JP4370826B2 - 太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法に関し、特に、防火性を備えた太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、クリーンなエネルギーとして太陽電池が注目されている。この太陽電池には、フィルム基板形の薄膜太陽電池がある。フィルム基板形の薄膜太陽電池は、例えば、フレキシブルなプラスチックシートの基板上に、アモルファスシリコン(a-Si)の薄膜半導体層からなる光電変換素子、透明電極、接続電極がパターニングされている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
図4は、薄膜太陽電池の斜視図である。図に示すように薄膜太陽電池は、プラスチック基板41、アモルファスシリコンの光電変換層42、透明電極43、光電変換層42の裏面電極44、プラスチック基板41の背面に形成した接続電極45、プラスチック基板41を貫通して透明電極43と接続電極45との間を導通する集電ホール(スルーホール)46、接続電極45と裏面電極44との間を導通する接続ホール47、プラスチック基板41の光入射側に形成した透明電極43、光電変換層42および裏面電極44をレーザースクライブして複数の単位セルに分離したセル分割溝48、プラスチック基板41の裏側に形成した接続電極45を前記の単位セルと半ピッチずらしてレーザースクライブし、この複数単位セルを直列接続した分割溝49から構成されている。
【0004】
このような薄膜太陽電池は軽量であり、また、ロールツーロール(roll-to-roll)プロセスが適用できて量産性にも優れていることから、各種用途への適用が進められている。特に電力分野では、屋外環境での使用にも十分耐えるように薄膜太陽電池に封止保護層および補強板などの外装を施した太陽電池モジュールが既に実用化されている。
【0005】
具体的には、薄膜太陽電池の受光面および裏面をシート状の保護層で封止し、金属補強板を裏打ちする。そして、この金属補強板の裏面側に薄膜太陽電池の電力を取り出すための端子箱を設ける。この端子箱が設けられた部分において金属補強板および裏面側保護層を開口し、その開口を通して、薄膜太陽電池の+極、−極電極と端子箱との間をリード線で配線する。そして、端子箱から太陽電池の電力を外部に取り出す(例えば、特許文献2参照)。
【0006】
図5は、従来の太陽電池モジュールの上面図、図6は、図5のA−A断面図、図7は、図5の端子箱部分の拡大図である。図5〜図7に示す太陽電池モジュールの薄膜太陽電池50の受光面は、EVA(エチレンビニルアセテート)などを使用したフィルム状の接着層51、ETFE(エチレン・トリフロロエチレン)などを使用した防湿層52、EVAにガラス繊維を充填して機械的強度を高めた強化層53、ETFEなどを使用した表面保護層54からなる受光面側保護層55で封止される。また、薄膜太陽電池50の非受光面(裏面)は、EVAなどを使用したフィルム状の接着層56、ETFEやポリイミドなどを使用した絶縁層57、接着層58からなる裏面側保護層59で封止される。さらに最裏面には、鋼板などで作られた補強板60が裏打ちされる。なお、上記モジュールの製作工程では、各層を積層した状態で真空ラミネータなどを用い、加圧しながら層間を熱融着して一体化する。
【0007】
薄膜太陽電池50の左右両側には、非発電領域が設けられている。非発電領域は、薄膜太陽電池50の電力を取り出すための平箔銅線などの内部リード線61が敷設されている。この内部リード線61は、導電性粘着テープ、平箔銅線などの渡り線62を介して、薄膜太陽電池50の裏面に形成されている+極、−極の接続電極(例えば図4の接続電極45)に接続される。そして、内部リード線61と、補強板60の背面に設置されている端子箱63との間に、出力リード線64を配線し、外部から端子箱63に引き込まれている出力ケーブル65によって薄膜太陽電池50の電力を外部に取り出すようにしている。
【0008】
端子箱63が設けられている部分の補強板60および裏面側保護層59には、出力リード線64を通す穴66が開口されている。出力リード線64の先端は、この穴66の中を通り内部リード線61と半田接合されている。
【0009】
穴66は、次のようにして形成される。薄膜太陽電池50に、受光面側保護層55と、端子箱63が設置される位置に合せてあらかじめ丸、あるいは四角の開口が設けられた補強板60とを積層し、真空ラミネート処理する。その後に、補強板60の開口から裏面側保護層59を切り込んで、内部リード線61を露出させる。また、あらかじめ裏面側保護層59と補強板60に穴を開口しておいてから、薄膜太陽電池50に積層してラミネート処理する方法もある。さらに、シリコンゴム等の栓を内部リード線61上に配置し、裏面側保護層59を形成すると同時に穴を形成する方法もある。
