JP2002203978A - 光起電力素子モジュールの短絡欠陥検出方法及び短絡欠陥修復方法 - Google Patents

光起電力素子モジュールの短絡欠陥検出方法及び短絡欠陥修復方法

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JP2002203978A
JP2002203978A JP2000400813A JP2000400813A JP2002203978A JP 2002203978 A JP2002203978 A JP 2002203978A JP 2000400813 A JP2000400813 A JP 2000400813A JP 2000400813 A JP2000400813 A JP 2000400813A JP 2002203978 A JP2002203978 A JP 2002203978A
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孝一 清水
Koji Tsuzuki
幸司 都築
Tsutomu Murakami
勉 村上
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光入射面上に保護層を有する光起電力素子の
欠陥部分を、保護層を除去せずに、保護層の上から感度
良く検出できる光起電力素子モジュールの欠陥検出方
法、及び保護層の上から修復できる光起電力素子の欠陥
修復方法を提供する。 【解決手段】 少なくとも光起電力素子とその光入射面
上に形成された保護層704とからなる光起電力素子モ
ジュールの第一電極701と第二電極702との間の短
絡欠陥を検出する方法であって、保護層704と光起電
力素子の光入射面との接合面を樹脂によって形成し、光
起電力素子にバイアスを印加した状態で、保護層704
の表面から放出される赤外線の放射量を測定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光起電力素子モジ
ュールの第一電極と第二電極との間の短絡欠陥を検出す
る光起電力素子モジュールの短絡欠陥検出方法、及び検
出された短絡欠陥の修復する短絡欠陥修復方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】光起電力素子は、光センサーや太陽電池
等に広く利用されている素子である。図8は、従来の光
起電力素子の断面構成を示す模式図である。図示するよ
うに、光起電力素子を構成する要素としては、入射光を
起電力に変換する光起電力層403、および第一電極4
01、第二電極402等が挙げられる。近年、より低コ
スト生産を目指して、光起電力素子の薄膜化と、大面積
化が進んでいる。特に太陽電池の分野ではその傾向が強
い。
【0003】ところが、薄膜光起電力層403を均一に
生産することは困難であり、生産過程で第一電極401
と第二電極402の間の短絡欠陥412が発生すること
がある。また様々な要因により、使用中に短絡欠陥が発
生することもある。このような状況の中、前述の短絡欠
陥を検出し修復する技術に対する注目度が高まってい
る。
【0004】従来、このような技術としては、特開平0
8−037317号公報や特開平09−266322号
公報に記載されているような熱画像分析を利用した欠陥
検出技術と欠陥部にレーザ光を照射する欠陥修復技術が
利用されていた。
【0005】熱画像分析による欠陥検出の原理は、図9
に示すように光起電力素子に適当なバイアス513を印
加した際に短絡欠陥部512に集中的に電流が流れるこ
とによって放出される赤外線514を熱画像分析装置5
15によって検知するものである。なお、図9におい
て、501は第一電極、502は第二電極、503は薄
膜光起電力層である。
【0006】また、レーザ光照射による欠陥修復の原理
は、図10に示すようにレーザ光616が欠陥612に
照射されることによって、欠陥部の第一電極601、光
起電力層603、もしくは第二電極602が蒸発し、絶
縁化されることによるものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】一般に光起電力素子
は、最終的には外部環境から素子を保護する保護層を素
子の周囲に設けて使用される。この保護層は、素子を機
械的衝撃、腐蝕、外部との短絡等から保護する重要なも
のである。一方、光起電力素子の短絡欠陥は素子の製造
工程の途中や、素子の使用中に様々な要因により発生す
る。したがって、歩留まり向上や、工程簡略化のため
に、光起電力素子の短絡欠陥検出および修復はこの保護
層の上から可能であることが望まれる。なぜなら、保護
層の上から欠陥修復が可能であれば、より最終に近い製
造工程において、欠陥を取り除くことが可能になり、短
絡欠陥に関する歩留まりが向上するためである。また、
使用中に発生した欠陥を、保護層を取り外すことなく修
復可能になるためでもある。
【0008】従来の様な熱画像分析を利用した方法によ
って保護層の上からの欠陥検出を行う場合、光入射面上
の保護層を通して行うことが望ましい。
【0009】その第一の理由は、光入射面上の保護層は
非光入射面上の保護層と比較して一般に赤外線透過率が
高く、高精度欠陥検出が可能になるためである。光入射
面上の保護層は効率良く光を利用するために光の透過率
が高い必要が有り、赤外線に対する透過率も一般に高
い。これに対し非光入射面上の保護層は防湿、強度保
持、絶縁等の性能を最優先して設計されるため、一般に
不透明であり、赤外線透過率は低いのである。
【0010】第二の理由は、光起電力素子の使用状態に
おいて、非光入射面側には光起電力素子の支持体、支持
基板、配線等が設けられることが多く、これらは欠陥検
出および修復の邪魔になるからである。特に太陽電池と
して屋外で使用する光起電力素子の場合、非光入射面側
には架台、屋根等の構造物が存在し邪魔になるために、
一旦、光起電力素子モジュールをそれらの構造物から取
り外した後に欠陥検知修復を行わなければならなくなり
工程が煩雑になる。ところが、光入射面上には入射光路
が存在するため、これを利用して欠陥検出および修復が
容易に可能である。特に太陽電池に関しては屋外に設置
したまま欠陥修復が可能になる。
【0011】以上の理由から、熱画像分析によって光起
電力素子の光入射面上の保護層を通して欠陥検出および
欠陥修復を行う方法が望ましいことが分かる。しかるに
従来の欠陥検出法においては、十分な精度で欠陥検出が
行えなかった。保護層があることによって、十分な量の
赤外線が熱画像分析装置に到達しにくく、欠陥検出感度
が低かった。その結果、保護層を通して欠陥検出を行う
場合は小さな欠陥が見逃され十分に光起電力素子の特性
が回復しない問題が発生していた。
【0012】本発明は、上記事情に鑑みて創案されたも
のであり、その目的は、光入射面上に保護層を有する光
起電力素子の欠陥部分を、保護層を除去することなく、
保護層の上から感度良く検出することができる光起電力
素子モジュールの欠陥検出方法、及び保護層の上から修
復することができる光起電力素子モジュールの欠陥修復
方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成すべ
く、本発明に係る光起電力素子モジュールの欠陥検出方
法は、少なくとも第一電極、光起電力層、及び第二電極
からなる光起電力素子と、少なくとも該光起電力素子の
光入射面上に形成された保護層とからなる光起電力素子
モジュールの第一電極と第二電極との間の短絡欠陥を検
出する方法であって、前記保護層の前記光入射面との接
合面を樹脂によって形成し、前記光起電力素子にバイア
スを印加した状態で、前記保護層表面から放出される赤
外線の放射量を測定するものである。
【0014】上記本発明の光起電力素子モジュールの短
絡欠陥検出方法において、前記樹脂の25℃における熱
伝導率が0.1乃至0.5Wm-1-1であることが好ま
しい。
【0015】また、前記保護層の25℃における波長8
乃至14μmの赤外線に対する放射率が0.85乃至
0.99になるように該保護層を形成することが好まし
い。
【0016】前記接合面の形成方法が液状樹脂を塗布し
た後に硬化させる方法であることが好ましい。
【0017】もしくは、前記接合面の形成方法がフィル
ム状樹脂を加熱圧着させる方法であってもよい。
【0018】前記樹脂が少なくともアクリル樹脂からな
ることが好ましい。
【0019】もしくは、前記樹脂が少なくともエチレン
酢酸ビニル共重合体からなっていてもよい。
【0020】または、前記樹脂が少なくともエチレンメ
タクリル酸共重合体からなっていてもよい。
【0021】また、前記バイアスが、光起電力層に対し
順方向バイアスであることが好ましい。
【0022】さらに、前記赤外線の放射量の測定を暗所
で行うことが好ましい。
【0023】一方、本発明に係る光起電力素子モジュー
ルの短絡欠陥修復方法は、上記のいずれかに記載の欠陥
検出方法によって光起電力素子モジュールの第一電極と
第二電極との間の短絡欠陥を検出した後に、該短絡欠陥
にエネルギービームを照射するものである。
【0024】上記本発明の光起電力素子モジュールの短
絡欠陥修復方法において、前記エネルギービームがレー
ザ光であることが好ましい。
【0025】また、前記レーザ光の波長が350乃至1
100nmであることが好ましい。
【0026】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る光起電力素
子モジュールの短絡欠陥検出方法、および短絡欠陥修復
方法における実施の形態を説明するが、本発明は本実施
の形態に限られない。
【0027】図1は、本発明に係る光起電力素子モジュ
ールの欠陥検出方法を示す模式図である。図1におい
て、701は第一電極、702は第二電極、703は光
起電力層、704は保護層である。光起電力素子(第一
電極701、第二電極702、光起電力層703)の光
入射面上、保護層704と光起電力素子との接合面は、
樹脂になるように形成されている。また712は短絡欠
陥、713はバイアス電流(図の矢印の方向は逆であっ
ても良い)、714は欠陥部より放射された赤外線、7
15は熱画像分析装置である。
【0028】以下に、本発明の欠陥部検出の原理を説明
する。第一電極701と第二電極702間に適当なバイ
アスを印加する。短絡欠陥712に電流が集中してジュ
ール熱が発生し、赤外線が放射される。この赤外線のう
ち、図1の上方に放射された赤外線の一部は保護層70
4を透過し、一部は保護層704に吸収され保護層70
4の温度を上昇させる。また、保護層704の温度は熱
伝導によって第一電極701から直接伝わる熱によって
も上昇する。このようにして温度が上昇した欠陥712
近傍の保護層704からも赤外線が放射される。保護層
704を透過した赤外線や保護層704自体から放射さ
れた赤外線を熱画像分析装置715によって検出するこ
とによって欠陥712の位置を検出する。
