JP3745019B2 - フィルムおよびその用途 - Google Patents

フィルムおよびその用途 Download PDF

Info

Publication number
JP3745019B2
JP3745019B2 JP10024896A JP10024896A JP3745019B2 JP 3745019 B2 JP3745019 B2 JP 3745019B2 JP 10024896 A JP10024896 A JP 10024896A JP 10024896 A JP10024896 A JP 10024896A JP 3745019 B2 JP3745019 B2 JP 3745019B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polymer
film
polymerization
adhesive
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP10024896A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0912606A (ja
Inventor
博 山▲崎▼
賢次 南
洋平 村上
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Shokubai Co Ltd filed Critical Nippon Shokubai Co Ltd
Priority to JP10024896A priority Critical patent/JP3745019B2/ja
Publication of JPH0912606A publication Critical patent/JPH0912606A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3745019B2 publication Critical patent/JP3745019B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
  • Manufacture Of Macromolecular Shaped Articles (AREA)
  • Adhesive Tapes (AREA)
  • Polymerisation Methods In General (AREA)
  • Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ガラス転移温度(以下、Tgと略す)に特定の分布を有するビニル系重合体からなるフィルムとその用途に関する。
【0002】
本発明のフィルムは包装袋やラベル基材に用いることができ、粘着加工を施して粘(接)着シートとして用いることもできる。
【0003】
本発明の粘(接)着シートは、フィルムまたはシートを被着体に貼着する用途全般、例えばラベル、テープ、マーキングフィルムなどに用いることができる。また本発明の重合体は、コーティング剤および加工紙を構成する重合体として用いることもできる。
【0004】
【従来の技術】
一般に、ビニル系重合体の多くは、20℃程度の狭い温度範囲でガラス転移を起こし、種々の物性がガラス転移の前後で著しく変化する。特にアクリル系フィルムなどの場合には、フィルムを構成している重合体のTgは20〜40℃である。そのために、これらのフィルムは、温度による強度の変化が大きく、高温でブロッキングし易く、低温で柔軟性が低いという問題点を有している。またこれらのフィルムは、引っ張り強度および引き裂き強度が低いという問題点も有している。このようなビニル系重合体について示差走査熱量計(以下、DSCと略す)で測定して得られる微分曲線は、Tgに対応する1つのピークのみを有する。上記の問題点を解決するための方法として、Tgを1つではなく複数有する重合体を設計することが考えられる。
【0005】
複数のTgを有する(すなわちDSCで測定して得られる微分曲線が複数のピークトップを有する)重合体として、特開昭59−215365号公報には、Tgが20〜50℃のアクリル樹脂エマルジョンとTgが−10〜15℃のアクリル樹脂エマルジョンとの混合物を主体とする樹脂組成物が開示されている。この樹脂混合物は、剥離性および密着性に優れるが、上記の問題点が解決されているかどうかは示されていない。また、混合物であるため分子レベルで見ると均一ではなく、従ってこの樹脂混合物から得られるフィルムは、透明性が悪く、引っ張ると白化し易く、吸水時にも白化し易く、引き裂き強度も低いという問題点を有している。
【0006】
また、ブレンド物以外で複数のTgを有している重合体としては、特開平5ー179092公報および特公平6−51860号公報に示されているものがある。これらの技術は乳化重合に関するものである。
【0007】
また、これらの技術は主として塗料用被膜などを形成する重合体に関するものである。一般的に、乳化重合で用いることのできる単量体は重合性単量体の一部に過ぎず、そのために重合体の設計には大きな制約があり、得られる被膜の物性にも限界がある。
【0008】
また一般的な乳化重合において特に問題となるのは、α,β−不飽和カルボン酸単量体や水酸基含有単量体などの親水性単量体を多く用いる場合には、親水性単量体の一部が水中に溶解し、水溶液重合する。そのようにして、親水性単量体単位を主に含む重合体が副生し、その結果として重合体全体の耐水性が悪くなる。 また、このような親水性単量体単位を主に含む重合体は、乳化重合で同時に生成する重合体とは溶解度パラメーターが大きく異なり、相溶しない。その結果として、得られる重合体は全体として均質ではなく、不透明で、機械的強度も弱いものとなりやすい。
【0009】
また、前記特開平5ー179092公報および特公平6−51860号公報では、多段乳化重合法によって、いわゆる“コア−シェル”構造をもつ乳化重合物が合成されているが、このような“コア−シェル”構造をもつ乳化重合物を用いて被膜を作成した場合には、通常、シェルの部分は融着するが、コアは殆どそのまま残る。その結果として被膜は、シェルの部分から生じた連続相にコアが分散した、不均質な構造となる。そのために、“コア−シェル”構造をもつ乳化重合物を用いて作成された被膜は、一般的に、機械的強度が弱い、引っ張り時や吸水時に白化しやすいなどの問題点を有する。前記特開平5ー179092公報および特公平6−51860号公報に示されている乳化重合物は、塗料などに用いるための乳化重合物としては、従来のものより機械的強度や耐水性などが改良されているものの、包装袋やラベル基材などの特に透明性が要求される分野に用いるフィルムとしては、機械的強度が不足しており、吸水時の白化も問題となる。
【0010】
また従来より、フィルムと粘(接)着剤を含む粘(接)着シートが種々の用途に用いられている。
【0011】
粘(接)着シートの用途の1つとして、フィルム層に印刷が施されたものがマーキングフィルムなどとして用いられているが、このようなマーキングフィルム用の重合体としては、従来より塩化ビニル系重合体が多く用いられてきた。しかし、これら塩化ビニル系重合体は基本的に耐候性が悪く、また、耐候性を付与するために紫外線吸収剤を多量に添加すると高価になるといった問題を有している。さらに、燃焼時には有害なガスを発生するために廃棄上の問題もある。
【0012】
また、粘(接)着シートの別の用途として、ガラス瓶用等のラベルがあるが、この場合には、ガラス瓶のアルカリ洗浄を行ってもラベルが除去されずに残るので、ガラス瓶のリサイクルが非常に困難であるという問題がある。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
このような事情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、複数のTgを有するために温度変化による物性変化が少なく、均質な構造を有するために透明性に優れ、引っ張り時や吸水時の白化が極めて少ない重合体からなるフィルムを提供することである。
【0015】
本発明が解決しようとする別の課題は、前記フィルムと粘(接)着剤を含み、特にマーキングフィルムやアルカリ剥離性ラベル等として有用な粘(接)着シートを提供することである。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明のフィルムは、α,β−不飽和カルボン酸を含むモノマー成分を重合させることにより得られ、平行光線透過率が70%以上であり、かつ、DSCで測定して得られる微分曲線が−80〜120℃の間に少なくとも2つのピークトップを有する、ビニル系重合体からなる。さらに、前記重合体は、酸価が70mgKOH/g以上のものであって、多価金属塩および多官能性化合物のうちから選ばれた化合物との反応により架橋構造が導入されている。
【0020】
記フィルム、前記平行光線透過率が80%以上、かつ、前記微分曲線が少なくとも、−30〜20℃の間に1つのピークトップ、40〜100℃の間にもう1つのピークトップを有するビニル系重合体からなるものであると好ましい。
【0021】
前記フィルムは、多価金属塩を含むとさらに好ましい。
【0022】
本発明の粘(接)着シートは、前記フィルムと粘(接)着剤を含む。
【0023】
