JP4461607B2 - 太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、表面保護部材と裏面保護部材との間に、複数個の太陽電池素子を直列接続した太陽電池を接着性樹脂封止材により封止してなり、前記太陽電池の正極および負極の電力リード線を、外部の電力引き出し端子に電気的に接続してなる太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、環境保護の立場から、クリーンなエネルギーの研究開発が進められている。中でも、太陽電池はその資源(太陽光)が無限であること、無公害であることから注目を集めている。同一基板上に形成された複数の太陽電池素子が、直列接続されてなる太陽電池(光電変換装置)の代表例は、薄膜太陽電池である。
【0003】
薄膜太陽電池は、薄型で軽量、製造コストの安さ、大面積化が容易であることなどから、今後の太陽電池の主流となると考えられ、電力供給用以外に、建物の屋根や窓などにとりつけて利用される業務用,一般住宅用にも需要が広がってきている。
【0004】
従来の薄膜太陽電池はガラス基板を用いていたが、軽量化、施工性、量産性においてプラスチックフィルムを用いたフレキシブルタイプの太陽電池の研究開発がすすめられている。このフレキシブル性を生かし、ロールツーロール方式の製造方法により大量生産が可能となった。
【0005】
上記薄膜太陽電池の構成および製造方法の一例は、例えば特開平10−233517号公報や特願平11−19306号に記載されている。
【0006】
図11は、構造の理解の容易化のために、薄膜太陽電池の構成を簡略化して斜視図で示したものである。図11において、基板61の表面に形成した単位光電変換素子62および基板61の裏面に形成した接続電極層63は、それぞれ複数の単位ユニットに完全に分離され、それぞれの分離位置をずらして形成されている。このため、素子62のアモルファス半導体部分である光電変換層65で発生した電流は、まず透明電極層66に集められ、次に該透明電極層領域に形成された集電孔67を介して背面の接続電極層63に通じ、さらに該接続電極層領域で素子の透明電極層領域の外側に形成された直列接続用の接続孔68を介して上記素子と隣り合う素子の透明電極層領域の外側に延びている下電極層64に達し、両素子の直列接続が行われている。
【0007】
前記薄膜太陽電池を複数個組み合わせ、電気絶縁保護材で覆って、薄膜太陽電池モジュールを構成する。この薄膜太陽電池モジュールとして、電気絶縁性を有するフィルム基板上に形成された太陽電池を、内部の電力リード線とともに、電気絶縁性の保護材により封止するために、太陽電池の受光面側および非受光面側の双方に表面保護部材と裏面保護部材とを設けたものが知られている。
【0008】
図6は、例えば、本願と同一出願人によって特願平11−160782号に開示された前記太陽電池モジュールの一例を示し、(a)は透視平面図、(b)は(a)におけるX−X断面図である。図6に示す太陽電池モジュールにおいて、所定の間隔をおいて並べられた太陽電池ユニット1u(あらかじめ受光面側に、EVA(エチレンビニルアセテート)からなる接着剤23を仮ラミネートし、所定寸法に裁断したもの)は、その両外側に配置される、例えばSn/Cu/Sn材料からなる、金属箔である内部配線22と、太陽電池ユニット1uの裏面電極と接続する導電性粘着剤付きAl箔/PET(ポリエチレンテレフタレート)である補助配線25と共に、接着剤(EVA)23を介して、メッシュ状プラスチック繊維26および耐候性の高いフッ素フィルム、例えばETFE(エチレン・四フッ化エチレン共重合体)製の防湿フィルム24でラミネートされ、受光側と反対側(非受光側)はEVA3を介してETFEフィルム24がラミネートされて封止される。
【0009】
上記のようにラミネートされたものを、150℃で真空加熱処理し、EVAの架橋硬化を行い、ETFEを接着し、かつ全体をEVAで樹脂封止する。これにより、太陽電池ユニット1u、補助配線25および内部配線22間の電気的接続の安全性も確保する。上記の長尺のラミネートフィルムから、図6のCC部で裁断して、所定数の太陽電池ユニット1uを含む太陽電池モジュールMを得る。