【0029】従来、この様な熱画像分析による欠陥位置
検出を行う場合、保護層の無い状態で行うか、保護層が
存在してもガラスであった。ガラスによる保護層はガラ
スの25℃における波長8〜14μmの赤外線の放射率
が0.85程度と低く、欠陥近傍のガラス保護層の温度
が高くなっても、赤外線を放出しにくい。さらに、ガラ
スは熱伝導率が高く、第一電極から伝わる熱や吸収した
赤外線による熱がすばやく保護層内部で拡散し、欠陥近
傍の保護層の温度自体が余り上昇しない。これらの理由
からガラスを保護層に使用した場合は欠陥近傍から放射
される赤外線の量が減少し、欠陥検出感度が低下する問
題があった。
【0030】しかるに、本発明では保護層704の光起
電力素子との接合面を樹脂によって形成することによっ
て、保護層704の赤外線放射率を高め、かつ熱伝導率
を低くした。これによって、前述の赤外線量が減少する
問題が解決され欠陥検出感度が高まる効果を有する。
【0031】以下に、本発明の作用効果を明確にするた
め、各構成要素等について説明する。
【0032】(第一電極および第二電極)光起電力層7
03の表面の面抵抗率を低下させ、効率良く電力を取り
出すために光起電力層703の面上に形成される電極で
ある。
【0033】本発明の短絡欠陥検出方法の効果は第一電
極および第二電極の材質、形状によって失われるもので
は無い。なぜなら、本発明の短絡欠陥検出方法の効果
は、素子にバイアスを印加したことによって短絡欠陥部
で発生した熱が、樹脂によって形成された短絡欠陥部近
傍の保護層704に効率的に蓄熱され、それによって短
絡部近傍の保護層704から新たに赤外線が発生するた
めに短絡欠陥検出の感度が増すことにあるからである。
【0034】本発明も含めて一般的に、熱画像分析装置
による短絡欠陥検出方法の場合、第一電極701もしく
は第二電極702の欠陥で発生した赤外線に対する透過
率が高い方がより多くの赤外線が熱画像分析装置に到達
するため好ましい。具体的には、波長0.65乃至1μ
mの赤外線に対し80乃至98%程度を有することが好
ましい。また、第一電極701もしくは第二電極702
の放射率が高い方がより多くの赤外線が放出されるため
好ましい。具体的には0.80乃至0.98を有するこ
とが望ましい。
【0035】さらに保護層704を通して行う短絡欠陥
検出法の場合、第一電極701もしくは第二電極702
の熱伝導率が高く、かつ薄膜であることが望ましい。な
ぜなら、熱伝導率が高ければ短絡欠陥で発生した熱が速
く保護層704に伝達され、さらに薄膜であれば熱が電
極内で欠陥部近傍から拡散することで熱画像がぼやけ、
欠陥検出解像度が低下することを防ぐ効果があるためで
ある。具体的には熱伝導率が常温で0.1乃至100W
-1-1程度であり、かつ膜厚が100乃至10000
Å程度であることが望まれる。
【0036】また、第一電極701もしくは第二電極7
02の材質、形状および形成方法は、以下の点に留意し
て選択されることが好ましい。光起電力層703から第
一電極701もしくは第二電極702に入る界面と、第
一電極701もしくは第二電極702から保護層704
に入る界面での、赤外線に対する反射率が低くなるよう
に選択されることが好ましい。こうすることで、赤外線
が分析装置に到達し易いからである。また、光起電力層
703から第一電極701もしくは第二電極702に入
る界面と、第一電極701もしくは第二電極702から
保護層703に入る界面での熱抵抗が小さくなるように
選択することも好適である。これはより熱を保護層70
4に伝達可能になり、欠陥近傍の保護層704において
赤外線が発生し易くする効果があるからである。
【0037】以下に、一般的な電極について説明する。
【0038】光入射面上に形成される電極は光起電力層
703で電力に変換される波長の光に対して透過率が高
い必要があり、透明電極層や、櫛歯型の部分電極、また
それらを組合したものが使用される。透明電極層の材質
としては錫酸化物、インジウム酸化物、インジウム錫酸
化物、金等が挙げられる。製法は一般に蒸着、スパッタ
等の真空成膜法や材料の微粒子を分散させた透明樹脂を
塗布し、硬化させる方法による。櫛歯型の部分電極の材
料としては銅、アルミ、金、銀、ニッケル、錫、鉛等よ
りなる金属細線や、銀、銅、ニッケル、金、カーボン等
の導電性微粒子をエポキシ、アクリル、フェノキシ樹脂
等に分散させた導電性ぺースト、また、錫、鉛、半田等
の低融点金属等が挙げられる。製法は金属細線を導電性
樹脂で光起電力素子表面に接着する方法や、導電性樹脂
をスクリーン印刷によって光起電力素子上に印刷し硬化
させた上に、さらに低融点金属を印刷しリフローする方
法等が公知である。
【0039】非光入射面上の電極は透明である必要は無
いが、電気伝導率とコストが低い必要があり、一般には
金属や金属酸化物の薄膜層や金属の板、櫛歯型の部分電
極、さらにこれらを組合したものが使用される。薄膜層
の材質としては金、銀、銅、アルミ、ニッケル、錫、
鉛、酸化亜鉛が、金属の板の材質としてはSUS、銅、
アルミ、鉄等が挙げられる。薄膜層の製法は蒸着、スパ
ッタ等の真空成膜法や材料の微粒子を分散させた透明樹
脂を塗布し、硬化させる方法による。櫛歯型の部分電極
については光入射面上に形成する場合と同様である。
【0040】本発明の短絡欠陥修復方法においては、エ
ネルギービームを短絡欠陥部に照射することによって光
入射側の第一電極701もしくは第二電極702を、場
合によっては光起電力層703を分解、昇華、もしくは
変質させる。このため使用するエネルギービームに対す
る第一電極701もしくは第二電極702のエネルギー
吸収率が高いことが好ましい。また、逆に使用するエネ
ルギービームに対するエネルギー透過率が高いことも効
果的である。これは第一電極701もしくは第二電極7
02を透過したエネルギービームが光起電力層703に
吸収され、光起電力層703の温度が上昇し、その熱エ
ネルギーが第一電極701および第二電極702に伝達
されることによって、第一電極701もしくは第二電極
702が分解、昇華、変質するためである。具体的に
は、エネルギービームとしてYAGレーザ、YAGレー
ザの高調波、エキシマレーザ等を使用する場合は錫酸化
物、インジウム酸化物、インジウム錫酸化物が好適であ
る。
【0041】(光起電力層)光起電力層703は、入射
された光のエネルギーを電力に変換する層である。
【0042】本発明の短絡欠陥検出方法の効果は、短絡
欠陥を含み得る光起電力層であれば、光起電力層の材
質、形状、製法によって失われるものでは無い。なぜな
ら、本発明の短絡欠陥検出方法の効果は、素子にバイア
スを印加したことによって短絡欠陥部で発生した熱が、
樹脂によって形成された短絡欠陥部近傍の保護層に効率
的に蓄熱され、それによって短絡部近傍の保護層704
から新たに赤外線が発生するために欠陥検出の感度が増
すことにあるからである。
【0043】しかし、本発明に限らず光起電力層の欠陥
検知および欠陥修復に関する発明は、当然、短絡欠陥が
つくりこまれる確率の高い光起電力層に対してその効果
が高い。一般に光起電力層703が薄くなるほど第一電
極701と第二電極702の距離が縮まるため、短絡欠
陥が発生する確率は高くなる。また、光起電力層703
を構成する半導体の構造が単結晶のものよりは多結晶、
アモルファスの方が密度が低く欠陥が混在し易い。ま
た、欠陥が造りこまれる確率は、製造方法にも依存す
る。一般に、チョクラルスキー法による単結晶成長法が
最も短絡欠陥が発生し難い製法である。熱交換法等の多
結晶形成法や、リボン結晶成長、蒸着法、スパッタ法、
CVD法等の薄膜形成法は比較的短絡欠陥が発生し易
い。
【0044】以下に、一般的な光起電力層について説明
する。
【0045】一般的な光起電力層703は、半導体接合
層からなる。半導体は、材料の面で大きくシリコン系
と、ガリウム砒素や硫化カドミウムに代表される化合物
半導体系とに分けられる。また接合のバンド構造の面
で、単純な同種のp型半導体とn型半導体との接合であ
るpn接合型、禁制帯の異なる異種半導体の接合からな
るヘテロ接合型、半導体と金属のショットキーバリア型
に分類される。結晶構造の面での分類では結晶系、アモ
ルファス系に分類される。層構造の面では接合一層から
なるシングル、接合二層を重ねて直列化したタンデム、
さらに三層を重ねたトリプル等が公知である。
【0046】特に真空成膜法による低コスト生産が可能
であり、最も注目されている薄膜半導体層について説明
する。一般に、CVD法による太陽電池はシリコン系の
ものが多い。得られる太陽電池の結晶構造は微結晶やア
モルファスである。層構造はp層、i層、n層を積層し
たモノ接合、ヘテロ接合や、金属電極層と組合したショ
ットキーバリア型等が公知である。i層を構成する半導
体材料としては、a−Si:H、a−Si:F、a−S
i:H:F、a−SiGe:H、a−SiGe:F、a
−SiGe:H:F、a−SiC:H、a−SiC:
F、a−SiC:H:F等のいわゆるIV族及びIV族
合金系アモルファス半導体や微結晶半導体が挙げられ
る。
【0047】p層またはn層を構成する半導体材料とし
ては、前述したi層を構成する半導体材料に価電子制御
剤をドーピングすることによって得られる。また原料と
しては、p型半導体を得るための価電子制御剤としては
周期律表第IIIの元素を含む化合物が用いられる。第
IIIの元素としては、B、Al、Ga、Inが挙げら
れる。n型半導体を得るための価電子制御剤としては周
期律表第Vの元素を含む化合物が用いられる。第V族の
元素としては、P、N、As、Sbが挙げられる。
【0048】真空成膜法としては、蒸着法、スパッタ
法、RFプラズマCVD法、マイクロ波プラズマCVD
法、VHFCVD法、ECR法、熱CVD法、LPCV
D法等が好適に用いられる。工業的に採用されている方
法としては、原料ガスをRFプラズマで分解し、基板上
に堆積させるRFプラズマCVD法が好んで用いられ
る。しかし、RFプラズマCVDに於いては、原料ガス
の分解効率が約10%と低いことや、堆積速度が1Å/
secから10Å/sec程度と遅いことが問題である
ため、この点を改良できる成膜法としてマイクロ波プラ
ズマCVD法やVHFプラズマCVD法が注目されてい
る。以上の成膜を行うための反応装置としては、バッチ
式の装置やロール・ツー・ロール連続成膜装置などの公
知の装置が所望に応じて使用される。
【0049】(保護層)保護層704は、光起電力層7
03を外部環境から保護する層である。保護層704は
光起電力素子の周囲に形成し、機械的強度、耐湿性、耐
候性、電気絶縁性、意匠性を持たせるためのものであ
る。光入射面上のものと非光入射面上のものとに分けら
れる。
【0050】光入射面上の保護層は前記、機械的強度、
耐湿性、耐候性、電気絶縁性、意匠性の他に光透過性が
必要である。
【0051】光入射側の保護層の材質としては無機ガラ
ス系のものと樹脂系のもの、それらを組み合わせたもの
が公知である。無機ガラス系の保護層の製法は板状ガラ
