JP2001350411A - 熱収縮性ラベルからのインキ層の除去方法 - Google Patents

熱収縮性ラベルからのインキ層の除去方法

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JP2001350411A
JP2001350411A JP2000168188A JP2000168188A JP2001350411A JP 2001350411 A JP2001350411 A JP 2001350411A JP 2000168188 A JP2000168188 A JP 2000168188A JP 2000168188 A JP2000168188 A JP 2000168188A JP 2001350411 A JP2001350411 A JP 2001350411A
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JP2000168188A
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Mitsuo Morimatsu
三男 森松
Takashi Kobashi
隆士 小橋
Kazuyuki Ishida
和幸 石田
Takahiro Nakagawa
貴弘 中川
Akira Shintani
彰 新谷
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Fuji Seal Inc
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Fuji Seal Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱収縮性ラベルからインキ層を、比較的低温
のアルカリ水により効率よく脱離除去できる方法を提供
する。 【解決手段】 本発明のインキ層の除去方法は、アルカ
リ水脱離性インキ層を有する熱収縮性ラベルから該イン
キ層を脱離除去する方法であって、熱収縮性ラベルを非
水浸漬条件下で加熱収縮させた後、アルカリ水に接触さ
せてインキ層を脱離除去することを特徴とする。前記ア
ルカリ水脱離性インキ層は水性インキ印刷層であっても
よい。また、前記アルカリ水はアニオン系界面活性剤を
含有していてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルカリ水脱離性
のインキ層を有する熱収縮ラベルから該インキ層を脱離
除去する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ゴミ公害防止の目的で、飲料・酒
類、食品調味料や医薬品、化粧品等のガラス、プラスチ
ックや金属等の容器に装着するラベルとして、熱収縮性
フィルム(シュリンクフィルム)を基材とするいわゆる
熱収縮性ラベルが多用されている。また、地球環境問題
への意識の高まりから、ポリエチレンテレフタレート
(PET)ボトルなどのプラスチック製品等のリサイク
ルが推進されており、該リサイクルシステムの早期確立
が要請されている。
【0003】しかしながら、例えば熱収縮性ラベル付き
PETボトルなどの熱収縮性ラベルが装着された被着体
をリサイクルする際には、ラベルのインキ層に含まれる
インキが再生樹脂ペレット等の再生材料中に混入して着
色するため、回収再利用が困難であるという問題があ
る。
【0004】このような問題を解決するため、特開平1
1−209677号公報には、プラスチックフィルム等
に印刷されたインキ部分を希アルカリ水溶液によって短
時間で脱離できるインキとして、(A)ウレタン樹脂及
び/又はアクリル樹脂、及び(B)スチレン−アクリル
酸樹脂やスチレン−マレイン酸樹脂等とをビヒクルの主
成分とする脱離性を有するインキ組成物が開示されてい
る。しかし、このようなインキ組成物によって印刷され
た熱収縮性ラベルでも、80〜90℃程度の熱アルカリ
水で処理しなければインキ層を効率よく脱離除去できな
い。
【0005】また、特開平11−237841号公報に
は、熱可塑性重合体フィルムの少なくとも片面にアルカ
リ性温湯中で除去できるインキ層を有するラベルが開示
されており、インキ層にアルカリ性温湯中で除去できる
特性を付与する方法として、インキにポリアクリル酸又
はその金属塩やそれらの共重合体を添加する方法が例示
されている。しかし、この方法においても、90℃程度
以上の熱アルカリ水で処理する必要がある。
