JP2000086951A - 水離脱型インキ組成物、印刷物、成形品及びインキ組成物被膜の脱離方法 - Google Patents

水離脱型インキ組成物、印刷物、成形品及びインキ組成物被膜の脱離方法

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JP2000086951A JP25771198A JP25771198A JP2000086951A JP 2000086951 A JP2000086951 A JP 2000086951A JP 25771198 A JP25771198 A JP 25771198A JP 25771198 A JP25771198 A JP 25771198A JP 2000086951 A JP2000086951 A JP 2000086951A
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Hitoshi Naganuma
均 長沼
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貴雄 水本
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Masayuki Takahashi
正行 高橋
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックフィルムやプラスチック容器に
印刷されたインキ(印刷被膜成分)を希アルカリ水溶液
で処理して脱離させ、無色の状態でのプラスチック容器
等の回収再生を可能とすることができるインキ組成物及
びインキ被膜脱離方法を提供すること。 【解決手段】 インキ組成物成分中に実質的に水不溶性
乃至水難溶性であり、且つ鹸化処理により水膨潤性乃至
水溶解性となる成分を含有すること特徴とする水離脱型
インキ組成物及び上記インキ組成物で印刷された印刷物
等のインキ被膜層をアルカリで鹸化処理して脱離させ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐水性の優れた印
刷物を与え、且つ必要に応じて印刷物から容易に水系で
インキ被膜の脱離が可能なインキ組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、プラスチックも金属材料、ガラス
材料等と同様にプラスチック容器、プラスチックラベ
ル、プラスチック包装袋等とその用途は極めて多岐にわ
って使用されており、それらの多くはその表面が印刷さ
れたり、印刷加工されている。これらのプラスチック材
料は自然界で分解しにくいこと、省資源、経済性等より
一部は分別回収されきており、再生加工されて二次製品
として利用されてきている。しかし、再生されるときに
印刷物が混入すると再生製品が着色されたり、あるいは
異物が混入すると、再生製品の商品価値は著しく低下
し、使用できない場合が多く、また、物性的に致命的な
欠点を起こす場合がある。従って、このような印刷物は
実際には再成されずに廃棄されているのが現状である。
昨今、ダイオキシン等の環境汚染が社会問題となり、特
に焼却が問題となっており、リサイクルできる方法が強
く求められている。
【0003】上記の理由から、印刷が施されているプラ
スチックフィルム、プラスッチク容器、紙加工製品等
は、再生利用される場合は少なく、ほとんど廃棄されて
いるのが現状である。ところで、印刷されたプラスチッ
クを脱色する方法の特殊な例として、例えば、印刷被膜
成分を、それを溶解若しくは膨潤させる溶媒で印刷物か
ら脱離させて脱色させる方法がある。この溶媒を用いる
方法は、廃液中に存在する有機溶媒の分離回収、引火性
等を考えると防爆装置の設置、安全管理上等問題点が多
い。又、希アルカリ水溶液で処理する方法もあるが、方
法自体は単純で、経済的であるが、インキは一般的にウ
レタン樹脂、アクリル樹脂、繊維系樹脂、ロジン、エチ
レン酢酸ビニル共重合体等の疎水性のポリマーを用いる
ことが多く、アルカリ処理をしても簡単には印刷被膜を
脱離することはできない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような難点を回避
し、プラスチックフィルムやプラスチック容器に印刷さ
れたインキ(印刷被膜成分)を希アルカリ水溶液で処理
し、無色の状態でプラスチック容器等を回収再生するこ
とが、当面の大きな課題である。従って本発明の目的は
プラスチックフィルムやプラスチック容器に印刷された
インキ部分を希アルカリ水溶液で処理することによって
鹸化し、印刷被膜成分をプラスチックフィルムやプラス
チック容器から容易に脱離させることできるインキ組成
