JP2000082834A - リード線および該リード線の接続された太陽電池パネル - Google Patents

リード線および該リード線の接続された太陽電池パネル

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JP2000082834A JP10251247A JP25124798A JP2000082834A JP 2000082834 A JP2000082834 A JP 2000082834A JP 10251247 A JP10251247 A JP 10251247A JP 25124798 A JP25124798 A JP 25124798A JP 2000082834 A JP2000082834 A JP 2000082834A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導体と導体被覆線との間から水分やガスが太
陽電池パネル内に侵入しないようにし、セルリボンの腐
食や太陽電池セル間の絶縁不良を防止する。 【解決手段】 導体被覆線23の先端部に内嵌された導
体22を露出させ、導体被覆線23の、露出した導体2
2側に近接した部分と、露出した導体22の、導体被覆
線23側に近接した部分を導体22の先端側が被覆され
ないようブチル系ゴム24により被覆する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はリード線、とくに太
陽電池パネルに用いるリード線および該リード線の接続
された太陽電池パネルに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、省エネルギの要請に伴い太陽エネ
ルギの利用が注目されており、その利用形態のひとつと
して太陽光を多数の太陽電池に受光して電気エネルギに
変換する太陽電池が種々検討されている。
【0003】しかして、太陽電池では、多数の太陽電池
セルをセルリボンで接続して太陽電池パネルを形成し、
隣り合う太陽電池パネル同士の接続や太陽電池パネルと
集電箱との接続にはリード線が用いられている。
【0004】従来の太陽電池パネルに接続されるリード
線の例は図29〜図33に示されている。図29〜図3
3に示すリード線はいずれも、相手に対して接続される
導体の先端部分が導体被覆線から突出した形状になって
いる。
【0005】図29は従来のリード線が接続された太陽
電池パネルの第一例の断面図である。
【0006】図中、1はフッ素樹脂製あるいはアルミニ
ウムなどの金属箔をフッ素フィルムやPETフィルムな
どの絶縁性フィルムで挾着した三層構造のフィルム製の
不透明な基板、2は基板1に対向配置した透明なガラス
板であり、基板1とガラス板2との間には、基板1とガ
ラス板2とを張り合わせるため中間材3が介在してい
る。しかして中間材3内には多数の太陽電池セル4が埋
め込まれている。
【0007】太陽電池セル4の中間材3への埋設は、基
板1と太陽電池セル4との間およびガラス板2と太陽電
池セル4との間にそれぞれ、シート状のエチレンビニル
アセテートあるいはポリビニルブチラールを挾み、真空
下で加熱、加圧することにより行う。
【0008】かく太陽電池セル4の表面には、隣り合う
太陽電池セル4の陽極と陰極とを接続するようセルリボ
ン5が接続されており、所定の太陽電池セル4で起電し
た電気はセルリボン5を通って順次、下流側の太陽電池
セル4へ給電されるようになっている。
【0009】基板1の外側下面には蓋6aを有する継電
箱6が設けられており、継電箱6内には、ターミナル電
極7が収納されている。
【0010】1枚の太陽電池パネルの給電方向下流側端
部における太陽電池セル4には、延在部5aを有するセ
ルリボン5が張り付けられており、セルリボン5の延在
部5aは、基板1の孔1aを貫通し、継電箱6内でター
ミナル電極7にハンダやねじ止めにより接続されてい
る。セルリボン5は銅リボンにハンダメッキを施したも
ので、厚さ0.13〜0.25mm、幅2〜6mm程度
である。
【0011】ターミナル電極7には、従来のリード線8
の導体被覆線から突出した導体部分が、ハンダ付けある
いはねじ止めにより接続されており、リード線8は継電
箱6の側部に設けた孔6bを通って外部へ延在し、図示
してない集電箱に接続されている。
【0012】継電箱6内には、ターミナル電極7が埋設
されるよう、シリコーンシーラント9が充填されてお
り、継電箱6は、継電箱6外へはみ出しているシリコー
ンシーラント9により基板1の下面に張り付けられてい
る。シリコーンシーラント9を充填するのは、ターミナ
ル電極7やリード線8などを、外部から侵入する水分か
ら保護するためである。
【0013】太陽エネルギは、ガラス板2および中間材
3を通って太陽電池セル4に照射され、発電が行われ
る。太陽電池セル4で起電された電気は、セルリボン5
を通って順次下流側へ流れ、セルリボン5の延在部5a
からターミナル電極7を通ってリード線8へ流れ、リー
ド線8から集電箱に集電され、さらにインバータを通っ
て配電盤へ送られる。
【0014】図30は従来のリード線が接続された太陽
電池パネルの第二例の断面図である。
【0015】本例は合せガラスの例で、図29に示す基
板1のかわりにガラス板10が用いられている。
【0016】また継電箱11はガラス板2,10の端縁
部に端縁部から外方へ突出するよう設けられており、継
電箱11内にはターミナル電極12が収納されている。
【0017】1枚の太陽電池パネルにおける給電方向下
流側端部の太陽電池セル4に張り付けたセルリボン5の
延在部5aは、中間材3の端縁部から外方へ突出し、そ
の先端はハンダ付けあるいはねじ止めによりターミナル
電極12に接続されている。
【0018】ターミナル電極12には、従来のリード線
8の導体被覆線から突出した導体部分が、ハンダ付けあ
るいはねじ止めにより接続されており、リード線8は継
