JPH06204544A - 太陽電池モジュール及び太陽電池 - Google Patents

太陽電池モジュール及び太陽電池

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JPH06204544A
JPH06204544A JP43A JP36149792A JPH06204544A JP H06204544 A JPH06204544 A JP H06204544A JP 43 A JP43 A JP 43A JP 36149792 A JP36149792 A JP 36149792A JP H06204544 A JPH06204544 A JP H06204544A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、耐スクラッチ性が高い薄層太陽電
池モジュール、耐候性に優れたフレキシブル太陽電池モ
ジュール及び変換効率の高い太陽電池を提供することを
目的とする。 【構成】 太陽電池モジュールは、基体部材、接着剤、
太陽電池素子とが順次積層して配置され、表面が被覆材
で被覆された太陽電池モジュールであって、太陽電池素
子の周縁と基体部材表面との段差を接着剤で埋めてなだ
らかにした後、被覆材を形成したことを特徴とする。ま
た、太陽電池素子をシート状樹脂及びシート状接着剤で
真空封止し、封止部分の縁部がフレーム材のスリット部
分に挿入された、フレキシブル性を有する太陽電池モジ
ュールにおいて、フレーム材はスリット内部に前記縁部
の一部を貫通して該縁部を挟持する接合部材を有するこ
とを特徴とする。更に、太陽電池は、光入射側の表面が
凹凸を有する光透過性被覆材で被覆されたことを特徴と
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池モジュール及
び太陽電池に係わる。より詳細には、太陽電池素子の被
覆材の薄層化を実現する太陽電池モジュールに関する。
また、フレキシブル性を有する太陽電池モジュールに関
する。更に、太陽電池の表面被覆材の改良に関するもの
であり、初期特性が高く信頼性の高い太陽電池に関す
る。
【0002】
【従来の技術】太陽光を電気エネルギーに変換する光電
変換素子である太陽電池は、電卓、腕時計など民生機器
用の電源として広く使用されており、また、石油、石炭
などのいわゆる化石燃料の代替用電力として実用化可能
な技術として注目されている。太陽電池は半導体のpn
接合部に発生する拡散電位を利用した技術であり、シリ
コンなどの半導体が太陽光を吸収し、電子と正孔の光キ
ャリヤーが生成し、該光キャリヤーをpn接合部の拡散
電位により生じた内部電界でドリフトさせ、外部に取り
出すものである。太陽電池の材料としては、単結晶シリ
コン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、アモル
ファスシリコンゲルマニウム、アモルファスSiCなど
のテトラヘドラル系のアモルファス半導体や、CdS,
Cu2 SなどのII−VI族やGaAs,GaAlAs
などのIII−V族の化合物半導体等が挙げられる。と
りわけ、アモルファス半導体を用いた薄膜太陽電池は、
単結晶太陽電池に比較して大面積の膜が作製できること
や、膜厚が薄くて済むこと、任意の基板材料に堆積でき
ることなどの長所があり有望視されている。
【0003】アモルファスシリコン太陽電池、結晶薄膜
太陽電池等は、ステンレス等の可曲性のある基板上に作
られた薄膜の太陽電池素子を用いることにより、薄くて
軽く、さらに可曲性のある太陽電池モジュールの形で作
られ、実用に供されている。また、耐候性、機械的損傷
からの保護のため、被覆材で表面を被覆する。太陽電池
素子の被覆材の評価基準としては、以下に述べるUL規
格の「引っかき試験」があり、この試験に合格すること
ができれば、その被覆材の保護能力は充分なものと考え
られている。
【0004】「引っかき試験」の内容を簡単に述べる
と、図4に示す鋼鉄製の刃7を持った試験機を速度15
2.4mm/sで、907gの荷重8を加えながら太陽
電池表面を動かし、その後の太陽電池の電気的性能に問
題がなければ、合格とされる。ちなみに、太陽電池素子
の保護材料としては、通常EVA(エチレンビニルアセ
テート)樹脂及びフッ素樹脂フィルムが用いられる。し
かし、太陽電池素子の十分な被覆保護能力を発揮するた
めに、EVAにガラス繊維を分散させて、その厚みを4
50μm以上とし、その上に50μm程度のフッ素樹脂
フィルムを形成するため、保護材料が厚膜となってしま
うという問題がある。
【0005】一方、太陽電池のより薄層化、軽量化の要
求は強く、太陽電池素子の被覆材料は、できるだけ薄く
することが要求されている。その方法として、例えば塗
料材料を太陽電池素子表面にコーティングすることによ
り、太陽電池素子の被覆を行なう方法がある。図2を参
照して、このコーティング法による太陽電池素子の被覆
方法を用いて作製したアモルファスシリコン太陽電池モ
ジュールの一例を説明する。
【0006】図2において、1は太陽電池素子であり、
厚さ125μmのステンレス基板上に、スパッタリング
等の方法により形成した金属電極層と、プラズマCVD
法等によりn,i,p層を順次形成したアモルファスシ
リコン半導体層と、抵抗加熱蒸着法等により形成した透
明電極層とを順に積層して形成されている。2は絶縁シ
ート材であり、厚さ50μmのナイロン樹脂等からな
る。3は、太陽電池モジュールのモジュール基体部材と
なる金属板であって、厚さ300μmの亜鉛塗装鋼板等
が用いられる。4は接着剤であり、それぞれ太陽電池素
子1と絶縁シート材2、絶縁シート材2と金属板3との
接着を行うもので、例えばEVAが用いられる。ここ
で、太陽電池素子1については、透明電極層上にスクリ
ーン印刷法により銀ペースト等を用い形成された集電電
極が、不図示の外部正極端子に接続され、またステンレ
ス基板が不図示の外部負極端子に接続されている。
【0007】このような太陽電池素子1を被覆保護する
ために、例えばフッ素樹脂塗料を用い厚さは150μm
程度の被覆材5が設けられている。該被覆材5の要求さ
れる性能としては、太陽電池素子表面を防湿するための
防湿性と、「引っかき試験」に合格するための硬質性、
耐候性などが考えられ、その材料としては、無機塗料、
フッ素樹脂塗料、アクリルシリコン塗料、またはこれら
の組合わせたものが用いられる。このように前記塗料材
料により被覆材を構成することにより、被覆材の薄層化
が達成される。
【0008】しかしながら、被覆材5だけで太陽電池の
被覆を行うと、ステンレス基板の端部であるA部におい
て、上述した「引っかき試験」に合格できるだけの充分
な被覆状態を形成することは難しいという問題がある。
なぜならば、被覆材5の厚みは150μm程度であるに
対して、太陽電池素子の基体であるステンレス基板の厚
みは125μm、太陽電池素子と絶縁シート材の接着の
ための接着剤層の厚みが100μm、絶縁シート材の厚
みが50μm、絶縁シート材と金属板の接着のための接
着剤層の厚みが100μmであり、太陽電池素子表面と
金属板の段差Bは375μm程度にもなり、図2に示す
ように、塗料材料が未硬化時に流れてしまい、A部の被
覆材5の膜厚Cはせいぜい30μm程度しか設けること
ができないからである。
【0009】従って、図5から分かるように、鋼鉄製の
刃7により、図2のA部にあたる太陽電池周縁部におい
ては、被覆が容易に破断してしまう。即ち硬質性が低く
なり、「引っかき試験」に合格することはできない。そ
こで、A部のように、被覆材料の膜厚に比して段差が大
きく、塗料材料の被覆のみでは充分な被覆形態が形成さ
れない部分には、図3に示すようにシリコン樹脂等のオ
ーバーコート材6を設けることにより、段差部を埋め、
その上に被覆材を設ける構成が考えられる。
【0010】しかしながら、このようなオーバーコート
材を設ける工程においては、オーバーコート材をディス
ペンサー等の塗布装置を用いて塗布した後に、オーバー
コート材を加熱あるいは紫外線照射等により硬化させ
て、その上に塗料材料を塗布硬化する必要があり、オー
バーコート材の塗布工程及び硬化工程が必要である。こ
のため、新たに、塗布装置、加熱炉あるいは紫外線照射
装置等の生産装置が必要となり、また、該工程に要する
時間及び作業者が必要となり、オーバーコート材の形成
のために、太陽電池モジュールの製造コストが大幅に上
昇してしまうという問題がある。
【0011】一方、太陽電池は、屋内で蛍光灯の光を利
用して使用される場合もあるが、特に屋外で使用される
太陽電池は、高温度、低温度、高湿度、風、雨等の様々
な外環境からの影響に対する十分な耐久性が要求され
る。そのため、例えば図17のように、太陽電池モジュ
ールは多くの場合、大きく分けて太陽電池素子を封止し
た部分(以下、太陽電池封止部分と記す。)412とフ
レーム部分308とから構成されている。太陽電池封止
部分は、太陽電池素子301及び出力配線を、受光面側
とその裏面側から各々表面保護材304と接着剤30
3、裏面保護材305と接着剤303を用いて挟持し、
熱を加えて真空封止する場合が多い。
【0012】太陽電池の設置方法としては、地面や、建
物の屋上や屋根上に架台を設け上記の太陽電池モジュー
ルを支持したり、建物の壁面に貼付したりする方法が一
般的である。建物の屋根上に設置する場合はこの方法の
他に、架台を用いずに、屋根材と太陽電池を一体構造と
して屋根上に設置する方法がある。またフレキシブル性
を有する太陽電池の場合、太陽電池素子を破壊しない程
度の局面等の非平面部分に設置することを可能にする
為、前述の太陽電池封止部分に裏面保護部材302とし
て例えば、ウレタン樹脂、ポリエチレン樹脂等の独立気
泡のシート状の発泡材を接着した構造をとる場合が多
い。
【0013】ところで、太陽電池モジュールは、特に表
面保護材にシート状の透明樹脂を用いて太陽電池素子を
真空ラミネートする太陽電池モジュールにおいては、太
陽電池素子よりも外側の部分で表面保護材と接着剤と裏
面保護材が接着した部分を所定の外形に合わせて切断す
ることが多い。その為、何らかの方法でこれらの端部を
処理し、外環境からの応力及び水分、湿気(水蒸気)か
ら太陽電池封止部分の内部の太陽電池素子及び電気回路
部分を保護する必要がある。
【0014】これに対し、太陽電池封止部分の裏面保護
材として例えば金属、鋼製の強固な裏打ち材を用い、フ
レーム材として例えばアルミニウム製の強固なフレーム
材を用いた構造を有する太陽電池モジュールの場合に
は、太陽電池封止部分の4端辺を取り囲むフレーム材に
スリット状の溝を予め設けておき、そのスリット状の溝
に、太陽電池封止部分の端部をはめ込み、それらの隙間
の部分には、例えばシリコンゴム等の充填材を充填する
方法が用いられている。
【0015】一方、フレキシブル性が必要とされる従来
の太陽電池モジュールにおいては、前述の強固な裏面保
護材及び強固なフレーム材を用いることが不可能であ
る。よって前述のように裏面保護材の材質としてはフレ
キシブル性を有する材料を用いることになる。ここで、
太陽電池封止部分の縁部の保護方法が問題となる。仮に
フレーム材としてゴム製、プラスチック製、ポリカーボ
ネート製などのフレキシブル性を有するフレーム材を用
いたとする。この場合、太陽電池封止部分を効果的に保
護する為には、何らかの方法で太陽電池封止部分とフレ
ーム材を接着することが必要となる。太陽電池封止部分
の裏側は材質選択の自由度が高く、フレーム材との接着
