JP3739973B2 - 脱離性表面層を有する物品、脱離性表面層形成材料、該物品から該表面層を脱離、除去する方法及び該表面層が除去された物品 - Google Patents

脱離性表面層を有する物品、脱離性表面層形成材料、該物品から該表面層を脱離、除去する方法及び該表面層が除去された物品 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、その表面に耐水性及び意匠性に優れた文字や模様等の印刷物の形成が可能で、且つ必要に応じて該印刷物を水系溶液で容易に脱離可能なプラスチック容器やプラスチック包装容器等の物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、プラスチックは、容器、包装袋等と極めて多岐にわたる用途で使用されており、それらの多くはその表面が印刷されたり、印刷加工されている。
プラスチックは自然界で分解しにくいこと、省資源、経済性等より一部は分別され回収されており、再生加工されて二次製品として利用されている。
しかし、再生に際して印刷等が施されたプラスチック製品が混入すると再生製品全体が着色されたり、あるいは部分的に着色されることから、再生製品の着色は商品価値を著しく低下させ、再使用できない場合が多く、また、物性的に致命的な欠点を起こす場合がある。
このような印刷等が施されたプラスチック製品は、回収(再使用のための)されず廃棄されているのが現状である。
昨今、ダイオキシン等の環境汚染が社会問題となり、特に焼却が問題となっており、リサイクルできる方法が強く求められている。
【0003】
印刷等が施されているプラスチックフィルム、プラスッチク容器等は再生利用されることは少なく、ほとんど廃棄されているのが現状である。
しかし、リサイクルの観点から、印刷されたプラスチックを脱色する特殊な方法が提案されている。
例えば、特公昭52−26549号公報には、印刷被膜成分を、それを溶解若しくは膨潤させる溶媒で脱離(剥離)させて脱色させる方法が記載されている。この溶媒を用いる方法は、廃液中に存在する有機溶媒の分離回収、引火性等を考えると防爆装置の設置、安全管理上等問題点が多い。又、希アルカリ水溶液で処理する方法は、単純で経済的であるが、印刷インキは一般的にウレタン樹脂、アクリル樹脂、繊維系樹脂、ロジン、エチレン−酢酸ビニル共重合体等の疎水性のポリマーを用いることが多いのでアルカリ処理をしても簡単には脱離させることはできない。
【0004】
更に、特公昭58−152913号公報、特願平10−135582号明細書、あるいは特願平10−257711号明細書においては、印刷インキ中にアルカリ可溶性のポリマーあるいは水膨潤性ポリマーを添加し、印刷物をアルカリ性の処理液で処理して脱落させる内添方法が検討されている。
この内添方法は、インキ物性と脱離性を兼ね備えた組み合わせからなる優れた方法であるが、適用範囲が狭いのが問題である。例えば、使用するインキ中のポリマーとの相溶性を考慮してアルカリ可溶性のポリマーを添加しないと、印刷物の艶、透明性を低下させ、印刷インキの凝集、増粘現象を起こして印刷インキとしての適性を欠くことになる。又、インキの中の樹脂が、エラスティック特性を持たない場合には、アルカリ可溶性ポリマーあるいは水膨潤性ポリマーの添加によって印刷物を脱離させようとしても自発的に脱落せず、更には、その脱落物が微小の分散体となり、脱落体を回収するには細かく前処理をするか、あるいは高価な濾過装置を設置しなければならない場合が多い。
このような難点を回避し、プラスチックフィルムやプラスチック容器に印刷された印刷物(インキ被膜)を希アルカリ水溶液で処理し、無色の状態でプラスチック容器等を回収及び再生することが当面の大きな課題である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、文字や模様等の印刷物の諸物性を落とすことなく、従来の印刷インキによるプラスチックフィルムやプラスチック容器及びガラス容器等への物品への皮膜形成が可能で、且つ、リサイクル時に、水系溶液による処理で印刷物(インキ被膜)を容易に脱離(剥離)及び除去することができる物品及び該物品からの印刷物の脱離及び除去方法を提供することである。
