JP2010205805A - 太陽電池パネル - Google Patents

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Abstract

【課題】高い信頼性を維持しながら、簡単な構造で製造が容易で、コストが低減できる太陽電池パネルを提供することを目的とする。
【解決手段】セル集積体2の両極に、設けられている一対のバスバー5と、その上に、金属膜及び開口部を有する絶縁膜が積層された防水シート6と、それらの上に設けられ、各開口部の上方に、開口部より大きい開口部3aを有する充填層3と、充填層3上に設けられ、各開口部の上方に、開口部より大きい開口部4aを有する保護層4と、一端が開口部に露出した金属膜に接続され、他端が開口部4aから引き出される一対の電極8と、各電極8に接続された一対の出力ケーブルと、中途にバイパスダイオードを有し、一対の出力ケーブル間を接続するバイパスケーブルと、電極8を囲むように保護層4の上に設けられた端子箱9と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池に関する。
太陽電池パネルには長期間の耐久性、耐候性が必要である。太陽電池パネルは、屋外に設置され雨水等に曝されるため、その内部へ水が浸入することにより部材の一部が劣化する場合がある。太陽電池パネルは、耐候性を向上させるため高い防水性が望まれる。
高い防水性を有する太陽電池パネルとして、例えば、特許文献1に示される薄膜太陽電池が提案されている。
図15は、特許文献1に示される薄膜太陽電池の構成を示す模式図である。薄膜太陽電池は、透光性基板101と、透光性基板101上に形成されているセル層102と、セル層102の両極に、複数点において導電性ペーストを用いて点付けで電気的に接続(固定)されているバスバー105と、セル層102上に設置されている充填層103と、充填層103上に設置されている金属箔を含んだ保護膜104と、外部端子との接続部分となる電極取出部110と、複数の電極107と、電極穴用絶縁シート121と、絶縁膜109と、浸水抵抗部112と、を具備する。
複数の電極107は、セル層102と充填層103の間を通って、バスバー105から電極取出部110へ敷設され、電極取出部110で充填層103と保護膜104を貫通して外部に引き出されている。
電極穴用絶縁シート121は、電極取出部110において充填層103と保護膜104との間に設置されている。絶縁膜109は、セル層102と電極との間に設置されている。浸水抵抗部112は、電極取出部110において、電極107とセル層102との間に設置されている。浸水抵抗部112は、EVA(Ethylene−Vinyl Acetate)層123、125、129と、EVA層123、125で被覆される防水シート113と、EVA層125、129で被覆される絶縁シート127を備えている。
この薄膜太陽電池では、太陽電池の出力を外部に取り出すため、電極107用の開口部が必要である。そのため、防湿性のバックシートである保護層104には、開口部として電極取出部110が設けられている。このとき、保護層104内の金属箔を介した短絡を防止するため、保護層104と充填層103との間には、絶縁体として電極穴用絶縁シート121が設けられている。
金属(例示:銅箔)とEVA層との接着は、接着力が弱い。そのため、EVA層である充填層103を通して銅箔の電極107を取り出そうとすると、電極107とEVA層103との界面を通してセル層102まで湿分(水分)の通路ができることがある。それを防止するためには、銅箔の電極107の長さとして、十分な防湿性を得ることが可能な十分に長い距離が必要である。
その電極取出部110には、電極取出部110を介した湿分(水分)の浸入を防ぐため、防湿構造が必要である。そのため、その電極取出部110の近傍には、その防湿構造として浸水抵抗部112が設けられている。浸水抵抗部112は、電極107下方における湿分(水分)の浸入通路を長く取る必要がある。
そのために、比較的大面積の金属箔を含んだ防水シート113を、保護層104の開口部の下方の電極107の下部に敷いている。更に、その下方に配置されるセル層102が防水シート113の金属箔を介して短絡しないように絶縁する絶縁体が必要である。
そのため、防水シート113とセル層102との間には、絶縁体として絶縁シート127が設けられている。更に、電極107を保護層104と防水シート113との間を通すため、電極107の上面と下面をEVA層である充填層103とEVA層123とで覆っている。
更に、セル層102及び絶縁シート127、絶縁シート127及び防水シート113の間に空間があると、湿分(水分)が浸入したときの浸入通路になるので、それを防止する必要がある。そのため、セル層102と絶縁シート127、絶縁シート127と防水シート113の間にそれぞれEVA層125、129が設けられている。このように、浸水抵抗部112は5層構造となる。
この浸水抵抗部を簡素化して、かつ、十分な機能を備えるものとして、例えば、特許文献2に示される薄膜太陽電池モジュールが提案されている。
この薄膜太陽電池モジュールは、浸水抵抗部としてガラス不織布と1枚の充填材シート(EVA層)を重ねたものを挿入している。樹脂フィルムの絶縁シートの代わりにガラス不織布を用いているので、充填材が不織布の隙間を浸透するため一枚の充填材で表裏を十分に充填材で覆うことができる。これにより、充填材シートの枚数が省略できる。
また、太陽電池の出力を外部に取り出す構造を簡素化するものとして、例えば、特許文献3に示される太陽電池モジュールが開示されている。
この太陽電池モジュールは、バスバーの長さをその一端側が透光性基板の一辺より突出する長さとされ、この突出部分が封止材の裏面に引き回され出力取出し線として用いられる。そのことで、金属箔であるバスバー自体をそのまま出力取出し線に利用する。それにより、太陽電池セルからモジュール裏面の端子箱に導かれる導電経路中の半田付け個所を少なくしている。