以下、上記本発明のフィルムを得させるための重合体の製造方法(以下、単に、本発明の重合体の製造方法)ということがある)を詳しく説明する。
本発明の重合体の製造方法は、非水系重合である。詳しくは、1種または2種以上のモノマーからなる複数のモノマー成分(ただし、それぞれのモノマー成分はTgの異なる重合体を与える)を多段階の重合工程を用いて非水系重合する重合体の製造方法である。さらに詳しくは、少なくとも1つのモノマー成分Aの一部を重合する工程と、該モノマー成分Aの残りと他のモノマー成分とを、重合系で配合比を逐次変化させつつ重合することを特徴とする重合体の製造方法である。 前記配合比を逐次変化させる手法として、モノマー成分Aを重合率20〜80%まで非水系重合した系に、他のモノマー成分を滴下または分割投入しながらさらに重合を行うと好ましい。
前記複数のモノマー成分のそれぞれが、30℃以上ガラス転移温度の異なる重合体を与えるものであると好ましい。
本発明の重合体の製造方法は、多価金属塩を混合する工程を含むとさらに好ましい。
【0024】
本発明の重合体の製造方法としては、適用できる単量体の種類が乳化重合や水溶液重合より多く、重合体の設計がより広範囲であるという理由から、非水系重合が用いられる。非水系重合が好ましい別の理由は、複数のTgを有する重合体を得るべく、Tgの異なる重合体を与える複数のモノマー成分(これらはそれぞれが1種または2種以上のモノマーから成っている)を多段階の重合工程を用いて重合した場合に、多段乳化重合の場合のような“コア−シェル”構造の重合体にはならず、従って重合体から得られるフィルムも均質なものとなるからである。
【0025】
非水系での重合としては、たとえば、有機溶媒を用い水を使用しない溶液重合またはバルク重合が挙げられる。
【0026】
重合方法の具体例としては、アニオン重合、カチオン重合およびラジカル重合を挙げることができるが、ラジカル重合が好ましい。
【0027】
ラジカル重合で使用されるラジカル重合開始剤については、特に限定はなく、その具体例として、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等の過酸化物系開始剤等を挙げることができる。これらのラジカル重合開始剤の2種類以上を併用してもよい。
【0028】
溶液重合で使用される溶媒としては、ラジカル重合反応を妨げない、水以外の溶媒であれば特に制限はなく、その具体例として、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類等を挙げることができる。これらの溶媒の2種類以上を併用してもよい。
【0029】
本発明の重合体の製造方法に使用される反応容器は、任意の反応容器を使用することができる。反応容器の具体例としては、通常の槽型反応器のほか、ニーダーや、スタティックミキサー等の管式反応器等を挙げることができる。この様な反応容器を必要に応じて複数用いることもできる。また、滴下槽も必要に応じて用いられる。
【0030】
前記重合体を製造する際の反応容器内の圧力は、減圧、常圧および加圧のいずれの圧力下であってもよい。
【0031】
本発明の重合体の製造方法の具体的手法としては、Tgの異なる重合体を与える複数のモノマー成分(これらはそれぞれが1種または2種以上のモノマーから成っている)を用い、少なくとも1つのモノマー成分Aの一部を重合する工程と、該モノマー成分Aの残りと他のモノマー成分とを、重合系で配合比を逐次変化させつつ重合する工程とを有していれば特に制限はないが、以下の手法(1)および(2)の手法で製造すると、容易かつ効率よく製造することができるために好ましい。 ここで、本発明でいう各モノマー成分が与える重合体のTgとは、モノマー成分が1種類のモノマーのみからなる場合には、一般に認められている各単独重合体のTgのことである。また、モノマー成分が2種類以上のモノマーからなる場合には、各モノマーの単独重合体(A,B,C,・・・)のTgの値(Tga,Tgb,Tgc,・・・単位はK)を用いて共重合体のガラス転移点を予測する際に一般的によく使われる、次式(1)によって計算されるTg(K)のことである。
【0032】
【化1】
Figure 0003745019
【0033】
(ただし、a,b,c,・・・は各モノマーA,B,C,・・・の重量分率であり、a+b+c+・・・=1である。)
(1)式を用いた計算の具体例を以下に示す。
【0034】
アクリル酸エチル80重量部、アクリル酸10重量部およびメタクリル酸メチル10重量部からなるモノマー成分の場合には、各々の単独重合体のTgが249K、376Kおよび378Kであるので、計算上のTgは、
【0035】
【化2】
Figure 0003745019
【0036】
となる。
【0037】
手法(1) モノマー成分Aを重合率20〜80%まで非水系重合した系に、モノマー成分AとはTgの異なる重合体を与える他のモノマー成分Bを滴下しながらさらに重合を行う。その後さらに、必要に応じてモノマー成分AおよびBとはTgの異なる重合体を与える他のモノマー成分C,Dなどを滴下または分割投入しながら重合を行う。
【0038】
ここで、モノマー成分Aが与える重合体のTgと、他のモノマー成分B,C,Dなどが与える重合体のTgが30℃以上異なると、種々の物性を兼ね備える点から考えて好ましい。
【0039】
さらに具体的には、モノマー成分Aおよび他のモノマー成分B,C,Dなどが与える重合体中の1つのTgが−30〜20℃であり、かつ、他の1つの重合体のTgが50〜120℃であると、この手法で製造された重合体を用いて作成されたフィルムは、引張強度が強く、ブロッキングも問題にならないので好ましい。
【0040】
手法(2) モノマー成分Aおよびモノマー成分AとはTgの異なる重合体を与える他のモノマー成分B,C,Dなどを、それぞれ個別に重合率20〜80%まで非水系重合した後、モノマー成分Aの反応容器中に、他のモノマー成分の反応容器の内容物を滴下または分割投入しながらさらに重合を行う。
【0041】
ここでも、モノマー成分Aが与える重合体のTgと、他のモノマー成分B,C,Dなどが与える重合体のTgが30℃以上異なると、種々の物性を兼ね備える点から考えて好ましく、さらに具体的には、モノマー成分Aおよび他のモノマー成分の与える重合体中の1つのTgが−30〜20℃であり、かつ、他の1つの重合体のTgが50〜120℃であると、この手法で製造された重合体を用いて作成されたフィルムは、引張強度が強く、ブロッキングも問題にならないので好ましい。
【0042】
本発明の重合体の製造方法として多価金属塩を混合する工程をさらに含むと、前記多価金属塩が可塑剤、アンチブロッキング剤などとして作用するので好ましい。また、特に重合体中にカルボキシル基が存在する場合には、多価金属塩がカルボキシル基と反応して金属架橋を形成し、重合体の機械的強度や耐ブロッキング性などがさらに向上するので好ましい。
【0043】
多価金属塩を構成する多価金属の具体例としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウムのIIa 族金属;亜鉛、カドミウムおよび水銀のIIb 族金属;ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウムおよびタリウムのIIIb族金属を挙げることができる。これらの多価金属の2種類以上を併用してもよい。中でも、多価金属がマグネシウム、カルシウムおよび亜鉛からなる群より選ばれる少なくとも1種の金属であると、重合体を含むフィルムの伸び特性、耐水性、透明性および経済性の観点から好ましい。
【0044】
多価金属塩の具体例としては、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、酢酸カドミウム、酢酸アルミニウム等の酢酸塩;炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、炭酸カドミウム、炭酸アルミニウム等の炭酸塩;シュウ酸マグネシウム、シュウ酸カルシウム、シュウ酸亜鉛、シュウ酸カドミウム、シュウ酸アルミニウム等のシュウ酸塩;リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸カドミウム、リン酸アルミニウム等のリン酸塩;ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カドミウム、ステアリン酸アルミニウム等のステアリン酸塩を挙げることができる。
【0045】
多価金属塩の中でも、酢酸マグネシウム、酢酸カルシウム、酢酸亜鉛、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛を含むと、重合体を含むフィルムの伸び、耐水性、透明性および均質性の観点から好ましい。
【0046】