【0006】一方、環境衛生上、及び環境汚染防止等の
観点から、熱収縮性ラベルのインキ層を従来の油性イン
キから水性インキに置き換えることが検討されつつあ
る。このような水性インキは、一般に塗布時には水溶性
若しくは水分散性であるが、塗布後の乾燥により水不溶
性のインキ皮膜が形成される。このインキ皮膜はアルカ
リ水に溶解可能であるため、被着体のリサイクル時には
アルカリ水で処理することによりインキ層を脱離除去で
きる。しかし、この場合でも、高温の熱アルカリ水を用
いなければ速やかにインキ層を脱離させることができな
いという問題がある。
【0007】このように、従来のインキ層の脱離方法で
は、高温の熱アルカリ水を必要とするため、作業者にと
って危険であり、メンテナンスの面でも不利である。ま
た、リサイクル効率の向上及びコストの低減のため、よ
り短時間でインキ層を脱離できる方法が求められてい
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、熱収縮性ラベルからインキ層を、比較的低温のアル
カリ水により効率よく脱離除去できる方法を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、アルカリ水に接触さ
せる前に熱収縮性ラベルに特定の処理を施すか、または
アルカリ水中に特定の成分を添加することにより、比較
的低温のアルカリ水により容易にインキ層が脱離するこ
とを見出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明は、アルカリ水脱離性イ
ンキ層を有する熱収縮性ラベルから該インキ層を脱離除
去する方法であって、熱収縮性ラベルを非浸漬条件下で
加熱収縮させた後、アルカリ水に接触させてインキ層を
脱離除去することを特徴とする熱収縮性ラベルからのイ
ンキ層の除去方法を提供する。前記アルカリ水脱離性イ
ンキ層は水性インキ印刷層であってもよい。この方法に
おいて、前記アルカリ水はアニオン系界面活性剤を含有
していてもよい。
【0011】本発明は、また、アルカリ水脱離性インキ
層を有する熱収縮性ラベルから該インキ層を脱離除去す
る方法であって、熱収縮性ラベルをアニオン系界面活性
剤を含有するアルカリ水に接触させてインキ層を脱離除
去することを特徴とする熱収縮性ラベルからのインキ層
の除去方法を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における熱収縮性ラベルと
しては、熱収縮性フィルム(基材)の少なくとも片面に
アルカリ水脱離性インキ層を有していれば特に限定され
ない。熱収縮性フィルムとしては、例えば、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等からな
るポリエステルフィルム;スチレン−ブタジエンブロッ
ク共重合体等からなるスチレン系フィルム;ポリエチレ
ン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂からなるオレ
フィン系フィルム;塩化ビニル樹脂からなる塩化ビニル
系フィルムなどが挙げられる。これらは発泡フィルムで
あってもよい。また、熱収縮性フィルムは単層又は2層
以上の積層体であってもよい。
【0013】熱収縮性フィルムは、例えば、フィルムを
構成する樹脂を含む樹脂組成物をTダイや環状ダイから
押出成形し、得られた未延伸シートを一軸又は二軸延伸
することにより製造できる。熱収縮性フィルムの少なく
とも一方向X(主収縮方向)の熱収縮率は、各種容器等
への収縮密着性の点から、30%以上が好ましく、さら
に好ましくは50%以上である。熱収縮性フィルムの厚
さは、ラベルの取扱性等を考慮して適宜選択できるが、
通常10〜100μm程度、好ましくは20〜60μm
程度である。
【0014】熱収縮性フィルムの表面は、アルカリ水脱
離性インキ層との接着性を高めるため、必要に応じてコ
ロナ放電処理等の表面処理を施したり、アンカーコート
層を設けてもよい。アンカーコート層は従来公知のアン
カーコート剤などにより形成できる。
【0015】前記アルカリ水脱離性インキ層としては、
アルカリ性水溶液により溶解又は膨潤して基材より脱離
可能であればよく、油性インキ及び水性インキの何れに
より形成されたものであってもよい。
【0016】上記油性インキとしては、通常、着色剤、
バインダー樹脂及び有機溶剤に、アルカリ可溶性又は膨
潤性化合物を配合したものが用いられる。バインダー樹
脂としては、グラビア印刷等で用いられる慣用のインキ