電箱11の側部に設けた孔11aを通って外部へ延在
し、図示してない集電箱に接続されている。
【0019】継電箱11内には、ターミナル電極12が
埋設されるようシリコーンシーラント13が充填されて
おり、継電箱11は、シリコーンシーラント13により
ガラス板2,10を上下面から挾むがごとくガラス板
2,10および中間材3に接着されている。継電箱11
内にシリコーンシーラント13を充填するのは、ターミ
ナル電極12、リード線8などを、侵入する水分から保
護するためである。
【0020】図31は従来のリード線が接続された太陽
電池パネルの第三例の断面図である。
【0021】本例は複層ガラスの例で、継電箱11の配
置は基本的には図30のものに似ている。また太陽電池
セル4は、ガラス板2と、ガラス板2,10間の空気層
14内に設けられたフッ素フィルムなどの透明フィルム
15との間に収納され、中間材3により固定されてい
る。透明フィルム15は積層時、中間材3とほぼ同等な
いし2mm程度長目にセットされ、加熱圧着時、中間材
3が流延し、透明フィルム15の先端は新たに接着剤を
敷設しなくても前記中間材3により封止される。
【0022】図中、16はガラス板2,10間の周縁に
沿って設けられたシリコーンシーラントまたはポリサル
ファイド、17はシリコーンシーラントまたはポリサル
ファイド16に接してシリコーンシーラントまたはポリ
サルファイド16よりもガラス板2,10の内側に位置
するよう、ガラス板2,10間に設けられた乾燥材入り
のスペーサであり、スペーサ17とガラス板2,10の
間には、ブチル系ゴム18が挿入されている。
【0023】19は、1枚の太陽電池パネルにおける給
電方向下流側端部の太陽電池セル4に張り付けたセルリ
ボン5の延在部5aと継電箱11内に収納されたターミ
ナル電極12を、ハンダ付けなどにより接続するリボン
またはケーブルであり、リボンまたはケーブル19はス
ペーサ17ならびにシリコーンシーラントまたはポリサ
ルファイド16を貫通している。
【0024】図32は従来のリード線が接続された太陽
電池セルの第四例の断面図である。
【0025】本例は合せガラスの例で、図29の基板1
にかえてガラス板10を設けたものであり、給電系統や
継電箱6の構造は図29に示すものと同じである。しか
して、継電箱6はガラス板10の下面に張り付けられて
おり、セルリボン5の延在部5aはガラス板10に設け
られてシリコーンシーラントの充填された孔10aを通
りターミナル電極7に接続されている。
【0026】図33は従来のリード線が接続された太陽
電池パネルの第五例の断面図である。
【0027】本例は複層ガラスの例で、継電箱6はガラ
ス板2,10間の空気層14内に収納した透明フィルム
15の下面にシリコーンシーラント9を介して接着され
ている。セルリボン5の延在部5aは透明フィルム15
の孔15aを通って継電箱6内へ延び、ターミナル電極
7に接続されている。また、リード線8は継電箱6およ
びスペーサ17ならびにシリコーンシーラントまたはポ
リサルファイド16を貫通して複層ガラスの外部へ引き
出されている。
【0028】図30〜図33においても、太陽電池セル
4で起電された電気は、セルリボン5を経て順次下流へ
流れ、ターミナル電極12または7を通りリード線8へ
送出され、リード線8を通ってさらに下流へ給電され
る。
【0029】
【発明が解決しようとする課題】図29〜図33のいず
れにあっても、リード線8の導体被覆線の除去された導
体先端部は、基体直近に設けられた継電箱6または11
内でターミナル電極7または12に接続されるととも
に、導体先端部はシリコーンシーラント9、もしくはシ
リコーンシーラント13内に埋設されている。
【0030】しかし、継電箱6,11に充填される材料
がシリコーンの場合には、ガスの耐透過性が十分でな
く、かつ一定量の水分を吸湿するため、セルリボン5の
延在部5aまたは中間材3を通し、水分またはガスが太
陽電池パネル内に侵入することを十分には阻止できな
い。このため、セルリボン5の腐食による抵抗増加のた
め太陽電池パネルに発電量の低下を招来したり、太陽電
池セル4,4間の絶縁性が低下する、などの問題が発生
する虞れがある。また、シリコーンシーラント9,13
を個々の継電箱6,11に充填するために、手間と材料
費が必要となり、コストアップを招来する。
【0031】さらに、図30、31のものは、ガラス板
2,10の端縁部に継電箱11を設けているため継電箱
11設置のための余分なスペースが必要となり、しかも
継電箱11がガラス板2,10の端縁部から外方へ突出
しているため、美観を著しく損ねる問題がある。
【0032】さらにまた、図32、33のものも、ガラ
ス板2または透明フィルム15の下面に継電箱6を設け
ているため継電箱6が外部から見え、美観が損なわれ、
図29、図32のものでは継電箱6を基板1またはガラ
ス板2の下面に設けているため、この場合にも継電箱6
設置のための余分なスペースが必要となり、美観が悪
い。
【0033】またさらに、図29〜図33のいずれのも
のにあっても、継電箱6,11内にトラブルが発生した
場合には、シリコーンシーラント9,13を継電箱6,
11から除去する必要があるが、この作業がたいへんで
ある。
【0034】また、継電箱6,11は各ターミナル電極
7,12ごとに必要となるため、すくなくとも1枚の太
陽電池パネルに1個の継電箱6または11が必要とな
り、したがって、多数の太陽電池パネルの集合体である
太陽電池設備では多数の継電箱6または11を設ける必
要があり、コストアップを招来したり美観を損ねたりす
る虞れがある。
【0035】本発明は上述の実情に鑑み、耐透水性や耐
透ガス性に優れたリード線の構造を提供し、太陽電池パ
ネル内へ水分やガスが侵入しないようにして絶縁不良な
どのトラブルが生じないようにし、また太陽電池パネル
ごとに継電箱を設置せずにまとめて人の目に触れにくい
ところへ継電箱を設置できるようにすることで太陽電池
