JP3017375B2 - 太陽電池モジュールおよびその製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュールおよびその製造方法

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JP3017375B2 JP5129505A JP12950593A JP3017375B2 JP 3017375 B2 JP3017375 B2 JP 3017375B2 JP 5129505 A JP5129505 A JP 5129505A JP 12950593 A JP12950593 A JP 12950593A JP 3017375 B2 JP3017375 B2 JP 3017375B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池モジュールお
よびその製造方法に関するもので、特に、光変換部材と
しての半導体光活性層と集電電極が形成された光起電力
素子とから構成される太陽電池モジュールにおける表面
被覆材とその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題に対する意識の高まり
が、世界的に広がりを見せている。中でも、CO2 排出
に伴う地球の温暖化現象に対する危倶感は深刻で、環境
汚染のないクリーンなエネルギーヘの希求はますます強
まってきている。太陽電池は、現在のところ、その安全
性と扱いやすさから、クリーンなエネルギー源として期
待のもてるものといえる。
【0003】太陽電池には様々な形態があり、代表的な
ものとして、結晶シリコン太陽電池、多結晶シリコン太
陽電池、アモルファスシリコン系太陽電池、銅インジウ
ムセレナイド太陽電池、化合物半導体太陽電池等があ
る。この中で、薄膜結晶シリコン太陽電池、化合物半導
体太陽電池及びアモルファスシリコン系太陽電池は、比
較的低コストで大面積化が可能なため、最近では各方面
で活発に研究開発が進められている。
【0004】更に、これらの太陽電池の中でも、導体金
属基板上にシリコンを堆積し、その上に透明導電層を形
成して構成されるアモルファスシリコン系太陽電池を代
表とする薄膜太陽電池は、軽量でかつ耐衝撃性、フレキ
シブル性に富んでいるという特長があり、将来のモジュ
ール形態として有望視されている。ただし、透明なガラ
ス基板上にシリコンを堆積する場合と異なり、光入射側
表面を透明な材料で覆い、太陽電池を外部環境から保護
する必要がある。
【0005】上記の保護材料として、従来は、最表面に
フッ素樹脂フィルムやフッ素樹脂塗料等の透明なフッ化
物重合体薄膜を配し、またその内側に充填材として種々
の熱可塑性透明有機樹脂を用いる構成が採られてきた。
フッ化物重合体を用いる理由は、これが耐候性・撥水性
に富んでおり、劣化・汚れによる光透過率の減少に起因
する太陽電池モジュールの変換効率の低下を少なくでき
るからである。また熱可塑性透明樹脂を用いるのは、こ
れが安価であり内部の光起電力素子を保護するために大
量に用いることができるためである。
【0006】図6に、このような太陽電池モジュールの
従来例を示した。図6において、この太陽電池モジュー
ルは、表面フィルム601、充填材602、光起電力素
子603、裏面フイルム604から構成される。図にお
いて上側が光受光面であり、この太陽電池モジュールで
は、光受光面の充填材602と同じ充填材602を裏面
にも用いている。より具体的には、表面フィルム601
はETFE(エチレン−テトラフルオロエチレン共重合
体)フィルム、PVF(ポリフッ化ビニル)フィルム等
のフッ素樹脂フィルム等である。また充填材602はE
VA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)、ブチラール樹
脂等の熱可塑性透明有機樹脂である。裏面フィルム60
4には、ナイロンフィルム、アルミラミネートテドラー
フィルムをはじめとする種々の有機樹脂フィルムが用い
られる。この従来例において充填材602は、光起電力
素子603と表面フィルム601及び裏面フィルム60
4との接着剤としての役割と、外部からの引っかきや衝
撃から太陽電池を保護する充填材の役割を果している。
【0007】ところで、従来の太陽電池モジュールにお
ける上記の表面材料構成では、充填材を構成する透明有
機樹脂の耐湿性がとりわけ優れておらず、例えば20年
の長期間の屋外暴露によって外部から水分の侵入が起き
る。この場合、充填材とこれに接触する光起電力素子の
透明電極との界面で剥離が生じ、また光起電力素子の内
部の透明電極や半導体光活性層にあるピンホール中に水
分が拡散する結果、半導体光活性層もしくはその下に位
置する下部電極の腐食を誘発する恐れがある。
【0008】また、上記侵入した水分と光起電力素子の
電界との作用により、透明電極の表面に形成された集電
電極の構成材料である金属が、イオン化と析出を繰り返
して半導体の欠陥部等で成長する反応が起きることがあ
る。そしてこの反応がさらに進行すると光起電力素子内
における短絡が発生して、光起電力素子において分離し
た電荷を効率よく外部に取り出すことができなくなると
いう問題が報告されている。