【0010】
端子台63aは、出力リード線64と出力ケーブル65が接続固定されるための端子台である。端子ねじ63bは、出力リード線64と出力ケーブル65を接続固定するネジである。蓋63cは、端子箱63の蓋である。端子箱63の内部は、端子台63aにおいて、出力リード線64と出力ケーブル65が接続固定された後、封止樹脂が充填される。外部から雨水が内部に浸透するのを防ぐようにしている。
【0011】
なお、渡り線62を省略し、内部リード線61を薄膜太陽電池50に直接接続して他端を非発電領域に引き出し、この位置で出力リード線64を介して端子箱63との間を配線するようにした太陽電池モジュールもある(例えば、特許文献3参照)。
【0012】
また、穴66に閉塞手段を設け、この閉塞手段に出力リード線64を挿通した太陽電池モジュールもある(例えば、特許文献4参照)。この閉塞手段は、穴66より大きい鍔を有し、脱落しないようにしてある。
【0013】
ところで、太陽電池モジュールを一般屋根材と同様に屋根に葺く場合、一般屋根材と同等以上の防火性能を満たすことが必要である。
【0014】
【特許文献1】
特開2000−223727号公報(第3頁、第6図)
【特許文献2】
特開2002−111032号公報(第2頁、第5図〜第7図)
【特許文献3】
特開2000−244001号公報(第4頁、第1図)
【特許文献4】
特開2000−244000号公報(第3頁、第1図)
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、図5〜図7に示す太陽電池モジュールでは、火災時の飛び火の影響を受けやすい受光面側保護層55が引火したとき、最終的に受光面側から裏面側の裏面側保護層59を燃やし、ついには補強板60の開口した穴66より炎が噴出して、端子箱63から屋根の野地板に延焼してしまう恐れがあるという問題点があった。
【0016】
また、上記で述べた鍔を有する閉塞手段を補強板60の穴66に設けることによって防火効果が得られるが、閉塞手段を製造するための鍔状の成形型を要し、また取り付けの手間を要するという問題点があった。
【0017】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、防火性能を向上させた太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
また、本発明の他の目的は、向上した防火性能を容易に得ることができる太陽電池モジュールおよび太陽電池モジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池モジュールにおいて、受光面と非受光面とを保護材によって封止された発電素子と、前記発電素子の電力を取り出すための配線が通る穴を有し、前記非受光面側の保護材を裏打ちする補強板と、前記穴の位置において、火災時の熱によって発泡膨張する発泡型断熱材を介して固定される、前記配線と外部のケーブルとを内部で接続固定する端子箱と、を有することを特徴とする太陽電池モジュールが提供される。
【0020】
このような太陽電池モジュールによれば、補強板の発電素子の電力を取り出すための配線が通る穴の位置において、配線と外部のケーブルを内部で接続固定する端子箱を、発泡型断熱材を介して固定する。よって、穴への空気の流通が火災時に阻止され、穴からの火の噴出が防止されて防火性能が向上する。
【0021】
また、端子箱を補強板に発泡型断熱材を介して固定することにより、向上した防火性能を容易に得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は、第1の実施の形態に係る太陽電池モジュールの断面図である。太陽電池モジュールは、図に示すように、薄膜太陽電池1、受光面側保護材2、非受光面側保護材3、補強板4、出力リード線5、積層テープ6、端子箱7、無機発泡材8、接着剤9、充填材10、及び外部ケーブル11を有している。
【0023】
薄膜太陽電池1は、受光面側に設けられる受光面側保護材2と、非受光面側に設けられる非受光面側保護材3によって封止されている。受光面側保護材2は、表面保護層2aと接着層2bとからなり、表面保護層2aは、例えば、ETFEであり、接着層2bは、例えば、EVAである。非受光面側保護材3は、例えば、EVAである。なお、図6に示したように防湿層、強化層、絶縁層を有するようにしてもよい。
【0024】
補強板4は、非受光面側保護材3の裏面を裏打ちし、薄膜太陽電池1を補強している。補強板4は、例えば、亜鉛メッキが塗装された厚さ0.8mmの鋼板である。非受光面側保護材3、補強板4は、出力リード線5が通るための穴3a,4aを有している。穴3aは、出力リード線5が通る大きさのスリット状の穴である。穴4aは、穴3aより大きく、出力リード線5が余裕をもって通すことのできる穴となっている。