用樹脂、例えば、ウレタン系樹脂(例えば、ウレタン尿
素樹脂、ポリエステルウレタン系樹脂、アクリルウレタ
ン系樹脂など)、アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、
ニトロセルロース、塩素化ポリプロピレンなどが挙げら
れる。これらの樹脂は単独で又は2種以上を組み合わせ
て使用できる。
【0017】アルカリ可溶性又は膨潤性化合物として
は、例えば、ポリアクリル酸、スチレン−アクリル酸共
重合体、スチレン−マレイン酸共重合体(スチレン−無
水マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸モノエス
テル共重合体を含む)、ロジンマレイン酸樹脂、フェノ
ール樹脂などのカルボキシル基や酸無水物基、フェノー
ル性ヒドロキシル基等の酸性基を有する単量体単位を含
むポリマー又はその塩;ポリエチレンオキサイド、ポリ
テトラメチレンオキサイドなどのポリエーテル類;ポリ
ビニルアルコール;塩化ナトリウムなどの無機塩;アス
コルビン酸、セバシン酸、アゼライン酸などの有機酸又
はその塩;アルコール類、エチレングリコールモノブチ
ルエーテルなどの多価アルコールのモノアルキルエーテ
ル類若しくはそのエステル、ケトン類、エーテル類、ア
ミド類などの有機溶剤等が挙げられる。これらの成分は
単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
【0018】アルカリ可溶性又は膨潤性化合物の量は、
インキ層の機械的特性や耐水性を損なわない範囲で適宜
選択でき、化合物の種類によっても異なるが、一般には
前記バインダー樹脂100重量部に対して0.1〜15
0重量部程度、好ましくは1〜100重量部程度であ
る。
【0019】前記油性インキは、必要に応じて、体質顔
料、ワックス、有機微粉末、可塑剤、耐候剤、蛍光増白
剤、滑剤、架橋剤、界面活性剤等の添加剤を含んでいて
もよい。
【0020】インキ層を形成する際に用いる水性インキ
としては、グラビア印刷等に通常用いられる水性印刷イ
ンキを使用できる。水性インキは、通常、着色剤と水溶
性又は水分散性のバインダー樹脂とを含んでいる。ま
た、水性インキは、一般に、その溶剤組成中に少なくと
も5重量%の水を含み、アンモニア水等のアルカリ水溶
液又は水で希釈できるという特徴を有する。
【0021】水性インキにおけるバインダー樹脂として
は、水に溶解又は分散可能な樹脂であればよく、例え
ば、アクリル系樹脂、ポリアクリルアミド系樹脂、ポリ
エチレンオキシド系樹脂、ポリN−ビニルピロリドン系
樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
アミド樹脂、アミノ系樹脂、フェノール系樹脂、ポリ酢
酸ビニル系樹脂、セルロース系樹脂、合成ゴムその他の
合成樹脂;ポリヌクレオチド、ポリペプチド、多糖類、
天然ゴムなどの天然高分子などを使用できる。これらの
樹脂は単独で又は2種以上組み合わせて使用できる。
【0022】前記バインダー樹脂は、その分子構造に、
水に溶解若しくは分散するために必要な極性基を有す
る。代表的なバインダー樹脂として、分子内にカルボキ
シル基スルホン基、リン酸基等の酸性基を有するアルカ
リ可溶性樹脂が挙げられる。この樹脂はアンモニアや低
分子量アミン化合物などによりアンモニウム塩又はアミ
ン塩として使用されるが、印刷後、乾燥によりアンモニ
アや低分子量アミンが脱離してカルボキシル基が遊離化
することにより水不溶性となる。
【0023】このような水性インキは、上記バインダー
樹脂と水を主体とする溶剤とをベヒクルの主成分とし、
これに、染料・顔料等の着色剤(例えば、フタロシアニ
ンブルー、カーボンブラック、酸化チタンなど)、必要
に応じて、分散剤、水溶性増粘剤、ワックス、体質顔
料、消泡剤、安定剤、潤滑剤等の添加剤を加え、混合機
等で混練することにより得ることができる。前記水を主
体とする溶剤には、水、及び水と水混和性の有機溶剤と
の混合溶剤が含まれる。前記水混和性の有機溶剤として
は、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルア
ルコール、イソプロピルアルコールなどのアルコール類
等が挙げられる。なお、ベヒクル中にケトンやエステル
系有機溶剤が少量(例えば2重量%未満)含まれていて
もよい。
【0024】また、耐水性などの向上を目的として、例
えば、多官能のアジリジン化合物、カルボジイミド化合