【0010】
前記太陽電池モジュールにおいて、表面保護部材と裏面保護部材の各材質や、また保護層の構成は、目的に応じて、種々の変形がある。表面保護部材には、前述のようにガラス板が使用されることもある。
【0011】
また、太陽電池モジュールの電力リードの外部への引き出し方法としても、種々の方法がある。例えば図7ないし10は、本願と同一出願人によって特願2000−82269号に記載された前記太陽電池モジュールの一例を示し、図7は太陽電池モジュールの平面図、図8は図7におけるA−A断面図、図9は電力リード引き出し部の先端部を切り込み部において引き起こした状態の斜視図、図10はケーブルに接続した棒状端子に、電力リード引き出し部の先端部外部リード線接続部材を取付けた状態の斜視図を示す。
【0012】
図7,8に示す太陽電池モジュールにおいては、太陽電池1の太陽光入射側である受光面側に、EVAなどを使用した接着層2、並びにETFEなどを使用した防湿層3、EVAにガラス繊維を充填して機械的強度を高めた強化層4、その上にETFEなどを使用した汚損物質付着防止の表面保護層5からなる耐候性保護層としての受光面側保護層6が積層され、太陽電池1を保護している。
【0013】
また太陽光入射側と反対側である非受光側には、接着層7、防水と電気絶縁を兼ねたETFEやポリイミドを使用した絶縁層8、補強層11との接合の役目をなすEVAなどを使用した接着層9が積層されて非受光面側保護層10が形成され、その上に積層された金属製平板などを使用した補強層11が接着されており、上記各層は加圧熱融着ラミネートで一体化されている。
【0014】
さらに、受光面側保護層6、非受光面側保護層10、補強層11は太陽電池1の側方の非発電領域まで延長され、非発電領域には略四角形状の太陽電池1の両側辺に沿って平行的に平箔銅線の電力リード線(前述の内部配線)12が配置され、導電性粘着テープ若しくはハンダ付け平箔銅線の渡り線(前述の補助配線)13で太陽電池1の図示しないプラス極、またはマイナス極にそれぞれ接続されている。
【0015】
また、電力リード線12の端部近傍には、発電した電力を外部に引出す中継をなす電力端子箱14が補強層11に接着、またはネジ止めで固定されており、電力リード線12とケーブル15が接続線16で電気的に接続されて全体として四角形で平板状の太陽電池モジュール50を形成している。
【0016】
図9および10は、前記図7および8の太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法を改良し、電力を外部に引出す電力リード線と外部のケーブルとの接合作業が簡便で、絶縁の信頼性が高い太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法に関する(詳細は、前記特願2000−82269号参照)。
【0017】
図9における電力リードとしての外部リード線接続部材51および剥離部材90は、保護層70の中に埋設された状態となっており、電力リードを外部に引き出すに際して、保護層70に専用カッターを用いてコの字型に切り込みを入れ、その部分の外部リード線接続部材51を保護層70と共に上に引き上げた後、外部リード線接続部材51上の剥離部材90を除去し、接続部分を露出させ、図10に示すケーブル210の棒状端子209に半田付けを行う。図9の斜視図において、113は切り込み部を、103は補強層を示す。また、図10の斜視図において、201は電力端子箱を示す。
【0018】
ところで、前述の太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法において、電力リード線(または内部配線)は、太陽電池の有効受光面の外側に配設されているが、有効受光面の面積を増大するために、電力リード線を、太陽電池の有効受光面の内側に配置し、太陽電池と接着剤保護層との間に、電気絶縁層を介して配設する方法も採用されている。
【0019】
上記のような電力リード引き出し方法とは、電力リード線の配置が異なる従来の太陽電池モジュールの模式的構成を、図5に示す。図5(b)は平面図、図5(a)は図5(b)におけるA−A断面図を示す。