スを保護層、兼基板として、その表面上に透明電極層、
光起電力層、裏面電極層を順に成膜する方法で形成する
ことが一般的である。ガラスの種類は強化白板ガラスが
使用されることが多いが、その他の青板ガラスも使用可
能である。
【0052】しかし、一般にガラス保護層は25℃にお
ける波長8乃至14μmの赤外線の放射率が0.85程
度と低く、温度の割に赤外線を放出しない。さらに、ガ
ラスは熱伝導率が高く第一電極から伝わる熱や吸収した
赤外線による熱がすばやく保護層内部で拡散し欠陥近傍
の保護層の温度自体が余り上昇しない。これらの理由か
らガラスを保護層に使用した場合は欠陥近傍から放射さ
れる赤外線の量が減少し、欠陥検出感度が低下する。し
たがってガラスは本発明においては、この様な無機ガラ
ス保護層は使用しない。
【0053】本発明は前述の樹脂系、および無機ガラス
と樹脂を組合した保護層704を使用する。具体的に
は、保護層704の光起電力素子の光入射面との接合面
を樹脂によって形成したことを特徴とする。樹脂の赤外
線の放射率は一般にガラスよりも高く、かつ熱伝導率は
ガラスよりも低い。これによって、光起電力層703の
短絡欠陥部で発生した熱が欠陥近傍の保護層704にこ
もり、多くの赤外線を発生するため短絡欠陥検出感度が
上がる。具体的には25℃における波長8乃至14μm
の赤外線に対する保護層704の放射率は0.85乃至
0.99程度が好ましく、また、保護層704と光入射
面との接合面に形成される樹脂の25℃における熱伝導
率が0.1乃至0.5Wm-1-1程度が好ましい。
【0054】保護層704と光起電力素子の光入射面の
接合方法は液状樹脂をコートした後に硬化させる方法
や、液状樹脂を型に流した後に硬化させる方法、フィル
ム状樹脂をラミネートする方法等が公知である。本発明
の場合は液状樹脂をコートする方法、およびフィルム状
樹脂をラミネートする方法が好適である。なぜなら、こ
れらの方法を用いれば、光起電力素子の光入射面と保護
層704との界面の接着をムラ無く形成することが容易
に可能となり、光起電力素子の光入射面内において一様
な短絡欠陥検出感度得られる。
【0055】ここで言う接着ムラとは、光起電力素子か
ら保護層704への熱の伝導に対する熱抵抗値の、接合
界面における分布ムラである。熱抵抗値の分布ムラがあ
る場合、これが原因となって、光起電力素子の光入射面
内において短絡欠陥検出感度分布にムラが発生し、一様
な短絡欠陥リペアが不可能になる。なぜなら、熱抵抗の
大きい部分では短絡欠陥部で発生した熱が保護層に伝達
されにくく、放射率の低い光起電力素子内に残るため放
射される赤外線量が減少し、熱抵抗の小さい部分では短
絡欠陥で発生した熱が保護層に伝達され易く、放射率の
高い保護層から効率的に赤外線が放射されるためであ
る。
【0056】液状樹脂をコートする方法では樹脂の粘度
が他の方法に比較して低いため樹脂が光起電力素子の光
入射面になじみ易い。これによって、接合面内の熱抵抗
ムラが容易に小さくなる。また、フィルム状樹脂をラミ
ネートする方法では比較的粘度の高い樹脂を使用しなけ
ればならないが、シート状のフィルムの上から空圧によ
って容易に圧力を加えることが可能であるため、液状樹
脂コート法と同様に樹脂が光起電力素子の光入射面にな
じみ熱抵抗ムラが容易に小さくなる。一方、液状樹脂を
型に流した後に硬化させる方法では、粘度の低い樹脂を
使用すると型から樹脂が漏れ、粘度の高い樹脂を使用す
ると型に充填不能となるため、中程度の粘度の樹脂が使
用される。この場合、熱抵抗ムラの小さな接合を形成す
るには圧力を印加することが必要であるが、精密な型を
作製しなければ圧力を印加出来ないため、熱抵抗ムラを
小さくすることは容易ではない。
【0057】液状樹脂をコートする方法としてはスプレ
ー塗布して硬化させる方法、スピンコートする方法、カ
ーテンコートする方法が一般に公知である。また、フィ
ルムラミネート法は真空ラミネート法と加圧ラミネート
法、真空加圧ラミネート法が挙げられる。真空ラミネー
ト法は、光起電力素子とフィルム樹脂の積層体を基板と
ラバーシートの間に挟み、基板とラバーシートの間のガ
スを排気しながら樹脂を加熱溶融させる方法である。加
圧ラミネート法は、前記ラバーシートの上からガスによ
って加圧しながら樹脂を加熱溶融させる方法である。ま
た、真空加圧ラミネート法は、基板とラバーシートの間
を排気しながら、かつラバーシートの上からガスによっ
て圧力を加えて樹脂を加熱溶融させる方法である。本発
明においてはこれらどの方法であっても良い。
【0058】本発明の樹脂系の保護層704には基本的
に光起電力層703に必要な光を透過すればいかなる樹
脂も使用可能である。また樹脂の種類によってその効果
が失われることは無い。具体的な樹脂名として、エチレ
ン酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレンメタクリル
酸共重合体(EMAA)、エチレンアクリル酸メチル共
重合体(EMA)、エチレンアクリル酸エチル共重合体
(EEA)、ブチラール樹脂などのポリオレフィン系樹
脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂などが
挙げられる。なかでも、アクリル樹脂、エチレン酢酸ビ
ニル共重合体、およびエチレンアクリル酸メチル共重合
体(EMA)は放射率が適度に高く、熱伝導率が適度に
低いため好適である。
【0059】さらに、光起電力素子が太陽電池として屋
外で使用するものであれば、その望まれる特徴として、
透明度は400乃至800nmの可視光波長領域におい
て80%以上である事、40℃、90%RHでの透湿度
が0.01〜20g/m2・day程度であり高い耐湿
性を兼ね備えている事が挙げられる。また、耐候性を向
上させるために必要に応じて無機化合物を添加すること
も公知である。さらに、防湿性を高めるために分子を架
橋し、網目構造を形成した硬化樹脂とすることが望まし
い。
【0060】硬化方法としては大気の湿気による湿気硬
化型、イソシアネートによる硬化、ブロッキングイソシ
アネートによる加熱硬化がある。中でも、アクリル樹脂
とオルガノシロキサンからなる無機ポリマーをブロッキ
ングイソシアネートにより加熱架橋させる方法が好適で
ある。ブロッキング剤の解離温度は80℃以上220℃
以下が望ましい。80℃以下であると樹脂自体のポット
ライフが短くなる。220℃以上であると解離させる為
の加熱がアクリル樹脂事態を熱劣化させ、光起電力素子
に悪影響を及ぼすおそれがある。解離後のブロッキング
剤は少なくとも一部は塗膜中に残存する為、塗膜組成物
と着色反応しないものを選択すべきである。また、接着
性を付与する為に、シラン系、チタン系、アルミ系カッ
プリング剤を樹脂分に対して0.05乃至10%添加す
る事も可能である。好ましくはシラン系カップリング剤
を0.05〜8.0%添加して用いる。具体的な塗膜形
成方法としては、樹脂溶液をスプレーコーター、スピン
コーター、カーテンコートにより光起電力素子上にコー
ティングを行って、溶剤を乾燥した後に加熱硬化させ
る。
【0061】樹脂系の保護層と無機ガラス系の保護層を
組合した保護層704としては、板状ガラスを光起電力
素子の表面に透明樹脂で接着するタイプと繊維状ガラス
を樹脂保護層内に混入させるタイプが公知である。本発
明はこのどちらのタイプでも有効である。
【0062】(短絡欠陥)短絡欠陥712は、第一電極
701から第二電極702に、光起電力層703を貫通
する低抵抗導通経路である。第一電極701および第二
電極702の構成材料が光起電力層703のピンホール
に入り導通するもの、光起電力層自体が低抵抗化して短
絡するものがある。本発明においては、エネルギービー
ムを照射することによって短絡欠陥部の第一電極701
もしくは第二電極702、場合によっては光起電力層7
03までを分解、昇華、変質させることによって短絡を
修復する。そのため、前述のどちらのタイプであっても
修復可能である。
【0063】(バイアス)バイアス713は、第一電極
701から第二電極702に流す電流である。光起電力
層703の正極から負極に向かって流す順方向バイアス
と、負極から正極に向かって流す逆方向バイアスとがあ
る。順方向バイアスの場合、電流は短絡欠陥部以外の光
起電力層中も流れるが、逆方向バイアスの場合は短絡欠
陥のみを流れる。逆バイアスの方が欠陥部のみに電流が
集中するため、欠陥と非欠陥部のコントラストが得易
い。しかし、短絡欠陥を有する光起電力素子は過度に逆
バイアスを印加すると短絡欠陥が増加する傾向がある。
光起電力素子の電流電圧特性を悪化させる程の短絡欠陥
は順方向バイアスであっても、非欠陥部と比較して十分
大きな電流が流れ発熱する。したがって、順方向バイア
スの方が熱画像分析による短絡欠陥検出法の場合、好適
である。具体的には、光起電力素子に1SUNの光を照
射した場合の短絡電流をIcとして、その10乃至15
0%程度の順方向バイアスが好適である。
【0064】(暗所)熱画像分析装置には、光起電力素
子から発生する赤外線以外の電磁波が入射しないことが
検出感度を向上させるために有効である。そのためには
欠陥検出を暗室で行うことが有効である。また、屋外に
設置した太陽電池の欠陥を検出する場合は夜間行うこと
が有効である。
【0065】(エネルギービーム)エネルギービームと
しては電磁波、電子線、その他の粒子線が挙げられる。
本発明で好適なエネルギービームは光起電力素子の光入
射側電極、場合によっては、光起電力層に吸収され、こ
れらを分解、昇華、変質させる作用を有するエネルギー
のビームである。
【0066】本発明では、光入射側の保護層を透過させ
て短絡欠陥部に照射させるため、保護層にエネルギーを
吸収されにくいエネルギービームを選択することが好適
である。特に電磁波は、それを透過させる保護層が多く
好適である。中でもレーザ光はエネルギー密度を高め易
く、加工性が高いため、好適に使用される。レーザの波
長は350乃至1100nmであることが好適である。
なぜなら、350nm以下、もしくは1100nm以上
の波長の光は樹脂に吸収され易いためである。特にアク
リル樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンメタ
クリル酸共重合体は350nm以下、もしくは1100
nm以上の波長の光を吸収し、ダメージを受けやすい。
さらに、保護層でエネルギーが吸収されてしまうことに
よって、欠陥の修復率が低下してしまう。
【0067】したがって、このような樹脂を含む保護層
を使用している光起電力素子の欠陥部を保護層の上から
レーザ光を照射して、欠陥部を修復する場合、この保護
層の破壊を防ぎ、欠陥修復率を低下させないために、波
長350乃至1100nmのレーザ光を選択することが
特に効果的である。
【0068】光入射側電極がインジウム錫酸化物、錫酸
化物等の透明電極層であり、光起電力層がシリコン系の
半導体層であり、かつ保護層が透明樹脂の場合は特にY
