JP5931634B2 - 制振装置 - Google Patents
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Description
図1は、制振装置100を示している。制振装置100は、図1に示すように、制振ユニット10と、第1伝達部材としての上側伝達部材30と、第2伝達部材としての下側伝達部材40とを備えている。図1に示す例では、制振ユニット10は、建物200の上梁50と、下梁60と、柱70a、70bで囲まれた矩形の枠組み203に配置されている。ここで、上梁50と下梁60と、柱70a、70bは、それぞれ建物200の構造材である。
図2は、制振ユニット10を拡大した図である。図3から図5は、制振装置100に取り付けられる前の状態における、制振ユニット10がそれぞれ示されている。図3は、制振ユニット10の正面図であり、図4は、制振ユニット10の底面図であり、図5は、制振ユニット10の側面図であり、図3の左側面図である。制振ユニット10は、図3から図5に示すように、対向する一対のプレート(12、13)、14と、粘弾性体18a、18bとを有している。
この実施形態では、一対のプレート(12、13)、14は、それぞれ矩形の鋼板である。図3から図5に示すように、一対のプレート(12、13)、14の法線方向から見て、プレート14に対して、プレート12、13がそれぞれ対向するように配置されている。プレート12とプレート13は、同形状の長方形の鋼板であり、それぞれ向きを揃えて平行に配置されている。プレート14は、長手方向片側がプレート12とプレート13の間に配置され、反対側がプレート12とプレート13からはみ出るように配置されている。
粘弾性体18a、18bは、例えば、高減衰性を有する粘弾性ゴム(制振ゴム)で構成されている。この実施形態では、粘弾性体18a、18bは、それぞれ矩形の平板状に成形されている。粘弾性体18a、18bは、プレート(12、13)、14の法線方向から見て、プレート(12、13)、14が重なった四角形の領域内にそれぞれ配設されている。ここで、粘弾性体18aは、プレート14とプレート12との間に配設されており、プレート14とプレート12とにそれぞれ接着されている。粘弾性体18bはプレート14とプレート13との間に配設されており、プレート14とプレート13とにそれぞれ接着されている。ここで、粘弾性体18a、18bと、プレート(12、13)、14とは、それぞれ加硫接着によって接着されている。
上側伝達部材30は、図2に示すように、制振ユニット10の対向する一対のプレート(12、13)、14のうち、一方のプレート(12、13)と、2階床梁50とに接続される部材である。上側伝達部材30は、図2に示すように、ベース32と、取付片34a、34bとを備えている。ベース32は、2階床梁50の下面に沿って配置される鋼板部材である。ベース32には、ボルト挿通孔32aが貫通して形成されている。ベース32は、ボルト挿通孔32aにボルト52を挿通して2階床梁50に取り付けられる。
下側伝達部材40は、制振ユニット10の対向する一対のプレート(12、13)、14のうち他方のプレート14と、土台60とに接続された部材である。この実施形態では、下側伝達部材40は、2本のブレース42a、42bと、基部44とを備えている。下側伝達部材40は、図1および図2に示すように、プレート14の一端に設けられたフランジ15に、面を合わせて取り付けられるフランジ48を備えている。下側伝達部材40のフランジ48は、プレート14のフランジ15を当接させて、ボルトナット48aによって締結している。フランジ48には、2本のブレース42a、42bを取り付けるための取付片49が、フランジ48から立ち上がった状態(図2では、フランジ48から下側に延在した状態)で溶接されている。
2本のブレース42a、42bは、プレート14に接続された部位から、互いの間隔が徐々に拡がるように延在している。この実施形態では、2本のブレース42a、42bは、プレート14に接続されるフランジ48から立ち上がった取付片49に溶接されている。2本のブレース42a、42bは、フランジ48から互いの間隔が徐々に拡がるように延在している。2本のブレース42a、42bの間には、複数(図1に示す例では、3つ)の横軸材46が架け渡された状態で溶接されている。これにより、2本のブレース42a、42bは、所要の剛性で、互いの間隔が維持されている。
この実施形態では、横軸材46は、2本のブレース42a、42bの中間部分に架け渡されている。横軸材46は、2本のブレース42a、42bに対してピン係合で取り付けられている。図10は、横軸材46とブレース42aとの取り付け構造を示す図であり、図1のX−Xに沿ってブレース42a、42bを横断した端面矢視図である。
基部44は、図1に示すように、2本のブレース42a、42bの先端(図示した例では下端)43a、43bに架け渡され、当該2本のブレースの両方に取り付けられている。この実施形態では、基部44は、横長の部材であり、2本のブレース42a、42bの先端43a、43bにそれぞれ溶接されている。当該基部44は、図1に示すように、土台60の上面に沿って配置され、土台60から上方に延びるボルト(例えば、コンクリート基礎202から延びるアンカーボルト110や座金付きボルト120)に装着され、ナット66、69で固定されている(図12、図13参照)。