物、ヒドラジド化合物などの公知の硬化剤を使用時に用
いてバインダー樹脂を架橋させることもできる。
【0025】好ましい水性インキには、ポリウレタン系
水性インキ、ポリアクリル酸系水性インキが含まれ、そ
の代表的な例として、例えば、商品名「アクワLAB」
(東洋インキ(株)製)、商品名「W−PACK」(大
日精化(株)製)、商品名「エコピュア」(サカタイン
クス(株)製)、商品名「ファインラップWPV」(大
日本インキ(株)製)などが挙げられる。本発明では、
インキ層は、安全性、衛生性、環境保護の観点、脱離性
等の点から、水性インキ印刷層であるのが好ましい。
【0026】油性インキや水性インキの印刷法として
は、グラビア印刷、フレキソ印刷、スクリーン印刷等の
慣用の印刷法を採用できるが、その中でもグラビア印刷
が好ましい。アルカリ水脱離性インキ層は、そのデザイ
ン等により、単層及び多層の何れであってもよい。アル
カリ水脱離性インキ層の厚さは用途等により適宜選択で
きるが、一般には0.1〜100μm程度である。
【0027】本発明のインキ層の除去方法では、アルカ
リ水による処理の前に熱収縮性ラベルを非浸漬条件下で
加熱収縮させる。「非浸漬条件下」とは、アルカリ水等
の液体媒体中ではなく、例えば大気下等の気体雰囲気下
で行うことを意味する。この際、熱収縮性ラベルは容器
等の被着体から剥がした状態で加熱収縮させてもよい
が、例えば、熱収縮性ラベル付き容器等を粉砕若しくは
裁断するなど、熱収縮ラベルがさらに熱収縮可能な状態
にあれば、容器等に貼着した状態で加熱収縮させること
もできる。なお、加熱収縮させるため、熱収縮により容
器等に装着されたラベルはさらに収縮可能な残留収縮性
を有している必要がある。
【0028】加熱収縮処理に供するラベルの大きさは、
処理効率等を損なわない範囲で適宜設定でき、被着体装
着時の大きさのままであってもよいが、通常、0.1m
m角〜50mm角程度に粉砕若しくは裁断したものが使
用される。
【0029】加熱方法としては、特に制限はなく、例え
ば、熱風やスチームによる方法、輻射熱による方法など
が挙げられる。加熱温度としては、ラベル基材の種類に
応じて、容器等に熱収縮により装着された状態からさら
に熱収縮の可能な温度〜ラベル基材の溶融温度の範囲で
適宜選択できる。加熱収縮は、短時間(例えば5秒〜1
0分程度、好ましくは10秒〜2分程度)で行うのが好
ましい。加熱温度が高すぎたり、加熱時間が長すぎる
と、ラベルが平坦となり、インキ層が逆に剥がれ難くな
る場合がある。この加熱収縮処理におけるラベルの収縮
率は、容器等に装着する前の最初のフィルム状態を基準
として、好ましくは20%以上(〜限界収縮値まで)で
あり、さらに好ましくは40%以上である。
【0030】このように、熱収縮性ラベルを加熱収縮さ
せると、基材フィルムとインキ層間に大きな収縮応力が
生じ、インキ層にストレスが加わるので、次のアルカリ
水処理において、低温条件下であっても短時間内にイン
キ層を脱離除去できる。そのため、作業時の安全性が向
上する。また、水中に浸漬することなく加熱するので、
熱効率よく短時間でラベルを収縮させることができる。
従って、全体として省エネルギー及び設備のコンパクト
化が可能となり、コストの低減とメンテナンスの容易化
を図ることができる。
【0031】本発明では、上記のように被着体に装着し
た状態からさらに熱収縮させたラベルをアルカリ水に接
触させてインキ層を脱離除去する。この際、必要に応じ
てラベルを適当な大きさに粉砕若しくは裁断してアルカ
リ水処理に付してもよい。アルカリ水としては、アルカ
リ性物質を含有するアルカリ性の水溶液であれば特に限
定されず、その代表的な例として、水酸化ナトリウムや
水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物の水溶液、炭
酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩の水溶液、炭酸水
素ナトリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩の水溶液、ア
ンモニア水などが挙げられる。アルカリ性物質は単独で
又は2種以上組み合わせて使用できる。アルカリ水に
は、必要に応じて水混和性の有機溶媒が少量含まれてい
てもよい。
【0032】アルカリ水中のアルカリ性物質の濃度は、
インキ層の脱離能や操作性、作業性等を損なわない範囲
で適宜選択でき、その種類によっても異なるが、一般に
は0.1〜10重量%程度、好ましくは0.5〜5重量