AGレーザ光が、各層に対する吸収率比が望ましく、透
明電極層の加工性も良いため好適に使用される。エネル
ギービームはパルス化することでよりエネルギー密度を
高め易く加工性が高まるため好ましい。特にレーザ光の
場合、Qスイッチ発振によって容易にピークエネルギー
の高いレーザ光を瞬時に照射可能であるため、レーザ照
射部以外に熱影響の及ばない加工が可能になる。これは
短絡欠陥部のみを加工することが可能であることを意味
する。
【0069】本発明においては、エネルギービームを短
絡欠陥部に照射する手段は公知の方法を適宜使用可能で
ある。熱画像分析装置によって検出した短絡欠陥部に手
動でマーキングを施し、そこにエネルギービームを照射
してもよいし、熱画像分析装置、欠陥位置記憶装置、エ
ネルギービーム照射装置を一体化して自動欠陥検出修復
装置としても良い。
【0070】
【実施例】本発明の光起電力素子モジュールの短絡欠陥
検出方法、および短絡欠陥修復方法について実施例を図
面に基づいて詳しく説明するが、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。
【0071】〔実施例1〕 (光起電力素子モジュールの製作)まず、以下のように
本実施例の光起電力素子モジュールを製作した。図2
は、本実施例で製作した光起電力素子の斜視図である。
また図3は、本実施例で作製した光起電力素子に保護層
を形成する工程を示す説明図である。
【0072】本実施例の光起電力素子モジュールの製造
過程を説明する。
【0073】図2の光起電力素子は第一電極101、第
二電極102、光起電力層103を含む光起電力素子で
ある。まず、第二電極102の作製を行った。ガラス基
板105の上に第二電極102を形成する方法を採用し
た。厚さ4mm、縦7cm、横20cm強化白板ガラス
を洗浄機に通して、ガラスの表面を洗浄した。洗浄方法
としては、アセトンとイソプロパノールで十分超音波洗
浄した後、110℃に保たれた乾燥炉で温風乾燥させる
方法を採用した。
【0074】次に、洗浄したガラス板105上にスパッ
タリング装置を用いて膜厚70nmのITOを成膜し
た。第二電極102はガラス基板上の所定の位置に所定
の大きさの四辺形となるように、基板上にマスクを施し
て形成した。最後に公知のYAGレーザの基本波による
スクライブ法を使用して第二電極102に溝を形成し、
電気的に分離された状態で併設された短冊型の五個の第
二電極102を作製した。溝の間隔は1cm、幅は85
μmであった。
【0075】次に、第二電極102上に光起電力層10
3を形成した。公知のCVD装置に前述のガラス基板を
通すことによって光起電力層103を形成した。RFP
CVD法でa−Siからなるn層(厚み25nm)、M
WPCVD法でa−SiGeからなるi層(厚み80n
m)、RFPCVD法でμc−Siからなるp層(厚み
5nm)(以上ボトム層)、RFPCVD法でa−Si
からなるn層(厚み10nm)、MWPCVD法でa−
SiGeからなるi層(厚み75nm)、RFPCVD
法でμc−Siからなるp層(厚み5nm)(以上ミド
ル層)、RFPCVD法でa−Siからなるn層(厚み
10nm)、RFPCVD法でa−Siからなるi層
(厚み85nm)、RFPCVD法でμc−Siからな
るp層(厚み4nm)(以上トップ層)を順次積層し、
a−Si/a−SiGe/a−SiGeトリプル型光起
電力層103を作製した。
【0076】なお、i層のゲルマニウム組成は、ボトム
層で0.60、ミドル層で0.50であった。また、i
層のバンドギャップは、ボトム層で135eV、ミドル
層で140eV、トップ層で175eVであった。
【0077】光起電力層103も第二電極102と同様
にガラス基板上の所定の位置に所定の大きさの四辺形と
なるように、基板上にマスクを施して形成した。最後に
公知のYAGレーザの第二高調波を使用するスクライブ
法によって前述の第二電極102の溝に隣接して沿う様
に光起電力層に溝を形成した。溝の幅は100μmであ
った。これによって光起電力層103も第二電極102
と同様に併設された五個の短冊型光起電力層になった。
【0078】さらに、光起電力層103上に、第一電極
101として、膜厚70nmのITOをスパッタ法で成
膜した。この第一電極101も光起電力層103と同様
にガラス基板上の所定の位置に所定の大きさの四辺形と
なるように、基板上にマスクを施して形成した。最後に
公知のYAGレーザの基本波を使用するスクライブ法に
よって、前述の光起電力層103の溝を挟んで第二電極
102の溝とは反対側に、光起電力層103の溝に隣接
して沿う様に第一電極101に溝を形成した。溝の幅は
50μmであった。これによって、直列化された5個の
光起電力素子からなるストリングを得た。
【0079】また、併設された短冊型の第二電極102
のうち、最端部の第二電極で、その上面に光起電力層1
03を形成しなかった第二電極の上と、同様に併設され
た短冊型の第一電極101のうち、最端部の第一電極
で、直接ガラス基板の上に形成した第一電極の上とに、
銀ペーストによる短冊型の取り出し電極106を形成し
た。さらに、取り出し電極106にリード線107を半
田で接続した。同時に計約800枚の光起電力素子のス
トリングを製作した。
【0080】次に、光起電力素子の第一電極101の表
面上に樹脂による一層目の保護層(104−1)を形成
した。形成方法は樹脂をスプレー塗布した後に熱硬化さ
せる方法を採用した。メタクリル酸2−ヒドロキシエチ
ルからなるアクリル樹脂52重量部、ε−カプラクタム
をブロッキング剤としたヘキサメチレンジイソシアネー
ト30重量部、オルガノシロキサン13重量部、γ−グ
リシドキシプロピルトリメトキシシラン5重畳部を、キ
シレン50重畳部およびメチルイソブチルケトン50重
量部の混合溶媒にて上記樹脂を樹脂分35%になるよう
に稀釈した塗布用溶液を作製し、スプレーコートにて光
起電力素子の光入射面上に硬化後25μm厚になるよう
に塗布し室温で15分間乾燥後、200℃にて10分間
加熱硬化した。
【0081】さらに、前述のストリングを樹脂保護層に
よって包み、光起電力素子モジュールを完成させた。樹
脂保護層で包む方法を図3に示す。形成方法は真空ラミ
ネート法を採用した。ストリングを形成したガラス基
板、補強材(104−2)、光入射面側樹脂フィルム
(104−3)を重ね、さらにシリコンラバーシート1
08を重ねて、シリコンラバーシートとガラス基板の間
を排気しながら加熱し、光入射面側および非光入射面側
樹脂フィルムを熱硬化させた。
【0082】光入射面側樹脂フィルム(104−3)は
エチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル25重量
%)と、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化
剤を混合して処方された、460μmのEVAフィルム
と、表面層(不図示)として、EVAフィルムと接する
面に予めプラズマ処理を施した無延伸のエチレン−テト
ラフルオロエチレンフィルム(ETFE)50μmを加
熱圧着させた一体積層フィルムを使用した。また、補強
材(104−2)は、目付け量40g/m2、厚さ10
0μm、結着剤アクリル樹脂40%含有、線径10μm
のガラス不織布を用いた。
【0083】ラミネート条件は、排気速度10kPa/
sec、真空度70Paで30分間排気し、その後、1
60度の熱風オーブンにラミネート装置を投入し、50
分間加熱した。この際のEVAは、140度以上15分
間以上という環境に置かれる。これにより、EVAを溶
融、架橋させた。また光入射側樹脂フィルムと非光入射
側フィルムは溶融し一体化してストリングを包み込む保
護層となる。また、溶融した光入射側樹脂フィルムはガ
ラス不織布(補強材104−2)の繊維の間にも隙間無
く浸透した。
【0084】(熱伝導率の測定)本実施例で使用した光
起電力素子の第一電極側保護層の中で、光起電力素子の
第一電極101との接合面を形成する樹脂、つまり保護
層最下層(104−1)を形成する樹脂の熱伝導率を測
定した。測定方法は、高分子材料の熱伝導率を測定する
場合に利用される準定常法によって測定した。図4は、
熱伝導率の測定方法を示した模式図である。図4のPは
熱伝導率を測定するサンプル、Sは熱容量の分かってい
る銅プレート、Hはヒータを埋め込んだ銅プレート、S
HおよびMは断熱シールドである。熱伝導率kは、銅プ
レートH、およびSの温度変化から次式によって算出さ
れる。
【0085】k=Cs(L/A)(dTs/dt)(1
/2ΔT)(1+Cp/2Cs) ここで、Csは銅プレートSの熱容量、LおよびAはサ
ンプルPの厚さおよび断面積、dTs/dtは銅プレー
トの温度上昇速度、ΔTは銅プレートSとHの温度差、
CpはサンプルPの熱容量である。
【0086】本実施例では二つの銅プレートHの表面
に、光起電力素子の表面に作製した条件と同条件で保護
層最下層(104−1)を作製してサンプルPとした。
先に公知の方法でサンプルPの熱容量を測定し、さらに
前述の準定常熱伝導率測定法で熱伝導率を測定した。測
定された25℃における保護層最下層(104−1)の
熱伝導率は0.10Wm-1-1であった。
【0087】(保護層の放射率の測定)本実施例で使用
した光起電力素子の光入射面側保護層の25℃における
放射率ε(波長8〜14μmの赤外線に対するもの)を
測定した。測定の方法は次の通りである。まず、光入射
面に保護層を形成する前の光起電力素子全体を25℃に
保ち、光入射面の法線方向に放射される赤外線を波長8
〜14μmの分光感度フィルターに通して、その総エネ
ルギー量E0を測定した。測定には赤外線センサーを使
用し、フィルターおよびセンサーも正確に25℃に保っ
た。また、センサーには光起電力素子より発せられる赤
外線のみが入射するように、外部赤外光の反射を防止し
た。次に光入射面上に保護層を形成した後に、同様の測
定によって総エネルギー量Eを測定した。E0と、E
と、25℃の黒体から放射されるエネルギー量E1と、
25℃のフィルターからの放射されるエネルギー量Ef
とから、保護層の放射率を算出した。
【0088】ε=((E−Ef)−(E0−Ef))/
(E1−Ef) 算出した結果、本例の保護層の25℃における放射率は
平均で0.95であった。
【0089】(光起電力素子モジュールの出力測定)本
実施例で製作した光起電力素子モジュールの出力測定を
行った。測定のための光は第一電極側から照射した。測
定の方法はJIS規格(JIS C8934アモルファ
ス太陽電池セル出力測定方法、およびJIS C893
5 アモルファス太陽電池モジュール出力測定方法)に
準拠した方法で行った。測定項目は効率η、短絡電流I
sc、開放電圧Voc、および直列抵抗Rsである。本
実施例の光起電力素子モジュール、800モジュールの
平均効率mηは8.05%であった。また平均短絡電流
mIscは0.09A、平均開放電圧mVocは10.