物、これを用いて印刷された印刷物品及び印刷加工され
た物品を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の発明
によって達成される。即ち、本発明は、インキ組成物成
分中に実質的に水不溶性乃至水難溶性であり、且つ鹸化
処理により水膨潤性乃至水溶解性となる成分を含有する
こと特徴とする水離脱型インキ組成物及びこのインキを
用いて印刷された印刷物である。
【0006】
【発明の実施の形態】次に好ましい実施の形態を挙げて
本発明を更に詳細に説明する。本発明の特徴は、疎水性
インキ組成物(以下では単にインキと称することがあ
る。)中に疎水性であるが、鹸化処理により水膨潤性乃
至水溶解性となる成分(以下潜在的親水性成分という)
を含有することである。インキ中に、疎水性の潜在的親
水性成分を含有させることによって、インキとしての接
着性、耐水性、印刷適性等の基礎物性の低下を最小限に
することができ、即ち、通常のインキ物性を有する印刷
物を得ることができる。一方、このインキ被膜を印刷物
から脱離させる時には、水系で鹸化処理することによっ
て前記潜在的親水性成分が水膨潤性乃至水溶解性とな
り、インキ被膜を容易に脱離させることができる。
【0007】本発明のインキ組成物は、従来のインキ組
成物を構成する成分と潜在的親水性成分とからなる。潜
在的親水性成分の好適例を以下に説明する。該成分は、
モノマー単位としてアクリル酸、イタコン酸、フマル酸
及びマレイン酸から選択される少なくとも一種の不飽和
カルボン酸の低級アルキルエステル単位を35〜90重
量%含有するランダム、ブロック又はグラフト共重合体
である。上記の不飽和カルボン酸の低級アルキルエステ
ル単位の含有量が、上記範囲未満ではインキ被膜の鹸化
処理時における被膜の膨潤が不十分であり、一方、上記
範囲を超えて使用しても本発明の効果は飽和し、特別の
利益はなく、不経済である。上記の不飽和カルボン酸の
うち不飽和モノカルボン酸の低級アルキルエステルは、
アクリル酸のメチル、エチル、プロピル又はブチルエス
テル等である。又、上記不飽和ジカルボン酸の低級アル
キルエステルは、低級アルキル基は上記と同じであっ
て、該酸のモノ又はジ低級アルキルエステルであり、好
ましくはジ低級アルキルエステルである。いずれの場合
も好ましい低級アルキルエステルはメチルエステルであ
る。又、これらの中ではアクリル酸のメチルエステルが
特異的に鹸化反応が早く選択的であるので好ましい。
【0008】本発明で使用する潜在的親水性成分を得る
に当たっては、上記のモノマー等と親水性モノマーを共
重合させることができる。共重合体中への親水性モノマ
ーの導入は、苛性ソーダ等のアルカリ存在下に印刷物中
の潜在的親水性成分と水との接触を促進させる作用のた
めであり、インキ被膜の脱離時の鹸化反応をスムーズに
進行させる。好ましい親水性モノマーとしては、例え
ば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、フマル酸、スチ
レンスルホン酸ソーダ、ビニルピリジン、末端に(メ
タ)アクリロイル基を有するポリエチレングリコール或
いはそのアルキルエーテル、ヒドロキシエチル(メタ)
アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ート等が挙げられる。尚、イオン性の親水性モノマー単
位はアンモニア、トリエチルアミン、モルホリン等の如
く熱によって脱離できる中和剤で処理しておいても良
い。特に印刷物の耐水性を考慮するとカルボン酸フリー
モノマーとの共重合が好ましい。
【0009】共重合体中の親水性モノマー単位の含有量
は、20重量%以下が好ましく、更に好ましくは0.5
〜15重量%である。親水性モノマー単位の含有量が2
0重量%を超える潜在的親水性成分は、インキの耐水性
あるいは接着性能を低下させるので好ましくない。又、
以上のモノマーと共重合可能なモノマーを共重合体の全
モノマー単位中に0〜45重量%の範囲で含有させるこ
とができる。かかるモノマーとしては、メタクリル酸の
低級アルキルエステル(低級アルキル基は前記と同じで
ある)、スチレン等の芳香族ビニル化合物等が挙げられ
るが、本発明の効果が損なわれないモノマーであれば特
に制限されない。
【0010】又、潜在的親水性成分は架橋重合体であっ
てもよく、架橋の方法は特に制限されない。例えば、前
記単量体と二官能以上の多官能性ビニル系のモノマーと
を共重合させることにより化学的に架橋した共重合体を
得ることができる。二官能以上のビニル系のモノマーと
しては、例えば、ジビニルベンゼン、(ポリ)エチレン
グリコールのジ(メタ)アクリルエステル、(ポリ)プ