設備のコストの削減、スペースの有効利用、美観の向上
を図り得るようにした、リード線および該リード線の接
続された太陽電池パネルを提供することを目的としてな
したものである。
【0036】
【課題を解決するための手段】本発明のうち第1の発明
にかかるリード線は、電気の通電される導体と、該導体
の先端側を所要の間隔露出させるよう前記導体を被覆す
る導体被覆線と、前記導体の先端側が被覆されないよ
う、前記導体と導体被覆線の導体側とを所要の範囲に亘
り被覆する耐湿性材料とを備えたものである。
【0037】また、第2の発明のリード線は、導体の先
端側が被覆されないよう、耐湿性材料を熱収縮チューブ
により被覆したものである。
【0038】さらに、第3の発明のリード線は、耐湿性
材料をブチル系ゴムとしたものである。ブチル系ゴムと
しては、1)イソブチレン単独重合体、2)イソブチレ
ン・イソブチレン共重合体(ブチルゴム)、3)ハロゲ
ン化ブチルゴム、4)部分加硫ブチルゴムなどがある。
【0039】さらにまた、第4の発明のリード線は、熱
収縮チューブの導体側の先端部に耐湿性材料の導体側へ
の流動を防止するための耐湿性材料流動防止体を充填さ
せたものである。耐湿性材料流動防止体としては、反応
硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂があり、とく
にブチル系ゴムとの相性が良いため、エチレンビニルア
セテートが好ましい。耐湿性材料流動防止体は、反応硬
化性樹脂の場合は薬品と反応させて硬化され、熱硬化性
樹脂の場合は加熱することにより硬化され、熱可塑性樹
脂の場合は加熱後冷却することにより硬化される。
【0040】したがって、上述の第1〜第4の発明では
導体と導体被覆線との間に水分やガスが侵入することが
なく、このため、リード線を通して、太陽電池セルへの
水分やガスの侵入がないため、セルリボンの腐食や絶縁
不良などが生じることはない。
【0041】第5の発明の太陽電池パネルは、すくなく
とも受光側が透明な複数の板状体間に収納された太陽電
池セルのセルリボンもしくは太陽電池セルで起電された
電気を送電し得るよう所要の板状体の内表面に酸化結合
された導電性のハンダに、第1、第2、第3または第4
の発明のリード線における導体の露出部を接続したもの
である。
【0042】したがって、第5の発明では、太陽電池パ
ネルごとに継電箱を設ける必要がなく、複数の太陽電池
パネルに対して1個の継電箱を設け、1個の継電箱に複
数の太陽電池パネルのリード線をまとめて接続すること
ができるため、コストの削減、スペースの有効利用が可
能となり、また継電箱は人目につきにくいところへ設置
することが可能となるため、太陽電池設備としての見映
えが良くなり美観が向上する。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照しつつ説明する。
【0044】図1〜図3は、本発明のリード線の実施の
形態の一例を示す。
【0045】図1は本発明のリード線の先端部近傍の断
面図、図2は図1のII−II方向矢視図、図3は図1
のIII−III方向矢視図である。
【0046】図1〜図3中、21はリード線、22は導
体、23は導体被覆線、24は耐湿性材料であるブチル
系ゴム、25は熱収縮チューブである。
【0047】リード線21は、中心側に断面円形の導体
22を備えるとともに導体22には円筒形の導体被覆線
23が外嵌されており、リード線21の先端側において
は導体被覆線23が所要の長さに亘り切除され、導体2
2の先端側が露出している。
【0048】導体22における露出した部分の、導体被
覆線23に近接する部分と導体被覆線23の、露出した
導体22に近接する部分には、導体22の一部および導
体被覆線23の一部の外周を包囲するようにして円筒状
のブチル系ゴム24が外嵌されている。
【0049】ブチル系ゴム24は、導体22の外周部で
は小径であるが、導体被覆線23の外周部では導体被覆
線23の外径に合わせて太径となり、導体22と導体被
覆線23の境界部ではブチル系ゴム24は段状になって
いる。
【0050】導体22における露出した部分の、ブチル
系ゴム24に近接する部分と、ブチル系ゴム24と、導
体被覆線23の、ブチル系ゴム24に近接する部分に
は、導体22の一部とブチル系ゴム24全長と導体被覆
線23の一部の外周を包囲するようにして円筒状の熱収
縮チューブ25が外嵌され、ブチル系ゴム24は熱収縮
チューブ25により導体22および導体被覆線23に固
定されている。
【0051】しかし、導体22の先端部は一部、熱収縮
チューブ25から外方へ突出し、露出した状態になって
いる。
【0052】導体22としては、錫メッキ軟銅線、銀、
ニッケルメッキ軟銅線、銀メッキ軟銅線、電気用軟銅
線、裸銅線、ワイヤロープなどが用いられ、単線の場合
は外径が0.1〜1.6mmφ程度とし、撚線の場合は
外径が0.2〜1.8mmφ程度とする。
【0053】導体被覆線23としてはテフロン、フッ素
などを用い、厚さ0.15〜0.3mm程度とし、ブチ
ル系ゴム24は厚さ0.1〜0.4mm程度とする。
【0054】熱収縮チューブ25としては、ポリオレフ
ィン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニルなどが用
いられ、熱収縮前の寸法は、内径が1.3〜3.5mm
φ程度、厚さが0.2〜0.25mm程度とし、熱収縮
後の寸法は、内径が0.5〜2.2mmφ程度とし、厚
さは0.3〜0.45mm程度とする。
【0055】本実施の形態例のリード線21によれば、
リード線21部分に付着した水分が導体22と導体被覆
線23との間より太陽電池パネル内に侵入することがな
く、したがって、リード線21を通してのセルリボンの
腐食や太陽電池セル間の絶縁不良といったトラブルが生
ずることがない。
【0056】図4および図5は、本発明のリード線の実
施の形態の他の例を示す。