59Vであった。また、平均直列抵抗mRsは8.11
Ωであった。
【0090】(光起電力素子モジュールのシャント抵抗
測定)本実施例で作製した光起電力素子モジュールのシ
ャント抵抗Rshを測定した。シャント抵抗Rshは、
光起電力素子モジュールを暗所に設置し、順方向に平均
開放電圧mVocの20%にあたる電圧Vを印加(光起
電力素子の正極を負極より高電位にした状態)した時に
流れる電流をIとして次式で定義する。 Rsh=V/I−Rs 本実施例の平均シャント抵抗mRshは20.35kΩ
であった。
【0091】(短絡欠陥観察)本実施例で製作した光起
電力素子モジュールの内、シャント抵抗が低いものを選
択し短絡欠陥検出を行った。選択の基準としては直列抵
抗Rsと平均直列抵抗mRsとの差が直列抵抗Rsの標
準偏差の3倍以内であること、かつRshが100倍の
Voc/Iscよりも小さいこととした。
【0092】暗室にて、選択した光起電力素子モジュー
ルに適度にバイアスを印加した。そのまま第一電極側か
ら赤外線画像分析装置で観察することによって短絡欠陥
の観察を行った。二次元画像分析によって、所定量を超
える赤外線を放出しているスポットの数をカウントし
た。観察は順方向バイアスで行うサンプルと、逆方向バ
イアスで行うサンプルとに分けて行った。ただし、それ
ぞれのサンプル集団の平均シャント抵抗は同等になるよ
うに集団を調節した。順方向バイアスは0.09A、逆
方向バイアスは5Vで行った。
【0093】観察はモジュール温度を25℃の平衡状態
にしてから始めた。バイアスを印加して、5秒後の画像
でスポット数をカウントした。1モジュール当たり3乃
至30程度の短絡欠陥スポットが観察された。短絡欠陥
観察後に光起電力素子モジュールのシャント抵抗を測定
したところ、欠陥観察前と比較して、順方向バイアスを
印加した場合は平均で0.2%、逆方向バイアスを印加
したものは平均で10%シャント抵抗が低下しているこ
とが分かった。本結果から本発明においては順方向バイ
アスが好ましいことが理解される。
【0094】(短絡欠陥修復)本実施例で製作した光起
電力素子モジュールの内、シャント抵抗が低いものを選
択し短絡欠陥検出および短絡欠陥修復を行った。選択の
基準としては、直列抵抗Rsと平均直列抵抗mRsとの
差が直列抵抗Rsの標準偏差の3倍以内であること、お
よびRshが100倍のVoc/Iscよりも小さいこ
ととした。
【0095】暗室にて、選択した光起電力素子モジュー
ルに適度にバイアスを印加して、赤外線画像分析装置で
第一電極側から保護層を通して観察することによって短
絡欠陥の観察を行った。二次元画像分析によって、所定
量を超える赤外線を放出しているスポットを検出し、マ
ーキングを施した。観察は順方向バイアスの場合と逆方
向バイアスの場合でサンプルを分けて行った。順方向バ
イアスは0.09A、逆方向バイアスは5Vで行った。
各サンプル集団の平均シャント抵抗はほぼ一致するよう
に、サンプルのシャント抵抗分布を調節した。
【0096】短絡欠陥観察はモジュール温度を25℃の
平衡状態にしてから始めた。バイアスを印加して、5秒
後の画像でスポット数をカウントした。一モジュールあ
たり2乃至36の短絡欠陥スポットが観察された。短絡
欠陥観察後に光起電力素子モジュールのシャント抵抗を
測定したところ、順方向バイアスを印加したサンプルは
平均で0.1%、逆方向バイアスを印加したサンプルは
平均で12%シャント抵抗Rshが低下していることが
分かった。このことから本発明において順方向バイアス
が好ましいことが理解される。
【0097】さらに、マーキングを施した部分に第一電
極側から波長1.06μmのレーザ光を照射して短絡欠
陥修復を行った。使用したレーザは、YAGレーザで市
販のレーザマーカを使用した。これは、CWを超音波Q
スイッチによって高ピークパワーパルスに変調して照射
するものである。照射位置はガルバノメータミラーで任
意に変更可能であり、マーキング部に±10μm程度の
誤差で照射可能である。このレーザ光の焦点におけるス
ポット径(エネルギー面内密度分布の半値幅)は、およ
そ100μmである。パルスの周波数は4kHz乃至3
0kHzで適宜選択した。また平均出力は0.1乃至3
0Wで適宜選択した。また、照射面積および照射時間
は、短絡欠陥スポットの大きさによって調節した。最も
効果的にシャント抵抗の回復が望め、かつ保護層に影響
が出ない条件はパルス周波数10kHz、平均出力25
W程度である。照射面積は平均で200μm四方程度、
一短絡欠陥スポット当たりの平均照射時間は0.8秒で
あった。
【0098】レーザを照射した後にシャント抵抗を測定
したところ、100倍のVoc/Iscよりも大きくな
るまで回復したサンプルの割合は順方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで95%、逆方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで93%であった。本実施例で保
護層にダメージは発生しなかった。
【0099】〔比較例1〕本比較例は実施例1と短絡欠
陥の赤外線画像分析による検出を行う面および欠陥修復
の際のレーザ照射方向のみが異なる。したがって、使用
した光起電力素子モジュールは実施例1で製作したもの
である。特に短絡欠陥の検出感度を従来法と直接比較す
るために短絡欠陥検出のみ行うサンプルは実施例1と全
く同一サンプルを使用した。
【0100】(熱伝導率の測定)実施例1と同様にガラ
ス基板105の熱伝導率を測定したところ0.85Wm
-1-1であった。ただし、この場合、銅プレートHとガ
ラス界面は接着されておらず、実際の光起電力素子とガ
ラス界面は接着されているため、さらに熱伝導率は高い
ものと考えられる。
【0101】(保護層(ガラス基板105)の放射率の
測定)実施例1と同様にガラス基板105の放射率を測
定した。まずガラス基板を置かない状態でバックグラウ
ンドを測定し、次に成膜していないガラス基板を置いた
状態で測定し、それらの差からガラス基板の放射率を算
出した。その結果ガラス基板の放射率は0.80であっ
た。
【0102】(光起電力素子モジュールの出力測定)実
施例1で使用した光起電力素子モジュールの出力測定を
再度行った。この測定は第二電極102側から光を照射
して行ったが実施例1と有意差は無かった。測定の方法
は実施例1と同様にJIS規格(JIS C8934
アモルファス太陽電池セル出力測定方法、およびJIS
C8935 アモルファス太陽電池モジュール出力測
定方法)に準拠した方法で行った。測定項目は効率η、
短絡電流Isc、開放電圧Voc、および直列抵抗Rs
である。平均効率mηは8.05%であった。また平均
短絡電流mIscは0.05A、平均開放電圧mVoc
は9.98Vであった。また、平均直列抵抗mRsは
8.11Ωであった。
【0103】(光起電力素子モジュールのシャント抵抗
測定)実施例1と同じサンプルを使用したため同一結果
である。
【0104】(短絡欠陥観察)実施例1の短絡欠陥観察
時に同時に、同一の赤外線画像分析装置で実施例1とは
逆にガラス基板105側から観察することによって短絡
欠陥の観察を行った。二次元画像分析によって、実施例
1と同一の所定量を超える赤外線を放出しているスポッ
トの数をカウントした。その結果、順方向バイアスの場
合で28%、逆方向バイアスの場合で25%、樹脂保護
層側から観察した実施例1よりも、平均カウント数が少
なかった。実施例1と同一のサンプルを使用したので欠
陥の数は同一のはずである。欠陥の数が同数にも関わら
ず、検出された欠陥の数が減ったのは樹脂被覆側から欠
陥検出を行わなかったからであり、ここから本発明の効
果は明らかである。すなわち、光起電力層の光入射面側
の保護層において、保護層と光起電力素子の界面が、赤
外線放射率および熱伝導率が高い樹脂によって形成され
ていることによって欠陥検出感度が25%程度上昇し
た。
【0105】(短絡欠陥修復)実施例1で製作した光起
電力素子モジュールの内、シャント抵抗が低いものを選
択し、短絡欠陥検出および短絡欠陥修復を行った。選択
の基準としては直列抵抗Rsと平均直列抵抗mRsとの
差が直列抵抗Rsの標準偏差の3倍以内であること、お
よびRshが100倍のVoc/Iscよりも小さいこ
ととした。
【0106】暗室にて、選択した光起電力素子モジュー
ルに適度にバイアスを印加して、第二電極102側から
ガラス基板105を通して赤外線画像分析装置で観察す
ることによって短絡欠陥の観察を行った。二次元画像分
析によって、所定量を超える赤外線を放出しているスポ
ットを検出しマーキングを施した。観察は順方向バイア
スの場合と逆方向バイアスの場合でサンプルを分けて行
った。順方向バイアスは0.09A、逆方向バイアスは
5Vで行った。各サンプル集団の平均シャント抵抗は実
施例1で短絡欠陥修復を行ったサンプル集団とほぼ一致
するように、サンプルの仕分けを調節した。
【0107】短絡欠陥観察はモジュール温度を25℃の
平衡状態にしてから始めた。バイアスを印加して5秒後
の画像でスポット数をカウントした。その結果、順方向
バイアスの場合に28%、逆方向バイアス場合に21
%、実施例1の樹脂保護層側から観察したサンプルの方
が、平均カウント数が多かった。このことから本発明の
短絡欠陥検出方法の効果は明らかである。短絡欠陥観察
後に光起電力素子モジュールのシャント抵抗を測定した
ところ、順方向バイアスを印加した場合は平均で0.1
%、逆方向バイアスを印加したものは平均で12%シャ
ント抵抗Rshが低下していることが分かった。このこ
とから順方向バイアスが好ましいことが理解される。
【0108】さらに、マーキングを施した部分に第二電
極側からガラス基板を通すことによって、実施例1と同
様にレーザ光を照射して短絡欠陥修復を行った。レーザ
を照射した後にシャント抵抗を測定したところ、100
倍のVoc/Iscよりも大きくなるまで回復したサン
プルの割合は、順方向バイアスで欠陥検出を行ったサン
プルで69%、逆方向バイアスで欠陥検出を行ったサン
プルで67%であった。このことと実施例1との比較か
ら本発明の短絡欠陥修復方法の効果は明らかである。本
比較例において、保護層のダメージは発生しなかった。
【0109】〔実施例2〕 (光起電力素子モジュールの製作)本実施例の光起電力
素子モジュールは、実施例1と第二電極のみが異なる。
第二電極は、スパッタリング装置を用いて洗浄したガラ
ス板上に裏面反射層として、基板温度350℃で層厚
0.45μmのAgの光反射層、及びその上に基板温度
350℃で層厚2.0μmのZnOの透明導電層を形成
した。ZnOは拡散防止層である。光反射層、および拡
散防止層はガラス基板上の所定の位置に所定の大きさの
四辺形となるように、基板上にマスクを施して形成し
た。最後に公知のYAGレーザの第三高調波によるスク
ライブ法を使用してAgの光反射層、およびZnOの拡
散防止層に溝を形成し、電気的に分離された状態で併設
された短冊型の六個の第二電極102を作製した。溝の
間隔は1cm、幅は85μmであった。
【0110】(熱伝導率の測定)実施例1と全く同一で
ある。
【0111】(保護層の放射率の測定)実施例1と同様
に測定した結果、本実施例の保護層の25℃における放
射率は平均で0.96であった。
【0112】(光起電力素子モジュールの出力測定)実
施例1と同様に測定した結果、平均効率mηは9.23
%であった。また平均短絡電流mIscは0.11A、
平均開放電圧mVocは10.55Vであった。また、
平均直列抵抗mRsは4.08Ωであった。
【0113】(光起電力素子モジュールのシャント抵抗
測定)実施例1と同様に測定した結果、本実施例の平均
シャント抵抗mRshは23.22kΩであった。
【0114】(短絡欠陥観察)本実施例で製作した光起
電力素子モジュールの内、シャント抵抗が低いものを選
択し、短絡欠陥検出を行った。選択の基準としては実施
例1と同様に直列抵抗Rsと平均直列抵抗mRsとの差
が直列抵抗Rsの標準偏差の3倍以内であること、およ