【0009】上記に挙げた問題はいずれも太陽電池モジ
ュールの変換効率の低下を起こす重大な故障モードであ
る。そしてこの問題はモジュールの環境湿度がより高い
地域ほど顕著な問題となる。
【0010】更に、一般的に、太陽電池モジュールの変
換効率は、集電電極による透明電極の遮光部分が少ない
ほど好ましい。即ち、集電電極の断面で言えば、幅が狭
く、高さのある集電電極が望ましい。ところがこのよう
な集電電極の形態においては、均一に被覆することは難
しく、電極上部は被覆材の厚さが極端に薄くなるため上
記問題が発生しやすい。また電極が高くなるために、電
極上部での耐擦傷性の問題、すなわち引っかきに対して
弱いという問題が生ずる。
【0011】例えば特開平3−6867号公報には、電
極形成面上に線状の金属体を導電性接着剤を介して固定
する、光発電素子の電極構造が開示されている。ところ
がこの公報によれば、幅が狭く、高さのある電極が形成
でき、電極における電力損失を減少することができるも
のの、防湿性あるいは耐擦傷性については何等記述され
ていない。
【0012】一方、充填材としてEVAを用いた場合に
は吸湿性を0.4%程度と他の充填材料に較ベて低く抑
えることができる。ところがEVAは透湿性が高いた
め、高湿下で使用した場合には比較的容易に水分が半導
体光活性層にまで透過するため、太陽電池モジュールの
変換効率が低下することが知られている。更に、充填材
にブチラール樹脂を用いた場合には、これ自体の吸湿性
が比較的高いため、光起電力素子の欠陥部分に水分が侵
入し易い。また、ブチラール樹脂は高温高湿下で、透明
性が大きく低下する失透と呼ばれる欠点がある。
【0013】また例えば特開昭60−164348号公
報には、電気絶縁性のガラス状防湿被膜を基材フィルム
の片面に蒸着した耐熱性フィルムを含んでなる太陽電池
モジュールの裏面保護シートが開示されている。また上
記のガラス状防湿性皮膜を酸化珪素を主成分として構成
し、このガラス状防湿皮膜の内面に更に充填シートを積
層することも開示されている。ところがこの公報は裏面
保護に関するもので、表面保護層として用いる場合にお
ける開示がない。そしてこの公報の裏面保護シートを表
面被覆材に適用した場合には、蒸着処理を施した上記の
基材フィルムが公報に開示されている二軸延伸ポリエチ
レンテレフタレートでは耐候性に問題があり、耐候性を
改善するための手段が何等が開示されていない。更に、
充填材として公報に開示されているEVA、ポリビニル
ブチラール等を用いると、吸湿性が高く、長期間の高湿
下では充填材に水分が飽和状態で吸湿することから、防
湿層の効果が乏しくなるという欠点がある。加えて、一
旦吸湿した水分が低い透湿性のため逆に脱湿しにくいと
いった問題も有している。
【0014】更に特開平2−187077号公報には、
透明高分子製の基板と、この基板の片面に形成された二
酸化珪素の薄膜と、この薄膜の形成面側と反対側に形成
された透明な導電膜と、この導電膜状に形成された非晶
質シリコン系半導体層と、この非晶質シリコン半導体上
に形成された背面電極層とからなる、可撓性の光起電力
素子が開示されている。この公報では上記の透明高分子
として、ポリエチレンテレフタレートあるいはポリナフ
タレートフィルム等が材料として記載されている。とこ
ろが、これらの材料に蒸着膜を設けたものは、防湿性は
期待できるものの、耐候性が不十分である。即ちこれら
の材料では、一般的には、1年の屋外暴露で黄変あるは
樹脂の崩壊が生じ、表面被覆として機能しないことが報
告されている。
【0015】また特開昭63−177576号公報に
は、光入射側に構成されている表面保護材をダイヤモン
ド薄膜で構成した、非晶質薄膜太陽電池モジュールが開
示されている。ところが、この公報に記載されているダ
イヤモンド薄膜の形成方法はプラズマCVD法である
が、この方法では厚さはせいぜい数ミクロンが限界であ
り、この程度の膜厚では耐擦傷性が不十分である。また
集電電極が高い場合にはこの集電電極の側面にピンホー
ルがなく均一にダイヤモンド薄膜を成膜するのは困難と
考えられ、このため防湿性にも問題がある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記の防湿性、吸湿性
あるいは耐擦傷性の問題は、最表面をガラスで被覆する
ことにより改善でき、そのためガラスによる太陽電池の
被覆はこれまで数多く行われてきた。しかしながら、ガ
ラスによる被覆は、フレキシブル性、耐衝撃性、軽量
化、並びに低コスト化等の多くの点において問題があ
る。
【0017】そこで本発明は、以上の課題を解決するた
め、光起電力素子との密着性が良好で、耐擦傷性に優
れ、また透湿による光起電力素子の長期的な性能劣化を
最小限に抑えることができる太陽電池モジュールの表面
被覆材を提供するとともに、このような表面被覆材の形
成を簡略で自動化を容易に行うことができる太陽電池モ
ジュールの製造方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記課題を解
決するために鋭意研究開発を重ねた結果、次のような太
陽電池モジュールが最良であることを見出だした。即ち
本発明の太陽電池モジュールは、光変換部材として少な