特開2004−146697号公報 特開2001−77383号公報 特開2000−286439号公報
図15に示される特許文献1の薄膜太陽電池では、耐候性を向上させるための高い防水性を有する構成として、セル層102(透光性基板101)全面を覆う充填層103(EVA層)及び保護膜104(バックシート)に加えて開口部110からの浸水対策として電極穴用絶縁シート121と5層構造の浸水抵抗部112とが備えられている。
また、電極107はセル層102と充填層103の間を通って、バスバー105から電極取出部110へ敷設され、言い換えると、電極107はセル層102に沿って薄膜太陽電池内部に配置されているので、セル層102と電極107とを絶縁する絶縁部材である絶縁シート127と絶縁膜109とが必要になるし、荷重を受けた薄膜太陽電池のたわみにより、電極107に引っ張り荷重がかかり、断線等が発生する危険性がある。
このように、この薄膜太陽電池は高い信頼性を維持するために複雑な構成を有しているので、コストが嵩む要因になり、製造が容易でないとともに、構造的に脆弱な面を有している。
したがって、高い信頼性を維持しながら、製造が容易で、コストも低減できるような技術が望まれる。
更に、バスバー105は、セル層102の両極に、複数点において導電性ペーストなどを用いて点付けで固定されている。すなわち、バスバー105とセル層102とは全面で結合されていないので空間(隙間)がある。そのため、何かの要因で薄膜太陽電池の周辺部分から内部へと湿分(水分)が浸入した場合には、その空間を介して湿分(水分)がバスバー105下に凝縮して広がり易く、バスバー105が腐食する原因となるおそれがある。湿分(水分)の浸入したときの影響を抑制可能な技術が望まれる。
特許文献2に示されるものは、複数のシートを積層し、金属箔を取り出し線として引き回す電極の構造とされているので、金属箔と裏面保護カバーの開口部との絶縁構造に加えて金属箔と太陽電池素子との間の絶縁及び耐浸水構造が必要であるし、荷重を受けた薄膜太陽電池モジュールのたわみにより、金属箔に引っ張り荷重がかかり、断線等が発生する危険性がある。
このため、金属箔と太陽電池素子との間の絶縁構造が簡素化されたとしても、まだ、薄膜太陽電池は複雑な構成を有しているので、コストが嵩む要因を有し、製造が容易でない。加えて、高い信頼性を維持するために、これらの製造工程に時間と手間をかけなければならない。高い信頼性を維持しながら、製造が容易で、コストも低減できるような技術が望まれる。
特許文献3に示されるものは、バスバーの金属箔自体を取り出し線として引き回していることから、湿分(水分)の浸入経路は特許文献1の場合と実質的に変わっていないし、荷重を受けた太陽電池モジュールのたわみにより、取り出し線である金属箔に引っ張り荷重がかかり、断線等が発生する危険性がある。
したがって、特許文献1あるいは特許文献2に示されるような浸水を抑制する構造及び絶縁する構造が必要であるので、上述と同様な課題を有している。
本発明は、上記点に鑑み、高い信頼性を維持しながら、簡単な構造で製造が容易で、コストが低減できる太陽電池パネルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる太陽電池パネルは、電気を生成するセル集積体の両極のそれぞれに設けられている一対のバスバーと、前記各バスバー上に、それぞれ金属膜及び第1開口部を有する絶縁膜がこの順に積層され、前記各バスバーと前記金属膜とが接続された防水シートと、前記セル集積体、前記バスバー及び前記防水シート上に設けられ、前記各第1開口部の上方に、前記第1開口部より大きい第2開口部を有する充填層と、前記充填層上に設けられ、前記各第1開口部の上方に、前記第1開口部より大きい第3開口部を有する保護層と、一端が前記第1開口部に露出した前記金属膜に接続され、他端が前記第3開口部から引き出される一対の電極と、該各電極に接続された一対の出力ケーブルと、中途にバイパスダイオードを有し、前記一対の出力ケーブル間を接続するバイパスケーブルと、前記第3開口部から引き出された電極を囲むように前記保護層の上に接着して設けられた端子箱と、が備えられている。
本発明によれば、金属膜及び第1開口部を有する絶縁膜がこの順に積層された防水シートは、バスバー上に設けられ、かつ、充填層に設けられた第2開口部と保護層に設けられた第3開口部は第1開口部の上方に設けられているので、バスバー、金属膜、第1開口部と第2開口部及び第3開口部はバスバーの面、すなわち、太陽電池の複数のセルを直列接合するように集積させたセル集積体(太陽電池モジュール)の面に対して交差する方向(上方)に積み重ねられている。
金属膜はバスバーに電気的に接続されている。
電極は一端が第1開口部に露出した金属膜に電気的に接続され、他端が第3開口部から引き出されているので、電極は金属膜から上方に延設されることになる。このため、電極はセル集積体の上に敷設されることはないので、電極とセル集積体との間の絶縁構造を不要とすることができる。従って、太陽電池パネルの構造が簡単となるので、その製造を容易とし、コストを低減することができる。
また、太陽電池パネル(セル集積体)が荷重を受けてたわんだとしても、そのたわみが大きく電極に作用しないので、電極に引っ張り荷重がかかり、断線等が発生する恐れを抑制することができる。従って、耐久性が高く、高い信頼性を維持することができる。
この太陽電池パネルは、例えば、湿分透過性の十分に低い金属箔を挟み込んだ保護層によって例えばセル集積体へ湿分(水分)の浸入(浸水)が十分に保護されている。保護層には第3開口部が備えられているので、ここを通って湿分(水分)が浸入(浸水)する可能性がある。