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、基材(物品の)と印刷物との中間に、両者に対して良好なる接着性を有し、且つ熱希アルカリ水処理で基材より脱離可能な脱離層を設けることにより、その上に特殊なインキを使用する必要がなく、通常のインキを使用して艶、透明性、接着性、耐水性、印刷適性等の基礎物性を有する印刷物の形成が可能な物品が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は以下の本発明によって達成される。即ち、本発明は、その上に印刷物を形成する脱離層を表面に有する物品において、上記脱離層は、少なくとも、分子中にモノマー単位としてアクリル酸のメチルエステル単位を35〜90重量%含有する共重合体からなる材料で形成されていることを特徴とする脱離性表面層を有する物品及び印刷物が形成された上記の離脱層を表面に有する物品をアルカリ水溶液で処理し、該離脱層を物品から脱離させることを特徴とする脱離性表面層を有する物品からの脱離性表面層の脱離、除去方法である。
【0008】
物品の表面に脱離層を設けることによって、通常の印刷インキによって通常のインキ特性を有する印刷物が形成され、且つ、当該印刷された物品のリサイクル時には、印刷が形成された脱離層は熱希アルカリ水溶液によって物品より剥がれ、上層の印刷物(インキ被膜)はそれと一緒に層状に剥離するので後処理も極めて容易になる
更に詳しくは、水系での鹸化処理によって処理液は脱離層に達し、脱離層は鹸化反応することによって親水化、可溶化、又は、膨潤等によって物品との接着性が無くなり、脱離層は印刷物ごと自発的にフィルム状或いは凝集的に物品から脱落することにより、脱離物の分離等の後処理も容易になる。
【0009】
【発明の実施の形態】
次に好ましい実施の形態を挙げて本発明を更に詳細に説明する。
本発明の特徴は、物品の表面に形成され、その上に直接又は他の層を設けて印刷加工を行う脱離層が、少なくとも、鹸化反応、続いての中和工程によって水膨潤性乃至水溶解性となるポリマー(以下では潜在的親水性ポリマーと称する。)で形成されていることである。
本発明で使用する潜在的親水性ポリマーは、アクリル酸の低級アルキルエステル単位をポリマー分子中に35〜90重量%含有するコポリマー(共重合体)である。このコポリマーはランダム、ブロック又はグラフトコポリマーのいずれでも、あるいはこれらの混合物であってもよい。この低級アルキルエステル単位が35重量%未満では脱離層被膜の鹸化処理時における親水化が不十分で、物品を構成する基材からの脱離が困難であり、一方、90重量%を超えても脱離性は変わらなくなり、不経済であり、特別の利益はない。
【0010】
アクリル酸の低級アルキルエステルとしては、メチルエステルが用いられるが、メチル基は特異的に鹸化反応が早く、選択的であるのでメチルエステルを利用することが好適である。更に好ましくは、これらと無水マレイン酸及び/又酢酸ビニルとの共重体もアルカリ溶液中での脱離効果には有効である。
【0011】
本発明で使用する潜在的親水性ポリマーは、その構成全モノマー単位中に、更に、親水性モノマー単位を0.01〜15重量%の範囲、好ましくは0.5〜10重量%の範囲で含有させることができる。親水性モノマー単位の導入は、脱離層を苛性ソーダ等のアルカリの存在下で、潜在的親水性ポリマーを水と接触させる作用があり、印刷物(インキ被膜)を脱離させるための脱離層の鹸化反応をスムーズに進行させるので好ましい。親水性モノマー単位が0.01重量%未満では鹸化反応の進行が著しく遅くなり、15重量%を超えても反応性は変わらず、耐水性を低下させるので好ましくない。
好ましい親水性モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸及びその無水物、フマル酸、スチレンスルホン酸ソーダ、ビニルピリジン、末端にアクリロイル基を有するポリエチレングリコールあるいはそのアルキルエーテル等が挙げられる。尚、イオン性の親水性モノマー単位はアンモニア、トリエチルアミン、モルホリン等の如く熱によって脱離できる中和剤で予め処理しておいてもい。
【0012】
本発明で使用する潜在的親水性ポリマーは、上記のモノマーとともにこれらと共重合可能なモノマー等を従来公知の重合手法、例えば、乳化重合法、ソープフリー重合法、分散重合法等で共重合させることによって得ることができる。このようなモノマーとしては、例えば、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステル類;ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;N,N′−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N′−ジエチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド類;スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;メタクリル酸、酢酸ビニル、塩化ビニル等が挙げられる。これらは一種又は二種以上で用いられ、全モノマー中、前記及び下記のモノマーの使用量の残部の量で使用される。