本発明の重合体の製造方法において用いられるモノマーの具体例としては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマル酸等のα,β−不飽和カルボン酸;アクリル酸亜鉛、メタクリル酸亜鉛等のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩;無水マレイン酸、無水イタコン酸等のα,β−不飽和カルボン酸無水物;マレイン酸モノエステル、フマル酸モノエステル、イタコン酸モノエステル等のα,β−不飽和ジカルボン酸モノエステル;メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチルアクリレート、ステアリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、ブチルメタクリレート、ステアリルメタクリレート等の炭素数1〜18の一価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステル;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のニトリル基含有ビニルモノマー;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド基含有ビニルモノマー;ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート等の水酸基含有ビニルモノマー;グリシジルメタクリレート等のエポキシ基含有ビニルモノマー;スチレン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニルモノマー;酢酸ビニル等の脂肪族ビニルモノマー;塩化ビニル、臭化ビニル、ヨウ化ビニル、塩化ビニリデン等のハロゲン含有ビニルモノマー;アリルエーテル類;無水マレイン酸、マレイン酸のモノおよびジアルキルエステル等のマレイン酸誘導体;フマル酸のモノおよびジアルキルエステル等のフマル酸誘導体;マレイミド、N−メチルマレイミド、ステアリルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド誘導体;イタコン酸のモノおよびジアルキルエステル、イタコンアミド類、イタコンイミド類、イタコンアミドエステル類等のイタコン酸誘導体;エチレン、プロピレン等のアルケン類;ブタジエン、イソプレン等のジエン類等を挙げることができる。本発明の重合体の製造方法は、Tgの異なる2種以上のモノマー成分を用いて非水系重合を行う製造方法であるので、これらのモノマーの中の少なくとも2種類以上が用いられる。用いられるモノマーが3種類から7種類である方が、各々のモノマーの特性に基ずく種々の物性を付与でき、しかも操作も複雑にならないので好ましい。
【0047】
モノマー全体の30重量%以上が炭素数1〜18の一価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルであると、柔軟性、靭性、光沢、耐候性および透明性がさらに上がるために好ましい。
【0048】
以下、上記本発明の重合体の製造方法で得られる重合体からなる本発明のフィルムとその用途について記載する。
【0049】
[フィルム]
本発明のフィルムは、平行光線透過率が70以上であり、かつDSCで測定して得られる微分曲線が−80〜120℃の間に少なくとも2つ以上のピークトップを有することを特徴とするビニル系重合体からなる。さらに、前記重合体は、酸価が70mgKOH/g未満のものと、酸価が70mgKOH/g以上のものに架橋構造が導入されているものに分かれる。
【0050】
前記重合体は複数のTgを有しているために、それぞれのTgをもつ成分重合体の特性、例えば引張強度や引き裂き強度や靱性などを、兼ね備えることができ、また、温度変化による諸物性の変化も少ない。
【0051】
また、前記重合体としては非水系重合で合成されたものが用いられる。そのために、本発明のフィルムは、“コア−シェル”構造をもつ乳化重合物を用いて作成された被膜よりも均質であり、従って前記乳化重合物より透明性、機械的強度が優れ、引っ張り時や吸水時の白化も少ない。
【0052】
前記重合体を構成するモノマーとしては、本発明の重合体の製造方法の項で例示したモノマーなどを用いることができる。本発明のフィルムに対してより厳しい耐水性が要求される場合には、アクリル酸等のα,β−不飽和カルボン酸やアクリル酸亜鉛等のα,β−不飽和カルボン酸の金属塩および無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸無水物、フマル酸モノエステル等のα,β−不飽和ジカルボン酸モノエステル、ヒドロキシエチルアクリレート等の水酸基含有ビニルモノマーなどの親水性モノマー単位の含有量は少ない方が好ましい。逆に、温水膨潤性、アルカリ膨潤性などの親水性が要求される場合には、前記親水性モノマー単位の含有量は、ある程度多い方が好ましい。また、本発明のフィルムが、一般消費者向けの包装材料やマーキングフィルムなどの消耗品として用いられる場合には、廃棄上の問題があるので、塩化ビニル等のハロゲン含有ビニルモノマー単位の含有量は少ない方が好ましい。
【0053】
また、モノマー全体の30重量%以上が炭素数1〜18の一価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルであると、柔軟性、靭性、光沢、耐候性および透明性がさらに向上するために好ましい。
【0054】
前記重合体の数平均分子量は、成形加工性の点から考えて10000〜500000であることが好ましい。
【0055】
本発明のフィルムを構成する重合体においては、そのTgの分布が最も重要である。重合体のTgの分布はDSCで測定して得られる微分曲線から判断される。従って、DSCでの測定は非常に重要であり、一定条件で測定を行うことが肝要である。測定方法は以下の通りである。
【0056】
セイコー電子工業(株)製のDSC220Cで、10mgの試料を使用して窒素雰囲気下で測定する。測定条件は、次の通りである。まず150℃まで昇温したのち、5分間保持する。その後、−100℃まで急冷して、5分間保持する。さらに150℃まで10℃/min.で昇温することによってDSC曲線およびDSC微分曲線を得る。微分値が0μW/minの位置を結んで微分曲線に対するベースラインを引く。
【0057】
一般的にDSCで測定して得られる微分曲線は、ノイズや微少なピークを多数有しているが、本発明でいうピークトップは、明らかに主なピークであると認められる大きさのピークにおいて、最も大きい微分値を示す部分のことである。主なピークとしては例えば、ピークトップの高さが50μW/min以上で、半値幅が5℃以上かつ30℃以下のものが好ましい。半値幅が5℃以上のものが好ましい理由は、添加剤などに由来するピークは半値幅が小さいものが多く、これらを本発明において重要である重合体自体に由来するTgのピークと区別するためである。半値幅が30℃以下のものが好ましい理由は、特定範囲のTgを有する成分重合体を共存させることによって、感温性が少なく、且つ、様々な物性を兼ね備える重合体を得るということが本発明の思想であるので、不必要にブロードなピークが存在すること、すなわち、成分重合体が不必要に広いTgの分布を有することは、本発明の思想と矛盾するからである。
【0058】
前記微分曲線においては、それぞれの温度でのベースラインからのピークの高さは、その温度における単位時間あたりの吸熱量がどれだけ大きく変化しているかを表しており、その温度がTgである個々の成分重合体がどれだけ多いかを示していると考えられる。従って、ピークの高さを比較することにより、その温度がTgである成分重合体の多さを比較することもでき、微分曲線全体の面積と個々のピークの面積を比較することにより、それぞれの温度がTgである個々の成分重合体が全体の中で占める割合を判断することもできる。このようなことから、DSCでの測定は非常に重要であり、一定条件で測定を行うことが肝要である。 前記重合体では、DSCで測定して得られる微分曲線が−80〜120℃の間に少なくとも2つ以上のピークトップを有している。その中でも前記微分曲線が、−30〜20℃の間と、40〜100℃の間のそれぞれにピークトップを有していると諸物性のバランスの点で好ましい。低温側のピークトップが−30〜20℃の間にあると、本発明のフィルムは、低温での柔軟性が高く、引き裂き強度が強く、しかもブロッキングもあまり問題にならないものとなる。また、高温側のピークトップが40〜100℃の間にあると、本発明のフィルムは、引張強度および腰が強く、ブロッキングが生じないものとなる。
【0059】
前記微分曲線において、前記低温側のピークトップと前記高温側のピークトップとのベースラインからの高さの比〔低温側のピークトップの高さ/高温側のピークトップの高さ〕が1/9〜6/4であると、機械的強度および耐ブロッキング性のバランスの点からは好ましい。その中でも、引き裂き強度、伸び率または低温での柔軟性を重視する場合は2/8〜6/4が好ましく、引張強度または耐ブロッキング性を重視する場合は1/9〜4/6が好ましい。
【0060】
また、前記微分曲線のピークが20〜40℃の間に存在しても構わないが、あまりピークが大きいと本発明のフィルムは感温性が大きくなり、通常使用される温度範囲で機械的強度などの変化が大きいものとなる。従って、20〜40℃の間のピークが占める面積の割合は、全体のピークが占める面積の50%以下であるの好ましい。
【0061】