この浸水は、防水シートの第1開口部を通って内部に入ろうとするが、第1開口部を有する絶縁層の下方に絶縁層と接着して設けられる防水シートの金属膜によって移動が制限されるので、バスバーへの浸水、すなわち、太陽電池パネルの内部への浸水を防止することができる。また、防水シートの絶縁膜と充填層との界面および充填層と保護層との界面は、これらが一般的に樹脂製であるので、接着が強固で湿分(水分)がそれらの界面に浸入し難くなっている。
また、端子箱が第3開口部から引き出された電極を囲むように保護層の上に設けられて保護層に接着されているので、湿分(水分)の電極への浸入を一層防止することができる。
なお、端子箱は、一対の電極を一緒に囲うようにされてもよいし、個々に囲うようにされてもよい。
従って、耐候性が高く、高い信頼性を維持することができる。
そして、絶縁膜の第1開口部は、充填層の第2開口部及び保護層の第3開口部よりも大きさが小さいので、第1開口部を通る電極は絶縁膜に接触することはあっても充填層及び保護層から離隔させることができる。これにより、電極は、防水シートの絶縁層によって充填層及び保護層に接触することを防止できる。一般に保護層は、例えば湿分透過性の十分に低い金属箔を挟み込んだ構造になっているので、電極は保護層中の、金属箔から絶縁することができる。これにより、一対の電極どうしが短絡することを防止できる。
また、バスバーは導電性ペースト又ははんだで形成されているので、バスバーはセル集積体の上に直接形成されている。このため、例えばスバーの位置に湿分(水分)が浸入したとしても、バスバーの下に空間が無いので、湿分(水分)が広範囲に広がることはなく、その影響を大幅に抑制することができる。
例えば、複数の太陽電池パネルが直列接続されている場合、一部の太陽電池パネルが影に入ると、当該太陽電池パネルは発電しないので、大きな抵抗となり電気出力が大幅に低下することになる。
本発明では、中途にバイパスダイオードを有し、一対の出力ケーブル間を電気的に接続するバイパスケーブルが設けられているので、影に入り大きな抵抗となった太陽電池パネルでは、電気が比較的小抵抗のバイパスケーブルを通って一対の出力ケーブル間を流れる。このように、影に入って大きな抵抗となる太陽電池パネルで、より抵抗の小さいバイパスケーブルを通って電気を流すことができるので、電気出力の低下を抑制することができ、安定した、すなわち、高い信頼性を持った発電を行うことができる。
なお、太陽電池パネルのたわみに影響されず、断線等が発生する恐れを抑制することができるので、バイパスケーブルは、保護層から離隔するように設置するのが好適である。
上記発明では、前記端子箱は、前記各電極に対応して一対配置され、前記バイパスダイオードは、該一対の端子箱のいずれか一方の端子箱内に装着されていてもよい。
上記発明では、前記端子箱は、前記各電極に対応して一対配置され、前記バイパスダイオードは、該一対の端子箱の中間位置に装着されていてもよい。
バイパスダイオードを一対の端子箱の中間位置に装着する場合、安全性を高めるため、バイパスダイオードは周囲を樹脂で覆ったバイパスブロックとするのが好適である。
本発明にかかる太陽電池パネルでは、前記バイパスダイオードは、前記保護層から離隔するように装着されているのが好適である。
このようにすると、バイパスケーブルを電気が流れる際、バイパスダイオードが発熱するが、この熱量を効果的に発散させることができる。
本発明の太陽電池パネルによれば、電極はセル集積体の上に敷設されることはないので、電極とセル集積体との間の絶縁構造を不要とすることができる。従って、太陽電池パネルの構造が簡単となるので、その製造を容易とし、コストを低減することができる。
太陽電池パネル(セル集積体)が荷重を受けてたわんだとしても、そのたわみが大きく電極に作用しないので、電極に引っ張り荷重がかかり、断線等が発生する恐れを抑制することができ、耐久性が高く、高い信頼性を維持することができる。
防水シートの第1開口部を通って内部に入る浸水は、第1開口部を有する絶縁層の下方に設けられる防水シートの金属膜によって移動が制限されるので、バスバーへの浸水、すなわち、太陽電池パネルの内部への浸水を防止することができる。
バスバーは導電性ペースト又ははんだで形成されているので、例えばスバーの位置に湿分(水分)が浸入したとしても、それが広範囲に広がることはなく、その影響を大幅に抑制することができる。
中途にバイパスダイオードを有し、一対の出力ケーブル間を電気的に接続するバイパスケーブルが設けられているので、例えば、直流接続された太陽電池パネルで一部の太陽電池パネルが影に入った場合でも、電気出力の低下を抑制することができ、安定した、すなわち、高い信頼性を持った発電を行うことができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る防水シートの構成を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの透明性基板上の構成を示す上面図である。 本発明の一実施形態に係るパッド部の周辺の構成を示す上面図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの裏面側の構成を示す下面図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの横断面構造を示す断面図である。 図6の一部を拡大して示す部分断面図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの製造方法の一例を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの別の実施態様の裏面側の構成を示す下面図である。 図9に係る太陽電池パネルの横断面構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの別の実施態様の裏面側の構成を示す下面図である。 図11に係る太陽電池パネルの横断面構造を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る太陽電池パネルの別の実施態様の裏面側の構成を示す下面図である。 図13に係る太陽電池パネルの横断面構造を示す断面図である。 特開2004−146697号公報の薄膜太陽電池の構成を示す模式図である。