が比較的容易である。しかし太陽電池封止部分の表面側
は、以下の理由で、フレーム材との接着は非常に難し
い。
【0016】例えばステンレス・スチール基板等の導電
性基板を用いた太陽電池素子を封止した太陽電池封止部
分の表面保護材としては、フッ素樹脂等が用いられるこ
とが多く、これらに対して十分な接着能力を有する接着
剤・充填材は殆ど存在しない。表面保護材としてフッ素
樹脂等が用いられる理由は、フッ素樹脂等の光透過性が
高く、かつ外環境からの応力に対する耐久性が高いから
である。さらに表面保護材としては、表面に埃が付き難
く、溌水性が良いことも要求され、フッ素樹脂はこの要
求を満たすが、このことは同時に、適当な接着剤が存在
しないことをも意味している。フッ素樹脂とEVAの接
着が、そのままでは接着力が不十分な為、フッ素樹脂の
接着面側の全面にコロナ放電処理を行い、接着力を高め
ている場合が多い。しかし、表面全体にコロナ放電を施
すと、上述の非埃付着性や溌水性が低下してしまう。ま
た、端部のみにコロナ放電処理を施すことは、封止作業
の精度の向上が要求されるとともに、処理のコスト増加
を生じる。
【0017】以上の理由で、フレキシブル性を有する太
陽電池封止部分の縁部及び端部に接着剤を塗布し、フレ
キシブルな材質のフレーム材と太陽電池封止部分を接着
することによって端部を十分に包囲保護することは実現
困難である。もう一つの例として、太陽電池封止部分の
縁部の例えばEVA等の接着剤を融解し端部から追い出
し、その部分の表面保護材(樹脂)と裏面保護材(樹
脂)を熱によって圧接着する方法が考えられる。この方
法が可能であれば、太陽電池封止部分は自ら端部保護機
能を有することになり、フレーム材が封止部分を保護す
る必要は減少する。本発明者らは、試行実験として表面
接着剤としてDupont社のテフゼル等を用い、裏面
保護材としてナイロン等を用いて上述のような熱による
圧接着を様々な温度において試みたがいずれも十分な接
着力を得るには至っていない。
【0018】すなわち、フレキシブル性が必要とされる
太陽電池モジュールにおいては、太陽電池封止部分の端
部を効果的に保護することは非常に難しいのが現状であ
る。次に従来の太陽電池を説明する。従来の太陽電池の
構成としては、例えば図22に示すように、基板の反対
側から光入射する構成で、アモルファスシリコン太陽電
池素子の構造は、基板601上に下部電極602を設
け、その上に薄膜のn層603、i層604、p層60
5からなる半導体層を積層し、さらに、上部電極606
を設ける構造となっている。また、集電の為のグリッド
電極607やバスバー608が設けられる。
【0019】さらに、太陽電池を機械的損傷、湿気等か
ら保護するため、ガラスや高分子樹脂等からなる被覆材
609が設けられる。太陽光は太陽電池素子の表面で反
射するため、全ての太陽光を有効に利用することが出来
ず、そのため反射を少なくする工夫が種々なされてい
る。反射防止膜は、太陽電池素子の感度が最も良い波長
の反射が最小となるように設計されるが、他の波長では
反射が十分に小さくはならない。そこで、光を光活性層
である半導体層内に閉じこめたり、光路長を長くするこ
とを目的に、太陽電池素子表面を凹凸としたいわゆるテ
クスチャー構造とすることにより更に反射を少なくする
工夫がなされている。一方、特開昭62−90983号
公報に開示された装置によれば、基板と反対側の不純物
層をエッチングレートの異なる材料でエッチングして、
凹凸を形成する試みがなされている。
【0020】また、テクスチャー構造をガラス基板上に
形成するアモルファス太陽電池では、光入射側の透明導
電膜を、凹凸を有する構造として光を有効利用する方法
がある。また、単結晶の太陽電池に於いては、例えば基
板表面の光入射表面にエッチング法により微細な凹凸を
形成し、その後ドーピングによりn型として、pn接合
を形成することで光の反射を低減し、光電流を増加させ
る構成が知られている。
【0021】さらに、上述の基板と反対側から光入射す
るアモルファスシリコン太陽電池に於いては、前記反射
防止膜は、アモルファスシリコンの屈折率と反射防止膜
の屈折率とから好適な厚みが約1000A程度に設計さ
れるものであり、この厚みではテクスチャー構造を設け
ることは実際には不可能である。また、反射防止膜とし
ての光学的設計を行わず単に、テクスチャー構造の透明
導電膜を形成することは可能であるが、この場合の問題
点としては、テクスチャー化するために高い基板温度が
必要となり、下地のアモルファスシリコン層に影響を与
えること、及び厚い透明導電膜を形成するとコストが高
くなり且つスループットが下がることなどがある。この
ため現実には、均一な膜厚の反射防止膜が採用されてい
て、テクスチャー構造は用いられていない。
【0022】更に、前述のエッチングによりテクスチャ
ーを形成する場合には、エッチング速度を微妙にコント
ロールしなければ所望の凹凸が得られず、また過剰にエ
ッチングした場合に下地までエッチングしてしまう可能
性があること、微結晶とアモルファスとの混晶を作製す
る必要があることなどから、実際上テクスチャー化する
ことは困難であった。
【0023】また、単結晶太陽電池に於いては、凹凸を
形成することにより接合部分が機械的に弱くなり、その
結果ショート部分が発生し、変換効率を損なうという問
題がある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】上記欠点に鑑み、本発
明の第1の技術的課題は、太陽電池素子をモジュール基
体部材上に設置し、表面に被覆材を形成する太陽電池モ
ジュールにおいて、耐スクラッチ性が良好で、薄く軽い
太陽電池モジュールを提供するとともに、工程を簡略化
し、コストを削減することである。
【0025】また、本発明の第2の技術的課題は、太陽
電池素子を少なくともシート状の樹脂及びシート状の接
着剤で真空封止し、該太陽電池素子の封止部分の縁部が
フレーム材のスリット部分に挿入された構造を有し、か
つフレキシブル性を有する太陽電池モジュールにおい
て、太陽電池封止部分の端部が外応力によって変形・破
損したり、端部を通じて水蒸気が侵入し太陽電池素子に
到達することを防止し、外部から侵入した水蒸気による
太陽電池素子の故障、及び太陽電池モジュールの内部配
線の電気的な短絡による故障を防止することである。
【0026】また、本発明の第3の技術的課題は、太陽
光のより一層の有効利用を可能とし、光電変換効率の高
い太陽電池を提供することである。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明の太陽電池モジュ
ールは、モジュール基体部材、第1の接着剤、基板上に
光電変換半導体層を形成してなる太陽電池素子とが順次
積層して配置され、表面を被覆材で被覆されてなる太陽
電池モジュールであって、前記太陽電池素子の周縁と前
記モジュール基体部材表面との段差を前記第1の接着剤
で埋めてなだらかにした後、太陽電池モジュール表面全
域に前記被覆材を形成したことを特徴とする。
【0028】また、本発明の他の太陽電池モジュール
は、モジュール基体部材、第1の接着剤(または第2の
接着剤)、絶縁シート材、第2の接着剤(または第1の
接着剤)、基板上に光電変換半導体層を形成してなる太
陽電池素子とが順次積層して配置され、表面が被覆材で
被覆されてなる太陽電池モジュールであって、前記太陽
電池素子の周縁と前記基体部材表面との段差を前記第1
の接着剤で埋めてなだらかにした後、太陽電池モジュー
ル表面全域に前記被覆材を形成したことを特徴とする太
陽電池モジュール。
【0029】前記第1の接着剤は、前記太陽電池素子周
縁部近傍に押圧力を加えた状態で硬化するのが好まし
い。また、前記第1の接着剤は、未硬化時において10
0cp以上の粘度を有する液状接着剤、または固形状接
着剤であることが望ましい。さらに前記第1の接着剤の
表面が、有機化合物のカップリング剤で処理するかまた
は/及び前記被覆材中に有機化合物のカップリング剤を
添加するのが望ましい。
【0030】さらに本発明の太陽電池モジュールは、基
板上に半導体層を形成してなる太陽電池素子を少なくと
もシート状樹脂及びシート状接着剤で真空封止し、該太
陽電池素子の封止した部分の縁部がフレーム材のスリッ
ト部分に挿入された、フレキシブル性を有する太陽電池
モジュールにおいて、前記フレーム材はスリット内部に
前記縁部の一部を貫通して該縁部を挟持する接合部材を
有することを特徴とする。
【0031】本発明の太陽電池は、光入射側の表面を被
覆材で被覆した太陽電池において、該被覆材は、凹凸を
有し、光透過性であることを特徴とする。前記被覆材の
凹凸の高低差は0.5μmから10μmであることが望
ましい。また、前記被覆材は電着法によって形成される
ことが好ましく、さらに前記電着法で用いる塗料は有機
または無機材料の粒径0.5μm以上10μm以下のフ
ィラーを含むことが望ましい。
【0032】
【作用及び実施態様例】まず、請求項1〜6に係わる太
陽電池モジュールについて説明する。本発明の太陽電池
モジュールは、図1に示すように、太陽電池素子周縁部
が第1の接着剤で埋められなだらかになっているため、
太陽電池の被覆材の被覆が太陽電池素子全体に均一に行
われる。従って、引っかき試験による被覆材の破断を防
ぐことが可能となる。さらに、段差を第1の接着剤によ
り埋めるため、従来と同じ製造工程で製造でき、製造コ
ストの増加を防ぐことができる。
【0033】本発明の太陽電池モジュールの作製手順を
以下に示す。まず、モジュール基体部材上に、第1の接
着剤を介し太陽電池素子を配置接着する。あるいは、モ
ジュール基体部材上に、第1の接着剤、絶縁シート材、
第2の接着剤、太陽電池素子の順に配置する。ここで、
少なくとも第1の接着剤は太陽電池素子の周縁をはみ出
して形成する。また、第1の接着剤と第2の接着剤の積
層順序は逆でも良いし、また同一の接着剤を用いても良
い。
【0034】第1及び第2の接着剤は、接着面にディス
ペンサー装置、ダイコーター装置等を用いて塗布し、も
しくはシート状の接着剤を被着体の間に配置し、少なく
とも太陽電池素子周縁部近傍に押圧力を加えた状態で、
例えば加熱して硬化させるものである。具体的には、後
述する真空ラミネーター装置を用いた方法は適した方法
の1つである。
【0035】次に、このように作製された太陽電池モジ
ュールに被覆材を形成する。その薄層化を実現するため
に、塗料材料が好ましく、その形成方法は、それぞれ使
用する塗料材料の形成方法に準じるものであるが、例え
ば、液状の塗料材料をエアスプレー装置等により、モジ
ュール表面に均一な膜となるように、数回重ね塗りを行
い、120℃程度で硬化させる。
【0036】本発明において、複数の太陽電池素子を設
ける場合には、接着前に直並列接続を完了させておく。
また、モジュールの正、負極の外部端子は前記モジュー
ルの基体となる部材に穴をあけ、裏面側より取り出す方
法が本発明の太陽電池モジュールに適している。以上述
べたような工程により、本発明の太陽電池モジュールを
作製する。
【0037】本発明の太陽電池モジュールにおいて、前
記接着剤の硬化時に、太陽電池素子及びモジュール基体
部材の、少なくとも太陽電池素子周縁部近傍に、弾性を
有した部材を介して押圧力を加えた状態とすることが好
ましい。弾性を有した部材を介して押圧力を加えること
により、前記接着剤を所望の形状に形成することができ
る。弾性を有した部材の材質としては、例えばシリコン
ゴム、ネオプレンゴム等のゴム材質のものが用いられ
る。
【0038】また、本発明において、少なくとも第1の