ただし、低温側のピークトップを形成している成分と高温側のピークトップを形成している成分との相溶性が良くない場合には、これらの中間的組成の成分である20〜40℃の間のピークを形成している成分が存在すると、この成分が相溶化剤として作用して全体が均一に相溶しやすくなり、その結果、本発明のフィルムが充分に透明なものとなるために好ましい。この場合には、微分曲線において20〜40℃の間のピークが占める面積の割合は、全体の5%以上、より好ましくは全体の10%以上であるのが好ましい。
【0062】
本発明のフィルムを構成する重合体は、均質な構造を有するために高い透明性を有することを特徴とする。透明性は、ハロゲンランプと偏光フィルターを備えている濁度計(日本電色工業(株)のND−1001DP)を用いて測定した400〜700nmの可視光線に対する平行光線透過率をもって評価される。平行光線透過率は、23℃、65%RHの雰囲気下で24時間調整した厚さ65μmのフィルム試験片に対して、厚み方向に可視光線を照射して測定される。なお、測定に使用する試験片に対しては、エンボス加工等の表面を修飾する特殊な加工は一切施さない。
【0063】
前記重合体の平行光線透過率は70%以上である。本発明のフィルムをさらに透明性の要求される用途に使用する場合には、前記平行光線透過率が80%以上であるとより好ましい。ただし、この平行光線透過率は試料の状態などによって測定結果に差が生じることがあるので、同一条件下で評価する必要がある。
【0064】
前記重合体は、酸価が70mgKOH/g未満のものと、酸価が70mgKOH/g以上のものに架橋構造が導入されているものに分かれる。
【0065】
酸価は、平沼産業〓製の自動滴定装置(COMTEー980)を用い、フィルム1gをメタノール100gに溶かした溶液を0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液で滴定して求める。
【0066】
前記酸価が10mgKOH/g未満であると、特に耐水性に優れたフィルムとなるので好ましい。
【0067】
逆に、温水膨潤性、アルカリ膨潤性などの親水性が要求される用途の場合には、前記酸価が10mgKOH/g以上70mgKOH/g未満、より好ましくは30mgKOH/g以上70mgKOH/g未満、であると好ましい。
【0068】
また、温水膨潤性、アルカリ膨潤性などの親水性が要求される用途の場合には、
酸価が70mgKOH/g以上のものに架橋構造が導入されているものも適している。架橋構造を導入するために用いられる化合物としては、前記重合体の製造方法において挙げた多価金属塩、あるいはエチレングリコール、エチレングリコールジグリシジルエーテルなどの多官能化合物、あるいは水酸基含有重合体、アミド基含有重合体、オキサゾリン基含有重合体、メラミン樹脂、エポキシ樹脂などの多官能性重合体などを挙げることができる。
【0069】
本発明のフィルムを構成する重合体が多価金属塩をさらに含むと、本発明のフィルムは、機械強度(引っ張り強度および引き裂き強度)が高くなり、ブロッキングも起こしにくくなり、温度または湿度の変化に対してさらに安定した強度および寸法特性を有するようになるため好ましい。
【0070】
本発明のフィルムは、前記重合体の他に、必要に応じて充填剤、滑剤、可塑剤および着色剤等の各種添加剤が含まれていてもよい。
【0071】
前記充填剤の具体例としては、カオリン、アスベスト、マイカ等を挙げることができる。充填剤の配合量は、前記重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが好ましい。
【0072】
前記滑材の具体例としては、ステアリルアルコール、ステアリン酸、ステアリン酸アミド、ステアリン酸カルシウムなどを挙げることができる。滑材の配合量は、前記重合体100重量部に対して、0.1〜30重量部であるのが好ましい。
【0073】
前記可塑剤の具体例としては、フタル酸ジオクチル、アセチルクエン酸トリブチル等を挙げることができる。可塑剤の配合量は、前記重合体100重量部に対して、1〜50重量部であるのが好ましい。
【0074】
前記着色剤の具体例としては、アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、黄鉛、群青およびカーボンブラック等の各種顔料やアゾ染料、アントラキノン染料およびフタロシアニン染料等の各種染料を挙げることができる。着色剤の配合量は、前記重合体100重量部に対して、0.1〜10重量部であるのが好ましい。
【0075】
本発明のフィルムは、(1)前記重合体の溶液を用い、常温または加熱下で溶媒を蒸発させる、いわゆるキャスト法で製造してもよく、また、(2)前記重合体を各種成形方法で成形して製造してもよい。
【0076】
溶液を使用する方法では、フィルムの膜厚を均一に保つために、ロールコーター、リバースコーター、グラビアコーター、バーコーター等の一般に使用される塗工機が使用される。フィルムは、前記塗工機を使用して、離型紙等の表面に塗工したのち、溶媒を蒸発させて製造することができる。この際に用いられる溶媒の具体例としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル等の脂肪族エステル類等を挙げることができる。これらの2種以上を併用しても構わない。
【0077】
また、重合体を成形する方法では、たとえば押出機によって溶融押出しするT−ダイ成形、インフレーション成形、ブロー成形、ラミネート成形等の押出し成形法や、カレンダー加工法などによってフィルムを製造することができる。必要に応じて、得られたフィルムをさらに1軸または2軸方向に延伸してもよい。
【0078】
フィルムの厚みについては特に限定はないが、通常10〜200μmである。フィルムの強度、成形性の観点からは、30〜100μmであると好ましい。
【0079】
本発明のフィルムは、印刷可能で、温度変化による強度変化が少なく、高温でブロッキングしにくく、低温で柔軟性が高く、引っ張り強度および引き裂き強度が高く、引っ張っても白化しにくく、乾燥時でも吸水時でも透明性に優れているため、包装袋や粘(接)着シート基材などの種々の用途に使用することができる。
【0080】
[粘(接)着シート]
本発明の粘(接)着シートは、本発明のフィルムと粘(接)着剤を含む。本発明の粘(接)着シートは、フィルムまたはシートを被着体に貼着する用途全般に用いることができるが、マーキングフィルムおよびガラス瓶用ラベルとして用いた場合に特に有用である。
【0081】
本発明の粘(接)着シートをマーキングフィルムおよびガラス瓶用ラベルとして用いる場合には、通常は印刷が施されている。印刷はフィルムのいずれの面に施されていても構わないが、裏面すなわち粘着層と同じ側に施された場合の方が耐候性の点から考えて好ましい。
【0082】
印刷方法としては特に制限はなく、いずれの方法でも印刷可能である。印刷に使用される印刷インキとしては、たとえば、凸版インキ、平版インキ、グラビアインキ、フレキソインキ、スクリーンインキ、凹版インキ、熱転写インキ、レジストインキ等を挙げることができる。
【0083】
本発明の粘(接)着シートをマーキングフィルムとして用いる場合に、基材フィルムとして特に好ましいものは、廃棄上の問題からハロゲン含有ビニルモノマー単位の含有量が少ないものが好ましい。また、耐水性が要求されるので、α,β−不飽和カルボン酸や水酸基含有ビニルモノマーなどの親水性モノマー単位の含有量は少ない方が好ましい。具体的には、酸価が10mgKOH/g未満のものが特に好ましい。
【0084】
また、モノマー全体の70重量%以上が炭素数1〜18の一価アルコールとアクリル酸またはメタクリル酸とのエステルであると、柔軟性、靭性、光沢、耐候性および透明性がさらに向上するために好ましい。
【0085】
粘着層は、天然ゴム系粘着剤、SISやSBR系の合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、酢酸ビニル系粘着剤、EVA系粘着剤およびウレタン系粘着剤などを、そのままホットメルトコーターで塗布した後に冷却するか、あるいは、これら粘着剤の溶液やエマルジョンをロールコーター、リバースコーター、グラビアコーター、バーコーター等の一般に使用される塗工機で塗布した後に乾燥させることによって形成される。粘着剤としてアクリル系粘着剤を使用すると、耐候性およびフィルムとの密着性などの点から好ましい。
【0086】
本発明の粘(接)着シートをガラス瓶用ラベルとして用いる場合に、基材フィルムとして特に好ましいものは、温水膨潤性、アルカリ膨潤性などの親水性を有するものである。前記親水性を有するフィルムとしては、例えば、酸価が30mgKOH/g以上70mgKOH/g未満のものや、酸価が70mgKOH/g以上のものに架橋構造が導入されているものを挙げることができる。
【0087】
前記親水性を有するフィルムを、水溶性または温水膨潤性の粘(接)着剤や、アルカリ可溶性またはアルカリ膨潤性の粘(接)着剤と組み合わせて得られたラベルをガラス瓶に貼着した場合には、フィルム基材による意匠性が付与されるだけではなく、ガラス瓶のアルカリ洗浄工程でラベル全体が迅速に剥離するので、ガラス瓶のリサイクルが非常に容易になる。これは、本発明の重合体がTgの低い成分重合体を有しているために、従来のラベル基材より格段に容易にアルカリ水を透過させることができ、アルカリ水が粘着剤層に素早く達するためである。さらに、上記ラベルの中でも、フィルムおよび粘(接)着剤がいずれもアルカリ洗浄液に対して溶解せず、膨潤することなどにより剥離するものであると、アルカリ洗浄液を廃棄する際に重合体などを中和、沈澱させる必要が無いので好ましい。