ロピレングリコールのジ(メタ)アクリルエステル、多
価アルコールの(ポリ)(メタ)アクリルエステル等が
挙げられる。これらの単量体単位の含有量は共重合体中
に10重量%以下が好ましい。
【0011】上記の化学的架橋の他にも、分子鎖の集合
(凝集)や結晶化を利用し、これらを疑似架橋点とする
物理的架橋方法もある。物理的架橋方法としては、例え
ば、上記の他官能性ビニル系モノマーに代えて疎水性の
末端ビニル基を有する分子量4,000〜100,00
0程度のマクロマー、例えば、スチレンポリマー、(メ
タ)アクリル酸エステルポリマー(エステル残基の炭素
数1〜17)等を前記のモノマーと共重合させる方法が
挙げられる。親水性のマクロマー、例えば、末端ビニル
基を有するポリビニルアルコール等を用いてることもで
きる。得られる共重合体は、これらのマクロマーは側鎖
を形成し、いわゆるグラフト型の共重合体である。
【0012】上記以外の好ましい潜在的親水性成分とし
ては、例えば、物理的架橋を形成するポリスチレンブロ
ック(S)とポリブタジエンブロック(B)又は、ポリ
イソプレンブロックを有するS−B−S型又はS−I−
S型線状又はラジアルブロック共重合体(スチレン含有
量が5〜70重量%で、全体の分子量が約1万〜50
万)にチオグリコール酸メチルエステル等のチオグリコ
ール酸の低級アルキルエステル(低級アルキル基は前記
と同じである。)、必要によりチオグリコール酸を付加
したもの等が挙げられる。低級エステル基を有し、上記
の共役ジエンに付加可能な化合物はいずれも使用するこ
とができる。低級アルキル基含有化合物の付加量は、ブ
ロック共重合体中の該化合物が付加したブタジエン又は
イソプレン単位の量が30〜90重量%が好ましい。
尚、本発明の潜在的親水性成分の水膨潤度は、希苛性ソ
ーダ水溶液中に常温で1時間浸漬処理した後の状態が、
水可溶、コロイダル状、水膨潤状態のいずれであっても
よく、特に制限されない。架橋型潜在的親水性成分は、
特に水性あるいは分散型のインキに用いることができ
る。
【0013】以上の如き潜在的親水性成分を含む本発明
のインキ組成物は、水系溶解型、水分散型、溶剤分散
型、溶剤溶液型、粉末状等の何れの形態でも取り得る。
例えば、水分散型のインキとする場合には、上記潜在的
親水性成分は、乳化重合法、ソープフリー重合法、分散
重合法等で製造することができる。又、上記親水性成分
を他の形態のインキに使用する場合にも従来公知の重合
法を用いることによって製造することができ、重合の方
式は特に制限されない。
【0014】以上の如き潜在的親水性成分は、そのまま
従来公知インキ組成物として使用できる。通常のインキ
或いはインキ成分と混合することによって本発明のイン
キ組成物とすることもできる。インキ成分のベヒクルと
しては、天然物又は合成物のいずれでもよく、例えば、
蛋白質、カゼイン、デンプン;天然ゴム;クロロプレ
ン、イソプレン、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共
重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体等の合
成ゴム;アクリル系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、
塩化ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエ
チレン、ポリプロピレン及びそれらの塩素化物、ポリイ
ソブチレン、ポリビニルブチラール樹脂、シリコーン樹
脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、塩化ゴム、環化ゴム等
が挙げられる。尚、上記共重合体はランダム、ブロック
或いはグラフトのいずれの結合様式の共重合体であって
もよい。可塑剤としてジシクロヘキシルフタレート、ジ
オクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジブチルア
ジペート等が挙げられる。
【0015】本発明においては着色剤として顔料を用い
るが、例えば、群青、紺青、コバルトブルー、弁柄、鉄
黒、黄色酸化鉄、二酸化チタン、カーボンブラック、亜
鉛華、チタンブラック等の無機顔料、モノアゾ系顔料、
ジスアゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔
料、アンスラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、イソ
インドレニン系顔料、チオインジゴ系顔料、ジオキサジ
ン系顔料、ピロロピロール系顔料等有機顔料が挙げられ