【0025】
出力リード線5は、薄膜太陽電池1の電力を外部に取り出すためのリード線である。出力リード線5は、例えば、カプトンフィルムで絶縁被覆された半田コート銅箔である。出力リード線5の一端は絶縁被覆が除かれ、積層テープ6によって薄膜太陽電池1の電力が取り出される電極面に貼り付けられる。積層テープ6は、例えば、導電性粘着テープ、金属テープ、及び絶縁テープからなる積層テープであり、例えば、リンテック製のAIPETを用いる。出力リード線5の他端は絶縁被覆が除かれ、非受光面側保護材3と補強板4の穴3a,4aを通り、端子箱7に引き込まれている。
【0026】
端子箱7は、補強板4の穴4aに対応する位置に配置され、無機発泡材8を介して補強板4に固定される。端子箱7は、補強板4との接触面周囲を接着剤9によって補強板4に固定される。端子箱7は、出力リード線5が内部に引き込まれるための穴7aと、内部に充填材10が注入されるための穴を閉じるための蓋7bを有している。
【0027】
無機発泡材8は、シート状の無機の発泡型断熱材であり、例えば、エーアンドエー会社製のカットシートGを用いる。無機発泡材8は、室温では均一膜であり、火災での高温時に発泡膨張する。無機発泡材8の大きさは、火災時の高熱により発泡膨張したとき、補強板4の穴4aを十分に覆う大きさを要する。例えば、補強板4の穴4aの直径が10mmの場合、無機発泡材8の大きさを、28×75mm、厚さ1mmにした。
【0028】
接着剤9は、例えば、シリコン接着剤であり、信越シリコン(株)製のシリコンKE45を用いる。充填材10は、例えば、シリコン樹脂であり、信越シリコン(株)製のシリコン樹脂KE200を用いる。
【0029】
端子箱7には、外部ケーブル11が外から引き込まれている。外部ケーブル11と出力リード線5は、端子箱7内部の端子台にて、例えば、ねじによって接続固定される。
【0030】
次に、図1の太陽電池モジュールの組み立て手順について説明する。まず、薄膜太陽電池1の受光面と非受光面を、受光面側保護材2と非受光面側保護材3によって封止する。そして、非受光面側保護材3の裏面に、補強板4を配置する。このとき、出力リード線5の一端を薄膜太陽電池1の電極に接触させ、積層テープ6を上から貼り付けて固定する。出力リード線5の他端は、非受光面側保護材3の穴3a及び補強板4の穴4aに通し、通されたその出力リード線5の上から、フッ素系粘着テープにて補強板4の穴4aを塞ぐようにして貼り付ける。これは、後述するラミネートにより、非受光面側保護材3が、補強板4の穴4aから外へ流れ出すのを防止するためである。
【0031】
ラミネート装置により、所定の条件(例えば、温度150度、時間20分)で真空加熱圧着硬化して、上記の受光面側保護材2、非受光面側保護材3、及び補強板4を一体化する。補強板4の穴4aを塞ぐようにして貼り付けたフッ素系粘着テープを除去する。
【0032】
シート状の無機発泡材8に、出力リード線5がちょうど通るためのスリット状の穴を形成する。出力リード線5を無機発泡材8のその穴に通し、無機発泡材8を補強板4の裏面に接触するように配置する。そしてさらに、出力リード線5を端子箱7の穴7aに通し、端子箱7を無機発泡材8の上面に配置し、端子箱7の周囲及び補強板4に接着剤9を塗布して端子箱7を接着固定する。なお、無機発泡材8に形成する穴は、補強板4の穴4aと同じ大きさであってもよい。
【0033】
出力リード線5にたるみを持たせ、端子箱7の端子台において外部ケーブル11と接続する。出力リード線5と外部ケーブルは、端子箱7の蓋7bによって開閉される穴からねじによって接続固定される。
【0034】
充填材10を端子箱7の蓋7bによって開閉される穴から注入する。充填材10は、端子箱7の内部を充填するように注入する。そして、端子箱7に蓋7bを取り付けて太陽電池モジュールを完成させる。
【0035】
このように、無機発泡材8を介して端子箱7を補強板4に固定するようにしたので、火災によって太陽電池モジュールの上面が燃え、温度が上昇したとき、無機発泡材8は発泡膨張し、出力リード線5が通る補強板4の穴4aを塞ぐ。よって、穴4aへの空気の流通が阻止され、穴4aからの炎の噴出が防止されて、端子箱7の下側の、例えば、野地板の延焼を防ぐことができる。
【0036】
また、補強板4の穴4aの位置に無機発泡材8を介して端子箱7を固定するので、容易に向上した防火性能を得ることができる。
また、無機発泡材8の断熱効果により、端子箱7への熱の伝達が少ないため、端子箱7の燃焼、脱落を防止することができる。
【0037】