【0020】
図5(a)に示すように、太陽電池1の太陽光入射側には、ガラス板からなる表面保護部材38を使用し、反対側には裏面保護部材36としてA1箔入りフツ素樹脂フィルムを使用し、接着層37としてEVAを使用し、加圧熱融着ラミネートにより一体化して、太陽電池モジュール30を形成している。
【0021】
また、太陽電池モジュール30の略中央部に、電力リード線40の引き出し部48を設け、電力端子箱20まで引き出して、図示しない外部端子に電気的に接続する。この電力端子箱20は、フィルム裏面保護部材36上に接着固定して設ける。正極および負極の2本の電力リード線40は、前記電力リード線の引き出し部48から、太陽電池のパターニングの図示しない分離ラインに沿って、太陽電池モジュール周辺部に向けて配設し、電力リード線40の他端を、太陽電池の電極部に接続する。
【0022】
さらに、電カリード線40としては、通常、半田コート銅箔、錫コート銅箔等が使用されるが、この電カリード線40は、太陽電池1の裏面接続電極層上を通過するため、幅寸法の比較的小さいEVAスペーサー71を、太陽電池1と電力リード線40との間に電力リード線40に沿って挿入し、両者間の絶縁を確保するようにしている。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前記図5に示す従来の太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法においては、以下のような問題点がある。
【0024】
(1)前述のように、EVAスペーサーを、太陽電池の裏面接続電極層と電力リード線との間に挿入し絶縁処理をしているが、EVAの膜厚が比較的厚いためモジュール化後、太陽電池に凸凹や段差が発生し、外観上好ましくない問題があった。
【0025】
(2)比較的厚いEVAスペーサーを使用しているにも拘わらず、幅寸法の比較的小さいEVAスペーサー71がモジュール化時の加熱により溶けて、EVAの絶縁層が欠落する部分が生じ、電カリード線と裏面接続電極層とが接触して絶縁不良が発生する問題があった。
【0026】
(3)電カリード線を裏面接続電極層上に設置し、その後、他の材料を組立てる際、電カリード線とEVAスペーサーが動いてしまい、設置するのに時間がかかり、作業効率が悪い問題があった。
【0027】
(4)太陽電池には、前述のように、集電孔および直列接続用の接続孔が形成されている。電カリード線を、前述のように、太陽電池のパターニング分離ラインに沿って、中央部の引き出し部から太陽電池モジュール周辺部に向けて配設した場合、電カリード線は、前記接続孔の上を通過することになる。この電カリード線を太陽電池モジュールの受光面側からみた時、前記接続孔の部分が白く見えてしまい、外観上好ましくない問題があった。
【0028】
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、本発明の課題は、太陽電池内部の電力リード線の外部への引き出し作業が簡便で、かつ絶縁の信頼性が高く、さらに外観上の問題の発生がない太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法を提供することにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
前述の課題を解決するため、この発明によれば、表面保護部材と裏面保護部材との間に、複数個の太陽電池素子を直列および/または並列に接続した太陽電池を接着性樹脂封止材により封止してなり、前記太陽電池の正極および負極の電力リード線を、外部の電力引き出し端子に電気的に接続してなる太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法において、前記表面保護部材と樹脂封止材としての接着層とを積層し、この接着層上の所定の位置に前記太陽電池を配設した後、補助配線により太陽電池間の所定の直列および/または並列の接続を行い、前記電力リード線として、樹脂フィルムの片面に金属箔を有し、他面に接着剤層を有するフレキシブルな積層リード線を用い、この電力リード線を前記太陽電池の所