接着剤を太陽電池素子周縁部より外側にはみ出して形成
するが、接着剤の形成範囲は太陽電池モジュール表面の
段差部を埋め、所望の断面形状を有した接着剤を形成す
るために、図1に示すように、モジュール基体部材の表
面から太陽電池素子表面までの高さをa、太陽電池素子
周縁から接着剤端部までの距離をbとして、b≧1.5
aを満たすことが好ましい。
【0039】本発明で接着剤としては、例えばエポキシ
樹脂系、アクリル樹脂系、ポリウレタン樹脂系、シリコ
ーン系の接着剤、ポリクロロプレン系などのゴム系接着
剤、EVA樹脂系、ポリアミド樹脂系などのホットメル
ト接着剤等の接着剤が好適に用いられる。接着剤の硬化
工程時に大気圧等の押圧力が加わったときに、接着剤が
流れだすことなく所望の形状が形成できるように、少な
くとも第1の接着剤は未硬化時に、粘度が100cp以
上の液状接着剤もしくは固形状接着剤が好ましい。
【0040】本発明の太陽電池モジュールの被覆材とし
ては、被覆材の薄層化を実現するために、塗料材料であ
ることが好ましく、耐候性、防湿性、硬質性等が優れた
材料が用いられ、例えば無機塗料、フッ素樹脂塗料、ア
クリルシリコン塗料など、また、これら塗料材料の組み
合わせたものが好適に用いられる。前記接着剤の表面と
被覆材料の密着性向上のために、前記被覆材中に有機化
合物のカップリング剤を添加、あるいは前記接着剤表面
を有機化合物のカップリング剤で処理することが好まし
く、その材料としては、例えばシランカップリング剤、
チタネートカップリング剤等が挙げられる。
【0041】本発明の太陽電池モジュールのモジュール
基体部材としては、例えば金属、裏面に絶縁処理を施し
た金属、カーボンファイバー、ガラスファイバー強化プ
ラスチック、セラミック、ガラスなどが用いられる。ま
た、モジュール基体部材の大きさは、上述した接着剤の
形成範囲を考慮し、1つの太陽電池素子もしくは接続さ
れた複数の太陽電池素子の最外形周縁部より全方向に2
mm以上大きい外形を持つことが望ましい。
【0042】本発明の絶縁シート材としては、例えばP
ET(ポリエチレンテフタレート)、PEN(ポリエチ
レンナフタレート)、ナイロン、ポリプロピレン、フッ
素樹脂等が用いられる。また、絶縁シート材の大きさ
は、その端部が接着剤からはみだして形成されないため
に、太陽電池素子周縁からその端部までの距離cが0≦
c≦0.5aの範囲内であることが好ましい。
【0043】次に請求項7に係わる太陽電池モジュール
について説明する。請求項7に係わる太陽電池モジュー
ルの一例を図11に示す。図11に示すように、該太陽
電池モジュールは、基板上に半導体層を形成してなる太
陽電池素子を少なくともシート状樹脂及びシート状接着
剤で真空封止し、該太陽電池素子の封止した部分の縁部
がフレーム材のスリット部分に挿入された、フレキシブ
ル性を有する太陽電池モジュールにおいて、前記フレー
ム材はスリット内部に前記縁部の一部を貫通して該縁部
を挟持する接合部材を有することを特徴とする。
【0044】このような構成の太陽電池モジュールを用
いることによって、フレーム材が上記の太陽電池封止部
分から脱離することを防止し、また太陽電池封止部分の
端部を通じて水蒸気が侵入し太陽電池素子に到達するこ
とを防止し、外部から侵入した水蒸気による太陽電池素
子の故障、及び太陽電池モジュール内部配線の電気的な
短絡による故障を防止することができる。
【0045】図11は、非晶質太陽電池モジュールの構
成を概念的に示した断面図である。図11において、3
1は非晶質太陽電池素子、32は発泡材製裏面保護部
材、33は接着剤層、34は表面保護材、35は裏面保
護材、36は充填材、37は封止部分とフレーム材38
の接合部材である。フレーム材38には、接合部材と係
合するスリット状の溝が形成されている。太陽光は図の
上方から入射する。
【0046】非晶質太陽電池素子の構成は、例えば図1
8に示すように、ステンレス・スチール製基板上に基板
側から順にn,i,p,n,i,p型非晶質シリコン薄
膜をRFグロー放電法を用いて積層した後、透明電極と
して酸化インジウム・錫を蒸着し、最後にグリッド電極
として銀ペーストを印刷したものを直列化したものであ
る。
【0047】このように本発明の太陽電池モジュール
は、太陽電池封止部分312の縁部を表裏面側から太陽
電池封止部分312の一部を貫通し、封止部分312を
フレーム材38の接合部材37によって挟持し、フレー
ム材38のスリット部分に充填材36を充填した後、太
陽電池封止部分の端部をフレーム材に挿入接着し、さら
に太陽電池封止部分312の裏面に発泡材製裏面保護部
材32を接着剤によって貼着して構成されている。また
図では上記太陽電池素子の配線及び出力端子は省略して
描いてある。スリット状の溝の寸法・形状は、太陽電池
封止部分の挿入時及び長期間の経過後に太陽電池封止部
端部の変形・損傷を生じさせず、かつ、溝と端部の隙間
に適当な材質の充填材36を充填するのが容易であるこ
とが望ましい。
【0048】例として、図11のように太陽電池封止部
分の端部の挿入部分の長さよりも溝の奥行きが長く、そ
の部分に充填材を充填できる寸法・形状のものが望まし
いが溝の寸法・形状はこれに限るものではない。また溝
は、太陽電池素子封止部分端部のうち、長辺及び短辺の
全長にわたって途切れることなく形成されることが望ま
しい。
【0049】発泡材製裏面保護部材32の材質は、外環
境に対する耐久性、すなわち耐水性、耐熱性、耐紫外線
性が充分であるものが望ましい。例えば、非接着面にポ
リエチレンを貼着した独立気泡の発泡ウレタンがあげら
れるがこれに限るものではない。 また、接着剤層33
の材質は例えば、EVAがあげられるがこれに限るもの
ではない。
【0050】表面保護材34の材質は例えば、フッ素樹
脂があげられるがこれに限るものではない。以上、シー
ト状のフッ素樹脂を用い、真空ラミネーションによって
封止を行う場合を説明したが、この他に、例えば、液体
状のフッ素樹脂を用いて、これを塗布することによって
表面保護材34を形成してもよい。裏面保護材35の材
質は、発泡材性裏面保護部材32との接着が確実に行え
る接着剤が存在する材質、例えば、シート状のナイロン
が適するが、これに限るものではない。
【0051】充填剤36の材質は、例えば、シリコーン
樹脂、ブチルゴム等があげられるが、これに限るもので
はない。次に本発明の太陽電池について説明する。本発
明の太陽電池は、太陽電池の光の有効利用を可能とする
構成について、本発明者らの実験により得た知見をさら
に詳細に検討を加えて完成したものであり、その骨子
は、太陽電池の表面を有機または無機の透明な被覆材に
より被覆し、該被覆材が凹凸を有するテクスチャー構造
とすることにより光が散乱し、光の有効利用を可能とし
たものである。本発明の太陽電池の構成では、太陽電池
は単結晶、多結晶及び基板と反対側から光入射するアモ
ルファスシリコン太陽電池に適する。
【0052】前記テクスチャー構造の被覆材としては、
太陽光あるいは室内光を透過するような透明な材料であ
ることが必要であり、また、光を散乱させるためには前
記被覆材の屈折率が空気の屈折率1よりも大きいことが
必要であり、望ましくは屈折率が1.4以上であること
が必要である。また、前記テクスチャー構造の被覆材は
前述した光の有効利用の機能だけでなく、太陽電池を保
護するための保護皮膜としての機能を有することが好ま
しい。この場合、前記被覆材には、耐候性が良く、熱、
湿度及び光に対する安定性が要求される。また、太陽電
池の使用時に於いて、場合によっては、太陽電池が曲げ
られたり衝撃が与えられるため、機械的強度及び剥離強
度を合わせ持つ必要がある。
【0053】また、前記テクスチャー構造の被覆材の膜
厚としては電気的絶縁性と、耐湿性が保たれ、かつ、光
透過性を損なわれないことが好ましいことから、材料の
種類により適宜選択されるが代表的には0.5μmから
50μm位が適当である。前記テクスチャー被覆材のみ
では機能が充分でない場合には、更に別の被覆材を積層
しても良い。
【0054】光の有効利用が可能となるためには、太陽
電池で発電に寄与する光の波長が400nmから900
nmくらいの可視光であることから、凹凸の高低差が
0.5μmから10μmであることが好ましい。前記凹
凸はパターニングが施されたような均一な形状である必
要はなく、ランダムな形状で凹凸の高低差も0.5μm
から10μmの範囲に有れば良い。また、凹凸の形状
は、ピラミッド状、半球状、台形などの任意の形状で良
い。また、表面の粗度の目安として、例えば被覆材のみ
をJIS K7105に決められるような測定法を用い
て透過光に対する拡散光の成分比を表すヘーズ率を測定
した場合には、好適なヘーズ率としては、10%以上で
あることが好ましい。
【0055】このようなテクスチャー構造を設ける方法
としては、被覆材に金型などで転写する方法や微粒子を
静電的に吹き付ける方法やフィラーを添加した電着塗料
を用いることができる。とりわけ電着法は、テクスチャ
ー構造の被覆材を形成するのに好適な方法である。前記
フィラーとしてはZnO,TiO2 などの無機顔料、A
2 3 ,AlN,BN等のセラミックス、ガラスフリ
ット、微粒子ポリマー、SnO2 ,In2 3 ,ITO
などの金属酸化物などから適宜選択して用いる。但し、
電着膜の成膜を行った後に溶融して平坦化しないでフィ
ラーの粒径を維持できるような材料あるいはプロセスを
選ぶ必要がある。
【0056】テクスチャー被覆材の材質は、ポリエステ
ル、ポリエチレン、ポリカーボネート、セルロースアセ
テート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリイミド、エ
ポキシ等の高分子樹脂が好適に用いられる。電着樹脂を
用いる場合は、骨格樹脂として、アクリル樹脂、ポリエ
ステル樹脂、エポシキ樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹
脂、メラミン樹脂、ブタジエン樹脂等の中から所望に応
じて適宜選択される。また、これらの樹脂を水溶化して
電気泳動を行わせるために水溶液中で電離が起こるよう
な官能基を導入することが必要であり、該官能基として
はカルボキシル基、アミノ基などがある。前記官能基の
極性により電着塗料はカチオン系とアニオン系とに分類
できる。それぞれ、太陽電池に印加する極性が異なるの
で、太陽電池の所望の極性に応じて適宜選べば良い。さ
らに加熱により電着樹脂を硬化させるためにはメラミン
架橋、炭素−炭素二重結合、ウレタン結合などを利用す
るためこれらの架橋反応が起こるような官能基を骨格樹
脂または側鎖に適宜導入する。
【0057】これらの電着樹脂は、均一な成膜を行うた
めに溶液中では沈殿せずに安定に懸濁する事が重要であ
り、このためには、樹脂は適当な大きさのコロイド粒子
となっていることが望ましい。前記コロイド粒子の粒径
は、10nmから100nm位の範囲であることが望ま
しく、また、前記粒径は単分散であることが望ましい。
前記コロイド粒子を構成する骨格樹脂の好適な分子量と
しては重量平均分子量が1000〜20000程度であ
る。
【0058】耐光性、耐熱性、耐湿性、欠陥部分の選択
性などの向上のために電着樹脂に太陽電池の欠陥部分を
選択的に、かつ、有効に絶縁するためには単位電気量あ
たりの電着膜重量が大きい方が好ましく、このためには
電着塗料のクーロン効率は10mg/C以上であること
が好ましい。電着塗料の溶剤としては、透明導電性酸化
物、半導体層及び下部電極などの太陽電池構成材料を容