【0088】
【実施例】
以下の実施例は、本発明の例示であり、本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。なお、下記実施例および比較例中、「部」および「%」はそれぞれ「重量部」および「重量部%」を示す。
【0089】
−実施例1−
容量50Lの槽型反応器に、アクリル酸エチル3.4kg、アクリル酸0.2kg、メタクリル酸メチル0.4kg、メタノール4kgおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)12gからなるモノマー成分A(Tgは約−11℃)を仕込み、窒素雰囲気下で65℃に加熱して30分間反応させて重合率が68%になるまで重合を行った。続けて、アクリル酸メチル1.8kg、アクリル酸0.3kg、メタクリル酸メチル3.9kg、メタノール6kgおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)18gからなるモノマー成分B(Tgは約70℃)を3時間かけて均等に滴下し、引続き65℃で重合を行った。滴下終了後さらに65℃で2時間熟成のための重合を継続した。その結果、数平均分子量が7.6万の重合体の溶液(1)が得られた。
【0090】
重合体溶液(1)を2軸押出機を用いて減圧加熱下で脱揮して重合体のペレットを得た。得られた重合体のペレットを、以下に示す条件を用いてDSCで測定した結果、図1に示す微分曲線が得られた。微分値が0μW/minの位置を結ぶことによってベースラインを作成した。低温(15.9℃、199μW/min、半値幅17.5℃)側のピークトップと高温(72.9℃、309μW/min、半値幅16.6℃)側のピークトップとの高さの比が約4:6となっていることが認められる。
【0091】
また、得られた重合体のペレットを170℃でインフレーション成形して筒状のフィルムが得られた。このフィルムを包装材料用として、機械的強度、ヒートシール性等を以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0092】
DSCによる測定
セイコー電子工業(株)製のDSC220Cで、10mgの試料を使用して窒素雰囲気下で測定した。測定条件は、まず150℃まで昇温したのち、5分間保持し、その後、−100℃まで急冷して、5分間保持した。さらに150℃まで10℃/min.で昇温して微分曲線が得られた(図1)。
【0093】
引張強度、伸び率および感温性
JIS K7127に準じて試験した。
【0094】
条件1では、25℃、55%RHの雰囲気下で、試験に使用したフィルムの厚さは50μm、試験速度は200mm/min.であった。
【0095】
条件2では10℃、55%RH、条件3では40℃、55%RHの雰囲気下で測定した以外は条件1と同様にして引張強度を測定し、感温性を評価した。
【0096】
引き裂き強度
JIS K7128に準じて試験した。試験に使用したフィルムの厚さは50μmで、試験速度は200mm/min.であった。
【0097】
透明性
厚さ65μmの試験片を用い、日本電色工業(株)の濁度計ND−1001DPを用いて厚み方向に可視光線を照射して測定した平行光線透過率をもって評価した。
【0098】
引張による白化
条件1における引張強度測定時の外観を観察して評価した。評価基準は以下の通りである。
【0099】
○:破断する直前まで白化しなかった。
【0100】
△:伸び率が150%に達するまでに白化した。
【0101】
×:伸び率が100%に達するまでに白化した。
【0102】
吸水による白化
25℃のイオン交換水中に120時間浸漬した後に、透明性の際と同様の方法で平行光線透過率を測定して評価した。
【0103】
ブロッキング性
コイル状のフィルムを50℃で放置してブロッキングの程度を評価した。評価基準は以下の通りである。
【0104】
◎:巻き戻しが容易にできた。
【0105】
○:巻き戻しに少し抵抗があった。
【0106】
△:所々巻き戻しできないところがあった。
【0107】
×:巻き戻しが全くできなかった。
【0108】
酸価
平沼産業(株)製の自動滴定装置(COMTE−980)を用い、フィルム1gをメタノール100gに溶かした溶液を0.1Nの水酸化ナトリウム水溶液で滴定して求めた。
【0109】
ヒートシール性
フィルム(大きさ:5cm×5cm)を2枚重ねて200℃のヒートシーラーで1秒間ヒートシールした後、剥離する際に要した力を測定した。
【0110】
−実施例2−
実施例1で得られた重合体溶液(1)に、ステアリン酸カルシウム400gのトルエン分散液を加えて均一になるように攪拌し、さらに60℃に加熱した後に30分攪拌して重合体溶液(2)が得られた。この重合体溶液(2)を2軸押出機を用いて減圧加熱下で脱揮して得られた重合体のペレットを、190℃でインフレーション成形して筒状のフィルムが得られた。このフィルムを包装材料用として実施例1と同様の方法で機械的強度、印刷適性等を評価した。その結果を表1に示す。
【0111】
−実施例3−
実施例1と同様に、アクリル酸エチル2.4kg、アクリル酸0.15kg、メタクリル酸メチル0.45kg、メタノール3kgおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)12gからなるモノマー成分C(Tgは約−6℃)を窒素雰囲気下で65℃に加熱して30分間反応させて重合率が65%になるまで重合を行った。続けて、アクリル酸メチル2.1kg、アクリル酸0.35kg、メタクリル酸メチル4.55kg、メタノール7kgおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)28gからなるモノマー成分D(Tgは約70℃)を12等分して10分毎に分割投入しながら、引続き65℃で重合を行った。滴下終了後さらに65℃で2時間熟成のための重合を継続した。その結果、数平均分子量が8.1万の重合体の溶液(3)が得られた。
【0112】
重合体溶液(3)にステアリン酸アミド400gを添加、攪拌した後、2軸押出機を用いて減圧加熱下で脱揮して重合体のペレットを得た。得られた重合体のペレットを、DSCで測定した結果、低温(15.6℃)側のピークトップと高温(59.3℃)側のピークトップとの高さの比が約1:3となっていることが認められた。
【0113】
得られた重合体のペレットを190℃でT−ダイ押し出し成形してフィルムが得られた。このフィルムを粘(接)着シート基材として、実施例1と同様の方法および下記の方法を用いて、機械的強度、印刷適性等を評価した。その結果を表1に示す。
【0114】
印刷画像
RI−1型印刷試験機でオフセット印刷を行い、その外観(ズレ、シワ、にじみの程度)を観察して評価した。評価基準は以下の通りである。
【0115】
◎:非常に良好
○:良好
△:やや不良
×:不良
さらに、下記の方法で合成した粘着剤溶液を離型紙上に塗工、乾燥させて厚さ25μmの粘着剤層を形成させ、その上に実施例3で得られた厚さ60μmのフィルムを圧着させることにより、粘(接)着シートの原反を得た。この粘(接)着シートの原反を用いて、下記の方法によってラベルとしてのアルカリ剥離性を評価した。結果を表1に示す。
【0116】
粘着剤溶液の合成
アクリル酸ブチル0.9kg、アクリル酸0.1kg、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3gおよび酢酸エチル1kgを容量5Lの槽型反応器に仕込み、
窒素雰囲気下で80℃に加熱して2時間重合を行い、粘着剤溶液が得られた。
【0117】
アルカリ剥離性
粘(接)着シートの原反から10cm×10cmの試験片を切り出し、離型紙から剥離させ、ラベルとして通常のビール瓶(直径7cm)に貼り付けた。ラベルの付いたビール瓶を70℃、0.4%の水酸化ナトリウム水溶液5L中に浸漬し、攪拌してラベルの状態を観察し、剥離に要した時間で評価した。
【0118】
−実施例4−
容量50Lの槽型反応器に、アクリル酸エチル2.4kg、アクリル酸0.45kg、メタクリル酸メチル0.15kg、メタノール3kgおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)12gからなるモノマー成分E(Tgは約−6℃)を仕込み、窒素雰囲気下で65℃に加熱して20分間反応させて重合率が72%になるまで重合を行った。続けて、アクリル酸メチル2.1kg、アクリル酸1.05kg、メタクリル酸メチル3.85kg、メタノール7kgおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)28gからなるモノマー成分F(Tgは約70℃)を2時間かけて均等に滴下し、引続き65℃で重合を行った。滴下終了後さらに65℃で2時間熟成のための重合を継続した。その結果、数平均分子量が9.2万の重合体の溶液(4)が得られた。 得られた重合体の溶液(4)にエチレングリコールジグリシジルエーテル181.25gを加えて攪拌し、重合体溶液(4)を2軸押出機を用いて減圧加熱下で脱揮して重合体のペレットを得た。得られた重合体のペレットを、DSCで測定した結果、低温(16.8℃)側のピークトップと高温(59.1℃)側のピークトップとの高さの比が約1:3となっていることが認められた。