以下、本発明の太陽電池パネル及び太陽電池パネルの製造方法の実施の形態に関して、添付図面を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る太陽電池パネルの構成を示す模式図である。
この太陽電池パネル10は、透光性基板1と、セル集積体2と、バスバー5と、防水シート6と、充填層3と、保護層4と、電極8と端子箱9とを具備する。
太陽電池パネル10は、これらの各構成が、破線又は鎖線で示される位置関係で結合した構成を有している。
透光性基板1は、太陽電池の複数のセルを直列接合するように集積させたセル集積体2が形成される基板であり、ガラス基板に例示される。ガラス基板としては、例えば、ソーダフロートガラス基板(例示として、1.4m×1.1m×板厚:3.5〜4.5mm)を使用する。透光性基板1の端面は熱応力や衝撃などによる破損防止にコーナー面取りやR面取り加工されていることが望ましい。
セル集積体2(太陽電池モジュール)は、透光性基板1上に太陽電池の複数の各セルどうしが直列接合するように集積されている。セル集積体2の両端部分には、透明電極層に導通するプラス集電セルと、裏面電極層に導通するマイナス集電セルとが設けられている。プラス集電セルおよびマイナス集電セルには、バスバー5が接続されよように設けられている。太陽電池のセルは、透光性基板1の側から透明電極層、光電変換層、及び裏面電極層がこの順に積層された構造を有し、各セルは互いに直列に電気的に接続されている。
その太陽電池としては、単層アモルファスシリコン薄膜太陽電池や、微結晶シリコンをはじめとする結晶質シリコン太陽電池や、シリコンゲルマニウム太陽電池や、アモルファスシリコン太陽電池と結晶質シリコン太陽電池やシリコンゲルマニウム太陽電池とを各1〜複数層に積層させた多接合型(タンデム型)太陽電池のような他の種類の薄膜太陽電池である。また太陽電池は、金属基板などのような非透光性基板上に製造された、基板とは反対の側から光が入射するタイプの太陽電池であってもよい。
バスバー5は、透光性基板1上において、セル集積体2を挟むように、その両端部分に設けられていて、セル集積体2で発電された電力の集電に用いられる。
一方のバスバー5はプラス極として、他方のバスバー5はマイナス極としてそれぞれ機能する。例えば、セル集積体2の複数の太陽電池のセルが直列接続されている場合、その直列接続のプラス極は一方のバスバー5に、マイナス極は他方のバスバー5にそれぞれ電気的に接続されている。
バスバー5は、導電性ペーストやはんだのような導電性を有し接着効果を有する材料を用いて形成される。
導電性ペーストを用いる場合、スクリーン印刷やインクジェット印刷やディスペンサ塗布等で導電性ペーストを塗布し、所定の温度で焼成(乾燥)することで、バスバー5を形成することができる。
例えば導電性ペーストを25μm程度塗布した場合、熱処理により15〜20μmの膜厚となる。図15に示す従来技術では、これら導電性ペーストによりバスバーを形成することの信頼性が不明なため、金属箔バスバーの点付けで電気的に接続するとともに固定用に使用していた。
しかし、本発明者による長期信頼性試験の結果、導電性ペーストそのものをバスバー5として使用することが可能であることが判明し、今回使用することとした。導電性ペーストとしては、以下のものを使用することができる。
(1)低温型
低温型とは、比較的低温で形成される光電変換層の形成温度(例示:250℃〜300℃)以下の低い温度で形成される(処理が必要である)ということを示す。そのようなものとして、Ag粒子と低温型の樹脂とを材料として含む導電性ペーストがある。その導電性ペーストは、例えば、裏面電極層(例示:Ti膜)の上に形成される。
この低温型の導電性ペーストを用いることで、太陽電池を構成する光電変換層の各膜に影響を与えない温度範囲で導電性ペーストの熱処理ができる。
それにより、その熱処理を光電変換層を形成した後において行うこともできる。例えば、その熱処理を後工程であるアニールやラミネートの工程に併せて行うことができ、その場合、工程を簡略化することができる。
(2)高温型
高温型とは、比較的低温で形成される光電変換層の形成温度(例示:250℃〜300℃)よりも高い温度で形成される(処理が必要である)ということを示す。
そのようなものとして、Ag(銀)粒子と高温型のガラス粉とを材料として含む導電性ペーストがある。その導電性ペーストは、例えば、光電変換層を形成前の透光性基板1(例示:ガラス基板)の上や透明導電層(例示:酸化錫膜)の上に形成する。光電変換層の各膜に影響を与える温度範囲での熱処理が必要であるためである。
この高温型の導電性ペーストを用いることで、低温型の導電性ペーストを用いる場合と比較して、バスバー5の導電率を高く、膜厚を薄く、幅を狭く形成することができる。
それにより、Agの使用量を削減でき、コストを低く抑えることができる。さらに、バスバー5の幅が狭くなることで、セル集積体2の面積を広くすることが出来、有効発電面積を相対的に広く取ることができる。
一方、はんだを用いる場合、比較的低温で形成でき、光電変換層の形成温度(例示:250℃〜300℃)以下の低い温度で形成する(処理が必要である)ことができる。
そのようなものとして、ガラス、セラミックス、酸化物に直接はんだ付け可能なはんだを用いる。例えば、Zn等の微量元素を含むPb−Sn系はんだ(黒田テクノ株式会社製、商品名「セラソルザ」)である。そのはんだを連続供給しながら超音波を併用したコテで、例えば透明導電層(例示:酸化錫膜)上や裏面電極層(例示:Ti膜)上にバスバー5としてのはんだの連続体を形成する(超音波はんだ付け法)。
このはんだを用いることで、太陽電池を構成する光電変換層の各膜に影響を与えない温度範囲ではんだ付けをすることができる。