【0057】図4は本発明のリード線の先端部近傍の断
面図、図5は図4のV−V方向矢視図である。
【0058】図4、5中、58は耐湿性材料流動防止体
であり、図中、図1〜図3と同一のものには同一の符号
が付してある。
【0059】本実施の形態例におけるリード線21は構
造、寸法とも基本的には図1〜図3に示すリード線21
とほぼ同じである。しかし、本実施の形態例において
は、ブチル系ゴム24から前方へ突出した導体22の外
周に、後端がブチル系ゴム24の先端に接触するよう、
ほぼブチル系ゴム24と同径の耐湿性材料流動防止体5
8が外嵌されており、耐湿性材料流動防止体58の外周
には、ブチル系ゴム24の外周に嵌合された熱収縮チュ
ーブ25の先端側が外嵌されている。耐湿性材料流動防
止体58の先端はわずかに熱収縮チューブ25の先端前
方へ突出し、耐湿性材料流動防止体58の外周と熱収縮
チューブ25の内周との間の隙間を塞ぐよう、かしめた
ような形状となっている。
【0060】本実施の形態例のリード線21において
も、リード線21部分に付着した水分やガスが導体22
と導体被覆線23との間より太陽電池パネル内に侵入す
ることがなく、したがってリード線21を通してのセル
リボン腐食や太陽電池セル間に絶縁不良といったトラブ
ルが生ずることはない。
【0061】また、耐湿性材料流動防止体58は熱収縮
チューブ25内に充填された状態となっているため、熱
収縮チューブ25内のブチル系ゴム24が露出している
導体22側へ流動することを防止できる。
【0062】次に、図1〜図3に示すリード線21の製
造方法について説明する。
【0063】図6〜図9は本発明の実施の形態の一例で
ある、図1〜図3に示すリード線の製造方法の第一例で
ある。しかして図6は導体被覆線の一部を除去した状態
を示す断面図、図7は露出した導体と導体被覆線の境界
部にブチル系ゴムを団子状に取付けた状態を示す断面
図、図8はブチル系ゴムを薄く延ばして露出した導体の
一部および導体被覆線の一部をブチル系ゴムにより被覆
した状態を示す断面図、図9は薄く延ばしたブチル系ゴ
ムに熱収縮していない熱収縮チューブを嵌め込んだ状態
を示す断面図である。
【0064】図7中、24aは団子状のブチル系ゴム、
図9中、25aは熱収縮する前の熱収縮チューブであ
る。
【0065】しかして、本製造方法の一例においては、
外径1.0mmφのリード線体の導体被覆線23をリー
ド線体の先端から約20mm程度切断、除去して導体2
2の先端側を露出させる(図6参照)。
【0066】次に、導体22と導体被覆線23との境界
部に少量のブチル系ゴム24aを団子状に巻き付け(図
7参照)、このブチル系ゴム24aを導体22の先端方
向へ約10mmの長さで厚さが約0.2mm程度となる
よう指で引き延ばし、導体被覆線23の導体22側の一
部と導体22の導体被覆線23側の一部に全周に亘りブ
チル系ゴム24aを巻き付けて段付き円筒状のブチル系
ゴム24を形成する(図8参照)。
【0067】続いて、内径約1.5mmφで厚さが0.
2mm、長さが20mmの熱収縮チューブ25aを、導
体22の先端が熱収縮チューブ25aの前方に突出する
とともにブチル系ゴム24の先端および後端が熱収縮チ
ューブ25a内に位置するよう、導体22の先端側から
ブチル系ゴム24の外周に嵌め込む(図9参照)。
【0068】熱収縮チューブ25aがブチル系ゴム24
に外嵌されたら、熱収縮チューブ25aを熱風ドライヤ
で約15秒加熱する。熱収縮チューブ25aは温度約1
20℃で完全に収縮し、導体22の先端側は熱収縮チュ
ーブ25から約10mm前方へ突出した図1に示すごと
きリード線21となる。熱収縮後の熱収縮チューブ25
の外径は、導体22の部分で約1.1mmφ、導体被覆
線23の部分で約1.9mmφである。
【0069】図10〜図14は本発明の実施の形態の一
例である、図1〜図3に示すリード線の製造方法の第二
例である。しかして、図10は外径2mmφのブチル系
ゴムを離型紙に挾んだ状態を示す正面図、図11は図1
0のXI−XI方向矢視図、図12は離型紙に挾まれた
ブチル系ゴムをローラで圧延する状態を示す側面図、図
13は図12で圧延により平板状になった、離型紙に挾
まれたブチル系ゴムを所定の大きさに切り取る状態を示
す平面図、図14はリード線先端の導体被覆線を除去し
た部分に導体の一部および導体被覆線の一部を覆うよ
う、図13で切り取られたブチル系ゴムを導体の一部お
よび導体被覆線の一部に巻き付ける状態を示す断面図で
ある。
【0070】図10、11中、24bは円形の細長い紐
状のブチル系ゴム、26はブチル系ゴム24bを上下か
ら挾むよう設けた所定幅の離型紙である。
【0071】図12中、27は圧延ロール、図13中、
28は圧延されて平板状となったブチル系ゴム24bと
離型紙26の積層体、図14中、28aは積層体28の
一部を切断して形成した積層体片である。
【0072】円形の細長い紐状のブチル系ゴム24bを
上下から離型紙26により挾み(図10、11参照)、
これをクリアランスを0.25mm程度にした圧延ロー
ル27,27間に通す(図12参照)。このため、ブチ
ル系ゴム24bは離型紙26間で平板状に延ばされ、平
板状のブチル系ゴムが離型紙に挾まれた厚さ約2mmの
積層体28が形成される(図13参照)。
【0073】この離型紙26とブチル系ゴム24bの積
層体28を幅約2mm、長さ約10mmに切断してリー
ド線21の導体22と導体被覆線23との境界部に、導
体22先端側が約10mm程度露出するよう巻き付ける
(図14参照)。この際、積層体28の導体22や導体
被覆線23に直接接触する側は予め離型紙26を剥ぎ取
っておき、巻き終えたところで外周側の離型紙26を剥
ぎ取る。このようにすることにより、巻き付けられたブ
チル系ゴム24bの厚さが均一となり、かつ指が汚れる
ことを防止できる。
【0074】ブチル系ゴムの積層体片28aを導体22
および導体被覆線23に巻き付けると、その形状は図8
に示すごとくなり、以後の作業手順は、リード線21の