びRshが100倍のVoc/Iscよりも小さいこと
とした。
【0115】実施例1と全く同様の装置で同様の条件に
て短絡欠陥の観察を行った。観察は順方向バイアスで行
うサンプルと、逆方向バイアスで行うサンプルとに分け
て行った。ただし、それぞれのサンプル集団の平均シャ
ント抵抗は同等になるように集団を調節した。順方向バ
イアスは0.11A、逆方向バイアスは5Vで行った。
1モジュール当たり4乃至35程度の短絡欠陥スポット
が観察された。短絡欠陥観察後に光起電力素子モジュー
ルのシャント抵抗を測定したところ、欠陥観察前と比較
して、順方向バイアスを印加した場合は平均で0.3
%、逆方向バイアスを印加したものは平均で9%シャン
ト抵抗が低下していることが分かった。本結果からも、
本発明においては順方向バイアスが好ましいことが理解
される。
【0116】(短絡欠陥修復)本実施例で製作した光起
電力素子モジュールの内、シャント抵抗が低いものを選
択し、短絡欠陥検出および欠陥修復を行った。選択の基
準は実施例1と同一である。
【0117】実施例1と同様の方法で欠陥検出を行っ
て、マーキングを施した。順方向バイアスは0.11
A、逆方向バイアスは5Vで行った。1モジュールあた
り7乃至42の短絡欠陥スポットが観察された。短絡欠
陥観察後に光起電力素子モジュールのシャント抵抗を測
定したところ、順方向バイアスを印加したサンプルは平
均で0.2%、逆方向バイアスを印加したサンプルは平
均で15%シャント抵抗Rshが低下していることが分
かった。このことから本発明において順方向バイアスが
好ましいことが理解される。
【0118】さらに、欠陥部に第一電極側から保護層を
通してレーザ光を照射して欠陥修復を行った。方法は実
施例1と同様である。レーザを照射した後にシャント抵
抗を測定したところ、100倍のVoc/Iscよりも
大きくなるまで回復したサンプルの割合は順方向バイア
スで欠陥検出を行ったサンプルで93%、逆方向バイア
スで欠陥検出を行ったサンプルで91%であった。本実
施例において、保護層のダメージは発生しなかった。
【0119】〔比較例2〕 (光起電力素子モジュールの製作)本実施例の光起電力
素子モジュールは、比較例1と第一電極のみが異なる。
【0120】第一電極はスパッタリング装置を用いて光
起電力層上に裏面反射層として、基板温度350℃で層
厚2.0μmのZnOの透明導電層、及びその上に基板
温度350℃で層厚0.45μmのAgの光反射層を形
成した。ZnOは拡散防止層である。拡散防止層、およ
び光反射層は光起電力層上の所定の位置に所定の大きさ
の四辺形となるように、基板上にマスクを施して形成し
た。最後に公知のYAGレーザの第三高調波によるスク
ライブ法を使用してAgの光反射層、およびZnOの拡
散防止層に溝形成し、各光起電力素子を直列化した。溝
の間隔は1cm、幅は85μnであった。
【0121】(熱伝導率の測定)比較例1と全く同様で
ある。
【0122】(保護層(ガラス基板)の放射率の測定)
比較例1と全く同様である。
【0123】(光起電力素子モジュールの出力測定)光
起電力素子モジュールの出力測定を再度行った。測定の
方法は実施例2と同様にJIS規格(JIS C893
4 アモルファス太陽電池セル出力測定方法、およびJ
IS C8935 アモルファス太陽電池モジュール出
力測定方法)に準拠した方法で行った。測定項目は効率
η、短絡電流Isc、開放電圧Voc、および直列抵抗
Rsである。平均効率mηは9.22%であった。また
平均短絡電流mIscは0.05A、平均開放電圧mV
ocは11.54Vであった。また、平均直列抵抗mR
sは3.99Ωであった。
【0124】(光起電力素子モジュールのシャント抵抗
測定)実施例2と同様の方法で測定した結果、本比較例
の平均シャント抵抗mRshは23.34kΩであっ
た。
【0125】(短絡欠陥観察)本比較例で製作した光起
電力素子モジュールの内、シャント抵抗が低いものを選
択し短絡欠陥検出を行った。選択の基準は実施例1と同
じである。比較例1と同様に、同一の赤外線画像分析装
置でガラス基板側から観察することによって短絡欠陥の
観察を行った。二次元画像分析によって、実施例2と同
一の所定量を超える赤外線を放出しているスポットの数
をカウントした。
【0126】その結果、順方向バイアスの場合で27
%、逆方向バイアスの場合で21%、樹脂保護層側から
観察した実施例2の方が、平均カウント数が多かった。
本結果から、本発明の効果は明らかである。すなわち、
光起電力層の光入射面側の保護層において、保護層と光
起電力素子の界面が、赤外線放射率および熱伝導率が高
い樹脂によって形成されていることによって欠陥検出感
度が21%程度上昇した。
【0127】(短絡欠陥修復)本比較例で製作した光起
電力素子モジュールの内、シャント抵抗が低いものを選
択し、短絡欠陥検出および短絡欠陥修復を行った。選択
の基準は実施例2と同じである。
【0128】暗室にて、選択した光起電力素子モジュー
ルに適度にバイアスを印加して、第二電極側からガラス
基板を通して赤外線画像分析装置で観察することによっ
て短絡欠陥の観察を行った。実施例2と同様に二次元画
像分析によって、所定量を超える赤外線を放出している
スポットを検出しマーキングを施した。その結果、順方
向バイアスの場合に26%、逆方向バイアス場合に19
%、実施例2の樹脂保護層側から観察したサンプルの方
が、平均カウント数が多かった。このことから本発明の
短絡欠陥検出方法の効果は明らかである。
【0129】短絡欠陥観察後に光起電力素子モジュール
のシャント抵抗を測定したところ、順方向バイアスを印
加した場合は平均で0.3%、逆方向バイアスを印加し
たものは平均で12%シャント抵抗Rshが低下してい
ることが分かった。このことから順方向バイアスが好ま
しいことが理解される。
【0130】さらに、マーキングを施した部分に第二電
極側からガラス基板を通すことによって、実施例2と同
様にレーザ光を照射して短絡欠陥修復を行った。レーザ
を照射した後にシャント抵抗を測定したところ、100
倍のVoc/Iscよりも大きくなるまで回復したサン
プルの割合は順方向バイアスで欠陥検出を行ったサンプ
ルで63%、逆方向バイアスで欠陥検出を行ったサンプ
ルで61%であった。このことと実施例2との比較から
本発明の短絡欠陥修復方法の効果は明らかである。本例
で保護層のダメージは発生しなかった。
【0131】〔実施例3〕(光起電力素子モジュールの
製作)まず、以下のように本実施例の光起電力素子モジ
ュールを製作した。図5は、本実施例で製作した光起電
力素子の斜視図である。また図6は、本実施例で作製し
た光起電力素子に保護層を形成する工程を示す説明図で
ある。
【0132】本実施例の光起電力素子の製造過程を説明
する。図5の光起電力素子は第一電極201、第二電極
202、光起電力層203を含む光起電力素子である。
【0133】まず、第二電極の作製を行った。厚さ15
0μm、幅36cmのステンレス鋼基板(SUS430
BA)をロール状に500m巻いたものをロール・ツー
・ロール方式の洗浄機に通して、ステンレス基板表面を
洗浄した。洗浄方法としては、アセトンとイソプロパノ
ールで十分超音波洗浄した後、110℃に保たれた乾燥
炉で温風乾燥させる方法を採用した。
【0134】次に、同様にロール・ツー・ロール方式の
スパッタリング装置を用いてステンレス鋼基板上に裏面
反射層として、基板温度350℃で層厚0.45μmの
Agの光反射層、及びその上に基板温度350℃で層厚
2.0μmのZnOの透明導電層を形成し、第二電極2
02の作製を終えた。ZnOは拡散防止層である。
【0135】次に、第二電極202上に光起電力層20
3を形成した。ロール・ツー・ロール方式による公知の
CVD装置に前述のロールを通すことによって、光起電
力層203を形成した。RFPCVD法でa−Siから
なるn層(厚み25nm)、MWPCVD法でa−Si
Geからなるi層(厚み80nm)、RFPCVD法で
μc−Siからなるp層(厚み5nm)(以上ボトム
層)、RFPCVD法でa−Siからなるn層(厚み1
0nm)、MWPCVD法でa−SiGeからなるi層
(厚み75nm)、RFPCVD法でμc−Siからな
るp層(厚み5nm)(以上ミドル層)、RFPCVD
法でa−Siからなるn層(厚み10nm)、RFPC
VD法でa−Siからなるi層(厚み85nm)、RF
PCVD法でμc−Siからなるp層(厚み4nm)
(以上トップ層)を順次積層し、a−Si/a−SiG
/a−SiGeトリプル型光起電力層203を作製し
た。
【0136】なお、i層のゲルマニウム組成は、ボトム
層で0.60、ミドル層で0.50であった。また、i
層のバンドギャップは、ボトム層で1.35eV、ミド
ル層で1.40eV、トップ層で1.75eVであっ
た。
【0137】さらに、光起電力層203上に、第一電極
の最下層201−1として、膜厚70nmのITOをス
パッタ法で成膜した。
【0138】次に、完成した幅36cmのロール状の第
二電極、光起電力層、第一電極最下層の積層体を24c
m×36cmサイズに金型プレスによって分割した。約
2000枚の積層体が得られた。さらに、これら得られ
た積層体の端部四辺および36cmの辺を二等分するラ
イン上の第一電極最下層(ITO層)を幅1mmで除去
した(不図示)。除去方法は電気化学的方法で行った。
具体的には積層体を硫酸混合溶液の中に浸漬し、第二電
極を陰極として電気化学的エッチングを行い除去した。
エッチング溶液は硫酸混合溶液を使用した。対向陽極は
白金電極を使用し、形状は幅1mm、縦36cm×横2
4cmの日の字型電極を使用した。対向陽極の位置は、
陽極と陰極(第二電極)とで、光起電力層を挟むよう
に、間隔は数mmで保持した。印加したバイアスはパル
ス電流であり、適宜電流値、周波数を調節して、積層体
端部でのITO層と第二電極の短絡が解消されるまで、
ITOを除去した。
【0139】次に、積層体の四辺のうち、長さ24cm
の二辺沿いのITO層上に幅7mm、長さ24cmの両
面テープ209を貼った。テープはシリコン粘着剤(5
0μm)、PET基材(75μm)、シリコン粘着剤
(50μm)、ポリイミド基材(25μm)、シリコン
粘着剤(50μm)の五重構造(不図示)のものを使用
した。また、積層体の36cmの辺を二等分するエッチ
ングライン上に重なる様に幅2mm、長さ24cmの片
面粘着テープ(PET基材(50μm)、シリコン粘着
剤付き)を貼り付けた(不図示)。
【0140】さらに、積層体の36cmの辺に平行に、
ITO層上に5.6mm間隔で長さ36cmの集電ワイ
ヤ(201−2、201−3)42本を貼った。ワイヤ
はその端部を、積層体両端に貼りつけた両面テープに貼
りつけることによって積層体上に仮り固定した。この時
各ワイヤが弛まないように適度にワイヤにテンションを
加えた。この集電ワイヤは透明電極から電流を導くもの
である。その構成は厚さ2μmの銀クラッド被覆を持
つ、直径100μmの軟質無酸素銅線(201−2)に
厚み25μmの導電性樹脂被覆(201−3)を形成し
たものである。導電性樹脂被覆は厚み5μmの内層と厚
み20μmの外層の二層構造とした(不図示)。
【0141】内層樹脂はカーボンブラックを33重量
部、ブチラール樹脂64重量部、クレゾール樹脂、フェ
ノール樹脂、芳香族炭化水素系樹脂4.2重量部、硬化
剤としてジオールイソシアネート18重量部、溶剤とし
てキシレン18重量部、ジエチレングリコールモノメチ
ルエーテルを12重量部、シクロヘキサノンを3.6重
量部、さらにカップリング剤としてγ−メルカプトプロ
ピルトリメトキシシランを0.7重量部ペイントシェー
カーで混合分散して作製したものである。銀クラッド被
覆付き銅芯線を、フェルトを配置した処理槽を通すこと
で、芯線に内層樹脂を塗布し、その後、不用な導電性樹
脂を落とし、乾燥炉を通して完全硬化させた。内層導電
性樹脂層の膜厚は5μmであった。
【0142】外層樹脂は、内層と同様に内層付き芯線を
処理槽に通すことで塗布したものである。この外層導電
性樹脂はカーボンブラックを35重量部、ウレタン樹脂