それにより、はんだ付けを光電変換層を形成した後において行うこともできる。上記超音波はんだ付け法により、バスバー5の所望の導電率に応じて、厚塗りすることも可能である。
このバスバー5の構造では、導電性ペーストやはんだがバスバーそのものとなる。そのため、図15に示すバスバー105(例示:銅箔)とセル層102との間の空間(隙間)が、このバスバー5では無くなる。その結果、何らかの要因で太陽電池パネル1の周囲などから湿分(水分)が浸入した場合でも、そのような空間を介して湿分(水分)がバスバー5周辺に凝縮して広がることを抑制することができる。それにより、湿分(水分)の浸入したときの影響を抑制することが可能となる。
バスバー5は、パッド部5aと、枝部5bと備える。パッド部5aは、略矩形形状を有し、バスバー5の長手方向(透光性基板1の長辺に沿う方向)の略中央部に設けられている。また、太陽電池パネル1どうしの接続配線の作業面や、固定架台への設置形態での作業面から、バスバー5の長手方向の片側に設ける場合もある。
パッド部5aは集電された電力が取り出されるパッドとしての機能を有する。
ただし、その形状は矩形に限定されるものではなく、円形や楕円形や多角形であってもよい。枝部5bは、それぞれ一端をパッド部5aに電気的に接続され、パッド部5aから透光性基板1の長辺に沿って延伸している。
電力を取り出すパッド部5aをバスバー5の略中央部にすることにより、各枝部5bの距離を全て同等に短くすることができる。それにより、枝部5bを流れる電流は各枝部5bに等分に分割され、過度に多く電流が流れる箇所がなくなるので、枝部5bの幅を小さく抑えることができる。すなわち、セル集積体2の面積を広く取ることができる。
なお、パッド部5aの大きさは、例えば、1.1m×1.4mの基板上に設けられた薄膜系太陽電池の場合、約30mm〜50mm角の略矩形形状とすることができる。
枝部5bは、パッド部5aと接続する側の部分(枝部5bの根元)の太さが、その反対側の部分(枝部5bの先端)の太さよりも太い。
パッド部5aに近い側の枝部5bほど流れる電流の大きさが大きい、すなわち電流量が大きくなる。そのため、パッド部5aに近い側の枝部5bを相対的に太くして、その抵抗を小さくすることで、枝部5bでの損失をできるだけ抑える必要があるからである。
枝部5bにおけるパッド部5aと接続する側は、例えば、1.1m×1.4mの基板上に設けられた薄膜系太陽電池の場合、幅約20mmとすることができる。枝部5bの先端は幅約1mmとすることができる。
図3は、本実施の形態に係る太陽電池パネル10の基板1上の構成を示す上面図である。図4は、本実施形態に係るパッド部5aの周辺の構成を示す上面図である。
セル集積体2とバスバー5を囲む周辺領域94は、充填層3や保護層4との接着力を高めるために、透光性基板1が露出している。セル集積体2の複数の太陽電池セル2aは電気的に直列に接続され、その一方の極がバスバー5の枝部5bに電気的に接続されている。バスバー5のパッド部5aとセル集積体2との境界には、レーザエッチング等で太陽電池のセルを構成する膜が除去された絶縁溝11が形成され、パッド部5aと太陽電池セル2aとは絶縁されている。この場合、パッド部5a及び絶縁溝11の部分の領域は、太陽電池セル2a用として利用することができない。端子箱9(図3に一点鎖線で表示)は、パッド部5aの上方に配置される。
パッド部5aは一部が通常の発電部に位置するようになることから、発電出力への影響が全くないわけではない。しかしながら、前述の現実的な基板寸法(例示:1.1m×1.4m)及びパッド部5a寸法(例示:4cm角)では、透光性基板1上に形成された短冊状のセルの約3%に、約3%程度の電流低下を及ぼすのみである。影響を受ける約3%のセルは、残り約97%のセルの最適発電状態で発電されるため、電力低下としては4%程度となる。従って、太陽電池パネル全体としては、約97%+約3%×0.96=99.9%であり、全体への影響は0.1%程度である。
防水シート6は、バスバー5のパッド部5a上に配置されている。この防水シート6は、バスバー5(パッド部5a)への湿分(水分)の浸入を防止する機能と、パッド部5aの電力を取り出す端子としての機能がある。さらに、一般に保護層4は、例えば湿分透過性の十分に低い金属箔を挟み込んだ構造になっているので、電極8を保護層4中の金属箔から絶縁する機能とを兼用する。
防水シート6の大きさは、例えば、1.1m×1.4mの基板上に設けられた薄膜系太陽電池の場合、約30mm〜50mm角の略矩形形状とすることができる。好ましくは、約40mm角の矩形である。
ただし、形状は矩形に限定されるものではなく、パッド部5aを覆うことが出来れば、円形や楕円形や多角形であってもよい。図2は、本実施形態に係る防水シート6の構成を示す模式図である。防水シート6は、金属膜23と絶縁膜21とが接着膜22により接着された構成を有している。
金属膜23は、パッド部5aを覆うような形状を有する金属の膜(薄い板)であり、銅箔のような薄い金属板が例示される。
金属膜23は、パッド部5aに電気的に接続されていて、保護層4の開口部(第3開口部)4aや充填層3の開口部(第2開口部)3aからパッド部5aへ湿分(水分)が浸入することを阻止する金属層としての機能と、パッド部5aに集められた電力を取り出す端子としての機能とを兼用する。バスバー5およびパッド部5aを、例えば低温型の導電性ペーストを用いて形成する場合に、導電性ペーストの熱処理とともに金属膜23を電気的に接続することができる。バスバー5を形成後に、導電性ペーストやはんだ等を用いて、金属膜23をパッド部5aに電気的に接続してもよい。
絶縁膜21は、金属膜23を覆うような形状を有する絶縁性の膜であり、PET(Polyethylene Terephthalate)シートのような絶縁シートが例示される。
