)を有し、かつ、下側伝達部材203の上面に当たる位置に配置される部材であるとよい。
大きな地震などで、上部構造材105と下部構造材102との相対的な水平方向の変位を伴うような揺れが、建物100に作用した場合に、この制震装置200は、上部構造材105と下部構造材102との水平方向の相対的な変位に応じて、上側伝達部材202と下側伝達部材203との水平方向の相対的な変位が生じる。この際、制震装置200の下側伝達部材203は、上方に引っ張られるように力を受けたり、下方に押し付けられるように力を受けたりする。
この制震装置200によれば、上述したようにアンカーボルト111に取り付けられた第1締結部材204が下側伝達部材203の下面に配置されている。さらに、下側伝達部材203の上面には、アンカーボルト111に取り付けられた第2締結部材205が配置されている。制震装置200の下側伝達部材203が上方に引っ張られるように力を受ける場合には、アンカーボルト111に取り付けられた第2締結部材205によって下側伝達部材203の上面が押さえられる。この場合、アンカーボルト111の引っ張り力を受けるので、下側伝達部材203は上方に引き上げられない。また、制震装置200の下側伝達部材203が下方に押し付けられるように力を受ける場合には、アンカーボルト111に取り付けられた第1締結部材204によって下側伝達部材203の下面が支持される。この場合、アンカーボルト111が圧縮力を受けつつ下側伝達部材203を支持するので、下側伝達部材203は上方に引き上げられない。
特に、第1締結部材204によって、下側伝達部材203が下方に押し下げられるのを小さく抑えられるので、下側伝達部材203が下部構造材102に大きくめり込むなど下部構造材102を大きく傷付けるのを防止できる。また、かかる制震装置200が取り付けられた建物100は、第1締結部材204と第2締結部材205の作用によって、下側伝達部材203が上方に引っ張られたり、下方に押し下げられたりするのが小さく抑えられる。そして、制震ユニット201に適切な変位が伝達される。このため、制震ユニット201がより適切に機能するので、地震時の振動が小さく抑えられる。
この制震装置200は、下部構造材102の上に配置される下側伝達部材203の下面に第1締結部材204を取り付けるため、下部構造材102の上面には、アンカーボルト111,112が挿通される部位に、少なくとも第1締結部材204が配置可能な窪み(穴)を設ける必要がある。なお、当該穴は第1締結部材204を上下に貫通していてもよい。このような制震装置200は、多くの場合において、下部構造材102や建物100の複数の柱103,104や上部構造材105が取り付けられた後で、建物100に取り付けられる。制震装置200を建物100に取り付ける際、下部構造材102にはアンカーボルト111の外径に応じた貫通孔が形成されているが、第1締結部材204を下側伝達部材203の下面に配置するための窪みが、下部構造材102に形成されていない場合もありうる。例えば、既設の建物を改修して、制震装置200を取り付ける場合には、下部構造材102には、アンカーボルト111の外径に応じた貫通孔が形成されているが、第1締結部材204を下側伝達部材203の下面に配置するための窪みはない。
この制震装置200によれば、アンカーボルト111,112が挿通された下部構造材102の挿通孔の周りに第1締結部材204を埋め込むための所要の深さの窪み(穴)を形成するとよい。このような窪みは、下部構造材102の上面を露出させた状態で、例えば、蚤のような工具によって加工できる。このため、現場にて、比較的容易に加工できる。このような点で、この制震装置200は、新設および既設の建物100に対して取り付け易い。また、第1締結部材204は、下側伝達部材203を取り付ける前に、アンカーボルト111,112に取り付けるとよい。
この際、第1締結部材204の上面を、下部構造材102の上面に高さを合わせるとよい。第1締結部材204がナットである場合、第1締結部材204の上面は、下部構造材102の上面よりも少し高い位置に合わせておいてもよい。この場合、第1締結部材204を取り付けた後で、アンカーボルト111,112に第2締結部材205を取り付け、第2締結部材205を締め付けるとよい。これによって、第1締結部材204は、下側伝達部材203の下面に当たった位置で、かつ、下部構造材102の上面に第1締結部材204の上面の高さが合った位置に調整される。また、第2締結部材205が、緩み止めナットであることによって、第1締結部材204と第2締結部材205とによって下側伝達部材203がアンカーボルト111,112に固定された状態が維持され、信頼性が向上する。
以上、ここで提案される建物および制震装置について、種々説明したが、ここで提案される建物および制震装置は、特に言及されない限りにおいて、上述した実施形態に限定されない。
例えば、制震装置200の具体的な構造は、種々変更ができる。また、制震装置の構成要素である制震ユニット201には、粘弾性体212,213を一対のプレート(上述した実施形態では、中間プレート211と、外側プレート214,215)で挟み、一方のプレート214,215を上側伝達部材202に取り付け、他方のプレート211を下側伝達部材203に取り付けた構造が例示されている。制震ユニット201は、特に言及されない限りにおいて、このような構造に限定されない。また、この制震装置200には、図1に示すように、間柱401や矩形の枠組みの外にブレースが座屈するのを押さえる押さえ材402が適宜に取り付けられてもよい。
100 建物
101 基礎
101a 基礎パッキン
102 下部構造材
102a 土台
102b 床合板
103,104 柱
105 上部構造材
111,112,113,114 アンカーボルト
200 制震装置
201 制震ユニット
202 上側伝達部材
202a 基部
202b,202c 取付片
203 下側伝達部材
203a 取付部
203b,203c ブレース
203d,203e 基部
203d1 ベース部
203d2,203d3 フランジ部
203d4 挿通孔
203d5 補強板
203f 横桟
204 第1締結部材
205 第2締結部材
211 中間プレート
211a 取付プレート
212,213 粘弾性体
214,215 外側プレート
301 ボルトナット
302 ボルトナット
321 ラグスクリューボルト
322 ラグスクリューボルト