くとも半導体光活性層を一層有し集電電極が形成された
光起電力素子と、少なくとも一層の表面被覆材と、を有
する太陽電池モジュールにおいて、前記表面被覆材が塗
布により前記光起電力素子上の全面に形成された膜であ
り、前記集電電極上の表面被覆材の厚みが集電電極間の
表面被覆材の厚みの50%以上であり、前記光起電力素
子の裏面に絶縁性のフィルム及び補強材を有することを
特徴とする。
【0019】また前記集電電極が100μm以上の高さ
を有すること、前記表面被覆材の溶剤膨潤度が5%以下
であること、あるいは前記集電電極の上面が半田で被覆
されていることが、それぞれ好ましい。
【0020】更に太陽電池モジュールの製造方法として
は、次の方法が優れていることも明らかになった。即ち
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、光変換部材
として、少なくとも半導体光活性層を一層有し集電電極
が形成された光起電力素子と、少なくとも一層の表面被
覆材と、を有する太陽電池モジュールの製造方法におい
て、前記表面被覆材を前記光起電力素子上の全面にカー
テンコーター法により塗布して形成した後に、裏面補強
材、充填材、裏面絶縁フィルム、充填材、前記光起電力
素子、充填材、表面フィルムの順に積層し、ラミネート
することを特徴とする。
【0021】
【作用】上記のように、光変換部材として、少なくとも
半導体光活性層を一層有し、集電電極が形成された光起
電力素子、および表面被覆材を少なくとも一層有する太
陽電池モジュールにおいて、前記集電電極上の表面被覆
材の厚みが集電電極間の表面被覆材の厚みの50%以上
である構成の本発明の太陽電池モジュールによれば、以
下の作用・効果が期待できる。
【0022】(1)光起電力素子を構成する半導体光活
性層内部における水分による短絡を防ぐことができる。
【0023】(2)特に、短絡が生じ易い集電電極上を
表面被覆材が厚く被覆しているため、半導体光活性層の
短絡が効果的に防止できる。
【0024】(3)UL規格(1703)で規定されて
いるスクラッチ試験における傷付き防止になり得る程度
の、耐擦傷性に優れた被覆が得られる。
【0025】(4)上記のように耐湿性、耐擦傷性に優
れているため、表面被覆材を形成後において、保管条件
に注意を払う必要がない。
【0026】また、光変換部材として、少なくとも半導
体光活性層を一層有し、集電電極が形成された光起電力
素子、および表面被覆材を少なくとも一層有する太陽電
池モジュールの製造方法において、前記表面被覆材をカ
ーテンコーター法により形成するようにした本発明の太
陽電池モジュール製造方法によれば、以下の作用・効果
が期待できる。
【0027】(6)表面被覆材形成の際に用いる塗料の
利用効率が優れている。一般にスプレー法ではせいぜい
利用効率は70%が限界であるが、カーテンコーター法
では利用効率が95%以上である。
【0028】(7)表面被覆材形成のための厚膜の塗装
が容易に行える。この場合、塗装形成のための塗料とし
ては、高固形分の塗料を使用することが好ましい。
【0029】(8)塗料の利用効率の高さ、あるいは高
固形分の塗料使用により、塗料に含まれる有機溶剤の大
気中への排出量が抑制できる。
【0030】(実施態様例)図1に本発明の太陽電池モ
ジュールの概略構成図を示す。この太陽電池モジュール
は、導電性基体101、光起電力素子102、表面被覆
材103、充填材104、106、107、108、最
表面に位置する表面フィルム105、裏面フィルム10
7、補強材109、集電電極110から構成される。こ
の太陽電池モジュールでは、外部からの光は表面フイル
ム105から入射して光起電力素子102に到達する。
また光起電力素子102において発生した起電力は、集
電電極110および図示しない出力端子から外部に取り
出される。
【0031】(光起電力素子)本発明において使用され
る光起電力素子102は、少なくとも導電性基体上に、
光変換部材としての半導体光活性層が形成されたもので
ある。この光起電力素子102の一例を図2は示した通
りで、導電性基体201、反射層202、半導体光活性
層203、透明導電層204、集電電極205等から構
成される。
【0032】上記の導電性基体201は、光起電力素子
の基体になると同時に、下部電極としての役割も果た
す。導電性基体201の材料としては、シリコン、タン
タル、モリブデン、タングステン、ステンレス、アルミ
ニウム、銅、チタン、カーボンシート、鉛メッキ鋼板、
導電層が形成してある樹脂フィルムやセラミックス等が
用いられる。この導電性基体201上には、反射層20
2として、金属層、金属酸化物層、あるいは金属層と金
属酸化物層とを形成してもよい。金属層としては、例え
ば、Ti、Cr、Mo、W、Al、Ag、Ni等が用い
られる。また金属酸化物層には、例えば、ZnO、Ti
2 、SnO2 等が用いられる。これら金属層や金属酸
化物層の形成方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビー
ム蒸着法、スパッタリング法等が用いられる。
【0033】半導体光活性層203は光電変換を行う部
分である。半導体光活性層203に使用される具体的な
材料としては、pn接合型多結晶シリコン、pin接合
型アモルファスシリコン、あるいはCuInSe2 、C
uInS2 、GaAs、CdS/Cu2 S、CdS/C
dTe、CdS/InP、CdTe/Cu2 Teをはじ
めとする化合物半導体やそれらの組み合わせ等が挙げら
れる。またこの半導体光活性層203の形成方法として
は、多結晶シリコンの場合は溶融シリコンのシート化か
非晶質シリコンの熱処理が、アモルファスシリコンの場
合はシランガス等を原料とするプラズマCVDが、化合
物半導体の場合はイオンプレーティング、イオンビーム
デポジション、真空蒸着法、スパッタ法、あるいは電析
法等が、それぞれ用いられる。
【0034】透明導電層204は太陽電池の上部電極の
役目を果たしている。透明導電層204に用いられ材料
としては、例えば、In2 3 、SnO2 、In2 3
−SnO2 (ITO)、ZnO、TiO2 、Cd2 Sn
4 、高濃度不純物ドープした結晶性半導体層等があ
る。また形成方法としては抵抗加熱蒸着法、スパッタ
法、スプレー法、CVD法、不純物拡散法等が用いられ
る。
【0035】透明導電層204の上には電流を効率よく
集電するために、格子状の集電電極(グリッド)205
を設ける構成としてもよい。集電電極205の具体的な
材料としては、例えば、Ti、Cr、Mo、W、Al、
Ag、Ni、Cu、Sn、あるいは銀ペーストをはじめ
とする導電性ペースト等が挙げられる。また集電電極2
05の形成方法としては、マスクパターンを用いたスパ
ッタリング、抵抗加熱、CVD法、全面に金属膜を蒸着
した後で不必要な部分をエッチングで取り除きパターニ
ングする方法、光CVDにより直接グリッド電極パター
ンを形成する方法、グリッド電極パターンのネガパター
ンのマスクを形成した後にメッキする方法、導電性ペー
ストを印刷する方法等がある。導電性ペーストは、通常
微粉末状の銀、金、銅、ニッケル、カーボン等をバイン
ダーポリマーに分散させたものが用いられる。バインダ
ーポリマーとしては、例えば、ポリエステル、エポキ
シ、アクリル、アルキド、ポリビニルアセテート、ゴ
ム、ウレタン、フェノール等の樹脂が挙げられる。上記
いずれの方法も本発明に適用できるが、太陽電池モジュ
ールの変換効率を考えると、集電電極による遮光部分が
少ないほど好ましく、即ち集電電極の断面で言えば、幅
が狭く、高さのある電極が望ましい。
【0036】本発明で好適に用いられる集電電極は、そ
の幅が100〜800μmであり、また高さが100〜
400μmのものである。集電電極の幅が100μm未
満の場合には、細線が途中で切れたり、光起電力素子と
の密着力が減少し剥離が生じたりする。また集電電極の
幅が800μmより大きい場合には、遮光部分が増えて
太陽電池モジュールの変換効率が低下する。一方、集電
電極はその高さが高いほど断面積が増して、太陽電池モ
ジュールの直列抵抗が減少するので好ましい。実際には
100μm以上が好ましく、また上限は400μmであ
り、400μmより高い集電電極を形成するには単純に
集電電極の幅を広げる方法しかない。
【0037】本発明の太陽電池モジュールでは、集電効
率を向上するために、集電電極の上面を半田で被覆する
ことが好ましい。つまり太陽電池の効率を向上させるた
めには、集電電極の遮光性から発生する遮光ロスを低減
することが有効である。このため、ポリマー型導電ぺ一
ストの印刷等により集電電極を形成する際に、集電電極
を細線化することが行われる。ところがこのように集電
電極の細線化を行った場合、印刷むら等の増大によって
見かけ上の体積抵抗率がさらに悪くなる。そこで本発明
では、上記ポリマー型導電ぺ一ストの上に、より体積抵
抗率の低い半田を肉盛りすることで、この欠点を改善す
るようにした。そしてこのように半田を肉盛りすれば、
集電電極の低抵抗化が図れると同時に、半田のプリッジ
性による印刷むらから生じる見かけ上の体積抵抗率の上
昇を抑えられる。またポリマー型導電ペースト上を半田
が覆うことで、湿気や酸素の侵入が防止され、ペースト
の耐湿性や耐久性を向上させることもできる。
【0038】上記のように半田をポリマー型導電ぺース
ト上に均一に載せるには、溶融半田にディッピングする
方法、スクリーン版で印刷する方法等がある。
【0039】(カーテンコーター法)本発明のもう一つ
の特徴は、上記表面被覆材の形成を、以下に詳しく説明
するカーテンコーター法で行うことである。
【0040】カーテンコーター法は、流し塗りの一種で
あり、図4に示した通り、塗布する塗料404の粘度を
利用して狭いスリット405から一定幅にカーテン状に
落下させた塗料404を、その下を直交するようにコン
ベアベルト407により搬送された被塗物406の上に
敷くように塗布するものである。塗布された被塗装物4
06は、乾燥機409により乾燥される。塗料404
は、塗料供給口401からフィルター402を介して供
給され、また被塗物406が通らない時はカーテンの下
に置かれた塗料捕獲槽408に流れ落ち、塗料容器に回
収され、ポンプ410で循環されて所定量が溜められ
る。溜められた塗料404の上部には空気403があ
る。
【0041】この方法の特徴として、塗料が循環使用さ
れるために塗料損失が非常に少ないこと、コンベアー速
度が60〜100m/minの高速塗布が可能であるこ
と、更に形成された塗膜の仕上がりがよいこと、等が挙
げられる。そしてこのカーテンコーター法を光起電力素
子における表面被覆材の形成に適用した場合には、集電
電極の上部および近傍にも厚膜を形成することが可能
で、しかも集電電極間上の表面被覆材の厚みを過剰に設
けることが不要となる。
【0042】次に、本発明で好適に使用される各被覆材
について説明する。 (表面フィルム)表面フィルムは、透光性、耐候性があ
り、汚れが付着しにくいことが要求される。材料として
は、ポリエチレンテトラフルオロエチレン(ETF
E)、ポリ3フッ化エチレン、ポリフッ化ビニル等のフ
ッ素樹脂フィルムがある。また充填材との接着面に、充
填材が接着しやすいようにコロナ放電処理してもよい。
更に、一般に、フッ素樹脂は耐候性に較ベて耐熱性が若
干劣ると予想できるため、酸化防止剤を添加してもよい
よい。
【0043】(表面被覆材)表面被覆材は光起電力素子
を有機材料もしくは無機材料で被覆するもので、また場
合によっては表面フィルムとの接着を確保するために必
要である。表面被覆材に要求される特性としては光起電
力素子との密着力、低い透湿性、光透過性等が挙げられ
る。また、表面フィルムに保護される構成の系の場合で
も、耐候性もある程度必要である。これらの要求を満た
すため、表面被覆材の材料としては、アクリルシリコ
ン、シリコン、アクリル等の有機樹脂あるいは金属酸化
物等の無機材料が好ましい。
【0044】表面被覆材の樹脂を保護するため、更に内
部層を保護するために添加される紫外線吸収剤として
は、例えば、ベンゾトリアゾール系の化合物が用いられ
るが、太陽電池モジュールの使用環境を考慮して、低揮
発性の紫外線吸収剤を用いることが好ましい。紫外線吸
収剤の他に光安定化剤も同時に添加すれば、光に対して
より安定な表面被覆材料となる。
【0045】また表面被覆材は、十分に架橋されている
ことが望ましい。架橋することにより、耐候性、耐擦傷
性、防湿性、密着性等の物性が向上する。架橋方法とし
ては例えば、ポリウレタン系の架橋剤を加えた後、高温
加熟あるいは放射線、紫外線を照射して架橋させる。
【0046】本発明では特に材料に関して限定はない
が、表面被覆材の構造は防湿性に大きく関与するところ
であり、集電電極上の厚みが集電電極間上の厚みの50
%以上であることが必要である。50%未満の場合に
は、集電電極近傍の防湿性が期待できず、光起電力素子
内部の電気的短絡を生じやすい。また、防湿性を改善す
るために、集電電極間上も含めて厚塗りを行うと、光起
電力素子表面との密着力が低下したり、場合によって
は、太陽電池モジュール全体が大きくカールする問題も
発生する。あるいは、厚膜のために、近紫外線の波長の
光を若干吸収し、光起電力素子ヘの照度が低下する問題
も生ずる。
【0047】更に、防湿性を十分発揮するためには、表
面被覆材が架橋されていることが好ましい。架橋密度を
厳密に測定することは煩雑なため、本発明では表面被覆
材の溶剤による膨潤度に注目した。そして、膨潤度につ
いて検討した結果、5%以下であることが好ましいこと
が明らかになった。尚、溶剤による膨潤度の測定方法と
しては、ガラス基板上に設けた所望の表面被覆材を25
℃で1日間浸漬し、紙ウエス等で軽く表面被覆材表面に
付着した液滴を拭き取り、溶剤の吸収量を秤量した。そ
して乾燥時の表面被覆材の全量に対する溶剤の吸着量の
割合(百分率)が、溶剤による膨潤度である。
【0048】(充填材)充填材に要求される特性として
は、耐候性、熱可塑性、熱接着性、光透過性等が挙げら
れる。材料としては、EVA(酢酸ビニル−エチレン共
重合体)、ブチラール樹脂、シリコン樹脂、エポキシ樹
脂、フッ素化ポリイミド樹脂等の透明な樹脂を使用す
る。この充填材に架橋剤を添加することにより、架橋す
ることも可能である。また光劣化を抑制するために、紫
外線吸収剤が含有することが望ましい。
【0049】(裏面フィルム)裏面フィルムは、太陽電
池素子の導電性基板と外部の間、または場合によって使
用する補強材との間の電気的絶縁を保つために用いられ
る。充填材だけでも絶縁性はあるが、厚さにばらつきが
あるため、膜厚の薄い部分あるいはピンホール部分にお
いては、太陽電池素子と外部、あるいは補強材とのショ
ートが発生する恐れがある。裏面フィルムはこのような
ショートを防止するための安全策として使用される。
【0050】材料としては、導電性基板と充分な電気絶
縁性を確保でき、しかも長期耐久性に優れ、熱膨張、熱
収縮に耐えられる、柔軟性を兼ね備えた材料が好まし
い。好適に用いられる材料としては、ナイロン、ポリエ
チレンテレフタレート(PET)等がある。
【0051】(補強材)裏面フィルムの外側には、太陽
電池モジュールの機械的強度を増すために、あるいは、
温度変化による歪、ソリを防止するために、補強板を張
り付けてもよい。要求される品質は、耐候性、剛性が挙
げられる。このため補強材としては、例えば、塗装亜鉛
鋼板のような絶縁処理した金属、カーボンファイバー、
FRP(ガラス繊維強化プラスチック)、セラミック、
ガラス等が用いられる。
【0052】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明を詳細に説明す
る。 (実施例1)まず、アモルファスシリコン(a−Si)
系太陽電池(光起電力素子)を製作した。この作製手順
を図2を用いて説明する。
【0053】洗浄したステンレス基板201上に、スパ
ッタ法で裏面反射層202としてAl層(膜厚5000
Å)とZnO層(膜厚5000Å)を順次形成する。次
いで、プラズマCVD法により、SiH4 とPH3 とH
2 の混合ガスからn型a−Si層を、またSiH4 とH
2 の混合ガスからi型a−Si層を、更にSiH4 とB
3 とH2 の混合ガスからp型微結晶μc−Si層をそ
れぞれ形成し、n層膜厚150Å/i層膜厚4000Å
/p層膜厚100Å/n層膜厚100Å/i層膜厚80
0Å/p層膜厚100Åの層構成である、タンデム型a
−Si系光電変換半導体層203を形成した。次に、透
明導電層204として、In2 3 薄膜(膜厚700
Å)をO2 雰囲気下でInを抵抗加熱法で蒸着すること
によって形成した。
【0054】更に、集電用のグリッド電極(集電電極)
205を、以下の手順により形成した。まず上記で得た
光起電力素子の透明導電層204に、ポリマー型銀メッ
キ銅ペーストからなる導電ペーストをスクリーン印刷機
によってパターン印刷をおこない、これを200℃±2
0℃に調整されたIR加熱炉により5分間の加熱を行っ
た。次に同じくスクリーン印刷機で上記の導電ペースト
上にクリーム半田を印刷し、250℃±10℃に調整さ
れたリフローオーブンによりこのクリーム半田を加熱溶
融させた。そしてクリーム半田に含まれているフラック
スを洗浄するため、イオン交換樹脂により余分なイオン
を取り除いた純水を用いたシャワーに光起電力素子ごと
5分間投入し、また約80℃に調整された温風を光起電
力素子の電極面に当てて、5分程度乾燥させた。
【0055】最後に、マイナス側端子として銅タブをス
テンレス基板にステンレス半田を用いて取付けた。また
集電電極205にプラス側端子として錫箔のテープを導
電性接着剤にて取り付けて図示しない出力端子とし、図
2に示した通りの光起電力素子を得た。
【0056】次に、この光起電力素子に被覆を施して太
陽電池モジュールとする過程を、図3を用いて説明す
る。
【0057】上記で作製した光起電力素子302の受光
面に、表面被覆材304としてアクリルシリコン樹脂塗
料をカーテンコーター(由利ロール機械社製)によって
70μm程度塗布した。塗料の粘度は3000cpsで
あった。この後、オーブンにて170℃の雰囲気中で2
0分加熱して塗料を硬化させ、硬化後の膜厚を50μm
とした。この時、集電電極303上の塗料の膜厚は25
μmであった。次に補強材308、充填材305、裏面
フィルム307、充填材305、下面に導電性基体30
1を配し上面には集電電極と表面被覆材304を設けた
光起電力素子302、充填材305、表面フィルム30
6の順に積層しラミネートした。尚、補強材308には
亜鉛塗装鋼板(大同鋼板社製、商品名:タイマカラーG
L、0.27mm厚)を、充填材305にはEVA(エ
チレン−酢酸ビニル共重合ポリマー耐候性グレード、M
obay社製、460μm厚)を、裏面フィルム307
にはナイロン(Dupont社製、商品名:ダーテッ
ク、75μm厚)を、また表面フィルム306にはET
FE(エチレンテトラフルオロエチレン、旭硝子社製、
商品名:アフレックス、50μm厚)を、それぞれ使用
した。
【0058】最後に、出力端子取り付け部のマスクを取
り去り、出力端子309を取り付けた。図示はしない
が、プラス側端子はマイナス側とショートしないよう、
プラス電極から取り出されている。
【0059】上記方法にて作製した太陽電池モジュール
について、以下の(1)〜(6)の項目についてそれぞ
れ評価を行った。 (1)太陽電池モジュールの実効変換効率 (2)耐候性 サンシャインウェザーメーターに太陽電池モジュールを
投入し、光照射と降雨サイクルによって促進耐候性試験
を行い、5000時間後の外観上の変化及び太陽電池性
能(変換効率の相対低下率)を評価した。 (3)温度サイクル −40℃/1時間、90℃/1時間の温度サイクル試験
を50サイクル行い、試験後の太陽電池モジュールの外
観上の変化を観察した。 (4)温湿度サイクル −40℃/1時間、85℃/85%RH/4時間の温湿
度サイクル試験を20サイクル行い、試験後の太陽電池
モジュールの外観上の変化を観察した。 (5)耐湿性 85℃/85%RHの雰囲気中に太陽電池モジュールを
置き、ソーラーシミュレーターで受光面に疑似太陽光を
照射して、50時間後の太陽電池モジュールの性能を変
換効率の相対低下率で評価した。 (6)耐擦傷性試験 外部からの引っかきに対する表面被覆材の保護能力が、
充分であるか否かを試験する「引っかき試験」(UL規
格)である。この試験は、図5に示したように鋼鉄製の
刃501を持った試験機を、速度152.4mm/秒
で、907gの荷重を加えながら、太陽電池表面を動か
すものである。図において、Aは149mm、Bは16
8mm、Cは0.64mm(刃501の厚さ)であり、
点Qに作用する力は907gである。
【0060】この試験の合格判定としては、その後に高
圧絶縁破壊試験を行い、その太陽電池モジュールにリー
ク電流が、一定値以上流れなければ合格とした。この
「引っかき試験」は、本発明の太陽電池モジュールの中
で、最も段差のある集電電極部の横断で行った。
【0061】上記の高圧絶縁破壊試験は、次のように行
った。まず、「引っかき試験」を行った太陽電池モジュ
ールの陽極と陰極を短絡する。そして、「引っかき試
験」で引っかいた箇所を、電気伝導度が3500Ω・c
m以上の溶液(界面活性剤、商品名:トリトンX−10
0 0.1%含有液)で濡らした指で10秒程こすった
後、その溶液中に引っかき部が沈むようにサンプルを浸
す。その際に、サンプルの短絡部分と溶液がショートし
ないよう注意した。溶液中に電源の陰極を漬け、サンプ
ルの短絡部分に電源の陽極をつないだ。そして電源より
2000Vの電圧をかけた場合において、0.5μA以
上の電流が流れなかった場合を合格とする。表1に、合
格した場合を○、不合格の場合を×として示した。更
に、再現性に乏しい場合は○〜×とした。
【0062】(実施例2)実施例1において、表面被覆
材としてのアクリルシリコン樹脂塗料の塗布方法を、エ
アレススプレー(供給エアー圧:2kg/cm2 、圧力
倍率:30倍、岩田塗装機工業社製)塗布で行った以外
は、全く同様にして太陽電池モジュールを作製した。
【0063】このときのスプレー塗布は2回塗りで行
い、1回目に50μm程度塗布した後、10分間放置
し、オーブンにて170℃の雰囲気中で10分加熱して
塗料を半硬化させた。更に2回目50μm程度を塗布し
た後、10分間放置し、オーブンにて170℃の雰囲気
中で20分加熱して塗料を硬化させ、硬化後の塗布総膜
厚を50μmとした。集電電極上の塗膜は25μm厚で
あった。また、塗料の粘度は3000cpsであった。
【0064】(実施例3)実施例1において、集電用の
グリッド電極を形成するときに、銀ペーストをスクリ−
ン印刷し硬化させた以外は全く同様にして太陽電池モジ
ュールを作製した。
【0065】(実施例4)実施例1において、表面被覆
材に三フッ化塩化エチレン−ビニル共重合体硬化剤:メ
ラニン)を用い、オーブンにて180℃の雰囲気中で1
0分間加熱して、塗料を硬化させた以外は全く同様にし
て太陽電池モジュールを作製した。この時、塗膜は50
μm厚、集電電極上は25μm厚、硬化させた塗膜の膨
潤度は10%であった。
【0066】(比較例1)実施例1において、表面被覆
材の硬化後の総膜厚を50μmとし、集電電極上の塗膜
厚を20μmとした。それ以外は、実施例1と全く同様
にして太陽電池モジュールを作製した。この時、塗料の
粘度は300cpsであった。
【0067】(比較例2)実施例1において、表面被覆
材としてのアクリルシリコン樹脂塗料の塗布方法をエア
レススプレー塗布で行い、表面被覆材の硬化後の総膜厚
を50μmとし、集電電極上の塗膜厚を20μmとし
た。それ以外は、実施例1と全く同様にして太陽電池モ
ジュールを作製した。この時、塗料の粘度は300cp
sであった。
【0068】(比較試験の結果および考察)上記した実
施例と比較例における太陽電池モジュールの評価結果
を、表1にそれぞれ示す。
【0069】
【表1】 表1から明らかなように、集電電極上の表面被覆材の厚
みが、集電電極間の表面被覆材の厚みの50%以上の被
覆を施した太陽電池モジュールは、耐候性・耐湿性、耐
擦傷性に優れており、屋外での過酷な条件での使用を想
定した耐候性テストや耐湿性テストで優れており、また
変換効率の相対低下率を低くおさえることができた。ま
た、これらの太陽電池モジュールでは、段差の大きい部
分の凸部上を表面被覆材が厚く覆っているので、耐擦傷
性においても影響が小さくなっていることがわかる。更
に、集電電極の上部および近傍に厚膜を形成しているに
もかかわらず、温度サイクル、温湿度サイクルテストに
おいて外観上特に変化がない。このため、密着力低下の
心配はないと考えられる。
【0070】また実施例1と実施例2との比較により、
実施例2の変換効率の相対低下率が大きいのは、硬化時
の集電電極近傍の発泡が原因であると思われる。
【0071】更に実施例1と実施例3との比較により、
集電電極部を半田で覆うことにより、耐湿性が向上して
いることが明らかとなった。
【0072】また、実施例1と実施例4との比較によ
り、表面被覆材をより膨潤度を低く(即ち架橋密度を高
く)することにより、湿度の影響が低く、耐擦傷性も向
上していることが判った。
【0073】一方、従来のエアレススプレーによる塗布
と比較して、カーテンコーター法では塗布後に10分放
置して抱き込んだエアを逃がす処理が不要であり、この
ためより迅速に製造工程を進めることができ、形成方法
が簡単で自動化に適している。またこの時、塗布時の抱
き込みエアがないことから、硬化時において、従来法が
集電電極近傍で若干発泡があるのに対し、乾燥時の発泡
は皆無である。更に、塗料の利用効率が高く、高速塗
装、厚膜塗布が容易で、排出有機溶剤量を抑制できる。
【0074】尚、本発明は以上の実施例に何等限定され
るものではなく、その要旨の範囲内で種々変更すること
ができるは言うまでもない。
【0075】
【発明の効果】本発明によれば、太陽電池モジュールに
おいて、表面被覆材が塗布により光起電力素子上の全面
に形成された膜であり、かつ集電電極上の表面被覆材の
厚みを集電電極間の表面被覆材の厚みの50%以上とす
ることで、湿度の影響による半導体光活性層の短絡を効
果的に防止し、変換効率の低下を極めて低く抑えること
ができる。また、段差の大きい部分の凸部上を表面被覆
材が厚く覆っているので、耐擦傷性においても効果が大
きい。
【0076】また、本発明の太陽電池モジュールの製造
方法において、カーテンコーター法により塗布によって
表面被覆材を形成することで、次のような効果が得られ
る。 (1)塗布時の抱き込みエアがないので、塗布後の放置
が不要で、より迅速に製造工程を進めることができる。 (2)塗布時の抱き込みエアがないので、乾燥時の発泡
を完全になくすことができ、耐湿性向上を図ることがで
きる。 (3)塗料が循環使用されるため、利用効率が高い。 (4)コンベア搬送で塗布するため、高速塗装が可能で
ある。 (5)光起電力素子に塗布した時に、集電電極の上部お
よび近傍に、厚膜を形成することが可能である。 (6)利用効率の高さと、高固形分の塗料の使用が相ま
って、排出有機溶剤量を抑制できるため、作業者の健康
ヘの悪影響や大気の汚染を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の太陽電池モジュールの概念構成の説明
図である。
【図2】本発明の太陽電池モジュールを構成する光起電
力素子の概念構成の説明図である。
【図3】本発明の実施例1の太陽電池モジュールの概念
構成の説明図である。
【図4】カーテンコーター法の説明図である。
【図5】引っかき試験に用いた試験機を示した説明図で
ある。
【図6】従来例の太陽電池モジュールの概念構成図の説
明図である。
【符号の説明】
101,201,301 導電性基体、 102,302,603 光起電力素子、 103,304 表面被覆材、 104,106,108,305,602 充填材、 105,306,601 表面フィルム、 107,307,604 裏面フィルム、 109,308 補強材、 110,205,303 集電電極、 202 反射層、 203 半導体光活性層、 204 透明導電層、 309 出力端子、 401 塗料補給口、 402 フィルター、 403 空気、 404 塗料、 405 スリット、 406 塗被物、 407 コンベアベルト、 408 塗料捕獲槽、 409 乾燥機、 410 ポンプ、 501 刃。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 聡 東京都大田区下丸子3丁目30番2号キヤ ノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平3−283472(JP,A) 特開 平5−102511(JP,A) 特開 昭58−23486(JP,A) 特開 昭58−188168(JP,A) 特開 平2−123771(JP,A) 特開 平4−343481(JP,A) 実開 平2−52460(JP,U) 実開 平2−2852(JP,U) 米国特許4773944(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/078

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光変換部材として少なくとも半導体光活
    性層を一層有し集電電極が形成された光起電力素子と、
    少なくとも一層の表面被覆材と、を有する太陽電池モジ
    ュールにおいて、前記表面被覆材が塗布により前記光起
    電力素子上の全面に形成された膜であり、前記集電電極
    上の表面被覆材の厚みが集電電極間の表面被覆材の厚み
    の50%以上であり、前記光起電力素子の裏面に絶縁性
    のフィルム及び補強材を有することを特徴とする太陽電
    池モジュール。
  2. 【請求項2】 前記集電電極が100μm以上の高さを
    有することを特徴とする請求項1記載の太陽電池モジュ
    ール。
  3. 【請求項3】 前記表面被覆材の溶剤膨潤度が5%以下
    であることを特徴とする請求項1または2に記載の太陽
    電池モジュール。
  4. 【請求項4】 前記集電電極の上面が半田で被覆されて
    いることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に
    記載の太陽電池モジュール。
  5. 【請求項5】 光変換部材として、少なくとも半導体光
    活性層を一層有し集電電極が形成された光起電力素子
    と、少なくとも一層の表面被覆材と、を有する太陽電池
    モジュールの製造方法において、前記表面被覆材を前記
    光起電力素子上の全面にカーテンコーター法により塗布
    して形成した後に、裏面補強材、充填材、裏面絶縁フィ
    ルム、充填材、前記光起電力素子、充填材、表面フィル
    ムの順に積層し、ラミネートすることを特徴とする太陽
    電池モジュールの製造方法。
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