易には溶解しない濃度の酸またはアルカリを含む溶液、
又はそれらの金属塩を含む溶液を用いる。なお、該金属
塩としては、該塩を構成する金属が、その標準電極電位
が負で、水素過電圧の値が標準電極電位の絶対値よりも
小さい塩が用いられる。電着塗料は脱イオン水により希
釈して用いられるが、成膜性の良好な範囲としては、固
形分が1%から25%位の範囲が良い。また、電着液の
電導度は樹脂が安定に懸濁し、電気泳動が起こり易いよ
うに、100μS/cmから2000μS/cmの範囲
であることが望ましい。
【0059】太陽電池の製造方法によっては、電着後に
溶剤を用いたり熱処理を行う場合があるが、この場合は
堆積した電着膜は、これらの処理によって影響されない
ことが要求される。電着樹脂を堆積する工程は、太陽電
池と対向電極とを電着塗料中に浸漬し、太陽電池と対向
電極との間に電圧を印加して太陽電池表面に電着樹脂を
堆積することにより行われる。太陽電池に電圧を印加す
る場合には導電性基板あるいは下部電極に印加すれば良
い。単結晶及び多結晶の場合には太陽電池表面に電着膜
が堆積し、またアモルファスシリコンの場合は、透明導
電膜の上に電着膜が堆積する。
【0060】対向電極の材質としては、電着塗料中で腐
食されないことが要求され、耐食性のある白金、炭素、
ニッケル、ステンレスなどが好適に用いられる。また、
対向電極の面積は、太陽電池の面積に対して一定の比率
とする事が電着を均一にするために必要であり、いわゆ
る極比としては、太陽電池面積と対向電極面積との比は
1/2から2/1の範囲であることが好ましい。また、
太陽電池と対向電極との極間距離は電着の均一性を保つ
ために重要な因子であるが、電着塗料の電導度や印加す
る電圧などの諸条件により好適な範囲があり一般的には
10mmから100mmが望ましい。
【0061】電着膜が太陽電池の表面のみに堆積するた
めには、基板などの導電性部分を電着塗料中にさらすこ
とは好ましくなくこのため、太陽電池の光入射側の裏面
となる導電性基板表面をプラスチックフィルムやゴム磁
石などの絶縁性被覆材で覆うことが望ましい。電着は、
定電圧法でも定電流法でも行うことが出来るが、例え
ば、定電圧法では、太陽電池に印加する電圧は、ネルン
ストの式で定義される電極電位から計算される水素発生
電位以上の電圧、具体的には、水の理論分解電圧に過電
圧を加えた値である2ボルト以上の電圧が必要である。
さらに、電着塗料の電導度や太陽電池に印加する電圧の
極性が逆バイアスである場合と順バイアスである場合と
では好ましい印加電圧の範囲は異なるためそれぞれの太
陽電池の構成、面積及び、電着塗料の電導度などの物
性、印加電圧の極性など種々の点から好適な電圧範囲が
決定させるが、およそ2Vから200Vの範囲である。
また、印加した電圧の一部は太陽電池にも印加されるこ
とになるため、太陽電池に対して逆バイアスとなるよう
な極性の場合には、太陽電池がブレークダウンしない範
囲の電圧でなければならない。
【0062】定電流法による電着に於いては、太陽電池
のシャントの程度にもよるが緻密な電着膜を形成するた
めに電流密度は、好ましくは0.1から10A/dm2
の範囲である。電着装置の一例を図23及び24に示
す。図23は、バッチ式の電着装置例である。図に於い
て、701は電着槽,702は電着液、703は対向電
極、704は太陽電池基板、705は太陽電池活性層、
706は電源、707は配線を示す。図24は、ロール
ツーロール式の電着装置例である。図23の於いては太
陽電池はカットシート状であり、電着のプロセスは枚葉
処理であったが、必要に応じて図24のロールツーロー
ル式装置で連続的に電着を行うことも可能である。図に
於いて810は基板、801は基板送り出しローラー、
802は基板巻き取りローラー、803は電解槽、80
4は洗浄槽、805は乾燥炉、806は電源、807は
マスクフィルム送り出しローラー、808はマスクフィ
ルム巻き取りローラー、809はマスクフィルム、81
1は対向電極、812は導電性ローラーを示す。
【0063】この図に於ける好ましい実施態様例として
は、太陽電池はステンレス基板上に堆積されたnip型
アモルファスシリコンであり、光入射側にITOの上部
電極が形成されている。太陽電池基板810は送り出し
ロール801から送り出され電解槽803に浸漬され、
洗浄槽804、乾燥炉805を通過した後巻き取りロー
ル802に巻き取られる。電解槽803に浸漬する前に
マスクフィルム送り出しローラー807から太陽電池裏
面マスク用のフィルム809が送り出されて太陽電池基
板810の裏面と張り合わせられる。電着が完了した後
は再び剥離され洗浄乾燥後、巻き取りローラー808に
巻き取られる。太陽電池基板810と接する導電性ロー
ラー812と電解槽803内に浸漬された対向電極81
1の間に電源806の電圧が印加される。
【0064】以下に、本発明の太陽電池の構成例につい
て図を用いて説明する。本発明の太陽電池の好適な構成
例を図19〜図21に模式的に示す。図19(A)は基
板と反対側から光入射するアモルファスシルコン太陽電
池、図19(B)は図19(A)の太陽電池をトリプル
構造とした太陽電池、図20(A)は結晶系太陽電池、
図20(B)は薄膜多結晶の太陽電池である。図21は
図19(A)を上から見た図である。図に於いて500
は太陽電池本体、501は基板、502は下部電極、5
03はn層、504はi層、505はp層、506は上
部電極、507はグリッド電極、508はバスバー、5
09は被覆材を表す。
【0065】基板501はアモルファスシリコンのよう
な薄膜の太陽電池の場合の半導体層503,504,5
05を機械的に支持する部材であり、また場合によって
は電極として用いられる。基板501は、半導体層50
3,504,505を成膜するときの加熱温度に耐える
耐熱性が要求されるが導電性のものでも電気絶縁性のも
のでも良く、導電性の材料としては、具体的にはFe,
Ni,Cr,Al,Mo,Au,Nb,Ta,V,T
i,Pt,Pb,Ti等の金属またはこれらの合金、例
えば真ちゅう、ステンレス鋼等の薄板及びその複合体や
カーボンシート、亜鉛メッキ鋼板等が挙げられ、電気絶
縁性材料としては、ポリエステル、ポリエチレン、ポリ
カーボネート、セルロースアセテート、ポリプロピレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレ
ン、ポリアミド、ポリイミド、エポキシ等の耐熱性合成
樹脂のフィルムまたはシート又はこれらとガラスファイ
バー、カーボンファイバー、ホウ素ファイバー、金属繊
維等との複合体、及びこれらの金属の薄板、樹脂シート
等の表面に異種材質の金属薄膜及び/またはSiO2
Si3 4 ,Al2 3 ,AlN等の絶縁性薄膜をスパ
ッタ法、蒸着法、鍍金法等により表面コーティング処理
を行ったものおよび、ガラス、セラミックスなどが挙げ
られる。
【0066】下部電極502は、半導体層503,50
4,505で発生した電力を取り出すための一方の電極
であり、半導体層503に対してはオーミックコンタク
トとなるような仕事関数を持つことが要求される。材料
としては、Al,Ag,Pt,Au,Ni,Ti,M
o,W,Fe,V,Cr,Cu,ステンレス,真ちゅ
う,ニクロム,SnO2 ,In2 3 ,ZuO,ITO
等のいわゆる金属単体又は合金、及び透明導電性酸化物
(TCO)等が用いられる。下部電極502の表面は平
滑であることが好ましいが、光の乱反射を起こさせる場
合にはテクスチャー化しても良い。また、基板501が
導電性であるときは下部電極502は特に設ける必要は
ない。
【0067】本発明に用いられる太陽電池の半導体層と
しては、pin接合非晶質シリコン、pn接合多結晶シ
リコン、CuInSe2 /CdSなどの化合物半導体が
挙げられる。アモルファスシリコン太陽電池に於いてi
層504を構成する半導体材料としては、a−Si:
H、a−Si:F、a−Si:H:F、a−SiGe:
H、a−SiGe:F、a−SiGe:H:F、a−S
iC:H、a−SiC:F、a−SiC:H:F等のい
わゆるIV族及びIV族合金系アモルファス半導体が挙
げられる。p層505またはn層503を構成する半導
体材料としては、前述したi層104を構成する半導体
材料に価電子制御剤をドーピングすることによって得ら
れる。また原料としては、p型半導体を得るための価電
子制御剤としては周期律表第IIIの元素を含む化合物
が用いられる。第III族の元素としては、B、Al、
Ga、Inが挙げられる。n型半導体を得るための価電
子制御剤としては周期律表第Vの元素を含む化合物が用
いられる。第V族の元素としては、P、N、As、Sb
が挙げられる。
【0068】本発明の太陽電池に於いては、分光感度や
電圧の向上を目的として半導体接合を2以上積層するい
わゆるタンデムセルにも用いることが出来る。上部電極
506は、半導体層503,504,505で発生した
起電力を取り出すための電極であり、下部電極502と
対をなすものである。上部電極506はアモルファスシ
リコンのようにシート抵抗が高い半導体の場合に必要で
あり、結晶系の太陽電池ではシート抵抗が低いため特に
必要としない。また、上部電極506は、光入射側に位
置するため、透明であることが必要で、透明電極とも呼
ばれる。上部電極506は、太陽や白色蛍光灯等からの
光を半導体層内に効率良く吸収させるために光の透過率
が85%以上であることが望ましく、さらに、電気的に
は光で発生した電流を半導体層に対し横方向に流れるよ
うにするためシート抵抗値は100Ω/□以下であるこ
とが望ましい。このような特性を備えた材料としてSn
2 ,In2 3 ,ZnO,CdO,CdSnO4 ,I
TO(In2 3 +SnO2 )などの金属酸化物半導体
が挙げられる。
【0069】次に、グリッド電極107は半導体層10
3,104,105で発生した起電力を取り出すための
電極であり集電電極と呼ばれる。グリッド電極507は
半導体層505あるいは上部電極506のシート抵抗の
大きさから好適な配置が決定されるがほぼ串状に形成さ
れ、光の入射をできるだけ妨げないように設計される。
【0070】グリッド電極は比抵抗が低く太陽電池の直
列抵抗とならないことが要求され、所望の比抵抗として
は10-2Ωcm〜10-5Ωcmであり、グリッド電極の
材料としては、Ti、Cr、Mo、W、Al、Ag、N
i、Cu、Sn等の金属材料及びAg、Pt、Cu、C
等の金属またはこれらの合金の粉末にポリマーのバイン
ダー、バインダーの溶剤を適度な比率で混合し、ペース
ト状としたいわゆる導電性ペーストが挙げられる。
【0071】本発明において用いられるバスバー508
は、グリッド電極507を流れる電流を更に一端に集め
るための電極である。電極材料としてはAg、Pt、C
u、等の金属やCまたはこれらの合金からなるものを用
いることができ、形態としてはワイヤー状、箔状のもの
を張り付けたりグリッド電極507と同様の導電性ペー
ストを用いても良い。箔状のものとしては例えば銅箔
や、或いは銅箔にスズメッキしたもので、場合によって
は接着剤付きのものが用いられる。
【0072】以上のように作製された太陽電池は、屋外
使用の際、耐候性を良くし機械的強度を保つためにエン
カプシュレーションをしてモジュール化される。具体的
にはエンカプシュレーション用材料としては、接着層に
ついては、太陽電池との接着性、耐候性、緩衝効果の点
でEVAが好適に用いられる。また、さらに耐湿性や耐
傷性を向上させるために、表面保護層としてはフッ素系
