JP5042067B2 - 防振床構造 - Google Patents
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Description
床スラブ1を平面的に見て特定した一方向へ一定のピッチで整列する配置で複数の防振材2がその下端を床スラブ1へ固定して設置され、前記列状の配置に設置された防振材2の各列の上端に、鋼製の長尺部材3が載置され、こうして複数の列状に設置された前記長尺部材3の上にデッキプレート4が載置され長尺部材3と接合して設置され、前記デッキプレート4の上にコンクリートを打設して周辺部は外周構造体6との間に隙間を開けたコンクリート製の浮き床5が構築されて成る防振床構造において、
前記コンクリート製の浮き床5に複数の開口部10が形成され、各開口部10を略水平方向に貫通する水平拘束材11がその両端を浮き床5へ固定して設置され、この水平拘束材5は直下の床スラブ1へ固定した位置固定部材12と結合されていることを特徴とする。
水平拘束材11は、鉛直方向に変形する可撓性があり、水平方向にはコンクリート製浮き床5の横滑りを拘束する鋼板で構成されていることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、請求項1に記載した防振床構造において、
開口部10は、浮き床5を平面的に見て当該浮き床5の地震時の横滑り防止に有効な配置に形成されていることを特徴とする。
したがって、地震応答によって、コンクリート製浮き床5及びその上に施工された木質の仕上げ床8が外周構造体6へ衝突して破損すること、或いは浮き床5および木質の仕上げ床8が外周構造体6へ接触したままの防振不良状態になることは未然に確実に防止される。よって地震後の復旧工事や改修工事などを行う必要は生じない。
前記水平拘束材11は、鉛直方向に変形する可撓性があり、水平方向にはコンクリート製浮き床5の横滑りを拘束する鋼板で構成することが好ましい。
図1〜図3は、本発明に係る防振床構造の実施例を示している。
本発明に係る防振床構造の実施例も、基本的な構成は、図4〜図6に示した従来技術のコンクリート製浮き床方式と多く共通している。
即ち、コンクリート造床スラブ1の上面に、同床スラブ1を平面的に見て特定した一方向、図1の場合は左右方向(横方向)へ約1m前後のピッチで整列する配置で、複数の防振材2(コイル状スプリングと防振ゴム等を複合化して製造した背の低い柱状の衝撃吸収材)が、その下端面を既存床スラブ1へ接着する手段などで固定して垂直に立てられている。なお、防振材2の平面的な並び(列の形成方向)は、縦方向(図1の上下方向)、あるいは斜め方向の如何を問わない。
こうして複数のほぼ平行な列状をなす配置に設置された防振材2…の各列の上端に、図2の実施例では軽量溝形鋼による長尺部材3が、その溝を下向きに被せて載置されている。長尺部材3として軽量溝形鋼を使用すると、両側のフランジが防振材2を挟んで拘束するので、横滑りを構造的に一定限度に規制することができる。もっとも、長尺部材3としては、軽量溝形鋼に限らず、両側にフランジを有する形態であるかぎり、軽量H形鋼、或いはアングルと平鋼板とを組み合わせて溝形鋼状に構成した組み立て材などを同様に使用することができる。
更に、上記コンクリート製浮き床5の上に支持脚8aを立て、その上に木質の仕上げ床8が施工されている。この仕上げ床8も、やはり外周辺は外周構造体体6との間に5〜10mm程度の隙間をあけて施工されている。そして、前記の隙間はクッションゴムを詰めて塞ぐことは、上記図6に示した従来例と変わりがない。図1中の符号20は建物の柱を示している。
因みに、図1の実施例は、縦・横の直角2方向に開口部10を2個づつ合計4個用意すれば、一応の耐震性能を確保できるとの考えに基づいている。
コンクリート製浮き床5に形成する開口部10の大きさ、形状は、図3の例では、縦寸法×横寸法が300×1200mm程度の長方形として形成されているが、この限りではない。後述する水平拘束材11による耐震性能の確保に適応するかぎり、開口部10の大きさ、形状の如何を問うものではない。