る。更に、本発明のインキ組成物を印刷物の上に保護の
目的でクリヤーとして使用する場合等には着色剤は用い
ない場合もある。尚、本発明のインキ組成物には、上記
成分の他にワックス、界面活性剤、シリカ等のブロッキ
ング防止剤等を必要に応じて添加することもできる。
【0016】インキ成分と潜在的親水性成分の使用比率
は、その使用目的によって異なるが、一般的には潜在的
親水性成分を含む全インキ成分中の潜在的親水性成分の
含有割合は10〜95重量%が好ましく、更に好ましく
は10〜80重量%である。潜在的親水性成分の含有割
合が10重量%未満では、インキ被膜(及びラベル等)
の脱離時の鹸化処理におけるインキ被膜の膨潤度が小さ
く、インキ被膜の脱離が不十分で、インキ被膜が基材面
に残存する傾向にある。又、潜在的親水性成分の割合が
95重量%を超えると、インキとしての着色濃度あるい
は被膜の基材へのインキ特性を調整することができず実
用的ではない。
【0017】本発明のインキ組成物は、上記のインキ成
分と潜在的親水性成分とを均一に混合することによって
得ることができる。混合方法は、両者が均一に混合され
る方法であればればいずれの方法であってもよく、特に
制限されない。本発明のインキ組成物は、従来公知の印
刷、記録等及び塗布等の方法で使用されるものであり、
例えば、グラビアインキ、オフセットインキ、フレキソ
インキ等、電子写真トナ−、静電気記録トナー、熱転写
リボン、インクジェットインキ等、コーテング材等に使
用される。
【0018】本発明のインキ組成物は、プラスチック等
の基材に従来公知の方法で印刷等がされた各種印刷物の
作成に使用され、又、印刷物は成型品を着色したり、成
型品に文字や画像を付す等のために、成型品の表面に適
当な方法で取り付けられる。着色PETボトル等のプラ
スチック製容器は、プラスチック自体に着色剤が練り込
まれているため再生されず、焼却あるいは廃棄処分され
ている。プラスチック製容器、例えば、PETボトルを
直接着色せずに、本発明のインキ組成物で着色印刷層を
表面に形成した熱収縮性ポリマーフィルム(筒状)をP
ETボトル全体に被せ、これを加熱収縮させることで着
色PETボトルとすることができる。熱収縮性フィルム
もPETフィルムを用いれば、着色印刷層を脱離させる
ことができ、ボトルとともに再成可能である。上記の再
生事情はガラス製容器(ボトル等の)についても同様で
あり、PETボトルと同様にして着色印刷された熱収縮
性フィルムで無色ガラスボトルを被覆することで着色ガ
ラスボトルの製造が可能である
【0019】本発明のインキ被膜の脱離方法は、印刷物
や印刷物を表面に有する成形品(例えば、上記のPET
ボトル、ガラスボトル等)又は該成形品から剥した印刷
物を酸又はアルカリで鹸化処理するものである。鹸化に
よって生じるカルボキシル基をアルカリ金属の塩、例え
ば、ナトリウム塩やカリウム塩とすることが好ましく、
従って鹸化剤としてはカセイソーダや炭酸ソーダ等のア
ルカリ水溶液を用い、該水溶液中で鹸化処理を行なって
インキ被膜を脱離させることが好ましい。鹸化に際して
は鹸化反応を促進させる目的でアルカリ水溶液中にメタ
ノールやエタノール等を添加してもよい。
【0020】鹸化に際しては、印刷物や印刷加工物品を
そのまま、或いは細断してから鹸化処理液に投入する方
法等が挙げられるが、例えば、印刷されたプラスッチク
フィルムあるいはプラスッチク容器の場合にはシュレッ
ダー等で小片化した後に処理液に投入してゆっくり攪拌
しながら70から80℃に加熱して印刷物を脱離する方
法が好ましい。潜在的親水性成分を含有する印刷物等を
希アルカリによって鹸化処理することにより、印刷層は
溶解せずに凝集した状態で脱離され、処理液からの印刷
層の除去は容易であるが、これは潜在的親水性成分中の
架橋成分、疎水性セグメントの作用効果によるものと考
えられる
【0021】
【実施例】次に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説
明する。文中「部」及び「%」とあるのは特に断りのな
い限り重量基準である。
【0022】実施例1 (1)潜在的親水性成分の合成 30部のメチルアクリレート、10部のブチルメタアク
リレート、2部のアクリル酸、1部の2−ヒドロキシエ
チルメタクリレート、1部の末端に重合性のアクリロイ
ル基を有すポリスチレン(分子量約6000)、1部の
末端に重合性のアクリロイル基を有すポリエチレンオキ
サイド(分子量約200)、67.5部のメチルエチル
ケトン、40.5部のイソプロピルアルコール、27部
のシクロヘキサンと0.6部アゾビスイソブチロニトリ
ルを反応容器に添加し、窒素ガス雰囲気中、攪拌下に、