さらに、出力リード線5は、絶縁被覆を有しているので、補強板4とは直接接触せず、例えば、補強板が鋼板の場合においても電気不良を生じることがない。次に、本発明の第2の実施の形態を図面を参照して説明する。第2の実施の形態では、接着性のある無機発泡接着材によって、端子箱を補強板に固定し、シリコン接着材等による端子箱の補強板への固定が不要となっている。図2は、第2の実施の形態に係る太陽電池モジュールの断面図である。なお、図2において図1と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0038】
図に示すように、端子箱7は、補強板4の穴4aに対応する位置に配置され、無機発泡接着剤21に接着固定されている。無機発泡接着剤21は、無機の発泡型断熱材料でかつ液状の接着剤であり、例えば、常磐電気製のグランデックスFJ515を用いる。
【0039】
ところで、無機発泡接着剤21は、火災の高温時に発泡膨張して補強板4の穴4aを塞ぎ、空気の流通が生じないようにしなければならない。従って、無機発泡接着剤21を所定量塗布する必要がある。しかし、無機発泡接着剤21が液状である場合、端子箱7と補強板4との間に、必要量の無機発泡接着剤21を塗布できない。そこで、端子箱7と補強板4の接触面より十分小さく、かつ所定の厚さを有する両面テープ22を端子箱7の中央部に貼り付け、端子箱7を補強板4に仮固定する。そして、両面テープ22の厚さ分生じている端子箱7と補強板4の間に無機発泡接着剤21を塗布する。具体的には、端子箱7と補強板4の接触面が28×75mm、補強板4の穴4aの直径が10mmの場合、仮固定する両面テープ22の大きさを8×25mm、厚さを1.14mmとした。
【0040】
このように、無機発泡接着剤21によって、端子箱7を補強板4に固定することによっても、火災によって太陽電池モジュールの上面が燃え、温度が上昇したとき、無機発泡接着剤21が発泡膨張し、補強板4の穴4aを塞ぐ。よって、穴4aへの空気の流通が阻止され、穴4aからの炎の噴出が防止されて、端子箱7の下側の、例えば、野地板の延焼を防ぐことができる。
【0041】
なお、無機発泡接着剤21の替わりに発泡塗料を用いてもよい。この場合も、上記と同様に両面テープで端子箱と補強板を仮固定し、両面テープによって生じる端子箱と補強板の間に発泡塗料を塗布する。発泡塗料も無機発泡接着剤21と同様に乾燥することによって、端子箱と補強板を接着固定する。発泡塗料は、例えば、日本ペイント製のタイカリットS−100を用いる。
【0042】
次に、本発明の第3の実施の形態を図面を参照して説明する。第3の実施の形態では、シート状の無機発泡材の両面に接着性を有する無機発泡接着剤を塗布する。そして、シート状の無機発泡材を補強板に固定し、シート状の無機発泡材に端子箱を固定することによって、シリコン等の接着材による端子箱の補強板への接着固定が不要となっている。図3は、第3の実施の形態に係る太陽電池モジュールの断面図である。なお、図3において図1と同じものには同じ符号を付し、その説明を省略する。
【0043】
図に示すように、シート状の無機発泡材31の両面に、無機発泡接着剤32a,32bを塗布する。そして、無機発泡材31の無機発泡接着剤32aが塗布されている面を補強板4に接着固定する。無機発泡材31の無機発泡接着剤32bが塗布されている面に端子箱7を接着固定する。
【0044】
無機発泡材31には、出力リード線5が通る円形上の、例えば、直径6mmの穴が形成されている。無機発泡材31は、図1で説明したのと同様に、例えば、エーアンドエー会社製のカットシートGを用いる。
【0045】
無機発泡接着剤32a,32bは、図2で説明したのと同様に、例えば、常磐電気製のグランデックスFJ515を用いる。なお、図3の場合、無機発泡材31によって、補強板4の穴4aを塞ぐので、図2で説明したように、両面テープで、無機発泡接着剤32a,32bの量を確保する必要がない。
【0046】
このように、無機発泡材31の両面に無機発泡接着剤32a,32bを塗布し、端子箱7を補強板4に固定することによっても、火災によって太陽電池モジュールの上面が燃え、温度が上昇したとき、無機発泡材31が発泡膨張し、補強板4の穴4aを塞ぐ。よって、穴4aへの空気の流通が阻止され、穴4aからの炎の噴出が防止されて、端子箱7の下側の、例えば、野地板の延焼を防ぐことができる。
【0047】
なお、無機発泡接着剤32a,32bは、図2で説明した発泡塗料であってもよい。
次に、図5〜図7に示した従来の太陽電池モジュールと第1〜第3の実施の形態に示した太陽電池モジュールの延焼比較について述べる。なお、図5〜図7に示した太陽電池モジュールにおいて、補強板60を塗装亜鉛メッキ鋼板とし、端子箱63の固定をシリコンKE45によって固定し、端子箱63の内部にシリコン樹脂KE200を充填した場合について述べる。
