JP2009021288A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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志穂美 中谷
Oshi Hikosaka
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Abstract

【課題】水の浸入を抑制することができる太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
【解決手段】引出し用開口部31と、太陽電池モジュール100の主面に略直交する方向に沿って裏面側封止体5に形成された第1挿通スリット51とは、太陽電池モジュール100の主面に平行な投影面上において重なっていない。
【選択図】図4

Description

本発明は、複数の太陽電池と、複数の太陽電池から電力を取出すための取出し配線とを備える太陽電池モジュールに関する。
太陽電池は、クリーンで無尽蔵に供給される太陽光を直接電気に変換するため、新しいエネルギー源として期待されている。
このような太陽電池1枚当りの出力は数W程度であるため、家屋やビル等の電力源として太陽電池を用いる場合には、複数の太陽電池を備える太陽電池モジュールを用いる。複数の太陽電池は、受光面側保護材と裏面側保護材との間において封止体によって封止される。
太陽電池モジュールは、複数の太陽電池から電力を取出すための取出し配線を備える。取出し配線は、裏面側保護材に設けられた引出し用開口部に向かって直線的に封止体中に挿通され、引出し用開口部から太陽電池モジュールの外部に引出される(例えば、特許文献1参照)。
特開平5−82820号公報
しかしながら、取出し配線が封止体中に直線的に挿通されているため、裏面側保護材に形成された引出し用開口部から浸入した水は、取出し配線を伝って太陽電池まで到達しやすい。従って、太陽電池の劣化や特性低下が引き起こされやすいという問題があった。
そこで、本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、水の浸入を抑制することができる太陽電池モジュールを提供することを目的とする。
本発明の特徴に係る太陽電池モジュールは、受光面側保護材と裏面側保護材との間において封止体によって封止された複数の太陽電池と、前記複数の太陽電池から電力を取出すための取出し配線とを備える太陽電池モジュールであって、前記裏面側保護材は、前記取出し配線を引出すための引出し用開口部を有し、前記取出し配線は、前記複数の太陽電池に含まれる一の太陽電池から前記引出し用開口部まで前記封止体に挿通され、前記封止体は、太陽電池モジュールの主面に略直交する方向に沿って前記取出し配線が挿通される挿通スリットを少なくとも一つ有しており、太陽電池モジュールの主面に平行な投影面上において、前記封止体が有する少なくとも一つの前記挿通スリットと、前記引出し用開口部とは重ならないことを要旨とする。
本発明の特徴によれば、取出し配線は、一の太陽電池から引出し用開口部まで封止体中に直線的に挿通されないため、取出し配線の長さを長くすることができる。その結果、裏面側保護材に形成された引出し用開口部から浸入した水が取出し配線を伝って太陽電池まで到達することを抑制することができる。
また、取出し配線が屈曲するように形成することができるため、屈曲する部分において浸入した水を留まらせることができる。
本発明の特徴において、前記封止体は、絶縁フィルムを含み、前記挿通スリットは、前記絶縁フィルムに形成されていることが好ましい。
本発明の特徴において、前記裏面側保護材上に配設され、前記取出し配線を格納する端子ボックスをさらに備え、前記端子ボックスは、前記取出し配線を前記端子ボックス内に引入れるための引入れ用開口部を有しており、太陽電池モジュールの主面に平行な投影面上において、前記引入れ用開口部と前記引出し用開口部とは重なることが好ましい。
本発明によれば、水の浸入を抑制することができる太陽電池モジュールを提供することができる。
次に、図面を用いて、本発明の実施形態について説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。又、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