補強部材45は、底面部44aの変形を規制する部材である。この実施形態では、補強部材45は、所要の剛性を有する矩形の鋼鈑である。なお、補強部材45は、底面部44aの変形を規制する部材であり、所要の剛性を有していればよく、必ずしも鋼鈑に限定される訳ではない。この実施形態では、補強部材45は、基部44の底面部44aの上に、アンカーボルト挿通孔101の周りに重ねられた状態で溶接されている。また、補強部材45は、基部44の側面部44b、44bの間に収まる幅の矩形形状を有しており、基部44の底面部44aの上に置かれ、周縁部451、452が基部44に溶接されている。アンカーボルト挿通孔101は、当該補強部材45と基部44とを連通するように形成されている。
下側伝達部材40の2本のブレース42a、42bは、基部44の側面部44b、44bの間に入れ込まれて、当該側面部44b、44bに溶接されている。この実施形態では、図1に示すように、2本のブレース42a、42bは、基部44の長手方向の両側の離れた位置にそれぞれ溶接されている。基部44の側面部44b、44bの当該溶接部位44cは、各ブレース42a、42bに沿ってそれぞれ高くなっている。これにより、基部44と、各ブレース42a、42bとの溶接面積が増え、基部44と各ブレース42a、42bとが強固に固定されている。
この制振装置100は、建物200の2階床梁50と、土台60と、柱70a、70bとによって囲まれた矩形の枠組み203内に配置され、土台60と、2階床梁50とに取り付けられている。
12、13、14 プレート
15 フランジ
15a 挿通孔
17 挿通孔
17a ボルトナット
18a、18b 粘弾性体
30 上側伝達部材(第1伝達部材)
32 ベース
32a ボルト挿通孔
34a、34b 取付片
40 下側伝達部材(第2伝達部材)
42a、42b ブレース
42c 2本のブレースの上側の基端部
43a、43b ブレースの下端(ブレースの先端)
44 基部
44a 底面部
44b 側面部
44c 溶接部位
45 補強部材(第1補強板)
45A 補強部材(第2補強板)
46、46A 横軸材
47 ボルト
48 フランジ
48a ボルトナット
49 取付片
50 2階床梁(上梁)
52 ボルト
60 土台(下梁)
64 孔(アンカーボルトを挿通させる孔)
66、69 ナット
68 ボルト挿通孔
70a、70b 柱
82 スリーブ
100 制振装置
101 アンカーボルト挿通孔
102 ボルト挿通孔(第2ボルト挿通孔)
103 ボルト挿通孔(第2ボルト挿通孔)
105 ホールダウンボルト
106 基礎パッキン
110 アンカーボルト
120 座金付きボルト
130 締め付けボルト
150 ホールダウン金物
200 建物
202 コンクリート基礎
203 矩形の枠組み
441 基部の底面部と重なり合う第2補強板の縁部
442、443 基部の側面部と重なり合う第2補強板の縁部
451、452 第1補強板の周縁部
Claims (7)
- 対向するプレートと、
前記対向するプレートの間に配置され、各プレートにそれぞれ接着された粘弾性体と、
前記対向するプレートのうち一方のプレートに接続された第1伝達部材と、
前記対向するプレートのうち他方のプレートに接続された第2伝達部材と
を備え、
前記第1伝達部材と第2伝達部材のうち、少なくとも一方の伝達部材は、
前記プレートに対して直交するように設けられたフランジと、
前記フランジの、前記プレートとは反対側の面に、前記フランジから離れるにつれて互いの間隔が徐々に拡がるように延在した2本のブレースと、
前記2本のブレースの先端に架け渡され、当該2本のブレースの両方に取り付けられている基部と、
前記2本のブレースの中間部分に架け渡された横軸材と
を備え、
前記横軸材は、前記2本のブレースに対してピン結合で取り付けられている、制振装置。 - 前記2本のブレースは、前記フランジに対して均等な角度で斜めに配置されており、
前記基部および前記横軸材は、前記フランジと平行になるように前記2本のブレースに架け渡されている、請求項1に記載された制振装置。 - 前記横軸材は、前記2本のブレースの長さ方向の中心を挟んで両側にそれぞれ少なくとも1本ずつ設けられている、請求項1または2に記載された制振装置。
- 請求項1から3までの何れか一項に記載された制振装置が、
上梁と下梁と2本の柱とで囲まれた矩形の枠組み内に収められ、前記第1伝達部材と第2伝達部材のうち、前記2本のブレースと基部とが設けられた一方の伝達部材が、下梁に取り付けられ、他方の伝達部材が上梁に取り付けられた、建物。 - 前記上梁は2階床梁であり、下梁は、コンクリート基礎の上に配置され、アンカーボルトに装着された土台であり、前記一方の伝達部材の基部は、アンカーボルトに固定された、請求項4に記載された建物。
- 前記一方の伝達部材の基部は、前記アンカーボルト挿通孔が形成された部位を補強する補強部材を備えた、請求項5に記載された建物。
- 前記土台は、アンカーボルトを挿通させる孔を有し、当該孔には、金属製のスリーブが装着されている、請求項6に記載された建物。
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