%、さらに好ましくは1〜3重量%程度である。また、
アルカリ水のpHは、例えば8以上、好ましくは9以上
である。
【0033】アルカリ水中に、界面活性剤、特にアニオ
ン系界面活性剤を含有させると、インキ層の脱離が著し
く促進される。これは、界面活性剤の作用により、アル
カリ水がインキ層中に浸透しやすくなり、インキ層が速
やかに軟化するためと考えられる。
【0034】前記アニオン系界面活性剤としては、例え
ば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキ
ルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ナトリ
ウム−ホルムアルデヒド縮合物、スルホコハク酸ビス
(2−エチルヘキシル)ナトリウム等のスルホコハク酸
ジアルキルエステル塩などのスルホン酸型アニオン系界
面活性剤;ラウリン酸ナトリウム等の脂肪族モノカルボ
ン酸塩、ラウロイルグルタミン酸ナトリウム等のN−ア
シロイルグルタミン酸塩などのカルボン酸型アニオン系
界面活性剤;硫酸ドデシルナトリウム等の硫酸アルキル
塩などの硫酸エステル型アニオン系界面活性剤などが挙
げられる。これらの界面活性剤は単独で又は2種以上組
み合わせて使用できる。界面活性剤のアルカリ水中にお
ける濃度は、例えば0.01〜5.0重量%、好ましく
は0.1〜1.0重量%程度である。
【0035】なお、本発明では、熱収縮性ラベルを、非
浸漬条件下で加熱収縮させる操作を行うことなく、その
まま前記界面活性剤を含有するアルカリ水に接触させて
もよい。このような場合でも、インキ層の脱離速度が速
くなり、比較的低温下でも短時間でインキ層を脱離除去
することができる。
【0036】アルカリ水による処理温度は、インキ層の
脱離効率や操作性、作業性等を考慮して、例えば100
℃以下の範囲で適宜選択できるが、本発明では、前記加
熱収縮により基材フィルムとインキ層との間の界面に大
きな力が加わっているため、室温(例えば25℃)〜7
0℃程度の比較的低温でも、インキ層を短時間内に脱離
除去することができる。処理時間は30分以内、特に2
0分以内が好ましい。アルカリ水の使用量は、ラベルの
大きさ等により適宜選択できるが、一般には、ラベル1
00重量部に対して、20〜2000重量部程度であ
る。また、インキ層の脱離率は90%以上が好ましく、
より好ましくは99%以上、特に好ましくは99.9%
以上である。
【0037】熱収縮性ラベルをアルカリ水と接触させる
方法としては、特に制限はなく、例えば、該ラベルをア
ルカリ水中に浸漬する方法、該ラベルにアルカリ水を噴
霧する方法などが採用される。アルカリ水処理は、バッ
チ式、連続式、多段方式などの何れの方式で行うことも
できる。処理に用いたアルカリ水は循環使用してもよ
い。
【0038】こうしてインキ層が脱離除去されたラベル
は、通常、水洗、乾燥工程を経た後、リサイクルに供さ
れる。なお、ラベルをボトル等の被着体と一緒に前記加
熱収縮処理及び/又はアルカリ水処理に付した場合にお
いて、ラベル基材と被着体の材料が同種のポリマーであ
る場合にはこれらを分離することなく溶融し、ペレット
化等することにより回収、再利用できる。また、ラベル
基材と被着体の材料が異種のポリマーである場合には、
液比重分離や風力比重分離等によりこれらを分離し、回
収工程に供することができる。
【0039】本発明の方法は、プラスチック製容器、ガ
ラス製容器、金属製容器等の種々の被着体に装着された
熱収縮性ラベルのインキ層の除去に広く適用可能である
が、特に、リサイクルの要請の高いPETボトル等のプ
ラスチック製容器に装着された熱収縮性ラベルのインキ
層の除去に有用である。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいてより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0041】実施例1 スチレン−ブタジエンブロック共重合体よりなる横一軸
熱収縮性フィルム(厚さ:55μm、収縮率:温水90
℃において縦方向−3%、横方向55%)の表面に、ア
ンカーコート剤(商品名「ACニス」、サカタインクス
(株)製)を塗布し、さらに水性印刷インキ(商品名
「ファインラップWPV」、大日本インキ化学工業
(株)製)を用いてグラビア印刷を施すことにより熱収
縮性ラベルを得た。水性インキ印刷層の厚さは2μmで
あった。この熱収縮性ラベルを、水性インキ印刷層が内
側となり、熱収縮性フィルムの主収縮方向が周方向とな