定の位置に、前記接着剤層を介して接着固定し、かつ、この電力リード線の一端部の樹脂フィルムと接着剤層とを除去して予め設けた金属箔の導体露出部を、前記太陽電池の所定の電極部に電気的に接続し、また、樹脂封止材としての接着層と前記裏面保護部材とを積層し、接着層の接着性樹脂封止材により封止後、前記電力リード線の他端部を、前記外部の電力引き出し端子に電気的に接続し、さらに、前記電力リード線における金属箔導体露出部の先端部には所定長さの剥離部材を設けてなり、太陽電池モジュールの前記接着性樹脂封止材による封止後、前記先端部を含む前記樹脂封止材を貫通して四角形の一辺を残した略コ字状の切り込みを入れた後、該切り込み部の樹脂封止材と前記電力リード線の先端部とを一体的に引き起こし、かつ前記剥離部材を剥離して前記電力リード線の先端部を露出したものとして形成し、この先端部を、前記外部の電力引き出し端子に電気的に接続することとする(請求項1の発明)。
【0030】
前記のように、樹脂フィルムの片面に金属箔を有し、他面に接着剤層を有するフレキシブルな電力リード線を、太陽電池の所定の位置に接着してから、電気的接続作業を行なうので、接続作業が容易となる。また、比較的肉薄の樹脂フィルムにより、太陽電池と電力リード線との間の絶縁が確保できるので、絶縁の信頼性が向上するとともに、凹凸や段差が生ずる美観上の問題も解消する。また、前記図9において説明した方法と同様の電力リード引き出し方法が採用でき、電力リード線上の封止保護部材の手作業による切り取りや熱による除去作業が必要なくなり、作業性の改善と絶縁の信頼性を向上することができる。
【0031】
前記請求項1の発明の実施態様として、下記請求項2ないし5の発明が好ましい。即ち、請求項1記載の太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法において、前記電力リード線は、樹脂フィルムの片面に接着剤により固定された銅箔を有し、他面に異なる接着剤層を有するフレキシブルな積層リード線とし、前記銅箔の幅寸法は、前記樹脂フィルムの幅寸法より小とする(請求項2の発明)。
【0032】
上記方法によれば、銅箔の幅が樹脂フィルムの幅より小さいので、太陽電池と電力リード線との間の絶縁の信頼性がさらに向上する。
【0033】
また、請求項1または2記載の太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法において、前記電力リード線における金属箔の導体露出部と、前記太陽電池の所定の正負電極部との電気的接続は、半田付けもしくは導電性粘着剤による接続のいずれかとする(請求項3の発明)。これにより、電気的接続の作業性が向上する。半田付けはパルスヒート方式とすることにより、また導電性粘着剤で接続することにより、熱影響による絶縁損傷を防止できる。
【0034】
さらに、請求項1ないし3のいずれかに記載の太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法において、前記電力リード線の樹脂フィルムは、金属箔の色が前記表面保護部材側に透けて見えることを防止するために、着色した樹脂フィルムとする(請求項4の発明)。これにより、前記太陽電池の接続孔の部分が白く見える外観不良を解消できる。
【0035】
また、請求項5の発明のように、太陽電池モジュールの略中央部に電力リードの引き出し部を設け、この引き出し部から、正極および負極の2本の前記電力リード線を複数分割された太陽電池における中央の分離ラインに沿って太陽電池モジュール周辺部に向けて配設することにより、太陽電池モジュールの有効受光面積の拡大を図ることができる。
【0036】
なお、接続部の絶縁処理が必要な場合には、樹脂封止材料等をあらかじめ塗布して、絶縁処理を行うことにより絶縁の信頼性がさらに向上する。
【0037】
【発明の実施の形態】
図面に基づき、本発明の実施例について以下に述べる。
【0038】
(実施例1)