製造方法の第一例に従って行われる。
【0075】前記リード線の製造方法の第一例、第二例
に基づいてリード線の製造を行う場合、熱収縮チューブ
としてはポリフッ化ビニリデンを使用することもでき
る。この場合、熱風ドライヤでの加熱は約20秒であ
り、熱収縮チューブは約160℃で完全に収縮する。
【0076】図15〜図17は本発明の実施の形態の一
例である、リード線の製造方法の第三例である。しかし
て、図15は圧力容器の断面図、図16は熱収縮チュー
ブであるポリフッ化ビニリデンの長手方向中途位置まで
ブチル系ゴムが充填された状態を示す断面図、図17は
ブチル系ゴムが充填された熱収縮チューブをリード線の
導体および導体被覆線に嵌め込もうとしている状態を示
す断面図である。
【0077】図15中、29は下部外周にヒータ30を
備えた圧力容器、31は圧力容器29内に収納されヒー
タ30により加熱されて溶融状態となっているブチル系
ゴム、32は圧力容器29の上面を遮蔽する蓋、33は
蓋32を貫通して下方へ延在し圧力容器29内に収納さ
れているブチル系ゴム31内に下端が挿入されたポリフ
ッ化ビニリデンのごとき熱収縮チューブ、34は蓋32
に設けたシール、35は加圧空気あるいは加圧N2ガス
である。
【0078】圧力容器29内に収納したブチル系ゴム3
1をヒータ30により加熱して溶融させるとともに蓋3
2に設けたシール34を通して多数の熱収縮チューブ3
3の下端を溶融しているブチル系ゴム31内に挿入して
おき、圧力空気あるいは加圧N2ガス35を圧力容器2
9内の上部空間に送り込む。
【0079】一方、熱収縮チューブ33の圧力容器29
外端部は開口して大気に開放された状態にあるため、圧
力容器29内の溶融しているブチル系ゴム31はガス圧
により熱収縮チューブ33の下端から熱収縮チューブ3
3内へ所定高さ位置まで押し込まれる(図15参照)。
ブチル系ゴム31が熱収縮チューブ33の全体に押し込
まれないのは、熱収縮チューブ33の上部は下部よりも
温度が低く、ブチル系ゴム31の粘性が高くなり、した
がってブチル系ゴム31が流動しにくくなるためであ
る。
【0080】ブチル系ゴム31が熱収縮チューブ33内
に所定状態に充填されたら、これを圧力容器29から撤
去し、熱収縮チューブ33をブチル系ゴム31が充填さ
れている位置で約15mmの長さに切断する(図16参
照)。
【0081】次に、ブチル系ゴム31の充填されている
熱収縮チューブ33を、リード線21の導体被覆線23
が除去されている側から、導体22に手で押し込む(図
17参照)。この際、熱収縮チューブ33およびブチル
系ゴム31の一部は導体22および導体被覆線23の一
部を包囲するが、導体22の露出した先端部はブチル系
ゴム31や熱収縮チューブ33により包囲されない状態
とする。
【0082】図17に示すごとく、ブチル系ゴム31の
充填された熱収縮チューブ33がリード線21の導体2
2および導体被覆線23に所定の状態に嵌め込まれた
ら、熱風ドライヤで熱収縮チューブ33を約20秒加熱
する。これにより、図1に示すごとき構造のリード線が
得られる。
【0083】続いて、図4、5に示すリード線21の製
造方法について説明する。
【0084】図18、19は本発明の実施の形態の他の
例のリード線の製造方法の一例である。しかして、図1
8はブチル系ゴムを薄く延ばして露出した導体の一部お
よび導体被覆線の一部をブチル系ゴムにより被覆すると
ともに導体に硬化して耐湿性材料流動防止体となる材料
をブチル系ゴムと当接するように被覆した状態を示す断
面図である。また、図19は薄く延ばしたブチル系ゴム
および硬化して耐湿性材料流動防止体となる材料に熱収
縮していない熱収縮チューブを嵌め込んだ状態を示す断
面図である。
【0085】しかして、本製造方法においては、最初は
図1〜図3に示すリード線21を製造する場合と同様、
図6、7、8に示す段階を経て図8に示すように、導体
被覆線23の導体22側の一部と導体22の導体被覆線
23の全周に亘りブチル系ゴム24aを巻き付けて段付
き円筒状のブチル系ゴム24を形成する。
【0086】また次に、露出している導体22の外周
に、後端がブチル系ゴム24と当接し先端側は導体22
が被覆されないようにして、図18に示すごとく硬化し
て耐湿性材料流動防止体となる材料58aを、ブチル系
ゴム24の小径部と略同一径となるよう、巻き付ける。
材料58aは、幅1〜9mm、長さ2〜3mmに切断し
たピースを用いる。材料58aとしては、反応硬化性樹
脂、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂があり、とくにブチル
系ゴムとの相性が良いため、エチレンビニルアセテート
が好ましい。材料58aはリード線製造時に、薬品と反
応して硬化するか、熱収縮チューブ25aを加熱する際
一緒に加熱されて硬化するか、あるいは加熱後冷却する
ことにより硬化する。
【0087】続いて、まだ熱収縮していない熱収縮チュ
ーブ25aを、導体22の先端が熱収縮チューブ25a
の前方に突出するとともにブチル系ゴム24の先端は材
料58aの先端部近傍に位置し、ブチル系ゴム24の後
端が熱収縮チューブ25内に位置するよう、導体22の
先端側からブチル系ゴム24の外周に嵌め込む(図19
参照)。ブチル系ゴム24aを引き延ばしたときの長さ
および厚さ、熱収縮チューブ25の長さおよび厚さは図
8、9の場合とほぼ同じである。
【0088】熱収縮チューブ25aがブチル系ゴム24
および材料58aに所定の状態に嵌め込まれたら、熱風
ドライヤで約20秒加熱する。これにより、図4に示す
ごとき構造のリード線が得られる。この際、材料58a
は熱収縮チューブ25aと共に加熱され、熱硬化性樹脂
の場合には加熱により硬化し熱可塑性樹脂の場合は加熱
後、冷却することにより硬化する。なお、材料58aが
反応硬化性樹脂の場合は、導体22の外周に巻き付けた
後、熱収縮チューブ25aを加熱する前に薬品と反応さ