の樹脂が積層される。フッ素系の樹脂としては、例えば
4フッ化エチレンの重合体TFE(デュポン製テフロン
など)、4フッ化エチレンとエチレンの共重合体ETF
E(デュポン製 テフゼルなど)、ポリフッ化ビニル
(デュポン製 テドラーなど)、ポリクロロフルオロエ
チレンCTFE(ダイキン工業製 ネオフロン)等が挙
げられる。またこれらの樹脂に紫外線吸収剤を加えるこ
とで耐候性を向上させても良い。
【0073】本発明の太陽電池製造方法に於いては、半
導体層503.504,505及び下部電極502、上
部電極506、グリッド電極507、バスバー508等
の形成方法は大略公知の方法により作製される。アモル
ファスシリコン半導体層の成膜法としては、蒸着法、ス
パッタ法、RFプラズマCVD法、マイクロ波プラズマ
CVD法、ECR法、熱CVD法、LPCVD法等公知
の方法を所望に応じて用いる。工業的に採用されている
方法としては、原料ガスをプラズマで分解し、基板状に
堆積させるRFプラズマCVD法が好んで用いられる。
さらに、RFプラズマCVD法に於いては、原料ガスの
分解効率が約10%と低いことや、堆積速度が1A/s
ecから10A/sec程度と遅いことが問題であるが
この点を改良した成膜法としてマイクロ波プラズマCV
D法を用いることができる。多結晶シリコンの場合は、
溶融シリコンのシート化によりCuInSe2 /CdS
の場合、電子ビーム蒸着、スパッタリング、電解液の電
気分解による折出などの方法で形成される。
【0074】以上の成膜を行うための反応装置として
は、バッチ式の装置や連続成膜装置などが所望に応じて
使用できる。下部電極の作製法はメッキ、蒸着、スパッ
タ等の方法を用いる。上部電極の作製方法としては、抵
抗加熱蒸着法、電子ビーム加熱蒸着法、スパッタリング
法、スプレー法等を用いることができ所望に応じて適宜
選択される。
【0075】グリッド電極507は串状に形成するた
め、形成方法には、マスクパターンを用いたスパッタリ
ング、抵抗加熱、CVDの蒸着方法、あるいは全面に金
属層を蒸着した後にエッチングしてパターニングする方
法、光CVDにより直接グリッド電極パターンを形成す
る方法、グリッド電極パターンのネガパターンのマスク
を形成した後にメッキにより形成する方法、導電性ペー
ストを印刷して形成する方法などがある。前記スクリー
ン印刷法はポリエステルやステンレスで出来たメッシュ
に所望のパターニングを施したスクリーンを用いて導電
性ペーストを印刷インキとして用いるものであり電極幅
としては、最小で50μm位とする事ができる。印刷機
は市販のスクリーン印刷機が好適に用いられる。スクリ
ーン印刷した導電性ペーストはバインダーを架橋させる
ためと溶剤を揮発させるために乾燥炉で加熱する。
【0076】バスバー508の形成方法としては、金属
ワイヤーを導電性接着剤で固定したり、銅箔を張り付け
たりあるいは、グリッド電極507と同様に形成しても
良い。 エンカプシュレーションの方法としては、例え
ば真空ラミネーターのような市販の装置を用いて、太陽
電池基板と前記樹脂フィルムとを真空中で加熱圧着する
方法が望ましい。
【0077】
【実施例】以下に、実施例を挙げて本発明をより詳細に
説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないこと
は言うまでもない。 [請求項1〜6に係わる実施例](実施例1)図1は本
発明の太陽電池モジュールの第1の実施例を示す断面図
である。
【0078】本実施例においては、厚さ125μmのス
テンレス基板上に、アモルファスシリコン太陽電池素子
1を形成した。太陽電池素子1とと厚さ50μmのナイ
ロンフィルム製の絶縁シート材2との接着、及び絶縁シ
ート材2と金属板3(厚さ300μmの亜鉛塗装鋼板製
のモジュール基体部材)との接着を、共に厚さが共に3
00μmのEVA樹脂4を用いて行った。そして、接着
剤であるEVA樹脂が太陽電池素子1の周縁部全域にわ
たって、周縁部より外側にはみ出して上下のEVA樹脂
は一体となり、その上にモジュール表面上全域にわたっ
て被覆材を形成した。
【0079】本実施例において、太陽電池素子1、絶縁
シート材2、金属板3の接着方法を以下に説明する。本
実施例で用いるEVA樹脂は、厚さ300μmのシート
状に形成されたものである。このEVA樹脂シートを絶
縁シート材2の外形より全方向に5mm大きく切りと
り、金属板3の上に載せ、その上に絶縁シート材2を載
せた。この時、金属板3の外形は絶縁シート材2より全
方向に20mm大きく、絶縁シート材2は太陽電池素子
1より同様に1mm大きく作製した。また同様に、EV
A樹脂シートを太陽電池素子1の外形より同じく3mm
大きく切りとり、絶縁シート材2の上に載せ、その上
に、太陽電池素子1を載せた。
【0080】EVA樹脂シートの大きさは、接着剤の量
として接着力の点からは、適正量より多いものである。
しかしこの適正量を越えた接着剤により、太陽電池素子
周縁部に押圧力に加わえた状態で硬化させることで、上
述のb≧1.5aを満たす所望の形状に形成することが
できる。つぎに、離型フィルムとして金属板3より外形
寸法の大きい、厚さ50μmのフッ素樹脂フィルム9を
コロナ放電処理等の易接着処理を施していない面を下側
にして載せた。次にこれを、図6に示す上述の真空ラミ
ネーター装置10に設置した。
【0081】真空ラミネーター装置10は壁面11に管
12が設けられ、この管12が不図示の真空ポンプに接
続されている。また、銅板13の下にはヒーター14が
配置され、所望の温度に設定することができる。15は
シリコンゴム等の可とう性シートであり、弾性を有して
いる。真空ポンプを働かせ、シール材16により、装置
内を気密に封止することができる。この状態で、ヒータ
ー14により、装置内を150℃に30分間保持したの
ち、不図示の冷却水循環装置により室温まで冷却した。
【0082】装置内を150℃で30分間保持するの
は、EVA樹脂を150℃において架橋反応させるため
であり、またこの状態ではEVA樹脂は軟化し、装置内
を真空状態にすることにより、可とう性シート15を介
して大気圧で押さえつけられることになるので、上述し
たように太陽電池素子周縁部及び絶縁シート材からEV
A樹脂がはみ出すこととなる。その結果、図1に示すよ
うに、その表層が太陽電池素子周縁と金属板表面との段
差を埋めてなだらかにする形状が形成される。
【0083】このとき、もしEVA樹脂が150℃で非
常に粘度の低いものであると、大気圧に押さえつけられ
流れてしまい、上記のような形状に形成できなくなる
が、本実施例採用のEVA樹脂は適当な粘性(100,
000 cp)を持っており、段差を埋めなだらかな形
状にすることができた。次に、以上のように作製された
太陽電池モジュールに被覆材を形成する工程について簡
単に説明する。
【0084】太陽電池モジュールの表面全域に、フッ素
樹脂系塗料をエアスプレー装置により数回重ね塗り、加
熱炉中に120℃で40分間放置硬化させることによ
り、150μm程度の被覆層を形成した。この時、本実
施例の太陽電池モジュールは上述したように、太陽電池
素子周縁部においてEVA樹脂は、太陽電池素子周縁と
金属板表面との段差をなだらかにする形状に形成されて
いるので、従来例の問題点である太陽電池素子周縁部に
おいて、被覆材が薄くなるということはなく、被覆材は
均一の膜厚で形成された。
【0085】このフッ素樹脂系の塗料による被覆材は、
上述の引っかき試験に合格するのに充分なものであり、
引っかき試験による被覆材の外観変化及び光電変換効率
等の電気特性変化は認められなかった。以上のように、
作製された太陽電池モジュールは、従来技術で述べたよ
うに太陽電池素子周縁部にオーバーコート材を新たに設
けることがないので、この工程にかかる工程時間及びコ
ストアップを伴わずに、太陽電池モジュールの被覆材の
薄層化が実現できた。
【0086】(実施例2)次に、本発明の第2の実施例
を図7に示す。太陽電池素子1は実施例1と同様に作製
されたものであり、モジュール基体部材として絶縁基板
であるガラス繊維強化ポリエステル樹脂板17を用い
た。太陽電池素子1とガラス繊維強化ポリエステル樹脂
板17は、エポキシ樹脂系の1液加熱硬化タイプの接着
剤(横浜ゴム(株)製Y−3800)18を用いて接着
した。
【0087】接着剤(Y−3800)は未硬化時の粘度
は500pもあるので、ダイコーター装置により塗布し
た。ガラス繊維強化ポリエステル樹脂板17上に太陽電
池素子1の外形より全方向に2mm大きく、厚さ100
μm程度に塗布し、その上に太陽電池素子1を、さらに
第1の実施例と同様に、フッ素樹脂フィルム9を載せ、
真空ラミネーター装置10内に設置した。
【0088】この接着剤塗布範囲を上記の値としたの
は、実施例1と同様に、接着剤がその形成範囲がb≧
1.5aを満たす所望の形状に形成されるように、実験
により得られた結果を基に決定した。また本実施例にお
いては、被着体として外形の大きいガラス繊維強化ポリ
エステル樹脂板17に接着剤の塗布を行ったが、逆に太
陽電池素子1に塗布を行い、所望の接着剤塗布量に足り
ない分は、太陽電池素子周縁部にディスペンサー装置等
を用い、別途、設ける方法を行っても良い。
【0089】つぎに真空ラミネーター装置10に設置
し、内部を真空状態にして後120℃で10分保持し
た。冷却後、太陽電池モジュールを取り出した。接着剤
(Y−3800)の硬化条件は120℃で40分である
が、上記加熱条件により、接着剤Y−3800は第1の
実施例と同様に太陽電池素子周縁とガラス繊維強化ポリ
エステル樹脂板表面との段差をなだらかにする形状に形
成された。また、接着剤(Y−3800)の表層は既に
硬化しており、接着剤の形状を崩すことなく、前記離型
フィルムであるフッ素樹脂フィルムを剥すことができ
た。
【0090】この工程において、接着剤Y−3800の
粘度が500pと非常に高いことにより、第1の実施例
と同様に、大気圧に押されて流れてしまわずに、所望の
形状に形成することができた。表面被覆部材を形成する
工程は第1の実施例と同様に行った。塗料材料を硬化さ
せるために最初に30分間、後で40分間120℃の加
熱炉に入れた。この加熱条件により、接着剤(Y−38
00)を完全に硬化させることができた。
【0091】以上のように作製した太陽電池モジュール
の引っかき試験を行ったところ、試験による被覆材の外
観変化、及び電気特性の変化は認められなかった。 (実施例3)次に、本発明の第3の実施例について説明
する。図8及び図9はそれぞれ本実施例の平面図及びD
−Dにおける断面図である。本実施例においては、モジ
ュール基体部材である1枚の金属板3に対して3個の太
陽電池素子が直列接続されて設けられている。他の構成
は実施例1と同様である。
【0092】19は太陽電池素子2Aと2B及び2Bと
2Cを直列に接続している銅箔であり、太陽電池素子の
正極側においては、銀ペーストによって形成される集電
電20と銀ペースト21によって接続され、負極側にお
いては、太陽電池素子のステンレス基板とステンレス用
ハンダ22によって接続されている。23は銅箔19の
配置部で短絡防止のために設けたポリイミド製絶縁テー
プである。
【0093】銅箔19は平面図8に示すように太電池素
子間に設けられ、銅箔19を除く太陽電池素子周縁部
は、実施例1と同様にEVA樹脂を形成した。ここで、
太陽電池素子間部以外の太陽電池素子周縁部は、第1の
実施例と同様に、太陽電池素子周縁部と金属板表面をな
だらかにつなぐ形状に、図8のE部に示す太陽電池素子