(太陽電池モジュールの概略構成)
本発明の実施形態に係る太陽電池モジュール100の概略構成について、図1乃至図3を参照しながら説明する。図1は、本実施形態に係る太陽電池モジュール100の側面図である。図2は、本実施形態に係る太陽電池モジュール100の内部構造を裏面側から見た図である。図3は、本実施形態に係る太陽電池モジュール100の背面図である。なお、図3では、端子ボックス7の被覆カバーを取外した状態を示している。
図1に示すように、太陽電池モジュール100は、太陽電池ストリング1、受光面側保護材2、裏面側保護材3、受光面側封止体4、裏面側封止体5、取出し配線6及び端子ボックス7を備える。太陽電池モジュール100は、受光面側保護材2と裏面側保護材3との間に、太陽電池ストリング1を封止することにより構成されている。
太陽電池ストリング1は、複数の太陽電池10及び第1配線材11を備える。太陽電池ストリング1は、配列方向に従って配列された複数の太陽電池10を第1配線材11によって互いに電気的に接続することにより構成されている。
太陽電池10は、太陽光が入射する受光面(図面中の上面)と、受光面の反対側に設けられた裏面(図面中の下面)と、受光面から光が入射することにより光生成キャリアを生成する光電変換部と、光電変換部で生成された光生成キャリアを取出すための正負1対の電極とを備えている。正負1対の電極は、受光面及び裏面にそれぞれ形成されている。
第1配線材11は、一の太陽電池10の受光面に形成された電極と、一の太陽電池に隣接する他の太陽電池10の裏面に形成された電極とに接合される。これにより、一の太陽電池10と他の太陽電池10とが、電気的に接続される。第1配線材11としては、薄板状或いは縒り線状に成形された銅等の導電材を用いることができ、導電材の表面には軟導電体(例えば、共晶半田)がメッキされていてもよい。
また、図2に示すように、太陽電池ストリング1どうしは、第2配線材12によって、電気的に直列に接続されている。第2配線材12としては、第1配線材11と同様に、薄板状或いは縒り線状に成形された銅等の導電材を用いることができ、導電材の表面には軟導電体(例えば、共晶半田)がメッキされていてもよい。
受光面側保護材2は、受光面側封止体4の受光面側に配置され、太陽電池モジュール100の表面を保護している。受光面側保護材2としては、透光性及び遮水性を有するガラス、透光性プラスチック等を用いることができる。
裏面側保護材3は、裏面側封止体5の裏面側に配置され、太陽電池モジュール100の背面を保護している。裏面側保護材3としては、PET(Polyethylene Terephthalate)等の樹脂フィルム、Al等の金属箔を樹脂フィルムでサンドイッチした構造を有する積層フィルム等を用いることができる。裏面側保護材3は、図3に示すように、太陽電池モジュール100の背面に取出し配線6を引出すための引出し用開口部31を有する。
受光面側封止体4及び裏面側封止体5は、受光面側保護材2と裏面側保護材3との間において複数の太陽電池ストリング1を封止している。受光面側封止体4及び裏面側封止体5としては、EVA、EEA、PVB、シリコン、ウレタン、アクリル、エポキシ等の透光性の樹脂、又は、このような樹脂の間にPET等の絶縁フィルムを介挿させた封止構造体を用いることができる。なお、本実施形態に係る受光面側封止体4及び裏面側封止体5は、EVAを用いて一体的に形成されることとする。
取出し配線6は、複数の太陽電池10が発電した電力を外部へ取出すための配線材である。取出し配線6は、薄板状或いは縒り線状に成型された銅等の導電性材料によって形成することができ、導電材の表面は軟導電体(例えば、共晶半田)によってメッキされていてもよい。また、取出し配線6の表面は絶縁被覆又は絶縁処理を施されていることが好ましい。
取出し配線6の一端は、複数の太陽電池に含まれる一の太陽電池10に電気的に接続されている。取出し配線6は、一の太陽電池10から引出し用開口部31まで裏面側封止体5中に挿通されている。従って、裏面側封止体5は、取出し配線6が挿通される挿通スリットを有する。挿通スリットと引出し用開口部31との位置関係については後述する。なお、図示しないが、取出し配線6と太陽電池10との間には、絶縁材が挿入されている。このような絶縁材としては、裏面側封止体5と同様の材料、即ち、EVAなどを用いることができる。
また、取出し配線6の他端は、引出し用開口部31から引出され、端子ボックス7内に格納されている。太陽電池モジュール100は、正負一対の取出し配線6を備える。なお、本実施形態に係る取出し配線6は、裏面側封止体5中を屈曲しながら貫通している。
端子ボックス7は、図1に示すように、太陽電池モジュール100の背面、即ち、裏面側保護材3上に配設されている。
引出し用開口部31から引出された一対の取出し配線6は、図1及び図3に示すように、端子ボックス7内に引入れられている。端子ボックス7の底面には、取出し配線6を端子ボックス7内に引入れるための引入れ用開口部71が形成されている。
図3に示すように、太陽電池モジュール100の主面に平行な投影面上において、引入れ用開口部71と引出し用開口部31とは重なっている。
以上のような構成を有する太陽電池モジュール100の外周には、Alフレームを取り付けることができる。
(挿通スリットと引出し用開口部との位置関係)
次に、裏面側封止体5に形成された挿通スリットと引出し用開口部31との位置関係について、図4を参照しながら説明する。図4は、図2のA−A切断面における断面図である。
図4に示すように、裏面側封止体5には、第1挿通スリット51、第2挿通スリット52及び第3挿通スリット53が形成されている。取出し配線6は、第1乃至第3挿通スリット51〜53に挿通されている。
第1挿通スリット51は、太陽電池モジュール100の主面に略直交する方向に沿って形成されている。第1挿通スリット51は、第2挿通スリット52に連なっている。
第2挿通スリット52は、太陽電池ストリング1に含まれる複数の太陽電池10が配列される配列方向に沿って形成されている。第2挿通スリット52は、第3挿通スリット53に連なっている。従って、第2挿通スリット52は、第1挿通スリット51と第3挿通スリット53とに連通している。
第3挿通スリット53は、太陽電池モジュール100の主面に略直交する方向に沿って形成されている。第3挿通スリット53は、引出し用開口部31に連なっている。従って、第3挿通スリット53は、第2挿通スリット52と引出し用開口部31とに連通している。
以上のように、第1乃至第3挿通スリット51〜53は、クランク状に屈曲しながら連なっている。従って、取出し配線6は、裏面側封止体5中で屈曲する屈曲部を有している。
ここで、太陽電池モジュールの主面に平行な投影面上において、引出し用開口部31と第1挿通スリット51とは重なっていない。即ち、本実施形態に係る第1挿通スリット51と引出し用開口部31とは、太陽電池10の配列方向においてそれぞれ異なる位置に形成されている。
(太陽電池モジュールの製造方法)
次に、太陽電池モジュール100の製造方法について、図5を参照しながら説明する。図5は、モジュール化工程前の太陽電池モジュール100の分解断面図である。
まず、複数の太陽電池10の受光面と裏面とに第1配線材11を電気的に接続することにより太陽電池ストリング1を形成する。さらに、複数の太陽電池ストリング1を第2配線材12によって電気的に接続する。
次に、複数の太陽電池ストリング1の両端に位置する太陽電池10それぞれに取出し配線6を電気的に接続する。
次に、裏面側封止体5を構成する2枚のEVAシート(第1裏面側封止材5a、第2裏面側封止材5b)を準備し、各EVAシートの厚み方向に切り欠きを形成する。各EVAシートにおける切り欠きを、太陽電池10の配列方向に離間するように形成する。また、引出し用開口部31を有するPETシート(裏面側保護材3)を準備する。引出し用開口部31と第2裏面側封止材5bの切り欠きとを、太陽電池10の配列方向において同じ位置に合わせる。
次に、取出し配線6を折り曲げながら、第1裏面側封止材5a及び第2裏面側封止材5bの切り欠きと、引出し用開口部31とに通して、PETシート(裏面側保護材3)から引出す。
次に、図5に示すように、ガラス基板(受光面側保護材2)上に、EVAシート(受光面側封止体4)、複数の太陽電池ストリング1、EVAシート(第1裏面側封止材5a)、EVAシート(第2裏面側封止材5b)及びPETシート(裏面側保護材3)を積層して積層体とする。
次に、上記積層体を、真空雰囲気において加熱圧着することにより仮圧着した後、所定条件で加熱する。これによりEVA(受光面側封止体4及び裏面側封止体5)は溶融した後、完全に硬化される。この結果、取出し配線6はEVA(裏面側封止体5)中に埋設され、EVA(裏面側封止体5)には第1乃至第3挿通スリット51〜53が形成される。
次に、PETシート(裏面側保護材3)から引出された取出し配線6を端子ボックス内に格納する。
以上により、太陽電池モジュール100が製造される。なお、太陽電池モジュール100には、Alフレームを取り付けることができる。
〈作用及び効果〉
本実施形態に係る太陽電池モジュール100では、裏面側保護材3に形成された引出し用開口部31と、太陽電池モジュール100の主面に略直交する方向に沿って裏面側封止体5に形成された第1挿通スリット51とは、太陽電池モジュール100の主面に平行な投影面上において重なっていない。
従って、取出し配線6は、一の太陽電池10から引出し用開口部31まで直線的に挿通されないため、取出し配線6の長さを長くすることができる。その結果、裏面側保護材3に形成された引出し用開口部31から浸入した水が取出し配線6を伝って太陽電池10まで到達することを抑制することができる。
また、取出し配線6が屈曲するように形成することができるため、屈曲する部分において浸入した水を留まらせることができる。
また、本実施形態に係る端子ボックス7に形成された引入れ用開口部71と引出し用開口部31とは、太陽電池モジュール100の主面に平行な投影面上において重なっている。
従って、端子ボックス7を裏面側保護材3上に配設する際に、引入れ用開口部71と引出し用開口部31との位置合わせを容易に行うことができる。
(実施形態の変形例)
次に、上記実施形態の変形例について、図6を参照しながら説明する。図6は本変形例に係る太陽電池モジュール200の側面図である。
上記実施形態と本変形例との相違点は、裏面側封止体5として、樹脂層の間に絶縁フィルムを介挿させた封止構造体を用いている点である。
図6に示すように、裏面側封止体5は、第1裏面側封止材5a、第2裏面側封止材5b及び第3裏面側封止材5cによって構成されている。
第1裏面側封止材5a及び第2裏面側封止材5bとしては、EVA、EEA、PVB、シリコン、ウレタン、アクリル、エポキシ等の透光性の樹脂を用いることができる。
第3裏面側封止材5cとしては、PET等の絶縁フィルムを用いることができる。従って、第3裏面側封止材5cは、モジュール化工程において積層体を加熱しても溶融しない。
なお、裏面側封止体5として、樹脂層の間に絶縁フィルムを太陽電池10が配列された領域を覆うように介挿させた封止構造体を用いることにより、裏面側封止体5の絶縁耐圧を向上させることができる。その結果、裏面側保護材3として、金属箔を樹脂フィルムでサンドイッチした構造を有する積層フィルムを用いる場合であっても、太陽電池10と裏面側保護材3との絶縁性を確保することができる。
図6に示すように、裏面側封止体5には、第1挿通スリット51、第4挿通スリット54、第2挿通スリット52及び第3挿通スリット53が形成されている。取出し配線6は、第1乃至第4挿通スリット51〜54に挿通されている。
第1挿通スリット51は、太陽電池モジュール200の主面に略直交する方向に沿って第1裏面側封止材5aに形成されている。第1挿通スリット51は、第4挿通スリット54に連なっている。
第4挿通スリット54は、太陽電池モジュール200の主面に略直交する方向に沿って第3裏面側封止材5cに形成されている。第4挿通スリット54は、第2挿通スリット52に連なっている。従って、第4挿通スリット54は、第1挿通スリット51と第2挿通スリット52とに連通している。
第2挿通スリット52は、太陽電池ストリング1に含まれる複数の太陽電池10が配列される配列方向に沿って、第2裏面側封止材5bに形成されている。第2挿通スリット52は、第3挿通スリット53に連なっている。従って、第2挿通スリット52は、第4挿通スリット54と第3挿通スリット53とに連通している。
第3挿通スリット53は、太陽電池モジュール200の主面に略直交する方向に沿って第2裏面側封止材5bに形成されている。第3挿通スリット53は、裏面側保護材3に形成された引出し用開口部31に連なっている。従って、第3挿通スリット53は、第2挿通スリット52と引出し用開口部31とに連通している。
ここで、太陽電池モジュールの主面に平行な投影面上において、引出し用開口部31と第4挿通スリット54とは重なっていない。即ち、本実施形態では、第4挿通スリット54は、太陽電池10の配列方向において引出し用開口部31と異なる位置に形成されている。
(太陽電池モジュールの製造方法)
次に、太陽電池モジュール200の製造方法について、図7を参照しながら説明する。図7は、モジュール化工程前の太陽電池モジュール200の分解断面図である。
まず、複数の太陽電池10の受光面と裏面とに第1配線材11を電気的に接続することにより太陽電池ストリング1を形成する。さらに、複数の太陽電池ストリング1を第2配線材12によって電気的に接続する。
次に、複数の太陽電池ストリング1の両端に位置する太陽電池10それぞれに取出し配線6を電気的に接続する。
次に、2枚のEVAシート(第1裏面側封止材5a、第2裏面側封止材5b)の間に絶縁フィルム(第3裏面側封止材5c)を介挿させた裏面側封止体5を準備し、2枚のEVAシート及び絶縁フィルムの厚み方向に切り欠きを形成する。太陽電池ストリング1に接するEVAシート(第1裏面側封止材5a)と絶縁フィルムとにおける切り欠きは、太陽電池10の配列方向において同じ位置に形成し、それらと裏面側保護材3に接するEVAシート(第2裏面側封止材5b)とにおける切り欠きは、太陽電池10の配列方向において離間するように形成する。さらに、引出し用開口部31を有するPETシート(裏面側保護材3)を準備し、引出し用開口部31と第2裏面側封止材5bの切り欠きとを、太陽電池10の配列方向において同じ位置に合わせる。
次に、第1裏面側封止材5a、第2裏面側封止材5b及び第3裏面側封止材5cそれぞれの切り欠きに、取出し配線6を通して、引出し用開口部31から引出す。
次に、図7に示すように、ガラス基板(受光面側保護材2)上に、EVAシート(受光面側封止体4)、複数の太陽電池ストリング1、封止構造体(第1裏面側封止材5a、第2裏面側封止材5b及び第3裏面側封止材5c)及びPETシート(裏面側保護材3)を積層して積層体とする。
次に、上記積層体を、真空雰囲気において加熱圧着することにより仮圧着した後、所定条件で加熱する。これによりEVA(受光面側封止体4、第1裏面側封止材5a及び第2裏面側封止材5b)は溶融した後、完全に硬化される。この結果、取出し配線6は裏面側封止体5中に埋設され、裏面側封止体5には第1乃至第4挿通スリット51〜54が形成される。
次に、PETシート(裏面側保護材3)から引出された取出し配線6を端子ボックス内に格納する。
以上により、太陽電池モジュール200が製造される。なお、太陽電池モジュール200には、Alフレームを取り付けることができる。
(作用及び効果)
絶縁フィルムは、モジュール化工程において積層体を加熱しても溶融しない。即ち、取出し配線6を通すために絶縁フィルムに形成する切り欠きは、モジュール化工程を経ても、モジュール化工程前の形態のまま第4挿通スリット54として残存する。従って、第4挿通スリット54は、第1乃至第3挿通スリット51〜53に比べて水を通過させやすい。
ここで、本実施形態に係る太陽電池モジュール200では、裏面側封止体5として、樹脂層(第1裏面側封止材5a、第2裏面側封止材5b)の間に絶縁フィルム(第3裏面側封止材5c)を介挿させた封止構造体を用いている。絶縁フィルムに形成された第4挿通スリット54は、太陽電池モジュール200の主面に平行な投影面上において、引出し用開口部31と重なっていない。
従って、第4挿通スリット54と引出し用開口部31との距離を長くすることができる。その結果、特に水を通しやすい第4挿通スリット54に水が到達することを抑制することができる。
(その他の実施形態)
本発明は上記の実施形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、上記実施形態では、裏面側封止体5が太陽電池モジュールの主面に略直交する挿通スリットを複数本有することとしたが、図8に示すように、裏面側封止体5が太陽電池モジュールの主面に略直交する挿通スリットを1本だけ有する場合であっても本発明の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、引出し用開口部31と第1挿通スリット51とが、太陽電池10の配列方向において離間することとしたが、引出し用開口部31と第1挿通スリット51とは、太陽電池モジュールの主面に平行な投影面上において重なっていなければ本発明の効果を得ることができる。
また、上記実施形態では、受光面側封止体4と裏面側封止体5とはEVAを用いて一体的に形成されることとしたが、それぞれ異なる樹脂を用いてもよい。さらに、裏面側封止体5が複数種類の樹脂によって構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、取出し配線6が裏面側封止体5中で2回屈曲される場合について説明したが、裏面側封止体5を多層化するほどより多く屈曲させることができる。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施形態等を含むことは勿論である。従って、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
本発明の実施形態に係る太陽電池モジュール100の側面図である。 本発明の実施形態に係る太陽電池モジュール100の裏面側における内部構造を示す図である。 本発明の実施形態に係る太陽電池モジュール100の背面図である。 図2のA−A切断面における断面図である。 本発明の実施形態に係る太陽電池モジュール100のモジュール化工程前の断面図である。 本発明の実施形態に係る太陽電池モジュール200の図2におけるA−A切断面に相当する断面図である。 本発明の実施形態に係る太陽電池モジュール200のモジュール化工程前の断面図である。 その他の実施形態に係る太陽電池モジュール300の側面図である。
符号の説明
1…太陽電池ストリング
2…受光面側保護材
3…裏面側保護材
4…受光面側封止体
5…裏面側封止体
5a…第1裏面側封止材
5b…第2裏面側封止材
5c…第3裏面側封止材
6…取出し配線
7…端子ボックス
10…太陽電池
11…第1配線材
12…第2配線材
31…引出し用開口部
51…第1挿通スリット
52…第2挿通スリット
53…第3挿通スリット
54…第4挿通スリット
71…引入れ用開口部
100…太陽電池モジュール
200…太陽電池モジュール
300…太陽電池モジュール

Claims (3)

  1. 受光面側保護材と裏面側保護材との間において封止体によって封止された複数の太陽電池と、
    前記複数の太陽電池から電力を取出すための取出し配線と
    を備える太陽電池モジュールであって、
    前記裏面側保護材は、前記取出し配線を引出すための引出し用開口部を有し、
    前記取出し配線は、前記複数の太陽電池に含まれる一の太陽電池から前記引出し用開口部まで前記封止体中に挿通され、
    前記封止体は、太陽電池モジュールの主面に略直交する方向に沿って前記取出し配線が挿通される挿通スリットを少なくとも一つ有しており、
    太陽電池モジュールの主面に平行な投影面上において、前記封止体が有する少なくとも一つの前記挿通スリットと、前記引出し用開口部とは重ならない
    ことを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記封止体は、絶縁フィルムを含み、
    前記挿通スリットは、前記絶縁フィルムに形成されていることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記裏面側保護材上に配設され、前記取出し配線を格納する端子ボックスをさらに備え、
    前記端子ボックスは、前記取出し配線を前記端子ボックス内に引入れるための引入れ用開口部を有しており、
    太陽電池モジュールの主面に平行な投影面上において、前記引入れ用開口部と前記引出し用開口部とは重なる
    ことを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
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