一般に保護層4は、例えば湿分透過性の十分に低い金属箔を挟み込んだ構造になっているので、絶縁膜21は、電極8及び金属膜23を保護層4中の金属箔から絶縁する機能を有する。絶縁膜21は、金属膜23に接着膜22により接着し、その略中央部に金属膜32が露出するように設けられた開口部(第1開口部)21aを有する。この開口部21aの大きさは、保護層4の開口部4aよりも小さい。すなわち、電力を取り出す電極8が、金属膜23に電気的に接続され、開口部4aよりも小さい開口部21aを通ることにより、保護層4の金属箔(後述する、例えばAl箔)に電極8が接触することを防止することができると共に、保護層4の金属箔に金属膜23が接触することを防止することができる。
開口部21aの形状は、図のような矩形に限定されるものではなく、充填層3の開口部3aより小さければ、円形や楕円形や多角形であってもよい。
接着膜22は、金属膜23と絶縁膜21とを接着する接着材や接着機能を有する。膜状でなく塗布された接着剤であってもよい。
接着膜22は、開口部21aと同じ形状の開口部22aを有し、金属箔と樹脂シートを接着可能な接着剤やEVAが例示される。
また、絶縁膜21と接着膜22の両方の機能を有するポリイミドペーストのような材料を使用することもできる。
図3に示されるように、充填層3は、セル集積体2、バスバー5及び防水シート6上に設けられている。充填層3は、例えばEVAシートが用いられる。
充填層3は、セル集積体2、バスバー5及び防水シート6と保護層4との間に空間が発生することを防止する。そのような空間は、湿分(水分)の浸入を許す虞があり好ましくないからである。
充填層3は、防水シート6上に、開口部3aを有する。開口部3aは、絶縁膜21の開口部21aが露出し、防水シート6の辺縁が露出しないように設けられている。これにより、金属膜23に電気的に接続された電極8は充填層3に接触せずに開口部3aを貫通し、防水シート6の端はいずれも開口部3a内に現れない。
開口部3aの形状は図のような矩形に限定されるものではなく、円形や楕円形や多角形であってもよい。
ただし、充填層3と防水シート6との接触部分は湿分(水分)の浸入経路になるので、充填層3と防水シート6との接着力に応じて、十分な接触距離を確保できるような形状とする。すなわち、接触距離として、開口部3aから浸入した湿分(水分)が充填層3と防水シート6との接触部分(界面)を移動しても、防水シート6の端部までに到達できないほど十分な距離とする。
そのような接触距離は、図15の従来技術に比較して短くすることができる。本実施形態では、充填層3としてEVAを用い、絶縁膜21としてPETを用いることで、両者の接着力は比較的強いので、図15の充填層103と電極107との界面の場合のように接着距離を大きくするというは必要ない。すなわち、防水シートを比較的小さく(例示:4cm角)作ることができる。
保護層4は、充填層3上に設けられている。保護層4としては、防水防湿効果が高い、例えば、3層構造のPAP(PETシート/AL箔/PETシート)シートが用いられる。
保護層4は、セル集積体2等の下方への湿分(水分)の浸入を防止する。
保護層4は、開口部3aに対応する位置に、開口部3aと概ね重なるように開口部4aを有する。これにより、金属膜23に電気的に接続された電極8は保護層4に接触せずに開口部4aを貫通する。
このように、防水シート6は、バスバー5のパッド部5a上に設けられ、かつ、充填層3の開口部3aおよび保護層4の開口部4aは絶縁膜21の開口部21aの上方に設けられているので、パッド部5a、金属膜23、開口部21a、開口部3a及び開口部4aはバスバー5の面、すなわち、セル集積体2の面に対して交差する方向(上方)に積み重ねられていることになる。
電極8は、上述の低温型の導電性ペーストやはんだ等の接着用材料7を用いて、一端が開口部21aに露出した金属膜23に電気的に接続され、他端が開口部4aから引き出される。言い換えると、電極8は、金属膜23から上方に延設されることになる。
このため、電極8はセル集積体2の上に敷設されることはないので、電極8とセル集積体2との間の絶縁構造を不要とすることができる。従って、太陽電池パネル10の構造が簡単となるので、その製造を容易とし、コストを低減することができる。
このように、電極8はセル集積体2に沿って固定されていないので、太陽電池パネル10が荷重を受けてセル集積体2がたわんだとしても、そのたわみが大きく電極8に影響しない。このため、太陽電池パネル10が加重を受けても電極8に大きな引っ張り荷重がかかることがないので、電極8が断線する事態等が発生する恐れを抑制することができる。
従って、太陽電池パネル10は、耐久性が高く、高い信頼性を維持することができる。
電極8は、絶縁膜21の開口部21aにより位置を制限されているので、充填層3の開口部3aや保護層4の開口部4aの縁に接触することはない。言い換えると、絶縁膜21の開口部21aは、充填層3の開口部3a及び保護層4の開口部4aよりも大きさが小さいので、開口部21aを通る電極8は絶縁膜21に接触することはあっても充填層3及び保護層4から離隔させることができる。
このように、電極8は、防水シート6の絶縁膜21によって充填層3及び保護層4に接触することを防止できるので、電極8は保護層4の金属箔(AL箔)から絶縁することができる。すなわち、プラスとマイナスの端子となる一対の電極8は保護層4の金属箔(AL箔)を介して短絡することはない。
図5及び図6に示されるように、端子箱9は、それぞれ保護層4の開口部4a及び電極8を囲むように配置され、保護層4に接着されている。このように、端子箱9が開口部4a及び電極を囲むように保護層4の上に設けられているので、湿分(水分)の電極8への浸入を一層防止することができる。これにより、太陽電池パネル10は、耐候性が一層高くなり、高い信頼性を維持することができる。
太陽電池パネル10の電極8には、正(+)電極8aと負(−)電極8bとがある。正電極8aを囲う端子箱9を正極端子箱9aと称し、負電極8bを囲う端子箱9を負極端子箱9bと称することもある。