間における接続部以外のところは、太陽電池素子間の凹
部を完全に埋めるように、接着剤の表層が隣接の太陽電
池素子表面をつなぐ断面形状を形成できた。また、銅箔
19による接続部において、凹部状になっているところ
は、シリコン樹脂を用いて埋めた。
【0094】作製した太陽電池モジュールの引っかき試
験を行ったところ、被覆材の外観変化はなく、また試験
後の電気特性の劣化も認められなかった。 (実施例4)次に、本発明の第4の実施例について説明
する。本実施例では、実施例2において接着剤の硬化工
程で用いた真空ラミネーター装置の代わりに、図10に
示す加圧装置を用いた。加圧装置24を用い太陽電池モ
ジュールを加圧固定させた状態で加熱炉に入れ、接着剤
18を硬化させた以外は実施例2と同様にして太陽電池
モジュールを作製した。
【0095】本実施例では、太陽電池モジュールの受光
面側に離型フィルムであるフッ素樹脂フィルム9を載せ
た状態で、シリコンゴム25を介してアルミニウム製の
加圧材26を、また、裏面側には銅板27を配置し、不
図示のバネ部材により、1kg/cm2 程度の加圧状態
となるように固定した。このとき、この加圧力によりシ
リコンゴム25が、F部において図10に示すように適
度に変形するために、接着剤18は太陽電池素子1とガ
ラス繊維強化ポリエステル樹脂板17の段差を埋めるべ
く所望の形状に形成することができた。
【0096】作製した太陽電池モジュールの引っかき試
験を行ったところ、被覆材の外観変化はなく、また試験
後の電気特性の劣化も認められなかった。 [請求項7に係わる実施例](実施例5)本実施例にお
いては、図11のように、非晶質シリコン太陽電池素子
31を表面保護材34、裏面保護材35及び接着剤層3
3によって真空ラミネートして太陽電池モジュールを製
作し、高温度高湿度状態と低温状態の繰り返しサイクル
試験を実施し、フレーム材の脱離状況及び、外部からの
水蒸気の侵入による太陽電池素子の故障及び太陽電池モ
ジュール全体の電気的短絡をによる故障頻度を調べる実
験を行った。
【0097】本実施例で用いた非晶質太陽電池31とし
て、ステンレス・スチール製基板上に基板側から順に
n,i,p,n,i,p型非晶質シリコン薄膜をRFグ
ロー放電法を用いて積層した後、透明電極として酸化イ
ンジウム錫を蒸着し、最後に集電電極として銀ペースト
をグリッド状に印刷して約30cm×9cmの単位とし
たものを13段直列化したものを用いた。図18は非晶
質太陽電池31の構成を示す構造概念断面図である。
【0098】また接着剤層33としては、シート状のE
VAを用い、表面保護材34としては、100μm厚の
シート状のテフゼル(Dupont社商品名)を用い、
裏面保護材35としては、アルミニウム箔を両面から白
色テドラー(Dupont社商品名)で挟んだシートを
用いた。上記の材料を、下から裏面保護材35、接着剤
層33、非晶質シリコン太陽電池素子31、接着剤層3
3、表面保護材34の順に積層し、真空ラミネーターを
用いて100℃でラミネートした。これを太陽電池素子
の外形寸法よりも縦横おのおの4cm外側で矩形に切断
した。
【0099】太陽電池封止部分とフレーム材との接合部
材は、図11及び図14に示す形状で比較的柔軟性のあ
るプラスチックを一体形成することによって作製した。
まず太陽電池封止部分312の長手方向の表側には縦1
38cm、横1.0cm、厚さ約1mmの板状部分の一
つの面に直径5.0mm、高さ1.5mmの円柱状の凸
部が2cm間隔で配置された形状の物37aを作製し
た。太陽電池封止部分の長手方向裏側には、縦138c
m、横0.5cm、厚さ約1mmの板状部分の一つの面
に、上記の円柱状の凸部の場所と対応する場所に直径約
5.0mm、深さ0.5mmの円柱状の凹部が2cm間
隔で配置された形状の物37bを作製した。太陽電池封
止部分の短手方向には、上記の一対の接合部材と同様の
形状で、縦が37cmの接合部材を作製した。接合部材
の長手方向端部は、45度の角度に成形した。
【0100】次に太陽電池封止部分の縁部のうち、上記
の接合部材の長辺を封止部の最外端部に合わせたときに
円柱状の凸部及び穴に対応する部分に表裏面に貫通する
直径3mmの穴を開ける。接合部材にはその相対する面
及び円柱状の凸部及び凹部に市販の水性接着剤を塗布
し、太陽電池封止部分の縁部の穴に、接合部材の凸部が
表面側から貫通した後、裏面側の接合部材の穴に挿入さ
れるようにして圧着した後、約2日間乾燥させた。
【0101】フレーム材38は図11、図14に示す形
状で比較的柔軟性のあるネオプレン・ゴムを一体成形し
て作製した。まず太陽電池封止部分の長手方向の表側に
は縦138cm、横1.0cm、厚さ約5mmの板状部
分にスリット状の溝を配置した形状の物を作製した。ス
リット状の溝の形状は、奥行き6.0mm、厚さ約3.
0mmとした。太陽電池封止部分の短手方向には、上記
と同様の形状で、縦が37cmの接合部材を作製した。
【0102】上記のように予め用意したフレーム材のス
リット状の溝のうち最も内側の部分にのみ、その全長に
わたってブチルゴム製充填材を充填し、残りの部分には
水性接着剤を塗布した後、太陽電池封止部分の縁部に接
着した接合部材にかぶせ、圧着した後約2日間、乾燥さ
せた。発泡材裏面保護部材32は、市販の厚さ3mmの
独立気泡ウレタン発泡材を1.38m×0.35mの矩
形に裁断したものを用いた。この発泡材製裏面保護部材
32の片面及び太陽電池封止部分の裏面(即ちテドラー
面)全面に市販の水性接着剤を塗布し両者を接着させ、
約2日間乾燥させた。
【0103】最後に太陽電池封止部分に出力端子をとり
つけ、それらを保護する防水用の端子箱をモジュールの
表側に設置した。以上の手順で本発明の太陽電池モジュ
ールが完成した。これを10モジュール作製した。 (比較例1)従来例として、太陽電池封止部分にゴム製
のフレーム材を接着剤で接着した太陽電池モジュールを
作製した。
【0104】まず太陽電池封止部分は、前述したものと
同じ太陽電池素子を用い同様の材料、手法、手順で真空
封止し、同寸法にしたものを用意した。フレーム材は図
17に示す形状で比較的柔軟性のあるネオプレン・ゴム
を一体成形することによって作製した。まず太陽電池封
止部分の長手方向の表側には縦138cm、横1.0c
m、厚さ約3mmの板状部分にスリット状の溝を配置し
た形状のものを作製した。スリット状の溝の形状は、奥
行き6.0mm、厚さ約1.0mmとした。太陽電池封
止部分の短手方向には、上記と同様の形状で、縦が37
cmのフレーム材を作製した。
【0105】上記のように予め用意したフレーム材のス
リット状の溝のうち最も内側の部分にのみ、その全長に
わたってブチルゴム製充填材を充填し、残りの部分には
水性接着剤を塗布した後、太陽電池封止部分の縁部にか
ぶせ、圧着した後約2日間、乾燥させた。発泡材裏面保
護部材32は、前述のものと同様の市販の厚さ3mmの
独立気泡ウレタン発泡材を1.38m×0.35mの矩
形に裁断したものを用いた。この発泡材製裏面保護部材
32の片面及び太陽電池封止部分の裏面(即ちテドラー
面)全面に市販の水性接着剤を塗布し両者を接着させ、
約2日間乾燥させた。
【0106】最後に太陽電池封止部分に出力端子をとり
つけ、それらを保護する防水用の端子箱をモジュールの
表側に設置した。以上の手順で従来例の太陽電池モジュ
ールが完成した。これを10モジュール作製した。以上
のように作製した太陽電池モジュールを用いて、フレー
ム材の脱離及び、太陽電池封止部分の端部の剥離や端部
を通じて侵入する水蒸気の起因する太陽電池モジュール
の故障発生の頻度を調べる実験を行った。
【0107】即ち、上記のように作製した太陽電池モジ
ュールを各々10個ずつに対して高温度・高湿度状態と
低温度状態の繰り返しサイクル試験を実施し、試験後の
故障発生率を調べた。上記の環境は市販の環境試験器を
用いて再現した。環境試験装置は、内寸法が幅1.5
m、高さ1.0m、奥行き1.0mのチャンバーをも
ち、チャンバー内の温度は−40〜+200℃、相対湿
度は0〜100%に制御可能なものである。今回は、太
陽電池モジュールの屋外での使用状態を再現する意味
で、UL1703に記載されているパターンに準拠し
て、環境試験器のチャンバー内の温度・湿度を制御し
た。即ち、まず20℃から約110℃/時間の速度で−
40℃まで温度を下降させた後、約40分一定に保持す
る。次に約110℃/時間の速度で+85℃まで温度を
上昇、85℃、相対湿度85%の状態で4時間10分一
定に保持した後、約110℃/時間の速度で20℃まで
温度を下降させる。これが1サイクルのパターンであ
り、これを60サイクル連続して実施した。
【0108】ここでUL1703には記載されていない
が、太陽電池モジュールの屋外における実際の使用状況
を再現する意味では太陽電池モジュールに光を照射する
ことが必要である。しかし、非晶質シリコン太陽電池に
は光劣化することが一般に知られており、光を照射する
ことによって太陽電池モジュールの電気的性能が低下す
る。従って、今回は、この光劣化による太陽電池モジュ
ールへの影響と本発明で問題としている外部からの水蒸
気の侵入が太陽電池モジュールに与える影響を区別する
ために、チャンバー内では太陽電池モジュールに光は照
射しなかった。また、出力端子は、解放状態で、端子箱
で防水した状態に保った。
【0109】上記の環境試験装置のチャンバー内に、作
製した太陽電池モジュール10個を受光面が上方を向く
ように、各々の間隔が約10cmでチャンバー内に水平
に重ねて設置した。上記の試験を60サイクル実施した
後、これらの太陽電池モジュールを環境試験装置から取
り出し、表面に付着した水滴、水分を布で拭き取った
後、フレーム材の脱離状況を調べて、更に、市販の大型
の疑似太陽光発生放置(SPIRE社、240A)を用
いて、個々の太陽電池モジュールの電気性能を測定し
た。照射した疑似太陽光はAM1.5GROBAL、強
度100mW/cm2 であり室温で測定した。
【0110】その結果、フレーム材の脱離が発生したも
の、シャント抵抗が1/10以下に減少したもの、ある
いは、電気的に短絡したものは、本実施例のモジュール
では、10個中4個、比較例のモジュールでは10個中
9個であり、本発明の効果が実証された。 (実施例6)本実施例では、図12、図15に示すよう
に、太陽電池封止部分とフレーム材の接合部材の一辺に
その長手方向全長にわたる段差を設け、フレーム材は接
合部材の段差に対応する部分、即ちスリット状の溝の入
口端部、に断面がL字となる凸部を設けた形状とした。
【0111】本実施例では、接合部材とフレーム材を図
15に示す構造とした以外は、実施例5と同様にして太
陽電池モジュールを10個作製した。太陽電池封止部分
とフレーム材の接合部材107は図12、図15に示す
形状で比較的柔軟性のあるプラスチックを一体成形する
ことによって作製した。まず太陽電池封止部分の長手方
向の表側には縦138cm、横1.0cm、厚さ約3m
mの板状部分の一つの面に直径5.0mm高さ1.5m
mの円柱状の凸部が2cm間隔で配置され、さらに凸部
と反対する面の一辺のみに約2mmの段差を設けいた形
状のもの107aを作製した。太陽電池封止部分の長手
方向裏側には、縦138cm、横0.5cm、厚さ約1
mmの板状部分の一つの面に、上記の円柱状の凸部の場
所と対応する場所に直径約5.0mm、深さ0.5mm
の円柱状の凹部が2cm間隔で配置され、さらに凹部と
反対する面の一辺のみに約2mmの段差を設けた形状の
ものを107b作製した。太陽電池封止部分の短手方向
には、上記の一対の接合部材と同様の形状で、縦が37