【0048】
第1〜第3の実施の形態の太陽電池モジュールおよび従来の太陽電池モジュールについて、簡易飛び火試験装置で飛び火試験を行った結果、第1〜第3の実施の形態の太陽電池モジュールでは、受光面側保護材2、非受光面側保護材3、及び薄膜太陽電池1は、火種部分で形跡もなく燃焼したが、発泡型断熱材料の発泡膨張により、塗装亜鉛メッキ鋼板の補強板4の穴4aから炎が裏側(端子箱7)に噴出しなかった。また、発泡型断熱材料が発泡膨張し、出力リード線5のたるみ部分が伸びきっていたが切断せず、端子箱7の脱落もなく、良好な防火効果を得ることができた。一方、従来の太陽電池モジュールでは、塗装亜鉛メッキ鋼板の補強板60の穴66から炎が噴出し、端子箱63が延焼してしまった。すなわち、第1〜第3の実施の形態の太陽電池モジュールでは、良好な防火性能を得ることができた。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、補強板の発電素子の電力を取り出すための配線が通る穴の位置において、配線と外部のケーブルを内部で接続固定する端子箱を発泡型断熱材を介して固定するようにした。このため、火災時に穴への空気の流通が阻止され、穴からの火の噴出が防止されるので、防火性能が向上する。
【0050】
また、端子箱を補強板に発泡型断熱材を介して固定することにより、向上した防火性能を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る太陽電池モジュールの断面図である。
【図2】第2の実施の形態に係る太陽電池モジュールの断面図である。
【図3】第3の実施の形態に係る太陽電池モジュールの断面図である。
【図4】薄膜太陽電池の斜視図である。
【図5】従来の太陽電池モジュールの上面図である。
【図6】図5のA−A断面図である。
【図7】図5の端子箱部分の拡大図である。
【符号の説明】
1 薄膜太陽電池
2 受光面側保護材
2a 表面保護層
2b 接着層
3 非受光面側保護材
3a,4a,7a 穴
4 補強板
5 出力リード線
6 積層テープ
7 端子箱
7b 蓋
8,31 無機発泡材
9 接着剤
10 充填材
11 外部ケーブル
21,32a,32b 無機発泡接着剤
22 両面テープ
Claims (7)
- 光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池モジュールにおいて、
受光面と非受光面とを保護材によって封止された発電素子と、
前記発電素子の電力を取り出すための配線が通る穴を有し、前記非受光面側の保護材を裏打ちする補強板と、
前記穴の位置において、火災時の熱によって発泡膨張する発泡型断熱材を介して固定される、前記配線と外部のケーブルとを内部で接続固定する端子箱と、
を有することを特徴とする太陽電池モジュール。 - 前記端子箱は、シリコン接着剤によって、前記補強板に固定されることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
- 前記発泡型断熱材に接着性を有する発泡接着剤を塗布して、前記端子箱を前記補強板に固定することを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
- 前記端子箱の中央部に所定の厚さを有する粘着テープを貼り付けて前記補強板に仮固定し、前記端子箱と前記補強板との間に液状の接着性を有する前記発泡型断熱材を塗布することを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
- 前記発泡型断熱材は、前記穴と同形、または前記配線が貫通可能なスリット状の配線貫通穴を有することを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
- 前記配線は、絶縁材料で被覆されていることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュール。
- 光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池モジュールの製造方法において、
発電素子の受光面と非受光面とを保護材によって封止し、
前記発電素子の電力を取り出すための配線が通るための穴を有する補強板を、前記非受光面側の保護材に裏打ちしてラミネートし、
前記配線と外部のケーブルとを内部で接合固定する端子箱を、前記穴の位置において火災時の熱によって発泡膨張する発泡型断熱材を介して固定する、
ことを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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