各端子箱9では、正出力ケーブル(出力ケーブル)12aは正電極8aと、負出力ケーブル(出力ケーブル)12bは負電極8bと、それぞれはんだ等で電気的に接続されている。正出力ケーブル12aおよび負出力ケーブル12bを総称して出力ケーブル12と称することもある。
正電極8a(正出力ケーブル12a)と負電極8b(負出力ケーブル12b)とを電気的に接続するバイパスケーブル13が設けられている。
バイパスケーブル13は、表面が被覆されたケーブルであり、図6及び図7に示されるように、保護層4から間隔を空け、かつ、長さ方向に伸縮可能なように、例えばたわみ部分を設けて取り付けられている。
バイパスケーブル13の正極端子箱9aの内部に位置する部分には、バイパスダイオード14が介装されている。したがって、バイパスダイオード14は、取付具15によって保護層4から間隔を空けて配置されている。
バイパスダイオード14を有するバイパスケーブル13は、セル集積体2が発電していない場合に、抵抗の大きなセル集積体をバイパスして負出力ケーブル12bから正出力ケーブル12aに直接電気を流す機能を有している。
このようにバイパスケーブル13およびバイパスダイオード14は保護層4から間隔を空けて配置されているので、バイパスケーブル13を電気が流れる際、バイパスダイオード14が発熱するが、この熱量を効果的に発散させることができる。
なお、端子箱9は、例えば、内部を例えばシリコン系材料による封止剤(ポッティング剤)で充填されて密閉・封入されるようにしてもよい。このようにすると、露出している防水シート6の金属膜23(電極8と金属膜23との接合部を含む)は封止剤でさらに保護されることになる。
本実施形態では、バイパスダイオード14が、正極端子箱9aに配置されているが、これに限定されるものではない。
例えば、図9及び図10に示されるように、バイパスダイオード14は負極端子箱9b内に配置するようにしてもよい。
また、例えば、図11及び図12に示されるように、バイパスダイオード14は、正極端子箱9aと負極端子箱9bの中間位置に配置するようにしてもよい。このようにすると、バイパスダイオード14は、端子箱9に囲われていないので、一層放熱効果が向上する。放熱効果が向上すると、バイパスダイオード14の容量を小さくすることができる。
この場合、安全性を高めるため、バイパスダイオード14は周囲を樹脂で覆ったバイパスブロック16とするのが好適である。
さらに、図13および図14に示されるように、1個の端子箱9が、正電極8a、負電極8bおよび一対の開口部4aを囲むように設けられるようにしてもよい。
このようにすると、1個の端子箱9を取り付けるだけでいいので、施工工数が少なくなり、製造コストが安価となる。
以上のように、構成された太陽電池パネル10は、大電力を得るために、複数の太陽電池パネル10が直列に接続されたストリングスとして用いられることが多い。
このように、複数の太陽電池パネル10が直列接続されている場合、一部の太陽電池パネル10が、例えば影に入ると、当該太陽電池パネル10は発電しないので、大きな抵抗となりストリングスの電気出力が大幅に低下することになる。
本実施形態では、正出力ケーブル12aと負出力ケーブル12bとの間にバイパスダイオード14を有するバイパスケーブル13が設けられているので、影に入り大きな抵抗となった太陽電池パネル10では、電気が抵抗の大きなセル集積体2をバイパスして比較的小抵抗のバイパスケーブル13を通って負出力ケーブル12bから正出力ケーブル12aに流れる。
このように、影に入って大きな抵抗となる太陽電池パネル10で、より抵抗の小さいバイパスケーブル13を通って電気を流すことができるので、ストリングスの電気出力の低下を抑制することができ、安定した、すなわち、高い信頼性を持った発電を行うことができる。
なお、薄膜シリコン系太陽電池は、各セルを短冊状に分離し直列集積するために、結晶系太陽電池パネルに比べて、電流値は小さく数アンペアである。そのためバイパスダイオード14は小さな容量で良く、バイパスケーブル13は小容量タイプで十分であるため、出力ケーブル12と同等もしくはそれ以下の要領のケーブルによりパネル外側で簡易に接続することが可能である。
また、複数のストリングスが並列に接続されている場合、バイパスダイオード14が動作する場合、その系統内の他のストリングスは、影のない他のストリングスの太陽電池パネル10より高い電圧で運転されるため、電流は小さくなる。
次に、本実施の形態に係る太陽電池パネルの製造方法について説明する。図8は、本実施の形態に係る太陽電池パネルの製造方法の一例を示す断面図である。図8は、図3のA−A断面を示している。
図8(a)に示されるように、まず、透光性基板1上にセル集積体2(太陽電池モジュール)を形成する。
すなわち、まず、透光性基板1上に透明電極層82(例示:酸化錫膜)を製膜する。その後、透明電極層82にレーザエッチングで溝90を形成する。これにより、透明電極層82が短冊状に分離される。
次に、透明導電層82上に光電変換層83を製膜する。光電変換層83は、単層アモルファスシリコンや、微結晶シリコンをはじめとする結晶質シリコンや、シリコンゲルマニウムや、アモルファスシリコンと結晶質シリコンやシリコンゲルマニウムの多接合型(タンデム型)などである。
その後、光電変換層83にレーザエッチングで溝91を形成する。これにより、光電変換層83が透明電極層82のエッチング位置と少しずらした位置で短冊状に分離される。
続いて、光電変換層83上に裏面電極層84(Ag膜とTi膜との積層膜)を製膜する。
その後、裏面電極層84にレーザエッチングで溝92を形成する。これにより、裏面電極層84及び光電変換層83が更にエッチング位置をずらした位置で短冊状に分離される。
そして、透明電極層82、光電変換層83、及び裏面電極層84による太陽電池セル2aが形成される。この場合、複数の太陽電池セル2aは直列に接続されて、セル集積体2を形成している。