図1ないし図3は、この発明の実施例を示し、図1は、図5の従来の太陽電池モジュールに対応する図であって、図1(a)は、太陽電池モジュールの裏面側から見た模式的平面図、図1(b)は、図1(a)におけるA−A断面図を示す。図2は、図1(a)の模式的平面図を若干詳細にした上で、太陽電池素子の接続状態および電流の流れを説明する図、図3は、電力リードの構造とその太陽電池への接続状態を説明する図であって、図3(a)は、電カリード線の積層構造の断面図、図3(b)は、太陽電池裏面接続電極層と電カリード線導体露出部の端部を折り曲げて、半田付けした構造の断面図を示す。
【0039】
まず、図1に示すように、表面保護部材としてのガラス板38上に太陽電池モジュール受光面側の接着層37(EVA)と、この上に太陽電池1を2枚所定の位置にセット後、導電性粘着剤からなる補助配線35により、太陽電池1間を直列接続する。
【0040】
この場合太陽電池は、例えば、図2に示すような電気的な接続構成とする。左右の前記2枚の太陽電池は、それぞれ4分割されており、4分割された各太陽電池は、それぞれ複数個のユニットセル(太陽電池素子)が直列接続されている。
【0041】
4分割された太陽電池は、それぞれ電気的に並列となっており、左右の太陽電池間は、補助配線35により、直列に接続されている。左右の+側および−側の共有導体49は、電力リード40の一端にそれぞれ接続される。電力リード40は、4分割された太陽電池の中央の分離ライン上に配置され、その一端は、前記共有導体部に、他端は太陽電池モジュール中央部の電力リード引き出し部に位置して、端子箱20の図示しない外部端子に接続される。電流の流れは、図中、矢印で示す。
【0042】
次に電カリード線40としては、図3(a)に示すように、接着剤43/樹脂フィルム44/接着剤43/銅箔42のフレキシブルな積層品とし、片側端部10mmに導体露出部45を予め作成後、図3(b)に示すように、導体露出部45を折り曲げて、太陽電池1の裏面の電極部31に、パルスヒート方式半田付け装置で半田付けする。導体露出部45以外はフレキシブルな電カリード線40に積層されている接着剤43で太陽電池1の裏面接続電極層に接着固定する。
【0043】
端子箱20の外部端子と接続する電カリード線40の先端部分は、図1(b)に示すように、太陽電池1の裏面接続電極層の位置から90°折り曲げて、あらかじめ穴をあけた接着層37(EVA)および、これもあらかじめ穴をあけたフィルム状の裏面保護部材36を組立てる。その際、前記図9の方法と同様に、剥離部材90としての図示しないフツ素系粘着テープを電カリード線40の導体露出部45に予め貼付け固定し、半田付けの際に、剥離部材を除去した上で、接続作業ができるように準備した。各材料の固定後、ラミネート装置により所定の条件でラミネート(モジュール化)、即ち、前述のように、150℃で真空加熱処理し、EVAの架橋硬化を行い、全体をEVAで樹脂封止して太陽電池モジュールを作製した。その後、電力リード線40の端部を、図示しない外部の電力引き出し端子に電気的に接続した。
【0044】
電カリード線40の銅箔としては、熱電解銅箔または圧延銅箔を用いる。その厚さは25〜100μmの範囲が適している。25μm以下では接続時に切断してしまい要求を満足しない。これら銅箔はそのまま、あるいは半田メツキ・錫メツキしたものが用いられる。
【0045】
また、接着剤43としてはアクリル系、エポキシ系、ポリエステル系等が用いられ、その膜厚は25〜50μmの範囲が好適である。これ以上の膜厚になると加圧・加熱により位置ズレ等を起こし、寸法がでなくなる、また段差の原因の一つとなる。
【0046】
樹脂フィルム44は、絶縁が主目的で、ポリイミド系、ポリエステル系、アラミド系が用いられ、膜厚は25〜75μmの範囲であり、かつ例えば、黒色に着色されている。これにより、光入射側より見た場合、電力リード線40の銅箔および半田・錫メツキされたものが、茶色ないしは白く見えて、異物としてとらえられて最終的には外観不良となる問題を解消できる。
【0047】
なお、前記電力リード線端部の図示しない外部の電力引き出し端子との電気的接続は、前記図10のようにする。この場合、太陽電池モジュールを作製後、前記剥離部材としてのフツ素系粘着テープと共に電カリード線40を、図9に示す要領で、引き起こした後、前記フツ素系粘着テープを除去することにより、半田接続部を露出させ、外部端子と接続後、電力端子箱本体20内に、例えばシリコン樹脂材料を注入・硬化させて水分浸入防止を兼ねた絶縁処理を行い、端子箱20の蓋を取り付けた。