70℃で8時間重合した。得られた溶液中の重合体の固
形分は25%で、溶液は超微分散型であった。この重合
体の乾燥物を5%の苛性ソーダ水溶液に70℃で30分
間浸漬後水洗した時の状態はコロイダル分散体であっ
た。
【0023】(2)インキの調製 10部の溶性アゾ系顔料、12部のブチルメタアクリレ
ートを主体とする共重合体、3部の繊維素系樹脂、2部
のポリエチレン系ワックス、27部のイソプロピルアル
コール、27部の酢酸プロピル、6.5部の酢酸エチル
からなるグラビア印刷用インキを比較インキとして調製
した。又、上記インキ中の樹脂成分を潜在的親水性成分
/樹脂成分の比がそれぞれ0.25/1、0.5/1、
1/1及び2/1の混合物に代えて本発明のインキを調
製した。
【0024】以上のインキを用いて下記に従って印刷加
工物品を作製し印刷層の脱離性、耐水性及び接着性を試
験した。以下の実施例も同様である。 (3)印刷加工物品の作製 収縮PETフィルム(東洋紡績社製SC00:厚さ45
0μm)にバーコータ#4にて各インキを乾燥厚さが1
〜3μmとなるように塗布した後、80℃で10分間乾
燥した。 (4)試験方法 (1) 脱離試験 印刷したフィルムを85℃の1.5%NaOH水溶液に
浸漬し、所定経過時間毎に取り出し、弱攪拌をしながら
水洗し、印刷物の脱離状態を観察した。結果を以下のよ
うに表示する。試験結果を表1に示す。 ○:印刷層は完全に脱離し、印刷物は印刷前のPETフ
ィルムとなる △:印刷層は一部脱離するが、印刷層がPETフィルム
にも残っている ×:完全に印刷層がPETフィルムに残っている (2) 耐水性試験 印刷したフィルムをアルカリ処理液に変えて85℃の脱
イオン水に30分浸漬した後の脱離の有無を観察する。 (3) 接着性試験 脱離試験前にセロハンテープ剥離試験で剥離しないこと
を確認した。
【0025】試験結果 (1)脱離試験表1 脱離試験結果 (2)耐水性 いずれも脱離しなかった。
【0026】実施例2 実施例1と同じ潜在的親水性成分を用い、インキ成分顔
料と樹脂成分を以下のように変えたインキを作製した。
32部の酸化チタン顔料、23部のウレタン樹脂、1部
の繊維素系樹脂、0.4部ロジン、0.5部のポリエチ
レン系ワックス、26部のトルエン、14,5部のME
K、8.4部の酢酸エチル,7部のイソプロピルアルコ
ールからなるグラビア印刷用インキを比較インキとして
調製した。又、上記インキ中の樹脂成分を潜在的親水性
成分/樹脂成分の比がそれぞれ0.25/1、0.5/
1、1/1、2/1の混合物に代えて本発明のインキを
調製した。
【0027】結果 (1)脱離試験 表2 脱離試験結果 (2)耐水試験 いずれも脱離しなかった。 (3)接着試験 全サンプル剥離しなかった。
【0028】実施例3 潜在的親水性成分をアクリル酸を除いて調製する他は実
施例1と同様にしてインキを作製し、試験を行った。結
果は以下の通りである。 結果 (1)脱離試験 表3 脱離試験結果 処理時間を30分以上で0.25/1から0.5/1の
範囲で脱離可能であることが分かった。 (2)耐水試験 いずれも脱離しなかった。 (3)接着試験 全サンプル剥離しなかった。
【0029】実施例4 実施例1の潜在的親水性成分+樹脂成分の合計量に対し
て10%のスチレン−アクリル酸樹脂(分子量約160
0、スチレン分70%)を添加したものは実施例1の脱
離試験において△の評価が○になった。
【0030】実施例5 実施例1で用いたインキをPETフィルムをポリスチレ
ン、ポリ塩化ビニルのフィルムに代えて試験したところ
実施例1とほぼ同じ脱離結果を得た。
【0031】実施例6 15部のポリスチレン−ポリブタジエン−ポリスチレン
からなるブロック共重合体(ポリスチレン含有量30
%、分子量10万)を75部のトルエンと75部のメチ
ルエチルケトンに溶かし、窒素気流下に70℃に上昇し
て16.5部のチオグリコール酸メチル、3.5部のチ
オグリコール酸と0.3部のアゾビスイソブチロニトリ
ルを添加して12時間付加反応を行い、固形分18%の
溶液を得た。生成重合体を赤外吸収スペクトル分析した
結果、ポリブタジエンの不飽和基はほとんど消失してい
た。又、このものの鹸化後の水潜在的親水性成分度は約
100倍(容積比)であった。顔料を銅フタロシアニン
に代える他は実施例1と同様にしてインキを調製し、試
験した。結果を以下に示す。
【0032】結果 (1)脱離試験 表4 脱離試験結果 実験の全ての範囲で脱落可能であることが分かった。 (2)耐水試験 いずれも脱離しなかった。 (3)接着試験 全サンプル剥離しなかった。
【0033】実施例7 30部のメチルアクリレート、10部のエチルメタアク
リレート、1.5部のスチレンスルホン酸ソ−ダ、1.