41重量部、フェノキシ樹脂14重量部、硬化材として
水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート6重量部、
溶剤として芳香族系溶剤4重量部、さらにカップリング
剤としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシランを
0.7重量部ペイントシェーカーで混合分散して作製し
たものである。塗布後ダイスを用いて不用な導電性樹脂
を落とし、乾燥炉を通して半硬化させ、リールボビンに
巻きとった。このとき、線の送り速度とダイスの径を調
整して外層導電性樹脂層の膜厚を20μmとした。
【0143】次に、厚み100μm、長さ24cm、幅
55mmの銀メッキ処理を施した硬質銅箔210を前述
の両面テープの上に重なるように貼り付けた。これによ
って、集電ワイヤは両面テープと銅箔によって挟まれ、
より強固に仮固定された。
【0144】こうして得られたものを、全体を真空ラミ
ネータに入れて、210℃で45秒加熱した。この真空
ラミネータはヒータを組込んだ金属基板の上にサンプル
を乗せ、その上から樹脂シートを被せ、さらに、この樹
脂シートと金属基板の間の空間を排気することによって
樹脂シート、サンプル、金属基板を密着させながらサン
プルを加熱することが可能な装置である。また、樹脂シ
ートの上からエアーによって加圧することも可能であ
る。この真空ラミネートによって前述の集電ワイヤの外
層(半硬化)が完全に硬化し、集電ワイヤ(201−
2、201−3)が第一電極の最下層、ITO層(20
1−1)と接着される。また、前述の銅箔210と集電
ワイヤ(201−2,201−3)の端部も電気的に接
続される。こうして得られたものを金型プレス機によっ
て、全て二つに分割し、計約4000枚の光起電力素子
を得た。分割した位置は、前述した積層体の36cmの
辺を二等分するエッチングライン上である。
【0145】次に、光起電力素子の光入射面側(透明電
極層201−1側)の表面上に樹脂による一層目の保護
層(204−1)を形成した。形成方法は実施例1と同
じである。
【0146】こうして、得た保護最下層(204−1)
付きの光起電力素子全てにバイパスダイオードを付け、
5枚ずつ直列に接続し、40個のストリングを得た。
【0147】さらに、前述のストリングを樹脂保護層に
よって包み、光起電力素子モジュールを完成させた。樹
脂保護層で包む方法を図6に示す。真空ラミネート法を
採用した。ガルバリウム鋼板211上に非光入射面側樹
脂フィルム(204−4)、ストリング(図6には単一
光起電力素子のみ図示)、補強材(204−2)、光入
射面側樹脂フィルム(204−3)を重ねさらに、シリ
コンラバーシート208を重ねて、シリコンラバーシー
トとガルバリウム鋼板の間を排気しながら加熱し、光入
射面側および非光入射面側樹脂フィルムを熱硬化させ
た。
【0148】ガルバリウム鋼板211はアルミニウム5
5%、亜鉛43.4%、シリコン1.6%が一体となっ
たアルミ・亜鉛合金メッキ鋼板の一面にポリエステル系
塗料を、他方の面にガラス繊維を添加したポリエステル
系塗料をコートした鋼板を用いた。総厚は400μnで
ある。また、非光入射面側樹脂フィルム(204−4)
はエチレン−酢酸ビニル共重合体(酢酸ビニル25重量
%)と、架橋剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化
剤を混合して処方された厚さ225μmのEVAシー
ト、絶縁層(不図示)として2軸延伸のポリエチレンテ
レフタレートフィルム(PET)(厚さ50μm)を、
EVA/PET/EVAの順で一体積層した総厚500
μmの体積層フィルムを用いた。フィルムの大きさは、
ストリング幅より22mm大きくした。また、光入射面
側樹脂フィルム(204−3)および、補強材(204
−2)は実施例1と同じものを用いた。
【0149】ラミネート条件は、排気速度10kPa/
sec、真空度70Paで30分間排気し、その後、1
60度の熱風オーブンにラミネート装置を投入し、50
分間加熱した。この際のEVAは、140度以上15分
間以上という環境におかれる。これにより、EVAを溶
融、架橋させた。また光入射側樹脂フィルムと非光入射
側フィルムは溶融し一体化してストリングを包み込む保
護層となる。また、溶融した光入射側樹脂フィルムはガ
ラス不織布(補強材)の繊維の間にも隙間無く浸透し
た。また、非光入射側樹脂フィルムはストリング(直列
化された光起電力素子)とガルバリウム鋼板を接着する
接着材としても作用している。
【0150】ストリングの端子はガルバリウム鋼板の所
定の位置に空けた穴の上に来るように引き出しておき、
そこにモジュール端子を接続した。
【0151】(樹脂の熱伝導率の測定)実施例1と全く
同様である。
【0152】(保護層の放射率の測定)実施例1と同様
に放射率を測定した結果、本実施例の保護層の25℃に
おける放射率は0.96であった。
【0153】(光起電力素子モジュールの出力測定)本
実施例で製作した光起電力素子モジュールの出力測定を
行った。測定の方法は実施例1と同様である。測定項目
は効率η、短絡電流Isc、開放電圧Voc、および直
列抵抗Rsである。本実施例の光起電力素子モジュー
ル、800モジュールの平均効率mηは8.91%であ
った。また平均短絡電流mIscは2.41A、平均開
放電圧mVocは11.51Vであった。また、平均直
列抵抗mRsは0.21Ωであった。
【0154】(光起電力素子モジュールのシャント抵抗
測定)実施例1と同様に本実施例の平均シャント抵抗m
Rshは832.05Ωであった。
【0155】(短絡欠陥観察)本実施例で製作した光起
電力素子モジュールの内、シャント抵抗が低いものを選
択し短絡欠陥検出を行った。選択の基準は実施例1と同
じである。
【0156】順方向バイアスは2.00A、逆方向バイ
アスは5Vで行った。観察はモジュール温度を25℃の
平衡状態にしてから始めた。バイアスを印加して、5秒
後の画像でスポット数をカウントした。1モジュール当
たり15乃至100程度の短絡欠陥スポットが観察され
た。短絡欠陥観察後に光起電力素子モジュールのシャン
ト抵抗を測定したところ、欠陥観察前と比較して、順方
向バイアスを印加した場合は平均で0.2%、逆方向バ
イアスを印加したものは平均で20%シャント抵抗が低
下していることが分かった。本結果から本発明において
は順方向バイアスが好ましいことが理解される。
【0157】(短絡欠陥修復)本実施例で製作した光起
電力素子モジュールの内、シャント抵抗が低いものを選
択し、短絡欠陥検出および短絡欠陥修復を行った。選択
の基準は実施例1と同じである。
【0158】順方向バイアスは2.00A、逆方向バイ
アスは5Vで行った。1モジュールあたり13乃至96
の短絡欠陥スポットが観察された。短絡欠陥観察後に光
起電力素子モジュールのシャント抵抗を測定したとこ
ろ、順方向バイアスを印加したサンプルは平均で0.5
%、逆方向バイアスを印加したサンプルは平均で22%
シャント抵抗Rshが低下していることが分かった。こ
のことから本発明において順方向バイアスが好ましいこ
とが理解される。
【0159】さらに、マーキングを施した部分に第一電
極側からレーザ光を照射して欠陥修復を行った。方法は
実施例1と同一である。レーザを照射した後にシャント
抵抗を測定したところ、100倍のVoc/Iscより
も大きくなるまで回復したサンプルの割合は順方向バイ
アスで欠陥検出を行ったサンプルで94%、逆方向バイ
アスで欠陥検出を行ったサンプルで92%であった。本
実施例で保護層のダメージは発生しなかった。
【0160】〔実施例4〕本実施例は、実施例3と以下
の2点においてのみ異なる。本実施例においてアクリル
樹脂よりなる保護層最下層(204−1)は形成しなか
った。また光入射面側樹脂フィルム(204−3)はE
TFEとEVAの一体フィルムではなく、ETFEフィ
ルム(厚み50μm)とエチレンメタクリル酸共重合体
(以下EMAA)のフィルム(厚み500μm)を予め
仮貼り合わせした一体積層フィルムを使用した。使用し
たEMAAシートは、EMAA(メタクリル酸含有率1
5%、軟化点温度92℃)100重量部に対して紫外線
吸収剤として2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベン
ゾフェノン0.15重量部、光安定化剤としてビス
(2,2,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ
ート0.05重量部、酸化防止剤としてトリス(モノ−
ノニルフェニル)フォスファイト0.1重量部を配合し
たものである。
【0161】レーザを照射した後にシャント抵抗を測定
したところ、100倍のVoc/Iscよりも大きくな
るまで回復したサンプルの割合は順方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで92%、逆方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで90%であった。本例で保護層
のダメージは発生しなかった。
【0162】〔実施例5〕本実施例は、実施例3とアク
リル樹脂よりなる保護最下層(204−1)を形成しな
かった点においてのみ異なる。レーザを照射した後にシ
ャント抵抗を測定したところ、100倍のVoc/Is
cよりも大きくなるまで回復したサンプルの割合は順方
向バイアスで欠陥検出を行ったサンプルで90%、逆方
向バイアスで欠陥検出を行ったサンプルで88%であっ
た。本実施例で保護層のダメージは発生しなかった。
【0163】〔実施例6〕本実施例は、実施例3とアク
リル樹脂よりなる保護最下層(204−1)の形成方法
においてのみ異なる。具体的にはメタクリル酸2−ヒド
ロキシエチルからなるアクリル樹脂52重量部、ε−カ
プラクタムをブロッキング剤としたヘキサメチレンジイ
ソシアネート30重量部、オルガノシロキサン13重量
部、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン5重
量部を、キシレン50重量部およびメチルイソブチルケ
トン50重量部の混合溶媒にて上記樹脂を樹脂分80%
になるように稀釈した溶液を作製し、光起電力素子の光
入射面上に硬化後25μm厚になるように形成した金型
に流し込み、室温で15分間乾燥後、200℃にて10
分間加熱硬化した。
【0164】レーザを照射した後にシャント抵抗を測定
したところ、100倍のVoc/Iscよりも大きくな
るまで回復したサンプルの割合は順方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで88%、逆方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで86%であった。本例で保護層
のダメージは発生しなかった。
【0165】〔実施例7〕本実施例は、実施例3と短絡
欠陥検出方法のみが異なる。具体的には短絡欠陥検出を
暗所で行わず、1000ルクスの自然光下で行った。レ
ーザを照射した後にシャント抵抗を測定したところ、1
00倍のVoc/Iscよりも大きくなるまで回復した
サンプルの割合は順方向バイアスで欠陥検出を行ったサ
ンプルで86%、逆方向バイアスで欠陥検出を行ったサ
ンプルで84%であった。本実施例で保護層のダメージ
は発生しなかった。
【0166】〔実施例8〕本実施例は、実施例3と欠陥
修復時のレーザの波長のみが異なる。本実施例で使用し
たレーザ光の波長は355nmであった。使用したレー
ザはYAGの第三高調波である。平均出力、パルス周波
数、パルスピーク出力、パルス幅は実施例3と同等にな
るように調整した。
【0167】レーザを照射した後にシャント抵抗を測定
したところ、100倍のVoc/Iscよりも大きくな
るまで回復したサンプルの割合は順方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで95%、逆方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで93%であった。本実施例で保