るように筒状に丸め、終端部を重ね合わせて接着剤で接
着し、筒状の熱収縮性ラベルとした。この筒状ラベルを
ポリエチレンテレフタレート製ボトル(PETボトル)
の胴部に被せ、熱風ドライヤーで熱風を吹き付けてPE
Tボトルに密着させ、自然冷却した。装着したラベルを
剥がし、100℃のオーブン中に1分間入れて加熱収縮
させた後、60℃の3重量%水酸化ナトリウム水溶液中
に10分間浸漬した。ラベルを取り出して観察したとこ
ろ、インキ層は完全に除去されていた。
【0042】実施例2 実施例1と同様にして作製した筒状の熱収縮性ラベルを
ポリエチレンテレフタレート製ボトル(PETボトル)
の胴部に被せ、熱風ドライヤーで熱風を吹き付けてPE
Tボトルに密着させ、自然冷却した。装着したラベルを
剥がし、100℃のオーブン中に10秒間入れて加熱収
縮させた後、60℃の3重量%水酸化ナトリウム水溶液
(ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.5重量
%含む)中に5分間浸漬した。ラベルを取り出して観察
したところ、インキ層は完全に除去されていた。
【0043】実施例3 実施例1と同様にして作製した筒状の熱収縮性ラベルを
ポリエチレンテレフタレート製ボトル(PETボトル)
の胴部に被せ、熱風ドライヤーで熱風を吹き付けてPE
Tボトルに密着させ、自然冷却した。装着したラベルを
剥がし、60℃の3重量%水酸化ナトリウム水溶液(ド
デシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0.5重量%含
む)中に30分間浸漬した。ラベルを取り出して観察し
たところ、インキ層は完全に除去されていた。
【0044】比較例1 実施例1と同様にして作製した筒状の熱収縮性ラベルを
ポリエチレンテレフタレート製ボトル(PETボトル)
の胴部に被せ、熱風ドライヤーで熱風を吹き付けてPE
Tボトルに密着させ、自然冷却した。装着したラベルを
剥がし、60℃の3重量%水酸化ナトリウム水溶液中に
10分間浸漬した。ラベルを取り出して観察したとこ
ろ、インキ層は完全には除去されておらず、半分程度残
留していた。
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、ラベルをアルカリ水処
理する前に非浸漬条件下で熱収縮させるか、又はアニオ
ン系界面活性剤を含有するアルカリ水により処理するの
で、比較的低温のアルカリ水によりインキ層を効率よく
脱離除去できる。そのため、作業の安全性が向上すると
共に、省エネルギー及び設備のコンパクト化が可能とな
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石田 和幸 三重県名張市八幡字口入野1300番3 株式 会社フジシール名張工場内 (72)発明者 中川 貴弘 三重県名張市八幡字口入野1300番3 株式 会社フジシール名張工場内 (72)発明者 新谷 彰 三重県名張市八幡字口入野1300番3 株式 会社フジシール名張工場内 Fターム(参考) 4F301 AA12 AA15 AA25 AC04 AC12 BA21 BF06 BF29 BF31

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルカリ水脱離性インキ層を有する熱収
    縮性ラベルから該インキ層を脱離除去する方法であっ
    て、熱収縮性ラベルを非浸漬条件下で加熱収縮させた
    後、アルカリ水に接触させてインキ層を脱離除去するこ
    とを特徴とする熱収縮性ラベルからのインキ層の除去方
    法。
  2. 【請求項2】 アルカリ水脱離性インキ層が水性インキ
    印刷層である請求項1記載のインキ層の除去方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ水がアニオン系界面活性剤を含
    有する請求項1記載のインキ層の除去方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ水脱離性インキ層を有する熱収
    縮性ラベルから該インキ層を脱離除去する方法であっ
    て、熱収縮性ラベルをアニオン系界面活性剤を含有する
    アルカリ水に接触させてインキ層を脱離除去することを
    特徴とする熱収縮性ラベルからのインキ層の除去方法。
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