cmの接合部材を作製した。接合部材の長手方向端部
は、45度の角度に成形した。
【0112】次に実施例5と同様に太陽電池封止部分の
縁部のうち、上記の接合部材の長辺を封止部分の最外端
部に合わせたときに円柱状の凸部及び穴に対応する部分
に表裏面に貫通する直径5mmの穴を開けた。接合部材
にはその相対する面及び円柱状の凸部を封止部材縁部の
穴に表面側から貫通させた後、裏面側の接合部材の穴に
挿入して圧着した後、約2日間乾燥させた。
【0113】フレーム材108は、図15に示す形状で
比較的柔軟性のあるネオプレン・ゴムを一体成形して作
製した。まず太陽電池封止部分の長手方向の表側には縦
138cm、横1.0cm、厚さ約9mmの板状部分に
図15に示すような断面を有する溝を配置した形状の物
を作製した。スリット状の溝の形状は、外側部分で奥行
き約2mm、厚さ約3mmであり、さらに奥の部分で奥
行き約6.0mm、厚さ約3.0mmとした。太陽電池
封止部分の短手方向には、上記と同様の形状で、縦が3
7cmの接合部材で作製した。
【0114】上記のように予め用意したフレーム材10
8のスリット状の溝のうち最も奥側の部分にのみ、その
全長にわたってブチルゴム製充填材を充填し、残りの部
分には水性接着剤を塗布した後、太陽電池封止部分の縁
部に接着した接合部材にはめこみ、圧着した後、約2日
間、乾燥させた。発泡材裏面保護部材102は、実施例
5と同様のものを用い、太陽電池封止部分の裏面に接着
し、約2日間乾燥させた。最後に太陽電池封止部分に出
力端子、防水用の端子箱をモジュールに設置した。
【0115】以上のように作製した太陽電池モジュール
について、実施例5と同様な評価試験を行った。その結
果、フレーム材の脱離が発生したもの、シャント抵抗が
1/10以下に低下したもの、あるいは、電気的に短絡
したものは、本実施例のモジュールでは10個中3個で
あり、本発明の効果が実証された。
【0116】(実施例7)本実施例においては、本発明
に於ける太陽電池封止部分とフレーム材の接合部材の一
辺にその長手方向全長にわたる段差を設け、一方フレー
ム材に接合部材の段差に対応する部分、即ちスリット状
の溝の入口端部に断面がL字となる凸部を設け、さらに
フレーム材のスリット状の溝の内面に凹部、これと対応
する接合部材に凸部を設けた形状とした。
【0117】本実施例においては、図16に示すフレー
ム材を用い、太陽電池モジュールの構成を図13とした
以外は実施例5と同様にして太陽電池モジュールを10
個作製した。太陽電池封止部分とフレーム材の接合部材
は図16に示す形状で比較的柔軟性のあるプラスチック
を一体成形して作製した。まず太陽電池封止部分の長手
方向の表側には縦138cm、横1.0cm、厚さ約3
mmの板状部分の一つの面に直径5.0mm高さ1.5
mmの円柱状の凸部が2cm間隔で配置され、さらに凸
部と反対する面の一辺のみに約2mmの段差を設け、ま
た凸部と反対する面には、図16に示すような断面が縦
1mm横1mmの凸部を長手方向の全長にわたってもう
けた形状のもの207aを作製した。太陽電池封止部分
の長手方向裏側には、縦138cm、横0.5cm、厚
さ約1mmの板状部分の一つの面に、上記の円柱状の凸
部の場所と対応する場所に直径約5.0mm、深さ0.
5mmの円柱状の凹部が2cm間隔で配置され、さらに
凹部と反対する面の一辺のみに約2mmの段差を設け、
また凹部と反対する面には、図16に示すような断面が
縦1mm横1mmの凸部を長手方向の全長にわたって設
けた形状のもの207bを作製した。太陽電池封止部分
の短手方向には、上記の一対の接合部材と同様の形状
で、縦が37cmの接合部材を作製した。接合部材の長
手方向端部は、45度の角度に成形した。
【0118】次に実施例5と同様に太陽電池封止部分の
縁部のうち、上記の接合部材の長辺を封止部分の最外端
部に合わせたときに円柱状の凸部及び穴に対応する部分
に表裏面に貫通する直径3mmの穴を開けた。接合部材
にはその相対する面及び円柱状の凸部及び凹部に市販の
水性接着剤を塗布し、太陽電池封止部分の縁部の穴に、
接合部材の凸部が表面側から貫通した後、裏面側の接合
部材の穴に挿入されるようにして厚着した後、約2日間
乾燥させた。
【0119】フレーム材208は図16に示す形状で比
較的柔軟性のあるネオプレン・ゴムを一体成形すること
によって作製した。まず太陽電池封止部分の長手方向の
表側には縦138cm、横1.0cm、厚さ約11mm
の板状部分に図16に示すような断面を有する溝を配置
した形状の物を作製した。スリット状の溝の形状は、外
側部分で奥行き約2mm、厚さ約3mmであり、さらに
奥の部分で奥行き約6.0mm、厚さ約3.0mmとし
た。さらに、スリット状の溝の内部には、前述の接続部
材の凸部に対応する位置に凹部、即ち溝、を設けた形状
とした。太陽電池封止部分の短手方向には、上記と同様
の形状で、縦が37cmの接合部材を作製した。
【0120】上記のように予め用意したフレーム材のス
リット状の溝のうち最も奥側の部分にのみ、その全長に
わたってブチルゴム性充填材を充填し、残りの部分には
水性接着剤を塗布した後、太陽電池封止部分の縁部に接
着した接合部材にはめ込み、圧着した後約2日間、乾燥
させた。以上のように作製した太陽電池モジュールにつ
いて、実施例5と同様な評価試験を行った。
【0121】その結果、フレーム材の脱離が発生したも
の、シャント抵抗が1/10以下に低下したもの、ある
いは、電気的に短絡したものは、本実施例のモジュール
では10個中4個であり、本発明の効果が実証された。 [請求項8〜11に係わる実施例](実施例8)図19
(A)に示すテクスチャー構造の被覆材を表面に形成し
たアモルファスシリコン太陽電池100を以下のように
して作製した。
【0122】まず、十分に脱脂、洗浄を行ったSUS4
30BA製基板(30cm×30cm、厚み0.2m
m)501を不図示のDCスパッタ装置に入れAlSi
合金の層とZnOの層とをそれぞれ200nm堆積し、
下部電極502を形成した。前記ZnO層は反射増加機
能、シャント防止機能のため設けた。基板501を取り
出し、不図示のRFプラズマCVD成膜装置に入れn層
503、i層504、p層505の順で堆積を行った。
【0123】その後、不図示の抵抗加熱の蒸着装置に入
れて、酸素を導入しながら1×10-4Torrの内圧に
保ち、InとSnの合金を抵抗加熱により蒸着し、反射
防止効果を兼ねた機能を有する透明なITOの上部電極
506を70nm堆積した。次に、基板501を不図示
のスクリーン印刷機に設置し、幅100μm長さ8cm
のグリッド電極508を間隔1cmで印刷した。このと
きの電極材料としては、Agの導電性ペーストを用い
た。印刷後、基板501をオーブンに入れて150℃で
30分間保持し、前記導電性ペーストをキュアした。
【0124】さらに、幅5mmの接着剤付き銅箔のバス
パー109を接着し、図21に示す30cm角のシング
ルセルを作製した。次に、以下のようにして電着塗料を
建浴した。電着塗料202は固形分10%のアクリル系
カチオン電着塗料を用いた。電着塗料には粒径3μmの
フッ素系のフィラーを5%入れた。次に、基板501の
裏面側をプラスチック製の絶縁性フィルムで覆い電着時
に基板501裏面に電着が施されないようにして、図2
3の電着槽701に浸漬した。対向電極703は、極比
が1:1となるように30cm×30cmの大きさで、
基板501に対して裏側をプラスチック製の絶縁性フィ
ルムを用いてシールしたSUS304ステンレス板を用
いた。基板704にプラス10Vの電圧を印加して60
秒間保持し、電着を行った。太陽電池500を電着槽7
01から引き上げ、純水で十分に洗浄を行い、不要な電
着塗料を洗い流し、50℃/分のオーブンに投入し、3
0分放置して水分を乾燥させた。その後、オーブンの温
度を10℃/分の速度で昇温し、180℃に達してから
30分保持し、電着樹脂の硬化を行い、基板501をオ
ーブンから取り出し室温に戻した。さらに、同様の方法
で試料を10枚作製した。
【0125】得られた試料の表面の粗さを触針式表面粗
さ計で測定したところ平均粗さはRa=2μmであり充
分にテクスチャーな表面が得られることが分かった。 (比較例2)次に、比較のため実施例8と同様の構成で
テクスチャー構造の被覆材のない、図22の構成の太陽
電池600を作製した。
【0126】実施例8と同様に基板601上に上部電極
606までを形成した。次に、実施例1と同様にしてグ
リッド電極607を印刷した。さらに接着剤付きの銅箔
をバスバー608として積層し、図22に示す30cm
角のシングルセルを10枚作製した。以上のようにして
作製した実施例8及び比較例2の試料の特性を以下のよ
うにして測定した。
【0127】まず、試料の表面反射率を測定するためユ
ニオン技研製MCPD−200を用いて試料表面に40
0nmから800nmの光を照射して試料表面からの反
射光を検出し、反射率を測定した。結果を図25に示
す。図25が示すように、本実施例の試料は反射率は低
く、光が太陽電池に吸収され有効利用されていることを
示している。
【0128】次に、この試料の波長毎の分光感度(外部
収集効率)を測定した。測定方法は、JIS C891
5結晶系太陽電池セル分光感度特性測定方法を用いた。
結果を図26に示す。図26から明らかなように、本実
施例の分光感度は比較例1よりも向上していることが分
かった。図25及び図26から分かるように、本実施例
の太陽電池は良好な表面反射防止効果があり、反射率も
収集効率も良好であった。
【0129】つぎに、AM1.5グローバルの太陽光ス
ペクトルで100mW/cm2 の光量の疑似太陽光源を
用いて試料の太陽電池特性を測定した。測定方法とし
て、JIS C8913結晶系太陽電池セル出力測定方
法を用いて、太陽電池の短絡電流値を測定した。実施例
8及び比較例2の短絡電流値は、それぞれ12±0.5
mA/cm2 、10±0.7mA/cm2 であり、実施
例8ではテクスチャー被膜材により良好な特性が得られ
ることが判った。
【0130】以上のように本発明の太陽電池は良好な特
性が得られることが実証された。 (実施例9)次に、電着塗料を変えた以外は実施例8と
ほぼ同様にして図19(A)の構成の太陽電池を作製し
た。まず、実施例8と同様にSUS430BA製基板
(30cm×30cm、厚み0.2mm)101上に下
部電極502を形成し、その後、不図示のRFプラズマ
CVD成膜装置に入れn層503、i層504、p層5
05の順で堆積を行った。実施例8と同様に、反射防止
効果を兼ねた機能を有する透明な上部電極506を70
nm堆積した。
【0131】次に、電着塗料を以下のように建浴した。
まず、実施例8と同様にアクリルメラミン15%及び粒
径5μmのアルミナを2%添加し、ボールミルで10時
間分散した。次に、図23の電着槽701に電着塗料を
いれ、前記基板501を浸漬して、電着を施した。その
後、純水で十分に洗浄し、オーブンで電着樹脂の硬化を
行った。洗浄、硬化条件は実施例8と同様に行った。そ
の後、基板501をオーブンから取り出し、冷却後、グ
リッド電極507をスクリーン印刷で形成し、さらに接
着剤付きの銅箔のバスバー508を積層し、図21に示
す30cm角のシングルセルを作製した。同様にして1
0枚の試料を作製した。
【0132】試料の表面の粗さを触針式表面粗さ計で測
定したところ平均粗さはRa=3μmであり充分にテク
スチャーな表面が得られた。得られた試料の特性を実施
例8と同様に測定したところ短絡電流は11.8±0.