【0048】
上記方法によれば、従来技術の問題は解決され、電気的にも機械的にも信頼性の高い電カリード引き出し構造とすることができ、また、作業性が極めて向上する。
【0049】
(実施例2)
図4は、この発明の電力リードの太陽電池への異なる接続方法を模式的に示す。
この実施例においては、電力リード線における金属箔の導体露出部45と、太陽電池の所定の電極部31との電気的接続を、導電性粘着剤55により接続し、それ以外は、前記実施例1と同様とした。実施例2によれば、半田付けに比べて電気的接続作業における熱的損傷を受けにくいので絶縁の信頼性の向上が図れ、また、作業性も向上する。
【0050】
(比較例)
電カリード線40の銅箔42として100μm膜厚の半田メツキ銅箔を用い、図5に示すように、太陽電池1の裏面接続電極層上に、絶縁材としてのEVAスペーサー71を所定の大きさに切断・挿入し、太陽電池1の裏面電極部とは半田コテにて半田付けして太陽電池モジュールを作製した。外観上EVAスペーサー71を挿入した配線部の凸凹がはっきり分かる状態であった。
【0051】
上記実施例1および2ならびに比較例の方法により製作した太陽電池モジュールについて、高温高湿(85℃、95%RH)試験を500時間行なった。その結果、実施例1および2では、外観の変化は無く、電気的不良(絶縁不良)等の発生も見られなかった。一方、比較例においても電気的不良等の発生はなかったが、外観上凸凹部がさらに大きくなった。
【0052】
【発明の効果】
この発明によれば前述のように、表面保護部材と裏面保護部材との間に、複数個の太陽電池素子を直列および/または並列に接続した太陽電池を接着性樹脂封止材により封止してなり、前記太陽電池の正極および負極の電力リード線を、外部の電力引き出し端子に電気的に接続してなる太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法において、前記表面保護部材と樹脂封止材としての接着層とを積層し、この接着層上の所定の位置に前記太陽電池を配設した後、補助配線により太陽電池間の所定の直列および/または並列の接続を行い、前記電力リード線として、樹脂フィルムの片面に金属箔を有し、他面に接着剤層を有するフレキシブルな積層リード線を用い、この電力リード線を前記太陽電池の所定の位置に、前記接着剤層を介して接着固定し、かつ、この電力リード線の一端部の樹脂フィルムと接着剤層とを除去して予め設けた金属箔の導体露出部を、前記太陽電池の所定の電極部に電気的に接続し、また、樹脂封止材としての接着層と前記裏面保護部材とを積層し、接着層の接着性樹脂封止材により封止後、前記電力リード線の他端部を、前記外部の電力引き出し端子に電気的に接続し、さらに、前記電力リード線における金属箔導体露出部の先端部には所定長さの剥離部材を設けてなり、太陽電池モジュールの前記接着性樹脂封止材による封止後、前記先端部を含む前記樹脂封止材を貫通して四角形の一辺を残した略コ字状の切り込みを入れた後、該切り込み部の樹脂封止材と前記電力リード線の先端部とを一体的に引き起こし、かつ前記剥離部材を剥離して前記電力リード線の先端部を露出したものとして形成し、この先端部を、前記外部の電力引き出し端子に電気的に接続することにより、
太陽電池内部の電力リード線の外部への引き出し作業が簡便で、かつ絶縁の信頼性が高く、さらに外観上の問題の発生がない太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例に関わる太陽電池モジュールの模式的構成図
【図2】 図1の太陽電池モジュールにおける太陽電池素子の接続状態および電流の流れを説明する図
【図3】 この発明に関わる電力リードの構造とその太陽電池への接続状態を説明する図
【図4】 図3とは異なる太陽電池への接続例を説明する図
【図5】 従来の電力リード引き出し方法に関わる太陽電池モジュールの模式的構成図
【図6】 従来の太陽電池モジュールの構成の一例を示す図
【図7】 図6とは異なる従来の太陽電池モジュールの構成の一例を示す平面図