【0013】
又、本発明で使用する潜在的親水性ポリマーは、架橋重合体であってもよく、架橋の形態は、前記モノマーと二官能性以上のビニル系モノマーとの共重合体による化学的架橋、あるいは物理的集合や結晶構造の集合による物理的架橋構造の形成であってもよい。
化学的架橋に使用される二官能性以上の重合性のビニルモノマーとしては、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリルエステル、プロピレングリコールジ(メタ)アクリルエステル、多価アルコールの(メタ)アクリルエステル等が挙げられる。これらは一種又は二種以上で用いられ、全モノマー単位中に通常0.05〜10重量%となる範囲で用いられる。
【0014】
物理的架橋方法としては、グラフト型としては例えば疎水性のポリマーの末端に重合性基を有する分子量4,000〜30,000程度のマクロマー、例えば、スチレンポリマー、(メタ)アクリル酸エステルポリマー(エステル残基の炭素数1〜17)等を共重合させる方法が挙げられる。
架橋された潜在的親水性ポリマーは、物品から脱離した時の凝集性が大きく、回収を容易にするので好ましい。
【0015】
以上の如き潜在的親水性ポリマーに、必要により、他の疎水性のポリマー、例えば、蛋白質、カゼイン、デンプン、天然ゴム;ポリイソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム等の合成ゴム;アクリル系共重合体、酢酸ビニル系共重合体、塩化ビニル系共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアミド、ポリエステル、ポリエチレンやポリプロピレン及びそれらの塩素化物、ポリイソブチレン、ポリビニルブチラール樹脂、シリコーン樹脂、クマロン樹脂、ケトン樹脂、塩化ゴム、環化ゴム等を混合して使用することができる。上記共重合体はランダム、ブロックあるいはグラフトのいずれの結合様式の共重合体であってもよい。更に、可塑剤としてジシクロヘキシルフタレート、ジオクチルフタレート、ジブチルフタレート、ジブチルアジペート等を用いることもできる。これらの使用量は本発明の効果が損なわれない範囲であれば特に制限されない。疎水性ポリマーは、通常、潜在的親水性ポリマー100重量部に対して65重量部以下の割合で使用される。65重量部を超えると脱離層の脱離性が困難となる傾向にある。
【0016】
本発明において物品の表面に脱離層を形成する場合には、上記の潜在的ポリマーは、必要に応じて、疎水性ポリマーとともに、適当な濃度の溶液(水系、溶剤系の)あるいは分散液(水系、溶剤系の)として、又、粉末状で物品(基材)表面に塗布され、脱離層が形成される。尚、必要に応じて上記成分の他にワックス、界面活性剤、シリカ等のブロッキング防止剤等を添加することができる。
塗布量は乾燥厚さが0.01〜20μmとなる量が好ましい。0.01μm未満では均一な塗布が困難であり、20μmを超える量では不経済であり、実用的でない。
【0017】
物品表面への塗布は通常の方法で行うことができ、特に限定されない。例えば、グラビア、凸版(フレキソ)、ロールコータ、リバースロールコータ(転写方式)、スプレー方式等が用いられる。脱離層の形成と印刷等は連続式(インライン)であっても、脱離層の形成と印刷等を別々に行っても良い。
本発明においては、物品への印刷加工は物品表面に形成された脱離層へ直接おこなっても、脱離層上に他の層を形成し、この上に行ってもよい。
【0018】
他の層を形成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル(PET等)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリスチレン、ナイロン、セロファン等が挙げられる。これらの材料による脱離層上への被膜形成法は特に限定されない。通常、これらのフィルムを用い、従来公知の方法でラミネートすることで他の層が形成される。尚、フィルムは延伸、未延伸、表面処理の有無にかかわらず、いずれも使用できる。
【0019】
本発明における、表面に脱離層を形成する物品としては、例えば、容器や包装用フィルム等の各種プラスチック製品、ガラス製品、木製品、紙製品や鉄製品等が挙げられる。これらの物品の形状は特に限定されない。又、印刷加工方式も特に限定されず、例えば、印刷、塗布、印字等の方式が挙げられる。
【0020】
本発明の脱離層を表面に有する物品に形成された印刷物を脱離、除去するためには、例えば、文字や模様等が印刷されたプラスッチクフィルムやプラスッチク容器等を、必要によってはシュレッダー等で小片化した後に処理液に浸漬して鹸化処理することよって行われる。
該物品を該処理液に投入し、ゆっくり攪拌しながら70から80℃に加熱して脱離層を脱離、除去する方法が好ましい。脱離層の鹸化処理は、酸及びアルカリのいずれによって行なってもよいが、鹸化によって生じるカルボキシル基をアルカリ金属の塩、例えば、ナトリウム塩やカリウム塩とすることが好ましい。
従って、鹸化剤としてはカセイソーダや炭酸ソーダ等のアルカリ水溶液を用い、脱離層を膨潤あるいは溶解させることで印刷物(インキ被膜)を脱離させることが好ましい。鹸化に際しては鹸化反応を促進させる目的でアルカリ水溶液中にメタノールやエタノール等を添加してもよい。
【0021】
【実施例】
次に実施例、参考例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。尚、文中「部」又は「%」とあるのは特に断りのない限り重量基準である。
【0022】
合成例1(潜在的親水性ポリマーの合成例):材料A
60部のメチルアクリレート、20部のブチルメタアクリレート、5部のアクリル酸、5部の2−ヒドロキシエチルメタクリレート、10部の末端に重合性のアクリロイル基を有すポリスチレン(分子量約6000)、210部の酢酸エチル、90部のイソプロピルアルコール、及び1.2部のアゾビスイソブチロニトリルを反応容器に仕込み、攪拌下、窒素ガス雰囲気下で75℃で8時間重合した。重合体の固形分は25%の超微分散型の溶液であった。
上記と同様にして表1に記載の材料K以外の材料を合成した。
【0023】
合成例2(潜在的親水性ポリマーの合成例):材料K
69部のメチルアクリレート、23.2部のエチルメタアクリレート、3.5部のスチレンスルホン酸ソーダ、3.5部のアクリル酸、0.8部のジビニルベンゼン、0.1部のドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、0.6部の過硫酸カリウム及び400部の脱イオン水を反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下で70℃で8時間重合し、重合液のpHを6に調整した。得られた重合体(潜在的親水性ポリマー)を5%苛性ソーダ水溶液中に常温で1時間浸漬処理後の重合体の水膨潤度(脱イオン水)は200倍であった(容積比)。
この潜在的親水性ポリマーの鹸化処理前後の赤外吸収スペクトルとガスマスの分析の結果、アクリル酸メチルが選択的に分解し、メタアクリル酸エチルはほとんど分解していないことが分かった。
【0024】
Figure 0003739973
【0025】
(注) MA:メチルアクリレート
MMA:メチルメタアクリレート
BMA:ブチルメタアクリレート
PA:n−プロピルアクリレート
HEMA:ヒドキシエチルメタアクリレート
DMA:N,N′−ジメチルアクリルアミド
DVB:ジビニルベンゼン
EA:エチルアクリレート
EMA:エチルメタクリレート
AA:アクリル酸
MAA:メタアクリル酸
MAH:無水マレイン酸
HM:マレイン酸モノメチルエステル
St:スチレン
VAc:酢酸ビニル
MS:分子量6000の末端にアクリロイル基を有するポリスチレン
(1)イソプロピルアルコール/エチルアセテート=3/7(重量比)
(2)イソプロピルアルコール/エチルアセテート=7/3(重量比)
(3)イソプロピルアルコール/エチルアセテート=1/1(重量比)
【0026】
実施例1〜118〜19、参考例15〜17、比較例1〜13
表1に記載の組成の共重合体を用いた脱離層を、表に記載のプラスチックフィルム(厚さ25μm)表面に形成し、印刷インキを塗布した。
(1)脱離層の形成
各共重合体の超微分散型の溶液又はラテックス(材料K)を乾燥厚さが約5μmとなるように表記載のプラスチックフィルムに塗布し、80℃で5分間で乾燥する。
尚、表に記載の各プラスチックフィルムは以下の通りである。
HDPE:高密度ポリエチレン
PET:処理PET(ポリエチレンテレフタレート)
S−PET:シュリンクPET
S−PS:シュリンクPS(ポリスチレン)
OPP:2軸延伸処理ポリプロピレン