せて硬化させる。
【0089】続いて、上述の如きリード線21を使用し
た太陽電池パネルの例を図面により説明する。
【0090】図20は本発明のリード線が接続された太
陽電池パネルの実施の形態の第一例の断面図で、合せガ
ラスの例である。
【0091】リード線21の導体22の先端は、1枚の
太陽電池パネルにおける給電方向下流側端部の太陽電池
セル4に張り付けたセルリボン5の延在部5aに、ガラ
ス板2,10間に介在する中間材3の内部でハンダ付け
などにより接続されている。
【0092】また、リード線21における熱収縮チュー
ブ25の裸の導体22側の一部はガラス板2,10間に
介在する中間材3内に埋設され、それ以外の熱収縮チュ
ーブ25は中間材3の周縁部から外方へ突出している。
しかして、リード線21は、熱収縮チューブ25の一部
が中間材3に埋設されることにより太陽電池パネルに固
定されている。
【0093】太陽エネルギはガラス板2および中間材3
を通って太陽電池セル4に照射され、発電が行われる。
太陽電池セルで発電された電気は、セルリボン5を順次
通って下流側へ流れ、リード線21から集電箱に集電さ
れ、さらにインバータを通って配電盤へ送られる。
【0094】リード線21の先端は耐透水性に優れてい
る中間材3内に埋設されているうえ、リード線21の導
体被覆線23を除去された裸の導体の部分と導体被覆線
23の境界部分にはブチル系ゴム24が巻き付けられて
いるため、導体22と導体被覆線23との間より太陽電
池パネル内に水分やガスが侵入することがなく、セルリ
ボン5腐食による抵抗増加、太陽電池セル4間の絶縁不
良などのトラブルが生じる虞れがない。
【0095】図21は本発明のリード線が接続された太
陽電池パネルの実施の形態の第二例の断面図で、合せガ
ラスの例である。図中、36は導電性のハンダである。
【0096】中間材3の周縁部から中間材3内に挿入さ
れたリード線21の導体被覆線23の除去された導体2
2の先端は、ガラス板10内面に固設された導電性のハ
ンダ36にガラス板10の周縁部近傍でハンダ付けなど
により接続されている。
【0097】導電性のハンダ36は酸化結合によりガラ
ス板2内表面に固設され、その厚さは10〜100μ
m、好ましくは20〜40μm程度であり、幅は0.5
〜5mm程度、好ましくは1〜2mm程度である。
【0098】また導電性のハンダ36の組成はPb40
〜98%、Sn1.8〜50%、Zn0.05〜10
%、Sb0.05〜10%、Al0.1%以下である
か、あるいはPb40〜98%、Sn1.8〜50%、
Zn0.05〜10%、Sb0.05〜10%、Al
0.1%以下、Si+Ti+Beの合計量0.5%以下
である。
【0099】本実施の形態においては、太陽電池セル4
で起電された電気は図示してない系路から導電性のハン
ダ36を通り、リード線21へ給電される。
【0100】本実施の形態例においても導体22と導体
被覆線23との間より太陽電池パネル内に水分やガスが
侵入することがなく、絶縁不良のトラブルが生じる虞れ
がない。
【0101】図22は本発明のリード線が接続された太
陽電池パネルの実施の形態の第三例の断面図で、合せガ
ラスの例である。
【0102】図中、37は室内側に位置するガラス板1
0に穿設された貫通孔、38は貫通孔37の中間材3側
に充填されたブチル系ゴム、39は貫通孔37の室内側
に充填されたシリコーンである。
【0103】リード線21は熱収縮チューブ25の部分
が貫通孔37内に挿入され、熱収縮チューブ25は貫通
孔37に充填したブチル系ゴム38とシリコーン39と
によってガラス板10に固定されかつ水分が中間材3内
に侵入しないようになっている。またリード線21の導
体22先端は、電流流れ方向下流端の太陽電池セル4に
張り付けられガラス板10の内面に貼着された、セルリ
ボン5の延在部5aにハンダ付けにより接続されてい
る。延在部5aは図21に示すような導電性のハンダと
しても良い。
【0104】この場合にも、セルリボン5で起電された
電気はリード線21へ送電される。またリード線21の
導体22と導体被覆線23との間より太陽電池パネル内
に水分やガスが侵入して絶縁不良を生じさせることはな
い。
【0105】図23は、本発明のリード線が接続された
太陽電池パネルの実施の形態の第四例の断面図で、太陽
エネルギを直接照射されない側が図29と同様な不透明
な基板1とした例である。
【0106】図23中、40は基板1に設けた孔、41
は孔40に充填したブチル系ゴムである。
【0107】熱収縮チューブ25の導体22先端側は孔
40を通って中間材3内に挿入され、リード線21の導
体22先端は、電流流れ方向下流端の太陽電池セル4に
張り付けられかつ基板1の内面に貼着された、セルリボ
ン5の延在部5aにハンダ付けにより接続されている。
延在部5aは図21に示すような導電性のハンダとして
も良い。また基板1の孔40にはブチル系ゴム41が充
填されて、リード線21の固定や中間材3内への水分の
侵入を防止し得るようになっている。
【0108】この場合にもセルリボン5で起電された電
気はリード線21へ給電され、またリード線21の導体
22と導体被覆線23との間より太陽電池パネル内に水
分やガスが侵入して絶縁不良を生じることもない。
【0109】図24は本発明のリード線が接続された太
陽電池パネルの実施の形態の第五例の断面図で、合せガ
ラスと複層ガラスを組み合わせた例である。
【0110】図中、42はガラス板、43はガラス板1
0と42との間に形成された空気層44に、ガラス板1
0,42の周縁側に位置するよう取付けられた二次シー
ル、45は二次シール43よりもガラス板2,10の平
面方向中心側に二次シール43に接着されるよう設けら
れたスペーサである。
【0111】しかして、本実施の形態の太陽電池セル
4、セルリボン5、リード線21の配置は図20に示す
ものとほぼ同じであり、図20に示すものと同一の作用
効果を奏し得られる。