上記の開口部10を形成する方法としては、上記デッキプレート4の上にコンクリートを打設してコンクリート製浮き床5を構築する以前の工程として、先ず開口部10の大きさ、形状に沿ってデッキプレート4を切り抜いた開口を形成し、その切り抜き縁部に沿って立つコンクリート止め用エンドプレート5bを設置し、その後にコンクリートを打設する手法を好適に実施できる。
本実施例の場合、水平拘束材11には、一例として鉛直方向には比較的柔らかく曲がる変形性能(可撓性)があり、水平方向にはコンクリート製浮き床5の横滑りに抵抗し拘束する剛性を発揮する鋼板の一例として、フラットバー(幅寸が100mm、厚さが3.2mm)が使用されている。ただし、水平拘束材11には、前記の可撓性と、浮き床5の横滑りに抵抗し拘束する性能を発揮する鋼板であれば足り、前記フラットバーに限らない。
この水平拘束材11の両端をコンクリート製浮き床5へ固定する手段としては、種々の構造を実施可能である。図2と図3に示した実施例の場合、水平拘束材11はコンクリート製浮き床5の開口部10を横断させてその両端をデッキプレート4の下面へ当てがい、同水平拘束材11の両端部に予め取り付けた固定用プレート16を複数本のボルト17でデッキプレート4へ締結した構成の例を示している。固定用プレート16をデッキプレート4へ溶接で接合する方法も実施可能である。或いは水平拘束材11の両端部に取り付けた固定用プレート16をコンクリート製浮き床5のコンクリート厚さの中程に位置させ、同固定用プレート16に取り付けた複数本の固定用ボルト17を、コンクリート製浮き床5のコンクリート中へ埋設して必要な剪断耐力又は支保力を確保する構成で実施することもできる。
本実施例の場合、位置固定部材12には、断面サイズが100×100mm程度のH鋼部材が使用され、該位置固定部材12は、フラットバー11のほぼ中央の直下位置において床スラブ1へ固定されている。更に具体的に説明すると、位置固定部材12は、床スラブ1の上面へ例えばメカニカルアンカー13で固定した固定ベースプレート14へボルト止め又は溶接等の手段で強固に固定されている。更に、位置固定部材12は、水平拘束材11と同方向に複数配置した補強リブ15によっても固定ベースプレート14と強固に一体化して固定されている。
なお、仕上げ床8上のエアロビクスダンス等に起因する騒音の伝播や拡散を可及的に遮断するために、各開口部10の上面に鉄板等を敷いて塞ぐことが好ましい。
また、地震に伴う上下振動、あるいは仕上げ床8上のエアロビクスダンス等に起因する上下振動がコンクリート製の浮き床5へ伝播された場合には、水平拘束材11が鉛直方向に柔らかく曲がる可撓性により前記振動は十分に吸収緩和され、防振性能が害される虞はない。
2 防振材
3 長尺部材
4 デッキプレート
5 コンクリート製浮き床
6 外周構造体
10 開口部
11 水平拘束材
12 位置固定部材
Claims (3)
- 床スラブを平面的に見て特定した一方向へ一定のピッチで整列する配置で複数の防振材がその下端を床スラブへ固定して設置され、前記列状の配置に設置された防振材の各列の上端に鋼製の長尺部材が載置され、こうして複数の列状に設置された前記長尺部材の上にデッキプレートが載置され前記長尺部材と接合して設置され、前記デッキプレートの上にコンクリートを打設して周辺部は外周構造体との間に隙間を開けたコンクリート製の浮き床が構築されて成る防振床構造において、
前記コンクリート製の浮き床に複数の開口部が形成され、各開口部を略水平方向に貫通する水平拘束材がその両端を浮き床へ固定して設置され、この水平拘束材は直下の床スラブへ固定した位置固定部材と結合されていることを特徴とする、防振床構造。 - 水平拘束材は、鉛直方向に変形する可撓性があり、水平方向には浮き床の横滑りを拘束する鋼板で構成されていることを特徴とする、請求項1に記載した防振床構造。
- 開口部は、浮き床を平面的に見て当該浮き床の地震時の横滑り防止に有効な 配置に形成されていることを特徴とする、請求項1に記載した防振床構造。
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