護層のダメージは発生しなかった。
【0168】〔実施例9〕本実施例は、実施例3と欠陥
修復時のレーザの波長のみが異なる。本実施例で使用し
たレーザ光の波長は533nmであった。使用したレー
ザはYAGの第二高調波である。平均出力、パルス周波
数、パルスピーク出力、パルス幅は実施例3と同等にな
るように調整した。
【0169】レーザを照射した後にシャント抵抗を測定
したところ、100倍のVoc/Iscよりも大きくな
るまで回復したサンプルの割合は順方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで95%、逆方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで93%であった。本実施例で保
護層のダメージは発生しなかった。
【0170】〔実施例10〕本実施例は、実施例3と欠
陥修復時のレーザの波長のみが異なる。本実施例で使用
したレーザ光の波長は266nmであった。使用したレ
ーザはYAGの第四高調波である。平均出力、パルス周
波数、パルスピーク出力、パルス幅は実施例3と同等に
なるように調整した。
【0171】レーザを照射した後にシャント抵抗を測定
したところ、100倍のVoc/Iscよりも大きくな
るまで回復したサンプルの割合は順方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで80%、逆方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで78%であった。本実施例では
保護層に多数の穴があくダメージが発生した。
【0172】〔実施例11〕本実施例は、実施例3と欠
陥修復時のレーザの波長のみが異なる。本実施例で使用
したレーザ光の波長は308nmであった。使用したレ
ーザはXeClのエキシマレーザである。平均出力、パ
ルス周波数、パルスピーク出力、パルス幅は実施例3と
同等になるように調整した。
【0173】レーザを照射した後にシャント抵抗を測定
したところ、100倍のVoc/Iscよりも大きくる
まで回復したサンプルの割合は順方向バイアスで欠陥検
出を行ったサンプルで91%、逆方向バイアスで欠陥検
出を行ったサンプルで89%であった。本実施例では保
護層に所々に穴があくダメージが発生した。
【0174】〔実施例12〕本実施例は、実施例3と欠
陥修復時のレーザの波長のみが異なる。本実施例で使用
したレーザ光の波長は308nmであった。使用したレ
ーザはXeClのエキシマレーザである。平均出力、パ
ルス周波数、パルスピーク出力、パルス幅は実施例3と
同等になるように調整した。
【0175】レーザを照射した後にシャント抵抗を測定
したところ、100倍のVoc/Iscよりも大きくな
るまで回復したサンプルの割合は順方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで89%、逆方向バイアスで欠陥
検出を行ったサンプルで87%であった。本実施例では
保護層に所々に穴があくダメージが発生した。
【0176】〔実施例13〕本実施例は、実施例3と欠
陥修復時のレーザの波長のみが異なる。本実施例で使用
したレーザ光の波長は10600nmであった。使用し
たレーザは炭酸ガスレーザである。平均出力、パルス周
波数、パルスピーク出力、パルス幅は実施例3と同等に
なるように調整した。
【0177】レーザを照射した後にシャント抵抗を測定
したところ、100倍のVoc/Iscよりも大きくる
まで回復したサンプルの割合は順方向バイアスで欠陥検
出を行ったサンプルで78%、逆方向バイアスで欠陥検
出を行ったサンプルで76%であった。本例では保護層
に多数の穴があくダメージが発生した。
【0178】実施例1乃至13、および比較例1乃至2
の結果をまとめたものを表1に示す。表1から本発明の
効果は明らかである。
【0179】
【表1】
【0180】具体的には実施例1と比較例1を比較する
と、欠陥修復率が比較例1の方が低い。これは欠陥検出
感度が比較例1の方が低いためである。実施例1と比較
例1において全く同じモジュールを使用して、欠陥検出
感度の直接比較を行った結果、検出感度が実施例1の方
が高かったことは前に記載した。ここから、本発明の光
入射面側の保護層との界面を樹脂によって形成し光入射
面側から短絡欠陥検出を行うことの効果が明らかであ
る。
【0181】実施例2と比較例2との比較からも、本発
明の光入射面側の界面を樹脂によって形成し光入射面側
から欠陥検出を行うことの効果が明らかである。なぜな
ら、実施例2と比較例2との相違点は、光入射面側の保
護層との界面を樹脂によって形成し、短絡欠陥検出を行
っているかどうかのみだからである。
【0182】実施例3と実施例4との比較から、光入射
面側の保護層との界面に、EMAAをラミネートするよ
りも、アクリル樹脂をスプレー塗布することで形成する
方が好ましいことが理解される。
【0183】実施例3と実施例5との比較から、光入射
面側の保護層との界面に、EVAをラミネートするより
も、アクリル樹脂をスプレー塗布することで形成する方
が好ましいことが理解される。
【0184】実施例3と実施例6との比較から、光入射
面側の保護層との界面に、樹脂を金型流し込みによって
配するよりも、スプレー塗布する方が好ましいことが理
解される。
【0185】実施例3と実施例7との比較から、欠陥検
出を暗所で行うことの効果が理解される。
【0186】実施例3と実施例8乃至実施例13の結果
をまとめたものを図7に示す。図7から、レーザの欠陥
修復レーザの波長を350乃至1100nmの間で選択
することの効果は明らかである。
【0187】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
光起電力素子の短絡欠陥を光入射面側の保護層の上から
の測定によって感度良く検出し、修復することが容易に
なる。したがって、光起電力素子の生産性、歩留まりの
向上がなされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光起電力素子の欠陥検出方法を示
す模式図である。
【図2】実施例1で製作した光起電力素子の斜視図であ
る。
【図3】実施例1で作製した光起電力素子に保護層を形
成する工程を示す説明図である。
【図4】実施例1における熱伝導率の測定方法を示す模
式図である。
【図5】実施例3で製作した光起電力素子の斜視図であ
る。
【図6】実施例3で作製した光起電力素子に保護層を形
成する工程を示す説明図である。
【図7】実施例3と実施例8乃至実施例13の結果をま
とめた説明図である。
【図8】従来の光起電力素子の断面構成を示す模式図で
ある。
【図9】従来の熱画像分析による欠陥検出の原理を示す
模式図である。
【図10】従来のレーザ光照射による欠陥修復の原理を
示す模式図である。
【符号の説明】
101 第一電極 102 第二電極 103 光起電力層 104−1 一層目の保護層 104−2 補強材 104−3 光入射面側樹脂フィルム 105 基板 106 取り出し電極 107 リード線 108 シリコンラバーシート 201 第一電極 201−1 ITO層 201−2 集電ワイヤ(軟質無酸素銅線) 201−3 集電ワイヤ(導電性樹脂被覆) 202 第二電極 203 光起電力層 204−1 一層目の保護層 204−2 補強材 204−3 光入射面側樹脂フィルム 204−4 非光入射面側樹脂フィルム 208 シリコンラバーシート 209 両面テープ 210 硬質銅箔 211 ガルバリウム鋼板 701 第一電極 702 第二電極 703 光起電力層 704 保護層 712 短絡欠陥 713 バイアス電流 714 欠陥部より放射された赤外線 715 熱画像分析装置 S 熱容量の分かっている銅プレート H ヒータを埋め込んだ銅プレート SH、M 断熱シールド
フロントページの続き (72)発明者 村上 勉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2G003 AA06 AD07 AH05 AH10 5F051 FA30 KA10

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも第一電極、光起電力層、及び
    第二電極からなる光起電力素子と、少なくとも該光起電
    力素子の光入射面上に形成された保護層とからなる光起
    電力素子モジュールの第一電極と第二電極との間の短絡
    欠陥を検出する方法であって、 前記保護層の前記光入射面との接合面を樹脂によって形
    成し、前記光起電力素子にバイアスを印加した状態で、
    前記保護層表面から放出される赤外線の放射量を測定す
    ることを特徴とする光起電力素子モジュールの短絡欠陥
    検出方法。
  2. 【請求項2】 前記樹脂の25℃における熱伝導率が
    0.1乃至0.5Wm -1-1であることを特徴とする請
    求項1に記載の光起電力素子モジュールの短絡欠陥検出
    方法。
  3. 【請求項3】 前記保護層の25℃における波長8乃至
    14μmの赤外線に対する放射率が0.85乃至0.9
    9になるように該保護層を形成することを特徴とする請
    求項1又は2に記載の光起電力素子モジュールの短絡欠
    陥検出方法。
  4. 【請求項4】 前記接合面の形成方法が液状樹脂を塗布
    した後に硬化させる方法であることを特徴とする請求項
    1乃至3のいずれかに記載の光起電力素子モジュールの
    短絡欠陥検出方法。
  5. 【請求項5】 前記接合面の形成方法がフィルム状樹脂
    を加熱圧着させる方法であることを特徴とする請求項1
    乃至3のいずれかに記載の光起電力素子モジュールの短
    絡欠陥検出方法。
  6. 【請求項6】 前記樹脂が少なくともアクリル樹脂から
    なることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載
    の光起電力素子モジュールの短絡欠陥検出方法。
  7. 【請求項7】 前記樹脂が少なくともエチレン酢酸ビニ
    ル共重合体からなることを特徴とする請求項1乃至5の
    いずれかに記載の光起電力素子モジュールの短絡欠陥検
    出方法。
  8. 【請求項8】 前記樹脂が少なくともエチレンメタクリ
    ル酸共重合体からなることを特徴とする請求項1乃至5
    のいずれかに記載の光起電力素子モジュールの短絡欠陥
    検出方法。
  9. 【請求項9】 前記バイアスが、光起電力層に対し順方
    向バイアスであることを特徴とする請求項1乃至8のい
    ずれかに記載の光起電力素子モジュールの短絡欠陥検出
    方法。
  10. 【請求項10】 前記赤外線の放射量の測定を暗所で行
    うことを特徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の
    光起電力素子モジュールの短絡欠陥検出方法。
  11. 【請求項11】 請求項1乃至10のいずれかに記載の
    欠陥検出方法によって光起電力素子モジュールの第一電
    極と第二電極との間の短絡欠陥を検出した後に、該短絡
    欠陥にエネルギービームを照射することを特徴とする光
    起電力素子モジュールの短絡欠陥修復方法。
  12. 【請求項12】 前記エネルギービームがレーザ光であ
    ることを特徴とする請求項11に記載の光起電力素子モ
    ジュールの短絡欠陥修復方法。
  13. 【請求項13】 前記レーザ光の波長が350乃至11
    00nmであることを特徴とする請求項12に記載の光
    起電力素子モジュールの短絡欠陥修復方法。
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