【0119】
得られた重合体のペレットを240℃でT−ダイ押し出し成形してフィルムが得られた。このフィルムを粘(接)着シート基材として、実施例3と同様の方法を用いて、機械的強度、印刷適性等を評価した。その結果を表1に示す。
【0120】
さらに、このフィルムと実施例3で得られた粘着剤を用いて、実施例3と同様の方法によってラベルとしてのアルカリ剥離性を評価した。結果を表1に示す。
−実施例5−
容量50Lの槽型反応器を2つ準備し、それぞれに、アクリル酸エチル2.4kg、メタクリル酸メチル0.60kg、メタノール3kgおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)12gからなるモノマー成分G(Tgは約−6℃)と、アクリル酸メチル2.1kg、メタクリル酸メチル4.90kg、メタノール7kgおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)28gからなるモノマー成分H(Tgは約70℃)を仕込み、それぞれ個別に窒素雰囲気下で65℃に加熱して40分間反応させて重合率がそれぞれ76%および69%になるまで重合を行った。続けて、モノマー成分Gの重合を行った槽型反応器に、モノマー成分Hの重合を行った槽型反応器からその内容物を1時間かけて均等に滴下し、引続き65℃で重合を行った。滴下終了後さらに65℃で1時間熟成のための重合を継続した。その結果、数平均分子量が8.6万の重合体の溶液(4)が得られた。
【0121】
重合体溶液(4)を2軸押出機を用いて減圧加熱下で脱揮して重合体のペレットを得た。得られた重合体のペレットを、DSCで測定した結果、低温(14.8℃)側のピークトップと高温(78.3℃)側のピークトップとの高さの比が約1:2となっていることが認められた。
【0122】
キャスト法によってフィルムを得るべく、重合体溶液(4)をポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム上にロールコーターを用いて塗布した後、内温が150℃の熱風乾燥機中で20分乾燥した。PETフィルムから剥離させて得られたフィルムをマーキングフィルム用基材として、実施例1と同様の方法および下記の方法を用いて、機械的強度、耐候性等を評価した。結果を表1に示す。耐候性
厚み50μmのフィルムを用い、JIS Z 9117に準じてサンシャインウェザーメーターによる促進試験を行った。ブラックパネルの温度を63℃とし、120分間中に18分間水を噴射し、1000時間後の変色、白化の有無を確認した。評価基準は以下の通りである。
【0123】
○:全く変化なし
△:やや変化した
×:明らかに変化した
−比較例1−
一括重合物との比較を行うために、容量50Lの槽型反応器を用い窒素雰囲気下65℃に加熱しながら、実施例1のモノマー成分AおよびBを混合した単量体を2時間かけて一括重合して、数平均分子量が8.3万の比較重合体の溶液(1)を得た。実施例1と同様にして、比較重合体溶液(1)を2軸押出機を用いて減圧加熱下で脱揮して重合体のペレットを得た。得られた重合体のペレットをDSCで測定した結果、微分曲線は34℃に1つだけピークトップが認められた。また、得られた重合体のペレットを160℃でインフレーション成形して筒状のフィルムが得られた。このフィルムを包装材料用として、機械的強度、ヒートシール性等を以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0124】
−比較例2−
ブレンド物との比較を行うために、実施例1のモノマー成分AおよびBをそれぞれ個別に窒素雰囲気下65℃に加熱して2時間かけて重合率95%以上まで重合させた。モノマー成分Aからは数平均分子量が12.1万の重合体を含む溶液を得た。また、モノマー成分Bからは数平均分子量が8.2万の重合体を含む溶液を得た。これら2つの重合体溶液を混合して、比較重合体の溶液(2)を得た。実施例1と同様にして、比較重合体溶液(2)を2軸押出機を用いて減圧加熱下で脱揮して重合体のペレットを得た。
【0125】
得られた重合体のペレットを160℃でインフレーション成形して筒状のフィルムが得られた。このフィルムを包装材料用として、機械的強度、ヒートシール性等を以下の方法で評価した。その結果を表1に示す。
【0126】
−比較例3−
市販のポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(厚さ50μm)と実施例3で合成した粘着剤溶液とを用いて、実施例3と同様の方法によってラベルとしてのアルカリ剥離性を評価した。結果を表1に示す。
【0127】
−比較例4−
乳化重合物との比較を行うために、容量50Lの槽型反応器に、アクリル酸エチル2.4kg、アクリル酸0.15kg、メタクリル酸メチル0.45kg、水3kg、ラウリル硫酸ナトリウム45g、過硫酸アンモニウム7.5gおよびブロモトリクロロエタン90gからなるモノマー成分Aを仕込み、窒素雰囲気下で80℃に加熱して重合率が72%になるまで重合を行った。アクリル酸メチル2.1kg、アクリル酸0.35kg、メタクリル酸メチル4.55kg、水7kg、ラウリル硫酸ナトリウム105g、過硫酸アンモニウム17.5gおよびブロモトリクロロエタン210gからなるモノマー成分Bを2時間かけて均等に滴下し、引続き80℃での重合を行った。滴下終了後さらに80℃で2時間熟成のための重合を継続した。得られた重合体のエマルジョンから実施例4と同様の手法を用いて、キャスト法でフィルムを作成した。このフィルムをラベル基材およびマーキングフィルム用基材として、実施例5と同様の方法で機械的強度、印刷適性、耐候性などを評価し、結果を表1に示す。
【0128】
【表1】
Figure 0003745019
【0129】
表1より、実施例1および2に示す本発明のフィルムは、引き裂き強度および引張強度が強く、温度による強度の変化も少なく、ブロッキングも問題にならない。さらに、これらのフィルムは透明性に優れ、引張りおよび吸水による白化も殆どなく、ヒートシール性も充分であるので包装材料用として非常に適している。 また、実施例3〜5に示す本発明のフィルムは、引張強度が特に強く、温度による強度の変化も少なく、ブロッキングも全く問題にならない。さらに、これらのフィルムは透明性に優れ、引張りおよび吸水による白化も殆どなく、印刷適性も良好であるので粘(接)着シート基材用として非常に適している。
【0130】
さらに、実施例3および4のフィルムと粘(接)着剤からなる粘(接)着シートをラベルとして瓶に張り付けた場合には、アルカリ洗浄によって容易に剥離させることができるので、リサイクル瓶用ラベルに非常に適している。
【0131】
また、実施例5に示す本発明のフィルムは、耐候性も優れているのでマーキングフィルム用基材として非常に適している。
【0136】
【発明の効果】
本発明のフィルムは、平行光線透過率が70以上であり、かつDSCで測定して得られる微分曲線が−80〜120℃の間に少なくとも2つのピークトップを有するビニル系重合体からなり、前記重合体が複数のTgを有しているために、それぞれのTgをもつ成分重合体の特性を兼ね備えることができ、また、温度変化による諸物性の変化も少ない。特に前記微分曲線が−30〜20℃の間と、40〜100℃の間のそれぞれにピークトップを有していると諸物性のバランスの点で好ましい。低温側のピークトップが−30〜20℃の間にあると、本発明のフィルムは、低温での柔軟性が高く、引き裂き強度が強く、しかもブロッキングもあまり問題にならないものとなる。また、高温側のピークトップが40〜100℃の間にあると、本発明のフィルムは、引張強度および腰が強く、ブロッキングが生じないものとなる。
【0137】
また、前記重合体が非水系重合で合成されたものであり均質な構造を有するので、本発明のフィルムは、透明性、機械的強度が優れ、引張り時および吸水時の白化も殆どない。
【0138】
本発明のフィルムの中でも、前記平行光線透過率が80%以上である重合体からなるフィルムは、さらに透明性の要求される用途に使用する場合に適している。 また本発明のフィルムを構成する重合体は、酸価が70mgKOH/g未満のものと、酸価が70mgKOH/g以上のものに架橋構造が導入されているものに分かれるが、酸価を選ぶことにより、用途に適した耐水性および親水性のバランスを付与することができる。
【0139】
また、本発明のフィルムを構成する重合体が多価金属塩をさらに含むと、本発明のフィルムは、引っ張り強度および引き裂き強度が大きくなり、ブロッキングも起こしにくくなり、温度または湿度の変化に対してさらに安定した強度を有するようになるため好ましい。
【0140】
また本発明のフィルムと粘(接)着剤をを含む本発明の粘(接)着シートは、リサイクル瓶用ラベルやマーキングフィルム等に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で得られた重合体をDSCで測定して得られたDSC曲線およびDSC微分曲線の図である。また、DSC微分曲線に対してはベースラインを施し、ベースラインからピークトップまでの高さの比を示した。