【図8】 図7の太陽電池モジュールの断面図
【図9】 電力引き出し部先端部を切り込み部において引き起こした状態の斜視図
【図10】 ケーブルに接続した棒状端子に外部リード線接続部材を取付けた状態の斜視図
【図11】 従来の太陽電池の構成を示す斜視図
【符号の説明】
1:太陽電池、20:端子箱、30:太陽電池モジュール、31:電極部、35:補助配線、36:裏面保護部材、37:接着層、38:表面保護部材、40:電力リード線、42:銅箔、43:接着剤層、44:樹脂フィルム、45:導体露出部、48:引き出し部、49:共有導体、51:外部リード線接続部材、52:内部リード線、53:折り返し部、55:導電性粘着剤、70:保護層、90:剥離部材、113:切り込み部、209:棒状端子、210:ケーブル。
Claims (5)
- 表面保護部材と裏面保護部材との間に、複数個の太陽電池素子を直列および/または並列に接続した太陽電池を接着性樹脂封止材により封止してなり、前記太陽電池の正極および負極の電力リード線を、外部の電力引き出し端子に電気的に接続してなる太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法において、
前記表面保護部材と樹脂封止材としての接着層とを積層し、この接着層上の所定の位置に前記太陽電池を配設した後、補助配線により太陽電池間の所定の直列および/または並列の接続を行い、
前記電力リード線として、樹脂フィルムの片面に金属箔を有し、他面に接着剤層を有するフレキシブルな積層リード線を用い、この電力リード線を前記太陽電池の所定の位置に、前記接着剤層を介して接着固定し、かつ、この電力リード線の一端部の樹脂フィルムと接着剤層とを除去して予め設けた金属箔の導体露出部を、前記太陽電池の所定の電極部に電気的に接続し、
また、樹脂封止材としての接着層と前記裏面保護部材とを積層し、接着層の接着性樹脂封止材により封止後、前記電力リード線の他端部を、前記外部の電力引き出し端子に電気的に接続し、
さらに、前記電力リード線における金属箔導体露出部の先端部には所定長さの剥離部材を設けてなり、太陽電池モジュールの前記接着性樹脂封止材による封止後、前記先端部を含む前記樹脂封止材を貫通して四角形の一辺を残した略コ字状の切り込みを入れた後、該切り込み部の樹脂封止材と前記電力リード線の先端部とを一体的に引き起こし、かつ前記剥離部材を剥離して前記電力リード線の先端部を露出したものとして形成し、この先端部を、前記外部の電力引き出し端子に電気的に接続することを特徴とする太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法。 - 前記電力リード線は、樹脂フィルムの片面に接着剤により固定された銅箔を有し、他面に異なる接着剤層を有するフレキシブルな積層リード線とし、前記銅箔の幅寸法は、前記樹脂フィルムの幅寸法より小とすることを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法。
- 前記電力リード線における金属箔の導体露出部と、前記太陽電池の所定の正負電極部との電気的接続は、半田付けもしくは導電性粘着剤による接続のいずれかとすることを特徴とする請求項1または2記載の太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法。
- 前記電力リード線の樹脂フィルムは、金属箔の色が前記表面保護部材側に透けて見えることを防止するために、着色した樹脂フィルムとすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法。
- 太陽電池モジュールの略中央部に電力リードの引き出し部を設け、この引き出し部から、正極および負極の2本の前記電力リード線を複数分割された太陽電池における中央の分離ラインに沿って太陽電池モジュール周辺部に向けて配設することを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の太陽電池モジュールの電力リード引き出し方法。
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