Claims (5)

  1. 上方に突出したアンカーボルトを備えた基礎と、
    前記基礎の上に配置され、前記アンカーボルトに固定される下部構造材と、
    前記下部構造材から立ち上がった複数の柱と、
    前記複数の柱に支持され、前記下部構造材の上方に配置された上部構造材と、
    前記下部構造材と、前記複数の柱のうち一対の柱と、前記上部構造材とで囲まれた空間に配置された制震ユニットと、
    前記制震ユニットと前記上部構造材とに取り付けられた上側伝達部材と、
    前記アンカーボルトに挿通される挿通孔を有し、前記下部構造材の上に配置され、かつ、前記制震ユニットに取り付けられた下側伝達部材と、
    前記アンカーボルトに締結され、かつ、前記下側伝達部材の下面に当たる位置に配置された第1締結部材と、
    前記挿通孔に挿通された前記アンカーボルトに締結され、前記下側伝達部材の上面に当たる位置に配置された第2締結部材と
    を備えた、建物。
  2. 前記第1締結部材は、ナットである、請求項1に記載された建物。
  3. 前記第1締結部材は、前記下側伝達部材の下面に当たる面に径方向に延びたつばを有する、請求項1または2に記載された建物。
  4. 前記第2締結部材は、緩み止めナットである、請求項1から3までの何れか一項に記載された建物。
  5. 制震ユニットと、
    前記制震ユニットに取り付けられた上側伝達部材と、
    前記制震ユニットに取り付けられ、アンカーボルトが挿通される挿通孔を有し、かつ、下部構造材に設置される下側伝達部材と、
    アンカーボルトに締結される締結部を有し、かつ、前記下側伝達部材の下面に当たる位置に配置される第1締結部材と、
    アンカーボルトに締結される締結部を有し、かつ、前記下側伝達部材の上面に当たる位置に配置される第2締結部材と
    を備えた制震装置。
JP2016091539A 2016-04-28 2016-04-28 建物および制震装置 Active JP6866573B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016091539A JP6866573B2 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 建物および制震装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016091539A JP6866573B2 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 建物および制震装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017198032A true JP2017198032A (ja) 2017-11-02
JP6866573B2 JP6866573B2 (ja) 2021-04-28

Family

ID=60238995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016091539A Active JP6866573B2 (ja) 2016-04-28 2016-04-28 建物および制震装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6866573B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021127608A (ja) * 2020-02-13 2021-09-02 住友ゴム工業株式会社 制震装置