【0112】図25は本発明のリード線が接続された太
陽電池パネルの実施の形態の第六例の断面図、図26は
図25のXXVI−XXVI方向矢視図である。
【0113】図中、46は複層ガラスであるガラス板
2,42間に形成された空気層47内に収納されたガラ
ス板または透明な裏面フィルム、48はガラス板2と4
2との間に形成された空気層47に、ガラス板2,42
の周縁側に位置するよう取付けられた二次シール、49
は二次シール48よりもガラス板2,42の平面方向中
心側に二次シール48に接着されるよう設けられたスペ
ーサ、50,51はブチル系ゴムである。
【0114】太陽電池セル4は、ガラス板2とガラス板
または透明な裏面フィルム46との間に設けられた中間
材3内に埋設されている。また、リード線21は、熱収
縮チューブ25の部分が二次シール48およびスペーサ
49を貫通してその先端側および導体22が空気層47
内へ延在し、導体22の先端は、中間材3内に埋設され
た状態でセルリボン5の延在部5aに接続されている。
【0115】リード線21の熱収縮チューブ25が通る
スペーサ49の部分は凹状に形成され、その凹状部には
熱収縮チューブ25を包囲するがごとくガラス板2内面
との間にブチル系ゴム50が充填されている。またスペ
ーサ49とガラス板42内面との間にもブチル系ゴム5
1が充填されている。
【0116】本発明の形態例においても図20と同様の
作用効果を奏することができる。
【0117】図27は本発明のリード線が接続された太
陽電池パネルの第七例の断面図で、複層ガラスの例であ
る。
【0118】図中、52はブチル系ゴムである。スペー
サ49のガラス板2,42厚さ方向ほぼ中間部にガラス
板2,42と平行な方向へ貫通する孔が設けられ、該孔
にリード線21の導体22を挿通し得るよう、筒状のブ
チル系ゴム52が嵌入されている。また、前記孔には、
熱収縮チューブ25の部分までを挿通しても良く、熱収
縮チューブ25と孔との隙間にはブチル系ゴム52が充
填される。
【0119】本実施の形態例においても、図25のもの
と同様の作用効果を奏することができる。
【0120】なお、図20〜図27中、図29〜図33
に示すものと同一のものには同一の符号が付してある。
【0121】図20〜図27に示す太陽電池パネルから
引き出されたリード線21はこれを人目に触れないよう
所定の場所に設けた継電箱まで敷設する必要がある。し
かして図28は太陽電池パネルから引き出されたリード
線21を引き回す様子を示す斜視図であり、図中、53
は、図20〜図27に示すごとき太陽電池パネルであ
る。
【0122】太陽電池パネル53から引き出されたリー
ド線21は、太陽電池パネル53の端縁に沿い敷設さ
れ、ぶらぶらしないようにリード線21の長手方向中途
部はテープ54により仮固定されている。またリード線
21の外側先端には、リード線21を継電箱と接続する
ためのリード線57をコネクタ55を介して接続し得る
よう、コネクタ56が接続されている。
【0123】リード線57としては、耐久性、機械的強
度などを考慮してリード線21よりも丈夫なものを使用
する。
【0124】図20〜図27の各実施の形態例において
は、従来かく太陽電池パネルごとに必要であった継電箱
をかく太陽電池パネルごとに設ける必要はない。すなわ
ち、導体22がセルリボン5の延在部5aあるいはハン
ダ36に接続された複数の太陽電池パネル53のそれぞ
れのリード線21を、たとえば隣り合う太陽電池パネル
53との間に設けられたウェザシール内などに挿通させ
たうえ、複数の太陽電池パネル53を構造体に支持させ
るための一つの支持金具の目に触れにくい部分(たとえ
ば裏面)に設けた継電箱まで敷設することができる。
【0125】したがって、図20〜図27に示す太陽電
池パネルの場合、太陽電池パネルごとに継電箱を設置せ
ずに、まとめて人の目に触れにくい場所へ継電箱を設置
できるようになるため、継電箱の数を減少させてコスト
の削減を図ることができるとともにスペースの有効利用
を図り得られ、さらには太陽電池設備としての美観の向
上を図ることができる。
【0126】なお、本発明の実施の形態においては、リ
ード線の導体被覆線および導体に巻き付けられたブチル
系ゴムに、熱収縮チューブを外嵌する場合について説明
したが熱収縮チューブはなくても実施できること、耐湿
性材料としてはブチル系ゴムに限らず種々のものを使用
できること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更を加え得ること、などは勿論である。
【0127】
【発明の効果】本発明のリード線および該リード線の接
続された太陽電池パネルによれば、請求項1〜4のいず
れにおいても、導体と導体被覆線との間より太陽電池パ
ネルに水分やガスが侵入することがなく、このため、リ
ード線を通してのセルリボンの腐食、太陽電池セル間の
絶縁不良などのトラブルが生ずることがなく、また請求
項5によれば太陽電池パネルごとに継電箱を設ける必要
がなく、複数の太陽電池パネルに対して1個の継電箱を
設け、1個の継電箱に複数の太陽電池パネルのリード線
をまとめて接続することができるため、コストの削減、
スペースの有効利用が可能となり、また継電箱は人目に
つきにくいところへ設置することが可能となるため、太
陽電池設備としての見映えがよくなり、美観が向上す
る、など種々の優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のリード線の実施の形態の一例で、リー
ド線先端部近傍の断面図である。
【図2】図1のII−II方向矢視図である。
【図3】図1のIII−III方向矢視図である。
【図4】本発明のリード線の実施の形態の他の例で、リ
ード線先端部近傍の断面図である。
【図5】図4のV−V方向矢視図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例に示すリード線を製