そして、太陽電池セル2aの長手方向と略垂直な方向の端において、透光性基板1の対向する二辺に平行に、裏面電極層84、光電変換層83及び透明導電層82をレーザエッチングして、絶縁溝(図示されず)を形成する。これにより、セル集積体2の対向する二辺の絶縁が行われる。
続いて、図8(b)に示されるように、バスバー5のパッド部5a周りの絶縁溝11をレーザエッチングで形成する。
その後、透光性基板1の周辺領域94の裏面電極層84、光電変換層83及び透明導電層82をサンドブラスト法やレーザエッチング法により除去する。
次に、図8(c)に示されるように、セル集積体2の両端部に位置する両極の集電セルにバスバー5を上記の低温型導電性ペースト又ははんだで形成する。
低温型導電性ペーストでバスバー5を形成する場合、まず、その導電性ペーストを例えばスクリーン印刷法により塗布する。その熱処理はラミネートの工程の熱処理に併せて行われる。
はんだでバスバー5を形成する場合、超音波はんだ付け法により行う。
次に、図1に示されるように、バスバー5のパッド部5a上に防水シート6を配置(形成)する。
防水シート6は、上述のように、金属膜23と絶縁膜21とがこの順に接着(積層)されている。
その後、セル集積体2、バスバー5、及び防水シート6上に、充填層3と保護層4とをこの順に配置してラミネーションする(ラミネートの工程)。それにより、防水シート6、充填層3、及び保護層4が、セル集積体2、バスバー5を有する透光性基板1に接着される。
続いて、電極8の一端を金属膜23に上記の低温型導電性ペースト又ははんだを用いて電気的に接続する。そのとき、他端を絶縁膜21の開口部21a及び充填層3の開口部3aを介して保護膜4の開口部4aから引き出すようにする。
その後、保護膜4上に端子箱9が取付けられる。そのとき、出力ケーブル12(正出力ケーブル12a及び負出力ケーブル12b)と電極8(正電極8a及び負電極8b)とが電気的に接続される。次いで、正電極8aと負電極8bとの間にバイパスダイオード14を具備したバイパスケーブル13が取り付けられる。
その後、端子箱9は、封止剤(ポッティング剤)で充填されて密閉・封入される。
ここで、セル集積体2の両極に対応する正極端子箱9a及び負極端子箱9bの各々について、その取り付け、出力ケーブル12と電極8との接続、バイパスケーブル13の取り付け、封止剤の封入は、いずれも組立用自動機械により一度に行うことができる。
したがって、端子箱9が増えても製造工程上余計な工数はかからない。以上により、太陽電池パネル10が製造される。
なお、本実施形態では、バスバー5は裏面電極層84上に形成されているが、これに限定されず、本発明はバスバー5を透明導電層82上に形成する場合、あるいはバスバー5を透光性基板1上に形成する場合にも適用できる。
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
例えば、本実施形態ではバスバー5は、導電性ペーストやはんだのような導電性を有し接着効果を有する材料を用いて形成されているが、これに限定されない。
例えば、バスバー5は、セル集積体2に金属箔を接着剤によって貼付し、この金属箔の一部が接着剤を貫通してセル集積体2に接触する構成としてもよい。この場合、金属膜23はバスバー5と半田や導電性ペースト等にて電気的に接続される必要がある。
このような実施形態では、バスバー5となる金属箔の一部は、接着剤層を貫通してセル集積体2に接触するので、電気的な接続が確実に行える上、それ以外の部分は接着剤がバスバー5とセル集積体2の間を埋めるため、例えばスバー5の位置に湿分(水分)が浸入したとしても、それがセル集積体2に侵入して湿分(水分)が広範囲に広がることはなく、その影響を大幅に抑制することができる。
1 透光性基板
2 セル集積体
3 充填層
3a 開口部
4 保護層
4a 開口部
5 バスバー
5a パッド部
5b 枝部
6 防水シート
8 電極
8a 正電極
8b 負電極
9 端子箱
9a 正極端子箱
9b 負極端子箱
10 太陽電池パネル
12a 正出力ケーブル
12b 負出力ケーブル
13 バイパスケーブル
14 バイパスダイオード
21 絶縁膜
21a 開口部
22 接着膜
22a 開口部
23 金属膜

Claims (4)

  1. 電気を生成するセル集積体の両極のそれぞれに設けられている一対のバスバーと、
    前記各バスバー上に、それぞれ金属膜及び第1開口部を有する絶縁膜がこの順に積層され、前記各バスバーと前記金属膜とが接続された防水シートと、
    前記セル集積体、前記バスバー及び前記防水シート上に設けられ、前記各第1開口部の上方に、前記第1開口部より大きい第2開口部を有する充填層と、
    前記充填層上に設けられ、前記各第1開口部の上方に、前記第1開口部より大きい第3開口部を有する保護層と、
    一端が前記第1開口部に露出した前記金属膜に接続され、他端が前記第2開口部から引き出される一対の電極と、
    該各電極に接続された一対の出力ケーブルと、
    中途にバイパスダイオードを有し、前記一対の出力ケーブル間を接続するバイパスケーブルと、
    前記第3開口部から引き出された電極を囲むように前記保護層の上に接着して設けられた端子箱と、が備えられている、太陽電池パネル。
  2. 前記端子箱は、前記各電極に対応して一対配置され、
    前記バイパスダイオードは、該一対の端子箱のいずれか一方の端子箱内に装着されている
    請求項1に記載の太陽電池パネル。
  3. 前記端子箱は、前記各電極に対応して一対配置され、
    前記バイパスダイオードは、該一対の端子箱の中間位置に装着されている
    請求項1に記載の太陽電池パネル。
  4. 前記バイパスダイオードは、前記保護層から離隔するように装着されている
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の太陽電池パネル。
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