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6337814U (ja) * 1986-08-28 1988-03-11
JPH09100822A (ja) * 1995-10-06 1997-04-15 Artes:Kk ベースプレートとアンカーボルトの固定法及びそのベースプレート、アンカーボルトとナット
JPH1073114A (ja) * 1996-08-28 1998-03-17 Shimakura Tekkosho:Kk 耐震用アンカーボルトの締着装置
JP2000319989A (ja) * 1999-05-14 2000-11-21 Sekisui House Ltd 露出型柱脚の取付構造及び施工方法
US20030009964A1 (en) * 2001-06-21 2003-01-16 Shear Force Wall Systems Inc. Prefabricated shearwall having improved structural characteristics
JP2009287766A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Takenaka:Kk ナット部材
JP2014020114A (ja) * 2012-07-18 2014-02-03 Sumitomo Rubber Ind Ltd 制振装置
JP2014020113A (ja) * 2012-07-18 2014-02-03 Sumitomo Rubber Ind Ltd 制振装置
JP5907447B1 (ja) * 2015-07-15 2016-04-26 修隆 比屋根 鉄骨柱脚

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6337814U (ja) * 1986-08-28 1988-03-11
JPH09100822A (ja) * 1995-10-06 1997-04-15 Artes:Kk ベースプレートとアンカーボルトの固定法及びそのベースプレート、アンカーボルトとナット
JPH1073114A (ja) * 1996-08-28 1998-03-17 Shimakura Tekkosho:Kk 耐震用アンカーボルトの締着装置
JP2000319989A (ja) * 1999-05-14 2000-11-21 Sekisui House Ltd 露出型柱脚の取付構造及び施工方法
US20030009964A1 (en) * 2001-06-21 2003-01-16 Shear Force Wall Systems Inc. Prefabricated shearwall having improved structural characteristics
JP2009287766A (ja) * 2008-05-27 2009-12-10 Takenaka:Kk ナット部材
JP2014020114A (ja) * 2012-07-18 2014-02-03 Sumitomo Rubber Ind Ltd 制振装置
JP2014020113A (ja) * 2012-07-18 2014-02-03 Sumitomo Rubber Ind Ltd 制振装置
JP5907447B1 (ja) * 2015-07-15 2016-04-26 修隆 比屋根 鉄骨柱脚

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021127608A (ja) * 2020-02-13 2021-09-02 住友ゴム工業株式会社 制震装置
JP7456180B2 (ja) 2020-02-13 2024-03-27 住友ゴム工業株式会社 制震装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6866573B2 (ja) 2021-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101705318B1 (ko) 창호 개방 간주형 건축물 제진시스템
JP4743062B2 (ja) 鋼板パネル、その集積体、これを用いたトンネルの補強構造及び補強工法
JP5779119B2 (ja) 複合梁および複合梁を有する架構
JP2009228257A (ja) 耐震壁
JP2017198032A (ja) 建物および制震装置
KR20090121634A (ko) H형강 보-각형 강관 기둥 접합부 연결구조
JP2014020114A (ja) 制振装置
JP6031291B2 (ja) 制振壁
JP6031284B2 (ja) 建物
JP6397668B2 (ja) 制震装置
JP2014020112A (ja) 制振装置
JP6426973B2 (ja) 制震装置
JP2018199958A (ja) 制震構造
JP6957990B2 (ja) 制震装置および建物
JP7021549B2 (ja) 制震装置
JP6379006B2 (ja) 制震装置
JP5931634B2 (ja) 制振装置
JP2016217067A (ja) 制震装置
JP5042067B2 (ja) 防振床構造
JP2008308906A (ja) 木造建物の制震化工法
JP4519689B2 (ja) 基礎構造
JP6178132B2 (ja) 制震装置
WO2018074488A1 (ja) 補強金物及び木製建築部材の補強方法
JP2019148125A (ja) 制震装置および建物
JP4889050B2 (ja) 建築物及び建造物の補強部材並びに補強構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20190204

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20191122

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200107

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20200303

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200929

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20201202

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20201202

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20201210

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20201215

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20210309

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20210322

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6866573

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250