造するための第一例の手順を示し、導体被覆線の一部を
除去した状態を示す断面図である。
【図7】図6に示すごとく導体被覆線と導体被覆線を除
去した導体の境界部にブチル系ゴムを団子状態に付着さ
せた状態を示す断面図である。
【図8】図7の状態からブチル系ゴムを導体被複線から
導体の中途部まで薄く延ばした状態を示す断面図であ
る。
【図9】図8に示すごとく薄く延ばされたブチル系ゴム
の外周に熱収縮するまえの熱収縮ゴムを嵌め込んだ状態
を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態の一例に示すリード線を
製造するための第二例の手順を示し、円形状の細長いブ
チル系ゴムを離型紙により挾んだ状態を示す正面図であ
る。
【図11】図10のXI−XI方向矢視図である。
【図12】図10、11に示す離型紙により挾んだブチ
ル系ゴムを圧延する状態を示す側面図である。
【図13】図12に示すように圧延した結果得られた離
型紙とブチル系ゴムの積層体の平面図である。
【図14】図13に示す積層体の一部を除去して得られ
た積層体片を導体被覆線と導体被覆線が除去された導体
に巻き付けようとする状態を示す平面図である。
【図15】本発明の実施の形態の一例に示すリード線を
製造するための第三例の手順を示し、熱収縮チューブを
ブチル系ゴムの収納されている圧力容器に挿入した状態
を示す縦断面図である。
【図16】図15の手順により熱収縮チューブの中途部
までブチル系ゴムの入った状態を示す断面図である。
【図17】図16に示すごとくブチル系ゴムの充填され
ている部分で切断した熱収縮チューブをリード線の導体
被覆線の除去された導体に差し込もうとしている状態を
示す断面図である。
【図18】本発明の実施の形態の他の例に示すリード線
を製造するための手順の一例を示し、ブチル系ゴムを薄
く延ばして露出した導体の一部および導体被覆線の一部
をブチル系ゴムにより被覆するとともに導体に耐湿性材
料流動防止体をブチル系ゴムと当接するよう被覆した状
態を示す断面図である。
【図19】薄く延ばしたブチル系ゴムおよび耐湿性材料
流動防止体に熱収縮していない熱収縮チューブを嵌め込
んだ状態を示す断面図である。
【図20】本発明のリード線が接続された太陽電池パネ
ルの実施の形態の第一例の断面図である。
【図21】本発明のリード線が接続された太陽電池パネ
ルの実施の形態の第二例の断面図である。
【図22】本発明のリード線が接続された太陽電池パネ
ルの実施の形態の第三例の断面図である。
【図23】本発明のリード線が接続された太陽電池パネ
ルの実施の形態の第四例の断面図である。
【図24】本発明のリード線が接続された太陽電池パネ
ルの実施の形態の第五例の断面図である。
【図25】本発明のリード線が接続された太陽電池パネ
ルの実施の形態の第六例の断面図である。
【図26】図25のXXVI−XXVI方向矢視図であ
る。
【図27】本発明のリード線が接続された太陽電池パネ
ルの実施の形態の第七例の断面図である。
【図28】図20〜図27に示す太陽電池パネルの周縁
に沿って延在するリード線を仮止めした状態を示す斜視
図である。
【図29】従来のリード線が接続された太陽電池パネル
の第一例の断面図である。
【図30】従来のリード線が接続された太陽電池パネル
の第二例の断面図である。
【図31】従来のリード線が接続された太陽電池パネル
の第三例の断面図である。
【図32】従来のリード線が接続された太陽電池パネル
の第四例の断面図である。
【図33】従来のリード線が接続された太陽電池パネル
の第五例の断面図である。
【符号の説明】
1 基板(板状体) 2 ガラス板(板状体) 4 太陽電池セル 5 セルリボン 10 ガラス板(板状体) 21 リード線 22 導体 23 導体被覆線 24 ブチル系ゴム(耐湿性材料) 25 熱収縮チューブ 36 ハンダ 53 太陽電池パネル 58 耐湿性材料流動防止体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹原 徹雄 神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目1番地 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 5F051 BA18 EA01 EA02 EA17 5G309 FA06

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気の通電される導体と、該導体の先端
    側を所要の間隔露出させるよう前記導体を被覆する導体
    被覆線と、前記導体の先端側が被覆されないよう、前記
    導体と導体被覆線の導体側とを所要の範囲に亘り被覆す
    る耐湿性材料とを備えたことを特徴とするリード線。
  2. 【請求項2】 請求項1において、導体の先端側が被覆
    されないよう、耐湿性材料を熱収縮チューブにより被覆
    したことを特徴とするリード線。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、耐湿性材料
    をブチル系ゴムとしたことを特徴とするリード線。
  4. 【請求項4】 請求項2または3において、熱収縮チュ
    ーブの導体側の先端部に耐湿性材料の導体側への流動を
    防止するための耐湿性材料流動防止体を充填させたこと
    を特徴とするリード線。
  5. 【請求項5】 すくなくとも受光側が透明な複数の板状
    体間に収納された太陽電池セルのセルリボンもしくは太
    陽電池セルで起電された電気を送電し得るよう所要の板
    状体の内表面に酸化結合された導電性のハンダに、請求
    項1、2、3または4に記載のリード線における導体の
    露出部を接続したことを特徴とする太陽電池パネル。
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