5部のアクリル酸、0.01部の2−ヒドロキシエチル
メタクリレート、0.6部のジビニルベンゼン、0.1
部のドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、0.3部の過
硫酸カリウム及び200部の脱イオン水を反応容器に入
れ、窒素ガス雰囲気下で70℃で8時間重合し、重合後
の重合液のpHを8に調整した。得られた重合体(潜在
的親水性成分)を5%苛性ソーダ水溶液中に常温で1時
間浸漬処理した後の水膨潤度(脱イオン水)は200倍
であった(容積比)。この潜在的親水性成分と鹸化処理
後の赤外吸収スペクトルとガスマスの分析の結果アクリ
ル酸メチルが選択的に分解し、メタアクリル酸エチルは
ほとんど分解していないことが分かった。 〔トップコート材の調製〕スチレン−ブタジエン共重合
体ラッテクス(固形分50%)と上記親水性成分の比率
を親水性成分/樹脂成分の比をそれぞれ0.25/1、
0.5/1、1/1、2/1に調整したインキを作製し
た。これらのインキをダンボールに印刷して脱離試験を
行った結果、上記のすべての混合割合で脱離時間は15
分以下であった。
【0034】
【発明の効果】以上の本発明によれば、潜在的親水性成
分を含むインキ組成物を用いることによって、印刷層の
鹸化処理による水脱離が可能なプラスチック等の印刷物
及び印刷加工品が得られ、これらは再成可能である。本
発明のインキ組成物は上記詳述したプラスチック製品の
ほか同様に金属製品、ガラス製品、木製品、紙製品の印
刷、塗布、印字等にも使用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小熊 尚実 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 長沼 均 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 水本 貴雄 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 粟屋 勝文 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 高橋 正行 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 中村 道衛 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6号 大日精化工業株式会社内 Fターム(参考) 2H086 BA59 BA62 4J038 CG021 CG031 CG071 CP031 CQ001 CQ011 NA04 PC03 PC08 RA07 4J039 AD02 AD03 AD10 AD13 AD14 AD15 AD17 AD21 BE33 CA02 CA05 CA10 EA14 FA01 FA02 FA04 FA05 GA02 GA03 GA09 GA24

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インキ組成物成分中に実質的に水不溶性
    乃至水難溶性であり、且つ鹸化処理により水膨潤性乃至
    水溶解性となる成分を含有すること特徴とする水離脱型
    インキ組成物。
  2. 【請求項2】 インキ組成物成分中の該成分が、モノマ
    ー単位としてアクリル酸、イタコン酸、フマル酸又はマ
    レイン酸から選択される少なくとも一種の不飽和カルボ
    ン酸の低級アルキルエステル単位を35〜90重量%含
    有するランダム、ブロック又はグラフト共重合体である
    請求項1に記載のインキ組成物。
  3. 【請求項3】 インキ組成物成分中の該成分が、S−B
    −S型又はS−I−S型ブロック共重合体に低級アルキ
    ルエステル基を有する化合物を付加させたものである請
    求項1に記載のインキ組成物。
  4. 【請求項4】 全インキ組成物成分中の該成分の含有量
    が、10〜95重量%である請求項1〜3のいずれか1
    項に記載のインキ組成物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載のイ
    ンキ組成物を用いて印刷されたことを特徴とする印刷
    物。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の印刷物を表面に有するこ
    とを特徴とする成形品。
  7. 【請求項7】 熱収縮性フィルムを用いた印刷物で表面
    が被覆されたプラスチック製又はガラス製容器である請
    求項6に記載の成形品。
  8. 【請求項8】 請求項5に記載の印刷物又は請求項6に
    記載の成形品をアルカリ水で処理してこれらから印刷層
    を脱離させることを特徴とするインキ組成物被膜の脱離
    方法。
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