Claims (4)

  1. α,β−不飽和カルボン酸を含むモノマー成分を重合させることにより得られ、酸価が70mgKOH/g以上、平行光線透過率が70%以上であり、かつ、示差走査熱量計で測定して得られる微分曲線が−80〜120℃の間に少なくとも2つのピークトップを有し、多価金属塩および多官能性化合物のうちから選ばれた化合物との反応により架橋構造が導入されている、ビニル系重合体からなるフィルム。
  2. 前記平行光線透過率が80%以上、かつ、前記微分曲線が少なくとも、−30〜20℃の間に1つのピークトップ、40〜100℃の間にもう1つのピークトップを有する、請求項1に記載のビニル系重合体からなるフィルム。
  3. 前記多価金属塩が IIa 族金属、 IIb 族金属および IIIb 族金属のうちから選ばれる金属の多価金属塩であり、多官能性化合物がエチレングリコールおよびエチレングリコールジグリシジルエーテルのうちから選ばれる化合物である、請求項1または2に記載のビニル系重合体からなるフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のフィルムと粘(接)着剤を含む粘(接)着シート。
JP10024896A 1995-04-26 1996-04-22 フィルムおよびその用途 Expired - Fee Related JP3745019B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10024896A JP3745019B2 (ja) 1995-04-26 1996-04-22 フィルムおよびその用途