【0027】
(2)インキの調整
〔1〕インキI
シアニンブルー10部、ポリアミド15部、硝化綿3部、添加剤10部及び溶剤(トルエン/イソプロピルアルコール/酢酸エチル)62部からなるインキを常法に従って作製した。
〔2〕インキII
不溶性アゾ系顔料10部、ブチルメタアクリレートを主体とする共重合体12部、繊維素系樹脂3部、ポリエチレン系ワックス2部と、イソプロピルアルコール27部、酢酸プロピル27部、及び酢酸エチル6.5部からなるグラビア印刷用インキを比較インキとして調製した。
〔3〕インキIII
インキI中の樹脂に材料Aが30重量%になるように混合したインキを調製した。
【0028】
(3)脱離層への印刷
乾燥時に約5ミクロン厚になるようにインキを塗布した。脱離層のない場合にはプラスチックフィルム上に乾燥時に約5ミクロンになるようにインキを塗布した。
【0029】
以上のインキが塗布されたプラスチックフィルムについて脱離性、耐水性及び接着性を試験した。試験方法は以下の通りである。試験結果を表2〜4に示す。
(1)脱離性試験
印刷したフィルムを85℃の1.5%NaOH水溶液に浸漬し、簡単攪拌をしながら印刷物の脱離状態を観察する。
印刷物が自発的(浸漬後にフィルムを取り出し、流水に曝したり、擦る等の作用を与えずに浸漬中に自然に)にほぼ完全に40分以内に脱落する時間(分)を表示した。自発的脱離が生じない場合の表示は下記の通りである。
△+:一部印刷物がフィルム上に残るか、全面に残るが流水によって完全脱離する場合
△−:全面に残るが流水によっては脱離しないが、印刷物を擦ると脱落する場合
×:完全に印刷物が残り、擦っても脱離しない場合
【0030】
(2)耐水性試験
印刷したフィルムを85℃の脱イオン水に30分浸漬後の脱落有無を観察する。結果の表示は下記の通りである。
○:流水でも脱離しない場合
×:自発的あるいは流水で脱離する場合
(3)接着性試験
脱離試験する前に印刷物がセロテープ剥離試験で剥離しないことを確認した。あるいは通常使用されているインキと同程度であること確認後試験を実施した。
【0031】
Figure 0003739973
【0032】
Figure 0003739973
【0033】
Figure 0003739973
【0034】
Figure 0003739973
【0035】
【発明の効果】
本発明とインキ中に該潜在的親水性ポリマーを添加した場合(インキ内添法)を比較すると、本発明では物品からの印刷層の脱離は、脱離層が希アルカリによる鹸化処理によって基材(物品)から全面剥離することにより同時に脱離するために、脱離速度が速く、更に、脱離は自発的である。又、インキ層の疎水状態は失われないので、印刷層は小片化せずにフィルム状あるいは塊状で脱離するために脱離物は除去が容易である。
これに対してインキ内添法は、基材との接着面において親水面と疎水面が混在する状態であるために、印刷層は自発的に脱落せずに外的な力によって脱落させる必要がある。又、親水性のポリマーによって疎水性のインキ層(印刷層)は分割されるので小片化される脱離物は細かくなる傾向にあり回収には工夫が必要となる。
このように本発明は機能を2分化することにより作用効果は顕著なものとなった。

Claims (6)

  1. その上に印刷物を形成する脱離層を表面に有する物品において、上記脱離層は、少なくとも、分子中にモノマー単位としてアクリル酸のメチルエステル単位を35〜90重量%含有する共重合体からなる材料で形成されていることを特徴とする脱離性表面層を有する物品。
  2. 上記共重合体、更に、その単独ポリマーが水可溶性であるモノマー単位を0.01〜15重量%含む請求項に記載の脱離性表面層を有する物品。
  3. その上に印刷物を設ける脱離層を物品表面に形成するための材料において、該材料は、分子中にモノマー単位としてアクリル酸のメチルエステル単位を35〜90重量%含有す重合体であることを特徴とする脱離性表面層形成材料。
  4. 脱離層上に印刷物が形成された請求項1または2に記載の脱離性表面層を有する物品を、アルカリ性水溶液で処理して該物品から脱離層を脱離させることを特徴とする物品からの脱離性表面層を脱離、除去する方法。
  5. アルカリ性水溶液がアルカリ金属水酸化物の熱水溶液である請求項に記載の物品からの脱離性表面層を脱離、除去する方法。
  6. 請求項に記載の方法で脱離性表面層が除去されたことを特徴とする脱離性表面層が除去された物品。
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