3mA/cm2 であり、比較例2と比較して良好な結果
であった。 (実施例10)次に実施例8において、太陽電池の構成
を図19(B)のテクスチャー被覆材を表面に設けたト
ルプル型アモルファスシリコン太陽電池とし、シリコン
の成膜法をマイクロ波プラズマCVD法とした以外は、
ほぼ実施例8と同様の方法で以下のようにして太陽電池
を作製した。
【0133】まず、基板501上にAg層とZnO層と
からなる下部電極502を形成し、その後、不図示のマ
イクロ波プラズマCVD成膜装置に入れn層503、i
層504、p層505の順で堆積を行いボトム層を形成
した。この時i層504はa−SiGeとした。次にn
層513、i層514、p層515の順で堆積を行いミ
ドル層を形成した。i層514はボトム層と同様にa−
SiGeとした。次にn層523、i層524、p層5
25の順で堆積を行いトップ層を形成した。i層524
はa−Siとした。次に実施例8と同様に、反射防止効
果を兼ねた機能を有する透明な上部電極506を70n
m堆積した。上部電極506としてIn2 3 (IO)
を用いた。
【0134】次に、洗浄および乾燥を行った後エポキシ
系カチオン電着塗料を用いて電着処理を施した。電着塗
料の組成はエポキシ樹脂10%と5μm径のSiO2
体3%を含む物を用いた。電着時には、前記太陽電池に
対して順方向のバイアスが印加されるように行った。そ
の後前記太陽電池を洗浄し、硬化を行った。グリッド電
極507を印刷し、さらにバスバー508を積層し、図
21(E)に示す30cm角のトリプルセルを作製し
た。同様にして10枚の試料を作製した。
【0135】試料の表面の粗さを触針式表面粗さ計で測
定したところ平均粗さはRa=10μmであり充分にテ
クスチャーな表面が得られた。 (比較例3)比較のため実施例10と同様の構成でテク
スチャー被覆材のない太陽電池を以下のようにして作製
した。
【0136】実施例8と同様に基板501上に上部電極
506までを形成した。次に、実施例8と同様にしてグ
リッド電極507を印刷した。さらに接着剤付きの銅箔
をバスバー508として積層し、図21に示す30cm
角のシングルセルを10枚作製した。作製した実施例1
0と比較例3の試料について、実施例8と同様に太陽電
池特性を測定したところ、短絡電流はそれぞれ6±0.
5mA/cm2 、5.3±0.5mA/cm2 であっ
た。
【0137】実施例10と比較例3との結果から、本発
明の太陽電池は良好な特性で有り耐久性も良いことが実
証された。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1及び2の
発明により、通常は塗料材料を厚膜状態に形成すること
のできない太陽電池素子周縁部においても、他の部分と
同様に塗料材料による厚膜形成が可能となり、表面保護
材の薄層化を実現した太陽電池モジュールを提供するこ
とが可能となる。
【0139】また、請求項7の発明により、フレーム材
の太陽電池封止部分からの脱離を防止し、また上記の太
陽電池封止部分の端部を通じて水蒸気が侵入し太陽電池
素子に到達することを防止し、外部から侵入した水蒸気
による太陽電池素子の故障、及び太陽電池モジュールの
内部配線の電気的な短絡による故障を防止することが可
能な太陽電池モジュールを提供することが可能となる。
【0140】さらに、請求項10の発明により、光入射
側の表面が凹凸を有する光透過性の被覆材により被覆
し、光の有効利用を可能とすることで特性の良好な太陽
電池を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1の太陽電池モジュールを示す概略断面
図。
【図2】従来の太陽電池モジュールの一例を示す概略断
面図。
【図3】従来の太陽電池モジュールの一例を示す概略断
面図。
【図4】引っかき試験機の一例を示す概略図。
【図5】従来の太陽電池モジュールで引っかき試験機の
刃が当接した状態を示す概略断面図。
【図6】真空ラミネーター装置の一例を示す概略断面
図。
【図7】実施例2の太陽電池モジュールを示す概略断面
図。
【図8】実施例3の太陽電池モジュールを示す概略平面
図。
【図9】実施例3の太陽電池モジュールを示す概略断面
図。
【図10】実施例4の太陽電池モジュールの作製工程を
示す概略断面図。
【図11】実施例5の太陽電池モジュールを示す概略断
面図。
【図12】実施例6の太陽電池モジュールを示す概略断
面図。
【図13】実施例7の太陽電池モジュールを示す概略断
面図。
【図14】実施例5の太陽電池封止部分とフレーム材の
接合部材との関係を示す概略図。
【図15】実施例6の太陽電池封止部分とフレーム材の
接合部材との関係を示す概略図。
【図16】実施例7の太陽電池封止部分とフレーム材の
接合部材との関係を示す概略図。
【図17】従来のフレキシブルな太陽電池モジュールの
一例を示す概略断面図。
【図18】非晶質太陽電池素子の層構成を示す概略断面
図。
【図19】本発明の太陽電池の構成示す概略断面図。
【図20】本発明の太陽電池の構成示す概略断面図。
【図21】本発明の太陽電池の構成示す概略断面図。
【図22】従来の太陽電池の構成を示す概略図図。
【図23】電着装置の一例を示す概略図。
【図24】ロール・ツー・ロール式電着装置の一例を示
す概略図。
【図25】実施例8の太陽電池の光反射率を示すグラ
フ。
【図26】実施例8の太陽電池の分光感度を示すグラ
フ。
【符号の説明】
1 太陽電池素子、 2 絶縁シート材、 3 モジュール基体部材(金属板)、 4 接着剤(EVA樹脂)、 5 被覆材(フッ素樹脂系塗料)、 6 オーバーコート材、 7 引っかき試験機の刃、 8 おもり、 9 フッ素樹脂フィルム、 10 真空ラミネーター装置、 11 内壁、 12 管、 13 銅板、 14 ヒーター、 15 シリコンゴムシート、 16 シーリング材、 17 ガラス繊維強化プラスチック、 18 エポキシ樹脂系接着剤、 19 銅箔、 20 集電電極、 21 銀ペースト、 22 ステンレスはんだ、 23 ポリイミドテープ、 24 加圧装置、 25 シリコンゴム、 26 加圧材、 27 銅板、 31,101,201,301 非晶質シリコン太陽電
池素子、 32,102,202,302 発泡材製裏面保護部
材、 33,103,203,303 接着剤層、 34,104,204,304 表面保護材、 35,105,205,305 裏面保護材、 36,106,206,306 充填材、 37,107,207 太陽電池封止部分とフレーム材
の接合部材、 38,108,208,308 フレーム材、 112,212,312、412 太陽電池封止部分、 401 ステンレス・スチール基板、 402 n型非晶質シリコン薄膜、 403 i型非晶質シリコン薄膜、 404 p型非晶質シリコン薄膜、 405 n型非晶質シリコン薄膜、 406 i型非晶質シリコン薄膜、 407 p型非晶質シリコン薄膜、 408 反射防止層、 409 集電電極、 500,600 太陽電池本体、 501,601 基板、 502,512,522,602 下部電極、 503,513,523,603 n層、 504,514,524,604 i層、 505,515,525,605 p層、 506,516,526,606 上部電極、 507,517,527,607 グリッド電極、 508 バスバー、 509 被覆材、 701 電着槽、 702 電着液、 704 対向電極、 801 基板送り出しローラー、 802 基板巻き取りローラー、 803 電解槽、 804 洗浄槽、 805 乾燥炉、 806 電源、 807 マスクフィルム送り出しローラー、 808 マスクフィルム巻き取りローラー、 809 マスクフィルム、 810 基板、 811 対向電極、 812 導電性ローラー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川上 総一郎 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 村上 勉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 森 隆弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 一ノ瀬 博文 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内 (72)発明者 山本 浩史 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤノ ン株式会社内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モジュール基体部材、第1の接着剤、基
    板上に光電変換半導体層を形成してなる太陽電池素子と
    が順次積層して配置され、表面が被覆材で被覆されてな
    る太陽電池モジュールであって、前記太陽電池素子の周
    縁と前記モジュール基体部材表面との段差を前記第1の
    接着剤で埋めてなだらかにした後、太陽電池モジュール
    表面全域に前記被覆材を形成したことを特徴とする太陽
    電池モジュール。
  2. 【請求項2】 モジュール基体部材、第1の接着剤(ま
    たは第2の接着剤)、絶縁シート材、第2の接着剤(ま
    たは第1の接着剤)、基板上に光電変換半導体層を形成
    してなる太陽電池素子とが順次積層して配置し、表面が
    被覆材で被覆されてなる太陽電池モジュールであって、
    前記太陽電池素子の周縁と前記基体部材表面との段差を
    前記第1の接着剤で埋めてなだらかにした後、太陽電池
    モジュール表面全域に前記被覆材を形成したことを特徴
    とする太陽電池モジュール。
  3. 【請求項3】 前記第1の接着剤は、前記太陽電池素子
    周縁部近傍に押圧力を加えた状態で硬化したことを特徴
    とする請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 【請求項4】 前記第1の接着剤は、未硬化時において
    100cp以上の粘度を有する液状接着剤、または固形
    状接着剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれ
    か1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 前記第1の接着剤の表面は、有機化合物
    のカップリング剤で処理したことを特徴とする請求項1
    〜4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  6. 【請求項6】 前記被覆材中に有機化合物のカップリン
    グ剤を添加したことを特徴とする請求項1〜5のいずれ
    か1項に記載の太陽電池モジュール。
  7. 【請求項7】 基板上に半導体層を形成してなる太陽電
    池素子を少なくともシート状樹脂及びシート状接着剤で
    真空封止し、該太陽電池素子の封止した部分の縁部がフ
    レーム材のスリット部分に挿入された、フレキシブル性
    を有する太陽電池モジュールにおいて、前記フレーム材
    はスリット内部に前記縁部の一部を貫通して該縁部を挟
    持する接合部材を有することを特徴とする太陽電池モジ
    ュール。
  8. 【請求項8】 光入射側の表面を被覆材で被覆した太陽
    電池において、該被覆材は、凹凸を有し、光透過性であ
    ることを特徴とする太陽電池。
  9. 【請求項9】 前記被覆材は、凹凸の高低差が0.5μ
    m〜10μmであることを特徴とする請求項8記載の太
    陽電池。
  10. 【請求項10】 前記被覆材は、電着法によって形成さ
    れたことを特徴とする請求項8または9記載の太陽電
    池。
  11. 【請求項11】 前記電着法に用いる塗料は、有機また
    は無機材料の粒径0.5μm〜10μmのフィラーを含
    むことを特徴とする請求項10記載の太陽電池。
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