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10205995 1995-04-26
JP7-102059 1995-04-26
JP10024896A JP3745019B2 (ja) 1995-04-26 1996-04-22 フィルムおよびその用途

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0912606A JPH0912606A (ja) 1997-01-14
JP3745019B2 true JP3745019B2 (ja) 2006-02-15

Family

ID=26441308

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10024896A Expired - Fee Related JP3745019B2 (ja) 1995-04-26 1996-04-22 フィルムおよびその用途

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3745019B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007229924A (ja) * 2004-03-31 2007-09-13 Activortal Inc 装飾ラベル
JP5408956B2 (ja) * 2008-10-22 2014-02-05 株式会社ニトムズ 粘着テープ
JP5506542B2 (ja) * 2010-05-26 2014-05-28 日東電工株式会社 感圧接着シート
US8853315B2 (en) 2010-05-26 2014-10-07 Nitto Denko Corporation Pressure-sensitive adhesive sheet

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0912606A (ja) 1997-01-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP0688814B1 (en) A void-containing polyester-type film and its laminate
JP3504706B2 (ja) ポリマーシート
JP2000516546A (ja) ポリエステルフィルム
JP5552217B2 (ja) 熱転写受像シート用染料受容層組成物
JP2020510715A (ja) クリア・オン・クリアラベル用ホットメルト感圧接着剤
CN110892010B (zh) 记录用纸及其制造方法
TW202023792A (zh) 模內標籤及附模內標籤之容器
US6018010A (en) Polymer with high acid value from unsaturated carboxylic acid and vinyl monomer
JP3745019B2 (ja) フィルムおよびその用途
CN105705559A (zh) 热塑性树脂薄膜、粘合片以及热转印用图像接受片
JPH08176316A (ja) アルカリ可溶性フィルムおよびその用途、アルカリ可溶性コーティング剤
US5219627A (en) Surface-roughened rolled plate-shaped body containing converging pigment
JP3686473B2 (ja) 高酸価を有する重合体およびその用途
JP5222027B2 (ja) シュリンク包装用印刷インキ組成物、シュリンク包装用印刷物の製造方法およびシュリンク包装用印刷物
JP6088900B2 (ja) 染料受容層形成用水性分散液
JP6315946B2 (ja) プレススルーパック包装体用蓋材及び包装体
JP2001106985A (ja) 粘着ラベル
JPH06128524A (ja) ポリビニルアルコール系フィルムの表面処理液
JPH08336936A (ja) 積層体
JP5756286B2 (ja) 熱転写受像シート用樹脂
JP2003113240A (ja) 架橋性材料
JP3027119B2 (ja) カレンダー加工用abs樹脂組成物およびそのシート状物
JP4078256B2 (ja) アクリル系共重合体、及びそれを用いたコーティング剤、シュリンクフィルム
JP5715511B2 (ja) 熱転写受像シート用樹脂の製造方法
JP3968803B2 (ja) コーティング組成物及びその製造法、用途

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041118

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041214

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050210

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050315

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050816

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051014

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20051115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20051116

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091202

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees