JP3040582B2 - 太陽電池 - Google Patents

太陽電池

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JP3040582B2
JP3040582B2 JP4069354A JP6935492A JP3040582B2 JP 3040582 B2 JP3040582 B2 JP 3040582B2 JP 4069354 A JP4069354 A JP 4069354A JP 6935492 A JP6935492 A JP 6935492A JP 3040582 B2 JP3040582 B2 JP 3040582B2
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slit
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は各種電子機器、或いは電
力供給装置等に用いられる太陽電池に関し、特にその保
護手段である保護部材が改良され、モジュール化された
太陽電池に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、CO2 の増加による温室効果で地
球の温暖化が生じることが予測され、CO2 を排出しな
いクリーンなエネルギーの要求がますます高まってい
る。またCO2 を排出しない原子力発電も、放射性廃棄
物の処理問題が解決されておらず、より安全性の高いク
リーンなエネルギーが望まれている。将来期待されてい
るクリーンなエネルギーの中でも、特に太陽電池はその
クリーンさと安全性と取扱い易さから期待が大きい。
【0003】各種太陽電池の中で、非晶質シリコンや銅
インジウムセレナイド等の非単結晶半導体は大面積に製
造でき、しかも製造コストも安価であることから、熱心
に研究されている。更に太陽電池の中でも、耐衝撃性や
可曲性が要求される場合には、基板材にステンレス等の
金属基体が用いられている。
【0004】また、ステンレス基板上に形成した太陽電
池を軽量化し、可曲性を保持し、かつ耐候性、耐衝撃性
を持たせるために、これらの太陽電池はフッ素樹脂やエ
チレンビニルアセテート(EVA)などのような樹脂で
密封される。そして、太陽電池を樹脂封止した後、端面
の保護及び、架台としての目的のために、樹脂封止され
た太陽電池の端部はアルミニウムなどの金属や、ポリ塩
化ビニルや合成ゴムのような高分子樹脂等の保護枠で被
覆される。特に太陽電池モジュールに可曲性が要求され
る場合には、通常、合成ゴムや軟質のポリ塩化ビニルの
ような可曲性高分子樹脂が用いられる。
【0005】そして、樹脂封止された太陽電池の端部
と、端部を保護するための高分子樹脂等の保護枠を固定
するために、接触面にプラズマ処理や、強酸、強アルカ
リなどによる前処理を施して接着しやすくした後、接着
剤で接着していた。
【0006】図13に従来の太陽電池モジュールの概略
断面図を示す。
【0007】図13において、401は導電性基板上に
形成された太陽電池素子であり、404は、上記太陽電
池素子部401を密封するための被覆材としての高分子
樹脂であり、402は樹脂封止された太陽電池を示す。
403は可曲性の高分子樹脂の保護枠としてのフレーム
である。通常、高分子樹脂404の最表層には、耐候性
などを考慮してフッ素樹脂が用いられる。また保護枠4
03には、通常、耐候性や可曲性を考慮して合成ゴムや
軟質ポリ塩化ビニルが用いられている。
【0008】ここで用いられている太陽電池素子を封止
するためのフッ素樹脂、及び保護枠の合成ゴムや軟質ポ
リ塩化ビニルなどの材料は、難接着性物質であるため、
高分子樹脂404と保護枠403の接着面にプラズマ処
理や強酸、強アルカリ物質などによる前処理を施して接
着しやすくした後、接着剤で接着していた。
【0009】また、太陽電池は屋内で蛍光灯の光を利用
して使用される場合もあるが、特に屋外で使用される太
陽電池は、高温度、低温度、高湿度、風、雨等の様々な
外環境からの影響に対する十分な耐久性が要求される。
そのため、従来の太陽電池モジュールは、多くの場合こ
のように太陽電池素子を封止した部分404とフレーム
部分403から構成されている。
【0010】図14は従来の太陽電池モジュールの別の
例に示す模式断面図である。
【0011】太陽電池モジュールとしての積層体21
は、太陽電池素子22の受光面(図示上面)が接着剤2
3を介して透明樹脂製のシート状の表面保護材24によ
り被覆され、太陽電池素子22の裏面(図示下面)が接
着剤23を介してシート状の裏面保護材25により被覆
されたものである。前記各被覆は真空ラミネート加工に
より行われており、太陽電池素子22は内部に密封され
ている。積層体21の太陽電池素子22より外側の部位
が切断されてその切断面がそのまま積層体21の端面2
1c,21dとなっている。
【0012】積層体21を保持するアルミニウム製の各
フレーム26,27にはそれぞれスリット状の溝26
a,27aが形成されており、各溝26a,27aには
積層体21の各縁部21a,21bがそれぞれ挿入され
ている。各縁部21a,21bと各溝26a,27aと
のそれぞれの隙間には、水分および水蒸気の積層体21
の内部への浸入を防止するために、シリコンゴム製等の
充填剤26f,27fが充填されている。
【0013】図13、図14のように構成された太陽電
池モジュールは、屋外に設置されて、高温度、低温度、
高湿度、風、雨等の様々な環境条件の下で使用される。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た前処理を施しても接着強度が十分とはいえず、強い外
力が加えられた場合、フレーム403,26,27がは
ずれてしまうことがあった。
【0015】即ち、前処理を施して、接着剤で接着する
ことで、接着強度を高めても、屋外での長期使用や、強
い外力により太陽電池モジュールからフレーム403,
26,27がはずれてしまうことがあり、信頼性が充分
ではないという問題があった。
【0016】更に、フレームがはずれてしまうと、太陽
電池を被覆している被覆材が端面から剥離してしまい、
太陽電池の品質が低下するという問題があった。
【0017】図14の太陽電池モジュールのように、被
覆材の縁部とフレームの溝との隙間に充填されたシリコ
ンゴム製等の充填剤は、吸水性は低いが透湿性は十分低
いとはいえないものが多い、加えて、前記隙間を完全に
埋めるように充填剤を充填することは作業上困難であ
り、前記隙間が完全に埋まらないこともあった。その結
果、太陽電池モジュールの使用を続けるうちに、水また
は水蒸気等の水分が溝内に浸入し、さらにモジュールの
切断された端面から縁部の内部に浸入して太陽電池素子
まで達し、浸入した水分により、太陽電池素子が電気的
に短絡したり、太陽電池素子の薄膜が剥離して破損した
りしてしまうことがある。
【0018】(発明の目的)本発明の目的は、上述の従
来の欠点を解決し、屋外での長期使用や太陽電池モジュ
ールへの強い外力が加わった場合でも、破損することな
く、信頼性の高い太陽電池モジュールを提供することに
ある。
【0019】本発明の別の目的は、フレームの溝に挿入
されたモジュールの縁部の端面からモジュールの内部へ
の水分の浸入の防止能力を高めた太陽電池モジュールを
提供することである。
【0020】更に本発明の目的は、光起電力素子と、該
光起電力素子を被覆する被覆材と、該被覆材の端部を覆
うフレームと、を有する太陽電池において、該被覆材の
端部には凹部又は貫通孔が設けられており、該凹部又は
貫通孔内に嵌合する突起が該フレームに付設されている
ことを特徴とする太陽電池を提供することにある。
【0021】また本発明の他の目的は、光起電力素子
と、該光起電力素子を被覆する被覆材と、を含む太陽電
池と、該太陽電池を支持する支持部材と、該支持部材を
複数配列し、隣接する少なくとも2つの支持部材の端部
を保護する保護部材と、を有する太陽電池モジュールに
おいて、前記支持部材は変形可能な板状部材であってそ
の端部を折り曲げることにより、前記被覆材の端部を収
容するスリットが形成されていることを特徴とする太陽
電池モジュールを提供することにある。
【0022】また本発明の他の目的は、光起電力素子
と、該光起電力素子を被覆する被覆材と、を含む太陽電
池と、該太陽電池を支持する支持部材と、該支持部材を
複数配列し、隣接する少なくとも2つの支持部材の端部
を保護する保護部材と、を有する太陽電池モジュールに
おいて、前記支持部材の端部には、該支持部材とは別の
部材が設けられて、前記被覆材の端部を収容するスリッ
トが形成されていることを特徴とする太陽電池モジュー
ルを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した課題を
解決するための手段として、金属シート又はプラスチッ
クシートを有する基板及び該基板上に設けた光起電力セ
ルを備えた光起電力素子、該光起電力素子の表面及び裏
面を被覆し、該光起電力素子の外周端部よりも外側まで
に延在させて設けた被覆材、並びに、該被覆材の外周端
部の表面の被覆材、外周端部の側面、外周端部の裏面の
被覆材を覆い、かつ該被覆材の外周端部を固定するフレ
ーム材を有する太陽電池であって、前記表面被覆材の外
周端部又は裏面被覆材の外周端部には凹部が設けられ、
前記フレーム材の内側には前記凹部に嵌合する突起が設
けられていることを特徴とする太陽電池を提供するもの
である。 また本発明は、光起電力素子と、該光起電力素
子の表面を被覆する被覆材と、を含む太陽電池と、該太
陽電池の裏面に設けられ該太陽電池を支持する支持部材
と、を有する太陽電池モジュールにおいて、前記被覆材
の外周部材には凹部が設けられ、前記支持部材は変形可
能な板状部材であって、前記凹部に嵌合する突起が設け
られており、該支持部材の端部を折り曲げることによ
り、前記被覆材の表面の外周端部と該被覆材の側面とを
覆うスリットが形成されていることを特徴とする太陽電
を提供するものである。
【0024】また、前記止め具が、中心に貫通孔を有す
るハトメであることがより好ましい。
【0025】本発明によれば、太陽電池とその保護フレ
ームとを、貫通孔を通る止め具で固定することにより、
接着剤のみで固定する従来の構造のものよりも強度を高
めることができる。特に、高分子樹脂封止された太陽電
池と、高分子樹脂からなる保護枠のように、接着剤で接
着しにくい組み合わせのものでも、強力に固定すること
ができる。
【0026】また止め具として、前記太陽電池モジュー
ルから露出している部分の外径aが5mm以上であり、
かつ、前記貫通孔に通された止め具の軸径bとの比a/
bが1.2以上であるものを用いることにより、より強
度の高い固定が出来る。
【0027】また更に、止め具として、中心に貫通孔を
有するハトメを用いることによって、太陽電池モジュー
ルの完成後も、ハトメの持つ貫通孔をロープを通す穴等
に利用することができ、太陽電池モジュールの固定が容
易になる。
【0028】又、上述した目的を達成するための本発明
の太陽電池のモジュールは、フレームの溝の内側面に積
層体の端面以外の縁部と接触する突起が設けられ、前記
溝の幅のうち前記突起のところの幅が前記積層体の縁部
の厚さよりも小さいものである。
【0029】フレームの溝の幅のうち突起のところの幅
が積層体の縁部の厚さよりも小さいので、溝に挿入され
た縁部のうち突起と接触する部位がその突起により局部
的に圧迫される。その結果、積層体の縁部の端面から縁
部の内部に浸入した水分はその圧迫された部分を越えて
さらに内部に浸入することはない。
【0030】
【実施例】本発明に用いられる太陽電池としての光起電
力素子について詳述する。
【0031】図27は光起電力素子の模式的断面図であ
る。1301は導電性表面を有する基板であり、具体的
にはステンレス鋼、アルミニウム、銅、カーボンシート
等基体自体が導電性を有するもの、或いはITO(イン
ジウムスズ酸化物)やSnO2 ,InO,ZnO等の透
明導電膜が付与されたガラス基板やプラスティックシー
ト等が挙げられる。
【0032】不図示であるが、更にTi,Cr,Mo,
W,Al,Ag,Ni等からなる導電層が表面に設けら
れたものでもよい。
【0033】その上にはN型層1302、I型層130
3、P型層1304、からなる光起電力セル(ボトムセ
ル)が設けられ、更にその上にはトップセルとしてN型
層1305、I型層1306、N型層1307からなる
光起電力セルが設けられている。
【0034】本発明で用いられる太陽電池素子の透明電
極1308に用いる材料としては、In23 ,SnO
2 ,In23 −SnO2 ,ZnO,TiO2 ,Cd2
SnO4 高濃度不純物ドープした結晶性半導体層等があ
り、形成方法としては抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、
スパッタリング法、スプレー法、CVD法、不純物拡散
法等がある。1309はその上に設けられたグリッド電
極である。
【0035】本発明に使用される太陽電池素子を樹脂封
止するための被覆充てん材としては、例えばエチレン−
酢酸ビニル共重合体、ポリビニルブチロール、シリコー
ン樹脂等が挙げられるがこれに限られるものではない。
【0036】本発明に使用される太陽電池素子を被覆す
るための被覆材としては、その表面保護層に透光性があ
り、紫外線やオゾンに安定な耐候性があることが必要で
あり、例えばフッ素樹脂フィルムシリコーン樹脂等が挙
げられるが、これに限られるものではない。
【0037】本発明で用いられる太陽電池モジュールの
端部を狭持して保護する保護枠としては、耐候性や耐衝
撃性を考慮すると、例えばポリ塩化ビニル、合成ゴムな
どが選択されるが、耐候性や成形性の点からポリ塩化ビ
ニルが好ましく、太陽電池モジュール自体に柔軟性を持
たせるために軟質ポリ塩化ビニルが特に好ましい。逆に
強度を要求される場合には金属等の材料が好ましい。
【0038】本発明で用いられる突起及び止め具の材質
等は、特に制限はないが、耐候性、耐衝撃性、耐塩水性
などを考慮して選ばれ、例えば、ハトメ、リベット、ビ
スなどのような金属や、ポリプロピレン、メラミン樹
脂、硬質ポリ塩化ビニルなどのような樹脂の成形品を熱
融着して用いることもできる。これらの中から安全性や
固定強度、値段を考慮するとハトメがより好ましい。
【0039】逆に強度を要求され、作製を簡略化する場
合にはフレームと一体化することが好ましい。これらの
N,I,P型層を構成する半導体材料としては非晶質或
いは多結晶又は徴結晶材料が好ましく用いられる。具体
的にはシリコン、ゲルマニウム、シリコンゲルマニウ
ム、シリコンカーバイド等のIV族元素からなる半導体、
CuInSe,CdS,GaAs,ZnSe等の化合物
半導体である。
【0040】Ti,Cr,Mo,W,Al,Ag,Ni
等の形成方法としては、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸
着、スパッタリング法等がある。
【0041】pin接合非晶質シリコン、pn接合多結
晶シリコン、CuInSe2 /CdS等の化合物半導体
の形成方法としては、非晶質シリコンの場合はシランガ
ス等のプラズマCVDにより形成され、多結晶シリコン
の場合は溶融シリコンのシート化により形成され、Cu
InSe2 /CdSの場合は電子ビーム蒸着、スパッタ
リング、電析(電解液の電気分解による析出)等の方法
で形成される。
【0042】(実施例1)図3に、本発明の太陽電池モ
ジュールの概略構成断面図を示した。
【0043】図3において、105は導電性基板上に形
成された太陽電池素子であり、110は、上記太陽電池
素子105を密封するための被覆材としての高分子樹脂
であり、101は樹脂封止された太陽電池モジュールを
示している。102は可曲性の高分子樹脂の保護フレー
ムである。また104は、密封された太陽電池モジュー
ル101と保護フレーム102を機械的に固定するため
の止め具である。
【0044】図4は、止め具104の詳細図であり、上
面図と、そのC−C′断面図である。本実施例の止め具
104は、太陽電池モジュールから露出している部分の
外径aが5mm以上であり、かつ、貫通孔に通された止
め具の軸径bとの比a/bは1.2以上である。
【0045】本実施例において、止め具104の外径a
が5mm未満だと、保護枠102が止め具104からは
ずれやすくなり、同様にa/bが1.2未満だと、やは
り保護枠102が止め具104からはずれやすくなる。
【0046】本発明に用いる止め具104は、外径aが
5mm以上であることが好ましいが、より好ましくは7
mm以上である。また貫通孔に通された止め具の軸径b
との比a/bは1.2以上が好ましいが、より好ましく
は1.5以上である。
【0047】そして、太陽電池素子105の端部105
aが保護枠102の内側端部102aよりも内側に位置
することが望ましい。
【0048】(実施例2)図5は、本実施例の太陽電池
モジュールの外観斜視図であり、図6は図5のB−B′
の断面図である。
【0049】図5、6において、110は太陽電池素子
部105を密封する高分子樹脂、101は樹脂封止され
た太陽電池モジュール、102は保護枠、103は止め
具としてのハトメ、109はリード線である。
【0050】以下、本実施例の太陽電池モジュールの作
製工程、及び材料等について詳述する。太陽電池モジュ
ールは図7に示す太陽電池素子が複数個直列接続された
ものである。
【0051】図7は、直列接続される前の1つの太陽電
池素子の上面概略図であり、図8は図7のA−A′間の
層構成を示す断面図である。
【0052】図7、8において、201はステンレス基
板であり、202はAl−Si層であり、203はpi
n構造を有する非単結晶シリコンであり、204はIT
O、205はAg電極、206は錫メッキされた銅バス
バー、207は素子分離部、208は接着性銀インクで
ある。209はのちに直列接続するために設けられたス
テンレス基板が露出された部分である。また210は短
絡防止用の絶縁テープである。
【0053】このような、太陽電池素子を作製するた
め、本実施例では、まず、洗浄したロール状ステンレス
基板上に、ロールツーロール法でSiを1%含有するA
lをスパッタ法により膜厚5000Å蒸着し、SiH
4 ,PH3 ,B26 ,H2 ガス等のプラズマCVDに
より、膜厚4000Åのn,i,p型のシリコン層を順
に形成した後、膜厚800ÅのITOを抵抗加熱蒸着で
形成した。
【0054】次にITOのエッチング剤(FeCl3
HCl)によりITO層の一部を除去し、各太陽電池素
子に分離した後、各太陽電池素子を切断した。
【0055】次にITOの集電電極を銀ペーストをスク
リーン印刷することにより形成し、銀電極の収集バスバ
ー電極を銀電極と直交させる形で載置し、その後銀電極
との交点に接着性銀インクを滴下し、銀電極とバスバー
電極を接続した。
【0056】本実施例では、図7に示された太陽電池素
子を7枚直列接続にした。最適電圧は6Vであった。
【0057】次に直列接続した太陽電池素子を図9に示
すように封止した。図10は真空ラミネートしたあとの
太陽電池の概略図である。図9、10において、105
は直列接続した太陽電池素子部、301は樹脂の流れ止
めのためのガラス繊維(クレーンガラス)、302はエ
チレンビニルアセテート樹脂(EVA)、303はフッ
素樹脂、109は太陽電池から取り出されたリード線で
ある。
【0058】樹脂封止は、真空ラミネーターを用いて1
40℃でEVAを溶融させることにより行なった。なお
フッ素樹脂のEVAと接着する面は、前もってプラズマ
処理を施した。
【0059】次に、真空ラミネートされた太陽電池の端
部に、図11に示す軟質のポリ塩化ビニルを凹型に成型
した保護枠102を装着した。その際、装着部にシリコ
ーン系接着剤を塗って仮止めした。
【0060】次に止め具としてハトメで挟着するための
穴を、太陽電池及び保護枠102に開けたあと、外径7
mm軸径4mmのハトメ103を12個、図6に示した
ように装着した。
【0061】上述のようにして作成した本実施例の太陽
電池モジュールの引っぱり試験を行った。引っぱり試験
は、保護枠102に5kgの引っぱり力を5秒間、くり
返し加え、太陽電池モジュールの外観上の変化をみた。
くり返し回数は100回行ない、結果は後述する表1に
示した。
【0062】(比較例)本比較例では、図13に示した
従来例の太陽電池モジュールの構成とした。同図におい
て、まず太陽電池素子部401を真空ラミネートする工
程までは実施例1と同様に行なった。次に軟質のポリ塩
化ビニルを成型した保護枠403と接着される部分の
み、フッ素樹脂表面をプラズマ処理したあと、保護枠4
03を図11のごとく太陽電池402の端部に装着し
た。その際、装着部にはシリコーン系接着剤を塗布し、
太陽電池402と保護枠403を接着した。このモジュ
ールに実施例1と同様な引っぱり試験を行ない、結果は
後述する表1に示した。
【0063】(実施例3)図12は、本発明の実施例3
を示す外観斜視図である。図12において、101は樹
脂封止した太陽電池、106はハトメ、107は太陽電
池モジュール固定用のひも、108は保護枠、109は
太陽電池のリード線である。
【0064】本発明の太陽電池モジュールは、柔軟性が
あり、かつ金属等の硬い枠材を用いていないため、非常
に安全であり、そのため、ヨットの上や、キャンピング
用に使用することができる。これらの用途に使用するた
めには、通常、取り付け用のひも等を通すための穴等が
必要となる。
【0065】本実施例では、上述のひも等を通すための
貫通孔を有するハトメと、太陽電池モジュール端部に設
けた保護枠を固定するための止め具としてのハトメを共
通化した例である。
【0066】図12において、ハトメ106のサイズ、
ポリ塩化ビニルの枠材からなる保護枠108の形状以外
は、実施例1と同様にして作製した。
【0067】本実施例で用いたハトメ106のサイズ
は、外径23mm、軸径14mm、高さ6mmのものを
用いた。上記ハトメを使用することにより、ヨットなど
で通常使用されるひも等を通すことができる。
【0068】なおポリ塩化ビニルの保護枠108の形状
は、ハトメ106のサイズに応じて変化させた。
【0069】本実施例で作成した太陽電池モジュール
も、前述した引っ張り試験と同様の試験を行なった。結
果は、後述する表1に示した。
【0070】(実施例4)本実施例では、ハトメの外径
aを3mm、5mmと変化させ、ハトメの外径aと軸径
bの比a/bは1.8とした以外は、図5、図6に示し
た実施例1と同様な構成、方法で太陽電池モジュールを
作成し、同様の引っ張り試験を行なった。結果は、後述
する表1に示した。
【0071】(実施例5)本実施例では、ハトメの外径
aを7mmに固定し、ハトメの外径aと軸径bの比a/
bを1.0〜1.8まで変化させた以外は、図5、図6
に示した実施例1と同様な構成、方法で太陽電池モジュ
ールを作成した後、引っぱり試験を行なった。結果は、
同様に後述する表1に示した。
【0072】実施例1〜4及び比較例の結果を表1に示
した。A〜Eの5サンプルは、それぞれの実施例または
比較例の記述のとおりの同一条件で作製したものである
が、手作りのため、多少品質にばらつきがある。
【0073】表1では、くり返し引っぱり試験により太
陽電池モジュールから保護枠がはずれた時のくり返し数
を示した。本発明の実施例1及び実施例2は、100回
のくり返し引っぱり試験でも太陽電池モジュールから保
護枠がはずれることはなかった。
【0074】一方、ハトメを用いなかった比較例では、
10回以内に5サンプル全ての保護枠がはずれており、
本発明が著しく太陽電池モジュールの特性を向上させる
ものであるということが証明された。
【0075】
【表1】 くり返しひっぱり試験により、太陽電池モジュールから
保護枠がはずれた時の回数(ただし、「変化なし」は、
100回でも保護枠が外れないことを示す。)また実施
例3の結果から、ハトメの外径aは5mm以上で著しい
効果を表わすことがわかる。
【0076】また実施例4の結果から、ハトメの外径a
とハトメの軸径bの比a/bは1.2以上で著しい効果
を表わすことがわかる。
【0077】以上の説明から明らかなように、本実施例
1〜5の樹脂封止された太陽電池部と高分子樹脂の保護
枠を、それぞれの貫通孔を通す止め具により固定した太
陽電池モジュールは、外力が加わっても保護枠がはずれ
ることがないため、信頼性に優れ、長寿命、かつ柔軟性
に優れるという効果を得ることができる。
【0078】また、止め具として太陽電池モジュールか
ら露出している部分の外径aを5mm以上、かつ貫通孔
に通された止め具の軸径bとの比a/bを1.2以上の
ものを用いることにより、確実な強度を得ることができ
る。
【0079】また止め具として貫通孔を有するハトメを
用いることにより、このハトメの穴に太陽電池モジュー
ルを固定させるためのひもや据置用具を通すための穴の
役目を兼ねさせることも可能であり、工程が省略される
とともに、太陽電池モジュールに占める光電変換部の割
合を高めることができ、単位面積当たりの変換効率を上
げることが可能となる。
【0080】(実施例6)図1は本発明の第6の実施例
の太陽電池モジュールの要部の切断面を模式的に示した
模式断面図である。
【0081】太陽電池モジュールとしての積層体1は、
非晶質シリコン等からなる太陽電池素子2の受光面(図
示上面)が接着剤3を介して透明樹脂製のシート状の表
面保護材4により被覆され、太陽電池素子2の裏面(図
示下面)が接着剤3を介してシート状の裏面保護材5に
より被覆されたものである。前記各被覆は真空ラミネー
ト加工により行われており、太陽電池素子2は積層体1
の内部に密封されている。積層体1の太陽電池素子2よ
り外側の部位が、例えば、矩形に切断されて、その各切
断面がそのまま積層体1の各端面1c,1dとなってい
る。太陽電池素子2の配線および出力端子は図示しない
が、その出力端子は積層体1の端面の適当な部位から出
ている。
【0082】積層体1を保持するアルミニウム製等の各
フレーム6,7はそれぞれ同一の構成なので、図の右側
に示した一つのフレーム6について説明し、その他のフ
レーム7についての説明は省略する。
【0083】フレーム6には図の紙面に対して垂直方向
に延びるスリット状の溝6aが形成されており、溝6a
の対面する内側面6b,6cには対向する一対の突起6
d,6eがそれぞれ溝6aの一端から他端まで連続して
形成されている。溝6aの幅である内側面6bから内側
面6cまでの距離は積層体1の縁部1aの厚さよりも大
きく、突起6dの先端から突起6eの先端までの距離は
縁部1aの厚さよりも小さくなっている。溝6aの一対
の突起6d,6eを越えた内部にまで挿入された縁部1
aと溝6aとの隙間にはシリコーンゴム等からなる充填
剤6fが充填されている。
【0084】縁部1aのうち一対の突起6d,6eとそ
れぞれ接触する部位、すなわち、表面保護材4および裏
面保護材5が一対の突起6d,6eによりそれぞれ局部
的に圧迫されてゆがみ、表面保護材4および裏面保護材
5に挟まれた接着剤3も圧迫される。その結果、積層体
1の端面1cから縁部1aの内部に浸入した水分が前記
圧迫された部分を越えてさらに内部に浸入することはな
い。
【0085】各突起6d,6eの形状は、縁部1aを挿
入する作業が容易となるように、また、長期間表面保護
材4および裏面保護材5をそれぞれ圧迫し続けても表面
保護材4および裏面保護材5が損傷しないように、先端
が尖らず球面形等のものが望ましい。一対の突起6d,
6eは溝6aの一端から他端まで連続する必要はなく、
断続的であってもよい。また、一対の突起6d,6e
は、別の部材で形成したものをフレーム6に取り付けた
構成としてもよい。一対の突起6d,6eまたはフレー
ム6の材質は、縁部1aの挿入作業を容易にし、かつ長
期間にわたって一定の圧力で縁部1aを圧迫できるもの
であれば、アルミニウムに限らず他のものでもよい。
【0086】(実施例7)図2は本発明の第7の実施例
の太陽電池モジュールの要部の切断面を模式的に示した
模式断面図である。
【0087】本実施例は、各フレーム16,17の溝1
6a,17aの対面する内側面16c,16b,17
b,17cのうち一方の内側面16b,17bにのみ突
起16d,17dが形成されている点だけが第1の実施
例と異なり、その他は第1の実施例と同様の構成であ
る。なお、図14中の各符号がそれぞれ示すものと、各
符号の1の位の数字を含めて右側の符号が同一である図
13中の各符号がそれぞれ示すものとはそれぞれ同様の
構成となっている。
【0088】次に、本発明の太陽電池モジュールと従来
のそれとをそれぞれ製作し、それらを高湿度状態で放置
し、水分の浸入による太陽電池素子等の電気的短絡を調
べる実験をそれぞれ行ったので、それについて述べる。
【0089】(実施例8)太陽電池素子2としては、ス
テンレススチール製の基板上に基板側から順にN,I,
P,N,I,P型非晶質シリコン薄膜をRFグロー放電
法により積層した後、透明電極として酸化インジウム錫
を真空蒸着し、最後にグリッド電極として銀ペーストを
印刷したもの(縦30cm、横9cm)を一単位として
13段直列化したものを用いた。
【0090】前記ステンレススチール製の基板は、厚さ
0.2mmのSUS430であり、アンモニアガス中に
おいて表面が約1100℃でアニーリング処理されたも
のである。
【0091】前記非晶質シリコン薄膜の積層は次のよう
に行なった。基板が予め設置されたチャンバー内の放電
区間内に、例えば、N型非晶質シリコン薄膜の原料とな
るガスを導入し、チャンバー内の圧力を約2Torrに
制御してRF高周波電力を放電区間の電極に供給するこ
とにより放電を誘起し、ガスを分解して基板上にN型非
晶質シリコン薄膜を堆積させる。この手順を繰り返して
基板側から順にN,I,P,N,I,P型非晶質シリコ
ン薄膜を基板上に積層した。非晶質シリコン薄膜の原料
となるガスとしては、N型のものはSi26 ,H2
PH3 を用い、I型のものにはSi26 ,H2 を用
い、P型のものにはSiH4 ,H2 ,BF3 を用いた。
非晶質シリコン薄膜を堆積させるときの基板の温度は、
N型およびI型のときには350℃に、P型のときには
300℃にそれぞれ制御した。
【0092】前記透明電極の真空蒸着は、インジウムと
錫との50%ずつの合金を蒸着材料として用い、次のよ
うに行なった。
【0093】非晶質シリコン薄膜が積層された基板およ
び前記合金が満たされた坩堝を予め設置したチャンバー
内に酸素ガスを導入してチャンバー内の圧力を約0.0
03Torrに制御し、坩堝の外周に巻かれたタングス
テン線に電流を流すことにより合金を溶解させ、基板に
積層された非晶質シリコン薄膜の表面に酸化インジウム
錫を蒸着させた。また、このときの基板の温度は225
℃に制御した。なお、本実験例では酸化インジウム錫を
用いたが、透明電極の材質はこれに限るものではなく、
例えば、酸化インジウム等であってもよい。また、真空
蒸着に限らず、例えば、スパッタリングでもよい。
【0094】次に、以上のようにして製作した太陽電池
素子2を内部に含む積層体1について説明する。接着剤
3としては比較的容易に熱硬化するシート状のEVA
(エチレン酢ビコポリマー)を用い、表面保護材4とし
ては厚さ100μmのシート状の透明フッ素樹脂である
デュポン社製の「テフゼル」(商品名)を用い、裏面保
護材5としては両面がアルミニウム箔により被覆されて
表面保護材4とは異なる白色のフッ素樹脂であるデュポ
ン社製の「テドラー」(商品名)を用いた。これらの裏
面保護材5、シート状の接着剤3、太陽電池素子2、シ
ート状の接着剤3および表面保護材4を順に重ねて真空
ラミネータにより約150℃で真空ラミネート加工を行
ない、太陽電池素子2の周端よりも2cm外側の部位を
切断して矩形の積層体1を製作した。また、切断した各
端面1c,1dにはいかなる処理もしなかった。
【0095】次に、フレーム6,7について説明する。
フレーム6,7は、本発明の第6の実施例に示した一対
の対向する突起6d,6e,7d,7eが形成された構
成のものを、矩形の積層体1の4辺の縁部1a,1bの
厚さ、長さ等の寸法にそれぞれ対応させて1個の積層体
1につき4個ずつ製作した。各フレーム6,7の溝6
a,7aに形成した一対の突起6d,6e,7d,7e
は、溝6a,7aの一端から他端まで連続するものと
し、各フレーム7の溝6a,7aに積層体1の4辺の各
縁部1a,1bをそれぞれ挿入したときに、各一対の突
起6d,6e,7d,7eが積層体1の各縁部1a,1
bを全周にわたって連続して圧迫するように構成した。
また、各フレーム6,7の溝6a,7aに積層体1の4
辺の各縁部1a,1bを挿入したときに隣り合うフレー
ム6,7の隣接する各端部は、ビスにより互いに固着す
る構成とした。
【0096】本発明の太陽電池モジュールは次のように
製作した。積層体1の4辺の各縁部1a,1bを4個の
フレーム6,7の各溝6a,7aにそれぞれ挿入し、各
縁部1a,1bと各溝6a,7aとの隙間にシリコンゴ
ム製の充填剤6f,7fをそれぞれ充填し、各辺とも各
フレーム6,7の溝6a,7aの部分を受光面側と裏面
側とから圧迫し、さらに、隣り合うフレーム6,7の隣
接する各端部をビスにより互いに固着させ、積層体1の
裏面保護材5側のフレームの一部位に防水端子箱を取り
付け、その防水端子箱内に積層体1の端面の一部位から
延出させた太陽電池素子の出力端子を配置して太陽電池
モジュールを組み立て、これを前記充填剤6f,7fが
完全に乾燥固定するまで約3日間放置して本発明の太陽
電池モジュールを製作した。また、積層体1の4辺の各
縁部1a,1bの表面保護材4および裏面保護材5が一
対の突起6d,6e,7d,7eによりそれぞれ約0.
2mmへこんでいることもその挿入時に確認した。以上
のようにして、本発明の太陽電池モジュールを10個製
作した。
【0097】これらとは別に従来の太陽電池モジュール
を10個製作した。従来の太陽電池モジュールは、本発
明の太陽電池モジュールに対して、各フレームの溝に一
対の突起を形成しなかった点のみが異なり、その他は同
一の構成とした。また、その製作手順も本発明の太陽電
池モジュールと同じにした。
【0098】本発明および従来の太陽電池モジュールを
それぞれ10個づつ高湿度状態に放置する装置としては
市販の環境試験装置を用いた。この環境試験装置は、チ
ャンバーの内寸法が幅1.5m、高さ1.0m、奥行
1.0mのものであり、チャンバー内の相対湿度を0〜
100%に制御可能なものである。
【0099】本発明および従来の各10個の太陽電池モ
ジュールは、環境試験装置のチャンバー内に、各積層体
1が表面保護材4を上にして水平になるように、また、
各太陽電池モジュールの間隔が10cmとなるように設
置し、各太陽電池素子2の出力端子は防水端子箱内でそ
れぞれ開放しておいた。このようにした状態で、各太陽
電池素子2に光を照射させずに、チャンバー内の温度を
50℃、相対湿度を85%に制御して1000時間放置
した。
【0100】1000時間放置した後、各太陽電池モジ
ュールを環境試験装置から取り出し、表面に付着した水
滴、水分等を布で拭き取り、市販の疑似太陽光発生装置
を用いて、各太陽電池モジュールの電気性能をそれぞれ
室温で測定した。測定時の疑似太陽光はAM1.5GL
OBAL,強度100mW/cm2 とした。
【0101】以上の実験の結果、従来の太陽電池モジュ
ールでは、高湿度状態の放置前と比較して太陽電池素子
のシャント抵抗が1/10以下に低下したものや、太陽
電池モジュール全体として電気的短絡状態を示したもの
が、10個中6個あった。これに対して、本発明の太陽
電池モジュールでは、同様の電気的短絡状態を示したも
のが10個中1個あっただけであり、残りの9個につい
ては故障はみられなかった。このように、一対の突起6
d,6e,7d,7eを設けた効果が実証された。
【0102】(実施例9)本製作例では、本発明の太陽
電池モジュールとして使用する各フレーム6,7の溝6
a,7aに一対の対向する突起6d,6e,7d,7e
をそれぞれ断続的に形成した。各突起6d,6e,7
d,7eの連続する長さは10cmとし、各突起6d,
6e,7d,7eが10cmの間隔をおいて継続するよ
うに形成した。これ以外の点については実施例8と同じ
実験を行った。
【0103】実験結果として、従来の太陽電池モジュー
ルでは、高湿度状態の放置前と比較して太陽電池素子の
シャント抵抗が1/10以下に低下したものや、太陽電
池モジュール全体としての電気的短絡状態を示したもの
が、10個中7個であった。これに対して、本発明の太
陽電池モジュールでは、シャント抵抗が1/10以下に
低下したものや、同様の電気的短絡状態を示したもの
が、10個中3個だけであった。このように、一対の突
起6d,6e,7d,7eが断続的であるものについて
も、その効果が実証された。
【0104】(実施例10)本例では、図14に示した
ように本発明の太陽電池モジュールとして使用する各フ
レーム16,17の溝16a,17aの上側の内側面1
6b,17bにのみ突起16d,17dを連続して形成
した。これ以外の点については実施例8と同じにして実
験を行った。
【0105】本例の実験結果として、従来の太陽電池モ
ジュールでは、高湿度状態の放置前と比較して太陽電池
素子のシャント抵抗が1/10以下に低下したものや、
太陽電池モジュール全体としての電気的短絡状態を示し
たものが、10個中7個であった。これに対して、本発
明の太陽電池モジュールでは、シャント抵抗が1/10
以下に低下したものや、同様の電気的短絡状態を示した
ものが、10個中4個だけであった。このように、フレ
ームの溝の対面する内側面のうち一方の内側面にのみ突
起を形成したものについても、その効果が実証された。
【0106】以上説明したように本実施例6〜10は、
フレームの溝の内側面に突起を設けることにより、溝に
挿入された積層体の縁部のうち突起と接触する部位がそ
の突起により局部的に圧迫されるので、積層体の縁部の
端面から縁部の内部に浸入した水分がその圧迫された部
分を越えてさらに内部に浸入することがなく、積層体の
内部への水分の浸入の防止能力を高めることができ、そ
の結果、その浸入した水分による太陽電池素子の故障も
防止できる効果がある。
【0107】次に上述した実施例1〜10に示した太陽
電池モジュールの設置方法について説明する。
【0108】太陽電池の設置方法としては、地面や、建
物の屋上や屋根上に架台を設け上記の太陽電池モジュー
ルを支持したり、建物の壁面に貼付したりする方法が一
般的である。建物の屋根上に設置する場合はこの方法の
他に、架台を用いずに、屋根材と太陽電池を一体構造と
して屋根上に設置する方法がある。
【0109】その一例としてまず、太陽電池素子を樹脂
シートやEVA等を用いて封止したものを金属製板状裏
面保護部材に接着剤で貼り付ける。この金属製板状裏面
保護部材の端部を上方に折り曲げてできた太陽電池封止
部分を複数個、屋根面上に貼り付け、これらの隣接する
端部のうち設置時の屋根の上下方向に平行な端部に、外
環境から太陽電池封止部分及び金属製板状裏面保護部材
端部を保護するバテン部材(バテンシーム)をかぶせ
る。この方法は、屋根上に架台を組んで太陽電池モジュ
ールを設置する方法に比して、架台費用が必要ないとい
う長所がある。
【0110】ところで、従来の太陽電池モジュール、特
に表面保護材にシート状の透明樹脂を用いて太陽電池素
子を真空ラミネートする太陽電池モジュールにおいて
は、太陽電池素子よりも外側の部分で表面保護材と接着
剤と裏面保護材が接着した部分を所定の外形にあわせて
切断することが多い。その為、何らかの方法でこれらの
端部を処理し、外環境からの応力及び水分、湿気(水蒸
気)から太陽電池封止部分の内部の太陽電池素子及び電
気回路部分を保護する必要がある。
【0111】しかしながら、太陽電池封止部分を金属製
板状裏面保護部材に接着剤で貼り付ける場合の太陽電池
封止部分の端部処理は、前述のフレームが存在しないこ
とに対する対策として、例として以下の方法が考えられ
る。
【0112】まず、太陽電池封止部分を、金属製板状裏
面保護部材に接着剤で貼り付ける以前に、端部に接着剤
または例えばシリコンゴムのような充填剤を塗布し端部
を包囲することによって端部を保護する方法を考えた。
ところが例えばステンレス・スチール基板等の導電性基
板を用いた太陽電池素子を封止した太陽電池封止部分の
表面保護材料としては、フッ素樹脂等が用いられること
が多く、これらに対して充分な接着能力を有する有効な
接着剤・充填剤は今のところ殆ど存在しない。表面保護
材としてフッ素樹脂等が用いられる理由は、フッ素樹脂
等の光透過性が高く、かつ外環境からの応力に対する耐
久性が高いからである。さらに表面保護材としては、表
面に埃が付き難く、溌水性が良いことも要求され、フッ
素樹脂はこの要求を満たすが、このことは同時に、適当
な接着剤が存在しないことをも意味している。フッ素樹
脂とEVAの接着は、そのままでは接着力が不十分な
為、フッ素樹脂の接着面側の全面にコロナ放電処理を行
い、接着力を高めている場合が多い。しかし、表面全体
にコロナ放電を施すと、上述の非埃付着性や溌水性が低
下する。また、端部のみにコロナ放電処理を施すこと
は、封止作業の精度の向上が要求されるとともに、処理
のコスト増加を生じる。
【0113】もう一つの例として、太陽電池封止部分
を、金属製板状裏面保護部材に接着剤で貼り付ける以前
に、端部に熱を加え、封止部分内部の例えばEVA(エ
チレン・ビニル・アセテート)等の接着剤を融解し端部
から追い出し、その部分の表面保護材(樹脂)と裏面保
護材(樹脂)を熱によって圧接着する方法が考えられ
る。我々は、熱による圧接着を様々な温度において試み
たがいずれも充分な接着力を得るには至っていない。
【0114】以上、説明したように、太陽電池封止部分
を金属製板状裏面保護部材に接着剤で貼り付ける場合の
太陽電池封止部分の端部処理は、困難な点が多い。
【0115】上述した実施例1〜10とは別の本発明
は、少なくとも太陽電池素子と支持部材としての金属製
板状裏面保護部材を有する複数の太陽電池素子封止部分
と、隣接する該金属製板状裏面保護部材の端部のうち屋
根上設置時の上下方向の端部を保護する保護部材(バテ
ンシーム)からなり、屋根材と該太陽電池素子封止部分
が一体構造を形成する太陽電池モジュールにおいて、太
陽電池封止部分の端部が外応力によって変形・破損した
り、端部を通じて水蒸気が浸入し太陽電池素子に到達す
ることを防止し、外部から浸入した水蒸気による太陽電
池素子の故障、及び太陽電池モジュールの内部配線の電
気的な短絡による故障を防止することを目的とするもの
である。
【0116】上記の目的を達成するための手段として、
本発明は、少なくとも太陽電池素子と金属製板状裏面保
護部材を有する複数の太陽電池素子封止部分と、隣接す
る該金属製板状裏面保護部材の端部のうち屋根上設置時
の上下方向の端部を保護するバテン部材(バテンシー
ム)からなり、屋根材と該太陽電池素子封止部分が一体
構造を形成する太陽電池モジュールにおいて、該金属製
板状裏面保護部材の端部に該金属製板状裏面保護部材を
折り曲げることによって形成したスリット状の溝を具備
したことを特徴とする太陽電池モジュールを提供するも
のである。
【0117】このような構成の太陽電池モジュールを用
いることによって、上記の太陽電池封止部分の端部が外
応力によって変形・破損することを防止し、また太陽電
池封止部分の端部を通じて水蒸気が浸入し太陽電池素子
に到達することを防止し、外部から浸入した水蒸気によ
る太陽電池素子の故障、及び太陽電池モジュールの内部
配線の電気的な短絡による故障を防止することができ
る。
【0118】(実施例11)図15は、本実施例の特徴
を最も良く表わす図であり、例として非晶質太陽電池モ
ジュールの構成を概念的に示した断面図である。図15
において、31は非晶質太陽電池素子、32は金属製板
状裏面保護部材、33は接着剤層、34は表面保護材、
35は裏面保護材、36は充填剤、37はバテン材(バ
テン・シーム)、38は金属製板状裏面保護部材を折り
曲げることによって形成したスリット状の溝である。太
陽光hrは図の上方から入射する。非晶質太陽電池素子
31の構成は、例えば、ステンレス・スチール製基板上
に基板側から順にn,i,p,n,i,p型非晶質シリ
コン薄膜をRFグロー放電法を用いて積層した後、透明
電極として酸化インジウム・錫を蒸着し、最後にグリッ
ド電極として銀ペーストを印刷したものを直列化したも
のである。
【0119】このように本実施例の太陽電池モジュール
は、金属製板状裏面保護部材32の端部に金属製板状裏
面保護部材32を折り曲げることによって形成したスリ
ット状の溝38を形成し、太陽電池封止部分を挿入し
て、構成されている。また図では上記太陽電池素子の配
線及び出力端子は省略して描いてある。
【0120】スリット状の溝38の寸法・形状は、太陽
電池封止部分の挿入時及び長期間の経過後に端部の変形
・損傷を生じさせず、かつ、溝38と端部の隙間に適当
な材質の充填剤36を充填容易であることが望ましい。
例としては、図15のように太陽電池封止部分の端部の
挿入部分の長さよりも溝38の奥行きが長く、その部分
に充填剤を充填できる寸法・形状のものが望ましいが溝
38の寸法・形状はこれに限るものではない。
【0121】また溝38は、太陽電池素子封止部分端部
のうち、長辺及び短辺の全長にわたって途切れることな
く形成されることが望ましい。金属製板状裏面保護部材
32の材質は、まず第一に屋根材としての外環境に対す
る耐久性が充分であるように表面処理されたものであ
り、かつ、スリット状の溝38を折り曲げ加工によって
形成容易なものが望ましく、例えば、ガルバリウム鋼板
があげられるが、これに限るものではない。
【0122】接着剤層33の材質は例えば、EVAがあ
げられるがこれに限るものではない。
【0123】表面保護材34の材質は例えば、フッ素樹
脂があげられるがこれに限るものではない。また、今回
は、シート状のフッ素樹脂を用い、真空ラミネーション
によって封止を行ったが、この他に、例えば、液体状の
フッ素樹脂を用いて、これを塗布することによって表面
保護材34を形成してもよい。
【0124】裏面保護材35の材質は、金属製板状裏面
保護部材32と太陽電池素子との間の電気的絶縁が確保
されるもの、例えば、シート状のナイロンが適するが、
これに限るものではない。
【0125】充填剤36の材質は、例えば、シリコーン
樹脂、ブチルゴム等があげられるが、これに限るもので
はない。
【0126】又、前述の実施例6〜10のように溝38
に突起38bを設け封止を行えばより好ましい。(図1
5のA参照)又、実施例1〜5のように被覆材34,3
5を貫通する孔を設けてもよい。
【0127】本実施例においては、図15のように、非
晶質シリコン太陽電池素子31を表面保護材34、裏面
保護材35及び接着剤層33によって真空ラミネートす
る方法を用いて太陽電池モジュールを製作し、高湿度状
態で放置し、太陽電池封止部分の端部の剥がれや、外部
からの水蒸気の浸入による太陽電池素子の故障及び太陽
電池モジュール全体の電気的短絡による故障頻度を調べ
る実験を行なった。
【0128】本実施例で用いた非晶質太陽電池31とし
ては、ステンレス・スチール製基板上に基板側から順に
n,i,p,n,i,p型非晶質シリコン薄膜をRFグ
ロー放電法を用いて積層した後、透明電極として酸化イ
ンジウム・錫を蒸着し、最後に集電電極として銀ペース
トをグリッド状に印刷して約30cm×9cmの単位と
したものを13段直列化したものを用いた。
【0129】また接着剤層33としては、シート状のE
VAを用い、表面保護材4としては、100μm厚のシ
ート状のテフゼルを用い、裏面保護材5としては、アル
ミニウム箔を両面から白色テドラーで挟んだシートを用
いた。
【0130】上記の材料を、下から裏面保護材35、接
着剤層33、非晶質シリコン太陽電池素子31、接着剤
層33、表面保護材34の順に積層し、真空ラミネータ
ーを用いて100℃でラミネートした。これを太陽電池
素子の外形寸法よりも縦横おのおの2cm外側で矩形に
切断した。切断した端面には、いかなる処理もしなかっ
た。
【0131】金属製板状裏面保護部材32は、片面に耐
候性処理を施した厚さ約0.3mmのガルバリウム鋼板
を1.5m×0.45mの矩形に裁断したものを用い次
の手順で折り曲げ加工したものを試作した。まず上記の
矩形鋼板の向かい合う長辺の両端部を全長にわたって折
り曲げ、図15に示す厚さ約4mm、奥行き1cmのス
リット状の溝38を形成する。次に鋼板の先端部を約4
cm上方へ折り曲げ、最後に鋼板の先端部を約1cm斜
め下方へ折り曲げる。図16は以上の手順で折り曲げ加
工した金属製板状裏面保護部材32を示す概念斜視図で
ある。また図17はさらに金属製板状裏面保護部材32
に太陽電池封止部分を試験的に挿入した状態を示す概念
斜視図である。一方、向かい合う両短辺は同様に端部を
折り曲げ、厚さ約4mm、奥行き約1cmのスリット状
の溝40を形成した。短辺の端部の折り曲げの際には、
長辺の端部の上方への折り曲げ部分との干渉を回避する
ため、短辺の折り曲げ部分に予め切り込みを入れた。図
18は金属製板状裏面保護部材32の完成状態を示す概
念斜視図である。
【0132】また、これとは別に、従来型の例として上
記と同様の材質で、寸法が約1.5m×0.39mの矩
形の鋼板を用いて、スリット状の溝38のない金属製板
状裏面保護部材も試作した。即ち、矩形の鋼板の長辺の
端部は、まず上方に約4cm折り曲げ、その後先端部を
斜め下方に約1cm折り曲げた。
【0133】バテン材(バテン・シーム)37は、金属
製板状裏面保護部材32と同様の、厚さ約0.3mmの
ガルバリウム鋼板を用い、図15に示すように、断面形
が『コ』の字型の先端部をさらに折り曲げた形状となる
ように折り曲げ加工したものを用いた。『コ』の字型の
一辺の長さは約4cm、先端部の折り曲げ部分の長さは
約1cmとした。
【0134】以上のように作成した非晶質太陽電池素子
31をラミネートした太陽電池封止部分の裏面にエポキ
シ樹脂系の接着剤を塗布し、金属製板状裏面保護部材3
2のスリット状の溝38及びスリット状の溝40に充填
剤としてシリコーンゴムを充填した後、太陽電池封止部
分の長辺及び短辺の縁部を、上記のスリット状の溝3
8,40の部分に挿入すると共に、表面を受光面側から
圧着した。最後に太陽電池封止部分には、不図示の出力
端子をとりつけ、それらを保護する防水用の端子箱をモ
ジュールの裏側に設置した。これを充填剤36及び接着
剤が完全に乾燥固定するまで約3日間放置した。以上の
手順で試作した太陽電池封止部分と金属製板状裏面保護
部材32を2個一組とし、屋根の野路板39を模した厚
さ2cm、縦横1.5m×0.8mの木製板上に長辺が
隣合うように、約3cmの間隔をあけて設置した後、間
隔部分に予め用意したバテン材(バテン・シーム)をか
ぶせることによって本発明の太陽電池モジュールが完成
した。これを10モジュール作成した。
【0135】さらに、従来型の例として、同様にして作
成した非晶質太陽電池素子をラミネートした太陽電池封
止部分の裏面に水性接着剤を塗布した後、今度は、スリ
ット状の溝38及びスリット状の溝40の形成されてい
ない金属製板状裏面保護部材に接着させた。太陽電池封
止部分には、出力端子をとりつけ、それらを保護する防
水用の端子箱をモジュールの裏側に設置した。以上の手
順で試作した太陽電池封止部分と金属製板状裏面保護部
材を2個一組とし、屋根の野路板39を模した厚さ2c
m、縦横1.5m×0.8mの木製板上に長辺が隣合う
ように、約3cmの間隔をあけて設置した後、間隔部分
に予め用意したバテン材(バテン・シーム)をかぶせる
ことによって従来型の例としての太陽電池モジュールが
完成した。これを10モジュール作成した。
【0136】以上のように作成した2種類の太陽電池モ
ジュールを用いて、太陽電池封止部分の端部の剥離や端
部を通じて浸入する水蒸気に起因する太陽電池モジュー
ルの故障発生の頻度を調べる比較試行実験を行なった。
即ち、上記のように作成した太陽電池モジュールを各々
10個ずつ市販の環境試験装置を用いて高湿度状態に放
置し、試験後の故障発生率を調べた。用いた環境試験装
置は、内寸法が幅1.5m、高さ1.0m、奥行き1.
0mのチャンバーをもち、チャンバー内の相対湿度は0
〜100%R.Hに制御可能なものである。今回は、太
陽電池モジュールの屋外での使用状態を再現する意味で
チャンバー内の温度は約50℃一定に制御した。
【0137】ここで、太陽電池モジュールの屋外におけ
る実際の使用状況を再現する意味では太陽電池モジュー
ルに光を照射することが必要である。ところで一般に知
られているように非晶質シリコン太陽電池には所謂光劣
化効果があり光を照射することによって太陽電池モジュ
ールの電気的性能が低下する。今回は、この光劣化によ
る太陽電池モジュールへの影響と本発明で問題としてい
る外部からの水蒸気の浸入が太陽電池モジュールに与え
る影響を区別するために、チャンバー内では太陽電池モ
ジュールに光は照射しなかった。また、出力端子は、解
放状態で、端子箱で防水した状態に保った。
【0138】上記の環境試験装置のチャンバー内に、作
成した2種類の太陽電池モジュール10個ずつを受光面
が上方を向くように各々の間隔が約10cmとなるよう
に水平に設置し、チャンバー内温度50℃、相対湿度8
5%R.Hに制御して1000時間連続で放置した。
【0139】1000時間後、これらの太陽電池モジュ
ールを環境試験装置から取り出し、表面に付着した水
滴、水分を布で拭き取った後、市販の大型の疑似太陽発
生装置を用いて、個々の太陽電池モジュールの電気性能
を測定した。照射した疑似太陽光はAM1.5GROB
AL、強度100mW/cm2 であり室温で測定した。
【0140】その結果、スリット状の溝38及びスリッ
ト状の溝40の無い太陽電池モジュールでは、試験前に
比して太陽電池封止部分の端部が剥離したか、シャント
抵抗が1/10以下に減少したか、あるいは電気的に短
絡状態を示したものが、10モジュール中5モジュール
あった。一方、スリット状の溝38及びスリット状の溝
40のモジュールでは、同様の状態を示したものが、1
0モジュール中1モジュールであり、金属製板状裏面保
護部材にスリット状の溝8及びスリット状の溝40を設
けることによる効果が実証された。
【0141】(実施例12)本実施例においては、本発
明に於ける金属製板状裏面保護部材にスリット状の溝5
8の断面形状(折り曲げ構造)が図19のような場合の
例について、同様に効果のあることを確認する試行実験
を行なった。本実施例の形態とすると、板状裏面保護部
材端部の立ち上がり部分がスリット状の溝58の外端部
に位置している為、設置時の隣合う金属製板状裏面保護
部材52の間隔を減少でき、バテン部材(バテン・シー
ム)の幅を減少させることができる、これにより、バテ
ン部材の外形によって太陽電池素子の受光面側に生じる
影の大きさが減少し、結果として太陽電池モジュールの
総出力の増加が期待できるという利点がある。
【0142】本実施例においても金属製板状裏面保護部
材52は、片面に耐候性処理を施した厚さ約0.3mm
のガルバリウム鋼板を1.5m×0.45mの矩形に裁
断したものを用い、今度は次の手順で折り曲げ加工した
ものを試作した。まず上記の矩形鋼板の向かい合う長辺
の両端部を全長にわたって折り曲げ、図19に示す厚さ
約4mm、奥行き1cmのスリット状の溝58を形成す
る。次に鋼板の先端部を一旦上方へ折り曲げさらに折り
曲げ部分がスリット状の溝の外側の接するように折り返
す。そして、折り返し部分を約5mm残して上方約3c
mへ折り曲げ、最後に先端部分を斜め下方に約1cm折
り曲げる。一方、向かい合う両短辺は実施例11と同様
に端部を折り曲げ、厚さ約4mm、奥行き約1cmの第
2のスリット状の溝を形成した。短辺の端部の折り曲げ
の際には、長辺の端部の上方への折り曲げ部分との干渉
を回避するため、短辺の折り曲げ部分に予め切り込みを
入れた。
【0143】以上の断面形(折り曲げ構造)とすること
によって、設置時の隣合う金属製板状裏面保護部材52
の間隔を減少でき、バテン部材(バテン・シーム)の幅
を減少させることができる。これにより、バテン部材の
外形によって太陽電池素子の受光面側に生じる影の大き
さが減少し、結果として太陽電池モジュールの総出力の
増加が期待できるという利点がある。
【0144】本実施例で用いた太陽電池素子の作成方
法、材料は、実施例11と等しいものを用いた。また、
上記の太陽電池素子の直列方法、及びラミネートをする
際の表面保護材54、裏面保護材55、接着剤層53に
用いた材料の材質、寸法、ラミネートの方法温度の条件
等は、実施例1と等しい。さらに実施例1と同様に、ラ
ミネートされた部分の切断面には、いかなる処理もしな
かった。
【0145】本実施例での金属製板状裏面保護部材52
は、実施例11と同様の材質の鋼板を用い、上述の手順
で作製した。
【0146】また、これとは別に、実施例11に示した
ものと等しい材質、寸法で従来型の金属製板状裏面保護
部材も試作した。
【0147】作成した非晶質シリコン太陽電池封止部分
を実施例11と同様の手順で太陽電池封止部分の裏面に
エポキシ樹脂系接着剤を塗布し、金属製板状裏面保護部
材52のスリット状の溝58及び第2のスリット状の溝
(不図示)に充填剤としてシリコーンゴムを充填した
後、太陽電池封止部分の長辺及び短辺の縁部を、上記の
スリット状の溝の部分に挿入すると共に、受光面側から
圧着した。最後に太陽電池封止部分には、出力端子をと
りつけ、それらを保護する防水用の端子箱をモジュール
の裏側に設置した。これを充填剤6及び接着剤が完全に
乾燥固定するまで約3日間放置した。以上の手順で試作
した太陽電池封止部分と金属製板状裏面保護部材52を
2個一組とし、屋根の野路板を模した厚さ2cm、縦横
1.5m×0.8mの木製板上に長辺が隣合うように、
約3cmの間隔をあけて設置した後、間隔部分に予め用
意したバテン材(バテン・シーム)をかぶせることによ
って本発明の太陽電池モジュールが完成した。これを1
0モジュール作成した。
【0148】さらに、従来型の例として、同様にして作
成した非晶質太陽電池素子をラミネートした太陽電池封
止部分の裏面にエポキシ樹脂系接着剤を塗布した後、今
度は、スリット状の溝58及び第2のスリット状の溝
(不図示)の形成されていない金属製板状裏面保護部材
に接着させた。太陽電池封止部分には、出力端子をとり
つけ、それらを保護する防水用の端子箱をモジュールの
裏側に設置した。以上の手順で試作した太陽電池封止部
分と金属製板状裏面保護部材を2個一組とし、屋根の野
路板を模した厚さ2cm、縦横1.5m×0.8mの木
製板上に長辺が隣合うように、約3cmの間隔をあけて
設置した後、間隔部分に予め用意したバテン材(バテン
・シーム)をかぶせることによって従来型の例としての
太陽電池モジュールが完成した。これを10モジュール
作成した。
【0149】以上の2種類のモジュールを、おのおの1
0モジュールずつ作成した。これらを実施例1と同様の
装置を用い、同様の手順で、本実施例の効果を調べる比
較試行実験を行なった。
【0150】その結果、1000時間後の個々の太陽電
池モジュールの電気的性能の測定では、スリット状の溝
58及び第2のスリット状の溝(不図示)の無いモジュ
ールでは、試験前に比して端部に剥離が発生したか、シ
ャント抵抗が1/10以下に減少したか、あるいは、電
気的に短絡状態を示したものが、10モジュール中4モ
ジュールあった。一方、スリット状の溝58及びスリッ
ト状の溝110のあるモジュールでは、同様の状態を示
したものが、10モジュール中0モジュールであり、本
実施例においてもスリット状の溝58及び第2のスリッ
ト状の溝(不図示)を設けることによる効果が実証され
た。
【0151】(実施例13)本実施例においては、本発
明に於ける金属製板状裏面保護部材の長辺端部のスリッ
ト状の溝68の断面形(折り曲げ構造)が図20の場合
にも同様の効果が得られることの確認の試行実験を行っ
た。本実施例は、スリット状の溝68を形成する為の折
り曲げ加工が、実施例11,12に比して簡単であると
いう利点がある。
【0152】本実施例においても金属製板状裏面保護部
材62は、片面に耐候性処理を施した厚さ約0.3mm
のガルバリウム鋼板を1.5m×0.45mの矩形に裁
断したものを用い、今度は次の手順で折り曲げ加工した
ものを試作した。まず上記の矩形鋼板の向かい合う長辺
の両端部を全長にわたって先端から約1cm下方へ折り
曲げ、次に折り曲げ部分から一旦上方へ約3.6cm折
り曲げさらに180度まで曲げ続ける。最後に180度
曲げた部分から約4cm上方へ折り曲げ、厚さ約4m
m、奥行き1cmのスリット状の溝68を形成する。一
方、向かい合う両短辺は実施例11と同様に端部を折り
曲げ、厚さ約4mm、奥行き約1cmの第2のスリット
状の溝(不図示)を形成した。
【0153】非晶質太陽電池素子の作成方法、材料、及
びラミネートの方法材料、条件は実施例11と等しくし
て、スリット状の溝68、スリット状の第2の溝(不図
示)のあるものと、無い従来型の太陽電池モジュールを
各々10個ずつ試作した。但し本実施例では、バテン材
(バテン・シーム)の固定手段として図20に示す断面
を有するバテン材の固定部材71を用いた。
【0154】これらのモジュールを実施例11,12と
同様の装置を用い、同様の手順で、本実施例の効果を実
証する比較試行実験を行なった。
【0155】その結果、1000時間後の個々の太陽電
池モジュールの電気的性能の測定では、スリット状溝6
8、及びスリット状の第2の溝の無い太陽電池モジュー
ルでは試験前に比して太陽電池封止部分の端部に剥離が
生じるか、シャント抵抗が1/10以下に減少したか、
あるいは、電気的に短絡状態を示したものが、10モジ
ュール中4モジュールあった。一方、スリット状の溝6
8、及びスリット状の第2の溝のある太陽電池モジュー
ルでは、同様の状態を示したものが、10モジュール中
1モジュールであり、本実施例においてもスリット状の
溝68、及びスリット状の第2の溝を設けたことによる
効果が実証された。
【0156】以上説明したように、少なくとも太陽電池
素子と金属製板状裏面保護部材を有する複数の太陽電池
素子封止部分と、隣接する該金属製板状裏面保護部材の
端部のうち屋根上設置時の上下方向の端部を保護するバ
テン材(バテン・シーム)からなり、屋根材と該太陽電
池素子封止部分が一体構造を形成する太陽電池モジュー
ルにおいて、該金属製板状裏面保護部材の端部に該金属
製板状裏面保護部材を折り曲げることによって形成した
スリット状の溝を具備したことにより、太陽電池封止部
分の端部の剥離、損傷を防止し、また上記の太陽電池封
止部分の端部を通じて水蒸気が浸入し太陽電池素子に到
達することを防止し、外部から浸入した水蒸気による太
陽電池素子の故障、及び太陽電池モジュールの内部配線
の電気的な短絡による故障を防止する効果がある。
【0157】以下に説明する実施例による本発明は、上
記の課題に鑑み、少なくとも太陽電池素子と支持部材と
しての金属製板状裏面保護部材を有する複数の太陽電池
素子封止部分と、隣接する該金属製板状裏面保護部材の
端部のうち屋根上設置時の上下方向の端部を保護する保
護部材(バテン・シーム)からなり、屋根材と該太陽電
池素子封止部分が一体構造を形成する太陽電池モジュー
ルにおいて、該太陽電池素子封止部分が一体構造を形成
する太陽電池モジュールにおいて、太陽電池素子封止部
分の端部が外応力によって変形・破損したり、端部を通
じて水蒸気が浸入し太陽電池素子に到達することを防止
し、外部から浸入した水蒸気による太陽電池素子の故
障、及び太陽電池モジュールの内部配線の電気的な短絡
による故障を防止することを目的とする。
【0158】上記の目的を達成するための手段として、
本発明は、少なくとも太陽電池素子と金属製板状裏面保
護部材を有する複数の太陽電池素子封止部分と、隣接す
る該金属製板状裏面保護部材の端部のうち屋根上設置時
の上下方向の端部を保護するバテン部材(バテン・シー
ム)からなり、屋根材と該金属製板状裏面保護部材の端
部に該金属製板状裏面保護部材とは別の部材と該金属製
板状裏面保護部材とによって形成したスリット状の溝を
具備したことを特徴とする太陽電池モジュールを提供す
るものである。このような構成の太陽電池モジュールを
用いることによって上記のスリット状の溝が充填剤と相
まって、上記太陽電池封止部分の端部を保持し外応力に
よって剥離変形・破損することを防止し、また太陽電池
封止部分の端部を通じて水蒸気が浸入し太陽電池素子に
到達することを防止し、外部から浸入した水蒸気による
太陽電池素子の故障、及び太陽電池モジュールの内部配
線の電気的な短絡による故障を防止することができる。
【0159】(実施例14)図21は、本発明の特徴を
最も良く表わす図であり、例として非晶質太陽電池モジ
ュールの構成を概念的に示した断面図である。図21に
おいて、31は非晶質太陽電池素子、32は金属製板状
裏面保護部材、33は接着剤層、34は表面保護材、3
5は裏面保護材、36は充填剤、37はバテン部材(バ
テン・シーム)、38はスリット状の溝、31,33は
スリット状の溝形成部材である。太陽光は図の上方から
入射する。非晶質太陽電池素子31の構成は、ステンレ
ス・スチール製基板上に基板側から順にn,i,p,
n,i,p型非晶質シリコン薄膜をRFグロー放電法を
用いて積層した後、透明電極として酸化インジウム・錫
を蒸着し、最後にグリッド電極として銀ペーストを印刷
したものを直列化したものである。
【0160】このように本発明の太陽電池モジュール
は、金属製板状裏面保護部材32の端部に、スリット状
の溝形成部材43と金属製板状裏面保護部材32とによ
ってスリット状の溝38を形成し、太陽電池封止部分を
挿入して、構成されている。また図では上記太陽電池素
子の配線及び出力端子は省略して描いてある。
【0161】スリット状の溝38の寸法・形状は、太陽
電池封止部分の挿入時及び長時間の経過後に端部の変形
・損傷を生じさせず、かつ、溝38と端部の隙間に適当
な材質の充填剤36を充填容易であることが望ましい。
例としては、図21のように太陽電池封止部分の端部の
挿入部分の長さよりも溝38の奥行きが長く、その部分
に充填剤を充填できる寸法・形状のものが望ましいが溝
38の寸法・形状はこれに限るものではない。
【0162】また溝38は、太陽電池素子封止部分端部
のうち、長辺及び短辺の全長にわたって途切れることな
く形成されることが望ましい。
【0163】金属製板状裏面保護部材32及びスリット
状の溝形成部材43の材質は、まず第一に屋根材として
の外環境に対する耐久性が充分であるように表面処理さ
れたものであり、かつ、折り曲げ加工が容易なものが望
ましく、例えば、ガルバリウム鋼板があげられるが、こ
れに限るものではない。
【0164】接着剤層33の材質は、例えば、EVAが
あげられるがこれに限るものではない。
【0165】表面保護材34の材質は、例えば、フッ素
樹脂があげられるがこれに限るものではない。また、今
回は、シート状のフッ素樹脂を用い、真空ラミネーショ
ンによって封止を行ったが、この他に、例えば、液体状
のフッ素樹脂を用いて、これを塗布することによって表
面保護材34を形成してもよい。
【0166】裏面保護材35の材質は、金属製板状裏面
保護部材32と太陽電池素子との間の電気的絶縁が確保
されるもの、例えば、シート状のナイロンがあげられる
が、これに限るものではない。
【0167】充填材36の材質は、例えば、シリコーン
樹脂、ブチルゴム等があげられるが、これに限るもので
はない。
【0168】又、前述の図15のAに示したように溝形
成部材43に突起を設け、被覆材34,35の凹部に嵌
合させる構成や、図21のAに示すように突起43aを
被覆材34,35に形成された開孔を通してもよい。
【0169】このように上述の実施例1〜10との組み
合わせにより優れた効果を奏する。
【0170】本実施例においては、図21のように、非
晶質シリコン太陽電池素子31を表面保護材34、裏面
保護材35及び接着剤層33によって真空ラミネートす
る方法を用いて太陽電池モジュールを製作し、高湿度状
態で放置し、太陽電池封止部分の端部の剥がれや、外部
からの水蒸気の浸入による太陽電池素子の故障及び太陽
電池モジュール全体の電気短絡による故障頻度を調べる
実験を行なった。
【0171】本実施例で用いた非晶質太陽電池31とし
ては、ステンレス・スチール製基板上に基板側から順に
n,i,p,n,i,p型非晶質シリコン薄膜をRFグ
ロー放電法を用いて積層した後、透明電極として酸化イ
ンジウム・錫を蒸着し、最後にグリッド電極として銀ペ
ーストを印刷して約30cm×9cmの単位としたもの
を13段直列化したものを用いた。
【0172】また接着剤層33としては、シート状のE
VAを用い、表面保護材34としては、100μm厚の
シート状のテフゼル(Dupont社)を用い、裏面保
護材35としては、アルミニウム箔を両面から白色テド
ラー(Dupont社)で挟んだシートを用いた。
【0173】上記の材料を、下から裏面保護材35、接
着剤層33、非晶質シリコン太陽電池素子31、接着剤
層33、表面保護材34の順に積層し、真空ラミネータ
ーを用いて100℃でラミネートした。これを太陽電池
素子の外形寸法よりも縦横おのおの2cm外側で矩形に
切断した。切断した端面には、いかなる処理もしなかっ
た。
【0174】金属製板状裏面保護部材32は、片面に耐
候性処理を施した厚さ約0.3mmのガルバリウム鋼板
を1.5m×0.45mの矩形に裁断したものを用い次
の手順で折り曲げ加工したものを試作した。まず上記の
矩形鋼板の向かい合う長辺の両端部を全長にわたって図
21に示すように約4cm上方へ折り曲げ、次に先端部
を約1cm斜め下方へ折り曲げる。これを10個試作し
た。
【0175】スリット状の溝形成部材43は片面に耐候
性処理を施した厚さ約0.3mmのガルバリウム鋼板を
1.5m×3cmの矩形に裁断したものを短辺の断面が
1cm、2cmの『L』字型となるように1.5mの全
長にわたって折り曲げ加工したものを試作した。このス
リット状の溝形成部材43を20個試作した。次にこれ
らのスリット状の溝形成部材43を金属製板状裏面保護
部材32に接着剤を用いて接着し、金属製板状裏面保護
部材32の長辺の上方折り曲げ部分に図21に示すよう
な、厚さ約4mm、奥行き約10mmのスリット状の溝
38を形成した。本実施例においては、スリット状の溝
形成部材43と金属製板状裏面保護部材32との接合に
接着剤を用いたが、接合の方法は、これに限るものでは
なく例えば溶接やろう付けでもよく、また、例えばグロ
メットのような接合部材を用いても良い。図22は以上
の手順で完成したスリット状の溝形成部材43と金属製
板状裏面保護部材32を示す概念斜視図である。また図
23はさらにこれらに形成されたスリット状の溝38に
太陽電池封止部分を試験的に挿入した状態を示す概念斜
視図である。一方、向かい合う両短辺は同様に片面に耐
候性処理を施した厚さ約0.3mmのガルバリウム鋼板
を約0.32m×0.2mの矩形に裁断したものを短辺
の断面が1cm、1cmの『L』字型となるように0.
32mの全長にわたって折り曲げ加工したスリット状の
溝形成部材44を試作した。これを金属製板状裏面保護
部材32の端面及びスリット状の溝形成部材43に接着
剤で接着して短辺の端部にも厚さ約4mm、奥行き約1
0mmのスリット状の溝(不図示)を形成した。図24
は金属製板状裏面保護部材32とスリット状の溝形成部
材43,44の完成状態を示す概念斜視図である。
【0176】また、これとは別に、従来型の例としてス
リット状の溝の無い、即ち、金属製板状裏面保護部材3
2にスリット状の溝を接着しないものも試作した。これ
らの材料として、片面に耐候性処理を施した厚さ約0.
3mmのガルバリウム鋼板を1.5m×0.45mの矩
形に裁断したものを用い次の手順で折り曲げ加工した。
まず上記の矩形鋼板の向かい合う長辺の両端部を全長に
わたって図21に示すように約4cm上方へ折り曲げ、
次に先端部を約1cm斜め下方へ折り曲げる。これを1
0個試作した。バテン材(バテン・シーム)37は、金
属製板状裏面保護部材32と同様の、厚さ約0.3mm
のガルバリウム鋼板を用い、図21に示すように、断面
形が『コ』の字型の先端部をさらに折り曲げた形状とな
るように折り曲げ加工したものを用いた。『コ』の字型
の一辺は長さは約4cm、先端部の折り曲げ部分の長さ
は約1cmとした。
【0177】以上のように作成した太陽電池封止部分1
2の裏面にエポキシ樹脂系接着剤を塗布し、金属製板状
裏面保護部材2の端部のスリット状の溝8及びスリット
状の溝10に充填剤としてシリコーンゴムを充填した
後、太陽電池封止部分の長辺及び短辺の縁部を、上記の
スリット状の溝38部分に挿入すると共に、表面を受光
面側から圧着した。最後に太陽電池封止部分には、不図
示の出力端子をとりつけ、それらを保護する防水用の端
子箱をモジュールの裏側に設置した。これを充填剤6及
び接着剤が完全に乾燥固定するまで約3日間放置した。
以上の手順で試作した太陽電池封止部分12と金属製板
状裏面保護部材32を2個一組とし、屋根の野路板9を
模した厚さ2cm、縦横1.5m×0.8mの木製板上
に長辺が隣合うように、約3cmの間隔をあけて設置し
た後、間隔部分に予めバテン材(バテン・シーム)をか
ぶせることによって本発明の太陽電池モジュールが完成
した。これを10モジュール作成した。
【0178】さらに、従来型の例として、同様にして作
成した非晶質太陽電池素子をラミネートした太陽電池封
止部分の裏面にエポキシ樹脂系接着剤を塗布した後、今
度は、スリット状の溝の形成されていない金属製板状裏
面保護部材に接着させた。太陽電池封止部分には、出力
端子をとりつけ、それらを保護する防水用の端子箱をモ
ジュールの裏側に設置した。以上の手順で試作した太陽
電池封止部分と金属製板状裏面保護部材を2個一組と
し、屋根の野路板を模した厚さ2cm、縦横1.5m×
0.8mの木製板上に長辺が隣合うように、約3cmの
間隔をあけて設置した後、間隔部分に予め用意したバテ
ン材(バテン・シーム)をかぶせることによって従来型
の例としての太陽電池モジュールが完成した。これを1
0モジュール作成した。
【0179】以上のように作成した2種類の太陽電池モ
ジュールを用いて、太陽電池封止部分の端部の剥離や端
部を通じて浸入する水蒸気に起因する太陽電池モジュー
ルの故障発生の頻度を調べる比較試行実験を行なった。
即ち、上記のように作成した太陽電池モジュールを各々
10個ずつ市販の環境試験装置を用いて高湿度状態に放
置し、試験後の故障発生率を調べた。用いた環境試験装
置は、内寸法が幅1.5m、高さ1.0m、奥行き1.
0mのチャンバーをもち、チャンバー内の相対湿度は0
〜100%R.Hに制御可能なものである。今回は、太
陽電池モジュールの屋外での使用状態を再現する意味で
チャンバー内の温度は約50℃一定に制御した。
【0180】ここで、太陽電池モジュールの屋外におけ
る実際の使用状況を再現する意味では太陽電池モジュー
ルに光を照射することが必要である。ところで一般に知
られているように非晶質シリコン太陽電池には所謂光劣
化効果があり光を照射することによって太陽電池モジュ
ールの電気的性能が低下する。今回は、この光劣化によ
る太陽電池モジュールへの影響と本発明で問題としてい
る外部からの水蒸気の浸入が太陽電池モジュールに与え
る影響を区別するために、チャンバー内では太陽電池モ
ジュールに光は照射しなかった。また、出力端子は、解
放状態で、端子箱で防水した状態に保った。
【0181】上記の環境試験装置のチャンバー内に、作
成した2種類の太陽電池モジュール10個ずつを受光面
が上方を向くように各々の間隔が約10cmとなるよう
に水平に設置し、チャンバー内温度50℃、相対湿度8
5%R.Hに制御して1000時間連続で放置した。
【0182】1000時間後、これらの太陽電池モジュ
ールを環境試験装置から取り出し、表面に付着した水
滴、水分を布で拭き取った後、市販の大型の疑似太陽光
発生装置を用いて、個々の太陽電池モジュールの電気性
能を測定した。照射した疑似太陽光はAM1.5GRO
BAL、強度100mW/cm2 であり室温で測定し
た。
【0183】その結果、スリット状の溝の無い太陽電池
モジュールでは、試験前に比して太陽電池封止部分の端
部が剥離したか、シャント抵抗が1/10以下に減少し
たか、あるいは電気的に短絡状態を示したものが、10
モジュール中6モジュールあった。一方、スリット状の
溝のペアの2つのあるモジュールでは、同様の状態を示
したものが、10モジュール中0モジュールであり、金
属製板状裏面保護部材にスリット状の溝を設けたことに
よる効果が実証された。
【0184】(実施例15)本実施例においては、本発
明に於ける金属製板状裏面保護部材にスリット状の溝5
8断面形状(折り曲げ構造)が図25のような場合の例
について、同様に効果のあることを確認する試行実験を
行なった。本実施例では、バテン材を固定、支持する部
分が実施例14では金属製板状裏面保護部材52の端部
を折り曲げて形成したのと異なり、スリット状の溝形成
部材73の端部を折り曲げることによって形成されてい
る。このことは、バテン材を固定、支持する部分の折り
曲げ加工を比較的小部品であるところのスリット状の溝
形成部材73で行える為、作業効率の向上及び装置費用
の低減が可能であるという利点がある。以下に、試作し
た太陽電池モジュールについて説明する。
【0185】本実施例においても金属製板状裏面保護部
材52は、片面に耐候性処理を施した厚さ約0.3mm
のガルバリウム鋼板を1.5m×0.46mの矩形に裁
断したものを用い、今度は次の手順で折り曲げ加工した
ものを試作した。まず上記の矩形鋼板の向かい合う長辺
の両端部を全長にわたって図21に示すように約4cm
上方へ折り曲げる。これを10個試作した。
【0186】スリット状の溝形成部材73は片面に耐候
性処理を施した厚さ約0.3mmのガルバリウム鋼板を
約1.5m×6cmの矩形に裁断したものの端部を1c
m幅で、1.5mの全長にわたって斜め方向へ折り曲
げ、さらに、短辺の断面が1cm、2cmの『L』字型
となるように1.5mの全長にわたって折り曲げたもの
を試作した。このスリット状の溝形成部材73を20個
試作した。次にこれらのスリット状の溝形成部材73を
金属製裏面保護部材52の長辺の上方折り曲げ部分の内
側に接着剤を用いて接着し、金属製板状裏面保護部材5
2の長辺の上方折り曲げ部分に図21に示すような、厚
さ約4mm、奥行き約10mmのスリット状の溝58を
形成した。本実施例においても、スリット状の溝形成部
材73と金属製板状裏面保護部材52との接合に接着剤
を用いたが、接合の方法は、これに限るものではなく例
えば溶接や、ろう付けでもよく、また、例えばグロメッ
トのような接合部材を用いても良い。
【0187】一方、向かい合う両短辺は実施例14と同
様に片面に耐候性処理を施した厚さ0.3mmのガルバ
リウム鋼板を約0.32m×0.2mの矩形に裁断した
ものを短辺の断面が1cm、1cmの『L』字型となる
ように0.32mの全長にわたって折り曲げ加工したス
リット状の溝形成部材(不図示)を試作した。これを金
属製板状裏面保護部材52の端面及びスリット状の溝形
成部材73に接着剤で接着して短辺の端部にも厚さ約4
mm、奥行き約10mmのスリット状の溝を形成した。
【0188】また、これとは別に、従来型の例として実
施例14と同様にスリット状の溝の無い、即ち、金属製
板状裏面保護部材にスリット状の溝を接着しないものも
試作した。これらの材料として、片面に耐候性処理を施
した厚さ約0.3mmのガルバリウム鋼板を1.5m×
0.45mの矩形に裁断したものを用い次の手順で折り
曲げ加工した。まず上記の矩形鋼板の向かい合う長辺の
両端部を全長にわたって図1に示すように約4cm上方
へ折り曲げ、次に先端部を約1cm斜め下方へ折り曲げ
る。これを10個試作した。
【0189】本実施例で用いた太陽電池素子の作成方
法、材料は、実施例14と等しいものを用いた。また、
上記の太陽電池素子の直列方法、及びラミネートをする
際の表面保護材54、裏面保護材55、接着剤層53に
用いた材料の材質、寸法、ラミネートの方法温度の条件
等は、実施例14と等しい。さらに実施例14と同様
に、ラミネートされた部分の切断面には、いかなる処理
もしなかった。
【0190】以上のように作成した非晶質シリコン太陽
電池封止部分を実施例14と同様の手順で太陽電池封止
部分の裏面にエポキシ樹脂系接着剤を塗布し、金属製板
状裏面保護部材52の端部のスリット状の溝58及びス
リット状の溝(不図示)に充填剤としてシリコンゴムを
充填した後、太陽電池封止部分73の長辺及び短辺の縁
部を、上記のスリット状の溝58に挿入すると共に、受
光面側から圧着した。最後に太陽電池封止部分には、不
図示の出力端子をとりつけ、それらを保護する防水用の
端子箱をモジュールの裏側に設置した。これを充填剤5
6及び接着剤が完全に乾燥固定するまで約3日間放置し
た。以上の手順で試作した太陽電池封止部分と金属製板
状裏面保護部材52を2個一組とし、屋根の野路板を模
した厚さ2cm、縦横1.5m×0.8mの木製板上に
長辺が隣合うように、約3cmの間隔をあけて設置した
後、間隔部分に予め用意したバテン材(バテン・シー
ム)をかぶせることによって本発明の太陽電池モジュー
ルが完成した。これを10モジュール作成した。
【0191】さらに、従来型の例として、同様に作成し
た非晶質太陽電池素子をラミネートした太陽電池封止部
分の裏面にエポキシ樹脂系接着剤を塗布した後、今度
は、スリット状の溝58及びスリット状の溝の形成され
ていない金属製板状裏面保護部材に接着させた。太陽電
池封止部分には、不図示の出力端子をとりつけ、それら
を保護する防水用の端子箱をモジュールの裏側に設置し
た。以上の手順で試作した太陽電池封止部分73と金属
製板状裏面保護部材を2個一組とし、屋根の野路板を模
した厚さ2cm、縦横1.5m×0.8mの木製板上に
長辺が隣合うように、約3cmの間隔をあけて設置した
後、間隔部分に予め用意したバテン材(バテン・シー
ム)をかぶせることによって従来型の例としての太陽電
池モジュールが完成した。これを10モジュール作成し
た。
【0192】これらの2種類、合計20個の試作太陽電
池モジュールを用い、実施例14と同様の装置、同様の
手順で、本実施例の効果を調べる比較試行実験を行なっ
た。
【0193】その結果、1000時間後の個々の太陽電
池モジュールの電気的性能の測定では、スリット状の溝
の無いモジュールでは、試験前に比して端部に剥離が発
生したか、シャント抵抗が1/10以下に減少したか、
あるいは、電気的に短絡状態を示したものが、10モジ
ュール中5モジュールあった。一方、スリット状の溝の
あるモジュールでは、同様の状態を示したものが、10
モジュール中0モジュールであり、本実施例においても
スリット状の溝を設けたことによる効果が実証された。
【0194】(実施例16)本実施例においては、本発
明に於ける金属製板状裏面保護部材62の長辺端部のス
リット状の溝形成部材83の断面形(折り曲げ構造)が
図26の場合にも同様の効果が得られることの確認の試
行実験を行った。本実施例の金属製板状裏面保護部材6
2は、実施例15と同様に長辺の両端部を上方へ直角に
折り曲げたものであり、それらの端部立ち上がり部分
に、スリット状の溝形成部材213を上方からかぶせる
構成としている。これにより、スリット状の溝形成部材
213を金属製板状裏面保護部材62の端部立ち上がり
部分に接着する際の作業が容易となるという利点があ
る。即ち、たとえば接着剤によって上記の接着を行う場
合、スリット状の溝68の厚さが決め易く、乾燥時にこ
れらの部材の固定部材を必要としない。また例えばグロ
メットを用いて接着する場合、上方から接着部分を挟む
作業が容易である。以下に本実施例の太陽電池モジュー
ルの試作手順を説明する。
【0195】本実施例においても金属製板状裏面保護部
材62は、片面に耐候性処理を施した厚さ約0.3mm
のガルバリウム鋼板を1.5m×0.40mの矩形に裁
断し向かい合う長辺の両端部を全長にわたって先端から
約3cm上方へ折り曲げたものを用いた。
【0196】スリット状の溝形成部材213は片面に耐
候性処理を施した厚さ約0.3mmのガルバリウム鋼板
を約1.5m×0.6mの矩形に裁断したものの端部を
1cm幅で、1.5mの全長にわたって直角に折り曲
げ、さらに、折り曲げた部分から約2.6cmの部分を
約180度折り曲げたものを試作した。約180度折り
曲げた部分の内側には金属製板状裏面保護部材62の上
方折り曲げ部分が挿入できるように折り曲げ時に約0.
5mmの隙間ができるようにした。このスリット状の溝
形成部材83を20個試作した。次に金属製板状裏面保
護部材62の長辺の上方折り曲げ部分に接着剤を塗布し
た後、スリット状の溝形成部材83を上方からかぶせて
接着し、金属製板状裏面保護部材62の長辺の上方折り
曲げ部分に図26に示すような、厚さ約4mm、奥行き
約10mmのスリット状の溝68を形成した。本実施例
においても、スリット状の溝形成部材83と金属製板状
裏面保護部材62との接合に接着剤を用いたが、接合の
方法は、これに限るものではなく例えば溶接やろう付け
でもよく、また、例えばグロメットのような接合部材を
用いても良い。図26は以上の手順で完成したスリット
状の溝形成部材83と金属製板状裏面保護部材62に太
陽電池封止部分82を挿入した状態を示す概念断面図で
ある。
【0197】一方、向かい合う両短辺は実施例15と同
様に端部を折り曲げ、厚さ4mm、奥行き約1cmのス
リット状の溝を形成した。
【0198】非晶質太陽電池素子の作成方法、材料、及
びラミネートの方法材料、条件は実施例15と等しくし
て、スリット状の溝のあるものと、無い従来型の太陽電
池モジュールを各々10個ずつ試作した。但し本実施例
では、バテン材(バテン・シーム)の固定手段として図
26に示す断面を有するバテン材の固定部材67,82
を用いた。
【0199】これらのモジュールを実施例1,2と同様
の装置を用い、同様の手順で、本実施例の効果を実証す
る比較試行実験を行なった。
【0200】その結果、1000時間後の個々の太陽電
池モジュールの電気的性能の測定では、スリット状溝の
無い太陽電池モジュールでは試験前に比して太陽電池封
止部分の端部に剥離が生じるか、シャント抵抗が1/1
0以下に減少したか、あるいは、電気的に短絡状態を示
したものが、10モジュール中4モジュールあった。一
方、スリット状溝のある太陽電池モジュールでは、同様
の状態を示したものが、10モジュール中0モジュール
であり、本実施例においてもスリット状溝を設けたこと
による効果が実証された。
【0201】図28は本発明による太陽電池モジュール
の最終形態を示す模式図ある。
【0202】2001は被覆材により被覆された光起電
力素子を含む太陽電池であり、2003はそれを支持す
る支持部材であり端部には太陽電池2001の端部を収
容するスリットが設けられている。2002は隣接する
2つの太陽電池の支持部材の端部を覆う保護部材であ
る。
【0203】これらの詳細は実施例1〜16で述べた通
りである。
【0204】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本実施
例1〜5の樹脂封止された太陽電池部と高分子樹脂の保
護枠を、それぞれの貫通孔を通す止め具により固定した
太陽電池モジュールは、外力が加わっても保護枠がはず
れることがないため、信頼性に優れ、長寿命、かつ柔軟
性に優れるという効果を得ることができる。
【0205】また、止め具として太陽電池モジュールか
ら露出している部分の外径aを5mm以上、かつ貫通孔
に通された止め具の軸径bとの比a/bを1.2以上の
ものを用いることにより、確実な強度を得ることができ
る。
【0206】また止め具として貫通孔を有するハトメを
用いることにより、このハトメの穴に太陽電池モジュー
ルを固定させるためのひもや据置用具を通すための穴の
役目を兼ねさせることも可能であり、工程が省略される
とともに、太陽電池モジュールに占める光電変換部の割
合を高めることができ、単位面積当たりの変換効率を上
げることが可能となる。
【0207】また、説明したように本実施例6〜10
は、フレームの溝の内側面に突起を設けることにより、
溝に挿入された積層体の縁部のうち突起と接触する部位
がその突起により局部的に圧迫されるので、積層体の縁
部の端面から縁部の内部に浸入した水分がその圧迫され
た部分を越えてさらに内部に浸入することがなく、積層
体の内部への水分の浸入の防止能力を高めることがで
き、その結果、その浸入した水分による太陽電池素子の
故障も防止できる効果がある。
【0208】以上説明したように、少なくとも太陽電池
素子と金属製板状裏面保護部材を有する複数の太陽電池
素子封止部分と、隣接する該金属製板状裏面保護部材の
端部のうち屋根上設置時の上下方向の端部を保護するバ
テン部材(バテン・シーム)からなり、屋根材と該太陽
電池素子封止部分が一体構造を形成する太陽電池モジュ
ールにおいて、該金属製板状裏面保護部材の端部に該金
属製板状裏面保護部材とは別の部材と該金属製板状裏面
保護部材とを用いて形成したスリット状の溝を具備した
ことにより、太陽電池封止部分の端部の剥離、損傷を防
止し、また上記の太陽電池封止部分の端部を通じて水蒸
気が浸入し太陽電池素子に到達することを防止し、外部
から浸入した水蒸気による太陽電池素子の故障、及び太
陽電池モジュールの内部配線の電気的な短絡による故障
を防止する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による太陽電池モジュールの模
式的断面図、
【図2】本発明の別の実施例による太陽電池モジュール
の模式的断面図、
【図3】本発明による太陽電池モジュールの模式的断面
図、
【図4】図3に示した止め具を説明する為の模式図、
【図5】本発明による太陽電池モジュールの模式的斜視
図、
【図6】本発明の別の実施例による太陽電池モジュール
の模式的断面図、
【図7】本発明に用いられる光起電力素子の一例を示す
模式的上面図、
【図8】図7のAA′線による断面図、
【図9】本発明に用いられる被覆された太陽電池を説明
する為の模式図、
【図10】本発明の太陽電池モジュールを示す模式的斜
視図、
【図11】本発明に用いられるフレームの模式的斜視
図、
【図12】本発明の太陽電池モジュールの応用例を説明
する為の模式図、
【図13】従来の太陽電池モジュールを示す模式的断面
図、
【図14】従来の太陽電池モジュールを示す模式的断面
図、
【図15】本発明の別の実施例による太陽電池モジュー
ルの模式的断面図、
【図16】本発明に用いられる支持部材を示す模式的斜
視図、
【図17】本発明による太陽電池モジュールの組み立て
工程を説明する為の模式図、
【図18】本発明による太陽電池モジュールの組み立て
工程を説明する為の模式図、
【図19】本発明の別の実施例による太陽電池モジュー
ルの模式的断面図、
【図20】本発明の別の実施例による太陽電池モジュー
ルの模式的断面図、
【図21】本発明の別の実施例による太陽電池モジュー
ルの模式的断面図、
【図22】本発明に用いられる支持部材の別の例を示す
模式的斜視図、
【図23】本発明による太陽電池モジュールの組み立て
工程を説明する為の模式図、
【図24】本発明による太陽電池モジュールの組み立て
工程を説明する為の模式図、
【図25】本発明の別の実施例による太陽電池モジュー
ルの模式的断面図、
【図26】本発明の別の実施例による太陽電池モジュー
ルの模式的断面図、
【図27】本発明に用いられる光起電力素子を示す模式
的断面図、
【図28】本発明の太陽電池モジュールの外観を示す模
式的斜視図。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/078

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属シート又はプラスチックシートを有
    する基板及び該基板上に設けた光起電力セルを備えた光
    起電力素子、該光起電力素子の表面及び裏面を被覆し、
    該光起電力素子の外周端部よりも外側までに延在させて
    設けた被覆材、並びに、該被覆材の外周端部の表面の被
    覆材、外周端部の側面、外周端部の裏面の被覆材を覆
    い、かつ該被覆材の外周端部を固定するフレーム材を有
    する太陽電池であって、前記表面被覆材の外周端部又は
    裏面被覆材の外周端部には凹部が設けられ、前記フレー
    ム材の内側には前記凹部に嵌合する突起が設けられてい
    ることを特徴とする太陽電池。
  2. 【請求項2】 前記フレーム材内部は、充填材によって
    充填されていることを特徴とする請求項記載の太陽電
    池。
  3. 【請求項3】 前記両方の被覆材は、フッ素樹脂フィル
    ム又はシリコーン樹脂であることを特徴とする請求項
    記載の太陽電池。
  4. 【請求項4】 前記光起電力素子と前記被覆材との間
    に、ガラス繊維シートを配置したことを特徴とする請求
    記載の太陽電池。
  5. 【請求項5】 前記突起は、前記フレーム材の前記凹部
    を有する被覆材の端部を収容する溝部と一体的に設けら
    れており、該突起のある溝部の幅が該被覆材端部の厚み
    よりも小さいことを特徴とする請求項記載の太陽電
    池。
  6. 【請求項6】 前記突起は前記フレーム材の前記凹部を
    有する被覆材の端部を収容する溝部に対向して複数設け
    られていることを特徴とする請求項記載の太陽電池。
  7. 【請求項7】 前記フレーム材の前記被覆材の端部を収
    容する部分の厚みは、前記凹部を有する被覆材端部の厚
    みよりも小さく、前記凹部を有する被覆材における突起
    と嵌合する部分の厚みは、該被覆材端部の厚みよりもさ
    らに小さいことを特徴とする請求項記載の太陽電池。
  8. 【請求項8】 前記光起電力素子は、非単結晶半導体層
    を有することを特徴とする請求項記載の太陽電池。
  9. 【請求項9】 前記光起電力素子は、非晶質シリコン層
    を有することを特徴とする請求項記載の太陽電池。
  10. 【請求項10】 前記光起電力素子が複数設けられ、そ
    れらが直列接続されていること特徴とする請求項記載
    の太陽電池。
  11. 【請求項11】 光起電力素子と、該光起電力素子の表
    面を被覆する被覆材と、を含む太陽電池と、該太陽電池
    の裏面に設けられ該太陽電池を支持する支持部材と、を
    有する太陽電池モジュールにおいて、 前記被覆材の外周部材には凹部が設けられ、前記支持部
    材は変形可能な板状部材であって、前記凹部に嵌合する
    突起が設けられており、該支持部材の端部を折り曲げる
    ことにより、前記被覆材の表面の外周端部と該被覆材の
    側面とを覆うスリットが形成されていることを特徴とす
    る太陽電池。
  12. 【請求項12】 前記支持部材の端部を保護する保護部
    材を設けたことを特徴とする請求項11記載の太陽電
    池。
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